(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
添付の図面を参照し、本発明を説明する。重複する説明は、適宜簡略化或いは省略する。各図において、同一の符号は同一の部分又は相当する部分を示す。
【0012】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1におけるエレベーターシステムの例を示す図である。
図1に示すエレベーターシステムは、例えばエレベーター1、携帯端末2、及び受信装置3を備える。
【0013】
エレベーター1は、例えばかご11及びつり合いおもり12を備える。かご11は、昇降路13を上下に移動する。かご11及びつり合いおもり12は、主ロープ14によって昇降路13に吊り下げられる。主ロープ14は、巻上機15の駆動綱車16に巻き掛けられる。巻上機15は、制御装置17によって制御される。即ち、制御装置17は、かご11を制御する。また、かご11は、かごドアを備える。かご11が停止するエレベーターの各乗場4に、乗場ドアが設けられる。制御装置17は、かご11をある乗場4に停止させると、かごドアを開閉させる。乗場4に乗場ドアを駆動するための装置は設けられていない。乗場ドアは、かごドアが対向する位置で開閉すると、かごドアの開閉に連動して開閉する。即ち、制御装置17は、ドアの開閉を制御する。
【0014】
携帯端末2は、利用者が所有する端末である。携帯端末2は、例えばスマートフォンである。本システムでは、利用者は、携帯端末2を利用して呼びを登録することができる。携帯端末2を利用した呼び登録を行うためには、携帯端末2に、呼び登録用の特定のアプリケーションが予めインストールされている必要がある。例えば、利用者は、エレベーター1の管理を行う保守会社のホームページに携帯端末2からアクセスすることにより、携帯端末2に上記アプリケーションをダウンロードすることができる。以下の説明では、このアプリケーションのことを「アプリケーションA」と表記する。
【0015】
受信装置3は、制御装置17に接続される。
図1は、受信装置3が制御装置17に直接接続される例を示す。受信装置3は、特定の機器を介して制御装置17に接続されても良い。受信装置3は、アプリケーションAがインストールされた携帯端末2から信号を受信する。受信装置3は、携帯端末2から受信した信号を制御装置17に送る。即ち、携帯端末2にアプリケーションAがインストールされていれば、携帯端末2は、受信装置3を介して制御装置17と通信することができる。
【0016】
図2は、携帯端末2の例を示す図である。携帯端末2は、例えば記憶部20、記憶部21、位置検出部22、判定部23、高度検出部24、特定部25、特定部26、及び通信部27を備える。
図3は、制御装置17の例を示す図である。制御装置17は、例えば登録部28、及び動作制御部29を備える。
【0017】
以下に、本システムの動作について詳しく説明する。
図4は、携帯端末2の動作例を示すフローチャートである。
図4に示す動作フローは、アプリケーションAがインストールされることによって携帯端末2において行われる。
【0018】
位置検出部22は、携帯端末2の現在の位置を検出する(S101)。位置検出部22が携帯端末2の位置を検出する方法は、如何なる方法でも良い。例えば、位置検出部22は、GPS衛星からの信号を受信することにより、携帯端末2の位置を検出する。位置検出部22は、位置検出のために他の電波を利用しても良い。
【0019】
次に、判定部23は、エレベーターのかごへの乗車意思があるか否かを判定する(S102)。記憶部20に、複数のエレベーターについて、その据付位置が記憶される。例えば、記憶部20に、上記保守会社が管理する全て又は一部のエレベーターの据付位置が記憶される。記憶部20の記憶内容は、上記保守会社からの情報に基づいて定期的に更新されることが望ましい。判定部23は、位置検出部22が検出した位置と記憶部20に記憶された据付位置とに基づいてS102の判定を行う。
【0020】
例えば、記憶部20には、エレベーター1の据付位置Bも記憶されている。判定部23は、位置検出部22が検出した位置が据付位置Bを含む特定の範囲Cに入っていれば、エレベーター1のかご11への乗車意思があると判定する。判定部23は、位置検出部22が検出した位置が範囲Cに入ったまま一定時間が経過した場合に、かご11への乗車意思があると判定しても良い。判定部23は、他の条件に基づいてS102でYesと判定しても良い。
【0021】
S102の判定は、例えば、記憶部20に据付位置が記憶されたエレベーターのうち、位置検出部22が検出した位置に最も据付位置が近いエレベーターのかごに対して行われる。S102の判定は、複数のエレベーターのかごに対して行われても良い。以下においては、エレベーター1のかご11に対して乗車意思があるとS102で判定された例について説明する。
【0022】
高度検出部24は、携帯端末2の現在の高度を検出する(S103)。高度検出部24による高度の検出は、一定の周期で行われる。高度検出部24による高度の検出は、S102でYesと判定された時のみ行われても良い。特定部25は、高度検出部24によって検出された高度に基づいて、携帯端末2を携帯している利用者の出発階を特定する(S104)。例えば、特定部25は、S102でYesと判定された際に高度検出部24によって検出された高度に基づいて、出発階を特定する。
【0023】
次に、特定部26は、携帯端末2を携帯している利用者の行先階を特定する(S105)。記憶部21に、階テーブルが予め記憶される。この階テーブルには、携帯端末2の利用者に対して設定されたビル毎の行先階が予め登録される。表1は、記憶部21に記憶された階テーブルの例を示す。
【0025】
特定部26は、位置検出部22が検出した位置と記憶部21に記憶された階テーブルとに基づいて、行先階を特定する。例えば、エレベーター1がXビルに据え付けられている例を考える。特定部26は、記憶部20に記憶された据付位置に基づいて、位置検出部22が検出した位置から、利用者が利用しようとしているエレベーター1がXビルに据え付けられていることを特定できる。特定部26は、表1に示す階テーブルから、Xビルでの利用者の行先階が7階であることを特定する。
【0026】
通信部27は、かご11への乗車意思があるとS102で判定されると、そのかご11を制御する制御装置17に対して第1信号を送信する(S106)。通信部27がS106で送信する第1信号には、特定部25がS104で特定した出発階の情報と特定部26がS105で特定した行先階の情報とが含まれる。
【0027】
図5は、制御装置17の動作例を示すフローチャートである。制御装置17では、携帯端末2から第1信号を受信したか否かが判定される(S201)。携帯端末2からの第1信号は、受信装置3によって受信される。受信装置3は、携帯端末2から第1信号を受信すると、受信した第1信号を制御装置17に送る。S106で携帯端末2が送信した第1信号を受信装置3が受信すると、S201でYesと判定される。
【0028】
制御装置17が携帯端末2からの第1信号を受信すると、登録部28は、特定部25が特定した出発階と特定部26が特定した行先階とに基づいて呼びを登録する(S202)。動作制御部29は、S202で呼びが登録されると、その登録された呼びにかご11を応答させる(S203)。具体的に、動作制御部29は、出発階にかご11を停止させ、ドアを開放させる。動作制御部29は、出発階でドアを閉めると、かご11を行先階に移動させる。動作制御部29は、行先階でかご11を停止させ、ドアを開放させる。
【0029】
本実施の形態に示す例であれば、利用者は、携帯端末2を利用して呼びを登録することができる。利用者が携帯端末2を所持してエレベーターに接近すれば、呼びが自動登録される。利用者は、呼びを登録するために携帯端末2を操作する必要はない。
【0030】
本システムでは、位置検出部22が検出した位置を利用して、利用者が利用しようとしているエレベーターが特定される。また、高度検出部24が検出した高度を利用して、利用者の出発階が特定される。このため、無線信号を発する装置を乗場4に設置する必要がなく、システムを安価に実現できる。
【0031】
本実施の形態では、利用者の出発階と行先階との双方が自動的に特定される例について説明した。利用者の行先階が特定されなくても、呼びの自動登録を行うことは可能である。このため、携帯端末2に階テーブルは記憶されていなくても良い。かかる場合、携帯端末2からの第1信号には、特定部25がS104で特定した出発階の情報が含まれる。制御装置17では、S202において、特定部25が特定した出発階に基づいて呼びが登録される。
【0032】
他の例として、携帯端末2が備える上記機能の一部は、制御装置17が備えても良い。
図6は、携帯端末2及び制御装置17の他の例を示す図である。
図6に示す例では、携帯端末2は、記憶部20、位置検出部22、判定部23、高度検出部24、特定部25、及び通信部27を備える。制御装置17は、記憶部21、特定部26、登録部28、及び動作制御部29を備える。
図6は、行先階の特定が制御装置17で行われる例を示す。
【0033】
図7は、
図6に示す携帯端末2の動作例を示すフローチャートである。
図7のS301からS304に示す処理は、S101からS104に示す処理と基本的に同様である。
【0034】
位置検出部22は、携帯端末2の現在の位置を検出する(S301)。次に、判定部23は、エレベーターのかごへの乗車意思があるか否かを判定する(S302)。記憶部20には、複数のエレベーターについて、その据付位置が記憶されている。判定部23は、位置検出部22が検出した位置と記憶部20に記憶された据付位置とに基づいてS302の判定を行う。例えば、位置検出部22が検出した位置が範囲Cに入っていれば、判定部23は、S302においてかご11への乗車意思があると判定する。
【0035】
高度検出部24は、携帯端末2の現在の高度を検出する(S303)。特定部25は、高度検出部24によって検出された高度に基づいて、携帯端末2を携帯している利用者の出発階を特定する(S304)。例えば、特定部25は、S302でYesと判定された際に高度検出部24によって検出された高度に基づいて、出発階を特定する。
【0036】
通信部27は、かご11への乗車意思があるとS302で判定されると、そのかご11を制御する制御装置17に対して第1信号を送信する(S305)。通信部27がS305で送信する第1信号には、特定部25がS304で特定した出発階の情報が含まれる。また、この第1信号には、識別情報が更に含まれる。識別情報は、携帯端末2、即ち携帯端末2の利用者を特定するための情報である。識別情報は、例えば端末IDである。
【0037】
図8は、
図6に示す制御装置17の動作例を示すフローチャートである。
図8のS401に示す処理は、S201に示す処理と基本的に同様である。制御装置17では、携帯端末2から第1信号を受信したか否かが判定される(S401)。S305で携帯端末2が送信した第1信号を受信装置3が受信すると、S401でYesと判定される。
【0038】
制御装置17が携帯端末2からの第1信号を受信すると、特定部26は、その第1信号を送信してきた携帯端末2の利用者の行先階を特定する(S402)。例えば、記憶部21に、階テーブルが予め記憶される。この階テーブルには、利用者毎の行先階が予め登録される。表2は、記憶部21に記憶された階テーブルの例を示す。
【0040】
特定部26は、S401で受信した第1信号に含まれる識別情報と記憶部21に記憶された階テーブルとに基づいて、行先階を特定する。例えば、S401で受信した第1信号に識別情報「12345」が含まれていれば、特定部26は、表2に示す階テーブルから、利用者の行先階が7階であることを特定する。
【0041】
S402で行先階が特定されると、登録部28は、特定部25が特定した出発階と特定部26が特定した行先階とに基づいて呼びを登録する(S403)。動作制御部29は、S403で呼びが登録されると、その登録された呼びにかご11を応答させる(S404)。具体的に、動作制御部29は、出発階にかご11を停止させ、ドアを開放させる。動作制御部29は、出発階でドアを閉めると、かご11を行先階に移動させる。動作制御部29は、行先階でかご11を停止させ、ドアを開放させる。
【0042】
本実施の形態では、制御装置17が1台のかご11を制御する例について説明した。これは一例である。制御装置17は、複数台のかごを一群として制御する機能を備えても良い。かかる場合、制御装置17は、割当かごを決定する割当部を更に備える。割当かごは、登録された呼びに応答するかごである。割当かごは、上記複数台のかごの中から決定される。
【0043】
実施の形態2.
本実施の形態1では、携帯端末2からの信号をビル内で直接受信する装置、即ち受信装置3が備えられる例について説明した。本実施の形態では、ビル内に受信装置3を設置する必要がない例について説明する。
図9は、実施の形態2におけるエレベーターシステムの例を示す図である。
図9に示すエレベーターシステムは、例えばエレベーター1、携帯端末2、通信装置5及びサーバ6を備える。
【0044】
通信装置5は、制御装置17に接続される。通信装置5は、エレベーター1が外部と通信するための装置である。通信装置5は、エレベーター1の保守機能を備えても良い。
【0045】
通信装置5が接続されたエレベーター1は、例えばネットワーク7を介して遠隔のサーバ6に接続される。ネットワーク7は、例えばIPネットワークである。IPネットワークは、通信プロトコルとしてIP(Internet Protocol)を用いた通信ネットワークである。ネットワーク7は、クローズドネットワークでも良いし、オープンネットワークでも良い。エレベーター1は、サーバ6と通信可能なエレベーターの一例である。サーバ6は、遠隔にある多数のエレベーターと通信が可能である。また、携帯端末2は、アプリケーションAがインストールされていれば、例えばネットワーク7を介してサーバ6と通信が可能である。サーバ6は、例えばエレベーター1を管理する保守会社に設けられる。
【0046】
図10は、実施の形態2におけるエレベーターシステムの要部を示す図である。具体的に、
図10は、携帯端末2、サーバ6、及び制御装置17の例を示す。携帯端末2は、例えば記憶部20、記憶部21、位置検出部22、判定部23、高度検出部24、特定部25、特定部26、及び通信部27を備える。制御装置17は、例えば登録部28、及び動作制御部29を備える。サーバ6は、例えば、通信部30を備える。
【0047】
以下に、本システムの動作について詳しく説明する。
図11は、携帯端末2の動作例を示すフローチャートである。
図11のS501からS506に示す処理は、S101からS106に示す処理と基本的に同様である。
【0048】
位置検出部22は、携帯端末2の現在の位置を検出する(S501)。次に、判定部23は、エレベーターのかごへの乗車意思があるか否かを判定する(S502)。記憶部20には、複数のエレベーターについて、その据付位置が記憶されている。判定部23は、位置検出部22が検出した位置と記憶部20に記憶された据付位置とに基づいてS502の判定を行う。例えば、位置検出部22が検出した位置が範囲Cに入っていれば、判定部23は、S502においてかご11への乗車意思があると判定する。
【0049】
高度検出部24は、携帯端末2の現在の高度を検出する(S503)。特定部25は、高度検出部24によって検出された高度に基づいて、携帯端末2を携帯している利用者の出発階を特定する(S504)。例えば、特定部25は、S502でYesと判定された際に高度検出部24によって検出された高度に基づいて、出発階を特定する。
【0050】
次に、特定部26は、携帯端末2を携帯している利用者の行先階を特定する(S505)。記憶部21に、階テーブルが予め記憶される。
図10及び
図11に示す例では、階テーブルに、携帯端末2の利用者に対して設定されたビル毎の行先階が予め登録される。例えば、表1に示す階テーブルが記憶部21に記憶される。特定部26は、位置検出部22が検出した位置と記憶部21に記憶された階テーブルとに基づいて、行先階を特定する。
【0051】
通信部27は、例えばかご11への乗車意思があるとS502で判定されると、サーバ6に対して第1信号を送信する(S506)。通信部27がS506で送信する第1信号には、特定部25がS504で特定した出発階の情報と特定部26がS505で特定した行先階の情報とが含まれる。また、この第1信号には、ビル情報が更に含まれる。ビル情報は、利用者が利用しようとしているエレベーターが据え付けられたビルを特定するための情報である。例えば、記憶部20に記憶された据付位置に基づいて、位置検出部22が検出した位置から、エレベーター1が据え付けられたビルが特定される。なお、エレベーター1が据え付けられたビルは、制御装置17が設けられたビルと同義である。
【0052】
図12は、サーバ6の動作例を示すフローチャートである。サーバ6では、携帯端末2から第1信号を受信したか否かが判定される(S601)。S506で携帯端末2が送信した第1信号をサーバ6が受信すると、S601でYesと判定される。
【0053】
S601でYesと判定されると、通信部30は、第2信号を送信する(S602)。通信部30は、携帯端末2からの第1信号に含まれるビル情報に基づいて、第2信号の送信先を決定する。上記例であれば、通信部30は、ビル情報から特定されるビルXに備えられたエレベーター1の制御装置17に対して第2信号を送信する。この第2信号には、特定部25がS504で特定した出発階の情報と特定部26がS505で特定した行先階の情報とが含まれる。
【0054】
図13は、制御装置17の動作例を示すフローチャートである。
図13のS701からS703に示す処理は、S201からS203に示す処理と基本的に同様である。
【0055】
制御装置17では、サーバ6から第2信号を受信したか否かが判定される(S701)。サーバ6からの第2信号は、通信装置5によって受信される。通信装置5は、サーバ6から第2信号を受信すると、受信した第2信号を制御装置17に送る。S602でサーバ6が送信した第2信号を通信装置5が受信すると、S701でYesと判定される。
【0056】
制御装置17がサーバ6からの第2信号を受信すると、登録部28は、特定部25が特定した出発階と特定部26が特定した行先階とに基づいて呼びを登録する(S702)。動作制御部29は、S702で呼びが登録されると、その登録された呼びにかご11を応答させる(S703)。具体的に、動作制御部29は、出発階にかご11を停止させ、ドアを開放させる。動作制御部29は、出発階でドアを閉めると、かご11を行先階に移動させる。動作制御部29は、行先階でかご11を停止させ、ドアを開放させる。
【0057】
本実施の形態に示す例であれば、利用者は、携帯端末2を利用して呼びを登録することができる。利用者が携帯端末2を所持してエレベーターに接近すれば、呼びが自動登録される。利用者は、呼びを登録するために携帯端末2を操作する必要はない。
【0058】
本システムでは、実施の形態1に示す例と同様に、無線信号を発する装置を乗場4に設置する必要がない。また、携帯端末2からサーバ6に第1信号が送信され、サーバ6から制御装置17に第2信号が送信される。このため、本システムは、受信装置3を備える必要もない。したがって、システムを安価に実現できる。
【0059】
本実施の形態では、利用者の出発階と行先階との双方が自動的に特定される例について説明した。利用者の行先階が特定されなくても、呼びの自動登録を行うことは可能である。このため、携帯端末2に階テーブルは記憶されていなくても良い。かかる場合、携帯端末2からの第1信号には、特定部25がS504で特定した出発階の情報とビル情報とが含まれる。サーバ6からの第2信号には、特定部25がS504で特定した出発階の情報が含まれる。制御装置17では、S702において、特定部25が特定した出発階に基づいて呼びが登録される。
【0060】
他の例として、携帯端末2が備える上記機能の一部は、制御装置17が備えても良い。
図14は、実施の形態2におけるエレベーターシステムの要部の他の例を示す図である。
図14に示す例では、携帯端末2は、記憶部20、位置検出部22、判定部23、高度検出部24、特定部25、及び通信部27を備える。制御装置17は、記憶部21、特定部26、登録部28、及び動作制御部29を備える。サーバ6は、通信部30を備える。
図14は、行先階の特定が制御装置17で行われる例を示す。
【0061】
図15は、
図14に示す携帯端末2の動作例を示すフローチャートである。
図15のS801からS804に示す処理は、S501からS504に示す処理と基本的に同様である。
【0062】
位置検出部22は、携帯端末2の現在の位置を検出する(S801)。次に、判定部23は、エレベーターのかごへの乗車意思があるか否かを判定する(S802)。判定部23は、位置検出部22が検出した位置と記憶部20に記憶された据付位置とに基づいてS802の判定を行う。
【0063】
高度検出部24は、携帯端末2の現在の高度を検出する(S803)。特定部25は、高度検出部24によって検出された高度に基づいて、携帯端末2を携帯している利用者の出発階を特定する(S804)。例えば、特定部25は、S802でYesと判定された際に高度検出部24によって検出された高度に基づいて、出発階を特定する。
【0064】
通信部27は、例えばかご11への乗車意思があるとS802で判定されると、サーバ6に対して第1信号を送信する(S805)。通信部27がS805で送信する第1信号には、特定部25がS804で特定した出発階の情報とビル情報とが含まれる。また、この第1信号には、識別情報が更に含まれる。上述したように、識別情報は、携帯端末2の利用者を特定するための情報である。
【0065】
図16は、
図14に示すサーバ6の動作例を示すフローチャートである。
図16のS901からS902に示す処理は、S601からS602に示す処理と基本的に同様である。
【0066】
サーバ6では、携帯端末2から第1信号を受信したか否かが判定される(S901)。S805で携帯端末2が送信した第1信号をサーバ6が受信すると、S901でYesと判定される。S901でYesと判定されると、通信部30は、第2信号を送信する(S902)。通信部30は、携帯端末2からの第1信号に含まれるビル情報に基づいて、第2信号の送信先を決定する。上記例であれば、通信部30は、ビル情報から特定されるビルXに備えられたエレベーター1の制御装置17に対して第2信号を送信する。この第2信号には、特定部25がS804で特定した出発階の情報と第1信号に含まれていた識別情報とが含まれる。
【0067】
図17は、
図14に示す制御装置17の動作例を示すフローチャートである。
図17のS1001に示す処理は、S701に示す処理と基本的に同様である。制御装置17では、サーバ6から第2信号を受信したか否かが判定される(S1001)。S902でサーバ6が送信した第2信号を通信装置5が受信すると、S1001でYesと判定される。
【0068】
制御装置17がサーバ6からの第2信号を受信すると、特定部26は、S901でサーバ6が受信した第1信号の送信元である携帯端末2の利用者の行先階を特定する(S1002)。例えば、記憶部21に、階テーブルが予め記憶される。
図14に示す例では、階テーブルに、利用者毎の行先階が予め登録される。例えば、表2に示す階テーブルが記憶部21に記憶される。
【0069】
特定部26は、S1001で受信したサーバ6からの第2信号に含まれる識別情報と記憶部21に記憶された階テーブルとに基づいて、行先階を特定する。例えば、S1001で受信した第2信号に識別情報「12345」が含まれていれば、特定部26は、表2に示す階テーブルから、利用者の行先階が7階であることを特定する。
【0070】
S1002で行先階が特定されると、登録部28は、特定部25が特定した出発階と特定部26が特定した行先階とに基づいて呼びを登録する(S1003)。動作制御部29は、S1003で呼びが登録されると、その登録された呼びにかご11を応答させる(S1004)。
【0071】
他の例として、
図10に示す例で携帯端末2が備える機能の一部は、サーバ6が備えても良い。
図18は、実施の形態2におけるエレベーターシステムの要部の他の例を示す図である。
図18に示す例では、携帯端末2は、記憶部20、位置検出部22、判定部23、高度検出部24、特定部25、及び通信部27を備える。サーバ6は、記憶部21、特定部26、及び通信部30を備える。制御装置17は、登録部28、及び動作制御部29を備える。
図18は、行先階の特定がサーバ6で行われる例を示す。
【0072】
図18に示す携帯端末2の動作は、
図15に示す動作と基本的に同様である。通信部27がS805で送信する第1信号には、特定部25がS804で特定した出発階の情報とビル情報と識別情報とが含まれる。
【0073】
図19は、
図18に示すサーバ6の動作例を示すフローチャートである。
図19のS1101に示す処理は、S901に示す処理と基本的に同様である。例えば、サーバ6では、携帯端末2から第1信号を受信したか否かが判定される(S1101)。S805で携帯端末2が送信した第1信号をサーバ6が受信すると、S1101でYesと判定される。
【0074】
サーバ6が携帯端末2からの第1信号を受信すると、特定部26は、その第1信号を送信してきた携帯端末2の利用者の行先階を特定する(S1102)。例えば、記憶部21に、階テーブルが予め記憶される。
図18に示す例では、階テーブルに、ビル毎及び利用者毎の行先階が予め登録される。表3は、記憶部21に記憶された階テーブルの例を示す。
【0076】
特定部26は、S1101で受信した携帯端末2からの第1信号に含まれるビル情報及び識別情報と記憶部21に記憶された階テーブルとに基づいて、行先階を特定する。例えば、S1101で受信した第1信号に識別情報「12345」とビル情報「Xビル」が含まれていれば、特定部26は、表3に示す階テーブルから、利用者の行先階が7階であることを特定する。
【0077】
S1102で行先階が特定されると、通信部30は、第2信号を送信する(S1103)。通信部30は、携帯端末2からの第1信号に含まれるビル情報に基づいて、第2信号の送信先を決定する。上記例であれば、通信部30は、ビル情報から特定されるビルXに備えられたエレベーター1の制御装置17に対して第2信号を送信する。この第2信号には、特定部25がS804で特定した出発階の情報と特定部26がS1102で特定した行先階の情報とが含まれる。
【0078】
図20は、
図18に示す制御装置17の動作例を示すフローチャートである。
図20のS1201に示す処理は、S1001に示す処理と基本的に同様である。制御装置17では、サーバ6から第2信号を受信したか否かが判定される(S1201)。S1103でサーバ6が送信した第2信号を通信装置5が受信すると、S1201でYesと判定される。
【0079】
制御装置17がサーバ6からの第2信号を受信すると、登録部28は、特定部25が特定した出発階と特定部26が特定した行先階とに基づいて呼びを登録する(S1202)。動作制御部29は、S1202で呼びが登録されると、その登録された呼びにかご11を応答させる(S1203)。
【0080】
本実施の形態では、制御装置17が1台のかご11を制御する例について説明した。これは一例である。制御装置17は、複数台のかごを一群として制御する機能を備えても良い。かかる場合、制御装置17は、割当かごを決定する割当部を更に備える。割当かごは、登録された呼びに応答するかごである。割当かごは、上記複数台のかごの中から決定される。
【0081】
符号20〜30に示す各部は、本システムに備えられた機器の機能を示す。これらの機能は、メモリに記憶されたプログラムをプロセッサによって実行することにより実現される。例えば、
図21は、携帯端末2のハードウェア資源の例を示す図である。携帯端末2は、ハードウェア資源として、例えばプロセッサ32とメモリ33とを含む処理回路31を備える。
図2に示す例では、記憶部20の機能及び記憶部21の機能はメモリ33によって実現される。携帯端末2は、メモリ33に記憶されたプログラムをプロセッサ32によって実行することにより、符号22〜27に示す各部の機能を実現する。
【0082】
図22は、携帯端末2のハードウェア資源の他の例を示す図である。
図22に示す例では、携帯端末2は、例えばプロセッサ32、メモリ33、及び専用ハードウェア34を含む処理回路31を備える。
図22は、携帯端末2が有する機能の一部を専用ハードウェア34によって実現する例を示す。携帯端末2が有する機能の全部を専用ハードウェア34によって実現しても良い。
【0083】
図21に示す例と同様に、制御装置17は、ハードウェア資源として、例えばプロセッサとメモリとを含む処理回路を備える。制御装置17は、メモリに記憶されたプログラムをプロセッサによって実行することにより、各実施の形態で説明した機能を実現する。
図22に示す例と同様に、制御装置17が有する機能の一部を専用ハードウェアによって実現しても良い。制御装置17が有する機能の全部を専用ハードウェアによって実現しても良い。
【0084】
図21に示す例と同様に、サーバ6は、ハードウェア資源として、例えばプロセッサとメモリとを含む処理回路を備える。サーバ6は、メモリに記憶されたプログラムをプロセッサによって実行することにより、各実施の形態で説明した機能を実現する。
図22に示す例と同様に、サーバ6が有する機能の一部を専用ハードウェアによって実現しても良い。サーバ6が有する機能の全部を専用ハードウェアによって実現しても良い。
エレベーターシステムは、制御装置(17)、及び携帯端末(2)を備える。携帯端末(2)において、判定部(23)は、位置検出部(22)が検出した位置及び記憶部(20)に記憶された据付位置に基づいて、かご(11)への乗車意思があるか否かを判定する。特定部(25)は、高度検出部(24)が検出した高度に基づいて、出発階を特定する。通信部(27)は、乗車意思があると判定部(23)が判定すると、特定部(25)が特定した出発階の情報を含む第1信号を制御装置(17)に送信する。