(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1に開示される垂直分割型の多段の遠心圧縮機100は、
図5に示すように、回転軸101に複数、ここでは3枚の羽根車102が縦列に固定され、隣接する羽根車102の間に段間流路103dを形成する仕切板103,103が設けられている。それぞれの仕切板103はそれぞれ別体で円板状をなしている。段間流路103dは前段の羽根車102の出口から外径方向へ向かい、折り返して内径方向へ向かい、後段の羽根車102の入口に接続して、流体を損失少なく誘導する形状に形成されている。
第1段の羽根車102の上流側には吸入口105iが形成された入口壁105が設けられ、第3段の羽根車102の下流側には吐出口106oが形成された出口壁106が設けられている。入口壁105及び出口壁106の外側には回転軸101を支承する車室蓋107,107が設けられている。
図中の左側の車室蓋107、入口壁105、仕切板103,103、出口壁106及び図中の右側の車室蓋107の外周辺部には、例えば4本の組立用の通しボルト108用の孔及び例えば30本の固定ボルト109用の孔が連通するようにあけられており、それぞれ通しボルト108及び固定ボルト109を貫通させて強固に締結されている。
仕切板103,入口壁105,出口壁106及び車室蓋107の外側には、これらの静止部材を包囲して一体化するように車室104が設けられて組み付けられている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された以上の遠心圧縮機100によれば、それぞれの仕切板103,103の外周辺部が固定ボルト109により固定支持されるので、仕切板103,103の撓みが小さくなり、流路の変形や羽根車との隙間の変化等が小さくなり、空力性能の劣化を抑えることができる、とされている。また、特許文献1の遠心圧縮機100によれば、仕切板103,103を薄くして回転軸101の長さを短くてきるので、回転振動の点で有利になる。
【0005】
もっとも、遠心圧縮機100には、回転軸101及び羽根車102の回転に伴う振動が生じることには変わりはない。ちなみに、この振動は、回転軸101及び羽根車102の回転自体による振動と、回転軸101及び羽根車102の回転に伴う流体の圧縮による振動と、が加わったものである。
この遠心圧縮機100の振動により、遠心圧縮機100を構成する部材は少なからずとも耐振性が求められる。その中で、通しボルト108及び固定ボルト109は他の部材に比べて強度が低いと言えるので、長期にわたって使用しても亀裂、破断などの破損が生じない信頼性を確保することが求められる。
以上より、本発明は、遠心圧縮機に用いられる静止部材の固定ボルトの耐振性を向上することを目的とする。
また、本発明は、そのような静止部材の固定ボルトを用いて静止部材が締結された遠心圧縮機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、多段の遠心圧縮機における、複数の静止部材を貫通して固定するボルトであり、この静止部材の固定ボルトは、頭部と、頭部に連なる円筒部と、円筒部に連なるねじ部と、を備える。
本発明における円筒部は、静止部材の固定ボルトの一次の振動モードの腹の位置、又は、一次の振動モードの腹の位置及び二次の振動モードの腹の位置に対応する一つ又は二つ以上の大径部と、大径部よりも径の小さな複数の小径部と、を備える、ことを特徴とする。
本発明の静止部材の固定ボルトによれば、振動モードの腹に対応する大径部を備えるとともに、強度が低く抑えられた小径部を備えるので、円筒部の撓みを低減できるとともに、頭部と円筒部の境界部分及び円筒部とねじ部の境界部分への応力集中を抑えることができる。これにより、本発明の静止部材の固定ボルトは、耐振性が向上される。
【0007】
本発明の円筒部における複数の大径部と小径部の組み合せを包含する。
好ましい円筒部の第一形態は、第一大径部と、第一大径部を挟んで両側に配置される第一小径部と、を備え、第一大径部が、一次の振動モードの腹に対応する。
また、好ましい円筒部の第二形態は、第一形態に加え、第一小径部のそれぞれに連なる第二大径部をさらに備え、第二大径部が、二次の振動モードの腹に対応する。
また、好ましい円筒部の第三形態は、第二形態に加え、第二大径部のそれぞれに連なる第二小径部をさらに備え、少なくとも一方の第二小径部が、頭部又はねじ部に連なる。
また、好ましい円筒部の第四形態は、第二形態に加え、第二大径部のそれぞれに連なる第二小径部と、少なくとも一方の第二小径部に連なる第三大径部と、をさらに備え、少なくとも一方の第三大径部が、頭部又はねじ部に連なる。
【0008】
本発明における固定ボルトが締結に使用されている状態において、第一大径部に軸線方向及び周方向の変位を止める拘束ピンを突き当てて拘束すると、そこが振動モードの節となる。そうすれば、頭部と第一大径部の間、及び、ねじ部と第一大径部の間、のそれぞれにおいて、一次の振動モードと二次の振動モードの両者を抑制することかできる。
【0009】
また、好ましい本発明における円筒部は、その外周に、一つ又は二つ以上の振れ止めを備える。
この場合、第一大径部及び第一小径部の少なくとも一方に、一つ又は二つ以上の振れ止めを備えることができる。
また、第二大径部の少なくとも一方に、一つ又は二つ以上の振れ止めを備えることができる。さらに、第二小径部の少なくとも一方に、一つ又は二つ以上の振れ止めを備えることもできる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の静止部材の固定ボルトによれば、振動モードの腹に対応する大径部を備えるとともに、強度が低く抑えられた小径部を備えるので、円筒部の撓みを低減できるとともに、頭部と円筒部の境界部分及び円筒部とねじ部の境界部分への応力集中を抑えることができる。これにより、本発明の静止部材の固定ボルトは、耐振性が向上される。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係る多段の遠心圧縮機の実施形態を
図1〜
図4を参照して説明する。
本実施形態に係る多段の遠心圧縮機10は、静止部材を貫通して固定する固定ボルト9の構成が
図5を用いて説明した遠心圧縮機100と相違する以外は、遠心圧縮機100と同じ構成を備えている。したがって、以下では遠心圧縮機10の動作及び遠心圧縮機100との相違点を中心に説明する。なお、
図1の回転軸1は
図5の回転軸101に対応し、他の部材も符号の対応関係は同様である。
【0013】
図1に示す遠心圧縮機10の動作について説明すると以下の通りである。
回転軸1に連結されている図示しない電動機等の駆動機によって駆動されて回転軸1が高速回転すると、回転軸1に固定されているそれぞれの羽根車2は回転軸1とともに回転し、それぞれの羽根車2の入口からガス等の流体を吸入して出口から吐出する。すなわち、吸入口5iから第1段の羽根車2に吸入され吐出された流体は最初の段間流路3d内を流れて第2段の羽根車2へ流れる。このとき、最初の段間流路3d内を流れる流体の圧力は、吸入口5i内の流体圧力より第1段の羽根車2により与えられたエネルギの分だけ高い圧力になる。同様に、第2段,第3段の羽根車2を通過した流体圧力はその前の圧力より高くなる。なお、二酸化炭素,ブタジェン等の分子量が大きいガスを圧縮する場合、同じ羽根車で同じ回転数であっても軽いガスより大きなエネルギを吸収して圧力差が大きくなる。このようにして逐次高圧となった流体は吐出口6oから吐出される。このように、図の左側の吸入口5iから右側の吐出口6oへ順次、流体圧力が高くなる。
【0014】
さて、遠心圧縮機10が継続して運転されていると、通しボルト8及び固定ボルト9には繰り返して振動が加わる。通しボルト8及び固定ボルト9は、対応するボルト挿入孔に隙間なく挿通されると振動を受けても振動による撓み又は振れ(以下、撓み、と総称する)が生じないが、加工精度を考慮すると、通しボルト8及び固定ボルト9の周囲にはどうしても隙間を生じさせる必要がある。したがって、通しボルト8及び固定ボルト9には振動に伴う撓みが生じ、これにより通しボルト8及び固定ボルト9は疲労による亀裂、破断などの破損が生じ得る。特に、固定ボルト9は通しボルト8に比べて長尺であるために、破損に到りやすい。ところが、本実施形態の固定ボルト9は、以下で説明するように、破損の発生を著しく低減される構造が採用されている。
【0015】
固定ボルト9は、
図2(A)に示すように、頭部11と、頭部11に連なる円筒部12と、円筒部12に連なるねじ部18と、からなる。固定ボルト9Aは、ステンレス鋼、その他の金属材料により一体的に作製される。固定ボルト9Aは、ねじ部18に比べて円筒部12が長尺であり、この長尺な円筒部12の形態に特徴を有している。すなわち、円筒部12は、頭部11の側から第一小径部13、第一大径部14及び第一小径部13の順に配列されており、その中央部分の径が大きい第一大径部14を挟んでその両側に、径が小さく括れた第一小径部13が配置される形態をなしている。第一小径部13は、ねじ部18のねじ山の頂部における径よりも径が小さい。このように円筒部12が第一小径部13,13及び第一大径部14を有する形態をなすのは、以下の理由による。
【0016】
本発明者の検討によると、固定ボルト9Aが繰り返して振動を受けると、最も破損しやすいのは、頭部11と円筒部12の境界部分、及び、円筒部12とねじ部18の境界部分である。この破損しやすい状態は、円筒部12の径を太くしただけでは解消されない。つまり、頭部11と円筒部12の境界部分については、径が大きく変動しており、応力集中を起こしやすい。また、円筒部12とねじ部18の境界部分については、ねじ部18が図示を省略するねじ溝と噛み合って動きが拘束されているのに対して、円筒部12は微小な撓みが生じ得るので、やはり応力集中を起こして破損しやすい。
【0017】
そこで、固定ボルト9Aは、頭部11と連なる部分とねじ部18に連なる部分に、相対的に強度の低い第一小径部13を設ける。つまり、強度の低い第一小径部13に優先的に弾性変形を生じさせることにより、頭部11と円筒部12の境界部分及び円筒部12とねじ部18の境界部分に応力集中が生じてもその程度を抑えることにより破損しにくい構造とするのである。
【0018】
ただし、円筒部12の全体を小径にすると、円筒部12に撓みの程度が大きくなる。そこで、固定ボルト9Aに第一大径部14を設けることにより、ボルト挿入孔(図示を省略)を区画する壁面との隙間を部分的に小さくすることにより、撓みを低減する。
第一大径部14は、この撓み低減に加えて、
図4(A)に示すように、固定ボルト9Aに生じる振動の中の一次の振動モードの腹を含む位置に設けられている。つまり、固定ボルト9Aは、一次モードの振動における振幅が最も大きくなる位置に第一大径部14が対応して設けられていることによっても、撓みが低減される。なお、
図4(A)において、一次の振動モードは一点鎖線で示され、腹は上向きのピークの位置にある。
【0019】
以上の通りであり、固定ボルト9Aは、円筒部12に第一小径部13を設けることによる頭部11と円筒部12の境界部分及び円筒部12とねじ部18の境界部分の応力集中の緩和機能に加えて、第一大径部14を設けることによる撓みの低減機能により、破損しにくい構造を実現している。
【0020】
固定ボルト9Aをより破損しにくくするために、
図2(B)及び
図2(C)に示すように、円筒部12の外周に振れ止め16,17を設けることが有効である。この振れ止め16,17は、ボルト挿入孔を区画する壁面との間に介在して、固定ボルト9Aに加わる振動を減衰させる機能を有する。振れ止め16,17としては、
図2(B)及び
図2(C)に示すように、Oリングを用いることができる。ただし、振れ止め16,17は、Oリングに限るものではなく、円環状の樹脂部材など、減衰機能を発揮して固定ボルト9Aの振れを止め得る種々の部材を用いることができる。また、振れ止めと言う語は、振れを完全に止めることまでを意味するものではない。
【0021】
その機能を発揮する限り、振れ止め16,17を設ける位置は任意であり、例えば
図2(B)に示すようにそれぞれの第一小径部13に設けることができるし、
図2(C)に示すように第一大径部14に設けることもできる。図示を省略するが、第一小径部13及び第一大径部14の両方に振れ止め16,17を設けることもできる。
【0022】
図2(B)に示すようにそれぞれの第一小径部13に振れ止め16を一つずつ設ける場合には、振動に対する位置的なバランスを考慮し、円筒部12の軸線方向の中央から等しい位置に、つまり当該中央を基準にして対称の位置に設けることが好ましい。
なお、ここでは第一大径部14が軸線方向の中央に配置されている例を示しているが、構造上の理由により第一大径部14が当該中央に配置されない場合もある。つまり、頭部11から第一大径部14までの距離とねじ部18から第一大径部14までの距離とが異なる場合があり、この場合には、第一大径部14が対称の基準にはならない。したがって、この場合には、頭部11から第一大径部14までの間、及び、ねじ部18から第一大径部14までの間のそれぞれにおいて、同じ比率の位置に振れ止め16を設けることが望ましい。例えば、頭部11から第一大径部14までの距離をL1とし、ねじ部18から第一大径部14までの距離をL2とすると、頭部11から第一大径部14までの間で、1/2×L1の位置に振れ止め16を配置するとすれば、ねじ部18から第一大径部14までの間には、1/2×L2の位置に振れ止め16を配置する。
また、第一大径部14に設ける場合には、
図2(C)に示すように、二つの振れ止め17を軸線方向に間隔を空けて配置することができる。この場合も、
図2(B)と同様に、軸線方向の中央を基準にして対称の位置に設けることが好ましい。ただし、第一大径部14に設ける場合には、軸線方向の中央に、振れ止め17を一つだけ設けることもできる。
【0023】
固定ボルト9Aの第一小径部13及び第一大径部14のそれぞれの径及び軸線方向の寸法をどの程度にするかは一義的に定まるものでなく、固定ボルト9Aが用いられる遠心圧縮機10の仕様に応じて設定される。
その中で、第一大径部14の軸線方向の寸法が大きくなると、頭部11と円筒部12の境界部分及び円筒部12とねじ部18の境界部分におけるモーメントが大きくなるので、上述した第一大径部14の二つの機能を担保できる最小限の寸法に止めることが好ましい。一つの指標として、円筒部12の軸線方向の寸法の5〜15%程度とすることが推奨される。
【0024】
以上説明した固定ボルト9Aは、一次の振動モードの腹を含む位置に対応して第一大径部14が設けられているが、本実施形態は、
図3に示すように、二次の振動モードの腹を含む位置に対応して第二大径部23A,23Aを設けることもできる。
この固定ボルト9Bは、
図3(A)に示すように、頭部21と、頭部21に連なる円筒部22と、円筒部22に連なるねじ部28と、からなる。この固定ボルト9Bも、ねじ部28に比べて円筒部22が長尺である。この円筒部22は、第一大径部25を挟んで、その両側に第一小径部24A,24Aが配置され、さらに、第一小径部24A,24Aのそれぞれに連なる第二大径部23A,23Aを備える。この第二大径部23A,23Aは、後述するように、二次の振動モードの腹に対応する。第二大径部23A,23Aのそれぞれには第二小径部24B,24Bが連なり、一方(図中の右側)の第二小径部24Bがねじ部28に連なる。他方(図中の左側)の第二小径部24Bには第三大径部23Bが連なり、この第三大径部23Bは頭部21に連なる。
【0025】
固定ボルト9Bは、
図4(B)に示すように、第一大径部25を挟んで軸線方向の両側に設けられる第二大径部23A,23Aのそれぞれが、二次の振動モードの腹を含む位置に設けられている。つまり、固定ボルト9Bは、一次の振動モードと二次の振動モードの両者について、振動を低減できる。
なお、
図4(B)において、二次の振動モードは一点鎖線で示され、腹は上向きのピーク及び下向きのピークの二つの位置にある。
【0026】
また、固定ボルト9Bは、頭部21に連なるのが第三大径部23Bであり、頭部11に連なるのが第一小径部13である固定ボルト9Bと相違する。これは、頭部21と第三大径部23Bの境界部分に応力集中が生じても、第三大径部23Bとすることにより当該境界部分の強度を上げることで、破損を回避するためである。一方で、第三大径部23Bに第二小径部24Bを連ねることで、第二小径部24Bに弾性変形を生じさせて、頭部21と第三大径部23Bの境界部分への応力集中を緩和させる。
【0027】
図3(B)及び
図3(C)に示すように、固定ボルト9Bについても、振れ止め26,27を設けることができる。
図3(B)は、第一大径部25の中央に一つの振れ止め26を設けており、この振れ止め26は、一次の振動モードの腹に対応して配置される。また、
図3(C)は、間隔を空けて配置される第二大径部23A,23Aの軸線方向の中央に一つずつ振れ止め26を配置している。
図3(C)は、第一大径部25の軸線方向の中央に固定ボルト9Bの軸線方向及び周方向の変位を止める拘束ピン29を突き当てており、拘束ピン29を回避して、第二大径部23A,23Aに振れ止め27を設けている。この拘束ピン29を設けたときの振動モードを
図4(C)に示している。なお、
図4(C)において、一次の振動モードを一点鎖線で示し、二次の振動モードを二点鎖線で示している。
図4(C)に示すように、拘束ピン29の軸線方向の両側における一次の振動モード及び二次の振動モードのそれぞれを抑制するような位置に第二大径部23A,23A及び振れ止め27,27が設けられていることがわかる。
【0028】
以上、説明した固定ボルト9(9A,9B)によれば、以下の効果を奏する。
固定ボルト9Aは、一次の振動モードの腹に対応する第一大径部14を備えるとともに、強度が低く抑えられた第一小径部13,13を備えるので、円筒部12の撓みを低減できるとともに、頭部11と円筒部12の境界部分及び円筒部12とねじ部18の境界部分の応力集中を抑える。固定ボルト9Bは、固定ボルト9Aと同様の効果を奏するのに加えて、二次の振動モードの腹に対応する第二大径部23A,23Aを備えるので、円筒部22の撓みをより低減できる。したがって、固定ボルト9A及び固定ボルト9Bは、亀裂及び破断の発生を低減し、その耐振性が向上できる。
【0029】
また、振れ止め16,17を備える固定ボルト9及び振れ止め26,27を備える固定ボルト9は、振れ止め16,17,26,27による振動減衰機能により、固定ボルト9,9の耐振性をより一層向上できる。
【0030】
以上、好ましい実施形態である固定ボルト9及び固定ボルト9に基づいて本発明を説明したが、本発明はこの形態に限定されない。
本実施形態では、静止部材を締結する通しボルト8と固定ボルト9の中で、固定ボルト9について説明したが、通しボルト8についても固定ボルト9と同様に、円筒部に小径部と大径部を設け、大径部を振動モードの腹に対応させることもできる。つまり、本実施形態においては、通しボルト8と固定ボルト9とを区別して説明したが、両者ともに、振動モードの腹に対応する大径部を備えるとともに、強度が低く抑えられた小径部を備える形態にできる。
【0031】
また、大径部と小径部のそれぞれの数及び配列は任意である。つまり、固定ボルト9の一次の振動モードの腹の位置、又は、一次の振動モードの腹の位置及び二次の振動モードの腹の位置に対応する一つ又は二つ以上の大径部と、大径部よりも径の小さな複数の小径部と、を備える限り、本発明の範疇である。その中で、
図2に示した固定ボルト9A及び
図3に示した固定ボルト9Bは、本発明の好ましい形態である。
【0032】
また、振れ止め16,17,26,27を設ける位置も任意であり、一つ又は二つ以上の振れ止めを円筒部の外周のいずれの位置に設けることができる。