(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係る実施形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0010】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る情報処理システム2の概略構成を示すブロック図である。情報処理システム2は、記憶部22と、制御部23とを備えている。
【0011】
記憶部22は経路情報データベース221を記憶している。経路情報データベース221は複数の経路情報を含んでいる。経路情報は、出発地から目的地まで(あるいは、その少なくとも一部)をどのように移動するかを示す情報であり、本実施形態では経路情報が少なくとも1つの列車の乗降を含んでいることを想定している。
【0012】
経路情報は、例えばユーザの要求に応じて行われた経路探索により得られた経路情報である。このような経路情報は、情報処理システム2内の経路探索部(不図示)が経路探索を行った結果でもよいし、他の装置が行った経路探索の結果でもよい。
【0013】
また、経路情報は、経路探索の結果以外にも、ユーザ登録に基づく経路情報であってもよい。例えばユーザが所持している通勤用の定期券が登録されている場合、典型的な出勤時間帯(例えば平日の8時〜10時)を勤務地の到着時刻とする通勤経路(往路)や、典型的な退勤時間帯(例えば平日の17時〜19時)を自宅の到着時刻とする通勤経路(復路)が経路情報として経路情報データベース221に含まれていてもよい。
【0014】
図2は、経路情報データベース221の構造の一例を示す図である。図示のように、経路情報データベース221は、経路IDをインデックスとして、日付情報、乗車情報、1または複数の乗換情報および降車情報が関連付けられている。なお、以下では、経路IDが「X」である経路情報を「経路情報X」と呼ぶ。
【0015】
日付情報は経路を移動する日付を示す。乗車情報は、乗車駅、同乗車駅で乗車する列車の発時刻、同乗車駅で乗車する路線、および、乗車する列車の列車IDを含む。乗換情報は、乗換駅、同乗換駅への着時刻、同乗換駅で乗車する列車の発時刻、同乗換駅で乗車する路線、および、乗車する列車の列車IDを含む。降車情報は降車駅および同降車駅への着時刻を含む。ここで、日付、路線および列車IDにより列車が一意に特定される。以下では、列車IDが「Y」である列車を「列車Y」と呼ぶ。
【0016】
例えば経路情報002は以下のような経路であることを示している。移動するのは、2013年9月2日である。そして、S2駅を11時31分に発車するS線の列車Z005に乗車する。さらに、S4駅に11時35分に到着して同列車を降車する。そして、同駅を11時41分に発車するT線の列車Y007に乗車する。そして、T1駅に11時49分に到着する。
【0017】
なお、経路情報001のように乗換がないこともあり得る。また、図示していないが、2以上の乗換があることもあり得る。さらに、乗換において降車駅と乗車駅が異なること(降車駅から乗車駅まで徒歩で移動する場合など)もあり、その場合は乗換情報が降車駅と乗車駅とを含んでいてもよい。
【0018】
また、出発地から乗車駅までの経路、あるいは、降車駅から目的地までの経路など、経路情報は
図2に示す情報以外の情報を含んでいてもよい。
【0019】
図1に戻り、制御部23は、情報取得部231と、抽出部232と、予測部233とを有する。これら各部は、例えば情報処理システム2内のプロセッサ(不図示)が所定の情報処理プログラムを実行することにより実現される機能である。
【0020】
情報取得部231は記憶部22における経路情報データベース221から経路情報を取得する。
【0021】
抽出部232は経路情報から乗車駅および降車駅のうちの少なくとも1つの駅を抽出する。抽出部232は乗車駅のみを抽出してもよいし、降車駅のみを抽出してもよい。
図2に示す経路情報の1つから、抽出部232は、乗車情報に基づいて1つの乗車駅を抽出でき、降車情報に基づいて1つの降車駅を抽出できる。また、抽出部232は乗換情報に基づいて乗車駅および降車駅を1つずつ抽出できる。
【0022】
例えば経路情報001について、乗車駅としてS線のS1駅が抽出され、降車駅としてS線のS2駅が抽出され得る。また、経路情報002について、乗車駅としてS線のS2駅およびT線のS4駅が抽出され、降車駅としてS線のS4駅およびT線のT1駅が抽出され得る。
【0023】
さらに、抽出部232は、抽出された乗車駅で乗車する列車および抽出された降車駅で降車する列車の少なくとも1つの列車を抽出する。例えば、経路情報001について、乗車駅S1で乗車する列車および降車駅S2で降車する列車として、列車Z004が抽出される。
【0024】
予測部233は、抽出された乗車駅や降車駅、および、抽出された列車についての情報に基づいて、この列車に関連する混雑予測を行って混雑予測情報を生成する。「列車に関連する」とは、抽出された列車そのものの混雑予測でもよいし、抽出された列車を含む複数の列車についての混雑予測でもよいことを意味する。混雑予測の具体例については後述する。
【0025】
なお、記憶部22および制御部23内の各部を単一装置内に設けて情報処理システム2としてもよいし、複数の装置に分散して設けて情報処理システム2を構成してもよい。
【0026】
図3は、情報処理システム2の処理動作の一例を示すフローチャートである。まず情報取得部231は記憶部22から経路情報を取得する(ステップS1)。そして、抽出部232は経路情報から乗車駅および/または降車駅と列車とを抽出する(ステップS2)。続いて、予測部233は、抽出された駅および列車に基づいて、駅ごとおよび列車ごとに経路情報の数をカウントしてポイント表(詳細は後述)を作成する(ステップS3)。そして、予測部233はポイント表を参照して混雑予測を行う(ステップS4)。
【0027】
以下、混雑予測として、予測部233が降車駅で各列車から降車する人数に関する予測を行う例を示す。
【0028】
図4は、ステップS3で作成されるポイント表の第1例を示す図である。同図は降車ポイント表であり、各駅を降車駅とする経路情報の数を降車ポイントとしてカウントしたものである。降車ポイントは各駅で降車する人数に応じた値となる。なお同図では、S線にはS1〜S6駅の6駅がこの順にあり、S1駅が始発駅でS6駅が終着駅であると仮定している。
【0029】
図2の経路情報データベース221の経路情報001〜004を考慮すると、
図4(a)の降車ポイント表が作成される。具体的には、列車Z004については、S2駅で降車する経路情報が1つ(経路情報001)あり、降車ポイントは「1」である。また、列車Z005については、S4駅で降車する経路情報が2つ(経路情報002,003)あり、降車ポイントは「2」である。同S6駅で降車する経路情報が1つ(経路情報004)あり、降車ポイントは「1」である。
【0030】
全経路情報について集計した結果、
図4(b)の降車ポイント表が作成されたとする。この降車ポイント表に基づいて、予測部233は、列車Z004について、「S2駅での降車人数は少ない」、「S3駅での降車人数は多い」、などといった混雑予測を行うことができる。また、降車ポイントと実際の降車人数との相関関係が既知である場合、予測部233は各駅で降車する人数を推定して混雑予測としてもよい。同様にして、予測部233は列車Z005についても混雑予測を行うことができる。
【0031】
このようにして、予測部233は各駅を降車駅とする各列車の降車人数に関する予測を行うことができる。続いて、混雑予測として、予測部233が乗車駅で各列車に乗車する人数に関する予測を行う例を示す。
【0032】
図5は、ステップS3で作成されるポイント表の第2例を示す図である。同図は乗車ポイント表であり、各駅を乗車駅とする経路情報の数を乗車ポイントとしてカウントしたものである。乗車ポイントは各駅で乗車する人数に応じた値となる。
【0033】
図2の経路情報データベース221の経路情報001〜004を考慮すると、
図5(a)の乗車ポイント表が作成される。具体的には、列車Z004については、S1駅で乗車する経路情報が1つ(経路情報001)あり、乗車ポイントは「1」である。また、列車Z005については、S1駅で乗車する経路情報が1つ(経路情報003)ある。同S2駅で乗車する経路情報が1つ(経路情報002)ある。同S3駅で乗車する経路情報が1つ(経路情報004)ある。よって、S1〜S3駅の降車ポイントはいずれも「1」である。
【0034】
全経路情報について集計した結果、
図5(b)の乗車ポイント表が作成されたとする。この乗車ポイント表に基づいて、予測部233は、列車Z004について、「S1駅での乗車人数は中程度である」、「S5駅での乗車人数は多い」、などといった混雑予測を行うことができる。また、乗車ポイントと実際の乗車人数との相関関係が既知である場合、予測部233は各駅で乗車する人数を推定して混雑予測としてもよい。同様にして、予測部233は列車Z005についても混雑予測を行うことができる。
【0035】
このようにして、予測部233は各駅を乗車駅とする各列車の乗車人数に関する予測を行うことができる。続いて、混雑予測として、予測部233が乗車駅または降車駅における混雑度に関する予測を行う例を示す。
【0036】
図6は、ステップS3で作成されるポイント表の第3例を示す図である。同図は混雑ポイント表であり、混雑ポイントは乗車駅または降車駅で列車に乗っている人数に応じた値となる。
図6の混雑ポイント表は、駅ごとに
図5(b)に示す乗車ポイントと、
図4(b)に示す降車ポイントとの差を積算することで作成できる。
【0037】
例えば、列車Z004について、
図5(b)によるとS1駅での乗車ポイントは「12」である。そして、S1駅は始発駅であるため、降車ポイントは「0」である。よって、
図6に示すようにS1駅での混雑ポイントは「12」となる。
【0038】
次に、
図5(b)によるとS2駅での乗車ポイントは「10」であり、
図4(b)によると同駅における降車ポイントは「1」である。よって、S2駅では9(=10−1)ポイント増加し、
図6に示すようにS2駅での混雑ポイントは「21」(=12+9)となる。
【0039】
次に、
図5(b)によるとS3駅での乗車ポイントは「18」であり、
図4(b)によると同駅における降車ポイントは「28」である。よって、S3駅では「10」(=28−18)ポイント減少し、
図6に示すようにS3駅での混雑ポイントは「11」(=21−10)となる。
【0040】
以下同様にして予測部233は各駅での混雑ポイントを算出する。なおS6駅は終着駅であるため混雑ポイントは「0」となる。
【0041】
このポイント表に基づいて、予測部233は、列車Z004について、「S1駅での混雑度は低い」、「S2駅での混雑度は中程度」、「S5駅での混雑度は高い」、などといった混雑予測を行うことができる。また、混雑ポイントと実際に列車に乗っている人数との相関関係が既知である場合、予測部233は各駅で乗っている人数を推定して混雑予測としてもよい。同様にして、予測部233は列車Z005についても混雑予測を行うことができる。
【0042】
このようにして、予測部233は各駅において各列車に乗っている人数に関する予測を行うことができる。続いて、混雑予測として、予測部233が乗車駅または降車駅において列車に乗っている人数の増減に関する例予測を行う例を示す。
【0043】
図7は、ステップS3で作成されるポイント表の第4例を示す図である。同図は増減ポイント表であり、増減ポイントは各駅での乗車人数と降車人数との差に応じた値となる。
図7の増減ポイント表は、
図5(b)に示す乗車ポイントと、
図4(b)に示す降車ポイントとの差から作成できる。
【0044】
例えば、列車Z004について、
図5(b)によるとS1駅での乗車ポイントは「12」である。そして、S1駅は始発駅であるため、降車ポイントは「0」である。よって、
図7に示すようにS1駅での増減ポイントは「12」となる。
【0045】
次に、
図5(b)によるとS2駅での乗車ポイントは「10」であり、
図4(b)によると同駅における降車ポイントは「1」である。よって、
図7に示すようにS2駅での増減ポイントは「9」(=10−1)となる。
【0046】
次に、
図5(b)によるとS3駅での乗車ポイントは「18」であり、
図4(b)によると同駅における降車ポイントは「28」である。よって、
図7に示すようにS3駅での増減ポイントは「−10」(=18−28)ポイントとなる。
【0047】
以下同様にして予測部233は各駅での増減ポイントを算出する。このポイント表に基づいて、予測部233は、「列車Z004に乗っている人数はS3駅で大きく減る」、などといった混雑予測を行うことができる。同様にして、予測部233は列車Z005についても混雑予測を行うことができる。
【0048】
以上は列車ごとに混雑予測を行う例であったが、予測部233は所定の時間範囲に含まれる複数の列車をまとめて混雑予測を行ってもよい。
【0049】
図8は、ステップS3で作成されるポイント表の第5例を示す図である。同図は時間帯ごとに列車をまとめる例である。より具体的には、11時00分〜11時59分までにS1駅を発車するすべての列車(列車Z004および列車Z005の2つのみと仮定している)について、各駅での混雑ポイントを合計したものを例示している。
図8のポイント表は
図6の混雑ポイント表から作成できる。
【0050】
すなわち、
図6において、S1駅での混雑ポイントは、列車Z004については「12」であり、列車Z005については「19」である。よって、混雑ポイントの合計は
図8に示すように「31」(=12+19)である。
【0051】
また、
図6において、S2駅での混雑ポイントは、列車Z004については「21」であり、列車Z005については「30」である。よって、混雑ポイントの合計は
図8に示すように「51」(=21+30)である。
【0052】
以上のようにして各駅の混雑ポイントの合計が算出される。このポイント表に基づいて、予測部233は、「昼前のS線の列車はS2,S5駅で特に混雑する」、などといった混雑予測を行うことができる。
【0053】
なお、予測部233は
図4(b)から降車ポイントの合計を算出して、時間帯ごとに各駅において列車から降車する人数に関する混雑予測を行ってもよい。また、予測部233は
図5(b)から乗車ポイントの合計を算出して、時間帯ごとに各駅において列車から乗車する人数に関する混雑予測を行ってもよい。さらに、予測部233は
図7から増減ポイントの合計を算出して、時間帯ごとに各駅において列車に乗っている人数の増減に関する混雑予測を行ってもよい。
【0054】
また、列車のまとめ方は時間帯ごとに限られず、曜日ごと、季節ごとなど任意の時間範囲ごとにまとめることができる。
【0055】
このように、第1の実施形態では、記憶部22に記憶された経路情報を用いるため、低コストで混雑予測を行うことができる。
【0056】
なお、予測部233は、経路情報だけでなく、混雑実績情報も加味して混雑予測をしてもいい。混雑実績情報とは過去の混雑の実績を示す情報であり、
図1の記憶部22に記憶されていてもよい。具体例として、予測部233は、経路情報に基づく混雑予測および混雑実績情報に基づく混雑予測のいずれかが混雑するという結果の場合に、混雑していると予測してもよい。一方、予測部233は、例えば、経路情報に基づく混雑予測と混雑実績情報に基づく混雑予測のいずれも混雑していないという結果の場合、混雑しないと予測してもよい。
【0057】
また、上述した例では、
図2に示すように経路情報が列車IDを含んでおり、列車IDに基づいて列車を抽出するものであった。しかしながら、必ずしも経路情報は列車IDを含んでいなくてもよい。この場合、記憶部22に時刻表情報データベース(不図示)を記憶しておけばよい。時刻表情報は各列車の各駅における出発時刻および/または到着時刻を示すものである。
【0058】
そして、抽出部232は時刻表情報も参照して列車を抽出する。時刻表情報を参照することで、抽出部232は、例えば
図2のS2駅を11時31分に発車する列車(経路情報002)と、S1駅を11時29分に発車する列車(経路情報003)とが同一の列車であることを特定してもよい。
【0059】
また、抽出部232は、列車IDを用いず、路線名、駅、駅での発時刻または着時刻、カテゴリ、行き先などによって特定することにより、列車を抽出してもよい。カテゴリとは、「特急」、「急行」、「各停」などの種別でもよいし、列車の愛称でもよい。
【0060】
(第2の実施形態)
上述した第1の実施形態は列車ごとに乗車人数や降車人数をカウントするものであった。これに対し以下に説明する第2の実施形態では、より細かく、列車における位置(例えば、車両やドア)ごとに乗車人数や降車人数をカウントする。そして、列車におけるどの位置が混雑するか、などを予測するものである。
【0061】
情報処理システム2の構成自体は
図1に示す第1の実施形態のものと同様であり、以下、第1の実施形態との相違点を中心に、各部の処理内容を説明する。
【0062】
抽出部232は、乗車駅および/または降車駅に加え、乗車駅での列車における乗車位置、および、降車駅での列車における降車位置の少なくとも1つの位置を抽出する。乗車あるいは降車位置は、例えば列車におけるどの車両であるか、あるいは、どの車両のどのドアであるか、である。
【0063】
予測部233は、抽出された駅および位置から、この位置に関連する混雑予測を行う。混雑予測の具体例は、各駅において抽出された位置で乗車/降車する人数、各駅において抽出された位置で乗車している人数の増減数、各駅における抽出された位置での混雑度に関する予測が挙げられる。
【0064】
以下、抽出部232が乗車位置や降車位置として、列車における車両を抽出する例を示す。この場合、
図9に示すような経路情報データベース221を用いる。
図2との違いは、乗車情報および乗換情報が「推奨車両」を含む点である。推奨車両とは経路探索時に付与され得る情報であり、経路を移動するのに便利な車両であり、乗換に要する時間が短くなる車両、降車駅から目的地までの移動に要する時間が短くなる車両などである。
【0065】
同図に示すように、推奨車両は「前から1両目」など列車における相対的な車両で特定してもよい。別の例として推奨車両は「1号車」など列車の各車両に割り当てられた絶対的な号車番号で特定してもよい。
【0066】
また、経路情報004のように推奨車両が2以上あってもよい。さらに、推奨車両が「前寄りの車両」、「前から1〜3両目」など大雑把なものでもよい。
【0067】
図10は、情報処理システム2の処理動作の一例を示すフローチャートである。ステップS1は第1の実施形態と同様である。
【0068】
ステップS2’において、抽出部232は、乗車駅および/または降車駅、列車に加え、乗車駅における列車への乗車車両および/または降車駅における列車からの降車車両を抽出する。
【0069】
抽出部232は経路情報における推奨車両に基づいて車両を抽出できる。例えば
図9の経路情報001において、乗車情報における推奨車両が「前から1両目」であることに基づいて、抽出部232は乗車駅であるS1駅における列車Z004への乗車車両として「前から1両目」を抽出できる。また、経路情報004において、乗車情報における推奨車両が「前から3または5両目」であることに基づいて、抽出部232は乗車駅である駅S3における列車Z005への乗車車両として「前から3または5両目」を抽出できる。
【0070】
また、通常は乗車した車両から降車するため、抽出部232は、経路情報001において、降車駅である駅S2における列車Z004からの降車車両として「前から1両目」を抽出できる。
【0071】
そして、ステップS3’において、予測部233は、駅ごとおよび車両ごとに経路情報の数をカウントしてポイント表を作成する。
【0072】
図11は、ステップS3’で作成されるポイント表の一例を示す図である。同図は乗車ポイント表を示している。
【0073】
図9の経路情報データベース221の経路情報001〜004を考慮すると、
図11(a)の降車ポイント表が作成される。具体的には、
図9において、列車Z004については、S2駅で前から1両目に乗車する経路情報が1つ(経路情報001)あり、乗車ポイントは「1」である。また、列車Z005については、S1駅で前から1両目に乗車する経路情報が1つ(経路情報003)あり、乗車ポイントは「1」である。同S2駅で前から1両目に乗車する経路情報が1つ(経路情報002)あり、乗車ポイントは「1」であ。
【0074】
ここで、経路情報004では、S4駅で前から3両目または5両目に乗車する。この場合、
図11に示すように3両目と5両目の乗車ポイントを均等に「0.5」ずつとしてもよい。また、乗車する可能性に応じて重み付けしてポイントを割り当ててもよい。例えば、3両目に乗る可能性が高い場合(3両目の方がS3駅の改札や階段などの施設に近い場合など)、3両目の乗車ポイントを「0.8」とし5両目の乗車ポイントを「0.2」としてもよいし、3両目の乗車ポイントを「1」とし5両目の乗車ポイントを「0」としてもよい。いずれの場合でも乗車ポイントの合計が「1」になるようにするのが望ましい。
【0075】
以上のようにして作成されたポイント表を参照して、
図10のステップS4において、予測部233は車両に関連する混雑予測を行う。例えば、全経路情報について集計した結果、
図11(b)の乗車ポイント表が作成されたとする。この場合、予測部233は、列車Z004について、「S2駅では、1両目および4両目の乗車人数は多く、他の車両の乗車人数は少ない」、といったより細かい混雑予測を行うことができる。
【0076】
図11では乗車ポイント表を例示したが、第1の実施形態と同様に、降車ポイント表、混雑ポイント表、増減ポイント表などを作成してもよい。そして混雑予測の具体例は第1の実施形態で説明したものを「列車ごと」ではなく「車両ごと」としたものとなる。例えば、予測部233は、混雑予測として、乗車駅において各車両で乗車する人数、降車駅において各車両で降車する人数、乗車駅または降車駅において各車両に乗車している人数の増減数、乗車駅または降車駅における各車両の混雑度に関する予測を行うことができる。
【0077】
また、
図8と同様に、ある時間範囲ごとにまとめてもよい。これにより、予測部233は、「昼前のS線の列車は3両目が特に混雑する」、などといった混雑予測を行うことができる。
【0078】
なお、上記の説明では、列車を特定した上で、その列車の乗車車両あるいは降車車両を抽出することとした。しかしながら、時間範囲ごとにまとめる場合、列車を特定することなく車両を抽出してもよい。
【0079】
例えば
図9の経路情報データベース221が列車IDを含んでいなかったとしても、推奨車両情報から車両を抽出できる。具体例として、11時00分〜11時59分にS1駅を発車する列車をまとめる場合、経路情報001,003のS1駅における推奨車両が「前から1両目」であることから、1両目のポイントの合計を「2」とすることができる。この場合、列車IDの情報は不要である。
【0080】
また、抽出部232が乗車位置や降車位置として、列車におけるドアを抽出してもよい。そのためには、経路情報データベース221が推奨ドア情報を含んでいればよい。そして、予測部233はドアごとにポイント表を作成することで、ドアごとの混雑予測を行うことができる。例えば、予測部233は、混雑予測として、乗車駅において各ドアから乗車する人数、降車駅において各ドアから降車する人数、乗車駅または降車駅において各ドア近辺に乗車している人数の増減数、乗車駅または降車駅における各ドア近辺での混雑度に関する予測を行うことができる。
【0081】
このように第2の実施形態では、記憶部22に記憶された経路情報から、列車において乗客が乗降する位置を抽出して混雑予測に用いるため、低コストでより詳細に混雑予測を行うことができる。
【0082】
なお、上述した例では、経路情報データベース221が推奨車両情報を含んでおり、推奨車両情報に基づいて車両を特定する例を示した。しかしながら、必ずしも経路情報データベース221が推奨車両情報を含んでいなくてもよい。
【0083】
例えば記憶部22に駅情報データベースを記憶しておけばよい。駅情報は、駅ネットワークとして、各駅構内の構造を示すものであり、階段、エレベータ、エスカレータ、改札、入り口、出口、乗換口、トイレ、売店などの施設やホーム上の特定の位置(例えば停車する列車のドアに対応する位置)に割り当てられたノードや、ノード同士の接続関係を示すリンクから構成される。また、駅情報は、駅構内だけでなく、周辺の地下街のネットワーク情報を含んでいてもよい。
【0084】
そして、抽出部232は乗車駅あるいは降車駅における施設の位置に基づいて車両を特定してもよい。
【0085】
図12は、施設の位置に基づいて車両を抽出する手法の一例を示す図である。図示のように、抽出部232は階段などの施設に最も近い車両を乗車駅での乗車車両(あるいは降車駅での降車車両)とすることができる。
図12の場合、階段に最も近い「2両目」を乗車車両としてもよいし、次に1両目が近いことを考慮して、「1両目または2両目」を乗車車両としてもよい。
【0086】
図13は、施設の位置に基づいて車両を抽出する手法の別の例を示す図である。図示のように、抽出部232は、乗換前の路線と乗換後の路線との組み合わせに応じて、乗換経路の位置から乗車車両を抽出してもよい。
図13の場合、乗換前の路線の列車の1両目付近と、乗換後の路線の列車の2両目付近との間に乗換経路がある。よって、乗換後の路線の列車の乗車車両として「2両目」が抽出される。あるいは、乗換前の路線の列車の降車車両として「1両目」が抽出される。
【0087】
予測部233は、ポイント表作成時に、各車両について階段などの施設からの距離に応じてポイントを付与してもよい。例えば
図12の場合、階段に最も近い2両目のポイントを「0.8」とし、隣の1両目のポイントを「0.2」としてもよい。
【0088】
さらに、経路情報データベース221に含まれる推奨車両、および、駅情報データベースに含まれる施設の位置の両方を考慮して、車両を抽出したりポイント表を作成したりしてもよい。
【0089】
また、車両だけでなく、ドアについても同様のことが言える。
【0090】
(第3の実施形態)
以下に説明する第3の実施形態では、列車のカテゴリごとに混雑予測をするものである。
【0091】
抽出部232は、乗車駅で乗車する列車のカテゴリおよび降車駅で降車する列車のカテゴリの少なくとも1つを抽出する。そして、予測部233は抽出された駅およびカテゴリからカテゴリごとにポイント表を作成し、カテゴリに関連する混雑予測を行う。
【0092】
経路情報データベース221にカテゴリ情報を含んでいてもよい。また、駅によって停車する列車のカテゴリが限られている場合、乗車駅や降車駅からカテゴリを推定してもよい。
【0093】
列車のカテゴリは、例えば「特急」、「急行」、「各停」など停車駅に関する種別でもよいし、「こだま」、「のぞみ」など列車の愛称であってもよい。予測部233は、「特急はA駅で混みやすい」、「各停はB駅で混みやすい」、といったカテゴリごとの混雑予測を行うことができる。もちろん、車両ごとやドアごとに混雑予測を行ってもよいし、所定時間に含まれる列車をカテゴリごとにまとめて混雑予測を行ってもよい。
【0094】
(第4の実施形態)
以下に説明する第4の実施形態は、混雑予測をユーザに提供するものである。
【0095】
図14は、本発明の第4の実施形態に係る情報処理システム100の概略構成を示すブロック図である。情報処理システム100はネットワーク3を介して通信可能に接続された端末装置1およびサーバ4を備えている。
【0096】
端末装置1はユーザが使用するものであり、携帯電話、スマートフォンもしくはタブレットなどのモバイル電子機器でもよいし、パーソナルコンピュータやカーナビゲーション装置などの据え置き型電子機器でもよい。
【0097】
端末装置1は、通信部11と、操作入力部12と、出力部13と、制御部14とを有する。
【0098】
通信部11はネットワーク3を介して制御部14とサーバ4との間で情報を送受信するインターフェースである。
【0099】
操作入力部12はユーザが端末装置1に操作を入力するためのインターフェースであり、例えばモバイル電子機器におけるタッチパネルやマイクや、据え置き型電子機器におけるキーボード、タッチパッドもしくはダイヤルボタンである。
【0100】
出力部13は端末装置1からユーザへ各種情報を出力するインターフェースであり、例えば映像を表示する液晶ディスプレイである。具体的には、出力部13は、ユーザからの操作を受け付けるためのGUI(Graphical User Interface)や、後述する経路情報などの情報を表示する。あるいは、出力部13は情報を音声で出力するスピーカであってもよい。
【0101】
また、出力部13は情報をユーザへ直接提示するものでなくてもよい。例えば、出力部13は、外部に接続される表示手段および/または音声再生手段に映像信号および/または音声信号を出力するインターフェースであってもよいし、外部に接続される印刷装置にデータを出力するインターフェースであってもよいし、端末装置1内あるいは外部の記憶装置へ出力して記憶させるものでもよい。
【0102】
制御部14は、探索条件設定部141と、情報送信部142と、情報受信部143とを有する。これら各部は、例えば情報処理システム100内のプロセッサ(不図示)が所定の情報処理プログラムを実行することにより実現される機能である。
【0103】
探索条件設定部141は探索条件を設定する。探索条件設定部141は、操作入力部12を介して、出発地、目的地、時刻に関する情報などの探索条件をユーザから受け付けることにより、探索条件を設定できる。あるいは、探索条件設定部141は探索条件の少なくとも一部をユーザ入力以外から設定してもよく、例えば端末装置1の位置を出発地としたり、現在時刻を出発時刻としたりしてもよい。
【0104】
情報送信部142は、探索条件などの各種情報を、ネットワーク3を介してサーバ4に送信する。
【0105】
情報受信部143は、サーバ4が生成する経路情報などの各種情報を、ネットワーク3を介してサーバ4から受信する。受信した情報は制御部14内の出力制御部(不図示)によって出力部13から出力される。
【0106】
サーバ4は、通信部41と、記憶部42と、制御部43とを有する。
【0107】
通信部41はネットワーク3を介して制御部43と端末装置1との間で情報を送受信するインターフェースである。
【0108】
記憶部42は、混雑予測情報データベース421と、経路ネットワーク情報データベース422とを記憶している。
【0109】
混雑予測情報データベース421は、
図2の情報処理システム2により生成された混雑予測情報を含んでいる。なお、情報処理システム2の全部または一部と、
図14のサーバ4の一部とを1つの装置内に設けておき、予測部233が生成した混雑予測情報を混雑予測情報データベース421に書き込んでもよい。また、情報処理システム2とサーバ4とを別個の装置とし、予測部233が生成した混雑予測情報をネットワーク3を介して混雑予測情報データベース421に書き込んでもよい。
【0110】
混雑予測情報は、1つの混雑予測情報が生成される度にアップデートされてもよいし、一定期間ごとにアップデートされてもよい。
【0111】
経路ネットワーク情報データベース422は、経路ネットワーク情報として、例えば地図情報および交通ネットワーク情報を含む。
【0112】
地図情報は、全国および各地方の道路地図などの地図データと、地図データに対応付けられた地図オブジェクト情報を含む。地図データは現実の道路を表した地図である。地図オブジェクト情報とは、地図上に表示される施設の形状についての形状情報、地図上に表示される注記についての注記情報、地図上に表示される記号についての記号情報などである。
【0113】
交通ネットワーク情報は鉄道やバス等の交通網や道路網を規定する情報である。交通網の情報としては、交通機関の路線情報、時刻表情報、料金情報等を含む。道路網の情報は、例えば交差点等の道路網表現上の結節点であるノードのデータと、ノード間の道路区間であるリンクのデータとの組み合わせによって表現される。ノードは例えば緯度および経度で特定され、詳細地図の位置と対応している。地図情報および道路ネットワーク情報は、経路探索に用いられる。
【0114】
制御部43は、情報受信部431と、経路探索部432と、情報送信部433とを有する。これら各部は、例えば情報処理システム100内のプロセッサ(不図示)が所定の情報処理プログラムを実行することにより実現される機能である。
【0115】
情報受信部431は、ネットワーク3を介して、端末装置1から探索条件を受信する。また情報受信部431は、記憶部42における混雑予測情報データベース421および経路ネットワーク情報データベース422から、混雑情報および経路ネットワーク情報をそれぞれ受信する。
【0116】
経路探索部432は、経路ネットワーク情報を用い、探索条件に基づいて経路探索を行って経路情報を生成する。経路情報は、例えば出発地から目的地までの移動手段や移動距離、移動に要する時間および料金、出発時刻および到着時刻等の情報を含む。また、経路探索部432は生成された経路情報と関連する混雑予測情報があるか否かを確認する。関連する混雑予測情報がある場合、情報受信部431を制御してこの混雑予測情報を受信する。
【0117】
情報送信部433は、通信部41からネットワーク3を介して、経路情報や混雑予測情報を端末装置1に送信する。
【0118】
図15は、
図14の情報処理システム100の処理動作の一例を示すシーケンス図である。
【0119】
まず、ユーザ操作による操作入力部12への操作に応じて、探索条件設定部141は探索条件を設定する。この探索条件は情報送信部142によりサーバ4に送信される(ステップS11)。
【0120】
サーバ4の情報受信部431は探索条件を受信する(ステップS21)。そして、経路探索部432は探索条件に基づいて経路探索を行い、経路情報を生成する(ステップS22)。なお、ここで生成された経路情報を
図1の経路情報データベース221に書き込んでもよい。その後、経路探索部432は生成された経路情報に関する混雑予測情報が混雑予測情報データベース421にあるか否かを確認する(ステップS23)。
【0121】
なお、混雑予測情報がある場合であっても経路情報の数(ポイント表におけるポイント数)が少なく、混雑予測の精度が低いと考えられる場合、経路探索部432は混雑予測情報がないと判断してもよい。
【0122】
混雑予測情報がある場合(ステップS23のYES)、情報受信部431は当該混雑予測情報を混雑予測情報データベース421から取得する(ステップS24)。そして、経路探索部432は取得された混雑予測を経路情報に付与する(ステップS25)。経路情報は情報送信部433により端末装置1に送信される(ステップS26)。
【0123】
一方、混雑予測情報がない場合(ステップS23のNO)、経路情報はそのまま情報送信部433により端末装置1に送信される(ステップS26)。
【0124】
端末装置1の情報受信部143は経路情報を受信する。そして、経路情報は出力部13から出力される(ステップS12)。出力される形態は、どの駅で座れる可能性が高いか、どの駅で混雑するか、どの車両(ドア付近)が座れる可能性が高い、どの車両(ドア付近)で混雑するか、などの混雑状況を視覚的・直感的に把握できるものであるのが望ましい。以下、出力部13がディスプレイであり、操作入力部12がこのディスプレイ上に配置されたタッチパネルである場合の出力例を説明する。
【0125】
図16は、ディスプレイに表示される画面の一例を示す図である。
図16(a)は、乗車駅がS線のS1駅(発時刻:19時15分)で降車駅がS線のS6駅(着時刻:19時48分)であり、この経路情報に関する混雑予測情報がある場合の画面である。図示のように、混雑予測情報があることを示すアイコンA1が表示される(混雑予測情報がない場合、このようなアイコンは表示されないか、選択不能に表示される)。そして、ユーザがタッチパネルにおけるアイコンA1が表示された位置を選択すると、混雑予測情報がディスプレイ上に表示される。この混雑予測情報は、S1駅を19時15分に発車する列車に関連するものである。
【0126】
図16(b)は、混雑予測が降車人数に関する予測である例を示している。この画面では、各駅における降車人数の多寡を車両ごとに模式的に示している。例えば、途中駅であるS5駅の1両目のマークM1は、降車人数が多く座れる可能性が高いことを示している。一方、S1〜S6駅の4両目のマークM2は、降車人数が少なく座れる可能性が低いことを示している。また、他の駅のマークM3は降車人数が中程度であることを示している。
【0127】
このような混雑予測情報を参照し、ユーザはS1駅の1両目に乗れば、他の車両に乗る場合に比べて、途中のS5駅で座れる可能性が高いことを把握できる。
【0128】
図16(c)は、混雑予測が各駅において乗っている人数に関する予測である例を示している。この画面では、各駅において乗っている人数の多寡を車両ごとに模式的に示している。例えば、1両目はS1〜S6駅まで混雑していることを示している。3両目はS1,S2駅では比較的空いているが、S3駅以降はやや混雑していることを示している。4両目はS1駅では比較的空いているが、S2駅でやや混雑し、S3駅以降は混雑していることを示している。
【0129】
このような混雑予測情報を参照し、ユーザはS1駅の3両目に乗れば、他の車両に乗る場合に比べて座れる可能性が高く、仮に座れなかったとしてもS6駅までそれほど混雑しないことを把握できる。
【0130】
なお、
図15では混雑予測情報を付与してサーバ4から端末装置1に経路情報が送信される例を示した。しかしながら、サーバ4の情報送信部433は経路情報と混雑予測情報とを別々に端末装置1に送信してもよい。例えば、初めは、経路情報および混雑予測情報がある旨の情報のみを端末装置1に送信してもよい。
【0131】
そして、端末装置1からの要求に応じて、サーバ4から端末装置1に混雑予測情報が送信されるようにしてもよい。
【0132】
また、端末装置1内にGPSなどの位置取得部(不図示)で端末装置1のユーザが乗っている車両を特定し、端末装置1の位置を示す位置情報をサーバ4に定期的に送信する。そして、サーバ4は、位置情報および混雑予測情報に基づいて、ユーザが乗っている車両での降車人数が多い駅や混雑度が緩和されるタイミング(具体的には、特定の駅に着いたときや特定の時刻)で、混雑予測情報を端末装置1に送信してもよい。
【0133】
このように、第4の実施形態では、経路探索を行ったユーザに混雑予測情報を提示する。そのため、ユーザは混雑状況を簡易に把握できる。
【0134】
上述した実施形態で説明した情報処置システムの少なくとも一部は、ハードウェアで構成してもよいし、ソフトウェアで構成してもよい。ソフトウェアで構成する場合には、情報処置システムの少なくとも一部の機能を実現するプログラムをフレキシブルディスクやCD−ROM等の記録媒体に収納し、コンピュータに読み込ませて実行させてもよい。記録媒体は、磁気ディスクや光ディスク等の着脱可能なものに限定されず、ハードディスク装置やメモリなどの固定型の記録媒体でもよい。
【0135】
また、情報処置システムの少なくとも一部の機能を実現するプログラムを、インターネット等の通信回線(無線通信も含む)を介して頒布してもよい。さらに、同プログラムを暗号化したり、変調をかけたり、圧縮した状態で、インターネット等の有線回線や無線回線を介して、あるいは記録媒体に収納して頒布してもよい。
【0136】
さらに、1または複数の情報処理装置によって情報処理システムを機能させてもよい。複数の情報処理装置を用いる場合、情報処理装置のうちの1つをコンピュータとし、当該コンピュータが所定のプログラムを実行することにより情報処理システムの少なくとも1つの手段として機能が実現されてもよい。
【0137】
上記の記載に基づいて、当業者であれば、本発明の追加の効果や種々の変形を想到できるかもしれないが、本発明の態様は、上述した個々の実施形態には限定されるものではない。特許請求の範囲に規定された内容およびその均等物から導き出される本発明の概念的な思想と趣旨を逸脱しない範囲で種々の追加、変更および部分的削除が可能である。