(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
処理手段は、第1スイッチ素子及び第2スイッチ素子をオンし、第3スイッチ素子及び第4スイッチ素子をオフしたときの第1コンパレータ、第2コンパレータ、第3コンパレータ、及び第4コンパレータの出力の組合せを用いて異常の有無及び異常箇所を検出する、
請求項1に記載のセンサの異常検出装置。
処理手段は、第1スイッチ素子及び第2スイッチ素子をオフし、第3スイッチ素子及び第4スイッチ素子をオンしたときの第1コンパレータ、第2コンパレータ、第3コンパレータ、及び第4コンパレータの出力の組合せを用いて異常の有無及び異常箇所を検出する、
請求項1に記載のセンサの異常検出装置。
処理手段は、第1スイッチ素子及び第4スイッチ素子をオンし、第2スイッチ素子及び第3スイッチ素子をオフしたときの第1コンパレータ、第2コンパレータ、第3コンパレータ、及び第4コンパレータの出力の組合せを用いて異常の有無及び異常箇所を検出する、
請求項1に記載のセンサの異常検出装置。
処理手段は、第1スイッチ素子及び第4スイッチ素子をオフし、第2スイッチ素子及び第3スイッチ素子をオンしたときの第1コンパレータ、第2コンパレータ、第3コンパレータ、及び第4コンパレータの出力の組合せを用いて異常の有無及び異常箇所を検出する、
請求項1に記載のセンサの異常検出装置。
処理手段は、第1スイッチ素子及び第2スイッチ素子をオンし、第3スイッチ素子及び第4スイッチ素子をオフしたときの第1コンパレータ、第2コンパレータ、第3コンパレータ、及び第4コンパレータの出力の組合せ、及び、第1スイッチ素子及び第2スイッチ素子をオフし、第3スイッチ素子及び第4スイッチ素子をオンしたときの第1コンパレータ、第2コンパレータ、第3コンパレータ、及び第4コンパレータの出力の組合せを用いて異常の有無及び異常箇所を検出する、
請求項1に記載のセンサの異常検出装置。
処理手段は、第1スイッチ素子及び第4スイッチ素子をオンし、第2スイッチ素子及び第3スイッチ素子をオフしたときの第1コンパレータ、第2コンパレータ、第3コンパレータ、及び第4コンパレータの出力の組合せ、及び第1スイッチ素子及び第4スイッチ素子をオフし、第2スイッチ素子及び第3スイッチ素子をオンしたときの第1コンパレータ、第2コンパレータ、第3コンパレータ、及び第4コンパレータの出力の組合せを用いて異常の有無及び異常箇所を検出する、
請求項1に記載のセンサの異常検出装置。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面に基づき本発明の実施形態について説明する。
【0018】
<構成>
図1は、本実施形態のブリッジ回路からなるセンサの異常検出装置の回路構成を示す。センサ10は、4つの辺を持つブリッジ回路から構成される。4つの辺は、辺AB、辺BC、辺CD、及び辺DAであり、それぞれの辺は抵抗Rsを有する。4つの抵抗Rsの抵抗値は、センサ負荷により変化し得るが、その変化率は通常数%以下と非常に小さいため、4つの抵抗値はほぼ同一とみなすことができる。
【0019】
ブリッジ回路の接続点Aは、デジタル指示計等の機器本体側に配置される異常検出回路のブリッジ電源プラス端子VpTにケーブル(第1信号線)20で接続される。ブリッジ回路の接続点Bは、異常検出回路のブリッジ出力プラス端子Pinにケーブル(第3信号線)22で接続される。ブリッジ回路の接続点Cは、異常検出回路のブリッジ電源マイナス端子VmTにケーブル(第2信号線)24で接続される。ブリッジ回路の接続点Dは、異常検出回路のブリッジ出力マイナス端子Minにケーブル(第4信号線)26で接続される。接続点Aにはブリッジ電源プラス端子VpTから電源電圧(プラス)が供給され、接続点Cにはブリッジ電源マイナス端子VmTから電源電圧(マイナス)が供給される。ブリッジ回路は、センサ出力として接続点Bからブリッジ出力プラス(正側の電圧信号)をアンプ40及びADコンバータ42を介してマイコン30に出力し、接続点Dからブリッジ出力マイナス(負側の電圧信号)をアンプ40及びADコンバータ42を介してマイコン30に出力する。
【0020】
ブリッジ出力ライン(第3信号線)23の節点B’とブリッジ電源ライン(第2信号線)25の節点C’の間には、プルダウン抵抗Rpを介してスイッチ(第1スイッチ素子)SW1が接続される。ブリッジ出力ライン(第4信号線)27の節点D’とブリッジ電源ライン(第2信号線)25の節点Fの間には、プルダウン抵抗Rpを介してスイッチ(第2スイッチ素子)SW2が接続される。ブリッジ電源ライン(第1信号線)21の節点A’とブリッジ出力ライン(第3信号線)23の節点B’の間には、プルアップ抵抗Rpを介してスイッチ(第3スイッチ素子)SW3が接続される。ブリッジ電源ライン(第1信号線)21の節点Eとブリッジ出力ライン(第4信号線)27の節点D’の間には、プルアップ抵抗Rpを介してスイッチ(第4スイッチ素子)SW4が接続される。
【0021】
また、ブリッジ出力ライン23の節点Gにコンパレータ(第1コンパレータ)COMP1及びコンパレータ(第2コンパレータ)COMP2の非反転入力端子(+端子)が接続され、ブリッジ出力ライン27の節点Hにコンパレータ(第3コンパレータ)COMP3及びコンパレータ(第4コンパレータ)COMP4の非反転入力端子(+)が接続される。コンパレータCOMP1及びコンパレータCOMP3の反転入力端子(−)には基準電圧REF1が入力され、コンパレータCOMP2及びコンパレータCOMP4の反転入力端子(−)には基準電圧REF2が入力される。コンパレータCOMP1〜コンパレータCOMP4は、それぞれ比較結果をマイコン30に出力する。すなわち、コンパレータCOMP1はブリッジ回路の接続点Bの電圧であるブリッジ出力プラスの電圧と基準電圧REF1との比較結果を出力し、コンパレータCOMP2はブリッジ出力プラスと基準電圧REF2との比較結果を出力し、コンパレータCOMP3はブリッジ回路の接続点Dの電圧であるブリッジ出力マイナスの電圧と基準電圧REF1との比較結果を出力し、コンパレータCOMP4はブリッジ出力マイナスの電圧と基準電圧REF2との比較結果を出力する。
【0022】
マイコン30は、処理手段として機能し、CPU、メモリ、及び入出力インタフェースを備える。マイコン30は、アンプ40及びADコンバータ42を介してブリッジ出力プラス及びブリッジ出力マイナスを入力することでセンサ出力を得る。マイコン30は、センサ出力をディスプレイ100にデジタル表示する。また、マイコン30は、4つのコンパレータCOMP1〜COMP4からの出力の組合せを用いてセンサの異常を検出する。マイコン30は、センサの異常を検出すると、ディスプレイ100にその異常を表示するとともに、特定した異常箇所をグラフィカルに表示する。具体的には、マイコン30は、センサ出力を得る場合にはSW1〜SW4に制御信号を出力してSW1〜SW4を全てオフしてブリッジ出力プラス及びブリッジ出力マイナスを入力し、センサの異常を検出する場合には制御信号を出力してSW1〜SW4をオン/オフ制御することでコンパレータCOMP1〜COMP4からの比較結果を入力し、予めメモリに記憶されたテーブルのパターンと、これら4つのコンパレータCOMP1〜COMP4の比較結果のパターンとを照合し、照合結果に基づき異常の有無を検出し、かつ異常箇所を特定する。より詳細には、4つのコンパレータCOMP1〜COMP4の比較結果のパターンがテーブルに記憶された「正常」なパターンと同一であれば異常なしと検出し、4つのコンパレータCOMP1〜COMP4の比較結果のパターンがテーブルに記憶された「異常」パターンのいずれかと同一であれば異常ありと検出するとともに、そのパターンに応じて異常箇所を一意に特定する。異常箇所には、センサ10内部の4つの辺の断線のみならず、センサ10と接続されるケーブル20,22,24,26の断線も含まれる。
【0023】
マイコン30におけるセンサ出力処理とセンサ異常検出処理のタイミングは任意であり、通常はセンサ出力処理を実行して必要なタイミング(例えばユーザからの指示に基づき、あるいは予め設定されたスケジューリングに基づき)でセンサ異常検出処理を実行してもよく、あるいは時分割でセンサ出力処理とセンサ異常検出処理を実行することで常にセンサ異常検出処理を実行してもよい。
【0024】
次に、ブリッジ回路の4つの抵抗値をRs、2つのプルアップ抵抗及び2つのプルダウン抵抗の抵抗値をRp、ブリッジ回路の電源電圧(プラス)をBVp、ブリッジ回路の電源電圧(マイナス)をBVmとした場合の、マイコン30における異常検出処理について説明する。
【0025】
<異常検出処理>
図2及び
図3は、異常パターン毎の、ブリッジ出力プラスの電圧Poutとブリッジ出力マイナスの電圧Moutの変化を示す。
図2は、SW1及びSW2をオンし、SW3及びSW4をオフした場合の電圧変化であり、
図3は、SW1及びSW2をオフし、SW3及びSW4をオンした場合の電圧変化である。
【0026】
図2において、パターン1は通常動作、つまり異常が生じていない場合であり、このときPout及びMoutは、
Pout=Rp/(Rs+2Rp)×(BVp−BVm)+BVm
Mout=Rp/(Rs+2Rp)×(BVp−BVm)+BVm
である。
【0027】
パターン2はA〜VpT間、つまりケーブル20が断線した場合であり、このときPout及びMoutは、
Pout=BVm
Mout=BVm
である。
【0028】
パターン3はB〜Pin間、つまりケーブル22が断線した場合であり、このときPout及びMoutは、
Pout=BVm
Mout=Rp/(Rs+2Rp)×(BVp−BVm)+BVm
である。
【0029】
パターン4はC〜VmT間、つまりケーブル24が断線した場合であり、このときPout及びMoutは、
Pout=Rp/(Rs+Rp)×(BVp−BVm)+BVm
Mout=Rp/(Rs+Rp)×(BVp−BVm)+BVm
である。
【0030】
パターン5はD〜Min間、つまりケーブル26が断線した場合であり、このときPout及びMoutは、
Pout=Rp/(Rs+2Rp)×(BVp−BVm)+BVm
Mout=BVm
である。
【0031】
パターン6はA〜B間、つまりブリッジ回路の辺ABが断線した場合であり、このときPout及びMoutは、
Pout=BVm
Mout=Rp/(Rs+2Rp)×(BVp−BVm)+BVm
である。
【0032】
パターン7はB〜C間、つまりブリッジ回路の辺BCが断線した場合であり、このときPout及びMoutは、
Pout=Rp/(Rs+Rp)×(BVp−BVm)+BVm
Mout=Rp/(Rs+2Rp)×(BVp−BVm)+BVm
である。
【0033】
パターン8はC〜D間、つまりブリッジ回路の辺CDが断線した場合であり、このときPout及びMoutは、
Pout=Rp/(Rs+2Rp)×(BVp−BVm)+BVm
Mout=Rp/(Rs+Rp)×(BVp−BVm)+BVm
である。
【0034】
パターン9はD〜A間、つまりブリッジ回路の辺DAが断線した場合であり、このときPout及びMoutは、
Pout=Rp/(Rs+2Rp)×(BVp−BVm)+BVm
Mout=BVm
である。
【0035】
パターン10は未接続、つまりブリッジ回路とケーブル20,22,24,26が接続されていない場合であり、このときPout及びMoutは、
Pout=BVm
Mout=BVm
である。
【0036】
図3についても同様であり、異常パターン毎にPout及びMoutが変化する。ここで、同じ異常パターンであっても、
図2と
図3では電圧が異なることに留意されたい。例えば、パターン2に着目すると、
図2では
Pout=BVm
Mout=BVm
であるが、
図3では
Pout=Rs/(Rs+Rp)×(BVp−BVm)+BVm
Mout=Rs/(Rs+Rp)×(BVp−BVm)+BVm
である。
【0037】
そこで、コンパレータCOMP1及びCOMP3の基準電圧REF1を、通常のブリッジ出力電圧範囲より高く、ブリッジ電源プラスよりも低い電圧に設定する。具体的には、
(Rs+Rp)/(Rs+2Rp)×(BVp−BVm)+BVm<REF1<Rp/(Rs+Rp)×(BVp−BVm)+BVm
の範囲に設定する。また、コンパレータCOMP2及びCOMP4の基準電圧REF2を、通常のブリッジ出力電圧範囲より低く、ブリッジ電源マイナスより高い電圧に設定する。具体的には、
Rs/(Rs+Rp)×(BVp−BVm)+BVm<REF2<Rp/(Rs+2Rp)×(BVp−BVm)+BVm
の範囲に設定する。そして、COMP1〜COMP4でそれぞれPout、Moutと基準電圧REF1、REF2を比較する。
【0038】
図4及び
図5は、異常パターン毎の、コンパレータCOMP1〜COMP4の出力結果を示す。
図4は、SW1及びSW2をオンし、SW3及びSW4をオフした場合の出力結果であり、
図5は、SW1及びSW2をオフし、SW3及びSW4をオンした場合の出力結果である。
【0039】
図4において、パターン1、つまり正常動作の場合には、
Pout=Rp/(Rs+2Rp)×(BVp−BVm)+BVm
Mout=Rp/(Rs+2Rp)×(BVp−BVm)+BVm
であるから、コンパレータCOMP1ではPoutとREF1を比較し、
Rp/(Rs+2Rp)×(BVp−BVm)+BVm<REF1
であるので、
COMP1=L
となる。また、COMP2ではPoutとREF2を比較し、
REF2<Rp/(Rs+2Rp)×(BVp−BVm)+BVm
であるので、
COMP2=H
となる。
【0040】
また、COMP3ではMoutとREF1を比較し、
Rp/(Rs+2Rp)×(BVp−BVm)+BVm<REF1
であるので、
COMP3=L
となる。また、COMP4ではMoutとREF2を比較し、
REF2<Rp/(Rs+2Rp)×(BVp−BVm)+BVm
であるので、
COMP4=H
となる。
【0041】
つまり、パターン1では比較結果は(L,H,L,H)のパターンとなる。
パターン2、つまりA〜VpT間の断線では、
Pout=BVm
Mout=BVm
であるから、COMP1ではPoutとREF1を比較し、
COMP1=L
となる。また、COMP2ではPoutとREF2を比較し、
COMP2=L
となる。また、COMP3ではMoutとREF1を比較し、
COMP3=L
となる。また、COMP4ではMoutとREF2を比較し、
COMP4=Lとなる。
つまり、パターン2では比較結果は(L,L,L,L)のパターンとなる。
パターン3、つまりB〜Pin間の断線では、
Pout=BVm
Mout=Rp/(Rs+2Rp)×(BVp−BVm)+BVm
であるから、COMP1ではPoutとREF1を比較し、
COMP1=L
となる。また、COMP2ではPoutとREF2を比較し、
COMP2=L
となる。また、COMP3ではMoutとREF1を比較し、
COMP3=L
となる。また、COMP4ではMoutとREF2を比較し、
COMP4=H
となる。
つまり、パターン3では比較結果は(L,L,L,H)のパターンとなる。
【0042】
以下、同様にして、
パターン4では比較結果は(H,H,H,H)のパターン、
パターン5では比較結果は(L,H,L,L)のパターン、
パターン6では比較結果は(L,L,L,H)のパターン、
パターン7では比較結果は(H,H,L,H)のパターン、
パターン8では比較結果は(L,H,H,H)のパターン、
パターン9では比較結果は(L,H,L,L)のパターン、
パターン10では比較結果は(L,L,L,L)のパターンとなる。
【0043】
図5についても同様であり、異常パターン毎に比較結果のパターンが得られる。同じ異常パターンであっても、
図4と
図5では比較結果のパターンが異なる点に留意されたい。例えば、パターン3は
図4では(L,L,L,H)であるが、
図5では(H,H,L,H)である。
【0044】
図4の比較結果のパターンに着目すると、パターン1,パターン4、パターン7、パターン8はそれぞれ一意のパターンであり、他に同じ比較結果のパターンとなるものはない。他方で、パターン2とパターン10はともに(L,L,L,L)で同一、パターン3とパターン6はともに(L,L,L,H)で同一、パターン5とパターン9はともに(L,H,L,L)でともに同一である。
【0045】
従って、マイコン30は、
図4に示す比較結果のパターンをテーブルとして予めメモリに記憶しておき、実際に得られた比較結果のパターンと、テーブルに規定されたパターンとを照合することで、異常の有無及び異常箇所を特定することができる。
【0046】
すなわち、実際に得られた比較結果のパターンが(L,H,L,H)であれば、異常がないことが検出できる。
【0047】
実際に得られた比較結果のパターンが(L,L,L,L)であれば、パターン2あるいはパターン10の異常を検出でき、つまりA〜VpT間の断線(ケーブル20の断線)あるいは未接続を検出できる。
【0048】
実際に得られた比較結果のパターンが(L,L,L,H)であれば、パターン3あるいはパターン6の異常を検出でき、つまりB〜Pin間の断線(ケーブル22の断線)あるいは辺ABの断線を検出できる。
【0049】
実際に得られた比較結果のパターンが(H,H,H,H)であれば、パターン4の異常を検出でき、つまりC〜VmT間の断線(ケーブル24の断線)を検出できる。
【0050】
実際に得られた比較結果のパターンが(L,H,L,L)であれば、パターン5あるいはパターン9の異常を検出でき、つまりD〜Min間の断線(ケーブル26の断線)あるいは辺DAの断線を検出できる。
【0051】
実際に得られた比較結果のパターンが(H,H,L,H)であれば、パターン7の異常を検出でき、つまり辺BCの断線を検出できる。
【0052】
実際に得られた比較結果のパターンが(L,H,H,H)であれば、パターン8の異常を検出でき、つまり辺CDの断線を検出できる。
【0053】
さらに、
図4の比較結果のパターンと
図5の比較結果のパターンに着目すると、
図4においてパターン2とパターン10はともに(L,L,L,L)で同一であるが、
図5においてパターン2は(L,L,L,L)であり、パターン10は(H,H,H,H)であり両者は異なる。また、
図4においてパターン3とパターン6はともに(L,L,L,H)で同一であるが、
図5においてパターン3は(H,H,L,H)であり、パターン6は(L,L,L,H)であり両者は異なる。また、
図4においてパターン5とパターン9はともに(L,H,L,L)で同一であるが、
図5においてパターン5は(L,H,H,H)であり、パターン9は(L,H,L,L)で両者は異なる。
【0054】
従って、マイコン30は、仮に
図4のみでは異常箇所を一意に特定できない場合でも、
図4と
図5を併用して用いることで異常箇所を一意に特定することができる。
【0055】
具体的には、マイコン30は、SW1及びSW2をオンし、SW3及びSW4をオフした場合に実際に得られた比較結果のパターンが(L,L,L,L)であれば、パターン2あるいはパターン10の異常を検出でき、さらにSW1及びSW2をオフし、SW3及びSW4をオンして実際に得られた比較結果のパターンが(L,L,L,L)であればA〜VpT間の断線(ケーブル20の断線)であると検出でき、(H,H,H,H)であれば未接続であると検出できる。
【0056】
また、マイコン30は、SW1及びSW2をオンし、SW3及びSW4をオフした場合に実際に得られた比較結果のパターンが(L,L,L,H)であれば、パターン3あるいはパターン6の異常を検出でき、さらにSW1及びSW2をオフし、SW3及びSW4をオンして実際に得られた比較結果のパターンが(H,H,L,H)であればB〜Pin間の断線(ケーブル22の断線)であると検出でき、(L,L,L,H)であれば辺AB間の断線であると検出できる。
【0057】
また、マイコン30は、SW1及びSW2をオンし、SW3及びSW4をオフした場合に実際に得られた比較結果のパターンが(L,H,L,L)であれば、パターン5あるいはパターン9の異常を検出でき、さらにSW1及びSW2をオフし、SW3及びSW4をオンして実際に得られた比較結果のパターンが(L,H,H,H)であればD〜Min間の断線(ケーブル26の断線)であると検出でき、(L,H,L,L)であれば辺DA間の断線であると検出できる。
【0058】
要約すると、マイコン30は、SW1及びSW2をオンし、SW3及びSW4をオフした場合に実際に得られた比較結果のパターンが(L,H,L,H)、(H,H,H,H)、(H,H,L,H)、(L,H,H,H)のいずれかであれば、
図4に示されるテーブルを参照して一意に異常箇所を特定することができ、SW1及びSW2をオンし、SW3及びSW4をオフした場合に実際に得られた比較結果のパターンが(L,L,L,L)、(L,L,L,H)、(L,H,L,L)のいずれかであれば、引き続いてSW1及びSW2をオフし、SW3及びSW4をオンして比較結果のパターンを取得し、
図4及び
図5に示されるテーブルを参照して一意に異常箇所を特定することができる。
【0059】
本実施形態では、
図4のテーブル、あるいは
図4と
図5のテーブルを組み合わせることで、ブリッジ回路の4つの辺AB、辺BC、辺CD、辺DAの断線、及びケーブル20,22,24,26の断線を全て検出することができる。また、ケーブル20,22,24,26の断線を検出する際にブリッジ回路の4つの辺が正常であることを前提とする必要もない。本実施形態では、コンパレータCOMP1〜COMP4の比較結果のパターンを用いて異常の有無及び異常箇所を検出するので、基準電圧REF1及びREF2を上記の範囲内で適切に設定する限り、ブリッジ出力プラスPout及びブリッジ出力マイナスMoutの大きさが多少変動したとしても確実に異常を検出できる。さらに、本実施形態では、パターン10、つまりセンサ10とケーブル20〜26とが未接続である異常も検出することが可能である。
【0060】
図6は、マイコン30で異常を検出した場合の表示例を示す。異常を検出した場合、マイコン30は、ディスプレイ100にセンサ10及びケーブル20,22,24,26をグラフィカル表示し、異常を検出したことを示すメッセージ102とともに、異常箇所をX印104で表示する。
図6では、パターン2、つまりケーブル20の断線を検出した場合であり、ケーブル20上にX印104を表示する。ユーザは、このディスプレイ100を視認することで異常の有無及び異常箇所を容易に確認することができる。
【0061】
なお、マイコン30がパターン10、つまり未接続を検出した場合には、メッセージ102として「未接続」を表示するとともに、全てのケーブル20,22,24,26の上にX印104を表示する。ユーザが全てのケーブル20,22,24,26を正しくセンサ10に接続した場合、マイコン30は「異常」のメッセージ102及びX印104を消去する。「未接続」の場合には、ケーブル20,22,24,26を強調表示し、「ケーブルを接続して下さい」等のガイダンスを表示することも好適である。異常を検出しない場合には、「正常」のメッセージを表示してもよい。勿論、ディスプレイ100の表示スペースに余裕がない場合は、メッセージ102のみを表示してもよいし、異常箇所をテキスト表示するようにしてもよい。
【0062】
本実施形態では、マイコン30は、まず
図4に示されるテーブルに基づいて異常を検出し、必要に応じてさらに
図5に示されるテーブルに基づいて異常を検出しているが、まず
図5に示されるテーブルに基づいて異常を検出し、必要に応じてさらに
図4に示されるテーブルに基づいて異常を検出する構成としてもよい。すなわち、
図4と
図5の少なくともいずれかのテーブルを用いて異常を検出することができる。
【0063】
また、本実施形態では、SW1及びSW2をオンし、SW3及びSW4をオフした場合のテーブル(
図4)と、SW1及びSW2をオフし、SW3及びSW4をオンした場合のテーブル(
図5)を用いているが、SW1及びSW4をオンし、SW2及びSW3をオフした場合のテーブルと、SW1及びSW4をオフし、SW2及びSW3をオンした場合のテーブルを用いて異常を検出する構成としてもよい。
【0064】
本実施形態において、コンパレータCOMP1〜COMP4は、ADコンバータとマイコン30で代替してもよい。