特許第6630105号(P6630105)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 三井造船鉄構エンジニアリング株式会社の特許一覧 ▶ ドーピー建設工業株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6630105-浮桟橋用浮体の連結構造 図000002
  • 特許6630105-浮桟橋用浮体の連結構造 図000003
  • 特許6630105-浮桟橋用浮体の連結構造 図000004
  • 特許6630105-浮桟橋用浮体の連結構造 図000005
  • 特許6630105-浮桟橋用浮体の連結構造 図000006
  • 特許6630105-浮桟橋用浮体の連結構造 図000007
  • 特許6630105-浮桟橋用浮体の連結構造 図000008
  • 特許6630105-浮桟橋用浮体の連結構造 図000009
  • 特許6630105-浮桟橋用浮体の連結構造 図000010
  • 特許6630105-浮桟橋用浮体の連結構造 図000011
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6630105
(24)【登録日】2019年12月13日
(45)【発行日】2020年1月15日
(54)【発明の名称】浮桟橋用浮体の連結構造
(51)【国際特許分類】
   E01D 15/14 20060101AFI20200106BHJP
   E02B 3/06 20060101ALI20200106BHJP
【FI】
   E01D15/14
   E02B3/06
【請求項の数】6
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-195577(P2015-195577)
(22)【出願日】2015年10月1日
(65)【公開番号】特開2017-66802(P2017-66802A)
(43)【公開日】2017年4月6日
【審査請求日】2018年9月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】592242822
【氏名又は名称】株式会社三井E&S鉄構エンジニアリング
(73)【特許権者】
【識別番号】591030178
【氏名又は名称】ドーピー建設工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000121
【氏名又は名称】アイアット国際特許業務法人
(74)【代理人】
【識別番号】100091591
【弁理士】
【氏名又は名称】望月 秀人
(72)【発明者】
【氏名】西 和宏
(72)【発明者】
【氏名】立神 久雄
【審査官】 荒井 良子
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭62−114910(JP,U)
【文献】 特開2015−014156(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第02251255(EP,A2)
【文献】 特開2011−052388(JP,A)
【文献】 特開昭50−042587(JP,A)
【文献】 特開2001−164516(JP,A)
【文献】 特開平07−108982(JP,A)
【文献】 実開昭61−121224(JP,U)
【文献】 米国特許第05199371(US,A)
【文献】 特開平08−284116(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01D 1/00−24/00
E02B 3/04−3/14
E01C 1/00−17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数個の浮体を連結させて長尺にして設置する浮桟橋であって、上面を車両が走行することになる浮桟橋用浮体の連結構造において、
前記浮体の長手方向の中央部の上面に設けた係合主部と、
前記係合主部と係脱する係合副部を下面に設けた床版構造体とからなり、
前記係合副部は該床版構造体の少なくとも四隅に設けられ、
前記浮体の前記係合主部が、これら四隅の係合副部とそれぞれ係合し、
隣接する浮体に掛け渡して前記床版構造体を配し、前記係合主部と係合副部とを係合させて、隣接する浮体を連結させることを特徴とする浮桟橋用浮体の連結構造。
【請求項2】
前記床版構造体は幅方向で複数個の床版構造部分に分割し、それぞれの床版構造部分に係合副部を設け、該係合副部のそれぞれと係脱する係合主部を前記浮体に設けたことを特徴とする請求項1に記載の浮桟橋用浮体の連結構造。
【請求項3】
前記係合主部を凹部によって形成した連結部であり、
前記係合副部は、前記凹部に挿入される連結用脚としたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の浮桟橋用浮体の連結構造。
【請求項4】
前記連結部は浮体の上面に四枚の壁体を起立させ、その内側で前記凹部としたことを特徴とする請求項3に記載の浮桟橋用浮体の連結構造。
【請求項5】
前記連結部は浮体の上面から窪ませて形成した凹部からなることを特徴とする請求項3に記載の浮桟橋用浮体の連結構造。
【請求項6】
前記浮体の隣接する浮体同士が離隔して配してあることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれかに記載の浮桟橋用浮体の連結構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、浮桟橋を多数の浮体によって構成する場合に、これら浮体を連結させる構造に関し、特に上面を車両が走行するのに適した浮桟橋用浮体の連結構造に関する。
【0002】
浮桟橋を多数の浮体で構成する構造ではこれら浮体を連結させて一体化させる必要があり、連結構造には、溶接による構造や、鋼製の連結具や連結ピンまたは専用の連結材等を用いて連結する構造が採用されている。
【0003】
浮桟橋用浮体の連結構造として、例えば特許文献1には、水面上において、容易に複数の浮体を連結することができるとともに、波に揺らされることによっても各浮体が損傷されることのない浮桟橋用浮体の連結構造として、多角形の板状に形成され、その各コーナー部に連結プレート挿入凹部が穿設されるとともに、連結プレート挿入凹部を臨む部分に厚み方向に貫通する連結ピン挿入孔が穿設された複数枚の浮体が、通行の障害にならない間隔を隔ててその側面を対面させるとともに、そのコーナー部を略揃えるように隣接配置されていて、複数の挿入部を有し、各挿入部に連結ピン挿入孔が穿設された一枚の連結プレートが、各挿入部をその連結ピン挿入孔が隣接配置された浮体の連結プレート挿入凹部の連接ピン挿入孔と一致するようにそれぞれ連結プレート挿入凹部に挿入した状態になっており、連結ピン挿入孔より大きな頭部を有する連結ピンが浮体および連結プレートの連結ピン挿入孔を貫通するように浮体の上方から下方に向けて挿通されている浮桟橋用浮体の連結構造が提案されている。
【0004】
一方、浮桟橋を車両が走行することが要求される場合があり、そのような場合には浮体の上に車両の走行に適した路面を形成する必要がある。浮桟橋に車両の走行が要求される場合として、例えば、水上競技のフラットウォーターにおけるカヌー競技やボート競技の際に、競技者の進行に合わせて審判員の伴走が要求される場合等がある。この種の競技の専用のコースでは、コースに沿って審判車両が走行する道路が整備されるが、既存の河川や湖等で開催される場合には、審判車両が走行するための道路が整備されていない場合が殆どであり、審判員は、例えば双眼鏡を用いたりモニターを介して競技の進行を把握して審判している。このため、湖等で開催される競技会において審判車両の走行用道路の整備が望まれている。特に、国際大会のような大規模な大会では、専用道路の設備が要求される。
【0005】
また、人工の競技場であっても、コースに沿って建設された道路は、競技の開催期間以外では一般車両が走行可能なものであり、競技会では交通を遮断して審判車両の走行のみを行うようにして競技会の開催が可能である。大規模大会では交通の遮断も可能であるが、市民大会レベルでは交通の遮断は困難であることから、人工のコースであっても審判車両の専用道路の設備が望まれている。
【0006】
上面を車両が走行できる走行路を備えた浮体として、特許文献2に開示された水面埋立工法用建設機走行路が提案されている。この水面埋立工法用建設機走行路は、水面に並列状に浮かべられた複数の台船と、該複数の台船上面の、並列方向に係る中心線又はその近傍に、凹部を有する取付座が設けられ、下面に2本の脚が突出した桁の少なくとも1本の脚が、前記取付座の凹部に嵌り込むことにより、隣接する船台に跨って、台船の並列方向と直交する方向に前記桁が複数架橋され、かつ、前記桁上に覆工板が敷設されてなる水面埋立工法用建設機走行路であって、前記取付座の凹部に嵌り込む脚の先端部に、角アール加工が施されている構造とされたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2001−115416号公報
【特許文献2】特開2011−52388号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1に開示された浮桟橋浮体の連結構造では、金属製の連結プレートが用いられるものであるため、この連結プレートに錆が発生したり腐食が進行して不具合が生じるおそれがある。また、プレート挿入凹部の連結ピン挿入孔が連結プレートの連結ピン挿入孔と一致するように、浮体の連結プレート挿入凹部に、連結プレートの一方の挿入部を挿入するとともに、浮体および連結プレートの連結ピン挿入孔を貫通するように、浮体の上方から下方に向けて連結ピンを挿通させる作業を行うものである。このため、浮体の連結作業を作業員が水中に潜って行う必要がないが、多少なりとも波がある水面での作業となり、連結ピン挿入孔同士を一致させて連結ピンを挿通させる作業が煩雑となる。
【0009】
また、特許文献2に開示された水面埋立工法用建設機走行路では、埋立作業の完了後には撤去される走行路であり、水面に並列状に浮かべられた台船の上面に設けられた取付座にI型鋼による桁を架橋することによって台船を連結し、この桁の上に覆工板が敷設され、この覆工板の上面が走行路とされているものである。水面埋立工法用の建設機を走行させるためのものであるから、大掛かりな走行路となってしまい、走行路の設置や撤去に相当の時間を要するものとなっている。
【0010】
そこで、この発明は、水面での作業が容易であり、組立作業が容易であり、恒久的に設置することも可能であって、撤去を要する場合には撤去作業も容易であって、車両を走行させることも可能である浮桟橋用浮体の連結構造を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記目的を達成するための技術的手段として、この発明に係る浮桟橋用浮体の連結構造は、複数個の浮体を連結させて長尺にして設置する浮桟橋であって、上面を車両が走行することになる浮桟橋用浮体の連結構造において、前記浮体の長手方向の中央部の上面に設けた係合主部と、前記係合主部と係脱する係合副部を下面に設けた備えた床版構造体とからなり、前記係合副部は該床版構造体の少なくとも四隅に設けられ、前記浮体の前記係合主部が、これら四隅の係合副部とそれぞれ係合し、隣接する浮体に掛け渡して前記床版構造体を配し、前記係合主部と係合副部とを係合させて、隣接する浮体を連結させることを特徴としている。
【0012】
水面上に浮遊する浮体の隣接する浮体同士に前記床版構造体を掛け渡し、この床版構造体の前記係合副部を浮体の前記係合主部に係合させることにより隣接する浮体同士がこの床版構造体によって連結される。このため、浮桟橋の長尺方向に並べられた浮体は隣接する浮体同士が連結されて浮桟橋の上面に床版構造体が載置された状態となる。この床版構造体の上面を路面として車両を走行させる。なお、浮体は、アンカーチェーン方式や杭係留方式等によって所望の位置に係留させる。
【0013】
前記浮体の構造としては、鉄筋コンクリート製や鋼製、PC製、FRP製、木製、鋼とコンクリートの合成構造、アルミ製、発泡スチロールを使用して浮力を付与したものなどの適宜な構造とすることができる。
【0014】
また、前記床版構造体は、鉄筋コンクリート構造やPCコンクリート構造、鉄骨とコンクリートとの合成構造などの適宜な構造とすることができる。
【0016】
また、前記係合副部の形状や配置は、前記係合主部と係合させることで隣接する浮体同士を確実に連結できるものであればよいが、四隅に設けるようにしたものであり、隣接する浮体同士の中央部で床版構造体により連結されると共に、床版構造体が連続する。
【0017】
また、この発明に係る浮桟橋用浮体の連結構造は、前記床版構造体は幅方向で複数個の床版構造部分に分割し、それぞれの床版構造部分に係合副部を設け、該係合副部のそれぞれと係脱する係合主部を前記浮体に設けたことを特徴としている。
【0018】
床版構造体を浮桟橋の幅方向で分割した構造としたものである。例えば、道路の幅員に応じて所望の数に分割するものである。
【0019】
また、この発明に係る浮桟橋用浮体の連結構造は、前記係合主部を凹部によって形成した連結部であり、前記係合副部は、前記凹部に挿入される連結用脚としたことを特徴としている。
【0020】
前記浮体の上面に凹部によって形成した係合主部である連結部に、前記床版構造体の下面に突設した係合副部である連結脚部を挿入させることで、これら連結部と連結脚部とを係脱させることができるようにしたものである。
【0021】
また、この発明に係る浮桟橋用浮体の連結構造は、前記連結部は浮体の上面に四枚の壁体を起立させ、その内側で前記凹部としたことを特徴としている。
【0022】
前記連結部を浮体の上面から突出させて設けたものである。前記壁体を枠状に組んで浮体の上面に設置し、この枠に前記連絡用脚を収容するようにしたものである。
【0023】
また、この発明に係る浮桟橋用浮体の連結構造は、前記連結部は浮体の上面から窪ませて形成した凹部からなることを特徴としている。
【0024】
前記連結部を浮体の上面に窪ませた凹部によって設けたものである。この凹部に前記連結用脚を収容するようにしたものである。
【0025】
また、この発明に係る浮桟橋用浮体の連結構造は、前記浮体の隣接する浮体同士が離隔して配してあることを特徴としている。
【0026】
浮体同士の間に適宜間隔を設けて配置したものである。この間隔は、前記床版構造体で浮体を安定して連結させることができる大きさとする。
【発明の効果】
【0027】
この発明に係る浮桟橋用浮体の連結構造によれば、浮体の連結部に床版構造体の連結用脚を挿入することにより浮体を連結させることができると共に、浮体の上面に車両が走行することができる道路を設置することができる。また、浮体と床版構造体は工場等で製作して設置現場まで搬送することで、容易に設置することができ、設置に要する工期が短くなる。
【0028】
特に、床版構造体を床版構造部分に分割する構造とすれば、該床版構造部分を車両により搬送するのに適した寸法や重量とすることができる。
【0029】
また、床版構造体の連結用脚は浮体の上面に載置される構造、あるいは、浮体の上面から下がった位置に配される構造になる。すなわち、床版構造体の上面の高さが異なり、例えば、海面のような波が予想される場合には連結用脚を浮体の上面に載置させて床版構造体の上面、すなわち路面が高くなるようにし、湖沼等のような比較的穏やかな水面で用いる場合には連結用脚を浮体の上面から埋没させて道路面を低くして使用することができる。
【0030】
また、床版構造体を安定して支持できる間隔で離隔させて浮体を配する。浮体同士が離隔しているため、波等によって浮体同士が衝突してしまうことがない。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】この発明に係る連結構造の実施形態によって浮体が連結されて設置された浮桟橋を示す平面図である。
図2図1に示す実施形態により設置された浮桟橋の右側面図である。
図3図1に示す実施形態により設置された浮桟橋用浮体の正面図である。
図4図1に示す実施形態に係る浮桟橋用浮体の連結構造を備えた床版構造体を示す斜視図である。
図5図4に示す床版構造体を2個並べた状態で長尺方向に沿って切断した断面図である。
図6図1に示す実施形態に係る連結構造により浮体と床版構造体との連結状態を説明する側面図であり、一の実施例を示している。
図7図1に示す実施形態に係る連結構造により浮体と床版構造体との連結状態を説明する側面図であり、他の実施例を示している。
図8】この発明に係る連結構造の実施形態の変形例であり浮体が連結されて設置された浮桟橋を示す平面図であり、図1に相当している。
図9図8に示す変形例により設置された浮桟橋の右側面図であり、図2に相当している。
図10図8に示す変形例に係る浮桟橋用浮体の連結構造を備えた床版構造体を示す斜視図であり、図4に相当している。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、図示した好ましい実施の形態に基づいてこの発明に係る浮桟橋用浮体の連結構造を具体的に説明する。なお、図1図7に好ましい実施形態を、図8図10に変形例を示している。
【0033】
図1には、この発明に係る連結構造により設置された浮桟橋1の平面図を示してある。この浮桟橋1は、複数個の浮体2を複数個並べて、その上面に床版構造体3を、隣接している浮体2に掛け渡して連結させて長尺にして設置されている。
【0034】
なお、前記浮体の構造としては、鉄筋コンクリート製や鋼製、PC製、FRP製、木製、鋼とコンクリートの合成構造、アルミ製、発泡スチロールを使用して浮力を付与したものなどの適宜な構造とすることができる。また、前記床版構造体は、鉄筋コンクリート構造やPCコンクリート構造、鉄骨とコンクリートとの合成構造などの適宜な構造とすることができる。
【0035】
図4には前記床版構造体3の斜視図を示してあり、図5には2個の床版構造体3を並べた長尺方向に沿って切断した断面図を示してある。この床版構造体3は、図4に示すように、浮桟橋1の長手方向に沿ってほぼ中央部で分割された床版構造部分3aと床版構造部分3bとから構成されている。それぞれの床版構造部分3a、3bの下面の四隅には適宜な形状の係合副部としての連結用脚4が下方に突設されている。また、床版構造体部分3a、3bの上面の外側縁部には車止め5が上方に向けて突設されている。この車止め5の上面には手摺り6が配されている。なお、この手摺り6は着脱自在とされていれば、この浮桟橋1の使用の利便性が向上して好ましい。
【0036】
図6には前記浮体2に床版構造体3を係合させた状態を、浮桟橋1の幅方向に沿って切断した断面図である。浮体2の上面には係合主部としての連結部7が設けられている。この連結部7は、前記連結用脚4を挿入することができる大きさに枠状となるように壁体7aを組み合わせて形成されており、底板7bに予め壁体7aを起立させて固定させたユニットを浮体2の上面に接合させることで取り付けることができる。前記連結用脚4は、図6に示すように、壁体7aで囲まれた連結部7に挿入されるようにしてある。
【0037】
また、図7には係合主部に関して他の連結部8の実施形態を示しており、この連結部8は浮体2の上面を窪ませた凹部によって形成されており、この凹部に枠状に組まれた壁体8aと底板8bとを収容させて構成されている。この連結部8に前記連結用脚4が挿入されるようにしてある。
【0038】
前記浮体2は水面Lに浮遊させて設置される際に、図1図3に示すように、アンカーチェーンやワイヤー等の連結索9aによってアンカーブロック9bと連結されて係留される。なお、係留方式としては、浮体2の設置場所に応じて杭係留方式その他の方式としても構わない。
【0039】
前記浮体2と床版構造体3は予め工場や製作ヤード等で製作して、トラック等の車両によって設置現場まで陸送する。このため、浮体2や床版構造体2は搬送可能な寸法と形状にする。また、床版構造体2は床版構造部分3a、3bに分割できるので、一度で多数の床版構造部分3a、3bを搬送することができる。
【0040】
製作された浮体2を以上により構成された連結構造によって、浮桟橋1が設置されることになる。図1及び図3に示すように、設置すべき浮桟橋1の長手方向に適宜数の浮体2を浮遊させる。次いで、隣接する浮体2同士に対して、上方から前記床版構造部分3a、3bのそれぞれを各別に接近させて、浮体2に形成された連結部7に床版構造部分3a、3bの連結用脚4をそれぞれ挿入する。床版構造部分3aと床版構造部分3bとのそれぞれの連結用脚4を対応するそれぞれの連結部7に挿入することにより、隣接する浮体2同士がこの床版構造部分3a、3bによって連結されると共に、床版構造部分3a、3bによって床版構造体3が浮体2に載置された状態となってその上面で路面が形成される。
【0041】
前述のように隣接する浮体2同士を、その連結部7に前記連結用脚4を挿入して順次床版構造体3によって連結させると、図1及び図3に示すように、浮桟橋1が水面Lに浮遊された状態となる。浮体2を連結するに際しては、図1及び図3に示すように、隣接する浮体2同士に適宜な間隔Gが形成されるように配置すれば、水面Lの波によって浮体2同士が衝突することがない。
【0042】
また、浮体2の連結部7に連結用脚4を挿入した状態では、図6及び図に示すように、隣接する浮体2を連結させた床版構造体3が長手方向の端面で隣接した状態となるから、その端面同士の間隙Fにゴム材等による目地3cを詰めて、端面間での衝突時の衝撃を緩和させるようにする。また、床版構造部分3a、3bとの間は、図4に示すように、グレーチング3dで覆ってこれら床版構造部分3a、3b間に形成される間隙Eの上部を閉鎖させる。
【0043】
また、浮体2の適宜な位置にあるものには、図1図3に示すように、水底に沈めたアンカーブロック9bとワイヤーやチェーン等の連結索9aを介して連結させて浮桟橋1を所望の位置に係留させる。また、例えば、この浮桟橋1を人が歩行する場合等には、床版構造体3の車止め5の上部に必要に応じて手摺り6を装着する。
【0044】
この状態でこの浮桟橋1に湖岸等の陸地との間で渡橋(図示せず)を掛け渡して、陸地と浮桟橋1との間で人や車両の往来を可能とする。
【0045】
図8図10には、図1図7に示した実施形態の変形例を示しており、道路の幅員を大きくする場合について説明する図である。なお、図1図7に示す連結構造と同一の部材や部分については同一の符号を付してある。
【0046】
図8には浮桟橋11の途中から道路の幅員、すなわち床版構造体3の幅員を大きくする場合の平面図を示してある。幅員を広くする際には、前記床版構造部分3a、3bの間に、図10に示すように、床版構造部分13を介在させる。この床版構造部分13には床版構造部分3a、3bと同様に、下面の四隅に連結用脚4が下方に向けて突設されている。
【0047】
一方、前記床版構造部分3a、3b、13により連結される浮体12は、前記浮体2よりも幅員が大きく、床版構造部分3a、3b、13のそれぞれに設けられた前記連結用脚4が挿入される連結部7が設けられている。
【0048】
この図8図10で示す実施形態では、浮体12が浮体2と較べて幅員が大きくなるため、車両により搬送する場合に必要に応じて該浮体12を分割する。このとき、幅方向の中央部で分割すれば、床版構造体部分13の中央部が二分割された浮体に掛け渡されて配されることによって、二分割された浮体が床版構造体部分13によって連結されて一体となる。
【0049】
図8図10に示す実施例も、浮体2、12と床版構造部分3a、3b、13をそれぞれ工場や製作ヤードで製作してトラック等の車両によって設置現場まで陸送する。浮体2、12を浮遊させ、上方から床版構造部分3a、3b、13を浮体2、12に載置させながら、前記連結用脚4を前記連結部4に挿入すれば、浮体2、12が床版構造部分3a、3b、13で連結されると共に、床版構造部分3a、3b、13によって床版構造体3、13が形成された路面が形成される。
【0050】
そして、前述と同様に、浮体2、12を連結索9aによってアンカーブロック9bに連結させて係留すれば、水面Lに浮遊させて係留された浮体2、12の床版構造体3、13の路面に車両を走行させたり、人が歩行することができる。なお、図示しない渡橋によって陸地との間で往来を可能とする。
【0051】
なお、以上に説明した実施形態では、係合主部を凹部からなる連結部とし、係合副部を該連結部に挿入される連結用脚とした構造について説明したが、他の形式で係脱する構造としても構わない。
【0052】
また、係合主部と係合副部とをヒンジ構造等によって連結させて、浮体と床版構造体との間で相互に揺動することを許容して、波の影響を減じさせる構造その他、この浮桟橋の利用条件に応じて適宜な構造を採用することが好ましい。
【産業上の利用可能性】
【0053】
この発明に係る浮桟橋用浮体の連結構造によれば、主たる構造部材である浮体と床版構造体とを工場や製作ヤードで製作して、トラック等の車両によって設置源まで搬送して設置できるため、短い工期で、湖等の所望の場所に簡便に設置でき、臨時に設置する場合と恒久的に設置する場合とのいずれにも対応できる浮桟橋を安価に提供できる。
【符号の説明】
【0054】
1 浮桟橋
2 浮体
3 床版構造体
3a 床版構造部分
3b 床版構造部分
3c 目地
3d グレーチング
4 連結用脚(係合副部)
5 車止め
6 手摺り
7 連結部(係合主部)
7a 壁体
7b 底板
8 連結部(係合主部)
8a 壁体
8b 底板
9a 連結索
9b アンカーブロック
11 浮桟橋
12 浮体
13 床版構造部分
L 水面
E 間隙
F 間隙
G 間隙
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10