特許第6629595号(P6629595)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6629595身体的能力およびエネルギーレベルを増強するための相乗的健康補助食品組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6629595
(24)【登録日】2019年12月13日
(45)【発行日】2020年1月15日
(54)【発明の名称】身体的能力およびエネルギーレベルを増強するための相乗的健康補助食品組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 36/185 20060101AFI20200106BHJP
   A61K 36/53 20060101ALI20200106BHJP
   A61K 36/23 20060101ALI20200106BHJP
   A61K 36/9068 20060101ALI20200106BHJP
   A61P 21/00 20060101ALI20200106BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20200106BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20200106BHJP
   A23L 33/10 20160101ALI20200106BHJP
【FI】
   A61K36/185
   A61K36/53
   A61K36/23
   A61K36/9068
   A61P21/00
   A61P25/00
   A61P43/00 121
   A23L33/10
【請求項の数】9
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2015-551258(P2015-551258)
(86)(22)【出願日】2014年1月2日
(65)【公表番号】特表2016-505615(P2016-505615A)
(43)【公表日】2016年2月25日
(86)【国際出願番号】IN2014000004
(87)【国際公開番号】WO2014106860
(87)【国際公開日】20140710
【審査請求日】2016年12月15日
(31)【優先権主張番号】27/CHE/2013
(32)【優先日】2013年1月3日
(33)【優先権主張国】IN
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】510067980
【氏名又は名称】ライラ ニュートラシューティカルズ
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】特許業務法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ゴカラジュ,ガンガ,ラジュ
(72)【発明者】
【氏名】ゴカラジュ,ラマ,ラジュ
(72)【発明者】
【氏名】ゴカラジュ,ヴェンカタ,カナカ,ランガ,ラジュ
(72)【発明者】
【氏名】ビューパチラジュ,キラン
(72)【発明者】
【氏名】ゴラコチ,トリムーツル
(72)【発明者】
【氏名】セングプタ,クリシャヌ
(72)【発明者】
【氏名】アルリ,ヴェンカタ,クリシュナ,ラジュ
【審査官】 渡部 正博
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2004/0156920(US,A1)
【文献】 国際公開第2011/083397(WO,A1)
【文献】 特開2009−256272(JP,A)
【文献】 Trachyspermum ammi,The Plant List,2012年 3月23日,http://www.theplantlist.org/tpl1.1/record/kew-2438394
【文献】 J. Ethnopharmacol.,2010年 3月 7日,Vol.129,p64-86
【文献】 Lipids in Health and Disease,2007年,Vol.6, No.4,p.1-8
【文献】 Journal of Animal and Veterinary Advances,2010年,Vol.9, No.24,p.3039-3047
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 36/00−36/9068
A61P 1/00−43/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
それを必要とする温血動物または哺乳動物における身体活動エネルギーの発生および安定維持を提供するための、ならびに筋肉強度、筋肉量および精神的敏捷性を改善するための自然エネルギーエンハンサーとしての相乗的組成物であって
マンゴスチン(Garcinia mangostana)およびタマラニッケイ(Cinnamomum tamala)由来の抽出物または画分含有する、相乗的組成物。
【請求項2】
バジリコ(Ocimum basilicum)、ショウガ(Zingiber officinalis)、ハマビシ(Tribulus terrestris)、アジョワン(Trachyspermum ammi)、ハッカ(Mentha arvensis)、クベバ(Piper cubeba)およびフェンネル(Foeniculum vulgare)由来の抽出物または画分から選択される少なくとも1つの生物学的に活性な成分を更に含む、請求項1に記載の相乗的組成物。
【請求項3】
マンゴスチン(Garcinia mangostana)およびタマラニッケイ(Cinnamomum tamala)由来の個々の抽出物または画分の濃度が、20%〜80%の範囲で変化する、請求項1又は2に記載の相乗的組成物。
【請求項4】
哺乳動物におけるエネルギー、筋肉強度、筋肉量および精神的敏捷性、身体活動、体力、エネルギーレベル、スタミナレベル、循環健康、血管健康の発生および安定維持のための、または良好な身体的健康および精神的健康のためのマンゴスチン(Garcinia mangostana)およびタマラニッケイ(Cinnamomum tamala)由来のハーブ抽出物または画分含む、請求項1又は2に記載の相乗的組成物。
【請求項5】
マンゴスチン(Garcinia mangostana)およびタマラニッケイ(Cinnamomum tamala)由来のハーブ抽出物または画分含み、賦形剤、希釈剤、甘味料、香味料、着色料、ビタミンまたはアミノ酸、栄養素から選択される少なくとも1つの成分をさらに含有する、請求項1に記載の相乗的組成物。
【請求項6】
それを必要とする恒温動物における筋肉強度、筋肉量、身体活動、体力、精神的敏捷性、エネルギーレベル、スタミナレベル、循環健康、血管健康を増強するための、または良好な精神的健康のための、健康補助食品、食品成分製剤、例えば飲料、スナックおよびエネルギードリンクに製剤化され得る、請求項1又は2に記載の相乗的組成物。
【請求項7】
乳酸代謝に影響を与え、疲労を軽減することによって有酸素能力および有酸素容量を改善するために、ならびに限定されないが、ATPレベル/産生;一酸化窒素レベル、NADHバランス、レプチンレベルおよび脂肪細胞由来ペプチドを含む生物学的エネルギーマーカーの1つ以上の緩和のために有用な、請求項1又は2に記載の相乗的組成物。
【請求項8】
前記抽出物または画分が、C1−C5アルコール;C1−C7炭化水素;エステル;水およびそれらの混合物からなる群より選択される溶媒を使用してマンゴスチン(Garcinia mangostana)およびタマラニッケイ(Cinnamomum tamala)から生成され得る、請求項1又は2に記載の相乗的組成物。
【請求項9】
前記抽出物または画分が、葉、果皮、頭状花、茎、根、樹皮から選択される植物部分、植物全体またはそれらの混合物の少なくとも1つから得られる、請求項1又は2に記載の相乗的組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の技術分野:
本発明は、哺乳動物における身体的能力、筋肉強度およびエネルギーレベルを増強するための自然エネルギーエンハンサーとしての新規相乗的健康補助食品組成物であって、Sphaeranthus indicus、Coleus aromaticus、Cissus quadrangularis、Curcuma longa、Garcinia mangostana、Citrullus lanatus、Ocimum sanctumおよびCinnamomum tamala由来の抽出物および画分から選択される少なくとも2つの成分を含む新規相乗的健康補助食品組成物に関する。
【0002】
本発明はさらに、エネルギー、筋肉強度および精神的敏捷性の発生および安定維持のための、ならびに筋力、身体活動、体力、精神的敏捷性、エネルギーレベル、スタミナレベル、循環健康、血管健康を増強するための、または良好な身体的健康および精神的健康のための食品成分製剤、例えば飲料、栄養成分製剤、スナックおよびエネルギードリンクであって、前記ハーブ成分またはその組成物を含有する食品成分製剤、例えば飲料、栄養成分製剤、スナックおよびエネルギードリンクに関する。
【背景技術】
【0003】
発明の背景:
人間の生活のすべての活動の背後にある基本的な力および条件は、エネルギーの存在である。エネルギーは、生命を維持するのに必要な生命力であり、生存(あらゆる行為はエネルギーを使用する)、思考、感情、歩行、飲食、夢見、呼吸などのあらゆる面で必要とされる。エネルギーは、その消費により知覚および経験される。(菓子などの)食後直ぐに経験するエネルギー、またはコーヒーの消費後に感じる興奮は、エネルギーの蓄積によるものではなく、体のエネルギー保存庫からエネルギーが消費されることによるものである。年齢、疲労およびストレスにより、人々はエネルギー不足を感じる。このエネルギー障害は、非常に多くの場合に、体の精神的敏捷性を損なう。体のエネルギー需要に適切に対処することによって、職場および個人管理の効率性を高めることができる。
【0004】
身体的に活発な人々または脆弱な人々は、身体的能力、体力を増加させるために、健康を改善するために、または身体活動の潜在的な悪影響(例えば、傷害または慢性疲労または免疫機能の抑制)を軽減するために、健康補助食品を使用している。
【0005】
現在、多くのエネルギー飲料、サプリメントおよび食品成分製剤が市場で入手可能であるが、二糖、炭水化物複合体、タンパク質、アミノ酸およびビタミンが多数の他の薬剤と共にそれらに満載されている。これらの製剤の多くは、非常に素早く作用するので瞬間的なエネルギーを供給することができず、一定期間にわたってそのレベルを持続しない。また、これらの製剤は、血中グルコースレベルを急激に増加させる傾向があり、この後にそれらが急速に枯渇する。これは、合併症につながる可能性もある。したがって、活力、一般的な機敏性、耐久性および精神的敏捷性を改善する天然サプリメントには大きな需要がある。上記要求に応えるために、世界中の多くの研究グループが、優れた製品の開発に取り組んでいる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、本発明は、エネルギーおよび/または精神的敏捷性を提供する抽出物、画分または組成物を提供することによって、当技術分野における既存の必要性に応えるものである。したがって、本発明は、哺乳動物においてエネルギーレベルを長期間増加させて、エネルギーレベル、筋力および精神的敏捷性を増強することができる成分および/または組成物を提供し、それによりこれらの必要性を解決する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、エネルギーレベルを長期間増加させて筋力および精神的敏捷性を改善することができる新規相乗的健康補助食品組成物であって、Sphaeranthus indicus、Coleus aromaticus、Cissus quadrangularis、Curcuma longa、Garcinia mangostana、Citrullus lanatus、Ocimum sanctumおよびCinnamomum tamala由来の抽出物または画分から選択される少なくとも2つの成分/要素を含む新規相乗的健康補助食品組成物を提供する。
【0008】
重要な態様では、本発明は、哺乳動物におけるエネルギー、筋肉強度および精神的敏捷性の発生および安定維持のための、ならびに筋力、筋肉量、身体活動、体力、精神的敏捷性、エネルギーレベル、スタミナレベル、循環健康、血管健康を増強するための、または良好な身体的健康および精神的健康のための新規相乗的健康補助食品組成物であって、Sphaeranthus indicus、Coleus aromaticus、Cissus quadrangularis、Curcuma longa、Garcinia mangostana、Citrullus lanatus、Ocimum sanctumおよびCinnamomum tamala由来の抽出物または画分から選択される少なくとも2つの成分/要素を含む新規相乗的健康補助食品組成物を提供する。
【0009】
別の態様では、本発明は、エネルギーおよび精神的敏捷性の発生および安定維持のための健康補助食品、食品成分製剤、例えば飲料、スナックおよびエネルギードリンクであって、上記成分またはその組成物を含有する健康補助食品、食品成分製剤、例えば飲料、スナックおよびエネルギードリンクを提供する。前記製剤は、哺乳動物における筋力、身体活動、体力、精神的敏捷性、筋肉量、エネルギーレベル、スタミナレベル、循環健康、血管健康を増強するために、または良好な身体的健康および精神的健康のために有用である。
【0010】
さらに別の態様では、本発明は、活性化合物、植物化学物質、治療的な健康効果が証明された植物、動物または微生物由来のもの;薬学的または栄養的に許容され得る薬剤、有効成分、ビタミン、アミノ酸およびミネラルから選択される少なくとも1つの成分と場合により組み合わせて、Sphaeranthus indicus、Coleus aromaticus、Cissus quadrangularis、Curcuma longa、Garcinia mangostana、Citrullus lanatus、Ocimum sanctumおよびCinnamomum tamala由来の抽出物および画分から選択される少なくとも2つの成分を含む新規相乗的健康補助食品組成物を提供する。
【0011】
さらに別の態様では、本発明は、それを必要とする温血動物におけるエネルギー;筋肉強度、精神的敏捷性の発生および安定維持のための、ならびに筋力、筋肉量、身体活動、体力、精神的敏捷性、エネルギーレベル、スタミナレベル、循環健康、血管健康を増強するための、または良好な精神的健康のための組成物であって、Sphaeranthus indicus、Coleus aromaticus、Cissus quadrangularis、Curcuma longa、Garcinia mangostana、Citrullus lanatus、Ocimum sanctumおよびCinnamomum tamala由来の組成物を含む。
【0012】
さらに別の態様では、本発明は、哺乳動物においてエネルギーを増加させて、エネルギー、筋肉強度および精神的敏捷性の発生および安定維持を提供する方法であって、Sphaeranthus indicus、Coleus aromaticus、Cissus quadrangularis、Curcuma longa、Garcinia mangostana、Citrullus lanatus、Ocimum sanctumおよびCinnamomum tamala由来の抽出物および画分から選択される少なくとも2つの成分を含む組成物を前記哺乳動物に補給するか、または前記組成物によって前記哺乳動物を処置することを含む方法を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0013】
発明の詳細な説明:
本発明の様々な態様がより詳細に理解および認識され得るように、特定の好ましい実施形態および任意選択的な実施形態に関して本発明を詳細に説明する。しかしながら、当業者であれば、このような実施形態が実際に推定され得る程度を認識するであろう。
【0014】
植物材料の供給源:
本発明で使用される植物、すなわち、Sphaeranthus indicus、Coleus aromaticus、Cissus quadrangularis、Curcuma longa、Cinnamomum tamala、Citrullus lanatusおよびOcimum sanctumはインド原産の植物から収集したものであり、Garcinia mangostanaは東南アジア原産(ほとんどがインドネシア産)のものであった。現在では、それは南インドで栽培されている。
【0015】
NOアッセイ、ATPアッセイおよびタンパク質アッセイを実施する論理的根拠
人間の生活のすべての活動の背後にある基本的な力および条件は、エネルギーの存在である。したがって、運動時には、筋肉を動かす際に血液循環の増強を通じてより多くの栄養および酸素を必要とすることが必須である。血管内皮細胞によって産生される一酸化窒素は、強力な血管拡張因子として公知であり、血管を拡張することにより、運動時により多くの酸素および栄養を筋細胞に供給する。したがって、それは、運動および身体活動時において耐久性を持続させるのに役立つ。
【0016】
アデノシン三リン酸またはATPは、筋肉活動を促す化学エネルギーを供給する。筋力の最初の5秒間または6秒間において、筋肉活動は、筋肉細胞中に既に存在するATPのプールに依存する。この時間を超えると、より長くより活発な身体活動をサポートするのに必要な筋肉収縮の活性化を可能にするためには、新たな量のATPが形成されなければならない。したがって、耐久運動中またはより長期の集中的な身体活動期間では、細胞内エネルギー源またはATP含量を増加させることが必須である。
【0017】
タンパク質は、体内のあらゆる細胞の重要な要素である。タンパク質は、mRNAの翻訳過程を通じてアミノ酸を利用して細胞内で合成される。それは、筋肉、骨および軟骨の主要なビルディングブロックであり、筋肉の成長および修復に必須である。したがって、筋肉タンパク質合成の刺激は、筋肉量を増加させるための非常に重要かつ決定的な因子である。
【0018】
上記に基づいて、本発明者らは、内皮細胞における一酸化窒素合成を増強し、ATP含量を増加させ、骨格筋細胞におけるタンパク質合成を引き起こし得るハーブ抽出物、画分またはそれらの組成物/製剤が、ボディビルダー、アスリートなどのフィジカルパフォーマーにおけるエネルギーおよび耐久性レベルおよび筋肉量を増加させるために理想的で有望であると仮説した。したがって、本発明者らは、ハーブ抽出物およびそれらの組成物をスクリーニングして、内皮細胞における一酸化窒素、骨格筋細胞における細胞内ATPおよびタンパク質の合成を増加させる能力を評価した。
【0019】
本発明では、細胞ベースのアッセイを使用して、一酸化窒素、ATPおよびタンパク質の合成の調節について、植物材料由来の多数の抽出物をスクリーニングした。本試験において、驚くべきことに、Sphaeranthus indicus、Coleus aromaticus、Cissus quadrangularis、Curcuma longa、Garcinia mangostana、Cinnamomum tamala、Citrullus lanatusおよびOcimum sanctum由来の抽出物または画分は、一酸化窒素(表1)、ATP(表6)およびタンパク質の合成(表7)を強力に調節することが見出された。活性が改善された生成物をさらに得るために、上記植物の抽出物または画分を様々な比で組み合わせ、このようにして得られた組成物を、一酸化窒素、ATPおよびタンパク質の合成の調節について試験した。驚くべきことに、Sphaeranthus indicus、Coleus aromaticus、Cissus quadrangularis、Curcuma longa、Garcinia mangostanaまたはCinnamomum tamala由来の少なくとも2つの抽出物を含む組成物は、一酸化窒素、ATPおよびタンパク質の合成の相乗的増強を示すことが見出された。Coleus aromaticus抽出物(LI34103)と組み合わせたSphaeranthus indicus抽出物(LI12500)およびその組成物(LI12522F2);Curcuma longa抽出物(LI09703)と組み合わせたCissus quadrangularis抽出物(LI05704)およびその組成物(LI89032F3)、ならびにCinnamomum tamala抽出物(LI33603)と組み合わせたGarcinia mangostana抽出物(LI80013)およびその組成物(LI80020F3)を、L6ラット骨格筋細胞を使用したタンパク質アッセイでは、エネルギーブースターおよび筋肉増強健康補助食品としての有効性について評価し、ECV304ヒト内皮細胞における硝酸アッセイを使用して、一酸化窒素エンハンサーとしての有効性について評価し、L6ラット骨格筋細胞におけるATPアッセイを使用して、ATPエンハンサーとしての有効性について評価した。驚くべきことに、組成物LI12522F2、LI89032F3およびLI80020F3は、それらの個々の各成分と比較して優れた有効性を示したことから、相乗的であることが見出された。
【0020】
エネルギーおよび耐久性(edurance)の増強について、組成物LI12522F2、LI89032F3およびLI80020F3の有効性を動物試験でさらに評価した。ビヒクルまたは150mg/kgのLI89032F3もしくはLI12522F2もしくはLI80020F3または150mglkgのL−カルニチンまたは10mg/kgのカフェインによって、スイスアルビノマウスを21日間経口処置した。21日目において、処置の1時間後に、マウスに一定の負荷をかけて(体重の10%の重りを尾に取り付けて)水を充填したアクリルシリンダー内で遊泳させた。SMARTビデオ追跡システム(Panlab S.L.U)を使用して、この試験を10分間モニタリングした。様々な遊泳パラメータを記録し、smartソフトウェアによって分析した。表8に要約されているように、組成物によって処置した動物は、対照処置動物と比較して、休息時間の減少、ならびに低速移動時間、高速移動時間、総移動時間、遊泳経路長および平均速度の増加を示した。
【0021】
同様に、処置の21日後に、握力計(UgoBasile,Italy)を使用することによって、マウスの握力を測定した。5日間にわたって動物を訓練し、実験環境および条件に馴化させた。各マウスに握り棒を握らせ、引張力が動物の握力を超えるまで力を徐々に増加させて、握り棒を尾と水平に徐々に引き戻した。マウスが握り棒を手放した際に適用した力を握力としてグラム単位で記録した。表9に要約されているように、組成物LI89032F3またはLI12522F2またはLI80020F3を補給した動物は、対照または陽性対照(L−カルニチンまたはカフェイン)によって処置した動物と比較して、握力の改善を示した。
【0022】
したがって、Sphaeranthus indicus、Coleus aromaticus、Cissus quadrangularis、Curcuma longa、Garcinia mangostanaおよびCinnamomum tamala由来の抽出物または画分ならびにそれらの組成物(LIl2522F2、LI89032F3およびLI80020F3)の補給は、エネルギーレベルおよび耐久能力を増加させ得ることが明白である。
【0023】
上記事項は、Coleus aromaticus抽出物と組み合わせたSphaeranthus indicus抽出物およびその組成物(LI12522F2);Curcuma longa抽出物と組み合わせたCissus quadrangularis抽出物およびその組成物(LI89032F3)、ならびにCinnamomum tamala抽出物と組み合わせたGarcinia mangostana抽出物およびその組成物(LI80020F3)が、ヒトおよび動物におけるエネルギー、筋肉強度、身体的耐久性および精神的敏捷性の発生、安定維持を提供するための強力な天然サプリメントであり得ることを実証している。
【0024】
したがって、好ましい実施形態では、本発明は、長期間にわたってエネルギーレベルおよび精神的敏捷性を増加させて、筋肉強度を増加させることができる新規相乗的組成物であって、Sphaeranthus indicus、Coleus aromaticus、Cissus quadrangularis、Curcuma longa、Garcinia mangostana、Citrullus lanatus、Ocimum sanctumおよびCinnamomum tamala由来の少なくとも2つの抽出物または画分を含む新規相乗的組成物を開示する。
【0025】
別の実施形態では、本発明は、エネルギー、筋肉強度および精神的敏捷性の発生および安定維持のための組成物であって、Sphaeranthus indicus、Coleus aromaticus、Cissus quadrangularis、Curcuma longa、Garcinia mangostana、Citrullus lanatus、Ocimum sanctumおよびCinnamomum tamala由来のハーブ抽出物または画分から選択される少なくとも2つの成分を含む組成物を開示し、前記ハーブ抽出物または画分およびそれらの組成物は、哺乳動物における筋肉強度、身体活動、体力、精神的敏捷性、エネルギーレベル、スタミナレベル、循環健康、血管健康を増強するために、または良好な身体的健康および精神的健康のために有用である。
【0026】
別の実施形態では、本発明は、それを必要とする温血動物または哺乳動物におけるエネルギー、筋肉強度および精神的敏捷性の発生および安定維持を提供するための自然エネルギーエンハンサーとしてのハーブ抽出物または画分およびそれらの組成物であって、Sphaeranthus indicus、Coleus aromaticus、Cissus quadrangularis、Curcuma longa、Garcinia mangostana、Citrullus lanatus、Ocimum sanctumおよびCinnamomum tamalaに由来し、Ocimum basilicum、Zingiber officinalis、Tribulus terrestris、Trachyspermum ammi、Mentha arvensis、Piper cubeba、Foeniculum vulgareの抽出物、ビタミン、アミノ酸、タウリン、Ginkgo biloba、Rhodiolaの抽出物、ならびにguaranaの抽出物、メラトニン緑茶から選択される少なくとも1つの生物学的に活性な成分を場合により含有するハーブ抽出物または画分およびその組成物を開示する。
【0027】
さらに別の実施形態では、本発明は、哺乳動物における身体的能力または精神的能力を増強するための、身体活動、体力、精神的敏捷性、エネルギーレベル、スタミナレベル、循環健康、血管健康を増強するエネルギーの発生および安定維持のための、または良好な精神的健康のための自然エネルギーエンハンサーとしての組成物であって、Sphaeranthus indicus、Coleus aromaticus、Cissus quadrangularis、Curcuma longa、Garcinia mangostana、Citrullus lanatus、Ocimum sanctumおよびCinnamomum tamala由来のハーブ抽出物または画分から選択される少なくとも2つの成分を含み、賦形剤、希釈剤、甘味料、香味料、着色料、ビタミンまたはアミノ酸から選択される少なくとも1つの成分を場合によりさらに含有する組成物を開示する。
【0028】
別の実施形態では、身体的能力の改善の例としては、スタミナの増加、およびスピード、強度、力、耐久性、柔軟性、機敏性、バランス、焦点調整、反応時間、疲労回復の改善、およびさらにはセックススタミナの増加が挙げられる。精神的能力の改善の例としては、鋭敏感、注意持続時間、精神的敏捷性、認知機能の改善、気分の高揚、および(例えば、激しい身体的運動後の)精神的疲労の回復または軽減が挙げられる。
【0029】
別の実施形態では、本発明は、それを必要とする恒温動物における筋肉強度、身体活動、体力、精神的敏捷性、エネルギーレベル、スタミナレベル、循環健康、血管健康を増強するための、または良好な精神的健康のための健康補助食品、食品成分製剤、例えば飲料、スナックおよびエネルギードリンクであって、上記成分またはその組成物を含有する健康補助食品、食品成分製剤、例えば飲料、スナックおよびエネルギードリンクを含む。
【0030】
別の実施形態では、本発明は、哺乳動物において自然エネルギーを増加させて、エネルギーおよび精神的敏捷性の発生および安定維持を提供する方法であって、Sphaeranthus indicus、Coleus aromaticus、Cissus quadrangularis、Curcuma longa、Garcinia mangostana、Citrullus lanatus、Ocimum sanctumおよびCinnamomum tamala由来の抽出物または画分から選択される少なくとも2つの成分を含む組成物を前記哺乳動物に補給するか、または前記組成物によって前記哺乳動物を処置することを含む方法を提供する。
【0031】
さらに別の実施形態では、本発明は、それを必要とする恒温動物における瞬間的なエネルギー、筋力および身体的能力の自然エンハンサーとしての組成物であって、Sphaeranthus indicus、Coleus aromaticus、Cissus quadrangularis、Curcuma longa、Garcinia mangostanaおよびCinnamomum tamala由来のハーブ抽出物または画分から選択される少なくとも2つの成分を含む組成物を提供する。
【0032】
さらに別の実施形態では、本発明は、抽出物、画分、活性化合物、植物化学物質;治療的な健康効果が証明された植物、動物または微生物由来の粉末;薬学的または栄養的に許容され得る薬剤、有効成分、ビタミン、アミノ酸またはミネラルから選択される1つ以上の要素と組み合わせて、前記生物学的に活性な成分を含む組成物を提供する。
【0033】
さらなる例示的な実施形態では、本発明の組成物は、非限定的な要素、例えばビタミンBから選択されるビタミン、例えばチアミン、リボフラビン、ナイアシン、パントテン酸、ピリドキシン、ビオチン、シアノコバラミン、コリンおよび/または葉酸、例えば還元型葉酸、例えば限定されないが、フォリン酸、葉酸カルシウムおよびメチルテトラヒドロフォレートの1つ以上を場合によりさらに含有し得る。また、ビタミンB群は水溶性ビタミンであり、エネルギーを体に提供するための炭水化物のグルコースへの分解、神経系の正常な機能を助けるための脂肪およびタンパク質の分解、ならびに胃腸管における筋緊張を助ける。組成物中の特定のビタミンBとしては、d−パントテン酸カルシウム、ナイアシンアミド、塩酸ピリドキシンおよび硝酸チアミン;またはアミノ酸が挙げられ得る。
【0034】
別の実施形態では、Sphaeranthus indicus、Coleus aromaticus、Cissus quadrangularis、Curcuma longa、Garcinia mangostana、Citrullus lanatus、Ocimum sanctumおよびCinnamomum tamala由来の少なくとも2つのハーブ抽出物または画分を含む組成物は、循環、代謝効率を増加させ、神経伝達物質を調節し、脳内酸素レベルを高める。脳内循環の増強の利点としては、短期記憶および長期記憶の改善、反応時間の増加、ならびに精神的な明晰さの改善が挙げられる。
【0035】
別の実施形態では、前記ハーブ抽出物もしくは画分またはそれらの組成物は、精神的敏捷性、スタミナレベル、筋肉強度、体力を増加させるために、ならびにエネルギー、筋肉強度の発生および安定維持を維持するために、例えば、パフォーマンスアスリート(耐久スポーツおよび複数の規律スポーツに携わっている者)、高齢者および病人によって摂取され得る。本成分および本組成物は、朝食として摂取可能な「フィットネスドリンク」として、またはこのようなドリンクを定期的に使用可能な濃縮物の形態で製剤化され得る。
【0036】
組成物において、組成物中のSphaeranthus indicus、Coleus aromaticus、Cissus quadrangularis、Curcuma longa、Garcinia mangostana、Citrullus lanatus、Ocimum sanctumおよびCinnamomum tamala由来の成分の濃度は、0.01%〜99.99%で個別にまたは共同して変化する。
【0037】
組成物において、組成物中のSphaeranthus indicus、Coleus aromaticus、Cissus quadrangularis、Curcuma longa、Garcinia mangostana、Citrullus lanatus、Ocimum sanctumおよびCinnamomum tamala、Ocimum basilicum、Zingiber officinalis、Tribulus terrestris、Trachyspermum ammi、Mentha arvensis、Piper cubebaおよびFoeniculum vulgare由来の成分の濃度は、20%〜80%で個別にまたは共同して変化する。
【0038】
別の実施形態では、本発明のハーブ抽出物もしくは画分または組成物は、乳酸代謝に影響を与え、疲労を軽減することによって、有酸素能力および有酸素容量を改善するために、ならびに限定されないが、ATPレベル/産生;一酸化窒素レベル、NADHバランス、レプチンレベルおよび脂肪細胞由来ペプチドを含む生物学的エネルギーマーカーの1つ以上の緩和のために有用である。
【0039】
別の実施形態では、ATP、一酸化窒素、e.Nos、MAO、ACHE、筋肉タンパク質、ミオゲニンから選択されるバイオマーカーを改善し、筋細胞増殖を増強する方法であって、Sphaeranthus indicus、Coleus aromaticus、Cissus quadrangularis、Curcuma longa、Garcinia mangostana、Citrullus lanatus、Ocimum sanctumおよびCinnamomum tamala由来のハーブ抽出物もしくは画分または組成物を含み、Ocimum basilicum、Zingiber officinalis、Tribulus terrestris、Trachyspermum ammi、Mentha arvensis、Piper cubebaおよびFoeniculum vulgare由来の抽出物または画分から選択される少なくとも1つの生物学的に活性な成分を場合により含有する治療有効量の組成物を被験体または哺乳動物または温血動物に投与することを含む方法。
【0040】
別の実施形態では、ハーブ抽出物もしくは画分または組成物は、抗糖尿病薬、抗脂質異常症薬、抗肥満薬、抗高血圧薬、抗血小板凝集薬、抗感染症薬、抗アテローム性動脈硬化症薬、抗炎症薬、抗酸化剤および生体増強活性を含む1つ以上の生物学的に活性な成分とさらに組み合わされ得る。
【0041】
さらなる例示的な実施形態では、組成物は、許容され得る食事由来の酸および塩基を含む発泡剤をさらに含有して、水との接触時にCO2ガスを生成し得る。
【0042】
別の例示的な実施形態では、組成物は、水に、または食用に適切な他の液体に溶解され得る。
【0043】
本発明の別の実施形態では、ハーブSphaeranthus indicus、Coleus aromaticus、Cissus quadrangularis、Curcuma longa、Garcinia mangostanaおよびCinnamomum tamalaの抽出物および画分を調製するために、またはこれらを抽出もしくは分画するために使用され得る様々な適切な溶媒としては、限定されないが、エタノール、メタノールのようなC1−C5アルコール;水およびそれらの混合物;ヘキサンなどのC1−C7炭化水素;酢酸エチルのようなエステルなどおよびそれらの混合物が挙げられる。
【0044】
本発明の別の実施形態では、抽出物を調製するための植物部分は、葉、茎、果実、果皮(fruit ring)、頭状花、根、樹皮または植物全体またはそれらの混合物から選択され得る。
【0045】
別の実施形態では、本発明の抽出物もしくは画分または組成物は、乾燥形態、液体形態、食品、健康補助食品または任意の適切な形態、例えば錠剤、カプセルまたはソフトチューで製剤化され得る。
【0046】
別の実施形態では、抽出物もしくは画分または組成物は、ナノテクノロジー、マイクロカプセル化、コロイド担体システムおよび他の薬物送達システムを含む技術によって、放出制御ポリマー系コーティング剤を使用して、放出制御錠剤の形態で送達され得る。
【0047】
本発明の別の実施形態では、抽出物もしくは画分または組成物、栄養補助食品/健康補助食品が提供され、これらは、健康食品または特定保健用食品、例えば固体食品、例えばチョコレートまたは栄養バー、半固体食品、例えばクリームまたはジャム、またはゲルおよびさらには飲料など、例えばリフレッシュ飲料、乳酸菌飲料、ドロップ、キャンディー、チューインガム、グミキャンディ、ヨーグルト、アイスクリーム、プディング、水羊羹、ゼリー、クッキー、茶、ソフトドリンク、ジュース、牛乳、コーヒー、シリアル、スナックバーなどの剤形で企図/作製され得る。
【0048】
組成物中に含められ得る香味料は、本明細書に開示される発明概念に関係するものではなく、当業者であれば、広範囲の利用可能な香味料を熟知している。したがって、任意の適切な天然および/または人工の香味料または香味料の組み合わせが、本開示の企図される範囲内である。
【0049】
別の例示的な実施形態では、組成物は、その組成物を用いて調製されるドリンクの外観を改善するための食品着色料をさらに含み得る。
【0050】
他の実施形態では、本発明の抽出物もしくは画分または組成物は、ヒトおよび動物の両方におけるミトコンドリア欠損を治療するのに有用である。それはまた、身体的能力または精神的能力を増強または維持するために、激しい身体的運動から身体的ストレスを受けたアスリートまたは非アスリートにおける感染症を軽減するために使用され得る。また、それは、サーチュインの活性化因子であり得る。
【0051】
別の例示的な実施形態では、生物学的に許容され得る成分または組成物は、グルコース、フルクトース、スクロース、マルトース、黄色デキストリン、白色デキストリン、アエロジル、微結晶性セルロース、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ソルビトール、ステビオシド、コーンシロップ、ラクトース、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、乳酸、L−アスコルビン酸、dl−α−トコフェロール、グリセリン、プロピレングリコール、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、スクロース脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、アカシア、カラギーナン、カゼイン、ゼラチン、ペクチン、寒天、ビタミンB群、ニコチンアミド、パントテン酸カルシウム、アミノ酸、カルシウム塩、色素、香味料、保存剤、蒸留水、生理食塩水、グルコース水溶液、アルコール、プロピレングリコールおよびポリエチレングリコール、様々な動物油および植物油、白色軟パラフィン、パラフィンおよびワックスを含む1つ以上の薬学的または栄養的に許容され得る賦形剤、担体および希釈剤とさらに組み合わせられ得る。
【0052】
また別の実施形態では、本発明は、ヒトおよび動物における身体的能力または精神的能力の増強、エネルギー、身体的耐久性、筋肉量、筋肉強度および精神的敏捷性の安定維持の方法であって、Sphaeranthus indicus、Coleus aromaticus、Cissus quadrangularis、Curcuma longa、Garcinia mangostana、Citrullus lanatus、Ocimum sanctumおよびCinnamomum tamala由来のハーブ抽出物または画分から選択される少なくとも2つの成分を含む有効量の組成物を、それを必要とする被験体に投与することを含む方法を特徴とする。身体的能力の改善の例としては、スタミナの増加、およびスピード、強度、力、耐久性、柔軟性、機敏性、バランス、焦点調整、反応時間、疲労回復の改善、およびさらにはセックススタミナの増加が挙げられる。精神的能力の改善の例としては、鋭敏感、注意持続時間、精神的敏捷性、認知機能の改善、気分の高揚、および(例えば、激しい身体的運動後の)精神的疲労の回復または軽減が挙げられる。
【0053】
本発明のさらに別の実施形態では、Sphaeranthus indicus、Coleus aromaticus、Cissus quadrangularis、Curcuma longa、Garcinia mangostanaおよびCinnamomum tamala由来の抽出物および画分から選択される少なくとも2つの成分を含む組成物は、ヒトおよび動物における身体的能力または精神的能力の増強、エネルギー、筋肉強度、身体的耐久性および精神的敏捷性の安定維持に有用な医薬の調製に使用され得る。
【0054】
当業者であれば、その広い発明概念から逸脱することなく、上記実施形態を変更し得ることを認識するであろう。したがって、本発明は、開示される特定の実施形態および実施例に限定されず、本明細書に定義される本発明の目的および範囲内の改変を包含するものであると理解される。本実施例は本発明を例証するが、決して本発明の範囲を限定するとみなされるべきではない。
【実施例】
【0055】
実施例1:Garcinia mangostanaのメタノール抽出物(LI80013)の調製:Garcinia mangostanaの果皮(1kg)を微粉化し、その粉末をRBフラスコに入れ、メタノール(10L)によって温度80℃で2時間抽出した。抽出物をろ過し、使用済み原料を同様の条件下でメタノール(2×6L)によって2回再抽出した。合わせた抽出物を精密ろ過し、クライミングフィルムエバポレーターで濃縮して、残留物(LI80013)を得た。
【0056】
同様の手順を使用して、Coleus aromaticusの葉、Curcuma longaの根、Sphaeranthus indicusの頭状花、Cinnamomum tamalaの葉、Citrullus lanatusの果皮、およびOcimum sanctumの植物全体のメタノール抽出物を調製した。
【0057】
実施例2:Sphaeranthus indicusの酢酸エチル抽出物(LI12500):Sphaeranthus indicusの頭状花(2.2kg)をパイロット抽出器に充填し、酢酸エチル(22L)によって還流温度で2時間抽出した。抽出物をろ過し、使用済み原料を同様の条件下で酢酸エチル(2×13L)によって2回再抽出した。合わせた抽出物を精密ろ過し、クライミングフィルムエバポレーターで濃縮して、残留物(174g)を得た。
【0058】
同様の手順を使用して、Coleus aromaticusの葉、Curcuma longaの根、Garcinia mangostanaの果皮、Cinnamomum tamalaの葉、Citrullus lanatusの果皮、およびOcimum sanctumの植物全体の酢酸エチル抽出物を調製した。
【0059】
実施例3:Cissus quadrangularis(LI05704)のエタノール抽出物の調製
Cissus quadrangularisの茎(lkg)を微粉化し、その粉末をRBフラスコに入れ、エタノール(8L)によって温度80℃で2時間抽出した。抽出物をろ過し、使用済み原料を同様の条件下でエタノール(2×6L)によって2回再抽出した。合わせた抽出物を精密ろ過し、クライミングフィルムエバポレーターで濃縮して、残留物(96g)としてLI05704を得た。
【0060】
Sphaeranthus indicusの頭状花、Coleus aromaticusの葉、Curcuma longaの根、Garcinia mangostanaの果皮、Cinnamomum tamalaの葉、Citrullus lanatusの果皮、およびOcimum sanctumの植物全体といった他のハーブの植物材料を同様の抽出手順に供して、それらのエタノール抽出物を得た。同様の手順を使用して、水およびヒドロアルコール抽出物も調製した。
【0061】
実施例4:組成物
組成物−1(LI12522F2):Sphaeranthus indicusのメタノール抽出物(LI12500)およびColeus aromaticusのメタノール抽出物(LI34103)を2:1の比で組み合わせることによって、組成物−1(LI12522F2)を調製した。
【0062】
組成物−2(LI89032F3):Cissus quadrangularisのエタノール抽出物(LI05704)およびCurcuma longaのメタノール抽出物(LI09703)を1:2の比で組み合わせることによって、組成物−2(LI89032F3)を調製した。
【0063】
組成物−3(LI80020F3):Garcinia mangostanaのメタノール抽出物(LI80013)およびCinnamomum tamalaのメタノール抽出物(LI33603)を1:2の比で組み合わせることによって、組成物−3(LI80020F3)を調製した。
【0064】
組成物−4(LI12532F1):Sphaeranthus indicusのメタノール抽出物(LI12500)、Coleus aromaticusのエタノール抽出物(LI34103)およびGarcinia mangostanaのメタノール抽出物(LI80013)を3:1:1の比で組み合わせることによって、組成物−4(LI12532F1)を調製した。
【0065】
組成物−5(LI12532F3):Sphaeranthus indicusのメタノール抽出物(LI12500)、Coleus aromaticusのエタノール抽出物(LI34103)およびGarcinia mangostanaのメタノール抽出物(LI80013)を2:1:2の比で組み合わせることによって、組成物−5(LI12532F3)を調製した。
【0066】
組成物−6(LI12532F4):Sphaeranthus indicusのメタノール抽出物(LI12500)、Coleus aromaticusのエタノール抽出物(LI34103)およびGarcinia mangostanaのメタノール抽出物(LI80013)を1:8:1の比で組み合わせることによって、組成物−6(LI12532F4)を調製した。
【0067】
組成物−7(LI89034F1):Cissus quadrangularisのエタノール抽出物(LI05704)、Curcuma longaのメタノール抽出物(LI09703)およびTrachyspermum ammiのエタノール抽出物(LI12304)を1:2:1の比で組み合わせることによって、組成物−7(LI89034F1)を調製した。
【0068】
組成物−8(LI89034F2):Cissus quadrangularisのエタノール抽出物(LI05704)、Curcuma longaのメタノール抽出物(LI09703)およびTrachyspermum ammiのエタノール抽出物(LI12304)を2:1:2の比で組み合わせることによって、組成物−8(LI89034F3)を調製した。
【0069】
組成物−9(LI89034F4):Cissus quadrangularisのエタノール抽出物(LI05704)、Curcuma longaのメタノール抽出物(LI09703)およびTrachyspermum ammiのエタノール抽出物(LI12304)を1:8:1の比で組み合わせることによって、組成物−9(LI89034F4)を調製した。
【0070】
組成物−10:Sphaeranthus indicusのメタノール抽出物(LI12500)、Trachyspermum ammiのエタノール抽出物(LI12304)およびGarcinia mangostanaのメタノール抽出物(LI80013)を1:8:1の比で組み合わせることによって、組成物−10を調製した。
【0071】
組成物−11:Sphaeranthus indicusのメタノール抽出物(LI12500)、Cissus quadrangularisのエタノール抽出物(LI05704)およびGarcinia mangostanaのメタノール抽出物(LI80013)を1:8:1の比で組み合わせることによって、組成物−10を調製した。
【0072】
実施例5:亜硝酸アッセイ
Sphaeranthus indicus抽出物(LI12500)およびその組成物(LI12522F2およびLI12532F1);Cissus quadrangularis抽出物(LI05704)およびその組成物(LI89032F3およびLI89034F1;Cinnamomum tamala抽出物(LI33603)と組み合わせたGarcinia mangostana抽出物(LI80013)およびその組成物(LI80020F3);Citrullus lanatus抽出物(LI/PD/151/01R1)ならびにOcimum sanctum抽出物(LI/PD/014/03R1)を使用して試験を行って、これらの個々の抽出物および組成物が、ヒト内皮細胞における一酸化窒素生成を誘導し得るかを評価した。試験物質によって処理した細胞由来のヒト内皮培養上清中の亜硝酸塩濃度を、対照処理細胞培養上清と比較して測定した。簡潔に言えば、同数のECV304ヒト内皮細胞(1.5×10個)を35mm培養皿にプレートした。細胞の付着後、ハンクス緩衝塩溶液(HBSS)によって培養皿を2回洗浄し、様々な濃度の抽出物および組成物の1%FBS補充α−MEM溶液1mlによって細胞を4時間処理した。ビヒクル対照培養物には0.2%DMSOを加えた。無細胞培養上清を回収し、グリースアッセイを使用して亜硝酸塩含量を推測した。マイクロタイタープレートの各ウェルにおいて、50マイクロリットルの培養上清を等容量のグリース試薬(0.2%ナフチレンジアミン二塩酸塩および2%スルファニルアミドを1:1の比で含有する混合物の5%リン酸溶液)と混合し、室温でさらに10分間インキュベートした。マイクロプレートリーダーSpectra MaxM5(Molecular devices,Sunnyvale,CA)において、発色を550nmで測定した。既知濃度の亜硝酸ナトリウムを用いて標準曲線を作成し、データを表1に要約する。
【0073】
【表1】
【0074】
上記亜硝酸塩濃度値(表1)は、亜硝酸塩濃度の増強について、組成物の相乗効果を明確に示している。例えば、10μg/mlの濃度において、S.indicus抽出物(LI12500)およびC.aromaticus抽出物(LI34103)は、それぞれ10.64%および−1.8%の亜硝酸塩濃度を示した。一方、S.indicus抽出物(LI12500)およびC.aromaticus抽出物(LI34103)を2:1の比で含有する組成物1(LI12522F2)は、20.8%の亜硝酸塩濃度を示した。組成物によって処理した細胞におけるこの亜硝酸塩濃度レベルは、個々の要素によって処理した細胞におけるものよりも高い。
【0075】
【表2】
【0076】
組成物−4(LI12532F1)ならびにS.indicus(LI12500)、C.aromaticus(LI34103)およびG.mangostana(LI80013)の個々の抽出物を使用して、硝酸アッセイを行った。10および25μg/mlの両試験濃度において、組成物−4(LI12532F1)は、相乗活性を明確に示している。この試験の結果により、組成物−4(LI12532F1)は、個々の抽出物よりも大きな硝酸塩濃度増強活性を示したことが示された。例えば、表2の25μg/mlの濃度において、S.indicus抽出物(LI12500)、C.aromaticus抽出物(LI34103)およびG.mangostana抽出物(LI80013)は、5.08%、21.55%および109.32%の硝酸塩濃度を示した。一方、25μg/mlにおいて、組成物−4(LI12532F1)は、193.99%の硝酸塩濃度を示した。組成物−4(LI12532F1)による硝酸塩濃度増強活性は、個々の抽出物のものよりも高い。
【0077】
【表3】
【0078】
上記亜硝酸塩濃度値(表3)は、亜硝酸塩濃度の増強について、組成物−7(LI89034F1)の相乗効果を明確に示している。例えば、1μg/mlの濃度において、C.quadrangularis(LI05704)、C.longa(LI09703)およびT.ammi(LI12304)は、それぞれ−13.11%、36.25%および20.52%の亜硝酸塩濃度を示した。一方、C.quadrangularis(LI05704)、C.longa(LI09703)およびT.ammi(LI12304)を1:2:1の比で含有する組成物−7(LI89034F1)は、79.10%の亜硝酸塩濃度を示した。組成物−7(LI89034F1)によって処理した細胞におけるこの亜硝酸塩濃度レベルは、個々の要素によって処理した細胞におけるものよりも高い。したがって、組成物−7(LI89034F1)の硝酸増強活性は、個々の抽出物よりも高い。
【0079】
実施例6:ATPアッセイ
ATPliteアッセイキット(Perkin Elmer)を使用して、ラット骨格筋細胞において細胞内ATP含量を測定した。簡潔に言えば、10%FBSおよび50μg/mlのペニシリン−ストレプトマイシンを補充したRPMIを含む96ウェルプレートにおいて、L6ラット骨格筋細胞を5%CO2、37℃で成長させた。16時間後、Sphaeranthus indicus抽出物(LI12500)およびその組成物(LI12522F2およびLI12532F1);Cissus quadrangularis抽出物(LI05704)およびその組成物(LI89032F3およびLI89034F1;Cinnamomum tamala抽出物(LI33603)と組み合わせたGarcinia mangostana抽出物(LI80013)およびその組成物(LI80020F3);Citrullus lanatus抽出物(LI/PD/151/01R1)ならびにOcimum sanctum抽出物(LI/PD/014/03R1)を独立して含有する新鮮培地に培地を交換し、4時間インキュベートした。ビヒクル対照培養物には0.2%DMSOのみを加えた。その後、50μlの細胞溶解緩衝液を各ウェルに追加し、制御振盪条件下で5分間インキュベートした。このようにして得られた様々な細胞溶解物のATP濃度の評価を、供給業者(Perkin Elmer Life Sciences,Boston,MA)が提供する方法にしたがって行った。標準的なウェルは、10μM〜0.15μMの範囲の様々な濃度のATPを含有する。50マイクロリットルの基質溶液を各ウェルに追加し、暗条件下のシェーカー上で15分間混合した。最後に、マイクロプレートリーダーSpectra MaxM5(Molecular devices,Sunnyvale,CA)において、発光強度を測定した。既知のATP濃度から作成した標準曲線に発光強度をプロットすることによって、個々の抽出物または組成物によって処理した細胞から得られた細胞溶解物におけるATP含量を測定した。処理サンプルにおけるATP含量をビヒクル対照培養物におけるATP含量と比較することによって、処理培養物における細胞内ATP指数を計算した。ビヒクル対照培養物におけるATP含量を100%とした。四組のウェルにおいて、各サンプルのすべての処理濃度を処理した。
【0080】
【表4】
【0081】
ATPliteアッセイキットおよびATP濃度(%)のデータを表4に要約する。このデータにより、すべての組成物がATP含量の増加を示し、相乗効果が有意であったことが明らかになった。本試験の結果により、抽出物の組成物は、個々の抽出物よりも高いATP濃度を示したことが示された。例えば、10pg/mlの濃度において、C.quadrangularis抽出物(LI05704)およびC.longa抽出物(LI09703)は、それぞれ129.04%および85.21%のATP濃度を示した。一方、C.quadrangularis抽出物(LI05704)およびC.longa抽出物(LI09703)を1:2の比で含有する組成物2(LI89032F3)は、157.1%のATP濃度を示した。
【0082】
【表5】
【0083】
S.indicus(LI12500)、C.aromaticus(LI34103)およびG.mangostana(LI80013)の抽出物を使用して、ラット骨格筋細胞において細胞内ATP含量を測定した。表5は、10pg/mlの濃度におけるATP含量の値を示す。10pg/mlの濃度において、S.indicus(LI12500)、C.aromaticus(LI34103)およびG.mangostana(LI80013)を含有する組成物−4(LI12532F1)は優れた相乗活性を示し、ATP含量は153.01%増加した。一方、10pg/mlの濃度において、個々の抽出物は組成物よりも低い活性を示し、ATP含量は、S.indicus(LI12500)では86.93%であり、C.aromaticus(LI34103)では95.65%であり、G.mangostana(LI80013)では124.24%であった。この予想外の結果は、組成物−4の相乗活性とATP濃度の増加を明確に示している。
【0084】
【表6】
【0085】
ATPアッセイの結果(表6)は、ATP濃度の増強について、組成物−7(LI89034F1)の相乗効果を明確に示している。例えば、1000pg/mlの濃度において、C.quadrangularis(LI05704)、C.longa(LI09703)およびT.ammi(LI12304)は、それぞれ105.25%、119.46%および144.94%のATP濃度を示した。一方、C.quadrangularis(LI05704)、C.longa(LI09703)およびT.ammi(LI12304)を1:2:1の比で含有する組成物−7(LI89034F1)は、158.57%のATP濃度を示した。組成物−5によって処理した細胞におけるこのATPレベルは、個々の要素によって処理した細胞におけるものよりも高い。したがって、組成物−7(LI89034F1)のATP増加活性は、個々の抽出物よりも高い。
【0086】
実施例7−タンパク質アッセイ
Coleus aromaticus抽出物(LI34103)およびGarcinia mangostana抽出物(LI80013)と組み合わせたSphaeranthus indicus抽出物(LI12500)およびその組成物(LI12522F2およびLI12532F1);Curcuma longa抽出物(LIO9703)およびTrachyspermum ammi抽出物(LI12304)と組み合わせたCissus quadrangularis抽出物(LI05704)およびその組成物(LI89032F3およびLI89034F1);Cinnamomum tamala抽出物(LI33603)と組み合わせたGarcinia mangostana抽出物(LI80013)およびその組成物(LI80020F3);Citrullus lanatus抽出物(LI/PD/151/01R1)ならびにOcimum sanctum抽出物(LI/PD/014/03R1)のタンパク質合成増強効果を、L6ラット骨格筋細胞において評価した。96ウェル細胞培養プレートの各ウェルにおいて、同数のL6細胞を成長させた。翌日、様々な濃度のSphaeranthus indicus抽出物、Coleus aromaticus抽出物、Cissus quadrangularis抽出物、Garcinia mangostana抽出物、Curcuma longa抽出物およびCinnamomum tamala抽出物;ならびにそれらの組成物LI89032F3、LI89034F1、LI12522F2、LI12532F1およびLI80020F3によって細胞を処理し、処理段階を72時間まで継続した。ビヒクル対照培養物のウェルには0.2%DMSOのみを加えた。処理期間後、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)によって細胞を2回洗浄した。その後、細胞を1%SDSに溶解した。BCAタンパク質アッセイキット(Thermo Scientific)を使用して、細胞溶解物におけるタンパク質含量を測定した。25μg/ml〜0.78μg/mlの範囲の様々な濃度のウシ血清アルブミンを標準として使用した。マイクロプレートリーダーSpectra MaxM5(Molecular devices,Sunnyvale,CA)において、発色反応の吸光度を562nmで読み取った。標準ウェルにおける既知のタンパク質濃度から作成した標準曲線に吸光度値をプロットすることによって、細胞溶解物におけるタンパク質含量を定量的に測定した。
【0087】
【表7】
【0088】
L6ラット骨格筋細胞におけるタンパク質合成効率について、健康補助食品組成物をスクリーニングする。表7に要約されているように、試験したすべての組成物が相乗効果を示し、骨格筋細胞におけるタンパク質含量を増加させるのにより有効であった。例えば、1ng/mlの濃度において、G.mangostana抽出物(LI80013)およびC.tamala抽出物(LI33603)は、それぞれ104.23%および90.14%のタンパク質濃度を示した。一方、G.mangostana抽出物(LI80013)およびC.tamala抽出物(LI33603)を1:2の比で含有する組成物3(LI80020F3)は、115.69%のタンパク質濃度を示した。
【0089】
動物試験
エネルギーおよび耐久性のFST試験手順
試験開始前に、スイスアルビノマウスを5日間馴化させた。健康なスイスアルビノマウスを選択し、異なる処置群に無作為に分けた(n=6)。ビヒクルまたは150mg/kgのLI89032F3もしくはLI12522F2もしくはLI80020F3または150mglkgのL−カルニチンまたは10mg/kgのカフェインによって、動物を21日間経口処置した。
【0090】
21日目において、処置の1時間後に、マウスに一定の負荷をかけて(体重の10%の重りを尾に取り付けて)水を充填したアクリルシリンダー内で遊泳させた。SMARTビデオ追跡システム(Panlab S.L.U)を使用して、この試験を10分間モニタリングした。様々な遊泳パラメータを記録し、smartソフトウェアによって分析した。測定した遊泳パラメータとしては、休息時間、低速移動時間、高速移動時間、総移動時間、遊泳経路長および平均速度が挙げられる。結果を平均±SEMとして表し、対照群と比較して有効性を測定し、表8に要約した。
【0091】
【表8】
【0092】
それぞれ150mg/kgのLI89032F3もしくはLI12522F2もしくはLI80020F3もしくはL−カルニチンまたは10mg/kgのカフェインの用量で、LI12522F2、LI89032F3、LI80020F3、カフェインおよびL−カルニチンをスイスアルビノマウスに経口投与して、これらの化合物のエネルギー耐久性および筋肉強度ポテンシャルを評価した。試験21日目において、試験品LI12522F2、LI89032F3、LI80020F3、L−カルニチンおよび標準薬カフェインを補給した動物群は、休息時間(秒)の減少および移動距離(mm)、低速遊泳時間(秒)、高速遊泳時間(秒)の増加を示した。上記観察結果は、LI12522F2、LI89032F3、LI80020F3、カフェインおよびL−カルニチンによって処置した動物が、対照群と比較して、10分間の強制遊泳期間においてより活動的かつ精力的であり、その時間の大部分で休息せずに低速遊泳または高速遊泳する傾向があり得ることを示している。21日目の群における高速遊泳および遊泳速度の割合の増加は、処置動物が高速遊泳する傾向があり、LI12522F2、LI80020F3、LI89032F3経口投与後の最短期間に進んだ距離が、対照群と比較して長いことを示している。したがって、これらの組成物LI12522F2、LI80020F3、LI8903によって処置した動物は、より精力的である。加えて、エネルギーの改善、移動距離の増加および休息時間の減少は、組成物LI12522F2、LI80020F3、LI89032F3が対照よりも高い耐久性を有することを示している。
【0093】
握力測定
試験開始前に、スイスアルビノマウスを5日間馴化させた。健康なスイスアルビノマウスを選択し、異なる処置群に無作為に分けた(n=6)。ビヒクルまたは150mg/kgのLI89032F3もしくはLI12522F2もしくはLI80020F3または150mglkgのL−カルニチンまたは10mg/kgのカフェインによって、動物を21日間経口処置した。処置の21日後に、握力計(UgoBasile,Italy)を使用することによって、マウスの握力を測定した。5日間にわたって動物を訓練し、実験環境および条件に馴化させた。各マウスに握り棒を握らせ、引張力が動物の握力を超えるまで力を徐々に増加させて、握り棒を尾と水平に徐々に引き戻した。マウスが握り棒を手放した際に適用した力を握力としてグラム単位で記録した。各動物について3回の試験を行い、平均握力を計算した。結果を平均±SEMとして表し、対照群と比較し、表9に要約した。
【0094】
【表9】
【0095】
データによれば、組成物LI12522F2、LI80020F3およびLI89032F2によって21日間処置した動物群は、対照と比較して比較的優れた握力を示したことは明白である。