特許第6629151号(P6629151)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6629151
(24)【登録日】2019年12月13日
(45)【発行日】2020年1月15日
(54)【発明の名称】加熱調理器
(51)【国際特許分類】
   F24C 1/00 20060101AFI20200106BHJP
   F24C 3/02 20060101ALI20200106BHJP
   F24C 13/00 20060101ALI20200106BHJP
【FI】
   F24C1/00 370B
   F24C1/00 310A
   F24C1/00 360G
   F24C3/02 G
   F24C13/00 A
【請求項の数】5
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2016-159732(P2016-159732)
(22)【出願日】2016年8月16日
(65)【公開番号】特開2018-28396(P2018-28396A)
(43)【公開日】2018年2月22日
【審査請求日】2019年1月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000194893
【氏名又は名称】ホシザキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100155099
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 裕輔
(72)【発明者】
【氏名】畑田 康治
(72)【発明者】
【氏名】田中 克幸
(72)【発明者】
【氏名】米倉 祐志
(72)【発明者】
【氏名】小野 啓太
(72)【発明者】
【氏名】増田 翔太郎
【審査官】 河内 誠
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−9866(JP,A)
【文献】 実開昭55−166303(JP,U)
【文献】 特開2012−189274(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24C 1/00−15/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジング内に設けた調理庫と、
前記ハウジング内の前記調理庫を除いた空間に設けた機械室と、
前記調理庫内を燃焼ガスにより加熱する燃焼装置と、
前記機械室内に設けられて、前記燃焼装置の作動を制御する制御装置とを備えた加熱調理器であって、
前記燃焼装置は、燃焼用空気を送り出すブロアファンと、燃料ガスを送り出すガス供給管と、前記燃焼用空気と前記燃料ガスとを流入させて混合ガスとして混合する混合管と、前記混合管の混合ガスを燃焼させて燃焼ガスを発生させるバーナとを備え、前記バーナによって発生させた燃焼ガスを前記調理庫内を通過させることで前記調理庫内を加熱させるものであり、
前記制御装置は、前記ブロアファンの出力を制御することで、前記燃焼装置による燃焼ガスの出力を制御するインバータ回路を備え、
前記機械室の底部には前記ブロアファンが吸い込む空気を前記機械室内に取り込む空気取込口が形成され、前記空気取込口から前記ブロアファンに空気が導かれる空気の通路に前記インバータ回路を配置したことを特徴とする加熱調理器。
【請求項2】
請求項1に記載の加熱調理器において、
前記ブロアファンは前記機械室の上部に設けられ、
前記インバータ回路は前記機械室の周壁にブラケットにより固定され、
前記ブラケットには前記機械室の周壁との間に上下方向に空気が通過する通風路が形成されたことを特徴する加熱調理器。
【請求項3】
請求項1または2に記載の加熱調理器において、
前記機械室には前記制御装置を冷却する冷却ファンを設け、
前記空気取込口から前記冷却ファンに空気が導かれる空気の通路に前記制御装置を配置するとともに、前記冷却ファンから空気が吹き出される位置に前記燃焼装置を配置したことを特徴とする加熱調理器。
【請求項4】
請求項3に記載の加熱調理器において、
前記ハウジングの前記機械室側の前壁に前記加熱調理器の操作入力をするための操作パネルを配設するとともに、前記操作パネルの後側に前記制御装置を配置し、
前記冷却ファンは吸込み側を前側とするとともに吹出し側を後側として前記操作パネルの後側の上部に配置するとともに、前記冷却ファンの後側の吹出し側に前記燃焼装置を配置したことを特徴とする加熱調理器。
【請求項5】
請求項4に記載の加熱調理器において、
前記機械室には、前記調理庫内の空気を対流させる対流ファンのファンモータと、前記調理庫内と前記ハウジング外を連通させる給排気管と、前記給排気管に介装されて前記給排気管を開閉する給排気弁と、前記調理庫内に蒸気を供給する蒸気発生装置と、前記機械室内の空気を排出する排気ファンとを備え、
前記ファンモータを前記機械室の前後方向の中央部に配置するとともに、前記給排気弁が介装された前記給排気管を前記ファンモータの上側で前記燃焼装置の後側に配置し、前記蒸気発生装置を前記ファンモータ及び前記給排気管の後側に配置し、前記ハウジングの前後方向の中央部に前記排気ファンを配置するようにし、
前記給排気管と前記ファンモータとの間には仕切板を設け、前記仕切板の後縁には上側に延びて前記給排気管と前記蒸気発生装置を隔てる隔壁板部を設けたことを特徴とする加熱調理器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スチームコンベクションオーブン等の加熱調理器に関し、調理庫内を混合ガスを燃焼させた燃焼ガスにより加熱する燃焼装置を備えた加熱調理器に関する。
【背景技術】
【0002】
下記の特許文献1には、蒸気を含んだ熱風により食材を加熱調理する加熱調理器が開示されており、この加熱調理器は、ハウジング内に設けた調理庫と、ハウジング内の調理庫を除いた空間よりなる機械室と、調理庫内を燃焼ガスにより加熱する燃焼装置と、調理庫内の空気を対流させる対流ファンと、調理庫内に蒸気を供給する蒸気発生装置とを備えている。この加熱調理器では、調理庫内で燃焼装置と対流ファンとの作動によって生成された熱風に蒸気発生装置の作動による蒸気が供給され、調理庫内の食材は蒸気を含んだ熱風によって加熱調理される。
【0003】
この加熱調理器の燃焼装置は、混合ガスを燃焼させた燃焼ガスにより調理庫内を加熱するものである。この燃焼装置は、燃焼用空気を送り出すブロアファンと、燃料ガスを送り出すガス供給管と、ブロアファンにより送り出された燃焼用空気とガス供給管により送り出された燃料ガスとを流入させて混合ガスとして混合する混合管と、混合管の混合ガスを燃焼させて燃焼ガスを発生させるバーナと、燃焼ガスを通過させる加熱管とを備え、調理庫内に配設されたバーナと加熱管を除いて機械室に配置されている。また、機械室にはブロアファンの風量を可変制御するインバータ回路が設けられており、燃焼装置による出力(火力)はインバータ回路によって調整されたブロアファンの風量によって調整可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013−200111号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した特許文献1に記載の加熱調理器では、機械室内はインバータ回路の発熱と燃焼装置のバーナの燃焼の影響とにより温度が高くなりやすく、インバータ回路の使用可能な温度範囲を超えることがあった。このため、機械室内を適切に排熱させるようにしないと、インバータ回路を正常に作動させることができず、調理庫内を燃焼装置によって適切に加熱できないできないおそれがあった。本発明は、燃焼ガスにより調理庫内を加熱する加熱調理器において、機械室内のインバータ回路が熱によって正常に作動できないようになるのを防ぐことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は、ハウジング内に設けた調理庫と、ハウジング内の調理庫を除いた空間に設けた機械室と、調理庫内を燃焼ガスにより加熱する燃焼装置と、機械室内に設けられて、燃焼装置の作動を制御する制御装置とを備えた加熱調理器であって、燃焼装置は、燃焼用空気を送り出すブロアファンと、燃料ガスを送り出すガス供給管と、燃焼用空気と燃料ガスとを流入させて混合ガスとして混合する混合管と、混合管の混合ガスを燃焼させて燃焼ガスを発生させるバーナとを備え、バーナによって発生させた燃焼ガスを調理庫内を通過させることで調理庫内を加熱させるものであり、制御装置は、ブロアファンの出力を制御することで、燃焼装置による燃焼ガスの出力を制御するインバータ回路を備え、機械室の底部にはブロアファンが吸い込む空気を機械室内に取り込む空気取込口が形成され、空気取込口からブロアファンに空気が導かれる空気の通路にインバータ回路を配置したことを特徴とする加熱調理器を提供するものである。
【0007】
上記のように構成した加熱調理器においては、機械室の底部にはブロアファンが吸い込む空気を機械室内に取り込む空気取込口が形成され、空気取込口からブロアファンに空気が導かれる空気の通路にインバータ回路を配置したので、インバータ回路は機械室内にて空気取込口からブロアファンに導かれる空気によって冷却されるようになり、インバータ回路が高温となって作動しないようになるのを防ぐことができた。
【0008】
上記のように構成した加熱調理器においては、ブロアファンは機械室の上部に設けられ、インバータ回路は機械室の周壁にブラケットにより固定され、ブラケットには機械室の周壁との間に上下方向に空気が通過する通風路が形成されるようにするのが好ましい。このようにしたときには、空気取込口からブロアファンに導かれる空気がブラケットと機械室の周壁との間の通風路路を通過することによって、インバータ回路を効率よく冷却できるようになった。
【0009】
上記のように構成した加熱調理器においては、機械室には制御装置を冷却する冷却ファンを設け、空気取込口から冷却ファンに空気が導かれる空気の通路に制御装置を配置するとともに、冷却ファンから空気が吹き出される位置に燃焼装置を配置するのが好ましい。このようにしたときには、冷却ファンにより制御装置と燃焼装置の両方を効率よく冷却することができるようになった。
【0010】
上記のように構成した加熱調理器においては、ハウジングの機械室側の前壁に加熱調理器の操作入力をするための操作パネルを配設するとともに、操作パネルの後側に制御装置を配置し、冷却ファンは吸込み側を前側とするとともに吹出し側を後側として操作パネルの後側の上部に配置するとともに、冷却ファンの後側の吹出し側に燃焼装置を配置するのが好ましい。このようにしたときには、操作パネルと制御装置との配線を短くして、冷却ファンに配線が巻き込まれるのを防ぐことも可能となった。
【0011】
上記のように構成した加熱調理器においては、機械室には、調理庫内の空気を対流させる対流ファンのファンモータと、調理庫内とハウジング外を連通させる給排気管と、給排気管に介装されて給排気管を開閉する給排気弁と、調理庫内に蒸気を供給する蒸気発生装置と、機械室内の空気を排出する排気ファンとを備え、ファンモータを機械室の前後方向の中央部に配置するとともに、給排気弁が介装された給排気管をファンモータの上側で燃焼装置の後側に配置し、蒸気発生装置をファンモータ及び給排気管の後側に配置し、ハウジングの前後方向の中央部に排気ファンを配置するようにし、給排気管とファンモータとの間には仕切板を設け、仕切板の後縁には上側に延びて給排気管と蒸気発生装置を隔てる隔壁板部を設けるのが好ましい。このようにしたときには、制御装置と燃焼装置とを冷却した冷却ファンによる排気をさらに給排気管を通過させて給排気弁が高温となるのを防ぐことができるとともに、給排気弁が隔壁板部によって蒸気発生装置による熱の影響を受けないようにすることができた。さらに、冷却ファンにより給排気管を通過させた排気を排気ファンによりハウジングの外側に排出できるようになったので、機械室に熱がこもるのを防ぐことができた。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の加熱調理器の一実施形態の正面図である。
図2図1の左側面図である
図3図1のA−A線における横方向の断面図である。
図4図1のB−B線における縦方向の断面図である
図5】ハウジングの左側壁をはずした状態の斜視図である。
図6図2のC−C線における縦方向の断面斜視図である。
図7】蒸気送出筒に給排気管を接続したときの概略図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の加熱調理器の一実施形態を添付図面を参照して説明する。図1図3に示したように、加熱調理器10は、ハウジング11内に調理庫12と、ハウジング11内の調理庫12を除いた空間に機械室13とを備え、この実施形態では、ハウジング11の左側部を除いた部分に調理庫12を配置し、ハウジング11の左側部の空間に機械室13を備えている。
【0014】
図3及び図4に示したように、調理庫12は食材を収容し、収容した食材を加熱調理するためのものである。調理庫12の前面には食材を出し入れする開口部が設けられており、前面の開口部は扉14によって開閉される。調理庫12の外周面は断熱材により覆われており、調理庫12内の熱は機械室13及びハウジング11外に伝わりにくくなっている。
【0015】
図3図5に示したように、加熱調理器10は、調理庫12内の空気を対流させる対流ファン15と、調理庫12内の温度を検出する温度センサ16と、調理庫12内を加熱する燃焼装置20と、調理庫12内に蒸気を発生させる蒸気発生装置30とを備えている。対流ファン15は調理庫12内の空気を対流させるものであり、調理庫12内に対流ファン15のファン羽根15aと機械室13に対流ファン15のファンモータ15bを備えている。ファン羽根15aはファンモータ15bの作動によって回転し、調理庫12の空気はファン羽根15aの回転よって対流する。
【0016】
図3図5に示したように、燃焼装置20は、燃焼用空気と燃料ガスの混合ガスを燃焼させたときの燃焼ガスによって調理庫12内を加熱するものである。燃焼装置20は、機械室13内に主要な構成部品であるブロアファン21とガス供給管23と混合管24とを備え、調理庫12内に加熱管25とバーナ26とを備えている。
【0017】
図5に示したように、ブロアファン21は燃焼用空気を供給するものであり、ブロアファン21は機械室13の前側の上部に配置されている。ブロアファン21は調理庫12側に吸気口が配置され、ブロアファン21の送風口は送風管22によって混合管24に接続されている。ブロアファン21の吸気口から吸い込まれた燃焼用空気は送風管22によって混合管24に供給される。混合管24にはガス供給源から燃料ガスが供給されるガス供給管23が接続されており、ガス供給源の燃料ガスはガス供給管23によって混合管24に供給される。ガス供給管23にはガスバルブ27が介装されており、燃料ガスはガスバルブ27を開放させたときにガス供給管23から混合管24に供給される。ガス供給管23には均圧弁28が介装されており、均圧弁28は圧力検出管23aによって送風管22に接続されている。均圧弁28はブロアファン21から送風管22を通って混合管24に供給される空気の圧力に応じた開度で開放され、ガス供給管23から混合管24に供給される燃料ガスの風量(流量)は燃焼用空気の風量に応じて調整される。
【0018】
混合管24には、上述したようにブロアファン21の送風口から送出された燃焼用空気と、ガス供給管23から送出された燃料ガスとが供給され、これら燃焼用空気と燃料用空気とが混合されて混合ガスとなる。混合管24には送風管22及びガス供給管23が接続された一端側と反対の他端側にバーナ26が接続されており、混合管24から供給される混合ガスはバーナ26により燃焼して高温の燃焼ガスとなる。調理庫12の左側壁の周縁部には加熱管25が配設されており、加熱管25内にバーナ26が配置されている。混合管24から供給された混合ガスはバーナ26で燃焼されて高温の燃焼ガスとなって加熱管25内を通過し、調理庫12内は加熱管25内を通過する燃焼ガスによって加熱される。
【0019】
図3及び図5に示すように、機械室13の後部には、調理庫12内に蒸気を供給するための蒸気発生装置30が設けられている。蒸気発生装置30は、所定の水位の水を貯える蒸気発生容器31を備えており、蒸気発生容器31内には加熱器(図示省略)が設けられている。加熱器は、燃焼ガスを通過させることで蒸気発生容器31内の水を加熱するものであり、調理庫12内を加熱する燃焼装置20と同様に、燃焼用空気と燃料ガスとの混合ガスを燃焼させた燃焼ガスが通過し、通過する燃焼ガスにより蒸気発生容器31内の水を加熱する。
【0020】
蒸気発生容器31の上部には蒸気送出筒32が設けられており、蒸気発生容器31は蒸気送出筒32によって調理庫12に接続されている。蒸気発生容器31内で発生した蒸気は蒸気送出筒32によって調理庫12内に導かれる。蒸気発生容器31の外側には水位検出容器33が固定されており、水位検出容器33内にはフロートスイッチ(図示省略)が設けられている。水位検出容器33の下部は蒸気発生容器31の下部に接続されており、フロートスイッチは水位検出容器33内の所定の水位を検出することで蒸気発生容器31内の所定の水位を検出するものである。水位検出容器33には水道等の給水源から導出された給水管34が接続されており、給水管34には給水弁(図示しない)が介装されている。給水弁を開放すると、水道等の給水源の水は給水管34から水位検出容器33に送られ、水位検出容器33を介して蒸気発生容器31に送られる。この蒸気発生装置30では、蒸気発生容器31内の水は加熱器を通過する燃焼ガスにより加熱されて蒸気となり、蒸気発生容器31内の蒸気は蒸気送出筒32によって調理庫12に導かれる。
【0021】
図3及び図5に示したように、機械室13には調理庫12とハウジング11外を連通する給排気管17が設けられており、給排気管17は機械室13の前後方向の中央部にてファンモータ15bの上側に設けられている。給排気管17は、調理庫12内の空気をハウジング11外に排出またはハウジング11外の空気を調理庫12内に流入させるものである。給排気管17には給排気弁17aが介装されており、調理庫12内の空気またはハウジング11外の空気は給排気弁17aを開放させたときに給排気管17を通過する。
【0022】
図1図3に示したように、ハウジング11の機械室13側の前壁には操作パネル18が配設されており、操作パネル18には加熱調理器10の各種調理プログラムを選択等する各種操作スイッチは設けられている。図3図5及び図6に示したように、操作パネル18の後側には加熱調理器10の作動を制御する制御装置40が設けられており、制御装置40は、対流ファン15(特にファンモータ15b)、温度センサ16、給排気弁17a、操作パネル18、燃焼装置20、蒸気発生装置30に接続されている。なお、制御装置40は操作パネル18の直ぐ後側に設けられているので、操作パネル18を接続する配線が断線されにくくなっている。
【0023】
制御装置40はマイクロコンピュータ(図示省略)を有しており、マイクロコンピュータは、バスを介してそれぞれ接続されたCPU、RAM、ROM及びタイマ(いずれも図示省略)を備えている。制御装置40は、ROMに調理庫12内の食材を加熱調理する調理プログラムを備えている。調理プログラムは、対流ファン15と燃焼装置20とを作動させて対流する熱風により食材を加熱調理するホットエアーモード調理プログラムと、対流ファン15と蒸気発生装置30を作動させて対流する蒸気により食材を加熱調理するスチームモード調理プログラムと、対流ファン15と燃焼装置20と蒸気発生装置30を作動させて対流する蒸気を含んだ熱風により食材を加熱調理するコンビモード調理プログラムとの3種類のモードよりなる調理プログラムを備えている。
【0024】
制御装置40は燃焼装置20のブロアファン21の出力(風量)を制御することで、燃焼装置20による燃焼ガスの出力(火力)を制御するインバータユニット41を備えている。図5及び図6に示したように、インバータユニット41は、機械室13に固定するブラケット42と、インバータ回路43、ヒートシンク(放熱器)44とを備えている。ブラケット42はインバータ回路43を機械室13内に固定するものであり、機械室13内の周壁として燃焼装置20の下側で調理庫12の左側壁外面の断熱材に固定されている。ブラケット42は水平方向の断面がコ字形の両端に外側に拡がる取付用のフランジが形成された形状をして、インバータ回路43の放熱効率を高めるために調理庫12との間に上下方向の通風路42aが形成されている。ブラケット42にはインバータ回路43とヒートシンク44が固定されている。インバータ回路43は制御装置40の制御信号に基づいてブロアファン21の出力(回転数)を制御するものである。なお、インバータユニット41は蒸気発生装置30の燃焼装置のブロアファンの出力を制御するインバータ回路も備えている。ヒートシンク44は作動時に発熱するインバータ回路43を放熱させるものであり、インバータ回路43の上側でブラケット42に固定されている。
【0025】
機械室13には制御装置40及びインバータユニット41の排熱のために以下に記載する排熱機構が設けられている。図6に示したように、ハウジング11には機械室13の前側底部に空気の空気取込口13aが形成されており、機械室13には空気取込口13aから外気が導入されるようになっている。なお、空気取込口13aにはフィルターが設けられており、機械室13には空気取込口13aから異物が侵入しないようになっている。インバータユニット41は機械室13内にて空気取込口13aと燃焼装置20のブロアファン21との間に配置されており、図6の2点鎖線の矢印にて空気の流れを示したように、空気取込口13aから機械室13に導入された空気はインバータユニット41を通過してブロアファン21の吸気口に吸い込まれる。このとき、インバータユニット41は空気取込口13aから機械室13に導入された空気がブロアファン21の吸気口に吸い込まれるときに冷却される。また、ブラケット42には調理庫12の左側壁外面との間に上下方向の通風路42aが形成されているので、インバータユニット41は外側を通過する空気だけでなくブラケット42の内側の通風路42aを通過する空気によっても冷却される。
【0026】
図3図5及び図6に示したように、機械室13の上側前部には制御装置40を冷却するための冷却ファン51が設けられている。冷却ファン51は吸込み側を前側とするとともに吹出し側を後側として操作パネル18の直ぐ後側に配置されている。冷却ファン51と空気取込口13aとの間には制御装置40が配置されている。図5の2点鎖線の矢印にて空気の流れを示したように、空気取込口13aから機械室13に導入された空気は操作パネル18の直ぐ後側に沿って上昇して冷却ファン51の吸い込み側に吸い込まれる。このとき、制御装置40は空気取込口13aから機械室13に導入された空気が操作パネル18の後側に沿って上昇するときに冷却される。また、冷却ファン51の吹き出し側となる後側には燃焼装置20が配置されており、燃焼装置20は冷却ファン51から吹き出される空気によって冷却される。
【0027】
図2に示したように、ハウジング11の左側壁の下部には後部に機械室13内に外気を導入する外気取込口13bが設けられており、ハウジング11の左側壁の上部には前後方向の中間部に機械室13の排気をするための排気ファン52が設けられている。図5の2点鎖線の矢印にて空気の流れを示したように、ハウジング11の外側の空気は外気取込口13bから機械室13内に取り込まれ、蒸気発生装置30は取り込まれた空気が通過することにより冷却され、蒸気発生装置30を通過した空気は排気ファン52によってハウジング11の外側に排出される。また、上述した冷却ファン51により吹き出された空気は燃焼装置20を通過した後で機械室13の前後方向の中間部に送られ、排気ファン52によってハウジング11の外側に排出される。
【0028】
図5に示したように、、機械室13の前後方向の中間部には給排気管17とファンモータ15bとの間に仕切板53が設けられており、仕切板53は給排気管17に付着した水滴がファンモータ15bに付着するのを防ぐ機能を有している。仕切板53の後縁には上側に延びる隔壁板部53aが設けられており、隔壁板部53aは給排気管17と蒸気発生装置30とを隔ていて、給排気管17の給排気弁17a(特にバルブモータ)が蒸気発生容器31の熱の影響を受けにくくしている。また、隔壁板部53aは冷却ファン51により吹き出された空気を蒸気発生装置30側に流すことなく、排気ファン52によってハウジング11の外側に排出させる機能も有している。
【0029】
この加熱調理器10でコンビモードの調理プログラムを実行して燃焼装置20を作動させたときには、先ずガスバルブ27を開放させ、ブロアファン21のファンモータを作動させる。ブロアファン21の作動により燃焼用空気が送風管22から混合管24に導入されるとともに、均圧弁28により送風管22の燃焼用空気の供給圧力に応じて風量を調整された燃料ガスがガス供給管23から混合管24に導入される。燃焼用空気と燃料ガスの混合された混合ガスが混合管24からバーナ26に送られ、この混合ガスはバーナ26によって燃焼して燃焼ガスとなる。燃焼ガスは加熱管25を通ってハウジング11外に排気される。このとき、調理庫12内の加熱管25の周囲の空気は加熱管25内を通過する燃焼ガスと熱交換により加熱され、この加熱された空気は対流ファン15のファン羽根15aの回転によって熱風となって調理庫12内を対流する。また、蒸気発生装置30では、蒸気発生容器31内の水が燃焼装置による燃焼ガスよって加熱されて蒸気となり、蒸気発生容器31内の蒸気は蒸気送出筒32によって調理庫12内に導かれる。調理庫12内に導かれた蒸気は上述したよう燃焼装置20と対流ファン15とによる熱風とともに調理庫12内を対流し、調理庫12内の食材は蒸気を含んだ熱風によって加熱調理される。
【0030】
上記のように構成した加熱調理器10においては、制御装置40は、燃焼装置20のブロアファン21の出力を制御することで、燃焼装置20による燃焼ガスの出力を制御するインバータ回路43を備えている。インバータ回路43は作動時に発熱するとともに、高温時に正常に作動しないおそれがある。この加熱調理器10では、機械室13の底部にはブロアファン21が吸い込む空気を機械室13内に取り込む空気取込口13aが形成され、空気取込口13aからブロアファン21に空気が導かれる空気の通路にインバータ回路43を配置した。これにより、インバータ回路43は機械室13内にて空気取込口13aからブロアファン21に導かれる空気によって冷却されるので、インバータ回路43が高温となって作動しないようになるのを防ぐことができた。
【0031】
また、この加熱調理器10においては、空気取込口13aは機械室13の底部に形成され、ブロアファン21は機械室13の上部に設けられ、インバータ回路43は機械室13の周壁にブラケット42により固定され、ブラケット42には機械室13の周壁との間に上下方向に空気が通過する通風路42aが形成されている。これにより、空気取込口13aからブロアファン21に導かれる空気がブラケット42と機械室13の周壁との間の通風路42aを通過することによって、インバータ回路43をさらに効率よく冷却できるようになった。
【0032】
また、この加熱調理器10においては、機械室13には制御装置40を冷却する冷却ファン51を設け、空気取込口13aから冷却ファン51に空気が導かれる空気の通路に制御装置40を配置するとともに、冷却ファン51から空気が吹き出される位置に燃焼装置20を配置しているので、冷却ファン51によって制御装置40と燃焼装置20の両方を効率よく冷却することができるようになった。
【0033】
また、この加熱調理器10においては、ハウジング11の機械室13側の前壁に加熱調理器10の操作入力をするための操作パネル18を配設するとともに、機械室13側の前壁裏面に制御装置40を配置した。上述したように、空気取込口13aは機械室13の前側底部に形成され、冷却ファン51は吸込み側を前側で吹出し側を後側として機械室13側の前壁裏面の上部に配置するとともに、冷却ファン51の後側に燃焼装置20を配置した。これにより、操作パネル18と制御装置40との配線を短くすることができ、冷却ファン51に配線が巻き込まれるのを防ぐことも可能となった。
【0034】
また、加熱調理器10においては、機械室13には、調理庫12内の空気を対流させる対流ファン15のファンモータ15bと、調理庫12内とハウジング11外を連通させる給排気管17と、給排気管17に介装されて給排気管17を開閉する給排気弁17aと、調理庫12内に蒸気を供給する蒸気発生装置30と、機械室13内の空気を排出する排気ファン52とが設けられている。対流ファン15のファンモータ15bは機械室13の前後方向の中央部に配置され、給排気弁17aが介装された給排気管17はファンモータ15bの上側で燃焼装置20の後側に配置され、蒸気発生装置30はファンモータ15b及び給排気管17の後側に配置されている。この加熱調理器10では、ハウジング11の前後方向の中央部に排気ファン52が配置され、給排気管17とファンモータ15bとの間には仕切板53が設けられ、仕切板53の後縁には上側に延びて給排気管17と蒸気発生装置30を隔てる隔壁板部53aを設けた。このようにしたことで、制御装置40と燃焼装置20とを冷却した冷却ファン51による排気をさらに給排気管17を通過させて給排気弁17aが高温となるのを防ぐことができるとともに、給排気弁17aが隔壁板部53aによって蒸気発生装置30による熱の影響を受けないようにすることができた。さらに、冷却ファン51により給排気管17を通過させた排気を排気ファン52によりハウジング11の外側に排出できるようになったので、機械室13に熱がこもるのを防ぐことができた。
【0035】
また、加熱調理器10においては、ホットエアーモードにより蒸気発生装置30による蒸気の供給を停止している状態の後に、コンビモードまたはスチームモードを実行しても、蒸気発生装置30から調理庫12内に直ぐに蒸気を供給できるようにするために、蒸気発生容器31内の湯を高温に保つように制御するのが好ましい。この場合に、蒸気発生容器31内の湯を保温しているときに、保温時に発生する蒸気がホットエアーモードでの調理を実行している調理庫12内に流入するのを防ぐために、以下に示す機構を用いるのが好ましい。
【0036】
図7に示したように、加熱調理器10は、蒸気送出筒32に給排気管17を連通接続し、蒸気送出筒32の給排気管17を接続した部分に給排気弁17aに代えて三方弁17bを採用する。コンビモードまたはスチームモードにて100%の蒸気を調理庫12に供給するように設定しているときには、図7(a)に示したように、三方弁17bを蒸気発生容器31と調理庫12とが連通した状態として、給排気管17を蒸気送出筒32に対して閉止した状態とする。また、コンビモードまたはスチームモードにて50%の蒸気を供給するように設定しているときには、図7(b)に示したように、三方弁17bを給排気管17と蒸気送出筒32との閉止した状態を維持しつつ、蒸気発生容器31と調理庫12との開度を略半分に連通した状態とする。
【0037】
これに対し、ホットエアーモードにて蒸気の供給を停止するように設定してるときには、図7(c)に示したように、三方弁17bを蒸気送出筒32を介して給排気管17と蒸気発生容器31とが連通した状態とし、蒸気発生容器31と調理庫12とが閉止した状態とする。この状態では、蒸気発生容器31内の湯を保温状態としても、蒸気発生容器31内で発生した蒸気は給排気管17からハウジング11の外側に排出され、調理庫12に蒸気発生容器31から蒸気が流入しないようになる。さらに、ホットエーモードで食材から発生する蒸気を除去するように調理するときには、図7(d)に示したように、三方弁17bを蒸気発生容器31と給排気管17とが閉止した状態とし、蒸気送出筒32を介して給排気管17と調理庫12と連通した状態とする。この状態では、ハウジング11の外側の空気が給排気管17によって調理庫12に導かれるようになる。
【符号の説明】
【0038】
10…加熱調理器、11…ハウジング、12調理庫、13…機械室、13a…空気取込口、15…対流ファン、15b…ファンモータ、17…給排気管、17a…給排気弁、18…操作パネル、20…燃焼装置、21…ブロアファン、23…ガス供給管、24…混合管、26…バーナ、30…蒸気発生装置、40…制御装置、41…インバータ回路、42…ブラケット、51…冷却ファン、52排気ファン、53…仕切板、53a…隔壁板部。
図1
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図7