(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来のものは、中空ロッドの周面に、比抵抗測定センサーを設置されており、これはロッドが常に回転しながら地盤改良材と接触しているので、比抵抗測定センサーが摩耗、又は剥がれる問題がある。また、比抵抗測定センサーと電極が中空ロッドの周面に隣接して設置されているため、地盤の比抵抗測定センサーが互いに距離的に近く、周囲の地盤改良材の変化を正確に検知することができない。
【0007】
本発明は上述のような背景技術のもとになされたものであり、下記目的を達成する。
本発明の目的は、供回り防止翼と攪拌翼を有する地盤改良装置において、改良土、地盤等の変化を監視する、地盤改良翼を用いた比抵抗検知装置を提供することにある。
【0008】
本発明の他の目的は、供回り防止翼と攪拌翼を有する地盤改良装置において、供回り防止翼に設置した比抵抗検知用電極を用いて、改良土、地盤等の比抵抗値を測定し、地上の計算機に検知信号を送信する、地盤改良翼を用いた比抵抗検知装置を提供することにある。
【0009】
本発明の他の目的は、供回り防止翼と攪拌翼を有する地盤改良装置において、供回り防止翼に設置した比抵抗検知用電極で測定した検知信号を計算機で信号処理し、比抵抗値、又はその変化率から改良土、地盤等を観測する、地盤改良翼を用いた比抵抗検知装置を提供することにある。
【0010】
本発明の他の目的は、供回り防止翼と攪拌翼を有する地盤改良装置において、供回り防止翼に設置した比抵抗検知用電極で、掘削穴の中の改良土の比抵抗及び掘削穴の外側の地盤の比抵抗を検知し、地盤改良工をオンラインで観測できる、地盤改良翼を用いた比抵抗検知装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、前記目的を達成するために、次の手段を採る。
本発明の発明1の地盤改良翼を用いた比抵抗検知装置は、
地盤を掘削して掘削穴を掘削し、この掘削された掘削土と地盤改良材を混合して、前記掘削穴内の地盤改良を行う地盤改良装置であって、
回転駆動装置により回転駆動され、前記地盤改良材を吐出させるための吐出孔を有する単体軸と、
前記単体軸に固定され、前記掘削穴内の前記掘削土と前記地盤改良材を攪拌する翼体と、
前記単体軸の地盤底側の端部に設けられ、複数の掘削刃を有して前記掘削穴を掘削する削穴ビットと、
前記単体軸に回転自在に設けられ、外周端部が前記掘削穴の周壁に係合して回転が止められ、前記翼体及び前記削穴ビットの回転と相対回転して掘削された前記掘削土を前記地盤改良材とともに混合攪拌させる供回り防止翼と
からなる地盤改良装置において、
前記地盤又は前記掘削土と前記地盤改良材を混合した改良土の物性を測定するために、前記供回り防止翼に設置された電極及び前記電極と接続された測定手段であって、前記地盤の比抵抗である第1比抵抗、及び/又は、前記改良土の比抵抗である第2比抵抗を測定して測定信号を出力するための比抵抗測定手段と、
前記比抵抗測定手段に接続され、前記測定信号を地上又は前記単体軸の上部に伝達するための通信手段とから
なり、
前記電極は、前記掘削穴の外周の前記地盤の前記比抵抗を計測するために、前記掘削穴の外周に位置する前記供回り防止翼の部分に設置されていることを特徴とする。
【0012】
本発明の発明2の地盤改良翼を用いた比抵抗検知装置は、発明1において、前記比抵抗検知装置は、
前記通信手段から前記測定信号を受信し、前記第1比抵抗及び/若しくは前記第2比抵抗、並びに/又は、前記第1比抵抗及び/若しくは前記第2比抵抗の変化率から、前記地盤又は前記改良土の前記物性を判定して判定結果信号を出力するための判定手段と、前記判定結果信号を表示器に表示する表示手段とからなることを特徴とする。
【0013】
本発明の発明3の地盤改良翼を用いた比抵抗検知装置は、発明2において、
前記判定手段は、前記第1比抵抗及び/若しくは前記第2比抵抗の絶対値、又は、前記第1
比抵抗及び/若しくは前記第2比抵抗の変化率で判定することを特徴とする。
【0014】
本発明の発明4の地盤改良翼を用いた比抵抗検知装置は、発明
2又は3において、前記比抵抗測定手段は、前記電極で検知した前記測定信号のアナログデータをディジタルデータに変換して前記通信手段へ送信するデータ処理
手段を有することを特徴とする。
【0015】
本発明の発明5の地盤改良翼を用いた比抵抗検知装置は、発明1ないし3において、前記電極は、前記改良土の前記比抵抗を計測するために、前記掘削穴内に位置する前記供回り防止翼の部分に設置されていることを特徴とする。
【0017】
本発明6の地盤改良翼を用いた比抵抗検知装置において、発明4において、 前記比抵抗検知装置は、前記単体軸の上部に配置され、前記
測定信号を前記通信手段から受信して、前記
測定信号を無線信号に変換し、前記判定手段へ送信するための無線通信手段を備えることを特徴とする。
【0018】
本発明
7の地盤改良翼を用いた比抵抗検知装置において、発明
6において、
前記通信手段は、(a)前記単体軸の下端の中に設置され、前記比抵抗測定手段からの前記
測定信号を受信する受信手段と、(b)前記単体軸の中のパイプ間の中空部を通って前記受信手段と前記無線通信手段を接続させ、前記
測定信号を前記受信手段から前記無線通信手段に伝達するための電線とからなることを特徴とする。
【0019】
本発明
8の地盤改良翼を用いた比抵抗検知装置において、発明
6において、
前記通信手段は、前記単体軸の下端の中に設置され、前記比抵抗測定手段に接続されて、前記
測定信号を前記比抵抗測定手段から受信し、前記無線通信手段に無線通信で伝達するため無線中継手段であることを特徴とする。
【0020】
本発明9の地盤改良翼を用いた比抵抗検知装置は、発明8において、前記通信手段は、
近距離無線通信規格のZigBee
(登録商標)に準拠したZigBee Coordinator及びZigBee End Device、又はZigBee Coordinator、ZigBee Router及びZigBee End Deviceであることを特徴とする。
【0021】
本発明10の地盤改良翼を用いた比抵抗検知装置は、発明8において、前記通信手段は、
近距離無線通信規格のBluetooth
(登録商標)規格に準拠したことを特徴とする。
【0022】
本発明
11の地盤改良翼を用いた比抵抗検知装置は、発明
6において、前記無線通信手段は、回転している前記単体軸内へ連続的に地盤改良材を送るために前記単体軸の上端に固定されたウォータースイベルに配置されていることを特徴とする。
【0023】
本発明
12の地盤改良翼を用いた比抵抗検知装置は、発明
7において、前記電線は、前記単体軸の接続部分で、電磁式の接続端子で接続されていることを特徴とする。
【0024】
本発明
13の地盤改良翼を用いた比抵抗検知装置は、発明
6において、前記通信手段は、前記無線通信手段と磁界共振結合で通信するためのもので、第2コイルからなり、前記無線通信手段は、前記通信手段と磁界共振結合で通信するためのもので、第1コイルからなる無線信号受信手段を備えていることを特徴とする。
【0025】
本発明14の地盤改良翼を用いた比抵抗検知装置は、発明13において、前記
第1コイルは、前記単体軸内へ連続的に前記地盤改良材を送るために前記単体軸の上端に固定されたウォータースイベル、又は前記地盤改良材を供給するホース係止部材に巻かれて設置されており、前記第2コイルは、前記供回り防止翼で前記単体軸の外周に位置するように巻かれて配置されていることを特徴とする。
【0026】
本発明15の地盤改良翼を用いた比抵抗検知装置は、発明1ないし14において、前記
供回り防止翼が十字型であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0027】
本発明によると、供回り防止翼に地盤の変化を監視するために設置した比抵抗検知用電極を用いて、地盤の比抵抗を検知し、地上の計算機に検知信号を送信し、地盤改良材と掘削土が最適に混合されているか、支持層に着底したか否か等の地盤改良工をリアルタイムで測定、監視できるようになった。また、供回り防止翼に設置した比抵抗検知用電極で検知した検知信号を計算機で信号処理し、比抵抗の変化から掘削地盤の地盤の変化も観測できるようになった。
【発明を実施するための形態】
【0029】
[第1の実施の形態]
次に、本発明の第1の実施の形態を図に基づき説明する。本発明を構成する地盤変化監視装置20は、図示していないが、地上を移動可能な地盤改良装置の改良機本体に組み込まれて動作する。即ち、改良機本体に設けられている駆動モータの出力軸に回転ロッドが連結されており、地盤改良装置の攪拌ヘッドAは、駆動モータで回転駆動される回転ロッドにより回転駆動される。
図1は、攪拌ヘッドAの外観を示す外観図であり、
図2は、攪拌ヘッドAを駆動する回転ロッドの上部を示す外観図である。攪拌ヘッドAの先端の削穴ビット2で、地盤改良したい地盤を回転駆動により掘削し、かつ掘削土を上方へ移送する。
【0030】
そして、攪拌ヘッドAの単体軸1に固定された攪拌翼3a,3bと、単体軸1に回転自在に設けられた供回り防止翼4により、この掘削土を攪拌しながら地盤改良材と混合し混合土にする。ここで、攪拌翼3a,3bと供回り防止翼4は、地盤改良翼として機能する。
図3は、攪拌ヘッドAの回転ロッドの下部を切断したときの縦断面図である。この縦断面図から理解されるように、本実施の形態の回転軸は、管状の単体軸1であって、所謂、二重管ではない。単体軸1の地盤底側に削穴ビット2が配置され、この削穴ビット2は単体軸1を駆動する駆動モータ(図示せず)の駆動により、単体軸1と共に一体的に回転駆動される。削穴ビット2は、その回転外径が地中に形成される地盤改良柱の外径(掘削穴5の内径)に一致する。
【0031】
削穴ビット2は、複数の刃部2aが削穴ビット2の半径方向に直線上に配置されており、これは地盤改良柱の地盤底の低面を削りながら下方の地中に前進し掘削を行う。又、この削穴ビット2の近傍の単体軸1の先端部には、地盤改良材を掘削穴内に注入するための吐出孔8が配置されている。地盤改良材は地上部の供給装置から、この単体軸1の中心に配置されたパイプの中空部1aを介して供給され、掘削された地盤底側の掘削穴5に吐出される。この削穴ビット2の上部には、一端が単体軸1に溶接により一体に固定されて半径方向に設けられた翼である攪拌翼3bが設けられている。
【0032】
即ち、この攪拌翼3bは、それぞれねじれ板形状の2つの羽根からなり、2つの羽根は半径方向に単体軸1を挟んで対向して配置されている。攪拌翼3bの上部の単体軸1には、90度角度位相が異なる同様な構造である攪拌翼3aが配置されている(
図1参照)。単体軸1の下部に配置された削穴ビット2と攪拌翼3bとの間には、軸受7が単体軸1に固定されている。供回り防止翼4は軸受7に回転自在に設けられている。
図4は、供回り防止翼4に電極9を設置した状態を示す図であり、
図4(a)は供回り防止翼4の平面図、
図4(b)は供回り防止翼4の正面図である。
【0033】
この供回り防止翼4は、本例では単体軸1を挟んで4つの板状の羽根体4aがボルト6による締結により、互いに90度の半径方向に延在し、かつ供回り防止翼4の羽根面が、掘削穴5の中心線方向と平行に配置された構成となっている。これにより、羽根体4aの中心部4bは、その内周面4cで示すように、円筒の1/4を構成する(
図4参照)。4つの羽根体4aの中心部4bは、1本の円筒を構成する。この供回り防止翼4の外周の外周端部4dは、掘削穴5に縦方向に食い込み接触するようになっている(
図1参照)。
【0034】
即ち、この供回り防止翼4の外周端部4dの先端の外径は、削穴ビット2の外周の回転円軌跡より、大きくなるように設定されている。この供回り防止翼4の中心部4b側の端部4eは、隣接する供回り防止翼4の中心部4bと並行な面であり、端部4eは中心部4bにボルト6で締結される。各羽根体4aの外周端部4dには、本発明を構成する地盤変化監視装置20の電極9が設置されている。合計4つの電極9で、地盤の比抵抗を測定する(詳しくは後述する。)。
【0035】
[ウォータースイベル10]
単体軸1の上部には、ウォータースイベル10が搭載されている。ウォータースイベル10は、回転している単体軸1に地盤改良材を連続的に供給するための継手である。従って、ウォータースイベル10は、単体軸1と一体に回転する部分と、回転しない軸、軸受、シール部等からなる。この構造、機能は、公知であり、その説明は省略する。ウォータースイベル10の回転部は、単体軸1と一体であり、共に回転する。後述する地中の受信器25からの測定信号を受け、この測定信号を外部に発信する無線発信器22がウォータースイベル10の回転部に搭載されている。ウォータースイベル10の固定部には、ホース係止部材11が一体に設けられている。ホース係止部材11は地盤改良材を供給するホースを固定するものである。
【0036】
[地盤改良方法の施工例]
次に、地盤改良装置により地盤改良を行う方法について説明する。地盤に貫入する際は、地盤改良機の駆動装置により単体軸1が回転駆動される。この回転は、削穴ビット2と翼体2aの複数の刃部が地盤に食い込み、掘削した掘削土を上方へ移送させる。この地盤貫入の進行に伴って、供回り防止翼4の中心部は、軸受7で回転自在な状態に支持されている。
【0037】
供回り防止翼4の外周端円軌跡は、掘削穴5より大きく設定されているので、掘削時に供回り防止翼4の外周端部4d(
図4)が掘削穴5の内周の壁面に食い込み、供回り防止翼4は回転停止状態になる。供回り防止翼4は回転停止状態であり、掘削ヘッドAが掘削穴5への進行時も後退時も、本発明を構成する地盤変化監視装置20の電極9で地盤の比抵抗を測定する。これにより、地盤の状態を把握する。削穴ビット2と攪拌翼3a,3bは、回転を継続して掘削するので、供回り防止翼4は相対回転の状態、即ち供回り防止翼4のみ回転停止状態で、掘削穴5の面に回転軸線方向に食い込みながら掘削方向に進行する。
【0038】
このとき同時に地盤改良材が注入され、吐出孔8から吐出される。この注入により掘削された掘削土は、掘削と同時に攪拌翼3a,3bと供回り防止翼4により攪拌され、地盤改良材との混合土となり、その攪拌に伴い相対的に徐々に上方へもたらされる。この攪拌において掘削土は、回転する攪拌翼3a,3bと回転停止している供回り防止翼4の間で、剪断力で裁断され回転方向と上下方向に対流しながら攪拌される。なお、以上説明した攪拌ヘッドAの構造、機能は公知の技術である。
【0039】
[地盤変化監視装置20]
以上説明した攪拌ヘッドAにおいて、本発明を構成する地盤変化監視装置20について説明する。地盤変化監視装置20の概要を、
図5にブロック図で図示している。地盤変化監視装置20は、供回り防止翼4の外周端部4dに設置された電極9、受信部21、無線発信器22、計算機24等からなる。受信部21は、電極9と電線で接続された受信器25と、中継器26からなり、電極9で検知したアナログ信号を受信器25でディジタルデータに変換し、これを測定信号として、無線通信で中継器26へ送信する。
【0040】
中継器26は、測定信号を無線発信器22へ送信する。無線発信器22は、受信部21から受信した測定信号を計算機24へ送信する。計算機24は、この測定信号を受信して、分析し、地盤改良の状況をその表示器に出力して表示する。無線発信器22と中継器26は、有線、無線等の任意の通信手段で接続される。
図5の例では、電線23で接続されている。
図3は、供回り防止翼4に受信部21を設置した様子を示す図である。中継器26は、単体軸1の下端部内に設置される。
【0041】
単体軸1の下端部は、通常の掘削作業のとき、地下に位置するので、中継器26は地下に位置し、受信器25から発信された信号を中継する。中継器26は、電線23に接続されており、この電線23を介して測定信号を無線発信器22へ送信する。電線23は、管状の単体軸1の中のパイプ間の中空部であるパイプ間中空部1bに設置されている。受信器25が供回り防止翼4に、中継器26が単体軸1に固定されている。供回り防止翼4の羽根体4a又は軸受7に受信器25、軸受7に中継器26がそれぞれ設置されている。
【0042】
電線23は、管状の単体軸1の中のパイプ間の中空部であるパイプ間中空部1bに配線されている。電線23を単体軸1と軸受7間に配線するために、
図3に示すように、貫通孔1cと貫通孔7aが設けられている。貫通孔1cは、単体軸1の下端部のパイプ壁を貫通した孔であり、パイプ間中空部1bと連結しており、更に軸受7の貫通孔7aまで貫通している。この貫通孔1cの中を電線23が通っている。貫通孔7aは、軸受7に設けた貫通孔又は貫通穴であり、電線23とその先端に接続された中継器26は、貫通孔7aの中に設置される。
【0043】
図1に図示したように、供回り防止翼4の羽根体4aには、電線(図示せず)を配置するために半径方向に溝が配置されている。この供回り防止翼4の羽根体4aと羽根面は、掘削土と地盤改良材に常に接触するので、電線、受信器25は、できるかぎり羽根面から突出しないように設置されることが好ましく、又掘削土が侵入しないように充填材等でシールすることが好ましい。電極9は、
図4に図示したように、供回り防止翼4の羽根体4aの外周端部4dの正面に設置されている。電極9は、電線(図示せず)で受信部21と接続される。
【0044】
供回り防止翼4の羽根体4aと羽根面は、掘削土と地盤改良材に常に接触するので、電極9は、羽根面又は羽根内に埋め込むように配置し、ビス等の機械的な固着手段で固定される(図示せず)。また、電極9とその電線は、羽根面に接着材で固定しても良く、この場合、追加部品が必要なくなり、そのため安価となる。また、電極9とその電線は、羽根面又は羽根内に設けた溝等の中に埋め込み、その上からシールで固定されても良い。電極9は、供回り防止翼4の羽根面に固定されているので、供回り防止翼4が回転すると、電極9は防止翼4と一緒に回転する。
【0045】
図6は、受信器25の概要を図示したブロック図である。受信器25は、測定信号を無線通信で送信する機能を有するものであれば、アナログ通信手段、ディジタル通信手段等が使用可能である。受信器25の構造及び機能について、これに限定されないが、
図6に示した受信器25を例に説明する。受信器25は、筐体(図示せず)に格納された無線発信器本体40、アンテナ47、受信器48、電源部46等からなる。無線発信器本体40は、受信器48で検知した測定信号を信号処理し、アンテナ47を介して無線通信で送信するためのものである。
【0046】
無線発信器本体40は、所定の命令を実行し装置全体を制御するための中央処理装置(CPU)41、命令を含む制御プログラムやデータを格納するメモリ42、通信を制御するための通信部43、電極9で検知した信号を受信し、ディジタル信号に変換するための受信部44、これらの構成部をデータ交換できるように互いに接続されたバス45等からなる。電源部46は、無線発信器本体30に電源供給をするための2次蓄電器であり、この2次蓄電器としてはアルカリバッテリ、リチウムイオンバッテリ等が利用できる。電源部46は、ボタン電池等の小型で容量の大きいものが好ましい。
【0047】
受信器48で検知した検知信号は、受信部44で信号処理され、ディジタル化されてディジタルの測定信号に変換されて、通信部43に送られる。通信部43は、この測定信号を通信用信号に変換して、アンテナ47から無線信号として送信する。アンテナ47から送信された無線信号は、中継器26で受信される。受信器25は、アンテナを有し、中継器26との間で無線通信する。このために、受信器25の筐体は無線通信の電波に支障がない材料からできているものが好ましい。筐体は、電波を遮断する性質を持つ金属材料である場合、筐体の部分でアンテナが設置された位置に該当する部分は非金属材料でできているものが好ましい。
【0048】
[中継器26]
中継器26(
図3、
図5参照)は、受信器25から送信された測定信号を受信して、無線発信器22へ転送する機能を有するものであれば、アナログ通信手段、ディジタル通信手段等が使用可能である。例えば、中継器26は、筐体(図示せず)に格納された本体とアンテナからなる。本体は、図示しないが、所定の命令を実行し装置全体を制御するための中央処理装置(CPU)、命令を含む制御プログラムやデータを格納するメモリ、通信を制御するための通信部、測定信号を受信する受信部等からなる。中継器26の接続端子(図示せず)は、電線23を介して無線発信器22に接続されており、これにより、測定信号を送信する。なお、本発明は、中継器26を要旨とする発明ではないので、この詳細な説明は省略する。
【0049】
[無線発信器22]
無線発信器22は、ウォータースイベル10の中、特にその回転部に搭載される。無線発信器22は、受信部21から送信された測定信号を受信して無線通信で送信する機能を有するものであれば、アナログ通信手段でも、ディジタル通信手段でも、利用することができる。例えば、Wi-Fi、Buletooth(登録商標)等の任意の無線通信規格に準拠した通信方式を採用して、無線発信器22と計算機24が通信する。無線発信器22は、例えば、筐体(図示せず)に格納された無線発信器本体とアンテナからなる。無線発信器本体は、測定信号を信号処理し、無線通信で送信するための機器である。
【0050】
無線発信器本体は、所定の命令を実行し装置全体を制御するための中央処理装置(CPU)、命令を含む制御プログラムやデータを格納するメモリ、通信を制御するための通信部、測定信号を受信しディジタル信号に変換するための受信部等からなる。無線発信器22の接続端子は、電線23を介して中継器26に接続されており、これにより受信器25の測定信号を受信する。なお、本発明は無線発信器22の発明ではないので詳細な説明は省略する。
【0051】
[計算機24]
計算機24は、所定の命令を実行し装置全体を制御するための中央処理装置(CPU)、命令を含む制御プログラムやデータを格納するメモリ、無線発信器22と通信する通信手段、入出力手段を備えた汎用の電子計算機である。計算機24としては、例えば、パーソナルコンピュータ、タブレット端末、スマートフォン等の汎用の電子計算機を利用する。計算機24は、例えば、Wi-Fi、Buletooth等の任意の無線通信規格に準拠した通信方式を採用して、無線発信器22と通信する。これらの無線通信規格は公知の記述であるので詳細な説明は省略する。
【0052】
攪拌ヘッドAが下降しているとき、供回り防止翼4の外周端部4dに設置された電極9を用いて、地盤の比抵抗を測定する(ステップ3)。測定された測定信号は、
図5に図示したように、受信器25、中継器26、無線発信器22を介して計算機24へ送信される(ステップ4)。計算機24では、受信した測定信号を蓄積し、攪拌ヘッドAの作業深度、経過時間等と関連づけて、補助記憶装置に格納する(ステップ5)。このように、攪拌ヘッドAの削穴ビット2で地盤を掘削し改良材料と混合撹拌しながら所定の深度に達したとき、下降を停止する(ステップ6)。そして、攪拌ヘッドAの削穴ビット2は、回転し地盤改良を行いながら上昇し始める(ステップ6)。攪拌ヘッドAが上昇しているとき、供回り防止翼4の外周端部4dに設置された電極9を用いて、地盤の比抵抗を測定する(ステップ7)。
【0053】
測定された測定信号は、
図5に図示したように、受信器25、中継器26、無線発信器22を介して計算機24へ送信される(ステップ8)。計算機24では、受信した測定信号を蓄積し、攪拌ヘッドAの作業深度、経過時間等と関連づけて、補助記憶装置に格納する(ステップ9)。このように、計算機24において、攪拌ヘッドAが下降及び上昇するときの測定信号を取得することになる。下降するときの測定信号と上昇するときの測定信号を比較して、地盤の状態、地盤改良の状態を把握する(ステップ10)。
【0054】
[測定について]
図8は、電極9の配置を図示している。本発明の本実施の形態において、電極9は4本利用し、
図8にはそれぞれに電極9a、9b、9c、9dと参照番号を付与している。単体軸1の周囲に配置された2本の電極9には電流を流し、残りの2本の電極9によって電圧を測定する。
図8の例では、電極9a、9bに電流を流し、電極9c、9dによって電圧を測定する。電極9c、9dに電流を流し、電極9a、9bによって電圧を測定することもできる。一般的に言うと、隣接配置されている2本の電極9に電流を流し、残りの2本の電極によって電圧を測定する。
図8に概念的に図示しているように、電圧は電圧計で測定し、電流は電流計で測定する。一例では、電極9a、9bに一定の電流を流し、電極9c、9dによって電圧を測定することができる。このようにすれば、電圧のみを測定するだけでよく、測定信号が少なく済む。
【0055】
また、一例では、電極9a、9bの電流を変化させる場合は、電流計で電流を測定し、電圧計で電圧を測定する。測定された測定信号は、受信器25から最終的に計算機24に送信される。計算機24は、受信した測定信号を信号処理して、電流と電圧から比抵抗の変化を求める。地盤の抵抗は、地盤に設置した電極間の距離である電極間隔に反比例する。地盤の場合、比抵抗(抵抗率)ρの求め方、詳しくは埋設電極による理論式と地中のスクウェア配置による見掛け抵抗の求め方について
図9を参照しながら説明する。
【0056】
図9は、埋設された点電極を概念的に図示している。ここで、zは、点電極の埋設深度を示す。地中の点Cに+I電流が流れている点電流電極がある場合、点Pでの理論電位VPは、空中にある仮想の電極(鏡像)C*を考えることで、次式のように求められる。
【数1】
ここで、VPは点Pでの理論電位、ρは比抵抗、Iは点Cでの電流、r
1は点Cと点P間の距離、r
2は仮想電極C*と点P間の距離である。
【0057】
図10は、2本の電流電極、2本の電位電極がスクウェア状に配置される例を図示している図で、
図10(a)は平面図、
図10(b)は断面図である。
図10(b)には、点Cは手前側で図示されており、点Aは紙面の奥側で位置し点Cに重なるため図中には見えない。
図10において、点Aと点Bは電流電極の配置位置で、点Cと点Dは電位電極の配置位置である。
【0058】
図10に図示した点A、点B、点C及び点Dは、
図4に図示したように、供回り防止翼4の羽根体4aの外周端部4dに設置されている電極9を、概念的に図示したものである。点A、点B、点C及び点Dの埋設深度をzとする。
図10に図示したように地中において、電位電極で検知する理論電位は次式になる。
【数2】
ここで、Vは点Dと点C間の理論電位、ρは比抵抗、Iは点Aと点Bを流れる電流、aは供回り防止翼4の中心点Oから点A,点B,点C及び点Dまでの距離、zは電極の埋設深度である。
【0059】
式2から求めた見掛け比抵抗ρ
aは次式となる。
【数3】
【0060】
計算は、式1〜3を利用して、見掛け比抵抗ρaの変化を求める。特に、地盤各箇所において、攪拌ヘッドAが下降するときの比抵抗と、攪拌ヘッドAが上昇するときの見掛け比抵抗を比較して、地盤がどの程度変化したかを計算する。これにより、地盤が正しく改良されたか否かを把握することができる。
【0061】
[その他]
単体軸1は、長い場合は、上端単体軸と下端単体軸からなり、上端単体軸と下端単体軸は雄雌の形で接続されることがある。この接続部分では、貫通孔を設け、電線23を通すことができる。また、上端単体軸の下端部と下端単体軸の上端部には、それぞれ凹部等を設け、電線23を非接触端子で接続をすることもできる。この非接触端子は公知技術であるため詳細な説明は省略する。
【0062】
中継器26、無線発信器22には、近距離無線通信規格のZigBeeに準拠した通信デバイスであるZigBee Coordinator(以下、ZCという。)とZigBee End Device(以下、ZEDという。)を利用することができる。中継器26としてのZCは電線23で無線発信器22に接続される。受信器25にはZEDが接続される。ZEDは、受信器25で検知した測定信号を受信し、ZCへ無線通信で送信する。ZCはZEDから受信した測定信号を、無線発信器22に送信する。
【0063】
ZCとZEDの間の無線通信は、それぞれに接続されたアンテナによって行われる。ZigBeeは、国際標準化機構(ISO)によって策定されたOSI参照モデル(OSI reference model)による通信プロトコルの7階層の内、最下位の物理層とデータリンク層の仕様でIEEE 802.15.4として規格化されている。ZigBeeは、通信データの転送距離が短く、転送速度が低速で、消費電力が少ないという特徴を持つ。ZigBeeに準拠したデバイスは、安価でかつ消費電力が少ないため、長期間にわたって利用できる利点があり、センサネットワークを主目的に利用されている。
【0064】
ZigBeeに準拠したデバイスは、動作する周波数帯は、2.4GHz、902-928MHz、868-870MHzで動作する。ZCとZEDは、無線通信を制御するための無線回路、デバイス全体の制御を行うためのマイコン、データを格納するためのメモリ、デバイスに接続された外部デバイスとの通信を制御するための周辺回路、外部のデバイスと無線通信するための内蔵アンテナ、外部のデバイスと無線通信するためのアンテナを接続するための外部アンテナ用コネクタ等をそれぞれ備える。
【0065】
マイコンは、中央処理装置(CPU)、RAM,フラッシュメモリ等から構成される。上述の通り、ZigBee規格に準拠した、ZCとZEDの組によるデータ通信を説明したが、ZCとZEDの間のデータを中継するためのデバイスであるZigBee Router(ZR)を利用することができる。ZRは、ZCと基本的に同じ構造ものが利用でき、ルータとしての設定をする。ZC、ZED、ZR、それらの間の通信は公知技術であるため詳細な説明は省略する。
【0066】
中継器26と無線発信器22には、近距離無線通信規格のBluetooth規格に準拠した通信をすることができる。Bluetooth規格は、数十m程度の距離で通信できる規格で、IEEE802.15.1として知られている。Bluetooth規格は、2.4GH
Z帯を使用して情報機器間に比較的低速度で無線通信を行う規格である。中継器26と無線発信器22はそれぞれBluetooth規格準拠の通信モジュールを内蔵し、互いに通信する。中継器26と無線発信器22の通信に採用するBluetooth規格は、バージョン1〜5の任意のバージョンを採用することができるが、特に、通信機器が省電力で稼働するバージョン3又は4が好ましい。Bluetooth規格は世界的に広く普及し利用されているので、詳細な説明は省略する。
【0067】
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態を図に基づき説明する。第2の実施の形態においての本発明を構成する地盤変化監視装置は、第1の実施の形態においての地盤変化監視装置と基本的に同じであり、ここでは異なる部分のみを説明する。
図11は、第2の実施の形態においての地盤変化監視装置において、供回り防止翼4の内側に電極9を設置した様子を示す図である。
【0068】
この供回り防止翼4は、
図4と同じ構造であり、構造の詳細な説明は省略する。供回り防止翼4の各羽根体4aの中央部に電極9が設置されている。合計4つの電極9で、地盤の比抵抗を測定する。このように電極9を設置すると、地盤改良が行われている地盤改良杭内部の比抵抗を計測する。この場合、比抵抗の計測は次のように行われる。攪拌ヘッドAが下降しているとき、供回り防止翼4の羽根体4aの中央部に設置された電極9を用いて、地盤の比抵抗を測定する。
【0069】
測定された測定信号は、受信器25、中継器26、無線発信器22を介して計算機24へ送信される。攪拌ヘッドAの削穴ビット2で地盤を掘削しながら所定の深度に達したとき、下降を停止する。そして、回転し地盤改良を行いながら上昇し始める。攪拌ヘッドAが上昇しているとき、電極9を用いて、地盤の比抵抗を測定する。測定された測定信号は、前述した第1の実施の形態と同様に、受信器25、中継器26、無線発信器22を介して計算機24へ送信される。計算機24では、攪拌ヘッドAが下降及び上昇するときの測定信号を蓄積し、攪拌ヘッドAの作業深度、経過時間等と関連づけて、補助記憶装置に格納される。これらの測定信号を分析することで、地盤改良の状態を把握する。
【0070】
[第3の実施の形態]
次に、本発明の第3の実施の形態を図に基づき説明する。第3の実施の形態においての本発明を構成する地盤変化監視装置は、通信手段以外は、第1又は第2の実施の形態においての地盤変化監視装置と基本的に同一であり、ここでは異なる部分のみを説明する。
【0071】
図12は、本発明の第3の実施の形態の地盤変化監視装置の概要を図示している。本発明の第3の実施の形態の地盤変化監視装置は、供回り防止翼4近傍に設置された比抵抗計測ユニット50と、単体軸1の上部に設置された通信部51からなる。比抵抗計測ユニット50は、
図13に図示したように掘削穴5の中で単体軸の先端部に設置されるもので、地盤の比抵抗を検知する電極9、電極9で検知した信号を信号処理する比抵抗信号処理部52、通信部51へ信号を磁界共振結合で送受信するための第2コイル53からなる。電極9は、上述の本発明の実施の形態1に示したように、供回り防止翼4に設置されている。電極9は、地盤改良中の地盤の比抵抗を検知するためのセンサーであり、詳しくは前述したので、その詳細な説明は省略する。
【0072】
比抵抗信号処理部52は、電極9で検知した信号を信号処理し送信する送信信号を生成し、第2コイル53を介して通信部51へ送信信号を送信する。また、比抵抗信号処理部52は、第2コイル53で受信した信号を解析し、比抵抗計測ユニット50の制御も行う。通信部51は、比抵抗計測ユニット50からの信号を受信する第1コイル54、この受信した信号を信号処理する送受信機55、送受信機55から信号を外部へ無線通信で送信する無線送受信機56からなる。通信部51は、
図14に送受信機55と第1コイル54を図示したように、単体軸1の上部のウォータースイベル10等に設置される。
【0073】
〔磁界共振結合〕
磁界共振結合は、離れて設置された2つの共振回路が同じ周波数で動作すると磁界共鳴の現象が起こり、一方の共振回路から他方の共振回路へ電力が伝送することができるものである。詳しくは、この2つの共振回路は一次側共振回路と二次側共振回路であり、両方の共振周波数を同じ周波数にすることで、磁界共鳴が起こり、高効率の電力を伝送できる。本発明は、このような磁界共振結合の原理を利用し、第1コイル54を有する一次側共振回路と、第2コイル53側を二次側共振回路としているが、共振周波数が同じであるため、逆に、第1コイル54を有する二次側共振回路と、第2コイル53側を一次側共振回路とすることができる。
【0074】
この例では、第1コイル54側を一次側共振回路と、第2コイル53を有する二次側共振回路を利用して、通信を行っている。
図13に図示した例では、第2コイル53は、供回り防止翼4中心部に、単体軸1を巻くように配置される。電極9からの検知信号は、比抵抗信号処理部52で処理される。比抵抗信号処理部52から出力される信号は、第2コイル53から通信部51の第1コイル54に送信される。
【0075】
そのため、これに限らないが、比抵抗信号処理部52と近い場所で第2コイル53が設置されることが好ましい。第1コイル54を含む通信部51は、ウォータースイベル10、クランプ、単体軸1の上部に配置されている。第1コイル54は単体軸1を外側から巻くように設置されている。設置場所は、機械の動作機能に支障を及ぼさないのであれば、任意の場所に設置しても良い。
図14に図示したように、第1コイル54は、ウォータースイベル10の下部に設置され、送受信機55がウォータースイベル10に設置されている。第1コイル54と第2コイル53は、絶縁被覆を有する電気導線からなる。第1コイル54と第2コイル53は、単体軸1を同心として外周から巻くような位置に配置されている。但し、感度を犠牲にすれば、第1コイル54と第2コイル53は必ずしも同心に配置する必要はない。
【0076】
図15には、電極9の配置を図示している。本発明の本実施の形態において、電極9は、8本使用したものであり、それぞれを
図15に示すように、電極9e、9f、9g、9h、9i、9j、9k及び9lと参照番号を付与している。電極9e、9f、9i及び9jは、供回り防止翼4の羽根体4aの外周端部4dの正面に設置されている。電極9g、9h、9k及び9lは、供回り防止翼4の中心部4b側の端部4eの正面に設置されている。電極9eと電極9fは、互いに対向するように設置されている。
【0077】
同様に、電極9iと電極9j、電極9gと電極9h、電極9kと電極9lが配置されている。供回り防止翼4の中心部4bに近い位置に設置された電極9g、9h、9k及び9lは、掘削穴5の中で、かつ、単体軸1の周りの比抵抗を計測する。言い換えると、電極9g、9h、9k及び9lは、掘削穴5の中で、地盤改良材と掘削土の混合状態を計測する。本例では、2本の電極9k、9lで電圧を測定し、2本の電極9g、9hに電流を流して電流を測定する。
【0078】
供回り防止翼4の羽根体4aの外周端部4dに設置された電極9e、9f、9i及び9jは、掘削穴5の外側に位置するので、掘削穴5の外側の地盤の比抵抗を計測する。本例では、2本の電極9i、9jで電圧を測定し、2本の電極9e、9fに電流を流して電流を測定する。このように、掘削穴5の中の比抵抗は、電圧と電流の両方で測定する。同じく、掘削穴5の外側の比抵抗は、電圧と電流の両方で測定する。各電極9は、供回り防止翼4の羽根体4aに設置されるとき、羽根体4aから絶縁材で隔離され、計測面が地盤、掘削土、地盤改良材等に直接接触する。
【0079】
図16は、地盤の比抵抗を地盤変化監視装置で測定するときのデータ例を示すグラフである。
図16に図示したグラフの横軸は比抵抗の値[Ω・m]を示し、縦軸は掘削の深度を示す。地盤の比抵抗は、その地盤を構成する粘土、砂、石等の割合、種類によって変化する。これは、予め掘削しながらデータを取り、地盤改良時に同じくデータをとって比較する。この例を
図16に図示している。地盤改良していない場合の掘削時は、掘削の深度は深くなるにつれて抵抗が大きくなっている。
【0080】
地盤改良するときの掘削時の1回目の例では、掘削の深度は深くなるにつれて抵抗が一定である。これは、地盤改良中、掘削杭の中で地盤改良材、例えばセメントと掘削土が均一に混合されていることを示している。地盤改良するときの掘削時の2回目の例では、掘削の深度は深くなるにつれて最初は急に小さくなり、そしてほぼ一定であるが、最後は、大きくなっている。これは、比抵抗が周りから大きくずれているので、撹拌されていない可能性を示す。
【0081】
言い換えると、地盤改良中、掘削土の中で地盤改良材が注入されるときに、供回り防止翼が一緒に回っている可能性を示している。このように本発明の監視システムを利用して、地盤改良中の比抵抗を測定することで、地盤改良材と掘削土が正しく混合されているかの確認ができる。また、地盤を構成する地層が異なる場合、支持層に着底しているかの確認ができる。支持層に着底すると、比抵抗が変化するためである。以上の説明で理解されるように、測定された比抵抗の値の絶対値、又は変化率等と、予め既知の比抵抗の値を比較することにより、改良土の適性、地盤の地質が判断できる。
【0082】
[磁界共振結合通信の回路例]
図17は、本発明の第3の実施の形態である地盤変化監視装置の磁界共振結合通信の回路例の概要を図示した図である。この磁界共振結合通信は、送信回路部70と受信回路部71からなる。この
図17には、単体軸1を破線で示しており、第2コイル53と第1コイル54が単体軸1を巻いて距離L離れて設置される。送信回路部70は、第2コイル53、コンデンサ72、送信回路72からなる。第2コイル53は、
図12に図示している。第2コイル53とコンデンサ72は所定の周波数で共振するように調整され、共振回路を構成する。
【0083】
第2コイル53とコンデンサ72は並列に接続され、その出力端子に送信回路72が接続される。送信回路72は、共振回路の負荷であり、
図12に図示した比抵抗信号処理部52に含まれ、通信手段である。比抵抗信号処理部52から出力された送信信号は、第2コイル53とコンデンサ72からなる共振回路を介して送信される。受信回路部71は、送信回路部70から出力された送信信号を受信するためのもので、第1コイル54、コンデンサ74、受信回路75からなる。第1コイル54は、
図12に図示している。
【0084】
第1コイル54とコンデンサ74は所定の周波数で共振するように調整され、共振回路を構成する。第1コイル54とコンデンサ74は並列に接続され、その出力端子に受信回路75が接続される。受信回路75は、共振回路の負荷であり、
図12に図示した送受信機55に含まれ、磁界共振結合通信の受信手段である。受信回路75は、第2コイル53とコンデンサ72からなる共振回路を介して上述の送信信号を受信し、この受信した受信信号を信号処理して、無線送受信器56へ送信する。
【0085】
第2コイル53とコンデンサ72からなる共振回路と、第1コイル54とコンデンサ74からなる共振回路は、同一周波数動作し、磁界共振結合して通信する。言い換えると、この磁界共振結合は、2つの共振回路が、コイルとコンデンサの共振状態において磁界によって結合して電力伝送を行なうものである。このように、無線電力伝送であり、非放射型でありながら結合型の電力伝送である。本発明に使用する磁界共振結合は、10kHz〜100MHzの周波数で動作する。
【0086】
図18は、本発明の第3の実施の形態の地盤変化監視装置の磁界共振結合通信の回路例の概要を図示したブロック図であり、
図18(a)は送信回路73の構成例を図示しているブロック図で、
図18(b)は受信回路75の構成例を図示しているブロック図である。送信回路73は、ディジタル信号を通信できるように変調するための変調部80、ディジタル信号を増幅するための増幅部81等からなり、第2コイル53を含む共振回路に接続されている。
【0087】
図18(a)に図示したように、電極9で検知した信号であるディジタル信号を変調部80で変調し、その変調された信号を、増幅部81で所定の強度になるまでに増幅し、共振回路の第2コイル53を介して磁界共振結合通信で送信する。受信回路75は、第1コイル54と同調して信号を受信する同調部82、信号を増幅するための増幅部83、受信され増幅された信号からディジタル信号を復調して出力する復調部84等からなる。変調部80は、ディジタル信号を強度変調、負荷変調等の変調方式を採用することができる。
【0088】
図18(b)に図示したように、第1コイル54は第2コイル53と磁界共振結合する。そして、同調部82は第1コイル54と同調して信号を受信する。この信号は、上述の変調部80で変調された信号である。増幅部83は同調部82から出力された信号を所定の強度になるまでに増幅する。復調部84はこの増幅された信号を復調してディジタル信号を出力する。このディジタル信号は、上述した変調部80で変調する前のディジタル信号と同じ信号である。復調部84から出力されたディジタル信号は無線送受信器56(
図12を参照。)へ送信される。
【0089】
〔比抵抗信号処理部52〕
図19には比抵抗信号処理部52の具体的な構成例の概要をブロック図で図示している。比抵抗信号処理部52は、電位測定増幅回路部60、制御演算回路部61、電流発生回路部62、電流検出回路部63、電池64、ドライブ回路部65、検波回路部66、増幅回路部67等からなる。電位測定増幅回路部60は、電極9の電位を測定して、測定した電気信号を増幅するための回路である。
【0090】
制御演算回路部61は、電位測定増幅回路部60と制御演算回路部61の出力信号を受信して制御し演算するための回路である。電流発生回路部62は、電極9へ流す電流を発生させるための回路である。電流検出回路部63は、電極9の電流を検出ための回路である。電池64は、比抵抗信号処理部52に必要な電源を供給するための電池で、一次電池、二次電池のように任意の蓄電手段からなる。ドライブ回路部65は、第2コイル53、制御演算回路部61等を制御するもので、特に第2コイル53を制御し、共振周波数を調節する回路である。
【0091】
検波回路部66は、制御演算回路部61から出力された演算信号から比抵抗に関する信号を検知する回路である。制御演算回路部61からは高周波信号等の信号から比抵抗信号を直流信号に変換して出力する。この比抵抗信号は、増幅回路部67で増幅されて、第2コイル53へ送信される。第1コイル54と第2コイル53の間の通信は、単体軸1を介して磁界共振結合で通信するものである。第1コイル54は、
図19に図示していないがコンデンサと接続されて共振回路を構成する(
図17を参照。)。
【0092】
[第4の実施の形態]
次に、本発明の第4の実施の形態を図に基づき説明する。第4の実施の形態において、本発明を構成する地盤変化監視装置は、第3の実施の形態においての地盤変化監視装置と基本的に同じであり、ここでは異なる部分のみを説明する。
図20は、本発明の第4の実施の形態の地盤変化監視装置の磁界共振結合通信の回路の他の例の概要を図示したブロック図である。
【0093】
図20に図示した回路90は、磁界共振結合通信の送信回路と受信回路を一つの回路で実現したものである。この回路90は、コイル91、スイッチ92、増幅部93、変調部94、同調部95、増幅部96、復調部97からなる。コイル91は磁界共振結合通信の送信コイルと受信コイルの両方の機能を有する。スイッチ92を切り替えることで、回路90は、送信機能を持つ送信回路と、受信機能を持つ受信回路に切り替えることができる。
図20の例では、回路90は、実線で示したように、スイッチ92が第1節点側に接続されているとき、送信回路になる。破線で示したように、スイッチ92が第2節点側に接続されているとき、回路90は受信回路になる。ここで、回路90が送信回路の場合を説明する。まず、スイッチ92が第1節点側に接続され、回路90が送信回路として動作する。ディジタル信号は、変調部94で変調され、増幅部93で増幅されてコイル91を含む共振回路を介して磁界共振結合通信で送信される。
【0094】
次に、回路90が受信回路の場合を説明する。スイッチ92が第2節点側に接続され、回路90が受信回路として動作する。コイル91は通信相手のコイルと磁界共振結合し、同調部95はコイル91と同調して信号を受信する。同調部95から出力された信号は増幅部96で増幅され、を所定の強度になるまでに増幅する。復調部97はこの増幅された信号を復調してディジタル信号を出力する。このように、回路90のスイッチ92を切り替えるだけで、送信回路としても、受信回路としても利用できる。スイッチ92は、ON−ON操作できる2接点(双方向接点スイッチ、双投式スイッチ)の押しボタン式スイッチ、トグルスイッチ等の任意の種類のスイッチが利用できる。
【0095】
[その他の実施の形態]
前述した実施の形態では、比抵抗値は、地盤、改良土の物性を測定するものであったが、必要があれば掘削土の比抵抗値を測定するものであっても良い。この物性の測定は、掘削土と地盤改良材を混合しながら上昇するときに測定するものであったが、地盤の物性は、最初の地盤掘削時に測定しても良い。また、改良土の物性は、攪拌を複数回行う場合、その攪拌毎に物性を測定して攪拌効果を検証するものでも良い。