特許第6629587号(P6629587)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6629587
(24)【登録日】2019年12月13日
(45)【発行日】2020年1月15日
(54)【発明の名称】サスペンション構造
(51)【国際特許分類】
   G11B 21/10 20060101AFI20200106BHJP
   G11B 21/21 20060101ALI20200106BHJP
   G11B 5/60 20060101ALI20200106BHJP
   G11B 5/596 20060101ALI20200106BHJP
   H01L 41/09 20060101ALI20200106BHJP
   H01L 41/047 20060101ALI20200106BHJP
   H01L 41/083 20060101ALI20200106BHJP
【FI】
   G11B21/10 N
   G11B21/21 D
   G11B5/60 P
   G11B5/596
   H01L41/09
   H01L41/047
   H01L41/083
【請求項の数】10
【外国語出願】
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2015-244137(P2015-244137)
(22)【出願日】2015年12月15日
(65)【公開番号】特開2016-115390(P2016-115390A)
(43)【公開日】2016年6月23日
【審査請求日】2018年10月10日
(31)【優先権主張番号】14/572,263
(32)【優先日】2014年12月16日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508130890
【氏名又は名称】ハッチンソン テクノロジー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】HUTCHINSON TECHNOLOGY INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ジェイコブ ディ.ビョルシュトローム
【審査官】 中野 和彦
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2014/099746(WO,A1)
【文献】 国際公開第2011/145453(WO,A1)
【文献】 特開2001−309673(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/190001(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2001/0046107(US,A1)
【文献】 国際公開第2014/021440(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G11B 21/10
G11B 5/596
G11B 5/60
G11B 21/21
H01L 41/047
H01L 41/083
H01L 41/09
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サスペンション構造であって、
ジンバル形撓み部材、及び
前記撓み部材に取り付けられるモータであって、第1の主要な広範な面、及び、該第1の主要な広範な面とは反対側の第2の主要な広範な面を有しており、該モータが、
前記第1の主要な広範な面の少なくとも一部に沿う第1の端子であって、第1の金属の第1の導電層を含んでいる、第1の端子と、
第2の端子であって、前記第1の金属の第2の導電層を含んでいる、第2の端子と、
前記第1の主要な広範な面と前記第2の主要な広範な面との間に位置付けられる1つ又は複数の層の圧電材料と、
前記第1の主要な広範な面に沿って前記第1の端子に直接的に配置される金属補強材であって、第2の金属の第2の層を含むとともにモータに対してカールするプロファイルを達成するように構成されている、金属補強材と、を含んでおり、
前記1つ又は複数の層の圧電材料が、前記第1の端子及び前記第2の端子にわたる差動信号の印加時に拡張又は収縮の一方又は双方を行うように構成されている、サスペンション構造。
【請求項2】
前記補強材が前記第1の主要な広範な面の大部分を画定している、請求項1に記載のサスペンション構造。
【請求項3】
前記モータが、第1の長辺、該第1の長辺とは反対側の第2の長辺、第1の端辺、該第1の端辺とは反対側の第2の端辺を更に含んでおり、前記補強材が、前記モータの第1の主要な広範な面にのみ位置付けられているが、前記第2の主要な広範な面、前記第1の長辺、前記第2の長辺、前記第1の端辺及び前記第2の端辺のいずれにも位置付けられていない、請求項1に記載のサスペンション構造。
【請求項4】
前記第1の金属が金であり、前記第2の金属がニッケルである、請求項1に記載のサスペンション構造。
【請求項5】
前記第1の金属が、前記第2の金属よりも高い導電率を有しており、該第2の金属が、前記第1の金属よりも高い弾性率を有している、請求項1に記載のサスペンション構造。
【請求項6】
前記補強材が前記第1の導電層よりも厚い、請求項1に記載のサスペンション構造。
【請求項7】
前記補強材が、前記第1の導電層にのみ取着されているが、前記サスペンション構造の任意の他の構成要素には取着されていない、請求項1に記載のサスペンション構造。
【請求項8】
前記補強材が前記第1の導電層にめっきされている、請求項1に記載のサスペンション構造。
【請求項9】
前記撓み部材が、スライダ取り付け部を有するタングを更に含んでおり、前記モータによって、前記1つ又は複数の層の圧電材料の電気的な作動時に、トラッキング軸を中心に前記タングの回転が生じる、請求項1に記載のサスペンション構造。
【請求項10】
前記第2の導電層が前記第2の主要な広範な面に位置付けられている、請求項1に記載のサスペンション構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスクドライブ、及び、ディスクドライブのサスペンションに関する。特に、本発明は、めっきされた補強材を有するモータを備えた2段始動(dual stage actuation(DSA))サスペンションである。
【背景技術】
【0002】
2段始動(DSA)ディスクドライブヘッドサスペンション、及び、DSAサスペンションを組み込んだディスクドライブが一般的に既知であり、市販されている。例えば、サスペンションのベースプレート又は他の取り付け部分上、すなわちサスペンションのばね又はヒンジ領域に対して近位の作動構造を有するDSAサスペンションが、Okawaraの特許文献1、Shumの特許文献2、Fuchinoの特許文献3、及び、Imamuraの特許文献4に記載されている。サスペンションのロードビーム又はジンバル部分、すなわちばね又はヒンジ領域に対して遠位に位置付けられるアクチュエーション構造部を有するDSAサスペンションも既知であり、例えば、Jurgensonの特許文献5、Krinkeの特許文献6及びYaoの特許文献7に開示されている。同一位置に配置されるジンバルベースのDSAサスペンションが、Millerの、特許文献8、特許文献9及び特許文献10に開示されている。上記で明記した特許及び特許出願は全て、あらゆる目的でその全体が参照により本明細書に援用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開第2010/0067151号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2012/0002329号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2011/0242708号明細書
【特許文献4】米国特許第5,714,444号明細書
【特許文献5】米国特許第5,657,188号明細書
【特許文献6】米国特許第7,256,968号明細書
【特許文献7】米国特許出願公開第2008/0144225号明細書
【特許文献8】米国特許第8,681,456号明細書
【特許文献9】米国特許第8,891,206号明細書
【特許文献10】米国特許出願公開第2014/0098440号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
DSAサスペンションの改良された性能が依然として必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
種々の実施形態は、2段始動構造部を有するジンバル形撓み部材(flexure)に関する。この撓み部材は、モータが取り付けられるジンバルを含む。モータは、第1の端子、第2の端子、第1の主要な広範な面、及び、第1の主要な広範な面とは反対側の第2の主要な広範な面を含む。第1の端子及び第2の端子は、第1の金属からそれぞれ形成される第1の導電層及び第2の導電層を含む。モータは、第1の主要な広範な面と第2の主要な広範な面との間に位置付けられる1つ又は複数の層の圧電材料を更に含む。モータは、第1の主要な広範な面に沿って第1の端子に直接的に配置される金属補強材を更に含み、補強材は第2の金属の第2の層を含む。1つ又は複数の層の圧電材料は、第1の端子及び第2の端子にわたる差動信号の印加時に拡張又は収縮の一方又は双方を行うように構成されている。補強材は、圧電材料の電気的な作動時にモータをカール(curl)させ、これによって、撓み部材の一部が優先的にカールする。モータは、第1の長辺、第1の長辺とは反対側の第2の長辺、第1の端辺、第1の端辺とは反対側の第2の端辺を含む。補強材は、モータの第1の主要な広範な面にのみ位置付けられ、第2の主要な広範な面、第1の長辺、第2の長辺、第1の端辺及び第2の端辺のいずれにも位置付けられない。補強材は、第1の長辺、第2の長辺、第1の端辺及び第2の端辺のそれぞれの1つ、幾つか若しくは全てにわたす長さ及び幅を有することができるか、又は、補強材の縁はそのような辺から引っ込むことができる。第1の導電層及び第2の導電層は、圧電材料にスパッタリングされる金から形成することができる。補強材は、第1の導電層の金にめっきすることができる。
【0006】
種々の実施形態の更なる特徴及び変更形態が、本明細書において更に説明されるとともに図面に示される。複数の実施形態が開示されるが、本開示の更に他の実施形態が、本開示の例示的な実施形態を示し記載する以下の詳細な説明から当業者には明らかとなるであろう。したがって、図面及び詳細な説明は、事実上例示的なものとみなされ、限定的であるとみなされるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】2段始動(DSA)構造部を有する撓み部材を有するサスペンションのロードビーム側の斜視図である。
図2図1に示されているサスペンションの遠位端の撓み部材側(すなわち、図1に示されている側とは反対の側)の斜視図である。
図3】モータを有するDSA構造部を強調するようにサスペンションの部分が図から外された状態の、撓み部材の遠位端のステンレス鋼側の斜視図である。
図4図3と同じ図であるが、モータがDSA構造部を第1の方向に関節運動させている状態である。
図5図3及び図4と同じ図であるが、モータがDSA構造部を第2の方向に関節運動させている状態である。
図6図3のモータの詳細な図である。
図7図3のモータの別の詳細な図であるが、図6の図とは異なる視点からの図である。
図8図3のモータの断面図である。
図9図8の同じ断面図であるが、モータが横方向に概ね拡張するように作動されている間の図である。
図10図8の同じ断面図であるが、モータが横方向に概ね収縮するように作動されている間の図である。
図11】補強材を有するモータの詳細な図である。
図12】補強材を有するモータの詳細な図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
複数の実施形態が開示されるが、本開示の範囲内にある更に他の実施形態が、例示的な実施形態を示し記載する以下の詳細な説明から当業者には明らかとなるであろう。したがって、図面及び詳細な説明は、事実上例示的なものとみなされ、限定的であるとみなされるべきではない。
【0009】
図1は、同一位置に配置されるか又はジンバルベースの2段始動(DSA)構造部を有する撓み部材4を有するサスペンション2のロードビーム側の斜視図である。図1に示されているように、サスペンション2は、近位取り付け構造部としてベースプレート6を含む。サスペンション2は、ばね又はヒンジ領域12に沿ってベースプレート6に連結される剛性の又はビーム領域10を有するロードビーム8を含む。ロードビーム8はステンレス鋼から形成することができる。撓み部材4は、撓み部材4の遠位端にジンバル14を含む。DSA構造部16が、ロードビーム8の遠位端に隣接してジンバル14に位置付けられる。本明細書において用いられる場合、近位及び遠位は、サスペンション2の長手方向軸に沿う相対的な方向を指す。例えば、ベースプレート6は、ロードビーム8の近位にある。軸の矢印(key)13が、図1及び後続の図においてX軸、Y軸及びZ軸を示す。サスペンション2は、遠位方向及び近位方向にX軸に沿って概ね細長い。Y軸は、横方向の左右の方向を表す。撓み部材4を含むサスペンション2は、X軸及びY軸によって画定されるX−Y平面と概ね同一平面上にある。Z軸は、高さ並びに下及び上の向きを表す。
【0010】
図2は、サスペンション2の遠位端の撓み部材側の詳細な斜視図である。図2は、図1に対してサスペンション2の反対側を示す。ヘッドスライダ18が、サスペンション2の、ロードビーム8とは反対の側においてジンバル14のタング20に取り付けられる。スライダ18は、タング20のスライダ取り付け部に取り付けられる。スライダ取り付け部は、スライダ18(又はスライダ18が取着される構成要素)を、エポキシ等の接着剤等によって取着することができるタング20の表面である。スライダ18をジンバル14の異なる部分に取着することができることが理解されるであろう。図2は、ジンバル14に取り付けられているモータ22を更に示している。
【0011】
撓み部材4は、当該技術分野において既知であるように、幾つかの層から構成される。撓み部材4はステンレス鋼層24を含む。ステンレス鋼層24は、撓み部材4に対する構造的な骨格になる。ステンレス鋼以外の金属を使用してもよい。ステンレス鋼層24はばねアーム30を含むことができる。ステンレス鋼層24はタング20を更に含むことができる。タング20は、ばねアーム30によって支持することができる。例えば、ステンレス鋼層24から形成される支柱を、ばねアーム30の対と、その間に位置付けられるタング20との間に渡すことができる。
【0012】
撓み部材4はトレース部分26を含む。トレース部分26は、ステンレス鋼層24に部分的に位置付けることができ、フライングリードセグメント等の種々の位置においてステンレス鋼層24から延ばすことができる。トレース部分26は、1つ又は複数の誘電体層25によって絶縁される複数のトレース28を含むことができる。トレース28は、銅又は別の導電性材料から形成することができる。誘電体層25は、ポリイミド又は別のポリマーから形成することができる。トレース28は、当該技術分野において既知であるように、ディスクドライブの制御回路部の近位に電気的に接続することができる。トレース28は、モータ22等の種々の構成要素の遠位に電気的に接続することができる。スライダ18は、サスペンション2に沿って読み書き信号を送信するように、トレース28のうちの1つ又は複数に電気的に接続することができる。
【0013】
図3は、DSA構造部16を強調するようにサスペンション2の部分が図から外された状態の、撓み部材4の遠位端のステンレス鋼側の斜視図である。DSA構造部16は、ロードビーム8(図3には示されていない)とヘッドスライダ18との間で撓み部材4のジンバル14に取り付けられるモータ22を含む。以下でより詳細に説明するように、モータ22に印加される電気的な差動信号に応答して、モータ22は、タング20及びスライダ18を含むジンバル14の部分を、概ね横断方向のトラッキング軸を中心に駆動する。
【0014】
コネクタ34はモータ22を撓み部材4に取着させる。具体的には、コネクタ34の対が、モータ22の横方向端を、一対のばねアーム30にそれぞれ位置付けられる端子パッド32に接続する。本明細書において用いられる場合、横方向とは、サスペンション2の長手方向軸に直交する左右の方向を指す。端子パッド32は、金属(例えば銅)から形成することができ、撓み部材4の誘電体層25を通して露出され、コネクタ34に、トレース28と電気的に接続させるようにアクセスを提供する。コネクタ34は、モータ22のそれぞれの陽極及び陰極の端子に接続することができる。コネクタ34はまた、撓み部材4上でモータ22を機械的に支持する。コネクタ34は、はんだ、(例えば銀が充填された)導電性エポキシ、又は、電極の接続部を形成する他の材料を含むことができる。
【0015】
モータ22は、この実施形態では、モータ22の、撓み部材4に面しない上面を表す第1の主要な広範な面36を含む。モータ22は、第1の主要な広範な面36の一部を画定する補強材40を含む。補強材40は代替的に、モータ22の、撓み部材4に向かって面する底面に位置付けることができる。補強材40は金属要素である。補強材40は、モータ22の別の層上に直接的にめっきすることによってモータ22に堆積させることができる。補強材40の構造、機能及び他の態様を、本明細書において更に説明する。
【0016】
図3では、モータ22は、トラック差動信号がモータ22に印加されないニュートラルな非駆動状態にある。なお、図3におけるモータ22及び補強材40のそれぞれは、X−Y平面に平行なそれぞれの平面的なプロファイルを有する。モータ22の厚さはZ軸に沿って測定されるが、モータ22のプロファイルは、ニュートラルな非駆動状態にある場合は実質上全体にX−Y平面に沿う。モータ22の作動によるタング20の回転によって、スライダ取り付け部、それによってスライダ18が、図4及び図5において明示され、本明細書において更に説明されるようにトラッキング軸を中心に回転する。
【0017】
図4は、モータ22が電気的に作動して拡張するときの撓み部材4の斜視図である。図4では、第1の差動信号が、トレース28及びコネクタ34を介してモータ22の両端に印加される。(例えば第1の極性を有する)第1の差動信号は、モータ22の形状を変化させる。より具体的には、モータ22の長さが概ね拡張する。モータ22の拡張によって、タング20、及び、タング20に取り付けられているスライダ18が、回転軸を中心に第1の方向に機械的に撓む。回転軸はZ軸と概ね平行である。図示のように、モータ22は、第1の差動信号の印加時にZ軸に沿って幾らかの面外の動きを呈する。より具体的には、モータ22は、モータ22の横方向端が、モータ22の中間に対してスライダ18及びステンレス鋼層24から離れるように拡張すると、撓み部材4から離れるようにカールする。モータ22のカールする動きは、モータ22が、駆動されないときに(例えば図3における)平坦であるX−Y平面から曲がることを意味する。カールするプロファイルは、本明細書において更に説明するように、補強材40によって少なくとも部分的に達成される。
【0018】
図5は、図5ではモータ22が電気的に作動されて概ね収縮する以外は、図4と同じ撓み部材4の斜視図である。収縮は、(例えば第1の極性とは反対の第2の極性を有する)第2の差動信号を、トレース28及びコネクタ34を介してモータ22の両端に印加することによって生じる。モータ22の収縮によって、タング20、及び、タング20に取り付けられているスライダ18が、回転軸を中心に第2の方向に機械的に撓み、第2の方向は第1の方向とは反対である。図示のように、モータ22は、第2の差動信号の印加時にZ軸に沿って幾らかの面外の動きを呈する。より具体的には、モータ22は、収縮中に、モータ22の横方向端が、モータ22の中間に対してスライダ18及びステンレス鋼層24に向かうように、撓み部材4に向かってカールし、モータ22の中間はスライダ18及びステンレス鋼層24から離れる。モータ22のカールによって、撓み部材4が同じようにカールする。撓み部材4のこのカールは、撓み部材4のより全体的な動きを生じさせるため有利である。そのような動きは、スライダ18の回転に変換することができ、これは、DSA構造部16の関節運動のためにより大きい全体的なストロークを提供する。モータ22の面外のZ軸の動き(カール)、及び、面内のX又はYの動き(伸張/収縮)の双方を用いて、撓み部材4を動かしてスライダ18を回転させることができる。本明細書において更に説明するように、図4及び図5のカールするプロファイルを支持することができる種々のモータの構成がある。
【0019】
図6は、モータ22の詳細な斜視図である。図6には、モータ22の第1の主要な広範な面36が示されている。図7は、モータ22の第2の主要な広範な面38を示すモータ22の詳細な斜視図であり、第2の主要な広範な面38は第1の主要な広範な面36とは反対側である。図8は、コネクタ34及び端子パッド32を更に示すモータ22の断面図である。
【0020】
図6図8を参照すると、モータ22は全体として、第1の長辺42、第1の長辺42とは反対側の第2の長辺44、第1の端辺46、及び、第1の端辺46とは反対側の第2の端辺48を含む。モータ22の第1の長辺42及び第2の長辺44のそれぞれは、モータ22の略最長の寸法である(y軸に沿って測定した)長さを表すことができる。例えば、第1の長辺42及び第2の長辺44は、第1の端辺46及び第2の端辺48よりも長い。モータ22は、第1の端子50及び第2の端子52を含む。第1の端子50及び第2の端子52は、金、銅及び/又は他の高導電性の材料から形成することができる。第1の端子50は、第1の主要な広範な面36の大部分に沿って延びることができる。第1の端子50は、第1の端辺46の幾らか又は全てに沿って延びることができる。第1の端子50は、第2の主要な広範な面38の大部分に沿って延びることができる。第2の端子52は、第2の主要な広範な面38の少なくとも一部に沿って延びることができる。第2の端子52は、第2の端辺48の少なくとも一部に沿って延びることができる。第1の端子50は、撓み部材4の回路の一方の側に電気的に接続することができ、一方で、第2の端子52は、回路の他方の側に接続することができ、それによって、モータ22の両端に電位を印加することができ、電流をモータ22に流す。第1の端子50及び第2の端子52が陽極又は陰極として可逆的に働くことができることが理解されるであろう。
【0021】
モータ22は複数の層から構成される。モータ22は圧電材料60を含む。圧電材料60は、チタン酸鉛、又は、電位に晒されると圧電運動を呈する種々の他の材料を含むことができる。圧電材料60は、複数のアクチュエータ層に分割される。複数のアクチュエータ層は、第1のアクチュエータ層71及び第2のアクチュエータ層72を含む。複数の圧電層は積層構成にある。例えば、第1のアクチュエータ層71は第2のアクチュエータ層72に隣接する。幾つかの実施形態では、モータ22は、第1のアクチュエータ層71及び第2のアクチュエータ層72に限定することができ、圧電材料60から形成されるそれ以上のアクチュエータ層は含まないものとすることができる。種々の他の実施形態は、1つのみのアクチュエータ層、又は、3つ、4つ、5つ若しくはより多くのアクチュエータ層等の2つよりも多いアクチュエータ層を含むことができる。
【0022】
モータ22は、複数の導電層を更に含む。複数の導電層は、金又は銅等の導電性金属から形成することができる。複数の導電層は第1の導電層74を含む。第1の導電層74は、モータ22の第1の主要な広範な面36の一部を画定する。第1の導電層74は、モータ22の第1の端子50の一部を形成する。複数の導電層は、第2の導電層75を更に含む。第2の導電層75は、第1のアクチュエータ層71と第2のアクチュエータ層72との間に挟まれる。第2の導電層75は、第2の端子52の一部又は全てを形成することができる。第2の導電層75は、第2の端辺48の一部を画定することができる。複数の導電層は、第3の導電層76を更に含む。図示のように、第1の導電層74は、第3の導電層76と連続的であるものとすることができる。第3の導電層76は、モータ22の第2の主要な広範な面38の一部を画定する。なお、第1の導電層74及び第3の導電層76は、上部導電層及び底部導電層とすることができる。複数の導電層は圧電材料60上にスパッタリングすることができる。
【0023】
補強材40は、上面81、及び、上面81とは反対側の底面82を含む。上面81は、X−Y平面と平行な平面を形成することができる。したがって、上面81の一部又は全体は、平坦であるか又は実質的に平坦であるものとすることができる。上面81は、モータ22の第1の主要な広範な面36にわたって延び、第1の主要な広範な面36の幾らか、大部分又は全てを画定することができる。補強材40の底面82は上面81と同一の広がりを有することができる。
【0024】
図6図8の実施形態では、補強材40の上面81には、サスペンション2の任意の他の要素との接点がない。補強材40の底面82は、第1の導電層74の上面に接する。第1の導電層74の底面は、第1のアクチュエータ層71の上面に接する。第1のアクチュエータ層71の底面は、第2の導電層75の上面に接する。第2の導電層75の底面は、第2のアクチュエータ層72の上面に接する。第2のアクチュエータ層72の底面は、第3の導電層76の上面に接する。第3の導電層76の底面は、モータ22の第2の主要な広範な面38において部分的に露出される。なお、補強材40、又は、本明細書において言及される他の補強材は、モータ22の上面に配置される代わりに又は加えて、第3の導電層76(又は他の底部導電層)の底面に配置することができる。図8に示されているように、コネクタ34は、第2の主要な広範な面38、並びに、モータ22の第1の端辺46及び第2の端辺48に接触して取着することができる。
【0025】
補強材40の第1の長辺83及び第2の長辺84のそれぞれは、補強材40の略最長の寸法である補強材40の(y軸に沿って測定される)長さを表すことができ、補強材40の全長に延びることができる。第1の長辺83及び第2の長辺84のそれぞれは、上面81及び底面82に直交する向きにすることができる。第1の長辺83及び第2の長辺84のそれぞれは、互いに及びY−Z平面に平行なそれぞれの平面を形成することができる。補強材40は、第1の端辺85、及び、第1の端辺85とは反対側の第2の端辺86を含む。第1の端辺85及び第2の端辺86のそれぞれは、補強材40の(x軸に沿って測定される)幅を表すことができ、補強材40の全幅に延びることができる。補強材40の幅は、補強材40の長さよりも略短い。第1の端辺85及び第2の端辺86のそれぞれは、上面81、底面82、第1の長辺83及び第2の長辺84に直交する向きにすることができる。第1の端辺85及び第2の端辺86のそれぞれは、互いに及びX−Z平面に平行なそれぞれの平面を形成することができる。図6図8の実施形態では、補強材40の上面81、第1の長辺83、第2の長辺84、第1の端辺85及び第2の端辺86のうちの1つ、幾つか又は全てには、サスペンション2の任意の他の要素との接点がない。したがって、補強材40の上面81、第1の長辺83、第2の長辺84、第1の端辺85及び第2の端辺86のそれぞれを十分に露出させることができる。
【0026】
図6図8の補強材40の(X軸に沿う)幅は、全体的にモータ22の幅に等しい。したがって、第1の長辺83を、モータ22の第1の長辺42と位置合わせする(例えば面一に)ことができ、第2の長辺84を、モータ22の第2の長辺44と位置合わせすることができる。他の幾つかの実施形態では、補強材40の幅及び/又は長さは、モータ22の残りの部分の幅又は長さよりも短く(例えば、圧電材料60の導電層及び作動層の幅又は長さよりも短く)することができる。
【0027】
図6図8に示されているように、補強材40は、モータ22の残りの部分から持ち上げることができる。例えば、補強材40は、第1の主要な広範な面36において、圧電材料60及び第1の導電層74に対して持ち上げられる。補強材40の厚さは、上面81から底面82又は第1の導電層74までの距離として(例えばz軸に沿って)測定することができる。補強材40の厚さは、第1の長辺83、第2の辺84、第1の端辺85及び第2の端辺86のいずれかの幅に対応することができる。補強材40の厚さは例えば25マイクロメートルであり得る。幾つかの実施形態では、補強材40の厚さは、第1のアクチュエータ層71及び第2のアクチュエータ層72の(例えばz軸に沿って測定される)厚さにそれぞれ等しい。
【0028】
幾つかの実施形態では、モータ22は、補強材40から構成される補強材部分を有し、いかなる圧電材料60も含まないものと理解することができる。モータ22は、圧電材料60並びに複数の導電層(例えば第1の導電層74、第2の導電層75及び第3の導電層76)から構成されるアクチュエータ部分を有するものと更に理解することができる。アクチュエータ部分は、補強材40のいずれも、又は代替的には補強材40を形成するのに用いられる同じ金属のいずれも含まないものとすることができる。補強材部分はアクチュエータ部分に取り付けることができる。補強材部分は、アクチュエータ部分の全体的に上にあるか又は代替的には全体的に下にあるものとすることができる。第1の長辺83、第2の長辺84、第1の端辺85及び第2の端辺86は、補強材部分の側面を表すことができ、一方で、第1の長辺42、第2の長辺44、第1の端辺46及び第2の端辺48は、作動部分の側面を表すことができる。図示のように、第1の長辺83は第1の長辺42と平行に延び、第2の長辺84は第2の長辺44と平行に延び、第1の端辺85は第1の端辺46と平行に延び、第2の端辺86は第2の端辺48と平行に延びる。
【0029】
補強材40は、蒸着、スパッタ堆積によって及び/又は液体めっき溶液等として、第1の導電層74に直接めっきすることによって形成することができる。第1の導電層74及び補強材40は、異なる種類の金属から形成することができる。例えば、第1の導電層74は銅又は金から形成することができる。銅及び金は、これらの金属の高導電性に起因して、第1の導電層74及び他の導電層に好ましいものとすることができる。補強材40は導電体として用いられず、実際に、同じ場合に補強材40に電流が流れることができず、これは、補強材40が第1の導電層74以外のいかなる他の部品にも接続されないためであり、またそれによって、補強材40は、異なる導電要素間で電気的にブリッジしない。したがって、第1の導電層74を形成するのに用いられる金属に比して低導電性の材料を用いて、補強材40を形成することができる。補強材40は、第1の導電層74よりも剛性の(より高い弾性率を有する)金属から形成することができる。幾つかの実施形態では、補強材40は純粋なニッケルから形成される。補強材40を第1の導電層74の上面に直接的にめっきすることができるため、補強材40は第1の導電層74に結合され、それによって、モータ22の残りの部分に取着される。さらに、補強材40は第1の導電層74の上面にめっきされるため、補強材40と第1の導電層74との間には、接着剤(例えばエポキシ若しくはポリマーがない)又は他の材料等の任意の他の材料がないものとすることができる。補強材40は、第1の導電層74の上面に堆積されるものとして示されているが、付加的に若しくは代替的に、第1のアクチュエータ層71に配置することができるか、又は、付加的に若しくは代替的に、モータ22の別の金属層(図示せず)に配置することができる。
【0030】
第1の導電層74及び第2の導電層75のそれぞれは、補強材40よりも薄くすることができる。例えば、第1の導電層74及び第2の導電層75のそれぞれは、補強材40よりも約5倍、10倍又はそれ以上薄くすることができる。第1の導電層74及び第2の導電層75のそれぞれは、厚さを互いに等しくすることができる。幾つかの形態では、第1の導電層74及び第2の導電層75のそれぞれは、モータ22の剛性に物質的に寄与しない。したがって、モータ22の曲げプロファイル等のモータ22の構造は、圧電材料60及び補強材40に基づき、第1の導電層74及び第2の導電層75には基づかないものとすることができる。
【0031】
第1の端子50及び第2の端子52にわたって印加される差動信号によって、圧電材料60に電流が流れる。第1のアクチュエータ層71及び第2のアクチュエータ層72は、第1の端子50及び第2の端子52との間で電気的に並列であり、それによって、幾つかの形態では、概ね等しい電位が第1のアクチュエータ層71及び第2のアクチュエータ層72にわたって生成され、概ね等しいレベルの電流が第1のアクチュエータ層71及び第2のアクチュエータ層72を流れる。圧電材料60を通る電流の流れによって、第1のアクチュエータ層71及び第2のアクチュエータ層72が拡張及び/又は収縮する。例えば、第1のアクチュエータ層71及び第2のアクチュエータ層72の双方を、一緒に拡張若しくは収縮するように極性を与えることができるか、又は代替的には、差動信号に応答してアクチュエータ層のうちの一方が拡張する一方で、もう片方の層が収縮するように極性を与えることができる。
【0032】
図9は、図8に示されているものと同じ断面図であるが、モータ22の電気的な作動中の図である。図9に示されているように、モータ22は作動時に概して収縮する。この作動中に、第1のアクチュエータ層71及び第2のアクチュエータ層72の一方又は双方が作動され、横方向に(すなわちy軸に沿って)収縮する。幾つかの実施形態では、第1のアクチュエータ層71及び第2のアクチュエータ層72の双方が収縮し、あるいは、幾つかの他の実施形態では、片方のアクチュエータ層のみが収縮する。補強材40は圧電特性を有さず、したがって、圧電材料60の電気的な作動時に拡張又は収縮することができない。補強材40の(例えばy軸に沿って測定される)長さは、モータ22の作動時に変化せず、したがって、補強材40はモータ22の短縮に抵抗する。圧電材料60の全体的な横方向の収縮、及び、補強材40の一貫した長さによって、モータ22の層内で動きが不均衡になる。モータ22の層は、モータ22がX−Y平面から、具体的にはz軸に沿って曲がり、動きの不均衡に対応するように一緒に保持される。補強材40がモータ22の第1の主要な広範な面36(例えば上面)にあるため、モータ22のこの面は、モータ22の第2の主要な広範な面38(例えば底面)に比して、より収縮に対して抵抗する。したがって、収縮するモータ22は、第1の主要な広範な面36及び補強材40から離れるようにカールし、第2の主要な広範な面38に向かってこの周りでカールする。図9に示されている動きは、図5に示されている動きに対応することができる。
【0033】
図10は、図9に示されているものと同じ断面図であるが、モータ22の全体的な延長を生じる、モータ22の電気的な作動中の図である。この作動中に、第1のアクチュエータ層71及び第2のアクチュエータ層72の一方又は双方が作動され、横方向に(すなわちy軸に沿って)拡張する。幾つかの実施形態では、第1のアクチュエータ層71及び第2のアクチュエータ層72の双方が拡張し、あるいは、幾つかの他の実施形態では、片方のアクチュエータ層のみが拡張する。補強材40は圧電特性を有さず、したがって、圧電材料60の電気的な作動時に拡張又は収縮することができない。補強材40の(例えばy軸に沿って測定される)長さは、モータ22の作動時に変化せず、したがって、補強材40はモータ22の延長に抵抗する。圧電材料60の全体的な横方向の延長、及び、補強材40の一貫した長さによって、モータ22の層内で動きが不均衡になる。モータ22の層は、モータ22がX−Y平面から、具体的にはz軸に沿って曲がり、動きの不均衡に対応するように一緒に保持される。補強材40がモータ22の第1の主要な広範な面36(例えば上面)にあるため、モータ22のこの面は、モータ22の第2の主要な広範な面38(例えば底面)に比して、より拡張に対して抵抗する。したがって、延長するモータ22は、第1の主要な広範な面36及び補強材40に向かってこれらの周りでカールし、第2の主要な広範な面38から離れるようにカールする。図10に示されている動きは、図4に示されている動きに対応することができる。
【0034】
本発明者らが行った性能試験では、図3図6に示されているめっきされた補強材と同様のめっきされた補強材を有するモータは、めっきされた補強材を含まなかった標準的な5層のモータに比して、優れたストローク特性を示した。より具体的には、めっきされた補強材を有するモータは、試験において25.1ナノメートル/電圧ストロークを示し、一方で、標準的な5層のモータは、試験において13.6ナノメートル/電圧ストロークを示した。
【0035】
図11は、前述した実施形態に対して代替的な構造を有するモータ122の詳細な斜視図である。モータ122は、図1図5に示されているような種々の撓み部材又は本明細書において言及される任意の他の撓み部材に取り付けることができる。モータ122は、異なるものと記載されるか又は示される場合を除き、モータ22を含め、本明細書において言及される任意のモータと構造的及び機能的に同一であるものとすることができる。モータ122は、第1の長辺142、第1の長辺142とは反対側の第2の長辺144、第1の端辺146、及び、第1の端辺146とは反対側の第2の端辺148を概して含む。モータ122は第1の端子150及び第2の端子152を含む。モータ122は圧電材料160を含む。圧電材料160は第1のアクチュエータ層171及び第2のアクチュエータ層172を含む。モータ122は、第1の導電層174、第2の導電層175及び第3の導電層176を更に含む。第1の導電層174は、モータ122の第1の主要な広範な面136の一部を画定し、一方で、第3の導電層176は、モータ122の、第1の主要な広範な面136とは反対側の第2の主要な広範な面138の一部を画定する。
【0036】
モータ122は補強材140を含む。補強材140は、異なるものと記載されるか又は示される場合を除き、補強材40を含め、本明細書において言及される任意の補強材と構造的及び機能的に同一であるものとすることができる。補強材140は、第1の長辺183、第1の長辺183とは反対側の第2の長辺184、第1の端辺185、及び、第1の端辺185とは反対側の第2の端辺186を含む。
【0037】
補強材140は、モータ122の上部全体を形成するか、又はより具体的には、第1の主要な広範な面136の全体を画定する。例えば、補強材140の第1の長辺183は、モータ122の少なくとも第1の長辺142に及ぶ。例えば、補強材140の第1の長辺183は、モータ122の第1の長辺142と位置合わせする(例えば面一に)ことができる。補強材140の第2の長辺184は、モータ122の少なくとも第2の長辺144に及ぶ。例えば、補強材140の第2の長辺184は、モータ122の第2の長辺144と位置合わせする(例えば面一に)ことができる。補強材140の第1の端辺185は、モータ122の少なくとも第1の端辺146に及ぶ。例えば、補強材140の第1の端辺185は、モータ122の第1の端辺146と位置合わせする(例えば面一に)ことができる。補強材140の第2の端辺186は、少なくともモータ122の第2の端辺148に及ぶ。例えば、補強材140の第2の端辺186は、モータ122の第2の端辺148と位置合わせする(例えば面一に)ことができる。第1の導電層174は補強材140と同一の広がりを有することができる。
【0038】
図12は、前述した実施形態に対して代替的な構造を有するモータ222の詳細な斜視図である。モータ222は、図1図5に示されているような種々の撓み部材又は本明細書において言及される任意の他の撓み部材に取り付けることができる。モータ222は、異なるものと記載されるか又は示される場合を除き、モータ22を含め、本明細書において言及される任意のモータと構造的及び機能的に同一であるものとすることができる。モータ222は全体として、第1の長辺242、第1の長辺242とは反対側の第2の長辺244、第1の端辺246、及び、第1の端辺246とは反対側の第2の端辺248を含む。
【0039】
モータ222は第1の端子250及び第2の端子252を含む。モータ222は、上部導電層274及び底部導電層276を更に含む。上部導電層274及び底部導電層276は、第1の端子250及び第2の端子252をそれぞれ形成することができる。上部導電層274は、モータ222の第1の主要な広範な面236の一部を画定し、一方で、底部導電層276は、モータ222の、第1の主要な広範な面236とは反対側の第2の主要な広範な面238の一部を画定する。
【0040】
モータ222は圧電材料260を含む。圧電材料260は、上部導電層274と底部導電層276との間に位置付けられる。圧電材料260は単一の層に形成される。複数の層の圧電材料を有するモータが本明細書の他の箇所で示されているが、図12は、他の実施形態では、複数の層の圧電材料の代わりに、単一の層の圧電材料を用いることができ、したがって、任意のサスペンション、撓み部材及び/又は補強材を、単一の層のみの圧電材料を有するモータとともに用いることができることを明示している。
【0041】
モータ222は補強材240を含む。補強材240は、異なるものと記載されるか又は示される場合を除き、補強材40及び140を含め、本明細書において言及される任意の補強材と構造的及び機能的に同一であるものとすることができる。補強材240は、第1の長辺283、第1の長辺283とは反対側の第2の長辺284、第1の端辺285、及び、第1の端辺285とは反対側の第2の端辺286を含む。
【0042】
補強材240は、モータ222の上部の一部を形成する。補強材240の辺283〜286のそれぞれは、モータ222の残りの部分の辺242、244、246、248からそれぞれ凹んでいる。例えば、補強材240の第1の長辺283は、モータ222の第1の長辺242から凹み、第1の棚部290を形成する。補強材240の第2の長辺284は、モータ222の第2の長辺244から凹み、第2の棚部291を形成する。補強材240の第1の端辺285は、モータ222の第1の端辺246から凹み、第3の棚部292を形成する。補強材240の第2の端辺286は、モータ222の第2の端辺248から凹み、第4の棚部293を形成する。
【0043】
なお、本明細書において用いられる要素の同様の名前及び/又は参照符号は、これらの要素を同様に構成することができることを示唆することができる。簡潔にするために、材料の種類及び構成プロセスのステップ等の構成の種々の態様は、各実施形態について繰り返されない。しかし、本明細書において提供される教示を任意の実施形態と関連して任意の他の実施形態に適用することができることが理解されるであろう。
【0044】
本発明を、好ましい実施形態を参照して記載したが、当業者は、本発明の主旨及び範囲から逸脱することなく形態及び詳細に変更を加えることができることを認識するであろう。例えば、特定の同一位置に配置されるDSA構造部に関連して記載されているが、本明細書において記載されるモータ及び関連する特徴を、ベースプレート6又はロードビーム8に取り付けられるモータのように、他の同一位置に配置されるDSA構造部及び/又は同一位置に位置しないDSA構造部を含む、他のDSA構造部と関連して用いることができる。補強材、及び、モータのアクチュエータ部分の種類の種々の組み合わせが本明細書において提示されるが、本明細書において言及される任意の補強材を、本明細書において言及されるモータの任意の種類のアクチュエータ部分に接続することができることが理解されるであろう。さらに、本明細書において開示される補強材の態様は、実質上あらゆる種類のDSAモータとともに用いることができる。したがって、本開示は、本明細書において提示される特定の実施形態に限定されない。
図1
図2
図3
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図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12