(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記充填材料が、ポリアクリレート、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリシロキサン、ポリエーテル、ポリビニル化合物、またはこれらいずれかの混合物を含む、請求項1に記載のラミネート。
前記ラミネートが、反射フィルム、日照調整フィルム、低εフィルム、第1のカラーフィルタフィルム、凝結防止フィルム、またはこれらの任意の組み合わせを備える第1のフィルムを更に含む、請求項1に記載のラミネート。
前記第1の屈折率と前記第2および第3の屈折率のいずれか一方または両方との間の屈折率の差異が、前記充填材料の屈折率と前記第2および第3の屈折率の各々との間の屈折率の差異よりも大きい、請求項1〜6のいずれか一項に記載のラミネート。
前記第2のパネルが、エレクトロクロミックデバイスを具備し、前記エレクトロクロミックデバイスが、エレクトロクロミック層と、カウンタ電極層と、前記エレクトロクロミック層と前記カウンタ電極層との間に配設された固体イオン導電層と、を含む、請求項8に記載のラミネート。
【発明を実施するための形態】
【0005】
本明細書に開示されている教示を理解する助けとなるよう、以下に説明およびこれと併せて参照される図面を示す。以下、教示に係る特定の実装形態および実施形態に焦点を絞り込んで説明する。このような焦点の絞り込みは、教示について説明するうえで助けになるものであって、教示の範囲または適用性を制限するものとして解釈すべきではない。
【0006】
ポリマー類には、ホモポリマーおよびコポリマーが包含される。ホモポリマーは単一種の高分子前駆体から形成されるのに対して、コポリマーは異種の高分子前駆体から形成される。
【0007】
本明細書において、屈折率は550nmにて測定される。
【0008】
本明細書において、用語「含む(comprises)」、「含んでなる(comprising)」、「具備する(includes)」、「具備してなる(including)」、「有する(has)」、「有してなる(having)」、または他の何らかの変形態様は、非排除的な包含を規定することを意図したものである。例えば、特徴のリストを含むプロセス、方法、物品もしくは装置は、必ずしもこれらの特徴だけに限定されるものではなく、明示的にはリストされていないかまたはそのようなプロセス、方法、物品もしくは装置に固有の、他の特徴が包含される場合がある。更に、そうでない旨を明示的に記述しない限り、「あるいは(or)」は、排他的な「または」でなく包含的な「すなわち」を指す。例えば、条件AまたはBは、「Aが真で(すなわち存在し)且つBが偽である(すなわち存在しない)」、「Aが偽で(すなわち存在せず)且つBが真である(すなわち存在する)」、ならびに「AおよびBの両方が真である(すなわち存在する)」のいずれによっても満たされる。
【0009】
本明細書に記載されている要素および構成要素について説明する場合、「1つの(a)」または「1つの(an)」を使用する。これは、あくまで便宜上為されるものであって、本発明の範囲の概略的な意味を示すことを目的としている。この説明は、1つもしくは少なくとも1つを含むものとして読むべきであり、そうでない旨が明らかに意味されていない限り、単数形も複数を包含し、またその逆も同様で複数形も単数を包含するものとする。
【0010】
別途規定されていない限り、本明細書中に用いられている技術用語および科学用語の意味はいずれも、本発明の帰属する当業者にあまねく理解されている意味と同じである。材料、方法、および実施例は、あくまで例証を目的としたものであって、制限を課すことを意図するものではない。特定の材料および加工行為に関する多くの詳細は、本明細書に記載されていない限りは従来通りであり、ガラス、蒸着およびエレクトロクロミック技術を対象分野とするテキストブックならびに他の出典において見出すことができる。
【0011】
ラミネートは大型パネルを具備し、その大型パネルの同一側面に小型パネルが連結される場合がある。小型パネル間の間隙中には、充填材料を使用することができる。充填材料の屈折率は、小型パネルの透明基板の屈折率と同じであるかまたはそれらの屈折率の間の値でありうる。この屈折率は、小型パネル間の継ぎ目を人の目に付きにくくし、且つ小型パネルがあたかも単一パネルの一部であるかのように見えるようにするのを助長しうる。
【0012】
ラミネートの構成は、パネルのサイズが制限されている場合に有用となりうる。例えば、パネルの処理に使用されるツールによって、パネルのサイズが制限される可能性もある。例えば、蒸着ツールに堆積チャンバが具備されている場合は、この堆積チャンバが原因で、パネルのサイズが制限される可能性がある。そのため、蒸着フィルムを必要とするパネルはサイズ制限を受ける可能性があるのに対して、蒸着フィルムを必要としないパネルはサイズ制限を受ける可能性がない。したがって、充填材料の屈折率整合性を向上させ、大型パネルと多数の小型パネルとを併用することによって、継ぎ目を不可視にするかまたは可視性を低くすることが可能となる。剛性の増強あるいは特定用途の別の目的に合うように、厚さの増分に用いられる1つ以上の他のパネルを、ラミネートに具備させることも可能である。
【0013】
図1は、パネル100および接着フィルム120の断面図のイラストを含む。パネル100は、主表面102および104を有する。パネル100は、透明基板を備える。透明基板は、ガラス基板、サファイヤ基板、アルミニウム酸化窒化物(AlON)基板、スピネル基板、または透明ポリマーを備える場合がある。透明ポリマーは、ポリアクリレート、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリシロキサン、ポリエーテル、ポリビニル化合物、別の好適な部類の透明ポリマー、またはこれらの混合物を含む場合がある。別の実施形態では、透明基板を、前述の透明基板を構成する材料の層を備えたラミネートとする場合がある。
【0014】
或る実施形態において、透明基板は、SiO
2と1種以上の他の酸化物とを備えうるガラス基板とされる場合がある。そのような他の酸化物としては、Al
2O
3、アルカリ金属の酸化物、アルカリ土類金属の酸化物、B
2O
3、ZrO
2、P
2O
5、ZnO、SnO
2、SO
3、As
2O
2、またはSb
2O
3を挙げることができる。透明基板には、着色剤(例えば、鉄、バナジウム、チタン、クロム、マンガン、コバルト、ニッケル、銅、セリウム、ネオジム、プラセオジムもしくはエルビウムの酸化物)、または金属コロイド(例えば、銅、銀もしくは金)、あるいはセレンもしくは硫黄のような元素形態またはイオン形態のものが包含される場合がある。
【0015】
ガラス基板は、少なくとも50重量%がSiO
2である。或る実施形態において、SiO
2の含有率は、50重量%〜85重量%の範囲内である。例えば、主表面104がラミネートの曝露表面に沿って形成されている場合、Al
2O
3は引掻抵抗性を増強しうる。Al
2O
3(存在する場合)の含有率は、1重量%〜20重量%の範囲内とすることができる。B
2O
3を使用すると、ガラスの粘度およびその熱膨張係数の両方を低減する目的に有用でありうる。B
2O
3の含有率は、20重量%以下とされる場合もあるし、特定の実施形態では15重量%未満とされる場合もある。アルカリ土類金属には、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、およびバリウムが包含される。アルカリ土類金属の酸化物は、膨張係数にかなりのペナルティを課すことなしにガラス粘度を低減し且つ融合を促進するという点で、有用である。カルシウムおよびマグネシウムは、他の数種の酸化物と比較してガラスの密度に及ぼす影響が比較的少ないが、量が多い場合はガラスの失透を促す可能性がある。アルカリ金属酸化物の総含有率は、25重量%以下、20重量%以下、または15重量%以下とされる場合がある。アルカリ金属の酸化物は、ガラス基板の粘度および失透特性を低減しうる。アルカリ金属酸化物の欠点は、熱膨張係数の増分が有意であることにある。アルカリ金属酸化物の総含有率は、8重量%以下、6重量%以下、または5重量%以下とされる場合がある。一部の用途においては、ガラス基板が清澄であることが所望されるため、着色剤の含有率は低くなる。特定の実施形態において、鉄の含有率は、200ppm未満である。
【0016】
パネル100は、熱強化型ガラス、調質型ガラス、部分的に熱強化型もしくは熱調質型のガラス、または焼還ガラスを備える場合がある。「熱強化型ガラス」および「調質型ガラス」は、当該技術分野において公知である用語であり、その両方の型式のガラスは、表面圧縮が誘発されるようにさもなければガラスが強化されるように、熱処理を施されてきた。熱処理済みガラスは、完全調質型または熱強化型のいずれかに分類される。或る実施形態において、ガラス基板は調質型ガラスであり、表面圧縮が約69MPa以上で、端縁圧縮が約67MPa以上である。別の実施形態において、透明基板は熱強化型であり、表面圧縮が24MPa〜69MPaの範囲で、端縁圧縮が38MPa〜67MPaの範囲である。「焼還ガラス」という用語は、熱処理およびその後の急冷による内部ひずみを受けずに生成されたガラスを意味する。ゆえに、焼還ガラスはあくまで熱強化型ガラスまたは調質型ガラスを除外したガラスを言う。パネル100は、レーザーカットとすることができる。
【0017】
パネル100の厚さは、所望される用途(例えば、住宅の建築用窓、商業的な建築用窓または他の用途)および所望される熱/構造特性に応じて異なりうる。パネル100の厚さが2.3mm〜25mmの範囲とされる場合もあれば、特定の実施形態では、パネル100の厚さが6mm〜15mmの範囲とされる場合もある。
【0018】
パネル100は、主表面102および104に沿って比較的大きい面積を有する場合がある。或る実施形態において、パネル100は、蒸着ツールでは処理できない。そのため、蒸着ツールの堆積チャンバのサイズに制限されない。いずれか一方または両方の主表面に沿って、パネルは、長方形、三角形または別の多角形の形状、あるいは円形、楕円形、長円形または別の好適な形状を取りうる。例証されている実施形態において、パネル100は、長さが少なくとも5m、少なくとも11m、少なくとも15m、少なくとも20m、または更にはそれらを超える長さで、且つ幅が少なくとも1.5m、少なくとも2.0m、少なくとも3.0m、少なくとも3.5m、またはそれらを超える幅とされる場合がある。特定の実施形態において、パネル100はサイズが18m×3mでありうる。
【0019】
ラミネートの形成時には、接着フィルム120をパネル104の主表面102に接着する工程を、本プロセスに含めても差し支えない。接着フィルム120には、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセテート、ポリウレタン、別の好適な接着剤、またはこれらいずれかの混合物を含めることができる。接着フィルム120の厚さは、2mm以下とされる場合もあれば、或る実施形態では1mm以下とされる場合もある。層120の面積寸法は、実質的に同じに維持される場合もあれば、あるいはパネル100と実質的に同じ面積の寸法に切り詰められる場合もある。例えば、実質的に同じ面積の寸法を、互いの5%以内、3%以内、または1%以内とすることができる。
【0020】
パネル220、240および260の主表面222、242、および262を、パネル100の主表面102に連結する工程を、本プロセスに更に含めてもよい。特定の実施形態において、この連結工程は、接着フィルム120を使用して達成することができる。そのような連結工程には、主表面222、242、および262を接着フィルム120に接着することを含めてもよい。例証されている実施形態では、パネル100に接着フィルム120が接着された後で、この接着フィルム120にパネル220、240および260を接着する。別の実施形態では、パネル220、240および260が接着フィルム120に接着された後で、この接着フィルム120にパネル100を接着する。
【0021】
パネル220、240および260は、先にパネル100の透明基板に関して述べたような透明基板を備える。パネル100の透明基板の特性は、多くの場合、パネル220、240および260の透明基板とは異なる。透明基板の組成がそれぞれ異なるときは、熱膨張率(CTE)が有意な場合もあれば有意でない場合もある。対称構成において、例えば、パネル220、240および260が、パネル100と実質的に同じ2つのパネルの間に挟持されている場合、パネル220、240および260と外側パネルとの間でCTEの差異が大きいことが許容されうる。ラミネートの構成がパネル220、240および260を中心として対称である場合、CTEの差異がいっそう有意となりうる。そのような対称構成において、パネル100の透明基板のCTEは、パネル220、240および260の透明基板の一部または全てのCTEの18×10
−7/℃、12×10
−7/℃以内とされる場合もあれば、あるいは6×10
7/℃以内とされる場合もある。本明細書において、「以内(within)」という用語は、差異の絶対値が反映される範囲で正または負のいずれかの向きに解釈すべきである。
【0022】
或る実施形態において、パネル100の透明基板は、パネル220、240および260の透明基板の各々とは組成が異なる。いくつかの例示的な透明基板用材料としては、ソーダライムフロートガラス、ボロフロートガラス、ボロアルミノシリケートガラス、アルミノシリケートガラス、別の好適なガラス、またはこれらに類するものを挙げることができる。パネル220、240および260のいずれか1つ以上を、レーザーカットとすることができ、その端縁強さは少なくとも30MPa、少なくとも60MPa、または少なくとも75MPaでありうる。或る実施形態において、パネル220、240および260のいずれか1つ以上を、熱強化型ガラスとすることも、あるいは(熱的にまたは化学的に)調質型のガラスとすることもできる。更なる実施形態において、パネル220、240および260のいずれか1つ以上は、焼還ガラス基板を設けることができる。当業者であれば、本明細書を完読した後で、特定の用途を考慮したうえで、特定の要望またはニーズに合わせて、パネル220、240および260の透明基板の組成を選択できるようになるであろう。パネル220、240および260の透明基板は、組成が同じ場合もあれば異なる場合もある。特定の実施形態において、パネル220、240および260の透明基板は、同じ組成を有する場合がある。別の特定の実施形態において、パネル220、240および260の透明基板のCTEは、互いの2×10
7/℃以内とすることができる。
【0023】
パネル220、240および260を、パネル100よりも薄くしても差し替えない。或る実施形態において、パネル220、240および260はそれぞれ厚さが10ミクロン〜5mmの範囲であり、特定の実施形態では0.5mm〜2.5mmの範囲である。別の実施形態において、パネル220、240および260は、5mmより厚くすることもできるし、パネル100と同じ厚さまたはそれよりも厚くしても差し替えない。
【0024】
パネル220、240および260のいずれか1つ以上は、いずれか1つ以上のパネルの、一方または両方の主表面上に、1つ以上の蒸着フィルムを設けることができる。パネル220、240および260の主表面の面積は、蒸着ツール内で処理できるサイズまでを限度とする場合がある。パネルの主表面の寸法は、片方向に3.0m以下、且つ直交方向に1.5m以下とされる場合がある。パネル220、240および260に対する特定の寸法の選択は、パネル100の寸法に依存する場合がある。パネル100の寸法が10m×2mである場合、パネル220、240および260の寸法はそれぞれ2.5m×1.0mでありうる。パネル220、240および260と寸法がほぼ同じ他のパネルは、パネル100の他の部分をカバーする用途に使用することができる。
【0025】
接着フィルム120に主表面222、242、および262が接触するように、この接着フィルム120上にパネル220、240および260が配置されている。パネル240は、パネル220および260に当接しない。パネルの端縁が完全ではなく、パネル240がパネル220および260に接触している場合には小さい間隙が存在し、ガスパネル220、240および260と比べて屈折率が異なる空気または別のガスが含まれる。接着フィルム120上にパネル220、240および260を配置する際には、高精度ピック・アンド・プレイスツールを配置することができる。高精度ピック・アンド・プレイスツールが使えない場合、スペーサを使用して、パネル220、240および260間の空間を均等に維持することができる。パネル240とパネル220および260の各々との間には、充填材料を用いることを可能にするのに十分な間隙を設けることができる。或る実施形態において、間隙の幅は25mm以下、13mm以下、8mm以下、5mm以下、または3mm以下であり、別の実施形態において、間隙の幅は、0ミクロン超、且つ少なくとも2ミクロン、少なくとも11ミクロン、少なくとも0.2mm、少なくとも0.6mm、または少なくとも1.1mmとされる場合がある。或る実施形態において、間隙の幅は、パネル220、240および260の厚さに依存する。特定の実施形態において、パネル220、240および260の厚さは、100ミクロン未満であり、それゆえ間隙を、0ミクロンより大きくしかも0ミクロンに近い値(例えば、2ミクロン超または11ミクロン超)とすることができる。
【0026】
図3に例証されているように、パネル220、240、260間の間隙を充填材料330および350で充填する工程を、本プロセスに更に含めてもよい。パネル220、240および260間の継ぎ目の可視性を低くするため、充填材料を、屈折率がパネル220、240および260の透明基板のいずれか1つ以上の屈折率の0.09以内、0.05以内、0.03以内、0.02以内または0.01以内の値であるもの、あるいはそのような透明基板のいずれか2つの屈折率の間の値とする場合がある。或る実施形態において、充填材料330および350は、パネル220、240および260間の間隙の中に配置される固体材料の形態である。パネル220、240および260が比較的厚い(例えば、少なくとも5mm厚である)或る実施形態において、充填材料330および350は、間隙の中に挿入されている細片の形態を取る場合がある。特定の実施形態において、充填材料330および350は、同じである場合もあれば、あるいは異なる場合もある。
【0027】
別の実施形態において、間隙を充填する工程は、間隙を液体材料で充填して、その充填材料330を固化することによって実行できる。特定の実施形態では、液体材料を高分子前駆体とする場合があり、液体材料を固化する工程は、高分子前駆体を重合してポリマーを形成することを含む。この固化は、熱硬化技術、紫外線への曝露、またはこれらの組み合わせを用い、高分子前駆体を硬化することによって、実行できる。本プロセス中に液体を収容するのに役立つ水槽、成形型、堰堤(dam)または他の固定治具を使用してもよい。
【0028】
或る実施形態において、充填材料330および350は、ポリアクリレート、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリシロキサン、ポリエーテル、ポリビニル化合物、別の好適な部類の透明ポリマー、またはこれらの混合物を含めることができる。更なる実施形態において、
図4に例証されているように、間隙は充填材料430で充填され、パネル220、240および260上に重なっている。
【0029】
特定の実施形態において、充填材料は、ポリアクリレートを含む。ポリアクリレートは、ポリ(メチルアクリレート)、ポリ(エチルアクリレート)、ポリ(プロピルアクリレート)、ポリ(ビニルアクリレート)、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(エチルメタクリレート)、ポリ(プロピルメタクリレート)、ポリ(ビニルメタクリレート)、またはこれらの混合物とすることができる。別の実施形態において、ポリアクリレートは、2つ、3つまたはそれより多くのアクリル前駆体からなるコポリマーとすることができる。アクリル前駆体は、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ビニルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、またはビニルメタクリレートを含む場合がある。共重合ポリアクリレートは、ポリ(メチルメタクリレートビニルメタクリレート)を含む場合がある。特定の一実施形態において、充填材料は、ポリ(メチルメタクリレート)を含む。
【0030】
他の特定の一実施形態において、充填材料は、ポリ(メチルメタクリレート)から実質的になる。更なる一実施形態において、充填材料は、ポリ(ビニルメタクリレート)を含む。他の特定の一実施形態において、充填材料は、ポリ(ビニルメタクリレート)から実質的になる。例示的なアクリル樹脂としては、ベルギー王国ブリュッセルのAllnex Belgium SAから入手可能なUvekol S(商標)ブランドおよびUvekolS15(商標)ブランドの樹脂が挙げられる。
【0031】
一実施形態において、充填材料は、ポリエステルを含む。ポリエステルは、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンイソナフタレート、またはこれらの任意の組み合わせを含む場合がある。特定の一実施形態において、透明ポリマーはPETを含む。別の特定の実施形態において、充填材料はPETから実質的になる。
【0032】
一実施形態において、充填材料はポリエーテルを含む。ポリエーテルは、ポリエチレンエーテル、ポリプロピレンエーテル、ポリブチレンエーテル、またはこれらの任意の組み合わせとすることができる。別の実施形態において、ポリエーテルは、2つ、3つまたはそれより多くのポリオールからなるコポリマーとすることができる。例えば、ポリエーテルを、1,2−エタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、または1,4−ブタンジオールのコポリマーとすることができる。
【0033】
一実施形態では、充填材料を、ポリビニル化合物とすることができる。ポリビニル化合物を、ポリビニルアルコール、ポリビニルエステル、ポリビニルアセテート、またはこれらの任意の組み合わせとすることができる。一実施形態において、ポリビニルアセテートはポリビニルブチラールを含む場合がある。特定の一実施形態において、透明ポリマーは、ポリビニルブチラールから実質的になる。別の実施形態において、ポリビニル化合物は、ビニルアルコール誘導体とオレフィンとのコポリマーとすることができる。ビニルアルコール誘導体は、ビニルアセテートとすることができる。一実施形態において、ポリビニル化合物は、ポリ(エチレンビニルアセテート)とすることができる。
【0034】
当業者であれば、本明細書を完読した後で、充填材料の組成、および特定の用途に合った効果的な充填技術を選択できるようになるであろう。
【0035】
図5に例証されているように、本プロセスは、パネル220、240および260の主表面224、244、および264を、パネル500の主表面502に連結する工程を更に含む。
図3に例証されているワークピースは、
図5に例証されているプロセスを実行する際に使用される。パネル500は、パネル100に関して述べたのと同様な材料および厚さのいずれか1つ以上を含みうる。特定の実施形態において、パネル500およびパネル100は組成が同じであり、パネル500は公称厚さがパネル100と同じである。別の実施形態において、パネル500は、パネル100と比較して組成が異なるか、公称厚さが異なるか、あるいはその両方が異なる。パネル100および500のCTEおよび厚さの類似度が高いほど、パネル100および500のCTE、厚さまたはその両方の差異がより大きい別の実施形態と比較して、(1)パネル220、240および260と、(2)パネル100および500との間でCTEの差異が大きくなりうる。
【0036】
パネル220、240および260、ならびにパネル500を連結する工程は、先にパネル100、ならびにパネル220、240および260を連結する工程に関して述べたような技法を使用して実行できる。接着フィルム520を使用することもでき、この接着フィルムは、先に接着フィルム120に関して述べた組成を有する。或る実施形態において、接着フィルム520は、接着フィルム120と組成および厚さが同じである場合がある。別の実施形態において、接着フィルム520は、接着フィルム120と比較して、組成、公称厚さまたはその両方が異なりうる。接着フィルム520がパネル220、240および260に接着される前に、接着フィルム520をパネル500に接着する場合もあれば、あるいは接着フィルム520がパネル500に接着される前に、接着フィルム520をパネル220、240および260に接着する場合もある。
【0037】
接着フィルム120および520は、感圧接着剤のような固体シートの形態とされる場合もあれば、あるいはシリコーンゴム、エポキシなどのような液体の形態とされる場合もある。接着フィルム120および520の一方または両方を清澄とすることもできるし、あるいは着色剤を含めることもできる。
【0038】
ワークピース550を完成品とすることもできるし、1つ以上の追加的なパネルもしくはフィルムを含むものとして、あるいは電気部品、内装部品もしくは他の仕上部品を含むものとして更に処理することもできる。例えば、パネル100および500のような比較的厚いパネルを、3つ、5つ、または略任意数だけラミネートに具備させることができる。パネル220、240および260に類似の他のパネルもまた、含めることができる。当業者であれば、本明細書を完読した後で、使用されるパネルの個数および型式を特定し、特定のニーズまたは要望に対応したラミネートを製作できるようになるであろう。成層プロセスは、「Uvekol(登録商標) Glass Laminating System; Instructions For the Production of Laminated Glazing Units Using Uvekol A and S Resin」と題する公報(ベルギー王国ブリュッセルのAllnex Belgium SA編)に更に記載されていて、その全容は本明細書において援用されている。
【0039】
必要な場合または所望される場合、パネルの端縁220、240、260またはこれらの任意の組み合わせを処理する工程では、端縁処理後に間隙充填工程を実行する工程を、本プロセスに含める場合がある。本処理にコーティングが含まれる場合、このコーティングは、(大気中低圧にてプラズマ援助有りもしくは無しでの)化学蒸着プロセス、ゾルゲルプロセス、または別の好適なコーティングプロセスによって形成できる。
【0040】
或る実施形態において、端縁を処理する工程には、パネルの端縁220、240、260またはこれらの任意の組み合わせに沿って定着剤を形成する工程が含まれる場合がある。定着剤は、端縁と充填材料との間の接着の良好化を可能にする助けになりうる。定着剤を端縁上に形成するタイミングは、パネル220、240および260をパネル100に連結する前でも構わないし、あるいは連結した後でも構わない。定着剤の組成は、パネル220、240および260、ならびに充填材料330、350または430の透明基板の組成に依存しうる。ガラスなどの無機材料を透明基板に組み込み、且つ充填材料を有機材料とした特定の実施形態では、定着剤にヘキサメチルジシラザン(hexamethyldisilizane)を配合する場合がある。
【0041】
定着剤は、端縁のみに沿って、あるいは端縁ならびにパネル220、240および260の各々の主表面のうちの少なくとも1つに沿って、形成されるように意図されうる。定着剤を端縁のみに沿って形成する場合、定着剤を端縁に沿って形成する前に、テープまたは別の保護フィルムを主表面に貼付しても差し支えない。定着剤の形成後は、主表面からテープまたは他の保護フィルムを取り外しても差し支えない。主表面のいずれかに、典型的には端縁に隣接してほんの残存量の定着剤が存在する場合は、そのような残存量だけ除去しても差し支えない。別の実施形態において、定着剤はパネル220、240および260の各々の少なくとも1つの主表面に沿って形成されるように意図される場合がある。先に
図4に関して述べたように、パネル220、240および260の主表面上に充填材料430も形成する場合には、そのような実施形態が有用でありうる。
【0042】
或る実施形態では、目に付く残りの継ぎ目をなお更に目に付きにくくする目的で、屈折率整合(matching index)コーティング、スタック状コーティングまたはコーティング勾配を追加する工程を、本処理に含める場合がある。特定の実施形態において、スタック状の層は、パネルの端縁220、240および260に極めて近い或る特定のコーティングが、そのスタック内の他の任意のコーティングと比べて充填材料の屈折率に極めて近い屈折率を有するような順序で、且つ充填材料に極めて近い別の特定のコーティングが、そのスタック内の他の任意のコーティングと比べて充填材料の屈折率に極めて近い屈折率を有するような順序で形成される。
【0043】
更なる実施形態では、パネル220、240、260の端縁または他の曝露表面上に吸収された水の量を減らす目的から、端縁の水分を抜く工程を、本処理に含める場合がある。水分を抜く工程は、オーブン、加圧式もしくは減圧式の蒸気滅菌装置(autoclave)、またはこれらに類するものを使用して実行できる。
【0044】
別の実施形態では、成層プロセス中に用いられた熱によって、薄いパネル間の間隙の中に接着剤を流れ込ませる場合がある。
図6は、先に述べたパネル100および500を備えるワークピースの断面図のイラストを含む。パネル620、640および660は、パネル220、240および260に備わる組成ならびに特性を有しうる。この特定の実施形態において、パネル620、640および660はそれぞれ、厚さが25ミクロン〜100ミクロンの範囲内である。接着フィルム602は、パネル100とパネル620、640および660との間に配設され、接着フィルム604は、パネル500とパネル620、640および660との間に配設されている。接着フィルム602および604は、接着フィルム120および520に関して述べたような組成および厚さのいずれかを有しうる。接着フィルム602および604は固体であり、それゆえ、パネル620、640および660間には間隙632および634が存在する。
図7に例証されているように、成層の最中には、接着フィルム602および604の一方または両方が、空間632および634に挿入されて、これらの空間を充填する場合がある。
【0045】
ここで、パネルの詳細に注目すると、このパネルは蒸着フィルムを備えうる。先にパネル220、240および260に関して述べたように、これらのパネルのいずれか1つ以上は、1つ以上の蒸着フィルムを備えうる。
図8は、透明基板840および蒸着フィルム842を備えるパネル820の一部分の、断面図の一部分のイラストを含む。透明基板840の組成、厚さ、およびサイズは、パネル220、240および260用の透明基板のいずれかに関して述べたのと同じであってもよい。透明基板840を蒸着ツール内に配置し、且つ蒸着フィルム842を、透明基板840上に配設することもできる。蒸着フィルム840は、反射フィルム、日照調整フィルム、低εフィルム(輻射率<0.2)、カラーフィルタフィルム、フリット、電子的にアクティブなデバイスであるかまたはその一部、あるいはこれらの任意の組み合わせでありうる。電子的にアクティブなデバイスの例としては、透明ディスプレイ、液晶ディスプレイ、SPD、光起電力デバイス、発光ディスプレイ(有機または無機)、エレクトロクロミックデバイスなどを挙げることができる。必要な場合または所望される場合、840の外側側面はまた、凝結防止フィルム、自浄式フィルム、または電子デバイスの代わりにもしくは電子デバイスと共に使用できる同様なフィルムで、コーティングしてもよい。パネル840に関して述べたように、蒸着フィルムおよび電子的にアクティブなデバイスのいずれかを、パネル220、240、260、620、640、660および本明細書中で後述する類似のパネルのいずれか1つ以上とともに使用してもよい。
【0046】
図9は、透明基板34上のエレクトロクロミックデバイスのイラストを含む。エレクトロクロミックデバイスは、単離された透明な導電層領域26Aおよび26B、カウンタ電極層28、固体イオン導電層32、エレクトロクロミック層30、ならびに透明な導電層24を備える。領域26Aおよび26B、28、30、32、ならびに24を含んだ層26は、蒸着することが可能である。別の実施形態において、エレクトロクロミック層30およびカウンタ電極層28の相対位置は、入れ替えることができる。更に、デバイス20は、導電層領域26Aにのみ接触するバスバー40と、導電層領域26B上に形成されうるバスバー42であって導電層24に接触するバスバー42と、を備える場合がある。バスバー40および42は、導電インクまたは別の技法を利用して印刷することによって形成できる。電圧供給源22、ならびにバスバー40および42に接続されたワイヤーのなかには、パネルの一部であるものもあればまたはそうでないものもある。
【0047】
電圧供給源22を作動させてバスバー40、42にまたがって電位を印加した場合、電子ひいては電流が、バスバー42から透明な導電層24を横切るようにエレクトロクロミック層30の中に流入する。更に、イオンが、カウンタ電極層28からイオン導電層32を通って、エレクトロクロミック層30まで流れると、カウンタ電極層28から抽出された後で外部回路を介してエレクトロクロミック層30の中に挿入される電子によって、電荷平衡が維持される。
【0048】
図10は、電子的にアクティブなデバイスがパネルに具備されている、ラミネートを含む。特定の実施形態において、パネル1040は、ディスプレイ1042と、このディスプレイ1042に連結されているバスバー1062および1064とを備える。ディスプレイ1042は、テキスト、形状物(shaped)、またはこれらの組み合わせを含みうる。例示されている実施形態において、ディスプレイ1042はロゴを有する。必要な場合または所望される場合、スペーサまたは枠組部材(例証無し)を使用して、全バスバーの一部分を被覆できる。
【0049】
図10は、パネル100と、パネル220、1040、および260との間に配設されたフィルム1082を含む。フィルム1082は、反射フィルム、日照調整フィルム、低εフィルム(輻射率<0.2)、カラーフィルタフィルム、凝結防止フィルムなどとすることができる。フィルム1082をシートとして取り付けるか、または液体の形態で塗布した後で硬化によって固体を形成できる。その実施形態では、フィルム1082がパネル100の主表面102に沿ったものになる。別の実施形態では、フィルム1082が、異なるパネルの主表面に沿って、例えば、パネル500の主表面502に沿って配設される場合がある。
【0050】
別の実施形態では、フィルム1082が存在しない場合もあれば、2つ以上のフィルムが使用される場合もある。或る実施形態では、エレクトロクロミックデバイスを有するパネルもあれば、何らかのデバイスまたは蒸着フィルムを有さないパネルもある。エレクトロクロミックデバイスが、ブリーチ処理(bleached)された状態にある場合でもわずかに黄色味を帯びて呈色しうるのに対して、他のパネルは清澄になりうる。ピンクフィルムがエレクトロクロミックデバイス搭載のパネルに隣接していて、ピンクおよび黄色の組み合わせが(ラミネートを透かして見た場合)グレイに見える場合がある。グレイ色を有する別のフィルムが、エレクトロクロミックデバイスを有さないパネルに隣接する場合がある。ゆえに、エレクトロクロミックデバイスがブリーチ処理された状態にあるときは、或るロケーションでエレクトロクロミックデバイス搭載のパネルを透かして見た場合にも、また別のロケーションでエレクトロクロミックデバイス非搭載の他のパネルを透かして見た場合にも、ラミネートがグレイに見える。
【0051】
図11は、ラミネートの断面図のイラストを含む。例証されている実施形態において、パネル240は、パネル1142および1144と、パネル1142と1144との間の接着フィルム1120と、を含んだラミネートで置き換えられている。パネル1142および1144は、前述のパネル220、240、260もしくは840の透明基板、フィルムまたはアクティブなデバイスのいずれかとすることができる。このようにして、ラミネート化マザーパネルを、他のラミネート化マザーパネルまたは他のパネルと貼り合わせて、屈折率整合材料を使用して、パネル間の継ぎ目を、できるだけ合理的に不可視にすることもできる。
【0052】
或る用途では、ラミネートを扁平とする場合がある。別の用途において、ラミネートは、湾曲状または他の何らかの非平面形状を有しうる。ラミネートが形成される前に、大型パネルを曲げて或る形状に変える場合がある。別の実施形態では、大型パネルだけでなく小型パネルも曲げて或る形状に変える場合がある。そのようなパネルを曲げる工程は、パネルを別のパネルに取り付ける前に実行される場合がある。更なる実施形態では、ラミネートの一部または全てのパネルが存在するときに、ラミネートを曲げて或る形状に変える場合がある。
【0053】
本明細書に記載されている実施形態は、表面積が大きいラミネートを含む。用途によっては、例えば、商業用建物の建築用窓などでは、窓の丈を4mより高くする(典型的な階数の建物の高さよりも長丈にする)必要のある場合がある。ラミネートの形成に用いられるパネルのサイズが、処理用機器または他の製作用機器による制限を受ける場合でも、上述した技法によって、面積の大きいラミネートを形成できる。例えば、パネルに蒸着フィルムが必要とされる場合があるが、蒸着ツールの堆積チャンバによってパネルのサイズが制限される可能性がある。別のツールまたは他の原因によって、パネルの表面積が制限される可能性もある。ラミネートが大型パネルを具備し、その大型パネルに小型パネルが連結されている場合がある。小型パネル間を充填する充填材料の屈折率は、小型パネルの透明基板と同じであるかまたはそれらの屈折率の間の範囲に収まりうる。屈折率の調整によって、小型パネル間の継ぎ目を、人の目に付かないようにすることもできるし、あるいは目に付きにくくすることもできる。
【0054】
多様な態様および実施形態が考えられる。それらの態様および実施形態のいくつかを後述する。当業者であれば、本明細書を読み終えた後で、それらの態様および実施形態があくまで例証を目的とするものであって本発明の範囲を限定するものではないことを、認識するであろう。例示的な実施形態は、以下に記載する実施形態のいずれか1つ以上に準ずるものでありうる。
【0055】
実施形態1
第1の主表面を有し、且つ第1の屈折率を有する第1の透明基板を備えた、第1のパネルと、
第1の主表面を有し、且つ第2の屈折率を有する第2の透明基板を備えた、第2のパネルと、
第1の主表面を有し、且つ第3の屈折率を有する第3の透明基板を備えた、第3のパネルと、
第2および第3のパネル間の間隙の内部に配設され、且つ充填材料の屈折率を有する、充填材料と、
を含むラミネートであって、
第2および第3のパネルの第1の主表面が、第1のパネルの第1の主表面に連結されていて、且つ
充填材料の屈折率が、第2の屈折率、第3の屈折率、または第2および第3の屈折率の間の値の0.09以内である、ラミネート。
【0056】
実施形態2
第1のガラスパネルと第2および第3のガラスパネルの各々との間に配設された第1の接着フィルムを更に含む、実施形態1に記載のラミネート。
【0057】
実施形態3
ラミネートを形成するプロセスであって、
第1の主表面と第1の屈折率とを有する第1の透明基板を備えた、第1のパネルを提供する工程と、
第2のパネルの第1の主表面を第1のパネルの第1の主表面に連結する工程であって、第2のパネルが第2の屈折率を有する第2の透明基板を備える、連結する工程と、
第3のパネルの第1の主表面を第1のパネルの第1の主表面に連結する工程であって、第3のパネルが第3の屈折率を有する第3の透明基板を備える、連結する工程と、
第2および第3のパネル間の間隙を、充填材料の屈折率を有する充填材料で充填する工程であって、充填材料の屈折率が、第2の屈折率、第3の屈折率、または第2および第3の屈折率の間の値の0.09以内である、充填する工程と
を含む、プロセス。
【0058】
実施形態4
間隙を充填する工程が、第2および第3のパネルの第1の主表面を第1のパネルの第1の主表面に連結した後に実行される、実施形態3に記載のプロセス。
【0059】
実施形態5
間隙を充填する工程が、間隙を液体材料で充填して、液体材料を固化することを含む、実施形態3に記載のプロセス。
【0060】
実施形態6
液体材料が高分子前駆体を含み、液体材料を固化する工程が、高分子前駆体を重合してポリマーを形成することを含む、実施形態5に記載のプロセス。
【0061】
実施形態7
高分子前駆体が、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ビニルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、ビニルメタクリレート、またはこれらいずれかの混合物を含む、実施形態6に記載のプロセス。
【0062】
実施形態8
間隙を充填する工程が、第2および第3のパネル間の間隙の中に固体材料を配置することを含む、実施形態3に記載のプロセス。
【0063】
実施形態9
第2のパネルを連結してから第3のパネルを連結する工程が、第1の接着フィルムを第1のパネルの第1の主表面に接着し、第2のパネルの第1の主表面を第1の接着フィルムに接着し、且つ第3のパネルの第1の主表面を第1の接着フィルムに接着することを含む、実施形態3に記載のプロセス。
【0064】
実施形態10
第4のパネルの第1の主表面を第2のパネルの第2の主表面に連結して、第4のパネルの第1の主表面を第3のパネルの第2の主表面に連結する工程を更に含み、第1のパネルと第2および第3のパネルの各々との間に、第1の接着フィルムが配設されていて、第4のパネルと第2および第3のパネルの各々との間に、第2の接着フィルムが配設されていて、且つ第2および第3のパネル間の間隙を充填する工程が、第1の接着フィルム、第2の接着フィルム、または第1および第2の接着フィルムの両方を間隙の中に挿入することを含む、実施形態3に記載のプロセス。
【0065】
実施形態11
第2および第3のパネルの厚さがそれぞれ25ミクロン〜100ミクロンの範囲内にある、実施形態10に記載のプロセス。
【0066】
実施形態12
第2のパネル、第3のパネル、または第2および第3のパネルの両方の端縁を処理する工程を更に含み、間隙を充填する工程が、端縁を処理する工程の後に実行される、実施形態3に記載のプロセス。
【0067】
実施形態13
充填材料の屈折率が、第2および第3の屈折率の各々の0.09以内、0.05以内、0.03以内、0.02以内、または0.01以内である、実施形態1〜12のいずれか一項に記載のラミネートまたはプロセス。
【0068】
実施形態14
充填材料が、ポリアクリレート、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリシロキサン、ポリエーテル、ポリビニル化合物、またはこれらいずれかの混合物を含む、実施形態1〜13のいずれか一項に記載のラミネートまたはプロセス。
【0069】
実施形態15
第2のパネル、第3のパネル、または第2および第3のパネルのそれぞれが蒸着フィルムを備える、実施形態1〜14のいずれか一項に記載のラミネートまたはプロセス。
【0070】
実施形態16
第2のパネルがアクティブなデバイスを備える、実施形態1〜15のいずれか一項に記載のラミネートまたはプロセス。
【0071】
実施形態17
第3のパネルが、アクティブなデバイスを具備しない、実施形態16に記載のラミネートまたはプロセス。
【0072】
実施形態18
アクティブなデバイスがエレクトロクロミックデバイスを具備し、このエレクトロクロミックデバイスが、エレクトロクロミック層と、カウンタ電極層と、エレクトロクロミック層とカウンタ電極層との間に配設された固体イオン導電層と、を含んでなる、実施形態16に記載のラミネートまたはプロセス。
【0073】
実施形態19
ラミネートが、反射フィルム、日照調整フィルム、低εフィルム、第1のカラーフィルタフィルム、凝結防止フィルム、またはこれらの任意の組み合わせを備える第1のフィルムを更に含む、実施形態1〜18のいずれか一項に記載のラミネートまたはプロセス。
【0074】
実施形態20
第2のカラーフィルタフィルムを更に含み、ここにおいて、第1のフィルムが、第2のパネルの一部であるか、または第1および第2のパネル間に配設された第1のカラーフィルタフィルムであり、第3のパネルの一部である第か、または第1および第3のパネル間に配設された第2のカラーフィルタフィルムであり、且つ第1のカラーフィルタフィルムおよび第2のカラーフィルタフィルムが、異なる色をフィルタする、ラミネートまたは実施形態19に記載のプロセス。
【0075】
実施形態21
ラミネートを第1のロケーションで第1のカラーフィルタフィルムおよび第2のパネルを透かして見たとき、ならびに第2のロケーションで第2のカラーフィルタフィルムおよび第3のパネルを透かして見たときに、ラミネートが第1および第2のロケーションでグレイに見える、実施形態20に記載のラミネートまたはプロセス。
【0076】
実施形態22
第1の透明基板が第1の熱膨張率を有し、第2の透明基板が第2の熱膨張率を有し、第3の透明基板が第3の熱膨張率を有し、且つ第1の熱膨張率が、第2および第3の熱膨張率の各々の18×10
−7/℃、12×10
−7/℃、または6×10
7/℃以内である、実施形態1〜21のいずれか一項に記載のラミネートまたはプロセス。
【0077】
実施形態23
第2および第3の熱膨張率が、互いの2×10
−7/℃以内である、ラミネートまたは実施形態22に記載のプロセス。
【0078】
実施形態24
第1の透明基板を、調質型もしくは熱強化型のガラスパネルとし、第2の透明基板を、調質型もしくは熱強化型以外のガラスパネルとし、第3の透明基板を、調質型もしくは熱強化型以外のガラスパネルまたはこれらの任意の組み合わせとした、実施形態1〜23のいずれか一項に記載のラミネートまたはプロセス。
【0079】
実施形態25
第1のパネルの第1の主表面の面積が、第2および第3のパネルの第1の主表面の複合面積より大きい、実施形態1〜24のいずれか一項に記載のラミネートまたはプロセス。
【0080】
実施形態26
第1の接着フィルムが、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセテート、またはポリウレタンを含む、実施形態1〜25のいずれか一項に記載のラミネートまたはプロセス。
【0081】
実施形態27
第1の屈折率と第2および第3の屈折率のいずれか一方または両方との間の屈折率の差異が、充填材料の屈折率と第2および第3の屈折率の各々との間の屈折率の差異よりも大きい、実施形態1〜26のいずれか一項に記載のラミネートまたはプロセス。
【0082】
実施形態28
第1の主表面を有する第4のパネルを更に含み、第2および第3のパネルの各々が、第1の主表面に対向する第2の主表面を有し、且つ第4のパネルの第1の主表面が、第2および第3のパネルの第2の主表面に連結されている、実施形態1〜27のいずれか一項に記載のラミネートまたはプロセス。
【0083】
実施形態29
第1のパネルの第1の主表面の面積が、第4のパネルの面積の第1の主表面の10%以内、5%以内、2%以内、または1%以内である、ラミネートまたは実施形態28に記載のプロセス。
【0084】
実施形態30
第4のパネルが、第4の屈折率を有する第4の透明基板を具備し、第1および第4の屈折率の間の屈折率の差異が、充填材料屈折率と第2および第3の屈折率の各々と間の屈折率の差異よりも小さい、実施形態28または29に記載のラミネートまたはプロセス。
【0085】
実施形態31
第4のパネルの第1の主表面と第2および第3のパネルの第2の主表面の各々との間に配設された第2の接着フィルムを更に含む、ラミネートまたは実施形態28〜30のいずれか一項に記載のラミネートまたはプロセス。
【0086】
なお、上記の概要説明または実施例で述べた活動が必ずしも全て必要であるとは限らないし、特定の活動の一部が必要とされない場合もあるし、且つこれまでに述べた活動以外にも更に1つ以上の活動を遂行しても差し支えない。なお更に、活動のリストされている順序は、必ずしも活動の実行される順序であるとは限らない。
【0087】
本明細書において、明確性を期して別個の実施形態との関連において記載されている或る特徴もまた、単一の実施形態と組み合わせて記載されうる。逆に、単一の実施形態との関連において記載されているさまざまな特徴もまた、簡潔さを期して、別個にまたは任意の副組み合わせで記載されうる。更に、範囲内にある値に言及した場合、その範囲内のあらゆる値が包含される。
【0088】
上記に、特定の実施形態に関して、便益、他の利点および問題に対する解決策を述べてきた。しかしながら、便益、利点および問題に対する解決策、ならびに何らかの便益、利点もしくは解決策をもたらしうるかまたは強調しうる任意の特徴を、一部ないし全部の請求項に決定的に重要な特徴、要求される特徴もしくは不可欠な特徴として解釈すべきではない。
【0089】
本明細書に記載されている実施形態の明細および例証は、種々の実施形態の構造を概略的に把握する助けになるように意図されたものであって、本明細書に記載されている構造または方法を用いる装置ならびにシステムの全ての要素および特徴を網羅的且つ包括的に詳説する役目を果たすものではない。別個の実施形態もまた、単一の実施形態と組み合わせて記載されうる。逆に言えば、単一の実施形態との関連において記載されているさまざまな特徴もまた、簡潔さを期して、別個にまたは任意の副組み合わせで記載されうる。更に、範囲内にある値に言及した場合、その範囲内のあらゆる値が包含される。当業者にとって、他の多くの実施形態は、本明細書を完読した後ではじめて明らかになりうる。他の実施形態を使用することも可能であるし、また本開示の範囲から逸脱することなしに構造的置換、論理的置換、または別の変更を加えることができるように本開示から導き出すことも可能である。したがって、本開示は、制限的なものでなく、寧ろ、例証的なものであると見なすべきである。