特許第6628621号(P6628621)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6628621
(24)【登録日】2019年12月13日
(45)【発行日】2020年1月15日
(54)【発明の名称】電気機械外科システム
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/072 20060101AFI20200106BHJP
【FI】
   A61B17/072
【請求項の数】15
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2016-17057(P2016-17057)
(22)【出願日】2016年2月1日
(65)【公開番号】特開2016-150252(P2016-150252A)
(43)【公開日】2016年8月22日
【審査請求日】2018年11月26日
(31)【優先権主張番号】62/118,239
(32)【優先日】2015年2月19日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】14/886,297
(32)【優先日】2015年10月19日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512269650
【氏名又は名称】コヴィディエン リミテッド パートナーシップ
(74)【代理人】
【識別番号】100107489
【弁理士】
【氏名又は名称】大塩 竹志
(72)【発明者】
【氏名】アーネスト アラーニ
(72)【発明者】
【氏名】ケネス エイチ. ホイットフィールド
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド ファラシオニ
【審査官】 後藤 健志
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−176649(JP,A)
【文献】 特開2007−216012(JP,A)
【文献】 特開2015−205170(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/137662(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0305992(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/068−17/072
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハンドルハウジング内に支持されている少なくとも1つの回転可能ドライブコネクタを含むハンドヘルド電気機械外科デバイスと、
該外科デバイスに選択的に接続可能なアダプタアセンブリであって、該アダプタアセンブリは、該少なくとも1つの回転可能ドライブコネクタを受け取るように構成されている少なくとも1つの回転可能ドライブスリーブを含み、単一の回転可能ドライブシャフトが、該少なくとも1つの回転可能ドライブスリーブに回転可能に接続され、かつ該アダプタアセンブリの遠位端部へ長手方向に延在しており、ギアが、該回転可能ドライブシャフトの遠位端部周りに配され、かつ該回転可能ドライブシャフトとともに回転するように構成されている、アダプタアセンブリと、
アンビルジョーとカートリッジジョーとを備える外科ローディングユニットであって、該アンビルジョーおよび該カートリッジジョーは、相互に作用可能に接合され、その結果、該アンビルジョーおよび該カートリッジジョーは、相互に対して開位置と閉位置との間で移動可能であり、該カートリッジジョーは、
受け取りチャネルを画定する据え付け部分と、
該据え付け部分の該受け取りチャネル内に配されている動力ネジと、
該動力ネジの近位部分に据え付けられ、かつ該アダプタアセンブリの該ギアと作用可能に係合可能であるギア部材と、
該外科ローディングユニットを該アダプタアセンブリに係止するために該据え付け部分に配されている係止機構であって、該係止機構は、カートリッジと作用可能に関連付けられ、その結果、該カートリッジを該カートリッジジョーから抜き取ることが、該係止機構を非係止位置へ移動させ、該カートリッジを該カートリッジジョー内へ装填することが、該係止機構を係止位置へ移動させる、係止機構と
を含む、外科ローディングユニットと
を備える電気機械外科システム。
【請求項2】
前記係止機構は、バネによって前記非係止位置に付勢される、請求項1に記載の電気機械外科システム。
【請求項3】
前記係止機構は、(i)前記カートリッジが前記カートリッジジョー内へ装填されるとき、または、(ii)該カートリッジが該カートリッジジョーから抜き取られるとき、前記据え付け部分の近位部分内で軸方向に移動可能であるフレームを含む、請求項1に記載の電気機械外科システム。
【請求項4】
前記フレームは、そこから近位に長手方向に延在しかつ前記据え付け部分の近位端部における開口部を通して延在するように寸法取りされているロッドを含み、該ロッドは、前記係止位置にあるとき、該据え付け部分の該近位端部における該開口部を通って近位に延在し、該ロッドは、前記非係止位置にあるとき、該据え付け部分の該近位端部における該開口部内にまたは該開口部に対して遠位に置かれる、請求項3に記載の電気機械外科システム。
【請求項5】
前記ロッドは、前記係止位置にあるとき、該アダプタアセンブリの前記遠位端部における凹部内へ延在する、請求項4に記載の電気機械外科システム。
【請求項6】
前記アンビルジョーおよび前記カートリッジジョーは、該アンビルジョーおよび該カートリッジジョーのそれぞれの側壁における対向開口部を軸方向に通って延在する1対のピンによってピン留めされ、前記フレームは、1対の横断スロットを含み、該1対の横断スロットは、該フレームの長手方向軸に平行に延在し、かつ該カートリッジジョーの該側壁における該対向開口部と整列され、その結果、該ピンが、該対向開口部を通して該スロット内へ延在し、該スロットは、該側壁における該開口部よりも大きい軸方向の寸法を有し、前記係止機構が前記係止位置にあるとき、該ピンは、該スロットの遠位部分内に配され、該係止機構が前記非係止位置にあるとき、該ピンは、該スロットの近位部分に配される、請求項4に記載の電気機械外科システム。
【請求項7】
前記据え付け部分の側壁を通して位置付けられて遠位軸受部材にぶつかり、それにより、前記カートリッジジョー内で前記動力ネジを軸方向に係止する係止部材をさらに備える、請求項1に記載の電気機械外科システム。
【請求項8】
回転可能ドライブシャフトを含むアダプタアセンブリと選択的に相互接続可能な外科ローディングユニットであって、該外科ローディングユニットは、
アンビルジョーと、
カートリッジジョーと
を含み、該カートリッジジョーは、
受け取りチャネルを中に画定する据え付け部分と、
該据え付け部分内に配されるファスナ発射アセンブリであって、該ファスナ発射アセンブリは、動力ネジと、該動力ネジの近位端部に配されるギア部材とを備え、該ギア部材は、該アダプタアセンブリの該回転可能ドライブシャフトと作用可能に係合可能である、ファスナ発射アセンブリと、
中に配されている複数のファスナを含むカートリッジであって、該カートリッジは、該据え付け部分の該受け取りチャネル内へ取り外し可能に装填可能である、カートリッジと、
該外科ローディングユニットを該アダプタアセンブリに係止するために該据え付け部分内に配されている係止機構であって、該係止機構は、該カートリッジと作用可能に関連付けられ、その結果、該カートリッジを該据え付け部分内へ装填することが、該係止機構を係止位置へ移動させ、該カートリッジを該据え付け部分から抜き取ることが、該係止機構を非係止位置へ移動させる、係止機構と
を含む、外科ローディングユニット。
【請求項9】
前記係止機構は、前記非係止位置に付勢される、請求項8に記載の外科ローディングユニット。
【請求項10】
前記係止機構は、(i)前記カートリッジが前記カートリッジジョー内へ装填されるとき、または、(ii)該カートリッジが該カートリッジジョーから抜き取られるとき、前記据え付け部分の近位部分内で軸方向に移動可能であるフレームを含む、請求項8に記載の外科ローディングユニット。
【請求項11】
前記フレームは、そこから近位に長手方向に延在しかつ前記据え付け部分の近位端部における開口部を通って延在するように寸法取りされているロッドを含み、該ロッドは、前記係止位置にあるとき、該据え付け部分の該近位端部における該開口部を通って延在し、該ロッドは、前記非係止位置にあるとき、該据え付け部分の該近位端部における該開口部内にまたは該開口部に対して遠位に置かれる、請求項10に記載の外科ローディングユニット。
【請求項12】
前記フレームは、1対の横断スロットを含み、該1対の横断スロットは、該フレームの長手方向軸に平行に延在し、かつ該カートリッジジョーの側壁における対向開口部と整列され、該対向開口部は、前記カートリッジジョーを前記アンビルジョーと相互接続するためのピンを受け取るように寸法取りされており、該スロットは、該側壁における該開口部よりも大きい軸方向の寸法を有し、前記係止機構が前記係止位置にあるとき、該ピンは、該スロットの遠位部分内に配され、該係止機構が前記非係止位置にあるとき、該ピンは、該スロットの近位部分に配される、請求項11に記載の外科ローディングユニット。
【請求項13】
前記据え付け部分の側壁を通して位置付けられて前記ファスナ発射アセンブリの遠位軸受部材にぶつかり、それにより、前記カートリッジジョー内で前記動力ネジを軸方向に係止する係止部材をさらに備える、請求項8に記載の外科ローディングユニット。
【請求項14】
外科ローディングユニットをアダプタアセンブリに固定するための方法であって、該方法は、
カートリッジから外れている外科ローディングユニットとアダプタアセンブリとを平行な長手方向軸に沿って位置付けることであって、その結果、該外科ローディングユニットの近位端部上の合わせ面と該アダプタアセンブリの遠位端部上の合わせ面とが横断軸に沿って整列される、ことと、
該合わせ面を接合し、かつ共通の軸に沿って該外科ローディングユニットと該アダプタアセンブリとを整列するために、該横断軸に沿って該外科ローディングユニットおよび該アダプタアセンブリのうちの少なくとも1つをスライドさせることと、
該カートリッジを該外科ローディングユニットのカートリッジジョー内へ装填することにより、該カートリッジジョーの係止機構を、付勢された非係止位置から係止位置へ移動させることであって、該付勢された非係止位置において、該係止機構のロッドは、該外科ローディングユニットの該合わせ面より近位に延在せず、該係止位置において、該ロッドは、該外科ローディングユニットの該合わせ面より近位に延在し、該アダプタアセンブリの該遠位端部内に画定される凹部にぶつかり、それにより、該外科ローディングユニットを該アダプタアセンブリに係止することと
を含む、方法。
【請求項15】
前記係止機構は、その遠位端部においてカム作用表面を含み、前記カートリッジを装填することは、近位に該カム作用表面を長手方向に押し、それによって、該係止機構を前記アダプタアセンブリの方へ移動させることを含む、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願に対する相互参照)
本願は、2015年2月19日に出願された米国仮特許出願第62/118,239号の利益およびこの出願に基づく優先権を主張し、この出願の開示全体が、参照により、本明細書に援用される。
【0002】
(技術分野)
本開示は、電気機械外科システムに関連する。より具体的には、本開示は、機能を果たすように構成されているエンドエフェクタと、エンドエフェクタを作動させるように構成されている外科デバイスとを電気的かつ機械的に相互接続する単一の回転ドライブシャフトを有するアダプタアセンブリに関連し、エンドエフェクタは、アダプタアセンブリへの取り付けのための係止機構を有する。
【背景技術】
【0003】
いくつかの外科デバイス製造業者が、外科デバイスを動作および/または操作するための専有の動力式ドライブシステムを備える製品ラインを開発してきた。多くの例において、外科デバイスは、再使用可能である動力式ハンドルアセンブリおよび使い捨てエンドエフェクタなどを含み、使い捨てエンドエフェクタは、使用前に、動力式ハンドルアセンブリに選択的に接続され、次いで、使い捨てるかまたはいくつかの例においては再使用のために殺菌するために、使用後に、動力式ハンドルアセンブリから切り離される。
【0004】
既存の動力式外科デバイスおよび/またはハンドルアセンブリの多くと共に使用するための既存のエンドエフェクタの多くは、線形力によって駆動される。例えば、胃腸内吻合手術、端々吻合手術および横吻合手術を行うためのエンドエフェクタは、それぞれ、典型的には、動作されるために線形駆動力を要求する。したがって、これらのエンドエフェクタは、動力などを送達するために回転運動を使用する外科デバイスおよび/またはハンドルアセンブリと互換性がない。
【0005】
動力を送達するために回転運動を使用する動力式外科デバイスおよび/またはハンドルアセンブリと互換性がある線形駆動エンドエフェクタを作製するために、アダプタおよび/またはアダプタアセンブリが、線形駆動エンドエフェクタと動力式回転駆動外科デバイスおよび/またはハンドルアセンブリと間で相互作用させかつ線形駆動エンドエフェクタを動力式回転駆動外科デバイスおよび/またはハンドルアセンブリと相互接続するように、使用される。これらのアダプタおよび/またはアダプタアセンブリの多くは、組み立てるために広域の作業を要求する多くの部品を含む複雑なデバイスである。従って、より少ない部品を組み込み、組み立てるためにあまり労働集約的ではなく、かつ製造するために最終的により安価であるアダプタおよび/またはアダプタアセンブリを開発する必要性が存在する。加えて、アダプタ/アダプタアセンブリのエンドエフェクタへの適切な結合を確実にする係止機構の必要性が存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
(概要)
本開示の側面に従って、電気機械外科システムは、ハンドヘルド電気機械外科デバイスと、アダプタアセンブリと、外科ローディングユニットとを含む。外科デバイスは、ハンドルハウジング内において支持される少なくとも1つの回転可能ドライブコネクタを含み、アダプタアセンブリは、少なくとも1つの回転可能ドライブコネクタを受け取るように構成されている少なくとも1つの回転可能ドライブスリーブを含む。アダプタアセンブリは、少なくとも1つの回転可能ドライブスリーブに回転可能に接続される単一の回転可能ドライブシャフトも含み、単一の回転可能ドライブシャフトは、アダプタアセンブリの遠位端部へ長手方向に延在する。ギアが、回転可能ドライブシャフトの遠位端部周りに配され、回転可能ドライブシャフトとともに回転するように構成されている。外科ローディングユニットは、アンビルジョーとカートリッジジョーとを含み、アンビルジョーおよびカートリッジジョーは、アンビルジョーおよびカートリッジジョーが相互に対して開位置と閉位置との間で移動可能であるように相互に接合される。カートリッジジョーは、受け取りチャネルを画定する据え付け部分と、据え付け部分の受け取りチャネル内に配されている動力ネジと、動力ネジの近位部分上に据え付けられかつアダプタアセンブリのギアと作用可能に係合可能であるギア部材と、外科ローディングユニットをアダプタアセンブリに係止するために据え付け部分内に配されている係止機構とを含む。係止機構は、カートリッジジョーがカートリッジから離れているときの非係止位置とカートリッジがカートリッジジョー内へ装填されているときの係止位置との間を移動可能である。係止機構は、バネによって非係止位置に付勢され得る。
【0007】
係止機構は、カートリッジがカートリッジジョー内へ装填されてカートリッジジョーから抜き取られるとき、据え付け部分の近位部分内で軸方向に移動可能であるフレームを含み得る。実施形態において、フレームは、そこから近位に長手方向に延在しかつ据え付け部分の近位端部における開口部を通って延在するように寸法取りされているロッドを含む。ロッドは、係止位置にあるとき、据え付け部分の近位端部における開口部を通って近位に延在し、非係止位置にあるとき、開口部内にまたは開口部に対して遠位に置かれる。いくつかの実施形態において、ロッドは、係止位置にあるとき、アダプタアセンブリの遠位端部における凹部内へ延在する。
【0008】
いくつかの実施形態において、アンビルジョーおよびカートリッジジョーは、アンビルジョーおよびカートリッジジョーのそれぞれの側壁における対向開口部を軸方向に通して延在する1組のピンによってピン留めされ、フレームは、フレームの長手方向軸に平行に延在する1対の横断スロットを含み、1対の横断スロットは、カートリッジジョーの側壁における対向開口部と整列され、その結果、ピンが、対向開口部を通してスロット内へ延在する。スロットは、側壁における開口部より大きい軸方向の寸法を有し、その結果、係止機構が係止位置にあるとき、ピンは、スロットの遠位部分内に配され、係止機構が非係止位置にあるとき、ピンは、スロットの近位部分に配される。
【0009】
電気機械外科システムは、据え付け部分の側壁を通して位置付けられて遠位軸受部材にぶつかり、それにより、カートリッジジョー内で動力ネジを軸方向に係止する係止部材を含み得る。
【0010】
本開示の他の側面に従って、回転可能ドライブシャフトを含むアダプタアセンブリと選択的に相互接続可能である外科ローディングユニットは、アンビルジョーと、受け取りチャネルを中に画定する据え付け部分を含むカートリッジジョーとを含む。ファスナ発射アセンブリが、据え付け部分内に配され、動力ネジと、動力ネジの近位端部において配されているギア部材とを含み、ギア部材は、アダプタアセンブリの回転可能ドライブシャフトと作用可能に係合可能である。複数のファスナを中に含むカートリッジは、据え付け部分の受け取りチャネル内へ取り外し可能に装填可能である。係止機構が、外科ローディングユニットをアダプタアセンブリに係止するために据え付け部分内に配されている。係止機構は、カートリッジと作用可能に関連付けられ、その結果、カートリッジを据え付け部分内へ装填することは、係止機構を係止位置へ移動させ、カートリッジを据え付け部分から抜き取ることは、係止機構を非係止位置へ移動させる。係止機構は、バネによって非係止位置へ付勢され得る。
【0011】
係止機構は、カートリッジがカートリッジジョー内へ装填されてカートリッジジョーから抜き取られるとき、据え付け部分の近位部分内で軸方向に移動可能であるフレームを含み得る。実施形態において、フレームは、そこから近位に長手方向に延在しかつ据え付け部分の近位端部における開口部を通って延在するように寸法取りされているロッドを含む。ロッドは、係止位置にあるとき、据え付け部分の近位端部における開口部を通って近位に延在し、非係止位置にあるとき、開口部内にまたは開口部に対して遠位に置かれる。
【0012】
いくつかの実施形態において、フレームは、1対の横断スロットを含み、1対の横断スロットは、フレームの長手方向軸に平行に延在し、かつカートリッジジョーの側壁における対向開口部と整列され、対向開口部は、カートリッジジョーとアンビルジョーとを相互接続するためにピンを受け取るように寸法取りされる。スロットは、側壁における開口部より大きい軸方向の寸法を有し、その結果、係止機構が係止位置にあるとき、ピンは、スロットの遠位部分内に配され、係止機構が非係止位置にあるとき、ピンは、スロットの近位部分に配される。
【0013】
外科ローディングユニットは、係止部材を含み得、係止部材は、据え付け部分の側壁を通して位置付けられてファスナ発射アセンブリの遠位軸受部材にぶつかり、それにより、カートリッジジョー内で動力ネジを軸方向に係止する。
【0014】
本開示の別の側面に従って、外科ローディングユニットをアダプタアセンブリに固定する方法は:カートリッジから外れている外科ローディングユニットとアダプタアセンブリとを平行な長手方向軸に沿って位置付けることであって、その結果、外科ローディングユニットの近位端部上の合わせ面とアダプタアセンブリの遠位端部上の合わせ面とが横断軸に沿って整列される、ことと;合わせ面を接合し、かつ共通の軸に沿って外科ローディングユニットとアダプタアセンブリとを整列するために、横断軸に沿って外科ローディングユニットおよびアダプタアセンブリのうちの少なくとも1つをスライドさせることと;付勢された非係止位置から係止位置まで、カートリッジジョーの係止機構を移動させ、それにより、外科ローディングユニットのカートリッジジョー内にカートリッジを装填することであって、付勢された非係止位置において、係止機構のロッドは、外科ローディングユニットの合わせ面より近位に延在せず、係止位置において、ロッドは、外科ローディングユニットの合わせ面より近位に延在し、アダプタアセンブリの遠位端部内に画定される凹部にぶつかり、それにより、外科ローディングユニットをアダプタアセンブリに係止する、こととを含む。
【0015】
実施形態において、係止機構は、その遠位端部においてカム作用表面を含み、その結果、カートリッジを装填することは、近位にカム作用表面を長手方向に押し、それによって、係止機構をアダプタアセンブリの方へ移動させることを含む。方法は、外科ローディングユニットをアダプタアセンブリから係止解除するようにカートリッジを抜き取ることも含む。
【0016】
本発明は、例えば、以下を提供する:
(項目1)
ハンドルハウジング内に支持されている少なくとも1つの回転可能ドライブコネクタを含むハンドヘルド電気機械外科デバイスと、
該外科デバイスに選択的に接続可能なアダプタアセンブリであって、該アダプタアセンブリは、該少なくとも1つの回転可能ドライブコネクタを受け取るように構成されている少なくとも1つの回転可能ドライブスリーブを含み、単一の回転可能ドライブシャフトが、該少なくとも1つの回転可能ドライブスリーブに回転可能に接続され、かつ該アダプタアセンブリの遠位端部へ長手方向に延在しており、ギアが、該回転可能ドライブシャフトの遠位端部周りに配され、かつ該回転可能ドライブシャフトとともに回転するように構成されている、アダプタアセンブリと、
アンビルジョーとカートリッジジョーとを備える外科ローディングユニットであって、該アンビルジョーおよび該カートリッジジョーは、相互に作用可能に接合され、その結果、該アンビルジョーおよび該カートリッジジョーは、相互に対して開位置と閉位置との間で移動可能であり、該カートリッジジョーは、
受け取りチャネルを画定する据え付け部分と、
該据え付け部分の該受け取りチャネル内に配されている動力ネジと、
該動力ネジの近位部分に据え付けられ、かつ該アダプタアセンブリの該ギアと作用可能に係合可能であるギア部材と、
該外科ローディングユニットを該アダプタアセンブリに係止するために該据え付け部分に配されている係止機構であって、該係止機構は、該カートリッジジョーがカートリッジから離れているときの非係止位置と、カートリッジが該カートリッジジョー内へ装填されているときの係止位置との間を移動可能である、係止機構と
を含む、外科ローディングユニットと
を備える電気機械外科システム。
(項目2)
前記係止機構は、バネによって前記非係止位置に付勢される、上記項目に記載の電気機械外科システム。
(項目3)
前記係止機構は、カートリッジが前記カートリッジジョー内へ装填されて該カートリッジジョーから抜き取られるとき、前記据え付け部分の近位部分内で軸方向に移動可能であるフレームを含む、上記項目のいずれかに記載の電気機械外科システム。
(項目4)
前記フレームは、そこから近位に長手方向に延在しかつ前記据え付け部分の近位端部における開口部を通して延在するように寸法取りされているロッドを含み、該ロッドは、前記係止位置にあるとき、該据え付け部分の該近位端部における該開口部を通って近位に延在し、該ロッドは、前記非係止位置にあるとき、該据え付け部分の該近位端部における該開口部内にまたは該開口部に対して遠位に置かれる、上記項目のいずれかに記載の電気機械外科システム。
(項目5)
前記ロッドは、前記係止位置にあるとき、該アダプタアセンブリの前記遠位端部における凹部内へ延在する、上記項目のいずれかに記載の電気機械外科システム。
(項目6)
前記アンビルジョーおよび前記カートリッジジョーは、該アンビルジョーおよび該カートリッジジョーのそれぞれの側壁における対向開口部を軸方向に通って延在する1対のピンによってピン留めされ、前記フレームは、1対の横断スロットを含み、該1対の横断スロットは、該フレームの長手方向軸に平行に延在し、かつ該カートリッジジョーの該側壁における該対向開口部と整列され、その結果、該ピンが、該対向開口部を通して該スロット内へ延在し、該スロットは、該側壁における該開口部よりも大きい軸方向の寸法を有し、前記係止機構が前記係止位置にあるとき、該ピンは、該スロットの遠位部分内に配され、該係止機構が前記非係止位置にあるとき、該ピンは、該スロットの近位部分に配される、上記項目のいずれかに記載の電気機械外科システム。
(項目7)
前記据え付け部分の側壁を通して位置付けられて遠位軸受部材にぶつかり、それにより、前記カートリッジジョー内で前記動力ネジを軸方向に係止する係止部材をさらに備える、上記項目のいずれかに記載の電気機械外科システム。
(項目8)
回転可能ドライブシャフトを含むアダプタアセンブリと選択的に相互接続可能な外科ローディングユニットであって、該外科ローディングユニットは、
アンビルジョーと、
カートリッジジョーと
を含み、該カートリッジジョーは、
受け取りチャネルを中に画定する据え付け部分と、
該据え付け部分内に配されるファスナ発射アセンブリであって、該ファスナ発射アセンブリは、動力ネジと、該動力ネジの近位端部に配されるギア部材とを備え、該ギア部材は、該アダプタアセンブリの該回転可能ドライブシャフトと作用可能に係合可能である、ファスナ発射アセンブリと、
中に配されている複数のファスナを含むカートリッジであって、該カートリッジは、該据え付け部分の該受け取りチャネル内へ取り外し可能に装填可能である、カートリッジと、
該外科ローディングユニットを該アダプタアセンブリに係止するために該据え付け部分内に配されている係止機構であって、該係止機構は、該カートリッジと作用可能に関連付けられ、その結果、該カートリッジを該据え付け部分内へ装填することが、該係止機構を係止位置へ移動させ、該カートリッジを該据え付け部分から抜き取ることが、該係止機構を非係止位置へ移動させる、係止機構と
を含む、外科ローディングユニット。
(項目9)
前記係止機構は、前記非係止位置に付勢される、上記項目のいずれかに記載の外科ローディングユニット。
(項目10)
前記係止機構は、前記カートリッジが前記カートリッジジョーに装填されて該カートリッジジョーから抜き取られるとき、前記据え付け部分の近位部分内で軸方向に移動可能であるフレームを含む、上記項目のいずれかに記載の外科ローディングユニット。
(項目11)
前記フレームは、そこから近位に長手方向に延在しかつ前記据え付け部分の近位端部における開口部を通って延在するように寸法取りされているロッドを含み、該ロッドは、前記係止位置にあるとき、該据え付け部分の該近位端部における該開口部を通って延在し、該ロッドは、前記非係止位置にあるとき、該据え付け部分の該近位端部における該開口部内にまたは該開口部に対して遠位に置かれる、上記項目のいずれかに記載の外科ローディングユニット。
(項目12)
前記フレームは、1対の横断スロットを含み、該1対の横断スロットは、該フレームの長手方向軸に平行に延在し、かつ該カートリッジジョーの側壁における対向開口部と整列され、該対向開口部は、前記カートリッジジョーを前記アンビルジョーと相互接続するためのピンを受け取るように寸法取りされており、該スロットは、該側壁における該開口部よりも大きい軸方向の寸法を有し、前記係止機構が前記係止位置にあるとき、該ピンは、該スロットの遠位部分内に配され、該係止機構が前記非係止位置にあるとき、該ピンは、該スロットの近位部分に配される、上記項目のいずれかに記載の外科ローディングユニット。
(項目13)
前記据え付け部分の側壁を通して位置付けられて前記ファスナ発射アセンブリの遠位軸受部材にぶつかり、それにより、前記カートリッジジョー内で前記動力ネジを軸方向に係止する係止部材をさらに備える、上記項目のいずれかに記載の外科ローディングユニット。
(項目14)
外科ローディングユニットをアダプタアセンブリに固定するための方法であって、該方法は、
カートリッジから外れている外科ローディングユニットとアダプタアセンブリとを平行な長手方向軸に沿って位置付けることであって、その結果、該外科ローディングユニットの近位端部上の合わせ面と該アダプタアセンブリの遠位端部上の合わせ面とが横断軸に沿って整列される、ことと、
該合わせ面を接合し、かつ共通の軸に沿って該外科ローディングユニットと該アダプタアセンブリとを整列するために、該横断軸に沿って該外科ローディングユニットおよび該アダプタアセンブリのうちの少なくとも1つをスライドさせることと、
付勢された非係止位置から係止位置まで、該カートリッジジョーの係止機構を移動させ、それにより、該外科ローディングユニットのカートリッジジョー内にカートリッジを装填することであって、該付勢された非係止位置において、該係止機構のロッドは、該外科ローディングユニットの該合わせ面より近位に延在せず、該係止位置において、該ロッドは、該外科ローディングユニットの該合わせ面より近位に延在し、該アダプタアセンブリの該遠位端部内に画定される凹部にぶつかり、それにより、該外科ローディングユニットを該アダプタアセンブリに係止することと
を含む、方法。
(項目15)
前記係止機構は、その遠位端部においてカム作用表面を含み、前記カートリッジを装填することは、近位に該カミング表面を長手方向に押し、それによって、該係止機構を前記アダプタアセンブリの方へ移動させることを含む、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目16)
前記外科ローディングユニットを前記アダプタアセンブリから係止解除するように前記カートリッジを抜き取ることをさらに含む、上記項目のいずれかに記載の方法。
【0017】
(摘要)
電気機械外科システムは、電気機械外科デバイスと、アダプタアセンブリと、外科ローディングユニットとを含む。アダプタアセンブリは、外科デバイスの回転可能ドライブコネクタを受け取るように構成されている回転可能ドライブスリーブと、ドライブスリーブに回転可能に接続される単一の回転可能ドライブシャフトと、ドライブシャフトの遠位端部周りに配されているギアとを含む。ローディングユニットは、受け取りチャネルを画定する据え付け部分を含むカートリッジジョーと、受け取りチャネル内に配されている動力ネジと、動力ネジの近位部分上に据え付けられかつアダプタアセンブリのギアと作用可能に係合可能であるギア部材と、ローディングユニットをアダプタアセンブリに係止するために据え付け部分内に配されている係止機構とを含み、係止機構は、カートリッジジョーがカートリッジから離れているときの非係止位置とカートリッジが中に装填されているときの係止位置との間を移動可能である。
【0018】
本開示の例示的な実施形態の更なる詳細および側面が、添付図面を参照してより詳細に後述される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
添付図面は、本明細書の一部に組み込まれ、本明細書の一部を構成し、添付図面は、本開示の実施形態を示しており、添付図面は、上述された開示の概略的な記載および後述される実施形態(単数または複数)の詳細な説明と一緒に、本開示の原理を説明するのに役に立つ。
図1図1は、本開示の原理に従った電気機械外科システムの斜視図である。
図2図2は、アダプタアセンブリの近位端部の、図1の外科デバイスの遠位端部への取り付けを示している斜視図である。
図3図3は、アダプタハウジングの上半部分が取り除かれた、図1および図2のアダプタアセンブリの平面斜視図である。
図4図4は、アダプタハウジングの下半部分が取り除かれた、図1図3のアダプタアセンブリの底面斜視図である。
図5図5は、外側チューブが想像線で示された、図1図4のアダプタアセンブリの遠位端部の斜視図である。
図6図6は、図1の外科ローディングユニットの平面斜視図である。
図7図7は、図1および図6の外科ローディングユニット底面斜視図である。
図8図8は、図1図6および図7の外科ローディングユニットの、部品が分離された状態の斜視図である。
図9図9は、図1および図6図8の外科ローディングユニットの拡大平面斜視図であり、ファスナ発射アセンブリの一部が、外科ローディングユニットのカートリッジジョーから分離して示されている。
図10図10は、図1および図6図9の外科ローディングユニットの拡大側面斜視図であり、係止部材およびファスナ発射アセンブリの一部が、外科ローディングユニットのカートリッジジョーから分離して示されている。
図11図11は、図1および図6図10の外科ローディングユニットのカートリッジジョーの拡大平面図であり、据え付け部分が想像線で示されている。
図12図12は、外科ローディングユニットの近位端部の、図1図4のアダプタアセンブリの遠位端部への取り付けを示している斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
(詳細な説明)
本開示の電気機械外科システムは、複数の異なるエンドエフェクタへの選択的取り付けのために構成されている動力式ハンドヘルド電気機械装置の形態の外科デバイスを含み、複数の異なるエンドエフェクタは、それぞれ、動力式ハンドヘルド電気機械外科装置による作動および操作のために構成されている。具体的には、本開示の電気機械外科システムは、動力式ハンドヘルド電気機械外科装置と複数の異なるエンドエフェクタとを相互接続するアダプタアセンブリを含む。
【0021】
本開示の電気機械外科システム、外科デバイス/ハンドルアセンブリ、アダプタアセンブリ、および/または、エンドエフェクタの実施形態が、図面を参照して詳細に記載されており、図面において、同様の参照数字は、いくつかの図のそれぞれにおける同一または対応する要素を指定する。本明細書において使用されるとき、用語「遠位(distal)」は、ユーザからより遠い構造の一部に言及する一方で、用語「近位(proximal)」は、ユーザにより近い構造の一部に言及する。
【0022】
さて図1および図2を参照すると、本開示に従った(概して10と呼ばれる)電気機械外科システムは、動力式ハンドヘルド電気機械装置の形態の外科デバイス100と、アダプタアセンブリ200と、エンドエフェクタ(例えば、外科ローディングユニット300(例えば、複数の回使用ローディングユニットまたは単回使用ローディングユニット))とを含む。議論の目的にために、エンドエフェクタは、外科ローディングユニットに関して議論される;しかしながら、開示される電気機械外科アセンブリは、当業者の理解の範囲内の様々なエンドエフェクタ(例えば、締付ジョーおよび切断器具)と共に使用されることが可能である。外科デバイス100は、アダプタアセンブリ200との選択的接続のために構成されており、次に、アダプタアセンブリ200は、外科ローディングユニット300との選択的接続のために構成されている。全体として、外科デバイス100およびアダプタアセンブリ200は、外科ローディングユニット300を作動させるように協働し得る。
【0023】
外科デバイス100は、上部ハウジング部分102aと下部ハウジング部分102bとを含むハンドルハウジング102を含む。上部ハウジング部分102aは、その中に外科デバイス100の様々な構成要素(例えば、外科デバイス100の様々な動作を制御するように構成されている回路基板(示されていない)、および外科デバイス100の様々な動作を行うためにシャフトおよび/またはギア構成要素を駆動するように構成されているドライブ機構(示されていない))を収容する。具体的には、ドライブ機構は、アダプタアセンブリ200の遠位端部に対して長手方向軸「X」の周りで外科ローディングユニット300を選択的に間接運動させるために、ハンドルハウジング102に対して長手方向軸「X」の周りでローディングユニット300を選択的に回転させるために、外科ローディングユニット300のアンビルジョー310とカートリッジ受け取りジョー(以下、カートリッジジョー)320とを相互に選択的に移動/接近/分離させるために、かつ/または、外科ローディングユニット300のカートリッジジョー320内に配されているステープル留めおよび切断カートリッジ(示されていない)を発射するために、シャフトおよび/またはギア構成要素を駆動するように構成され得る。下部ハウジング部分102bは、ドライブ機構によって行われる様々な機能を作動させるための指作動式制御ボタン、ロッカーデバイスなど(104a、104bおよび104c)を含むトリガハウジング104を支持する。下部ハウジング部分102bは、選択的に取り外し可能に電源(例えば、再充電可能バッテリ(示されていない))を受け取るための窪みも中に画定し、電源は、上部ハウジング部分102aに位置する電気的構成要素と電気的に相互接続されている。
【0024】
ハンドルハウジング102の上部ハウジング部分102aは、その遠位端部において、アダプタアセンブリ200の近位端部を受けるように構成されている接続部分106を画定する。接続部分106は、相互に共通の平面内または一直線に配置された複数の回転可能ドライブコネクタ108a、108bおよび108cを収容する円柱状凹部106aを有する。認識されることが可能であるように、複数の回転可能ドライブコネクタは、任意の適した構成で配置されることが可能である。各回転可能ドライブコネクタ108a、108bおよび108cは、独立的に、および/または従属的に、ハンドルハウジング102内に収容されるドライブ機構(示されていない)によって作動可能かつ回転可能であり得る。ドライブ機構は、所与の時間に外科デバイス100の回転可能ドライブコネクタ108a、108bおよび108cのうちの1つ以上を選択的に駆動するように構成され得る。
【0025】
例示的な電気機械外科システムの様々な内部構成要素および動作の詳細な説明のために、2008年9月22日に出願された国際出願番号PCT/US2008/077249(国際公開第2009/039506号)と、2009年11月20日に出願された米国特許出願公開第2011/0121049号と、2012年5月31日に出願された米国特許出願公開第2012/0253329号とに対する参照がなされ、これらの出願のそれぞれの内容全体が、参照により、本明細書に援用され、例示的な電気機械外科システムの構成要素は、本明細書に記載されている電気機械外科システム10の1つ以上の構成要素と組み合わせ可能かつ/または取り替え可能である。
【0026】
さて、図1および図2と併せて、図3図5を参照すると、アダプタアセンブリ200は、アダプタアセンブリ200の近位端部部分におけるアダプタハウジング202と、アダプタハウジング202からアダプタアセンブリ200の遠位端部部分まで遠位に延在する外側チューブ204とを含む。アダプタハウジング202および外側チューブ204は、アダプタアセンブリ200の構成要素を中に収容するように構成および寸法取りされている。外側チューブ204は、内視鏡的挿入用に寸法取りされており、具体的には、外側チューブ204は、典型的なトローカルポート、カニューレなどを通過可能である。アダプタハウジング202は、トローカルポート、カニューレなどに入らないように寸法取りされている。
【0027】
アダプタアセンブリ200は、外科デバイス100の回転可能ドライブコネクタ108a、108bおよび108cのうちの1つの回転を、外科ローディングユニット300を動作させるのに役立つ軸方向並進に変えるように構成されている。アダプタアセンブリ200は、アダプタアセンブリ200の近位端部200aにおける外科デバイスドライブ結合アセンブリ206と、アダプタアセンブリ200の遠位端部200bにおけるエンドエフェクタ結合アセンブリ208とを含む。外科デバイスドライブ結合アセンブリ206は、外科デバイス100のハンドルハウジング102の接続部分106に接続するように構成および適合させられている。外科デバイスドライブ結合アセンブリ206は、外科デバイス100の接続部分106の円筒状凹部106a内に受け取られるように寸法取りされているドライブ結合ハウジング206aを含む。外科デバイスドライブ結合アセンブリ206は、第1のコネクタスリーブ210a、第2のコネクタスリーブ210bおよび第3のコネクタスリーブ210cを回転可能に支持する。第1のコネクタスリーブ210aは、外科デバイス100の第1の回転可能ドライブコネクタ108aとかみ合うように構成されており、第2のコネクタスリーブ210bは、外科デバイス100の第2の回転可能ドライブコネクタ108bとかみ合うように構成されており、第3のコネクタスリーブ210cは、外科デバイス100の第3の回転可能ドライブコネクタ108cとかみ合うように構成されている。
【0028】
外科デバイスドライブ結合アセンブリ206は、外科デバイス100の第1の回転可能ドライブコネクタ108aの回転の速さ/力をローディングユニット300に伝える/変えるように構成および適合させられている単一の回転可能ドライブシャフト212を回転可能に支持する。回転可能ドライブシャフト212は、ドライブ結合ハウジング206a内で第1のコネクタスリーブ210aと作用可能に接続されている近位端部(示されていない)と、アダプタアセンブリ200の遠位端部200bに配されている遠位端部212aとを含む。回転可能ドライブシャフト212は、アダプタアセンブリ200内で回転可能ドライブシャフト212を軸方向に固定するために、外側チューブ204の近位端部に配されている第1のフィッティング214aと、外側チューブ204の遠位端部に配されている第2のフィッティング214bとを通って延在する。回転可能ドライブシャフト212は、外科デバイス100の第1の回転可能ドライブコネクタ108aからの回転力を受け取る回転受け取り部材として機能する。平歯車などの回転可能ギア216(図5を参照のこと)が、回転可能ドライブシャフト212の遠位端部212a周りに配されており、回転可能ドライブシャフト212とともに回転するように構成されている。
【0029】
さて、図6図11を参照すると、ローディングユニット300は、アンビルジョー310とカートリッジジョー320とを含み、それらは、相互に対して開位置と閉位置との間を移動可能である。アンビルジョー310およびカートリッジジョー320は、アンビルジョー310の側壁311における対向開口部310a、310bとカートリッジジョー320の側壁321における対向開口部320a、320bとを軸方向に通して挿入される1対のピン330aおよび330bによってピン留めされる。カートリッジジョー320は、据え付け部分324に固定される基部322を含み、据え付け部分324は、その近位端部324c上に合わせ面324a、324bを有する。据え付け部分324は、フレーム326と、カートリッジ328と、ファスナ発射アセンブリ340とを中で支持する受け取りチャネル324dを中に画定する。カートリッジ328は、その組織係合表面328cにおいて、複数のファスナ保持スロット328aおよびナイフスロット328bを画定する。ファスナ「F」(例えば、ステープル)の複数の線形列が、カートリッジ328内に配されており、単一のファスナ「F」が、各ファスナ保持スロット328a内に配されている。
【0030】
ファスナ発射アセンブリ340は、近位軸受部材342と、アダプタアセンブリ200の遠位端部200bにおいてドライブシャフト212の遠位端部212a周りに配されているギア216を係合するギア部材344と、遠位軸受部材346と、ネジアセンブリ348とを含む。ネジアセンブリ348は、ギア部材344および遠位軸受部材342が周りに配されている動力ネジ348aと、ドライブビーム348bと、ファスナ「F」をカートリッジ328から押し出すための複数のプッシャ部材348dと係合可能である作動スレッド348cとを含む。
【0031】
カートリッジジョー320は、u型またはc型部材として構成されている係止部材350(図10)を含み、係止部材350は、据え付け部分324の側壁324eを通して挿入され、遠位軸受部材346にぶつかり、それにより、カートリッジジョー320の受け取りチャネル324d内で軸方向に動力ネジ348aを固定する。カートリッジジョー320も、アダプタアセンブリ200の遠位端部200bとともに外科ローディングユニット300の近位端部300aを固定するために、据え付け部分324の近位部分内に配されている係止機構360(図11)を含む。係止機構360は、カートリッジジョー320の長手方向軸に平行な方向に延在している横断スロット366aおよび366bをそれぞれ画定するブラケット364aおよび364bを含む遠位部分362aと、プレート368を含む中央部分362bと、中央部分362bから近位に長手方向に延在するロッド370を含む近位部分362cとを有するフレーム362を含む。スロット366aおよび366bは、カートリッジジョー320の対向開口部320aおよび320bに対して軸方向に整列されており、その結果、ピン330aおよび330bは、スロット366aおよび366bを通って延在する。スロット366aおよび366bは、アダプタアセンブリ200に対する非係止位置と係止位置との間の係止アセンブリ360の長手方向の移動を可能にするために、開口部320aおよび320bより軸方向に大きい寸法を有する。
【0032】
係止機構360は、カートリッジ328がカートリッジジョー320の据え付け部分324から外れている(すなわち、その中に装填されていない)とき、バネ372によって非係止位置に付勢される。バネ372は、ピン330aおよび330bがスロット366aおよび366bの近位端部に当接するまで遠位に係止機構360を付勢する。非係止位置において、ピン330aおよび330bは、スロット366aおよび366bの近位部分に配され、その結果、プレート368は、据え付け部分324の近位端部324cから遠位に離間され、ロッド370は、据え付け部分324の近位端部324c内に画定される近位開口部324f内にまたは近位開口部324fに対して遠位に置かれている。カートリッジ328が据え付け部分324内に装填されているとき、カートリッジ328の近位端部は、係止機構360の遠位端部に対してカム作用し、それによって、近位に係止機構360を移動させ、その結果、プレート368が、据え付け部分324の近位端部324cに隣接する。この位置において、図11に示されているように、ピン330aおよび330bは、スロット366aおよび366bの遠位部分に位置付けられ、ロッド370は、据え付け部分324の近位端部324cの近位開口部324fを通って延在する。
【0033】
外科ローディングユニット300の近位端部300aをアダプタアセンブリ200の遠位端部200bに固定するために、カートリッジジョー320は、係止機構360が非係止位置にあるように、カートリッジ328から外さなければならない。図12に示されているように、外科ローディングユニット300、およびアダプタアセンブリ200の外側チューブ204は、平行な長手方向軸「X」および「X」に沿って位置付けられ、ローディングユニット300の近位端部300aは、軸「X」および「X」を横断する軸「Y」に沿ってアダプタアセンブリ200の遠位端部200bと整列される。ローディングユニット300の近位端部300aは、横断軸「Y」に沿って外科ローディングユニット300およびアダプタアセンブリ200のうちの少なくとも1つをスライドさせることによってアダプタアセンブリ200の遠位端部200bとともに留められることが可能であり、その結果、外科ローディングユニット300およびアダプタアセンブリ200は、共通軸に沿って整列される。具体的には、ローディングユニット300の合わせ面324a、324bは、アダプタアセンブリ200の合わせ面200cおよび200dと係合し、その結果、外科ローディングユニット300のギア部材344の歯が、アダプタアセンブリ200のギア216の歯と噛み合い係合する。
【0034】
その後、カートリッジ328は、カートリッジジョー320内へ装填され、その結果、係止機構360は、係止位置へ移動させられる。係止位置において、係止機構360のロッド370は、据え付けプレート324の近位端部324cにおける近位開口部324fを通して、合わせ面324aを過ぎて、アダプタアセンブリ200の合わせ面200c内に画定されている凹部200e内へ前進させられ、それによって、外科ローディングユニット300およびアダプタアセンブリ200をともに係止または固定する。カートリッジジョー320がカートリッジ328を予め装填している場合、係止機構360のロッド370がアダプタアセンブリ200とローディングユニット300との結合を妨げるので、ローディングユニット300は、アダプタ200と適切に結合されることが不可能である。
【0035】
動作において、外科デバイス100の制御ボタンのうちの1つの作動が、回路基板(示されていない)と電気的に通信するように、複数のセンサ(示されていない)のうちの1つ以上にコンタクトし、それにより、(ハンドルハウジング102内のモーター(示されていない)の作動に因り)第1の回転可能ドライブコネクタ108aをアクティブにし、かつ第1のドライブコネクタ108aの回転を生じさせる。第1のドライブコネクタ108aの回転は、アダプタアセンブリ200の第1のコネクタスリーブ210aの回転をもたらし、これは、ドライブシャフト212の回転を引き起こす。ドライブシャフト212の回転は、ギア216の回転を引き起こし、これは、次に、外科ローディングユニット300のギア部材344を回転させる。ギア部材344の回転は、動力ネジ348aを回転させ、動力ネジ348aとドライブビーム348bとの間のネジ式係合のおかげで、ドライブビーム348bが動力ネジ348aに沿って長手方向ナイフスロット328bを通して軸方向に前進することを可能にする。ドライブビーム348bは、アンビルジョー310とカートリッジジョー320とを接近した状態で維持するようにアンビルジョー310を係合する。ドライブビーム348bの遠位前進は、作動スレッド348cを前進させて複数のプッシャ部材348dと係合させ、アンビルジョー310内に画定されている対応するファスナ形成ポケット312に対して形成するために、複数のファスナ保有スロット328aから複数のファスナ「F」を発射させる。外科ローディングユニット300は、再設置されることが可能であり、カートリッジ328は、取り替えられることが可能であり、その結果、外科ローディングユニット300は、次いで、所望されるように再発射されることが可能である。
【0036】
当業者は、本明細書に具体的に記載されておりかつ添付図面に示されている構造および方法が非限定的で例示的な実施形態であることと、記載、開示および図面が特定の実施形態の例示として単に解釈されるべきであることとを理解する。それゆえ、本開示が、記載されているまさにその実施形態に限定されないことと、様々な他の変化および改変が、本開示の範囲および精神から逸脱することなく、当業者によって果たされ得ることと理解されたい。加えて、特定の実施形態に関して示されているかまたは記載されている要素および特徴は、本発明の範囲から逸脱することなく、特定の他の実施形態の要素および特徴と組み合わせられ得、そのような改変および変形も、本開示の範囲内に含まれる。加えて、本開示の主題は、具体的に示され記載されたものによって限定されない。
図1
図2
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図10
図11
図12