特許第6629478号(P6629478)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6629478
(24)【登録日】2019年12月13日
(45)【発行日】2020年1月15日
(54)【発明の名称】抵抗容量型変形センサ
(51)【国際特許分類】
   G01B 7/16 20060101AFI20200106BHJP
   G01L 1/22 20060101ALI20200106BHJP
   G01L 1/14 20060101ALI20200106BHJP
【FI】
   G01B7/16 C
   G01B7/16 R
   G01L1/22 Z
   G01L1/14 J
【請求項の数】23
【全頁数】30
(21)【出願番号】特願2019-100469(P2019-100469)
(22)【出願日】2019年5月29日
(62)【分割の表示】特願2018-511200(P2018-511200)の分割
【原出願日】2016年8月25日
(65)【公開番号】特開2019-138921(P2019-138921A)
(43)【公開日】2019年8月22日
【審査請求日】2019年5月29日
(31)【優先権主張番号】14/843,067
(32)【優先日】2015年9月2日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515046968
【氏名又は名称】フェイスブック・テクノロジーズ・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】FACEBOOK TECHNOLOGIES, LLC
(74)【代理人】
【識別番号】110002974
【氏名又は名称】特許業務法人World IP
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】ケラー、ショーン
(72)【発明者】
【氏名】トルトナ、トリスタン
(72)【発明者】
【氏名】ペレク、デイビッド
(72)【発明者】
【氏名】クリアリー、ブルース
【審査官】 森 雅之
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第3278881(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B7/16
G01L1/14
G01L1/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
変形検知装置であって、
エラストマを含む弾性基板と、
第1端子および第2端子を含む2つの別個の端子を有する第1の歪みゲージ素子であって、該第1の歪みゲージ素子は、前記弾性基板の上面に形成され、第1の方向に付与された歪みに応じた第1の信号を出力するように構成され、前記第1の信号は、前記第1の歪みゲージ素子の第1端子と第2端子の間で測定可能である、前記第1の歪みゲージ素子と、
第3端子および第4端子を含む2つの別個の端子を有する第2の歪みゲージ素子であって、該第2の歪みゲージ素子は、前記弾性基板の上面とは反対の下面に形成され、同じ第1の方向に付与された歪みに応じた第2の信号を出力するように構成され、前記第2の信号は、前記第2の歪みゲージ素子の第3端子と第4端子の間で測定可能である、前記第2の歪みゲージ素子と、を備え
前記変形検知装置は、付与された変形に応じた第3の信号を出力するように構成されており、前記第3の信号は、前記第1の歪みゲージ素子の端子と前記第2の歪みゲージ素子の端子の間で測定可能である、変形検知装置。
【請求項2】
前記弾性基板は、可撓性の電気絶縁誘電材料を含、請求項1に記載の変形検知装置。
【請求項3】
前記付与された変形に応じて、前記第1の歪みゲージ素子からの第1の信号と、前記第2の歪みゲージ素子からの第2の信号と、を測定するように構成された測定回路と、
前記第1の歪みゲージ素子から測定された第1の信号、前記第2の歪みゲージ素子か測定された第2の信号、および前記第3の信号に基づいて、前記付与された変形における、当該変形検知装置の伸縮変形の測度および撓み変形の測度を計算するように構成された変形分析器と、をさらに備える請求項に記載の変形検知装置。
【請求項4】
前記第1の信号は、前記第1の歪みゲージ素子の第1の抵抗を示し、
前記第2の信号は、前記第2の歪みゲージ素子の第2の抵抗を示し、
前記第3の信号は、前記付与された変形に応じて測定された前記弾性基板の静電容量を示している、請求項3に記載の変形検知装置。
【請求項5】
前記変形分析器は、前記第1の信号、前記第2の信号、および前記第3の信号に基づいて、前記第1の歪みゲージ素子および前記第2の歪みゲージ素子の長さの変化割合((ΔL)/L)としての伸縮変形の測度を、式:
【数1】
を用いて計算し、
は前記第1の抵抗、Rは前記第2の抵抗、Cは前記静電容量であり、
Areaは、前記第1の歪みゲージ素子と前記第2の歪みゲージ素子とのオーバラップであり、
GFは、歪みと抵抗を関係付けるゲージ率であり、
γは、軸間の変形を関係付ける前記弾性基板のポアソン比であり、
は、前記第1の歪みゲージ素子および前記第2の歪みゲージ素子の変形前の長さであり、
ΔL、ΔL、ΔLは、前記第1の歪みゲージ素子および前記第2の歪みゲージ素子の長さの変化であり、
は、前記第1の歪みゲージ素子および前記第2の歪みゲージ素子の変形前の長さであり、
εは、前記弾性基板の誘電率であり、
は、前記第1の歪みゲージ素子および前記第2の歪みゲージ素子の基準抵抗であり、
g、gは、それぞれ前記弾性基板の変形後の幅および基準幅である、請求項4に記載の変形検知装置。
【請求項6】
前記変形分析器は、前記第1の信号、前記第2の信号、および前記第3の信号に基づいて、前記第1の歪みゲージ素子および前記第2の歪みゲージ素子の曲げ半径としての撓み変形の測度を、式:
【数2】
を用いて計算し、
ただし、Rは前記第1の抵抗、Rは前記第2の抵抗であり、
GFは、前記第1の歪みゲージ素子および前記第2の歪みゲージ素子の歪みと抵抗を関係付けるゲージ率であり、
γは、軸間の変形を関係付ける前記弾性基板のポアソン比であり、
は、前記第1の歪みゲージ素子および前記第2の歪みゲージ素子の変形前の長さであり、
ΔL、ΔLは、前記第1の歪みゲージ素子および前記第2の歪みゲージ素子の長さの変化であり、
は、前記第1の歪みゲージ素子および前記第2の歪みゲージ素子の基準抵抗であり、
gは、前記弾性基板の変形後の幅であり、
ρおよびρは、前記弾性基板の上面および下面の曲げ半径である、請求項4に記載の変形検知装置。
【請求項7】
前記第1の歪みゲージ素子および前記第2の歪みゲージ素子の各々は、
アーチ状ヘッドと、前記アーチ状ヘッドの両端から延出する一対の細長リードと、を含む馬蹄形状を有し、
前記第1の歪みゲージ素子の形状と前記第2の歪みゲージ素子の形状のアライメントは、前記弾性基板の上面および下面に直交する軸に沿って対応しており、
前記第1の歪みゲージ素子の中心軸および前記第2の歪みゲージ素子の中心軸は、前記弾性基板の上面および下面に直交する平面に沿って互いに平行かつ同一平面上に配列されており、
前記第1の歪みゲージ素子および前記第2の歪みゲージ素子の細長リード対の対応するリード同士は、それぞれ、長さ方向に平行であるとともに、略同じ寸法を有する、請求項に記載の変形検知装置。
【請求項8】
測定回路は、付与された変形に応じて、前記第1の歪みゲージ素子からの第1の信号と、前記第2の歪みゲージ素子からの第2の信号と、を測定するように構成されており、
変形分析器は、前記第1の歪みゲージ素子から測定された第1の信号、前記第2の歪みゲージ素子から測定された第2の信号、および前記第3の信号に基づいて、前記付与された変形における、当該変形検知装置の伸縮変形の測度および撓み変形の測度を計算するように構成されている、請求項7に記載の変形検知装置。
【請求項9】
前記伸縮変形の測度は、前記第1の歪みゲージ素子および前記第2の歪みゲージ素子の変形前の長さに対する長さの平均変化を示しており、
前記撓み変形の測度は、前記第1の歪みゲージ素子および前記第2の歪みゲージ素子が形成された前記弾性基板の面の角曲がりの曲げ半径を示している、請求項8に記載の変形検知装置。
【請求項10】
前記変形分析器は、測定された前記第1の信号、前記第2の信号、前記第3の信号を比較することによって、前記第1の歪みゲージ素子および前記第2の歪みゲージ素子の抵抗変化の符号ならびに前記弾性基板の静電容量変化の符号に基づいて、前記伸縮変形が圧縮伸縮に相当するのか、または伸長伸縮に相当するのかを判定するように、さらに構成されている、請求項8に記載の変形検知装置。
【請求項11】
変形検知装置であって、
弾性基板と、
第1の歪みゲージ対であって、
前記弾性基板の第1面に形成された第1の歪みゲージ素子であって、第1の方向に付与された歪みに応じた第1の信号を出力するように構成された前記第1の歪みゲージ素子と、
前記弾性基板の前記第1面とは反対の第2面に形成された第2の歪みゲージ素子であって、同じ第1の方向に付与された歪みに応じた第2の信号を出力するように構成された前記第2の歪みゲージ素子と、を含み、
当該変形検知装置は、付与された変形に応じた第3の信号を出力するように構成されており、前記第3の信号は、前記第1の歪みゲージ素子の端子と前記第2の歪みゲージ素子の端子の間で測定可能である、前記第1の歪みゲージ対と、
第2の歪みゲージ対であって、
前記弾性基板の第1面に実質的に形成された第3の歪みゲージ素子であって、第2の方向に付与された歪みに応じた第4の信号を出力するように構成された前記第3の歪みゲージ素子と、
前記弾性基板の第1面とは反対の第2面に実質的に形成された第4の歪みゲージ素子であって、同じ第2の方向に付与された歪みに応じた第5の信号を出力するように構成された前記第4の歪みゲージ素子と、を含み、
当該変形検知装置は、付与された変形に応じた第6の信号を出力するように構成されており、前記第6の信号は、前記第3の歪みゲージ素子の端子と前記第4の歪みゲージ素子の端子の間で測定可能である、前記第2の歪みゲージ対と、を備え、
前記第1の方向は、前記第2の方向に直交しており、
前記第1の歪みゲージ対の歪みゲージ素子と前記第2の歪みゲージ対の歪みゲージ素子とは、互いに直交している、変形検知装置。
【請求項12】
付与された変形に応じて、前記第1の歪みゲージ素子からの第1の信号と、前記第2の歪みゲージ素子からの第2の信号と、前記第3の歪みゲージ素子からの第4の信号と、前記第4の歪みゲージ素子からの第5の信号と、を測定するように構成された測定回路と、
前記第1の歪みゲージ素子から測定された第1の信号、前記第2の歪みゲージ素子から測定された第2の信号、前記第3の歪みゲージ素子から測定された第4の信号、前記第4の歪みゲージ素子から測定された第5の信号に基づいて、前記第1の方向および前記第2の方向における、当該変形検知装置の伸縮変形の測度および撓み変形の測度をそれぞれ計算するように構成された変形分析器と、をさらに備える請求項11に記載の変形検知装置。
【請求項13】
前記変形分析器は、
前記第1の歪みゲージ対および前記第2の歪みゲージ対から検出された前記第1の信号、前記第2の信号、前記第4の信号、前記第5の信号の大きさを比較することによって、前記第1の方向または前記第2の方向の伸縮のいずれかとして伸縮変形方向を判定するように、さらに構成されており、
前記第1の方向の伸縮の場合には、前記変形分析器は、前記第1の信号および前記第2の信号を用いて伸縮の大きさを計算するように構成されており、
前記第2の方向の伸縮の場合には、前記変形分析器は、前記第4の信号および前記第5の信号を用いて伸縮の大きさを計算するように構成されている、請求項12に記載の変形検知装置。
【請求項14】
前記変形分析器は、
測定された前記第1の信号、前記第2の信号、前記第4の信号、前記第5の信号に基づいて、前記撓み変形の大きさおよび前記撓み変形の方向を特定するように、さらに構成されている、請求項12に記載の変形検知装置。
【請求項15】
前記変形分析器は、
前記第1の歪みゲージ対および前記第2の歪みゲージ対から検出された前記第1の信号、前記第2の信号、前記第4の信号、前記第5の信号の大きさを比較することによって、前記第1の方向または前記第2の方向の撓みのいずれかとして撓み変形方向を判定するように、さらに構成されており、
前記第1の方向の撓みの場合には、前記変形分析器は、前記第1の信号および前記第2の信号を用いて撓みの大きさを計算するように構成されており、
前記第2の方向の撓みの場合には、前記変形分析器は、前記第4の信号および前記第5の信号を用いて撓みの大きさを計算するように構成されている、請求項12に記載の変形検知装置。
【請求項16】
前記変形分析器は、測定された前記第1の信号、前記第2の信号、前記第4の信号、前記第5の信号を比較することによって、前記撓み変形が前記弾性基板の第1面に向けた撓みに相当するのか、または前記弾性基板の第2面に向けた撓みに相当するのかを判定するように、さらに構成されている、請求項12に記載の変形検知装置。
【請求項17】
変形検知装置であって、
弾性基板と、
前記弾性基板の第1面に形成された第1の歪みゲージ素子であって、第1の方向に付与された歪みに応じた第1の信号を出力するように構成された前記第1の歪みゲージ素子と、
前記弾性基板の第1面とは反対の第2面に形成された第2の歪みゲージ素子であって、第2の方向に付与された歪みに応じた第2の信号を出力するように構成された前記第2の歪みゲージ素子と、を備え、
当該変形検知装置は、付与された変形に応じた第3の信号を出力するように構成されており、前記第3の信号は、前記第1の歪みゲージ素子の端子と前記第2の歪みゲージ素子の端子の間で測定可能であり、
前記第1の方向は、前記第2の方向に直交しており、
前記第1の歪みゲージ素子と前記第2の歪みゲージ素子とは、互いに直交している、変形検知装置。
【請求項18】
測定回路は、前記付与された変形に応じて、前記第1の歪みゲージ素子からの第1の信号と、前記第2の歪みゲージ素子からの第2の信号と、前記第3の信号と、を測定するように構成されており、
変形分析器は、
前記第1の歪みゲージ素子から測定された第1の信号、前記第2の歪みゲージ素子から測定された第2の信号、および測定された前記第3の信号に基づいて、前記第1の方向および前記第2の方向における、当該変形検知装置の伸縮変形の測度および撓み変形の測度をそれぞれ計算するように構成されている、請求項17に記載の変形検知装置。
【請求項19】
前記変形分析器は、
前記第1の歪みゲージ素子および前記第2の歪みゲージ素子から検出された第1の信号および第2の信号の大きさを比較することによって、前記第1の方向または前記第2の方向の伸縮のいずれかとして伸縮変形方向を判定するように、さらに構成されており、
前記第1の方向の伸縮の場合には、前記変形分析器は、前記第1の信号および前記第3の信号を用いて伸縮の大きさを計算するように構成されており、
前記第2の方向の伸縮の場合には、前記変形分析器は、前記第2の信号および前記第3の信号を用いて伸縮の大きさを計算するように構成されている、請求項18に記載の変形検知装置。
【請求項20】
前記変形分析器は、
前記第1の歪みゲージ素子および前記第2の歪みゲージ素子から検出された第1の信号および第2の信号の大きさを比較することによって、前記第1の方向または前記第2の方向の撓みのいずれかとして撓み変形方向を判定するように、さらに構成されており、
前記第1の方向の撓みの場合には、前記変形分析器は、前記第1の信号および前記第3の信号を用いて撓みの大きさを計算するように構成されており、
前記第2の方向の撓みの場合には、前記変形分析器は、前記第2の信号および前記第3の信号を用いて撓みの大きさを計算するように構成されている、請求項18に記載の変形検知装置。
【請求項21】
ウェアラブルデバイスであって、
1つ以上の変形センサであって、前記1つ以上の変形センサの各々は、
可撓性の電気絶縁誘電材料を含む弾性基板と、
前記弾性基板の第1面に形成された第1の歪みゲージ素子であって、第1の方向に付与された歪みに応じた第1の信号を出力するように構成された前記第1の歪みゲージ素子と、
前記弾性基板の第1面とは反対の第2面に形成された第2の歪みゲージ素子であって、同じ第1の方向に付与された歪みに応じた第2の信号を出力するように構成された前記第2の歪みゲージ素子と、を有し、
当該変形センサは、付与された変形に応じた第3の信号を出力するように構成されており、前記第3の信号は、前記第1の歪みゲージ素子の第1端子と第2端子のうちの1つと、前記第2の歪みゲージ素子の第3端子と第4端子のうちの1つと、の間で測定可能である、前記1つ以上の変形センサと、
前記付与された変形に応じて、前記第1の歪みゲージ素子からの第1の信号と、前記第2の歪みゲージ素子からの第2の信号と、を測定するように構成された測定回路と、
前記第1の歪みゲージ素子から測定された第1の信号、前記第2の歪みゲージ素子から測定された第2の信号、および前記第3の信号に基づいて、前記付与された変形における、前記変形センサの伸縮変形の測度および撓み変形の測度を計算するように構成された変形分析器と、を備えるウェアラブルデバイス。
【請求項22】
当該ウェアラブルデバイス内の変形センサの第1の歪みゲージ素子および第2の歪みゲージ素子の各々は、
アーチ状ヘッドと、前記アーチ状ヘッドの両端から延出する一対の細長リードと、を含む馬蹄形状を有し、
前記第1の歪みゲージ素子の形状と前記第2の歪みゲージ素子の形状のアライメントは対応しており、前記形状は、関節動作する関節に外接するように構成されており、前記関節の動きによって、結果的に前記変形センサの対応する変形が生じる、請求項21に記載のウェアラブルデバイス。
【請求項23】
変形センサの変形を検知する方法であって、付与された変形に応じて、
前記変形センサの弾性基板の第1面に形成された第1の歪みゲージ素子から、前記第1の歪みゲージ素子の抵抗を示す第1の信号を測定すること、
前記変形センサの弾性基板の第2面に形成された第2の歪みゲージ素子から、前記第2の歪みゲージ素子の抵抗を示す第2の信号を測定すること、
前記付与された変形に応じて測定された前記弾性基板の静電容量を示す第3の信号を、前記第1の歪みゲージ素子と前記第2の歪みゲージ素子の間で測定すること、
前記第1の歪みゲージ素子から測定された第1の信号、前記第2の歪みゲージ素子から測定された第2の信号、および前記第3の信号に基づいて、前記付与された変形における、前記変形センサの伸縮変形の測度および撓み変形の測度を計算すること、を備える方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
歪みセンサは、その中に形成された(抵抗歪みゲージ、容量センサ、または誘導センサのような)電気素子の電気的特性(例えば、抵抗、インダクタンス、または静電容量)の変化に基づいて、変形が付与されたことにより生じた歪みを測定する。ところが、変形が付与された結果としての個々の電気的特性(例えば、抵抗変化または静電容量変化)を測定する歪みセンサは、単独では、異なる種類の変形を判別および区別する能力に欠けている。一例として、抵抗歪みゲージは、伸縮変形と撓み変形を区別する能力に欠けている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0002】
変形検知装置は、弾性基板と、弾性基板の第1面に形成された第1の歪みゲージ素子であって、第1の方向に付与された歪みに応じた第1の信号を出力するように構成された第1の歪みゲージ素子と、弾性基板の第1面とは反対の第2面に形成された第2の歪みゲージ素子であって、同じ第1の方向に付与された歪みに応じた第2の信号を出力するように構成された第2の歪みゲージ素子と、を備える。
【0003】
1つまたは複数の実施形態において、変形検知装置は、弾性誘電体基板の相対する平行な側にそれぞれ形成された2つの馬蹄形(例えば、U字形)抵抗器を備え、それらの間にコンデンサを形成している。2つの抵抗器のそれぞれから検知された抵抗を、それらの間で測定された静電容量と組み合わせて用いて、センサは、付与された異なる種類の変形を区別するために使用することが可能な3つの信号を提供する。例えば、基板の伸縮と撓みを区別するために、2つの抵抗と静電容量を示す3つの信号の組み合わせを用いることができる。この変形センサは、グローブ、ヘッドセット、または身体部位に適合するとともにその身体部位の動きを検出および区別するために用いることが可能な他の任意のファブリックのような、ウェアラブルデバイスにおいて使用されることがある。
【0004】
1つまたは複数の実施形態により、ウェアラブルデバイスは、1つ以上の変形センサと、測定回路と、変形分析器と、を備える。このような実施形態において、各々の変形センサは、可撓性の電気絶縁誘電材料を含む弾性基板と、弾性基板の第1面に形成された第1の歪みゲージ素子であって、第1の方向に付与された歪みに応じた第1の信号を出力するように構成された第1の歪みゲージ素子と、弾性基板の第1面とは反対の第2面に形成された第2の歪みゲージ素子であって、同じ第1の方向に付与された歪みに応じた第2の信号を出力するように構成された第2の歪みゲージ素子と、を有する。いくつかの実施形態では、変形センサは、付与された変形に応じた第3の信号を出力するように構成されており、第3の信号は、第1の歪みゲージ素子の第1端子と第2端子のうちの1つと、第2の歪みゲージ素子の第3端子と第4端子のうちの1つと、の間で測定可能である。測定回路は、付与された変形に応じて、第1の歪みゲージ素子からの第1の信号と、第2の歪みゲージ素子からの第2の信号と、を測定するように構成される。変形分析器は、第1の歪みゲージ素子から測定された第1の信号、第2の歪みゲージ素子から測定された第2の信号、および第3の信号に基づいて、付与された変形における、検知装置の伸縮変形の測度および撓み変形の測度を計算するように構成される。
【0005】
いくつかの実施形態では、ウェアラブルデバイス内の変形センサの第1の歪みゲージ素子および第2の歪みゲージ素子の各々は、アーチ状ヘッドと、アーチ状ヘッドの両端から延出する一対の細長リードと、を含む馬蹄形状を有する。第1の歪みゲージ素子と第2の歪みゲージ素子の形状のアライメントは、弾性基板の第1面および第2面に直交する軸に沿って対応している。このような実施形態において、アライメントされた馬蹄形状は、関節動作する関節に外接する(取り囲む)ように構成されており、その関節の動きによって、結果的に変形センサの対応する変形が生じる。
【0006】
本発明による実施形態は、特に、システムおよび方法に関する添付の請求項において開示しており、ある1つの請求項カテゴリである例えば方法で記載されている特徴はいずれも、他の請求項カテゴリである例えばシステムでも同様に特許請求の対象となり得る。添付の請求項における従属関係または後方参照は、単なる形式的な理由で選択されたものである。しかしながら、先行する請求項への(特に多項従属での)意図的な後方参照の結果として得られる主題がいずれも、同様に特許請求の対象となり得ることで、請求項およびその特徴の任意の組み合わせが開示されているかのように、それらは、添付の請求項で選択されている従属関係にかかわりなく特許請求の対象となり得る。特許請求の対象となり得る主題は、添付の請求項に記載の特徴の組み合わせだけではなく、請求項に記載の特徴の他の任意の組み合わせも含み、このとき、請求項に記載の特徴はそれぞれ、請求項に記載の他のいずれかの特徴または他の特徴の組み合わせと組み合わせることができる。さらに、本明細書に記載もしくは図示の実施形態および特徴はいずれも、単独の請求項において、かつ/または本明細書に記載もしくは図示のいずれかの実施形態もしくは特徴との、または添付の請求項の特徴のいずれかとの任意の組み合わせで、特許請求され得る。
【0007】
本発明による一実施形態では、変形検知装置は、
弾性基板と、
弾性基板の第1面に形成された第1の歪みゲージ素子であって、第1の方向に付与された歪みに応じた第1の信号を出力するように構成された第1の歪みゲージ素子と、
弾性基板の第1面とは反対の第2面に形成された第2の歪みゲージ素子であって、同じ第1の方向に付与された歪みに応じた第2の信号を出力するように構成された第2の歪みゲージ素子と、を備える。
【0008】
本発明による一実施形態では、
第1の歪みゲージ素子は、2つの別個の端子である第1端子および第2端子を有し、
第1の信号は、第1の歪みゲージ素子の第1端子と第2端子の間で測定可能であり、
第2の歪みゲージ素子は、2つの別個の端子である第3端子および第4端子を有し、
第2の信号は、第2の歪みゲージ素子の第3端子と第4端子の間で測定可能である。
【0009】
本発明による一実施形態では、
弾性基板は、可撓性の電気絶縁誘電材料を含み、
変形検知装置は、付与された変形に応じた第3の信号を出力するように構成されており、第3の信号は、第1の歪みゲージ素子の端子と第2の歪みゲージ素子の端子の間で測定可能である。
【0010】
本発明による一実施形態では、変形検知装置は、さらに、
付与された変形に応じて、第1の歪みゲージ素子からの第1の信号と、第2の歪みゲージ素子からの第2の信号と、を測定するように構成された測定回路と、
第1の歪みゲージ素子から測定された第1の信号、第2の歪みゲージ素子から測定された第2の信号、および第3の信号に基づいて、付与された変形における、検知装置の伸縮変形の測度および撓み変形の測度を計算するように構成された変形分析器と、を備え得る。
【0011】
本発明による一実施形態では、
第1の信号は、第1の歪みゲージ素子の第1の抵抗を示し、
第2の信号は、第2の歪みゲージ素子の第2の抵抗を示し、
第3の信号は、付与された変形に応じて測定された弾性基板の静電容量を示している。
【0012】
変形分析器は、第1の信号、第2の信号、および第3の信号に基づいて、第1の歪みゲージ素子および第2の歪みゲージ素子の長さの変化割合((ΔL)/L)としての伸縮変形の測度を、以下の式を用いて計算し得る。
【0013】
【数1】
【0014】
【数2】
ただし、Rは第1の抵抗、Rは第2の抵抗、Cは静電容量であり、
Areaは、第1の歪みゲージ素子と第2の歪みゲージ素子とのオーバラップであり、
GFは、歪みと抵抗を関係付けるゲージ率であり、
γは、軸間の変形を関係付ける、弾性基板のポアソン比であり、
は、第1の歪みゲージ素子および第2の歪みゲージ素子の変形前の長さであり、
ΔL、ΔL、ΔLは、第1の歪みゲージ素子および第2の歪みゲージ素子の長さの変化であり、
は、第1の歪みゲージ素子および第2の歪みゲージ素子の変形前の長さであり、
εは、弾性基板の誘電率であり、
は、第1の歪みゲージ素子および第2の歪みゲージ素子の基準抵抗であり、
g、gは、それぞれ弾性基板の変形後の幅および基準幅である。
【0015】
変形分析器は、第1の信号、第2の信号、および第3の信号に基づいて、第1の歪みゲージ素子および第2の歪みゲージ素子の曲げ半径としての撓み変形の測度を、以下の式を用いて計算し得る。
【0016】
【数3】
【0017】
【数4】
ただし、Rは第1の抵抗、Rは第2の抵抗であり、
GFは、第1の歪みゲージ素子および第2の歪みゲージ素子の歪みと抵抗を関係付けるゲージ率であり、
γは、軸間の変形を関係付ける、弾性基板のポアソン比であり、
は、第1の歪みゲージ素子および第2の歪みゲージ素子の変形前の長さであり、
ΔL、ΔLは、第1の歪みゲージ素子および第2の歪みゲージ素子の長さの変化であり、
は、第1の歪みゲージ素子および第2の歪みゲージ素子の基準抵抗であり、
gは、弾性基板の変形後の幅であり、
ρおよびρは、弾性基板の第1面および第2面の曲げ半径である。
【0018】
本発明による一実施形態では、
第1の歪みゲージ素子および第2の歪みゲージ素子の各々は、アーチ状ヘッドと、アーチ状ヘッドの両端から延出する一対の細長リードと、を含む馬蹄形状を有し、
第1の歪みゲージ素子と第2の歪みゲージ素子の形状のアライメントは、弾性基板の第1面および第2面に直交する軸に沿って対応しており、
第1の歪みゲージ素子および第2の歪みゲージ素子の中心軸は、弾性基板の第1面および第2面に直交する平面に沿って互いに平行かつ同一平面上にアライメントされており、
第1の歪みゲージ素子および第2の歪みゲージ素子の細長リード対の対応するリード同士は、それぞれ、長さ方向に平行であるとともに、略同じ寸法を有する。
【0019】
本発明による一実施形態では、変形検知装置において、
測定回路は、付与された変形に応じて、第1の歪みゲージ素子からの第1の信号と、第2の歪みゲージ素子からの第2の信号と、を測定するように構成されており、
変形分析器は、第1の歪みゲージ素子から測定された第1の信号、第2の歪みゲージ素子から測定された第2の信号、および第3の信号に基づいて、付与された変形における、検知装置の伸縮変形の測度および撓み変形の測度を計算するように構成されている。
【0020】
本発明による一実施形態では、
伸縮変形の測度は、第1の歪みゲージ素子および第2の歪みゲージ素子の変形前の長さに対する長さの平均変化を示しており、
撓み変形の測度は、第1の歪みゲージ素子および第2の歪みゲージ素子が形成された弾性基板面の角曲がりの曲げ半径を示している。
【0021】
変形分析器は、さらに、測定された第1の信号、第2の信号、第3の信号を比較することによって、第1の歪みゲージ素子および第2の歪みゲージ素子の抵抗変化の符号ならびに弾性基板の静電容量変化の符号に基づいて、その伸縮変形が圧縮伸縮に相当するのか、または伸長伸縮に相当するのかを判定するように構成することができる。
【0022】
本発明による一実施形態では、変形検知装置は、
弾性基板と、
第1の歪みゲージ対であって、
弾性基板の第1面に形成された第1の歪みゲージ素子であって、第1の方向に付与された歪みに応じた第1の信号を出力するように構成された第1の歪みゲージ素子と、
弾性基板の第1面とは反対の第2面に形成された第2の歪みゲージ素子であって、同じ第1の方向に付与された歪みに応じた第2の信号を出力するように構成された第2の歪みゲージ素子と、を含み、
この変形検知装置は、付与された変形に応じた第3の信号を出力するように構成されており、第3の信号は、第1の歪みゲージ素子の端子と第2の歪みゲージ素子の端子の間で測定可能である、第1の歪みゲージ対と、
第2の歪みゲージ対であって、
弾性基板の第1面に概ね形成された第3の歪みゲージ素子であって、第2の方向に付与された歪みに応じた第4の信号を出力するように構成された第3の歪みゲージ素子と、
弾性基板の第1面とは反対の第2面に概ね形成された第4の歪みゲージ素子であって、同じ第2の方向に付与された歪みに応じた第5の信号を出力するように構成された第4の歪みゲージ素子と、を含み、
この変形検知装置は、付与された変形に応じた第6の信号を出力するように構成されており、第6の信号は、第3の歪みゲージ素子の端子と第4の歪みゲージ素子の端子の間で測定可能である、第2の歪みゲージ対と、を備え、
第1の方向は第2の方向に直交しており、
第1の歪みゲージ対の歪みゲージ素子と第2の歪みゲージ対の歪みゲージ素子とは、互いに直交している。
【0023】
変形検知装置は、
付与された変形に応じて、第1の歪みゲージ素子からの第1の信号と、第2の歪みゲージ素子からの第2の信号と、第3の歪みゲージ素子からの第4の信号と、第4の歪みゲージ素子からの第5の信号と、を測定するように構成された測定回路と、
第1の歪みゲージ素子から測定された第1の信号、第2の歪みゲージ素子から測定された第2の信号、第3の歪みゲージ素子から測定された第4の信号、第4の歪みゲージ素子から測定された第5の信号に基づいて、第1の方向および第2の方向における、検知装置の伸縮変形の測度および撓み変形の測度をそれぞれ計算するように構成された変形分析器と、を備え得る。
【0024】
本発明による一実施形態では、変形検知装置において、
変形分析器は、さらに、第1の歪みゲージ対および第2の歪みゲージ対から検出された第1の信号、第2の信号、第4の信号、第5の信号の大きさを比較することによって、第1の方向または第2の方向の伸縮のいずれかとして伸縮変形方向を判定するように構成されており、
第1の方向の伸縮の場合には、変形分析器は、第1の信号および第2の信号を用いて伸縮の大きさを計算するように構成されており、
第2の方向の伸縮の場合には、変形分析器は、第4の信号および第5の信号を用いて伸縮の大きさを計算するように構成されている。
【0025】
本発明による一実施形態では、変形検知装置において、
変形分析器は、さらに、測定された第1の信号、第2の信号、第4の信号、第5の信号に基づいて、撓み変形の大きさおよび撓み変形の方向を特定するように構成されている。
【0026】
本発明による一実施形態では、
変形分析器は、さらに、第1の歪みゲージ対および第2の歪みゲージ対から検出された第1の信号、第2の信号、第4の信号、第5の信号の大きさを比較することによって、第1の方向または第2の方向の撓みのいずれかとして撓み変形方向を判定するように構成されており、
第1の方向の撓みの場合には、変形分析器は、第1の信号および第2の信号を用いて撓みの大きさを計算するように構成されており、
第2の方向の撓みの場合には、変形分析器は、第4の信号および第5の信号を用いて撓みの大きさを計算するように構成されている。
【0027】
変形分析器は、さらに、測定された第1の信号、第2の信号、第4の信号、第5の信号を比較することによって、その撓み変形が弾性基板の第1面に向けた撓みに相当するのか、または弾性基板の第2面に向けた撓みに相当するのかを判定するように構成することができる。
【0028】
本発明による一実施形態では、変形検知装置は、
弾性基板と、
弾性基板の第1面に形成された第1の歪みゲージ素子であって、第1の方向に付与された歪みに応じた第1の信号を出力するように構成された第1の歪みゲージ素子と、
弾性基板の第1面とは反対の第2面に形成された第2の歪みゲージ素子であって、第2の方向に付与された歪みに応じた第2の信号を出力するように構成された第2の歪みゲージ素子と、を備え、
変形検知装置は、付与された変形に応じた第3の信号を出力するように構成されており、第3の信号は、第1の歪みゲージ素子の端子と第2の歪みゲージ素子の端子の間で測定可能であり、
第1の方向は第2の方向に直交しており、
第1の歪みゲージ素子と第2の歪みゲージ素子とは、互いに直交している。
【0029】
本発明による一実施形態では、
測定回路は、付与された変形に応じて、第1の歪みゲージ素子からの第1の信号と、第2の歪みゲージ素子からの第2の信号と、第3の信号と、を測定するように構成されており、
変形分析器は、第1の歪みゲージ素子から測定された第1の信号、第2の歪みゲージ素子から測定された第2の信号、および測定された第3の信号に基づいて、第1の方向および第2の方向における、検知装置の伸縮変形の測度および撓み変形の測度をそれぞれ計算するように構成されている。
【0030】
本発明による一実施形態では、変形検知装置において、
変形分析器は、さらに、第1の歪みゲージ素子および第2の歪みゲージ素子から検出された第1の信号および第2の信号の大きさを比較することによって、第1の方向または第2の方向の伸縮のいずれかとして伸縮変形方向を判定するように構成されており、
第1の方向の伸縮の場合には、変形分析器は、第1の信号および第3の信号を用いて伸縮の大きさを計算するように構成されており、
第2の方向の伸縮の場合には、変形分析器は、第2の信号および第3の信号を用いて伸縮の大きさを計算するように構成されている。
【0031】
本発明による一実施形態では、
変形分析器は、さらに、第1の歪みゲージ素子および第2の歪みゲージ素子から検出された第1の信号および第2の信号の大きさを比較することによって、第1の方向または第2の方向の撓みのいずれかとして撓み変形方向を判定するように構成されており、
第1の方向の撓みの場合には、変形分析器は、第1の信号および第3の信号を用いて撓みの大きさを計算するように構成されており、
第2の方向の撓みの場合には、変形分析器は、第2の信号および第3の信号を用いて撓みの大きさを計算するように構成されている。
【0032】
本発明による一実施形態では、ウェアラブルデバイスは、
1つ以上の変形センサであって、各々の変形センサは、
可撓性の電気絶縁誘電材料を含む弾性基板と、
弾性基板の第1面に形成された第1の歪みゲージ素子であって、第1の方向に付与された歪みに応じた第1の信号を出力するように構成された第1の歪みゲージ素子と、
弾性基板の第1面とは反対の第2面に形成された第2の歪みゲージ素子であって、同じ第1の方向に付与された歪みに応じた第2の信号を出力するように構成された第2の歪みゲージ素子と、を有し、
変形センサは、付与された変形に応じた第3の信号を出力するように構成されており、第3の信号は、第1の歪みゲージ素子の第1端子と第2端子のうちの1つと、第2の歪みゲージ素子の第3端子と第4端子のうちの1つと、の間で測定可能である、1つ以上の変形センサと、
付与された変形に応じて、第1の歪みゲージ素子からの第1の信号と、第2の歪みゲージ素子からの第2の信号と、を測定するように構成された測定回路と、
第1の歪みゲージ素子から測定された第1の信号、第2の歪みゲージ素子から測定された第2の信号、および第3の信号に基づいて、付与された変形における、検知装置の伸縮変形の測度および撓み変形の測度を計算するように構成された変形分析器と、を備える。
【0033】
本発明による一実施形態では、
ウェアラブルデバイス内の変形センサの第1の歪みゲージ素子および第2の歪みゲージ素子の各々は、アーチ状ヘッドと、アーチ状ヘッドの両端から延出する一対の細長リードと、を含む馬蹄形状を有し、
第1の歪みゲージ素子と第2の歪みゲージ素子の形状のアライメントは対応しており、それらの形状は、関節動作する関節に外接するように構成されており、その関節の動きによって、結果的に変形センサの対応する変形が生じる。
【0034】
本発明による一実施形態では、変形センサの変形を検知する方法は、付与された変形に応じて、
変形センサの弾性基板の第1面に形成された第1の歪みゲージ素子から、第1の歪みゲージ素子の抵抗を示す第1の信号を測定することと、
変形センサの弾性基板の第2面に形成された第2の歪みゲージ素子から、第2の歪みゲージ素子の抵抗を示す第2の信号を測定することと、
付与された変形に応じて測定された弾性基板の静電容量を示す第3の信号を、第1の歪みゲージ素子と第2の歪みゲージ素子の間で測定することと、
第1の歪みゲージ素子から測定された第1の信号、第2の歪みゲージ素子から測定された第2の信号、および第3の信号に基づいて、付与された変形における、変形センサの伸縮変形の測度および撓み変形の測度を計算することと、を含む。
【0035】
本発明によるさらなる実施形態において、1つまたは複数の非一時的なコンピュータ可読記憶媒体は、ソフトウェアを具現化しており、そのソフトウェアは、実行されることで、本発明または上記実施形態のいずれかによる方法を実施するように機能する。
【0036】
本発明によるさらなる実施形態において、システムは、1つ以上のプロセッサと、プロセッサに結合された少なくとも1つのメモリであって、プロセッサで実行可能な命令を含むメモリと、を備え、プロセッサは、命令を実行することで、本発明または上記実施形態のいずれかによる方法を実施するように機能する。
【0037】
本発明によるさらなる実施形態において、好ましくは非一時的なコンピュータ可読記憶媒体を含む、コンピュータプログラムプロダクトは、データ処理システム上で実行されることで、本発明または上記実施形態のいずれかによる方法を実施するように機能する。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1A-1C】1つ以上の実施形態により、伸縮変形が付与された場合および伸縮変形が付与されていない場合の変形検知装置の側面図を示している。
図2A-2C】1つ以上の実施形態により、撓み変形が付与された場合および撓み変形が付与されていない場合の変形検知装置の側面図を示している。
図3A】1つ以上の実施形態により、変形検知装置の斜視図を含む変形検知システムを示している。
図3B】いくつかの実施形態により、図3Aの測定回路の例示的な実装を示している。
図4A-4C】1つ以上の実施形態により、変形検知装置に付与された長さ方向の伸縮変形を示している。
図5A-5C】1つ以上の実施形態により、変形検知装置に付与された幅方向の伸縮変形を示している。
図6A-6C】1つ以上の実施形態により、変形検知装置に付与された長さ方向の撓み変形を示している。
図7A-7C】1つ以上の実施形態により、直交方向の伸縮変形および撓み変形を区別するために、直交する向きの歪みゲージを備える改良型変形センサを示している。
図7D-7F】1つ以上の実施形態により、直交方向の伸縮変形および撓み変形を区別するために、直交する向きの歪みゲージを備える改良型変形センサを示している。
図8】1つ以上の実施形態により、1つ以上の変形検知装置を備えるウェアラブルシステムの例を示している。
図9】1つ以上の実施形態により、1つ以上の変形検知装置を備えるウェアラブルシステムの例を示している。
図10】1つ以上の実施形態により、1つ以上の変形検知装置を備えるウェアラブルシステムの例を示している。
図11】1つ以上の実施形態により、1つ以上の変形検知装置を備えるウェアラブルシステムの例を示している。
図12】1つ以上の実施形態により、本明細書で開示する変形検知装置を使用して変形を検知する方法を示すフローチャートを示している。
【発明を実施するための形態】
【0039】
図面には、単なる例示目的で、本発明の種々の実施形態を示している。本明細書に記載の発明の原理から逸脱することなく、本明細書で例示する構造および方法の代替実施形態を採用できることは、当業者であれば、以下の解説から容易に理解できるであろう。
【0040】
図1A〜1Cは、1つ以上の実施形態により、変形が付与された場合および変形が付与されていない場合の変形検知装置の側面図をそれぞれ示している。
図1A〜1Cは、(本明細書では、変形センサ100と別称される)変形検知装置100の側面図をそれぞれ示している。図1Aは、1つ以上の実施形態により、変形が付与されていない場合の変形検知装置100の側面図を示している。図1Aに示すように、変形検知装置100は、第1の歪みゲージ素子110と、第2の歪みゲージ素子120と、弾性基板130と、を備える。第1の歪みゲージ素子110は、弾性基板130の第1面130−aに形成されている。第2の歪みゲージ素子は、弾性基板130の第1面130−aとは反対の第2面130−bに形成されている。
【0041】
第1の歪みゲージ素子110は、第1の方向に付与された歪みに応じた第1の信号を出力するように構成されている。第2の歪みゲージ素子120は、同じ第1の方向に付与された歪みに応じた第2の信号を出力するように構成されている。いくつかの実施形態では、第1の歪みゲージと第2の歪みゲージは、弾性基板の反対側で同じアライメントまたは対称に対応したアライメントが得られるように、基板の反対側に対称に形成される。例えば、第1の歪みゲージと第2の歪みゲージの長さは平行で(かつ、場合によっては一致して、同一平面上に)ある。その結果、第1の歪みゲージと第2の歪みゲージは、ある特定の方向に付与された歪みに対して、同様の応答を生成する。従って、歪みゲージの長さに平行な方向に沿って歪みが付与されると、その歪みに応じて、双方の歪みゲージは対応する信号を出力する。
【0042】
図1Aに示すように、いくつかの実施形態では、第1の歪みゲージ素子110は、2つの別個の端子である第1端子110−aおよび第2端子110−bを有する。第1の歪みゲージ素子110から出力される第1の信号は、第1の歪みゲージ素子の第1端子と第2端子の間で測定可能である。いくつかの実施形態では、変形の結果として、第1の信号は、付与された変形に応じて測定された第1の歪みゲージ素子110の第1の抵抗(R)または第1の抵抗変化(ΔR)を示している。その変形は、第1の方向に付与された歪みおよび(撓み変形または曲げ変形のような)他の変形に応じて生じ得る。
【0043】
いくつかの実施形態では、図1Aに示すように、第2の歪みゲージ素子120は、2つの別個の端子である第3端子120−aおよび第4端子120−bを有する。第2の信号は、第2の歪みゲージ素子の第3端子と第4端子の間で測定可能である。いくつかの実施形態では、第2の信号は、付与された変形に応じて測定された第2の歪みゲージ素子120の第2の抵抗(R)または第2の抵抗変化(ΔR)を示している。
【0044】
いくつかの実施形態では、弾性基板130は、可撓性の電気絶縁誘電材料を含む。変形センサ100は、第1の方向に付与された歪みに応じた第3の信号を出力するように構成されており、第3の信号は、第1の歪みゲージ素子の端子と第2の歪みゲージ素子の端子の間で測定可能である。いくつかの実施形態では、第3の信号は、付与された変形に応じて測定された弾性基板の静電容量(C)または静電容量変化(ΔC)を示している。
【0045】
(弾性基板130のような)伸縮基板の例示的な材料には、導電性歪み感知経路(conductive strain sensitive path)(歪みゲージ素子)を形成するために導電性粒子(カーボンブラック、カーボンナノチューブ、銀ナノ粒子またはナノワイヤ)をドープすることができるシリコーン(PDMS:PolyDiMethylSiloxane(ポリジメチルシロキサン))が含まれる。その構成は、硬度が10デュロメータ(durometer)未満〜100デュロメータの範囲とすることができ、200%を超える伸長に耐えることができ、最大撓みの曲げ半径はセンサ全厚ほどの小ささとすることが可能である。非導電層(例えば、弾性誘電体基板130)は、均質エラストマ(homogeneous elastomer)とすることができ、または間隔と誘電率の非線形関係を構築する(連続気泡もしくは独立気泡)エラストマ発泡体とすることができ、これを、特定の変形値または変形範囲に対する感度を向上させる最適化のために利用することができる。
【0046】
図1Bは、結果的に第1の歪みゲージ素子110および第2の歪みゲージ素子120の長さが拡大するとともに弾性基板130の幅(厚さ)が縮小することになる、変形センサ100の長さ方向の伸長を示している。第1の歪みゲージ素子110および第2の歪みゲージ素子120の寸法が変化するとともに、介在する誘電体基板130の厚さが変化することによって、結果的に、抵抗RおよびRだけではなく静電容量Cが、周知のように決定論的に変化する。第1の信号、第2の信号、第3の信号は、抵抗R、R、静電容量C、またはR、R、Cの変化を示している。いくつかの実施形態では、図3を参照してさらに説明するように、センサ100の伸長伸縮の大きさ(さらに場合によっては方向)を推定するために、3つの信号の組み合わせを用いることができる。
【0047】
逆に、図1Cは、結果的にセンサ100が圧縮される伸縮変形を示している。いくつかの実施形態では、歪みゲージ素子は、基板に形成されるときに、(変形されていない)レスト状態(resting state)において予め伸長伸縮を有するよう構成される。このような実現形態では、歪みゲージ素子は、結果的に予め伸長伸縮が減少する圧縮伸縮を検知することができる。
【0048】
図2A〜2Cは、1つ以上の実施形態により、撓み変形が付与された場合および撓み変形が付与されていない場合の変形検知装置の側面図をそれぞれ示している。図2Aは、変形されていない場合の変形センサ100を示している。図2B〜2Cは、結果的に弾性基板130の表面がアーチ状または湾曲状になる、変形センサ100の撓み(撓み変形)を示している。第1の歪みゲージ素子110と第2の歪みゲージ素子120の寸法の変化は非対称に生じ、例えば、第2の素子120に向けた撓みの場合には、図2Bにおいて、第1の素子110の長さは、素子120の長さよりも多く増大し、第1の素子110に向けた撓みの場合には、図2Cにおいて、素子120の長さは、素子110の長さよりも多く増大する。その結果、抵抗RおよびRは、付与された撓み変形によって、非対称かつ決定論的に変化する。さらに、介在する誘電体基板130の厚さおよび向きが変化することによって、結果的に、静電容量Cは、周知のように決定論的に変化する。第1の信号、第2の信号、第3の信号は、抵抗R、R、静電容量C、またはR、R、Cの変化を示している。いくつかの実施形態では、図3を参照してさらに説明するように、センサ100の撓み変形の大きさ(さらに場合によっては方向)を推定するために、3つの信号の組み合わせを用いることができる。
【0049】
図3Aは、1つ以上の実施形態により、変形検知装置100を含む変形検知システム300を示している。1つまたは複数の実施形態において、変形検知システムは、変形センサ100と、測定回路140と、変形分析器150と、を備える。
【0050】
図1Aを参照して説明したように、変形センサ100は、第1の歪みゲージ素子110および第2の歪みゲージ素子120と、弾性基板130と、を備える。いくつかの実施形態では、図3Aの例示において、第1の歪みゲージ素子110および第2の歪みゲージ素子120の各々は、アーチ状(例えば、湾曲状または半円状)ヘッドと、アーチ状ヘッドの両端から延出する一対の細長リードと、を含む馬蹄形状(「U」字形状)を有する。馬蹄形状(「U」字形状)の利点は、その「U」字形が、平行平板コンデンサの単純な矩形板を、(電流を流すこと、または両端間に電圧を印加することによって)その端子間で測定可能な抵抗を有する抵抗性電流路に拡張する、幾何学的に単純な形態であることである。この幾何学的単純さは、設計および製造の観点から効果的である。導電性要素(例えば、矩形または一次元の線状トレース)を両端間でインテロゲートする(interrogating)ことによって抵抗RおよびRを測定することは、結果的に同様の数学的定式化が得られることになるが、パッケージングの観点からは、シングルエンド測定または片側測定が、より有効である。代替的に、多重パス蛇行路(例えば、多重U字形状)を用いることができる。選択されるこれらの幾何学的形状は、各々の歪みゲージ素子の全抵抗に影響を及ぼすとともに、2つの歪みゲージ素子間の静電容量のモデルにも影響を及ぼすことになる。
【0051】
いくつかの実施形態では、第1の歪みゲージ素子の形状と第2の歪みゲージ素子の形状のアライメントは、弾性基板130の第1面および第2面に直交する軸に沿って対応している(例えば、オーバラップまたは一致している)。このような実施形態では、第1の歪みゲージ素子110と第2の歪みゲージ素子120の中心軸は、平行にアライメントされるとともに、対応(オーバラップまたは一致)しており、さらに、弾性基板の第1面および第2面に直交する同一平面内に形成されている。すなわち、それらの馬蹄形状は、平行かつ一致する中心軸に沿ってアライメントされている。同様に、第1の歪みゲージ素子および第2の歪みゲージ素子の細長リード対の対応するリード同士は、それぞれ、平行であるとともに、略同じ寸法を有する。
【0052】
いくつかの実施形態では、測定回路140は、付与された変形に応じて、第1の歪みゲージ素子110からの第1の信号と、第2の歪みゲージ素子120からの第2の信号と、を測定するように構成されている。
【0053】
図1Aを参照して説明したように、いくつかの実施形態では、第1の信号は、付与された(例えば、第1の方向の歪みを含む)変形に応じて測定された第1の歪みゲージ素子110の第1の抵抗(R)または第1の抵抗変化(ΔR)を示している。いくつかの実施形態では、第1の信号は、測定回路によって第1の歪みゲージ素子110の第1端子110−aと第2端子110−bの間に印加される既知の第1の電気信号(例えば、既知の電圧または電流)に対する応答として、測定される。
【0054】
いくつかの実施形態では、図1Aを参照して説明したように、第2の信号は、付与された変形に応じて測定された第2の歪みゲージ素子120の第2の抵抗(R)または第2の抵抗変化(ΔR)を示している。いくつかの実施形態では、第2の信号は、測定回路によって第2の歪みゲージ素子120の第3端子120−aと第4端子120−bの間に印加される既知の第2の電気信号(例えば、既知の電圧または電流)に対する応答として、測定される。
【0055】
いくつかの実施形態では、第3の信号は、付与された変形に応じて測定された弾性基板の静電容量(C)または静電容量変化(ΔC)を示している。いくつかの実施形態では、第3の信号は、第1の歪みゲージ素子110の端子(例えば、第1端子と第2端子のうちの1つ)と第2の歪みゲージ素子120の端子(例えば、第3端子と第4端子のうちの1つ)の間に印加される既知の第3の電気信号(例えば、既知の交流電流)に対する応答として、測定される。
【0056】
いくつかの実施形態では、測定回路140は、交互の(時間インターリーブされた)2つの測定フェーズを有する。第1のフェーズでは、RおよびRの測定のために、第1の歪みゲージ素子および第2の歪みゲージ素子のそれぞれに、既知の電圧または電流を供給することができる。第2のフェーズでは、Cの測定のために、コンデンサの一方の平板を形成するように、第1の歪みゲージ素子の第1端子110−aと第2端子110−bを短絡させることができ、同様に、コンデンサの第2の平板を形成するように、第2の歪みゲージ素子120の第3端子120−aと第4端子120−bを短絡させることができ、弾性基板は、第1と第2の平板間で誘電絶縁体を形成する。このとき、第1の平板(相互に短絡された第1端子110−aおよび第2端子110−b)と第2の平板(相互に短絡された第3端子120−aおよび第4端子120−b)の間で、静電容量Cを任意選択的に測定する。
【0057】
図3Bは、いくつかの実施形態により、図3Aの測定回路140の例示的な実装を示している。測定回路140は、スイッチS1、S2、S3と、電流源Isrcと、電圧源Vsrcと、電圧計350と、電流計355と、を有する。
【0058】
1つまたは複数の実施形態により、図3Bの装置を使用して、以下に列挙するアプローチのうちの1つ以上に基づいて抵抗成分(R+R)を測定する。
バルク抵抗[R+R]の測定:
1) 装置325を放電する。電流源(Isrc)を一定の直流電流に設定して、スイッチS1をオンにする。測定点で初期直流電圧(Vdut)を測定し、これはIdut*(R+R)である。合成抵抗(R+R)は、VdutおよびIdutの測定値に基づいて特定できる。
【0059】
2) 装置325を放電する。電圧源(Vsrc)を一定の直流電圧に設定して、スイッチS2をオンにする。測定点で初期直流電流(Idut)を測定し、これはVdut/(R+R)である。合成抵抗(R+R)は、VdutおよびIdutの測定値に基づいて特定できる。
【0060】
3) 装置325を放電する。電源に電荷を導入して、スイッチをオンにする。電源における初期電圧(Vdut)および初期電流(Idut)を測定し、R+R=Vdut/Idutであることに注目する。
【0061】
4) システムの周波数1/(2*π*(R+R)*C)よりも顕著に高いと分かっている周波数で、電流源(Isrc)を一定の交流電流で駆動するか、または電圧源(Vsrc)を一定の交流電圧で駆動する。測定点での定常状態のRMS電圧(Vdut)およびRMS電流(Idut)に注目して、R+R=Vdut/Idutを計算する。
【0062】
さらに、1つまたは複数の実施形態により、図3Bの装置を使用して、以下に列挙するアプローチのうちの1つ以上に基づいて静電容量成分(C)を測定する。
静電容量(C)の測定:
1) 電圧源(Vsrc)を一定の直流電圧に設定して、スイッチS2をオンにする。例えば、スイッチS2のターンオンを基準として測定される、規定の電流(Idut)尺度まで充電する時間に基づいて、Cの充電時間を測定する。同じバルク抵抗値(R+R)の既知の基準コンデンサの同じ規定電流値の放電時間と比較する。静電容量変化は時間に反比例する。このとき、コンデンサ(C)を放電させるために、スイッチS2をオフにするとともに、スイッチS3をオンにして、電流−時間測定を繰り返し、同様の電流−時間測定値を記録することで、その放電特性と基準コンデンサの放電特性との比較から、Cの値を計算する。
【0063】
2) 交流インピーダンス:系の共振周波数1/(2*π*(R+R)*C)と同じオーダの大きさの周波数で、電圧源(Vsrc)を一定の交流電圧に設定して、S2をオンにする。システムへのRMS電流(Idut)を測定して、同じバルク抵抗R+Rの基準静電容量の充電電流と比較する。静電容量Cに正比例する電流(Idut)に注目する。
【0064】
3) 装置325を放電する。電荷移動:一定電荷、または一定持続時間の刺激としての一定電流を用いる。システムが安定した後の開路電圧Vdutに注目するとともに、これは、一定電荷または一定持続時間の電流パルスの場合には静電容量に反比例することに注目する。
【0065】
4) 共振:電流計355(A)を、既知の(例えば、値Lの)インダクタンスを有するインダクタで置き換える。LC系の共振の最小限界または最大限界を見つけるために、一定の交流電圧で、かつスイープ周波数の交流電圧で、電圧源(Vsrc)を駆動する。共振周波数は、1/(1*π*sqrt(L*C))である。測定された共振周波数および既知のインダクタンス値Lに基づいて、Cを特定する。
【0066】
いくつかの実施形態では、変形分析器150は、第1の歪みゲージ素子110から測定された第1の信号、第2の歪みゲージ素子120から測定された第2の信号、および第3の信号130に基づいて、付与された変形における、検知装置100の伸縮変形310の測度(例えば、絶対メトリックまたは比率割合)および撓み変形320の測度(例えば、絶対メトリックまたは比率割合)を計算する。
【0067】
いくつかの実施形態では、伸縮変形310は、元の変形前の長さの、比率またはパーセントで表される長さ変化割合[すなわち、それぞれ、ΔLおよびΔLは、第1の歪みゲージ素子および第2の歪みゲージ素子の長さ変化、Lは元の長さとして、(ΔL+ΔL)/2Lであるか、またはΔL=ΔL=ΔLの場合には、(ΔL)/L]として計算される、歪みゲージ素子における歪みとして特定される。例えば、変形前の長さが10cmの歪みゲージが15cmに伸長されると、50%の歪みを受けている。いくつかの実施形態では、伸縮変形310の測度は、第1の歪みゲージ素子110および第2の歪みゲージ素子120の長さの平均変化を示している。このような実施形態では、変形分析器は、第1の信号、第2の信号、第3の信号に基づいて、伸縮変形の測度を、以下の式を用いて計算する。
【0068】
【数5】
【0069】
【数6】
【0070】
【数7】
ただし、Rは第1の抵抗、Rは第2の抵抗、Cは静電容量であり、
Areaは、第1の歪みゲージ素子と第2の歪みゲージ素子とのオーバラップであり、
GFは、歪みと抵抗を関係付けるゲージ率であり、
γは、軸間の変形を関係付ける、弾性基板のポアソン比であり、
は、第1の歪みゲージ素子および第2の歪みゲージ素子の変形前の長さであり、
ΔL、ΔL、ΔLは、第1の歪みゲージ素子および第2の歪みゲージ素子の長さの変化であり、
は、第1の歪みゲージ素子および第2の歪みゲージ素子の変形前の長さであり、
εは、弾性基板の誘電率であり、
は、第1の歪みゲージ素子および第2の歪みゲージ素子の基準抵抗であり、
g、gは、それぞれ弾性基板の変形後の幅および基準幅である。
【0071】
あるいは、ΔL=ΔL=ΔLの場合には、
【0072】
【数8】
【0073】
【数9】
いくつかの実施形態では、純撓み変形の測度は、第1の歪みゲージ素子および第2の歪みゲージ素子が形成された弾性基板面の角曲がりを示している。一例として、純撓みの測度は、導体が形成された面の湾曲によって形成される弧の半径(例えば、平均曲率半径または曲げ半径)に相当する。変形分析器は、第1の信号、第2の信号、第3の信号に基づいて、純撓み変形の測度を、以下の式を用いて計算する。
【0074】
【数10】
【0075】
【数11】
【0076】
【数12】
ただし、Rは第1の抵抗、Rは第2の抵抗、Cbendは静電容量であり、
GFは、第1の歪みゲージ素子および第2の歪みゲージ素子の歪みと抵抗を関係付けるゲージ率であり、
γは、軸間の変形を関係付ける、弾性基板のポアソン比であり、
は、第1の歪みゲージ素子および第2の歪みゲージ素子の変形前の長さであり、
ΔL、ΔLは、第1の歪みゲージ素子および第2の歪みゲージ素子の長さの変化であり、
は、第1の歪みゲージ素子および第2の歪みゲージ素子の基準抵抗であり、
gは、弾性基板の変形後の幅であり、
ρおよびρは、弾性基板の第1面および第2面の曲げ半径である。
【0077】
伸縮変形と撓み変形が合成されている(両方とも存在する)場合、かつCmeasured≠Cである構成の場合には、両方の電極に共通のΔLstretchを(式4および式5を用いて)計算して、R1measuredおよびR2measuredから減算し、そして曲げ半径ρおよびρ(式7および式8)を計算することに基づいて、伸縮変形の測度および撓み変形の測度を計算する。伸縮と撓みが合成された構成の場合には、2つの効果(伸縮と撓み)の重畳を考慮する。弾性基板の静電容量(または代わりに、基板の変形後の幅(g)に相当する間隔))に基づいて、総伸縮を推定する。歪みゲージ素子の新たな基準長さ(L’)を、(例えば、式4および式5を用いて)計算する。R’およびR’の新たな基準測度を決定する。差L−L’およびL−L’(R−R’およびR−R’とも表される)に基づいて、曲率(撓み測度)を、例えば純曲げ(撓み)について記載したのと同じ方法(例えば、式4および式5)を用いて計算する。
【0078】
図4A〜4Cは、1つ以上の実施形態により、変形検知装置に付与された長さ方向の(方向/次元410に沿った)伸縮変形を示している。図5A〜5Cは、1つ以上の実施形態により、変形検知装置に付与された幅方向の(方向/次元420に沿った)応力変形を示している。
【0079】
図4Aは、変形されていない場合の変形センサ100を示している。図4Bは、付与された伸縮変形による変形センサ100の長さの増大(および伸張または伸長)を示している。図4Cは、逆に、付与された伸縮変形による変形センサ100の長さの縮小(圧縮)を示している。
【0080】
図5Aは、変形されていない場合の変形センサ100を示している。図5Bは、付与された伸縮変形による変形センサ100の幅の増大(および伸張または伸長)を示している。図5Cは、逆に、付与された伸縮変形による変形センサ100の幅の縮小(圧縮)を示している。いくつかの実施形態では、変形センサ100は、図4A〜4Cに示す長さ方向に沿った変形に対するよりも、図5A〜5Cに示す幅方向に沿った変形に対する感度がより低い。いくつかの実施形態では、長さ方向と幅方向のどちらに沿った伸縮も検知するとともに、それらを区別するために、図7A〜7Cを参照してさらに説明するように、変形センサは、2対の歪みゲージ素子をオプションで備え、それらの2対は互いに直交するようにアライメントされている。例えば、図7Aに示すように、プライマリ歪みゲージ対(primary strain-gauge pair)110−a、120−aは、セカンダリ歪みゲージ対110−b、120−bに対して垂直である。このような実施形態では、(図3Aを参照して説明した)変形分析器は、測定された第1の信号、第2の信号、第3の信号に基づいて、伸縮変形方向(例えば、図7A〜7Cに示すようなプライマリリード対110−a、120−aの長さに沿っているか、または図7A〜7Cに示すようなセカンダリリード対110−b、120−bの長さに沿っているか)を判定する。このように、この直交U字対構成と結合した場合に、変形分析器は、追加的に、撓み方向を区別する。第1の歪みゲージ対(110−a,120−a)は、その個々の長さに沿った第1の撓み(または伸縮)方向の変形に対して(その個々の抵抗の変化によって)応答するとともに、第2の歪みゲージ対(110−b,120−b)は、この第1の撓み(または伸縮)方向には、応答性が相対的に低い。逆に、第2の歪みゲージ対(110−b,120−b)は、その個々の長さに沿った第2の撓み(または伸縮)方向の変形に対して(その個々の抵抗の変化によって)応答するとともに、第1の歪みゲージ対(110−b,120−b)は、この第2の撓み(または伸縮)方向には、応答性が低い。
【0081】
再び図4A〜4Cおよび5A〜5Cの構成を参照して、いくつかの実施形態では、変形分析器は、測定された第1の信号、第2の信号、第3の信号に基づいて、伸縮変形の大きさを計算する。例えば、変形分析器は、第1の信号、第2の信号、第3の信号から得られるR、R、Cの値に基づいて、第1の歪みゲージ素子もしくは第2の歪みゲージ素子のリードの平均長さ変化、または第1のゲージもしくは第2のゲージの所与のリード対のリード間距離の変化を計算することができる。
【0082】
例えば、長さ方向の伸縮(例えば、図4B)の場合には、式1〜式5を用いて伸縮の大きさを計算する。
一方、幅方向の伸縮(例えば、図5B)の場合には、変形分析器は、幅方向の伸縮では抵抗RおよびRの変化は無視できるので、式3および式5(静電容量変化)を用いて伸縮の大きさを計算するように構成される。
【0083】
さらに、変形分析器は、測定された第1の信号、第2の信号、第3の信号を比較することによって、その伸縮変形が圧縮伸縮に相当するのか、または伸長伸縮に相当するのかを判定することができる。例えば、圧縮(例えば、図4C)では、第1の歪みゲージ素子110および第2の歪みゲージ素子120の長さが縮小するとともに、第1の歪みゲージ素子110と第2の歪みゲージ素子120との間隔が増大することで、抵抗(RおよびR)の変化ならびに静電容量(C)の変化が生じる。
【0084】
図6A〜6Cは、1つ以上の実施形態により、変形検知装置に付与された長さ方向の(方向/次元410に沿った)撓み変形を示している。
図6Aは、変形されていない場合の変形センサ100を示している。図6Bは、付与された撓み変形による変形センサ100の長さ方向の撓み変形(リードの長さに沿った撓み)であって、第2の素子120に向けた撓みを示している。図6Cは、逆に、付与された撓み変形による変形センサ100の長さ方向の撓み変形(リードの長さに沿った撓み)であって、第1の素子110に向けた撓みを示している。
【0085】
図7A〜7Cは、1つ以上の実施形態により、2つの直交方向710および720に沿った伸縮変形または撓み変形(例えば、それぞれ、長さ方向変形と幅方向変形)を検出および区別するために、直交する歪みゲージ対を備える第1の改良型変形センサ700を示している。例えば、変形センサ700は、2対の歪みゲージ素子(プライマリ歪みゲージ対110−a、120−aおよびセカンダリ歪みゲージ対110−b、120−b)を備え、それらの2対は、互いに直交するようにアライメントされており、直交方向(それぞれ、710と720)に沿った伸縮変形および撓み変形に応じた信号をそれぞれ生成するように構成されている。
【0086】
図7Aは、変形されていない場合の変形センサ700を示している。図7Bは、付与された撓み変形による変形センサ700の幅方向の撓み変形(プライマリリード110−aおよび120−aの長さに直交するとともに、セカンダリリード110−bおよび120−bの長さに沿った、方向/次元720に沿った撓み)であって、第2の素子120−bに向けた撓みを示している。図7Cは、逆に、付与された撓み変形による変形センサ700の幅方向の撓み変形(プライマリリード110−aおよび120−aの長さに直交するとともに、セカンダリリード110−bおよび120−bの長さに沿った、方向/次元720に沿った撓み)であって、第1の素子110−bに向けた撓みを示している。
【0087】
いくつかの実施形態において、変形センサが、(図7A〜7Cに示すもののような)直交する歪みゲージ対を備える場合には、(例えば、図3を参照して説明した)変形分析器は、それぞれのリード対から独立に得られる測定による第1の信号、第2の信号、第3の信号に基づいて、撓み変形方向(例えば、撓みが、図6A〜6Cに示すようなリードの長さに沿っているか、または図7A〜7Cに示すようなプライマリリードの長さに垂直であるとともにセカンダリリードの長さに沿っているか)を判定する。
【0088】
さらに、いくつかの実施形態では、(例えば、図3を参照して説明した)変形分析器は、それぞれのリード対から独立に得られる(R、R、Cを示す)第1の信号、第2の信号、第3の信号に基づいて、撓み変形の大きさを計算する。場合によっては、撓みの大きさは、付与された変形による曲げを受ける弾性基板の湾曲面によって形成される弧の平均曲率半径に相当する。あるいは、撓みの大きさは、付与された変形による曲げを受ける弾性基板の湾曲面によって形成される弧の平均角度に相当する。
【0089】
すなわち、いくつかの実施形態では、変形検知装置(例えば、第1の改良型変形センサ700)は、弾性基板130と、第1の歪みゲージ対(例えば、プライマリ歪みゲージ対110−a、120−a)と、第2の歪みゲージ対(例えば、セカンダリ歪みゲージ対110−b、120−b)と、を備える。
【0090】
第1の歪みゲージ対は、弾性基板130の第1面に形成された第1の歪みゲージ素子110−aであって、第1の方向710に付与された歪みに応じた(第1の歪みゲージ素子110−aの抵抗を示す)第1の信号を出力するように構成された第1の歪みゲージ素子110−aと、弾性基板130の第1面とは反対の第2面に形成された第2の歪みゲージ素子120−aであって、同じ第1の方向710に付与された歪みに応じた(第2の歪みゲージ素子120−aの抵抗を示す)第2の信号を出力するように構成された第2の歪みゲージ素子120−aと、を含む。変形検知装置700は、さらに、付与された変形に応じて(第1の歪みゲージ素子110−aと第2の歪みゲージ素子120−aの間で測定された弾性基板130の静電容量を示す)第3の信号を出力するように構成されており、第3の信号は、第1の歪みゲージ素子110−aの端子と第2の歪みゲージ素子120−aの端子の間で測定可能である。
【0091】
第2の歪みゲージ対は、弾性基板130の第1面に概ね形成された第3の歪みゲージ素子110−bであって、第2の方向720に付与された歪みに応じた(第3の歪みゲージ素子110−bの抵抗を示す)第4の信号を出力するように構成された第3の歪みゲージ素子110−bと、弾性基板130の第1面とは反対の第2面に概ね形成された第4の歪みゲージ素子120−bであって、同じ第2の方向720に付与された歪みに応じた(第4の歪みゲージ素子120−bの抵抗を示す)第5の信号を出力するように構成された第4の歪みゲージ素子120−bと、を含む。変形検知装置700は、付与された変形に応じて(第3の歪みゲージ素子110−bと第4の歪みゲージ素子120−bの間で測定された弾性基板130の静電容量を示す)第6の信号を出力するように構成されており、第6の信号は、第3の歪みゲージ素子110−bの端子と第4の歪みゲージ素子120−bの端子の間で測定可能である。
【0092】
いくつかの実施形態では、第1の方向710は第2の方向720に直交しており、第1の歪みゲージ対の歪みゲージ素子110−a、120−aと第2の歪みゲージ対の歪みゲージ素子110−b、120−bとは、互いに直交している。
【0093】
このような実施形態では、変形分析器は、さらに、第1の歪みゲージ対および第2の歪みゲージ対から検出された第1の信号、第2の信号、第4の信号、第5の信号の大きさを比較することによって、第1の方向710または第2の方向720の伸縮のいずれかとして伸縮変形方向を判定するように構成されている。第1の方向710の伸縮の場合には、変形分析器は、第1の信号および第2の信号を用いて伸縮の大きさを計算するように構成されており、第2の方向720の伸縮の場合には、変形分析器は、第4の信号および第5の信号を用いて伸縮の大きさを計算するように構成されている。
【0094】
さらに、このような実施形態では、変形分析器は、さらに、第1の歪みゲージ対および第2の歪みゲージ対から検出された第1の信号、第2の信号、第4の信号、第5の信号の大きさを比較することによって、第1の方向710または第2の方向720の撓みのいずれかとして撓み変形方向を判定するように構成されている。第1の方向710の撓みの場合には、変形分析器は、第1の信号および第2の信号を用いて撓みの大きさを計算するように構成されており、第2の方向720の撓みの場合には、変形分析器は、第4の信号および第5の信号を用いて撓みの大きさを計算するように構成されている。
【0095】
このような実施形態では、(プライマリ歪みゲージ対110−a、120−aの長さに沿った)長さ方向の弧状撓みの場合には、プライマリ歪みゲージ対110−a、120−aから得られた第1の信号、第2の信号、第3の信号に適用される式6〜式8を用いて、撓みの大きさを計算する。
【0096】
逆に、(図7B〜7Cに示すように、セカンダリ歪みゲージ対110−b、120−bの長さに沿った)幅方向の弧状撓みの場合には、セカンダリ歪みゲージ対110−b、120−bから得られた第4の信号、第5の信号、第6の信号に適用される式6〜式8を用いて、撓みの大きさを計算する。
【0097】
加えて、変形分析器は、さらに、適切な歪みゲージ対(図7A〜7Cの場合には、110−b、120−b)から測定された第1の信号、第2の信号、第3の信号を比較することによって、その撓み変形が弾性基板の第1面に向けた(110−bに向けた)撓みに相当するのか、または弾性基板の第2面に向けた(120−bに向けた)撓みに相当するのかを判定するように構成される。例えば、基板の第1面に向けた撓みの場合には、抵抗Rは低減し(素子110−bの長さが縮小し)、抵抗Rは増加する(素子120−bの長さが増大する)。
【0098】
同様に、図7A〜7Cの構成700で、長さ方向の伸縮の場合には、プライマリ歪みゲージ対110−a、120−aから測定された信号(例えば、第1の信号、第2の信号、第3の信号)に適用される式1〜式5を用いて、伸縮の大きさを計算することができる。
【0099】
一方、幅方向の伸縮の場合には、変形分析器は、セカンダリ歪みゲージ対110−b、120−bから測定された信号(例えば、第4の信号、第5の信号、第6の信号)に適用される式1〜式5を用いて、伸縮の大きさを計算するように構成されている。
【0100】
図7D〜7Fは、1つ以上の実施形態により、2つの直交方向710および720に沿った伸縮変形または撓み変形(例えば、長さ方向変形と幅方向変形)を検出および区別するために、直交する歪みゲージ素子(110−bおよび120−a)を備える第2の改良型変形センサ750を示している。
【0101】
変形検知装置(例えば、第2の改良型変形センサ750)は、弾性基板130と、弾性基板130の第1面に形成された第1の歪みゲージ素子110−bであって、第1の方向710に付与された歪みに応じた(第1の歪みゲージ素子110−bの抵抗を示す)第1の信号を出力するように構成された第1の歪みゲージ素子110−bと、弾性基板130の第1面とは反対の第2面に形成された第2の歪みゲージ素子120−aであって、第2の方向720に付与された歪みに応じた(第1の歪みゲージ素子120−aの抵抗を示す)第2の信号を出力するように構成された第2の歪みゲージ素子120−aと、を備える。変形検知装置750は、付与された変形に応じて(第1の歪みゲージ素子110−bと第2の歪みゲージ素子120−aの間で測定された弾性基板130の静電容量を示す)第3の信号を出力するように構成されており、第3の信号は、第1の歪みゲージ素子110−bの端子と第2の歪みゲージ素子120−aの端子の間で測定可能である。第1の方向710は第2の方向720に直交している。第1の歪みゲージ素子110−bと第2の歪みゲージ素子120−aとは、互いに直交している。
【0102】
このような実施形態では、変形分析器は、さらに、第1の歪みゲージ素子110−bおよび第2の歪みゲージ素子120−aから検出された第1の信号および第2の信号の大きさを比較することによって、第1の方向710または第2の方向720の伸縮のいずれかとして伸縮変形方向を判定するように構成されている。第1の方向710の伸縮の場合には、変形分析器は、第1の信号および第3の信号を用いて伸縮の大きさを計算するように構成されており、第2の方向720の伸縮の場合には、変形分析器は、第2の信号および第3の信号を用いて伸縮の大きさを計算するように構成されている。
【0103】
例えば、第1の方向710の伸縮の場合には、第1の歪みゲージ素子110−bおよび第2の歪みゲージ素子120−aから測定された第2の信号および第3の信号から測定された信号に適用される式1〜式5を用いて、伸縮の大きさを計算することができる。
【0104】
一方、第2の方向720の伸縮の場合には、変形分析器は、第1の歪みゲージ素子110−bおよび第2の歪みゲージ素子120−aから測定された第2の信号および第3の信号から測定された信号に適用される式1〜式5を用いて、伸縮の大きさを計算するように構成されている。
【0105】
加えて、変形分析器は、さらに、第1の歪みゲージ素子110−bおよび第2の歪みゲージ素子120−aから検出された第1の信号および第2の信号の大きさを比較することによって、第1の方向710または第2の方向720の撓みのいずれかとして撓み変形方向を判定するように構成される。第1の方向710の撓みの場合には、変形分析器は、第1の信号および第3の信号を用いて撓みの大きさを計算するように構成されており、第2の方向720の撓みの場合には、変形分析器は、第2の信号および第3の信号を用いて撓みの大きさを計算するように構成されている。
【0106】
例えば、(図7B〜7Cに示すように、第1の歪みゲージ素子110−bのリードの長さに沿った)第1の方向710に沿った弧状撓みの場合には、第1の歪みゲージ110−bおよび第2の歪みゲージ120−aから得られた第1の信号および第3の信号に適用される式6〜式8を用いて、撓みの大きさを計算することができる。
【0107】
逆に、(第2の歪みゲージ素子120−aのリードの長さに沿った)第2の方向720に沿った弧状撓みの場合には、第1の歪みゲージ110−bおよび第2の歪みゲージ120−aから得られた第2の信号および第3の信号に適用される式6〜式8を用いて、撓みの大きさを計算する。
【0108】
図8〜11は、1つまたは複数の実施形態により、1つ以上の変形検知装置を備えるウェアラブルシステムの例を示している。
1つまたは複数の実施形態において、ウェアラブルデバイスまたはシステムは、(図1〜7を参照して説明したもののような)1つ以上の変形センサを備える。ウェアラブルデバイスまたはシステムは、さらに、(図3を参照して説明した)測定回路および変形分析器を備えることもできる。あるいは、ウェアラブルデバイスは、変形センサ(さらに場合によっては、測定回路)を備えることができ、第1の信号、第2の信号、第3の信号を、遠隔の(例えば、非ウェアラブル)システムまたは装置に送信することができ、遠隔システムまたは装置は、測定回路および/または変形分析器を備えることができる。
【0109】
いくつかの実施形態では、ウェアラブルデバイス内の変形センサの第1の歪みゲージ素子および第2の歪みゲージ素子の各々は、(図3を参照して説明したように)アーチ状ヘッドと、アーチ状ヘッドの両端から延出する一対の細長リードと、を含む馬蹄形状を有する。このような実施形態では、第1の歪みゲージ素子と第2の歪みゲージ素子の形状のアライメントは対応しており、それらのアライメントされた形状は、関節動作する関節に外接するか、または関節動作する関節を取り囲むように構成されている。これにより、ウェアラブルデバイスが関節の周囲に位置決めまたは装着されると、その関節の動きによって、結果的に変形センサの対応する変形が生じ、その変形に応じた第1の信号、第2の信号、第3の信号が生成される。そこで、本明細書に記載のアプローチを用いて、第1の信号、第2の信号、第3の信号に基づき、関節の伸縮変形および撓み変形の測度を特定することができる。
【0110】
いくつかの実施形態では、ウェアラブルデバイスは、顔の一部の周囲に装着される(例えば、図8の)ウェアラブルヘッドセットである。これに対応して、馬蹄形歪みゲージ812、814、816は、図8に示すように、眼窩に対して(外接して)略同心状であるか、または前額および頬骨の部分と位置合わせされるように配置され、これにより、これらの部位の動きを区別するために検知する。
【0111】
いくつかの実施形態では、ウェアラブルデバイスは、手の周囲に装着される(例えば、図9の)グローブであるか、または指もしくは手首に装着されるカバー(例えば、シンブルもしくはガードバンド)である。これに対応して、デバイスが指または手首の周囲に装着されたときに、馬蹄形歪みゲージは、1本以上の指の関節に対して略同心状である(914−a,914−b,916−a,916−b)か、または手首関節に対して略同心状である(910および912)ように配置される。代替的または追加的に、馬蹄形歪みゲージは、関節の上方、下方、または側方に配置される。
【0112】
いくつかの実施形態では、ウェアラブルデバイスは、膝関節、肘関節、足首関節、または肩関節に装着される(例えば、図10の)ブレース(brace)である。これに対応して、馬蹄形歪みゲージのアーチ形を、膝関節(1014)、肘関節、足首関節、または肩関節に対して略同心状であるように配置することができる。代替的または追加的に、馬蹄形歪みゲージは、関節の上方(1012)、下方(1016)、または側方(1016)に配置することができる。
【0113】
いくつかの実施形態では、ウェアラブルデバイスは、頸部または胴体部(図11に示すように、例えば、胸部、背部、または腰部)に装着されるサポートブレースである。これに対応して、馬蹄形歪みゲージは、頸部または胴体部(例えば、1112または1114)の輪郭に沿うように配置される。
【0114】
図12は、1つ以上の実施形態により、本明細書に開示の変形検知装置を使用して変形を検知する方法1200を示すフローチャートを示している。本方法は、付与された変形に応じて、ステップ1210〜1230を実行することを含む。本方法は、変形センサ(例えば、変形センサ110)の弾性基板(例えば、図1〜7を参照して記載した基板130)の第1面に形成された第1の歪みゲージ素子(例えば、図1〜7を参照して記載した素子110)から、第1の信号を測定すること(1210)を含む。いくつかの実施形態では、第1の信号は、第1の歪みゲージ素子の抵抗(例えば、Rまたは抵抗変化ΔR)を示している。
【0115】
本方法は、さらに、変形センサの弾性基板の第2面に形成された第2の歪みゲージ素子(例えば、図1〜7を参照して記載した素子120)から、第2の信号を測定すること(1220)を含む。いくつかの実施形態では、第2の信号は、第2の歪みゲージ素子の抵抗(Rまたは抵抗変化ΔR)を示している。
【0116】
本方法は、さらに、第3の信号を、第1の歪みゲージ素子と第2の歪みゲージ素子の間で測定すること(1230)を含む。いくつかの実施形態では、第3の信号は、付与された変形に応じて測定された弾性基板の静電容量(Cまたは静電容量変化ΔC)を示している。
【0117】
本方法は、さらに、第1の歪みゲージ素子から測定された第1の信号、第2の歪みゲージ素子から測定された第2の信号、および第3の信号に基づいて、付与された変形における、変形センサの伸縮変形の測度(方向および/または大きさ)および撓み変形の測度(方向および/または大きさ)を計算すること(1240)を含む。
【0118】
これらの実施形態についての上記説明は、例示目的で提示したものであって、網羅的なものではなく、または開示した厳密な形態に実施形態を限定するものではない。当業者であれば理解できるように、上記の開示に照らして、多くの変更および変形が可能である。本明細書で使用された用語は、主に読み易さおよび教示を目的として選択されたものであり、発明の主題の境界または範囲を定めるために選択されたものではないことがある。よって、これらの実施形態の範囲は、詳細な本説明によって限定されるものではなく、本明細書による出願時の請求項によって限定されるものである。従って、これらの実施形態の開示は、例示的なものであって、実施形態の範囲を限定するものではなく、その範囲は以下の請求項で規定される。
図1A-1C】
図2A-2C】
図3A
図3B
図4A-4C】
図5A-5C】
図6A-6C】
図7A-7C】
図7D-7F】
図8
図9
図10
図11
図12