特許第6629340号(P6629340)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6629340
(24)【登録日】2019年12月13日
(45)【発行日】2020年1月15日
(54)【発明の名称】窓用フィルムとその製造方法
(51)【国際特許分類】
   C23C 14/06 20060101AFI20200106BHJP
   B32B 7/023 20190101ALI20200106BHJP
   B32B 9/04 20060101ALI20200106BHJP
【FI】
   C23C14/06 N
   B32B7/023
   B32B9/04
【請求項の数】14
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2017-548505(P2017-548505)
(86)(22)【出願日】2014年12月24日
(65)【公表番号】特表2018-501410(P2018-501410A)
(43)【公表日】2018年1月18日
(86)【国際出願番号】CN2014094748
(87)【国際公開番号】WO2016086472
(87)【国際公開日】20160609
【審査請求日】2017年7月4日
(31)【優先権主張番号】201410725141.X
(32)【優先日】2014年12月3日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517196775
【氏名又は名称】▲張▼家港康得新光▲電▼材料有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ 玉春
(72)【発明者】
【氏名】徐 明鴻
【審査官】 今井 淳一
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2006/090798(WO,A1)
【文献】 特開2011−046037(JP,A)
【文献】 特開2008−275737(JP,A)
【文献】 特開2008−260978(JP,A)
【文献】 特開2009−148995(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C23C 14/06
B32B 7/023
B32B 9/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板になる柔軟性透明基材と、前記柔軟性透明基材の表面に設けられる第1金属ターゲット膜と、前記第1金属ターゲット膜の表面に設けられ、屈折率が2.0〜2.5である第1高屈折率化合物膜と、前記第1高屈折率化合物膜の表面に設けられる遷移金属酸化物または錫酸化物材料の第1金属酸化物膜と、前記第1金属酸化物膜の表面に設けられる第1含銀金属膜と、前記第1含銀金属膜の表面に設けられる第2金属ターゲット膜と、前記第2金属ターゲット膜の表面に設けられ、屈折率が2.0〜2.5である第2高屈折率化合物膜と、を含み、
前記第2高屈折率化合物膜の表面に設けられる遷移金属酸化物または錫酸化物材料の第2金属酸化物膜と、前記第2金属酸化物膜の表面に設けられる第2含銀金属膜と、前記第2含銀金属膜の表面に設けられる第3金属ターゲット膜と、前記第3金属ターゲット膜の表面に設けられ、屈折率が2.0〜2.5である第3高屈折率化合物膜と、を更に含むことを特徴とする窓用フィルム。
【請求項2】
前記柔軟性透明基材の厚さは、20μm〜30μmから選択されることを特徴とする請求項1に記載の窓用フィルム。
【請求項3】
前記第1金属ターゲット膜の材料と第2金属ターゲット膜の材料は、各々Zn、Ti、Cu、Ni、NiCr、Crから選択されることを特徴とする請求項1に記載の窓用フィルム。
【請求項4】
前記第1金属ターゲット膜と第2金属ターゲット膜の厚さは、各々0.2nm〜0.8nmから選択されることを特徴とする請求項1に記載の窓用フィルム。
【請求項5】
前記第1高屈折率化合物膜と第2高屈折率化合物膜の屈折率は、各々2.2〜2.3から選択されることを特徴とする請求項1に記載の窓用フィルム。
【請求項6】
前記第1高屈折率化合物膜と第2高屈折率化合物膜、第3高屈折率化合物膜の材料は、各々Nb、ITO、Si、SnO、TiO、TaOから選択されることを特徴とする請求項1に記載の窓用フィルム。
【請求項7】
前記第1高屈折率化合物膜の厚さは、22nm〜30nmから選択されることを特徴とする請求項1に記載の窓用フィルム。
【請求項8】
前記第1金属酸化物膜と第2金属酸化物膜の材料は、各々酸化亜鉛、錫を混ぜた酸化亜鉛または酸化錫から選択されることを特徴とする請求項1に記載の窓用フィルム。
【請求項9】
前記第1金属酸化物膜と第2金属酸化物膜の厚さは、各々1nm〜5nmから選択されることを特徴とする請求項1に記載の窓用フィルム。
【請求項10】
前記第1含銀金属膜の材料は、銀または銀合金から選択されることを特徴とする請求項1に記載の窓用フィルム。
【請求項11】
前記第1含銀金属膜厚さは、各々5nm〜12nmから選択されることを特徴とする請求項1に記載の窓用フィルム。
【請求項12】
前記第2高屈折率化合物膜の厚さは、22nm〜27nmから選択されることを特徴とする請求項1に記載の窓用フィルム。
【請求項13】
前記第3高屈折率化合物膜の厚さは、20nm〜30nmから選択されることを特徴とする請求項1に記載の窓用フィルム。
【請求項14】
380nm〜780nmの可視線範囲で透光率が72%より高く、780nm〜2500nmの赤外線範囲で透光率が10%より低いことを特徴とする請求項1に記載の窓用フィルム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2014年12月03日中国特許局に提出し、申請番号は201410725141.Xであり、発明の名称は「窓用フィルムとその製造方法」となる中国特許申請の優先権を有して、その全ての内容は、本願により説明される。
【0002】
本発明は、機能フィルム技術分野に関し、具体的には、窓用フィルムとその製造方法に関する。
【背景技術】
【0003】
窓用フィルムは、普通、建物の窓ガラスや自動車のフロントガラスに利用されるが、初期の窓用フィルムは、塗布技術を利用して作られ、太陽紙や茶紙と呼ばれ、この窓用フィルムの基本機能は、強い日射しを遮ることであり、基本的に遮熱効果はない。
【0004】
多くの研究を介して、濃染化技術を用いて吸熱剤を添加した工程から作られた窓用フィルムは、太陽光中の赤外線を吸収して遮熱効果を持たらしあが、この窓用フィルムは、赤外線を吸収すると同時に可視線も吸収して、可視線の透過率が十分で無くなり、鮮明度が落ちる上に、また、このタイプの窓用フィルムの遮熱機能は比較的早く減衰し、脱色しやすい。
【0005】
上記の窓用フィルムの遮熱性を改善するため、真空熱蒸発技術を用いて窓用フィルムを製造し、この様な真空熱蒸発技術ではアルミニウムの層を基材に蒸着させて遮熱効果を得る。この方法で製造した窓用フィルムは比較的に持久力のある遮熱性を持つが、この窓用フィルムは鮮明度が低く、視覚快適に影響を与え、反射が比較的強くなる。
【0006】
窓用フィルムの鮮明度を高め、反応性を下げるために、現在、金属マグネトロンスパッタリング技術を用いて窓用フィルムを製造し、マグネトロンスパッタリング技術はニッケル、銀、チタン、金等の材料をマルチキャビティの高速回転機器で電場と磁場の相互作用を用いて、高速で、強力に金属粒子を高い張力を持ったPET基材に均一にスパッタリングさせる。マグネトロンスパッタリング技術で製造した窓用フィルムは、金属の質感が好く、遮熱性が安定である以外、鮮明度が高く、反射が弱い特性を有する。
【0007】
申請番号が201110413335.4なる中国特許は、低輻射メッキ膜ガラスとその製造方法を公開したが、上記のメッキ膜は、多層の誘電体組合せ層と、隣接する誘電体組合せ層の間に設けられているAZO誘電体ユニット層と、を含み、上記のAZO誘電体ユニット層は、機能層とAZO誘電体遮蔽層を含み、上記のAZO誘電体遮蔽層は、機能層の両側を覆っている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
既存の技術が提供するこの低輻射メッキ膜は、高い可視線透過率と低い可視線反射率、低い赤外線透過率と高い赤外線反射率の長所を有するが、この低輻射メッキ膜は付着性能が比較的悪く、自動車の窓は曲面を持つガラスであるため、曲面ガラスには直接メッキ膜を着せられなく、ただ柔軟性基材の表面にまずメッキ膜を着せた後、柔軟性基材を自動車の窓グラスに接着させ、この様な低輻射メッキ膜は付着性能が悪いため、柔軟性基材から落ちやすく、窓用フィルム分野での応用が限られる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
ここで、本発明の目的は、付着性能の好い窓用フィルムを提供することにある。
【0010】
本発明は、基板になる柔軟性透明基材と、柔軟性透明基材の表面に設けられる第1金属ターゲット膜と、第1金属ターゲット膜の表面に設けられ、屈折率が2.0〜2.5である第1高屈折率化合物膜と、第1高屈折率化合物膜の表面に設けられる遷移金属酸化物や錫酸化物材料の第1金属酸化物膜と、第1金属酸化物膜の表面に設けられる第1含銀金属膜と、第1含銀金属膜の表面に設けられる第2金属ターゲット膜と、第2金属ターゲット膜の表面に設けられ、屈折率が2.0〜2.5である第2高屈折率化合物膜と、を含む窓用フィルムを提供する。
【0011】
上記の窓用フィルムには、第2高屈折率化合物膜の表面に設けられる遷移金属酸化物や錫酸化物材料の第2金属酸化物膜と、第2金属酸化物膜の表面に設けられる第2含銀金属膜と、第2含銀金属膜の表面に設けられる第3金属ターゲット膜と、第3金属ターゲット膜の表面に設けられ、屈折率が2.0〜2.5である第3高屈折率化合物膜と、が更に含まれることが好ましい。
【0012】
上記の柔軟性透明基材の厚さは、20μm〜30μmから選択されることが好ましい。
【0013】
上記の第1金属ターゲット膜の材料と第2金属ターゲット膜の材料、第3金属ターゲット膜の材料は、各々Zn、Ti、Cu、Ni、NiCr、Crから選択されることが好ましい。
【0014】
上記の第1金属ターゲット膜と第2金属ターゲット膜、第3金属ターゲット膜の厚さは、各々0.2nm〜0.8nmから選択されることが好ましい。
【0015】
上記の第1高屈折率化合物膜と第2高屈折率化合物膜、第3高屈折率化合物膜の屈折率は、各々2.2〜2.3から選択されることが好ましい。
【0016】
上記の第1高屈折率化合物膜と第2高屈折率化合物膜、第3高屈折率化合物膜の材料は、各々Nb、ITO、Si、SnO、TiO、TaOから選択されることが好ましい。
【0017】
上記の第1高屈折率化合物膜の厚さは、22nm〜30nmから選択されることが好ましい。
【0018】
上記の第1金属酸化物膜と第2金属酸化物膜の材料は、各々酸化亜鉛や錫を混ぜた酸化亜鉛、酸化錫から選択されることが好ましい。
【0019】
上記の第1金属酸化物膜と第2金属酸化物膜の厚さは、各々1nm〜5nmから選択されることが好ましい。
【0020】
上記の第1含銀金属膜と第2含銀金属膜の材料は、各々銀合金から選択されることが好ましい。
【0021】
上記の第1含銀金属膜と第2含銀金属膜の厚さは、各々5nm〜10nmから選択されることが好ましい。
【0022】
上記の第2高屈折率化合物膜の厚さは、22nm〜28nmから選択されることが好ましい。
【0023】
上記の第3高屈折率化合物膜の厚さは、20nm〜30nmから選択されることが好ましい。
【0024】
上記の窓用フィルムは、380nm〜780nmの可視線範囲で透光率が72%より高く、780nm〜2500nmの赤外線範囲で透光率が10%より低いことが好ましい。
【0025】
本発明が提供するこの窓用フィルムは、付着性能が好く、柔軟性透明基材上によく付着し、脱落しにくい。実験結果を介して、本発明が提供する窓用フィルムは100/100で脱落が無い事が証明された。
【0026】
また、本発明が提供するこの窓用フィルムは抗酸化性が優れ、酸化しにくい。実験結果を介して、本発明が提供する窓用フィルムは、老化試験機(QUV)での2000時間放置後、色差値ΔEが1以下であり、また本発明が提供する窓用フィルムは、光学的効果が優れ、特に自動車のフロントガラスのフィルムに適する。実験結果を介して、本発明が提供する窓用フィルムは、380nm〜780nmの可視線範囲での透光率が72%以上であり、780nm〜2500nmの赤外線範囲での透光率が10%以下である事が明らかになった。又、本発明が提供する窓用フィルムは、遮熱効果が好く、実験結果を介して、本発明が提供する窓用フィルムは、1500秒間の赤外線輻射で温度が2〜3℃上昇することが証明された。
【0027】
本発明は、以下のステップを含む窓用フィルムの製造方法を提供する。
【0028】
1)第1金属ターゲットを柔軟性透明基材の表面にマグネトロンスパッタリングさせ、上記の柔軟性透明基材の表面に設けられる第1金属ターゲット膜を得るステップ。
【0029】
2)上記の第1金属ターゲット膜の表面に屈折率が2.0〜2.5である第1高屈折率化合物をマグネトロンスパッタリングさせ、上記の第1金属ターゲット膜の表面に設けられる第1高屈折率化合物膜を得るステップ。
【0030】
3)上記の第1高屈折率化合物膜の表面に遷移金属酸化物や錫酸化物から選択される第1金属酸化物をマグネトロンスパッタリングさせ、上記の第1高屈折率化合物膜の表面に設けられる第1金属酸化物膜を得るステップ。
【0031】
4)上記の第1金属酸化物膜の表面に第1含銀金属をマグネトロンスパッタリングさせ、上記の第1金属酸化物膜の表面に設けられる第1含銀金属膜を得るステップ。
【0032】
5)上記の第1含銀金属膜の表面に第2金属ターゲットをマグネトロンスパッタリングさせ、上記の第1含銀金属膜の表面に設けられる第2金属ターゲット膜を得るステップ。
【0033】
6)上記の第2金属ターゲット膜の表面に屈折率が2.0〜2.5である第2高屈折率化合物をマグネトロンスパッタリングさせ、窓用フィルムを得るステップ。
【0034】
本発明が提供するこの方法で製造した窓用フィルムは、付着性能が優れ、柔軟性透明基材によく付着可能であり、脱落しにくい。又、本発明が提供するこの方法で製造した窓用フィルムは、抗酸化性と光学的効果、遮熱効果が好く、本発明が提供する窓用フィルムを製造する方法は、工程が簡単で、操作が便利であり、生産の定量化を実現しやすい。
【0035】
本発明の実施例や従来の技術中の技術案をより明確に説明するため、以下に実施例や従来の技術を記述するのに利用する図面を簡単に紹介する。以下の記述の中、図面は、ただ本発明の実施例であり、当業者において、創造的な労働なく、提供される図面に基づいて他の図面を更に得ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】本発明の実施例が提供する窓用フィルムの構造を示す図である。
図2】本発明の実施例1に提供する窓用フィルムの透光率を示す図である。
図3】本発明の実施例2が提供する窓用フィルムの透光率を示す図である。
図4】本発明の実施例3が提供する窓用フィルムの透光率を示す図である。
図5】本発明の実施例1が提供する窓用フィルムの遮熱効果の実験結果を示す図である。
図6】本発明の実施例4が提供する窓用フィルムの透光率を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下に本発明の実施例中の技術的対策に対する明確かつ完璧な描写を行う。特に、描写する実施例は、本発明の部分的な実施例であり、決して全体的な実施例ではない。本発明の実施例に基づき、当業者において、創造的な労働なく得られる全ての他の実施例は、本発明の保護範囲に入る。
【0038】
本発明が提供する窓用フィルムは、基板になる柔軟性透明基材と、柔軟性透明基材の表面に設けられる第1金属ターゲット膜と、第1金属ターゲット膜の表面に設けられ、屈折率が2.0〜2.5である第1高屈折率化合物膜と、第1高屈折率化合物膜の表面に設けられる遷移金属酸化物や錫酸化物材料の第1金属酸化物膜と、第1金属酸化物膜の表面に設けられる第1含銀金属膜と、第1含銀金属膜の表面に設けられる第2金属ターゲット膜と、第2金属ターゲット膜の表面に設けられ、屈折率が2.0〜2.5である第2高屈折率化合物膜と、を含む。
【0039】
本発明が提供する窓用フィルムには、柔軟性透明基材が含まれる。本発明は、上記の柔軟性透明基材の種類とソースについての特殊な制限は無く、当業者なら知っており、市場でも購買可能である窓用フィルム製造に利用される基板材料なら十分である。本発明の実施例で、上記の柔軟性透明基材は、ポリエチレンテレフタラート(PET)であって、他の実施例で、上記の柔軟性透明基材は、紫外線(UV)を遮るPETであることもできる。本発明の実施例で、上記UVを遮るPETの波長は、300nm〜380nmであることができる。本発明の実施例で、上記UVを遮るPETの透光率Tは、2%以下である。本発明の実施例で、上記UVを遮るPETは、普通のPETにUV吸着剤を添加して得ることができる。本発明の実施例で、上記の柔軟性透明基材の厚さは、20μm〜30μmであり、他の実施例で、上記の柔軟性透明基材の厚さは、22μm〜26μmであることができる。
【0040】
本発明が提供する窓用フィルムには、上記の柔軟性透明基材の表面に設けられる第1金属ターゲット膜が含まれる。本発明で、上記の第1金属ターゲット膜の材料は、金属ターゲットである。本発明は、上記の金属ターゲットの種類とソースについての特殊な制限は無く、当業者なら知っており、市場でも購買可能である金属ターゲットなら十分である。本発明の優先的な実施例で、上記の第1金属ターゲット膜の材料は、Zn、Ti、Cu、Ni、NiCr、Crであり、他の優先的な実施例で、上記の第1金属ターゲット膜の材料はTi、Cu、Ni、NiCrであり、他の優先的な実施例で、上記の第1金属ターゲット膜の材料は、TiやNiCrであることができる。本発明の実施例で、上記の第1金属ターゲット膜の厚さは、0.2nm〜0.8nmであり、他の実施例で、上記の第1金属ターゲット膜の厚さは、0.3nm〜0.5nmであることができる。本発明で、柔軟性基材膜に設けられる第1金属ターゲット膜は、付着性能が好いため、本発明が提供する窓用フィルムの付着性能が優れるわけである。
【0041】
本発明が提供する窓用フィルムは、上記の第1金属ターゲット膜の表面に設けられ、屈折率が2.0〜2.5である第1高屈折率化合物膜を含む。本発明で、上記の第1高屈折率化合物膜の材料は、屈折率が2.0〜2.5である高屈折率化合物から選択される。本発明の実施例で、上記の高屈折率化合物の屈折率は、2.2〜2.3から選択されることができる。本発明の実施例で、上記の第1高屈折率化合物膜の材料は、Nb、ITO、Si、SnO、TiO、TaOであり、本発明の優先的な実施例で、上記の第1高屈折率化合物膜の材料は、Nb、ITO、Si、SnOであることができる。本発明は、上記の高屈折率化合物の材料について特に制限が無く、当業者なら知っており、市場でも購買可能である高屈折率化合物なら十分である。
【0042】
本発明の実施例で、上記の第1高屈折率化合物膜の厚さは、22nm〜30nmであり、他の実施例で、上記の第1高屈折率化合物膜の厚さは、23nm〜27nmであることができる。
【0043】
本発明が提供する窓用フィルムは、上記の第1高屈折率化合物膜に設けられる遷移金属酸化物や錫酸化物材料の第1金属酸化物膜を含む。本発明の実施例で、上記の第1金属酸化物膜の材料は、酸化亜鉛やアルミニウムが混じった酸化亜鉛(AZO)、酸化錫であることができる。本発明は、上記の遷移金属酸化物や錫の酸化物のソースについて特に制限は無く、当業者なら知っており、市場でも購買可能である上記の種類に属する遷移金属酸化物や錫の酸化物なら十分である。
【0044】
本発明の実施例で、上記の第1金属酸化物膜の厚さは、1nm〜5nmであり、他の実施例で、第1金属酸化物膜の厚さは、2nm〜3nmであることができる。本発明で、上記の第1金属酸化物膜の厚さを調整し、本発明が提供する窓用フィルムの色度を微細に調節できる。
【0045】
本発明が提供する窓用フィルムは、上記の第1金属酸化物膜の表面に設けられる第1含銀金属膜を含む。本発明で、上記の第1含銀金属膜の材料は、含銀金属である。本発明で、上記の含銀金属は純粋な銀や銀合金であることができる。本発明の優先的な実施例で、上記の含銀金属膜の材料は銀合金であることができる。本発明の優先的な実施例で、合金の質量の比率は98%以上であり、残りはZn、Cu、In、Pt、Pd、Auのうち一種もしくは多種である。本発明は、含銀金属のソースについて特に制限は無く、当業者なら知っており、市場でも購買可能であり、又は当業者なら知っている合金製造方法で得ることもできる純粋な銀や銀合金なら十分である。
【0046】
本発明の実施例で、上記の第1含銀金属膜の厚さは、5nm〜10nmであり、他の実施例で、第1含銀金属膜の厚さは、6nm〜8nmであることができる。本発明で、上記の第1含銀金属膜は、本発明が提供する窓用フィルムに高い抗酸化性を与える。本発明が提供する窓用フィルムは、上記の第1含銀金属膜の表面に設けられる第2金属ターゲット膜を含む。本発明の実施例で、上記の第2金属ターゲット膜の厚さは0.2nm〜0.8nmであり、他の実施例で、上記の第2金属ターゲット膜の厚さは0.3nm〜0.5nmであることができる。本発明で、上記の第2金属ターゲット膜の厚さを調整して本発明が提供する窓用フィルムの色度を微細に調節できる。本発明で、上記の第2金属ターゲット膜は、第1含銀金属膜を保護する作用をする。
【0047】
本発明で、上記の第2金属ターゲット膜の材料は金属ターゲットである。本発明で、金属ターゲットの種類とソースは、上記の技術案で記述した金属ターゲットの種類とソースと一致するので、ここでの記述は避けることにする。本発明で、上記の第1金属ターゲット膜と第2金属ターゲット膜は同一または異なることができる。本発明の優先的な実施例で、上記の第2金属ターゲット膜の材料はTiやNiCrであることができる。
【0048】
本発明が提供する窓用フィルムは、上記の第2金属ターゲット膜の表面に設けられ、屈折率が2.0〜2.5である第2高屈折率化合物膜を含む。本発明で、上記の第2高屈折率化合物膜の材料の種類とソースは、上記の技術案で記述した第1高屈折率化合物膜の材料の種類とソースと一致するので、ここでの記述は避けることにする。本発明で、上記の第1高屈折率化合物膜と第2高屈折率化合物膜は同一または異なることができる。本発明の優先的な実施例で、上記の第2高屈折率化合物膜の材料はNb、ITO、Si、SnOであることができる。
【0049】
本発明の実施例で、上記の第2高屈折率化合物膜の厚さは22nm〜27nmであり、他の実施例で、上記の第2高屈折率化合物膜の厚さも23nm〜26nmであることができる。
【0050】
本発明の優先的な実施例で、窓用フィルムは、上記の第2高屈折率化合物膜の表面に設けられる遷移金属酸化物や錫の酸化物材料の第2金属酸化物膜と、上記の第2金属酸化物膜の表面に設けられる第2含銀金属膜と、上記の第2含銀金属膜の表面に設けられる第3金属ターゲット膜と、上記の第3金属ターゲット膜の表面に設けられ、屈折率が2.0〜2.5である第3高屈折率化合物膜と、を含む。
【0051】
本発明の優先的な実施例で、窓用フィルムは、第1金属ターゲット膜と第1高屈折率化合物膜、第1金属酸化物膜、第1含銀金属膜、第2金属ターゲット膜、第2高屈折率化合物膜から構成される第1構造を含むことに基づいて、第2金属酸化物膜と第2含銀金属膜、第3金属ターゲット膜、第3高屈折率化合物膜から構成される第2構造を更に含み、上記の第1構造と第2構造は繰り返す構造であるので、本発明の実施例で、上記の窓用フィルムが第1構造と第2構造を同時に含む際に、第1構造中の第2高屈折率化合物膜の厚さは、第1構造の窓用フィルムの第2高屈折率化合物膜の厚さの2倍であることができる。本発明の実施例で、上記の窓用フィルムが第1構造と第2構造を同時に含む際に、上記の第1構造中の第2高屈折率化合物膜の厚さは、45nm〜55nmであることができる。
【0052】
本発明が提供する窓用フィルムは、上記の第2高屈折率化合物膜の表面に設けられる遷移金属酸化物や錫の金属酸化物材料の第2金属酸化物膜を更に含む。本発明で、上記の第2金属酸化物膜は上記の第1含銀金属膜をよりよく保護できる。本発明で、上記の第2金属酸化物膜の厚さと第2金属酸化物材料の種類及びソースは、上記の技術案で記述した第1金属酸化物膜の厚さと第1金属酸化物膜材料の種類及びソースと一致するので、ここでの記述は避けることにする。本発明で、上記の第1金属酸化物膜は第2金属酸化物膜と同じまたは異なることができる。本発明の実施例で、上記の第2金属酸化物膜の厚さは1nm〜3nmであることができる。本発明で、上記の第2金属酸化物膜の厚さを調整して本発明が提供する窓用フィルムの色度を微細に調節する。
【0053】
本発明が提供する窓用フィルムは、上記の第2金属酸化物膜の表面に設けられる第2含銀金属膜を含む。本発明で、上記の第2含銀金属膜の厚さと第2含銀金属膜材料の種類とソースは、上記の技術案で記述した第1含銀金属膜の厚さと第1含銀金属膜材料の種類とソースと一致するので、ここでの記述は避けることにする。本発明で、上記の第1含銀金属膜は第2含銀金属膜と同じまたは異なることができる。本発明の優先的な実施例で、上記の第2含銀金属膜の材料は銀合金でも可能である。本発明の実施例で、上記の第2含銀金属膜の厚さは5〜12nmであることができる。
【0054】
本発明が提供する窓用フィルムは、第2含銀金属膜の表面に設けられる第3金属ターゲット膜を含む。本発明の実施例で、上記の第2金属ターゲット膜の厚さは0.2〜0.8nmであり、他の実施例で、上記の第3金属ターゲット膜の厚さは0.3〜0.8nmであることができる。本発明で、上記の第3金属ターゲット膜の厚さを調整して本発明が提供する窓用フィルムの色度を微細に調節できる。本発明で、上記の第3金属ターゲット膜は上記の第2含銀金属膜を保護可能である。
【0055】
本発明で、上記の第3金属ターゲット膜の材料は金属ターゲットである。本発明で、上記の第3金属ターゲット膜材料の種類とソースは、上記の技術案で記述した第1金属ターゲット膜材料の種類とソースと一致するので、ここでの記述は避けることにする。本発明で、上記の第1金属ターゲット膜と第2金属ターゲット膜、第3金属ターゲット膜は同じまたは異なることができる。本発明の優先的な実施例で、上記の第3金属ターゲット膜の材料はTiやNiCrであることができる。
【0056】
本発明が提供する窓用フィルムは、第3金属ターゲット膜の表面に設けられ、屈折率が2.0〜2.5である第3高屈折率化合物膜を更に含む。本発明で、上記の第3高屈折率化合物膜材料の種類とソースは、上記の技術案で記述した第1高屈折率化合物膜材料の種類とソースと一致するので、ここでの記述は避けることにする。本発明で、上記の第1高屈折率化合物膜と第2高屈折率化合物膜、第3高屈折率化合物膜は同じまたは異なることができる。本発明の優先的な実施例で、上記の第3高屈折率化合物膜の材料はNb、ITO、SiまたはSnOであることができる。
【0057】
本発明の実施例で、上記の第3高屈折率化合物膜の厚さは20〜30nmであり、他の実施例で、上記の第3高屈折率化合物膜の厚さは23〜29nmであり、他の実施例で、上記の第3高屈折率化合物膜の厚さは24〜26nmであることができる。
【0058】
図1は本発明の実施例で提供する窓用フィルムの構造を示す図である。図1に示すように、本発明の実施例で提供する窓用フィルムは、PETと、PET表面に設けられる第1層Ti膜と、上記の第1層Ti膜の表面に設けられる第1層高屈折率化合物膜と、上記の第1層高屈折率化合物膜の表面に設けられる第1層AZO膜と、上記の第1層AZO膜の表面に設けられる第1層銀合金膜と、上記の第1層銀合金膜の表面に設けられる第2層Ti膜と、上記の第2層Ti膜の表面に設けられる第2層高屈折率化合物膜と、上記の第2層高屈折率化合物膜の表面に設けられる第2層AZO膜と、上記の第2層AZO膜の表面に設けられる第2層銀合金膜と、上記の第2層銀合金膜の表面に設けられる第3層Ti膜と、上記の第3層Ti膜の表面に設けられる第3層高屈折率化合物膜と、を含む。高屈折率化合物と銀合金は、上記の技術案で記述した高屈折率化合物及び銀合金と一致するので、ここでの記述は避けることにする。
【0059】
本発明は、以下のステップを含む窓用フィルムの製造方法を提供する。
【0060】
1)第1金属ターゲットを柔軟性透明基材の表面にマグネトロンスパッタリングさせ、上記の柔軟性透明基材の表面に設けられる第1金属ターゲット膜を得るステップ。
【0061】
2)上記の第1金属ターゲット膜の表面に屈折率が2.0〜2.5である第1高屈折率化合物をマグネトロンスパッタリングさせ、上記の第1金属ターゲット膜の表面に設けられる第1高屈折率化合物膜を得るステップ。
【0062】
3)上記の第1高屈折率化合物膜の表面に遷移金属酸化物や錫酸化物から選択される第1金属酸化物をマグネトロンスパッタリングさせ、上記の第1高屈折率化合物膜の表面に設けられる第1金属酸化物膜を得るステップ。
【0063】
4)上記の第1金属酸化物膜の表面に第1含銀金属をマグネトロンスパッタリングさせ、上記の第1金属酸化物膜の表面に設けられる第1含銀金属膜を得るステップ。
【0064】
5)上記の第1含銀金属膜の表面に第2金属ターゲットをマグネトロンスパッタリングさせ、上記の第1含銀金属膜の表面に設けられる第2金属ターゲット膜を得るステップ。
【0065】
6)上記の第2金属ターゲット膜の表面に屈折率が2.0〜2.5である第2高屈折率化合物をマグネトロンスパッタリングさせ、窓用フィルムを得るステップ。
【0066】
本発明の優先的な実施例で、窓用フィルムの製造方法は、
【0067】
上記の第2高屈折率化合物膜の表面に第2金属酸化物をマグネトロンスパッタリングさせ、上記の第2高屈折率化合物膜の表面に設けられる遷移金属酸化物や錫の酸化物材料の第2金属酸化物膜を得るステップと、
【0068】
上記の第2金属酸化物膜の表面に第2含銀金属をマグネトロンスパッタリングさせ、上記の第2酸化物膜の表面に設けられる第2含銀金属膜を得るステップと、
【0069】
上記の第2含銀金属膜の表面に第3金属ターゲットをマグネトロンスパッタリングさせ、上記の第2含銀金属膜の表面に設けられる第3金属ターゲット膜を得るステップと、
【0070】
上記の第3金属ターゲット膜の表面に屈折率が2.0〜2.5である第3高屈折率酸化物をマグネトロンスパッタリングさせ、上記の窓用フィルムを得るステップと、を更に含む。
【0071】
本発明で、第1金属ターゲットを柔軟性透明基材の表面にマグネトロンスパッタリングさせ、上記の柔軟性透明基材の表面に設けられる第1金属ターゲット膜を得る。本発明で、上記の金属ターゲットと柔軟性透明基材の種類とソースは、上記の技術案で記述した金属ターゲットと柔軟性透明基材の種類とソースと一致するので、ここでの記述は避けることにする。本発明で、上記の第1金属ターゲット膜の厚さは、上記の技術案で記述した第1金属ターゲット膜の厚さと一致するので、ここでの記述は避けることにする。本発明は、上記の第1金属ターゲットを柔軟性透明材料の表面にマグネトロンスパッタリングさせる方法について特に制限しないので、当業者なら知っているマグネトロンスパッタリングの技術案を利用してもかまわない。本発明の実施例で、上記の第1金属ターゲットを柔軟性基材の表面にマグネトロンスパッタリングさせる際のスパッタリングガスは、アルゴンガスであることができる。本発明の実施例で、マグネトロンスパッタリングの出力を調節して上記の第1金属ターゲット膜の厚さを調整することができる。
【0072】
第1金属ターゲット膜を得た後、本発明は、上記の第1金属ターゲット表面に第1高屈折率化合物をマグネトロンスパッタリングさせ、上記の第1金属ターゲット表面に設けられる屈折率が2.0〜2.5である第1高屈折率化合物膜を得る。本発明で、上記の第1高屈折率化合物の種類とソースは、上記の技術案で記述した高屈折率化合物の種類及びソースと一致するので、ここでの記述は避けることにする。本発明で、上記の第1高屈折率化合物膜の厚さは上記の技術案で記述した高屈折率化合物膜の厚さと一致するので、ここでの記述は避けることにする。本発明は、上記の第1高屈折率化合物を第1金属ターゲット膜の表面にマグネトロンスパッタリングさせる方法について特に制限しないので、当業者なら知っているマグネトロンスパッタリングの技術案を利用してもかまわない。本発明の実施例で、上記の第1高屈折率化合物を第1金属ターゲット表面にマグネトロンスパッタリングさせる際に利用するスパッタリングガスはアルゴンであることができる。本発明の実施例で、上記の第1高屈折率化合物を第1金属ターゲット表面にマグネトロンスパッタリングさせる際に利用するスパッタリングリフレクションガスと反応ガスとはそれぞれアルゴンガスと酸素であることができる。本発明の実施例で、マグネトロンスパッタリングの出力を調節して第1高屈折率化合物膜の厚さを調整することができる。
【0073】
第1高屈折率化合物膜を得た後、本発明は、上記の第1高屈折率化合物膜の表面に第1金属酸化物をマグネトロンスパッタリングさせ、第1高屈折率化合物膜の表面に設けられる第1金属酸化物膜を得る。本発明で、上記の第1金属酸化物の種類とソースは、上記の技術案で記述した金属酸化物の種類及びソースと一致するので、ここでの記述は避けることにする。本発明で、上記の第1金属酸化物膜の厚さは上記の技術案で記述した第1金属酸化物膜の厚さと一致するので、ここでの記述は避けることにする。本発明は、第1金属酸化物を第1高屈折率化合物膜の表面にマグネトロンスパッタリングさせる方法について特に制限しないので、当業者なら知っているマグネトロンスパッタリングの技術案を利用してもかまわない。本発明の実施例で、上記の第1金属酸化物を第1高屈折率化合物にマグネトロンスパッタリングさせるスパッタリングガスはアルゴンガスであることができる。本発明の実施例で、上記の第1金属酸化物を第1金属ターゲット膜の表面にマグネトロンスパッタリングさせるスパッタリングガスと反応ガスとはそれぞれアルゴンガスと酸素ガスであることができる。本発明の実施例で、マグネトロンスパッタリングの出力を調節して第1金属酸化物膜の厚さを調整することができる。
【0074】
第1金属酸化物膜を得た後、本発明は、上記の第1金属酸化物膜の表面に第1含銀金属をマグネトロンスパッタリングさせ、上記の第1金属酸化物膜の表面に設けられる第1含銀金属を得る。本発明で、上記の第1含銀金属の種類とソースは、上記の技術案で記述した含銀金属の種類及びソースと一致するので、ここでの記述は避けることにする。本発明で、上記の第1含銀金属膜の厚さは上記の技術案で記述した第1含銀金属膜の厚さと一致するので、ここでの記述は避けることにする。本発明は、上記の第1含銀金属を第1金属酸化物膜の表面にマグネトロンスパッタリングさせる方法について特に制限しないので、当業者なら知っているマグネトロンスパッタリングの技術案を利用してもかまわない。本発明の実施例で、上記の第1含銀金属を第1金属酸化物膜の表面にマグネトロンスパッタリングさせるスパッタリングガスはアルゴンガスであることができる。本発明の実施例で、マグネトロンスパッタリングの出力を調節して第1含銀金属膜の厚さを調整することができる。
【0075】
第1含銀金属膜を得た後、本発明は、上記の第1含銀金属膜の表面に第2金属ターゲットをマグネトロンスパッタリングさせ、上記の第1含銀金属膜の表面に設けられる第2金属ターゲット膜を得る。本発明で、上記の第2金属ターゲットの種類とソースは、上記の技術案で記述した金属ターゲットの種類及びソースと一致するので、ここでの記述は避けることにする。本発明で、上記の第1金属ターゲットは第2金属ターゲットと同じまたは異なることができる。本発明で、上記の第2金属ターゲット膜の厚さは、上記の技術案で記述した第2金属ターゲット膜の厚さと一致するので、ここでの記述は避けることにする。本発明で、上記の第2金属ターゲットを第1含銀金属膜の表面にマグネトロンスパッタリングさせる方法について特に制限しないので、当業者なら知っているマグネトロンスパッタリングの技術案を利用してもかまわない。本発明の実施例で、上記の第2金属ターゲットを第1含銀金属膜の表面にマグネトロンスパッタリングさせるスパッタリングガスはアルゴンガスであることができる。本発明の実施例で、マグネトロンスパッタリングの出力を調節して第2金属ターゲット膜の厚さを調整することができる。
【0076】
第2金属ターゲットを得た後、本発明は、上記の第2金属ターゲット膜の表面に第2高屈折率化合物をマグネトロンスパッタリングさせ、上記の第2金属ターゲット膜の表面に設けられる第2高屈折率化合物膜を得る。上記の第2高屈折率化合物の屈折率は2.0〜2.5から選択する。本発明で、上記の第2高屈折率化合物の種類とソースは、上記の技術案で記述した高屈折率化合物の種類及びソースと一致するので、ここでの記述は避けることにする。本発明で、上記の第1高屈折率化合物は第2高屈折率化合物と同じまたは異なることができる。。本発明で、上記の第2高屈折率化合物膜の厚さは上記の技術案で記述した第2高屈折率化合物膜の厚さと一致するので、ここでの記述は避けることにする。本発明は、上記の第2高屈折率化合物を第2金属ターゲット膜の表面にマグネトロンスパッタリングさせる方法について特に制限しないので、当業者なら知っているマグネトロンスパッタリングの技術案を利用してもかまわない。本発明の実施例で、上記の第2高屈折率化合物を第2金属ターゲット膜の表面にマグネトロンスパッタリングさせるスパッタリングガスはアルゴンガスであることができる。本発明の実施例で、上記の第2高屈折率化合物を第2金属ターゲット膜の表面にマグネトロンスパッタリングさせる際に利用するスパッタリングガスと反応ガスとはそれぞれアルゴンガスと酸素ガスであることができる。本発明の実施例で、マグネトロンスパッタリングの出力を調節して上記の第2高屈折率化合物膜の厚さを調整することができる。
【0077】
本発明の優先的な実施例で、第2高屈折率化合物膜を得た後、本発明は、第2高屈折率化合物膜の表面に第2金属酸化物をマグネトロンスパッタリングさせ、上記の第2高屈折率化合物膜の表面に設けられる第2金属酸化物膜を得る。本発明で、上記の第2金属酸化物の種類とソースは、上記の技術案で記述した金属酸化物の種類及びソースと一致するので、ここでの記述は避けることにする。本発明で、上記の第1金属酸化物は第2金属酸化物と同じまたは異なることができる。本発明で、上記の第2金属酸化物膜の厚さは上記の技術案で記述した第2金属酸化物膜の厚さと一致するので、ここでの記述は避けることにする。本発明は、上記の第2金属酸化物を第2高屈折率化合物膜の表面にマグネトロンスパッタリングさせる方法について特に制限しないので、当業者なら知っているマグネトロンスパッタリングの技術案を利用してもかまわない。本発明の実施例で、上記の第2金属酸化物を第2高屈折率化合物膜の表面にマグネトロンスパッタリングさせるスパッタリングガスはアルゴンガスであることができる。本発明の実施例で、上記の第2金属酸化物を第2高屈折率化合物膜の表面にマグネトロンスパッタリングさせる際に利用するスパッタリングガスと反応ガスとはそれぞれアルゴンガスと酸素ガスであることができる。本発明の実施例で、マグネトロンスパッタリングの出力を調節して上記の第2金属酸化物膜の厚さを調整することができる。
【0078】
本発明の優先的な実施例で、第2金属酸化物膜を得た後、本発明は、第2金属酸化物膜の表面に第2含銀金属をマグネトロンスパッタリングさせ、上記の第2金属酸化物膜の表面に設けられる第2含銀金属膜を得る。本発明で、上記の第2含銀金属の種類とソースは、上記の技術案で記述した含銀金属の種類及びソースと一致するので、ここでの記述は避けることにする。本発明で、上記の第1含銀金属は第2含銀金属と同一または異なっていることができる。本発明で、上記の第2含銀金属膜の厚さは上記の技術案で記述した第2含銀金属膜の厚さと一致するので、ここでの記述は避けることにする。本発明で、上記の第2含銀金属を第2金属酸化物膜の表面にマグネトロンスパッタリングさせる方法について特に制限しないので、当業者なら知っているマグネトロンスパッタリングの技術案を利用しても構わない。本発明の実施例で、上記の第2含銀金属を第2金属酸化物膜の表面にマグネトロンスパッタリングさせるスパッタリングガスはアルゴンガスであることができる。本発明の実施例で、マグネトロンスパッタリングの出力を調節して第2含銀金属膜の厚さを調整することができる。
【0079】
本発明の優先的な実施例で、上記の第2含銀金属膜を得た後、本発明では第3金属ターゲットを第2含銀金属膜の表面にマグネトロンスパッタリングさせ、上記の第2含銀金属膜の表面に設けられる第3金属ターゲット膜を得る。本発明で、上記の第3金属ターゲットの種類とソースは、上記の技術案で記述した金属ターゲットの種類及びソースと一致するので、ここでの記述は避けることにする。本発明で、上記の第1金属ターゲット、第2金属ターゲットは第3金属ターゲットと同一または異なっていることができる。本発明で、上記の第3金属ターゲット膜の厚さは上記の技術案で記述した第3金属ターゲット膜の厚さと一致するので、ここでの記述は避けることにする。本発明は、上記の第3金属ターゲットを第2含銀金属膜の表面にマグネトロンスパッタリングさせる方法について特に制限しないので、当業者なら知っているマグネトロンスパッタリングの技術案を利用してもかまわない。本発明の実施例で、上記の第3金属ターゲットを第2含銀金属膜の表面にマグネトロンスパッタリングさせるスパッタリングガスはアルゴンガスであることができる。本発明の実施例で、マグネトロンスパッタリングの出力を調節して上記の第3金属ターゲット膜の厚さを調整することができる。
【0080】
本発明の優先的な実施例で、第3金属ターゲットを得た後、本発明は、上記の第3金属ターゲット膜の表面に屈折率が2.0〜2.5である第3高屈折率化合物をマグネトロンスパッタリングさせ、窓用フィルムを得る。本発明で、上記の第3高屈折率化合物の種類とソースは、上記の技術案で記述した高屈折率化合物の種類及びソースと一致するので、ここでの記述は避けることにする。本発明で、上記の第1高屈折率化合物、第2高屈折率化合物は第3高屈折率化合物と同一または異なっていることができる。本発明で、上記の第3高屈折率化合物膜の厚さは上記の技術案で記述した第3高屈折率化合物膜の厚さと一致するので、ここでの記述は避けることにする。本発明は、上記の第3高屈折率化合物を第3金属ターゲット膜の表面にマグネトロンスパッタリングさせる方法について特に制限しないので、当業者なら知っているマグネトロンスパッタリングの技術案を利用してもかまわない。本発明の実施例で、上記の第3高屈折率化合物を第3金属ターゲット膜の表面にマグネトロンスパッタリングさせるスパッタリングガスはアルゴンガスであることができる。発明の実施例で記述した第3高屈折率化合物を第3金属ターゲット膜の表面にマグネトロンスパッタリングさせる際に利用するスパッタリングガスと反応ガスとはそれぞれアルゴンガスと酸素ガスであることができる。本発明の実施例で、マグネトロンスパッタリングの出力を調節して第3高屈折率化合物膜の厚さを調整することができる。
【0081】
本発明で提供する方法で製造した窓用フィルムは、付着性能が優れ、柔軟性透明基材によく付着可能であり、脱落しにくい。又、本発明が提供するこの方法で製造した窓用フィルムは抗酸化性と光学的効果、遮熱効果が好い。又、本発明が提供する窓用フィルムを製造する方法の工程は単純で、操作が便利であり、大量生産に向いている。
【0082】
ASTM D1003《透明プラスチックの透光率と曇り具合に対する検査方法》の規格により分光光度計を利用して本発明が提供する窓用フィルムの380nm〜780nm範囲での可視線の透過率VLTを実験した結果、本発明が提供する窓用フィルムはVLTが70%以上であり、分光光度計を利用して本発明が提供する窓用フィルムの380nm〜780nm範囲での可視線の反射率VLRを実験した結果、本発明が提供する窓用フィルムはVLRが9.5%以下であり、分光光度計を利用して本発明が提供する窓用フィルムの780nm〜2500nm範囲の赤外線の透光率IRTを実験した結果、本発明が提供する窓用フィルムはIRTが8%以下である。分光光度計を利用して本発明が提供する窓用フィルムの太陽エネルギー抑制率TSERを実験した。太陽エネルギー抑制率は、抑制される太陽エネルギー量(主に可視線や赤外線、紫外線である。)と物体の表面に注ぐ太陽エネルギー量の比例である。実験結果によると本発明が提供する窓用フィルムはTSERが50%以上である。本発明が提供する窓用フィルムは比較的に好い光学効果を有する。
【0083】
ASTM D3359《粘着テープで付着力を測る検査規格》により、本発明が提供する窓用フィルムの付着性能を実験した結果、本発明が提供する窓用フィルムは100/100で脱落が無い。本発明が提供する窓用フィルムは比較的好い付着性能を有する。
【0084】
本発明が提供する窓用フィルムを接着剤で自動車のフロントガラスの表面に貼り、窓用フィルムを貼ったフロントガラスを老化実験機(QUV)の中に入れ、毎5日間隔でその光学的性質を実験して、全2000時間の実験を行い、下記の公式によって、その色差値(ΔE)を計算した。
【0085】
【数1】
【0086】
式中のΔLは照度差、Δaは色度縦方向差、Δbは色度横方向差である。
【0087】
実験結果によると本発明が提供する窓用フィルムはQVU中で2000時間の老化を経てΔEが1以下である。本発明が提供する窓用フィルムは比較的好い抗酸化性を有する。
【0088】
本発明が提供する窓用フィルムの遮熱効果を実験した。具体的な方法は次のようである。本発明が提供する窓用フィルムを接着剤で自動車のフロントガラスの表面に貼り、自動車のフロントガラスに温度センサーを一つ設けて上記の温度センサーと温度測定装置を接続する。自動車のフロントガラスの外側から25cm離れた所に太陽エネルギー赤外線灯を設けてガラスを照らし続け、上記の太陽エネルギー赤外線灯の出力は250W、電圧は230Vであり、温度測定装置によって温度を記録する。実験結果によると本発明が提供する窓用フィルムは、1500秒ほど赤外線灯を照らす場合、温度が2℃〜3℃しか上昇せず、比較的好い遮熱効果を有する。
【0089】
本発明の実施例に使用した原料は全て市販品である。
【0090】
実施例1
マグネトロンスパッタリング設備で窓用フィルムを製造する。
【0091】
厚さが23μmのPETコイルをロール解き室に置き,基材として製造を始める。
【0092】
上記の基材の表面にTiをマグネトロンスパッタリングさせ、スパッタリングガスはアルゴンガスであり、放電出力を調節して厚さが0.5nmの第1層Ti膜を得る。
【0093】
上記の第1層Ti膜の表面にNbをマグネトロンスパッタリングさせ、スパッタリングガスはアルゴンガスであり、放電出力を調節して厚さが25nmの第1層Nb膜を得る。
【0094】
上記の第1層Nb膜の表面にAZOをマグネトロンスパッタリングさせ、スパッタリングガスはアルゴンガスであり、スパッタリングガスと反応ガスとはそれぞれアルゴンガスと酸素であり、放電出力を調節して厚さが3nmの第1層AZO膜を得る。
【0095】
上記の第1層AZO膜の表面に銀合金をマグネトロンスパッタリングさせ、スパッタリングガスはアルゴンガスであり、放電出力を調節して厚さが8nmの第1層銀合金膜を得て、上記の合金には98.5%のAgが含まれ、残りはZnである。
【0096】
上記の第1層銀合金膜の表面にTiをマグネトロンスパッタリングさせ、スパッタリングガスはアルゴンガスであり、放電出力を調節して厚さが0.5nmの第2層Ti膜を得る。
【0097】
上記の第2層Ti膜の表面にNbをマグネトロンスパッタリングさせ、スパッタリングガスはアルゴンガスであり、反応ガスは酸素であり、放電出力を調節して厚さが50nmの第2層Nb膜を得る。
【0098】
上記の第2層Nb膜の表面にAZOをマグネトロンスパッタリングさせ、スパッタリングガスはアルゴンガスであり、反応ガスは酸素であり、放電出力を調節して厚さが3nmの第2層AZO膜を得る。
【0099】
上記の第2層AZO膜の表面に銀合金をマグネトロンスパッタリングさせ、スパッタリングガスはアルゴンガスであり、放電出力を調節して厚さが12nmの第2層銀合金膜を得て、上記の銀合金には98.5%のAgが含まれ、残りはZnである。
【0100】
上記の第2層銀合金膜の表面にTiをマグネトロンスパッタリングさせ、スパッタリングガスはアルゴンガスであり、放電出力を調節して厚さが0.5nmの第3層Ti膜を得る。
【0101】
上記の第3層Ti膜の表面にNbをマグネトロンスパッタリングさせ、スパッタリングガスはアルゴンガスであり、反応ガスは酸素であり、放電出力を調節して厚さが26nmの第3層Nb膜を得る。
【0102】
以上のように窓用フィルムを製造する。
【0103】
本発明の実施例1で製作した窓用フィルムは、厚さが23μmのPETと、上記のPET表面に設けられる厚さが0.5nmの第1層Ti膜と、上記の第1層Ti膜の表面表面に設けられる厚さが25nmの第1層Nb膜と、上記の第1層Nb膜の表面に設けられる厚さが3nmの第1層AZO膜と、上記の第1層AZO膜の表面に設けられる厚さが8nmの第1層銀合金膜と、上記の第1層銀合金膜の表面に設けられる厚さが0.5nmの第2層Ti膜と、上記の第2層Ti膜の表面に設けられる厚さが50nmの第2層Nb膜と、上記の第2層Nb膜の表面に設けられる厚さが3nmの第2層AZO膜と、上記の第2層AZO膜の表面に設けられる厚さが12nmの第2層銀合金膜と、上記の第2層銀合金膜の表面に設けられる厚さが0.5nmの第3層Ti膜と、上記の第3層Ti膜の表面に設けられる厚さが26nmの第3層Nb膜と、を含む。
【0104】
上記の技術案に記述された方法により本発明の実施例1で製作した窓用フィルムの380nm〜780nm範囲の可視線の透光率VLTを実験して、実験結果は図2に示す通りであり、図2は本発明の実施例1が提供する窓用フィルムの透光率を示す図であり、図2からVLTが73%であることがわかる。上記の技術案に記述された方法により本発明の実施例1で製作した窓用フィルムの380nm〜780nm範囲の可視線の反射率VLRを実験して、実験結果によるとVLRは9.5%である。上記の技術案に記述された方法により本発明の実施例1で製作した窓用フィルムの780nm〜2500nm範囲の赤外線の透光率IRTを実験して、実験結果によるとIRTは7%である。上記の技術案に記述された方法により本発明の実施例1で製作した窓用フィルムの太陽エネルギー抑制率TSERを実験して、実験結果によるとTSERは50%以上である。上記の実験結果は、本発明の実施例1で製作した窓用フィルムが比較的好い光学的効果を持つことを示す。
【0105】
上記の技術案に記述された方法により本発明の実施例1で製作した窓用フィルムの付着性能を実験して、実験結果によると本発明の実施例1で製作した窓用フィルムは100/100脱落が無く、付着性能が比較的好い。
【0106】
上記の技術案に記述された方法により本発明の実施例1で製作した窓用フィルムの抗酸化性を実験して、実験結果によると本発明の実施例1で製作した窓用フィルムはQUV中で2000時間放置後、色差値ΔEが1以下であり、抗酸化性は比較的好い。
【0107】
上記の技術案に記述された方法により本発明の実施例1で製作した窓用フィルムの遮熱効果を実験して、実験結果は図5に示す通りであり、図5は本発明の実施例1が提供する窓用フィルムの遮熱効果の実験結果を示す図であって、図5では本発明の実施例1が提供する窓用フィルムは1500sの赤外線灯照射後、温度が2℃〜3℃上昇し、遮熱効果が比較的好い事がわかる。
【0108】
実施例2
実施例1に記述された方法により窓用フィルムを製作して、本発明の実施例2が提供する窓用フィルムは、厚さが23μmのPETと、上記のPET表面に設けられる厚さが0.2nmのNiCr膜と、上記のNiCr膜の表面に設けられる厚さが22nmの第1層Nb膜と、上記の第1層Nb膜の表面に設けられる厚さが1nmの第1層SnO2膜と、上記の第1層SnO2膜の表面に設けられる厚さが6nmであり、98%のAgが含まれ、残りはZnとCuである第1層銀合金膜と、上記の第1層銀合金膜の表面に設けられる厚さが0.3nmの第1層Ti膜と、上記の第1層Ti膜の表面に設けられる厚さが53nmの第2層Nb膜と、上記の第2の層Nb膜の表面に設けられる厚さが2nmの第2層SnO膜と、上記の第2層SnO膜の表面に設けられる厚さが10nmであり、98%のAgが含まれ、残りはZnとCuである第2層銀合金膜と、上記の第2層銀合金膜の表面に設けられる厚さが0.5nmの第2層Ti膜と、上記の第2層Ti膜の表面に設けられる厚さが29nmのITO膜と、を含む。
【0109】
実施例1で記述された方法により本発明の実施例2で提供する窓用フィルムのVLTを実験して、実験結果は図3に示す通りであり、図3は本発明の実施例2が提供する窓用フィルムの透光率を示す図であり、図3からVLTが76%であることがわかる。実施例1に記述された方法により本発明の実施例2で製作した窓用フィルムのVLRを実験して、実験結果によるとVLRは8.5%である。実施例1に記述された方法により本発明の実施例2で製作した窓用フィルムのIRTを実験して、実験結果によるとIRTは8%である。実施例1に記述された方法により本発明の実施例2で製作した窓用フィルムのTSERを実験して、実験結果によるとTSERは50%以上である。上記の実験結果は、本発明の実施例2で製作した窓用フィルムが比較的好い光学的効果を持つことを示す。
【0110】
実施例1に記述された方法により本発明の実施例2で製作した窓用フィルムの付着性能を実験して、実験結果によると本発明の実施例2で製作した窓用フィルムは100/100脱落が無く、付着性能は比較的好い。
【0111】
実施例1に記述された方法により本発明の実施例2で製作した窓用フィルムの抗酸化性を実験して、実験結果によると本発明の実施例2で製作した窓用フィルムをQUV中で2000時間放置後、色差値ΔEが1以下であり、抗酸化性は比較的好い。
【0112】
実施例1に記述された方法により本発明の実施例2で製作した窓用フィルムの遮熱効果を実験して、実験結果によると本発明の実施例2が提供する窓用フィルムは1500sの赤外線灯照射後、温度が2℃〜3℃上昇し、遮熱効果が比較的好い。
【0113】
実施例3
実施例1に記述された方法により窓用フィルムを製作して、本発明の実施例3で製作された窓用フィルムは、厚さが23μmのPETと、上記のPET表面に設けられる厚さが0.4nmのTi膜と、上記のTi膜の表面に設けられる厚さが27nmのSi3N4膜と、上記のSi3N4膜の表面に設けられる厚さが2nmのSnO2膜と、上記のSnO2膜の表面に設けられる厚さが7nmであり、99%のAgが含まれ、残りはInである第1層銀合金膜と、上記の第1層銀合金膜の表面に設けられる厚さが0.3nmの第1層NiCr膜と、上記の第1層NiCr膜の表面に設けられる厚さが47nmのNb膜と、上記のNb膜の表面に設けられる厚さが2nmのAZO膜と、上記のAZO膜の表面に設けられる厚さが11nmであり、99%のAgが含まれ、残りはInである第2層銀合金膜と、上記の第2層銀合金膜の表面に設けられる厚さが0.4nmの第2層NiCr膜と、上記の第2層NiCr膜の表面に設けられる厚さが23nmのTiO2膜と、を含む。
【0114】
実施例1で記述された方法により本発明の実施例3で提供する窓用フィルムのVLTを実験して、実験結果は図4で示す通りであり、図4は本発明の実施例3が提供する窓用フィルムの透光率を示す図であり、図4からVLTが70%であることがわかる。実施例1に記述された方法により本発明の実施例3で製作した窓用フィルムのVLRを実験して、実験結果によるとVLRは9.2%である。実施例1に記述された方法により本発明の実施例3で製作した窓用フィルムのIRTを実験して、実験結果によるとIRTは5%である。実施例1に記述された方法により本発明の実施例3で製作した窓用フィルムのTSERを実験して、実験結果によるとTSERは50%以上である。上記の実験結果は、本発明の実施例3で製作した窓用フィルムが比較的好い光学的効果を持つことを示す。
【0115】
実施例1に記述された方法により本発明の実施例3で製作した窓用フィルムの付着性能を実験して、実験結果によると本発明の実施例3で製作した窓用フィルムは100/100脱落が無く、付着性能は比較的好い。
【0116】
実施例1に記述された方法により本発明の実施例3で製作した窓用フィルムの抗酸化性を実験して、実験結果によると本発明の実施例3で製作した窓用フィルムをQUV中で2000時間放置後、色差値ΔEが1以下であり、抗酸化性は比較的好い。
【0117】
実施例1に記述された方法により本発明の実施例3で製作した窓用フィルムの遮熱効果を実験して、実験結果によると本発明の実施例3が提供する窓用フィルムは1500sの赤外線灯照射後、温度が2℃〜3℃上昇し、遮熱効果が比較的好い。
【0118】
実施例4
実施例1に記述された方法により窓用フィルムを製作して、本発明の実施例4で製作された窓用フィルムは、厚さが23μmのPETと、PET表面に設けられる厚さが0.2nmのNiCr膜と、上記のNiCr膜の表面に設けられる厚さが24nmのNb膜と、上記のNb膜の表面に設けられる厚さが2nmのSnO2膜と、上記のSnO膜の表面に設けられる厚さが10nmであり、99%のAgが含まれ、残りはInである銀合金膜と、上記の銀合金膜の表面に設けられる厚さが0.3nmのTi膜と、上記のTi膜の表面に設けられる厚さが27nmのITO膜と、を含む。
【0119】
実施例1で記述された方法により本発明の実施例4で提供する窓用フィルムのVLTを実験して、実験結果は図6で示す通りであり、図6は本発明の実施例4が提供する窓用フィルムの透光率を示す図であり、図6からVLTが81%であることがわかる。実施例1に記述された方法により本発明の実施例4で製作した窓用フィルムのVLRを実験して、実験結果によると測定結果VLRは11.5%である。実施例1に記述された方法により本発明の実施例1で製作した窓用フィルムのIRTを実験して、実験結果によるとIRTは18%である。実施例1に記述された方法により本発明の実施例4で製作した窓用フィルムのTSERを実験して、実験結果によるとTSERは40%以上である。上記の実験結果は、本発明の実施例4で製作した窓用フィルムが比較的好い光学的効果を持つことを示す。
【0120】
実施例1に記述された方法により本発明の実施例4で製作した窓用フィルムの付着性能を実験して、実験結果によると本発明の実施例4で製作した窓用フィルムは100/100脱落が無く、付着性能は比較的好い。
【0121】
実施例1に記述された方法により本発明の実施例4で製作した窓用フィルムの抗酸化性を実験して、実験結果によると本発明の実施例4で製作した窓用フィルムをQUV中で2000時間放置後、色差値ΔEが1以下であり、抗酸化性は比較的好い。
【0122】
実施例1に記述された方法により本発明の実施例4で製作した窓用フィルムの遮熱効果を実験して、実験結果によると本発明の実施例4が提供する窓用フィルムは1500sの赤外線灯照射後、温度が2℃〜3℃上昇し、遮熱効果が比較的好い。
図1
図2
図3
図4
図5
図6