(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記モアレ判定部は、前記縮小画像データにおける第1の色と第2の色との繰り返しパタンの違いが生じた場所をモアレが発生している領域と判定することを特徴とする、請求項1に記載の画像処理装置。
前記モアレ判定部は、前記縮小画像データを所定の領域に分割した上で前記第1の色と前記第2の色との繰り返しパタンの違いが生じた場所があれば当該領域をモアレが発生している領域と判定することを特徴とする、請求項2に記載の画像処理装置。
前記モアレ判定部は、ある領域を他の領域と比較して前記第1の色と前記第2の色との繰り返しパタンの違いが前記他の領域より現れていれば当該領域をモアレが発生している領域と判定することを特徴とする、請求項3に記載の画像処理装置。
前記第1の色は、前記ベイヤ配列における最も画素数の多い色であり、前記第2の色は、前記ベイヤ配列における前記第1の色以外の色から生成される色であることを特徴とする、請求項2〜4のいずれかに記載の画像処理装置。
前記モアレ判定ステップは、前記縮小画像データにおける第1の色と第2の色との繰り返しパタンの違いが生じた場所をモアレが発生している領域と判定することを特徴とする、請求項8に記載の画像処理方法。
前記モアレ判定ステップは、前記縮小画像データを所定の領域に分割した上で前記第1の色と前記第2の色との繰り返しパタンの違いが生じた場所があれば当該領域をモアレが発生している領域と判定することを特徴とする、請求項9に記載の画像処理方法。
前記モアレ判定ステップは、ある領域を他の領域と比較して前記第1の色と前記第2の色との繰り返しパタンの違いが前記他の領域より現れていれば当該領域をモアレが発生している領域と判定することを特徴とする、請求項10に記載の画像処理方法。
前記第1の色は、前記ベイヤ配列における最も画素数の多い色であり、前記第2の色は、前記ベイヤ配列における前記第1の色以外の色から生成される色であることを特徴とする、請求項9〜11のいずれかに記載の画像処理方法。
前記モアレ判定部は、前記縮小画像データにおける第1の色と第2の色との繰り返しパタンの違いが生じた場所をモアレが発生している領域と判定することを特徴とする、請求項14に記載の撮像装置。
前記モアレ判定部は、前記縮小画像データを所定の領域に分割した上で前記第1の色と前記第2の色との繰り返しパタンの違いが生じた場所があれば当該領域をモアレが発生している領域と判定することを特徴とする、請求項15に記載の撮像装置。
前記モアレ判定部は、ある領域を他の領域と比較して前記第1の色と前記第2の色との繰り返しパタンの違いが前記他の領域より現れていれば当該領域をモアレが発生している領域と判定することを特徴とする、請求項16に記載の撮像装置。
前記第1の色は、前記ベイヤ配列における最も画素数の多い色であり、前記第2の色は、前記ベイヤ配列における前記第1の色以外の色から生成される色であることを特徴とする、請求項15〜17のいずれかに記載の撮像装置。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0020】
<1.背景>
本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する前に、本発明の実施の形態に至った背景について説明する。
【0021】
上述したように、デジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラ等の撮像装置において静止画像や動画像の撮像に用いられるセンサには、ベイヤ配列のCMOSイメージセンサまたはCCDイメージセンサが用いられるのが主流である。
【0022】
図1は、ベイヤ配列を示す説明図である。ベイヤ配列は、緑(G)2画素に対して、赤(R)1画素、青(B)1画素の4画素が1組となった構成となっている配列である。元々は光を分光しRGBを別のイメージセンサで受光していたものを、複雑な光学系の設計を軽減し、画素ずれが無いように開発されたのが、
図1に示したようなベイヤ配列である。この
図1に示したベイヤ配列は、人間の目は赤や青の解像度には鈍感であり、緑や白黒に対して敏感であるといった特性を利用している。なお、便宜上赤(R)の行にある緑(G)の画素をGr、青(B)の行にある緑(G)の画素をGbと称する。
【0023】
ベイヤ配列が、緑(G)2画素に対して、赤(R)1画素、青(B)1画素の4画素が1組となった構成となっているため、緑色は水平および垂直方向ではイメージセンサの水平画素数及び垂直画素数と等しい帯域を持っているが、斜め45度の方向の帯域では水平及び垂直の半分に減る。従って、輝度信号は斜め方向の帯域が少ない。またベイヤ配列が、緑(G)2画素に対して、赤(R)1画素、青(B)1画素の4画素が1組となった構成となっているため、青と赤の領域は緑の半分しかない。
【0024】
このベイヤ配列のイメージセンサで正常な画像を得るためには、従来は例えば、ほぼベイヤ配列の基本の4画素よりも細かい線を解像しないフィルタをイメージセンサ上に搭載して各色をぼかすことが行われてきた。
【0025】
しかし、そのようなフィルタをイメージセンサに搭載すると、赤と青の細かい線はイメージセンサから出力されず、また輝度の主要成分である緑も2画素幅よりも細かい線はセンサから出力されない。
【0026】
そして、当然ながらこのようなフィルタをイメージセンサに搭載することは、コスト上昇の要因となり、また実際の画素数よりも表現される画像の解像度が低くなってしまう要因ともなる。この結果、このフィルタを排除し、解像度の改善とコスト低下を同時に満たす必要性が叫ばれており、解像度の改善とコスト低下を同時に満たすことを目的とするような製品も販売されている。
【0027】
しかし、フィルタを排除したイメージセンサを用いると、ベイヤ配列のイメージセンサから出力される信号からYCbCr色空間またはRGBカラーモデルによる画像を生成(現像)する際に、各色の存在周期より精細な画像の照射に起因する偽色(色モアレ)が発生する場合がある。
【0028】
フィルタを排除したイメージセンサを用いると、例えばイメージセンサの赤の存在周期より精細な赤の画像が照射される。イメージセンサの赤の存在周期より精細な赤の画像が照射されることは、赤に対して折り返しが発生する要因となる。
【0029】
これは赤だけでなく、同じように4画素中に1画素だけ存在する青についても同様のことが言える。また緑についても、斜め方向に精細な緑の画像が照射されることは、緑に対しては斜め方向には折り返しが発生する要因となる。この折り返しが、ベイヤ配列のイメージセンサから出力される信号からYCbCr色空間またはRGBカラーモデルによる画像を生成(現像)する際に画像生じ得る色モアレとなる。
【0030】
最も大きな問題は、斜め方向の細線を現像した際に生じる緑とマゼンタのモアレである。これは斜め方向の妨害を表している。このような緑とマゼンタのモアレの現象が発生するのは、撮影画像で斜め方向に非常に細い線が存在するためである。
【0031】
図2は、撮像される元となる画像の例を示す説明図である。そして
図3は、
図2に示した画像を撮像した際に色モアレが発生した画像の例を示す説明図である。
【0032】
図2に示したような、非常に細い白色及び黒色の線が混み入った画像を撮像すると、元の画像には白色及び黒色以外の色は存在しないのに、
図3に示したように渦状の偽色(色モアレ)が発生することがある。
図3の符号11は、シアンとオレンジの渦状の偽色(色モアレ)が発生した場所を示している。
図3の符号12は、緑とマゼンタの渦状の偽色(色モアレ)が発生した場所を示している。
【0033】
図3の符号11で示した場所で発生しているシアンとオレンジの色モアレは、縦または横の細い線を再現しようとして生じるものである。
図4及び
図5は、シアンとオレンジの色モアレが発生している様子をベイヤ配列で示す説明図である。
【0034】
図4及び
図5に示したように、シアンとオレンジの色モアレが発生している場合は、シアンとオレンジの境界で緑の場所が変化していることが分かる。従って、緑との相関をとることでシアンとオレンジの色モアレが発生しているかどうかを判定することができる。そして、シアンとオレンジの色モアレが発生している場合には、例えばその色モアレが生じている場所を白色で繋ぐ等の方法で色モアレの除去が可能となる。
【0035】
一方、
図3の符号12で示した場所で発生している緑とマゼンタの色モアレは、斜め方向の細い線を再現しようとして生じるものである。
図6は、緑とマゼンタの色モアレが発生している様子をベイヤ配列で示す説明図である。
【0036】
しかし、この緑とマゼンタの色モアレは、シアンとオレンジの色モアレのように緑との相関をとることで色モアレの発生を判定することが出来ない。シアンとオレンジの色モアレと違って、
図6に示したように、常に緑がついているとは限らないからである。
【0037】
緑とマゼンタの色モアレは、ソフトウェア的には以下の様な処理によって除去することが可能である。緑とマゼンタの繰り返しパタンの自然画像での出現確率は非常に低く、また斜め方向の細線を撮像した画像上では、広範囲で完全な一定の周波数である可能性は非常に低いことから、広範囲の画像を観測し、緑とマゼンタの繰り返しパタンが存在する場合、実際にはその場所は斜め方向の白黒の細線であると判定すること自体は可能である。ソフトウェア的に処理する場合、例えば128ピクセル×128ピクセルや、大きいものでは512ピクセル×512ピクセルといった空間を用いて上記の状況を判定している。
【0038】
このようにソフトウェア的には緑とマゼンタの色モアレを判定し、緑とマゼンタの色モアレを除去する処理は容易である。しかし、ハードウェア的に同様の処理を行なうことは非常に困難を極める。
【0039】
そこで本件発明者は、色モアレを除去するための技術、特に、緑との相関をとることで色モアレの発生を判定することが出来ない緑とマゼンタの色モアレを効果的に除去するための技術について鋭意検討を行った。その結果、本件発明者は、以下で説明するように、デジタル画像信号から得られる画像データを縮小し、縮小した画像データに対して色モアレの発生を判定し、判定結果に基づいて色モアレを除去することが出来る技術を考案するに至った。
【0040】
以上、本発明の実施の形態に至った背景について説明した。続いて、本発明の一実施形態について詳細に説明する。
【0041】
<2.本発明の一実施形態>
[2.1.機能構成例]
まず、本発明の一実施形態に係る撮像装置の機能構成例について詳細に説明する。
図7は、本発明の一実施形態に係る撮像装置100の機能構成例を示す説明図である。以下、
図7を用いて本発明の一実施形態に係る撮像装置100の機能構成例について説明する。
【0042】
図7に示したように、本発明の一実施形態に係る撮像装置100は、撮像部102と、補間処理部106と、コーデック部108と、通信部110と、バス112と、制御部114と、DDR SDRAM(Double Data Rate Synchronous Dynamic Random Access Memory)116と、を含んで構成される。
【0043】
撮像部102は、ズームレンズ(Zoom Lens)やフォーカスレンズ(Focus Lens)を含む複数のレンズ群やイメージセンサなどで構成される。撮像部102は、イメージセンサの受光面に形成される被写体像を光電変換して、所定のノイズ除去処理や感度調整処理、アナログ/デジタル変換(A/D変換)等の信号処理を施すことでデジタル画像信号を生成する。
【0044】
撮像部102に設けられるイメージセンサは、CCDイメージセンサでもCMOSイメージセンサでもよい。また撮像部102に設けられるイメージセンサの受光面には、カラー画像の撮像のためにベイヤ配列の原色フィルタが設けられる。撮像部102が生成したデジタル画像信号は、バス112を経由してDDR SDRAM116に格納される。
【0045】
本実施形態では、撮像部102は、デジタル画像信号を生成する際に、縮小を行っていない画像信号に加え、所定のサイズに縮小した縮小画像データを生成し、縮小画像データについてもバス112を経由してDDR SDRAM116に格納する。例えば撮像部102は、画素加算を行なって、水平方向及び垂直方向を1/4に縮小した縮小画像データを生成し、DDR SDRAM116に格納する。この縮小画像データは、後述の補間処理部106におけるモアレ判定処理に用いられる。
【0046】
補間処理部106は、撮像部102が生成し、DDR SDRAM116に格納されたデジタル画像信号に対して補間処理、例えばCFA(Color Filter Array)補間処理を行うことで現像処理を行なう。補間処理部106による現像処理を行って得られる画像データは、バス112を経由してDDR SDRAM116に格納される。
【0047】
そして本実施形態では、補間処理部106は、デジタル画像信号に対する現像処理を行う前に、撮像部102が生成し、DDR SDRAM116に格納された、当該デジタル画像信号を所定のサイズに縮小した後に現像することで生成される縮小画像データに対してモアレ判定処理を行なう。色モアレ現象は画像を縮小しても削減されず、また画像を縮小すると元画像の大きさよりも情報が凝縮されるため、より急峻な変化となり目立つという側面がある。
【0048】
色モアレが発生する細線の画像を、画素がベイヤ配列されたイメージセンサを備える装置で撮像する場合には、赤と青、緑との相関がないため、R,Gb,Gr,Bの信号毎に加算(Binning)した場合でも色モアレの現象はなくならず、画像全体で見た際の色モアレの発生位置は、元画像と縮小画像とでは同一の位置である。
【0049】
本実施形態は、このような側面を利用して、補間処理部106において縮小画像データに対してモアレ判定処理を行なう。縮小画像データに対してモアレ判定処理を行なうことで、本発明の一実施形態に係る撮像装置100は、垂直方向及び水平方向が1/4に縮小された画像であれば、同じメモリ量でも16倍の空間を観測して色モアレの発生の有無を判定することが可能となる。
【0050】
コーデック部108は、補間処理部106によって生成された画像データに対するエンコード処理や、エンコードされた画像データのデコード処理を行なう。エンコード処理及びデコード処理を総称してコーデック処理という。コーデック部108によってコーデック処理された画像データは、バス112を経由してDDR SDRAM116に格納される。
【0051】
通信部110は、外部の装置に対する情報の送信処理や、外部の装置からの情報の受信処理を実行する。例えば通信部110は、コーデック部108によってエンコードされた画像データを外部の装置に送信する。
【0052】
制御部114は、例えばCPU(Central Processing Unit)などで構成され、撮像装置100の各部の動作を制御する。
【0053】
なお
図1には図示しないが、撮像装置100は、撮像部102に対して画像の撮像をユーザが指示するためのシャッタボタン、撮像装置100に対するユーザの操作を受け付ける操作ボタン、補間処理部106によって生成された画像データを保存するための記録媒体などを備えていても良い。補間処理部106によって生成された画像データを保存するための記録媒体は、撮像装置100からの取り外しが可能なものであってもよい。
【0054】
以上、
図7を用いて本発明の一実施形態に係る撮像装置100の機能構成例について説明した。続いて、本発明の一実施形態に係る撮像装置100に含まれる補間処理部106の詳細な機能構成例について説明する。
【0055】
図8は、本発明の一実施形態に係る撮像装置100に含まれる補間処理部106の詳細な機能構成例を示す説明図である。以下、
図8を用いて本発明の一実施形態に係る撮像装置100に含まれる補間処理部106の詳細な機能構成例について説明する。
【0056】
図8に示したように、補間処理部106は、RDMA(Read Direct Memory Access)コントローラ121と、バッファメモリ122と、メモリ制御部123と、画像生成部124と、モアレ判定部125と、スイッチ部126と、WDMA(Write Direct Memory Access)コントローラ127と、を含んで構成される。
【0057】
RDMAコントローラ121は、撮像部102が生成したデジタル画像信号や、デジタル画像信号を所定のサイズに縮小した後に現像することで生成される縮小画像データをDDR SDRAM116からバス112を経由して読み出す。そしてRDMAコントローラ121は、撮像部102が生成したデジタル画像信号や、縮小画像データをDDR SDRAM116からバス112を経由して読み出すと、読み出したデジタル画像信号や縮小画像データをバッファメモリ122に格納する。
【0058】
本実施形態では、補間処理部106は、撮像部102が生成したデジタル画像信号の現像処理を行なうモード(便宜的にモードAと称する)と、撮像部102が生成したデジタル画像信号を所定のサイズに縮小した後に現像して得られる縮小画像データに対する色モアレの判定処理を行なうモード(便宜的にモードBと称する)と、の2つの動作モードを切り替えて動作する。
【0059】
補間処理部106がモードAで動作する場合は、RDMAコントローラ121は、撮像部102が生成したデジタル画像信号をDDR SDRAM116からバス112を経由して読み出す。
【0060】
一方、補間処理部106がモードBで動作する場合は、RDMAコントローラ121は、撮像部102が生成したデジタル画像信号を所定のサイズに縮小した後に現像して得られる縮小画像データをDDR SDRAM116からバス112を経由して読み出す。
【0061】
バッファメモリ122は、例えばSRAM(Static Random Access Memory)等のメモリで構成される。バッファメモリ122は、RDMAコントローラ121から送られてくるデジタル画像信号や縮小画像データを格納する。バッファメモリ122が格納したデジタル画像信号や縮小画像データは、メモリ制御部123によって順次読み出される。
【0062】
本実施形態では、バッファメモリ122は、デジタル画像信号を格納する際にはラインメモリとして機能する。またバッファメモリ122は、縮小画像データを格納する際には、ラインメモリの各ラインがさらに複数のブロックに分割された状態のメモリとして機能する。
【0063】
補間処理部106がモードAで動作する場合は、バッファメモリ122は、RDMAコントローラ121から送られてくるデジタル画像信号を格納する。一方、補間処理部106がモードBで動作する場合は、バッファメモリ122は、RDMAコントローラ121から送られてくる縮小画像データを格納する。
【0064】
メモリ制御部123は、バッファメモリ122に格納されたデータ、すなわちデジタル画像信号や縮小画像データの読み出しを制御する。本実施形態では、バッファメモリ122にデジタル画像信号が格納されている場合には、メモリ制御部123は画像生成部124から指示されたアドレス情報に基づいてバッファメモリ122からデジタル画像信号を読み出す。またバッファメモリ122に縮小画像データが格納されている場合には、メモリ制御部123はモアレ判定部125から指示されたアドレス情報に基づいてバッファメモリ122からデジタル画像信号を読み出す。
【0065】
補間処理部106がモードAで動作する場合は、メモリ制御部123は、画像生成部124からの指示に基づきバッファメモリ122に格納されたデータの読み出しを行う。一方、補間処理部106がモードBで動作する場合は、メモリ制御部123は、モアレ判定部125からの指示に基づきバッファメモリ122に格納されたデータの読み出しを行う。
【0066】
画像生成部124は、バッファメモリ122に格納され、メモリ制御部123から読み出されたデジタル画像信号に対する画素間の補間処理を行なうことで現像処理(画像データを生成する処理)を行なう。本実施形態では、画像生成部124はデジタル画像信号に対してCFA補間処理を行なうことで現像処理を行なう。
【0067】
また画像生成部124は、後述のモアレ判定部125による色モアレが発生している領域を判定する色モアレ判定処理の結果に基づいて、色モアレを除去しながら補間処理を行なう。画像生成部124は、色モアレを除去する際には、例えば色モアレが生じている場所を白色で繋ぎながら補間処理を行なう。この色モアレの除去方法は特定の方法に限定されるものではなく、画像生成部124は、モアレ判定部125による色モアレ判定処理の結果に基づいて効果的に色モアレを除去することが可能となる。
【0068】
画像生成部124は、メモリ制御部123に対してバッファメモリ122からのデジタル画像信号の読み出しを指示する際に、複数ライン単位で読み出して画像生成部124へ出力するようにアドレス情報を指示する。画像生成部124は、複数ライン単位で読み出されたデジタル画像信号に対する補間処理を1枚の画像が完成するまで繰り返すことで画像データを生成する。画像生成部124は、現像処理により生成した画像データを、WDMAコントローラ127に送る。
【0069】
モアレ判定部125は、バッファメモリ122に格納され、メモリ制御部123から読み出された縮小画像データに対し、色モアレが発生している領域を判定する色モアレ判定処理を行なう。モアレ判定部125は、縮小画像データの全体に対して色モアレ判定処理を行なうため、メモリ制御部123に対してバッファメモリ122からの縮小画像データの読み出しを指示する際に、縮小画像データ全体を読み出してモアレ判定部125に出力するようにアドレス情報を指示する。
【0070】
そしてモアレ判定部125は、メモリ制御部123から送られる縮小画像データの全体に対して、色モアレ、すなわち特定の2つの色が繰り返して現れるパタンが存在する場所を、細分化されてバッファメモリ122に格納された縮小画像データの各領域単位で判定する。
【0071】
モアレ判定部125は、縮小画像データの各領域に対して、色モアレの発生の有無を判定するが、本実施形態では、色モアレの発生の有無を判定する際に、色モアレである確からしさを複数の段階、例えば1から10の10段階で判定してもよい。この場合、数字が大きい方を色モアレである確からしさが高いとしてもよい。
【0072】
モアレ判定部125は、縮小画像データの各領域に対する色モアレ判定処理の結果を、それぞれの領域を識別する情報と、色モアレ判定処理の結果とを紐付けて、WDMAコントローラ127に送る。
【0073】
スイッチ部126は、補間処理部106がモードAで動作する場合は、画像生成部124とWDMAコントローラ127とを接続し、補間処理部106がモードAで動作する場合は、モアレ判定部125とWDMAコントローラ127とを接続するような切り替え動作を行なう。
【0074】
WDMAコントローラ127は、画像生成部124の現像処理によって生成した画像データや、モアレ判定部125による色モアレ判定処理の結果を、バス112を通じてDDR SDRAM116に格納する。
【0075】
補間処理部106がモードAで動作する場合は、WDMAコントローラ127は、画像生成部124の現像処理によって生成した画像データをDDR SDRAM116に格納する。
【0076】
一方、補間処理部106がモードBで動作する場合は、WDMAコントローラ127は、モアレ判定部125による色モアレ判定処理の結果をDDR SDRAM116に格納する。
【0077】
本発明の一実施形態に係る撮像装置100に含まれる補間処理部106は、
図8に示したような構成を有することで、縮小画像データの各領域に対して色モアレの発生を判定し、色モアレの発生の判定結果に基づいて、色モアレを除去しつつ現像処理を行い、色モアレが除去された画像データを生成することが出来る。
【0078】
以上、
図8を用いて本発明の一実施形態に係る撮像装置100に含まれる補間処理部106の詳細な機能構成例について説明した。続いて、本発明の一実施形態に係る撮像装置100の動作例について説明する。
【0079】
[2.2.動作例]
図9は、本発明の一実施形態に係る撮像装置100の動作例を示す流れ図である。
図9に示したのは、デジタル画像信号を縮小した後に現像して得られる縮小画像データに対して色モアレ判定処理を行い、色モアレ判定処理の結果に基づいて、色モアレを除去しながら縮小画像データの基になっているデジタル画像信号に対する現像処理を行なう際の、撮像装置100の動作例である。以下、
図9を用いて本発明の一実施形態に係る撮像装置100の動作例について説明する。
【0080】
撮像装置100は、まず現像処理対象のデジタル画像信号を縮小した後に現像して得られる縮小画像データに対して色モアレ判定処理を実行して、色モアレが発生している領域を判定する。撮像装置100は、DDR SDRAM116に格納されている上記縮小画像データを読み出し(ステップS101)、読み出した当該縮小画像データを、複数の同じサイズの矩形領域に分け、領域ごとに色モアレが発生しているかどうかを判定する(ステップS102)。ステップS101の読み出し処理は例えばRDMAコントローラ121が実行し、ステップS102の判定処理は、例えばモアレ判定部125が実行する。
【0081】
撮像装置100は、DDR SDRAM116から出した上記縮小画像データの全体に対して、色モアレ、すなわち特定の2つの色が繰り返して現れるパタンが存在する場所を、細分化されてバッファメモリ122に格納された縮小画像データの各領域単位で判定する。撮像装置100は、DDR SDRAM116から出した上記縮小画像データの各領域に対して色モアレの発生の有無を判定するが、本実施形態では、色モアレの発生の有無を判定する際に、色モアレである確からしさを複数の段階、例えば1から10の10段階で判定してもよい。この場合、数字が大きい方を色モアレである確からしさが高いとしてもよい。
【0082】
撮像装置100は、ある領域に対して色モアレを判定する際には、他の領域、特に隣接する領域との比較によって色モアレかどうかを判定してもよい。例えば撮像装置100は、縮小画像データのある領域を観察した結果、緑とマゼンタの繰り返しパタンが見つかった場合に、隣接している領域にその緑とマゼンタの繰り返しパタンが見つからなかったときは、その緑とマゼンタの繰り返しパタンを色モアレの可能性が高いと判定してもよい。
【0083】
撮像装置100は、縮小画像データで領域ごとに色モアレが発生しているかどうかを判定すると、領域を識別する情報と、その領域の判定結果とを紐付けて、DDR SDRAM116に記録する(ステップS103)。ステップS103の記録処理は、例えばWDMAコントローラ127が実行する。
【0084】
領域を識別する情報は、例えば、縮小画像データの左上の領域を0として、右方向に向かって値が増加し、一番右端の領域に達したら1段下に移り、左端から右方向に向かって再び値が増加し、これを右下の領域に達するまで繰り返すものであってもよい。
【0085】
続いて撮像装置100は、色モアレ判定処理を行った縮小画像データの基となるデジタル画像信号及び色モアレ判定処理の結果をDDR SDRAM116から読み出す(ステップS104)。ステップS104の読み出し処理は例えばRDMAコントローラ121が実行する。
【0086】
そして撮像装置100は、DDR SDRAM116から読み出したデジタル画像信号に対し、色モアレ判定処理の結果に基づいて色モアレを除去しながら、画素間の補間処理によって画像データを生成する現像処理を実行する(ステップS105)。ステップS105の処理は例えば画像生成部124が実行する。
【0087】
例えば、縮小画像データの左上の領域で色モアレが発生しているという判定結果が出た場合は、撮像装置100は、デジタル画像信号におけるその領域に対応する領域について、色モアレを除去しながら画素間の補間を行なう。撮像装置100は、例えば色モアレが生じている場所を白色で繋ぎながら補間処理を行なうことで色モアレを除去するが、この色モアレの除去方法は特定の方法に限定されるものではない。
【0088】
本発明の一実施形態に係る撮像装置100は、
図9に示したような一連の動作を実行することで、縮小画像データの各領域に対して色モアレの発生を判定し、色モアレの発生の判定結果に基づいて、色モアレを除去しつつ現像処理を行い、色モアレが除去された画像データを生成することが出来る。
【0089】
<3.まとめ>
以上説明したように本発明の一実施形態によれば、縮小画像データの各領域に対して色モアレの発生を判定し、色モアレの発生の判定結果に基づいて、色モアレを除去しつつ現像処理を行い、色モアレが除去された画像データを生成することが可能な撮像装置100が提供される。
【0090】
本発明の一実施形態に係る撮像装置100は、縮小画像データの各領域に対して色モアレの発生を判定することで、メモリ容量が少ない場合であっても、ハードウェア的に色モアレの発生を適確に判定することができる。
【0091】
本明細書における装置が実行する処理における各ステップは、必ずしもフローチャート(flowchart)やシーケンス(sequence)図として記載された順序に沿って時系列に処理される必要はない。例えば、各装置が実行する処理における各ステップは、フローチャートとして記載した順序と異なる順序で処理されても良く、並列的に処理されてもよい。
【0092】
また上述した各装置の構成と同等の機能を、本明細書における装置に内蔵されるCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)などのハードウェア(図示せず)に発揮させるためのコンピュータプログラムも作成されることができる。また、該コンピュータプログラムを記憶させた記憶媒体も提供されることが可能である。また、機能ブロック図で示したそれぞれの機能ブロックをハードウェアで構成することで、一連の処理をハードウェアで実現することもできる。
【0093】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。