特許第6629356号(P6629356)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6629356
(24)【登録日】2019年12月13日
(45)【発行日】2020年1月15日
(54)【発明の名称】バイオ容器用耐磨耗性フィルム
(51)【国際特許分類】
   B65D 65/40 20060101AFI20200106BHJP
   B32B 27/12 20060101ALI20200106BHJP
   A61J 1/03 20060101ALI20200106BHJP
   A61J 1/10 20060101ALI20200106BHJP
   A61L 31/12 20060101ALI20200106BHJP
   A61L 31/10 20060101ALI20200106BHJP
   A61L 31/04 20060101ALI20200106BHJP
   A61L 31/06 20060101ALI20200106BHJP
   A61L 31/02 20060101ALI20200106BHJP
   B65D 77/00 20060101ALI20200106BHJP
   B29C 70/06 20060101ALI20200106BHJP
   B32B 5/02 20060101ALI20200106BHJP
   B29K 105/08 20060101ALN20200106BHJP
   B29L 22/00 20060101ALN20200106BHJP
【FI】
   B65D65/40 D
   B32B27/12
   A61J1/03 370
   A61J1/10 331A
   A61J1/10 331C
   A61J1/10 331Z
   A61L31/12 100
   A61L31/10
   A61L31/04 110
   A61L31/06
   A61L31/02
   B65D77/00 B
   B29C70/06
   B32B5/02 Z
   B29K105:08
   B29L22:00
【請求項の数】22
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2017-567052(P2017-567052)
(86)(22)【出願日】2016年3月22日
(65)【公表番号】特表2018-516209(P2018-516209A)
(43)【公表日】2018年6月21日
(86)【国際出願番号】US2016023534
(87)【国際公開番号】WO2016154180
(87)【国際公開日】20160929
【審査請求日】2017年9月13日
(31)【優先権主張番号】62/136,691
(32)【優先日】2015年3月23日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】504115013
【氏名又は名称】イー・エム・デイー・ミリポア・コーポレイシヨン
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】特許業務法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】デコステ,デイビッド
(72)【発明者】
【氏名】チャンチオロ,ジョーセフ
(72)【発明者】
【氏名】ファーブッシュ,マイケル
(72)【発明者】
【氏名】サラゴサ,ジョン
【審査官】 佐藤 正宗
(56)【参考文献】
【文献】 特表2011−503330(JP,A)
【文献】 特表2010−504396(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3041598(JP,U)
【文献】 特開2015−044618(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3181745(JP,U)
【文献】 特開2013−216393(JP,A)
【文献】 特開2001−158477(JP,A)
【文献】 特表2010−503801(JP,A)
【文献】 特開2007−246148(JP,A)
【文献】 特開2008−212142(JP,A)
【文献】 特開2005−341965(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/083466(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 65/40
A61J 1/03
A61J 1/10
A61L 31/02
A61L 31/04
A61L 31/06
A61L 31/10
A61L 31/12
B29C 70/06
B32B 5/02
B32B 27/12
B65D 77/00
B29K 105/08
B29L 22/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
多層フィルムと、当該多層フィルムに含まれる基材とを含み、当該基材が前記多層フィルムに組み込まれるナイロン織布であるか、または基材に少なくとも部分的に埋め込まれた結合樹脂層を含み、
フィルムは、基材に近接して配置される1つ以上のポリマー層により形成される外側強度領域と、当該外側強度領域に接して配置されるガス不透過領域であってエチレンビニルアルコール単独かまたはエチレンビニルアセテートおよびエチレンビニルアルコールの組合せの少なくとも1つから形成されるガス不透過領域と、前記外側強度領域に接して配置される内部接触領域であって抽出物が少ないポリオレフィン材料から形成される内部接触領域とを含み、
耐摩耗性および穿刺抵抗を付与するように基材を実質的に封入するために基材に接して形成される、任意選択的に設けられる外側保護層を含む、バイオ容器用材料。
【請求項2】
基材が、基材を前記フィルムに付着させるためにポリマー裏材で形成されている請求項1に記載の材料。
【請求項3】
基材が、基材を前記フィルムに付着させるためにポリマー裏材で形成され、基材が、織布および不織繊維材料からなる群から選択される材料で形成され、基材のポリマー裏材が、ポリオレフィン、ポリウレタンおよびナイロンからなる群から選択される請求項1に記載の材料。
【請求項4】
基材が、ポリエステル、アラミド、炭素、金属およびポリオレフィンからなる群から選択される織布繊維材料からなる群から選択される材料をさらに含む請求項1に記載の材料。
【請求項5】
基材が、ポリエステル、アラミド、炭素、金属およびポリオレフィンからなる群から選択される不織繊維材料をさらに含む請求項1に記載の材料。
【請求項6】
少なくとも2つの壁、およびこの少なくとも2つの壁によって画定される内部容積を有するバイオ容器であって、バイオ容器は互いに付着させた内部フィルムおよび外部基材を有する請求項1に記載の材料から形成され、バイオ容器に耐摩耗性を付与するように外部基材は繊維材料から形成されるバイオ容器。
【請求項7】
基材がポリマー裏材で形成されている請求項6に記載のバイオ容器。
【請求項8】
基材が織布および不織繊維材料からなる群から選択される材料で形成され、基材のポリマー裏材が、ポリオレフィン、ポリウレタンおよびナイロンからなる群から選択される請求項6に記載のバイオ容器。
【請求項9】
基材が、ナイロン、ポリエステル、アラミド、炭素、金属およびポリオレフィンからなる群から選択される織布繊維材料からなる群から選択される材料で形成される請求項6に記載のバイオ容器。
【請求項10】
基材が、ナイロン、ポリエステル、アラミド、炭素、金属およびポリオレフィンからなる群から選択される不織繊維材料からなる群から選択される材料で形成される請求項6に記載のバイオ容器。
【請求項11】
フィルムは、第1の内部領域、中間ガス不透過領域、およびガス不透過領域の外側の支持領域を有する多層フィルムから形成される請求項6に記載のバイオ容器。
【請求項12】
フィルムが、ポリエチレンの1つ以上の層およびガス不浸透性ポリマーの1つ以上の層を有する多層フィルムから形成される請求項6に記載のバイオ容器。
【請求項13】
フィルムが、内部接触領域を形成する1つ以上の層から形成された第1の内側層、ガス不透過領域の1つ以上の層、およびガス不透過領域上に外側強度領域を形成する1つ以上のポリマーの層を有する多層フィルムから形成される請求項6に記載のバイオ容器。
【請求項14】
基材を実質的に封入するために基材の外側に形成された外側保護層をさらに含む請求項6に記載のバイオ容器。
【請求項15】
基材が、装置を提供するために、観察ポートおよびポートからなる群から選択される、基材に形成された1つ以上の開口部を有する請求項1に記載の材料。
【請求項16】
基材が、装置を提供するために、観察ポートおよびポートからなる群から選択される、基材に形成された1つ以上の開口部を有する請求項6に記載のバイオ容器。
【請求項17】
基材が、バイオ容器の内部の観察ポートを提供するために基材に形成された1つ以上の細長い開口部を有する請求項6に記載のバイオ容器。
【請求項18】
基材が、ポリマー、金属繊維、炭素繊維およびガラス繊維からなる群から選択される材料から形成される請求項1に記載の材料。
【請求項19】
基材が、ポリマー、金属繊維、炭素繊維およびガラス繊維からなる群から選択される材料から形成される請求項6に記載のバイオ容器。
【請求項20】
所望の容積の液体で満たされた請求項6に記載のバイオ容器を含み、圧力ゲージを備えた圧力源をバイオ容器に取り付け、バイオ容器の出口にバルブを取り付け、バイオ容器を所望の圧力まで膨張させ、液体を分配するためにバルブを選択的に開閉する分配方法。
【請求項21】
バイオ容器が一度加圧される請求項20に記載の方法。
【請求項22】
分配中にバイオ容器が最少の閾値に達したときに、バイオ容器に追加のガス圧を加えることをさらに含む請求項20に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は耐磨耗性フィルムに関する。より詳細には、本発明はバイオ容器用の耐磨耗性フィルムに関する。
【背景技術】
【0002】
使い捨てバッグおよび他のバイオ容器の使用は、製薬およびバイオ医薬品事業において増加している。これらのバッグは、原材料、中間体、完成品等の液体および固体の処理および輸送のためのステンレスタンク、トートバッグおよびビンに代わるものである。
【0003】
このようなフィルムは、典型的には、多層プラスチックフィルム構造である。多層プラスチックフィルム構造は、典型的には4つ以上の層(一般に4から10の間の層)の積層体である。多層プラスチックフィルム構造は、一般に3つ以上の領域または層、即ち、バッグ内の液体と接触し、油または充填剤のような抽出可能な物質をバッグの内容物に放出しそうにないポリエチレン等の一般的に不活性な材料の1つ以上の層である内部接触領域;エチレンビニルアセテート(EVA)、ポリエチレンビニルアルコール(EVOH)等の1つ以上のガス不透過層をしばしば有する中間領域等;およびバイオ容器の残りの領域に対する支持、破裂抵抗性および何らかの保護手段を付与し、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン−ビニルアセテート(EVA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド(ナイロン)等のプラスチックの1つ以上の層で一般的に形成された外側強度領域を有する。
【0004】
バイオ容器は、ユーザーに出荷される前に一般に検査され、欠陥に関しグロスリークテストされるが、バイオ容器の現在のフィルムは、そのようなバイオ容器の包装を解き、取りつけ、使用するための非定型バイオ技術施設で使用される複数の操作工程に耐えるための強度、靭性および耐久性が欠けている。主にオペレーターの取扱いのために、バイオ容器に切断、穿刺または摩耗が起こる可能性がまだある。これは、バイオ容器の損失だけでなく、医薬品、特にバイオ医薬品の場合には、かなりの金銭的損失をもたらすその内容物の損失につながる可能性がある。
【0005】
必要とされているのは、切断、穿刺および摩耗に耐性のある新しいバイオ容器およびバイオ容器用のフィルムである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
耐摩耗性および耐切断基材で強化されたバイオ容器。このような基材は、バイオ技術製造のために既に検証された内側領域の清浄度および低抽出性を維持するための中間領域または外側領域のいずれかでの埋め込み、共押出および積層等の様々な技術により、現存するバイオ容器用のフィルムと組み合わせることができる。選択された基材は、穿刺を防止する方法で配向された材料の摩耗および切断に対してより耐性であることが知られている材料で構成される。それは、ポリマーまたは他の材料、例えば、ポリマー、ガラス、金属、または炭素繊維を単独でまたはポリマーと組み合わせて形成することができる。新しい基材は、バイオ容器の典型的な折り畳みを可能にするように可撓性であり、ウェブの形態であってもよい。基材は、織布材料または不織布材料であってもよい。基材は、一般に、基材をフィルムの内面または外面に付着させることができる付着層または結合層を有する。開口部は、フィルムまたはポートによって作られた容器の内部に視覚的な開口部または窓を付与するように、基材に形成することができる。バイオ容器は、1つ以上の流体および/または固体を収容することができる選択的に閉じた内部容積を有する。好ましくは、内部容積は1つ以上のガスおよび1つ以上の流体を収容する。
【0007】
本発明の目的は、1つ以上の層から形成され、内面および外面を有するフィルムと、フィルムの外面に付着させた基材とを含むバイオ容器用の材料であって、材料に耐摩耗性を付与するように基材は繊維状材料から形成される材料を提供することである。
【0008】
本発明のさらなる目的は、フィルムとフィルムに付着させた基材とから形成された材料であって、基材は基材をフィルムに付着させるためのポリマー裏材で形成される材料を提供することである。
【0009】
本発明のさらなる目的は、フィルムとフィルムに付着させた基材とから形成された材料であって、基材、基材をフィルムに付着させるためのポリマー裏材を用いて形成され、基材は織布材料または不織布繊維材料からなる群から選択される材料から形成され、基材のポリマー裏材は、ポリオレフィン、ポリウレタンおよびナイロンからなる群から選択される材料を提供することである。
【0010】
本発明のさらなる目的は、フィルムとフィルムに付着させた基材とから形成された材料であって、基材は、ポリマー、金属繊維、ガラス繊維、および炭素繊維からなる群から選択される材料からなる群から選択される織布繊維材料からなる群から選択される材料から形成される材料を提供することである。
【0011】
本発明のさらなる目的は、フィルムとフィルムに付着させた基材とから形成された材料であって、基材は、ナイロン 、ポリエステル、アラミドおよびポリオレフィンからなる群から選択される織布繊維材料からなる群から選択される材料から形成される材料を提供することである。
【0012】
本発明の別の目的は、フィルムとフィルムに付着させた基材とから形成された材料であって、基材は、ポリマー、金属繊維およびガラス繊維からなる群から選択される材料からなる群から選択される不織布繊維材料から形成される材料を提供することである。
【0013】
本発明の別の目的は、フィルムとフィルムに付着させた基材とから形成された材料であって、基材は、ナイロン、ポリエステル、アラミドおよびポリオレフィンからなる群から選択される不織繊維状ポリマー材料から形成される材料を提供することである。
【0014】
本発明のさらなる目的は、フィルムとフィルムに付着させた基材とから形成された材料であって、フィルムは、内側接触領域を形成する1つ以上の層から形成された第1の内側層、ガス不透過領域の1つ以上の層、および外側強度領域を形成するガス不透過領域の外側上の1つ以上のポリマー層を有する多フィルムから形成される材料を提供することである。
【0015】
本発明の別の目的は、フィルムとフィルムに付着させた基材とから形成された材料であって、基材は窓またはポート開口部を形成するための1つ以上の開口部を有する材料を提供することである。
【0016】
本発明のさらなる目的は、フィルムとフィルムに付着させた基材とから形成された材料であって、基材は窓を形成するための1つ以上の細長い開口部を有する材料を提供することである。
【0017】
本発明の目的は、1つ以上の層から形成されて、内面および外面を有するフィルムと、フィルムの外面に付着させた基材とを含むバイオ容器用材料であって、基材は、材料に耐摩耗性を付与するように繊維状材料から形成され、そして、繊維状材料は、耐摩耗性を高め、ピリングを減少させるために外側保護層に包まれまたは封入される材料を提供することである。
【0018】
本発明のさらなる目的は、上記の対象を任意に、全て、または選択して組み合わせることにより形成されたバイオ容器を提供することである。
【0019】
本発明の別の目的は、制約または低圧の使用を必要とせずに圧力試験することができる上記の対象を任意に、全て、または選択して組合せることにより形成されたバイオ容器を提供することである。
【0020】
本発明のさらなる目的は、バイオ容器内に含まれるガス圧を(静的にまたは連続的に)使用することによって、バイオ容器を介して流体(ガスおよび/または液体)を分配または移動することができる上記の対象を任意に、全て、または選択して組み合わせることにより形成されたバイオ容器を提供することである。
【0021】
これらおよび他の目的は、以下の明細書、特許請求の範囲および図面から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1A】本発明の第1の実施形態の断面図を示す。
図1B】本発明の第2の実施形態の断面図を示す。
図2A】本発明に従って形成されたバイオ容器の断面図を示す。
図2B】本発明に従って形成された別のバイオ容器の平面図を示す。
図3】本発明による材料を形成する方法を平面図で示す。
図4】本発明による材料を形成する別の方法を平面図で示す。
図5A】本発明の別の実施形態の断面図を示す。
図5B】本発明のさらなる実施形態の断面図を示す。
図6】本発明に従って形成されたバイオ容器のさらなる実施形態の断面図を示す。
図7】本発明に従って形成されたバイオ容器のさらなる実施形態の平面図を示す。
図8】本発明に従って形成されたバイオ容器のためのホルダーの実施形態の平面図を示す。
図9図8のホルダーに取り付けられた図7のバイオ容器の平面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1は、本発明による強化されたバイオ容器用フィルムの断面図を示す。
【0024】
フィルム2は、このフィルムから形成された、バイオ容器内の液体と接触する内部接触領域4を有する。内部接触領域は、フィルムと接触し得る液体に対して不活性であり、フィルム2の内部接触領域4と接触する液体に入る可能性のある抽出物が少ない材料の1つ以上の層で形成され得る。そのような材料には、ポリエチレン等の様々なポリオレフィンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0025】
この内部接触領域4の外側は、典型的には、ガス不透過性の材料の1つ以上の層から形成されたガス不透過領域6である中間領域である。そのような材料としては、エチレンビニルアセテート(EVA)およびエチレンビニルアルコール(EVOH)等のポリマーならびにアルミニウム等の様々な金属箔が挙げられるが、これらに限定されない。
【0026】
このガス不透過領域6の外側には、フィルム2の残りの領域に対する支持、破裂抵抗、および何らかの保護手段を提供する1つ以上の層で形成された外側強度領域8がある。そのような材料には、高密度ポリエチレン等の様々な等級のポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、EVA、ポリアミド等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0027】
外側強度領域8の外面10には、基材12が取り付けられる。
【0028】
この例では、領域4、6、8の各々は1つの層によって表されているが、上述したように、各領域は、フィルム2を形成するように一緒に結合された1つ以上の層で形成されてもよい。
【0029】
そのようなフィルム2は周知であり、マサチューセッツ州ビレリカのEMD Millipore Corporationから入手可能なPureflex(商標)フィルム、マサチューセッツ州ウォルサムのThermofisher IncのHYQC−5X−14フィルムおよびドイツのゲッティンゲンのSartorius Stedim Biotech GmbHから入手可能なFlexSafeまたはS71またはS40のように市販されている。
【0030】
図示の基材12は織布材料であるが、上述したように、それは不織布もしくはスパンボンドされた材料であってもよく、または開口部または多孔質の延伸フィルムである、Delnetフィルム等の網状材料であってもよい。
【0031】
基材は、ポリマー繊維もしくは糸、金属繊維もしくは糸またはガラス繊維もしくは糸で形成することができる。
【0032】
一般に、織られた、不織の、または網状のポリマー基材は、ナイロン、ケブラー(R)および他のアミド、PET、EVA、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリマー材料から形成することができる。
【0033】
ポリマー織布は、任意のそのような布であり得る。ポリマー織布は、布単独またはそれにすでに一体化された結合樹脂層14(下記参照)を有する被覆された布のいずれかとして市販されている。そのような材料は、マサチューセッツ州ホルブルックのEastex Products Inc.、ノースカロライナ州シャーロットのPGI Inc.、またはニューハンプシャー州マンチェスターのFreudenberg & Co KGのような様々な会社から入手可能である。
【0034】
不織布は、例えば、スパンボンド材料またはブロー材料であってもよく、例えば、デラウェア州ウィルミントンのEI DuPont De NemoursからTypar(R)またはTyvek(R)シートとして市販されている。
【0035】
一般に織布または不織布として入手可能な金属基材は、ステンレス鋼、アルミニウム等で形成することができる。好ましくは、非腐食性の金属またはエポキシまたはニッケルのような非腐食性の外層で処理された金属が好ましい。これらは、典型的には、織布またはスクリーン材料として提供される。
【0036】
ガラス基材は、一般に、織布または不織布である。ガラス繊維布およびガラス繊維マットが好ましい。
【0037】
炭素繊維基材はまた、ミズーリ州セントルイスのZoltek CorporationのPanex(R) 30または35炭素繊維ウェブのような織ウェブ形態で商業的に見出すこともできる。
【0038】
基材12は、図示したように好ましくは少なくとも部分的に基材12内に埋め込まれた熱可塑性材料のような付着層または結合樹脂層14(図1A参照)によって外側領域8に付着させることができる。それは、基板12と共に提供されてもよいし、使用前に基板12に加えられてもよい。あるいは、特に積層法が使用される場合、それ14は追加の層として製膜法の一部として形成することができる。いくつかの例では、図1Bに示されるように、基材12が熱接着材料としてフィルム2に組み込まれる場合、または製膜法の一部として一体化される場合、基材12は結合樹脂層14を必要としない。
【0039】
図2Aにおいて、バイオ容器22は、その充填された形態で示されている。バイオ容器22は、試験のために空気または選択されたガスのみで満たされてもよいが、典型的には、少なくともいくらかの液体と上部の近くの空気のような気体とで満たされる。バイオ容器22は3Dタイプのバッグとして知られている。
【0040】
このフィルム2は、図2に示すように、バイオ容器22の底部16、頂部18および側部(複数可)20を形成する1つまたはいくつかの部品に切断される。バイオ容器は、様々な流体(気体、液体、両方)および/または固体を保持するように使用することができる、バイオ容器22の底部16、頂部18および側部(複数可)20によって形成される内部容積を有する。
【0041】
図2Aには、基材12がフィルム2に取り付けられる前に基材12に開口部を形成することによって形成された窓または観察ポート30、32も示されている。窓30に示すように、開口部は円形である。窓32に示されるように、それは充填されたバイオ容器の高さ全体を本質的に見ることができるように細長い。窓30に示されるように、例えば、切断縁部および隣接する基材にポリマーを含浸させることによって、または所望のポートサイズと嵌合するようなサイズの開いた中心を有するポリマーディスクを基材12へ付着させることによって、開口部の周りにリム34を形成することができ、基材繊維(複数可)が緩くなるあらゆる可能性を低減または排除する。あるいは、結合層14を使用する場合、その層14自体は、しばしば、これが起きないように、基材12の繊維に十分な付着を付与する。
【0042】
さらに、ポート開口部34に示されているように、基材12およびフィルム2にポート開口部を形成することができる。所望のように、ダイ、パンチもしくはナイフ(加熱または非加熱であるか否かに関わらず)またはレーザーを用いて、ポート開口部がバイオ容器に形成される前に、完成した材料に対してポート開口部34を単に切断することができる。他の切断方法も使用される。所望であれば、最初に基材をフィルム2に付着させる前に基材12を切断し、次にそれをガイドとして使用してその下のフィルム2を切断して開口部34を形成してもよい。
【0043】
あるいは、ナイロン、ポリエチレンまたはポリプロピレンのような基材12に透明または半透明の材料を使用する場合、基材12をフィルム2に付着させる前に、窓30を形成するように所望の領域の基材12を加熱溶融することによって、単に窓30、32を形成することができる。そのための第1の手段は、鉄または加熱されたプラテンを使用して、所望の領域の基材12を圧力で加熱溶融し、基板に所望の窓を形成することである。あるいは、RFヒータまたはインパルス溶接機を使用して、基材12を加熱溶融することができる。窓30は、基材をフィルム2に付着させる前に基材12に形成することができる。あるいは、基材をフィルム2へ取り付けた後窓30が基材12に形成される場合、基材12は、フィルム2の融点よりも低い融点を有する材料から構成され、基材12はフィルム2の融点よりも低い温度に加熱されるだけである。
【0044】
図2Bは、図2Dまたは枕型バイオ容器23として知られているものを示す。一般に、それは1枚または2枚のフィルムから形成される。フィルム(1枚なら)は、それ自体の上に折り畳まれ、その外縁部に沿って密封されてバイオ容器23を形成する。あるいは、フィルムは、それらの外縁部に沿って一緒に密封される2枚のフィルムで形成される。いずれの構成においても、環境から選択的に密閉された内部容積19が形成される。図2Aのように、窓30、32、ポート開口部34および取付具36の使用は、図2Aと同じ方法で使用および組み立てることができる。
【0045】
図3および図4は、本出願で使用される基材12にポリマー付着層または結合樹脂層40、50を塗布するための典型的な方法を示す。次いで、結合樹脂層40、50を有する基材12が、熱ラミネーション、接着剤または化学結合等を含むがこれに限定されない様々な方法によって下地フィルム2が取り付けられる。
【0046】
図3は、押出機42を介して選択されたポリマー樹脂層40を溶融させ、選択された基材12上に依然溶融相のままでダイ44を通してそれを塗布する押出コーティング方法を示す。基材12は、典型的には、溶融樹脂40との接触時の寸法変化を避けるためにより高い融点の材料を使用する。それは巻きほぐしロール41から巻きほぐされる。圧力46および冷却ロール48の機構が、2つの接合材料12、40が、良好な接着で組み合わされて1つの新しい多層基材12になる。完成品は巻き取りロール47に巻き取られる。
【0047】
図4は、通常はポリマーとポリマー用の揮発性溶媒との混合物である非常に薄いポリマーコーティング50に使用される別法であり、溶媒は一連のオーブンを介して下流で気化される。基材12はコーティングドラム52の上を移動し、コーティング化合物50がコーティングナイフ54等によって塗布される。その結果、よく付着した多層構造が得られる。
【0048】
多層構造を組み合わせるための追加の方法(図示せず)は、ホットプレスラミネータによるものである。この方法では、基材12とフィルム2のような2つの異なる構造が加熱され、冷却されるまで一緒にプレスされる。この装置は、典型的には一連の加熱ロールおよび冷却ロールから構成される。
【0049】
多層構造を組み合わせる別の方法は、熱溶融した熱可塑性材料の層を、フィルムに隣接する基材表面または基材に隣接するフィルムに塗布し、次いでそれらを互いに接触させてプレスし、良好な結合を形成することである。バイオ容器は、2次元バイオ容器または3次元バイオ容器(図2に示されているようなもの)であり得る。バイオ容器は、密封された側部、頂部および底部によって画定される内部容積を有する。容積は、1リットルから2000リットルの範囲であり得る。典型的には。1、5、10、20、50、100、200、500、1000および2000リットルのような様々なサイズが利用可能であるが、特別注文の容積も所望に応じて作成できる。バイオ容器は、環境に対して開放されていてもよく、例えば、頂部が開放されていてもよいし、または頂部が環境から選択的に閉鎖されていて、様々なポートおよび入口または出口がバイオ容器の内容積に選択的なアクセスを提供してもよい。バイオ容器は、流体(気体、液体または両方の組み合わせ)および/または固体を貯蔵または処理するために使用することができ、バイオリアクターもしくはミキサーまたは貯蔵バッグに形成することができる。例えば、バイオ容器はミキサーであってもよく、様々な液体を一緒に混合するために、または液体を緩衝媒体、細胞培養培地等の1つ以上の固体と混合するために使用してもよい。バイオ容器は、CHO(チャイニーズハムスター卵巣細胞)をはじめとする哺乳動物細胞または昆虫細胞等の動物細胞;大腸菌等の細菌;酵母;真菌を増殖させるために使用されるバイオリアクターまたは発酵槽であってもよい。バイオ容器は、中間体または完成した医薬品等の液体の貯蔵または輸送に使用することができる。中間体または完成した医薬品等は、製薬およびバイオ医薬品、獣医学、栄養補助食品、幹細胞製造、ADC製造およびワクチン製造において特に価値がある。羽根車、センサ、ガスおよび液体管セット等の様々な付加物も、必要に応じて追加することができる。
【0050】
図1Aおよび図1Bの代替の実施形態が図5Aおよび図5Bに示されている。図1Aおよび図1Bの実施形態に関して説明した全ての要素に加えて、これらの実施形態は基材12の外面上にまたは外面に組み込まれたさらなる外部保護層20を有する。これにより、基材12の繊維を封入することが可能になり、基材12の繊維が解けたり、繊維のピリングを引き起こすことがより困難になり、得られる構造の耐摩耗性をさらに向上させることが可能になる。そのような層のための材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、エチレンビニルアセテート(EVA)、EVAコポリマー、スチレン−ブタジエンポリマー、コポリマーおよびブレンド、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、熱可塑性エラストマー(TPE)、ポリウレタンが挙げられる。
【0051】
外側保護層20は、図示したように好ましくは少なくとも部分的に基材12内に埋め込まれた熱可塑性材料またはフィルムのような追加の樹脂層の形態で基材12の外面に付着させることができる。外側保護層20は基材12を備えていてもよいし、使用前に基材12に追加されてもよい。あるいは、外側保護層20は、特に積層方法が使用される場合、追加の層として製膜方法の一部として形成することができる。別の実施形態では、図5Bに示すように、基材12の厚さを包囲または囲むように基材12を付着させる場合、十分な結合樹脂14が使用される。
【0052】
いくつかの例では、外側保護層20は、その層が熱結合材料として基材12の外面に部分的に組み込まれるか、または基材12の外面の深さの一部に組み込まれるまたは押出される熱溶融層のような製膜法の一部として統合される場合には、結合樹脂層を必要としない(図5A)。
【0053】
基材12は、透明のまたは着色された材料で形成することができる。いくつかの例では、UVおよび通常の「白色」光をはじめとする光に敏感な液体が基材12によって遮蔽されて、それがなければ透明なバッグに起きるであろう損傷を低減または排除することができるように、基板12を不透明または遮光材料で形成することが望ましい。UV光をはじめとする光を遮断するための添加剤(二酸化チタン、酸化亜鉛等の添加剤または有機UVブロッカーは周知である)も、基材12またはコーティングまたは使用される場合は樹脂層14または所望ならフィルム2の1つ以上の層に添加することができる。そのような遮光性添加剤は当業者に周知であり、Polyone CorporationのColormatrix(商標) Ultimate(商標)またはColormatrix(商標) Lactra(商標)またはOncap(商標)製品のように様々な供給源から入手可能である。
【0054】
膨張したときにフィルムバッグが圧力下で伸張することは周知である。いくつかの例では、膨張によりフィルム2が許容できない方法で引き伸ばされる可能性がある。例えば、フィルムの薄化または他のこのような欠陥が生じる場合、より薄いまたは欠陥を有するフィルム部分は、フィルムの残りの部分よりも急速に膨張し、フィルム表面に気泡または他の変形を生じさせる可能性がある。この変形は、フィルムの残りの部分よりも破裂したり、摩耗下でより大きく/速くすり減って、漏れを引き起こす可能性がある。同様に、フィルムに薄化または他の欠陥がない場合でも、拘束されていないフィルムは、それが折り畳まれたまたは折り畳まれていない方式のために、またはフィルムにそのような気泡または欠陥をもたらす可能性もある折り目または重なりまたはしわを有し得る場合には、異なる速度で膨張する可能性がある。しかし、使用前にバッグは圧力試験によって頻繁に検査され、製造誤差または出荷および取り扱いによって形成されたピンホールまたは未封止シームがないことが保証される。この試験は、一般には、バッグを膨らませた後、一定時間放置し、その圧力および減衰を記録する圧力減衰試験である。
【0055】
しかし、バッグの伸びおよび変形を生じさせる能力のために、圧力減衰試験は低圧(典型的には1psi未満、一般には約0.5psi(約3.5kPa))で行われる必要があり、バッグは、典型的には、2つの間隔を置いて配置された拘束プレートの間にバッグを拘束することによって、または真空チャンバ内に置くことによって、またはそのバッグのための規定された容積のホルダー内に配置することによって、拘束される。これらの各々技術は、膨張時に欠陥が形成される可能性を低減または防止する。しかし、使用される低い圧力のため、検出のレベルは対応して低く、そのことは非常に大きな欠陥(≧1000Lのバッグでは1000から2000μm)のみが見出されることを意味する。同様に、離間されたプレートの壁のあるチャンバを使用する場合、いくつかの欠陥が覆われまたは隠され、検出されない。最後に、圧力が低いので、そのような試験を実行し、問題が存在するかどうかを判断するのにかかる時間は広範囲(5から10分の試験サイクル)である。使用前により良好で、より正確でより早い漏れ検出試験が必要である。
【0056】
本発明では、圧力減衰試験中に機械的に拘束する必要のないバッグを有する。その代わりに、外側基材12自体がフィルム2を拘束し、フィルム2を均一な速度で膨張させるので、試験中に気泡等の変形が形成される可能性が減少する。さらに、外側基材12により、より高い圧力(3.5から10psi(約24から103KPa))を使用することも可能になる。これにより、より正確で高レベルの検出が可能となり、欠陥が存在する場合にはより小さな欠陥が検出可能になる。同様に、より高い圧力の使用により、試験が著しく加速されることが可能になる。
【0057】
図6に示すように、本発明のさらなる利点は、バッグ60が、バッグから外への液体の移動を可能にするために、単にバッグ内の空気圧を使用することによって、自己分配または自己流動性であり得ることである。バッグ60は、エアーポンプのような空気圧システム62または管もしくは導管66を介して入口またはポート64に取り付けられた加圧空気の供給部を有することができる。バッグ60は、最大15psi(103kPa)の圧力に加圧することができ、バッグ60内のこのヘッド圧力を使用して、バッグ60内の液体68の流れを、所望のときに所望のように出口または第2のポート70から出すことができる。図示されるように、出口70は、受容容器72の上に配置されるか、またはそれは管または導管を介して別のバッグ(図示せず)に、または一連のより小さなバッグ(図示せず)を含むマニホールド、またはバイアルまたはシリンジに液体68を分配するためのバルブニードル(図示せず)のような分配ヘッドに接続されてもよい。出口70は、必要に応じて出口を選択的に開閉するバルブ74またはクランプを有することができる。バッグ60は、圧力ゲージ等のための追加のポートと、上述したような1つ以上の窓30とを含むことができる。
【0058】
所望ならば、液体が分配されるときに追加の空気圧を供給することによってバッグ60内の圧力を一定に維持することができる。これにより、バッグ60から液体を一定速度で完全に分配することができるように、バッグ60内の所望のヘッド圧力を維持することができる。あるいは、液体がバッグ60から分配されるにつれて減少する固定ヘッド圧力を単純に加えることができる。
【0059】
いずれの実施形態においても、バルブ、チェックバルブ、クランプ、圧力ゲージ、窓等の使用は、必要に応じて、システムをその所望の状態に維持し、バッグ60からの液体68の所望の分配または移動を提供するために使用することができる。これらの要素の全ては当業者に周知である。
【0060】
いずれの実施形態でも、ポンプがバッグ60から液体を移動させる必要性が排除される。これは、システムのコストおよび複雑さを低減し、バッグ60から分配されるせん断に敏感な製品、例えば、種々のタンパク質溶液等に対するせん断損傷の可能性を低減する上で有益であり得る。
【0061】
本発明のさらなる実施形態では、図7に示すようにバッグ100をフックまたは好ましくはキャリアから単に吊るすことができるように、バッグ100は特にその上部角104に1つ以上のグロメットまたは目102を含むことができる。基材がバッグ100をより弾力的かつ自己支持性にするので、そのような容器と共に通常使用されるような樽またはビンのような堅固な囲まれた支持容器の必要性は少ない。これにより、図8に示すように単純な骨格106を使用することができる。図8に示すように、骨格106は、基部108と、少なくとも4つの垂直に延びるロッド110とから形成される。
【0062】
好ましくは、図示のように、ロッド110の各々の上端部112の近くに、第2の実質的に水平なロッド114がある。第2の実質的に水平な各ロッド114は、隣接するロッド110に接続され、骨格106を完成させる。
【0063】
いずれの実施形態においても、グロメット102は上端部112に取り付けられ、バッグ100を、図9に示すように、骨格106の内側に吊るすことが可能になる。
【0064】
所望であれば、追加の第2の実質的に水平なロッド114(図示せず)を、ロッド108の第1のセットよりも基部108に向かってさらに下方の位置で隣接するロッド110の間に配置することができる。第2の実質的に水平のロッド114の代わりに、またはこれと併せてパネル(図示せず)を使用することができる。
【実施例】
【0065】
[実施例1]
3つの典型的な使い捨てバイオ容器フィルムを、摩耗および穿刺耐性のために、本発明に従って製造された複合基材と比較した。
【0066】
基材を使用する場合、ポリエチレンコポリマー付着層を用いてフィルムの外面上に押出被覆した。基材に埋め込まれた付着層を500°(F)+/−20°(F)(260℃+/−11℃)の温度に加熱し、10ポンド/平方インチの圧力下でローラーによって積層した。
【0067】
Taber Industriesの線形磨耗試験機を調達し、1.5インチ×3インチ(3.8cm×7.6cm)の各サンプルのストリップをスタイラスとバッキングシリンダーとの間に配置した。スタイラスとバッキングシリンダーの両方は電流を流すことができた。スタイラスをサンプルまたはコントロールの表面に接触させ、スタイラスとバッキングとの間の電気的接続が確立される(フィルムの完全性の損失を示す)まで、4インチのストロークおよび30サイクル/分のサイクル速度で、試験される材料の表面にわたって直線的に往復させた。完全性の喪失に達するまでに要したサイクル数を各ピース毎に記録した。サイクル数は材料の耐摩耗性の指標であり、より多いサイクル数はより耐摩耗性の材料であることを示す。結果を以下の表1に示す。
【0068】
表1はまた、標準的な穿刺試験をASTM F1306によって実施したことを示す。尖った金属工具を、被覆された基材のフレームに支持されたサンプルに下方に突き出す。
【0069】
【表1】
【0070】
結果は、基材含有フィルムが、非積層フィルムの各々に比べて劇的に増大した摩耗および穿刺抵抗を有することを示す。
【0071】
[実施例2]
実施例1の実施形態による基材/フィルム材料を使用してバイオ容器を形成した。基材をフィルムに付着させる前に、単に基材の窓形状を切り取ることによって窓を形成した。
【0072】
[実施例3]
実施例1の実施形態によるフィルム材料に積層された透明な基材材料(ナイロン織布)を用いて、第1のバイオ容器を形成した。基材をフィルムに付着させる前に、単に基材に窓形状を加熱し、圧縮することによって窓を形成した。第2のバイオ容器を、実施例1の実施形態によるフィルム材料に積層された透明基材(ポリエステル不織布)を使用して形成した。基材をフィルムに付着させる前に単に基材に窓形状を加熱し、圧縮することによって窓を形成した。
【0073】
[実施例4]
バイオ容器を、実施例1の実施形態による基材/フィルム材料を用いて形成する。外側保護層を、フィルムから最も遠い基材の面に形成する。熱溶融した熱可塑性層(ポリエチレン)を基材上に被覆し、ローラーで圧縮して溶融熱可塑性樹脂を基材層に浸透させて外側保護層を形成する。
【0074】
[実施例5]
頂部、底部および側部について合計4つのパネルを有するPureflex(商標)フィルム(EMD Millipore)で28インチ×20.5インチ×40インチ(71cm×52cm×101cm)のコントロールバッグを作製した。ホースバーブとフランジの内部を通って0.5インチ(1.27cm)の貫通孔を有する、密封フランジから延在するホースバーブを有するポリエチレンポートを、バッグの頂部パネルにヒートシールして、バッグ内部とポートの間に開口部を確立した。長さ4フィート(121.92cm)、内径0.5インチ(1.27cm)のC−Flex(R)管をホースバーブの外側に取り付け、ケーブルタイラップでそれを固定した。Amesilピンチクランプを継手から約1フィート(30.48cm)の管の上に置いた。本発明によるバッグを、同じPureflex(商標)フィルムを使用して製造した。このフィルムは、押出コーティングによってフィルムの外側表面に固定されたナイロン基材(Sefar Medifab 03−300−51)を有していた。このバッグは、コントロールバッグと同じ位置に同じ寸法と同じ種類のポート、管およびクランプを有していた。クランプを各バッグの管から取り外し、両方のバッグをそれらが十分に膨張しピンと張っているように見えるまで、2psi(0.138バール)の空気で膨張させた。次いでクランプを管上に戻し、空気の供給を停止した。各バッグの端部管の開放端に圧力ゲージ(デジタルSSI Technologies MGI−200)を取り付け、クランプを取り外した。各バッグ内のあらゆる圧力減衰について、圧力を15分間/時間監視した。
【0075】
[実施例6]
本発明による28インチ×20.5インチ×40インチ(71cm×52cm×101cm)のバッグをPureflex(商標)フィルム(EMD Millipore)で作製する。フィルムは、熱ラミネーションによってフィルムの外側表面に固定されたナイロン基材を有する。バイオ容器には、頂部、下部、側部について合計4つのパネルを有する。ホースバーブとフランジの内部を通って0.5インチ(1.27cm)の貫通孔を有する、密封フランジから延在するホースバーブを有する第1のポリエチレン入口ポートを、バイオ容器の頂部パネルにヒートシールして、バッグ内部とポートの間に開口部を確立する。同じ種類および寸法の第2のポートをバイオ容器の底部パネルに取り付ける。長さ4フィート(121.92cm)、内径0.5インチ(1.27cm)のシリコーン管を各ホースバーブの外側に取り付け、ケーブルタイラップで各々に固定する。Amesilピンチクランプを各継手から約1フィート(30.48cm)の各管の上に置く。クランプを取り外し、頂部ポートを管を介して空気を5psi(0.345バール)で供給できるエアーポンプに接続し、底部ポートを管を介して水を入れた容器に接続する。バイオ容器が約50%満たされるまで、ピンチクランプを外し、バイオ容器内に水をポンプ輸送することによって、底部ポートを通って水を加える。底部ピンチクランプを閉じ、上側ピンチクランプを取り外す。バイオ容器に、それが5psi(0.345バール)の内圧に達するまで、空気を供給する。底部クランプを取り外す。水をバッグから分配する。圧力が2psi(0.138バール)を下回ると、空気圧を断続的にバイオ容器に供給する。水を、ポンプを使用せずに分配する。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9