特許第6629791号(P6629791)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6629791
(24)【登録日】2019年12月13日
(45)【発行日】2020年1月15日
(54)【発明の名称】パラシュート装置及び飛行体
(51)【国際特許分類】
   B64D 17/80 20060101AFI20200106BHJP
   B64C 39/02 20060101ALI20200106BHJP
   B64D 17/42 20060101ALI20200106BHJP
【FI】
   B64D17/80
   B64C39/02
   B64D17/42
【請求項の数】6
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2017-104385(P2017-104385)
(22)【出願日】2017年5月26日
(65)【公開番号】特開2018-199385(P2018-199385A)
(43)【公開日】2018年12月20日
【審査請求日】2019年10月11日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】501440684
【氏名又は名称】ソフトバンク株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】田近 明彦
【審査官】 伊藤 秀行
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭58−39598(JP,A)
【文献】 特開平11−222199(JP,A)
【文献】 国際公開第1983/00671(WO,A1)
【文献】 米国特許第5239927(US,A)
【文献】 米国特許第5673873(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B64D 17/80
B64C 39/02
B64D 17/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1部分及び第2部分を有する部材と、
前記第1部分と第1パラシュートの根本とを結合する第1結合部と、
前記第2部分と前記第1パラシュートの傘とを結合する第2結合部と
前記第1部分と第2パラシュートの傘とを結合する第3結合部と、
前記第2部分と前記第2パラシュートの根本とを結合する第4結合部と、
前記第1パラシュートと前記第2パラシュートとを収容する筒状の収容部と
を備え、
前記第1結合部の結合力は、前記第2結合部の結合力より強
前記第4結合部の結合力は、前記第3結合部の結合力より強く、
前記第1部分は、前記収容部の内部の一端に設けられ、
前記第2部分は、前記収容部の内部の他端に設けられ、
前記収容部は、前記第1パラシュートと前記第2パラシュートとを仕切って格納する、
パラシュート装置。
【請求項2】
第1部分及び第2部分を有する部材と、
前記第1部分と第1パラシュートの根本とを結合する第1結合部と、
前記第2部分と前記第1パラシュートの傘とを結合する第2結合部と
前記第1パラシュートを収容する筒状の第1収容部と、
前記第1収容部と並列に配置され、第2パラシュートを収容する筒状の第2収容部と、
前記第2収容部の内部の一端に設けられた第3部分と、前記第2パラシュートの傘とを結合する第3結合部と、
前記第2収容部の内部の他端に設けられた第4部分と、前記第2パラシュートの根元とを結合する第4結合部と
を備え、
前記第1結合部の結合力は、前記第2結合部の結合力より強く、
前記第4結合部の結合力は、前記第3結合部の結合力より強く、
前記第1部分は、前記第1収容部の内部の一端に設けられ、
前記第2部分は、前記第1収容部の内部の他端に設けられ、
並列に配置された前記第1収容部と前記第2収容部とにおいて、前記第1収容部の内部の一端から前記第1収容部の内部の他端への方向と、前記第2収容部の内部の一端から前記第2収容部の内部の他端への方向とが同一である、
パラシュート装置。
【請求項3】
前記部材が前記第1部分を含む部位と前記第2部分を含む部位とに分離破壊し、前記第1結合部と前記第2結合部とが前記パラシュートを引っ張り合った場合、前記第1結合部による前記第1部分と前記第1パラシュートの根本との結合が維持され、前記第2結合部による前記第2部分と前記第1パラシュートの傘との結合が解除される、請求項1又は2に記載のパラシュート装置。
【請求項4】
飛行体であって、
第1部分及び第2部分を有する部材と、
前記第1部分と第1パラシュートの根本とを結合する第1結合部と、
前記第2部分と前記第1パラシュートの傘とを結合する第2結合部と
を有するパラシュート装置と、
主翼とを備え、
前記第1結合部の結合力は、前記第2結合部の結合力より強く、
前記部材は、前記主翼のスパーである、飛行体。
【請求項5】
飛行体であって、
第1部分及び第2部分を有する部材と、
前記第1部分と第1パラシュートの根本とを結合する第1結合部と、
前記第2部分と前記第1パラシュートの傘とを結合する第2結合部と
を有するパラシュート装置と、
前記部材を有する胴体とを備え、
前記第1結合部の結合力は、前記第2結合部の結合力より強く、
前記部材は、胴体桁である、飛行体。
【請求項6】
主翼と、
前記主翼の内部に主翼に沿って配置された、パラシュートを収容する筒状の収容部と、
前記収容部の内部の一端に設けられた第1部分と、前記パラシュートの根本とを結合する第1結合部と、
前記収容部の内部の他端に設けられた第2部分と、前記パラシュートの傘とを結合する第2結合部と
を備え、
前記第1結合部の結合力は、前記第2結合部の結合力より強い、飛行体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パラシュート装置及び飛行体に関する。
【背景技術】
【0002】
成層圏プラットフォームを提供すべく成層圏を飛行する飛行体が知られていた(例えば、特許文献1参照)。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特開2002−211496号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
飛行体が飛行中に破壊されてしまった場合に、地上の被害を低減できる技術を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の第1の態様によれば、パラシュート装置が提供される。パラシュート装置は、第1部分及び第2部分を有する部材を備えてよい。パラシュート装置は、第1部分と第1パラシュートの根本とを結合する第1結合部を備えてよい。パラシュート装置は、第2部分と第1パラシュートの傘とを結合する第2結合部を備えてよい。パラシュート装置において、第1結合部の結合力は、第2結合部の結合力より強くてよい。
【0005】
上記パラシュート装置において、上記部材が上記第1部分を含む部位と上記第2部分を含む部位とに分離破壊し、上記第1結合部と上記第2結合部とが上記パラシュートを引っ張り合った場合、上記第1結合部による上記第1部分と上記第1パラシュートの根本との結合が維持され、上記第2結合部による上記第2部分と上記第1パラシュートの傘との結合が解除されてよい。
【0006】
上記パラシュート装置は、上記第1部分と第2パラシュートの傘とを結合する第3結合部と、上記第2部分と上記第2パラシュートの根本とを結合する第4結合部とをさらに備えてよく、上記第4結合部の結合力は、上記第3結合部の結合力より強くてよい。上記パラシュート装置において、上記部材が上記第1部分を含む部位と上記第2部分を含む部位とに分離破壊し、上記第3結合部と上記第4結合部とが上記パラシュートを引っ張り合った場合、上記第4結合部による上記第2部分と上記第2パラシュートの根本との結合が維持され、上記第3結合部による上記第1部分と上記第2パラシュートの傘との結合が解除されてよい。上記第2結合部は、上記第2部分と上記第1パラシュートの傘の先端とを結合してよく、上記第3結合部は、上記第1部分と上記第2パラシュートの傘の先端とを結合してよい。上記パラシュート装置は、上記第1パラシュートと上記第2パラシュートとを収容する筒状の収容部を備えてよく、上記第1部分は、上記収容部の内部の一端に設けられてよく、上記第2部分は、上記収容部の内部の他端に設けられてよい。上記収容部は、上記第1パラシュートと上記第2パラシュートとを仕切って格納してよい。上記第1パラシュートの根元から上記第1のパラシュートの傘までのケーブルの長さ、及び上記第2のパラシュートの根元から上記第2のパラシュートの傘までのケーブルの長さは、上記部材の長さよりも長くてよい。
【0007】
上記パラシュート装置は、上記第1パラシュートを収容する筒状の第1収容部と、上記第1収容部と並列に配置され、第2パラシュートを収容する筒状の第2収容部と、上記第2収容部の内部の一端に設けられた第3部分と、上記第2パラシュートの傘とを結合する第3結合部と、上記第2収容部の内部の他端に設けられた第4部分と、上記第2パラシュートの根元とを結合する第4結合部とを備えてよく、上記第4結合部の結合力は、上記第3結合部の結合力より強くてよく、上記第1部分は、上記第1収容部の内部の一端に設けられてよく、上記第2部分は、上記第1収容部の内部の他端に設けられてよく、並列に配置された上記第1収容部と上記第2収容部とにおいて、上記第1収容部の内部の一端から上記第1収容部の内部の他端への方向と、上記第2収容部の内部の一端から上記第2収容部の内部の他端への方向とが同一であってよい。
【0008】
本発明の第2の態様によれば、上記パラシュート装置を備える飛行体が提供される。
【0009】
上記飛行体は、上記部材を有する主翼を備えてよい。上記部材は、上記主翼のスパーであってよい。上記飛行体は、上記部材を有する胴体を備えてよい。上記部材は、胴体桁であってよい。
【0010】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】ソーラープレーン100の一例を概略的に示す。
図2】ソーラープレーン100の一例を概略的に示す。
図3】パラシュート装置200の一例を概略的に示す。
図4】パラシュート装置200の一例を概略的に示す。
図5】パラシュート装置200の一例を概略的に示す。
図6】飛行体500の一例を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0013】
図1及び図2は、ソーラープレーン100の一例を概略的に示す。ソーラープレーン100は、飛行体の一例である。ソーラープレーン100は、主翼110、プロペラ112、及び太陽電池パネル114を備える。ソーラープレーン100は、太陽電池パネル114によって発電して、プロペラ112を回転させることによって飛行する。
【0014】
本実施形態に係るソーラープレーン100は、主翼110の内部に、パラシュート300及びパラシュート400を収容するパラシュート装置200を備える。パラシュート装置200は、主翼110と一体であってもよい。
【0015】
パラシュート装置200は、図2に示すように、ソーラープレーン100が破壊され、分離された場合に、パラシュート300及びパラシュート400が引き出されるような構成を有する。例えば、パラシュート装置200は、パラシュート300及びパラシュート400を収容する筒状の収容部を備え、パラシュート300のケーブル320の根元が収容部の内部の一端に結合され、パラシュート400のケーブル420の根元が収容部の内部の他端に結合される。これにより、ソーラープレーン100が、当該一端を含む部位と当該他端を含む部位とに分離された場合に、パラシュート300のケーブル320が引っ張られて、パラシュート300が引き出され、パラシュート400のケーブル420が引っ張られて、パラシュート400が引き出される。
【0016】
なお、ここでは、飛行体の一例としてソーラープレーン100を挙げたが、これに限らない。例えば、飛行体は、いわゆる飛行機及び航空機等である。また、飛行体は、成層圏を飛行して、通信及び放送等のサービスを提供するいわゆる成層圏プラットフォームであってもよい。
【0017】
特に、長い翼長を持つ飛行体は、翼に予想外の非常に強い力がかかる場合があり、時として設計上の耐久力を超えてしまい、飛行体が破壊されてしまうこともあり得る。また、テロ等の爆発によって飛行体が空中分解するような場合もあり得る。このような場合に、本実施形態に係るパラシュート装置200によれば、破壊された飛行体の落下速度を低減させることができ、地上への被害を低減することができる。
【0018】
図3は、パラシュート装置200の一例を概略的に示す。ここでは、パラシュート装置200が主翼110の内部に配置されている例を示す。パラシュート装置200は、主翼110の任意の位置に配置されてよい。例えば、パラシュート装置200は、主翼110のスパー内に配置される。また、パラシュート装置200は、スパーと一体であってもよい。また、パラシュート装置200は、主翼110の外部に設置されてもよい。
【0019】
パラシュート装置200は、収容部210、仕切板212、部分220、及び部分230を備える。収容部210は、パラシュート300及びパラシュート400を収容する。パラシュート300とパラシュート400とは、仕切板212によって仕切られて収容されてよい。なお、収容部210は、仕切板212を含まなくてもよい。パラシュート300は第1パラシュートの一例であり、パラシュート400は第2パラシュートの一例であり、部分220は第1部分の一例であり、部分230は第2部分の一例である。
【0020】
パラシュート300は、傘310及びケーブル320を有する。ケーブル320の長さは収容部210の長さよりも長く、パラシュート300は、ケーブル320が折り畳まれて収容部210に収容されてよい。
【0021】
パラシュート400は、傘410及びケーブル420を有する。ケーブル420の長さは収容部210の長さよりも長く、パラシュート400は、ケーブル420が折り畳まれて収容部210に収容されてよい。
【0022】
パラシュート300のケーブル320が部分220に結合され、傘310が部分230に結合される。図3では、ケーブル320の根本322が部分220に結合され、傘310の先端312が部分230に結合された場合を例示している。なお、これに限らず、ケーブル320の他の部分が部分220に結合されてもよい。また、傘310の他の部分が部分230に結合されてもよい。
【0023】
部分220と根本322とが結合部222によって結合され、部分230と先端312とが結合部232によって結合される。結合部222は第1結合部の一例であり、結合部232は第2結合部の一例である。
【0024】
結合部222の結合力は、結合部232の結合力よりも強い。例えば、パラシュート装置200が、部分220を含む部位と部分230を含む部位とに分離破壊し、結合部222と結合部232とがパラシュート300を引っ張り合った場合、結合部222による部分220と根本322との結合が維持され、結合部232による部分230と先端312との結合が解除される。これにより、主翼110が破壊され、パラシュート装置200が部分220を含む第1の部位と部分230を含む第2の部位とに分離破壊した場合に、第1の部位と第2の部位とが離間するのに伴って先端312と根本322とが引っ張られ、折り畳まれて収容されていたパラシュート300が伸張されて、結合部222と結合部232とがパラシュート300を引っ張り合い、部分230と先端312との結合が解除されることになる。よって、傘310をケーブル320側から引っ張り出すことができ、傘310を効果的に展開させることができる。
【0025】
結合部222による部分220と根本322との結合は、任意の方法で行われてよい。結合部222は、例えば、部分220と根本322とを接着する接着剤によって構成される。また、結合部222は、部分220に固定された、根本322を保持可能な部材であってもよい。また、結合部222は、部分220と一体的に形成された、根本322を保持可能な部材であってもよい。例えば、結合部222は、根本322を結び付け可能な部材である。また、例えば、結合部222は、根本322を挟んで保持する部材である。
【0026】
結合部232による部分220と先端312との結合は、結合部232の結合力が結合部222の結合力よりも弱くなるような、任意の方法で行われてよい。例えば、結合部222が、部分220と根本322とを接着する接着剤によって構成され、結合部232が、結合部222よりも接着力の弱い接着剤によって構成される。また、例えば、結合部222が、根本322を保持可能な部材であり、結合部232が、結合部222よりも保持力の弱い、先端312を保持可能な部材である。このように、結合部222による結合の方法と、結合部232による結合の方法とは同じであってよい。
【0027】
また、結合部222による結合の方法と、結合部232による結合の方法とは異なってもよい。例えば、結合部222が、部分220と根本322とを接着する接着剤によって構成され、結合部232が、根本322を保持可能な部材であってよい。この場合、例えば、実験等を通じて、結合部222の結合力が結合部232の結合力よりも強くなるように、結合部222による接着と結合部232による保持とが調整されてよい。
【0028】
また、結合部232が先端312の一部であり、結合部222が根本322の一部であり、かつ、結合部232の材質が結合部222の材質よりも弱い構成を採用してもよい。すなわち、パラシュート300を引っ張り合った場合に、結合部232が結合部222よりも先に切断されるように構成されていてもよい。
【0029】
パラシュート400の傘410が部分220に結合され、ケーブル420が部分230に結合される。図3では、傘410の先端412が部分220に結合され、ケーブル420の根本422が部分230に結合された場合を例示している。なお、これに限らず、先端412の他の部分が部分220に結合されてもよい。また、ケーブル420の他の部分が部分230に結合されてもよい。
【0030】
部分220と先端412とが結合部224によって結合され、部分230と根本422とが結合部234によって結合される。結合部224は第3結合部の一例であり、結合部234は第4結合部の一例である。
【0031】
結合部234の結合力は、結合部224の結合力よりも強い。例えば、パラシュート装置200が、部分220を含む部位と部分230を含む部位とに分離破壊し、結合部224と結合部234とがパラシュート400を引っ張り合った場合、結合部234による部分230と根本422との結合が維持され、結合部224による部分220と先端412との結合が解除される。これにより、主翼110が破壊され、パラシュート装置200が部分220を含む第1の部位と部分230を含む第2の部位とに分離破壊した場合に、第1の部位と第2の部位とが離間するのに伴って先端412と根本422とが引っ張られ、折り畳まれて収容されていたパラシュート400が伸張されて、結合部224と結合部234とがパラシュート400を引っ張り合い、部分220と先端412との結合が解除されることになる。よって、傘410をケーブル420側から引っ張り出すことができ、傘410を効果的に展開させることができる。
【0032】
結合部224による部分220と先端412との結合は、任意の方法で行われてよい。結合部224は、例えば、部分220と先端412とを接着する接着剤によって構成される。また、結合部224は、部分220に固定された、先端412を保持可能な部材であってもよい。また、結合部224は、部分220と一体的に形成された、先端412を保持可能な部材であってもよい。例えば、結合部224は、先端412を結び付け可能な部材である。また、例えば、結合部224は、先端412を挟んで保持する部材である。
【0033】
結合部234による部分230と根本422との結合は、結合部234の結合力が結合部224の結合力よりも強くなるような、任意の方法で行われてよい。例えば、結合部224が、部分220と先端412とを接着する接着剤によって構成され、結合部234が、結合部224よりも接着力の強い接着剤によって構成される。また、例えば、結合部224が、先端412を保持可能な部材であり、結合部234が、結合部224よりも保持力の強い、根本422を保持可能な部材である。このように、結合部224による結合の方法と、結合部234による結合の方法とは同じであってよい。
【0034】
また、結合部224による結合の方法と、結合部234による結合の方法とは異なってもよい。例えば、結合部224が、部分220と先端412とを接着する接着剤によって構成され、結合部234が、根本422を保持可能な部材である。この場合、例えば、実験を通じて、結合部234の結合力が結合部224の結合力よりも強くなるように、結合部224による接着と結合部234による保持とが調整されてよい。
【0035】
また、結合部224が先端412の一部であり、結合部234が根本422の一部であり、かつ、結合部224の材質が結合部234の材質よりも弱い構成を採用してもよい。すなわち、パラシュート400を引っ張り合った場合に、結合部224が結合部234よりも先に切断されるように構成されていてもよい。
【0036】
図4は、パラシュート装置200の一例を概略的に示す。図4に示すパラシュート装置200は、収容部240、部分250、及び部分260と、収容部270、部分280、及び部分290とを備える。収容部240と収容部270とは並列に配置されてよい。収容部240は第1収容部の一例であり、収容部270は第2収容部の一例であり、部分250は第1部分の一例であり、部分260は第2部分の一例であり、部分280は第3部分の一例であり、部分290は第4部分の一例である。
【0037】
収容部240には、パラシュート300が収容される。パラシュート300は、ケーブル320が折り畳まれて収容部240に収容されてよい。
【0038】
パラシュート300のケーブル320が部分250に結合され、傘310が部分260に結合される。図4では、ケーブル320の根本322が部分250に結合され、傘310の先端312が部分260に結合された場合を例示している。なお、これに限らず、ケーブル320の他の部分が部分250に結合されてもよい。また、傘310の他の部分が部分260に結合されてもよい。
【0039】
部分250と根本322とが結合部252によって結合され、部分260と先端312とが結合部262によって結合される。結合部252は第1結合部の一例であり、結合部262は第2結合部の一例である。
【0040】
結合部252の結合力は、結合部262の結合力よりも強い。例えば、パラシュート装置200が、部分250を含む部位と部分260を含む部位とに分離破壊し、結合部252と結合部262とがパラシュート300を引っ張り合った場合、結合部252による部分250と根本322との結合が維持され、結合部262による部分260と先端312との結合が解除される。これにより、主翼110が破壊され、パラシュート装置200が部分250を含む第1の部位と部分260を含む第2の部位とに分離破壊した場合に、第1の部位と第2の部位とが離間するのに伴って先端312と根本322とが引っ張られ、折り畳まれて収容されていたパラシュート300が伸張されて、結合部252と結合部262とがパラシュート300を引っ張り合い、部分260と先端312との結合が解除されることになる。よって、傘310をケーブル320側から引っ張り出すことができ、傘310を効果的に展開させることができる。
【0041】
結合部252による部分250と根本322との結合と、結合部262による部分260と先端312との結合は、図3において説明した、結合部222による部分220と根本322との結合と、結合部232による部分230と先端312との結合と同様であってよい。
【0042】
収容部270には、パラシュート400が収容される。パラシュート400は、ケーブル420が折り畳まれて収容部270に収容されてよい。
【0043】
パラシュート400の傘410が部分280に結合され、ケーブル420が部分290に結合される。図4では、傘410の先端412が部分280に結合され、ケーブル420の根本422が部分290に結合された場合を例示している。なお、これに限らず、先端412の他の部分が部分280に結合されてもよい。また、ケーブル420の他の部分が部分290に結合されてもよい。
【0044】
部分280と先端412とが結合部282によって結合され、部分290と根本422とが結合部292によって結合される。結合部282は第3結合部の一例であり、結合部292は第4結合部の一例である。
【0045】
結合部292の結合力は、結合部282の結合力よりも強い。例えば、パラシュート装置200が、部分280を含む部位と部分290を含む部位とに分離破壊し、結合部282と結合部292とがパラシュート400を引っ張り合った場合、結合部292による部分290と根本422との結合が維持され、結合部282による部分280と先端412との結合が解除される。これにより、主翼110が破壊され、パラシュート装置200が部分280を含む第1の部位と部分290を含む第2の部位とに分離破壊した場合に、第1の部位と第2の部位とが離間するのに伴って先端412と根本422とが引っ張られ、折り畳まれて収容されていたパラシュート400が伸張されて、結合部282と結合部292とがパラシュート400を引っ張り合い、部分280と先端412との結合が解除されることになる。よって、傘410をケーブル420側から引っ張り出すことができ、傘410を効果的に展開させることができる。
【0046】
結合部282による部分280と先端412との結合と、結合部292による部分290と根本422との結合は、図3において説明した、結合部224による部分220と先端412との結合と、結合部234による部分230と根本422との結合と同様であってよい。
【0047】
図5は、パラシュート装置200の一例を概略的に示す。図5に示すパラシュート装置200は、パラシュート300を収容する収容部240、部分250、及び部分260を備える。収容部240、部分250、部分260、及びパラシュート300は、図4の収容部240、部分250、部分260、及びパラシュート300と同一であってよい。図5に示すように、パラシュート装置200は、複数のパラシュートを備えずに一つのパラシュートのみを備えてもよい。
【0048】
図6は、飛行体500の一例を概略的に示す。飛行体500は、胴体502、主翼510、尾翼520、及びパラシュート装置200を備える。図6では、胴体502の内部にパラシュート装置200が配置されている例を示す。パラシュート装置200は、胴体502の任意の位置に配置されてよい。胴体502は、胴体桁であってよく、パラシュート装置200は、胴体桁の内部に配置されてもよい。また、パラシュート装置200は、胴体桁と一体であってもよい。また、パラシュート装置200は、胴体502に外部に設置されてもよい。
【0049】
図6におけるパラシュート装置200の構造は、図3におけるパラシュート装置200、図4におけるパラシュート装置200、及び図5におけるパラシュート装置200のいずれかと同一であってよい。また、パラシュート装置200は、主翼510の内部に配置されてもよく、主翼510の外部に設置されてもよい。飛行体500は、主翼510の内部又は外部と、胴体502の内部又は外部の両方に、パラシュート装置200を備えてもよい。
【0050】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0051】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置における動作、手順、ステップ、および段階などの各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」などと明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。
【符号の説明】
【0052】
100 ソーラープレーン、110 主翼、112 プロペラ、114 太陽電池パネル、200 パラシュート装置、210 収容部、212 仕切板、220 部分、222 結合部、224 結合部、230 部分、232 結合部、234 結合部、240 収容部、250 部分、252 結合部、260 部分、262 結合部、270 収容部、280 部分、282 結合部、290 部分、292 結合部、300 パラシュート、310 傘、312 先端、320 ケーブル、322 根本、400 パラシュート、410 傘、412 先端、420 ケーブル、422 根本、500 飛行体、502 胴体、510 主翼、520 尾翼
図1
図2
図3
図4
図5
図6