(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6629503
(24)【登録日】2019年12月13日
(45)【発行日】2020年1月15日
(54)【発明の名称】変形爪矯正具
(51)【国際特許分類】
A61F 5/11 20060101AFI20200106BHJP
【FI】
A61F5/11
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-178519(P2014-178519)
(22)【出願日】2014年8月15日
(65)【公開番号】特開2016-41234(P2016-41234A)
(43)【公開日】2016年3月31日
【審査請求日】2017年1月27日
【審判番号】不服2018-13882(P2018-13882/J1)
【審判請求日】2018年10月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】500264227
【氏名又は名称】丸山 政雄
(72)【発明者】
【氏名】丸山 政雄
【合議体】
【審判長】
藤井 昇
【審判官】
一ノ瀬 覚
【審判官】
中川 真一
(56)【参考文献】
【文献】
特開2012−95800(JP,A)
【文献】
特開2010−63858(JP,A)
【文献】
特開2007−312911(JP,A)
【文献】
特表2010−501314(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 5/11
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
変形爪甲部を矯正するための、弾性を有する材で成し、変形爪を発症している爪甲の表面上に架設されることで、略扁平状へ矯正修復できる爪甲用矯正具と、
変形爪縁部を矯正するために、爪の両側爪縁部に夫々配設され、且つ2つで対と成る、弾性を有する材によって爪幅方向へ長く略角筒状に成形された角筒体には、該角筒体の長手方向両側端部にかけて形成された長スリットを備え、該長スリットの対向面は、角筒体の上側保持部の下面と下側保持部の上面とから成り、該角筒体における該長スリットの開口側とは反対側に、該角筒体の長手方向片側端部から略中央部にかけて形成された短スリットを備え、
該長スリットに変形爪縁部の先端縁が差し込まれて、
該角筒体の長手方向でみて、該上側保持部と該下側保持部における該短スリット側の反対側の部分を、挟圧力により変形爪縁部を略扁平状へ矯正できる挟圧矯正作用部とし、
該短スリット側の該下側保持部を鈎曲変形した爪縁端部を弾性応力により矯正できる弾性板とし、該短スリット側の該上側保持部を爪の跳ね上がりを抑える爪抑え部として、該上側保持部と該下側保持部における該短スリット側の部分を弾性矯正作用部とし、さらに、該角筒体の側端面適宜箇所であって、且つ長手方向へ該爪甲用矯正具を嵌入できる嵌通孔または挿嵌溝を設けて成る爪縁用矯正具と、
で成ることを特徴とする変形爪矯正具。
【請求項2】
両側爪縁部に配設される前記爪縁用矯正具のうちのいずれか一方に代えて、
弾性を有する材によって爪幅方向へ長く略角筒状に成形された角筒体であって、該角筒体には、該角筒体の長手方向両側端部にかけて形成されたスリットを備え、該スリットの対向面には、爪先端縁に差し込まれて挟着できる上側保持部と下側保持部とがあり、また、該角筒体の端面適宜箇所で且つ長手方向へ該爪甲用矯正具を嵌入できる嵌通孔または挿嵌溝を設けて成る爪先端縁係止具としたことを特徴とする、請求項1記載の変形爪矯正具。
【請求項3】
爪縁用矯正具の嵌通孔に爪甲用矯正具を嵌入するのに代えて、該爪縁用矯正具と該爪甲用矯正具とが一体成形されたことを特徴とする、請求項1記載の変形爪矯正具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、湾曲状に変形した爪甲部および爪縁部を略扁平状に矯正治療するための変形爪矯正具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の変形爪を治療する矯正具の発明においては、湾曲変形した爪を略扁平状へ矯正する矯正具が提案されている。
【0003】
例えば、爪甲の表面に貼着する板状体であって、該板状体は形状記憶部材又は超弾性部材と、磁性体とを含むことを特徴とする陥入爪矯正具が提案されている。(特許文献1)
【0004】
また、弾性材で形成された板状体に間隔を隔てて設けられた2以上備えた挟持部を用いて爪の先端縁に差し込むことで、陥入爪の先端縁両側を上方へ押し上げる矯正が働き、陥入爪の両側縁が平らに矯正される矯正具も提案されている。(特許文献2)
【0005】
本願出願人は、先に、断面略U字状に形成された矯正具を爪先正面平坦部へ装着した後、被変形爪の爪縁部まで横摺動させて、変形爪の矯正を行う、横摺動挿入による矯正法を特徴とする変形爪矯正具が提案されている。(特許文献3)
【0006】
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2014−83146号公報
【特許文献2】特開2007−185203号公報
【特許文献3】特開2006−314748号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明者が、軽度から重度までの夫々に進行した変形爪の矯正治療の改善状況について経過観察したところ、中度以上の変形爪の矯正治療において3ヶ月以上の長期治療期間を要した。該中度以上の変形爪が長期治療を要する原因について鋭意研究を重ねた結果、軽度の変形爪のその多くは、大きく緩やかな湾曲状で爪縁部が変形しているものの、一つの撓曲に近い形状で発症しているため略一ヶ月で修復されているのに対し、中度以上の変形爪の場合においては、(1)爪甲部の変形は、撓曲状の湾曲変形を発症。(2)爪縁部近傍から爪縁端部に至る爪変形は、強い湾曲状または小さな円弧状で、しかも爪溝部を巻き込むように丸まって変形している。ことを知見した。すなわち、前述(1)と(2)の異なる2つ以上の湾曲変形が複合的に形成して一つの変形爪を成していることを、知見した。
【0009】
前記文献1から文献3に記載の変形爪矯正具においては、例えば、弾性応力(作用)や挟圧力(作用)等のいずれか1つの矯正作用をもって修復を図ることを目的としており、前述した中度以上の変形爪で見られる2つ以上の湾曲状変形が複合的に発症した場合への矯正治療に対応できるような矯正具の形状または構造に備わっておらず、また、この複合的湾曲変形を矯正する旨の言及が、上記の公報の開示に記されていないことからも、中度以上の変形爪の矯正治療に対応されていないという問題がある。
【0010】
本発明の目的は、前述の矯正具の課題を解決し、且つ、少なくとも2つ以上の複合的な湾曲状に変形した変形爪矯正において、容易かつ安全に略扁平状へ矯正できることにより、爪変形の早期改善だけでなく、爪郭の腫脹や軟部組織の刺傷をも早期に改善できる、爪矯正具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
以上の課題を解決するための、請求項1の発明は、両側爪縁発症の変形爪矯正具であって、変形爪甲部を矯正するための、
弾性を有する材で成し、変形爪を発症している爪甲の表面上に架設されることで、略扁平状へ矯正修復できる
爪甲用矯正具と、変形爪縁部を矯正するために、爪の両側爪縁部に夫々配設され、且つ2つで対と成る、
弾性を有する材によって爪幅方向へ長く
略角筒状に成形された角筒体には、該角筒体の長手方向両側端部にかけて形成された長スリットを備え、
該長スリットの対向面は、該角筒体の上側保持部の下面と下側保持部の上面とから成り、該角筒体における該長スリットの開口側とは反対側に、該角筒体の長手方向片側端部から略中央部にかけて形成された短スリットを備え、該長スリットに変形爪縁部の先端縁が差し込まれて、該角筒体の長手方向でみて、該上側保持部と該下側保持部における該短スリット側の反対側の部分を、挟圧力により変形爪縁部を略扁平状へ矯正できる挟圧矯正作用部とし、該短スリット側の該下側保持部を鈎曲変形した爪縁端部を弾性応力により矯正できる弾性板とし、該短スリット側の該上側保持部を爪の跳ね上がりを抑える爪抑え部として、該上側保持部と該下側保持部における該短スリット側の部分を弾性矯正作用部とし、さらに、該角筒体の側端面適宜箇所であって、且つ長手方向へ該爪甲用矯正具を嵌入できる嵌通孔または挿嵌溝を設けて成る爪縁用矯正具と、でなることを特徴とする。
【0012】
前述の爪縁用矯正具の角筒体の断面形状は、必ずしも角筒に限らず、円筒状や楕円筒状や多角形筒状であってもよい。また、弾性板の短手断面形状は半円形状または線状または細工ばね状であってもよく、また、該爪甲用矯正具を嵌入する嵌通孔は、爪甲矯正部の端部の露出を防ぐために該爪郭側端が封止された封止孔で形成されてもよい。
【0013】
なお、爪縁用矯正具に付設された爪抑え部は、弾性板の長さから考慮された長さでよく、また、爪郭の腫脹がひどく腫れている場合など爪周囲の状況によって、爪抑え部の付設が爪縁用矯正具の装着を困難にしている場合などにおいては、付設されなくてもよい。
【0014】
爪縁用矯正具の装着方法は、爪縁の変形が軽度の湾曲状の場合には短スリット側端面が爪溝側へ向くように爪甲側から爪郭端部まで横摺動で装着されるのがよく、また、爪縁の変形が重度の湾曲状の場合には短スリット側端面が爪甲側を向くように、しかも爪縁端部側から装着されるのがよいが、いずれにしても爪質から鑑みられた装着を施術者が前述の手段に依ることなく、適宜に選択され、なされてもよい。
【0015】
このように構成した変形爪矯正具において、請求項2に係る発明は、片側巻き爪の変形していない爪縁側へ付設される
爪縁用矯正具に代えて、弾性を有する材によって爪幅方向へ長く略角筒状に
成形された角筒体であって、該角筒体には、該角筒体の長手方向両側端部にかけて形成されたスリットを備え、該スリットの対向面には、爪先端縁に差し込まれて挟着できる上側保持部と下側保持部とがあり、また、該角筒体の端面適宜箇所で且つ長手方向へ該爪甲用矯正具を嵌入できる嵌通孔または挿嵌溝を設けて成る爪先端縁係止具としたことを特徴とする。
【0016】
片側変形爪縁のみに発症している爪の矯正治療を行うに当り、前述の両側巻き爪用の変形爪矯正具を使用した場合、片側の正常な爪縁および爪甲にまで矯正力を働かせてしまうことで、例えば生爪を剥いでしまったり、爪を割ってしまったり、という事故を誘発しかねない。また、このような事故により、さらに治療期間が延びてしまうことも想定できる。そこで、両側巻き爪用の変形爪矯正具に付設されている正常な爪縁に設置される方の爪縁用矯正具を爪先端縁係止具に換えて爪幅略中央の先端縁に係止されることにより、正常な爪縁の安全が確保でき、しかも片側の爪縁の変形度から鑑みられた適宜な矯正能の設計が施せることで、より効果的で安全な治療を行うことができる。なお、爪先端縁係止具の角筒体の断面形状は、必ずしも角筒に限らず、円筒状や楕円筒状や多角筒状であってもよい。
【0017】
また、片側巻き爪の矯正に限らず、両側巻き爪においても、左右夫々の爪縁に発症した爪変形に差異がある場合には、夫々の爪縁に発症した変形に適した矯正作用で調整されて、各々用いられてもよい。
【0018】
請求項3の発明は、
爪縁用矯正具の嵌通孔に爪甲用矯正具を嵌入するのに代えて、該爪縁用矯正具と該爪甲用矯正具とが一体成形されてもよい。【0019】
上記のいずれの変形爪矯正具にも備わっている爪甲用矯正具および爪縁用矯正具に用いられる材は、例えば、樹脂においてはABSの他スチレン共重合体、PE、PP、PS、PVC、FRP、アイオノマー、アクリル、PETからも適宜選択して使用可能である。また、弾性金属からも例えば、弾性力を有する限り鋼、合金鋼、炭素鋼、ステンレス鋼、銅合金、チタン、チタン合金、コバルト合金、ニッケル−チタン合金、形状記憶合金等から適宜選択して使用できる。
【0020】
また、これら変形爪矯正具の固定方法は、挟着にこだわることなく、長期間の安定した固定を考慮して、例えば、接着剤や粘着剤やジェルや粘着テープ等を用いた固着手段を用いてもよい。
【0021】
なお、ここでいう変形爪とは、陥入爪や巻き爪等の湾曲変形した爪を意味する。
【発明の効果】
【0022】
請求項1の発明によれば、爪甲用矯正具と、挟圧矯正作用部および弾性矯正作用部の夫々矯正作用部から成る爪縁用矯正具と、により構成されている。該構成により、異なる2つ以上の湾曲状によって形成された変形爪に対して、夫々の湾曲変形に適した矯正力を個別に設計できるため、1つの矯正作用で矯正治療される場合と比較して、変形爪の治療により効果を奏することができる。
【0023】
請求項2の発明によれば、前述請求項1の変形爪矯正具の場合、爪縁用矯正具が両側の爪縁部に係止されることで両側爪縁部へ矯正作用が働くことに対して、いずれか一方の爪縁に発症した片側変形爪の矯正をする際、変形爪が発症していない一方の爪縁用矯正具を、爪先端縁係止具と変更することで、片側変形爪用の変形爪矯正具となることを得た。これにより、片側変形爪用の該変形爪矯正具は、変形爪を発症していない側の爪縁部への負担を無くすだけでなく、両側の爪縁の形状を考慮することなく、発症した片側の変形爪にのみ適した矯正能の設計ができるため、より安全で、しかもより効果的な治療を行うことができる。また、この効果を利用し、夫々爪縁の爪変形が異なる場合には、左右個別に湾曲状の症状に鑑みられた矯正能を設計して、夫々の爪縁へ各々本矯正具を配設してもよい。
【0024】
請求項3の発明によれば、製造コストの削減や衛生管理面などの効率を考慮して、本発明の効果を逸脱しない範囲で、爪甲用矯正具と爪縁用矯正具とをそれぞれ一体で形成されて、成形してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】
図1〜
図4は、実施形態1を説明する図であり、
図1はこの発明の変形爪矯正具50Aの全体の一例を示す(a)斜視図、(b)側面図、(c)背面図である。
【
図2】第一趾爪に2つ以上の湾曲状で変形した中度の両側変形爪20の一例を示す正面図である。
【
図3】中度の両側変形爪20へ該実施例1の変形爪矯正具50Aを装着する一例を示した正面図で、(a)は中度変形爪の一例、(b)は爪縁用矯正具1を爪縁近傍に装着した状態、(c)は爪縁用矯正具を爪縁端部まで横摺動で装着した状態、(d)は爪縁用矯正具1によって爪縁近傍が矯正され修復された状態で、且つ変形爪甲部21へ爪甲用矯正具2を架設されている図を表している、(e)は矯正治療が施され、改善された状態。
【
図4】実施形態1の爪縁用矯正具1の別の装着例を示した正面図である。
【
図5】実施形態2を説明する図であり、片側変形爪用の変形爪矯正具50Bの一例を示す(a)斜視図、(b)側面図、(c)背面図である。
【
図6】実施形態3の変形爪矯正具50Cを示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明を実施するための形態について適宜図面を参照しながら説明するが、本実施形態は以下の内容に限定されるものではなく、本発明の要旨を損なわない範囲で任意に変更して実施可能である。
【実施例1】
【0027】
(
図1〜
図4参照)
図1(a)〜
図1(c)に示されたように、両側巻き爪20(
図2)や陥入爪などの変形爪へ装着して矯正治療するのに用いられる第1実施形態の変形爪矯正具50Aの構成を示した図である。
【0028】
図2に示された様態は、右足の第一趾Fに発症した中度の両側巻き爪20の一例を示す正面図である。該正面図に表れる第一趾Fに向かって左右を振り分け各部の呼称を記すと、左側変形爪縁部近傍を22L、右側変形爪縁部近傍を22R、左側変形爪縁端部を23L、右側変形爪縁端部を23R、変形爪甲部を21、爪幅略中央の先端縁を24とする。この両側巻き爪20の様態が示されるように、爪幅略中央の先端縁24から左側変形爪縁部近傍22Lおよび爪幅略中央の先端縁24から右側変形爪縁部近傍22Rへと至る穏やかに湾曲した変形爪甲部21に対して、左側変形爪縁部近傍22Lから至る左側変形爪縁端部23Lおよび右側変形爪縁部近傍22Rから至る右側変形爪縁端部23Rに見られる爪溝を巻き込むように丸まった爪変形とが異なる様態であることを図示で表している。
【0029】
図1で示された本発明の変形爪矯正具50Aの構成図から見える構成を説明する。変形爪矯正具50Aは、
(1−a)該角筒体の長手方向両側端部にかけて形成された長スリット6を用いて、両側巻き爪20の変形爪縁部22に発症した湾曲変形を挟圧力により略扁平状に矯正し、且つ該挟圧力により爪縁用矯正具1を爪へ挟持して保持ができる、挟圧矯正作用部3と、
(1−b)略鈎曲状に湾曲変形した変形爪縁端部23を弾性応力によって押し上げて略扁平状へ矯正する弾性矯正作用部4と、
(1−c)爪甲用矯正具2を嵌入できる断面略円形状の嵌通孔5を角筒体の側端面であって、且つ長手方向に穿設されたこと、
で成した、爪縁用矯正具1。
(2)該左右夫々の変形爪縁部22に配設された爪縁用矯正具1に付設されている嵌通孔5へ嵌入して爪甲表面側で架設されることで、弾性応力によって撓曲状に湾曲変形した爪甲部21を略扁平状へ矯正できる、線状超弾性材を用いて形成された爪甲用矯正具2。
とから変形爪矯正具50Aは成る。
【0030】
変形爪矯正具50A実施例に示された爪甲用矯正具2は、変形爪甲部21の爪甲表面側に設けられたが、爪甲裏面側に設けられてもよい。
【0031】
図1(a)〜
図1(c)で示された(a)は変形爪矯正具50Aの斜視図、(b)は側面図、(c)は背面図である。変形爪矯正具50Aの構成についてさらに説明する。アクリル樹脂によって外寸高さ3mm、幅5mm、奥行き4mm、板厚1mmの略角筒状で射出成形された爪縁用矯正具1(内、挟圧用矯正作用部3が内設される幅は端部から3mm)は、さらに、高さ0.7mm、幅5mmで形成された長スリット6、および高さ0.7mm、幅2mmで形成された短スリット7、および上側保持部8の端面適宜箇所であって筒体長手方向にφ0.55mm、長さ5mmで形成された嵌通孔5を設けて成し、また爪縁用矯正具1に内設された弾性矯正作用部4の形状においては高さ2.2mm、幅2mm、奥行き4mmの略矩形状の爪跳ね上げ防止部11と、高さ0.1mm、幅2mm、奥行き2.5mmの弾性板12が形成され、成している。
【0032】
以上のように、該挟圧矯正作用部3の挟持力は少なくとも湾曲状の変形爪縁部22を略扁平状へ圧潰形成できる矯正用挟圧力と、爪縁に挟持された該爪縁用矯正具1を、保持できる程度の挟持力が得られる形状で形成されている。
【0033】
該爪縁用矯正具1の弾性矯正作用部4の矯正能は、挟圧矯正作用部3に形成される下側挟持部9から延びるアーム態様の片持ちバネ状に弾性板12は形成されていることで、鈎曲変形した変形爪縁端部23を弾性応力によって矯正修復できる矯正能を得ている。
【0034】
また、爪甲用矯正具2は、Ni−Ti系合金製の超弾性ワイヤーφ0.5mm、長さ16mmで成している。なお、患者のアレルギーや爪形から鑑みて、弾性作用を有する材であれば樹脂材や金属材から適宜選択できる。また、形状も線状、矩形状、棒状、板状、楕円状に限らず、爪変形および爪質に応じて適宜形状で形成されてもよい。
【0035】
図3(a)〜
図3(e)は
図1の変形爪矯正具50Aを用いた中度巻き爪の矯正例を表している。
図3(a)は中度の両側巻き爪を発症した爪の例である。
【0036】
図3(b)は、爪縁用矯正具1を変形爪縁部22近傍へ装着した図示である。
【0037】
図3(c)は、爪縁用矯正具1を夫々の変形爪縁部22へ横摺動で略扁平状に矯正しながら装着している図である。変形爪縁部22は爪縁用矯正具1に内設される挟圧矯正作用部3の挟圧力を用いた圧潰により略扁平状に修復されている。また、変形爪縁端部23は弾性矯正作用部4の弾性作用により湾曲状が押し上げられ、略扁平状に修復されているように表れているが、本来は挟圧矯正とは若干時間差が生じている。
【0038】
図3(d)は、変形爪甲部21を矯正するために、両側変形爪縁部22に夫々装着されている爪縁用矯正具1に穿設されている嵌通孔5へ爪甲用矯正具2の端部を夫々嵌入して架設される。
【0039】
図3(e)は、爪甲用矯正具2の弾性作用により、略扁平状に矯正されている。
なお、矯正効果を促進する目的で、矯正治療する直前に両側巻き爪を発症している爪を足湯等でふやかしておいたり、角質柔軟剤等を用いて、柔らかくしておくのもよい。
【0040】
図4は、爪縁用矯正具1の別の装着例である。変形爪縁端部23が屈曲状に変形している場合、弾性矯正作用部4の端部方から変形爪縁端部23の爪溝側へ差込み、弾性作用で屈曲状を略扁平状へ矯正した後に、適宜位置まで爪縁用矯正具1を摺動させて変形爪縁部22を修復された後、変形爪甲部21を矯正するために、両側爪縁部に夫々装着されている爪縁用矯正具1に穿設されている嵌通孔5へ爪甲用矯正具2の端部を夫々嵌入して架設して、両側巻き爪を矯正治療する。
【実施例2】
【0041】
図5(a)〜
図5(c)は、片側巻き爪を発症している爪の矯正に用いられる変形爪矯正具50Bを説明する、(a)は変形爪矯正具50Bの斜視図、(b)は側面図、(c)は背面図である。
【0042】
図5で示された本発明の別の実施例である変形爪矯正具50Bは、爪先端縁に係止される爪先端縁係止具10と前述の爪縁用矯正具1と爪甲用矯正具2とを備えて成している。爪先端縁係止具10を使用することで、正常な爪縁部に負担をかけることなく、片側爪縁に発症した巻き爪の矯正を安全で、且つ好ましい状態で修復できる。なお、該爪先端縁係止具10には当然爪甲用矯正具の片側端部を保持するために穿設された嵌通孔5および長スリット6を備えている。
【実施例3】
【0043】
図6は、両側爪縁部に配設される爪縁用矯正具1と該爪縁用矯正具1間で架設される爪甲用矯正具2とが一体成形で成した変形爪矯正具50Cを表した斜視図である。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明は、医療用器具および美容器具の産業界において利用できる。
【符号の説明】
【0045】
50A、50B、50C・・・変形爪矯正具
1・・・爪縁用矯正具
2・・・爪甲用矯正具
3・・・挟圧矯正作用部
4・・・弾性矯正作用部
5・・・嵌通孔
6・・・長スリット
7・・・短スリット
8・・・上側保持部
9・・・下側保持部
10・・・爪先端縁係止具
11・・・爪抑え部
12・・・弾性板
20・・・両側巻き爪
21・・・変形爪甲部
22・・・変形爪縁部
23・・・変形爪縁端部
24・・・爪幅略中央先端部
F・・・第一趾