(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ノズルが、充填装置から延び、前記第1の組成物が、前記缶が第1の位置にある状態で前記缶内に供給され、前記第2の組成物が、前記缶が第2の位置にある状態で前記缶内に供給され、前記第2の位置での前記充填装置から前記缶への距離は、前記第1の位置での前記充填装置から前記缶への距離より大きい、請求項1に記載の方法。
前記缶内から前記ノズルを取り出す前記ステップが、前記缶を前記第2の位置から、前記缶から前記充填装置への距離が前記第2の位置での前記充填装置から前記缶への距離より大きい第3の位置に移動させるサブステップを含む、請求項6に記載の方法。
前記第1の位置から前記第3の位置への前記缶の移動が連続的でないように、前記第2の組成物を供給する間、前記缶が前記第2の位置に維持される、請求項8に記載の方法。
前記第2の組成物を前記第1の組成物内に供給する前記ステップが、前記第2の組成物を前記ノズルの垂直な通路内に誘導するサブステップと、前記垂直な通路に対して実質的に垂直な方向に前記開口を通して前記第2の組成物を供給するサブステップとを含む、請求項1に記載の方法。
第1の組成物が前記第1の供給源から前記第1の流路を通って前記缶内に吸引されるように、封止された前記缶内に真空を発生させるポンプを備える、請求項14に記載の装置。
缶を前記充填ヘッドとの封止係合に移動させるように構成された昇降板の動きを制御するように、第1の組成物が前記第1の供給源から前記第1の流路を通って、封止された前記缶内に吸引されるよう、封止された前記缶内に真空を発生させるポンプの動作を制御するように、かつ、前記第2の流路を通って前記ノズル内に第2の組成物を誘導するピストンの動作を制御するように構成された制御機構を備える、請求項13に記載の装置。
前記制御機構が、前記ポンプが所定の量の前記第1の組成物を前記缶内に吸引した後で、前記昇降板を充填装置から離れる方向に移動させるように構成された、請求項17に記載の装置。
前記制御機構が、前記充填装置から離れる方向への前記昇降板の前記移動の休止を実行し、前記休止の間に前記ピストンをアクティブにするように構成された、請求項18に記載の装置。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1A】本開示により提供される実施形態における、第2の組成物を完全に包んでいる第1の組成物を含むペットフード製品の斜視図である。
【
図1B】製品が切り分けられた後の、
図1Aのペットフード製品の斜視図である。
【
図2】本開示により提供される方法の一実施形態のフローチャートである。
【
図3】本開示により提供される充填装置の一実施形態の概略図であり、その動作を示す。
【
図4】本開示により提供される充填装置の一実施形態の概略図であり、その動作を示す。
【
図5】本開示により提供される充填装置の一実施形態の概略図であり、その動作を示す。
【
図6】本開示により提供される充填装置の一実施形態の概略図であり、その動作を示す。
【
図7】本開示により提供される充填装置の一実施形態の概略図であり、その動作を示す。
【
図8】本開示により提供されるノズルの一実施形態の斜視図である。
【
図9】実施例において使用された、垂直な開口を有するノズルの写真である。
【
図10】実施例において使用された、水平な開口を有するノズルの写真である。
【
図11】実施例において実験的に比較されたサンプルを記載した表である。
【
図12】実施例における、試験1の食品製品の上面の写真である。
【
図13】実施例における、試験2の食品製品の上面の写真である。
【
図14】実施例における、試験2の食品製品の底面の写真である。
【
図15】実施例における、試験2の切り分けられた食品製品の写真である。
【
図16】実施例における、試験3の食品製品の上面の写真である。
【
図17】実施例における、試験3の食品製品の底面の写真である。
【
図18】実施例における、試験3の切り分けられた食品製品の写真である。
【
図19】実施例における、試験4の食品製品の上面の写真である。
【
図20】実施例における、試験4の食品製品の底面の写真である。
【
図21】実施例における、試験4の切り分けられた食品製品の写真である。
【
図22】実施例における、試験5の食品製品の上面の写真である。
【
図23】実施例における、試験5の食品製品の底面の写真である。
【
図24】実施例における、試験5の切り分けられた食品製品の写真である。
【
図25】実施例における、試験6の食品製品の上面の写真である。
【
図26】実施例における、試験6の食品製品の底面の写真である。
【
図27】実施例における、試験6の切り分けられた食品製品の写真である。
【
図28】実施例における、試験7の食品製品の上面の写真である。
【
図29】実施例における、試験7の食品製品の底面の写真である。
【
図30】実施例における、試験7の切り分けられた食品製品の写真である。
【
図31】実施例における、試験8の食品製品の上面の写真である。
【
図32】実施例における、試験8の食品製品の底面の写真である。
【
図33】実施例における、試験8の切り分けられた食品製品の写真である。
【
図34】実施例における、試験のそれぞれに対するグレービー、ローフ、及び製品全体の量の標準偏差を示す表である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[0045]本開示及び添付の特許請求の範囲において使用する場合、単数形「a」、「an」及び「the」は、文脈上明らかに別段の定めがない限り、複数の指示対象を含む。用語「備える(comprise)」、「備える(comprises)」、及び「備えている(comprising)」という単語は、排他的にではなく、包含的に解釈されることになっている。同様にして、用語「含む(include)」、「含む(including)」及び「又は(or)」は、このような解釈が文脈から明確に妨げられない限りは包括的なものであると解釈される。しかしながら、本明細書において開示される装置及び方法には、具体的に開示されない任意の要素が存在しない場合がある。したがって、用語「備える」を用いて提示される実施形態の開示は、特定された構成要素及びステップ「から本質的になる」及び「からなる」実施形態の開示を含む。
【0016】
[0046]用語「包み込まれた」は、包み込まれた組成物が食品製品内に完全に又は実質的に包み込まれていることを意味する。包み込まれた組成物は、包み込まれた組成物の20%未満、好ましくは10%未満、より好ましくは5%未満、最も好ましくは1%未満が食品製品の表面上に見える場合、「実質的に包み込まれて」いる。
【0017】
[0047]用語「缶」は、レトルト処理可能な硬質容器、例えば、金属又は金属合金の缶などの金属容器、プラスチック容器、ガラス容器、及びこれらの組み合わせを意味する。用語「缶詰」は、食品製品が缶に収容されていることを意味する。
【0018】
[0048]用語「ペット」は、本開示により提供される食品製品から利益を得るか、又はこれを利用することができる任意の動物を意味する。ペットは、鳥類、ウシ、イヌ、ウマ、ネコ、ヤギ、オオカミ、ネズミ、ヒツジ、又はブタなどの動物であり得る。ペットは、任意の好適な動物であり得、本開示は、特定のペット動物に限定されない。用語「コンパニオンアニマル」は、イヌ又はネコを意味する。用語「ペットフード」は、ペットに消費されることを意図する任意の組成物を意味する。
【0019】
[0049]本明細書において、範囲は、要するに、範囲内のすべての値を列挙することを避けるために使用される。範囲内の任意の適切な値を、範囲の上限値、又は下限値として選択することができる。更に、本明細書における数値範囲は、その範囲内のすべての整数又は分数を含む。
【0020】
[0050]本明細書に記載のすべての百分率は、特に断りのない限り、食品組成物の合計重量に対する重量によるものである。pHについての参照がなされるとき、値は標準的な装置により25℃にて測定されるpHに相当する。本明細書において使用されるとき、数字を参照する際の「約」又は「実質的に」は、例えば、参照する数字の−10%〜+10%、好ましくは、−5%〜+5%、より好ましくは−1%〜+1%、及び更により好ましくは−0.1%〜+0.1%の範囲の、数の範囲内の数字を指すものと理解される。
【0021】
[0051]
図1A及び
図1Bは、第1の組成物11を含む食品製品10の実施形態を概略的に示し、第1の組成物11は、第2の組成物12を包み込む外側マトリックスを形成する。これらの図は、第1の組成物11が第2の組成物12を完全に包み込んでいるのを示すが、食品製品10のいくつかの実施形態は、第2の組成物12を実質的に包み込む第1の組成物11を有する。
【0022】
[0052]食品製品10は、食品製品10が形成される缶の内部の形状に対応する形状を有することができる。例えば、食品製品10は、実質的に円筒形とすることができる。しかし、食品製品10は、特定の形状に限定されず、任意の形状を有することができる。
【0023】
[0053]好ましくは、第2の組成物12は、食品製品10内の実質的に中心に位置し、球形又は卵形の形状を有する。例えば、第2の組成物12の中心は、好ましくは、食品製品10の中心とほぼ同じである。しかしながら、食品製品10は、
図1A及び
図1Bに示す特定の実施形態に限定されない。
【0024】
[0054]食品製品10は、ペットフード、好ましくはコンパニオンアニマル用のペットフードとすることができる。食品製品10は、本出願で後により詳細に説明するように、缶内に形成することができる。第1の組成物11及び第2の組成物12は、食品製品10の任意の好適な量を構成することができる。例えば、第1の組成物11は、食品製品10の約25%から約75%を構成することができ、第2の組成物12は、食品製品10の残りの75%から25%を構成することができる。
【0025】
[0055]一実施形態では、食品製品10は、その全体が参照により本明細書に援用される、2013年5月17日に出願されたWatelainらによる米国特許出願第13/896,470号により開示され2013年11月21日に米国特許出願公開第2013/0309372号として公開された食品製品の1つとすることができる。しかし、食品製品10は、それに開示される食品製品に限定されない。
【0026】
[0056]好ましくは、第1の組成物11及び第2の組成物12は、混和性でないか、又は混和性が低く、したがって食品製品10内に混合しない2つの異なる相を形成する。食品製品10のこの実施形態は、2つの別個の相、すなわち、第1の組成物11に対応する外側相、及び第2の組成物12に対応する内側相を含む。
【0027】
[0057]一実施形態では、第1の組成物11は、エマルジョン、好ましくは肉エマルジョンである。肉エマルジョンは、任意の好適な原材料、例えば、繊維状タンパク質及び多糖を含むことができる。好適な繊維状タンパク質としては、ウシ、ウマ、ヒツジ、鳥類、ブタ、ヤギ、ヒツジ、及び魚類源由来のタンパク質などの、ミオシン、アクチン、アクトミオシン、コラーゲン、及びこれらの混合物が挙げられる。好適な多糖の例としては、デンプン、ガム、又はこれらの混合物が挙げられる。
【0028】
[0058]一実施形態では、第2の組成物12は、コロイド分散体、例えば、ヒドロコロイド分散体などの分散体である。好ましくは、第2の組成物12は、流動性ゾル、エマルジョン、又はゲルである。以下に更に詳細に説明するように、食品製品10は、レトルト処理することができる。第2の組成物12の配合に依存して、第2の組成物12は、第1の組成物11内に注入された元の形態を保持することができるか、又は代わりに、レトルト処理は、第2の組成物12の形態を変化させることができる。例えば、第2の組成物12は、流動性ゾル又はエマルジョンとして第1の組成物11内に注入することができ、食品製品10のレトルト処理は、第2の組成物12の形態をゲルに変化させることができる。
【0029】
[0059]好ましい実施形態では、第2の組成物12は、デンプン又はガムのうちの少なくとも1つである増粘剤を含むグレービーである。好適なガムの例は、ジェランガム、キサンタンガム、ローカストビーンガム、ペクチン、カラギーナン(例えば、カッパ、イオタ、及び/又はラムダ)、セルロースガム(例えば、カルボキシメチルセルロース)、アラビアゴム、コンニャク、グアーガム、寒天、カッシアガム、アルジネートなど、及びこれらの組み合わせである。好適なデンプンとしては、天然デンプン、デンプンエステル、デンプンエーテル、及びエリソルビン酸で加工したデンプンなどの加工デンプン、及びこれらの組み合わせが挙げられる。デンプン源としては、例えば、小麦、大麦、米、タピオカ、ジャガイモ、及びトウモロコシを挙げることができる。グレービーはまた、ブドウ糖及び/又はグリシンを含むことができ、所望により、着色剤もまた含むことができる。グレービーに風味及び/又は芳香を与える原材料もまた、所望により含めることができる。
【0030】
[0060]第1の組成物11及び/又は第2の組成物12は、追加の原材料を任意選択的に含むことができる。例えば、第1の組成物11及び/又は第2の組成物12は、美的魅力又は栄養機能のために本物又は模造の原材料の目に見える小片を含むことができる。いくつかの実施形態では、第1の組成物11又は第2の組成物12のうちの少なくとも1つは、可溶化若しくは分散された栄養原材料、風味化合物若しくは芳香化合物、又はレトルト処理中に、口内で、若しくは消化管において放出されるカプセル化された風味料若しくは栄養素を含む。
【0031】
[0061]
図2は、缶詰食品製品を製造することができる方法100の実施形態を示す。方法100は、ステップ102で、好ましくは互いに別々に、第1の組成物及び第2の組成物を形成することを含むことができる。一実施形態では、第1の組成物は、エマルジョン、好ましくは肉エマルジョンである。一実施形態では、第2の組成物は、例えば、ゲル、流動性ゾル、又はエマルジョンなどの分散体、好ましくはデンプン又はガムのうちの少なくとも1つである増粘剤を含むグレービーである。
【0032】
[0062]方法100は、ステップ104で、充填装置から缶内に第1の組成物を供給することを更に含むことができる。次に、缶は、ステップ106で、好ましくは第1の組成物の缶内への供給が完了した後で、充填装置から離れる方向に降下を開始することができる。
【0033】
[0063]次に、ステップ108で、充填装置から延びるノズルは、第2の組成物を第1の組成物内に水平に注入することができる。この水平な注入は、好ましくは、少なくとも最初に、ノズル内の経路及び/又は缶の垂直軸に対して実質的に垂直な方向への第2の組成物の注入を含む。
【0034】
[0064]好ましくは、充填装置から離れる方向への缶の降下は、短く休止することができ、ノズルは、この休止からなる時間中に、第2の組成物を第1の組成物内に水平に注入することができる。この休止は、1.5秒以下、例えば、0.25〜1.5秒とすることができる。
【0035】
[0065]ステップ110で、充填装置から離れる方向への缶の降下を継続し、ノズルが缶から取り出される。好ましくは、このステップで、第1の組成物は、第2の組成物を包み込む。任意選択的に、ステップ112で、ノズルは、缶から取り出した後で、例えば、水流により洗浄することができる。
【0036】
[0066]方法100は、ステップ114で、第1及び第2の組成物が缶内に供給された後で、缶の上に蓋を配置することと、ステップ116で、缶を、例えば耐密的に、封止することと、ステップ118で、缶をレトルト処理することとを更に含むことができる。缶は、任意の好適な温度で、好適な時間、レトルト処理することができる。例えば、缶は、約121℃〜約128℃の温度で、25〜50分間、レトルト処理することができる。充填された缶は、任意選択的に、レトルト処理の前に反転させることができる。
【0037】
[0067]次に、ステップ120で、缶は、装置により冷却する、及び/又は室温と平衡させることができる。例えば、缶は、20〜35℃の温度に冷却することができる。一実施形態では、缶は、22〜26℃の温度に冷却される。結果としてできる食品製品は、グレービーなどの第2の組成物を包み込む外側マトリックスを形成する、肉エマルジョンなどのしっかりと固まった第1の組成物を含むことができる。例えば、結果としてできる食品製品は、上記で開示した食品製品10とすることができる。
【0038】
[0068]
図3〜
図7は、第2の組成物12を包み込む第1の組成物11を含む食品製品10を形成することができる、充填装置200の実施形態を示す。例えば、充填装置200は、方法100のステップ104及び106などの、方法100において使用することができる。しかし、本開示は、本明細書で開示しこれらの図に示す充填装置200の実施形態に限定されない。いくつかの実施形態では、食品製品10は、異なる充填装置により製造することができ、方法100は、異なる充填装置により実行することができる。
【0039】
[0069]充填装置200は、第1の組成物11を提供する第1の供給源210、及び第2の組成物12を提供する第2の供給源220を含むことができる。充填装置200は、充填ヘッド230を含むことができる。
【0040】
[0070]第1の流路232は充填ヘッド230を通って延びることができ、充填ヘッド230が充填ヘッド230の下に配置された缶300の中に第1の供給源210から第1の組成物11を供給することができる。第2の流路234は充填ヘッド230を通って延びることができ、充填ヘッド230から延びるノズル240が缶300の中に第2の供給源220から第2の組成物12を供給することができる。ポート236は充填ヘッド230を通って延びることができ、缶300の中に真空を形成し得る。第1の流路232、第2の流路234、及びポート236は、他の構成要素が見やすいように、すべての図には示されないが、これらの構成要素の1つが図に存在しないことが、その構成要素がその段階でもはや充填装置200内に存在しないことを意味するものではない。
【0041】
[0071]第2の供給源220は、好ましくは硬質であるホース222により第2の流路234に接続することができる。第1のバルブ224は、第2の供給源220とホース222との間に配置することができ、第2のバルブ226は、ホース222と第2の流路234との間に配置することができる。第1のバルブ224及び/又は第2のバルブ226は、空気圧バルブとすることができる。ピストン239は、第2の組成物12をホース222を通して誘導するために、ホース222に接続することができる。
【0042】
[0072]昇降板250は、缶300の位置を決めることができる。例えば、缶300は、昇降板250の動きが、それに対応して缶300を移動させるように、昇降板250上に配置することができる。好ましくは、昇降板250は、充填装置200に向かって垂直に、及び充填装置200から離れる方向に垂直に缶300を移動させるように構成される。例えば、昇降板250は、回転カムとすることができるか、又は回転カムの上に形成することができる。昇降板250は、非限定的な例として、90個の昇降板などの、複数の昇降板のうちの1つとすることができる。複数の昇降板は、それぞれの昇降板が順番に充填装置200と整列するように、回転することができる。
【0043】
[0073]充填装置200の動作を、
図3〜
図7に概略的に示す。
図3に示すように、昇降板250は、缶300を充填装置200に向かって上方に移動させることができ、ポート236を通って誘導された蒸気は、ポート236を浄化することができる。この段階では、好ましくは、重力で第2の組成物12がホース222内に誘導されて内部に蓄積するように、第1のバルブ224は開いており、第2のバルブ226は閉じている。
【0044】
[0074]
図4に示すように、昇降板250は、缶300が充填装置200により閉じられるように、缶300を充填ヘッド230に向かって上方に移動させることができる。例えば、充填装置200は、缶300上で封止を形成することができるガスケット202を含むことができる。缶300を閉じることで、缶300内の真空の形成が可能になる。例えば、ポート236は、缶300内に真空を形成するように空気を缶300から充填装置200内に排出するために使用することができる。一実施形態では、充填装置200は、缶300内に真空を形成するためにポート236を使用するポンプ204を含む。
【0045】
[0075]
図5に示すように、ポート236は、空気を缶300から吸引することを停止することができ、缶300内に形成された真空は、缶300内に第1の供給源210から所定の量の第1の組成物11を吸引することができる。例えば、缶300が充填装置200に対して封止された後でポート236を通って吸引される空気の量は、所定の量の第1の組成物11が第1の供給源210から缶300内に誘導されるように調整することができる。
【0046】
[0076]
図6に示すように、好ましくは所定の量の第1の組成物11が缶300内に供給された後で、缶300は、充填ヘッド230との整列を維持しながら充填装置200から離れる方向に移動することができる。この降下により、缶300は、充填装置300との封止係合から外れて移動する。ノズル240は、少なくとも部分的に缶300内に配置されたままとなる。
【0047】
[0077]ノズル240の非限定的な例を、
図8に示す。ノズル240は、ノズル240の横面内に配置することができる水平に向いた複数の開口242を含むことができる。水平に向いた開口242は、ノズル240上の同じ高さとすることができ、ノズル240上で互いに等間隔に配置することができる。例えば、ノズル240は、ノズル240内で90度間隔で配置された4つの水平に向いた開口242を含むことができる。好ましくは、水平に向いた開口242は、第2の組成物12の注入の間、水平及び垂直の両方で第1の組成物11のおおむね中心に配置される。水平に向いた開口242は、任意の好適な直径、例えば、約5mmの直径とすることができる。
【0048】
[0078]再び
図6を参照して、缶300の降下は、ノズル240内の水平に向いた開口242が垂直及び水平の両方で缶300内の第1の組成物11のおおむね中心に位置するとき、短く停止することができる。缶300の降下が短く停止し、ノズル240内の水平に向いた開口242が缶300内の第1の組成物11のおおむね中心に位置した状態で、第2の組成物12を、第1の組成物11内に水平に注入することができる。例えば、この段階では、第1のバルブ224は、閉じていることができ、第2のバルブ246は、開いていることができ、ピストン239は、ホース222からノズル240を通って所定の量の第2の組成物12を誘導するように動作することができる。
【0049】
[0079]
図7に示すように、好ましくは所定の量の第2の組成物12が缶300内に供給された後で、第2のバルブ226は、閉じていることができ、第1のバルブ224は、開いていることができ、缶300は、充填装置200から離れる方向に降下を継続することができる。第1の組成物11は、第2の組成物12を包み込む。次に、1つ以上の適切な装置が、缶の上に蓋を配置し、缶を、例えば耐密的に、封止し、缶をレトルト処理することができる。
【0050】
[0080]好ましくは、充填装置200は、制御機構252、例えば、コンピュータ又はプロセッサを含む別の装置に接続される。制御機構252は、
図3〜
図7に示す段階を通して、充填装置200の進行を制御することができる。例えば、制御機構252は、昇降板250、ポンプ240、ピストン239、並びに第1及び第2のバルブ224、226の1つ以上の動作を制御及び調整することができる。好ましくは、制御機構252は、充填装置200のこれらの構成要素の相対的なタイミングを制御する。例えば、制御機構252は、他方のバルブが閉じているときに1つのバルブが開いているように、第1及び第2のバルブ224、226を同期させることができる。
【実施例】
【0051】
[0081]以下の非限定的な実施例は、単に例示のために含まれる。
【0052】
[0082]85グラムの缶内でローフにより完全に包み込まれたグレービーの中身を実現する能力を評価するために、検討が行われた。産業機械上での充填条件の正確な表現として、真空充填装置が設計され構築された。
【0053】
[0083]2つの異なるノズル設計が試験された。更に、缶移動カムの変更を含む、いくつかのパラメータが試験された。缶移動カム(缶を真空充填装置に接近させ、かつ装置から離間させるカム)の変更は、標準的なローフの充填に影響を及ぼさないであろう。
【0054】
[0084]以下に更に詳細に説明するように、目標の製品は、水平なノズル、8グラムの充填、及び変更した缶移動カムを用いた試験8で実現された。試験3及び4は、目標と比較して次善の製品をもたらした。これらの解決策は、缶移動カムへの変更を必要とせず、水平なノズル及び10グラムの充填を用いてもたらされた。
【0055】
[0085]システムは、産業用真空充填装置上での充填をシミュレーションするように特に設計された。サーボモーターは、主バルブヘッド、缶移動、及び新しいグレービー用ピストン式充填装置を制御した。HMIスクリーンを備えた制御システムは、協調した移動を含んだ。ユーザは、適切な充填時間をシミュレーションするために、缶速度を入力することができた。制御プログラム内のカウンタは、入力された速度での機械に沿った度合により進んだ。ローフ用バルブプログラムは、現行の機械式カムにより制御される移動を含んだ。ピストン式充填装置及び缶移動のタイミングの両方を、目標の製品を実現するように変化させた。
【0056】
[0086]食品製品を充填するために、外部のピストン式充填装置が、標準的な充填ヘッドにわずかな変更を施した標準的な真空充填装置に取り付けられた。変更したピストン式充填装置は、外部のボウルからフレキシブルホース内へのグレービーの重力充填を実行した。2つの空気圧バルブは、ホース内及びホース外へのグレービーの流れを制御した。ホースは、現行の充填ヘッドの中心を通って経由する充填ノズルに直接接続された。この変更は、充填ヘッドの現行の機能(製品の流れ、真空、蒸気の吹き出し)を変化させなかった。
【0057】
[0087]2つのノズルが、検討において試験された。第1のノズル(
図9)は、垂直の製品経路及び流れに対して垂直な開口部を有し、グレービーが常に垂直に流れた。第2のノズル(
図10)は、垂直な製品経路を有したが、製品経路に対して平行な4つの直径5mmの孔を有し、グレービーがノズルから垂直及び水平に出た。
【0058】
[0088]
図11の表は、検討において行われた一連の試験を記載している。すべての試験は、解凍したローフ材料及び要求に応じて混合したグレービーを用いて行われた。ローフは、約1時間の過程にわたり52℃の水浴中で解凍された。グレービーは、ハンドドリルにより駆動された高せん断混合機を使用して、2%のグアーガム及び環境温度の水を用いて準備された。
【0059】
[0089]充填の後で、缶は、10ヘッドの巻締機により現場で巻締された。最大速度では、この10ヘッドの巻締機は、大多数の85グラムの缶詰工場内に配置されている産業用巻締機とおおむね同じ速度で動作する。巻締の後で、缶は、冷凍か、又は小型のレトルトを使用したレトルト処理のいずれかをされた。レトルトは、現場で製作され、自動温度監視システム、手動蒸気バルブ、手動逆圧(圧縮空気)システム、手動冷却水バルブ、及び手動排水バルブを備えた小型の円筒形圧力容器である。温度及び圧力は、一般的なパイロットプラントのプロセスに従って、サイクルを通して調整された。レトルト内では、缶は、蓋を下にして有孔金属のシート上に積み重ねられた。
【0060】
[0090]結果
[0091]それぞれの試験の結果は、冷凍された及び/又はレトルト処理された製品を評価することにより判定された。目標又はコンセプトの製品は、グレービーの「中心部」が中心に位置し、ローフ材料により上部及び底部の両方で被包されているものである。それぞれの試験の成功又は失敗を最もよく例示するように、冷凍されたサンプルの写真を示す。
【0061】
[0092]試験1は、結果として、製品の上部及び底部の両方に孔を、中心に円筒形の空洞を有する製品になった。レトルト処理前の製品(冷凍されていない)を
図12に示す。これらの製品は、目標の製品を実現しなかった。
【0062】
[0093]試験2は、ローフの上部の孔が減少し、空洞の形状がキノコ形状に変化した(
図13〜
図15)。大きな孔が底部にあった。これらの製品は、目標の製品を実現しなかった。
【0063】
[0094]水平のノズルを用いた試験3及び4は、製品の底部の孔を大幅に低減させ、消滅させることもあった(それぞれ
図16〜
図18及び
図19〜
図21)。小さな注入孔は、ローフの中心の水平な楕円形状の空洞とともに、製品の上部に残った。上部の孔の中心位置のいくらかの不整合が、これらのサンプル内で確認された。これらの製品は、目標の製品に近い。
【0064】
[0095]8グラムの充填及び水平なノズルを用いた試験5は、結果として、上部の孔はあるが、底部の孔はなく、前の試験より小さな空洞となった(
図22〜
図24)。この場合においてグレービーの量を低減することにより、著しい利点は確認されなかった。この製品は、目標の製品に近い。
【0065】
[0096]8グラムの充填及び垂直なノズルを用いた試験6は、試験1及び2と比較して、上部及び底部の孔並びに中心の空洞のサイズを縮小させた(
図25〜
図27)。しかし、この製品は、まだ目標の製品を実現しなかった。
【0066】
[0097]試験7及び8は、8グラムの充填及び異なる缶の移動を用いて実施された。ローフの充填の後で、缶は、わずかに降下して、短い時間停止し、その後缶の降下を継続した。この動きは、異なる缶移動カム(機械の底部に配置される)を必要とするであろうが、標準的なローフの充填に影響を及ぼさないであろう。垂直なノズルを用いた試験7は、上部の孔を消滅させたが、まだ底部の孔があった(
図28〜
図30)。これらの製品は、底部の孔の大きなサイズのため、目標の製品を実現しなかった。
【0067】
[0098]水平なノズルを用いた試験8は、上部及び底部の孔の両方を消滅させ、場合により、缶のちょうど中心にハート形状の空洞を発生させた(
図31〜
図33)。これらの製品は、目標の製品を実現する。
【0068】
[0099]試験の最終日に切り分けが行われ、残りの冷凍及びレトルト処理されたサンプルが一様に評価された。
図34の表は、この切り分けの結果を記載している。
【0069】
[0100]フィリングの標準偏差を判定するためにそれぞれの製品を製造して、試験は行われた。グレービーシステムが最初に試験された。
図34に示すように、グレービーシステムの最初の試験は、結果として0.51グラムの標準偏差となった。この試験は、グレービーのボウルが充填された直後に行われ、ノズルへの配管が完全に充填されていなかったことがあり得る。グレービーを用いた2番目の試験は、改善された0.14グラムの標準偏差を示している。完全に缶を充填したものに対する標準偏差は、0.62〜0.77グラムの範囲である。
【0070】
[0101]結論
[0102]シミュレーション装置は、このプロジェクトに対する強固な概念実証であった。システムは、90ヘッドの真空充填装置上で使用可能な充填時間を正確に再現した。主バルブ及びグレービーシステムのすべての部品は、産業用機械上での部品がそうあるであろうものと同じサイズであった。
【0071】
[0103]目標の製品は、試験8で8グラムの充填を用いて最大速度でシミュレーション装置上で製造された。この解決策は、独自の水平なノズル設計、新しいグレービー処理及び計量投入システム、並びに缶移動カムの変更を伴う。製品は、上部に非常に小さい孔を有するか又は孔を有さず、底部に孔を有しない、完全に包み込まれたグレービーの中身を特徴として備えた。総じて、最良の結果は、垂直なノズルに比較して、水平なノズルを用いて実現された。ノズル本体の側面に開けられた孔を有する新しいノズルは、缶の底部に向かって垂直にではなく、缶の横面に向かって水平な製品の流れを可能にする。試験3及び4は、試験8に次いで最も成功していた。これらの試験は、缶移動カムの調整を必要としないであろう。
【0072】
[0104]本明細書に記載される現在好ましい実施形態に対する様々な変更及び修正が、当業者には明らかであることは理解されるべきである。このような変更及び修正は、本発明の主題の主旨及び範囲から逸脱せずに、及び意図される利点を損なわずに成すことができる。したがって、このような変更及び修正は、添付の特許請求の範囲により包含されるものと意図される。