(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで被洗浄物の中には、長期間の保管等に伴い水溶性の汚染物が生成しているもの、あるいはPCBの無害化処理に伴い水溶性の汚染物が付着した被洗浄物があり、このようなPCBのほかに水溶性の汚染物が含まれる被洗浄物を簡便に、また効率的に洗浄する方法及び装置が求められている。
【0008】
水溶性の汚染物を含む被洗浄物の場合、油、有機溶剤などの有機溶媒系の洗浄剤による洗浄のみでは不十分であり、別途、水洗浄が必要となる。特許文献4及び特許文献5の方法を用いれば、PCB及び水溶性の汚染物を洗浄することも可能かと思われるが、これらの方法では洗浄可能な対象物(被洗浄物)が限られ、また工程数も多く、大掛りな洗浄設備が必要である。
【0009】
また被洗浄物にはタンクのような大容量の被洗浄物もあり、このような大容量の被洗浄物をいかに効率的に洗浄するかも課題となっている。さらには洗浄に伴う廃棄物の発生量の抑制も課題の1つであり、廃棄物の発生量の少ない洗浄方法及び装置が求められている。
【0010】
本発明の目的は、PCB含有油が付着する種々の被洗浄物を効率的に洗浄することが可能なPCB汚染物の洗浄方法及び洗浄装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、洗浄剤を用い、PCB含有油が付着する被洗浄物を洗浄するPCB汚染物の洗浄方法において、前記洗浄剤
が水−油系エマルション
であり、前記洗浄剤を構成する水には、電解質を含む水が電解された水が使用され、前記洗浄剤が、以下の(A)〜(C)工程を経て製造され、前記被洗浄物に前記洗浄剤を送る洗浄装置を介して、前記被洗浄物と前記洗浄装置との間で前記洗浄剤を循環させながら前記被洗浄物を洗浄することを特徴とするPCB汚染物の洗浄方法である。
(A)前記被洗浄物を洗浄した後の前記洗浄剤を、電解質を含む水と油とに分離する油水分離工程
(B)前記油水分離工程で得られる電解質を含む水を電解する電解工程
(C)前記油水分離工程で得られる油と前記電解された電解質を含む水とをエマルション化し水−油系エマルションを製造する乳化工程
【0012】
本発明のPCB汚染物の洗浄方法において、前記洗浄剤が、予め定められた設定温度に加温されており、前記設定温度が、PCB含有油の温度と動粘度との関係に基づき定められていることを特徴とする。
【0013】
また本発明のPCB汚染物の洗浄方法において、前記設定温度が、前記PCB含有油の動粘度が10mm
2/s以下になる温度であることを特徴とする。
【0014】
また本発明のPCB汚染物の洗浄方法において、前記水−油系エマルションは、乳化剤を含まないことを特徴とする。
【0015】
また本発明のPCB汚染物の洗浄方法において、前記洗浄剤が水中油滴(O/W型)エマルションであることを特徴とする。
【0016】
また本発明のPCB汚染物の洗浄方法において
、前記洗浄剤には、水の電解に伴い発生する水素微細気泡及び水の電解に伴い生成する酸化性物質が含まれることを特徴とする。
【0017】
また本発明のPCB汚染物の洗浄方法において、前記電解質が塩化ナトリウムであり、前記洗浄剤には、前記水の電解に伴い生成する水酸化ナトリウムが含まれることを特徴とする。
【0020】
また本発明のPCB汚染物の洗浄方法において、前記洗浄剤の油/水と、前記被洗浄物のPCB含有油の付着面積/被洗浄物の容積とが比例することを特徴とする。
【0021】
また本発明のPCB汚染物の洗浄方法において、洗浄開始から所定時間経過後に、前記洗浄剤の一部をサンプリングするサンプリング工程と、前記サンプリング工程でサンプリングされた洗浄剤の油中のPCB濃度を分析する分析工程と、を含むことを特徴とする。
【0022】
また本発明のPCB汚染物の洗浄方法において、前記サンプリング工程と前記分析工程との間に、サンプリングした前記洗浄剤を油水分離する油水分離工程を備え、前記分析工程では、前記油水分離工程で分離された油中のPCB濃度を分析することを特徴とする。
【0023】
また本発明のPCB汚染物の洗浄方法において、前記サンプリング工程、前記油水分離工程及び前記分析工程を実行時も、前記洗浄剤による前記被洗浄物の洗浄を継続することを特徴とする。
【0024】
また本発明のPCB汚染物の洗浄方法において、前記分析工程において、油中のPCB濃度が基準値以上であることを検知すると、前記洗浄剤を油水分離し、油水分離で得られた油を系外に排出し、新たにPCBを含有していない油又はPCBの含有濃度が基準値以下の油を補給し、洗浄を継続することを特徴とする。
【0025】
また本発明のPCB汚染物の洗浄方法において、前記分析工程において、油中のPCB濃度が基準値以下であることを検知すると、洗浄を終了することを特徴とする。
【0029】
本発明は、水−油系エマルションを洗浄剤とし、PCB含有油が付着する被洗浄物を洗浄するPCB汚染物の洗浄装置であって、前記被洗浄物に前記洗浄剤を送る送液装置と、前記被洗浄物と前記送液装置との間を、前記洗浄剤を循環可能に結ぶ循環ラインと、前記循環ラインに介装され前記被洗浄物を洗浄した前記洗浄剤を油水分離する油水分離器と、前記循環ラインに介装され前記油水分離器で分離された水を電解する電解装置と、前記循環ラインに介装され前記電解装置で電解された水と前記油水分離器で分離された油とをエマルション化し水−油系エマルションを製造する乳化装置と、を含むことを特徴とするPCB汚染物の洗浄装置である。
【0030】
本発明のPCB汚染物の洗浄装置において、さらに前記油水分離器で分離された水又は洗浄剤を予め定められた設定温度に加温する加温手段を備え、前記設定温度が、PCB含有油の温度と動粘度との関係に基づき定められていることを特徴とする。
【0031】
また本発明のPCB汚染物の洗浄装置において、前記洗浄剤を構成する水は、電解質を含む水であり、前記電解装置は、電解質を含む水を電解し、前記洗浄剤には、水の電解に伴い発生する水素微細気泡及び水の電解に伴い生成する酸化性物質が含まれることを特徴とする。
【0032】
また本発明のPCB汚染物の洗浄装置において、前記電解質が塩化ナトリウムであり、前記洗浄剤には、前記水の電解に伴い生成する水酸化ナトリウムが含まれることを特徴とする。
【0033】
また本発明のPCB汚染物の洗浄装置において、さらに前記油水分離器で分離された油を系外に排出する油排出手段と、新たにPCBを含有していない油又はPCBの含有濃度が基準値以下の油を、系内に補給する油補給手段と、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0034】
本発明によれば、PCB含有油が付着する種々の被洗浄物を効率的に洗浄することが可能なPCB汚染物の洗浄方法及び洗浄装置を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0036】
本発明の第1のPCB汚染物の洗浄方法は、洗浄対象物であるPCBを含む油(以下、PCB含有油と記す)が付着する被洗浄物を、洗浄剤に水−油系エマルションを用いて洗浄する。なおPCBを含む油は、洗浄対象物に付着するゆえ付着油ということもできる。
【0037】
本洗浄方法において、被洗浄物は、PCB含有油が付着する物(PCB汚染物)であり、大きさ、形状等は特に限定されない。よってPCB含有油が注入されていた変圧器、コンデンサなどの電気機器、これらの解体物、破砕物の他、PCB含有油を貯留していた大型のタンク等なども洗浄の対象物となる。本発明のPCB汚染物の洗浄方法及び汚染装置において、PCB汚染物は、基本的に低濃度PCB汚染物を対象とするが、高濃度PCB汚染物も洗浄可能である。ここで低濃度PCB汚染物は、非意図的にPCBが混入した油(PCB濃度5000mg/kg以下の油)で汚染された汚染物である。
【0038】
PCB含有油が注入された変圧器等の中には長期間の保管より、水が侵入し水溶性の変質油、水溶性の汚泥が生成しているものもある。また柱上変圧器は、PCBの処理過程で、解体、破砕されケース、銅線、金具、碍子、紙木などに分けられた後、各々真空加熱炉に投入され処理される場合もある。被洗浄物の中には、このような処理過程で発生した水溶性のタール(木酢液の固着物)や、PCB処理過程で分解生成した塩類、例えば塩化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウムが付着するものもある(以下、水溶性の変質油、汚泥、タール及び塩等をまとめて水溶性汚染物と記す)。このようなPCB含有油の他に、水溶性汚染物が付着する電気機器等も本洗浄方法の対象となる。
【0039】
水−油系エマルションは、油滴が水に分散する水中油滴エマルション(O/W型エマルション)、水滴が油に分散する油中水滴エマルション(W/O型エマルション)があるがいずれも洗浄剤として使用可能である。いずれのエマルションを使用するか、水−油系エマルションの水と油との重量比をどのように設定するかは、被洗浄物との関係で適宜決定すればよい。この点については後述する。
【0040】
水−油系エマルションを洗浄剤として使用すれば、PCBと水溶性汚染物とを一緒に洗浄することができる。また水溶性汚染物を含まない、PCB含有油が付着する被洗浄物であっても、水−油系エマルションを使用することで、油のみを洗浄剤として使用する方法に比較して効率的に洗浄することができる。この点については、PCB汚染物の洗浄装置1の洗浄要領のところで具体的に説明する。
【0041】
洗浄剤に使用する水は特別な水である必要はなく、工業用水、上水等を使用することができる。洗浄剤に使用する油には、PCBを含まない油又は油中のPCB濃度が基準値以下の油であって、PCB及びPCB含有油と親和性を有する油を使用する。油の粘性は低いものが好ましい。また洗浄剤を加温して使用する場合には、油は100℃で揮発し難いものが好ましい。油中のPCB濃度が基準値以下の油とは、PCB濃度が0.5mg/kg以下の油をいう。
【0042】
洗浄剤である水−油系エマルションの製造要領は特に限定されるものではないが、乳化剤を添加することなく製造すれば、洗浄に使用した洗浄剤は静置することで簡単に水と油とに分離することができ、後処理が容易となる。なお、乳化剤を添加することなく製造された水−油系エマルションは、それを放置すると短時間内に水と油とに分離するので、乳化装置を用いてエマルション状態を維持する必要がある。
【0043】
洗浄剤は、加温することなく室温下で使用してもよいが、加温状態の方が好ましい。加温状態の洗浄剤を使用すれば、洗浄剤自体の粘度、表面張力が低下し、被洗浄物の隙間等に入り易くなる。また洗浄剤である水−油系エマルションの水滴又は油滴が小さくなる。また加温状態の洗浄剤を使用すれば、被洗浄物に付着するPCB含有油も加温され流動性が向上し、被洗浄物から剥離し易くなる。こられにより洗浄効果が高まる。
【0044】
図1は、異なる種類の絶縁油IO1、IO2、IO3のそれぞれについて、油の動粘度と温度との関係を示すグラフである。絶縁油の種類により異なるものの、絶縁油IO1、IO2、IO3は、いずれも温度が上昇するに従って動粘度が低下する傾向を示している。絶縁油IO1、IO2、IO3は、日本工業規格(JIS C 2320)で規格されている絶縁油の種類がそれぞれ異なる場合を含む。なお、絶縁油IO1、IO2、IO3は、主な成分が同じであるが動粘度が異なる場合も含む。
【0045】
ここで、絶縁油IO1、IO2、IO3の洗浄を容易に行うことができる動粘度として10mm
2/s以下を目標動粘度とした場合、絶縁油IO1、IO2、IO3の動粘度が10mm
2/s以下になる温度とすればよい。なお、
図1は、3種類の絶縁油IO1、IO2、IO3を示しているが、これに限られず、4種類以上でもよく、2種類以下でもよい。また、目標動粘度は10mm
2/sに限られず、異なる値であってもよい。
【0046】
図1から分かるように被洗浄物に付着するPCB含有油は、温度に比例して動粘度が低下する。このことから洗浄剤の温度を高くするほど洗浄効果は高まるが、水の沸騰を考慮すれば洗浄剤の温度は最大でも95℃程度までに留めるのがよい。
【0047】
本発明の第1のPCB汚染物の洗浄方法は、洗浄剤が水−油系エマルションであるのでPCBと水溶性汚染物とを一緒に洗浄することができるので効率的であり、洗浄費用の大幅な削減及び洗浄時間を短縮することができる。また油のみを洗浄剤として使用する方法に比較して、油の使用量が少ないため、廃油の量も少なく廃棄物処理費を大幅に削減することができる。また本発明で使用する洗浄剤は、有機溶剤に比較して安全である。
【0048】
次に、上記水−油系エマルションを洗浄剤とし、PCB含有油及び水溶性汚染物が付着する被洗浄物を洗浄する洗浄装置を示す。
図2は、本発明の第1のPCB汚染物の洗浄方法を使用する第1実施形態のPCB汚染物の洗浄装置1の構成図である。
【0049】
洗浄装置1は、洗浄剤WSである水−油系エマルション及び被洗浄物101を収容し、被洗浄物101を洗浄する乳化装置11と、乳化装置11内の洗浄剤WSを予め定める設定温度に加温すると共に、その温度を維持する加温装置41とを含む。
【0050】
乳化装置11は、撹拌装置21を備える撹拌槽22であり、撹拌装置21を介して撹拌槽22内の洗浄剤WSに剪断力を付与し、洗浄剤WSをエマルション化しその状態を維持する。撹拌装置21としては、高速回転可能なタービン翼、外周がノコギリ歯状に加工された羽根等が例示されるがこれに限定されるものではない。撹拌装置21は、複数の撹拌翼を組み合わせてるなるもの、撹拌翼と撹拌を促進するじゃま板等とを組合せたものであってもよい。
【0051】
要すれば撹拌装置21は、洗浄剤WSをエマルション化しその状態を維持できるものであればよく、構造、構成は特に限定されない。撹拌装置21は、洗浄剤WSを高速で流動化可能なものが好ましい。洗浄剤WSを高速で被洗浄物101に接触、衝突させることで、被洗浄物101に付着するPCB含油及び水溶性汚染物を取り除き易くなる。撹拌槽22内に被洗浄物101を収容することから、撹拌装置21は、撹拌槽22内に大きなスペースが取れるものが好ましい。
【0052】
撹拌槽22は、槽本体23と上蓋24とで構成され、槽本体23と上蓋24とはフランジを介して着脱自在に構成されている。槽本体23の周囲にはジャケット25が設けられ、ここに加熱媒体を供給することで洗浄剤WS及び被洗浄物101が加熱される。槽本体23の底部には、洗浄剤WSを抜き出すための排出ノズル26、上蓋24には、槽本体23に連通する、洗浄剤供給ノズル27が設けられている。
【0053】
また上蓋24には、籠110を吊るすためのフック28が設けられている。籠110は被洗浄物101を収容するためのものであり、洗浄剤WSが流通自在な金網で形成されている。被洗浄物101は、籠110内に入れられた後、上蓋24に吊り下げられ、この状態で洗浄される。
【0054】
加温装置41は、ジャケット25に熱媒体を供給する熱媒体供給ライン42と、熱媒体供給ライン42に設けられた温度調節弁46と、温度調節弁46を制御する温度コントローラ47と、槽本体23内の洗浄剤WSの温度を検出する温度センサ48とを含む。加温装置41は、槽本体23内の洗浄剤WSが設定温度となるようにジャケット25に熱媒体を供給する。ここで設定温度は、PCB含有油が目標動粘度となるように決められる。槽本体23内は、撹拌装置21で十分に撹拌されているので、洗浄剤WSが設定温度に達すれば、被洗浄物101及びそれに付着するPCB含有油も洗浄剤WSと同じ温度となる。
【0055】
PCB汚染物の洗浄装置1の洗浄要領を説明する。
図3は、PCB汚染物の洗浄装置1の洗浄手順を示すフローチャートである。籠110に被洗浄物101を入れ、籠110を上蓋24のフック28に取付け、上蓋24を槽本体23に取付ける(ステップS1)。
【0056】
槽本体23内に洗浄剤WSとなる所定量の油及び水を投入した後、撹拌装置21を稼働させると共にジャケット25に加熱媒体を供給し洗浄を開始する(ステップS2)。油及び水は、撹拌装置21を介して剪断力が付与されエマルションとなる。エマルション化した洗浄剤WSは、撹拌装置21の吐出流により槽本体23内を循環し、被洗浄物101を洗浄する。
【0057】
洗浄剤WSが設定温度に到達後、所定時間洗浄を継続した後(ステップS3)、洗浄操作を継続した状態で洗浄剤WSの一部を排出ノズル26を介してサンプリングする(ステップS4)。サンプリングした洗浄剤WSを静置し水と油とに相分離させ、油中のPCB濃度を分析する(ステップS5)。洗浄剤WSには、乳化剤が含まれていないので、静置することで簡単に相分離させることができる。
【0058】
油中のPCB濃度が基準値を越えているか、基準値以下であるか調べ(ステップS6)、油中のPCB濃度が基準値以下であれば洗浄を終了する(ステップS8)。油中のPCB濃度の基準値は、0.5mg/kgである。
【0059】
一方、油中のPCB濃度が基準値を越えているときは、洗浄を中止し、洗浄剤WSを全量抜き出し、新たな洗浄剤となる水と油とを撹拌槽22に投入し(ステップS7)、洗浄操作を継続する(ステップS2)。なお、乳化装置11に油を抜出すためのノズルを設け、槽本体23内で洗浄剤WSを静置し油水分離し、油のみを抜出し、新たな油を補給するようにしてもよい。以降、ステップS2〜ステップS6の操作を繰り返し、油中のPCB濃度が基準値以下となった時点で洗浄を終了する(ステップS8)。
【0060】
最終的には、被洗浄物101は、「特別管理一般廃棄物及び特別管理産業廃棄物に係る基準の検定方法」平成4年厚生省告示第192号、第三号、別表第三の第二(拭き取り試験法)、別表第三の第三(部材採取試験法)、別表第四の判定基準を満たす必要がある。別表第三の第二の判定基準値は、PCB付着量0.1μg/100cm
2以下、別表第三の第三の判定基準値は、PCB付着量0.01mg/kg以下、別表第四の判定基準値は、検液中PCB濃度0.003mg/l以下である。
【0061】
洗浄装置1は、撹拌槽タイプの乳化装置11を用い、槽本体23内に被洗浄物101を収容し洗浄するため、大型の被洗浄物101には不向きであるが、構造が単純であり、小さな被洗浄物101の洗浄には好適に使用することができる。洗浄装置1の作用効果は、上記第1のPCB汚染物の洗浄方法のところで述べた通りである。
【0062】
水溶性汚染物を含まず、PCB含有油のみが付着する被洗浄物101であれば、水を含まない洗浄剤を使用することができる。このようなPCB含有油のみが付着する被洗浄物101に対しても、洗浄剤に水−油系エマルションを使用することは有効かつ効率的である。以下、この点について説明する。
【0063】
図2に示す洗浄装置1において、被洗浄物101を洗浄するには被洗浄物101が液没する洗浄剤が必要となる(
図2中レベルL)。一方で、被洗浄物101に付着するPCB含有油を取り除くに必要な油の最低量は、洗浄後、つまりPCB含有油を完全に取り除いた後の油に含まれるPCB濃度が基準値以下となる量である。
【0064】
図2に示す洗浄装置1において、洗浄剤に油のみを使用すると、PCB含有油を取り除くに必要な油の最低量が非常に少ない場合であっても、被洗浄物101が液没するまでの油が必要となる。これに対して、洗浄剤に水−油系エマルションを使用すると、必要な油以外を水とすることができるので、油量をPCB含有油を取り除くに必要な油に抑えることができる。
【0065】
次に、本発明の第2のPCB汚染物の洗浄方法を説明する。本発明の第2のPCB汚染物の洗浄方法は、本発明の第1のPCB汚染物の洗浄方法と同様に、PCB含有油が付着する被洗浄物101の洗浄に洗浄剤WSとして水−油系エマルションを使用するが、水−油系エマルションを形成する水に特徴を有する。以下、本発明の第1のPCB汚染物の洗浄方法と相違する点を中心に説明する。
【0066】
本発明の第2のPCB汚染物の洗浄方法は、洗浄剤を構成する水として、電解質を含む水を電解装置で電気分解(電解)した水を使用し、この水と油とで水−油系エマルションを製造する。電解質は、電気分解により過酸化物、次亜塩素酸など酸化性物質が生成する電解質を使用する。このような電解質としてNa
2SO
4、K
2SO
4などの硫酸塩、Na
2CO
3、K
2CO
3などの炭酸塩、NaClなどがある。なおCaCl
2、MgCl
2などのようなスケールが生成する可能性があるものは好ましくない。
【0067】
Na
2SO
4、K
2SO
4などの硫酸塩、Na
2CO
3、K
2CO
3などの炭酸塩、NaClなどを含む水を電気分解することで、ペルオキソ一硫酸(H
2SO
5)、過炭酸(H
2CO
3・3/2H
2O
2)などの過酸化物、次亜塩素酸(HOCl)などの酸化性物質が生成する。これら過酸化物、次亜塩素酸は、強い酸化作用を有するので、水に溶解した水溶性汚染物、PCBを酸化分解することができる。
【0068】
また電解質を含む水を電気分解すると、水素微細気泡が発生する。この水素微細気泡を含む液体は、高い洗浄能力を有する。また電解質としてNaClを使用すれば電気分解により水酸化ナトリムが生成し、水がアルカリ性となるためPCB含有油の洗浄効果が高まり好ましい。
【0069】
電解質を含む水を電解装置で電気分解(電解)した水と油とで水−油系エマルションを製造する方法は、特に限定されるものではなく、第1のPCB汚染物の洗浄方法のところで説明した要領で製造すればよい。水−油系エマルションを加温して使用することが好ましいことは、第1のPCB汚染物の洗浄方法と同じである。
【0070】
本発明の第2のPCB汚染物の洗浄方法は、本発明の第1のPCB汚染物の洗浄方法の作用効果を含み、さらに水に溶解した水溶性汚染物、PCBを酸化分解することができるので水を繰り返し使用することが可能となり、より効率的に洗浄することができる。また洗浄に伴う廃棄物の発生量を大幅に抑制することができるので、廃棄物処理費の大幅な削減が可能になる。
【0071】
次に少量のNaClを含む水を使用し、これと油とで製造した水−油系エマルションを洗浄剤WSとし、PCB含有油及び水溶性汚染物が付着する被洗浄物101を洗浄する洗浄装置を示す。
図4は、本発明の第2のPCB汚染物の洗浄方法を使用する第2実施形態のPCB汚染物の洗浄装置2の構成図である。
図2に示す本発明の第1実施形態のPCB汚染物の洗浄装置1と同一の構成には、同一の符号を付して説明を省略する。
【0072】
洗浄装置2は、洗浄装置1と同様に、洗浄剤WSである水−油系エマルション及び被洗浄物101を収容し、被洗浄物101を洗浄する撹拌槽タイプの乳化装置11と、乳化装置11内の洗浄剤WSを予め定める設定加温すると共に、その温度を維持する加温装置41とを有し、さらに水を電解するための電解装置51を備える。
【0073】
電解装置51は、洗浄剤を構成する、NaClを含む水を分解する装置であり、槽本体23の底部に固定された電解電極52と電解電極52に電源を供給する電源供給装置53とを備える。電解電極52は、ダイヤモンド電極、酸化鉄焼結電極などからなり、電食防止のためのシールドされている。電解電極52は、電源供給装置53から所定の電圧が印加され、NaClを含む水を電気分解する。
【0074】
電解電極52は、撹拌装置21の吐出流が衝突する位置に配置するのが好ましい。これにより、NaClを含む水の電解により発生した水素微細気泡が、吐出流に巻き込まれる。水素微細気泡を含む水−油系エマルションは、より洗浄効果が高まる。
【0075】
洗浄装置2には、水の電解により発生した水素微細気泡等のガスを排出するためのガス抜きノズル29が、上蓋24に設けられている。
【0076】
PCB汚染物の洗浄装置2の洗浄要領は、水にNaClを含む水を使用する点を除けば、第1実施形態のPCB汚染物の洗浄装置1と同じであり、電解装置51の稼働は、撹拌装置21の稼働と同時に行えばよい(
図3のステップS2)。
【0077】
PCB汚染物の洗浄装置2は、第1実施形態のPCB汚染物の洗浄装置1が備える作用効果の他に、水−油系エマルションに溶解した水溶性汚染物を電解により生じる次亜塩素酸で酸化分解することができる。水を繰り返し使用することができるので廃棄物の発生量が大幅に抑制され、廃棄物処理費の大幅な削減が可能になる。またPCB汚染物の洗浄装置2は、水−油系エマルションに溶解したPCBも分解可能であり、さらに水−油系エマルションが、水酸化ナトリウムを含むため油に対する洗浄効果が高い。
【0078】
次に、本発明の第2のPCB汚染物の洗浄方法を用い、大型の被洗浄物101を洗浄する洗浄装置について説明する。
【0079】
図5は、本発明の第2のPCB汚染物の洗浄方法を使用する本発明の第3実施形態のPCB汚染物の洗浄装置3の構成図である。ここで被洗浄物101は、PCB含有油を貯蔵していたタンク102、そのタンク102に付設されたポンプ103及び配管104類で構成されるタンク設備とする。なお、
図2及び
図4に示す第1及び第2実施形態の洗浄装置1、2と同一の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0080】
洗浄装置3は、被洗浄物101と洗浄装置3とを配管で結び、洗浄剤WSを被洗浄物101と洗浄装置3との間で循環させながら洗浄する装置である。洗浄装置3は、洗浄剤WSである水−油系エマルションを製造しこれを被洗浄物101に送液する乳化装置12と、洗浄後の洗浄剤WSを油水分離する油水分離槽61と、油水分離後の水を加温する加温装置35と、水を電解する電解装置51と、乳化装置12と被洗浄物101とを結ぶ洗浄剤供給ライン63と、被洗浄物101と油水分離槽61とを結ぶ洗浄剤戻りライン64とを含む。
【0081】
乳化装置12は、配管内で水と油とをエマルション化させるパイプラインミキサータイプの乳化装置であり、水と油とをエマルション化させるスタティックミキサ31と、スタティックミキサ31に油を送る油ポンプ32、スタティックミキサ31に水を送る水ポンプ33とを有する。本乳化装置12では、油ポンプ32及び水ポンプ33が、洗浄剤の送液手段となる。
【0082】
油水分離槽61は、洗浄剤戻りライン64を通じて返送される洗浄後の洗浄剤WSを受け入れ、これを静置し油相OPと水相WPに分離する。油水分離槽61の底部には水ポンプ33に水を導く水供給ライン66が、上部には油ポンプ32に油を導く油供給ライン67が接続する。また油水分離槽61には、廃油を系外に排出する排出ライン68、油水分離槽61に新たな油を補給するための油補給ライン69、ガスを系外に排出するガス抜きノズル29が設けられている。
【0083】
加温装置35は、水供給ライン66に介装され、油水分離後の水を加温する。加温装置35は、加熱用コイル43と、加熱用コイル43の入口に設けられた温度調節弁46と、温度調節弁46を制御する温度コントローラ47と、加温装置41の出口部の水供給ライン66に装着された温度センサ48とを備え、加温装置35の出口部の水温を設定温度に加温する。ここで設定温度は、被洗浄物101に付着するPCB含有油が目標動粘度となるように決められる。
【0084】
電解装置51は、水供給ライン66に介装され、加温装置35で加温されたNaClを含む水を電気分解する。電解装置51は、第2実施形態の洗浄装置2と同様の、電解電極52と電解電極52に電源を供給する電源供給装置53とを備える。
【0085】
洗浄剤供給ライン63は、洗浄剤WSを被洗浄物101に送るラインであり、スタティックミキサ31の出口部と被洗浄物101を結ぶ。本実施形態の洗浄剤供給ライン63は、被洗浄物101を構成するタンク102、ポンプ103及び配管104類に洗浄剤WSを供給可能に3系統に分岐している。
【0086】
洗浄剤戻りライン64は、洗浄後の洗浄剤WSを油水分離槽61に返送するラインであり、被洗浄物101と油水分離槽61とを結ぶ。洗浄剤戻りライン64には、洗浄後の洗浄剤WSをサンプリングするためのサンプリングノズル70が設けられている。洗浄剤供給ライン63と洗浄剤戻りライン64とで循環ライン65を形成する。
【0087】
次に、PCB汚染物の洗浄装置3の洗浄要領を説明する。
図6は、PCB汚染物の洗浄装置3の洗浄手順を示すフローチャートである。
【0088】
準備工程(ステップS0)
洗浄剤供給ライン63と被洗浄装置101とを接続し、洗浄剤戻りライン64と油水分離槽61とを接続した後、油水分離槽61に所定量の油とNaClを含む水とを充填する。
【0089】
洗浄工程(ステップS11,ステップS12)
油ポンプ32及び水ポンプ33を稼働させると共に、加温装置35及び電解装置51を稼働させ洗浄を開始する。油ポンプ32を介して送られる油、水ポンプ33を介して送られる加温され、かつ電解された水は、スタティックミキサ31で水−油系エマルションとなり(乳化工程)、被洗浄物101に送られる。
【0090】
被洗浄物101を洗浄した洗浄済の洗浄剤WSは、洗浄剤戻りライン64を通って油水分離槽61に戻り、ここで油相OPと水相WPとに相分離する(油水分離工程)。油相OPの油は、油供給ライン67を通じて油ポンプ32に送られ、水相WPの水は、加温装置35で加温され、電解装置51で電解された後(電解工程)、水ポンプ33に送られる。これにより被洗浄物101と洗浄装置3との間を洗浄剤WSが循環する(循環工程)。
【0091】
洗浄剤WSの循環に伴い、系統内が目標温度となり、被洗浄物101に付着するPCB含有油の動粘度が目標動粘度、例えば10mm
2/s以下となる。被洗浄物101に付着するPCB含有油及び水溶性汚染物は、洗浄剤WSに溶解し、PCBの一部は、電解装置51の電解により分解される。また水溶性汚染物は、電解により生じる次亜塩素酸で酸化分解される。洗浄操作は、系統内が目標温度に到達後、所定時間継続する(ステップS12)。
【0092】
分析工程(ステップS13)
系統内が目標温度に到達後、所定時間洗浄を継続した後(ステップS12)、洗浄操作を継続した状態で洗浄剤WSの一部をサンプリングノズル70を介してサンプリングし(サンプリング工程)、サンプリングした洗浄剤WSを静置し水と油とに相分離させ(油水分離工程)、油を回収し油中のPCB濃度を分析する(分析工程)。
【0093】
油中のPCB濃度が基準値を越えているか、基準値以下であるか調べ(ステップS14)、油中のPCB濃度が基準値以下であれば洗浄を終了する(ステップS16)。油中のPCB濃度が基準値は、0.5mg/kg以下である。
【0094】
一方、油中のPCB濃度が基準値を越えているときは、洗浄を中止し、油の入れ替えを行う(ステップS15)。具体的には、油水分離槽61の排出ライン68から洗浄済の油を全量抜出し、抜出したと同量の油を油補給ライン69を通じて補給する。油の入れ替え後は、洗浄操作を継続する(ステップS11)。以降、ステップS11〜ステップS14の操作を繰り返し、油中のPCB濃度が基準値以下となった時点で洗浄を終了する(ステップS16)。
【0095】
最終的には、被洗浄物101は、「特別管理一般廃棄物及び特別管理産業廃棄物に係る基準の検定方法」平成4年厚生省告示第192号、第三号、別表第三の第二(拭き取り試験法)、別表第三の第三(部材採取試験法)、別表第四の判定基準を満たす必要がある。別表第三の第二の判定基準値は、PCB付着量0.1μg/100cm
2以下、別表第三の第三の判定基準値は、PCB付着量0.01mg/kg以下、別表第四の判定基準値は、検液中PCB濃度0.003mg/l以下である。
【0096】
第1及び第2実施形態の洗浄装置1、2は、撹拌槽タイプの乳化装置11を使用するため操作が簡単な利点があるが、被洗浄物101が比較的小型のものに限られてしまう。これに対して第3実施形態の洗浄装置3は、乳化装置がパイプラインミキサータイプであり、被洗浄物101と洗浄装置3とを配管で結び循環ライン65を形成し、洗浄剤WSを被洗浄物101と洗浄装置3との間を循環させながら洗浄するので、大型の被洗浄物101も洗浄することができる。
【0097】
洗浄剤を循環させながら被洗浄物101を洗浄する場合、被洗浄物101を満液にできる洗浄剤が必要となる。洗浄剤に油のみを使用すると、PCB含有油を取り除くに必要な油の最低量が非常に少ない場合であっても、タンク102を満液するまでの油が必要となるので不経済である。この点において水−油系エマルションを洗浄剤とする方法は、洗浄に必要な油量が少なく効率的である。この点は、第2実施形態の洗浄装置2のところでも説明したところである。
【0098】
また第3実施形態の洗浄装置3は、電解装置を備え水を電解する工程を備えるので、水溶性汚染物が分解される。このため基本的に水の入れ替えを必要としない。これにより廃水処理の負荷が低減される。さらにPCBが分解される。これら作用効果は、第2実施形態の洗浄装置2と同じである。
【0099】
洗浄装置3を移動自在なユニットとし、洗浄剤供給ライン63及び洗浄剤戻りライン64の少なくとも一部をフレキシブルな配管とすれば、タンクなどのような移動させることができない被洗浄物101に対しても容易に洗浄することができる。
【0100】
ここで被洗浄物101の大きさ(容積)と洗浄剤WSを構成する水Vwと油Voとの関係について説明する。
【0101】
被洗浄物101を一辺が長さaの立方体とすると、容積Vはa
3、被洗浄物101の内壁面の面積Sは、6a
2で示される。ここで内壁面に付着するPCB含有油の量をO
PCBとし、O
PCBを洗浄するに必要な油量をVoとすると、V
Oは、式(3)で示される。被洗浄物101を満液にするに必要な洗浄剤WSの量はa
3であるから、洗浄剤WSに必要な水量Vwは、式(4)で示される。よって洗浄剤WSの水Vwと油Voとの比は、式(5)で示される。
【0103】
一般的に被洗浄物101の容積Vに比較して、被洗浄物101に付着するPCB含有量は非常に少ないため、大略的には、洗浄剤WS中の油量は、水の量に比較して少なくてよいが、さらに式(5)より、被洗浄物101が大きくなるほど、洗浄剤WSを構成する水の割合を増やすことができる。以上のことから、特殊な被洗浄物101を除き、洗浄剤WSは、水中油滴エマルション(O/W型エマルション)を使用することができる。水中油滴エマルションは、安全面からも好適な洗浄剤である。
【0104】
図7は、本発明の第2のPCB汚染物の洗浄方法を使用する本発明の第4実施形態のPCB汚染物の洗浄装置4の構成図である。
図2、
図4及び
図5に示す第1、第2、及び第3実施形態のPCB汚染物の洗浄装置1、2、3と同一の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0105】
第4実施形態のPCB汚染物の洗浄装置4の基本構成は、第3実施形態のPCB汚染物の洗浄装置3と同じであるが、さらに被洗浄物101を収容する収納容器115を備える。収納容器115は、容器本体116と上蓋117とで構成され、容器本体116と上蓋117とはフランジを介して着脱自在に構成されている。
【0106】
容器本体116の底部には、洗浄剤供給ライン63が接続する洗浄剤入口ノズル118及び液抜き用ノズル120が、上蓋117には、洗浄剤戻りライン64が接続する洗浄剤出口ノズル119が設けられている。収納容器115と洗浄剤供給ライン63及び洗浄剤戻りライン64とを接続することで循環ライン65が形成される。
【0107】
洗浄装置4は、被洗浄物101を収納容器115内に収納し洗浄する点において、第3実施形態の洗浄装置3と異なるが、洗浄要領及び作用効果は、第3実施形態の洗浄装置3と同じである。洗浄装置4は、被洗浄物101を収納する収容容器115を備えるので、解体された部材等であっても簡単に洗浄することができる。
【0108】
洗浄装置4は、収納容器115が洗浄剤供給ライン63及び洗浄剤戻りライン64と着脱可能に構成されているので、収納容器115を取外せば、第3実施形態の洗浄装置3と同じ構成となる。つまり洗浄装置4は、洗浄装置3としても使用することができる。
【0109】
以上、第1及び第2のPCB汚染物の洗浄方法を用いて本発明に係るPCB汚染物の洗浄方法を、第1から第4実施形態のPCB汚染物の洗浄装置を用いて本発明に係るPCB汚染物の洗浄装置を説明した、本発明に係るPCB汚染物の洗浄方法及び洗浄装置は、上記実施形態に限定されるものではなく、要旨を変更しない範囲で変更して使用することができる。
【0110】
例えば、第3及び第4実施形態のPCB汚染物の洗浄装置では、スタティックミキサを使用した乳化装置を示したが、これに代え超音波乳化装置を使用してもよい。
【0111】
以上のとおり、図面を参照しながら好適な実施形態を説明したが、当業者であれば、本明細書を見て、自明な範囲内で種々の変更及び修正を容易に想定するであろう。従って、そのような変更及び修正は、請求の範囲から定まる発明の範囲内のものと解釈される。