(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
位置を示す位置情報と、前記位置情報が示す位置が電波強度を測定する飛行装置と携帯電話網の基地局との間で通信可能な位置かどうかを示す通信可否情報と、が関連付けられた地上からの高さごとにそれぞれ異なる複数の通信エリア情報を記憶するサーバ記憶部と、
前記飛行装置に、前記複数の通信エリア情報のうち、前記飛行装置の飛行経路が検索又は設定された時に入力された高さに対応する前記通信エリア情報を送信する送信部と、
前記飛行装置から、前記飛行装置の飛行中の位置において測定された電波の強度である測定電波強度を含む測定結果を、前記飛行装置が前記電波の強度を測定した位置に関連付けて受信する受信部と、
前記サーバ記憶部に記憶されている前記通信エリア情報に含まれる前記位置情報のうち、前記受信部が受信した前記測定結果に関連付けられた位置を示す前記位置情報に関連付けて、前記受信部が受信した前記測定結果に含まれる測定電波強度を基準電波強度として前記サーバ記憶部に記憶させる情報管理部と、
を有する情報管理装置。
前記送信部は、前記飛行装置を操縦するための操縦装置から、前記飛行装置が飛行する飛行経路の検索指示を受け付けた場合、前記情報管理装置が推奨する推奨飛行経路とともに、前記通信エリア情報を前記操縦装置に送信する、
請求項1から4のいずれか一項に記載の情報管理装置。
位置を示す位置情報と、前記位置情報が示す位置が電波強度を測定する飛行装置と携帯電話網の基地局との間で通信可能な位置かどうかを示す通信可否情報と、が関連付けられた地上からの高さごとにそれぞれ異なる複数の通信エリア情報のうち、前記飛行装置の飛行経路が検索又は設定された時に入力された高さに対応する通信エリア情報を前記飛行装置に送信するステップと、
前記飛行装置から、前記飛行装置の飛行中の位置において測定された電波の強度である測定電波強度を含む測定結果を、前記飛行装置が前記電波の強度を測定した位置に関連付けて受信するステップと、
前記通信エリア情報を記憶するサーバ記憶部に記憶されている前記通信エリア情報に含まれる前記位置情報のうち、受信した前記測定結果に関連付けられた位置を示す前記位置情報に関連付けて、受信した前記測定結果に含まれる測定電波強度を基準電波強度として前記サーバ記憶部に記憶させるステップと、
を有する情報管理方法。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[電波強度測定方法の概要]
図1は、電波強度測定システムの概要を説明するための図である。電波強度測定システムは、飛行装置1と、情報管理装置2と、携帯電話網の基地局3とを有する。
図1における縦線で塗りつぶした部分は、携帯電話網の通信品質に含まれる電波強度が強レベルである領域を示している。
図1における斜線で塗りつぶした部分は、電波強度が中レベルである領域を示している。
図1における横線で塗りつぶした部分は、電波強度が弱レベルである領域を示している。
図1における塗りつぶしていない部分は、携帯電話網の電波が届かない領域を示している。携帯電話網は、例えばLTE回線である。
【0014】
図1においては、飛行装置1が、情報管理装置2から取得した飛行経路に沿って飛行していることを想定している。飛行装置1は、自機が飛行する位置が通信可能な位置である場合、携帯電話網の基地局3が送信する電波を受信し、受信した電波の強度を測定する。飛行装置1は、測定した電波の強度である測定電波強度が、基準電波強度より小さい場合、測定電波強度を記憶部に記憶する。そして、飛行装置1は、記憶した測定電波強度を情報管理装置2へ出力する。
【0015】
情報管理装置2は、複数の飛行装置1から、測定電波強度を受信する。情報管理装置2は、通信可能かどうかを示す通信エリア情報に関連付けて、受信した測定電波強度を基準電波強度として記憶する。
このようにすることで、電波強度測定システムは、位置に関連付けられた電波の強度を示す情報を生成することができる。
以下、飛行装置1の構成を詳細に説明する。
【0016】
[飛行装置1の構成]
図2は、飛行装置の構成を示す図である。飛行装置1は、飛行機構11と、通信部12と、飛行位置特定部13と、環境特定部14と、記憶部18と、制御部19とを有する。制御部19は、通信制御部191と、取得部192と、飛行制御部193と、測定部194と、記憶制御部195と、出力部196とを含む。
【0017】
飛行機構11は、プロペラ、プロペラを回転させるモーター及び方向舵等を含む。飛行機構11は、飛行制御部193の制御に基づいてこれらの機構を動作させることで、飛行速度及び飛行方向を変化させることができる。
【0018】
通信部12は、無線通信回線を用いて通信するための電波を送受信する無線通信モジュールである。通信部12は、通信制御部191から入力される送信データを変調する変調器、及び変調後のデータを、割り当てられている周波数帯の高周波信号として送信する高周波部を有する。また、通信部12は、高周波部が受信した高周波信号を復調する復調器を有する。復調器は、復調後の受信データを通信制御部191に入力する。無線通信回線は、例えばLTE回線、Wi−Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)である。
【0019】
飛行位置特定部13は、飛行中の位置である飛行位置を特定する。具体的には、飛行位置特定部13は、例えば高度計、加速度センサ、及びGPS(Global Positioning System)受信機を含む。飛行位置特定部13は、飛行装置1の飛行高度、飛行速度、傾き及び飛行位置等のように、飛行装置1の状態を特定するための機体情報を特定し、通信制御部191に通知する。また、飛行位置特定部13は、機体情報を飛行制御部193に通知してもよい。
【0020】
環境特定部14は、例えば風向風速計、日射計、日照計、雨センサ、雪センサを含み、飛行中の位置の周辺環境を特定する。環境特定部14は、特定した周辺環境を、出力部196に通知する。また、環境特定部14は、周辺環境を通信制御部191と、飛行制御部193とに通知してもよい。
【0021】
記憶部18は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、及びHDD(hard disk drive)等を含む記憶媒体である。また、記憶部18は、取り外し可能であってもよい。記憶部18は、制御部19が実行するプログラムを記憶している。また、記憶部18は、制御部19のワークメモリとして使用され、例えば後述する飛行位置特定部13が特定した飛行位置、又は後述する環境特定部14が検出した周辺環境情報を一時的に記憶する。記憶部18は、後述する記憶制御部195の制御に基づいて測定電波強度を記憶する。
【0022】
制御部19は、例えばCPU(Central Processing Unit)であり、記憶部18に記憶されたプログラムを実行することにより、通信制御部191、取得部192、飛行制御部193、測定部194、記憶制御部195及び出力部196として機能する。
通信制御部191は、通信部12を制御して、携帯電話網に接続する。通信制御部191は、飛行装置1が飛行する飛行経路を受信し、飛行制御部193に通知する。また、通信制御部191は、飛行装置1を制御する操縦装置が送信した制御情報を受信し、受信した制御情報を飛行制御部193に通知してもよい。
【0023】
取得部192は、位置を示す位置情報と、位置情報が示す位置が通信可能かどうかを示す通信可否情報と、が関連付けられた通信エリア情報を取得する。取得部192は、例えば、位置情報と、過去に測定された電波強度に基づく基準電波強度と、が関連付けられた通信エリア情報を取得する。基準電波強度とは、位置情報が示す位置において予め測定された基地局3の電波の強度である。基準電波強度は、基地局が送信する電波の周波数と関連づけられていてもよい。具体的には、取得部192は、通信エリア情報として、
図1のように位置と携帯電話網の電波強度とが関連付けられた地図情報を取得する。取得部192は、取得した通信エリア情報を測定部194に通知する。また、取得部192は、通信エリア情報を飛行制御部193に通知する。
【0024】
通信エリア情報は、飛行装置1が飛行可能な制限高さ以下の高さにおける、位置と携帯電話網の基地局が送信した電波の強度とが関連付けられた情報であってもよい。通信エリア情報は、例えば、建物、樹木、道路、ランドマークの位置を示す情報を含んでいてもよい。通信エリア情報は、構造物の高さを示す高さ情報を含み、高さ情報は飛行装置1の飛行のさまたげになることを示す障害物情報と関連付けられていてもよい。また、通信エリア情報は、飛行装置1の飛行が禁止されている飛行禁止エリアを示す情報を含んでいてもよい。飛行禁止エリアは、例えば空港周辺の空域、水面又は地上からの高さが150m以上の空域、人口集中地区である。また、通信エリア情報は、例えば情報管理装置2においてユーザが飛行経路を検索又は設定した時に入力した高さに対応する通信可否情報であってもよい。
【0025】
なお、通信エリア情報は、地上からの高さごとに異なっていてもよい。具体的には、例えば地上から10mの高さにおける通信エリア情報と、地上から20mの高さにおける通信エリア情報とが異なっていてもよい。取得部192は、自機の機体情報に基づいて、自機が飛行するために推奨される地上からの高さにおける通信エリア情報を取得してもよい。
【0026】
取得部192は、複数の周波数に関連付けられた複数の電波強度情報を取得してもよい。例えば、取得部192は、携帯電話網を提供する提供者に割り当てられた複数の周波数帯域の電波強度情報を取得する。取得部192は、自機の通信部12の仕様又は規格に応じて通信エリア情報を取得する。また、取得部192は、自機の通信部12にSIM(Subscriber Identity Module Card)カードが挿入されている場合、SIMカードの規格又は種別に応じた通信エリア情報を取得してもよい。
【0027】
また、取得部192は、位置を示す位置情報と、位置情報が示す位置において予め測定された電波の強度である基準電波強度と、が関連付けられた電波強度情報を取得してもよい。取得部192は、後述する測定部194が電波の強度を測定する対象のエリアを示す測定エリア情報をさらに取得し、測定エリア情報を飛行制御部193と、測定部194とに通知してもよい。なお、取得部192は、携帯電話網の基地局3が送信する電波だけでなく、Wi−Fiのように無免許で送信可能な電波の電波強度情報を取得してもよい。
【0028】
飛行制御部193は、通信制御部191が受信した制御情報に基づいて、飛行機構11を制御する。また、飛行制御部193は、通信制御部191が受信した飛行経路に沿って飛行するように飛行機構11を制御してもよい。飛行制御部193は、飛行位置特定部13が特定した飛行位置、及び環境特定部14が特定した周辺環境に基づいて飛行経路を決定してもよい。また、飛行制御部193は、電波を受信できない可能性がある受信不能エリアを特定し、特定した受信不能エリアを含まないように飛行経路を決定してもよい。
【0029】
測定部194は、飛行中の位置における電波の強度を測定する。測定部194は、取得部192が取得した測定エリア情報が示すエリアに含まれる位置における電波の強度を測定する。測定部194は、複数の周波数のいずれかの周波数の電波の強度を測定してもよい。測定部194は、測定した測定電波強度を記憶制御部195に通知する。
【0030】
測定部194は、複数の携帯電話網の基地局3から電波を受信した場合、それぞれの基地局3が送信する電波ごとに、電波の強度を測定する。測定部194は、例えば、携帯電話網の基地局が電波を送出しているタイミングで電波の強度を測定する。また、測定部194は、基地局3が送信した電波に含まれる基地局3を識別する識別情報を特定し、電波を送信した基地局3の識別情報と、基地局3が送信した電波の強度を測定した測定電波強度とを関連付けて、記憶制御部195に通知してもよい。また、さらに、測定部194は、基地局3が送信する電波の周波数と、測定電波強度とを関連付けて記憶制御部195に通知してもよく、基地局3の識別情報と電波の干渉度とを関連付けて記憶制御部195に通知してもよい。
【0031】
記憶制御部195は、各種情報を記憶部18に記憶させる。記憶制御部195は、通信エリア情報に含まれる位置情報が、飛行中の位置が通信可能な位置であることを示しており、かつ測定部194が測定した電波の強度である測定電波強度が基準電波強度よりも小さい場合に、測定電波強度を記憶部18に記憶させる。記憶制御部195は、例えば測定電波強度と基準電波強度との差が閾値以上である場合に、測定電波強度を記憶部18に記憶させる。
【0032】
記憶制御部195は、電波を受信可能な携帯電話網の基地局3が切り替わったことに応じて、電波の強度を記憶部18に記憶させてもよい。記憶制御部195は、例えば、移動に伴って、基地局3aと通信可能な位置から、基地局3aと通信不可能な位置であり基地局3bと通信可能な位置に移動した場合に、基地局3の送信する電波の強度を記憶部18に記憶させる。
【0033】
記憶制御部195は、測定電波強度が、所定の時間前の測定電波強度に比べて閾値以上低下した場合に、電波の強度を記憶部18に記憶させてもよい。具体的には、記憶制御部195は、測定電波強度が、10秒前の測定電波強度に比べて閾値以上低下した場合に、電波の強度を記憶部18に記憶させる。なお、記憶制御部195は、測定電波強度が、所定の距離移動した後の測定電波強度に比べて閾値以上低下した場合に、電波の強度を記憶部18に記憶させてもよい。
【0034】
出力部196は、通信エリア情報が、飛行中の位置が通信可能な位置であることを示しており、かつ測定部194が測定した電波の強度である測定電波強度が基準電波強度よりも小さい場合に測定電波強度を出力する。出力部196は、例えば情報管理装置2に測定電波強度を出力する。このようにすることで、飛行装置1は、通信可能な位置において電波の強度が弱まった位置だけを、情報管理装置2に出力することができる。
【0035】
出力部196は、測定電波強度と基準電波強度との差が閾値以上である場合に、警告情報を出力する。出力部196は、例えば飛行装置1を制御する操縦装置に警告情報を出力する。警告情報は、例えば、測定電波強度と基準電波強度との差が閾値以上であることを示す情報、測定電波強度が基準電波強度より弱く通信が切断されるおそれがあることを示す情報である。
【0036】
飛行制御部193は、取得部192が取得した通信品質情報に基づいて、携帯電話網の電波が受信できなくなる可能性のある位置である受信不能エリアを特定してもよい。そして、出力部196は、受信不能エリアから所定の範囲を飛行中に、自機を制御するための操縦装置に警告情報を送信してもよい。さらに、出力部196は、ユーザからの経路決定指示に含まれる飛行経路に通信不能エリアが含まれていることを検出した場合に、操縦装置に警告情報を送信してもよい。
【0037】
飛行装置1を制御する操縦装置は、警告情報を受信すると、警告情報を表示する。操縦装置は、例えば、予め記憶した通信品質情報に警告情報を重ねて表示する。具体的には、操縦装置は、通信品質情報に含まれる通信エリアを示す地図に、警告情報に示される基地局の電波を受信できない位置を重ねて表示する。操縦装置は、警告情報をテキスト情報として表示してもよい。
【0038】
また、通信エリアを示す地図には、予め測定した携帯電話網の基地局が送出する電波が届くエリアを示す情報が含まれており、操縦装置は、電波が届くエリアを他のエリアと異なる色で表示する。操縦装置は、例えば、いずれかの基地局が電波の送信を停止したことを示す情報を、基地局を管理するサーバから受信した場合、電波の送信が停止したエリアを、電波が届くエリアと異なる色に変更してもよい。
このようにすることで、操縦装置を使用するユーザが基地局の電波が届かない可能性がある領域を知ることができるので、ユーザは通信できなくなる位置を避けて飛行装置1を制御することができる。
【0039】
飛行装置1を制御する操縦装置は、警告情報とともに、携帯電話網の電波が到達する領域を表示してもよい。例えば、操縦装置は、通信エリア情報を提供する提供者が管理する情報管理装置2から、情報管理装置2が他の飛行装置1から取得した基地局が送信する電波の強度に基づいて生成した電波強度情報を取得し、電波強度情報に基づいて、基地局が送信する電波が到達する領域を表示する。具体的には、操縦装置は、通信エリアを示す地図に、基地局が送信する電波が到達する領域に色を重ねて表示する。
このように、出力部196が、警告情報を出力することで、操縦装置を用いて飛行装置1を制御するユーザは、過去に測定した電波強度から、電波強度の変化を知ることができる。
【0040】
操縦装置は、操縦装置を使用するユーザが情報管理装置2に対して飛行経路を検索した場合に、情報管理装置2から情報管理装置2が推奨する推奨飛行経路を取得するとともに、通信エリア情報を取得してもよい。操縦装置は、情報管理装置2から、推奨飛行経路情報と異なる、例えば、特定の位置を迂回する迂回飛行経路、推奨飛行経路と異なる予備飛行経路を取得してもよい。なお、操縦装置は、迂回飛行経路又は予備飛行経路を取得した場合、迂回飛行経路又は予備飛行経路上の位置における通信エリア情報を取得してもよい。
【0041】
出力部196は、測定電波強度と、測定部194が電波を測定した周波数に関連付けられた基準電波強度との差が閾値以上である場合に、測定電波強度が測定された位置に関連付けて、測定電波強度を出力する。飛行装置1の出力部196は基地局3が送信する電波の周波数に関連付けられた電波の強度を出力し、情報管理装置2は周波数に関連付けられた電波の強度を管理する。このようにすることで、情報管理装置2は、変更すべきデータのみを更新すればよいので、処理負荷を軽減することができる。
【0042】
出力部196は、通信制御部191を介して、例えば情報管理装置2に、測定電波強度を出力する。出力部196は、情報管理装置2に警告情報を出力してもよい。また、出力部196は、情報管理装置2の他に、所定の端末に測定電波強度又は警告情報を出力してもよい。所定の端末としては、例えば飛行装置1を制御する操縦装置である。
以下、飛行装置1が電波の強度を測定する動作を詳細に説明する。
【0043】
[飛行装置1が電波の強度を測定する動作]
図3は、飛行装置が電波を測定する動作を説明するためのフローチャートである。
まず、飛行装置1の取得部192が、情報管理装置2から、通信エリア情報及び飛行経路を取得する(S10)。次に、飛行装置1の飛行制御部193が、取得した飛行経路に沿って飛行する(S12)。飛行装置1の測定部194は、飛行経路に沿って飛行している間、携帯電話網の電波の強度を測定する(S14)。そして、飛行装置1の制御部19は、通信エリア情報に含まれる位置情報が、飛行中の位置が通信可能な位置であることを示しているかどうかを判断する(S16)。飛行装置1の制御部19は、飛行中の位置が通信可能な位置であることを示していない場合(S16でNo)、S12に戻り飛行経路に沿って飛行を継続するように飛行制御部193に通知する。
【0044】
飛行装置1の制御部19は、飛行中の位置が通信可能な位置であることを示していると判断した場合(S16でYes)、測定した測定電波強度が、基準電波強度より小さいかどうかを判断する(S18)。飛行装置1の記憶制御部195は、制御部19が、測定した測定電波強度が基準電波強度より小さいと判断した場合(S18でYes)、測定電波強度を記憶する。飛行装置1の記憶制御部195は、制御部19が、測定した測定電波強度が基準電波強度以上であると判断した場合(S18でNo)、測定電波強度を記憶しない。
【0045】
飛行装置1は、所定の日数以上更新のない位置の電波強度を測定するようにしてもよい。
図4は、飛行装置1が更新のない位置の電波を測定する動作を説明するためのフローチャートである。まず、飛行装置1の取得部192は、通信エリア情報及び位置情報に関連付けられた基準電波強度が測定された日を示す測定日情報を取得する(S30)。取得部192は、通信エリア情報及び飛行装置1が飛行中の位置に電波を送信可能な基地局を識別する基地局IDに関連付けられた測定日情報を取得してもよい。続いて、飛行装置1の飛行制御部193が、測定日情報が示す測定日から所定の日数以上が経過している位置情報に対応する位置を飛行するように飛行機構11を制御する(S32)。そして、飛行装置1の測定部194は、測定日情報が示す測定日から所定の日数以上が経過している位置情報に対応する位置を飛行中に、携帯電話網の電波の強度を測定する(S34)。
【0046】
飛行装置1の制御部19は、測定電波強度と、基準電波強度との差が閾値以上であるかどうかを判断する(S35)。飛行装置1の制御部19は、測定電波強度と、基準電波強度との差が閾値以上でない場合、測定動作を終了する。飛行装置1の飛行制御部193は、測定部194が測定した電波の強度である測定電波強度と、基準電波強度との差が閾値以上である場合(S35でYes)に、同じ位置を複数回にわたって飛行するように飛行機構を制御する。具体的には、飛行装置1の制御部19は、所定の回数電波の強度を測定したかどうかを判断する(S36)。飛行装置1の制御部19が、所定の回数電波の強度を測定していないと判断した場合(S36でNo)、飛行装置1の測定部194は、同じ位置において、複数回にわたって電波の強度を測定し(S37)、飛行装置1の制御部19は再び所定の回数電波の強度を測定したかどうかを判断する(S36)。
【0047】
飛行装置1の制御部19は、所定の回数電波の強度を測定していると判断した場合(S36でYes)、測定電波強度の平均値(a)を計算する(S38)。続いて、飛行装置1の制御部19は、平均値(a)と、基準電波強度との差(b)を計算する(S40)。そして、飛行装置1の制御部19は、測定部194が複数回にわたって測定して得られた複数の測定電波強度の平均値(a)と基準電波強度との差(b)が閾値以上であるかどうかを判断する(S42)。飛行装置1の制御部19は、測定部194が複数回にわたって測定して得られた複数の測定電波強度の平均値(a)と基準電波強度との差(b)が閾値以上でないと判断した場合(S42でNo)、測定動作を終了する。
【0048】
飛行装置1の出力部196は、測定部194が複数回にわたって測定して得られた複数の測定電波強度の平均値(a)と基準電波強度との差(b)が閾値以上である場合に(S42でYes)、測定電波強度の平均値(a)を含む測定電波強度を出力する(S44)。出力部196は、例えば情報管理装置2に、測定電波強度の平均値(a)を含む測定電波強度を出力する。
【0049】
(変形例1)
以上の説明においては、記憶制御部195は、通信エリア情報に含まれる位置情報が、飛行中の位置が通信可能な位置であることを示しており、かつ測定部194が測定した電波の強度である測定電波強度が基準電波強度よりも小さい場合に、測定電波強度を記憶部18に記憶させた。しかし、これに限らず、記憶制御部195は、通信エリア情報に含まれる位置情報が、飛行中の位置が通信不可能な位置であることを示しており、かつ測定部194が測定した電波の強度である測定電波強度が基準電波強度よりも大きい場合に、測定電波強度を記憶部18に記憶させてもよい。
【0050】
変形例1において、取得部192は、位置を示す位置情報と、前記位置情報が示す位置が通信不可能かどうかを示す通信可否情報と、が関連付けられた通信エリア情報を取得する。そして、取得部192は、取得した通信エリア情報を、制御部19に通知する。制御部19は、飛行中の位置が通信不可能な位置かどうかを判断する。制御部19は、飛行中の位置が通信不可能な位置であると判断した場合、測定電波強度が基準電波強度よりも大きいかどうかを判断する。制御部19は、測定電波強度が基準電波強度よりも大きい場合、記憶制御部195に通知する。記憶制御部195は、測定電波強度を記憶部18に記憶させる。
【0051】
(変形例2)
以上の説明においては、飛行装置1の取得部192が通信エリア情報を取得したが、取得部192は、通信エリア情報を取得しなくてもよい。出力部196は、取得部192が通信エリア情報を取得しない場合、測定電波強度と基準電波強度とを比較することなく、測定電波強度が測定された位置に関連付けて測定電波強度を出力する。また、出力部196は、取得部192が取得した通信エリア情報に含まれない位置の電波の強度を測定した場合、測定電波強度と基準電波強度とを比較することなく、測定電波強度が測定された位置に関連付けて測定電波強度を出力してもよい。
【0052】
(変形例3)
以上の説明においては、飛行装置1は出力部196を有していたが、これに限らず飛行装置1は出力部196を有していなくてもよい。飛行装置1の記憶部18は、例えば、SDメモリーカード、マルチメディアカード(Multi Media Card)、コンパクトフラッシュ(CF(登録商標))、USBフラッシュドライブ(USB flash drive)、取り外し可能なHDDである。記憶制御部195は、記憶部18に測定電波強度を記憶する。飛行装置1を使用するユーザは、飛行装置1が飛行経路に沿って飛行しながら電波の強度を測定した後、飛行装置1の記憶部18を取り外す。そして、ユーザは、例えば情報管理装置2に飛行装置1の記憶部18を取り付ける。このようにすることで、情報管理装置2は、飛行装置1の記憶部18に記憶された測定電波強度を取得することができる。
【0053】
[飛行装置1の効果]
以上説明したように、飛行装置1は、位置に関連づけられた携帯電話網の電波の強度を測定して記憶する。このようにすることで、飛行装置1を操縦するユーザや、飛行装置1を用いてサービスを提供する提供者に、実際に測定した電波強度に基づく電波地図を提供することができる。
【0054】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。特に、装置の分散・統合の具体的な実施形態は以上に図示するものに限られず、その全部又は一部について、種々の付加等に応じて、又は、機能負荷に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。