(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0020】
[発電システムの構成例]
図1は、本発明の一実施形態に係る発電システム1の概略的な構成例を示す図である。
本実施形態に係る発電システム1は、第1の太陽光発電系と、第2の太陽光発電系を備える。
本実施形態に係る発電システム1は、例えば、メガソーラのシステムに適用されてもよい。
【0021】
第1の太陽光発電系は、5個のストリング系と、スイッチ14と、チョッパ15を有する。第1の太陽光発電系におけるそれぞれのストリング系は、1個のストリング(5個のストリング11−1〜11−5のそれぞれ)と、1個の接続箱(5個の接続箱12−1〜12−5のそれぞれ)と、1個のスイッチ(5個のスイッチ13−1〜13−5のそれぞれ)を備える。それぞれのストリング系において、1個のストリング、1個の接続箱、1個のスイッチの順に接続されている。それに続いて、当該1個のスイッチ(5個のスイッチ13−1〜13−5のそれぞれ)は、共通のスイッチ14と接続されている。それに続いて、当該スイッチ14は、チョッパ15と接続されている。それぞれのストリング11−1〜11−5は、16枚の太陽光パネル(それぞれのストリング11−1〜11−5において、1枚の太陽光パネル21−1〜21−5のみに符号を付してある)を備える。
なお、本実施形態において、第1の太陽光発電系における5個のストリング11−1〜11−5の群をストリング群101(第1のストリング群)と呼ぶ。
【0022】
同様に、第2の太陽光発電系は、5個のストリング系を有する。第2の太陽光発電系におけるそれぞれのストリング系は、1個のストリング(5個のストリング41−1〜41−5のそれぞれ)と、1個の接続箱(5個の接続箱42−1〜42−5のそれぞれ)と、1個のスイッチ(5個のスイッチ43−1〜43−5のそれぞれ)を備える。それぞれのストリング系において、1個のストリング、1個の接続箱、1個のスイッチの順に接続されている。それに続いて、当該1個のスイッチ(5個のスイッチ43−1〜43−5のそれぞれ)は、共通のスイッチ44と接続されている。それに続いて、当該スイッチ44は、チョッパ45と接続されている。それぞれのストリング41−1〜41−5は、16枚の太陽光パネル(それぞれのストリング41−1〜41−5において、1枚の太陽光パネル51−1〜51−5のみに符号を付してある)を備える。
なお、本実施形態において、第2の太陽光発電系における5個のストリング41−1〜41−5の群をストリング群102(第2のストリング群)と呼ぶ。
【0023】
また、本実施形態に係る発電システム1は、第1の太陽光発電系と第2の太陽光発電系に共通な構成部として、インバータ71と、スイッチ72と、端子73と、トランス74と、端子75と、端子76と、スイッチ77と、端子78を備える。インバータ71、スイッチ72、端子73、トランス74、端子75、端子76、スイッチ77、端子78の順に接続されている。
また、第1の太陽光発電系におけるチョッパ15と、第2の太陽光発電系におけるチョッパ45は、共通のインバータ71と接続されている。
また、本実施形態に係る発電システム1は、測定装置91を備える。
【0024】
本実施形態に係る発電システム1では、それぞれのストリング11−1〜11−5、41−1〜41−5において、太陽光を利用して電力を発電する。発電された電力は、接続箱12−1〜12−5、42−1〜42−5、スイッチ13−1〜13−5、43−1〜43−5、スイッチ14、44、チョッパ15、45、インバータ71、スイッチ72、端子73、トランス74、端子75、端子76、スイッチ77、端子78を介して、当該端子78の接続先へ供給される。当該端子78の接続先は、例えば、一般の電力系統である。
なお、それぞれのスイッチ13−1〜13−5、14、43−1〜43−5、44、72、77は、閉じられているとき(オンのとき)には電力を通過させ、開かれているとき(オフのとき)には電力を通過させない。
【0025】
ここで、トランス74は、交流電力の電圧の大きさを変化させる。なお、トランス74は、例えば、パワーコンディショナー(PCS:Power Conditioning System)に備えられたものである。
インバータ71は、太陽光発電系(第1の太陽光発電系および第2の太陽光発電系)において発電された直流電力を交流電力に変換してトランス74の側へ出力する。
それぞれのチョッパ15、45は、電流のオンとオフを繰り返すことによって、電圧または電流の実効値を生成する。本実施形態では、それぞれのチョッパ15、45は、インバータ71にかかる電圧を一定にするための動作を行う。なお、他の構成例として、チョッパ15、45が備えられない構成が用いられてもよい。
【0026】
ここで、本実施形態に係る発電システム1では、1個のインバータ71に対して、2個の太陽光発電系(第1の太陽光発電系、第2の太陽光発電系)を備えるが、他の構成例として、1個のインバータ71に対して、1個の太陽光発電系のみを備えてもよく、または、3個以上の太陽光発電系を備えてもよい。
また、本実施形態に係る発電システム1では、それぞれの太陽光発電系(第1の太陽光発電系、第2の太陽光発電系)において、5個のストリング系(5個のストリング11−1〜11−5の系、5個のストリング41−1〜41−5の系)を備えるが、他の構成例として、それぞれの太陽光発電系において、1個以上の任意の数のストリング系を備えてもよい。
【0027】
また、本実施形態に係る発電システム1では、それぞれのストリング(ストリング11−1〜11−5、ストリング41−1〜41−5)において、16枚の太陽光パネル(例えば、太陽光パネル21−1〜21−5、51−1〜51−5)を備えるが、他の構成例として、それぞれのストリングにおいて、2枚以上の任意の数の太陽光パネルを備えてもよい。または、1個のストリングの代わりに、1枚の太陽光パネルが用いられてもよい。
また、本実施形態に係る発電システム1では、それぞれの太陽光パネル(例えば、太陽光パネル21−1〜21−5、51−1〜51−5)において、複数個のセルを備える。ここで、それぞれの太陽光パネルにおけるセルの個数は、2個以上の任意の数であってもよい。または、1枚の太陽光パネルの代わりに、1個のセルが用いられてもよい。
【0028】
[ストリング群の構成例]
図2は、本発明の一実施形態に係るストリング群101の概略的な構成例を示す図である。なお、他のストリング群102の構成についても、ストリング群101の構成と同様である。
ストリング群101は、5個のストリング11−1〜11−5を並列に配置して備え、また、これら5個のストリング11−1〜11−5を支持する台部111、112を備える。
1個のストリング11−1では、16枚の太陽光パネル21−1が、8枚ずつ2列に並べられて(縦横に並べられて)配置されている。これら16枚の太陽光パネル21−1が直列に、接続部(ストリング11−1において、1個の接続部131のみに符号を付してある)を介して、接続されている。
また、本実施形態では、これら16枚の太陽光パネル21−1は、接続部131と並行に、バイパスダイオードを介して接続されている。この構成により、これら16枚の太陽光パネル21−1のなかのいずれかに故障等(故障、または、草木の影の影響など)が発生した場合においても、当該バイパスダイオードを介して、電流が流れる。
【0029】
また、それぞれの太陽光パネル21−1は、24個のセル(ストリング11−1において、1個のセル121のみに符号を付してある)を備える。1枚の太陽光パネル21−1では、24個のセル121が、6個ずつ4列に並べられて(縦横に並べられて)配置されている。これら24個のセル121が直列に、接続部(図示を省略)を介して、接続されている。
また、本実施形態では、これら24個のセル121は、接続部と並行に、バイパスダイオードを介して接続されている。この構成により、これら24個のセル121のなかのいずれかに故障等が発生した場合においても、当該バイパスダイオードを介して、電流が流れる。なお、このような電流の流れをセル121の単位で補償しない場合には、セル121の単位ではバイパスダイオードが備えられなくてもよい。
【0030】
このような構成により、1個のストリング11−1では、16枚の太陽光パネル21−1のセル121(合計で16×24個のセル)が直列に接続されている。
図2の例では、この直列の接続回路(直列接続回路)の一端P(例えば、プラスの端子)と他端N(例えば、マイナスの端子)を示してある。16枚の太陽光パネル21−1のセル121で発電された電力(例えば、その電流)は当該一端Pと当該他端Nとの間を伝送する。そして、1個のストリング11−1では、当該電力が取り出されて、接続箱12−1の側に出力される。
なお、他のストリング11−2〜11−5の構成についても、ストリング11−1の構成と同様である。
【0031】
[直列接続回路の構成例]
図3は、本発明の一実施形態に係る直列接続回路201の概略的な構成例を示す図である。
図3の例に係る直列接続回路201は、N(Nは複数を表す値)個の太陽光発電部221−1〜221−Nが直列に、接続線(1個の接続線231のみに符号を付してある)を介して、接続されて構成されている。直列接続回路201の一端Pの端子211と他端Nの端子212との間に電力(例えば、その電流)が伝送する。
また、
図3の例では、直列接続回路201と平行に、接地線261が備えられている。
【0032】
ここで、1個のストリング11−1の直列接続回路201では、例えば、それぞれの太陽光発電部221−1〜221−Nは、それぞれの太陽光パネル21−1である。そして、
図1および
図2の例では、N=16(太陽光パネル21−1の数)である。
【0033】
また、他の例として、
図3に示される直列接続回路201が1個の太陽光パネル21−1についての回路であると考えると、例えば、それぞれの太陽光発電部221−1〜221−Nは、それぞれのセル121である。そして、
図1および
図2の例では、N=24(セル121の数)である。
【0034】
直列接続回路201の端子211と端子212との間に流れる電流(本実施形態では、直流電流)は、これらの間に存在する太陽光発電部221−1〜221−Nの状態に応じて、変化し得る。例えば、太陽光発電部221−1〜221−Nのなかに、故障しているものがある場合、あるいは、草木などの影がかかっているものがある場合には、当該電流は低下する。
直列接続回路201の端子211と端子212との間に流れる電流は、当該端子211と当該端子212との間の任意の箇所を流れる電流を測定することにより、測定することが可能である。
【0035】
また、他の例として、
図3の例のように、発電された電流が流れる本線(
図3の例では、直列接続回路201の線)と接地線261とが平行(または、略平行)していて、当該本線を流れる電流に応じて、誘導電流によって、接地線261に電流が流れる場合には、接地線261の任意の箇所を流れる電流を測定することにより、直列接続回路201の端子211と端子212との間に流れる電流に応じた電流を測定することが可能である。
【0036】
[直列接続回路に流れる電流の特性]
図4〜
図15を参照して、故障に関して、ストリング11−1の直列接続回路201に流れる電流の特性の例を示す。当該特性は、例えば、直列接続回路201の端子211と端子212との間に一定の電圧が印加されてすべてのスイッチ(
図1の例では、スイッチ13−1〜13−5、14、43−1〜43−5、44、72、77)が閉じられて行われた実験で得られたデータに基づいている。なお、他のストリング11−2〜11−5、41−1〜41−5についても同様である。
図4〜
図9では、故障が発生することを想定したストリング11−1と同一のストリング(すなわち、当該ストリング11−1)に関する特性を示してある。
図10〜
図15では、故障が発生することを想定したストリング11−1とは別のストリング(例えば、隣接するストリング11−2など)に関する特性を示してある。
【0037】
図4〜
図6、
図10〜
図12のそれぞれに示されるグラフでは、横軸は時間[s]を表わしており、縦軸は電流の値(電流値)[A]を表わしている。
図7〜
図9、
図13〜
図15のそれぞれに示されるグラフでは、横軸は周波数[Hz]を表わしており、縦軸は電流の振幅[A]を表わしている。
【0038】
図4は、故障が発生する前(つまり、故障が発生していないとき)に同一のストリング11−1の直列接続回路201に流れる電流の時間特性1001の例を示す図である。本例は、0枚の故障の場合である。本例では、0枚の故障とは、ストリング11−1に含まれる複数枚の太陽光パネル21−1のうちの0枚が故障した(つまり、故障していない)ということである。
図5は、1枚の故障が発生したときに同一のストリング11−1の直列接続回路201に流れる電流の時間特性1002の例を示す図である。本例では、1枚の故障とは、ストリング11−1に含まれる複数枚の太陽光パネル21−1のうちの1枚が故障したということである。
図6は、2枚の故障が発生したときに同一のストリング11−1の直列接続回路201に流れる電流の時間特性1003の例を示す図である。本例では、2枚の故障とは、ストリング11−1に含まれる複数枚の太陽光パネル21−1のうちの2枚が故障したということである。
【0039】
図7は、故障が発生する前(つまり、故障が発生していないとき)に同一のストリング11−1の直列接続回路201に流れる電流の周波数特性1011の例を示す図である。本例は、0枚の故障の場合である。
図8は、1枚の故障が発生したときに同一のストリング11−1の直列接続回路201に流れる電流の周波数特性1012の例を示す図である。
図9は、2枚の故障が発生したときに同一のストリング11−1の直列接続回路201に流れる電流の周波数特性1013の例を示す図である。
なお、これらの周波数特性1011〜1013は、例えば、測定結果(ここでは、時間特性1001〜1003)を周波数解析することにより得られる。
【0040】
図10は、故障が発生する前(つまり、故障が発生していないとき)に別のストリングの直列接続回路に流れる電流の時間特性1021の例を示す図である。本例は、0枚の故障の場合である。
図11は、1枚の故障が発生したときに別のストリングの直列接続回路に流れる電流の時間特性1022の例を示す図である。
図12は、2枚の故障が発生したときに別のストリングの直列接続回路に流れる電流の時間特性1023の例を示す図である。
【0041】
図13は、故障が発生する前(つまり、故障が発生していないとき)に別のストリングの直列接続回路に流れる電流の周波数特性1031の例を示す図である。本例は、0枚の故障の場合である。
図14は、1枚の故障が発生したときに別のストリングの直列接続回路に流れる電流の周波数特性1032の例を示す図である。
図15は、2枚の故障が発生したときに別のストリングの直列接続回路に流れる電流の周波数特性1033の例を示す図である。
なお、これらの周波数特性1031〜1033は、例えば、測定結果(ここでは、時間特性1021〜1023)を周波数解析することにより得られる。
【0042】
図4〜
図6に示されるように、故障が発生することを想定したストリング11−1と同一のストリング(すなわち、当該ストリング11−1)では、故障の枚数が0枚のときには電流値のリプルが小さい(例えば、実質的には無い)が、故障の枚数が増加するにしたがって、電流値のリプルの振幅(波高値)が大きくなっていく。
また、
図7〜
図9に示されるように、故障が発生することを想定したストリング11−1と同一のストリング(すなわち、当該ストリング11−1)では、故障の枚数が増加するにしたがって、所定の周波数の成分の振幅が大きくなっていく。本例では、当該所定の周波数は4000(=4k)[Hz]程度の値である。なお、8000(=8k)[Hz]程度の周波数成分は倍波である。
ここで、4k[Hz]程度の周波数は、インバータ71のスイッチング周波数のノイズに相当すると考えられる。
【0043】
一方、
図10〜
図15に示されるように、故障が発生することを想定したストリング11−1とは別のストリング(例えば、隣接するストリング11−2など)では、故障の枚数に電流値あるいは振幅が影響されない。
【0044】
このように、ストリング11−1の直列接続回路201を流れる電流を測定すると、当該ストリング11−1を構成する複数枚の太陽光パネル21−1のうちで故障している枚数が増加するにしたがって、当該電流に発生するリプル(本実施形態では、直流電流のリプル)の振幅が大きくなっていく特性がある。なお、実験によると、天候(日射量)が変化しても、このような特性(故障が発生した太陽光パネル21−1の数が増加するとリプルの振幅が増加する特性)は同じ(または、略同じ)に成立する。
【0045】
なお、ここでは、太陽光パネル21−1の故障を想定して説明したが、他の例として、太陽光パネル21−1に草木の影がかかっているような場合においても、同様なリプルの特性が現れる。
また、ここでは、1個のストリング11−1を構成する複数枚の太陽光パネル21−1を例として説明したが、他の例として、1個の太陽光パネル21−1を構成する複数個のセル121についても同様である。つまり、1個の太陽光パネル21−1を構成する複数個のセル121のうちで故障等が発生している個数が増加するにしたがって、当該太陽光パネル21−1の直列接続回路を流れる電流に発生するリプルの振幅が大きくなっていく特性がある。
【0046】
ここで、直列接続回路201を流れる電流の平均値は、故障等が発生している部分が多くなるほど、低下すると考えられる。具体例として、N個の太陽光発電部221−1〜221−N(例えば、太陽光パネル、または、セル)のうちでn(nは1以上N以下の値)個に故障等が発生した場合、理論的には、全く故障等が発生していないときと比べて、電流値は{(N−n)/N}倍になると考えられる。
【0047】
[測定装置の概要]
<測定および判定>
そこで、本実施形態では、ストリング11−1の直列接続回路201を流れる電流に発生するリプルの振幅に基づいて、当該ストリング11−1について故障等の有無を判定する。
測定装置91は、それぞれのストリング11−1〜11−5、41−1〜41−5について、直列接続回路201を流れる電流の値(電流値)を測定する。この場合、測定装置91は、例えば、直列接続回路201の端子211と端子212との間に流れる電流を測定してもよく、または、当該端子211と当該端子212との間の任意の箇所を流れる電流を測定してもよく、または、
図3に示されるような接地線261を流れる電流を測定してもよい。ここで、本実施形態では、本線である直列接続回路201を流れる電流のリプルの振幅が増加(または、減少)するに応じて、接地線261を流れる電流のリプルの振幅が増加(または、減少)する。
また、測定装置91は、例えば、それぞれのストリング11−1〜11−5、41−1〜41−5について、直列接続回路201を流れる電流値の測定結果に基づいて、故障等の有無を判定してもよい。
【0048】
<測定および判定の第1の例>
一例として、測定装置91は、あらかじめ設定されたリプルの振幅の閾値を記憶する。そして、測定装置91は、測定対象となる直列接続回路201を流れる電流値の測定結果に基づいて、当該測定結果に含まれるリプルの振幅と当該閾値とを比較し、当該リプルの振幅が当該閾値を超えると判定した場合には故障等があることを判定し、一方、当該リプルの振幅が当該閾値以下であると判定した場合には故障等が無いことを判定する。
なお、当該閾値としては、例えば、複数の異なるストリング11−1〜11−5、41−1〜41−5について共通の値が設定されてもよく、または、それぞれのストリング11−1〜11−5、41−1〜41−5ごとに異なり得る値が設定されてもよい。また、当該閾値としては、異なる故障等の枚数と対応付けられた複数の閾値(本実施形態では、故障等の枚数が多いほど大きい値)が用いられてもよく、この場合、例えば、測定装置91は、測定結果に含まれるリプルの振幅が超えた最大の閾値に対応する故障等の枚数を判定(特定)する。
【0049】
なお、リプルの振幅は、例えば、測定時間における所定の時間で平均化されて使用されてもよい。
また、測定結果および閾値としては、電流値の時間特性に関する値ばかりでなく、他の例として、電流値の周波数特性に関する値が用いられてもよい。
また、閾値としては、例えば、温度、日射量、時刻、季節などの所定の条件によって異なる値が用いられてもよい。この場合、測定装置91は、当該条件を検出する検出部(例えば、センサ)を備えて、その検出結果に応じて当該条件に合う閾値を設定してもよい。
【0050】
<測定および判定の第2の例>
他の例として、測定装置91は、あらかじめ設定された電流値のパターンを記憶する。記憶されるパターンは、例えば、故障等が発生していないときのパターンを含んでもよく、また、故障等が発生しているときのパターンを含んでもよい。また、記憶されるパターンは、故障等が発生した枚数ごとのパターンを含んでもよい。そして、測定装置91は、測定対象となる直列接続回路201を流れる電流値の測定結果に基づいて、当該測定結果と記憶されたパターンとを比較し、当該測定結果に最も類似したパターンを判定(特定)する。測定装置91は、判定したパターンに基づいて、故障等の有無を判定する。
【0051】
具体的には、測定装置91は、故障等が発生していないときのパターンに測定結果が最も類似する場合には、故障等が無いことを判定し、一方、故障等が発生したときのパターンに測定結果が最も類似する場合には、故障等があることを判定する。他の例として、測定装置91は、故障等が発生していないときのパターンに測定結果が類似しないと判定した場合に、故障等があることを判定してもよい。また、故障等が発生した枚数ごとのパターンが用いられる場合には、測定装置91は、測定結果に最も類似するパターンに基づいて、故障等が発生した枚数を判定してもよい。
ここで、測定結果とパターンとの類似の程度を表す値(類似度)としては、例えば、パターンマッチングなどで使用される任意の演算値が用いられてもよい。また、類似するか否かを判定する手法としては、例えば、類似度が所定の閾値を超える場合には類似すると判定し、類似度が当該閾値以下である場合には類似しないと判定する手法が用いられてもよい。
【0052】
なお、パターンとしては、例えば、複数の異なるストリング11−1〜11−5、41−1〜41−5について共通のパターンが設定されてもよく、または、それぞれのストリング11−1〜11−5、41−1〜41−5ごとに異なり得るパターンが設定されてもよい。
なお、測定結果は、例えば、測定時間における所定の時間ごとに平均化されて使用されてもよい。
また、測定結果およびパターンとしては、電流値の時間特性に関する値ばかりでなく、他の例として、電流値の周波数特性に関する値が用いられてもよい。
また、パターンとしては、例えば、温度、日射量、時刻、季節などの所定の条件によって異なるパターンが用いられてもよい。この場合、測定装置91は、当該条件を検出する検出部(例えば、センサ)を備えて、その検出結果に応じて当該条件に合うパターンを設定してもよい。
【0053】
<測定および判定の第3の例>
他の例として、測定装置91は、複数の異なるストリング11−1〜11−5、41−1〜41−5のうちで、2個の異なるストリング(第1のストリング、第2のストリング)のそれぞれについて、直列接続回路201を流れる電流値を測定する。そして、測定装置91は、第1のストリングの測定結果に含まれるリプルの振幅と、第2のストリングの測定結果に含まれるリプルの振幅とを比較し、両者のリプルの振幅の差分が所定の閾値を超えたと判定した場合に、リプルの振幅が大きい方について故障等があると判定する。
なお、当該閾値としては、任意の値が用いられてもよい。また、当該閾値としては、異なる故障等の枚数と対応付けられた複数の閾値(本実施形態では、故障等の枚数が多いほど大きい値)が用いられてもよく、この場合、例えば、測定装置91は、両者のリプルの振幅の差分が超えた最大の閾値に対応する故障等の枚数を判定(特定)する。
【0054】
ここで、測定装置91は、複数の異なるストリング11−1〜11−5、41−1〜41−5のうちで、3個以上の異なるストリングのそれぞれについて、直列接続回路201を流れる電流値を測定し、これらの測定結果に基づいて、故障等の有無などを判定してもよい。
なお、リプルの振幅は、例えば、測定時間における所定の時間で平均化されて使用されてもよい。
また、測定結果および閾値としては、電流値の時間特性に関する値ばかりでなく、他の例として、電流値の周波数特性に関する値が用いられてもよい。
また、閾値としては、例えば、温度、日射量、時刻、季節などの所定の条件によって異なる値が用いられてもよい。この場合、測定装置91は、当該条件を検出する検出部(例えば、センサ)を備えて、その検出結果に応じて当該条件に合う閾値を設定してもよい。
【0055】
<測定および判定に関する構成例>
ここで、測定装置91が測定対象における電流値を測定するタイミングとしては、任意のタイミングが用いられてもよい。
一例として、測定装置91は、あらかじめ定められた測定タイミングの情報を記憶して、自動的に、当該測定タイミングで測定を行ってもよい。当該測定タイミングは、例えば、一定の周期のタイミングであってもよい。
他の例として、測定装置91は、人により行われる操作を受け付けて、当該操作に応じた測定タイミングで測定を行ってもよい。具体例として、測定装置91は、測定を行うことを人の手動で指示するためのボタンあるいはレバーなどを備えてもよい。
【0056】
また、測定装置91は、表示あるいは音(音声でもよい)などによって、測定結果あるいは判定結果に関する情報を出力してもよい。一例として、測定装置91は、測定結果の情報を表示部の画面に表示出力すること、あるいは、判定結果の情報を表示部の画面に表示出力すること、のうちの一方または両方を行う。他の例として、測定装置91は、測定結果の情報をスピーカから音出力すること、あるいは、判定結果の情報をスピーカから音出力すること、のうちの一方または両方を行う。判定結果の情報には、例えば、故障等の有無の情報が含まれてもよく、または、故障等が発生した部分(例えば、ストリング、あるいは、太陽光パネル、あるいは、セル)の数の情報が含まれてもよい。
また、測定装置91は、人により行われる操作を受け付けて、受け付けられた操作に基づいて、当該操作に対応する動作(例えば、表示出力あるいは音の出力など)を行ってもよい。
【0057】
また、人が、測定装置91による測定結果を見て、故障等の有無などを判定する構成が用いられてもよい。故障等の有無などの判定には、例えば、故障等が発生した部分(例えば、ストリング、あるいは、太陽光パネル、あるいは、セル)の数の判定が含まれてもよい。
すなわち、測定装置91は、少なくとも、測定対象となる直列接続回路201を流れる電流値を測定し、そして、それ以降の解析(例えば、周波数解析など)あるいは判定などは、人が行ってもよく、または、人と測定装置91とで分担して行ってもよい。
【0058】
ここで、測定装置91は、例えば、複数の異なるストリング11−1〜11−5、41−1〜41−5について共通に備えられてもよく、または、それぞれのストリング11−1〜11−5、41−1〜41−5ごとに別々に備えられてもよい。
また、測定装置91は、例えば、人によって持ち運びが可能であってもよく、または、測定対象の設置位置の付近に設置されてもよい。
また、例えば、複数の測定装置91が備えられる場合に、これらを監視する装置(監視装置)を備えてもよい。この場合、それぞれの測定装置91が測定結果あるいは判定結果に関する情報を送信し、監視装置が当該情報を受信して収集してもよい。なお、通信(送信、受信)は、例えば、有線の回線を用いて行われてもよく、または、無線の回線を用いて行われてもよい。
【0059】
なお、ここでは、それぞれのストリング11−1〜11−5、41−1〜41−5を構成する複数枚の太陽光パネル21−1〜21−5、51−1〜51−5について、測定結果あるいは判定結果を取得する場合を例として説明したが、他の例として、同様に、1個の太陽光パネル21−1〜21−5、51−1〜51−5を構成する複数個のセル121について、測定結果あるいは判定結果を取得することも可能である。この場合、ストリング11−1〜11−5、41−1〜41−5の代わりに太陽光パネル21−1〜21−5、51−1〜51−5で置き換え、太陽光パネル21−1〜21−5、51−1〜51−5の代わりにセル121で置き換えて、同様な測定および判定を行う。
【0060】
また、本実施形態では、発電システム1が通常に使用されている状態で、測定装置91による測定を行う場合を示すが、他の例として、通常に使用されている状態とは別に、測定対象(例えば、ストリング11−1〜11−5、41−1〜41−5、または、太陽光パネル21−1〜21−5、51−1〜51−5)に所定の電流を流してもよい。当該所定の電流は、例えば、インバータ71のスイッチング周波数と同じ周波数の電流であってもよく、または、他の周波数の電流であってもよい。この場合においても、電流のリプルが発生すると考えられる。この場合、例えば、天候が悪い日あるいは夕方または夜などのように、日射量が少ないときにおいても、測定対象を流れる電流を大きくして、測定あるいは判定の精度を高めることが可能である。
【0061】
また、本実施形態では、リプルの振幅に基づいて故障等の有無などを判定する場合を示すが、他の例として、リプルの振幅に応じて変化する他の値に基づいて故障等の有無などを判定する構成が用いられてもよい。
また、本実施形態では、測定装置91により電流の値を測定することでリプルの振幅を測定する場合を示すが、他の例として、故障等により発生するリプルの振幅を測定することが可能な電圧の値を測定装置91により測定することで当該リプルの振幅を測定する構成が用いられてもよい。
【0062】
[第1の構成例]
図16は、本発明の一実施形態(第1の構成例)に係る測定装置311を備える発電システム301の概略的な構成例を示す図である。
本構成例に係る発電システム301の構成は、
図1に示される構成と比べて、
図1に示される測定装置91の機能を有する装置として測定装置311を備える点以外は、同様である。
図16の例では、故障等が発生した太陽光パネル(故障等パネル321)を示してある。なお、説明の便宜上、
図16の例では、
図1の例と同様な構成部については同じ符号を付してある。
【0063】
本構成例では、測定装置311は、一例として、測定対象の電流値を測定する電流計の機能を有するクランプメーター(クランプ測定器)である。クランプメーターは、電流によって発生させられる磁界を測定することで、測定対象の電気回路を開かずに当該電流(実際に測定するものは磁界)を測定することができる。なお、測定装置311としては、クランプメーター以外の装置が用いられてもよい。
具体例として、人が、測定装置311を持ち運び、手動で当該測定装置311を使用して、当該測定装置311により測定対象における電流値を測定する。そして、当該人は、測定装置311による測定結果を見て、故障等の有無などを判定する。測定対象(例えば、ストリング11−1〜11−5、41−1〜41−5、あるいは、太陽光パネル21−1〜21−5、51−1〜51−5)が複数存在する場合には、人は、順番に、それぞれの測定対象における電流値を測定する。
【0064】
一例として、当該人は、発電システム301のストリング11−1〜11−5、41−1〜41−5などを検査する検査員であってもよい。当該人は、ストリング11−1〜11−5、41−1〜41−5などが設置された現地において、測定装置311を使用して電流を測定することによって、その場で故障等の有無を判定することも可能である。これにより、当該人は、従来では目視により気付かなかった故障等を発見することも可能である。
【0065】
[第2の構成例]
図17は、本発明の一実施形態(第2の構成例)に係る測定装置411−1〜411−5、421−1〜421−5を備える発電システム401の概略的な構成例を示す図である。
本構成例に係る発電システム401の構成は、
図1に示される構成と比べて、
図1に示される測定装置91の機能を有する装置として複数の測定装置411−1〜411−5、421−1〜421−5を備える点以外は、同様である。
図17の例では、故障等が発生した太陽光パネル(故障等パネル441)を示してある。なお、説明の便宜上、
図17の例では、
図1の例と同様な構成部については同じ符号を付してある。
【0066】
本構成例では、それぞれのストリング11−1〜11−5、41−1〜41−5ごとに、別体の測定装置411−1〜411−5、421−1〜421−5を備える。それぞれの測定装置411−1〜411−5、421−1〜421−5は、例えば、それぞれのストリング11−1〜11−5、41−1〜41−5ごとに、付近に設置されて備えられている。それぞれの測定装置411−1〜411−5、421−1〜421−5は、例えば、
図2に示される台部111、112などに備えられてもよい。
【0067】
図18は、本発明の一実施形態(第2の構成例)に係る測定装置411−1の概略的な構成例を示す図である。なお、本構成例では、他の測定装置411−2〜411−5、421−1〜421−5の構成についても、測定装置411−1と同様である。
【0068】
本構成例に係る測定装置411−1は、入力部511と、出力部512と、記憶部513と、測定部514と、制御部515を備える。制御部515は、判定部531を備える。
入力部511は、外部から情報を入力する。入力部511は、例えば、人により行われる操作を受け付ける操作部を備えてもよい。また、入力部511は、例えば、外部の装置から出力された情報を入力してもよい。なお、操作部などは、測定装置411−1とは別体で備えられて、測定装置411−1と有線または無線の回線を介して通信可能に接続されてもよい。
出力部512は、外部へ情報を出力する。出力部512は、例えば、人に対して画面に情報を表示出力する表示部を備えてもよい。また、出力部512は、例えば、人に対して音を出力するスピーカを備えてもよい。また、出力部512は、例えば、外部の装置に情報を出力してもよい。なお、表示部あるいはスピーカなどは、測定装置411−1とは別体で備えられて、測定装置411−1と有線または無線の回線を介して通信可能に接続されてもよい。
【0069】
記憶部513は、情報を記憶する。記憶部513は、例えば、制御部515により使用される制御プログラムあるいはパラメータなどを記憶してもよい。また、記憶部513は、例えば、測定結果の情報、あるいは、判定結果の情報などを記憶してもよい。なお、本構成例では、記憶部513を測定装置411−1と一体で備えるが、他の構成例として、記憶部513は、測定装置411−1とは別体で備えられて、測定装置411−1と有線または無線の回線を介して通信可能に接続されてもよい。
測定部514は、測定対象の電流値を測定する。
制御部515は、測定装置411−1における処理あるいは制御を行う。制御部515は、例えば、判定部531により、測定部514により取得された測定結果に基づいて、故障等の有無などを判定する処理を行ってもよい。また、制御部515は、例えば、測定部514により取得された測定結果に基づいて、他の解析(例えば、周波数解析など)の処理を行ってもよい。なお、制御部515は、例えば、CPU(Central Processing Unit)を有し、記憶部513に記憶された制御プログラムあるいはパラメータなどを使用して、処理あるいは制御を行ってもよい。
【0070】
[第3の構成例]
図19は、本発明の一実施形態(第3の構成例)に係る測定システム(監視システム)601の概略的な構成例を示す図である。
本構成例に係る測定システム601は、M(Mは複数を表す値)個の測定装置611−1〜611−Mと、ネットワーク613と、監視装置612を備える。
それぞれの測定装置611−1〜611−Mと、監視装置612とは、ネットワーク613と接続される。
本構成例では、監視装置612とそれぞれの測定装置611−1〜611−Mとが、ネットワーク613を介して、通信する。
【0071】
ここで、本構成例に係る発電システム(システム全体の図示は省略)の構成は、
図17に示される(第2の構成例)に係る構成と比べて、
図17に示される測定装置411−1〜411−5、421−1〜421−5の代わりに測定装置611−1〜611−Mを備え、さらに監視装置612およびネットワーク613を備える点以外は、同様である。
一例として、M=10であり、M個の測定装置611−1〜611−Mのそれぞれは、
図17に示される同数の測定装置411−1〜411−5、421−1〜421−5のそれぞれの代わりに備えられる。そして、これらM個の測定装置611−1〜611−Mのそれぞれが、ネットワーク613を介して、監視装置612と接続される。
【0072】
図20は、本発明の一実施形態(第3の構成例)に係る測定装置611−1の概略的な構成例を示す図である。なお、本構成例では、他の測定装置611−2〜611−Mの構成についても、測定装置611−1と同様である。
【0073】
本構成例に係る測定装置611−1は、入力部711と、出力部712と、記憶部713と、通信部714と、測定部715と、制御部716を備える。制御部716は、判定部731を備える。
ここで、入力部711、出力部712、記憶部713、測定部715、制御部716、判定部731のそれぞれの機能は、
図18に示される(第2の構成例)に係る入力部511、出力部512、記憶部513、測定部514、制御部515、判定部531のそれぞれの機能と同様である。
【0074】
通信部714は、ネットワーク613を介して、外部の装置と通信する。例えば、通信部714は、ネットワーク613を介して、監視装置612と通信する。具体例として、通信部714は、測定結果の情報、判定結果の情報、または、他の解析(例えば、周波数解析など)の結果の情報などのうちの1以上を監視装置612に送信する。また、通信部714は、監視装置612から、動作の指示の情報などを受信してもよい。
また、通信部714は、ネットワーク613を介して、他の測定装置611−2〜611−Mと通信してもよい。具体例として、通信部714は、測定結果の情報、判定結果の情報、または、他の解析(例えば、周波数解析など)の結果の情報などのうちの1以上を他の測定装置611−2〜611−Mに送信してもよい。
なお、本構成例では、入力部711および出力部712とは別に、ネットワーク613と接続される通信部714を示したが、例えば、当該通信部714の機能は入力部711および出力部712の機能により実現されてもよい。
【0075】
図21は、本発明の一実施形態(第3の構成例)に係る監視装置612の概略的な構成例を示す図である。
本構成例に係る監視装置612は、入力部811と、出力部812と、記憶部813と、通信部814と、制御部815を備える。
入力部811は、外部から情報を入力する。入力部811は、例えば、人により行われる操作を受け付ける操作部を備えてもよい。また、入力部811は、例えば、外部の装置から出力された情報を入力してもよい。なお、操作部などは、監視装置612とは別体で備えられて、監視装置612と有線または無線の回線を介して通信可能に接続されてもよい。
出力部812は、外部へ情報を出力する。出力部812は、例えば、人に対して画面に情報を表示出力する表示部を備えてもよい。また、出力部812は、例えば、人に対して音を出力するスピーカを備えてもよい。また、出力部812は、例えば、外部の装置に情報を出力してもよい。なお、表示部あるいはスピーカなどは、監視装置612とは別体で備えられて、監視装置612と有線または無線の回線を介して通信可能に接続されてもよい。
【0076】
記憶部813は、情報を記憶する。記憶部813は、例えば、制御部815により使用される制御プログラムあるいはパラメータなどを記憶してもよい。また、記憶部813は、例えば、それぞれの測定装置611−1〜611−Mから受信された情報を記憶してもよく、具体例として、測定結果の情報、あるいは、判定結果の情報などを記憶してもよい。なお、本構成例では、記憶部813を監視装置612と一体で備えるが、他の構成例として、記憶部813は、監視装置612とは別体で備えられて、監視装置612と有線または無線の回線を介して通信可能に接続されてもよい。
【0077】
通信部814は、ネットワーク613を介して、外部の装置と通信する。例えば、通信部814は、ネットワーク613を介して、それぞれの測定装置611−1〜611−Mと通信する。具体例として、通信部814は、それぞれの測定装置611−1〜611−Mから、測定結果の情報、判定結果の情報、または、他の解析(例えば、周波数解析など)の結果の情報などのうちの1以上を受信する。また、通信部814は、それぞれの測定装置611−1〜611−Mに対して、動作の指示の情報などを送信してもよい。
なお、本構成例では、入力部811および出力部812とは別に、ネットワーク613と接続される通信部814を示したが、例えば、当該通信部814の機能は入力部811および出力部812の機能により実現されてもよい。
【0078】
制御部815は、監視装置612における処理あるいは制御を行う。
一例として、通信部814によりそれぞれの測定装置611−1〜611−Mから測定結果の情報を受信する場合、制御部815は、取得(ここでは、受信)された測定結果の情報に基づいて、故障等の有無などを判定する処理を行ってもよく、また、取得された測定結果に基づいて、他の解析(例えば、周波数解析など)の処理を行ってもよい。
他の例として、通信部814によりそれぞれの測定装置611−1〜611−Mから判定結果の情報を受信する場合、取得(ここでは、受信)された判定結果に基づいて、他の解析の処理を行ってもよい。
なお、制御部815は、例えば、CPUを有し、記憶部813に記憶された制御プログラムあるいはパラメータなどを使用して、処理あるいは制御を行ってもよい。
【0079】
本構成例では、一例として、複数の測定装置611−1〜611−Mにより得られた測定結果の情報を1個の監視装置612によって収集し、当該監視装置612において当該測定結果の情報に基づいて故障等の有無などの判定を行うことが可能である。本構成例では、他の例として、複数の測定装置611−1〜611−Mにより得られた判定結果の情報を1個の監視装置612によって収集することが可能である。監視装置612では、例えば、複数の測定装置611−1〜611−Mにより得られた測定結果の情報、および、当該測定結果から得られた判定結果の情報などを記憶部813に記憶して一括管理することが可能である。
【0080】
[以上の実施形態のまとめ]
以上のように、本実施形態では、太陽光発電モジュール(例えば、ストリング11−1〜11−5、41−1〜41−5、あるいは、太陽光パネル21−1〜21−5、51−1〜51−5など)による発電に関し、簡易に、故障等の影響の有無を判定することができる。これにより、本実施形態では、故障等の有無の判定の効率化を図ることができる。
【0081】
本実施形態では、例えば、測定対象である太陽光発電モジュールを全体の回路から切り離さずに測定を行うことが可能であり、発電システム1(
図17の例では、発電システム401)の動作を停止させずに測定を行うことが可能である。
本実施形態では、例えば、天候に大きく左右されずに、測定および判定を行うことが可能である。
【0082】
また、本実施形態では、太陽光発電モジュールの一部(または、全部)に故障等が発生したことが判定された場合には、例えば、故障の影響が生じていること、または、草木の影の影響などが生じていること、が想起される。故障に関しては、故障が発生した太陽光パネル21−1〜21−5、51−1〜51−5またはセル121の補修あるいは取り替えが検討されて実行される。また、草木の影に関しては、問題の影響を与えている草木の部分を切ることが検討されて実行される。
【0083】
一構成例として、太陽光の発電システム(
図1、
図16、
図17の例では、発電システム1、301、401)に設けられた太陽光発電モジュールを流れる電流を測定する測定部(
図18、
図20の例では、測定部514、715)と、測定部により測定された電流のリプルの振幅に基づいて当該太陽光発電モジュールによる発電への影響に関する判定を行う判定部(
図18、
図20の例では、判定部531、731)と、を備える測定装置(
図1、
図16、
図17、
図19の例では、測定装置91、311、411−1〜411−5、421−1〜421−5、611−1〜611−M)である。
一構成例として、測定装置において、太陽光発電モジュールは、複数の太陽光パネル(
図1の例では、太陽光パネル21−1〜21−5、51−1〜51−5)を有するストリング(
図1の例では、ストリング11−1〜11−4、41−1〜41−5)、または、複数のセル(
図2の例では、セル121)を有する太陽光パネルである、
一構成例として、測定装置において、複数の太陽光発電モジュールのそれぞれごとに設けられる(例えば、
図17、
図19の例)。
一構成例として、測定装置において、発電への影響は、故障の影響、および、草木の影の影響を含み、リプルの振幅が大きい方が発電への影響が大きい(例えば、
図4〜
図15の例)。
一構成例として、太陽光の発電システムに設けられた太陽光発電モジュールを流れる電流を測定する測定部を備える複数の測定装置(
図19の例では、測定装置611−1〜611−M)と、複数の測定装置の測定部による測定結果の情報、または当該測定結果に基づく判定結果の情報を受信する監視装置(
図19の例では、監視装置612)と、を備える測定システム(
図19の例では、測定装置601)である。
一構成例として、太陽光の発電システムに設けられた太陽光発電モジュールを流れる電流を測定するステップと、測定された電流のリプルの振幅に基づいて当該太陽光発電モジュールによる発電への影響に関する判定を行うステップと、をコンピュータに実行させるためのプログラム(例えば、
図18、
図20に示される測定装置411−1、611−1の制御部515、716により実行されるプログラム)である。
一構成例として、測定装置(
図16の例では、測定装置311)によって、太陽光の発電システムに設けられた太陽光発電モジュールを流れる電流を測定するステップと、測定装置により測定された電流のリプルの振幅に基づいて、当該太陽光発電モジュールによる発電への影響に関する判定を行うステップと、を実行する測定方法(
図16の例では、人が測定装置311による測定結果に基づいて判定を行う方法)である。
【0084】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【0085】
また、本実施形態のように、以上に示した実施形態に係る装置(例えば、測定装置91、311、411−1〜411−5、421−1〜421−5、611−1〜611−M、監視装置612)の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体(記憶媒体)に記録(記憶)して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより、処理を行ってもよい。
なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、オペレーティング・システム(OS:Operating System)あるいは周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、DVD(Digital Versatile Disk)等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
さらに、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークあるいは電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバあるいはクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記のプログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)あるいは電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記のプログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上記のプログラムは、前述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。