特許第6629481号(P6629481)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6629481情報処理装置、情報処理方法およびコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6629481
(24)【登録日】2019年12月13日
(45)【発行日】2020年1月15日
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法およびコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/907 20190101AFI20200106BHJP
【FI】
   G06F16/907
【請求項の数】6
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2019-119709(P2019-119709)
(22)【出願日】2019年6月27日
【審査請求日】2019年6月27日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518386586
【氏名又は名称】株式会社ジェイ・エックス・ウィンド
(74)【代理人】
【識別番号】100109081
【弁理士】
【氏名又は名称】三木 友由
(72)【発明者】
【氏名】永瀬 哲也
【審査官】 甲斐 哲雄
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−140323(JP,A)
【文献】 特開2004−199406(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0145284(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 16/00−16/958
G06F 21/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のユーザが所属し、情報共有の単位となるテーマについて、複数のテーマに関する情報を記憶するテーマ記憶部と、
ユーザから登録された情報であって、前記複数のテーマのうち少なくとも1つのテーマに関連付けられた情報である登録情報を記憶する登録情報記憶部と、
登録情報の閲覧を要求したユーザに対して、前記登録情報記憶部に記憶された複数の登録情報のうち当該ユーザが所属するテーマに関連付けられた登録情報を提供する情報提供部と、
第1のテーマに関連付けられた登録情報を閲覧するユーザが、前記第1のテーマに加えて第2のテーマにも所属する場合、当該ユーザの操作に応じて、閲覧対象の登録情報を前記第2のテーマにも関連付ける更新部と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記情報提供部は、特定のテーマを指定した閲覧要求をユーザから受け付けた場合、前記特定のテーマに関連付けられた登録情報を示す第1のリストを提供し、特定のテーマを指定しない閲覧要求をユーザから受け付けた場合、ユーザが所属する1つ以上のテーマに関連付けられた登録情報を示す第2のリストを提供することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記情報提供部は、前記第1のリストにおいて特定の登録情報が選択された場合、および、前記第2のリストにおいて特定の登録情報が選択された場合、選択された登録情報の詳細画面をユーザに提供し、
前記詳細画面は、前記選択された登録情報が関連付けられたテーマを含み、当該登録情報のテーマを編集する操作を受け付け可能に構成されたことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記情報提供部は、ユーザがあるテーマに新たに所属した場合、そのテーマに関連付けられた過去の登録情報をユーザに提供することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項5】
複数のユーザが所属し、情報共有の単位となるテーマについて、複数のテーマに関する情報を記憶するテーマ記憶部と、ユーザから登録された情報であって、前記複数のテーマのうち少なくとも1つのテーマに関連付けられた情報である登録情報を記憶する登録情報記憶部とを備えるコンピュータが、
登録情報の閲覧を要求したユーザに対して、前記登録情報記憶部に記憶された複数の登録情報のうち当該ユーザが所属するテーマに関連付けられた登録情報を提供するステップと、
第1のテーマに関連付けられた登録情報を閲覧するユーザが、前記第1のテーマに加えて第2のテーマにも所属する場合、当該ユーザの操作に応じて、閲覧対象の登録情報を前記第2のテーマにも関連付けるステップと、
を実行することを特徴とする情報処理方法。
【請求項6】
複数のユーザが所属し、情報共有の単位となるテーマについて、複数のテーマに関する情報を記憶するテーマ記憶部と、ユーザから登録された情報であって、前記複数のテーマのうち少なくとも1つのテーマに関連付けられた情報である登録情報を記憶する登録情報記憶部とを備えるコンピュータに、
登録情報の閲覧を要求したユーザに対して、前記登録情報記憶部に記憶された複数の登録情報のうち当該ユーザが所属するテーマに関連付けられた登録情報を提供する機能と、
第1のテーマに関連付けられた登録情報を閲覧するユーザが、前記第1のテーマに加えて第2のテーマにも所属する場合、当該ユーザの操作に応じて、閲覧対象の登録情報を前記第2のテーマにも関連付ける機能と、
を実現するためのコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、データ処理技術に関し、特に情報処理装置、情報処理方法およびコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、ネットワークを介して複数のユーザが情報を共有することができる様々なコミュニケーション手段が提供されている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015−153257号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
企業等の多くの組織で上記のようなコミュニケーション手段が構築されている中、一層効果的な情報共有を実現可能なコミュニケーション手段が求められている。
【0005】
本願発明は上記課題に鑑みたもので、効果的な情報共有を実現可能なコミュニケーション手段を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある態様の情報処理装置は、複数のユーザが所属し、情報共有の単位となるテーマについて、複数のテーマに関する情報を記憶するテーマ記憶部と、ユーザから登録された情報であって、複数のテーマのうち少なくとも1つのテーマに関連付けられた情報である登録情報を記憶する登録情報記憶部と、登録情報の閲覧を要求したユーザに対して、登録情報記憶部に記憶された複数の登録情報のうち当該ユーザが所属するテーマに関連付けられた登録情報を提供する情報提供部と、第1のテーマに関連付けられた登録情報を閲覧するユーザが、第1のテーマに加えて第2のテーマにも所属する場合、当該ユーザの操作に応じて、閲覧対象の登録情報を第2のテーマにも関連付ける更新部と、を備える。
【0007】
本発明の別の態様は、情報処理方法である。この方法は、複数のユーザが所属し、情報共有の単位となるテーマについて、複数のテーマに関する情報を記憶するテーマ記憶部と、ユーザから登録された情報であって、複数のテーマのうち少なくとも1つのテーマに関連付けられた情報である登録情報を記憶する登録情報記憶部とを備えるコンピュータが、登録情報の閲覧を要求したユーザに対して、登録情報記憶部に記憶された複数の登録情報のうち当該ユーザが所属するテーマに関連付けられた登録情報を提供するステップと、第1のテーマに関連付けられた登録情報を閲覧するユーザが、第1のテーマに加えて第2のテーマにも所属する場合、当該ユーザの操作に応じて、閲覧対象の登録情報を第2のテーマにも関連付けるステップと、を実行する。
【0008】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を、システム、コンピュータプログラム、コンピュータプログラムを格納した記録媒体などの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、効果的な情報共有を実現可能なコミュニケーション手段を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】従来の情報共有方式を模式的に示す図である。
図2】実施例の情報共有方式を模式的に示す図である。
図3】実施例の情報共有方式を模式的に示す図である。
図4】実施例の情報共有システムの構成を示す図である。
図5図4の情報管理装置の機能ブロックを示すブロック図である。
図6】ユーザ装置の情報共有Appにおける画面遷移を示す図である。
図7】テーマ画面を模式的に示す図である。
図8】ノート一覧画面を模式的に示す図である。
図9】ノート詳細画面を模式的に示す図である。
図10】ノート作成画面を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
まず実施例の概要を説明する。図1は、従来の情報共有方式を模式的に示す。従来、メーリングリストやチャットツール等を用いた情報共有がなされてきた。図1では、テーマα(特定のメーリングリストやスレッド等)にユーザA、ユーザB、ユーザCが所属(参加とも言える)し、テーマβにユーザCとユーザDが所属する。また、ユーザAは、テーマαに関連付けて情報α−1を登録し、ユーザBは、テーマαに関連付けて情報α−2を登録し、ユーザDは、テーマβに関連付けて情報β−1を登録している。また、ユーザCは、テーマαに関連付けて情報α−3を登録し、テーマβに関連付けて情報β−2を登録している。
【0012】
情報α−1〜情報β−2のそれぞれは、関連付けられたテーマに所属する複数のユーザ間で共有される。通常、テーマαに関連付けられた情報はテーマαに所属するユーザのみが参照でき、テーマβに関連付けられた情報はテーマβに所属するユーザのみが参照できる。そのため、テーマαに関連付けられた情報の中にテーマβにおいて有益な情報が存在しても、テーマβのメンバ(例えばユーザD)は、テーマαに関連付けられたその情報を参照できなかった。このように、通常の情報共有方式では、テーマと情報との関係が1対多であり、また、各テーマのメンバ間に情報の壁が生じていた。
【0013】
図2は、実施例の情報共有方式を模式的に示す。実施例の情報共有方式では、第1のテーマに関連付けられた情報を、簡単な操作で、第1のテーマとは異なる第2のテーマに関連付けることができる。例えば、テーマαとテーマβの両方に所属するユーザCは、情報α−3がテーマβにも役立つと考えた場合に、簡単な操作で、情報α−3をテーマβにも関連付けることができる。これにより、テーマαに所属しないユーザDにも情報α−3をさせることができる。また、情報α−3の開示先は、テーマαとテーマβのメンバに限られるため、情報の開示範囲を制限しつつ拡大することができる。
【0014】
図3も、実施例の情報共有方式を模式的に示す。実施例の情報共有方式では、第1のテーマに所属するユーザは、第1のテーマとは異なる第2のテーマに所属する他のユーザを第1のテーマにも所属させることができる。例えば、テーマαに所属するユーザCは、テーマβに所属するユーザDをテーマαにも所属させるよう設定可能である。テーマαに新たに所属したユーザDは、テーマαに過去登録された情報を含め、テーマαに関連付けられた全ての情報の閲覧が可能になる。また、ユーザDは、テーマβに関連付けて登録した情報β−1がテーマαにも役立つと考えた場合、情報β−1をテーマαにも関連付けることができる。このように実施例の情報共有方式では、テーマと情報との関係が多対多となり、効果的な情報共有を実現できる。
【0015】
以下の説明において「テーマ」は、複数のユーザが所属し、情報共有の単位(言い換えれば情報共有の範囲)となるものである。テーマは、例えば、企業におけるタスク、プロジェクトまたは解決すべき問題であってもよく、また、企業の組織または顧客を単位として設けられてもよい。また、テーマは、例えば、複数のユーザ間で共有される情報の主題、話題のタイトル、または情報を共有するユーザのグループを定めたものでもよい。また、以下の説明において、ユーザから登録された情報であって、複数のテーマのうち少なくとも1つのテーマに関連付けられた情報を「ノート」と呼ぶ。ノートは、上記の情報α−1〜情報β−2が該当し、登録情報とも言え、共有情報とも言える。
【0016】
実施例の情報共有システムを詳細に説明する。図4は、実施例の情報共有システムの構成を示す。情報共有システム10は、ある企業に構築された情報処理システムであり、その企業の従業員(以下「ユーザ」と呼ぶ。)間の情報共有を支援する。情報共有システム10では、複数のユーザ装置12と情報管理装置14が通信網16を介して接続される。通信網16は、LAN、WAN、インターネット等を含んでもよい
【0017】
複数のユーザ装置12は、情報共有のためのクライアントアプリケーション(以下「情報共有App」とも呼ぶ。)がインストールされた情報処理装置である。情報共有Appは、ウェブブラウザでもよく、専用アプリケーションでもよい。複数のユーザ装置12は、ユーザAにより操作されるユーザ装置12a、ユーザBにより操作されるユーザ装置12b、ユーザCにより操作されるユーザ装置12c、ユーザDにより操作されるユーザ装置12dを含む。各ユーザ装置12は、PC、タブレット端末またはスマートフォンであってもよい。
【0018】
情報管理装置14は、情報共有のためのサーバ機能(言い換えれば情報共有サービス)を提供する情報処理装置である。図5は、図4の情報管理装置14の機能ブロックを示すブロック図である。本明細書のブロック図で示す各ブロックは、ハードウェア的には、コンピュータのプロセッサ、CPU、メモリをはじめとする素子や電子回路、機械装置で実現でき、ソフトウェア的にはコンピュータプログラム等によって実現されるが、ここでは、それらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックはハードウェア、ソフトウェアの組合せによっていろいろなかたちで実現できることは、当業者には理解されるところである。
【0019】
情報管理装置14は、制御部20、記憶部22、通信部24を備える。制御部20は、情報共有サービスを提供するための各種データ処理を実行する。記憶部22は、制御部20により参照または更新されるデータを記憶する。通信部24は、所定の通信プロトコルにしたがって外部装置と通信する。制御部20は、通信部24を介して、ユーザ装置12とデータを送受信する。
【0020】
記憶部22は、ユーザ記憶部30、テーマ記憶部32、ノート記憶部34、対応関係記憶部36を含む。ユーザ記憶部30は、情報共有システム10を利用可能なユーザに関する情報(ユーザA〜DそれぞれのID等)を記憶する。ユーザ記憶部30は、ユーザA〜Dそれぞれに対するログイン認証のための情報(パスワード等)をさらに記憶してもよい。
【0021】
テーマ記憶部32は、複数のテーマに関する情報を記憶する。実施例のテーマ記憶部32は、複数のテーマのそれぞれについて、テーマのID、テーマのタイトル、テーマのゴール、テーマの概要および所属するユーザのID、テーマに関してなされたチャットのデータを記憶する。
【0022】
ノート記憶部34は、複数のノートに関する情報を記憶する。実施例のノート記憶部34は、複数のノートのそれぞれについて、ノートのID、ノートのタイトル、ノートの所有者(言い換えれば作成者または登録者)、ノートの本文(言い換えれば内容)、ノートに関してなされたチャットのデータを記憶する。
【0023】
対応関係記憶部36は、テーマとノートとの対応関係を記憶する。対応関係記憶部36は、あるテーマのIDと、そのテーマに関連付けられたノートのIDとを対応付けて記憶する。例えば、図2に示す状況において、対応関係記憶部36は、情報α−1のIDとテーマαのIDとを対応付け、情報β−2のIDとテーマβのIDとを対応付ける。また、情報α−3のIDを、テーマαのIDとテーマβのIDの両方に対応付ける。
【0024】
制御部20は、要求受付部40、テーマ更新部42、ノート更新部44、画面生成部46、画面提供部56を含む。これら複数の機能ブロックの機能を実装したコンピュータプログラムが情報管理装置14のストレージ(記憶部22等)に格納されてもよい。情報管理装置14のプロセッサは、そのコンピュータプログラムをメインメモリに読み出して実行することにより、制御部20に含まれる複数の機能ブロックの機能を発揮してもよい。なお、ユーザ装置12の情報共有Appが専用ソフトウェアである場合等、実施例において情報管理装置14が発揮する機能の一部が、情報共有Appに実装されてもよい。
【0025】
要求受付部40は、情報共有Appに対してユーザが入力した操作に基づく要求データをユーザ装置12から受け付ける。
【0026】
テーマ更新部42は、要求受付部40が受け付けた要求データに基づいて、テーマ記憶部32のデータを更新する。例えば、テーマ更新部42は、要求データが、特定のテーマのIDと、そのテーマに新たに所属させるユーザのIDとを指定する場合、要求データが指定するテーマの情報に、要求データが指定するユーザのIDを追加する。これにより、要求データが指定するテーマに、要求データが指定するユーザを新たに所属させる。
【0027】
ノート更新部44は、要求受付部40が受け付けた要求データに基づいて、ノート記憶部34のデータを更新する。また、ノート更新部44は、第1のテーマに関連付けられたノートを閲覧するユーザが、第1のテーマに加えて第2のテーマにも所属する場合、当該ユーザの装置から送信された要求データに応じて、閲覧対象のノートを第2のテーマにも関連付ける。図2の例では、テーマαに関連付けられたノートα−3を閲覧するユーザCが、テーマαに加えてテーマβにも所属する場合、ユーザ装置12cから送信された要求データに応じて、ノートα−3をテーマβにも関連付けるよう対応関係記憶部36の対応関係データを更新する。
【0028】
画面生成部46および画面提供部56は、ユーザ装置12の情報共有Appの表示内容を制御する。画面生成部46および画面提供部56は、ノートの閲覧を要求したユーザに対して、ノート記憶部34に記憶された複数のノートのうち当該ユーザが所属するテーマに関連付けられたノートを提供する情報提供部として機能する。
【0029】
画面生成部46は、要求データの送信元であるユーザ装置12の情報共有App画面に表示させるデータ(以下「画面データ」とも呼ぶ。)を生成する。画面提供部56は、要求データの送信元であるユーザ装置12に対して、画面生成部46により生成された画面データを送信することにより、情報共有Appの各種画面をユーザ装置12に表示させる。
【0030】
画面生成部46は、作成画面生成部48、テーマ画面生成部50、ノート一覧画面生成部52、ノート詳細画面生成部54を含む。作成画面生成部48は、後述のノート作成画面のデータを生成する。テーマ画面生成部50は、後述のテーマ画面のデータを生成する。ノート一覧画面生成部52は、後述のノート一覧画面のデータを生成する。ノート詳細画面生成部54は、後述のノート詳細画面のデータを生成する。
【0031】
以上の構成による情報共有システム10の動作を説明する。
図6は、ユーザ装置12の情報共有Appにおける画面遷移を示す。情報共有Appにおいてテーマアイコンが選択されると、ユーザが所属するテーマの一覧を提示するテーマ一覧画面60が表示される。テーマ一覧画面60においてユーザが所望のテーマを選択すると、ユーザ装置12は、選択されたテーマを指定した閲覧要求を情報管理装置14へ送信する。情報管理装置14は、閲覧要求で指定されたテーマに関連付けられたノートの一覧を含むテーマ画面62のデータをユーザ装置12へ送信し、ユーザ装置12にテーマ画面62を表示させる。
【0032】
図7は、テーマ画面62を模式的に示す。テーマ画面62は、テーマ属性70、テーマノートリスト72、テーマチャット74を含む。情報管理装置14のテーマ画面生成部50は、閲覧要求で指定されたテーマの属性として、テーマ記憶部32に記憶された当該テーマのタイトル、ゴール、概要を含むテーマ属性70を設定する。また、テーマ画面生成部50は、対応関係記憶部36およびノート記憶部34を参照して、閲覧要求で指定されたテーマに関連付けられた1つ以上のノートの概略情報を並べたテーマノートリスト72を設定する。テーマノートリスト72における各ノートの概略情報は、ノートのID、所有者、更新日時、タイトルを含む。
【0033】
また、テーマ画面生成部50は、閲覧要求で指定されたテーマについてなされたチャットのデータをテーマ記憶部32から取得してテーマチャット74に設定する。また、テーマ画面生成部50は、閲覧要求で指定されたテーマに関連付けて新たなノートを作成するためのノート作成アイコン76をテーマ画面62に配置する。
【0034】
図6に戻り、情報共有Appにおいてノートアイコンが選択されると、ユーザ装置12は、特定のテーマを指定しない閲覧要求であり、実施例では、ノート一覧画面の閲覧要求を情報管理装置14へ送信する。情報管理装置14は、その閲覧要求に応じて、ユーザが所属するいずれかのテーマに関連付けられたノートの一覧を提示するノート一覧画面66をユーザ装置12へ提供して表示させる。
【0035】
具体的には、情報管理装置14のノート一覧画面生成部52は、テーマ記憶部32を参照して、閲覧要求元のユーザのIDをもとに当該ユーザが所属するテーマを特定する。ノート一覧画面生成部52は、対応関係記憶部36を参照して、閲覧要求元のユーザが所属する1つ以上のテーマに関連付けられた1つ以上のノート(以下「ユーザノート」とも呼ぶ。)を特定する。ノート一覧画面生成部52は、ノート記憶部34を参照して、1つ以上のユーザノートの情報を並べたノート一覧画面66のデータを生成する。
【0036】
図8は、ノート一覧画面66を模式的に示す。ノート一覧画面66は、ユーザノートリスト90を含む。情報管理装置14のノート一覧画面生成部52は、ノート記憶部34を参照して、各ユーザノートの概略情報として、タイトル、所有者、作成日時、更新日時、関連付けられたテーマ名の組を並べたユーザノートリスト90を設定する。また、ノート一覧画面生成部52は、新たなノートを作成するためのノート作成ボタン92をノート一覧画面66に配置する。
【0037】
図6に戻り、テーマ画面62のテーマノートリスト72において特定のノートが選択された場合、および、ノート一覧画面66のユーザノートリスト90において特定のノートが選択された場合、ユーザ装置12は、選択されたノートを指定した閲覧要求を情報管理装置14へ送信する。情報管理装置14は、閲覧要求で指定されたノートの詳細情報を提示するノート詳細画面64をユーザ装置12へ提供して表示させる。
【0038】
図9は、ノート詳細画面64を模式的に示す。ノート詳細画面64は、ノート属性80、ノート本文82、ノートチャット84を含む。情報管理装置14のノート詳細画面生成部54は、ノート記憶部34を参照して、閲覧要求で指定されたノートのタイトル、所有者、更新日時、関連付けられたテーマを示すノート属性80を設定する。また、ノート詳細画面生成部54は、ノート記憶部34を参照して、閲覧要求で指定されたノートの本文をノート本文82に設定し、また、当該ノートに関してなされたチャットのデータをノートチャット84に設定する。
【0039】
また、ノート詳細画面64は、閲覧対象のノートのテーマを編集する操作を受け付け可能に構成される。具体的には、情報管理装置14のノート詳細画面生成部54は、ノート属性80のテーマ表示エリア近傍に、当該ノートのテーマを編集するための画面要素(言い換えれば部品)であるテーマ編集アイコン86を配置する。ノート詳細画面生成部54は、テーマ編集アイコン86が選択された場合、ユーザが所属する1つ以上のテーマが表示されるようノート詳細画面64を構成する。ユーザがノートに関連付けるテーマを変更する(例えば別のテーマにさらに関連付ける)操作を入力した場合、ユーザ装置12は、変更後のテーマを示すデータを情報管理装置14へ送信する。情報管理装置14のノート更新部44は、閲覧対象のノートを変更後のテーマに関連付けるよう対応関係記憶部36の対応関係を更新する。
【0040】
図6に戻り、テーマ画面62においてノート作成アイコン76が選択された場合、および、ノート一覧画面66においてノート作成ボタン92が選択された場合、ユーザ装置12は、ノート作成画面68の提供を要求する要求データを情報管理装置14へ送信する。情報管理装置14の作成画面生成部48は、その要求データに応じて、ノート作成画面68のデータを生成し、画面提供部56は、そのデータをユーザ装置12へ提供して、ユーザ装置12にノート作成画面68を表示させる。
【0041】
図10は、ノート作成画面68を模式的に示す。ノート作成画面68は、所有者入力エリア100、テーマ入力エリア102、本文入力エリア104、テーマ検索アイコン106、保存ボタン108を含む。ユーザは、所有者入力エリア100に、所有者名を入力し、テーマ入力エリア102に、関連付けるテーマ名を入力し、本文入力エリア104に、ノートの本文を入力する。テーマ画面62においてノート作成アイコン76が選択された場合、作成画面生成部48は、テーマ画面62で表示対象であったテーマ名をテーマ入力エリア102に自動設定してもよい。また、作成画面生成部48は、テーマ検索アイコン106が選択された場合に、ユーザが所属する1つ以上のテーマを表示させるようノート作成画面68を構成する。
【0042】
ノート作成画面68において保存ボタン108が選択されると、ユーザ装置12は、ノート作成画面68に入力された所有者、テーマ、本文の情報を含むノートデータの登録要求を情報管理装置14へ送信する。情報管理装置14のノート更新部44は、登録要求に含まれるノートデータをノート記憶部34に格納する。また、ノート更新部44は、そのノートデータを、登録要求が示すテーマに関連付けるよう対応関係記憶部36を更新する。
【0043】
実施例の情報管理装置14によると、図2に示したように、情報管理装置14に登録されたノート(すなわち共有情報)に関連付けるテーマを変更可能である。ユーザは、過去登録されたノートを、登録時には関連付けられなかったテーマに事後的に関連付けることができる。これにより、効果的な情報共有が実現可能になる。例えば、テーマαが顧客の「ABC銀行」で、テーマβが顧客の「XYZ銀行」の場合、テーマαに関連付けられたノートの内容(ナレッジ等)がテーマβにも有益であることがあるが、このような場合に簡単な操作で、ノートの共有範囲(言い換えれば開示範囲)を拡大することができる。また、各テーマにノートをコピーして共有する場合、ノートのデータが分散し、分散したデータの一部が更新された場合、情報の不整合が生じることがある。実施例の情報管理装置14では、関連付けられるテーマが拡大しても、ノートのデータは1つであるため、情報の不整合は生じない。
【0044】
また、情報管理装置14によると、ユーザがノートの内容を閲覧するルートとして、テーマ画面62のテーマノートリスト72から所望のノートを選択するルートと、ノート一覧画面66のユーザノートリスト90から所望のノートを選択するルートとがある。前者のようにテーマからノートを選択する場合、そのノートが他のテーマにも有益であることにユーザは気付きにくいことがある。後者のように、関連付けられたテーマにかかわらず、複数のノートをフラットに見るユーザインタフェースを設けることにより、あるテーマに関連付けられたノートが、他のテーマにも有益であることの気づきをユーザに与えやすくなる。
【0045】
あるテーマに所属するユーザは、情報共有Appの管理画面(不図示)に、そのテーマに所属しない他のユーザをそのテーマに所属させる操作(ここでは「ユーザ追加操作」と呼ぶ。)を入力可能である。ユーザ追加操作が入力されると、ユーザ装置12は、テーマのIDと、そのテーマに新たに所属させるユーザのIDとを含むユーザ追加要求を情報管理装置14へ送信する。情報管理装置14のテーマ更新部42は、ユーザ追加要求が示すテーマに、ユーザ追加要求が示すユーザを対応付けるようにテーマ記憶部32を更新する。
【0046】
図3に関連して説明したように、テーマαに所属するユーザC(ユーザA、ユーザBも同様)は、テーマβに所属するがテーマαに所属しないユーザDをテーマαに所属させることができる。テーマαに新たに所属したユーザDがテーマαに関するテーマ画面62を閲覧する際、情報管理装置14のテーマ画面生成部50は、テーマαに関連付けられた過去のノート(過去登録された1つ以上のノート)をテーマノートリスト72に設定する。また、テーマ画面生成部50は、テーマαに関連付けられた過去のチャットデータをテーマチャット74に設定する。
【0047】
同様に、テーマαに新たに所属したユーザDがノート一覧画面66を閲覧する際、情報管理装置14のノート一覧画面生成部52は、テーマβに関連付けられたノートに加えて、テーマαに関連付けられた過去のノート(過去登録された1つ以上のノート)をユーザノートリスト90に設定する。このように、情報管理装置14によると、ユーザがあるテーマに新たに所属した場合、そのテーマに関連付けられた過去のノートやチャットを当該ユーザに提供する。これにより、ユーザは、新たに所属したテーマの過去から現在までの共有情報を確認することができ、効果的な情報共有を実現できる。
【0048】
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、実施例に記載の各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0049】
第1変形例を説明する。上記実施例では言及していないが、情報管理装置14は、登録済のノートに関連づけられたテーマを変更可能なユーザを、そのノートの所有者(言い換えれば登録者)に制限してもよい。これにより、ノートの所有者の意図に反して、ノートの公開範囲が広がることを防止できる。
【0050】
例えば、情報管理装置14のノート詳細画面生成部54は、ノートの閲覧要求元のユーザと、そのノートの所有者とを比較し、一致する場合、ノート詳細画面64にテーマ編集アイコン86を付加する一方、不一致であれば、テーマ編集アイコン86を非表示としてもよい。また、情報管理装置14のノート更新部44は、ノートに関連付けるテーマの変更要求元のユーザと、そのノートの所有者とを比較し、一致する場合、当該ノートに関連付けるテーマを変更(追加等)する一方、不一致であれば、当該ノートに関連付けるテーマの変更を抑制してもよい。
【0051】
第2変形例を説明する。第1変形例とは異なり、情報管理装置14は、登録済のノートに関連づけられたテーマを変更可能なユーザを、そのノートの所有者(言い換えれば登録者)に制限せず、そのノートを閲覧可能なユーザであればテーマの変更を許可してもよい。これにより、情報共有を一層促進することができる。
【0052】
例えば、情報管理装置14のノート詳細画面生成部54は、ノートの閲覧要求元のユーザと、そのノートの所有者とが一致するか否かに関わらず(不一致であっても)、ノート詳細画面64にテーマ編集アイコン86を付加してもよい。また、情報管理装置14のノート更新部44は、ノートに関連付けるテーマの変更要求元のユーザと、そのノートの所有者とが一致するか否かにかかわらず(不一致であっても)、当該ノートに関連付けるテーマを変更(追加等)してもよい。
【0053】
第3変形例を説明する。情報管理装置14は、あるノートに関連付けられたテーマが変更された場合、テーマが変更されたノートを他のノート(すなわちテーマが未変更のノート)とは異なる態様で表示させてもよい。例えば、テーマが変更されたノートを、ユーザに注目されやすいように目立つ態様や、強調した態様で表示させてもよい。テーマが変更されたノートは、共有する価値が高いと判断されたノートであるため、そのノートの注目度合いを高めることで効果的な情報共有を実現できる。
【0054】
例えば、情報管理装置14のノート更新部44は、あるノートのテーマを変更した場合、テーマ変更を示す所定のフラグをそのノートデータに付加してもよい。情報管理装置14のテーマ画面生成部50は、テーマ画面62のテーマノートリスト72において、上記フラグが付加されたノートを、上記フラグが付加されていないノートより強調した態様(例えば赤色の文字や太文字、ハイライト表示等)で配置してもよい。同様に、情報管理装置14のノート一覧画面生成部52は、ノート一覧画面66のユーザノートリスト90において、上記フラグが付加されたノートを、上記フラグが付加されていないノートより強調した態様で配置してもよい。
【0055】
上述した実施例および変形例の任意の組み合わせもまた本発明の実施の形態として有用である。組み合わせによって生じる新たな実施の形態は、組み合わされる実施例および変形例それぞれの効果をあわせもつ。また、請求項に記載の各構成要件が果たすべき機能は、実施例および変形例において示された各構成要素の単体もしくはそれらの連携によって実現されることも当業者には理解されるところである。
【符号の説明】
【0056】
10 情報共有システム、 12 ユーザ装置、 14 情報管理装置、 32 テーマ記憶部、 34 ノート記憶部、 42 テーマ更新部、 44 ノート更新部、 46 画面生成部、 56 画面提供部。
【要約】
【課題】効果的な情報共有を実現可能なコミュニケーション手段を提供する。
【解決手段】情報管理装置14は、複数のユーザが所属し、情報共有の単位となるテーマについて、複数のテーマに関する情報を記憶する。情報管理装置14は、ユーザから登録された情報であって、複数のテーマのうち少なくとも1つのテーマに関連付けられた情報である登録情報を記憶する。情報管理装置14は、登録情報の閲覧を要求したユーザに対して、記憶された複数の登録情報のうち当該ユーザが所属するテーマに関連付けられた登録情報を提供する。情報管理装置14は、第1のテーマに関連付けられた登録情報を閲覧するユーザが、第1のテーマに加えて第2のテーマにも所属する場合、当該ユーザの操作に応じて、閲覧対象の登録情報を第2のテーマにも関連付ける。
【選択図】図4
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