特許第6629575号(P6629575)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6629575
(24)【登録日】2019年12月13日
(45)【発行日】2020年1月15日
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/00 20060101AFI20200106BHJP
【FI】
   G03G21/00 386
   G03G21/00 574
【請求項の数】5
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-228748(P2015-228748)
(22)【出願日】2015年11月24日
(65)【公開番号】特開2017-97155(P2017-97155A)
(43)【公開日】2017年6月1日
【審査請求日】2018年10月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】特許業務法人 志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田中 教雄
【審査官】 佐藤 孝幸
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−134589(JP,A)
【文献】 特開2013−172233(JP,A)
【文献】 特開2014−063130(JP,A)
【文献】 特開2005−196692(JP,A)
【文献】 特開2012−074998(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0306144(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
消色される色剤を含む記録剤である消色性記録剤及び消色されない色剤を含む記録剤である非消色性記録剤のいずれかの情報を、シートを収容する給紙カセット毎に設定する設定部と、
設定された前記情報と、ユーザが印刷に使用する記録剤として選択した記録剤とに基づいて、ユーザが選択できる給紙カセットを制限して表示することによって給紙元のカセットとして選択できないように表示を制御する表示制御部と、
を備える画像形成装置。
【請求項2】
前記設定部は、前記消色性記録剤及び前記非消色性記録剤のいずれを印刷に使用する記録剤として許可するのかを示す情報を前記給紙カセット毎に設定し、
前記表示制御部は、前記ユーザが印刷に使用する記録剤として選択した記録剤を許可する設定がなされていない給紙カセットの表示を制限することによって前記給紙元のカセットとして選択できないように表示を制御する、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記設定部は、前記消色性記録剤及び前記非消色性記録剤のいずれを印刷に使用する記録剤として禁止するのかを示す情報を前記給紙カセット毎に設定し、
前記表示制御部は、前記ユーザが印刷に使用する記録剤として選択した記録剤を禁止する設定がなされている給紙カセットの表示を制限することによって前記給紙元のカセットとして選択できないように表示を制御する、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
消色される色剤を含む記録剤である消色性記録剤及び消色されない色剤を含む記録剤である非消色性記録剤のいずれかの情報を、シートを収容する給紙カセット毎に設定する設定部と、
ユーザが印刷に使用する記録剤として選択した記録剤に基づいて、前記給紙カセットを給紙元のカセットとして良いか否かを確認するための表示を行う表示制御部と、
を備える画像形成装置。
【請求項5】
前記表示制御部は、前記設定部において設定された前記情報を給紙カセット毎に確認できるような表示を行う、請求項1から4のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、消色される色剤を含む記録剤(以下、「消色性記録剤」という。)で印刷されたシートを消色することによって再利用することが行われている。消色性記録剤で印刷されたシートは、消色することによって複数回再利用することが可能であるが、回数を重ねるにつれて印刷の品質が低下する。再利用されたシートが収容されている給紙カセットを把握していないユーザによっては、再利用されているシートに機密文書や公的な文書を印刷してしまう可能性があった。このような問題は、機密文書や公的な文書に限らず、再利用を目的としない文書を印刷する場合全てに共通する問題である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5760123号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、再利用されているシートに誤って再利用を目的としない文書を印刷してしまうことを防ぐことができる画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の画像形成装置は、設定部と、表示制御部とを持つ。設定部は、消色される色剤を含む記録剤である消色性記録剤及び消色されない色剤を含む記録剤である非消色性記録剤のいずれかの情報を、シートを収容する給紙カセット毎に設定する。表示制御部は、設定された前記情報と、ユーザが印刷に使用する記録剤として選択した記録剤とに基づいて、ユーザが選択できる給紙カセットを制限して表示することによって給紙元のカセットとして選択できないように表示を制御する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】実施形態の画像形成装置100の全体構成例を示す外観図。
図2】画像形成装置100の機能構成を示すブロック図。
図3】制御部300の機能構成を表す概略ブロック図。
図4】トナーの許可設定がなされていない場合のディスプレイ110の画面の一例を示す図。
図5】設定画面の一例を示す図。
図6】トナー許可設定完了後のディスプレイ110の画面の表示例を示す図。
図7】トナー許可設定完了後の印刷時におけるディスプレイ110の画面の表示例を示す図。
図8】画像形成装置100の処理の流れを示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施形態の画像形成装置を、図面を参照して説明する。
図1は、実施形態の画像形成装置100の全体構成例を示す外観図である。
実施形態の画像形成装置100は、シートにトナー像を形成可能な複合機(MFP;Multi Function Peripheral)である。シートは、例えば原稿や、文字や画像などが記載された紙などである。シートは、画像形成装置100が読み取ることができる物であればどのような物であってもよい。画像形成装置100は、シート上に表れている画像を読み取ってデジタルデータを生成し、画像ファイルを生成する。
【0008】
画像形成装置100は、ディスプレイ110、コントロールパネル120、プリンタ部130、シート収容部140及び画像読取部200を備える。なお、画像形成装置100のプリンタ部130は、トナー像を定着させる装置であってもよいし、インクジェット式の装置であってもよい。本実施形態では、プリンタ部130は、トナー像を定着させる装置である場合を例に説明する。
ディスプレイ110は、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等の画像表示装置である。ディスプレイ110は、画像形成装置100に関する種々の情報を表示する。例えば、ディスプレイ110は、各給紙カセットの情報、印刷に使用するトナーの情報、印刷モードの情報などを表示する。また、ディスプレイ110は、ユーザによって行われた操作に応じた信号を、画像形成装置100の制御部に出力する。
【0009】
コントロールパネル120は、複数のボタンを有する。コントロールパネル120は、ユーザの操作を受け付ける。コントロールパネル120は、ユーザによって行われた操作に応じた信号を、画像形成装置100の制御部に出力する。なお、ディスプレイ110とコントロールパネル120とは一体のタッチパネルとして構成されてもよい。
プリンタ部130は、画像形成処理を実行する。画像形成処理では、プリンタ部130は、画像読取部200によって生成された画像情報又は通信路を介して受信された画像情報に基づいて、シート上に画像を形成する。
【0010】
シート収容部140は、複数の給紙カセットを有する。各給紙カセットには、印刷に使用するトナーの許可設定ができる。具体的には、給紙カセット毎に、消色トナーによる印刷の許可、非消色トナーによる印刷の許可及び消色トナーと非消色トナーによる印刷の許可が設定できる。消色トナーとは、消色性記録剤のトナーである。非消色トナーとは、消色できない記録剤のトナーである。ここで消色とは、シートの下地の色とは異なる色(有彩色のみならず白色及び黒色等の無彩色を含む。)で形成された画像を視覚的に見えなくすることを意味する。なお、消色は、加熱による消色以外の方法で行われてもよい。トナーの許可設定は、ユーザがディスプレイ110又はプリンタドライバを操作することによって行われる。なお、トナーの許可設定及び設定の変更は、ユーザがパーソナルコンピュータ等の外部装置を操作することによって行われてもよい。本実施形態では、ユーザがディスプレイ110に表示された内容に基づいて操作して給紙カセットのトナーの許可設定を行う場合を例に説明する。
画像読取部200は、読み取り対象の画像情報を光の明暗として読み取る。画像読取部200は、読み取られた画像情報を記録する。記録された画像情報は、ネットワークを介して他の情報処理装置に送信されてもよい。記録された画像情報は、プリンタ部130によってシート上に画像形成されてもよい。
【0011】
図2は、画像形成装置100の機能構成を示すブロック図である。
ディスプレイ110、コントロールパネル120、プリンタ部130、シート収容部140及び画像読取部200については、上記の説明と同様の説明になるため省略する。以下、制御部300、ネットワークインタフェース310、補助記憶装置320及びメモリ330について説明する。なお、各機能部は、システムバス10を介してデータ通信可能に接続されている。
【0012】
制御部300は、画像形成装置100の各機能部の動作を制御する。制御部300は、プログラムを実行することにより各種の処理を実行する。制御部300は、ユーザが入力した指示をディスプレイ110から取得する。制御部300は、取得した指示に基づいて制御処理を実行する。例えば、制御部300は、シート収容部140の各給紙カセットの設定を行う。また、例えば、印刷時において制御部300は、ユーザが印刷に使用するトナーとして選択したトナーに応じて、ディスプレイ110の表示態様を制御する。以下、ユーザが印刷に使用するトナーとして選択したトナーを選択トナーと記載する。具体的には、制御部300は、選択トナーの許可設定がなされていない給紙カセット(以下、「非許可カセット」という。)を、他の給紙カセットと異なる表示態様で表示する。例えば、制御部300は、ディスプレイ110に表示されている給紙カセットの情報のうち非許可カセットの情報をユーザが選択できないような表示態様で表示する。選択できないような表示態様とは、例えばグレースケールであってもよいし、ディスプレイ110上に非許可カセットを表示しないようにしてもよい。
【0013】
ネットワークインタフェース310は、他の装置との間でデータの送受信を行う。ネットワークインタフェース310は、入力インタフェースとして動作し、他の装置から送信されるデータを受信する。また、ネットワークインタフェース310は、出力インタフェースとして動作し、他の装置に対してデータを送信する。
補助記憶装置320は、例えばハードディスク又はSSD(solid state drive)であり、各種データを記憶する。各種データは、例えばデジタルデータ、設定画面の画面データ、設定情報、ジョブ及びジョブログなどである。デジタルデータは、画像読取部200が生成するデジタルデータである。設定画面は、トナーの許可設定を行うための画面である。設定情報は、ユーザによって設定されたトナーの許可設定に関する情報である。
メモリ330は、例えばRAM(Random Access Memory)である。メモリ330は、画像形成装置100が備える各機能部が用いるデータを一時的に記憶する。なお、メモリ330は、画像読取部200が生成するデジタルデータを記憶してもよい。メモリ330は、ジョブ及びジョブログを一時的に記憶してもよい。
【0014】
図3は、制御部300の機能構成を表す概略ブロック図である。
図3に示されるように、制御部300は、表示制御部301、設定部302及び印刷制御部303を備える。
表示制御部301は、ディスプレイ110の表示を制御する。例えば、表示制御部301は、ユーザの操作に応じて設定画面をディスプレイ110に表示する。また、例えば、表示制御部301は、補助記憶装置320に記憶されている設定情報に基づいて、非許可カセットの情報を他の給紙カセットの情報と異なる表示態様で表示する。
設定部302は、設定画面においてユーザに設定された内容に基づいて、各給紙カセットの設定を行う。設定部302は、設定された内容を設定情報として補助記憶装置320に記憶させる。
印刷制御部303は、印刷の指示がなされた場合にプリンタ部130を制御して印刷を実行する。
【0015】
次に、図4図7を用いて、トナー許可設定及び許可設定後の画像形成装置100の動作について説明する。
図4は、トナーの許可設定がなされていない場合のディスプレイ110の画面の一例を示す図である。図4に示されるように、ディスプレイ110の画面には、給紙カセット情報領域400及びトナー選択領域410で示される情報などが表示されている。
給紙カセット情報領域400には、給紙カセットに関する情報が表示される。例えば、給紙カセット情報領域400には、給紙カセット毎に、収容されているシートのサイズ、シートの枚数情報及び許可設定がなされたトナーに関する情報が表示される。図4に示す例では、給紙カセット情報領域400に4つの給紙カセット401−1〜401−4に関する情報が表示される。図4に示す例では、トナーの許可設定がなされていないため給紙カセット401−1〜401−4のいずれにも許可設定がなされたトナーに関する情報が表示されていない。なお、図4に示すように、許可設定がなされたトナーに関する情報が表示されていない場合には、両方のトナーが許可されているものとしてもよい。
【0016】
トナー選択領域410には、印刷に使用するトナーを選択させるための複数のボタンが表示される。トナー選択領域410に表示されるボタンは、非消色ボタン411及び消色ボタン412である。非消色ボタン411は、印刷に使用するトナーとして非消色トナーを使用する場合に選択されるボタンである。消色ボタン412は、印刷に使用するトナーとして消色トナーを使用する場合に選択されるボタンである。
なお、ディスプレイ110の画面には、上記情報以外の情報も表示されるが説明の簡単化のため既存の情報についての説明は省略する。また、ディスプレイ110の画面には、設定画面を表示させるための設定ボタンが表示されてもよい。
【0017】
ユーザによって、設定ボタンが選択されると、表示制御部301は図4に示す画面上に設定画面を重畳して表示する。設定画面が表示された例を図5に示す。図5は、設定画面の一例を示す図である。図5に示すように、設定画面440には、給紙カセットの選択ボタン441−1〜441−4、許可設定トナー選択領域442及び設定完了ボタン443が表示される。給紙カセットの選択ボタン441−1は、給紙カセット401−1に対応する。なお、他も同様に、給紙カセットの選択ボタン441−2〜441−4は、給紙カセット401−2〜401−4に対応する。ユーザが給紙カセットの選択ボタン441−1〜441−4のいずれかを選択することによって、選択された給紙カセットのトナー許可設定が可能になる。図5では、給紙カセットの選択ボタン441−1が選択された例を示している。許可設定トナー選択領域442には、非消色トナー及び消色トナーのいずれを許可するのかを選択させる表示がなされる。設定完了ボタン443は、トナー許可設定が完了した場合に選択されるボタンである。図5を用いて、トナー許可設定の流れについて説明する。
【0018】
まず、ユーザは、トナー許可設定をしたい給紙カセットに対応する選択ボタンを選択する。ここで、給紙カセットの選択ボタン441−1が選択されたとする。次に、ユーザは、許可設定トナー選択領域442に表示されているトナーの中から印刷を許可するトナーを選択する。ここで、非消色トナーが選択されたとする。これにより、給紙カセット401−1のトナー許可設定が完了する。設定された内容は、給紙カセットの選択ボタンに表示される。図5に示す例では、給紙カセット401−1のトナー許可設定の他に、給紙カセット401−4のトナー許可設定がなされている。そして、ユーザによって設定完了ボタン443が選択されると、トナー許可設定が完了する。この場合、設定部302は、設定された内容を設定情報として補助記憶装置320に記憶させる。
【0019】
図6は、トナー許可設定完了後のディスプレイ110の画面の表示例を示す図である。
図6に示される例では、給紙カセット情報領域400の給紙カセット401−1〜401−4に、許可設定がなされたトナーの情報が表示されている。例えば、給紙カセット401−1のように「非消色」との表示は、非消色トナーによる印刷のみを許可する設定がなされていることを表す。給紙カセット401−2及び401−3のようにトナーの情報が何も示されていない表示は、消色トナー及び非消色トナーによる印刷を許可する設定がなされていることを表す。給紙カセット401−4のように「消色」との表示は、消色トナーによる印刷のみを許可する設定がなされていることを表す。次に、図6に示すようなトナー許可設定がなされた後に、ユーザが印刷を行う場合について図7を用いて説明する。
【0020】
図7は、トナー許可設定完了後の印刷時におけるディスプレイ110の画面の表示例を示す図である。なお、図7では、ユーザによって消色トナーによる印刷が選択された例を示している。
ユーザによって消色トナーによる印刷が選択されると、表示制御部301は次のような処理を行う。表示制御部301は、給紙カセット401−1〜401−4のうち消色トナーによる印刷が許可されていない非許可カセットがあるか否か判定する。図7の例では、給紙カセット401−1が非許可カセットに該当する。この場合、表示制御部301は、給紙カセット401−1の情報を他の給紙カセット401−2〜401−4の情報と異なる表示態様で表示する。このような表示をすることによって、表示制御部301はユーザに給紙カセット401−1を選択できないことを認識させる。
上記と同様に、ユーザによって非消色トナーによる印刷が選択されると、表示制御部301は次のような処理を行う。表示制御部301は、給紙カセット401−1〜401−4のうち非消色トナーによる印刷が許可されていない非許可カセットがあるか否か判定する。図7の例では、給紙カセット401−4が非許可カセットに該当する。この場合、表示制御部301は、給紙カセット401−4の情報を他の給紙カセット401−1〜401−3の情報と異なる表示態様で表示する。
【0021】
図8は、画像形成装置100の処理の流れを示すフローチャートである。なお、図8の処理は、ユーザによってトナーが選択された後に実行される。
表示制御部301は、ユーザに選択されたトナーに基づいて、非許可カセットがあるか否か判定する(ACT101)。非許可カセットがある場合(ACT101:YES)、表示制御部301はディスプレイ110の画面の表示制御を行う(ACT102)。具体的には、表示制御部301は、画面上の非許可カセットに対応する給紙カセットを選択できないような表示態様で表示する。その後、印刷制御部303は、印刷の指示が入力されたか否か判定する(ACT103)。印刷の指示が入力された場合(ACT103:YES)、印刷制御部303はプリンタ部130を制御して印刷を実行する(ACT104)。この際、印刷制御部303は、ユーザに選択されたトナーで印刷するようにプリンタ部130を制御する。
【0022】
一方、印刷の指示が入力されていない場合(ACT103:NO)、表示制御部301はトナーの選択がなされたか否か判定する(ACT105)。トナーの選択がなされた場合(ACT105:YES)、画像形成装置100はACT101以降の処理を実行する。
一方、トナーの選択がなされていない場合(ACT105:NO)、画像形成装置100はACT103以降の処理を実行する。
ACT101の処理において、非許可カセットがない場合(ACT101:NO)、画像形成装置100はACT103以降の処理を実行する。
【0023】
以上のように構成された画像形成装置100によれば、再利用されているシートに誤って再利用を目的としない文書を印刷してしまうことを防ぐことが可能になる。以下、この効果について詳細に説明する。
画像形成装置100は、ユーザの設定に応じて、印刷に使用するトナーとして許可するトナーを給紙カセット毎に設定する。例えば、ユーザが、再利用されているシートを収容する給紙カセットを消色トナーによる印刷のみ許可する設定を行うと、画像形成装置100は上記設定を行う。そして、画像形成装置100は、設定内容と、ユーザが印刷時に選択したトナーとに基づいて、ユーザが選択できる給紙カセットを制限する。これにより、ユーザが非消色トナーで印刷を行う場合には、消色トナーによる印刷のみ許可されている再利用されているシートを収容する給紙カセットが選択できなくなる。したがって、ユーザが非消色トナーで印刷を行う場合には、再利用されているシートに印刷が行われなくなる。そのため、再利用されているシートに誤って再利用を目的としない文書を印刷してしまうことを防ぐことが可能になる。
【0024】
また、ユーザが、消色トナーで印刷を行う場合には、消色トナーによる印刷のみ許可されている再利用されているシートを収容する給紙カセットが選択できる。したがって、画像形成装置100は、再利用されているシートに再度消色トナーによる印刷を行うことができる。そのため、再利用されているシートの再利用率を高めることができる。
また、表示制御部301は、設定部302において設定されたトナー許可設定に関する情報を給紙カセット毎に確認できるような表示を行う。具体的には、表示制御部301は、許可されているトナーの情報を給紙カセット毎に表示する。したがって、ユーザは、ディスプレイ110の画面を見るだけでどの給紙カセットがどのトナーを許可しているのかを把握することができる。そのため、再利用されているシートに誤って再利用を目的としない文書を印刷してしまうことを防ぐことが可能になる。
【0025】
以下、画像形成装置100の変形例について説明する。
給紙カセットのトナー許可設定及び設定の変更は、画像形成装置100の管理者等の特定のユーザのみが行なえるように構成されてもよい。
給紙カセットのトナー許可設定の情報表示は、図4図8に示す給紙カセット情報領域400の表示に限定される必要はない。例えば、給紙カセットのトナー許可設定の情報表示は、絵でもよいし、アイコンなどであってもよい。
本実施形態では、設定部302は、給紙カセットのトナー許可設定を行う構成を示したが、これに限定される必要はない。例えば、設定部302は、給紙カセットのトナー禁止設定を行うように構成されてもよい。この場合、表示制御部301は、ユーザが印刷に使用するトナーとして選択したトナーが、禁止設定されている給紙カセットを選択できないように表示を制御する。
画像形成装置100は、ユーザ認証してユーザ毎に、給紙カセットのトナー許可設定を行うように構成されてもよい。このように構成される場合、補助記憶装置320は、ユーザ毎に、給紙カセットのトナー許可設定に関する情報を記憶する。そして、表示制御部301は、ユーザ認証がなされたユーザに対しては、認証がなされたユーザが設定したトナー許可設定に応じた表示を行う。
【0026】
本実施形態では、表示制御部301が非許可カセットの情報を他の給紙カセットの情報と異なる表示態様で表示する構成を示したが、他の表示を行うように構成されてもよい。他の表示の例として、ユーザに意思確認を行うためにポップアップ表示を行う方法がある。このように構成される場合、表示制御部301は非許可カセットもシートの給紙先として選択可能に表示する。ここで、ユーザによって印刷に使用するシートの給紙先として非許可カセットが選択されたとする。この場合、表示制御部301は、ユーザに対して、非許可カセットが選択された旨の表示と印刷するか否かを選択させるボタンとをポップアップ表示で表示する。そして、ユーザによって印刷する旨を示すボタンが選択されると、印刷制御部303は非許可カセットから供給されたシートに印刷を行うように制御する。一方、ユーザによって印刷しない旨を示すボタンが選択されると、表示制御部301は再度選択させる画面(例えば、図6の画面)を表示する。
【0027】
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、消色トナー及び非消色トナーのいずれかの情報を給紙カセット毎に設定する設定部302と、所定の条件を満たす給紙カセットを給紙元のカセットとして選択できないように表示を制御する表示制御部301とを持つことにより、再利用されているシートに誤って再利用を目的としない文書を印刷してしまうことを防ぐことができる。
【0028】
また、上述した実施形態における画像形成装置100の一部の機能をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録する。そして、上述したプログラムを記録した記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、オペレーティングシステムや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、可搬媒体や記憶装置等のことをいう。可搬媒体は、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等である。また、記憶装置は、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等である。
【0029】
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するものである。通信回線は、インターネット等のネットワークや電話回線等である。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」は、サーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリであってもよい。揮発性メモリは、一定時間プログラムを保持しているものである。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。また上記プログラムは、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
【0030】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0031】
100…画像形成装置,110…ディスプレイ,120…コントロールパネル,130…プリンタ部,140…シート収容部,200…画像読取部,300…制御部,301…表示制御部,302…設定部,303…印刷制御部,310…ネットワークインタフェース,320…補助記憶装置,330…メモリ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8