特許第6628298号(P6628298)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6628298
(24)【登録日】2019年12月13日
(45)【発行日】2020年1月8日
(54)【発明の名称】豆腐製造設備およびノズル
(51)【国際特許分類】
   A23L 11/00 20160101AFI20191223BHJP
   B01F 3/08 20060101ALI20191223BHJP
   B01F 5/00 20060101ALI20191223BHJP
【FI】
   A23L11/00 104E
   B01F3/08 Z
   B01F5/00 D
【請求項の数】5
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2019-124164(P2019-124164)
(22)【出願日】2019年7月3日
【審査請求日】2019年10月31日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519242078
【氏名又は名称】株式会社タカハタ
(74)【代理人】
【識別番号】100134979
【弁理士】
【氏名又は名称】中井 博
(74)【代理人】
【識別番号】100167427
【弁理士】
【氏名又は名称】岡本 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】高井 正史
(72)【発明者】
【氏名】越智 祐介
(72)【発明者】
【氏名】中村 博樹
【審査官】 小林 薫
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−112725(JP,A)
【文献】 特開2006−6128(JP,A)
【文献】 特開2007−228853(JP,A)
【文献】 特開2014−124134(JP,A)
【文献】 特開平8−56602(JP,A)
【文献】 特開平4−207169(JP,A)
【文献】 中国特許出願公開第108552322(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L 11/00−11/10;11/30
B01F 1/00− 5/26
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS/FSTA/WPIDS(STN)
DWPI(Derwent Innovation)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
豆腐を凝固させる容器に豆乳を供給するノズルであって、
豆乳とにがりとを混合して混合液を形成する混合部と、
該混合部の排出口から排出される混合液を外部に供給する供給部と、を備えており、
該供給部は、
前記混合部の排出口の下方に配置される、該排出口の軸方向と非直交となる供給面を有しており、
該供給面の下端部から前記混合液が前記容器に供給される
ことを特徴とするノズル。
【請求項2】
前記供給部の供給面が、
その中心軸が前記混合部の排出口の中心軸と同軸となる錐状面に形成されている
ことを特徴とする請求項1記載のノズル。
【請求項3】
前記混合部は、
該混合部内の流路を流れる混合液に旋回流を形成する旋回流形成部を備えており、
該旋回流形成部の上流側に、豆乳に対してにがりを供給するにがり供給部が設けられている
ことを特徴とする請求項1または2記載のノズル。
【請求項4】
前記旋回流形成部が静止型混合装置である
ことを特徴とする請求項3記載のノズル。
【請求項5】
豆乳と凝固剤との混合液が供給され、該混合液が凝固した豆腐が形成される豆腐形成部と、
該豆腐形成部に前記混合液を供給する混合液供給部と、を備え、
該混合液供給部が、
請求項1から4のいずれかに記載されたノズルを備えている
ことを特徴とする豆腐製造設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、豆腐製造設備およびノズルに関する。
【背景技術】
【0002】
豆腐は、豆乳ににがりなどの凝固剤を混合して凝固させることによって製造される。職人が手作業で豆腐を製造する際には、50〜90℃の温度の豆乳(以下、温豆乳という場合がある)に天然のにがりを凝固剤として使用して豆腐を製造していた。近年、豆腐を大量生産するために豆腐製造の機械化や自動化が進んでおり、種々の豆腐製造装置も開発されている。
【0003】
豆腐製造装置による豆腐の製造では、手作業による豆腐製造と異なり、天然のにがり(以下単ににがりという場合がある)に代えて乳化剤を含む凝固剤が使用されている。にがりを使用した場合には、温豆乳ににがりを混合した際の凝固速度が速いため、温豆乳とにがりとを均質に混合することが難しく、豆腐を均質に(凝固むらがないように)凝固させることができないからである。そのため、豆腐製造装置による豆腐の製造では、通常、温豆乳に混合した際の凝固速度が遅い、乳化剤を含む凝固剤を使用している。
【0004】
しかし、乳化剤を含む凝固剤を使用した豆腐は、にがりを使用した豆腐とは風味や食感が異なることから、豆腐製造装置でも、にがりを使用して豆腐を製造することが試みられている(例えば、特許文献1〜3参照)
【0005】
特許文献1では、ノズルの上流側ににがりと温豆乳を混合する混合ユニットを設けた装置が開示されている。この装置では、混合ユニット内の豆乳の流路内にねじり羽根を設けており、このねじり羽根の下流ににがりを豆乳に注入する注入ノズルが設けられている。かかる構成とすれば、ねじり羽根によって旋回流が形成された温豆乳ににがりを注入することができるので、温豆乳とにがりとを混合しやすくなる可能性がある。
【0006】
特許文献2では、ノズルにおける温豆乳の流路に屈曲した部分を設けて、この屈曲部分の近傍でにがりを温豆乳に供給するようにした装置が開示されている。そして、特許文献2では、温豆乳の流路の屈曲部分において温豆乳の流れに乱れが生じるので、温豆乳の流れが乱れている部分ににがりを供給すれば、ミキサーなどを使用しなくても温豆乳とにがりとを適切に混合できる旨の記載がある。
【0007】
しかし、特許文献1、2の技術では、温豆乳とにがりとの混合を十分に促進されているとはいえず、温豆乳とにがりとの混合が不均質になるという問題や凝固むらが生じるという問題を十分に解消することはできない。
【0008】
特許文献3には、にがりを使用した場合に温豆乳の凝固が速くなることに対処するために、温豆乳をコンベア等に落下させる直前でにがりを温豆乳に接触させて、にがりと温豆乳とを混合させる技術が開示されている。そして、温豆乳とにがりとの混合を促進するために、上部に開口を有する容器内にノズルから温豆乳とにがりとを供給して、その容器内で混合した混合液が溢流となって排出されるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2002−112725号公報
【特許文献2】特開2007−228853号公報
【特許文献3】特開2014−124134号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、特許文献3には、容器内において温豆乳とにがりとの混合を促進できる旨の記載はあるものの、特許文献3の技術では容器内から溢流となって排出される混合液の状態を一定にすることは難しい。なぜなら、容器内において温豆乳とにがりとが一旦貯留された状態となってから溢流となって排出されるので、容器内における温豆乳やにがりの滞留時間を一定にすることが難しいからである。したがって、特許文献3の技術でも、混合が不均質になるという問題や凝固むらの問題を解消することは困難である。
【0011】
以上のように、現状では、にがりを使用して、温豆乳から風味や食感のよい豆腐を製造する豆腐を製造できる豆腐製造機械は開発されておらず、かかる豆腐製造機械が求められている。
【0012】
本発明は上記事情に鑑み、粗製海水塩化マグネシウムを使用しても風味や食感のよい豆腐を製造することができる豆腐製造設備およびかかる豆腐製造設備に使用されるノズルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明のノズルは、豆腐を凝固させる容器に豆乳を供給するノズルであって、豆乳とにがりとを混合する混合部と、該混合部の排出口から排出される混合液を外部に供給する供給部と、を備えており、該供給部は、前記混合部の排出口の下方に配置される、該排出口の軸方向と非直交となる供給面を有しており、該供給面の下端部から前記混合液が前記容器に供給されることを特徴とする。
本発明の豆腐製造設備は、豆乳と凝固剤との混合液が供給され、該混合物が凝固した豆腐が形成される豆腐形成部と、該豆腐形成部に前記混合液を供給する混合液供給部と、を備え、該混合液供給部が、本発明のノズルを備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明のノズルを使用すれば、にがりを使用しても、混合液における豆乳とにがりとの混合を均一にでき、しかも、豆腐を容器内において適切に形成することができる。
本発明の豆腐製造設備では、本発明のノズルを使用した混合液供給部から豆腐形成部に混合液を供給しているので、にがりを使用しても豆腐を適切に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本実施形態のノズル20の概略斜視図である。
図2】本実施形態のノズル20の概略縦断面図である。
図3】本実施形態のノズル20によって容器Cに混合液Mを供給している状況の説明図であり、(A)は平面図であり、(B)は縦断面図である。
図4】本実施形態のノズル20の他の例である。
図5】本実施形態の豆腐製造設備1の概略説明図であって、テーブル11が分割位置に配置されている状態の説明図である。
図6図5のVI−VI線断面図である。
図7】本実施形態の豆腐製造設備1の概略説明図であって、テーブル11が上昇位置に配置されている状態の説明図である。
図8】本実施形態の豆腐製造設備1の概略説明図であって、テーブル11が上昇位置に配置されている状態で、分割プレート12が退避した状態の説明図である。
図9】本実施形態の豆腐製造設備1の概略説明図であって、テーブル11が下降位置に配置されている状態で、豆腐ブロックBBが押出部15のプッシャープレート16によって排出されている状態の説明図である。
図10】にがり供給部23の他の例である。
図11】他の実施形態の豆腐製造設備1Bの概略説明図である。
図12】他の実施形態の豆腐製造設備1Cの概略説明図である。
図13】ノズル6を移動するノズル移動部30の一例を示した概略説明図であり、(A)は(B)のA−A線断面矢視図であり、(B)は(A)のB−B線断面矢視図である
図14】ノズル6を移動するノズル移動部30の作動の概略説明図であって、ノズル6を前進後退させる状況を示した図である
図15】ノズル6を移動するノズル移動部30の作動の概略説明図であって、ノズル6を昇降させる状況を示した図である
【発明を実施するための形態】
【0016】
本実施形態のノズルは、豆乳を凝固させて豆腐を形成する容器などに豆乳と凝固剤とを供給するためのものであり、凝固剤と豆乳とを適切に混合した状態で容器に混合液を供給することができるようにしたことに特徴を有している。
【0017】
本実施形態のノズルを使用する豆腐製造設備の構成はとくに限定されない。例えば、ベルトコンベアを有する容器内にベルトコンベアを移動させながら凝固剤と豆乳とを混合した混合液を供給して連続的に豆腐を製造する設備(コンベア型設備)や、型枠内に一定の量の混合液を供給して一定量の豆腐をバッチ処理で製造する設備(型枠式設備、図3参照)等において使用することが可能である。
【0018】
なお、本実施形態のノズルに供給される豆乳は温豆乳(温度50〜90度)であるが、必ずしも温豆乳に限られない。例えば、温度が50度以下である豆乳を本実施形態のノズルに供給して混合液を形成してもよい。
また、本実施形態のノズルにおいて豆乳に混合される凝固剤も限定されない。粗製海水塩化マグネシウム(にがり)に限られず、粗製海水塩化マグネシウムに人工処理を加えた公知の乳化にがりも使用できる。また、硫酸カルシウムやグルコン、塩化カルシウム、硫酸マグネシウム等を単体または混合したものに植物性油脂などを添加した公知の乳化にがりも使用することができる。しかし、本実施形態のノズルは、凝固剤として、粗製海水塩化マグネシウム(にがり)や、従来の豆腐製造設備において使用される凝固剤よりも凝固速度が速い凝固剤を使用する場合にとくに適している。
【0019】
<ノズル20>
本実施形態のノズル20を説明する。
図1および図2に示すように、本実施形態のノズル20は、豆乳TとにがりNとを混合する混合部21と、混合部21の排出口22aから排出される混合液Mを外部に供給する供給部25と、を備えている。
【0020】
<混合部21>
図1および図2に示すように、混合部21は略筒状の本体22を有しており、この本体22の内部に豆乳Tや、豆乳TとにがりNとが混合した混合液Mを流す流路22hを有している。この流路22hは、本体22の一端(図1および図2では上端)と他端(図1および図2では下端)との間を貫通するように設けられた貫通孔である。この本体22の流路22hの一端から豆乳Tが流路22h内に供給され、混合液Mが流路22hの他端から排出されるようになっている。この本体22の流路22hにおける他端の開口が、混合液Mを排出する排出口22aになる。なお、流路22h内面の性状はとくに限定されないが、混合液M等をスムースに流すために、できるだけ凹凸等がない平滑な面に形成されていることが望ましい。
【0021】
<にがり供給部23>
図1および図2に示すように、混合部21の本体22の上部は、にがり供給部23を構成している。このにがり供給部23では、本体22の外面と流路22hとを連通する供給通路23hが形成されている。この供給通路23hを通して、流路22h内の豆乳TににがりNが供給されるようになっている。
【0022】
<旋回流形成部24>
図1および図2に示すように、混合部21の本体22において、にがり供給部23よりも本体22の他端側は旋回流形成部24を構成している。この旋回流形成部24では、本体22の流路22hの内部に旋回部材24pが設けられている。具体的には、旋回部材24pは板状の部材をねじって形成されており、そのねじれの中心軸と本体22の流路22hの中心軸22sとが一致するように流路22hの内部に配設されている。
【0023】
このため、旋回流形成部24の流路22hの内部に、にがり供給部23において豆乳TににがりNが供給された混合液Mが流れると、流路22h内には混合液Mに対してせん断と旋回が加えられた流れが形成される。すると、豆乳TとにがりNとの混合が促進されるので、混合液M内における豆乳TとにがりNとの混合状態を均一に近づけることができる。
【0024】
<供給部25>
図1および図2に示すように、本実施形態のノズル20において、混合部21の他端部には供給部25が設けられている。この供給部25は、混合部21の本体22の排出口22aから排出される混合液Mを外部に供給するものである。つまり、混合部21の本体22の排出口22aから排出された混合液Mは、排出口22aから直接豆腐を形成する容器等に供給されるのではなく、一旦、供給部25に供給されてから容器等に供給されるようになっている。
【0025】
<固定部26>
図1および図2に示すように、混合部21の本体22には、供給部25の固定部26が取り付けられている。この固定部26は、後述する供給部材27が混合部21の本体22に対して所定の位置に配置されるように、供給部材27を保持するものである。
【0026】
<供給部材27>
図1および図2に示すように、固定部26の下端には供給部材27が取り付けられている。具体的には、混合部21の本体22の排出口22aから所定の距離だけ離れた状態となるように、固定部26の下端に供給部材27が取り付けられている。
【0027】
この供給部材27は、その上面が下傾斜した傾斜面となるように形成された部材である。具体的には、供給部材27は、上端頂点を有する円錐状体や角錐状体等の錐状体、頂点を有しない円錐状体や角錐状体等の錐状体、截頭円錐状体や截頭角錐状体等の截頭錐状体等の形状に形成されたものである。この供給部材27は、その中心軸27s(頂点を有する錐状体の場合にはその頂点を通る中心軸)が、混合部21の本体22の貫通孔22hの中心軸22sと同軸となるように配設されている。つまり、供給部材27は、混合部21の本体22の排出口22aと対向する供給面27fが排出口22a側に頂点や頂面等を有する錐状面(円錐状面や角錐状j面等)を有するように配設されている。
【0028】
なお、ここでいう同軸とは、中心軸27sと中心軸22sとが完全に同軸上にある場合だけでなく、中心軸27sと中心軸22sとは平行ではあるが貫通孔22hの半径方向において若干の位置のずれがある場合、また、中心軸27sと中心軸22sとの間に若干の傾きがある場合、をも含む概念である。
【0029】
<ノズル20による混合液Mの供給>
上記のごときノズル20によって容器Cに混合液Mを供給する作業を説明する。
【0030】
図3に示すように、混合部21の本体22の上端に、豆乳Tを供給する配管やチューブ等の豆乳供給ラインL1を接続する。
また、図1および図3に示すように、混合部21のにがり供給部23の供給通路23hに、にがりNを供給する配管やチューブ等のにがり供給ラインL2を接続する。
【0031】
この状態で、豆乳供給ラインL1およびにがり供給ラインL2から豆乳TおよびにがりNを所定の量だけ供給すれば、混合部21のにがり供給部23の流路22h内で豆乳TとにがりNとが混合した混合液Mが形成される。しかし、この時点での混合液Mは、豆乳TとにがりNとの混合状態が必ずしも均一ではない状態にある。
【0032】
にがり供給部23で形成された混合液Mは、旋回流形成部24の流路22h内に流入する。すると、旋回流形成部24の流路22h内を流れる間に、旋回部材24pによって混合液Mにはせん断と旋回が加えられ、豆乳TとにがりNとの混合が促進されて、混合液M内における豆乳TとにがりNとの混合状態はほぼ均一な状態になる。
【0033】
旋回流形成部24においてほぼ均一な混合状態となった混合液Mは、本体22の排出口22aから排出され、連続した略軸状の水流として供給部25に供給される(図2参照)。すると、供給部材27の供給面27fの頂点付近に落下した混合液Mは、落下の衝撃によって供給面27f上において豆乳TとにがりNとの混合がさらに促進する。
【0034】
流路22hの中心軸22sと供給部25の供給部材27の中心軸27sとが同軸となっているので、供給部材27の供給面27fに落下した混合液Mは、供給部材27の供給面27fの頂点から供給面27fに沿って放射状に流れる(図2参照)。
【0035】
混合液Mは供給部材27の供給面27fに沿って流れながらさらに混合が促進されて、やがて供給面27fの下端縁から容器Cに供給される(図3(B)参照)。ノズル20は、供給部材27の供給面27fの下端縁が、容器C内の混合液MCの表面と同じ高さまたは容器C内の混合液MCにわずかに浸かった状態(図2参照)、混合液MCからわずかに浮いた状態等、となるように維持される。つまり、ノズル20の供給部材27の供給面27fの下端縁が混合液MCの液面から所定の高さに維持される。例えば、供給部材27の供給面27fの下端縁が混合液MCに0〜20mm(好ましくは0〜10mm)程度浸かった状態や、供給部材27の供給面27fの下端縁が混合液MCの液面から0〜20mm(好ましくは0〜10mm)程度浮いた状態に維持される。すると、適切に容器C内の混合液MCを攪拌しながら、混合液Mが供給部材27の供給面27fから容器C内の混合液MCに供給される。なお、供給部材27の供給面27fの下端縁は、容器C内の凝固した豆腐Bには接触しないように維持される(図2参照)。
【0036】
このように、本字氏形態のノズル20を使用すれば、豆乳TとにがりNとが均一に混合された混合液Mを容器Cに供給することができる。しかも、豆乳TとにがりNとの混合を促進できるので、容器C内で形成される豆腐Bの状態を、にがりNを使用した手作りの豆腐に近い状態とすることができる。
【0037】
なお、本字氏形態のノズル20における各部の長さは、使用する豆乳TやにがりNの品質や濃度、温度、供給流量、外気温等に合せて適切な長さに調整すればよい。例えば、にがり供給部23において豆乳TとにがりNが混合されるタイミングから供給部材27の供給面27fの下端から混合液Mが容器C内に供給されるまでの時間が、混合液Mの凝固開始時間よりも短くなるように調整すればよい。
【0038】
<にがり供給部23について>
にがり供給部23の構造は上述した構造に限定されず、連続して供給される豆乳Tに対して所定の量のにがりNを供給できるようになっていればよい。例えば、図10(C)に示すように、本体22の流路22hとにがり供給部23の供給通路23hによってY字状の流路が形成されるようにしてもよい。また、図10(A)、(B)に示すように、にがり供給部23にノズル23nを設けてもよい。具体的には、図10(A)に示すように、先端部を本体22の流路22hに挿入し、その先端が流路22hの下流側(つまり旋回流形成部24側)に向いた状態となるようにノズル23nを配置してもよい。図10(B)に示すように、単にノズル23nの先端部を本体22の流路22h内に配置してもよい。
【0039】
また、にがり供給部23において、にがりNを連続的に豆乳Tに供給してもよいし、にがりNを間欠的に豆乳Tに供給してもよい。
【0040】
<旋回流形成部24について>
旋回流形成部24は、混合液Mを旋回流とすることができるものであればよく、とくに限定されない。例えば、静止型混合装置(スタティックミキサー)と実質的に同等の構造を採用することができる。
【0041】
また、旋回流形成部24の旋回部材24pは、その軸方向の途中でねじれ方向が変化するようになっていることが望ましい。例えば、旋回部材24pを上端部、中間部、下端部に分けると、上端部と下端部とが同じねじれ方向となり、中間部は逆方向のねじれ方向となるような構造とすることができる(図2参照)。ねじれ方向を変更する回数もとくに限定されず、1回でもよいし、3回以上でもよい。使用する豆乳TやにがりNの品質や濃度、温度、供給流量、外気温等に合せて適切に調整すればよい。
【0042】
また、旋回部材24pはかならずしも上述したような構造としなくてもよく、混合液Mの流れを乱して、混合液M中の豆乳TとにがりNとの混合を促進できるものであればよい。例えば、流路22h内に平板や曲板等で形成された邪魔板や仕切り板等を設けて旋回部材24pとしてもよい。また、流路22h内を流れる混合液Mによって自転する攪拌翼などを旋回部材24pとして使用してもよい。
【0043】
さらに、旋回流形成部24の構成は上記のごとき構成に限定されない。にがり供給部23から供給される混合液Mにおける豆乳TとにがりNとの混合を促進して、混合液Mを連続した略軸状の水流として供給部25に供給できる構造となっていればよい。例えば、旋回流形成部24として、流路22h内の流れを能動的に攪拌する機構、例えばモータを使用したミキサー構造としてもよい。
【0044】
<供給部材27について>
供給部材27は、その供給面27fが流路22hの中心軸22sに対してなす角度はとくに限定されない。混合部21の本体22の排出口22aから排出される連続した略軸状の混合液Mの水流を、滑らかに供給面27f上を流れる水流に変換できるような角度であればよい。例えば、流路22hの中心軸22sと供給面27fのなす角度は100〜135度程度、好ましくは100〜120度、より好ましくは110〜120度となっていればよい。
【0045】
上記例では、供給部材27が錐状体等の場合を説明した。しかし、供給部材27の形状は、排出口22aと対向する側に、流路22hの中心軸22s(つまり排出口22aの軸)と非直交となるように形成された供給面27fを有していればよい。つまり、供給部材27は、混合部21の本体22の排出口22aから排出される連続した略軸状の混合液Mの水流を滑らかに層状流に変換することができ、この層状流を下端部から容器などに供給できる供給面27fを有していればよい。言い換えれば、供給部材27は、排出口22aから落下した連続した略軸状の混合液Mの水流が表面で大きく跳ねたり表面で大きく波打ったりしないような角度に調整された供給面27fを有していればよい。
【0046】
例えば、供給部材27は、板状の部材を円錐状等に曲げて形成してもよいし、円錐状面等を有するブロック状の部材で形成してもよい。また、単なる板状の部材をその上面が流路22hの中心軸22sと非直交で交差する傾斜した供給面27fとなるように設けて供給部材27としてもよい(図4(A)参照)。
【0047】
また、混合部21の本体22の排出口22aから供給部材27の供給面27fまでの距離はとくに限定されない。排出口22aから落下した連続した略軸状の混合液Mの水流を供給部材27の供給面27fに沿った面状の混合液Mの水流にスムースに変換されるようになっていればよい。つまり、排出口22aから落下した連続した略軸状の混合液Mの水流が、供給部材27の供給面27fで大きく跳ねたり、供給面27f上の流れが大きく波打ったりしないような距離に調整されていればよい。
【0048】
<固定部26について>
固定部26は、上記のように供給部材27を保持できる構成であればよくその構造はとくに限定されない。例えば、以下のような構造とすることができる。
【0049】
図1および図2に示すように、混合部21の本体22には、その側面にフランジ状のプレート26aが設けられている。このプレート26aには複数本の保持軸26b(図1では4本)の上端部が連結されている。複数本の保持軸26bは、互いに平行かつ混合部21の本体22の流路22hの中心軸22sと平行となるように設けられている。しかも、本体22の流路22hの中心軸22sを中心として、回転対称かつ等角度間隔となるように設けられている。
【0050】
上述したような円錐状等に形成された供給部材27の場合、固定部26を上述したような構造として複数本の保持軸26bの下端部に供給部材27の周縁部を連結すれば、供給部材27を安定した姿勢で保持できる。
【0051】
なお、上記構造の固定部26の場合、供給部材27を安定した姿勢で保持できるのであれば、保持軸26bの本数や配置はとくに限定されない。しかし、供給部材27の端縁から流れる混合液Mの流れを阻害せず均一に外部に供給する上では、保持軸26bの本数は少ない方が望ましく、本体22の流路22hの中心軸22sを中心として回転対称かつ等角度間隔となるように設けられていることが望ましい。
【0052】
また、供給部材27を安定した姿勢で保持できるのであれば、保持軸26bを本体22に連結する部材はプレート26aに限られないし、保持軸26bを直接本体22に連結してもよい(図4(B)参照)。
【0053】
さらに、固定部26は、供給部材27の形状に合わて適切な構造とすればよく、必ずしも上述したような保持軸26bを介して供給部材27を本体22に連結しなくてもよい。例えば、供給部材27として平板を使用した場合には、板状の部材によって供給部材27を本体22に連結してもよいし、供給部材27の上端部を折り曲げて本体22に直接連結するようにしてもよい(図4(A)参照)。
【0054】
<タワー型の豆腐製造設備1>
本実施形態の豆腐を機械設備によって製造する場合、以下のようなタワー型の豆腐製造設備1(以下、本実施形態の豆腐製造設備1という場合がある)を使用すれば、豆腐を形成する設備の設置面積を小さくできるという利点が得られる。
以下、本実施形態の豆腐製造設備1について説明する。
【0055】
図5に示すように、本実施形態の豆腐製造設備1は、豆腐が形成される縦型容器2と、縦型容器2に豆乳と凝固剤とが混合した混合液Mを供給する混合液供給部5と、縦型容器2内で形成された豆腐を外部に排出する豆腐排出部10と、を備えている。
【0056】
<縦型容器2>
図5および図6に示すように、縦型容器2は中空な筒状の部材であり、フレーム1f上に配置されている。この縦型容器2は、その内部に混合液Mが供給されて豆腐Bが形成される収容空間2hを有している。この収容空間2hは、断面矩形(長方形または正方形)の空間であり鉛直方向に沿って延びている。この縦型容器2の収容空間2hの内面は凹凸が少ない滑らかな平坦面に形成されている。具体的には、収容空間2h内で形成された豆腐Bが収容空間2hの内面に沿って移動した際に、豆腐がスムースに移動できるような表面に形成されている。
【0057】
この縦型容器2の上端および下端には、収容空間2hと外部との間を連通する開口2a,2bが形成されている。
【0058】
上端の開口2aは混合液供給部5のノズル6を収容空間2h内に挿入するための開口であり、開口2aから挿入された混合液供給部5のノズル6から縦型容器2内に混合液Mが供給できるようになっている。
【0059】
下端の開口2bは、収容空間2h内で形成された豆腐Bが載せられる、後述する豆腐排出部10のテーブル11を挿入するために設けられている。なお、後述するように、テーブル11は収容空間2h内を昇降できるようになっている。
【0060】
また、縦型容器2の下部側面には、収容空間2hと外部との間を連通する豆腐排出口2dが形成されている。この豆腐排出口2dと対向する側面にも、収容空間2hと外部との間を連通する押出部挿入口2pが形成されている。この押出部挿入口2pには、後述する豆腐排出部10の押出部15のプッシャープレート16が配置されている。このため、プッシャープレート16を押出部挿入口2pに向けて移動させることによって、テーブル11上の豆腐ブロックBBを豆腐排出口2dから外部に排出することができる(図9参照)。
【0061】
なお、豆腐排出口2dには、豆腐排出口2dを開閉するシャッター2sが設けられている。このシャッター2sは、豆腐ブロックを豆腐排出口2dから外部に排出するとき以外は、豆腐排出口2dを閉じるものであるが、シャッター2sは必ずしも設けなくてもよい。また、図5ではシャッター2sは縦型容器2の外面に配置されている状態が示されているが、シャッター2sは豆腐排出口2dに配置されていてもよい。つまり、シャッター2sを閉じると、その内面が縦型容器2の収容空間2hの内面とほぼ面一になるようにシャッター2sを設けてもよい。
【0062】
<混合液供給部5>
混合液供給部5は、縦型容器2の収容空間2h内に混合液Mを供給するものである。この混合液供給部5は、ノズル6と、ノズル6を移動するノズル移動部30と、を備えている。
【0063】
ノズル6は、縦型容器2の収容空間2h内に混合液Mを供給できるものであればよく、とくに限定されない。従来の豆腐製造装置に採用されている公知のノズルを使用することができる。にがりを凝固剤として使用する場合には、上述した本実施形態のノズル20をノズル6として使用することが望ましい。
【0064】
ノズル移動部は、収容空間2hにおいてノズル6を移動させて、収容空間2h内に混合液Mがノズル6から均一に供給されるように調整するものである。このノズル移動部は、ノズル6を収容空間2h内の混合液MCの表面に沿うようにノズル6を水平移動させる水平移動と、ノズル6と収容空間2h内の混合液MCの表面との距離が一定の範囲内に維持されるようにノズル6を上下移動させる鉛直移動と、を実施できるものである。このノズル移動部がノズル6を移動させる機構はとくに限定されず、従来の豆腐製造装置に採用されている公知の機構等、種々の機構を採用することができる。
【0065】
かかる混合液供給部5によって縦型容器2の収容空間2h内に混合液Mを供給すれば、縦型容器2の収容空間2h内において、混合液Mが凝固した豆腐を順次形成することができる。
【0066】
なお、混合液供給部5は、縦型容器2の収容空間2h内の豆乳MC(または豆腐B)とノズル6との距離(鉛直方向の距離)を測定する距離測定部39を有していてもよい(図13〜15参照)。距離測定部39を設ければ、ノズル6と豆乳MCとの距離を一定に保つことができるので、縦型容器2の収容空間2h内における豆腐Bの凝固状態を一定の状態に維持しやすくなる。もちろん、混合液供給部5は、ノズル6から排出する混合液Mの量と、縦型容器2の収容空間2hの面積に基づいて、ノズル6と豆乳MCとの距離を調整するようにしてもよい。
【0067】
<豆腐排出部10>
豆腐排出部10は、テーブル11と、分割プレート12と、押出部15と、を備えており、この豆腐排出部10によって所定の厚さの豆腐ブロックBBを容器2から外部に排出できるようになっている。
【0068】
<テーブル11>
図5図6および図8に示すように、テーブル11は、縦型容器2の収容空間2hに挿入されて、縦型容器2の収容空間2h内で形成された豆腐Bが載せられるものである。このテーブル11の上面は、縦型容器2の収容空間2hの軸方向と略直交する平滑な平面に形成されている。このため、上述したように押出部15のプッシャープレート16が豆腐ブロックBBを押したときに、豆腐ブロックBBがスムースにテーブル11の上面を移動できるようになっている(図9参照)。
【0069】
このテーブル11は、収容空間2h内を昇降することができるように設けられている。具体的には、テーブル11は、縦型容器2の収容空間2hの断面とほぼ同じ大きさかつ同じ形状に形成されている。このテーブル11の周辺部にはシール部材が設けられており、このシール部材によって収容空間2hの内面とテーブル11の周辺部との間に隙間ができない状態を維持したまま、収容空間2h内を昇降できるようになっている。
【0070】
なお、テーブル11の周辺部にはシール部材を設けなくてもよい。この場合には、テーブル11の周辺部を直接収容空間2hの内面に接触させた状態でテーブル11が移動するようになっていてもよい。また、テーブル11の周辺部と収容空間2hの内面との間にわずかな隙間を維持したままテーブル11が移動するようになっていてもよい。
【0071】
テーブル11の下方には、テーブル11を昇降させる昇降機構11rが設けられている。この昇降機構11rは、例えば、シリンダ機構やチェーン駆動機構、台形ネジ機構、ジャッキ機構等の公知の昇降機構を採用することができる。この昇降機構11rによって、テーブル11を、上昇位置と、分割位置と、下降位置と、の間で昇降させることができる。
【0072】
図7および図8に示すように、テーブル11の上昇位置は、後述する分割プレート12が縦型容器2の収容空間2h内に挿入された状態から離脱した際に、縦型容器2の収容空間2h内の豆腐Bを受け止める位置である。この上昇位置では、テーブル11は、その上面が分割プレート12の下面にほぼ接触する位置に配置される。
図9に示すように、テーブル11の下降位置は、テーブル11上の豆腐ブロックBBを押出部15のプッシャープレート16によって豆腐排出口2dから排出する際に、テーブル11が配置される位置である。
図5および図6に示すように、テーブル11の分割位置は、上昇位置と下降位置の間の位置であり、上昇位置でテーブル11上に載せられた豆腐Bを分割プレート12によって分割する位置である。
【0073】
昇降機構11rによって、上述した上昇位置と、分割位置と、下降位置と、の間をテーブル11が昇降することによって、縦型容器2の収容空間2h内で連続して形成された豆腐Bを、所定の厚さの豆腐ブロックBBとして外部に排出することができる。
【0074】
<分割プレート12>
分割プレート12は、縦型容器2の収容空間2h内の豆腐Bを分割して、所定の厚さの豆腐ブロックBBを形成するものである。具体的には、縦型容器2の収容空間2h内に形成されている豆腐Bの塊を、その上部の豆腐ブロックBAと下部の豆腐ブロックBBとに分割するものである。この分割プレート12は板状の部材であり、縦型容器2の側面に形成されたスリット2stから縦型容器2の収容空間2h内に挿入されるようになっている。スリット2stは、縦型容器2の収容空間2hの軸方向と直交するように形成されているので、このスリット2stを通して分割プレート12を収容空間2h内に挿入すれば、収容空間2h内の豆腐Bの塊を、収容空間2hの軸方向と直交する面で分割することができる。つまり、豆腐Bの塊を、上部の豆腐ブロックBAと下部の豆腐ブロックBBとに分割することができる。なお、スリット2stは、豆腐排出口2dや押出部挿入口2pよりも上方に位置するように設けられている。
【0075】
また、スリット2stは縦型容器2の互いに対向する面にそれぞれ形成されており、分割プレート12は、一方のスリット2stから挿入すると、先端が他方のスリットstに挿入することができる長さに形成されている。しかも、分割プレート12は、その幅(分割プレート12を収容空間2h内に挿入する方向と直交する方向の長さ、図6の左右方向の長さ)が、スリット2stが形成されていない2つの互いに対向する側面間の距離よりも長くなるように設けられている(図6参照)。そして、スリット2stが形成されていない2つの側面には、分割プレート12が嵌合された状態で移動する溝2gがそれぞれ形成されている。なお、溝2gは必ずしも設けなくてもよい。溝2gを設けない場合には、分割プレート12の幅は、スリット2stが形成されていない2つの側面間の距離とほぼ同じ長さに形成される。
【0076】
したがって、一方の側面のスリット2stから分割プレート12を通して、他方の側面のスリット2stに挿入するまで分割プレート12を収容空間2h内に挿入すれば、分割プレート12によって収容空間2hを上下の空間に分割することができる。すると、下部の豆腐ブロックBB、つまり、テーブル2に載せられている豆腐ブロックBBを排出部15によって外部に排出している間、分割プレート12を収容空間2h内に挿入しておけば、上部の空間では、分割プレート12より下方の作業の影響を受けることなく、豆腐Bの形成を継続することができる。
【0077】
<押出部15>
押出部15は、テーブル11上の豆腐ブロックBBを、縦型容器2の側面に形成された豆腐排出口2dから外部に押し出して排出するものである。
【0078】
図5に示すように、押出部15は、豆腐ブロックBBを押し出すプッシャープレート16を備えている。このプッシャープレート16は、豆腐排出口2dが設けられた側面と対向する面に形成された押出部挿入口2pに配置されている。このプッシャープレート16の外面には、プッシャープレート16を移動させる移動機構16rが設けられている。この移動機構16rは、例えば、シリンダ機構等の公知の移動機構を採用することができる。この移動機構16rによってプッシャープレート16を押出部挿入口2pから豆腐排出口2dまで移動させることによって、豆腐排出口2dを通して、下降位置に配置されているテーブル11上の豆腐ブロックBBを縦型容器2の収容空間2hから外部に排出することができる。
【0079】
なお、押出部15は、プッシャープレート16が押出部挿入口2pに配置されている状態では、プッシャープレート16の表面が縦型容器2の収容空間2hの内面とほぼ面一になるようにプッシャープレート16を移動させるようになっていることが望ましい。
【0080】
<本実施形態の豆腐製造設備1の作動>
上述した構造を有する本実施形態の豆腐製造設備1は、連続して混合液Mから豆腐Bを製造しつつ、製造された豆腐Bを所定の厚さの豆腐ブロックBBとして、外部に排出することができる。
以下、本実施形態の豆腐製造設備1によって豆腐ブロックBBを外部に排出する作業を説明する。
【0081】
図7に示すように、スリット2stを通して分割プレート12を収容空間2h内に挿入し、縦型容器2の収容空間2hを分割する。その状態で混合液供給部5のノズル6を収容空間2h内に配置し、ノズル6を移動させながら混合液Mを収容空間2h内に供給する。すると、混合液Mが順次凝固して豆腐Bが形成される。
【0082】
収容空間2h内の豆腐Bがある程度の高さになると、昇降機構11rによってテーブル11が上昇位置まで上昇される。なお、テーブル11は予め上昇位置に配置していてもよい。その状態で分割プレート12が収容空間2hから退避されると、分割プレート12上に載せられていた豆腐Bがテーブル11の上面に載せられた状態となる(図8参照、豆腐配置工程)。
【0083】
豆腐Bが上面に載せられると、テーブル11は一定の量だけ下降し、分割位置に配置される(豆腐下降工程)。この下降量は、豆腐製造設備1から排出される豆腐ブロックBBの高さと同じ量に設定される。
【0084】
なお、テーブル11が下降している間もノズル6から収容空間2hに混合液Mが供給されており、豆腐Bの形成が継続される。このとき、収容空間2h内の豆腐Bとノズル6との距離が一定の距離を維持するように、ノズル移動部によってノズル6の位置が制御される。
【0085】
テーブル11が分割位置に配置されると、スリット2stを通して分割プレート12が収容空間2h内に挿入される。すると、収容空間2h内の豆腐は、上部の豆腐ブロックBAと下部の豆腐ブロックBBとに分割される(図5参照、豆腐分割工程)。このとき、上部の豆腐ブロックBAは分割プレート12上に載せられた状態となり、下部の豆腐ブロックBBはテーブル11の上に載せられた状態となる。
【0086】
分割プレート12が収容空間2h内に挿入され豆腐Bが豆腐ブロックBAと下部の豆腐ブロックBBとに分割されると、テーブル11は下降位置まで下降し、シャッター2sが移動して豆腐排出口2dが開放される。豆腐排出口2dが開放されると、押出部15の移動機構16rによってプッシャープレート16が豆腐排出口2dに向かって移動される。すると、テーブル11上の豆腐ブロックBBが、テーブル11の上面を滑って移動し、豆腐排出口2dから縦型容器2外に押し出される(図9参照、豆腐排出工程)。
【0087】
なお、縦型容器2の豆腐排出口2dの側方には、下降位置のテーブル11の上面と同じ高さに配設されたテーブルやコンベア等の搬送装置Sが設けられており、豆腐排出口2dから排出された豆腐ブロックBBは搬送装置S上に載せられた状態となる。そして、搬送装置S上に載せられた豆腐ブロックBBは、搬送装置Sによって次工程に搬送される。
【0088】
豆腐ブロックBBが排出されると、プッシャープレート16は元の位置まで移動し、シャッター2sによって豆腐排出口2dが閉じられる。すると、昇降機構11rによってテーブル11が上昇位置まで上昇される(図7参照、待機工程)。
【0089】
再び収容空間2h内の豆腐Bがある程度の高さになると、豆腐配置工程が実施される。その後、豆腐下降工程、豆腐分割工程、豆腐排出工程が順次実施され、再び待機工程になる。
【0090】
このように、待機工程、豆腐配置工程、豆腐下降工程、豆腐分割工程、豆腐排出工程がこの順で実施されることによって、本実施形態の豆腐製造設備1では、豆腐Bの製造と豆腐ブロックBBの排出とを連続して実施することができる。
【0091】
そして、本実施形態の豆腐製造設備1では、混合液Mから豆腐Bを形成する際に、縦型容器2の収容空間2h内で上方に向かって延びるように豆腐Bを形成できるので、豆腐Bを形成する設備の設置面積を小さくできる。すると、豆腐Bを製造する製造設備全体の設置面積も小さくできるから、大量の豆腐Bを製造する場合だけでなく、少量の豆腐Bを製造する設備にも使用することができる。
【0092】
<ノズル移動部30>
ノズル6を移動させるノズル移動部は、ノズル6を混合液MCの表面から一定の距離を維持した状態で、混合液MCの表面に沿って水平に移動させることができる構成であればよく、とくに限定されない。例えば、以下のような構造を採用することができる。
【0093】
図13図15に示すように、ノズル移動部30は、本実施形態の豆腐製造設備1の縦型容器2の側方に設けられたフレーム31上に設けられた、横行装置32と、縦行装置33と、ノズル昇降装置35と、から構成されている。
【0094】
横行装置32は、フレーム31上に縦型容器2の幅方向(図13(A)では左右方向)に沿って延びる一対の案内レール32a,32aを備えている。この一対の案内レール32a,32aには、案内レール32aに沿って移動可能に設けられた複数のスライダ32bが設けられており、複数のスライダ32bは横行テーブル32cに取り付けられている。この横行テーブル32cの下方には、ボールネジ機構等の横行機構32dが設けられている。この横行機構32dは横行テーブル32cに連結されており、横行機構32dを駆動すると、横行テーブル32cを一対の案内レール32a,32aに沿って移動させることができるように設けられている。
【0095】
横行テーブル32cの上面には縦行装置33が設けられている。この縦行装置33は、縦型容器2の縦方向(図13(B)では左右方向)に沿って延びる一対の案内レール33a,33aを備えている。この一対の案内レール33a,33aには、案内レール33aに沿って移動可能に設けられた複数のスライダ33bが設けられており、複数のスライダ32bは縦行テーブル33cに取り付けられている。この縦行テーブル33cの下方には、シリンダ機構等の縦行機構33dが設けられている。この縦行機構33dはブラケット等によって縦行テーブル33cに連結されており、縦行機構33dを駆動すると、縦行テーブル33cを一対の案内レール33a,33aに沿って移動させることができるように設けられている。
【0096】
縦行テーブル33cの上面には、ノズル昇降装置35が設けられている。このノズル昇降装置35は、先端にノズル6が連結されたチューブ6bを移動させてノズル6を上下方向に移動させるものである。このノズル昇降装置35は、縦行テーブル33cの先端(つまり縦行テーブル33cの縦型容器2側)にチューブ案内部37を備えている。このチューブ案内部37は、案内フレーム37aによって保持された複数の案内ローラ列37rからなる案内ローラ列を有している。この案内ローラ列37rは、基端側から水平方向に沿って挿入されたチューブ6bを、先端側ではチューブ6bの軸方向が鉛直方向と平行になるように案内するものである。一方、チューブ6bは、ボールネジ機構等のチューブ駆動部38に連結されている。そして、このチューブ駆動部38を駆動すると、チューブ6bを軸方向に沿って移動させることができるように設けられている。つまり、チューブ6bを縦型容器2側に向かって進退させて、チューブ案内部37の先端から突出するチューブ6bの長さ、言い換えれば、ノズル6の高さを調整できるようになっている。
【0097】
そして、縦型容器2の上部には、距離センサ39が設けられている。この距離センサ39は、例えば、レーザセンサなどであり、混合液MCの液面の高さを検出するものである。この距離センサ39は、横行機構32dや縦行機構33d、チューブ駆動部38等の作動を制御する制御部に電気的に接続されており、検出した混合液MCの液面の高さの情報を制御部に供給するようになっている。
【0098】
以上のような構成であるので、制御部によって横行装置32の横行機構32dおよび縦行装置33の縦行機構33dの作動を制御すれば、ノズル6を混合液MCの液面に沿って水平に移動させることができる。
【0099】
また、ノズル6から混合液MCを供給すると混合液MCの凝固に伴って混合液MCの液面の高さが変化する。つまり、固化した豆腐ブロックBの上面が上昇するので、豆腐ブロックBの上面に堆積する混合液MCの液面も上昇する。
【0100】
すると、距離センサ39が混合液MCの液面の高さを検出しているので、検出した混合液MCの液面の高さの情報に基づいて、制御部がチューブ駆動部38を作動する。つまり、チューブ駆動部38によってチューブ6bの送り量を調整するので、ノズル6と混合液MCの液面との距離を一定に保つことができる。
【0101】
なお、チューブ案内部37の構造は上記の構造にとくに限定されず、チューブ6bを移動させて、ノズル6の高さを調整できる構成であればよい。
【0102】
<本実施形態の豆腐製造設備1B>
上述した本実施形態の豆腐製造設備1では、テーブル11を昇降させる構成としたが、搬送装置Sをテーブル11として使用してもよい。つまり、図11に示すように、搬送装置Sの一端を縦型容器2の収容空間2h内まで延設した状態とする。そして、搬送装置S自体が昇降機構Srによって上下に昇降する構成とする。
【0103】
かかる構成の場合、以下のようにして、連続して混合液Mから豆腐を製造しつつ、製造された豆腐を所定の厚さの豆腐ブロックBBとして、外部に排出することができる。なお、上述した豆腐製造設備1と同じ動作をする場合には、その動作の説明を適宜割愛している。
【0104】
図11に示すように、スリット2stを通して分割プレート12を収容空間2h内に挿入し、縦型容器2の収容空間2hを分割する。その状態で混合液供給部5のノズル6を収容空間2h内に配置し、ノズル6を移動させながら混合液Mを収容空間2h内に供給する。すると、混合液Mが順次凝固して豆腐Bが形成される。
【0105】
収容空間2h内の豆腐Bがある程度の高さになると、昇降機構Srによって搬送装置Sが上昇位置まで上昇される。なお、搬送装置Sは予め上昇位置に配置していてもよい。その状態で分割プレート12が収容空間2hから退避されると、分割プレート12上に載せられていた豆腐Bが搬送装置Sの上面に載せられた状態となる。
【0106】
豆腐Bが上面に載せられると、搬送装置Sは一定の量だけ下降し、分割位置に配置される(豆腐下降工程)。この下降量は、豆腐製造設備1から排出される豆腐ブロックBBの高さと同じ量に設定される。
【0107】
なお、搬送装置Sが下降している間もノズル6から収容空間2hに混合液Mが供給されており、豆腐Bの形成が継続される。このとき、収容空間2h内の豆腐Bとノズル6との距離が一定の距離を維持するように、ノズル移動部によってノズル6は下降する。
【0108】
搬送装置Sが分割位置に配置されると、スリット2stを通して分割プレート12が収容空間2h内に挿入される。すると、収容空間2h内の豆腐は、上部の豆腐ブロックBAと下部の豆腐ブロックBBとに分割される(図5参照、豆腐分割工程)。このとき、上部の豆腐ブロックBAは分割プレート12上に載せられた状態となり、下部の豆腐ブロックBBは搬送装置Sの上に載せられた状態となる。
【0109】
分割プレート12が収容空間2h内に挿入され豆腐Bが豆腐ブロックBAと下部の豆腐ブロックBBとに分割されると、搬送装置Sは下降位置まで下降し、搬送装置S上の豆腐ブロックBBを豆腐製造設備1外に排出するように駆動する(豆腐排出工程)。すると、搬送装置S上に載せられた豆腐ブロックBBは、搬送装置Sによって次工程に搬送される。
【0110】
豆腐ブロックBBが豆腐製造設備1外に排出されると、昇降機構Srによって搬送装置Sが上昇位置まで上昇される(図11参照、待機工程)。
【0111】
再び収容空間2h内の豆腐Bがある程度の高さになると、豆腐配置工程が実施される。その後、豆腐下降工程、豆腐分割工程、豆腐排出工程が順次実施され、再び待機工程になる。
【0112】
このように、待機工程、豆腐配置工程、豆腐下降工程、豆腐分割工程、豆腐排出工程がこの順で実施されることによって、本実施形態の豆腐製造設備1Bでは、豆腐Bの製造と豆腐ブロックBBの排出を連続して実施することができる。
【0113】
そして、本実施形態の豆腐製造設備1Bの場合、シャッターやプッシャーなどを使用しなくても、豆腐ブロックBBを豆腐製造設備1外に排出できるので、設備の構造を簡素化できる。
【0114】
<本実施形態の豆腐製造設備1C>
本実施形態の豆腐製造設備1Bでは、搬送装置Sの一端を縦型容器2の収容空間2h内まで延設した状態としたが、図12に示すように、テーブル11S自体を搬送装置Sと分離されたコンベア構造を有するものとしてもよい。この場合には、縦型容器2外の搬送装置Sを昇降させる必要がないので、昇降装置11rが大型化しなくてもよくなる。
【産業上の利用可能性】
【0115】
本発明のノズルは、にがりと豆乳を混合して豆腐を製造するためのノズルや、先行形成物を崩さないように液体を供給するノズルや、凝固しやすい液体を供給して凝固物を形成するノズルとして適している。
【符号の説明】
【0116】
1 豆腐製造設備
2 縦型容器
2h 収容空間
2d 豆腐排出口
5 混合液供給部
6 ノズル
10 豆腐排出部
11 テーブル
12 分割プレート
15 押出部
20 ノズル
21 混合部
22h 流路
22a 排出口
23 にがり供給部
24 旋回流形成部
25 供給部
27 供給部材
27f 供給面
B 豆腐
BA 豆腐ブロック
BB 豆腐ブロック
C 容器
M 混合液
T 豆乳
N にがり
S 搬送装置
【要約】
【課題】粗製海水塩化マグネシウムを使用しても風味や食感のよい豆腐を製造することができる豆腐製造設備およびかかる豆腐製造設備に使用されるノズルを提供する。
【解決手段】豆腐を凝固させる容器に豆乳Tを供給するノズル20であって、豆乳TとにがりNとを混合して混合液Mを形成する混合部21と、混合部21の排出口21aから排出される混合液Mを外部に供給する供給部25と、を備えており、供給部25は、混合部21の排出口22aの下方に配置される、排出口21aの軸方向と非直交となる供給面27fを有しており、供給面27fの下端部から混合液Mが容器に供給される。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15