【実施例】
【0069】
実験の項
一般式I(式中、R
1およびArは上記定義の通りである)の本発明の化合物は、以下の反応スキーム1〜4および実施例に概説した方法で製造することができる。前述の方法では、それ自体、当該技術分野の化学者に公知の、または当業者に明らかとなり得る変形または変更を使用することも可能である。さらに、本発明の化合物を製造する他の方法が、以下の反応スキームおよび実施例に鑑みて当業者に容易に明らかとなるであろう。
【0070】
例えば、スキーム2は、本発明の化合物の合成中の選択的保護基の使用について説明する。当業者であれば、特定の反応に適切な保護基を選択することができるであろう。さらに、式Iの化合物を合成する後述の合成方法に、アミノ基、アミド基、ケト基、およびヒドロキシル基などの置換基を保護・脱保護する方法を組み込むことが必要な場合がある。このような基を保護・脱保護する方法は当該技術分野で周知であり、T.Green,et al.,Protective Groups in Organic Synthesis,1991,2nd Edition,John Wiley&Sons,New Yorkに記載されている。
【0071】
2種以上の互変異性体の混合物または平衡として存在し得る化合物については、1種の互変異性体のみをスキームに示すが、それは最も安定な互変異性体ではないこともある。鏡像異性体、立体異性体、または幾何異性体として存在し得る化合物については、それらの幾何学的配置を明記し;さもなければ、構造は立体異性体の混合物を示す。
【0072】
以下の方法を用いて分析LC−MSデータを得た。
【0073】
方法A:
LC−MSは、カラムマネージャ、バイナリーソルベントマネージャ、サンプルオーガナイザ、PDA検出器(254nmで動作)、ELS検出器、および正イオンモードで動作するAPPI源を備えるSQ−MSを含むWaters AcquityからなるWaters Acquity UPLC−MSで行った。
【0074】
LC条件:カラムは、Acquity UPLC BEH C18 1.7μm;2.1×150mmで、60℃で操作し、水+0.05%トリフルオロ酢酸(A)と、アセトニトリル+5%水+0.03%トリフルオロ酢酸(B)とからなる2液グラジエント0.6ml/分であった。勾配:0.00分:B10%;3.00分:B99.9%;3.01分:B10%;3.60分:B10%。総分析時間:3.60分。
【0075】
方法B:
LC−MSは、カラムマネージャ、バイナリーソルベントマネージャ、サンプルオーガナイザ、PDA検出器(254nmで動作)、ELS検出器、および正イオンモードで動作するAPPI源を備えるTQ−MSを含むWaters AcquityからなるWaters Acquity UPLC−MSで行った。
【0076】
LC条件:カラムは、Acquity UPLC BEH C18 1.7μm;2.1×50mmで、60℃で操作し、水+0.05%トリフルオロ酢酸(A)と、アセトニトリル+5%水+0.05%トリフルオロ酢酸(B)とからなる2液グラジエント1.2ml/分であった。勾配:0.00分:B10%;1.00分:B100%;1.01分:B10%;1.15分:B10%。総分析時間1.15分。
【0077】
1H NMRスペクトルは、Bruker Avance AV−III−600装置により600MHzで、またはBruker Avance AV−III−400装置もしくはVarian 400装置により400MHzで記録した。化学シフト値は、相対ppm値で表す。複数のNMRシグナルについて次の略称を使用する:s=シングレット、d=ダブレット、t=トリプレット、q=カルテット、dd=ダブルダブレット、ddd=ダブルダブルダブレット、dt=ダブルトリプレット、br=ブロード、およびm=マルチプレット。
【0078】
R
1が、フェニル環のオルト位のフッ素である一例として、一般式IVの化合物は、スキーム1に示すように製造することができる。
【化3】
(式中、R
1は、式Iで定義した通りであり、Rは、メチルまたはエチルなどのアルキル基である)
【0079】
一般式IVの化合物(スキーム1)は、一般式IIの化合物をブチルリチウムなどのハロゲン−金属交換試薬と反応させた後、一般式IIIのエステルに添加することにより製造することができる。
【0080】
R
1が、フェニル環のオルト位のフッ素である一例として、一般式XVIの化合物は、スキーム2に示すように製造することができる。
【化4】
(式中、R
2およびR
3は、メチルまたはエチルなどのアルキル基である)
【0081】
一般式VIIの化合物(スキーム2)は、一般式IVの化合物をVIなどのスルフィンアミドと、ルイス酸/乾燥剤、例えば、チタンテトラエトキシドの存在下で反応させることにより製造することができる。Zn粉末の存在下またはジエチル亜鉛およびトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム(I)塩化物の存在下、一般式VIIの化合物をブロモジフルオロ酢酸エチルなどの一般式VIIIの化合物で処理すると、一般式IXの化合物が得られる。一般式Xの化合物は、一般式IXの化合物から、水素化ジイソブチルアルミニウムなどの還元剤で処理することにより得られる。幾つかの場合、化合物Xは、水和物の形態で平衡状態であり得る。一般式Xの化合物を、塩化リチウムおよび塩基、例えば、N,N−ジイソプロピルエチルアミンの存在下、2−(ジメトキシホスホリル)−酢酸メチルなどの条件で処理すると、一般式XIの化合物が得られる。一般式XIIの化合物は、一般式XIの化合物をパラジウム炭素などの触媒の存在下で水素化することにより得られる。一般式XIIIの化合物は、一般式XIIの化合物を酸、例えば、塩酸のメタノール溶液で処理した後、炭酸カリウムのメタノール溶液で処理するか、またはトルエンなどの溶媒中で加熱することにより得られる。一般式XIIIの化合物は、硝酸を用いてニトロ化すると、一般式XIVの化合物を得ることができる。一般式XIVの化合物をローソン試薬(2,4−ビス(4−メトキシフェニル)−1,3,2,4−ジチアジホスフェタン−2,4−ジスルフィド)などの試薬で処理すると、一般式XVの化合物が得られる。一般式XVの化合物のニトロ基を還元すると、一般式XVIの化合物が得られる。
【0082】
また、一般式XIVの化合物は、スキーム3に示すように製造することもできる。一般式IVbのニトロ置換アセトフェノンから出発して、一般式XIbの化合物は、スキーム2に記載のように製造することができる。一般式XIIbの化合物は、一般式XIbの化合物をパラジウム炭素などの触媒の存在下で水素化することにより得られる。一般式XIVの化合物は、一般式XIIの化合物からの一般式XIIIの化合物の製造について記載したスキーム2と同様に製造することができる。一般式XIVの化合物のアニリン部分を保護すると、一般式XIVbの化合物が得られる。一般式XIVbの化合物をローソン試薬(2,4−ビス(4−メトキシフェニル)−1,3,2,4−ジチアジホスフェタン−2,4−ジスルフィド)などの試薬で処理した後、アニリン部分を脱保護すると、一般式XVIの化合物が得られる。
【化5】
(式中、R
1は、式Iで定義した通りであり、R
3は、メチルまたはエチルなどのアルキル基である)
【0083】
一般式Iの化合物は、スキーム4に示すように製造することができる。
【化6】
(式中、R
1およびArは、式Iで定義した通りである)
【0084】
一般式XIXの化合物は、一般式XVIの化合物を一般式XVIIのカルボン酸塩化物と反応させることにより、または当該技術分野の化学者に公知の方法を用いて一般式XVIIIのカルボン酸と反応させることにより製造することができる。一般式XIXの化合物をアンモニアで処理すると、一般式Iの化合物が得られる。幾つかの場合、反応を促進するために、tert−ブチルヒドロペルオキシドなどの酸化試薬の添加が必要なことがある。
【0085】
中間体の製造
中間体:2,2−ジフルオロ−1−(2−フルオロフェニル)エタン−1−オン
【化7】
1−ブロモ−2−フルオロベンゼン(10.00g、57.14mmol)のTHF(200mL)溶液に、n−ブチルリチウム(2.5M、24.00mL)をN
2下、−78℃で15分にわたり滴下しながら添加した。混合物を−78℃で30分間攪拌した。2,2−ジフルオロ酢酸エチル(10.64g、85.71mmol)を−78℃で滴下しながら添加し、−78℃で2時間攪拌した。TLCは、出発材料が一切残留しないことを示した。飽和NH
4Cl水溶液(15mL)を−78℃で滴下しながら添加した。反応混合物を25℃に昇温させ、酢酸エチル(100mL、3回)で抽出した。合わせた有機相を塩水(30mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥し、濾過し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=95:5)により精製し、2,2−ジフルオロ−1−(2−フルオロフェニル)エタン−1−オン(5.60g、収率47.8%、純度85%)を得た。
1H NMR(CDCl
3,400MHz):δ 7.99−7.95(m,1H),7.70−7.64(m,1H),7.33(t,J=7.6Hz2H),7.24(dd,J=10.8,8.4Hz,1H),6.59−6.32(m,1H).
【0086】
中間体:(R)−N−(2,2−ジフルオロ−1−(2−フルオロフェニル)エチリデン)−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミド
【化8】
2,2−ジフルオロ−1−(2−フルオロフェニル)エタン−1−オン(5.60g、32.16mmol)および(R)−2−メチル−プロパン−2−スルフィンアミド(5.07g、41.81mmol)のTHF(110mL)溶液に、テトラエトキシチタン(14.67g、64.32mmol)を26℃で一度に添加した。黄色の溶液を80℃で2.5時間攪拌した。TLC(石油エーテル:酢酸エチル=3:1)は、出発材料が一切残留しないことを示した。混合物を26℃に冷却した。水(10mL)を混合物に添加し、これを濾過してから、酢酸エチル(60mL、3回)で抽出した。有機層を塩水で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、濾過し、濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=91:9)により精製し、(R)−N−2,2−ジフルオロ−1−(2−フルオロフェニル)エチリデン)−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミド(5.60g、収率61.6%、純度98.1%)を得た。
【0087】
中間体:(S)−3−(((R)−tert−ブチルスルフィニル)アミノ)−2,2,4,4−テトラフルオロ−3−(2−フルオロフェニル)ブタン酸エチル
【化9】
(R)−N−(2,2−ジフルオロ−1−(2−フルオロフェニル)エチリデン)−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミド(4.60g、16.6mmol)、2−ブロモ−2,2−ジフルオロ−酢酸エチル(6.73g、33.18mmol)およびRh(PPh
3)
3Cl(469mg、498μmol)のTHF(90mL)溶液に、ジエチル亜鉛の溶液(THFの1M溶液、33mL)をAr下、−78℃で20分かけて滴下しながら添加し、その間、温度を−65℃未満に維持した。反応混合物を10分かけて0℃に昇温させ、0℃で2時間攪拌した。TLC(石油エーテル:酢酸エチル=3:1)は、出発材料が完全に消費されたことを示した。暗赤色の溶液を水(40mL)により反応停止させた後、濾過した。濾過物を酢酸エチル(100mL、2回)で抽出した。合わせた有機相を飽和塩水(30mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥し、濾過し、減圧濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=4:1)により精製し、(S)−3−(((R)−tert−ブチルスルフィニル)アミノ)−2,2,4,4−テトラフルオロ−3−(2−フルオロフェニル)ブタン酸エチル(4.26g、収率62.1%)を得た。
1H NMR(DMSO−d6,400MHz):δ 7.65−7.31(m,1H),7.49−7.44(m,1H),7.23−7.12(m,2H),6.93−6.66(m,1H),5.00(s,1H),4.39−4.29(m,2H),1.39(s,9H),1.32(t,J=8.0Hz,3H).
【0088】
中間体:(R)−2−メチル−N−((S)−1,1,3,3−テトラフルオロ−2−(2−フルオロフェニル)−4−オキソブタン−2−イル)−プロパン−2−スルフィンアミド
【化10】
(S)−3−(((R)−tert−ブチルスルフィニル)アミノ)−2,2,4,4−テトラフルオロ−3−(2−フルオロフェニル)ブタン酸エチル(3.20g、7.97mmol)のドライTHF(35mL)溶液に、DIBAL−H(水素化ジイソブチルアルミニウム)のトルエン(1.0M、16mL、16mmol)溶液をN
2下、−78℃で滴下しながら添加した。混合物を−78℃で2時間攪拌した。−78℃で、メタノール(3mL)で注意深く反応を停止させた。次に、水(20mL)と酢酸エチル(200mL)を添加し、25℃に昇温させた。混合物を30分間熟成させた。得られた混合物は、セライト(Celite)パッドを介して濾過した。有機層を塩水で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥した。有機層を濃縮することにより、粗生成物(R)−2−メチル−N−((S)−1,1,3,3−テトラフルオロ−2−(2−フルオロフェニル)−4−オキソブタン−2−イル)プロパン−2−スルフィンアミドを取得し、これは、さらに精製することなく次の工程で直接使用した。
1H NMR(DMSO−d6,400MHz):δ 7.65−7.31(m,1H),7.49−7.44(m,1H),7.23−7.12(m,2H),6.93−6.66(m,1H),5.00(s,1H),4.39−4.29(m,2H),1.39(s,9H),1.32(t,J=8.0Hz,3H).
【0089】
中間体:(S)−5−(((R)−tert−ブチルスルフィニル)アミノ)−4,4,6,6−テトラフルオロ−5−(2−フルオロフェニル)−へクス−2−エン酸エチル
【化11】
N
2下、攪拌したLiCl(405mg、9.56mmol)のアセトニトリル(30mL)溶液に、2−ジエトキシホスホリル酢酸エチル(2.14g、9.56mmol)およびDIPEA(N,N−ジイソプロピルエチルアミン)(2.06g、15.94mmol)を0℃で添加した。20分後、(R)−2−メチル−N−((S)−1,1,3,3−テトラフルオロ−2−(2−フルオロフェニル)−4−オキソブタン−2−イル)−プロパン−2−スルフィンアミド(2.85g、7.97mmol)のアセトニトリル(10mL)溶液を混合物に0℃で滴下しながら添加し、混合物を25℃で17.5時間攪拌した。反応混合物を濃縮してアセトニトリルを除去し、水(50mL)を添加し、酢酸エチル(200mL)で抽出した。有機層を乾燥し、蒸発させた。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=5:1〜4:1)により精製し、(S)−5−(((R)−tert−ブチルスルフィニル)アミノ)−4,4,6,6−テトラフルオロ−5−(2−フルオロフェニル)へクス−2−エン酸エチル(1.77g、収率46.8%)を得た。
【0090】
中間体:(S)−5−(((R)−tert−ブチルスルフィニル)アミノ)−4,4,6,6−テトラフルオロ−5−(2−フルオロフェニル)−ヘキサン酸エチル
【化12】
(S)−5−(((R)−tert−ブチルスルフィニル)アミノ)−4,4,6,6−テトラフルオロ−5−(2−フルオロフェニル)−へクス−2−エン酸エチル(1.77g、4.28mmol)の酢酸エチル(100mL)溶液に、Pd/C(400mg、10%)を添加した。黒色の懸濁液を45〜50psiH
2下、25℃で18時間攪拌した。これを濾過し、濃縮することにより、(S)−5−(((R)−tert−ブチルスルフィニル)アミノ)−4,4,6,6−テトラフルオロ−5−(2−フルオロフェニル)−ヘキサン酸エチル(1.70g、収率95.5%)を取得し、これをさらに精製することなく、次の工程で直接使用した。
【0091】
中間体:(S)−6−(ジフルオロメチル)−5,5−ジフルオロ−6−(2−フルオロフェニル)ピペリジン−2−オン
【化13】
(S)−5−(((R)−tert−ブチルスルフィニル)アミノ)−4,4,6,6−テトラフルオロ−5−(2−フルオロフェニル)−ヘキサン酸エチル(1.70g、4.09mmol)のジクロロメタン(15mL)溶液に、HCl/MeOH(4M、17mL)を添加した。無色の溶液を25℃で1時間攪拌した。TLC分析は、出発材料が一切残っていないことを示した。混合物を濃縮し、残渣をトルエンに溶解した。得られた混合物を再度濃縮して、1.5gの無色の油を得た。この油をトルエン(30mL)に溶解し、100℃で18時間攪拌した。混合物を25℃に冷却した後、濃縮して、粗生成物を取得し、これをシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=2:1)により精製し、(S)−6−(ジフルオロメチル)−5,5−ジフルオロ−6−(2−フルオロフェニル)ピペリジン−2−オン(880mg、3.15mmol、収率73%)を得た。
【0092】
中間体:(S)−6−(ジフルオロメチル)−5,5−ジフルオロ−6−(2−フルオロ−5−ニトロフェニル)ピペリジン−2−オン
【化14】
(S)−6−(ジフルオロメチル)−5,5−ジフルオロ−6−(2−フルオロフェニル)ピペリジン−2−オン(880mg、3.15mmol)をトリフルオロ酢酸(2.55mL)に懸濁させた。混合物を0℃に冷却し、濃縮H
2SO
4(2.46g、24.3mmol)を添加した。次に、HNO
3(661.61mg、6.30mmol)を滴下しながら添加した。25℃で2時間攪拌した後、反応混合物を100gの氷に注ぎ、5M NaOH(水溶液)を用いて、pH>11に塩基性化した。懸濁液を酢酸エチル(150mL)で抽出した。これらの相を分離し、水層を酢酸エチル(2×70mL)で抽出した。合わせた有機相を飽和NH
4Cl水溶液(30mL)および水(30mL)で洗浄した後、MgSO
4で乾燥し、濾過し、減圧濃縮して、(S)−6−(ジフルオロメチル)−5,5−ジフルオロ−6−(2−フルオロ−5−ニトロフェニル)ピペリジン−2−オン(1.00g、粗生成物)を得た。
【0093】
中間体:(S)−6−(ジフルオロメチル)−5,5−ジフルオロ−6−(2−フルオロ−5−ニトロフェニル)ピペリジン−2−チオン
【化15】
(S)−6−(ジフルオロメチル)−5,5−ジフルオロ−6−(2−フルオロ−5−ニトロフェニル)ピペリジン−2−オン(1.00g、3.08mmol)のトルエン(5mL)溶液に、ローソン試薬(2,4−ビス(4−メトキシフェニル)−1,3,2,4−ジチアジホスフェタン−2,4−ジスルフィド)(686mg、1.70mmol)を添加した。混合物を100℃で2時間攪拌した。TLC分析は、出発材料が一切残留しないことを示した。混合物を濃縮し、粗生成物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=5:1)により精製し、(S)−6−(ジフルオロメチル)−5,5−ジフルオロ−6−(2−フルオロ−5−ニトロフェニル)ピペリジン−2−チオン(1.00g、2.94mmol、収率95.4%)を得た。
【0094】
中間体:(S)−6−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−6−(ジフルオロメチル)−5,5−ジフルオロピペリジン−2−チオン
【化16】
(S)−6−(ジフルオロメチル)−5,5−ジフルオロ−6−(2−フルオロ−5−ニトロフェニル)ピペリジン−2−チオン(1.00g、2.94mmol)のエタノール(15mL)および水(4mL)溶液に、鉄粉末(821mg、145mmol)およびNH
4Cl(786mg、14.7mmol、5.0当量)を添加した。黒色の混合物を60℃で18時間攪拌した。反応混合物を25℃に冷却した後、粗生成物を濾過し、残渣をエタノール(100mL)で洗浄した。合わせた濾過物を濃縮し、得られた固体を酢酸エチル(100mL)に分散させた。混合物を濾過し、濾過物を水(30mL)、塩水(20mL)で洗浄した後、濃縮した。粗生成物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=3:1〜2:1)により精製し、(S)−6−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−6−(ジフルオロメチル)−5,5−ジフルオロピペリジン−2−チオン(819mg、2.51mmol、収率85.3%)を得た。
1H NMR(DMSO−d6,400MHz):δ 10.97(s,1H),7.03−6.90(m,2H),6.64−6.55(m,2H),5.19(s,2H),3.19−3.15(m,1H),3.03−2.94(m,1H),2.35−2.24(m,2H).
【0095】
中間体:d
3−5−(メトキシ−d
3)ピラジン−2−カルボン酸メチル
【化17】
ナトリウム(0.094g、4.10mmol)をメタノール−d
4(2.94ml)に少量ずつ添加し、ナトリウムが全て反応するまで、反応混合物を攪拌した。溶液を別の5−クロロピラジン−2−カルボン酸メチル(0.6g、3.48mmol)のメタノール−d
4(0.98ml)溶液に添加した。反応混合物を室温で1.5時間攪拌した。反応混合物を減圧濃縮した。2mlの水を添加した。混合物を酸化エチルで抽出した。有機相を塩水で洗浄し、MgSO
4で乾燥し、減圧濃縮して、d
3−5−(メトキシ−d
3)ピラジン−2−カルボン酸メチルを得た。
【0096】
中間体:5−(メトキシ−d
3)ピコリン酸メチル
【化18】
アルゴン下、5−ヒドロキシピコリン酸メチル(2.88g、18.8mmol)をジメチルホルムアミド(108ml)に溶解した。炭酸カリウム(7.20g、52.1mmol)を添加し、オレンジ色の懸濁液を室温で45分間攪拌した。ヨードメタン−d
3(1.41ml、22.6mmol)を添加した。反応混合物を2時間攪拌した。水を添加した。混合物を酢酸エチルで抽出した。有機相を塩水で洗浄し、MgSO
4で乾燥し、減圧濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘプタン:酢酸エチル)により精製して、5−(メトキシ−d
3)ピコリン酸メチルを得た。
【0097】
本発明の化合物の製造
実施例1:(S)−N−(3−(6−アミノ−2−(ジフルオロメチル)−3,3−ジフルオロ−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)−5−クロロピコリンアミド(化合物1)
【化19】
5−クロロピコリン酸(19mg、0.12mmol)およびHATU(1−[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]−1H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−b]ピリジニウム3−オキシドヘキサフルオロホスフェート)(67.4mg、0.177mmol)をDMF(1mL)に溶解した。反応混合物を5分間撹拌した。次に、(S)−6−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−6−(ジフルオロメチル)−5,5−ジフルオロピペリジン−2−チオン(25mg、0.081mmol)およびDIPEA(N,N−ジ−イソプロピルエチルアミン)(52mg、0.07ml、0.4mmol)を添加した。反応混合物を室温で1時間撹拌した。飽和NH
4Cl水溶液を添加し、混合物を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機相を塩水で洗浄し、MgSO
4で乾燥し、濾過し、減圧濃縮した。アンモニアのメタノール(7M、2mL)溶液を添加し、反応混合物を密閉バイアル内で55℃にて一晩攪拌した。反応混合物を減圧濃縮した。粗生成物をシリカフラッシュクロマトグラフィー(ヘプタン:酢酸エチル)で精製した。生成物を酢酸エチルに溶解し、飽和NaHCO3水溶液/水で3回洗浄して、チオ尿素副産物を除去した。合わせた有機相を塩水で洗浄し、MgSO
4で乾燥し、濾過し、減圧濃縮することにより、(S)−N−(3−(6−アミノ−2−(ジフルオロメチル)−3,3−ジフルオロ−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)−5−クロロピコリンアミドを得た。
1H NMR(DMSO−d6,600MHz):δ 10.78(s,1H),8.79(dt,J=2.4,1.1Hz,1H),8.20(dd,J=8.4,2.4Hz,1H),8.16(dd,J=8.4,0.7Hz,1H),7.96−7.90(m,1H),7.88(dd,J=6.8,2.7Hz,1H),7.20(dd,J=11.6,8.8Hz,1H),6.74(t,J=55.2Hz,1H),6.38(s,2H),2.51(dt,J=3.7,1.8Hz,2H),2.19−1.98(m,2H).
LC−MS(m/z)433(MH
+);t
R=0.53分(方法A)
【0098】
実施例2:(S)−N−(3−(6−アミノ−2−(ジフルオロメチル)−3,3−ジフルオロ−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)−5−フルオロピコリンアミド(化合物2)
【化20】
実施例1と同様に、(S)−6−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−6−(ジフルオロメチル)−5,5−ジフルオロピペリジン−2−チオンおよび5−フルオロピコリン酸から製造。
1H NMR(600 MHz,DMSO)δ 10.72(s,1H),8.74(d,J=2.8Hz,1H),8.24(dd,J=8.7,4.6Hz,1H),7.99(td,J=8.7,2.8Hz,1H),7.95−7.91(m,1H),7.88(dd,J=6.8,2.7Hz,1H),7.20(dd,J=11.6,8.8Hz,1H),6.74(t,J=55.2Hz,1H),6.38(s,2H),2.56−2.50(m,2H),2.22−1.98(m,2H).
LC−MS(m/z)417.1(MH
+);t
R=0.49分(方法A)
【0099】
実施例3:(S)−N−(3−(6−アミノ−2−(ジフルオロメチル)−3,3−ジフルオロ−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)−5−メトキシピラジン−2−カルボキサミド(化合物3)
【化21】
実施例1と同様に、(S)−6−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−6−(ジフルオロメチル)−5,5−ジフルオロピペリジン−2−チオンおよび5−メトキシピラジン−2−カルボン酸から製造。
1H NMR(600 MHz,DMSO)δ 10.61(s,1H),8.89(d,J=1.3Hz,1H),8.42(d,J=1.3Hz,1H),7.90(m,2H),7.20(dd,J=11.6,8.9Hz,1H),6.86−6.62(m,1H),6.37(s,2H),4.02(s,3H),2.56−2.50(m,2H),2.19−1.96(m,2H).
LC−MS(m/z)430.1(mH
+);t
R=0.48分(方法A)
【0100】
実施例4:(S)−N−(3−(6−アミノ−2−(ジフルオロメチル)−3,3−ジフルオロ−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)−5−メチルオキサゾール−4−カルボキサミド(化合物4)
【化22】
実施例1と同様に、(S)−6−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−6−(ジフルオロメチル)−5,5−ジフルオロピペリジン−2−チオンおよび2−メチルオキサゾール−4−カルボン酸から製造。
1H NMR(600MHz,DMSO)δ 10.25(s,1H),8.64(s,1H),7.82(m,2H),7.16(dd,J=11.6,8.7Hz,1H),6.73(t,J=55.2Hz,1H),6.36(s,2H),3.01(s,1H),2.59−2.41(m,5H),2.19−1.96(m,2H).
LC−MS(m/z)403(mH
+);t
R=0.42分(方法A)
【0101】
実施例5:(S)−N−(3−(6−アミノ−2−(ジフルオロメチル)−3,3−ジフルオロ−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)−5−メトキシピコリンアミド(化合物5)
【化23】
実施例1と同様に、(S)−6−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−6−(ジフルオロメチル)−5,5−ジフルオロピペリジン−2−チオンおよび5−メトキシピコリン酸から製造。
1H NMR(600MHz,DMSO)δ 10.55(s,1H),8.40(d,J=2.9Hz,1H),8.13(d,J=8.7Hz,1H),7.94−7.90(m,1H),7.84(dd,J=6.7,2.7Hz,1H),7.62(dd,J=8.7,2.9Hz,1H),7.18(dd,J=11.6,8.8Hz,1H),6.85−6.61(m,1H),6.36(s,2H),3.93(s,3H),2.55−2.47(m,2H),2.17−2.00(m,2H).
LC−MS(m/z)429.1(mH
+);t
R=0.5分(方法A)
【0102】
実施例6:(S)−N−(3−(6−アミノ−2−(ジフルオロメチル)−3,3−ジフルオロ−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)−5−(ジフルオロメチル)ピラジン−2−カルボキサミド(化合物6)
【化24】
実施例1と同様に、(S)−6−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−6−(ジフルオロメチル)−5,5−ジフルオロピペリジン−2−チオンおよび5−ジフルオロメチル)ピラジン−2−カルボン酸から製造。
1H NMR(600MHz,DMSO)δ 11.02(s,1H),9.40(d,J=1.3Hz,1H),9.10(s,1H),7.96−7.91(m,2H),7.38−7.17(m,2H),6.75(t,J=55.1Hz,1H),6.38(s,2H),2.56−2.50(m,2H),2.20−1.98(m,2H).
LC−MS(m/z)450.1(mH
+);t
R=0.48分(方法A)
【0103】
実施例7:(S)−N−(3−(6−アミノ−2−(ジフルオロメチル)−3,3−ジフルオロ−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)−5−シアノピコリンアミド(化合物7)
【化25】
実施例1と同様に、(S)−6−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−6−(ジフルオロメチル)−5,5−ジフルオロピペリジン−2−チオンおよび5−シアノピコリン酸から製造。
1H NMR(600MHz,DMSO)δ 10.94(s,1H),9.21(d,J=1.3Hz,1H),8.59(dd,J=8.2,1.9Hz,1H),8.29(d,J=8.1Hz,1H),7.96−7.88(m,2H),7.22(dd,J=11.5,8.8Hz,1H),6.74(t,J=55.0Hz,1H),6.37(s,2H),2.57−2.48(m,2H),2.07(m,2H).
LC−MS(m/z)424.5(mH
+);t
R=0.45分(方法B)
【0104】
実施例8:(S)−N−(3−(6−アミノ−2−(ジフルオロメチル)−3,3−ジフルオロ−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)−4−メチルチアゾール−2−カルボキサミド(化合物8)
【化26】
実施例1と同様に、(S)−6−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−6−(ジフルオロメチル)−5,5−ジフルオロピペリジン−2−チオンおよび4−メチルチアゾール−2−カルボン酸から製造。
1H NMR(600MHz,DMSO)δ 10.84(s,1H),7.90(dd,J=6.7,2.5Hz,1H),7.88−7.83(m,1H),7.70(s,1H),7.19(dd,J=11.5,8.9Hz,1H),6.74(t,J=55.1Hz,1H),6.38(s,2H),2.59−2.46(m,5H),2.18−1.95(m,2H).
LC−MS(m/z)419.4(mH
+);t
R=0.47分(方法B)
【0105】
実施例9:(S)−N−(3−(6−アミノ−2−(ジフルオロメチル)−3,3−ジフルオロ−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)−5−メトキシピリミジン−2−カルボキサミド(化合物9)
【化27】
実施例1と同様に、(S)−6−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−6−(ジフルオロメチル)−5,5−ジフルオロピペリジン−2−チオンおよび5−メトキシピリミジン−2−カルボン酸から製造。
1H NMR(600MHz,DMSO)δ 10.73(s,1H),8.73(s,2H),7.95−7.91(m,1H),7.82(dd,J=6.7,2.5Hz,1H),7.22−7.18(m,1H),6.74(t,J=55.2Hz,1H),6.37(s,2H),4.03(s,3H),2.58−2.50(m,2H),2.18−1.99(m,2H).
LC−MS(m/z)430.5(mH
+);t
R=0.39分(方法B)
【0106】
実施例10:(S)−N−(3−(6−アミノ−2−(ジフルオロメチル)−3,3−ジフルオロ−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)−5−メトキシ−3−メチルピラジン−2−カルボキサミド(化合物10)
【化28】
実施例1と同様に、(S)−6−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−6−(ジフルオロメチル)−5,5−ジフルオロピペリジン−2−チオンおよび5−メトキシ−3−メチルピラジン−2−カルボン酸から製造。
1H NMR(600MHz,DMSO)δ 10.52(s,1H),8.24(d,J=0.6Hz,1H),7.91(ddd,J=8.8,4.1,2.8Hz,1H),7.74(dd,J=6.8,2.7Hz,1H),7.18(dd,J=11.7,8.8Hz,1H),6.85−6.62(m,1H),6.38(s,2H),3.99(s,3H),2.76(d,J=0.5Hz,3H),2.55−2.49(m,2H),2.18−1.99(m,2H).
LC−MS(m/z)444.5(mH
+);t
R=0.52分(方法B)
【0107】
実施例11:(S)−N−(3−(6−アミノ−2−(ジフルオロメチル)−3,3−ジフルオロ−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)−5−シアノ−メトキシピコリンアミド(化合物11)
【化29】
実施例1と同様に、(S)−6−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−6−(ジフルオロメチル)−5,5−ジフルオロピペリジン−2−チオンおよび5−シアノ−3−メチルピコリン酸から製造。
1H NMR(600MHz,DMSO)δ 10.80(s,J=27.6Hz,1H),8.99(d,J=1.2Hz,1H),8.40(s,1H),7.99−7.87(m,1H),7.82−7.69(m,1H),7.36−7.13(m,1H),6.73(t,J=55.0Hz,1H),6.36(s,2H),2.56−2.47(m,2H),2.21−1.97(m,2H).
LC−MS(m/z)438.1(mH
+);t
R=0.49分(方法B)
【0108】
実施例12:(S)−N−(3−(6−アミノ−2−(ジフルオロメチル)−3,3−ジフルオロ−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)−5−ブロモピコリンアミド(化合物12)
【化30】
実施例1と同様に、(S)−6−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−6−(ジフルオロメチル)−5,5−ジフルオロピペリジン−2−チオンおよび5−ブロモピコリン酸から製造。
1H NMR(600MHz,DMSO)δ 10.78(s,1H),8.87(dd,J=2.3,0.7Hz,1H),8.33(dd,J=8.4,2.3Hz,1H),8.09(dd,J=8.4,0.6Hz,1H),7.94(ddd,J=8.8,4.1,2.8Hz,1H),7.89(dd,J=6.8,2.7Hz,1H),7.21(dd,J=11.6,8.8Hz,1H),6.88−6.62(m,1H),6.39(s,2H),2.60−2.49(m,2H),2.19−1.96(m,2H).
LC−MS(m/z)479.1(mH
+);t
R=0.53分(方法B)
【0109】
実施例13:(S)−N−(3−(6−アミノ−2−(ジフルオロメチル)−3,3−ジフルオロ−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)−5−(メトキシ−d3)ピコリンアミド(化合物13)
【化31】
アルゴン雰囲気下で、(S)−6−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−6−(ジフルオロメチル)−5,5−ジフルオロピペリジン−2−チオン(25mg、0.081mmol)をジクロロメタン(1mL)に溶解した。トリメチルアンモニウム(52μl、0.105mmol、2モル、トルエン)をゆっくりと添加した後、(メトキシ−d3)ピコリン酸メチル(18mg、0.11mmol)の0.5mLジクロロメタン溶液を添加した。反応混合物を室温で2時間攪拌した。反応混合物を、冷却した4N HCl(水溶液)に注ぎ込んだ。混合物を酢酸エチルで抽出した。有機相を塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。7Mアンモニアのメタノール(4mL)溶液を添加し、反応混合物を50℃の密閉バイアル内で一晩攪拌した。反応混合物を減圧濃縮し、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ヘプタン/酢酸エチル)で精製した後、分取HPLCにより精製して、トリフルオロ酢酸塩として標題の化合物を取得した。
1H NMR(600MHz,DMSO)δ 11.13(s,1H),10.75(s,1H),9.98(s,1H),9.10(s,1H),8.40(dd,J=2.9,0.5Hz,1H),8.21(ddd,J=8.9,4.1,2.6Hz,1H),8.15(dd,J=8.7,0.5Hz,1H),8.09(dd,J=6.8,2.6Hz,1H),7.64(dd,J=8.7,2.9Hz,1H),7.40(dd,J=11.9,9.0Hz,1H),7.20(t,J=53.0Hz,1H),3.17−3.01(m,2H),2.48−2.38(m,2H).
LC−MS(m/z)432(mH
+);t
R=0.49分(方法A)
【0110】
実施例14:(S)−N−(3−(6−アミノ−2−(ジフルオロメチル)−3,3−ジフルオロ−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)−5−(メトキシ−d3)ピラジン−2−カルボキサミド(化合物14)
【化32】
実施例13と同様に、(S)−6−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−6−(ジフルオロメチル)−5,5−ジフルオロピペリジン−2−チオンおよび5−(メトキシ−d
3)ピコリン酸メチルから製造。
1H NMR(600MHz,DMSO)δ 10.61(s,1H),8.89(d,J=1.2Hz,1H),8.42(d,J=1.2Hz,1H),7.91−7.86(m,2H),7.19(dd,J=11.5,8.9Hz,1H),6.84−6.61(m,1H),6.36(s,2H),2.53−2.49(m,2H),2.16−1.96(m,2H).
LC−MS(m/z)433.1(mH
+);t
R=0.49分(方法A)
【0111】
立体化学
ヘプタンと酢酸エチルの混合物から(S)−5−ブロモ−N−(3−(2−(ジフルオロメチル)−3,3−ジフルオロ−6−チオキソピペリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)ピコリンアミドを再結晶することにより結晶を得た。(S)−5−ブロモ−N−(3−(2−(ジフルオロメチル)−3,3−ジフルオロ−6−チオキソピペリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)ピコリンアミドの構造は、前記結晶をX線結晶構造解析することにより解明した。その構造は、(S)−5−ブロモ−N−(3−(2−(ジフルオロメチル)−3,3−ジフルオロ−6−チオキソピペリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)ピコリンアミドの絶対および相対配置を示す。(S)−5−ブロモ−N−(3−(2−(ジフルオロメチル)−3,3−ジフルオロ−6−チオキソピペリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)ピコリンアミドは、実施例1と同様に、(S)−6−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−6−(ジフルオロメチル)−5,5−ジフルオロピペリジン−2−チオンおよび5−ブロモピコリン酸から出発して製造した。
【化33】
図1:(S)−5−ブロモ−N−(3−(2−(ジフルオロメチル)−3,3−ジフルオロ−6−チオキソピペリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)ピコリンアミドのX線構造
【0112】
このようにして、例示した本発明の化合物の絶対配置を合理化することができる。(S)−5−ブロモ−N−(3−(2−(ジフルオロメチル)−3,3−ジフルオロ−6−チオキソピペリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)ピコリンアミドは、例示した本発明の化合物全ての出発材料である(S)−6−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−6−(ジフルオロメチル)−5,5−ジフルオロピペリジン−2−チオンから製造した。
【0113】
薬理学的試験
BACE1結合アッセイ
結合アッセイは、Freestyle HEK293細胞から組換え発現させた後、精製したビオチン化型のヒトBACE1を用いるSPAベースのアッセイとして行った。結合アッセイは、白色透明底384プレート(Corning ♯3653)内の50mM NaClおよび0.03%Tween−20を含有する50mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH4.5)中で行った。10nM(最終濃度)放射性リガンド([
3H]−N−((1S,2R)−1−ベンジル−3−シクロプロピルアミノ−2−ヒドロキシプロピル)−5−(メタンスルホニルメチルアミノ)−N−((R)−1−フェニルエチル)イソフタルアミド)(GE Healthcareから購入したTRQ11569)を、所定の濃度の試験化合物、6nM(最終濃度)ヒトBACE1、および25μgストレプトアビジン被覆PVTコアSPAビーズ(RPNQ0007、GE Healthcare Life Sciences)と全容積40μlとなるように混合した。C
50測定アッセイでは幾つかの濃度の各試験化合物を試験した。プレートを室温で1時間インキュベートし、Wallac Triluxカウンターで計数した。全結合および非特異的結合は、バッファーおよび1μM(最終濃度)の高親和性BACE1参照阻害剤(S)−6−[3−クロロ−5−(5−プロパ−1−イニルピリジン−3−イル)チオフェン−2−イル]−2−イミノ−3,6−ジメチルテトラヒドロピリジン−4−オンをそれぞれ用いて、測定した。各試験化合物について、IC
50値(放射性リガンドの特異的結合の50%阻害をもたらす濃度)は濃度反応曲線から求め、式K
i=IC
50/(1+L/K
d)(式中、LおよびK
dは、それぞれ、アッセイに使用した放射性リガンドの最終濃度および放射性リガンドの解離定数である)からK
iを算出するのに使用した。放射性リガンドのK
dは飽和結合実験から求めた。
【0114】
【表1】
【0115】
BACE1効力アッセイ
効力アッセイは、市販のBACE1キット(Life Technologies,P2985)を用いるFRETベースのアッセイとして行った。10μM(最終濃度)の試験化合物2μlとキットのBACE1酵素(最終濃度3nM)15μlとを室温で15分間予備インキュベートした後、キットの基質(最終濃度250nM)15μlを添加し、室温でさらに90分間インキュベートした。その後、Pherastar(Ex540/Em590)でアッセイプレートを読み取った。試験化合物の存在下で観測された酵素活性を、それぞれバッファーおよび10μM(最終濃度)の高親和性BACE1参照阻害剤(S)−6−[3−クロロ−5−(5−プロパ−1−イニルピリジン−3−イル)チオフェン−2−イル]−2−イミノ−3,6−ジメチルテトラヒドロピリジン−4−オンの存在下で観測された酵素活性に対して標準化した。試験化合物の効力は10μM(最終濃度)で評価し、式、%阻害=100%−標準化した酵素活性(単位:%)を用いて酵素活性の阻害率と定義した。
【0116】
【表2】
【0117】
BACE1阻害後のラットの脳および血漿中のAβレベルの評価。
動物。
全てのラットの世話および実験手順は、デンマーク立法府に従い、Lundbeck Veterinary Staffにより承認された。ラットは、12/12時間の明/暗サイクルで、食餌と水を自由摂取できるようにしてバリア施設内で飼育した。
【0118】
未処置ラットの処置
体重約250gの若齢成体雄性スプラーグドーリー(Sprague Dawley)ラットはCharles Riverから購入し、溶媒(10%HPβCD+1M MeSO
4、pH2.5)または試験化合物(溶媒に溶解)0〜30mg/kgを強制経口投与(p.o)のみで与えた。化合物は5ml/kgの量で投与する。各処置条件について、5〜10匹の動物のコホートを確立した。
【0119】
獣医スタッフは、処置を受ける動物の毒性の徴候を注意深く監視した。監視パラメータには、体重、身体的外観、外被外観の変化、非誘発挙動の発生、および外部刺激に対する反応の鈍化または過剰反応が含まれた。
【0120】
組織採取。
最初に投与した後T=180分の時点で、動物を気絶させ、ギロチンで断頭した。動物の断頭後、体幹血液をEDTAコートしたチューブに採取した。血液を2200Gで、4℃で15分間遠心分離し、血漿を採取し、−80℃で凍結した。血液をAβ ELISAおよびDMPK分析用のアリコートに分けた。犠牲にした直後に、脳を摘出し、2つに分割した。右脳半球はドライアイスで急速凍結し、−80℃で貯蔵した。左半分は切断し;前脳前部(front forebrain)はAβ ELISA用に取り、残部はDMPK分析用に使用した。これらの試料もドライアイスで急速凍結し、分析に使用するまで−80℃で貯蔵した。
【0121】
組織処理。
皮質試料を氷上で少し解凍した後、それらを、約5〜7秒間速度5に設定した少量用分散装置(T10 basic ULTRA−TURRAX(登録商標))を用いてホモジナイズした。組織をその重量の10倍の容積中で処理した、例えば、組織100mgをホモジナイズバッファー1000μL中でホモジナイズした。ホモジナイズバッファー:50mlMilli Q水+50nM NaCl+0.2%ジエチルアミン(DEA)+Complete Protease inhibitor cocktail、1錠+1nM フッ化4−(2−アミノエチル)ベンゼンスルホニル塩酸塩不可逆的セリンプロテアーゼ阻害剤(AEBSF)。
【0122】
ホモジナイズした後、試料を450μLずつ1.5mlエッペンドルフ管に採取し、氷上に置き、0.5%NP−40(50ul)を全ての試料に添加した後、それらを氷上で30分間インキュベートした。その後、全ての試料を、超音波ホモジナイザを用いて20kHzの均質な音(SONOPLUS HD2070,Bandelin Electronic)10パルス、12〜13%の出力設定で音波処理し、Aβ種を全て抽出した。次いで、試料を20000Gで、4℃で20分間遠心分離した(Ole Dich 157 MPRF Micro centrifuge)。遠心分離した後、上清285μLをピペットで600μLマイクロチューブに移し、1M Tris−HCLバッファー15μLで中和した。
【0123】
ELISAプロトコル。
WAKO294−62501ヒト/ラットAベータアミロイド(40)キットを全てのELISA分析に使用した。血漿試料30μLまたは前述のように作成した皮質上清30μLを、氷上で600μLマイクロチューブに入れた。これに8M尿素(AppliChem A1049,9025)30μLを添加し、2倍希釈した。血漿上清と皮質上清の両方を氷上で30分間インキュベートした。標準列は、キットに提供された標準ペプチドストック溶液と、1.6M尿素(8M尿素200μL+標準希釈剤800μL)および0.8M尿素(8M尿素400μL+標準希釈剤3600μL)を含有する標準希釈剤とから調製した。100pmol/ml〜0pmol/LのAβ40の2倍系列希釈をアッセイ用に調製した。
【0124】
尿素と共にインキュベートした後、キットの5倍標準希釈剤を添加することにより全ての試料をさらに希釈した。これは、標準希釈剤240μLを試料/尿素混合物60μLに添加した後、それを十分混合することにより行った。希釈した各試料100μLをピペットでELISAプレートの指定されたウェルにデュプリケートで移した。次いで、プレートを被覆して、4℃で終夜インキュベートした。翌日、使用する前にELISAキットを室温にした。インキュベートしたプレートは、Milli Q水で希釈した20×洗浄液で5回洗浄した。HRPコンジュゲート100μLを各ウェルに加え、プレートを被覆し、4℃で1時間インキュベートした。洗浄を再び5回繰り返した。3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジン(TMB)溶液100μLを各ウェルに加え、プレートを被覆し、暗所にて室温で30分間インキュベートした。次に、停止液100μLを各ウェルに加え、ウェルに停止液を添加して30分以内にプレートを分光光度計(Labsystems Multiscan Ascent)で、450nmの波長で読み取った。
【0125】
既知の濃度の合成Aβ40を含有する標準物質から作成した標準曲線に基づいて、試料中のAβの濃度を測定した。当業者には、ジエチルアミン(DEA)および尿素での抽出により、それぞれ可溶性Aβおよび不溶性Aβが遊離されることが分かるであろう。ELISAキットはバリデーションが行われ、広く使用されているため、処置条件およびアッセイ条件が各被検化合物について同じである限り、アッセイは被検化合物について一貫性のあるロバストなデータが得られ、不一致が最小限になるものと認められている。
【0126】
データ解析
試料中のAβ40の濃度を求めるために、プレートに添加した試料の補間値に20を乗じるが、それはDEA、尿素、および中和溶液の容積を合計したときの希釈に相当する。値は、溶媒処理された動物と比較したAβ40の変化率として算出される。
【0127】
脳および血漿サンプルの生体分析
UltraPerformance LC(登録商標)(UPLC(登録商標))クロマトグラフィーを用いて、血漿および脳ホモジネートにおけるTCを決定した後、タンデム−MS(MS/MS)検出を実施した。
【0128】
装置:
Tecan Genesis RSP 200;Biomek NXP,Beckman Coulter;Sigma 4K15遠心分離機;Acquity UPLC,Waters;Sciex API4000 TQ,Applied Biosystems;MSソフトウエア:Analystバージョン1.4.1
【0129】
化学薬品
アセトニトリル、HPLC−グレード、Fluka、No.34967N;メタノール、HPLC−グレード、Sigma−Aldrich,ロット9003S;ギ酸、HPLC−グレード、Riedel−de Haeen、ロット51660;精製水、Millipore Synergy UV
【0130】
サンプル調製
脳ホモジネートは、脳1:4(v/v)を水:2−プロパノール:DMSO(50:30:20v/v/v)と共に均質化した後、遠心分離し、上清を回収することにより調製した。較正標準およびQCサンプルは、ハミルトン(Hamilton)ロボットを用いて調製した。Biomekロボットを用いて、150μLのISTDのアセトニトリル(1ng/mLISTD)溶液を25μLの較正標準、QCサンプルおよび試験サンプル(血漿および脳ホモジネート)に添加した。遠心分離(6200g、4℃、20分)後、各サンプルからの100μLの上澄みを新しいプレートに移し、Biomekロボット(メソッドファイルInVivo導入)を用いて、0.1%ギ酸を含む100μLの水と混合した。急速遠心分離(6200g、4℃、5分)の後、サンプルをオートサンプラー内に配置した。
【0131】
UPLC−MS/MS分析
MS/MS検出は、正イオンエレクトロスプレーイオン化モードのApplied Biosystems Sciex API 4000装置を用いて実施した。TCおよびISTDは、親>娘質量と電荷の比(m/z)で検出した。ネブライザーおよび衝突ガスには窒素を使用した。ピーク面積は、1.00〜1000ng/mLの血漿および5.00〜5000ng/gの脳の範囲(希釈のために補正)内で分析物の血漿および脳濃度と線形的に相関した。血漿/脳サンプル薬物濃度が1000ng/mLまたは5000ng/gを超えた場合、分析の前にサンプルをブランク血漿/脳ホモジネートで適切に希釈した。
【0132】
クロマトグラフィーシステム
分析カラム:
Waters Acquity UPLC HSS C18 SB(pH2〜8)1.8μm、2.1×30mm。
移動相A:0.1%ギ酸水溶液または0.1%水酸化アンモニウム水溶液
移動相B:アセトニトリルと0.1%ギ酸水溶液または0.1%水酸化アンモニウム水溶液。
弱洗浄:メタノール
強洗浄:アセトニトリル/イソプロパノール/ギ酸(50/50/2v/v/v)
流量:0.6mL/分
分析時間:3分
空費見込み(to waste):0〜0.5分
温度:40℃
【0133】
【表3】
【0134】
化合物3および5は、用量10mg/kgp.o.で投与し、投与から3時間後に脳および血漿サンプルを収集し、前述した通りに以下の曝露を測定した。
【0135】
【表4】
【0136】
【表5】
【0137】
表3および4に示されるように、本発明の化合物は、脳血液関門を透過することができ、CNSにおいて効果を示す。
【0138】
MDCK−MDR1アッセイ
試験化合物の透過性をMDCK−MDR1細胞において評価したが、これらの細胞は、96トランスウェルプレート内に密集まで(4〜6日)培養した。試験化合物は、輸送バッファー(HBSS+1%BSA)で0.5μMの濃度に希釈し、細胞単層の頂端または基底側に塗布した。37℃、95%の相対湿度を有する5%CO2で、60分のインキュベーション時間にわたり、AからB方向またはBからA方向の試験化合物の透過を3回反復して測定した。トランスウェルプレートのレシーバおよびドナーウェルの両方での分析物/ISのピーク面積比に基づくLC−MS/MS分析により、試験化合物を定量した。
【0139】
見掛け透過係数Papp(cm/s)は、式:
Papp=(dCr/dt)×Vr/(A×C0)
(式中、dCr/dtは、時間の関数としてのレシーバチャンバ内の化合物の蓄積濃度(μM/s)であり;Vrは、レシーバチャンバ内の溶液量であり(頂端側が0.05mL;基底側が0.25mL);Aは、輸送のための表面積、即ち、単層の面積の場合、0.0804cm
2であり;C0は、ドナーチャンバ内の初期濃度(μM)である)
を用いて計算した。
【0140】
化合物は、流出比(Papp BA/Papp AB)が≧2であるとき、Pgp基質に分類される。
【0141】
【表6】
【0142】
表5に示されるように、例示した本発明の化合物の大部分が、2未満のMDCK−MDR1流出比を有しており、従って、血液脳関門を通過することができると考えられる(E Kerns,L Di,Drug−like Properties:Concepts,Structure Design and Methods(2008)Elsevier)。
本発明は以下の態様も含み得る。
[1]
式I
【化34】
(Arは、フェニル、ピリジル、ピリミジル、ピラジニル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリルからなる群から選択され、Arは、任意選択で、ハロゲン、CN、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、C1〜C6フルオロアルキルまたはC1〜C6アルコキシから選択される1つ以上の置換基で置換されており;および
R1は、水素、ハロゲン、C1〜C3フルオロアルキルまたはC1〜C3アルキルである)
の化合物;
またはその薬学的に許容される塩。
[2]
前記化合物が、式Ia
【化35】
の化合物;
またはその薬学的に許容される塩である、請求項1に記載の化合物。
[3]
R1が、FまたはHである、請求項1または2に記載の化合物。
[4]
Arが、任意選択で、1個以上のF、Cl、Br、CN、C1〜C3アルキル、C1〜C3フルオロアルキルまたはC1〜C3アルコキシで置換されている、請求項1または2に記載の化合物。
[5]
Arが、任意選択で置換されたピリジルである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物。
[6]
Arが、任意選択で置換されたピリミジルである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物。
[7]
Arが、任意選択で置換されたピラジニルである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物。
[8]
Arが、任意選択で置換されたオキサゾリルである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物。
[9]
Arが、任意選択で置換されたチアゾリルである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物。
[10]
前記化合物が、以下:
(S)−N−(3−(6−アミノ−2−(ジフルオロメチル)−3,3−ジフルオロ−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)−5−クロロピコリンアミド、
(S)−N−(3−(6−アミノ−2−(ジフルオロメチル)−3,3−ジフルオロ−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)−5−フルオロピコリンアミド、
(S)−N−(3−(6−アミノ−2−(ジフルオロメチル)−3,3−ジフルオロ−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)−5−メトキシピラジン−2−カルボキサミド、
(S)−N−(3−(6−アミノ−2−(ジフルオロメチル)−3,3−ジフルオロ−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)−2−メチルオキサゾール−4−カルボキサミド、
(S)−N−(3−(6−アミノ−2−(ジフルオロメチル)−3,3−ジフルオロ−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)−5−メトキシピコリンアミド、
(S)−N−(3−(6−アミノ−2−(ジフルオロメチル)−3,3−ジフルオロ−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)−5−(ジフルオロメチル)ピラジン−2−カルボキサミド、
(S)−N−(3−(6−アミノ−2−(ジフルオロメチル)−3,3−ジフルオロ−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)−5−シアノピコリンアミド、
(S)−N−(3−(6−アミノ−2−(ジフルオロメチル)−3,3−ジフルオロ−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)−4−メチルチアゾール−2−カルボキサミド、
(S)−N−(3−(6−アミノ−2−(ジフルオロメチル)−3,3−ジフルオロ−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)−5−メトキシピリミジン−2−カルボキサミド、
(S)−N−(3−(6−アミノ−2−(ジフルオロメチル)−3,3−ジフルオロ−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)−5−メトキシ−3−メチルピラジン−2−カルボキサミド、
(S)−N−(3−(6−アミノ−2−(ジフルオロメチル)−3,3−ジフルオロ−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)−5−シアノ−3−メチルピコリンアミド、
(S)−N−(3−(6−アミノ−2−(ジフルオロメチル)−3,3−ジフルオロ−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)−5−ブロモピコリンアミド、
(S)−N−(3−(6−アミノ−2−(ジフルオロメチル)−3,3−ジフルオロ−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)−5−(メトキシ−d3)ピコリンアミド、および
(S)−N−(3−(6−アミノ−2−(ジフルオロメチル)−3,3−ジフルオロ−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)−5−(メトキシ−d3)ピラジン−2−カルボキサミド;
またはその薬学的に許容される塩
からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
[11]
請求項1〜10のいずれか一項に記載の化合物と薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物。
[12]
アルツハイマー病(家族性もしくは孤発性)、発症前アルツハイマー病、前駆期アルツハイマー病、軽度認知障害、ダウン症候群および脳アミロイド血管症から選択される疾患を治療する方法であって、前記方法は、それを必要とする患者に、請求項1〜10のいずれか一項に記載の化合物を治療有効量投与することを含む方法。
[13]
アルツハイマー病(家族性もしくは孤発性)、発症前アルツハイマー病、前駆期アルツハイマー病、軽度認知障害、ダウン症候群および脳アミロイド血管症から選択される疾患を治療する医薬を製造するための請求項1〜10のいずれか一項に記載の化合物の使用。
[14]
治療に使用するための請求項1〜10のいずれか一項に記載の化合物。
[15]
アルツハイマー病(家族性もしくは孤発性)、発症前アルツハイマー病、前駆期アルツハイマー病、軽度認知障害、ダウン症候群および脳アミロイド血管症から選択される疾患の治療に使用するための、請求項1〜10のいずれか一項に記載の化合物。