特許第6626797号(P6626797)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6626797
(24)【登録日】2019年12月6日
(45)【発行日】2019年12月25日
(54)【発明の名称】蒸気注入ガスタービン及びその制御方法
(51)【国際特許分類】
   F23R 3/00 20060101AFI20191216BHJP
   F23R 3/34 20060101ALI20191216BHJP
   F23R 3/28 20060101ALI20191216BHJP
   F02C 9/40 20060101ALI20191216BHJP
   F02C 3/30 20060101ALI20191216BHJP
   F01K 23/10 20060101ALI20191216BHJP
【FI】
   F23R3/00 A
   F23R3/34
   F23R3/28 D
   F02C9/40 A
   F02C3/30 C
   F01K23/10 X
【請求項の数】9
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2016-149236(P2016-149236)
(22)【出願日】2016年7月29日
(65)【公開番号】特開2018-17480(P2018-17480A)
(43)【公開日】2018年2月1日
【審査請求日】2018年10月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】514030104
【氏名又は名称】三菱日立パワーシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001829
【氏名又は名称】特許業務法人開知国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小金沢 知己
【審査官】 北村 亮
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−173572(JP,A)
【文献】 特開昭63−205424(JP,A)
【文献】 特表2002−538345(JP,A)
【文献】 特開2005−036766(JP,A)
【文献】 特公平07−030685(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F23R 3/00
F01K 23/10
F02C 3/30
F02C 9/40
F23R 3/28
F23R 3/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気を圧縮して高圧の燃焼用空気を生成する圧縮機と、
前記燃焼用空気と燃料を燃焼させて燃焼ガスを生成する燃焼器と、
前記燃焼器で生成された燃焼ガスで駆動するタービンとを備え、前記燃焼器に蒸気を注入する蒸気注入ガスタービンであって、
前記蒸気の注入系統は2系統に分岐されていて、
前記燃焼器における前記燃焼ガスの流れに対して火炎帯の上流側において、噴射した蒸気の大部分が前記燃焼用空気または前記燃料と混合する位置に前記蒸気を注入する第1の蒸気系統と、
前記燃焼器における前記燃焼ガスの流れに対して火炎帯の下流側において、噴射した蒸気の大部分が前記燃焼ガスと混合し、残りの一部分の前記蒸気が前記燃焼ガスの流れに対して火炎帯の上流側において、前記燃焼用空気と混合する位置に蒸気を注入する第2の蒸気系統と、
前記第1の蒸気系統の蒸気流量と前記第2の蒸気系統の蒸気流量とを個別に制御可能な流量制御機構と、
蒸気注入開始時に前記燃焼器内に流入するドレン水の量を検出するドレン量検出手段とを備え、
前記ドレン量検出手段は、前記燃焼器のメタル温度を計測するメタル温度計測手段と、前記メタル温度計測手段が計測した前記燃焼器のメタル温度を基に前記ドレン水の量を演算する演算部とを備え、
前記流量制御機構は、前記ドレン量検出手段が検出した前記ドレン水の量の信号を基に、前記2系統の蒸気流量を制御する
ことを特徴とする蒸気注入ガスタービン。
【請求項2】
請求項1に記載の蒸気注入ガスタービンにおいて、
前記流量制御機構は、前記燃焼器への蒸気注入開始時には、前記第2の蒸気系統の蒸気を注入し、前記ドレン量検出手段の検出したドレン水の量が無くなったことを確認した後に、前記第1の蒸気系統の蒸気を注入開始する
ことを特徴とする蒸気注入ガスタービン。
【請求項3】
請求項1または2に記載の蒸気注入ガスタービンにおいて、
前記燃焼器は、前記第1の蒸気系統からの第1の蒸気を噴射する複数の蒸気ノズルと、
前記複数の蒸気ノズルのそれぞれと連通する蒸気ヘッダと、
前記蒸気ヘッダの最下部と連通する水噴霧ノズルとを備え、
前記水噴霧ノズルの出口は、前記燃焼用空気の流れにおいて火炎帯よりも上流側の位置に開口している
ことを特徴とする蒸気注入ガスタービン。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の蒸気注入ガスタービンにおいて、
前記燃焼器は、前記燃焼用空気と前記燃料を燃焼させる燃焼室を形成する燃焼器ライナと、前記燃焼器ライナの中に前記燃料を噴射するバーナとを備え、
前記ドレン量検出手段の前記メタル温度計測手段は、前記バーナのメタル温度と前記燃焼器ライナのメタル温度の少なくとも1つのメタル温度を計測する
ことを特徴とする蒸気注入ガスタービン。
【請求項5】
請求項3に記載の蒸気注入ガスタービンにおいて、
記燃焼器は、前記燃焼用空気と前記燃料を燃焼させる燃焼室を形成する燃焼器ライナと、前記燃焼器ライナの中に前記燃料を噴射するバーナとを備え、
前記ドレン量検出手段の前記メタル温度計測手段は、前記バーナのメタル温度と前記燃焼器ライナのメタル温度と前記水噴霧ノズルのメタル温度の少なくとも1つのメタル温度を計測する
ことを特徴とする蒸気注入ガスタービン。
【請求項6】
請求項乃至のいずれか1項に記載の蒸気注入ガスタービンにおいて、
前記ドレン量検出手段は、注入する前記蒸気の飽和温度を算出する飽和蒸気温度演算部を備え、
前記飽和蒸気温度演算部が算出した前記蒸気の飽和温度と前記メタル温度を基に前記ドレン水の量を演算する演算部を備えた
ことを特徴とする蒸気注入ガスタービン。
【請求項7】
請求項に記載の蒸気注入ガスタービンにおいて、
前記ドレン量検出手段は、蒸気注入する直前の前記メタル温度を記憶する信号保持記憶部を備え、
前記信号保持記憶部が記憶したメタル温度と、前記蒸気の飽和温度と前記メタル温度を基に前記ドレン水の量を演算する演算部を備えた
ことを特徴とする蒸気注入ガスタービン。
【請求項8】
請求項1乃至のいずれか1項に記載の蒸気注入ガスタービンにおいて、
前記第1の蒸気系統または前記第2の蒸気系統の蒸気注入開始からの時間を計測するタイマー演算部を備え、
前記タイマー演算部からの信号および前記ドレン量検出手段からの信号に基づいて、前記2系統の蒸気流量を制御する
ことを特徴とする蒸気注入ガスタービン。
【請求項9】
空気を圧縮して高圧の燃焼用空気を生成する圧縮機と、
前記燃焼用空気と燃料を燃焼させて燃焼ガスを生成する燃焼器と、
前記燃焼器で生成された燃焼ガスで駆動するタービンと、
前記燃焼器における前記燃焼ガスの流れに対して火炎帯の上流側において、噴射した蒸気の大部分が前記燃焼用空気または前記燃料と混合する位置に前記蒸気を注入する第1の蒸気系統と、
前記燃焼器における前記燃焼ガスの流れに対して火炎帯の下流側において、噴射した蒸気の大部分が前記燃焼ガスと混合し、残りの一部分の前記蒸気が前記燃焼ガスの流れに対して火炎帯の上流側において、前記燃焼用空気と混合する位置に蒸気を注入する第2の蒸気系統と、
前記第1の蒸気系統の蒸気流量と前記第2の蒸気系統の蒸気流量とを個別に制御可能な流量制御機構と、
蒸気注入開始時に前記燃焼器内に流入するドレン水の量を検出するドレン量検出手段とを備えた蒸気注入ガスタービンの制御方法であって、
前記ドレン量検出手段は、前記燃焼器のメタル温度を計測するメタル温度計測手段と、前記メタル温度計測手段が計測した前記燃焼器のメタル温度を基に前記ドレン水の量を演算する演算部とを備え、
前記流量制御機構は、前記燃焼器への蒸気注入開始時には、前記第2の蒸気系統の蒸気を注入する手順と、
前記ドレン量検出手段の検出したドレン水の量が無くなったことを確認した後に、前記第1の蒸気系統の蒸気を少量注入開始する手順と、
前記第1の蒸気系統の蒸気の注入開始後に、前記ドレン量検出手段の検出したドレン水の量の信号を基に、前記第1の蒸気系統の蒸気流量の制御を開始する手順とを備えた
ことを特徴とする蒸気注入ガスタービンの制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蒸気注入ガスタービンに係り、更に詳しくは、ガスタービンの排熱から生成した蒸気の一部をガスタービンに注入する蒸気注入ガスタービン及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ガスタービンから排出されるNOxの低減方法として、ガスタービンの排ガスの熱エネルギで蒸気を生成し、生成した蒸気を燃焼器に注入することで火炎温度を低下させ、サーマルNOxの生成を抑制する方法がある。また、ガスタービンの出力を増加させることを目的として、生成した蒸気を燃焼器に注入するシステムがある。
【0003】
特許文献1には、燃焼器への蒸気注入系統を2系統備え、燃焼器における燃焼ガスの流れに対して火炎帯の上流側に蒸気を注入する第1蒸気系統と、火炎帯の下流側に蒸気を注入する第2蒸気系統とを備え、燃料の流量及び組成に応じて第1蒸気系統の蒸気流量を制御し、蒸気消費設備で必要な蒸気要求流量に応じて第2蒸気系統の蒸気流量を制御する蒸気注入ガスタービンの発明が開示されている。
【0004】
この蒸気注入ガスタービンにおいては、第1蒸気系統の蒸気注入が上述したNOx低減効果を奏し、第2蒸気系統の蒸気注入が出力増加の効果を奏する。しかし、このような蒸気注入ガスタービンの起動時には、蒸気注入が開始された直後に低温の蒸気配管系統で、蒸気が凝縮されてドレン水になる場合がある。このドレン水が蒸気噴射ノズルから火炎中に噴出すると、燃焼の安定性を損ねる可能性が生じる。
【0005】
特許文献2には、発電プラントの起動時において、蒸気噴射配管系統内に発生するドレンを積極的に排除し、安定した燃焼運転特性が得られるようにした複合サイクル発電プラントにおける蒸気噴射系統の制御方法及びその装置を提供することを目的として、ガスタービン装置の起動に先立って、別置の補助ボイラの蒸気を供給することで蒸気配管系統を暖機しつつ、ドレン水を補助蒸気の圧力で系外へ排出する発明が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2014−173572号公報
【特許文献2】特公平7−30685号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述したように、従来の蒸気注入ガスタービンにおいて、起動時の発生ドレン水を系外へ排出する方法を採用すると、蒸気注入系統の暖機が完了するまでの間は、注入した蒸気がドレン水となって排出される。このことにより、火炎帯に蒸気が供給されないので、低NOx効果が小さくなる。また、排出されたドレン水を処理するための設備が別途必要となることも、課題として挙げられる。
【0008】
本発明は、上述した事柄に基づいてなされたものであって、その目的は、起動時にも低NOx化が可能となり、ドレン水処理設備を小型化できる蒸気注入ガスタービンおよびその制御方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、例えば特許請求の範囲に記載の構成を採用する。本願は、上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、空気を圧縮して高圧の燃焼用空気を生成する圧縮機と、前記燃焼用空気と燃料を燃焼させて燃焼ガスを生成する燃焼器と、前記燃焼器で生成された燃焼ガスで駆動するタービンとを備え、前記燃焼器に蒸気を注入する蒸気注入ガスタービンであって、前記蒸気の注入系統は2系統に分岐されていて、前記燃焼器における前記燃焼ガスの流れに対して火炎帯の上流側において、噴射した蒸気の大部分が前記燃焼用空気または前記燃料と混合する位置に前記蒸気を注入する第1の蒸気系統と、前記燃焼器における前記燃焼ガスの流れに対して火炎帯の下流側において、噴射した蒸気の大部分が前記燃焼ガスと混合し、残りの一部分の前記蒸気が前記燃焼ガスの流れに対して火炎帯の上流側において、前記燃焼用空気と混合する位置に蒸気を注入する第2の蒸気系統と、前記第1の蒸気系統の蒸気流量と前記第2の蒸気系統の蒸気流量とを個別に制御可能な流量制御機構と、蒸気注入開始時に前記燃焼器内に流入するドレン水の量を検出するドレン量検出手段とを備え、前記ドレン量検出手段は、前記燃焼器のメタル温度を計測するメタル温度計測手段と、前記メタル温度計測手段が計測した前記燃焼器のメタル温度を基に前記ドレン水の量を演算する演算部とを備え、前記流量制御機構は、前記ドレン量検出手段が検出した前記ドレン水の量の信号を基に、前記2系統の蒸気流量を制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、蒸気注入ガスタービンの起動時に、燃焼の安定性を維持しつつ低NOx化を図ることができる。また、ドレン水処理設備を小型化できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の蒸気注入ガスタービン及びその制御方法の第1の実施の形態を用いた熱電可変型コジェネレーションシステムの全体構成の一例を示すシステムフロー図である。
図2】本発明の蒸気注入ガスタービン及びその制御方法の第1の実施の形態における起動時のバーナメタル温度の挙動を示す特性図である。
図3】本発明の蒸気注入ガスタービン及びその制御方法の第1の実施の形態における起動時のドレン検出回路の一例を示すブロック図である。
図4】本発明の蒸気注入ガスタービン及びその制御方法の第1の実施の形態を構成する制御器の構成内容を示すブロック図である。
図5】本発明の蒸気注入ガスタービン及びその制御方法の第1の実施の形態を構成する第1の蒸気流量指令演算部における燃料流量に対する第1蒸気量の出力特性を示す特性図である。
図6】本発明の蒸気注入ガスタービン及びその制御方法の第1の実施の形態を構成する第1の蒸気流量指令演算部におけるIGV開度に対する第1蒸気量の出力特性を示す特性図である。
図7】本発明の蒸気注入ガスタービン及びその制御方法の第1の実施の形態を構成する第1の蒸気流量指令演算部における回転数に対する第1蒸気量の出力特性を示す特性図である。
図8】本発明の蒸気注入ガスタービン及びその制御方法の第1の実施の形態を構成する第1の蒸気流量指令演算部における第2蒸気量に対する第1蒸気量の出力特性を示す特性図である。
図9】本発明の蒸気注入ガスタービン及びその制御方法の第1の実施の形態を構成する第2の蒸気流量指令演算部における蒸気圧力に対する第2蒸気量の出力特性を示す特性図である。
図10】本発明の蒸気注入ガスタービン及びその制御方法の第1の実施の形態を構成する第2の蒸気流量指令演算部における圧力比に対する第2蒸気量の出力特性を示す特性図である。
図11】本発明の蒸気注入ガスタービン及びその制御方法の第2の実施の形態の構成の一例を示すシステムフロー図である。
図12】本発明の蒸気注入ガスタービン及びその制御方法の第3の実施の形態の構成の一例を示すシステムフロー図である。
図13】本発明の蒸気注入ガスタービン及びその制御方法の第4の実施の形態の構成の一例を示すシステムフロー図である。
図14】本発明の蒸気注入ガスタービン及びその制御方法の第4の実施の形態の構成の他の例を示すシステムフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の蒸気注入ガスタービン及びその制御方法の実施の形態を図面を用いて説明する。
【実施例1】
【0013】
図1は、本発明の蒸気注入ガスタービン及びその制御方法の第1の実施の形態を用いた熱電可変型コジェネレーションシステムの全体構成の一例を示すシステムフロー図である。図1に示すように、熱電可変型コジェネレーションシステムは、主として、蒸気注入ガスタービン4と排熱回収ボイラ5と蒸気系統300とから構成されている。
【0014】
このうち、蒸気注入ガスタービン4は、主として、空気100を圧縮して高圧の燃焼用空気101を生成する圧縮機1と、この圧縮機1から導入される燃焼用空気101と燃料系統200からの燃料201とを燃焼させて燃焼ガス106を生成する複数の燃焼器2と、この燃焼器2で生成された燃焼ガス106が導入されるタービン3とから構成されている。
【0015】
タービン3は、ガスジェネレータ3aとパワータービン3bとに分かれていて、ガスジェネレータ3aは軸21aによって圧縮機1と連結し、圧縮機1を駆動する。一方、パワータービン3bは軸21bによって発電機20と連結し、発電機20を駆動する。
【0016】
燃焼器2は、燃焼器ケーシング7および燃焼器カバー8内に格納されている。燃焼器ケーシング7はタービンケーシング23に取付けられている。燃焼器2の上流端の中央には、燃料ノズル9が挿入されていて、その下流には未燃の空気と既燃の燃焼ガスを隔てる概略円筒状の燃焼器ライナ10が配置されている。また、燃焼器ライナ10の外周側にはライナフロースリーブ11が設けられている。ライナフロースリーブ11は概略円筒状で、燃焼器ライナ10と概略同軸となるように燃焼器ケーシング7に締結されている。
【0017】
燃焼器ライナ10の下流には、燃焼ガスをタービン3へと導く尾筒12が設けられている。燃焼器ライナ10の下流端は、尾筒12の上流端に差し込まれている。尾筒12の外側には尾筒フロースリーブ13が設けられている。ライナフロースリーブ11の下流端は、尾筒フロースリーブ13の上流端に差し込まれている。
【0018】
燃料ノズル9の軸中心の下流端には、メタル温度を検出する熱電対27が設けられている。熱電対27が検出したメタル温度信号は、後述する制御器400に入力される。
【0019】
圧縮機1の入口には、その開度を調整することで、空気100の吸込み流量を調整する入口案内翼(IGV)が設けられている。入口案内翼(IGV)にはその開度を検出する開度検出器19が設けられている。開度検出器19が検出した信号は、後述する制御器400に入力される。
【0020】
圧縮機1から出た高圧の燃焼用空気101は、タービンケーシング23内の空間から、尾筒12と尾筒フロースリーブ13の間の空間にタービン側(下流側)の開口部から流入する。そして、燃焼器ライナ側(上流側)へ流れる際に尾筒12を外側から冷却する。その後、燃焼器ライナ10とライナフロースリーブ11の間の概略円環状の空間を通って、燃焼器上流側へ向かって流れる。その際、燃焼器ライナ10を外側から冷却する。
【0021】
また、一部の空気(102)はライナ冷却空気として、燃焼器ライナ10に設けられた冷却孔から燃焼器ライナ10内へ流入し、フィルム冷却に使用される。別の一部の空気(103)は希釈空気として、燃焼器ライナ10に設けられた複数の希釈孔14から燃焼器ライナ10内へ流入し、燃焼ガス105と混合して尾筒12内へと流入する。
【0022】
さらに、別の一部の空気(110)は2次燃焼空気として、燃焼器ライナ10に設けられた複数の燃焼孔30から燃焼器ライナ10内へ流入し、燃焼空気104で燃焼しきれなかった燃料と共に燃焼に使用される。
【0023】
残りの空気(104)は燃焼空気として、燃料ノズル9の外周に設けた旋回器17から燃焼器ライナ10内に流入し、燃料ノズル9から噴出される燃料とともに燃焼に使用される。このとき燃料流量が多い場合は、噴出された燃料の全てが燃焼空気104では燃焼しきれないので、下流側で上述した2次燃焼空気110とともに燃焼する。
【0024】
そして高温の燃焼ガス105となり、さらにライナ冷却空気102及び希釈空気103と混合して、燃焼ガス106となってタービン3へと送られる。燃焼ガス106はタービン3のガスジェネレータ3aを駆動した後に、ガスジェネレータ排気ガス107として、パワータービン3bへと送られる。パワータービン3bを出た低圧のタービン排ガス108は、排熱回収ボイラ5で熱回収された後、排気ガス109として排気される。
【0025】
ここで、圧縮機1には、吸込み空気圧力と吐出空気圧力の差圧(圧力比)を検出する差圧検出器465と吐出空気圧力を検出する圧力検出器462と圧縮機の回転数を検出する圧縮機回転数検出器22とが設けられている。差圧検出器465と圧力検出器462と圧縮機回転数検出器22とが検出した各種信号は、後述する制御器400に入力される。
【0026】
ガスタービンの燃料系統200には、燃料流量調整弁202と、燃料201の流量を検出する燃料流量計203が設けられていて、燃料流量を調整することで蒸気注入ガスタービン4の発電出力を調整できる。なお、燃料流量計203が検出した信号は、後述する制御器400に入力される。
【0027】
次に、蒸気系統について説明する。
排熱回収ボイラ5は、給水加熱器24、ボイラ25、蒸気過熱器26から構成され、発生した蒸気は、蒸気供給系統300を介して蒸気消費設備6で消費される。蒸気消費設備6としては、工場などの熱源を必要とする設備が考えられる。蒸気消費設備6へ蒸気を供給するためのプロセス蒸気配管303には、プロセス蒸気流量調節弁313が設けられていて、送気蒸気量を制御している。
【0028】
排熱回収ボイラ5から発生した蒸気の圧力を検出する蒸気圧力計305と蒸気の温度を検出する蒸気温度計306が、排熱回収ボイラ5からの主配管に設けられている。また、排熱回収ボイラ5で発生させた蒸気を必要に応じて大気に放出するために、蒸気放出系統304が設けられている。蒸気放出系統304の配管には、蒸気放出弁314が設けられていて、放出蒸気量を制御している。蒸気圧力計305と蒸気温度計306とが検出した各種信号は、後述する制御器400に入力される。
【0029】
一方、排熱回収ボイラ5で発生した蒸気量が蒸気消費設備6で必要な蒸気量を上回った場合、余剰の蒸気は蒸気注入ガスタービン4に注入することができる。本実施の形態においては、燃焼器2へ蒸気を注入している。このように余剰の蒸気をガスタービンに注入して、発電機20の出力を増加させることで熱電比を可変とするのが、熱電可変コジェネレーションシステムである。
【0030】
本発明の蒸気注入ガスタービン及びその制御方法の第1の実施の形態においては、この注入蒸気系統を第1の蒸気系統301と、第2の蒸気系統302の2系統に分けている。また、それぞれの系統には、第1蒸気流量調節弁311と第2蒸気流量調節弁312が設けられ、各流量が調節できるようになっている。第1蒸気流量調節弁311と第2蒸気流量調節弁312とには、後述する制御器400からそれぞれ開度指令が出力されている。
【0031】
第1の蒸気系統301は、一端側を蒸気供給系統300に接続し、他端側を燃焼器カバー8に設けられた蒸気フランジ351に接続した蒸気配管321を備え、蒸気配管321に第1蒸気流量調節弁311が設けられている。第1の蒸気系統301の内部を通過する第1の蒸気331は、燃焼器カバー8に設けられた蒸気ノズル352から燃焼器2の内部へ噴射される。
【0032】
第1の蒸気331の噴射位置は、燃焼ガス105の流れに対して火炎帯の上流側であって、噴射した蒸気の大部分が燃焼空気104または燃料201と混合する位置になっている。より具体的には、燃焼器ライナ10の外側であって、燃焼器ケーシング7と燃焼器カバー8と燃焼器ライナ10で囲まれた空間に噴射されている。
【0033】
この位置における燃焼空気104は、高圧の燃焼用空気101がライナ冷却空気102や希釈空気103と分岐した後の空気であり、大部分が燃料との燃焼に消費されるため、この位置で燃焼空気104に混合された第1の蒸気331は火炎帯の温度を下げる効果が大きく、低NOx化に寄与する度合いが大きい。
【0034】
第2の蒸気系統302は、一端側を蒸気供給系統300に接続し、他端側を燃焼器ケーシング7に設けられた蒸気注入ポート15に接続した蒸気配管322を備え、蒸気配管322に第2蒸気流量調節弁312が設けられている。第2の蒸気系統302の内部を通過する第2の蒸気332は、まず、燃焼器ケーシング7とライナフロースルーブ11の間の概略円環状の空間を流れる。この空間とタービンケーシング23内の空間は、隔壁18によって隔てられている。このことによって、燃焼器に流入した蒸気とタービンケーシング23内の圧縮空気の混合が抑制されている。また、蒸気がライナフロースリーブ11の外周側で周方向の全域に流れる。そのため、燃焼器ケーシング71つに対して、蒸気注入ポート15が1箇所であっても、燃焼器周方向の湿分の均一化を図ることができる。
【0035】
ライナフロースリーブ11には、蒸気注入孔16が周方向に複数個設けられている。また、これらのうちの全部または一部は、燃焼器ライナ10に設けられた希釈孔14の全部または一部と対向している。このうち希釈孔14と対向している蒸気注入孔16を通過した蒸気は、その大部分が希釈孔14を通って燃焼器ライナ10の内部に流入する。したがって、第2の蒸気332の大部分である332aは燃焼ガスの流れに対して火炎帯の下流側において、燃焼ガスと燃焼後に混合する。
【0036】
噴射した蒸気は燃焼後の燃焼ガス105や希釈空気103と混合するため、火炎帯へは直接影響を及ぼさない。したがって、燃焼の安定性に影響することなく、燃焼器2へ余剰蒸気を噴射して出力を増加させることができる。また、この噴射位置は、タービンよりも上流側であるため、蒸気の持つエネルギをタービン3にて有効に動力に変換できる。
【0037】
また、燃焼ガス105がタービンへ流入する際には蒸気と混合して温度が低下するため、同じ出力であれば尾筒12やタービン3のメタル温度を下げることができて、信頼性や寿命が向上する。また、蒸気混合分の燃料流量を増加させることができるため、同じタービン流入温度であれば、蒸気が混合した分、出力や効率を向上させることができる。
【0038】
次に、本発明の蒸気注入ガスタービン及びその制御方法の第1の実施の形態における蒸気流量の制御方法について図2および図3を用いて説明する。図2は本発明の蒸気注入ガスタービン及びその制御方法の第1の実施の形態における起動時のバーナメタル温度の挙動を示す特性図、図3は本発明の蒸気注入ガスタービン及びその制御方法の第1の実施の形態における起動時のドレン検出回路の一例を示すブロック図である。
【0039】
まず、2段階でドレン量を検出しながら行う2つの蒸気系統の暖機に伴う蒸気流量の制御方法について説明し、その後、ドレンの排出が完了した後の蒸気流量の制御方法を説明する。
蒸気注入ガスタービン4が起動して、図1に示すタービン排ガス108が排熱回収ボイラ5に送られると、蒸気が発生し始める。蒸気圧力計305の検出する圧力が予め定めた圧力よりも大きくなると、まず、第2の蒸気系統302の第2蒸気流量調節弁312を開動作させて、燃焼器2への蒸気注入を開始する。また、蒸気消費設備6へのプロセス蒸気流量調節弁313を開動作させて、蒸気消費設備6への送気を開始する。送気が開始されると、蒸気圧力計305の検出する圧力が低下する。
【0040】
この蒸気圧力を所定の圧力に維持しようとして、ガスタービン負荷指令値または回転数指令値が大きくなり、燃料流量調整弁202がさらに開く。こうして、蒸気圧力を一定にすることを制御目標にして燃料流量を制御する場合には、熱電可変型コジェネレーションシステムにおける熱優先の蒸気制御となる。この場合、発電量20は変化するため、電力消費量との差分は電力系統からの送電量にて調節することになる。
【0041】
一方、熱電可変型コジェネレーションシステムが電力系統に接続していない場合など、熱よりも電力の制御を優先する場合には、電力要求指令値が大きくなった場合に燃料流量が増加して、蒸気圧力が高くなる。蒸気圧力が高くなると、蒸気消費設備6で使用できる最大蒸気量も大きくなる。なお、ここでは、燃焼器2への蒸気注入開始の信号として、蒸気圧力を一例として説明したが、これに限るものではない。例えば、予め設定した燃料流量,発電量,圧縮機回転数などを利用してもよい。
【0042】
ところで、燃焼器2への蒸気注入開始時には、第2の蒸気配管322の温度が低いため、蒸気の熱が奪われて、一部の蒸気が第2の蒸気配管322内でドレン水となる。発生したドレン水は蒸気注入ポート15から燃焼器内に流入し、蒸気や空気の流れに乗って流れ、燃焼器ライナ10の外壁面や燃料ノズル9の壁面に付着する。ドレン水が付着すると燃焼器ライナ10や燃料ノズル9のメタル温度が低下する。本実施の形態においては、燃料ノズルメタル温度検出手段として、燃料ノズル9の軸中心下流端に熱電対27を設置してバーナメタル温度を計測している。
【0043】
このような起動時のメタル温度の挙動について説明する。図2において、横軸は時間を示し、縦軸はバーナメタル温度を示している。時刻t0は起動時を示し、時刻t1は蒸気注入を開始した時刻を示す。図2に示すように、起動にしたがって燃焼器2への蒸気注入が無い状態でも、バーナメタル温度Tは時間とともに上昇する傾向がある。
【0044】
時刻t1において、バーナメタル温度TがT1のときに蒸気注入を開始すると、ドレン水がバーナ9に付着することでバーナメタル温度Tは低下し、T1から飽和温度であるT0になる。
【0045】
時刻t1の後、しばらくの間時刻t2まで、バーナメタル温度TはT0で推移するが、時刻t2以降バーナメタル温度Tは再び上昇を始める。これは、第2の蒸気配管322の温度が上昇してドレン水の流入が少なくなることと、最初に流入したドレン水が流下したり、蒸発したりして、燃料ノズル9からドレン水が無くなったためである。したがって、バーナメタル温度Tの計測によってドレン水の有無を検出できる。
【0046】
このような起動時のドレン検出回路の一例を図3を用いて説明する。このドレン検出回路450は、本実施の形態においては、制御器400に含まれる1つの回路である。上述したバーナメタル温度からドレン水が無くなったことを判定し、次の蒸気注入の開始を許可する信号(第1の蒸気系統301の第1蒸気流量調節弁311を開動作させて、燃焼器2への蒸気注入の開始を許可する信号)を出力するための回路である。
【0047】
図3に示すように、ドレン検出回路450は、信号保持演算部451と、飽和蒸気温度演算部452と、ドレン検出演算部453と、タイマー演算部454と、論理積演算部455とを備えている。また、ドレン検出回路450は、蒸気注入を開始したときに1となる蒸気注入開始信号461と、熱電対27が検出したバーナメタル温度信号と、圧力検出器462が検出した圧縮機の空気圧力信号と、蒸気圧力計305が検出した蒸気圧力信号と、空気流量信号463と、蒸気流量信号464とが入力されている。また、ドレン検出回路450からは、次の操作許可信号476である蒸気注入の開始を許可する信号を制御器400の他の回路へ出力している。
【0048】
信号保持演算部451は、蒸気注入開始信号461とバーナメタル温度信号とを入力し、蒸気注入開始時点でのバーナメタル温度信号を保持する。この保持した蒸気注入開始時のバーナメタル温度信号471をドレン検出演算部453へ出力する。このバーナメタル温度信号471は、図2における時刻t1のときのバーナメタル温度T1に相当する。
【0049】
飽和蒸気温度演算部452は、空気圧力信号と、蒸気圧力信号と、空気流量信号463と、蒸気流量信号464とを入力し、これらから飽和蒸気温度信号472を演算して、ドレン検出演算部453へ出力する。この飽和蒸気温度信号472は、図2におけるバーナメタル温度T0に相当する。ここで、空気流量信号463は、例えば制御器400において、圧縮機回転数検出器22が検出した圧縮機回転数信号と、開度検出器19が検出した入口案内翼(IGV)の開度信号等から算出できる。また、蒸気流量信号464は、後述する制御器400で算出される第1および第2の蒸気流量値411,412を用いてもよい。
【0050】
ドレン検出演算部453は、熱電対27が検出したバーナメタル温度信号(図2に示すT)と、信号保持演算部451からの蒸気注入開始時のバーナメタル温度信号471(図2に示すT1)と、飽和蒸気温度演算部452からの飽和蒸気温度信号472(図2に示すT0)とを入力し、ドレン量を算出し、ドレン水がなくなったと判定した場合にドレン非検出信号474を1の信号として論理積演算部455へ出力する。
【0051】
ドレン検出演算部453は、図2に示すように、まず、蒸気注入開始時のバーナメタル温度T1から飽和蒸気温度T0を減算してΔTを算出する。そして、このΔTに対する、現在のバーナメタル温度Tから飽和蒸気温度T0を減算した温度差の割合を演算し、この割合が予め定めた閾値473を超えたときに、ドレン非検出信号474を1として、ドレン水がなくなったと判定している。本実施の形態においては、この閾値473を0.8としている。このことにより、図2に示すように時刻t3までは、ドレン量大としてドレン非検出信号474を0出力し、時刻t3経過後にドレン水が検出されないとしてドレン非検出信号474を1出力する。
【0052】
タイマー演算部454は、蒸気注入開始信号461を入力し、予め設定された時間が経過したならば1の所定時間経過信号475を論理積演算部455へ出力する。タイマー演算部454を設けた理由は以下による。上述したドレン水によるバーナメタル温度の低下は、1度に限らず複数回断続的に発生することが予測される。これは、一度ドレン水が排出された低温の配管途中に再びドレン水が溜まり始め、それが蒸気の流れに押し出される場合などに起こり得る。
【0053】
この場合、バーナメタル温度が一度再上昇したタイミングをもってドレン水が無くなったと判断して、第1の蒸気系統への蒸気注入を開始したにも関わらず、その後に再びドレン水が流入すると、燃焼の不安定を生じさせる可能性がある。そこで、本実施の形態においては、タイマー演算部454により、蒸気注入開始後一定時間は、ドレン水があり得るものと仮定してタイマー信号475を0出力としている。
【0054】
論理積演算部455は、ドレン検出演算部453からのドレン非検出信号474と、タイマー演算部454からの所定時間経過信号475とを入力し、その論理積(AND)信号として、次の操作許可信号476を出力する。したがって、例えば、ドレン非検出信号474が1であった場合でも、タイマー演算部454からの所定時間経過信号がなければ、次の蒸気注入の開始を許可する信号476は出力されない。
【0055】
図1に戻り、本実施の形態における蒸気流量の制御方法について更に説明する。上述したドレン検出回路450の次の操作許可信号476の出力により、ドレン水が無くなったと判定し、次に第1の蒸気系統301の第1蒸気流量調節弁311を開く蒸気注入を開始する。
【0056】
流れ始めた第1の蒸気系統301の蒸気331は、まず蒸気ヘッダ350内に充満する。そして蒸気は蒸気ノズル352から燃焼器内に噴出し、燃焼空気104と混合して燃焼に用いられる。燃焼空気104に蒸気が混合することで火炎帯の局所的な温度が低下し、発生するNOxを低減することができる。
【0057】
一方、起動時には燃焼器カバー8の温度が低いため、蒸気の熱が奪われて、一部の蒸気が蒸気ヘッダ350内でドレン水となる。発生したドレン水は蒸気ヘッダ350の最下部に溜まり、蒸気の圧力によって蒸気ノズル352から燃焼器内へ流入して、燃料ノズル9の壁面に付着する。ドレン水が付着すると燃料ノズル9のバーナメタル温度が再び低下する。この時のバーナメタル温度の挙動は図2と同様であって、第1の蒸気配管321や蒸気ヘッダ350内の温度が上昇してドレン水の流入が少なくなることと、最初に流入したドレン水が流下したり、蒸発したりして、燃料ノズル9からドレン水が無くなると、バーナメタル温度は徐々に元の温度に上昇する。したがって、上述したドレン検出回路450により、同様にドレン水の有無を検出できる。なお、ドレン検出回路450のタイマー演算部454は、第1の蒸気系統301の蒸気331の注入開始をトリガとして実行する。
【0058】
ドレン水が検出されている(ドレン検出回路450からの次の操作許可信号476が0である)間においては、第1蒸気流量調節弁311の開度は、低NOx運用に必要な開度よりも小さく設定している。これは、多量のドレン水が流入することを防止して、燃焼の安定性を確保するためである。
【0059】
最後に、バーナメタル温度からドレン水が無くなったことを確認した後、第1の蒸気系統301の第1蒸気流量調節弁311を低NOx制御に必要な開度にして、NOx排出量を抑制する。この時は、第1の蒸気配管321や蒸気ヘッダ350内の温度は十分高くなっており、ドレン水の流入は無いので、第1の蒸気系統301で低NOx制御を行なっても、燃焼の安定性を損なうことがない。
【0060】
以上説明したように、初めに第2の蒸気系統302から注入を開始することで、燃焼安定性に影響の大きい第1の蒸気系統301からドレン水が流入することを防止できる。このことにより、蒸気注入開始時の燃焼の安定性を確保しつつ、第2の蒸気系統302の暖機が可能となる。次に、第1の蒸気系統301の流量を少量に設定して第1の蒸気系統301を暖機することにより、燃焼安定性を損なうことなく、第2の蒸気系統302から分岐した後の第1の蒸気系統301を暖機できる。以上の手段により、2段階でドレン量を検出しながら、2系統の蒸気系統の暖機が完了する。
【0061】
次に、ドレン水の排出が完了した後の蒸気流量の制御方法について図を用いて説明する。図4は本発明の蒸気注入ガスタービン及びその制御方法の第1の実施の形態を構成する制御器の処理内容を示すブロック図、図5は本発明の蒸気注入ガスタービン及びその制御方法の第1の実施の形態を構成する第1の蒸気流量指令演算部における燃料流量に対する第1蒸気量の出力特性を示す特性図、図6は本発明の蒸気注入ガスタービン及びその制御方法の第1の実施の形態を構成する第1の蒸気流量指令演算部におけるIGV開度に対する第1蒸気量の出力特性を示す特性図、図7は本発明の蒸気注入ガスタービン及びその制御方法の第1の実施の形態を構成する第1の蒸気流量指令演算部における回転数に対する第1蒸気量の出力特性を示す特性図、図8は本発明の蒸気注入ガスタービン及びその制御方法の第1の実施の形態を構成する第1の蒸気流量指令演算部における第2蒸気量に対する第1蒸気量の出力特性を示す特性図、図9は本発明の蒸気注入ガスタービン及びその制御方法の第1の実施の形態を構成する第2の蒸気流量指令演算部における蒸気圧力に対する第2蒸気量の出力特性を示す特性図、図10は本発明の蒸気注入ガスタービン及びその制御方法の第1の実施の形態を構成する第2の蒸気流量指令演算部における圧力比に対する第2蒸気量の出力特性を示す特性図である。
【0062】
図4に示すように制御器400は、第1の蒸気流量指令演算部401と、第1の蒸気流量調節弁開度指令演算部402と、第2の蒸気流量指令演算部403と、第2の蒸気流量調節弁開度指令演算部404とドレン検出回路450とを備えている。また、制御器400は、燃料流量計203が検出した燃料流量信号と開度検出器19が検出した入口案内翼(IGV)の開度信号と、圧縮機回転数検出器22が検出した圧縮機回転数信号と、蒸気温度計306が検出した蒸気温度信号と、蒸気圧力計306が検出した蒸気圧力信号と、差圧検出器465が検出した吸込み空気圧力と吐出空気圧力の差圧(圧力比)信号とが入力されている。また、制御器400からは、第1蒸気流量調節弁311へ開度指令421が、第2蒸気流量調節弁312へ開度指令422が、それぞれ出力されている。
【0063】
第1の蒸気流量指令演算部401は、燃料流量信号とIGV開度信号と圧縮機回転数信号とを入力し、これらの信号から第1の蒸気流量指令値信号411が算出される。より具体的には、燃料流量に対しては図5に示すように、燃料流量が大きくなると第1の蒸気流量が増加するように設定される。これにより、燃料流量が増加した際のNOx排出量の増加を抑制できる。
【0064】
また、IGV開度に対しては図6に示すように、IGV開度が大きくなると第1の蒸気流量が減少するように設定される。同様に、圧縮機回転数に対しては図7に示すように、回転数が大きくなると第1の蒸気流量が減少するように設定される。IGV開度あるいは回転数が大きくなると、燃焼空気が増加して燃焼が不安定になる可能性がある。それに対して、このように制御する事で、湿分を低下させて燃焼安定性を維持することができる。
【0065】
第1の蒸気流量指令演算部401は、上述したドレン検出回路450からの次の操作許可信号476と第2の蒸気流量指令演算部403からの第2の蒸気流量指令値信号412とを入力する。第2の蒸気流量指令値信号412と第1の蒸気流量指令値信号411との関係については後述する。
【0066】
第1の蒸気流量調節弁開度指令演算部402は、第1の蒸気流量指令演算部401からの第1の蒸気流量指令値411と蒸気温度信号と蒸気圧力信号とを入力し、第1蒸気流量調節弁311の開度指令信号421が算出される。蒸気温度信号と蒸気圧力信号とを演算に反映することで、蒸気の流量をさらに高精度に制御することができる。
【0067】
第2の蒸気流量指令演算部403は、蒸気圧力信号と圧力比信号とを入力し、これらの信号から第2の蒸気流量指令値信号412が算出される。より具体的には、蒸気圧力に対しては図9に示すように設定され、圧力比に対しては図10に示すように設定される。
【0068】
第2の蒸気流量調節弁開度指令演算部402は、第2の蒸気流量指令演算部403からの第2の蒸気流量指令値412と蒸気温度信号と蒸気圧力信号とを入力し、第2蒸気流量調節弁312の開度指令信号422が算出される。蒸気温度信号と蒸気圧力信号とを演算に反映することで、蒸気の流量をさらに高精度に制御することができる。
【0069】
第2の蒸気流量指令演算部403については、蒸気消費設備6で消費しきれない余剰の蒸気を蒸気注入ガスタービン4に注入して増出力を図るための制御方法を例に説明する。
第2の蒸気流量指令演算部403は、図9に示すように、蒸気圧力が高くなってあらかじめ定めた値に達した時に第2蒸気流量調節弁312の開動作を開始させて、その後、蒸気圧力305がほぼ一定となるように第2の蒸気流量指令値412を設定している。このことにより、燃料流量203が変化して排熱回収ボイラ5で発生する蒸気量が変化したり、蒸気消費設備6で使用される蒸気量が変化したりした場合であっても、蒸気圧力を一定に保つことができる。
【0070】
また、第2の蒸気流量指令演算部403は、図10に示すように圧力比を基に第2蒸気流量指令値412の最大値を制限している。このことにより、第2の蒸気流量が大きくなりすぎて蒸気注入ガスタービン4の圧力比が高くなり圧縮機サージマージンが小さくなりすぎることを防止できる。
【0071】
以上説明したように、本実施の形態によれば、蒸気消費設備6で必要な蒸気量が変化した場合であって、蒸気注入ガスタービン4に注入される蒸気量を変化させて熱電比可変の運用をおこなう際にも、安定した燃焼を維持しつつNOx排出量を最小限に抑えることができる。
【0072】
最後に、第2の蒸気流量を考慮した第1の蒸気流量の制御について説明する。図1に示す第2の蒸気332において、希釈孔14から燃焼器ライナ10内へ流入する大部分の蒸気332a以外の第2の蒸気の一部(322b)は、2次燃焼空気110および燃焼空気104に混合して燃焼に用いられることでNOx排出量低減に寄与する。その際、第2の蒸気332の流量が増減すると、大部分の蒸気332aと、低NOx化に寄与する一部の蒸気332bの流量比、およびそれぞれの流量が増減する。
【0073】
本実施の形態においては、低NOx化に寄与する第2の蒸気332bの流量が増減しても、火炎の燃焼安定性と低NOx性能を両立させるために、図4に示す第1の蒸気流量指令演算部401に第2の蒸気流量指令値412の信号を入力し、図8に示すように第2蒸気の流量指令値に基づいて第1蒸気の流量指令値を制御している。
【0074】
具体的には、第2の蒸気流量指令値の増加にともない、第1の蒸気流量指令値を徐々に低下させ、第2の蒸気流量指令値が過大のときには、第1の蒸気流量指令値を0とする。このことにより、燃焼空気104および2次燃焼空気110に含まれる湿分が適切になるように制御される。この制御により、第2の蒸気流量が増減した場合でも、低NOxかつ安定な燃焼を維持することができる。また、制限値以内であれば、第2の蒸気流量の増減と独立して燃料流量や空気流量の変化に応じて、上述したように低NOx燃焼を維持できる。
【0075】
さらに、蒸気消費設備6での熱の需要が大きくなって、第2の蒸気流量が小さくなった場合でも、第1の蒸気が燃焼空気104に混入するので、第2の蒸気だけで低NOx化を図る場合に比べて、低NOx化に必要な蒸気量を減らすことができるため、より多くの熱需要に応えることができる。
【0076】
以上説明したように、本実施の形態によれば、蒸気の消費量が小さいときに、NOx排出量抑制を兼ねて、燃焼器に余剰蒸気を注入して発電量を増加させる熱電可変型コジェネレーションシステムにおいて、第2の蒸気の一部を燃焼空気に混合して低NOx化を図った場合でも、燃料流量、空気流量、第2の蒸気流量の変化に対して消炎することを防止でき、低NOxかつ安定な信頼性の高いガスタービンを供給できる。
【0077】
また、多量の余剰蒸気を燃焼器に注入することができ、熱電比の変化幅を大きくして、使い勝手を向上できる。逆に蒸気の消費量が大きく燃焼器に注入することができる蒸気が少量の時でも、NOx生成量への感度が大きい燃焼空気104に第1の蒸気を混合することができるので、低NOx効果を維持することができる。
【0078】
更に、高温のドレン水を系外へ排出した後に処理することと比較すると、高温水を処理するための設備を小さくできることに加え、ドレン水の持つ熱エネルギを内部で利用できるため、エネルギの節約にもなる。
【0079】
上述した本発明の蒸気注入ガスタービン及びその制御方法の第1の実施の形態によれば、蒸気注入ガスタービン4の起動時に、燃焼の安定性を維持しつつ低NOx化を図ることができる。また、ドレン水処理設備を小型化できる。
【実施例2】
【0080】
以下、本発明の蒸気注入ガスタービン及びその制御方法の第2の実施の形態を図面を用いて説明する。図11は本発明の蒸気注入ガスタービン及びその制御方法の第2の実施の形態の構成の一例を示すシステムフロー図である。図11において、図1乃至図10に示す符号と同符号のものは同一部分であるので、その詳細な説明は省略する。
【0081】
図11に示す本発明の蒸気注入ガスタービン及びその制御方法の第2の実施の形態は、大略第1の実施の形態と同様の機器で構成されるが、以下の構成が異なる。本実施の形態においては、蒸気ヘッダ350の最下部に蒸気ヘッダ350と連通するドレン水連通管353の一端側が接続されている。ドレン水連通管353の他端側の先端には水噴霧ノズル354が取り付けられている。水噴霧ノズル354は、燃焼器ライナ10とライナフロースリーブ11の間の環状空間に向けて開口している。
【0082】
本実施の形態においては、蒸気注入開始時に発生したドレン水は蒸気ヘッダ350の最下部に溜まり、蒸気の圧力によってドレン水連通管353を流れ、水噴霧ノズル354から微細な水滴となって噴出する。噴出位置が燃焼器ライナ10とライナフロースリーブ11の間の環状空間であるため、そこを流れる燃焼空気104と混合する過程で蒸発する。このことにより、燃焼器ライナ10内で燃焼に用いられる際には、火炎温度を低下させるので、NOx抑制に効果を発揮する。
【0083】
水噴霧ノズル354は蒸気ノズル352と異なり、水を微細な水滴にして噴霧することができる。そのため、ドレン水が蒸気ノズル352から噴出した場合と比較して蒸発が早くなり、ドレン水が液体のまま火炎に到達して燃焼安定性を損なう可能性を小さくできる。
【0084】
また、このことから、蒸気注入開始時の第1蒸気流量調節弁311の開度を、第1の実施の形態の場合よりも、大きく設定しても燃焼の安定性を損ねる可能性を小さくできる。この結果、ドレン水の排出が早くなるので、起動時間を短くすることができる。
【0085】
第1の実施の形態においては、ドレン量の検出手段としてバーナメタル温度を用いたが、本実施の形態においては、水噴霧ノズル354に熱電対を設けて、水噴霧ノズル354のメタル温度を使用することもできる。水噴霧ノズル354のメタル温度は、ドレン排出中はドレン水の飽和温度に近く、ドレン水が無くなると蒸気供給温度に近くなるため、第1の実施の形態において、バーナメタル温度を基に説明したドレン検出制御が、水噴霧ノズルのメタル温度を基にしても同様に行なえる。
【0086】
また、水噴霧ノズル354は、バーナよりも火炎から離れた位置にあるため、ドレン水による燃焼安定性を判定するためには、バーナメタル温度の方が適している。しかし、水噴霧ノズル354は直接高温の火炎にさらされることが無いため、ドレン量検出手段の寿命を延ばせる点においては、水噴霧ノズルメタル温度を利用する利点がある。
【0087】
上述した本発明の蒸気注入ガスタービン及びその制御方法の第2の実施の形態によれば、上述した第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0088】
また、上述した本発明の蒸気注入ガスタービン及びその制御方法の第2の実施の形態によれば、ドレン水連通管353と水噴霧ノズル354を設けたので、ドレン水の蒸発を早くさせることができる。このことにより、蒸気注入開始による燃焼安定性を損なう可能性を小さくすることができる。
【実施例3】
【0089】
以下、本発明の蒸気注入ガスタービン及びその制御方法の第3の実施の形態を図面を用いて説明する。図12は本発明の蒸気注入ガスタービン及びその制御方法の第3の実施の形態の構成の一例を示すシステムフロー図である。図12において、図1乃至図11に示す符号と同符号のものは同一部分であるので、その詳細な説明は省略する。
【0090】
図12に示す本発明の蒸気注入ガスタービン及びその制御方法の第3の実施の形態は、大略第1の実施の形態と同様の機器で構成されるが、以下の構成が異なる。本実施の形態においては、燃焼器ライナ10の外表面にライナメタル温度検出手段の一例として、熱電対28を設置している。設置位置はライナ希釈孔14の近傍が望ましい。
【0091】
上述したように、燃焼器2への蒸気注入開始時には、第2の蒸気配管322の温度が低いため発生したドレン水の一部は、燃焼器ライナ10外表面に付着する。また、残りの一部は蒸気や空気の流れに乗って流れ、燃料ノズル9の壁面に付着する。その際、ドレン水の発生量が少ないと、流下中にドレン水は蒸発してしまい、燃料ノズル9の軸中心の下流端に設置した熱電対27では、ドレン水を検出できないことが考えられる。この場合、燃料ノズル9までドレン水が到達していないと考えられるので、燃焼の安定性は確保されている。しかし、熱電対27に変化が生じないので、ドレン水が無くなったことの判定が難しいという問題がある。
【0092】
これに対して、本実施の形態においては、燃焼ライナ10の外表面にもライナメタル温度検出器としての熱電対28を設けて、バーナメタル温度と合わせて判定に用いることで、ドレン水の有無の検出精度を向上させている。例えば、ライナメタル温度とバーナメタル温度がともに低下している場合は、ドレン水が多量に混入していると判断できる。次に、ライナメタル温度のみが低下している場合は、第2の蒸気332にドレン水が混入しているものの、燃焼不安定が生じるほどではないと判断できる。最後に、ライナメタル温度とバーナメタル温度のどちらの温度も低下していない場合は、ドレン水が混入していないと判定できる。このように、ライナメタル温度とバーナメタル温度を組み合わせてドレン水の有無を判定することで、検出精度を高めることができる。また、第2の実施の形態で示した水噴霧ノズル354のメタル温度を、バーナメタル温度やライナメタル温度と組合せることでも、ドレン水の検出精度を高めることができる。
【0093】
上述した本発明の蒸気注入ガスタービン及びその制御方法の第3の実施の形態によれば、上述した第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0094】
また、上述した本発明の蒸気注入ガスタービン及びその制御方法の第3の実施の形態によれば、ライナメタル温度とバーナメタル温度を組み合わせてドレン水の有無を判定するので、ドレン水の検出精度を高めることができる。
【実施例4】
【0095】
以下、本発明の蒸気注入ガスタービン及びその制御方法の第4の実施の形態を図面を用いて説明する。図13は本発明の蒸気注入ガスタービン及びその制御方法の第4の実施の形態の構成の一例を示すシステムフロー図、図14は本発明の蒸気注入ガスタービン及びその制御方法の第4の実施の形態の構成の他の例を示すシステムフロー図である。図13および図14において、図1乃至図12に示す符号と同符号のものは同一部分であるので、その詳細な説明は省略する。
【0096】
図13に示す本発明の蒸気注入ガスタービン及びその制御方法の第4の実施の形態の一例は、大略第1の実施の形態と同様の機器で構成されるが、以下の構成が異なる。本実施の形態においては、火炎検出器29の検出面を燃焼器ライナ10の壁面まで挿入して、ドレン量検出手段として制御に用いている。
【0097】
火炎検出器29は、本実施の形態の目的であるドレン量検出手段とは別に、例えば、ガスタービン起動時の点火検出を目的として設置されている場合がある。この火炎検出器をドレン量検出にも利用することで、ドレン量検出のために別途検出器を設けなくてもよくなり、コストの低減が図れる。
【0098】
一般に、燃焼器2の火炎中にドレン水が混入すると火炎の輝度が大きくなる。このため、火炎検出器でこのような火炎の輝度の増大を検出する。輝度が大きいときはドレン水が混入しており、輝度が小さくなるとドレン水が無くなったと判定することができる。このようにして、火炎検出器29をドレン量検出手段として利用できる。
【0099】
本実施の形態における他の例は、図14に示すように、火炎検出器に代えて、圧力導管31の一端側を燃焼器ライナ10の壁面まで挿入して、その他端側に圧力変動検出器32を設置している。
【0100】
燃焼器2の火炎中にドレン水が混入し燃焼が不安定になると、火炎の位置や発熱が時間的に変動して、燃焼器ライナ10内の圧力が変動する。これを圧力変動検出器32で検出すれば、圧力変動が大きいときはドレン水が混入しており、圧力変動が小さくなるとドレン水が無くなったと判定することができる。このようにして、圧力導管31と圧力変動検出器32をドレン量検出手段として利用できる。
【0101】
図14による場合は、高温の燃焼ガスに面しているのは圧力導管31のみであり、圧力変動検出器32は燃焼器ケーシング7の外に設置することができる。高温にさらされる圧力導管31は耐熱性があってかつ安価であり、高価で耐熱性の少ない圧力変動検出器32は低温環境の場所場に設置できるので、ドレン量検出手段のコストを抑えつつ、信頼性を高めることができる。
【0102】
上述した本発明の蒸気注入ガスタービン及びその制御方法の第4の実施の形態によれば、上述した第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0103】
また、上述した本発明の蒸気注入ガスタービン及びその制御方法の第4の実施の形態によれば、ドレン量検出手段のためのコストを抑えつつ、信頼性を高めることができる。
【符号の説明】
【0104】
1:圧縮機、2:燃焼器、3:タービン、4:蒸気注入ガスタービン、5:排熱回収ボイラ、6:蒸気消費設備、7:燃焼器ケーシング、8:燃焼器カバー、9:燃料ノズル、10:燃焼器ライナ、11:ライナフロースリーブ、12:尾筒、13:尾筒フロースリーブ、14:希釈孔、15:蒸気注入ポート、16:蒸気注入孔、17:旋回器、18:隔壁、20:発電機、23:タービンケーシング、25:ボイラ、29:火炎検出器、31:圧力道管、32:圧力変動検出器、100:空気、101:燃焼用空気、102:ライナ冷却空気、103:希釈空気、104:燃焼空気、105:燃焼ガス、106:燃焼ガス、107:ガスジェネレータ排気ガス、108:タービン排ガス、109:排気ガス、110:2次燃焼空気、200:燃料系統、201:燃料、202:燃料流量調整弁、203:燃料流量計、300:蒸気供給系統、301:第1の蒸気系統、302:第2の蒸気系統、303:プロセス蒸気配管、304:蒸気放出系統、311:第1蒸気流量調節弁、312:第2蒸気流量調節弁、313:プロセス蒸気流量調節弁、314:蒸気放出弁、331:第1の蒸気、332:第2の蒸気、350:蒸気ヘッダ、351:蒸気フランジ、352:蒸気ノズル、353:ドレン水連通管、354:水噴霧ノズル
図1
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図10
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図12
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図14