(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6628114
(24)【登録日】2019年12月13日
(45)【発行日】2020年1月8日
(54)【発明の名称】オイルレベルゲージの構造
(51)【国際特許分類】
G01F 23/04 20060101AFI20191223BHJP
【FI】
G01F23/04 D
【請求項の数】1
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2018-147195(P2018-147195)
(22)【出願日】2018年7月18日
【審査請求日】2018年7月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】513280496
【氏名又は名称】有我 義輝
(73)【特許権者】
【識別番号】594187611
【氏名又は名称】那須 進
(72)【発明者】
【氏名】有我 義輝
(72)【発明者】
【氏名】那須 進
【審査官】
羽飼 知佳
(56)【参考文献】
【文献】
特開平03−009220(JP,A)
【文献】
実開昭57−190427(JP,U)
【文献】
実公昭30−016585(JP,Y1)
【文献】
実開昭61−063107(JP,U)
【文献】
実開昭57−122531(JP,U)
【文献】
特開2016−053556(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01F 23/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
オイルレベルゲージの、スティックの先端に有る、ゲージ部分を含む、上下の縁側に、開口を設け、オイルレベルゲージを、エンジンの下部に有る、オイルパンに浸した後、オイルレベルゲージを引き抜いた時、オイルに浸った開口が、オイルの表面張力で穴埋めされるオイルレベルゲージであって、
開口は、オイルレベルゲージの縁側から、オイルレベルゲージの幅方向に延びるスリットと、スリットに連通し、スリットの幅よりも大きな直径を有する円形の孔と、からなることを特徴とする、オイルレベルゲージ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
オイルレベルゲージを、エンジンの外側面に付いている、ガイドパイプに差し込み、エンジンの下部に位置する、オイルパンに浸した後、オイルレベルゲージを引き抜いて、エンジンオイルの上面の位置を、目視で容易に識別する事が出来る器具。
【背景技術】
【0002】
オイルレベルゲージは、エンジンの下部の位置にある、オイルパンに貯留された、エンジンオイルの量を計測する器具であり、エンジンの外側面から オイルパンに通じる、屈曲したガイドパイプに差し込んで、オイルゲージの先端の、ゲージ部の面に付着した、オイルの上限の位置を、目視で判読する。この場合、オイルレベルゲージの、ゲージ部分の平らな面は、格子状に刻印されており、オイルの付着状態に凹凸をつけて判読しやすくしているが、格子状の線の凹凸の深さが浅く、且つ付着したオイルの厚みが薄く、且つオイルの色が透明に近いため、相当神経を使って判読いないと,オイルの上限の位置の識別が困難である。
【0003】
また、オイルレベルゲージのゲージ部分の平らな面には オイルレベルの上限と下限に細い線が刻印されており、該線の刻印の近くに、円形の穴が開けられており、ゲージ部分の適量の存在の確認の明示をしているが、オイルレベルの上限と下限を示す線が、ゲージの平らな面に、刻印されているものの、刻印の深さが浅く、且つオイルの色が透明に近い為、オイルの付着状態の判読が困難になっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013−83167
【特許文献2】特開2011−209277
【特許文献3】特開2009−19917
【特許文献4】特開平8−247822
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
図―1に示す、オイルレベルゲージ(1)は、エンジンの外側面から、エンジンの底位置にある、オイルパンに通じる、屈曲したガイドパイプに添ってスティック(4)が差し込まれる。該スティック(4)の上端には、オイルレベルゲージ(1)を抜き差しする時の、取って(2)と、スティック(4)の下端に位置するゲージ(5)からなる。該スティック(4)は、屈曲したガイドパイプに添って、オイルパンに挿入させるため、柔軟性が必要条件になり、このことから、幅が5mm前後と狭く、且つ厚みが0.9mm前後で薄く、鋼製で出来ている。
【0006】
図―1に示す、オイルレベルゲージの先端部に位置する、ゲージ(5)は、図―12に示すように、エンジンオイルの、適正範囲(114)を示す、上限(115)と、下限(116)を示すラインと、オイルの高さの適正範囲(114)を示す場所に、格子状のライン(113)が刻印されている。
該オイルレベルゲージを、ガイドパイプを通じて、エンジン底部に差し込み、引き抜いたのち、ゲージ(111)に付着したオイルの上限の位置を確認するが、ゲージ(111)の格子状の刻印に付着するオイルの膜が薄く、また、オイルの色が透明に近いため、明確にオイルの天端の確認が難しい。
【0007】
図―13に示すゲージ(121)は、エンジンオイルの適正範囲(123)を示す、上限の位置には、ライン(124)が刻印されており、該上限を示すライン(124)の上には、オイルの上限値を表示する「H」の文字と、円形の穴が開けられている。また、エンジンオイルの適正範囲を示す下限には、下限値を示すライン(125)が刻印されており、その下に、下限値を表示する「L」の文字と、円形の穴が開けられている。この場合、ゲージ(121)に付着するエンジンオイルの膜は極く薄い膜であり、且つオイルの色が透明に近いため、オイルの付着している位置の確認が困難である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
図―1に示す、オイルレベルゲージ(1)の下方先端に位置するゲージ(5)の縁側に、エンジンオイルの付着の有無が判読しやすいように、複数の開口部を設け、エンジンオイルが、開口部に表面張力によって閉塞され、開口部と閉塞部を明確に区別が出来るようにする。
【発明の効果】
【0009】
エンジンの定期点検や、エンジンオイルの交換時には、図―1に示す、オイルレベルゲージ(1)を抜き差しして、エンジンオイルの劣化の状態や、オイルレベルの適正量の点検を行うが、この際、オイルレベルゲージ(1)の下部にある、ゲージ(5)付着した、オイルの状態が容易に判別しやすくなり、かつ判読錯誤が無くなる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図-1】 オイルレベルゲージの全体図
【図-2】 オイルレベルゲージのゲージ部の構造図
【図-3】 オイルレベルゲージのゲージ部の構造図
【図-4】 オイルレベルゲージのゲージ部の構造図
【図-5】 オイルレベルゲージのゲージ部の構造図
【図-6】 オイルレベルゲージのゲージ部の構造図
【図-7】 オイルレベルゲージのゲージ部の構造図
【図-8】 オイルレベルゲージのゲージ部の構造図
【図-9】 オイルレベルゲージのゲージ部の構造図
【図-10】 オイルレベルゲージのゲージ部の開口の形状パターン図
【図-11】 オイルレベルゲージのゲージ部の構造図
【図-12】 従来のオイルレベルゲージのゲージ部の構造図
【図-13】 従来のオイルレベルゲージのゲージ部の構造図
【発明を実施するための形態】
【0011】
図−1に示す、オイルレベルゲージ(1)の下端に位置する、ゲージ部(5)を、エンジンの外側面に取り付けられた、ガイドパイプに添って、エンジン底部のオイルパンに差し込み、オイルレベルゲージ(1)を引き抜いた時、エンジンオイルが、ゲージ部の縁側に、複数の開口部を設け、エンジンオイルに浸った部分は、オイルの表面張力によって閉塞され、該閉塞部がオイルによって自然に着色がされるので、閉塞の状態が容易に識別が出来、エンジンオイルに触れない部分は、開口部が透けるので、エンジンオイルの有無と、天端の位置の識別が容易にできる。
【0012】
図−10には、ゲージ(91)の縁側に設ける開口の種類の構造を示す。図面に明示した構造を順次説明すると、開口(93)は、ゲージの垂直軸に対して、水平方向にスリットの切欠きを設けたものであり、開口(94)は、ゲージの垂直軸に対して、斜め方向に、スリットの切欠きを設けた物であり、開口(95)は、三角形の頂点の一部を切り欠いた開口を設けたものであり、開口(96)は、四角形の角の部分の一部を切り欠いた、開口を設けたものであり、開口(97)は、円形の一部を切り欠いた、開口を設けたものであり、開口(98)は、円形断面と短いスリットの開口を設けた物であり、開口(99)は、星形の開口を設けたものを示す。これらの開口の構造を用いて、以下実施例を示すが、開口の形態は、図示したものに限定するものではない。
また、開口は、図―10に示すとおり、各種類を示すが、図―1に示す、スティック(4)の必要強度を保持する範囲の大きさで、微小な物にする。
【実施例1】
【0013】
図−2に示す、ゲージ(11)は、適正オイルレベル範囲(14)を含む上下に亘って、ゲージの垂直軸に対して、水平方向で、且つ、ゲージ(11)の両方の縁側に、複数個、段差をつけて、スリット(13)を設けたものであり、オイルレベル計測時には、オイルに浸った部分の開口には、オイルが表面張力によって閉塞され、且つ自然に着色されるため、その上位にある、開口部との違いが明確になるため、オイルパンの中のオイルレベルが、ゲージ(11)で容易に判読できる。
【実施例2】
【0014】
図―3に示す、ゲージ(21)は、適正オイルレベル範囲(24)を含む上下に亘って、ゲージ(21)の垂直軸に対して、斜め方向で、且つ、ゲージ(21)の両方の縁側に、複数個、段差をつけて、スリット(23)を設けたものであり、オイルレベル計測時には、オイルに浸った部分のスリット(23)には、オイルが表面張力によって閉塞され、且つ自然に着色されるため、その上位にある、開口部との違いが明確になるため、オイルパンの中のオイルレベルが、ゲージ(21)で容易に判読できる。
【実施例3】
【0015】
図−4に示す、ゲージ(31)は、適正オイルレベル範囲(34)を含む上下に亘って、三角形の頂点を切り欠いた開口(33)を、ゲージ(31)の両方の縁側に、且つ、複数個、段差を付けて、開口を設けたものであり、オイルレベル計測時には、オイルに浸った部分の開口は、オイルの表面張力によって、閉塞され、且つ、自然に着色されるため、その上位にある、開口部との違いが明確になるため、オイルパンの中のオイルレベルが、ゲージ(31)で容易に判読できる。
【実施例4】
【0016】
図−5に示す、ゲージ(41)は、適正オイルレベル範囲(44)を含む上下に亘って、円形の一部を切り欠いた開口(43)を、ゲージ(41)の両方の縁側に、且つ、複数個、段差を付けて、開口を設けたものであり、オイルレベル計測時には、オイルに浸った部分の開口は、オイルの表面張力によって、閉塞され、且つ、自然に着色されるため、その上位にある、開口部との違いが明確になるため、オイルパンの中のオイルレベルが、ゲージ(41)で容易に判読できる。
【実施例5】
【0017】
図−6に示す、ゲージ(51)は、適正オイルレベル範囲(54)を含む上下に亘って、円形に短いスリットの付いた開口(53)を、ゲージ(51)の両方の縁側に、且つ、複数個、段差を付けて、開口を設けたものであり、オイルレベル計測時には、オイルに浸った部分の開口は、オイルの表面張力によって、閉塞され、且つ、自然に着色されるため、その上位にある、開口部との違いが明確になるため、オイルパンの中のオイルレベルが、ゲージ(51)で容易に判読できる。
【実施例6】
【0018】
図−7に示す、ゲージ(61)は、適正オイルレベル範囲(64)を含む上下に亘って、ゲージ(61)の垂直軸に対して、水平方向に、且つ、ゲージ(61)の両方の縁側に、同じ高さの並びに、スリット(63)の開口を、複数個、設けた物であり、オイルレベル計測時には、オイルに浸った部分の開口部は、オイルの表面張力によって、閉塞され、且つ、自然に着色されるため、その上位にある開口部との違いが明確になるため、オイルパンの中のオイルレベルが、ゲージ(61)で容易に判読ができる。
【実施例7】
【0019】
図―8に示す、ゲージ(71)は、適正オイルレベル範囲(74)を含む上下に亘って、ゲージ(71)の垂直軸に対して、水平方向にスリット(73)をゲージ(71)の両方の縁側に設け、また、ゲージ(71)の垂直軸に対して、水平で、片方の縁側に、且つ左右交互にスリット(75)の開口を、複数個、設けたものである。オイルレベル計測時には、オイルに浸った部分の開口は、オイルの表面張力によって、閉塞され、且つ、自然に着色されるため、その上位に有る開口部との違いが明確になるため、オイルパンの中のオイルレベルが、ゲージ(71)で容易に判読できる。
【実施例8】
【0020】
図―9に示す、ゲージ(81)は、適正オイルレベル範囲(84)を含む上下に亘って、ゲージ(81)の縁側両方に、三角形の頂点の一部を切った開口(83)と、円形の開口に。短いスリットを入れた開口(85)を、交互に、複数個設けたものであり、オイルレベル計測時には、オイルに浸った部分の開口は、オイルの表面張力によって、閉塞され、且つ開口の閉塞部は、自然に着色されるため、その上位に有る開口部との違いが明確になるため、オイルパンの中のオイルレベルが、ゲージ(81)で容易に判読できる。
【実施例9】
【0021】
図−11に示す、ゲージ(101)は、適正オイルレベル範囲(104)を含む上下に亘って、ゲージ(101)の縁側片方に、円形に短いスリットを設けた、複数の開口(103)を設けた物を示す。本発明は、オイルレベル計測時には、オイルに浸った開口は、オイルの表面張力によって、閉塞され、且つ開口の閉塞部は、自然に着色されるため、その上位にある開口部との違いが明確になるため、オイルパンの中のオイルレベルが、ゲージ(101)で容易に判読できる。
【0022】
本発明の実施例に明示の、開口の種類や並べ方、更に数量は、これに限定されるものではなく、自由に選択、組み合わせができる。
【符号の説明】
【0023】
1、 オイルレベルゲージ
2、 取って
3、 ストッパー
4、 スティック
5、 ゲージ
11,21,31,41,51,61,71,81,91,101,111,
121 ゲージ
12,22,32,42,52,62,72,82,92,102,112
122 スティック
13,23、63,73 スリット
33,95 三角形開口
43,97 円形開口
53、 円形開口に短いスリットを設けた開口
【要約】 (修正有)
【課題】付着したオイルと、ゲージとの境界の識別が容易なオイルレベルゲージを提供する。
【解決手段】オイルレベルゲージの先端に位置するゲージ部11の部分に開口部13を設ける。ゲージをエンジンの外側面に取り付けられたガイドパイプからオイルパンに浸した後に引き抜くと、オイルに浸った開口部はオイルの表面張力によって閉塞され自然に着色され、一方、オイルに浸らなかった開口部は空洞になっているので閉塞部と開口部の識別が容易となる。
【選択図】図−2
【図-1】
【図-2】
【図-3】
【図-4】
【図-5】
【図-6】
【図-7】
【図-8】
【図-9】
【図-10】
【図-11】
【図-12】
【図-13】