(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記コントローラは、前記箱詰め動作の対象となる前記商品の残り数量を前記包装機関連情報に基づき算出し、算出された前記商品の数量に基づき前記ストック数決定処理を実行する、
請求項1又は2に記載の箱詰め装置。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態に係る箱詰め装置40について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明の具体例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
【0025】
本発明の一実施形態による箱詰め装置40は、商品生産ライン100に含まれている。
【0026】
(1)全体構成
図1は、本発明の一実施形態による箱詰め装置40を含む商品生産ライン100の全体構成を示した模式図である。商品生産ライン100には、クレートダンパ1、ピーラ2、インスペクションテーブル3、スライサ4、ブランチャ5、フライヤ6、味付け装置7、ファストバック8、組合せ計量機10、製袋包装機20、箱詰め装置40、及び重量チェッカ50が順に連結され、設置されている。
【0027】
ポテトチップの原料となるじゃがいもは、クレートに入った状態で商品生産ライン100に搬入されてくる。クレートダンパ1は、じゃがいもが入った状態のクレートを受け取り、クレートからじゃがいもを取り出し、ピーラ2へと搬送する。クレートダンパ1は、じゃがいもを水洗いしつつ、じゃがいもに付着している泥や小石を除去する。
【0028】
ピーラ2は、じゃがいもを水洗いしつつ、その皮を剥く。皮を剥かれたじゃがいもは、インスペクションテーブル3へと搬送される。
【0029】
インスペクションテーブル3では、じゃがいもの状態が人手で確認され、異常のあるじゃがいもが混ざっていれば、製造ラインから除去される。インスペクションテーブル3を出たじゃがいもは、スライサ4へと搬送される。
【0030】
スライサ4は、皮が剥かれた状態のじゃがいもを、その表面の澱粉質を水で洗い流しつつ、一定の厚さにスライスする。スライス後のじゃがいもは、ブランチャ5へと搬送される。
【0031】
ブランチャ5は、スライス後のじゃがいもを、その表面の糖分を水で洗い流しつつ、フライヤ6へと搬送する。
【0032】
フライヤ6は、スライス後のじゃがいもを揚げるための油のタンクを有している。タンク内の油の量は、補充用の油が入った別のタンクにおけるバルブの自動制御により、一定の範囲に保たれるようになっている。フライ後のじゃがいもは、味付け装置7へと搬送される。
【0033】
味付け装置7は、フライ後のじゃがいもをシーズニングパウダで味付けする。味付け装置7は、シーズニングパウダのタンクを有しており、バルブの自動制御により適量のシーズニングパウダがフライ後のじゃがいもに添加される。よって、ポテトチップの味が一定の品質に保たれるようになっている。味付け装置7を出たポテトチップは、ファストバック8へと搬送される。
【0034】
ファストバック8は、ポテトチップを組合せ計量機10の上方まで搬送する。ポテトチップは、ファストバック8の終端から落下し、組合せ計量機10に投入される。
【0035】
組合せ計量機10は、ポテトチップを連続的に受け取り、ポテトチップの組合せ計量を行って、ポテトチップを所定重量ずつ製袋包装機20へと供給する。
【0036】
製袋包装機20は、供給される物品C(ここでは、ポテトチップ)を所定重量ずつ袋詰めして
図2に示すような商品Pとし、下流側の装置(ここでは、箱詰め装置40)へと送る装置である。商品Pは、物品C(ポテトチップス)を、フィルム201で包装したものである。商品Pは、商品Pの上辺と下辺にはシール部が形成される。
【0037】
箱詰め装置40は、商品Pを所定数量ずつダンボール箱B(梱包箱)に箱詰めし、箱詰め後のダンボール箱Bを封かんし、封かん後のダンボール箱Bを重量チェッカ50へと搬送する。
【0038】
重量チェッカ50は、封かん後のダンボール箱Bの重量の適正を検査する。重量検査に合格したダンボール箱Bは、出荷の対象となる。
【0039】
(2)管理コンピュータ80
商品生産ライン100には、各装置1〜8、10、20、40、及び50の動作を制御する管理コンピュータ80が設置されている。
図3は、管理コンピュータ80の構成態様と、管理コンピュータ80と接続される他の機器と、を模式的に示したブロック図である。
図3に示すように、管理コンピュータ80は、通信部81と、制御部82と、入力部83と、出力部84と、記憶部85とを有する汎用のコンピュータである。
【0040】
通信部81は、管理コンピュータ80をネットワークに接続するインターフェースである。制御部82は、CPU、ROM及びRAM等から構成されており、記憶部85内のプログラムを読み出して実行することにより、管理コンピュータ80の動作を制御する。入力部83は、マウス及びキーボード等から構成されている。出力部84は、液晶ディスプレイ及びスピーカ等から構成されている。記憶部85は、ハードディスク等から構成されており、管理コンピュータ80の動作を制御するためのプログラムの他、処理に必要となる各種情報を記憶している。
【0041】
管理コンピュータ80は、ネットワークを介し、各装置に含まれるマイクロコンピュータ(具体的には、クレートダンパ1の制御部1A、ピーラ2の制御部2A、インスペクションテーブル3の制御部3A、スライサ4の制御部4A、ブランチャ5の制御部5A、フライヤ6の制御部6A、味付け装置7の制御部7A、ファストバック8の制御部8A、組合せ計量機10の制御部10A、製袋包装機20の制御部20A、箱詰め装置40の制御部40A、及び重量チェッカ50の制御部50A)のそれぞれと電気的に接続されており、装置1〜8、10、20、40、及び50の動作を監視及び制御する。
【0042】
(3)商品生産ライン100に含まれる各装置の概要
(3−1)組合せ計量機10
図4は、組合せ計量機10の概略構成を示した模式図である。
図4に示すように、組合せ計量機10は、分散テーブル12と、分散テーブル12の周囲に円形に配置されている複数の供給フィーダ13と、供給フィーダ13の下方に配置されている複数のプールホッパ14と、プールホッパ14の下方に配置されている複数の計量ホッパ15と、計量ホッパ15の下方に配置されている複数のブースタホッパ16と、ブースタホッパ16の下方に配置されている集合排出シュート17と、計量ホッパ15内に貯留されているポテトチップの重量を計量する複数のロードセル19と、組合せ計量機10の動作を制御する制御部10Aと、を備えている。供給フィーダ13、プールホッパ14、計量ホッパ15、ブースタホッパ16及びロードセル19は、同数ずつ存在している。
【0043】
分散テーブル12は、回転装置(図示省略)によって回転させられる。ファストバック8から分散テーブル12上に落下したポテトチップは、分散テーブル12の回転によって、供給フィーダ13上へと分散して落下する。
【0044】
供給フィーダ13は、電磁加振装置(図示省略)によって振動させられる。供給フィーダ13は、分散テーブル12からポテトチップを受け取り、受け取ったポテトチップを振動によって外側へ移動させてプールホッパ14内へと落下させる。
【0045】
プールホッパ14は、供給フィーダ13から落下してくるポテトチップを一時的にプールする。プールホッパ14には、その下部の排出口を開閉するゲート14aが設けられている。ゲート14aが開くと、プールホッパ14内のポテトチップは、下流側の計量ホッパ15内へと落下する。
【0046】
計量ホッパ15は、ゲート14aの真下に配置されており、プールホッパ14から落下してくるポテトチップを一時的に貯留する。計量ホッパ15には、その下部の排出口を開閉する第1ゲート15a及び第2ゲート15bが設けられている。第1ゲート15aが開くと、計量ホッパ15内のポテトチップは、下流側の集合排出シュート17内へと落下する。第2ゲート15bが開くと、計量ホッパ15内のポテトチップは、下流側のブースタホッパ16内へと落下する。
【0047】
ロードセル19は、計量ホッパ15内のポテトチップの重量を計量する。
【0048】
ブースタホッパ16は、第2ゲート15bの真下に配置されており、計量ホッパ15から落下してくる計量後のポテトチップを一時的に貯留する。ブースタホッパ16には、その下部の排出口を開閉するゲート16aが設けられている。ゲート16aが開くと、ブースタホッパ16内のポテトチップは、集合排出シュート17内へと落下する。
【0049】
集合排出シュート17は、計量ホッパ15又はブースタホッパ16から落下してくるポテトチップを製袋包装機20に案内する。
【0050】
制御部10Aは、現在の計量ホッパ15内のポテトチップの重量値を当該ホッパ15と関連付けて記憶し、現在のブースタホッパ16内のポテトチップの重量値を当該ホッパ16と関連付けて記憶する。そして、個々の計量ホッパ15及び個々のブースタホッパ16に関連付けられているポテトチップの重量値に基づいて、組合せ演算を行い、数個のホッパ15及び16を選択する。なお、組合せ演算とは、個々のホッパ15及び16内のポテトチップの重量値を様々な組合せで合算し、当該合算値が所定範囲内に収まるようなホッパ15及び16の組合せを導出することをいう。
【0051】
組合せ演算の結果、数個のホッパ15及び16が選択されると、選択されたホッパ15及び16の排出口を開閉するゲート15a及び16aが開かれ、当該ホッパ15及び16内のポテトチップが集合排出シュート17内へと排出される。そして、空になったホッパ15及び16内には、順次、その上方のホッパ14及び15から新たなポテトチップが補充される。
【0052】
以上により、所定重量のポテトチップが集合排出シュート17内で集合することになる。集合排出シュート17内を滑り落ちながら集合したポテトチップは、集合排出シュート17の排出口の真下に配置されている製袋包装機20に供給される。
【0053】
(3−2)製袋包装機20
図5は、製袋包装機20の概略構成を示した模式図である。
図5に示すように、製袋包装機20は、フィルムロールを有するフィルム供給機構(図示省略)と、フィルム供給機構から繰り出されるシート状のフィルム201を筒状に成形する成形機構22と、成形機構22により筒状に成形されたフィルム201(以下、筒状フィルムFcという)を下方に搬送する搬送機構23と、筒状フィルムFcの重なり部分を縦方向にシールする縦シール機構24と、筒状フィルムFcの袋の上下端となる部分を横方向にシールする横シール機構25と、袋にエアを封入するエア封入機構26と、袋に不活性ガスを封入する不活性ガス封入機構27と、シート状のフィルム201の袋のラベルエリアとなる部分にラベル情報を印字する印字機構28と、袋が密封されているか否かを判断するシールチェッカ(図示省略)と、製袋包装機20の動作を制御する制御部20Aと、を備えている。
【0054】
成形機構22は、チューブ22aと、フォーマ22bとを有している。チューブ22aは、筒状の部材であり、縦方向に延びており、上下端が開口しおり、フォーマ22bに固定されている。チューブ22aの上端の開口には、組合せ計量機10から所定重量ずつ落下してくるポテトチップが投入される。フォーマ22bは、チューブ22aの上端あたりを取り囲むように配置されている。フィルム供給機構から送られてくるシート状のフィルム201は、フォーマ22bとチューブ22aとの隙間を通り抜けながらチューブ22aの外側表面に巻きつけられ、筒状に成形される。
【0055】
搬送機構23は、一対のプルダウンベルト23a及び23bを有している。プルダウンベルト23a及び23bは、チューブ22aを基準として左右対称に配置されており、チューブ22aに巻きついた状態の筒状フィルムFcに当接し、筒状フィルムFcを吸着しながら下方に搬送する。
【0056】
縦シール機構24は、チューブ22aに沿って縦方向に延びるように配置されており、ヒータと、ヒータにより加熱されるシール面とを有している。縦シール機構24は、チューブ22aに巻きついた状態の筒状フィルムFcの縦方向に延びる重なり部分を、シール面により一定の加圧力でチューブ22aの外側表面に押しつけながら熱シールする。
【0057】
横シール機構25は、チューブ22aの下方に配置されており、一対のシールジョー25aを有している。シールジョー25aは、それぞれヒータと、ヒータにより加熱されるシール面とを有している。シールジョー25aは、適当なタイミングで旋回しつつ、互いに近接したり離反したりするように水平方向に移動し、シール面により筒状フィルムFcを挟み込む動作を行う。筒状フィルムFcのシール面により挟み込まれた部分は、横方向に熱シールされる。同時に、一方のシールジョー25aに内蔵されているカッター(図示せず)により、横シールされた部分が横方向に切断され、先行する袋と後続の袋とが切り離される。また、横シールされるタイミングで、ポテトチップの固まりが組合せ計量機10からチューブ22a内を通り抜けて落下してくる。
【0058】
エア封入機構26は、横シール機構25の近傍に配置さている。エア封入機構26は、横シールにより封止される袋に一定の膨らみを持たせるべく、筒状フィルムFcが横シールされる直前に、筒状フィルムFcの中にエアを封入する。
【0059】
不活性ガス封入機構27は、横シール機構25の近傍に配置さている。不活性ガス封入機構27は、横シールにより封止される袋内のポテトチップの劣化を防止すべく、筒状フィルムFcが横シールされる直前に、筒状フィルムFcの中に不活性ガス(窒素ガス)を封入する。
【0060】
印字機構28は、フィルム供給機構と成形機構22との間の、フィルム201が平面的に搬送される場所付近に配置されており、印字ヘッド28aを有している。印字ヘッド28aは、フィルム201と一定の距離を保つ基本位置と、フィルム201に当接する印字位置との間を往復運動する。印字ヘッド28aは、印字位置にある時に、フィルム201にラベル情報を印字する。印字ヘッド28aの往復運動のタイミングは、印字ヘッド28aが印字位置にある時にフィルム201の袋のラベルエリアとなる部分に正確に当接するよう、制御部20Aにより制御される。
【0061】
シールチェッカは、商品Pの袋のシール状態の適正を検査する。具体的に、シールチェッカは、搬送されてくる商品Pの袋をその厚み方向に加圧し、加圧時の袋の厚みを検出し、その厚みに基づいて袋が密封されているか否かを判断する。シールチェッカを出た商品Pは、シールチェッカによる検査結果に従って、振分機構(図示省略)により、良品と不良品とに振り分けられる。良品は後段の箱詰め装置40へと送られ、不良品は不良品回収コンベア(図示省略)へ送られる。
【0062】
(3−3)箱詰め装置40
箱詰め装置40は、製袋包装機20から排出された商品P(すなわち、シールチェッカによる検査に合格した商品P)を順次受け取り、所定個数の商品Pを整列させて一群の商品(商品群G)とする。また、箱詰め装置40は、製函用シート部材から製函を行い、ダンボール箱Bを製造する。製造したダンボール箱Bに所定の段数の商品群Gをダンボール箱Bに詰め込み、箱詰めが完了した状態のダンボール箱Bを封かんした後、下流側の装置(ここでは、重量チェッカ50)へと送る。
【0063】
ここで、「段」とは、ダンボール箱Bの中で積み重ねられる層のことである。以下、1つの「段」に含まれる商品Pの数量を「段構成商品数DV」と称し、1つのダンボール箱Bに箱詰めされる段の数を「箱詰め段数FV」と称する。本実施形態においては、「段構成商品数DV」は4(個)に設定され、箱詰め段数FVは3(段)に設定されている。但し、1つの段構成商品数DVの値、及び箱詰め段数FVの値については、設置環境や設計仕様に応じて適宜変更が可能である。
【0064】
箱詰め装置40の詳細については後述の「(4)箱詰め装置40の詳細」において説明する。
【0065】
(3−4)重量チェッカ50
重量チェッカ50は、搬送コンベア51と、ロードセル(図示省略)と、重量チェッカ50の動作を制御する制御部50Aとを備えている。
【0066】
搬送コンベア51は、箱詰め装置40と振分機構(図示省略)との間を連結している。ロードセルは、搬送コンベア51上を搬送されていくダンボール箱Bの重量を計量する。
【0067】
制御部50Aは、ロードセルの出力信号に基づいて、ダンボール箱Bの重量が所定の範囲内に収まっているか否かを判断する。所定の範囲外であると判断される場合には、その旨を示す不良信号を下流側の振分機構(図示省略)に送信する。振分機構は、重量チェッカ50からの不良信号に従って、不良箱を不良箱回収コンベア(図示省略)に振り分ける。
【0068】
(4)箱詰め装置40の詳細
以下、箱詰め装置40の詳細について説明する。なお、以下の説明において、「搬送方向」は箱詰め装置40において製函用シートFB又はダンボール箱Bが移送される方向xを意味し、「上流」又は「下流」は搬送方向xにおける上流又は下流を意味する。
【0069】
図6は、箱詰め装置40を平面的に示した模式図である。箱詰め装置40は、外郭を構成するフレーム41内に、ダンボール箱Bの製函を行う製函部60と、製函されたダンボール箱Bに商品Pを詰め込む箱詰め部65と、を有している。箱詰め装置40に含まれる各部の動作は、直接的には制御部40Aによって制御される。
【0070】
以下、製函部60によって行われる製函に係る動作を「製函動作」と称し、箱詰め部65によって行われる箱詰めに係る動作を「箱詰め動作」と称する。
【0071】
(4−1)製函部60
図7は、製函部60及び箱詰め部65の構成態様の一部を概略的に示した模式図である。
【0072】
製函部60は、
図8及び
図9に示すような複数のフラップFを含む製函用シートFBを展開して、
図10及び
図11に示すようなダンボール箱Bの製函を行う。より詳細には、製函部60は、ダンボール箱Bは、製函用シートFBの複数のフラップFが重なるように折り込むことで、各側面TP及び底蓋BCと、フラップF1〜F4と、を含むダンボール箱Bの製函を行う。製函部60は、主として、シート積層機構61、移送機構62、及び製函機構63を含んでいる。
【0073】
シート積層機構61は、多数の製函用シートFBを積層させる。移送機構62は、シート積層機構61に積層された複数の製函用シートFBのうち一枚の製函用シートFBを、吸盤によって後続の製函用シートFBから引き離し、上方へ移送して製函機構63に引き渡す(
図7の矢印D1参照)。
【0074】
製函機構63は、渡された製函用シートFBを展開して
図12に示すような角筒TBを形成する。言い換えると、製函機構63は、移送機構62から受け渡された製函用シートFBを、平面状から筒状に変形する(
図7の矢印D2参照)。また、製函機構63は、角筒TBにおいて底蓋BCを作ることでダンボール箱Bを成形する(
図7の矢印D3参照)。製函機構63は、底蓋BCにダンボール箱Bの形状を維持するための粘着テープを貼付し、下方に向かって移動させる。なお、下降開始位置とは、ダンボール箱Bを下方へ搬送する場所である。
【0075】
ダンボール箱Bは、その後、下降開始位置より下方に形成された箱詰め部65のストック部711(ストック空間SP)に移動(落下)する(
図7の矢印D4参照)。
【0076】
(4−2)箱詰め部65(箱詰め機構)
図13は、箱詰め部65の構成態様を概略的に示した模式図である。箱詰め部65は、前段装置コンベアAPから搬送される複数の商品Pを整列させ、ダンボール箱Bの中に詰め込み、それを後段装置コンベアASへと引き渡すためのユニットである。
【0077】
箱詰め部65は、2階建て構造のフレーム41内に構成されている。
図14は、箱詰め部65のうち2階部分に構成される部分(箱詰め部第1ユニット65a)を平面的に示した模式図である。
図15は、箱詰め部65のうち1階部分に構成される(箱詰め部第2ユニット65b)を平面的に示した模式図である。
【0078】
箱詰め部65は、商品検査部66と、商品配置部67と、を有している。
【0079】
(4−2−1)商品検査部66
商品検査部66は、箱詰め部65の上流端近傍に設けられている。商品検査部66は、箱詰め部第1ユニット65a(2階部分)に設けられている。
【0080】
商品検査部66は、前段装置コンベアAPによって運ばれた商品Pについて、重量、貼付されたシールの状態、異物混入の有無などを検査するためのユニットである。商品検査部66が送信した検査結果を表す信号は、図示しない信号線を介して伝達され、商品配置部67によって受信される。商品検査部66は、検査済みの商品Pを商品配置部67に引き渡す。
【0081】
(4−2−2)商品配置部67
商品配置部67は、商品コンベア68、商品集積機構69、商品群移動機構70、及び箱取扱部71を含む。
図15に示すように、商品コンベア68、商品集積機構69、及び商品群移動機構70は箱詰め部第1ユニット65a(2階部分)に設けられ、箱取扱部71は箱詰め部第2ユニット65b(1階部分)に配置されている。
【0082】
(4−2−2−1)商品コンベア68
商品コンベア68は、商品Pを搬送方向xに搬送するためのユニットである。商品コンベア68は、商品搬送コンベア68a及び商品集積コンベア68bを含んでいる。商品集積コンベア68bは、商品搬送コンベア68aと平行に配置されている。
【0083】
商品検査部66から排出された商品Pは、商品入口681を介して商品配置部67内部へ入り、商品搬送コンベア68aの上に載置される。
【0084】
(4−2−2−2)商品集積機構69
商品集積機構69は、商品コンベア68と協働して、複数の商品Pを集積させて商品群Gを作るための機構である。具体的には、商品集積機構69は、商品搬送コンベア68aの上に載置された商品Pを1つずつ持ち上げて、商品集積コンベア68bの上に集積させる。
【0085】
図13には、2次元的に整列した商品群Gの集積の態様が示されている。商品集積機構69は、これとは異なり、部分的に重なって1列に整列した態様など、その他の様々な態様に商品Pを集積させて商品群Gを作ることができる。
【0086】
商品集積機構69は、例えばパラレルリンクロボットから構成されており、フレーム41に固定されている。商品集積機構69は、集積ヘッド691、複数の集積吸着具692、3本のアーム693、サーボ機構694、及び吸引管695を含んでいる。
【0087】
サーボ機構694が、アーム693を介して、集積ヘッド691を3次元的に動かし、又は回転させる。集積ヘッド691には、複数の集積吸着具692が設けられている。吸引管695は、集積吸着具692の内部空間を図示しない真空ポンプと連通させている。集積吸着具692が商品Pと密着した時に真空ポンプが空気を吸引することにより、集積ヘッド691は1つの商品Pを持ち上げることができる。
【0088】
(4−2−2−3)商品群移動機構70
商品群移動機構70は、商品群Gを持ち上げて、ダンボール箱Bに詰め込むための機構である。
【0089】
商品群移動機構70は、ロボットから構成されており、フレーム41に固定されている。商品群移動機構70は、詰め込みヘッド701、詰め込み吸着具702、マスト703、移動ガイド704、可撓ホース706、及びポンプ吸引口707を含んでいる。
【0090】
移動ガイド704は、図示しないモータを有しており、マスト703をx軸方向又はz軸方向に移動させることができる。すなわち、マスト703の先端に設けられた詰め込みヘッド701は、xz平面を移動することができる。集積ヘッド691よりも大型である詰め込みヘッド701には、多数の詰め込み吸着具702が設けられており、商品群Gを構成する複数の商品Pを一度に持ち上げることができる。
【0091】
詰め込み吸着具702の内部空間は、マスト703の内部、可撓ホース706、及びポンプ吸引口707を介して、図示しない真空ポンプと連通している。詰め込み吸着具702が商品群Gと密着した時に真空ポンプが空気を吸引することにより、詰め込みヘッド701は商品群Gを一度に持ち上げることができる。
【0092】
(4−2−2−4)箱取扱部71
箱取扱部71は、箱詰め動作に関連してダンボール箱Bを保管又は移動するためのユニットである。箱取扱部71は、ストック部711、箱搬送コンベア712、及び詰込み部713を有する。
【0093】
ストック部711(特許請求の範囲記載の「空間形成部」に相当)は、フレーム41によって構成され、内部にストック空間SPを形成する部分である。ストック部711は、複数のダンボール箱Bをストック(待機)させることが可能な大きさのストック空間SPが形成されている。本実施形態において、ストック空間SPは、最大5個のダンボール箱Bをストック可能な大きさに形成されている。但し、ストック空間SPの大きさ(すなわち、ストック空間SPにおいてストック可能なダンボール箱Bの数量)については、設置環境や設計仕様に応じて適宜変更が可能である。
【0094】
箱搬送コンベア712は、ストック空間SP内のダンボール箱Bを、箱詰め部第1ユニット65a(2階部分)の動作状況に基づき、所定のタイミングで詰込み部713まで搬送するコンベアである。
【0095】
詰込み部713(特許請求の範囲記載の「梱包箱載置部」に相当)は、ストック空間SPから送られる箱詰め動作の対象となるダンボール箱B、を載置する部分である。具体的に、詰込み部713は、商品集積コンベア68bよりも下流端寄りで、かつ、商品群移動機構70の下方に位置する、箱搬送コンベア712の面上の部分である。
【0096】
箱詰め動作においては、詰込み部713に載置されているダンボール箱Bの中へ、商品群移動機構70によって、商品群Gが一度に詰め込まれる。箱詰め動作においては1つのダンボール箱Bに対して係る詰め込みが所定回数繰り返される。その後、箱詰め動作を行われたダンボール箱Bを、箱搬送コンベア712によって後段装置コンベアASへ送る。また、次の箱詰め動作が行われる場合には、箱搬送コンベア712は、ストック空間SP内にストックされているダンボール箱Bを詰込み部713へ送る(
図7の矢印D5及びD6を参照)。
【0097】
(4−3)箱詰め装置40の動作
箱詰め装置40は、製函部60において、ダンボール箱Bの製函動作を行う。製函動作では、シート積層機構61から製函用シートFBが1枚ずつ製函機構63に引き渡され、製函機構63によってダンボール箱Bが成形され、成形されたダンボール箱Bがストック部711に送られる。ストック部711に送られたダンボール箱Bは、ストック空間SPにおいてストックされる(具体的には上部が空いた状態で待機する状態となる)。なお、ストック空間SPにおいてストックするダンボール箱Bの数量(ストック数SV)は、後述のコントローラ90によって状況に応じて決定される。
【0098】
また、箱詰め装置40は、商品検査部66において前段装置コンベアAPから1つずつ搬送される商品Pの検査を行い、検査完了後の商品Pを商品配置部67へ送る。そして、箱詰め装置40は、商品配置部67において、検査完了後の所定数量の商品Pをダンボール箱Bに詰め込む箱詰め動作を行う。
【0099】
箱詰め装置40は、箱詰め動作に関連して、商品搬送コンベア68aによって1つずつ商品Pを搬送させ、商品集積機構69によって商品集積コンベア68bの上に集積させるとともに商品群Gとして整列させる。また、箱詰め装置40は、ストック空間SP内にストックされているダンボール箱Bを、箱搬送コンベア712によって詰込み部713へ送る。箱詰め装置40は、商品群移動機構70によって、商品群Gを一度に持ち上げて詰込み部713に載置されているダンボール箱Bの中へ詰め込む。この際、予め設定されているダンボール箱Bに詰め込む商品Pの段数(箱詰め段数FV)に応じて、係る詰め込みを繰り返す。
【0100】
その後、箱詰め装置40は、所定数量(箱詰め段数FV×段構成商品数DV)の商品Pが詰め込まれたダンボール箱Bを、箱搬送コンベア712によって後段装置コンベアASへ送る。また、箱詰め装置40は、供給される商品Pに関して次の箱詰め動作を行う場合には、ストック空間SP内にストックされているダンボール箱Bを箱搬送コンベア712によって詰込み部713へ送る。
【0101】
(5)コントローラ90
図3に示すように、本実施形態においては、管理コンピュータ80と、各装置の制御部(1A、2A、3A、4A、5A、6A、7A,8A、10A、20A、40A及び50A)と、が電気的に接続されることで、商品生産ライン100の動作を統括的に制御するコントローラ90が構成されている。
図16は、コントローラ90において実現される各機能部の一部を示したブロック図である。
図16に示すように、コントローラ90においては、計量機情報記憶部91、コマンド入力部92、コマンド記憶部93、製函動作制御部94を含む複数の機能部が構成されている。
【0102】
(5−1)計量機情報記憶部91
計量機情報記憶部91には、組合せ計量機10内の物品Cの重量に関する情報(計量機情報)が記憶されている。計量機情報は、例えば、分散テーブル12に供給された物品Cの重量値を特定する情報、又は各計量ホッパ15内の物品C(ここではポテトチップ)の重量値を個別に特定する情報である。すなわち、計量機情報は、箱詰め装置40の上流側装置である組合せ計量機10内に供給されている物品Cの重量値を特定する情報である。計量機情報記憶部91内に記憶されている計量機情報は、組合せ計量機10の制御部10Aによってリアルタイムに更新される。
【0103】
なお、商品Pにおいて包装される物品C(ポテトチップ)の重量はユーザにより予め設定されていることから、組合せ計量機10内に供給されている物品Cに関して製袋包装機20から箱詰め装置40へ送られる商品Pの個数については、計量機情報に基づいて特定することが可能である。すなわち、計量機情報は、製袋包装機20の運転状況に関連する「包装機関連情報」に相当する。
【0104】
(5−2)コマンド入力部92
コマンド入力部92は、例えば管理コンピュータ80における入力部83等、ユーザからのコマンドを受け付けるインターフェースである。コマンド入力部92は、入力されたコマンドをコマンド記憶部93の所定の記憶領域に格納する。
【0105】
(5−3)コマンド記憶部93
コマンド記憶部93は、コマンド入力部92に入力されたコマンドを個別に記憶する記憶領域である。コマンド記憶部93において記憶するコマンドとしては、例えば、ストック空間SPにおけるダンボール箱Bのストック数SVの設定に関連するコマンド(例えば、後述の通常ストック数量PV、最小ストック数量MV及び設定数量CVの設定に係るコマンド等)をである。また、例えば、製函動作制御部94における制御モードの切り換えに係るコマンド(例えば、後述の少量モード選択コマンドや自動調整モード選択コマンド等)である。
【0106】
(5−4)製函動作制御部94
製函動作制御部94は、箱詰め装置40における製函動作を、制御部40Aを介して統括的に制御する機能部である。より詳細には、製函動作制御部94は、ストック空間SPにおいてストックするダンボール箱Bの数量(ストック数SV)を状況に応じて決定するストック数決定処理を実行する。製函動作制御部94は、ストック数決定処理によって決定したストック数SVに相当する数量のダンボール箱Bがストック空間SPにおいてストックされるように、箱詰め動作の処理速度に応じた所定のタイミングで、製函部60に信号を送信し製函動作を行わせる又は製函動作を停止させる。すなわち、製函動作制御部94は、ストック数決定処理によって決定したストック数SVに基づく数量のダンボール箱Bを、製函部60に製造させる。
【0107】
製函動作制御部94は、ストック空間SPのおけるダンボール箱Bのストック数SVに関連した製函部60における製函動作に関し、通常モード、少量モード、及び自動調整モードを含む複数の制御モードを有している。製函動作制御部94は、原則として通常モードに遷移し、所定のコマンド(少量モード選択コマンド)をユーザによって入力された場合には少量モードに遷移し、他の所定のコマンド(自動調整モード選択コマンド)をユーザによって入力された場合には自動調整モードに遷移する。
【0108】
具体的に、製函動作制御部94は、通常モード(特許請求の範囲記載の「第1制御モード」に相当)時には、ユーザによって予め設定されている数量(通常ストック数量PV)にストック数SV量を決定するストック数決定処理(第1ストック数決定処理)を実行する。すなわち、製函動作制御部94は、通常モード時には、ユーザが設定した通常ストック数量PV(ユーザ設定情報)に基づき、ストック数決定処理(第1ストック数決定処理)を実行する。これにより、通常モード時には、通常ストック数量PVのダンボール箱Bがストック空間SPにおいてストックされる状態となる。なお、通常ストック数量PVは、例えば5(個)に設定されるが、特にこれに限定されず、ユーザが所望の値を適宜設定することが可能である。
【0109】
また、製函動作制御部94は、少量モード(特許請求の範囲記載の「第1制御モード」に相当)時には、少量モード時のストック数SVとしてユーザにより予め設定されている数量(最小ストック数量MV)にストック数SVを決定するストック数決定処理(第2ストック数決定処理)を実行する。
【0110】
すなわち、製函動作制御部94は、少量モード時には、ユーザが設定した最小ストック数量MV(ユーザ設定情報)に基づき、ストック数決定処理(第2ストック数決定処理)を実行する。これにより、少量モード時には、最小ストック数量MVのダンボール箱Bがストック空間SPにおいてストックされる状態となる。なお、最小ストック数量MVは、例えば1(個)に設定されるが、特にこれに限定されず、ユーザが所望の値を適宜設定することが可能である。
【0111】
自動調整モード(特許請求の範囲記載の「第2制御モード」に相当)は、商品生産ライン100において生産する商品Pの種類を変更する、或いは商品Pの生産を終了するに際して、ストック空間SPにおいてストックされるダンボール箱Bが0(個)となるように(すなわち、ダンボール箱Bが余らないように)ストック数SVをリアルタイムに調整する制御モードである。製函動作制御部94は、自動調整モードにおいては、ストック空間SPにおけるダンボール箱Bのストック数SVを、前段に配置される装置(例えば、組合せ計量機10又は製袋包装機20)の運転状況に関連する情報に基づき、リアルタイムに決定するストック数決定処理(第3ストック数決定処理)を実行する。
【0112】
本実施形態において、製函動作制御部94は、第3ストック数決定処理において、計量機情報記憶部91に記憶されている計量機情報に基づき、ストック数SVを決定する。具体的に、製函動作制御部94は、第3ストック数決定処理に関連して、所定時間t1毎に計量機情報を参照し、係る計量機情報から製袋包装機20から排出される商品Pの数量(残り商品数RV)を算出(推定)する。そして、製函動作制御部94は、算出した残り商品数RVが所定の閾値(第1閾値ΔTh1)以上である場合には、ストック数SVを予め設定されている設定数量CVに決定する。
【0113】
なお、設定数量CVは、例えば5(個)に設定されるが、必ずしも当該値には限定されず、設置環境や設計仕様に応じて適宜変更が可能である。また、上述の所定時間t1は、例えば1(秒)に設定されるが、必ずしも当該値には限定されず、所望の値を設定することが可能である。また、第1閾値ΔTh1は、例えば、箱詰め段数FV及び段構成商品数DVに基づき60(個)に設定されるが、これに限定されず、設置環境や設計仕様に応じて適宜変更が可能である。
【0114】
一方、製函動作制御部94は、算出した残り商品数RVが第1閾値ΔTh1未満である場合(換言すると、箱詰め動作の対象となる商品Pの残り数量が第1閾値ΔTh1未満となったと想定される場合)には、残り商品数RV及びダンボール箱Bに箱詰めされる商品の数量(箱詰め段数FV及び段構成商品数DV)に基づき、箱詰め動作において必要となるダンボール箱Bの数量をストック数SVとして決定する。
【0115】
本実施形態においては、残り商品数RVを、箱詰め段数FV及び段構成商品数DVの積で除算することで、ストック数SVを算出する。すなわち、算出した残り商品数RVが第1閾値ΔTh1未満である場合には、ストック数SVは、「RV/(FV×DV)」という算出式で算出(小数点以下の数字については切り上げられて算出)される。このように、第3ストック数決定処理において残り商品数RVが第1閾値ΔTh1未満である場合、ストック数SVが所定の算出式で適宜算出される。そして、ストック数SVが0(個)になると、製函動作制御部94は、製函部60に対して停止信号(製函動作の停止を指示する信号)を出力する。これに伴い、製函部60において製函動作が停止される。
【0116】
これにより、自動調整モードにおいては、組合せ計量機10に供給された物品Cの量(すなわち、製袋包装機20から送られる商品Pの数量)が大きい場合には、設定数量CVに相当するストック数SVのダンボール箱Bがストック空間SPにおいてストックされ、組合せ計量機10に供給された物品Cの量が少なくなるに伴い、必要最低限のストック数SVに調整される。
【0117】
(6)ストック数決定処理の流れ
以下、
図17を参照しながら、ストック数決定処理の流れについて説明する。
図17は、ストック数決定処理の流れの一例を示したフローチャートである。なお、以下のステップS101−S110については、あくまでも一例であり、設計仕様に応じて適宜変更が可能である。
【0118】
ステップS101において、コントローラ90(製函動作制御部94)は、少量モード選択コマンドを入力されていない場合(すなわち、NOの場合)にはステップS104へ進む。一方、少量モード選択コマンドを入力されている場合(すなわち、YESの場合)にはステップS102へ進む。
【0119】
ステップS102において、コントローラ90は、少量モード選択コマンドが入力されたことに応じて少量モードに遷移する。その後、ステップS103へ進む。
【0120】
ステップS103において、コントローラ90は、ストック数SVを最小ストック数量MV(例えば1個)に決定するストック数決定処理(第2ストック数決定処理)を実行する。これにより、最小ストック数量MVのダンボール箱Bがストック空間SPにおいてストックされる状態となる。その後、ステップS101に戻る。
【0121】
ステップS104において、コントローラ90は、自動調整モード選択コマンドを入力されていない場合(すなわち、NOの場合)にはステップS109へ進む。一方、自動調整モード選択コマンドを入力されている場合(すなわち、YESの場合)にはステップS105へ進む。
【0122】
ステップS105において、コントローラ90は、自動調整モード選択コマンドが入力されたことに応じて自動調整モードに遷移する。その後、ステップS106へ進む。
【0123】
ステップS106において、コントローラ90は、計量機情報から製袋包装機20から排出される商品Pの数量(残り商品数RV)を算出(推定)する。そして、製函動作制御部94は、算出した残り商品数RVが第1閾値ΔTh1未満である場合(すなわち、NOの場合)には、ステップS108へ進む。一方、製函動作制御部94は、算出した残り商品数RVが第1閾値ΔTh1以上である場合(すなわち、YESの場合)には、ステップS107へ進む。
【0124】
ステップS107において、コントローラ90は、算出した残り商品数RVが第1閾値ΔTh1以上である(すなわち、商品Pの残り数量が大きい)ことに応じて、ストック数SVを予め設定されている設定数量CV(例えば5個)に決定するストック数決定処理(第3ストック数決定処理)を実行する。これにより、設定数量CVのダンボール箱Bがストック空間SPにおいてストックされる状態となる。その後、ステップS101に戻る。
【0125】
ステップS108において、コントローラ90は、算出した残り商品数RVが第1閾値ΔTh1未満である(すなわち、商品Pの残り数量が少ない)ことに応じて、残り商品数RVを、箱詰め段数FV及び段構成商品数DVの積で除算することで算出(小数点以下については切り上げ)した値をストック数SVに決定するストック数決定処理(第3ストック数決定処理)を実行する。これにより、商品生産ライン100において生産する商品Pの種類を変更する、或いは商品Pの生産を終了するに際して、ストック空間SPにおいてストックされるダンボール箱Bが0(個)となるように(すなわち、ダンボール箱Bが余らないように)ストック数SVがリアルタイムに調整される。その後、ステップS101に戻る。
【0126】
ステップS109において、コントローラ90は、通常モードに遷移する。その後、ステップS110へ進む。
【0127】
ステップS110において、コントローラ90は、ストック数SVを通常ストック数量PV(例えば5個)に決定するストック数決定処理(第1ストック数決定処理)を実行する。これにより、通常ストック数量PVのダンボール箱Bがストック空間SPにおいてストックされる状態となる。その後、ステップS101に戻る。
【0128】
(7)特徴
(7−1)
上記実施形態においては、生産性低下が抑制されるとともにコスト増大が抑制されている。
【0129】
すなわち、従来の箱詰め装置では、稼動時に次回の箱詰め工程用の梱包箱を待機させていない場合(すなわち、梱包箱をストックしていない場合)、製函用のシート状部材が無くなる等、何らかの原因で製函機が停止(通常停止又は異常停止)した時に、箱詰工程を行うことができなくなるため生産性が低下しうる。これに鑑みて、通常、箱詰め装置においては複数の梱包箱をストックするストック空間が形成されており、係るストック空間において所定個数の梱包箱がストックされた状態で運用されている。
【0130】
一方で、商品を箱詰めされる梱包箱は、箱詰めされる商品(箱詰め商品)の種類毎に異なるため、箱詰め商品の種類が切り換えられる際には梱包箱についても他の種類の梱包箱に切り換えられるのが通常である。これに関連して、箱詰め商品の種類が切り換えられる際には、ストックされている梱包箱については廃棄されることがある。係る場合、ストックされる梱包箱の数量が大きくなるにつれて、箱詰め商品の種類の切換時に廃棄される梱包箱の数量も大きくなりやすい。そして、廃棄される梱包箱の数量が大きくなると、製函に用いられる資材が有効に活用されないことに関連してコスト増大を招く。
【0131】
この点、上記実施形態に係る箱詰め装置40では、コントローラ90が、計量機情報(包装機の運転状況に関連する包装機関連情報)、及び、通常ストック数量PV及び最小ストック数量MV(ユーザ設定情報)に基づき、ストック空間SPにおいてストックするダンボール箱B(梱包箱)の数量(ストック数SV)を決定するストック数決定処理を実行している。これにより、ストック数SVが、計量機情報、及び、通常ストック数量PV及び最小ストック数量MVに基づいて決定されるようになっている。その結果、箱詰め装置40の稼動時に、ストック数SVをリアルタイムに調整することが可能となっている。
【0132】
例えば、箱詰め装置40の稼動時に、計量機情報に基づきストック数決定処理(第3ストック数決定処理)が実行されることで、設定数量CVのダンボール箱Bをストックさせつつ、箱詰め動作の対象となる商品Pの残り数量(残り商品数RV)に応じてストック数SVを低減させることが可能となっている。
【0133】
または、箱詰め装置40の稼動時に、通常ストック数量PV又は最小ストック数量MV(ユーザ設定情報)に基づいてストック数決定処理(第1ストック数決定処理又は第2ストック数決定処理)が実行されることで、ストック数SVを、ユーザの設定に基づく必要最低限の数量に設定することが可能となっている。
【0134】
よって、何らかの原因で製函部60が停止した場合に箱詰め動作が停止することについて抑制されつつ、ストックされていたダンボール箱Bが廃棄されることについても抑制されている。すなわち、生産性の低下が抑制されつつ、コスト増大が抑制されている。
【0135】
(7−2)
上記実施形態においては、箱詰め装置40は、計量機情報は、(組合せ計量機10内の)物品Cの重量を特定する情報である。これにより、ストック数決定処理(第3ストック数決定処理)において、製袋包装機20に供給される物品Cの重量に基づき、商品Pの残り数量が算出されるとともにストック数SVが決定されるようになっている。その結果、物品Cの重量が小さくなる(すなわち、箱詰め動作の対象となる商品Pの残り数量が少なくなる)に応じて、ストック数SVを必要最小限の量に低減させることが可能となっている。
【0136】
(7−3)
上記実施形態においては、コントローラ90は、自動調整モード時には、箱詰め動作の対象となる商品Pの残り数量(残り商品数RV)を、計量機情報に基づいて算出し、算出された商品Pの残り数量に基づき、ストック数SVを決定するストック数決定処理(第3ストック数決定処理)を実行するように構成されている。
【0137】
これにより、箱詰め動作の対象となる商品Pの残り数量が、計量機情報に基づき算出され、算出された商品Pの残り数量に基づきダンボール箱Bのストック数SVが決定されている。その結果、箱詰め動作の対象となる商品Pの残り数量が少なくなるに応じて、ストックするダンボール箱Bの数量を必要最小限の量に低減させることが高精度に可能となっている。
【0138】
(7−4)
上記実施形態においては、コントローラ90は、ダンボール箱B内に箱詰めされる商品Pの数量(箱詰め段数FV及び段構成商品数DV)に基づき、ストック数決定処理(第3ストック数決定処理)を実行するように構成されている。
【0139】
これにより、1つのダンボール箱B内に箱詰めされる商品Pの数量にさらに基づき、ダンボール箱Bのストック数SVが決定される。その結果、箱詰め動作の対象となる商品Pの残り数量(残り商品数RV)が少なくなるに応じて、ストックするダンボール箱Bの数量を必要最小限の量に低減させることが高精度に可能となっている。
【0140】
(7−5)
上記実施形態においては、コントローラ90は、制御モードとして、通常モード及び少量モード(第1制御モード)と、自動調整モード(第2制御モード)と、を有している。コントローラ90は、コマンド入力部92に入力された自動調整モード選択コマンドに基づき、通常モード又は少量モードから自動調整モードに遷移し、第3ストック数決定処理を実行するように構成されている。
【0141】
これにより、ユーザによって入力されたコマンド(自動調整モード選択コマンド)に基づき、ストック空間SPにおけるストック数SVがリアルタイムに調整される第3ストック数決定処理が行われるようになっている。すなわち、ユーザが必要に応じて、ストック数SVをリアルタイムに調整する第3ストック数決定処理を行わせるか否かを選択可能となっている。
【0142】
(7−6)
上記実施形態においては、箱詰め装置40は、ダンボール箱Bの製函動作を行う製函部60を備える。コントローラ90は、箱詰め動作の対象となる商品Pの残り数量(残り商品数RV)が第1閾値ΔTh1未満となったと想定される時には、第3ストック数決定処理によって算出されるストック数SVが0(個)になることに応じて、製函部60に対して停止信号を出力し、製函動作を停止させる。
【0143】
これにより、ストック数決定処理に基づいて算出されたストック数SVと、箱詰め動作の対象となる商品Pの残り数量(残り商品数RV)と、に基づいてストック数SVが調整された後、製函動作が停止されるようになっている。その結果、箱詰め動作の対象となる商品Pの残り残量が少なくなるに応じて、ストックするダンボール箱Bの数量を必要最小限の量に低減させることが高精度に可能となっている。
【0144】
(8)変形例
以下に本実施形態の変形例を示す。なお、以下の各変形例は、矛盾の生じない範囲で、適宜組み合わせてもよい。
【0145】
(8−1)変形例A
上記実施形態では、コントローラ90が、計量機情報(包装機の運転状況に関連する包装機関連情報)、及び、通常ストック数量PV及び最小ストック数量MV(ユーザ設定情報)に基づき、ストック空間SPにおいてストックするダンボール箱Bの数量(ストック数SV)を決定するストック数決定処理(第1ストック数決定処理、第2ストック数決定処理、及び第3ストック数決定処理)を実行していた。
【0146】
装置の汎用性を向上させるうえでは、処理のバリエーションを増やして設置場所に応じてユーザに所望の処理を選択させることが好ましい。しかし、コントローラ90が実行するストック数決定処理としては、第1ストック数決定処理、第2ストック数決定処理、及び第3ストック数決定処理のいずれかが含まれていればよい。換言すると、コントローラ90が実行するストック数決定処理として、第1ストック数決定処理、第2ストック数決定処理、及び第3ストック数決定処理のいずれかについては省略可能である。
【0147】
すなわち、コントローラ90は、計量機情報(包装機の運転状況に関連する包装機関連情報)に基づく第3ストック数決定処理のみを実行するように構成されてもよい。または、コントローラ90は、通常ストック数量PV及び/又は最小ストック数量MV(ユーザ設定情報)に基づく第1ストック数決定処理及び/又は第2ストック数決定処理のみを実行するように構成されてもよい。
【0148】
係る場合においても、箱詰め装置40の稼動時に、商品生産ライン100において生産する商品Pの種類を変更する、或いは商品Pの生産を終了するに際して、ストック空間SPにおいてストックされるダンボール箱Bが0(個)となる或いは0(個)に近づくように(すなわち、ダンボール箱Bが余りくいように)、ストック数SVを調整することが可能である。すなわち、生産性の低下が抑制されつつ、コスト増大が抑制される。
【0149】
(8−2)変形例B
上記実施形態では、コントローラ90は、組合せ計量機10における計量機情報(物品Cの重量値を特定する情報)に基づき第3ストック数決定処理を実行していた。しかし、コントローラ90は、第3ストック数決定処理を実行するうえでベースとする情報は必ずしも計量機情報には限定されず、適宜変更が可能である。例えば、他の装置において、供給される物品Cの重量値を特定する情報、又は残り商品数RVを特定する情報が保持される場合には、コントローラ90は、係る情報に基づき第3ストック数決定処理を実行してもよい。
【0150】
(8−3)変形例C
上記実施形態では、コントローラ90は、第3ストック数決定処理として、残り商品数RVが第1閾値ΔTh1未満である場合には「RV/(FV×DV)」という算出式で算出(小数点以下は切り上げ)した値をストック数SVとして決定していた。しかし、コントローラ90は、第3ストック数決定処理において、他の算出式を用いて算出した値をストック数SVとして決定するように構成してもよい。
【0151】
例えば、箱詰め装置40の上流側の装置(例えば、組合せ計量機10又は製袋包装機20)に供給される物品Cの重量値を、1つのダンボール箱B内に梱包される商品Pの合計重量(すなわち、FV×DV×商品Pの重量(g))で除算することで算出(小数点以下は切り上げて算出)した値を、ストック数SVとして決定する(但し、当該値が設定数量CVを上回る場合には、設定数量CVをストック数SVとして決定する)ように構成してもよい。
【0152】
(8−4)変形例D
上記実施形態では、箱詰め装置40において製函部60が含まれていた。しかし、箱詰め装置40において製函部60は必ずしも必要ではなく、適宜省略が可能である。係る場合、ダンボール箱Bの製函を行う製函装置を箱詰め装置40とは独立して配置してもよい。
【0153】
(8−5)変形例E
上記実施形態では、箱詰め装置40の外郭を構成するフレーム41においてストック部711が設けられていた。すなわち、ストック空間SPは、箱詰め動作が行われるフレーム41内に配置されていた。しかし、ストック空間SPは、フレーム41内の空間以外の場所に形成されてもよい。係る場合、ストック空間SPから詰込み部713にダンボール箱Bを移動させるコンベアを設置してもよい。
【0154】
(8−6)変形例F
上記実施形態において、管理コンピュータ80の設置位置については特に明記していなかったが、管理コンピュータ80の設置場所については特に限定されない。例えば、管理コンピュータ80は、商品生産ライン100が構成される工場内と同一構内に設置されてLAN (Local Area Network)で他の装置の制御部(1A〜8A、10A、20A、40A、及び50A)と通信可能に接続されてもよい。また、例えば、管理コンピュータ80は、商品生産ライン100が構成される工場内の構外に設置されてWAN (Wide Area Network)で他の装置の制御部と通信可能に接続されてもよい。
【0155】
(8−7)変形例G
上記実施形態では、コントローラ90は、管理コンピュータ80と、各商品生産ライン100における各装置の制御部(1A〜8A、10A、20A、40A、及び50A)と、が電気的に接続されることで構成されていた。しかし、コントローラ90の構成態様は、これに限定されず、適宜変更が可能である。例えば、管理コンピュータ80(又は管理コンピュータ80に相当する装置)と、各商品生産ライン100における箱詰め装置40の制御部40Aと、が電気的に接続されていれば、他の装置の一部/全部の制御部を省略してコントローラ90を構成してもよい。係る場合、コントローラ90は、ストック数決定処理に必要な情報(計量機情報)を、組合せ計量機10や他の装置から適宜取得するように構成すればよい。
【0156】
(8−8)変形例H
商品生産ライン100における装置群の構成は、上述の態様に限定されず、適宜変更が可能である。装置1〜8、10、20、40、及び50以外の装置を含んでいてもよいし、一部の装置が省略されてもよい。
【0157】
(8−9)変形例I
上記実施形態では、商品生産ライン100においては、物品Cとしてポテトチップが生産され、ポテトチップが包装されることで商品Pが生産されていた。しかし、商品生産ライン100において製造される物品C(商品Pとして包装される物品)に関してはポテトチップ以外の物品(食品には特に限定されない)であってもよい。