(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
オブジェクトをユーザに付与する情報処理装置であって、ユーザに対応付けられた母集団であり、かつ、複数のオブジェクトが対応付けられた母集団を特定する母集団情報が記憶された記憶装置にアクセス可能な情報処理装置において、 前記記憶装置に記憶された母集団情報により特定される母集団に対応付けられたオブジェクトの中から、前記ユーザに付与して前記母集団との対応付けを解除するオブジェクトを抽選により選択する第1選択手段と、
前記母集団に対応付けられたオブジェクトの中から、前記ユーザに付与することなく前記母集団との対応付けを解除する所定数のオブジェクトを抽選により選択する第2選択手段と、
前記第1選択手段によって選択されたオブジェクトと前記母集団との対応付けと、前記第2選択手段によって選択されたオブジェクトの少なくとも1つと前記母集団との対応付けとが解除されるように、前記母集団情報を更新する第1更新手段と、
を備えた、情報処理装置。
前記出力手段は、前記第1選択手段によって選択されたオブジェクトを提示する画面の基となる表示情報を出力した後に、前記第2選択手段によって選択されたオブジェクトを提示する画面の基となる表示情報を出力する、請求項2に記載の情報処理装置。
オブジェクトをユーザに付与する情報処理に用いられるコンピュータであって、ユーザに対応付けられた母集団であり、かつ、複数のオブジェクトが対応付けられた母集団を特定する母集団情報が記憶された記憶装置にアクセス可能なコンピュータに、
前記記憶装置に記憶された母集団情報により特定される母集団に対応付けられたオブジェクトの中から、前記ユーザに付与して前記母集団との対応付けを解除するオブジェクトを抽選により選択する第1選択機能と、
前記母集団に対応付けられたオブジェクトの中から、前記ユーザに付与することなく前記母集団との対応付けを解除する所定数のオブジェクトを抽選により選択する第2選択機能と、
前記第1選択機能によって選択されたオブジェクトと前記母集団との対応付けと、前記第2選択機能によって選択されたオブジェクトの少なくとも1つと前記母集団との対応付けとが解除されるように、前記母集団情報を更新する第1更新機能と、
を実現させる、プログラム。
オブジェクトをユーザに付与する情報処理システムであって、ユーザ端末と、当該ユーザ端末からアクセスされるサーバと、当該ユーザ端末または当該サーバのいずれかからアクセスされる記憶装置とを備えた情報処理システムにおいて、
前記ユーザ端末または前記サーバのいずれかが、
前記記憶装置に記憶された母集団情報により特定される母集団に対応付けられたオブジェクトの中から、前記ユーザに付与して前記母集団との対応付けを解除するオブジェクトを抽選により選択する第1選択手段と、
前記母集団に対応付けられたオブジェクトの中から、前記ユーザに付与することなく前記母集団との対応付けを解除する所定数のオブジェクトを抽選により選択する第2選択手段と、
前記第1選択手段によって選択されたオブジェクトとの対応付けと、前記第2選択手段によって選択されたオブジェクトの少なくとも1つと前記母集団との対応付けとが解除されるように、前記母集団情報を更新する第1更新手段と、
の各手段を備えた、情報処理システム。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(1)第1の実施形態
(1−1)ゲームシステムの構成
以下、情報処理システムの一実施形態として、ゲームシステム1について説明する。
【0012】
図1は、実施形態のゲームシステム1のシステム構成例を示している。
図1に示すように、このゲームシステム1は、ユーザ端末10a,10b,10c,…、および、ゲームサーバ20を含む。各ユーザ端末10a,10b,10cからゲームサーバ20に対しては、例えばインターネットなどの通信網NWを通してアクセス可能である。なお、ゲームシステム1は、情報処理システムの一例である。また、ゲームサーバ20は、情報処理装置の一例である。
各ユーザ端末10a,10b,10c,…はそれぞれ、個々のユーザによって操作される端末であり、例えば、フィーチャーフォン、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ、双方向の通信機能を備えたテレビジョン受像機(いわゆる多機能型のスマートテレビも含む。)、通信機能付き携帯ゲーム機などの通信端末である。以下の説明において、各ユーザ端末10a,10b,10c,…に共通して言及するときには、ユーザ端末10と表記する。
【0013】
ゲームサーバ20は、ゲームを実行するサーバである。ゲームサーバ20には、ウェブブラウザによって解釈可能な画像データ(例えばHTML、XMLなどの形式で記述された画像データのことである。本発明の実施形態では、HTMLデータを例として説明する。)を作成可能なプログラムが実装されている。
ユーザ端末10は、ゲームサーバ20によって提供されるHTMLデータを解釈して表示するウェブブラウザを備えており、ユーザ端末10によるウェブページ上のユーザの操作に基づく要求を、ネットワークを介してゲームサーバ20へ送信し、ゲームサーバ20による処理結果を受信することでゲームの処理を実行する。
通信網NWは、インターネット、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)、専用回線、または、これらの組み合わせによって構成される情報通信ネットワークである。
【0014】
(1−2)ユーザ端末の構成
図2を参照してユーザ端末10について説明する。
図2に示すように、ユーザ端末10は、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、操作入力部15、表示部16、通信インタフェース部17、および、ストレージ18を備えており、各部間の制御信号あるいはデータ信号を伝送するためのバス19が設けられている。
【0015】
CPU11は、ROM12に記憶されているプログラムやデータを読み出して、ユーザ端末10内の各部との制御信号やデータ信号のタイミング処理等、ユーザ端末10内の全体の動作を制御する。また、CPU11は、ストレージ18に記憶されているプログラムや、プログラムの実行に必要な各種データを読み出してRAM13に展開し、プログラムの実行に伴うデータの入出力処理、演算処理、判定処理等の各種処理を行う。RAM13は、CPU11による演算処理、判定処理等のために一時的にデータを記憶する。
【0016】
例えば、CPU11は、ストレージ18内に記憶されているウェブブラウザをRAM13にロードして実行する。そして、CPU11は、操作入力部15等によってユーザに入力されるURL(Uniform Resource Locator)の指定に基づき、通信インタフェース部17を介して、ゲームサーバ20からウェブページを表示するためのデータ、すなわち、HTML(HyperText Markup Language)文書や当該文書と関連付けられた画像などのオブジェクトのデータ(以下、総称して適宜「HTMLデータ」と表記する。)を、通信インタフェース部17を介して取得し、ウェブブラウザを実行してHTMLデータを解釈する。なお、ユーザ端末10には、ウェブブラウザのブラウザ機能を拡張するための様々なプラグインが実装されていてもよい。そのようなプラグインの一例は、米国のアドビシステムズ社によるフラッシュプレイヤである。あるいは、本実施形態でのHTMLデータを、動画および音声の再生機能を備えたHTML5形式としてもよい。
【0017】
ウェブブラウザは、ゲームサーバ20とHTTP(HyperText Transfer Protocol)に従った通信を行う。ウェブブラウザは、操作入力部15等によってウェブページ上のURL(Uniform Resource Locator)または指定対象(例えば、ソフトウェアボタン(以下、単に「ボタン」と表記する。)等)が指定されると、ウェブページの更新のために、その指定結果を含むHTTPリクエストをゲームサーバ20に送信する。ウェブブラウザは、HTTPレスポンスとしてゲームサーバ20からHTMLデータを取得し、解釈して、ウェブページを表示部16に表示する。
【0018】
表示部16は、たとえば、LCD(Liquid Cristal Display)や有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等の表示デバイスである。マトリクス状に画素単位で配置された薄膜トランジスタを含むLCD(Liquid Cristal Display)モニタを適用した場合、表示部16は、薄膜トランジスタを駆動することでウェブページを表示画面に表示する。
【0019】
ユーザ端末10がボタン入力方式のユーザ端末である場合、操作入力部15は、例えば、ユーザの操作入力を受け入れるための方向指示ボタン、決定ボタン、テンキーなどの複数の指示入力ボタンを備え、各ボタンの押下操作の入力を認識してCPU11へ出力するためのインタフェース回路を含む。
ユーザ端末10がタッチパネル入力方式のユーザ端末である場合、操作入力部15は、主として表示画面に指先あるいはペンで触れることによるタッチパネル方式の入力を受け付ける。
【0020】
ストレージ18は、例えばフラッシュメモリあるいはHDD(Hard Disk Drive)によって構成される記憶装置である。
【0021】
(1−3)ゲームサーバの構成
図3を参照してゲームサーバ20の構成について説明する。
図3に示すように、ゲームサーバ20は、CPU21、ROM22、RAM23、通信インタフェース部24、および、ストレージ25を備えており、各部間の制御信号あるいはデータ信号を伝送するためのバス26が設けられている。なお、ゲームサーバ20は、ハードウエアに関しては汎用のネットワークサーバと同一の構成をとることができる。
【0022】
CPU21は、ROM22に記憶されているプログラムやデータを読み出して、ゲームサーバ20内の各部との制御信号やデータ信号のタイミング処理等、ゲームサーバ20内の全体の動作を制御する。また、CPU21は、ストレージ25に記憶されているプログラムや、プログラムの実行に必要な各種データを読み出してRAM23に展開し、プログラムの実行に伴うデータの入出力処理、演算処理、判定処理等の各種処理を行う。RAM23は、CPU21による演算処理、判定処理等のために一時的にデータを記憶する。
【0023】
例えば、ストレージ25には、クライアントであるユーザ端末10のウェブブラウザとの間でHTTPに従った通信を行ってウェブサービスを提供するプログラムが記憶されている。CPU21は、ストレージ25に記憶されているプログラムをRAM23に展開して、プログラムを実行する。プログラムの実行に伴ってCPU21は、通信インタフェース部24を介してユーザ端末10からHTTPリクエストを取得し、当該HTTPリクエストに応じた処理を実行し、その実行結果を含むHTMLデータ(後述する画像データの一例)をHTTPレスポンスとしてユーザ端末10へ返す。
【0024】
ストレージ25は、例えばフラッシュメモリあるいはHDD(Hard Disk Drive)によって構成される情報記録装置であり、上述したプログラムに加え、データテーブル群を記憶する。データテーブル群は、カードデータテーブル、ユーザデータテーブル、所持カードデータテーブル、および、ボックスデータテーブルを含む。各データテーブルは、適宜CPU21からデータの読み書きのためにアクセスされる。
【0025】
(1−4)本実施形態のゲームのボックス抽選の処理
本実施形態のゲームシステム1において実行されるゲームは、オブジェクトとしてのカードを用いるゲームである。このゲームでは、例えば、ユーザが所持するカードを用いて他のユーザやNPC(Non-Player Character)と対戦する。なお、オブジェクトは、カードに限られるものではなく、ゲームに用いることができる媒体であれば、どのようなものでもよい。
本実施形態のゲームにおいて実行される処理には、ボックス抽選の処理が含まれる。
ボックス抽選の処理とは、各ユーザに対応付けられたボックスに含まれる複数のカード(つまり、ユーザごとの母集団)の中から選択したカードをユーザに付与すると共に、ユーザに付与したカードと、当該カード以外のカード(つまり、ユーザに付与しなかったカード)の中から選択したカードとをボックスから削除する処理である。
【0026】
本実施形態のボックス抽選の処理について、
図4を参照して具体的に説明する。
図4は、本実施形態のボックス抽選の処理を概念的に説明するための図である。
図4の例では、ユーザU1に、所持カードO1と、ボックスB1とが対応付けられている。ボックス抽選の処理の実行前において、カードAは、所持カードであり、カードB〜カードEは、ボックスB1に含まれる。
はじめに、ボックスに含まれるカードの中から、ユーザU1に付与してボックスB1から削除するカードとしてカードBが抽選により選択される。選択されたカードBは、所持カードO1として、ユーザU1に付与されると共に、ボックスB1から削除される。次いで、ボックスB1に含まれるカードのうちカードB以外のカードの中から、ユーザU1に付与せずにボックスB1から削除するカードとしてカードCが選択される。選択されたカードCは、所持カードO1としてユーザU1に対応付けられることなく、ボックスB1から削除される。
換言すると、本実施形態のボックス抽選の処理では、ユーザU1に付与したカードBだけでなく、ユーザU1に付与しなかったカードCもボックスB1から削除する。これにより、次回のボックス抽選の処理で特定のカードが付与される確率が大きく上昇する。従って、ユーザU1には、1回のボックス抽選の処理で特定のカードが付与されなかったとしても、次回のボックス抽選の処理で当該カードが付与されるかもしれないという期待感が与えられる。これにより、ユーザに、ボックス抽選機能を利用することの動機づけを与えることができる。特に、ボックス抽選機能を利用した経験があるユーザにも、ボックス抽選機能を繰り返し利用することの動機づけを与えることができる。
【0027】
(1−5)データテーブルの構成
次に、ゲームサーバ20のストレージ25に記憶されるカードデータテーブル、ユーザデータテーブル、所持カードデータテーブル、および、ボックスデータテーブルについて、
図5〜
図8を参照して説明する。
【0028】
(i)カードデータテーブル
カードデータテーブルには、本実施形態のゲームで使用されるカードの情報が記録されている。
図5にカードデータテーブルの構成例を示す。
図5に示す例では、カードを特定するカードIDごとに、カード名、カード画像、および、カードパラメータのデータ(以下「カードデータ」という)が含まれる。
カード名は、カードに表示されるキャラクタの名称を示す文字列である。キャラクタは、仮想の対象物(例えば、人物、動物、乗り物、建物等)であってもよいし、実在する対象物であってもよい。
カード画像は、カードに表示されるキャラクタの画像である。例えば、カード画像は、2次元画像、3次元画像、イラスト画像、および、写真画像等である。
カードパラメータは、レアリティ、属性、コスト、スキル、カードレベル、攻撃力、および、防御力のデータを含む。
レアリティは、カードの希少価値を示す指標であり、
図5に示す例では、R1〜R5の順に高くなるように設定されている。
属性は、カードに表示されるキャラクタの属性であり、
図5に示す例ではN1〜N3のいずれかである。
コストは、カードをユーザのカードチームに組み込むときに参照される値である。例えばカードチームによる対戦を行う場合には、カードチームに含まれるカードのコストの総和が所定値以下に制限される。
スキルは、カードを用いてゲームを実行するときに与えられるゲーム上の有利な効果を示す情報であり、
図5に示す例では、SK1〜SK12の様々な効果を備えたスキルが各カードに設定されている。なお、すべてのカードがスキルを備えていなくてもよい。
カードレベルは、ゲームにおけるカードの育成レベルを示す数値パラメータである。カードデータテーブルでは、初期レベル1から上限レベル60までのカードレベルが規定されている。上限レベルは、全てのカードについて同一であってもよいし、カード毎に異なってもよい。
攻撃力および防御力は、ゲームにおけるカードの能力を示す数値パラメータである。攻撃力および防御力は、カードレベル毎に設定されている。
【0029】
(ii)ユーザデータテーブル
ユーザデータテーブルには、本実施形態のゲームに登録しているユーザの情報が記録されている。
図6にユーザデータテーブルの構成例を示す。
図6に示す例では、ユーザを特定するユーザIDごとに、ユーザ名およびユーザパラメータのデータ(以下「ユーザデータ」という)が含まれる。
ユーザ名は、ユーザの名称を示す文字列である。ユーザ名は、ユーザが任意に決めることができる。
ユーザパラメータは、対戦において参照されるパラメータである。ユーザパラメータは、ユーザレベル、行動ポイント、および、属性のデータを含む。
ユーザレベルは、ゲームにおけるユーザの強さの程度を示す数値パラメータである。ユーザがゲームに登録したときのユーザレベルの値(初期値)は1である。ユーザは、対戦において対戦相手に勝つことで、成長する(ユーザレベルを上げる)ことができる。
行動ポイントは、ユーザがゲームを進行させる(例えば、ボックス抽選の処理を実行させる)際に消費するコストを示す数値パラメータである。ゲームを進行させる処理が行われると、行動ポイントが所定量の分だけ消費される。行動ポイントの上限値は、ユーザ毎に定めてもよい。行動ポイントは、時間の経過によって上限値まで増加(回復)するように設定してもよい。
属性は、ゲームにおけるユーザの属性を示す。
図6に示す例ではN1〜N3のいずれかである。
【0030】
(iii)所持カードデータテーブル
所持カードデータテーブルには、ユーザの所持カードの情報が記録されている。
図7に所持カードデータテーブルの構成例を示す。
図7では1ユーザの分の所持カードデータテーブルを例示するが、所持カードデータテーブルは、ゲームに登録しているすべてのユーザに対応して設けられる。
図7に示す所持カードデータテーブルには、カードIDごとに、シリアル番号、カードレベル、および、スキルレベルのデータが対応付けられて記録されている。
シリアル番号は、ユーザにカードが付与された時点で決定される固有の番号である。同一のカードIDを有する複数のカードが付与された場合、各カードに異なるシリアル番号が付される。
カードレベルは、カードの育成レベルを示すパラメータであり、例えば他のカードとの合成を実行することによって増加する。ユーザがカードを取得した時点でのカードレベルの値(初期値)は1であり、ユーザは合成を実行することでそのカードを成長(つまり、カードレベルを増加)させることができる。
スキルレベルはカードの育成レベルを示すパラメータであり、特にカードが備えるスキルのレベルを示すパラメータである。ユーザがスキルを備えたカードを取得した時点でのスキルレベルの値(初期値)は1であり、例えば所定の条件を満たす他のカードとの合成を行うことによってカードのスキルレベルを増加させることができる。カードのスキルレベルが増加するにつれて、スキルによって発生する効果が増大する。
【0031】
(iv)ボックスデータテーブル(
図8)
ボックスデータテーブルには、ボックス抽選機能に用いられるボックスに含まれるカードの情報が記録されている。
図8にボックスデータテーブルの構成例を示す。
図8に示すボックスデータテーブルには、ボックスIDおよびユーザIDの対ごとに、収容カードID、収容総数、および、収容残数のデータ(以下「ボックスデータ」という)対応付けられて記録されている。
収容カードIDは、ボックスに含まれるカードのカードIDを示す。ボックスからカードが削除される度に、当該カードのカードIDが収容カードIDから削除される。
収容総数は、ボックスに含まれるカードの最大数を示す固定値である。
収容残数は、ボックスに含まれるカードの残数を示す変動値である。収容残数の値は、ボックスからカードが削除される度に、削除されるカードの数の分だけ減少する。収容残数の値がゼロになると、ボックスIDとユーザIDとの対応付けが解除される。
【0032】
(1−6)ボックス抽選の処理の具体例(
図9)
以下、本実施形態のゲームの処理の具体例について、
図9を参照しながら説明する。
図9は、本実施形態のゲームの処理を実行しているときにユーザ端末10に表示される画面の一例を示す図である。
図9は、ボックス抽選の処理の一連の表示画面の変化を示している。
図9において、画面P1は、本実施形態のゲームにおいてユーザが処理の要求を行うときにユーザ端末10に表示される画面である。画面P1には、ユーザの指定対象として、ボタンb1(「所持カード一覧」)と、ボタンb2(「合成」)と、ボタンb3(「ボックス抽選」)とが設けられる。
ボタンb1は、所持カードの情報を提示させる処理の要求を行うときに指定されるボタンである。ボタンb2は、合成の処理の要求を行うときに指定されるボタンである。ボタンb3は、ボックス抽選の処理の要求を行うときに指定されるボタンである。
【0033】
画面P1においてボタンb3(「ボックス抽選」)が指定されると、P2に示すように画面が変化する。画面P2は、ボックス抽選の処理でユーザに付与される可能性があるカード(以下「付与候補カード」という)の情報をユーザに提示する画面である。
画面P2には、表示領域101および102と、ユーザの指定対象として、ボタンb4(「付与抽選」)と、ボタンb5(「ボックス抽選をやめる」)とが設けられる。
表示領域101には、レアリティがR5の付与候補カードの情報(カード画像、カード名、レアリティ、攻撃力、および、防御力)が表示される。表示領域102には、レアリティがR4の付与候補カードの情報(カード画像、カード名、レアリティ、攻撃力、および、防御力)が表示される。
ボタンb4は、ユーザに付与してボックスから削除するカードを選択させる指示を行うときに指定されるボタンである。ボタンb5は、ボックス抽選の処理を終了させる指示を行うときに指定されるボタンである。
【0034】
画面P2において、ボタンb4(「付与抽選」)が指定されると、P3に示すように画面が変化する。画面P3は、付与候補カードの少なくとも1つがユーザに付与されたことを提示する画面である。
画面P3には、表示領域103と、ボタンb6(「削除抽選」)とが設けられる。
表示領域103には、ユーザに付与された(当選した)カードの情報(カード画像およびカード名)と、当該カードが当選したことを示すメッセージとが表示される。
ボタンb6は、ユーザに付与せずにボックスから削除するカードを選択させる指示を行うときに指定されるボタンである。
【0035】
画面P3において、ボタンb6(「削除抽選」)が指定されると、P4に示すように画面が変化する。画面P4は、ボックスから削除するカードの指定を受け付ける画面を提示する画面である。
画面P4には、表示領域104および105と、ボタンb7(「選択削除」)と、ボタンb8(「全削除」)とが含まれる。
表示領域104には、ユーザに付与せずにボックスから削除される可能性のあるカード(以下「削除候補カード」という)の情報(カード画像、カード名、および、レアリティ)が表示される。
表示領域105には、削除候補カードごとに、ボックスから削除するカードを指定するためのチェックボックスが表示される。チェックボックスは、ユーザが指定した状態と、ユーザが指定していない状態とで表示態様が異なるように構成される。
図8の例では、「カード名:VIC、レアリティ:R1」のカードをユーザが指定した状態を示している。
ボタンb7(「選択削除」)は、表示領域105においてユーザが指定した状態にあるカード(「カード名:VIC」)と、ユーザに付与されたカード(「カード名:KLM」)とをボックスから削除する指示を行うときに指定されるボタンである。
ボタンb8(「全削除」)は、表示領域104に表示されたすべてのカード(「カード名:VIC」および「カード名:SAM」)と、ユーザに付与されたカード(「カード名:KLM」)とをボックスから削除する指示を行うときに指定されるボタンである。
【0036】
画面P4において、ボタンb7(「選択削除」)が指定されると、P5に示すように画面が変化する。画面P5は、ボックスから削除されたカードの情報をユーザに提示する画面である。
画面P5には、表示領域106が含まれる。
表示領域106には、ボックスから削除されたカードの情報(カード画像、カード名、および、レアリティ)と、当該カードがボックスから削除されたことを示すメッセージとが表示される。
【0037】
(1−7)情報処理装置が備える機能の概要
次に、本実施形態のゲームを実現するためにゲームサーバ20が備える機能について説明する。
図10は、本実施形態のゲームサーバ20で主要な役割を果たす機能を説明するための機能ブロック図である。なお、
図10に示す機能ブロック図に含まれる手段のすべてが本発明に必須の要素とは限らない。例えば、本発明の一態様では、第1選択手段53、第2選択手段54、および、第1更新手段55を備えていればよい。
【0038】
受付手段51は、ユーザの指示に基づいて、ゲームにおける処理の要求を受け付ける機能を備える。本実施形態のゲームにおける処理の要求は、例えば、合成の処理の要求、および、ボックス抽選の処理の要求である。
合成の処理の要求は、所持カードの中から選択されたベースカードと参照カードとを組み合わせることにより、当該ベースカードのカードレベルを上昇させるための要求である。合成の処理の要求には、当該要求を行ったユーザのユーザIDが含まれる。
ボックス抽選の処理の要求は、ユーザに対応付けられたボックスに含まれる複数のカードの中から抽選により選択したカードを付与させると共に、ユーザに付与したカードと、当該カード以外の少なくとも1つのカード(つまり、ユーザに付与しなかったカード)とをボックスから削除させるための要求である。ボックス抽選の処理の要求には、当該要求を行ったユーザのユーザIDが含まれる。
受付手段51の機能は、以下のようにして実現される。ゲームサーバ20は、通信インタフェース部24を介して、ユーザ端末10から、表示画面内のボタンに対するユーザの指定に対応する要求を受信する。ゲームサーバ20のCPU21は、受信した要求をRAM23に展開し、RAM23に展開した要求の内容に応じた処理を実行する。
【0039】
第1選択手段53は、ボックスに含まれる複数のカードの中から、ユーザに付与してボックスから削除するカードを選択する機能を備える。
第1選択手段53の機能は、以下のようにして実現される。ゲームサーバ20のCPU21は、ユーザの指示に基づいて、ボックスデータテーブルから、受付手段51によってRAM23に展開されたボックス抽選の処理の要求に含まれるユーザIDに対応するボックスデータを読み出し、RAM23に展開する。次いで、CPU21は、ボックスデータに含まれる収容カードのカードIDの中から、少なくとも1つのカードIDを抽選により選択する。第1選択手段53によって選択されたカードIDによって、ユーザに付与してボックスから削除するカードが特定される。
【0040】
第2選択手段54は、ボックスに含まれる複数のカードの中から、ユーザに付与せずにボックスから削除するカードを選択する機能を備える。
第2選択手段54の機能は、以下のようにして実現される。ゲームサーバ20のCPU21は、第1選択手段53によってRAM23に展開されたボックスデータに含まれる収容カードのカードIDのうち、第1選択手段53によって選択されたカードIDを除くカードIDの中から、少なくとも1つのカードIDを抽選により選択する。第2選択手段54によって選択されたカードIDによって、ユーザに付与せずにボックスから削除するカードが特定される。
【0041】
第1更新手段55は、第1選択手段53によって選択されたカードIDに対応するカードをユーザに付与する第1機能と、当該カードと、第2選択手段54によって選択されたカードIDに対応するカードとをボックスから削除する第2機能とを備える。
第1更新手段55の第1機能は、以下のようにして実現される。ゲームサーバ20のCPU21は、所持カードデータテーブルから、受付手段51によってRAM23に展開されたボックス抽選の処理の要求に含まれるユーザIDに対応する所持カードデータに、第1選択手段53によって選択されたカードIDと、当該カードIDに対応するカードレベル(例えば、初期値1)と、当該カードIDに対応するスキルレベル(例えば、初期値1)と、新たなシリアル番号とを対応付けて記録することで、所持カードデータテーブルを更新する。
第1更新手段55の第2機能は、以下のようにして実現される。CPU21は、第2選択手段54によって選択されたカードIDの中から、ユーザの指示に基づいて、ボックスから削除するカードのカードIDを特定する。次いで、CPU21は、第1選択手段53によってRAM23に展開されたボックスデータのボックスIDとユーザIDとの対応付けを解除することで、ボックスデータテーブルを更新する。
【0042】
第1出力手段56は、第1更新手段55による処理の実行結果(つまり、ユーザに付与されたカードの情報、および、ボックスから削除されたカードの情報)をユーザに提示する機能を備える。
第1出力手段56の機能は、以下のようにして実現される。
ゲームサーバ20のCPU21は、第1更新手段55による処理の実行結果を提示する画面の基となる表示情報(例えば、HTML)を生成する。次いで、ゲームサーバ20は、通信インタフェース部24を介して、当該表示情報をユーザ端末10に送信する。
ユーザ端末10のCPU11は、ゲームサーバ20から送信された表示情報に基づく画面を表示部16に表示することで、当該実行結果をユーザに提示する。
【0043】
ゲーム処理手段52は、受付手段51によってRAM23に展開されたユーザの要求に応じて、様々なゲームの処理を実行する機能を備える。本実施形態のゲームの処理は、適宜設けられてよいが、例えば、合成の処理などである。
【0044】
合成の処理を実行するゲーム処理手段52の機能は、以下のようにして実現される。
ゲームサーバ20のCPU21は、所持カードデータテーブルから、受付手段51によってRAM23に展開された合成の処理の要求に含まれるユーザIDに対応する所持カードデータを読み出し、RAM23に展開する。次いで、CPU21は、当該所持カードデータに含まれるシリアル番号の中から、ユーザの指示に基づいて、ベースカードして選択するカードのシリアル番号と、参照カードとして選択するカードのシリアル番号とを特定する。次いで、CPU21は、参照カードのカードデータに基づいて、ベースカードのカードレベルの上昇後の値を決定する。次いで、CPU21は、合成の処理の実行結果を提示する画面の基となる表示情報(例えば、HTML)を生成し、ユーザ端末10に送信する。
ユーザ端末10のCPU11は、ゲームサーバ20から送信された表示情報に基づく画面を表示部16に表示することで、合成の処理の実行結果をユーザに提示する。
【0045】
(1−8)本実施形態のゲームの処理フロー
次に、本実施形態のゲームの処理フローの一例について、
図11Aおよび
図11Bを参照して説明する。
図11Aおよび
図11Bは、本実施形態のボックス抽選の処理を示すシーケンスチャートである。なお、
図11Aおよび
図11Bでは、
図9に示した各画面が表示されるステップに各画面の符号を付してある。
【0046】
図11Aにおいて、ユーザ端末10に表示された画面上で所定のボタン(例えば、
図9の画面P1のボタンb3(「ボックス抽選」))をユーザが指定すると、ユーザ端末10のCPU11は、ボックス抽選の処理の要求を受け付け(S10)、当該要求をゲームサーバ20へ送信する(S11)。
【0047】
ゲームサーバ20のCPU21は、S11で送信された要求を受け付けると、ストレージ25から、カードデータと、所持カードデータと、ボックスデータとを読み出す(S12)。
具体的には、CPU21は、カードデータテーブルから、全てのカードデータを読み出し、所持カードデータテーブルから、当該要求に含まれるユーザIDに対応する所持カードデータ(つまり、ボックス抽選の処理の要求を行ったユーザの所持カードのデータ)を読み出し、ボックスデータテーブルから、当該ユーザIDに対応するボックスデータ(つまり、ボックス抽選の処理の要求を行ったユーザのボックスの情報)を読み出す。
【0048】
次いで、ゲームサーバ20のCPU21は、S12で読み出されたボックスデータに基づいて、付与候補カードの情報をユーザに提示する画面の基となる表示情報(例えば、HTML)を生成する(S13)。ここで、
図9の画面P2に示すように、CPU21は、レアリティ毎に付与候補カードを区別可能な態様で画面が表示されるように、表示情報を生成する。
【0049】
次いで、ゲームサーバ20のCPU21は、当該表示情報をユーザ端末10へ送信する(S14)。
【0050】
ユーザ端末10のCPU11は、S14で送信された表示情報を受け付けると、当該表示情報に基づいて、付与候補カードの情報をユーザに提示する画面(
図9の画面P2)を生成し、当該画面に含まれる指定対象(
図9のボタンb4(「付与抽選」))に対するユーザの指定に基づいて、付与抽選の指示を受け付け(S15)、当該指示をゲームサーバ20へ送信する(S16)。
【0051】
ゲームサーバ20のCPU21は、S16で送信された指示を受け付けると、当該指示に基づいて、S12で読み出したボックスデータに含まれる収容カードのカードIDの中から、少なくとも1つのカードIDを抽選により選択する(S17)。当該カードIDによって、ユーザに付与してボックスから削除するカードが特定される。
【0052】
次いで、ゲームサーバ20のCPU21は、S12で読み出した所持カードデータに、S17で選択したカードIDと、当該カードIDに対応するカードパラメータ(例えば、カードレベルおよびスキルレベル)と、新たなシリアル番号とを対応付けて記録することで、所持カードデータテーブルを更新し(S18)、S17で選択したカードIDに対応するカードがユーザに付与されたことを提示する画面の基となる表示情報(例えば、HTML)を生成し(S19)、当該表示情報をユーザ端末10へ送信する(S20)。
【0053】
ユーザ端末10のCPU11は、S20で送信された表示情報を受け付けると、当該表示情報に基づいて、付与候補カードの中から選択されたカードがユーザに付与されたことを提示する画面(
図9の画面P3)を生成し、当該画面に含まれる指定対象(
図9のボタンb6(「削除抽選」))に対するユーザの指定に基づいて、削除抽選の指示を受け付け(S21)、当該指示をゲームサーバ20へ送信する(S22)。
【0054】
ゲームサーバ20のCPU21は、S22で送信された指示を受け付けると、当該指示に基づいて、S12で読み出したボックスデータに含まれる収容カードのカードIDの中から、少なくとも1つのカードIDを選択する(S23)。当該カードIDによって、削除候補カードが特定される。
【0055】
次いで、ゲームサーバ20のCPU21は、S23で選択したカードIDに対応する削除候補カードの情報をユーザに提示する画面の基となる表示情報(例えば、HTML)を生成し(S24)、当該表示情報をユーザ端末10へ送信する(S25)。
【0056】
ユーザ端末10のCPU11は、S25で送信された表示情報を受け付けると、当該表示情報に基づいて、削除候補カードの中からボックスから削除するカードの指定を受け付ける画面(
図9の画面P4)を生成し、当該画面に含まれるチェックボックスおよびボタンb7(「選択削除」)またはボタンb8(「全削除」)に対するユーザの指定に基づいて、ボックスから削除するカードの指定を受け付け(S26)、指定されたカードのカードIDをゲームサーバ20へ送信する(S27)。当該カードIDによって、ボックスから削除するカードが特定される。
【0057】
ゲームサーバ20のCPU21は、S27で送信されたカードIDを受け付けると、S17で選択したカードIDおよびS27で送信されたカードIDと、S12で読み出したボックスデータのボックスIDとの対応付けを解除することで、ボックスデータテーブルを更新する(S28)。
【0058】
次いで、ゲームサーバ20のCPU21は、S28でボックスIDとの対応付けが解除されたカード(つまり、ボックスから削除されたカード)の情報をユーザに提示する画面の基となる表示情報(例えば、HTML)を生成し(S29)、当該表示情報をユーザ端末10へ送信する(S30)。
【0059】
ユーザ端末10のCPU11は、S30で送信された表示情報を受け付けると、当該表示情報に基づいて、ボックスから削除されたカードの情報をユーザに提示する画面(
図9の画面P5)を生成し、表示部16に表示する(S31)。
【0060】
以上説明したように、本実施形態のボックス抽選の処理を実行することで、ユーザに付与するカードに加えて、ユーザに付与しないカードもボックスから削除される。従って、1回のボックス抽選の処理でレアリティの高いカードが付与されなかったとしても、次回のボックス抽選の処理で当該カードが付与される確率が大きく上昇する。
【0061】
例えば、次の条件下で、n(nは1以上の整数)回目のボックス抽選の処理でレアリティがR5のカードが付与される確率p(n)を考える。
・n回目のボックス抽選の処理を実行する前の時点の収容残数:100
・n回目のボックス抽選の処理を実行する前の時点のレアリティがR5のカードの残数:3
・1回のボックス抽選の処理でユーザに付与されるカードの数:1
・1回のボックス抽選の処理でユーザに付与されずにボックスから削除されるカードの数:10
この場合、n回目のボックス抽選の処理でレアリティがR5のカードが付与される確率は、p(n)=3/100である。
ここで、従来のように、ユーザに付与するカードのみがボックスから削除される場合、n+1回目のボックス抽選の処理でレアリティがR5のカードが付与される確率は、p(n+1)=3/99である。
一方、本実施形態のように、ユーザに付与するカードに加えて、ユーザに付与しないカードもボックスから削除される場合、n+1回目のボックス抽選の処理でレアリティがR5のカードが付与される確率は、p(n+1)=3/89である。
【0062】
上記のように、本実施形態によれば、1回のボックス抽選の処理で特定のカードが付与されなかったとしても、次回のボックス抽選の処理で当該カードが付与される確率が大きく上昇する。従って、ユーザには、次回のボックス抽選の処理で特定のカードが付与されるかもしれないという期待感が与えられる。これにより、ユーザに、ボックス抽選機能を利用することの動機づけを与えることができる。特に、ボックス抽選機能を利用した経験があるユーザには、ボックス抽選機能を繰り返し利用することの動機づけを与えることができる。
【0063】
また、本実施形態では、S31において、ボックスから削除したカードの情報を提示するので、どのカードがボックスから削除されたか(つまり、特定のカードがボックスに残っているか否か)をユーザに意識付けることができる。
【0064】
また、本実施形態では、S21において、ユーザに付与したカードの情報をユーザに提示した後に、S31において、ボックスから削除したカードの情報をユーザに提示するので、どのカードが付与されたかよりも、どのカードがボックスから削除されたか(つまり、特定のカードがボックスに残っているか否か)をユーザにより強く意識付けることができる。
【0065】
また、本実施形態では、S26において、ボックスから削除するカードの指定をユーザから受け付けるので、どのカードをボックスから削除することがゲームの進行上有利に働くかというゲーム上の戦略をユーザに考えさせることができる。これにより、ボックス抽選機能の趣向性を高めることができる。
【0066】
(1−9)本実施形態の変形例
以下、本実施形態の変形例について説明する。なお、以下の変形例は、互いに組み合わせ可能である。
【0067】
(1−9−1)第1の変形例
S23において削除候補カードとして選択するカードは、カードデータに基づいて選択されてもよい。
一例として、S23において、ゲームサーバ20のCPU21は、ボックスデータに含まれるカードIDに対応するカードデータのレアリティを参照し、所定以下(例えば、R1)のレアリティに対応する少なくとも1つのカードIDを選択してもよい。この例によれば、レアリティが低いカードがボックスから削除されるので、レアリティが高いカードが付与される確率を高めることができる。
また、別の例として、S23において、ゲームサーバ20のCPU21は、所持カードデータに含まれるカードIDを参照し、当該カードIDと同一のカードIDを少なくとも1つ選択してもよい。この例によれば、ユーザが既に所持しているカードがボックスから削除されるので、ユーザが所持していないカードが付与される確率を高めることができる。この例は、所持カードの種類が多いほどゲームの進行に有利な効果(例えば、アイテム)が与えられるゲームにおいて、特に有効である。
また、別の例として、S23において、ゲームサーバ20のCPU21は、所持カードデータに含まれるカードIDを参照し、当該カードIDと異なるカードIDを少なくとも1つ選択してもよい。この例によれば、ユーザが既に所持しているカードと異なるカードがボックスから削除されるので、ユーザが所持しているカードと同一のカードが付与される確率を高めることができる。この例は、同一のカード同士を合成することでゲームの進行に有利な効果(例えば、合成されたカードよりレアリティの高いカード)を得ることができるゲームにおいて、特に有効である。
【0068】
(1−9−2)第2の変形例
S23において削除候補カードとして選択するカードの数は、ボックスに含まれるカードの数に基づいて決定されてもよい。
一例として、S23において、ゲームサーバ20のCPU21は、ボックスデータに含まれる収容残数の値を参照する。次いで、CPU21は、当該値が所定値(例えば、収容総数の半分)以上である場合、2枚のカードを削除候補カードとして選択する。一方、CPU21は、当該値が所定値未満である場合、1枚のカード(つまり、当該値が所定値以上である場合より少ないカード)を削除候補カードとして選択する。換言すると、ボックスの収容残数が多い(つまり、特定のカードが付与される確率が低い)ほど、多くのその他のカードをボックスから削除する。
この例によれば、ボックスの収容残数が多い(つまり、ボックス抽選の処理の実行回数が少ない)ほど、特定のカードが付与される確率の上昇幅が大きくなる。これにより、ユーザに、ボックス抽選機能の利用回数が少ないユーザにボックス抽選機能を繰り返し利用することの動機づけを与えることができる。特に、ソーシャルゲームには、ゲームが備える機能の利用回数が少ないユーザほどゲームのプレイの継続を断念し易い傾向があるので、ボックス抽選機能の利用回数が少ないユーザにボックス抽選機能を繰り返し利用させることは、当該ユーザにゲームのプレイを継続させる上で極めて有効である。
【0069】
(1−9−3)第3の変形例
ボックスデータテーブルには、ボックスIDおよびユーザIDの対ごとに、カードパラメータごとの収容総数および収容残数が対応付けられて記録されてもよい。
一例として、
図12に本変形例のボックスデータテーブルの構成例を示す。
図12に示すボックスデータテーブルには、ボックスIDおよびユーザIDの対ごとに、収容カードのレアリティR1〜R5ごとの収容総数および収容総数のデータが対応付けられて記録されている。
収容総数は、ボックスに含まれる各レアリティのカードの最大数を示す固定値である。また、収容総数は、全てのレアリティについて共通の値でもよいし、レアリティごとに異なる値でもよい。
収容残数は、ボックスに含まれる各レアリティのカードの残数を示す変動値である。収容残数の値は、ボックスからカードが削除される度に、削除されるカードの数の分だけ減少する。全てのレアリティの収容残数の値がゼロになると、ボックスIDとユーザIDとの対応付けが解除される。
図13は、本変形例のボックス抽選の処理の表示画面の変化を示している。
図13において、画面P2−1は、表示領域101−1に、ボックスに含まれるカードの情報に代えて、レアリティR1〜R5ごとの収容残数の値が表示される点において、第1の実施形態の表示画面(
図8の画面P2)とは異なる。
この例では、ユーザは、ボックスに含まれているカードの残数、および、カードが付与される確率をレアリティごとに把握することができる。そのため、ユーザは、ボックス抽選機能を繰り返し利用することで、レアリティの高いカードが付与される確率が上昇していることを実感できるようになる。これにより、ユーザに、ボックス抽選機能を繰り返し利用することの動機づけを与えることができる。
【0070】
(1−9−4)第4の変形例
ボックスデータテーブルは、第1の実施形態(
図8)と、第3の変形例(
図12)との組み合わせであってもよい。このボックスデータテーブルによれば、カードIDによって特定されるカードと、レアリティごとの収容残数によって特定されるカードとがボックスに含まれる。
一例として、ボックスデータテーブルには、レアリティが高いカード(レアリティ:R5)に関しては、
図8のように、ボックスIDおよびユーザIDの対ごとに、カードIDが対応付けて記録され、レアリティが低いカード(レアリティ:R1〜R4)に関しては、
図12のように、ボックスIDおよびユーザIDの対ごとの収容総数および収容残数が対応付けて記録される。
【0071】
(2)第2の実施形態
第1の実施形態では、ユーザに付与するカードの情報を提示する例を説明したが、第2の実施形態では、当該情報を提示する前に、ユーザに付与される可能性のあるカードの情報を提示する例について説明する。
なお、本実施形態のハードウエア構成は、第1の実施形態と同じ構成でよい。また、本実施形態のゲームは、第1の実施形態のゲームと同じでよい。
【0072】
(2−1)本実施形態のゲームのボックス抽選の処理
本実施形態のボックス抽選の処理について、
図14を参照して具体的に説明する。
図14は、本実施形態のボックス抽選の処理を概念的に説明するための図である。
図14の例は、ボックスB1に含まれる複数のカードの中から複数の付与候補カードが選択され、当該付与候補カードの情報がユーザU1に提示され、当該付与候補カードの中からユーザU1に付与するカードが選択され、選択されたカードがユーザU1に付与され、付与候補カードがボックスB1から削除される点において、第1の実施形態のボックス抽選の処理(
図4)とは異なる。
はじめに、ボックスB1に含まれるカードの中から、付与候補カードとして、カードB〜カードDが抽選により選択される。次いで、付与候補カードの情報がユーザU1に提示される。次いで、付与候補カードの中から、ユーザU1に付与するカード(例えば、カードB)が抽選により選択される。選択されたカードBは、所持カードO1として、ユーザU1に付与される。次いで、付与候補カードが、ユーザU1に対応付けられたボックスB1から削除される。
換言すると、本実施形態のボックス抽選の処理では、付与候補カード(カードB〜カードD)が選択されてからユーザU1に付与するカードが確定するまでの間に、付与候補カードの情報がユーザU1に提示される。つまり、ボックス抽選の処理で付与される可能性のあるカードの情報が、ユーザU1に付与されるカードが確定する前にユーザU1に提示される。従って、ユーザU1は、1回のボックス抽選の処理で2回の抽選(付与候補カードの抽選およびユーザに付与するカードの抽選)を体験することになる。これにより、ボックス抽選機能の趣向性を高めることができる。
また、本実施形態のボックス抽選の処理では、第1の実施形態と同様に、ユーザU1に付与するカードBに加えて、ユーザU1に付与しないカードCおよびカードDもボックスB1から削除する。これにより、次回のボックス抽選の処理で特定のカードが付与される確率が大きく上昇する。従って、ユーザU1には、1回のボックス抽選の処理で特定のカードが付与されなかったとしても、次回のボックス抽選の処理で当該カードが付与されるかもしれないという期待感が与えられる。
これにより、ボックス抽選機能を繰り返し利用することの動機づけをユーザに与えることができる。
【0073】
(2−2)ボックス抽選の処理の具体例(
図15)
以下、本実施形態のゲームの処理の具体例について、
図15を参照しながら説明する。
図15は、本実施形態のゲームの処理を実行しているときにユーザ端末10に表示される画面の一例を示す図である。
図15は、ボックス抽選の処理の一連の表示画面の変化を示している。
図15において、画面P2−2は、
図9のボタンb4(「付与抽選」)の代わりに、ボタンb4−2(「候補抽選」)が設けられる点において、第1の実施形態(
図9の画面P2)とは異なる。
ボタンb4−2は、ユーザに付与してボックスから削除するカードと、ユーザに付与せずにボックスから削除するカードとの両方を含む複数の候補カードを選択させる指示を行うときに指定されるボタンである。
【0074】
画面P2−2において、ボタンb4−2(「候補抽選」)が指定されると、P6に示すように画面が変化する。画面P6は、候補抽選によって候補カードとして選択されたカードの情報を提示する画面である。
画面P6には、表示領域107と、ボタンb9(「付与抽選」)とが設けられる。
表示領域107には、候補カードとして選択されたカードの情報(カード名およびレアリティ)と、付与候補カードが決まったことを示すメッセージとが表示される。
ボタンb9は、複数の付与候補カードの中からユーザに付与するカードを選択させる指示を行うときに指定されるボタンである。
【0075】
画面P6において、ボタンb9(「付与抽選」)が指定されると、P3−2に示すように画面が変化する。画面P3−2は、付与候補カードの少なくとも1つがユーザに付与されたことを提示する画面である。
画面P3−2は、ボタンb6(「削除抽選」)が、ユーザに付与せずにボックスから削除するカードを選択させる指示ではなく、当該カードを選択することなくボックス抽選の処理を進行させる指示を行うときに指定されるボタンである点において、第1の実施形態(
図9の画面P3)とは異なる。
【0076】
画面P3−2において、ボタンb6(「削除抽選」)が指定されると、第1の実施形態と同様に、
図9のP5に示すように画面が変化する。
【0077】
(2−3)情報処理装置が備える機能の概要
次に、本実施形態のゲームを実現するためにゲームサーバ20が備える機能について説明する。
図16は、本実施形態のゲームサーバ20で主要な役割を果たす機能を説明するための機能ブロック図である。
図16において、受付手段51およびゲーム処理手段52は、第1の実施形態(
図10)と同様である。なお、
図16に示す機能ブロック図に含まれる手段のすべてが本発明に必須の要素とは限らない。例えば、本発明の一態様では、第3選択手段57、第4選択手段58、第2更新手段59、および、第2出力手段60を備えていればよい。
【0078】
第3選択手段57は、ボックスに含まれる複数のカードの中から複数の付与候補カードを選択する機能を備える。
第3選択手段57の機能は、以下のようにして実現される。ゲームサーバ20のCPU21は、ユーザの指示に基づいて、ボックスデータテーブルから、受付手段51によってRAM23に展開されたボックス抽選の処理の要求に含まれるユーザIDに対応するボックスデータを読み出し、RAM23に展開する。次いで、CPU21は、ボックスデータに含まれる収容カードのカードIDの中から、複数のカードIDを抽選により選択する。第3選択手段57によって選択されたカードIDによって、付与候補カードが特定される。
【0079】
第4選択手段58は、複数の付与候補カードの中から、ユーザに付与するカードを選択する機能を備える。
第4選択手段58の機能は、以下のようにして実現される。ゲームサーバ20のCPU21は、第3選択手段57によって選択された複数のカードIDの中から、少なくとも1つのカードIDを抽選により選択する。第4選択手段58によって選択されたカードIDによって、ユーザに付与してボックスから削除するカードが特定される。
【0080】
第2更新手段59は、第4選択手段58によって選択されたカードIDに対応するカードをユーザに付与する第1機能と、第3選択手段57によって選択されたカードIDに対応するカード(付与候補カード)をボックスから削除する第2機能とを備える。
第2更新手段59の第1機能は、以下のようにして実現される。ゲームサーバ20のCPU21は、所持カードデータテーブルから、受付手段51によってRAM23に展開されたボックス抽選の処理の要求に含まれるユーザIDに対応する所持カードデータに、第4選択手段58によって選択されたカードIDと、当該カードIDに対応するカードレベル(例えば、初期値1)と、当該カードIDに対応するスキルレベル(例えば、初期値1)と、新たなシリアル番号とを対応付けて記録することで、所持カードデータテーブルを更新する。
第2更新手段59の第2機能は、以下のようにして実現される。CPU21は、第3選択手段57によってRAM23に展開されたボックスデータのボックスIDとユーザIDとの対応付けを解除することで、ボックスデータテーブルを更新する。
【0081】
第2出力手段60は、ユーザに付与するカードが確定する前に付与候補カードの情報をユーザに提示する第1機能と、ユーザに付与されたカードの情報をユーザに提示する第2機能と、付与候補カードがボックスから削除されたことをユーザに提示する第3機能とを備える。
第2出力手段60の第1機能は、以下のようにして実現される。ゲームサーバ20のCPU21は、カードデータテーブルから、第3選択手段57によって選択された複数のカードIDに対応するカードデータを読み出し、RAM23に展開する。次いで、CPU21は、当該カードデータに基づいて、付与候補カードの情報を提示する画面の基となる表示情報(例えば、HTML)を生成する。次いで、ゲームサーバ20は、通信インタフェース部24を介して、当該表示情報をユーザ端末10に送信する。ユーザ端末10のCPU11は、ゲームサーバ20から送信された表示情報に基づく画面を表示部16に表示することで、付与候補カードの情報をユーザに提示する。
第2出力手段60の第2機能および第3機能は、それぞれ、以下のようにして実現される。CPU21は、それぞれ、第2更新手段59の第1機能および第2機能による処理の実行結果を提示する画面の基となる表示情報(例えば、HTML)を生成する。次いで、ゲームサーバ20は、通信インタフェース部24を介して、当該表示情報をユーザ端末10に送信する。CPU11は、ゲームサーバ20から送信された表示情報に基づく画面を表示部16に表示することで、当該実行結果をユーザに提示する。
【0082】
(2−4)本実施形態のゲームの処理フロー
次に、本実施形態のゲームの処理フローの一例について、
図17Aおよび
図17Bを参照して説明する。
図17Aおよび
図17Bは、本実施形態のボックス抽選の処理を示すシーケンスチャートである。なお、
図17Aおよび
図17Bでは、
図15に示した各画面が表示されるステップに各画面の符号を付してある。また、
図17Aおよび
図17Bにおいて、第1の実施形態と共通する処理のステップには、
図11Aおよび
図11Bと同一の符号を付してある。
【0083】
第1の実施形態(
図11A)と同様に、S11〜S14が終了した後、ユーザ端末10のCPU11は、S14で送信された表示情報を受け付けると、当該表示情報に基づいて、付与候補カードの情報をユーザに提示する画面(
図15の画面P2−2)を生成し、当該画面に含まれる指定対象(
図15のボタンb4−2(「候補抽選」))に対するユーザの指定に基づいて、候補抽選の指示を受け付け(S40)、当該指示をゲームサーバ20へ送信する(S41)。
【0084】
ゲームサーバ20のCPU21は、S41で送信された指示を受け付けると、当該指示に基づいて、S12で読み出したボックスデータに含まれる収容カードのカードIDの中から、複数のカードIDを抽選により選択する(S42)。当該カードIDは、付与候補カードのカードIDである。
【0085】
次いで、ゲームサーバ20のCPU21は、S42で選択したカードIDに対応するカード(付与候補カード)の情報を提示する画面の基となる表示情報(例えば、HTML)を生成し(S43)、当該表示情報をユーザ端末10へ送信する(S44)。
【0086】
次いで、ユーザ端末10のCPU11は、S44で送信された表示情報を受け付けると、当該表示情報に基づいて、付与候補カードの情報を提示する画面(
図15の画面P6)を生成し、当該画面に含まれる指定対象(
図15のボタンb9(「付与抽選」))に対するユーザの指定に基づいて、付与抽選の指示を受け付け(S45)、当該指示をゲームサーバ20へ送信する(S46)。
【0087】
ゲームサーバ20のCPU21は、S46で送信された指示を受け付けると、当該指示に基づいて、S42で選択した複数のカードIDの中から、少なくとも1つのカードIDを抽選により選択し(S47)、第1の実施形態と同様に、所持カードデータテーブルを更新し(S18)、表示情報(例えば、HTML)を生成し(S19)、当該表示情報をユーザ端末10へ送信する(S20)。
【0088】
ユーザ端末10のCPU11は、S20で送信された表示情報を受け付けると、当該表示情報に基づいて、付与候補カードの少なくとも1つがユーザに付与されたことを提示する画面(
図15の画面P3−2)を生成し、当該画面に含まれる指定対象(
図15のボタンb6−2(「次へ」))に対するユーザの指定に基づいて、削除抽選の指示を受け付け(S48)、当該指示をゲームサーバ20へ送信する(S49)。
【0089】
ゲームサーバ20のCPU21は、S49で送信された指示を受け付けると、S42で選択したカードIDと、S12で読み出したボックスデータのボックスIDとの対応付けを解除することで、ボックスデータテーブルを更新し(S50)、第1の実施形態と同様に、ボックスから削除されたカードの情報をユーザに提示する画面の基となる表示情報(例えば、HTML)を生成し(S29)、当該表示情報をユーザ端末10へ送信する(S30)。
【0090】
ユーザ端末10のCPU11は、S30で送信された表示情報を受け付けると、第1実施形態と同様に、ボックスから削除されたカードの情報をユーザに提示する画面(
図9の画面P5)を生成し、表示部16に表示する(S31)。
【0091】
以上説明したように、本実施形態のボックス抽選の処理を実行することで、ボックス抽選の処理で付与される可能性のあるカードの情報が、ユーザに付与されるカードが確定する前にユーザに提示する。従って、ユーザは、1回のボックス抽選の処理で2回の抽選(付与候補カードの抽選およびユーザに付与するカードの抽選)を体験することになる。これにより、ボックス抽選機能の趣向性を高めることができる。
【0092】
また、本実施形態のボックス抽選の処理を実行することで、第1の実施形態と同様に、ユーザに付与するカードに加えて、ユーザに付与しないカードもボックスから削除される。従って、1回のボックス抽選の処理で特定(例えば、レアリティがR5)のカードが付与されなかったとしても、次回のボックス抽選の処理で当該カードが付与される確率が大きく上昇する。
【0093】
(3)第3の実施形態
上述した実施形態では、ユーザ端末10とゲームサーバ20との間でHTTPに従った通信が行われ、ユーザ端末10がゲームサーバ20から取得するHTML文書を解釈することでゲーム画像を表示する、いわゆるブラウザ形式によってゲームが実現される場合について説明したが、本発明はこれに限られない。本実施形態のゲームは、ユーザ端末10がダウンロードしたゲームプログラムを実行することでユーザ端末10が主体的にゲームの処理を実行し、ユーザ端末10とゲームサーバ20の間の送受信処理を抑制した、いわゆるネイティブアプリケーション形式によって実現してもよい。ネイティブアプリケーション形式では、ウェブブラウザを利用せずに、ユーザ端末10のCPU11が画像データを生成することで、表示部16に画面を表示する。
本実施形態では、上述した実施形態のゲームをネイティブアプリケーション形式によって実現する場合の一例について説明する。なお、本実施形態のハードウエア構成は、第1の実施形態と同じ構成でよい。本実施形態のネイティブアプリケーションの形式では、処理のほとんどをユーザ端末10側で行うことを想定しているが、以下で説明しないゲームの処理の一部(例えば、合成の処理等)については、ゲームサーバ20側で処理を実行し、ゲームサーバ20による処理結果をユーザ端末10へ送信してもよい。
【0094】
本実施形態では、ユーザ端末10がユーザの指示に基づいて、ゲーム運営者のサーバからゲームプログラムを受信し、受信したゲームプログラムがストレージ18に記憶される。ユーザ端末10によってゲームプログラムが起動されると、ユーザ端末10とゲームサーバ20との間で通信が確立され、ゲームにログインするためのログイン処理が行われ、ゲームサーバ20からユーザ端末10へデータテーブル群(カードデータテーブル、ユーザデータテーブル、所持カードデータテーブル、および、ボックスデータテーブル)が送信される。当該データテーブル群は、ユーザ端末10のストレージ18に記憶される。ストレージ18に記憶されたデータテーブル群は、ログイン処理の度に更新される。
所持カードデータテーブルおよびボックスデータテーブルがユーザ端末10において改竄されることを防止するため、ユーザ端末10による所定の処理が終了する度、あるいは、ゲームからログアウトするためのログアウト処理が行われる時点で、ストレージ18に記憶された所持カードデータテーブルおよびボックスデータテーブルがゲームサーバ20へ送信される。ゲームサーバ20では、ユーザ端末10から受信した所持カードデータテーブルおよびボックスデータテーブルと、ストレージ25に記憶された所持カードデータテーブルおよびボックスデータテーブルとをそれぞれ比較し、データの改竄が行われていないことを確認した後に、ユーザ端末10から受信した所持カードデータテーブルおよびボックスデータテーブルに基づいて、ストレージ25に記憶された所持カードデータテーブルおよびボックスデータテーブルをそれぞれ更新する。
【0095】
上述した実施形態では、ユーザ端末10に対する指定入力は、ユーザ端末に対する所定のボタンの押下操作の入力や、タッチパネル機能を備えたユーザ端末に対する表示画面上のタッチ操作の入力であるとしたが、指定入力はこれに限られない。指定入力は、加速度センサを備えたユーザ端末を振ることによる入力、あるいはジェスチャによる入力(ジェスチャ入力)であってもよい。ジェスチャ入力では、撮像機能を備えたユーザ端末に対する所定のジェスチャを行うことでユーザ端末がそのジェスチャを画像認識し、予めジェスチャに対応付けられた操作入力を認識する。また、音声認識プログラムを実行可能なユーザ端末の場合には、指定入力は、音声入力により行われてもよい。
【0096】
[発明のまとめ]
以上の記載から本発明は例えば以下のように把握される。
【0097】
本発明の一態様は、
オブジェクトをユーザに付与する情報処理装置であって、ユーザに対応付けられた母集団であり、かつ、複数のオブジェクトが対応付けられた母集団を特定する母集団情報が記憶された記憶装置(25)にアクセス可能な情報処理装置において、
前記記憶装置(25)に記憶された母集団情報により特定される母集団に対応付けられたオブジェクトの中から、前記ユーザに付与して前記母集団との対応付けを解除するオブジェクトを抽選により選択する第1選択手段(53)と、
前記母集団に対応付けられたオブジェクトの中から、前記ユーザに付与することなく前記母集団との対応付けを解除する所定数のオブジェクトを選択する第2選択手段(54)と、
前記第1選択手段(53)によって選択されたオブジェクトと前記母集団との対応付けと、前記第2選択手段(54)によって選択されたオブジェクトの少なくとも1つと前記母集団との対応付けとが解除されるように、前記母集団情報を更新する第1更新手段(55)と、
を備えた、情報処理装置である。
【0098】
「情報処理装置」は、スタンドアローンのゲーム機、あるいはユーザ端末(例えば、携帯端末やパーソナルコンピュータ等)やネットワーク上のサーバなどであってもよい。ゲームの実現形態によって適宜情報処理装置の実体を定義することができる。例えば、ユーザがゲーム機やユーザ端末を操作することで情報処理装置の各部の機能が実現される場合には、ゲーム機やユーザ端末が本発明の情報処理装置に相当する。あるいは、クライアントであるユーザ端末がユーザによる操作入力の受付や画像の表示の機能を有し、情報処理装置の各部の機能が実質的にユーザ端末と通信可能なサーバによって実現される場合には、サーバが本発明の情報処理装置に相当する。
「記憶装置」は、例えばフラッシュメモリやHDD(Hard Disk Drive)等、如何なる構成のメモリデバイスであってもよい。また、「記憶装置」は、情報処理装置に内蔵されたものであってもよいし、情報処理装置から有線または無線でアクセス可能に構成された外部の装置であってもよい。
「オブジェクト」は、仮想空間で行われるゲームで用いられるゲーム媒体(例えば、カード、アイテム等)であってもよいし、現実空間で行われるゲームで用いられるゲーム媒体(例えば、抽選の商品)であってもよい。
「母集団情報」は、ボックスに含まれるオブジェクトの情報(例えば、オブジェクトを特定する情報)によって母集団を特定してもよいし、ボックスに含まれるオブジェクトの数によって母集団を特定してもよいし、それらの組合せでもよい。
「第1選択手段」は、ランダムにオブジェクトを選択してもよいし、所定の順番でオブジェクトを選択してもよい。つまり、「抽選」は、どのオブジェクトが選択されるかユーザに分からない態様で複数のオブジェクトの中からユーザに付与するオブジェクトを選択する処理であれば、どのような処理でもよい。
「第2選択手段」は、所定のアルゴリズムに基づいて所定数のオブジェクトを選択してもよいし、ランダムに所定数のオブジェクトを選択してもよい。
【0099】
ユーザにゲームのプレイを継続させるためには、ゲームに対する期待感をユーザに与えることが重要である。そして、ゲームに対する期待感をユーザに与えるためには、ゲームの機能をユーザに繰り返し利用させることが有効である。しかし、1回のボックス抽選の処理で特定のカードが付与される確率が低い場合、ボックス抽選機能を利用して当該カードを入手することは困難であるという印象を与えてしまうので、ユーザは、ボックス抽選機能を利用しなくなり、ひいてはゲームのプレイの継続をユーザに断念することに繋がる。
上記情報処理装置では、ボックス抽選の処理において、ユーザに付与するカードに加えて、ユーザに付与しないカードもボックスから削除するので、1回のボックス抽選の処理で特定のカードが付与されなくても、次回のボックス抽選の処理で当該カードが付与される確率が大きく上昇する。従って、ユーザには、次回のボックス抽選の処理で特定のカードが付与されるかもしれないという期待感が与えられる。これにより、ボックス抽選機能を繰り返し利用することの動機づけをユーザに与えることができる。その結果、ユーザに、ゲーム自体も継続的にプレイさせることができる。
【0100】
また、上記情報処理装置は、前記第2選択手段によって選択されたオブジェクトを提示する画面の基となる表示情報を出力する出力手段をさらに備えてもよい。
【0101】
「表示情報」は、ユーザに提示する情報自体(例えば、画像データ、テキストデータ等)であってもよいし、当該情報をユーザに提示するための情報(例えば、HTML)であってもよい。
【0102】
上記の場合、ボックスから削除したカードの情報を提示するので、ユーザは、どのカードがボックスから削除されたか(つまり、どのカードがボックスに残っているか)を知ることができる。
【0103】
また、前記出力手段は、前記第1選択手段によって選択されたオブジェクトを提示する画面の基となる表示情報を出力した後に、前記第2選択手段によって選択されたオブジェクトを提示する画面の基となる表示情報を出力してもよい。
【0104】
上記の場合、ユーザに付与したカードの情報をユーザに提示した後に、ボックスから削除したカードの情報をユーザに提示するので、どのカードが付与されたかよりも、どのカードがボックスから削除されたか(つまり、どのカードがボックスに残っているか)へユーザの意識を向けることができる。
【0105】
また、前記出力手段によって出力された表示情報に基づく画面を介して、前記第2選択手段によって選択されたオブジェクトのうち、前記母集団との対応付けを解除するオブジェクトを特定するユーザの指示を受け付ける受付手段をさらに備え、
前記第1更新手段は、前記受付手段によって受け付けられた指示により特定されるオブジェクトと前記母集団との対応付けが解除されるように、前記母集団情報を更新してもよい。
【0106】
上記の場合、削除候補カードの中からボックスから削除するカードの指定を受け付けるので、ボックス抽選の処理に対して、どのカードをボックスから削除することがゲームの進行上有利に働くか(つまり、ゲーム上の戦略)をユーザに考えさせることができる。これにより、ゲームの趣向性を高めることができる。
【0107】
また、前記第2選択手段は、所定条件を満たす種別を有するオブジェクトの中から、前記所定数のオブジェクトを選択してもよい。
さらに、前記種別は、前記オブジェクトの希少価値であり、
前記所定条件を満たす種別は、所定値以下の希少価値であってもよい。
【0108】
「種別」は、オブジェクトの数値パラメータであってもよいし、非数値パラメータであってもよい。「非数値パラメータ」は、オブジェクトの希少価値であってもよいし、属性であってもよい。
【0109】
上記の場合、所定条件を満たす種別を有するカード(例えば、レアリティが低いカード)がボックスから削除されるので、所定条件を満たさない種別を有するカード(例えば、レアリティが高いカード)が付与される確率を高めることができる。
【0110】
また、前記第2選択手段は、前記母集団に対応付けられたオブジェクトの数に基づいて、前記所定数を決定してもよい。
【0111】
「母集団に対応付けられたオブジェクトの数」とは、ボックスに含まれるオブジェクトの残数であってもよいし、ボックスに含まれるオブジェクトのパラメータ(例えば、希少価値)ごとの残数であってもよい。
【0112】
この場合、ボックスに含まれるカードの残数が多い(つまり、ボックス抽選の処理の実行回数が少ない)ほど、1回のボックス抽選の処理で希少価値の高いカードが付与される確率の上昇幅を増大させることができる。これにより、ボックス抽選の処理の実行回数が少ないユーザにボックス抽選機能を利用させることの動機づけを与えることができる。特に、ソーシャルゲームでは、ゲームに設けられた機能の利用回数が少ないユーザほど、ゲームのプレイの継続を断念し易い傾向があるので、ボックス抽選の処理の実行回数が少ないユーザに当該機能を利用させることは、ゲーム自体を継続的にプレイさせる上で極めて有効である。
【0113】
本発明の別の態様は、
オブジェクトをユーザに付与する情報処理に用いられるコンピュータであって、ユーザに対応付けられた母集団であり、かつ、複数のオブジェクトが対応付けられた母集団を特定する母集団情報が記憶された記憶装置にアクセス可能なコンピュータに、
前記記憶装置に記憶された母集団情報により特定される母集団に対応付けられたオブジェクトの中から、前記ユーザに付与して前記母集団との対応付けを解除するオブジェクトを抽選により選択する第1選択機能と、
前記母集団に対応付けられたオブジェクトの中から、前記ユーザに付与することなく前記母集団との対応付けを解除する所定数のオブジェクトを選択する第2選択機能と、
前記第1選択機能によって選択されたオブジェクトと前記母集団との対応付けと、前記第2選択機能によって選択されたオブジェクトの少なくとも1つと前記母集団との対応付けとが解除されるように、前記母集団情報を更新する第1更新機能と、
を実現させる、プログラムである。
【0114】
本発明の別の態様は、
オブジェクトをユーザに付与する情報処理システムであって、ユーザ端末と、当該ユーザ端末からアクセスされるサーバと、当該ユーザ端末または当該サーバのいずれかからアクセスされる記憶装置とを備えた情報処理システムにおいて、
前記ユーザ端末または前記サーバのいずれかが、
前記記憶装置に記憶された母集団情報により特定される母集団に対応付けられたオブジェクトの中から、前記ユーザに付与して前記母集団との対応付けを解除するオブジェクトを抽選により選択する第1選択手段と、
前記母集団に対応付けられたオブジェクトの中から、前記ユーザに付与することなく前記母集団との対応付けを解除する所定数のオブジェクトを選択する第2選択手段と、
前記第1選択手段によって選択されたオブジェクトとの対応付けと、前記第2選択手段によって選択されたオブジェクトの少なくとも1つと前記母集団との対応付けとが解除されるように、前記母集団情報を更新する第1更新手段と、
の各手段を備えた、情報処理システムである。
【0115】
本発明の別の態様は、
オブジェクトをユーザに付与する情報処理装置であって、ユーザが所持する所持オブジェクトを特定する所持情報と、ユーザに対応付けられた母集団であり、かつ、複数のオブジェクトが対応付けられた母集団を特定する母集団情報とが記憶された記憶装置にアクセス可能な情報処理装置において、
前記記憶装置に記憶された母集団情報により特定される母集団に対応付けられたオブジェクトの中から、複数のオブジェクトを抽選により選択する第3選択手段と、
前記第3選択手段によって選択された複数のオブジェクトを提示する画面の基となる表示情報を出力する出力手段と、
前記複数のオブジェクトの中から、ユーザに付与するオブジェクトを抽選により選択する第4選択手段と、
前記第3選択手段によって選択された複数のオブジェクトと前記母集団との対応付けが解除されるように、前記母集団情報を更新し、かつ、前記第4選択手段によって選択されたオブジェクトがユーザに付与されるように、前記記憶装置に記憶された所持情報を更新する第2更新手段と、
を備えた、情報処理装置である。
【0116】
ユーザにゲームのプレイを継続させるためには、ゲームに対する期待感をユーザに与えることが重要である。そして、ゲームに対する期待感をユーザに与えるためには、ゲームの機能をユーザに繰り返し利用させることが有効である。しかし、ボックス抽選の処理においてユーザに付与するカードの情報を提示するだけでは、ボックス抽選機能を利用させるための動機として不十分であり、ひいては、ユーザがゲームのプレイの継続を断念してしまうことにも繋がる。
上記情報処理装置では、ボックス抽選の処理で付与される可能性のあるカード(付与候補カード)の情報を、ユーザに付与されるカードが確定する前にユーザに提示する。従って、ユーザは、1回のボックス抽選の処理において2回の抽選(付与候補カードの抽選およびユーザに付与するカードの抽選)を体験することになる。これにより、ボックス抽選機能の趣向性を高めることができる。
【0117】
なお、上記では、本発明の理解を容易にするため、適宜図面に記載された符号を括弧書きで記載しているが、これにより本発明に係る情報処理装置等が図示の態様に限定されるものではない。