(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記決定手段は、前記選択受付手段で選択を受け付けたシリーズの数に応じて、該シリーズの医用画像を表示する表示領域における縦の分割数と横の分割数とを決定することを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
前記決定手段は、前記選択受付手段で選択を受け付けたシリーズの数に応じて、当該シリーズの医用画像を表示する表示領域の分割数を仮に決定した後に、前記選択受付手段で選択を受け付けたシリーズの数よりも多い場合に、該仮に決定した分割数を増減させることで分割数を決定することを特徴とする請求項2に記載の画像表示装置。
前記決定手段は、前記表示制御手段で表示中のシリーズの医用画像が存在する場合に、該表示中のシリーズの数と前記選択受付手段で選択を受け付けたシリーズの数とに応じて、該シリーズの医用画像を表示する表示領域の分割数を決定し、
前記表示制御手段は、前記決定手段で決定された分割数により分割された表示領域に、前記表示中のシリーズの医用画像と前記選択受付手段で選択を受け付けたシリーズの医用画像とを表示することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像表示装置。
前記表示制御手段は、前記選択受付手段により選択された1または複数のシリーズの医用画像を、前記表示範囲をスクロールさせずに表示可能な範囲に表示することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像表示装置。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態を詳細に説明する。尚、以下に示す構成は一例であり、本願発明はこれらに限定されるものではない。
【0013】
図1は、本実施形態に係る情報処理システムとしての医用画像診断システムのシステム構成の一例を示す。本実施形態において、医用画像診断システムは、各拠点として、依頼施設、読影センター、及びデータセンターを含み、各拠点はネットワーク107を介して通信可能に接続されている。
【0014】
依頼施設には、読影依頼を行うための依頼端末101がLAN(Local Area Network)に接続されている。また、読影センターには、読影依頼に関する業務を行うための業務端末102と、読影医が読影を行うための読影端末103(医用画像診断装置)とがLANに接続されている。更に、データセンターには、読影依頼を管理するための読影管理サーバ104と、医用画像を管理するための画像管理サーバ105と、各種データテーブルを管理するためのデータベースサーバ106とがLANに接続されている。データセンターに接続される各種サーバによって提供されるサービスは、いわゆるクラウドサービスとして提供されるものである。尚、本実施形態では、依頼施設、読影センター、及びデータセンターの3つの拠点に分けて説明を行うが、様々なシステム構成があるため、これに限定されない。
【0015】
尚、本実施形態において、ネットワーク107はVPN(Virtual Private Network)等で保護されたインターネットを想定しているが、特にこれに限らない。また、本実施形態における依頼施設は、健康診断を行う健診機関を想定するが、特にこれに限らない。
【0016】
まず、本実施形態における読影の主な流れを説明する。依頼施設では、医用画像撮像装置であるモダリティによって被検体を撮像し、医用画像を生成する。この医用画像は例えば、DICOM(Digital Imaging and COmmunication in Medicine)規格の画像データである。DICOM規格の医用画像にはDICOMタグという付帯情報が含まれており、付帯情報には検査日、患者名、検査種、部位等の情報が格納されている。
【0017】
医用画像が生成されると、依頼端末101またはモダリティから読影管理サーバ104に医用画像を送信する。読影管理サーバ104はこれを受信すると、受信した医用画像を画像管理サーバ105に送信し、画像管理サーバ105の外部メモリに記憶させる。
【0018】
依頼施設の読影依頼業務を行う担当者は、依頼端末101を用いて読影の依頼時に必要な情報(以下、読影依頼情報という。)を入力し、読影依頼の指示を行うと、依頼端末101は読影依頼情報を読影管理サーバ104に送信する。読影管理サーバ104は、依頼端末101から読影依頼情報を受信すると、受信した読影依頼情報をデータベースサーバ106に送信し、データベースサーバ106の外部メモリに記憶させる。
【0019】
そして読影管理サーバ104は、読影センターの業務担当者が操作する業務端末102からの指示に応じて、データセンターで受け付けた読影依頼に対応する読影医を、読影医の専門性やスケジュールを考慮して決定する。
【0020】
読影を行う読影医は、読影センターに配置された読影端末103(もしくは、読影医の自宅に配置された読影端末であってもよい。)を用いて、自身に割り当てられた読影依頼に対応する医用画像を画像管理サーバ105からダウンロードする。その後、読影医は、ダウンロードした医用画像を医用画像ビューワで表示して読影を行い、読影した結果の所見等を記述する読影レポートを、読影端末103で動作するアプリケーションを用いて作成する。作成が完了した読影レポートは、読影管理サーバ104に送信され、データベースサーバ106に保管され、読影依頼を行った依頼端末101がこの読影レポートを表示する。尚、ここでは、読影端末として、読影センター及び読影医の自宅の例を示したが、いずれの場所に配置されてもよく、また、モバイル端末などを用いて参照できるようにしても構わない。以上のようにして、読影業務が行われる。
【0021】
図2は、読影端末103のハードウェア構成の一例を示す図である。尚、
図2に示すハードウェア構成はあくまで一例であり、用途や目的に応じて様々な構成例があるため、これに限定されない。
【0022】
CPU201は、システムバス204に接続される各デバイスやコントローラを統括的に制御する。
【0023】
また、ROM202あるいは外部メモリ211には、CPU201の制御プログラムであるBIOS(Basic Input / OutputSystem)やオペレーティングシステムプログラム(以下、OSという。)が記憶されている。また、外部メモリ211には、各種装置が実行する機能を実現するために必要な各種プログラム等が記憶されている。RAM203は、CPU201の主メモリ、ワークエリア等として機能する。
【0024】
CPU201は、処理の実行に際して必要なプログラム等をRAM203にロードして、プログラムを実行することで各種動作を実現するものである。
【0025】
また、入力コントローラ205は、キーボードやマウス等のポインティングデバイスといった入力デバイス209からの入力を制御する。
【0026】
ビデオコントローラ206は、ディスプレイ210等の表示装置への表示を制御する。表示装置はCRTや液晶ディスプレイを想定するが、特にこれらに限らない。
【0027】
メモリコントローラ207は、ハードディスクやフレキシブルディスク或いはPCMCIAカードスロットにアダプタを介して接続されるカード型メモリ等の外部メモリ211へのアクセスを制御する。外部メモリ211(記憶手段)は、ブートプログラム、ブラウザソフトウエア、各種のアプリケーション、フォントデータ、ユーザファイル、編集ファイル、各種データ等を記憶する。
【0028】
通信I/Fコントローラ208は、ネットワークを介して、外部機器と接続・通信するものであり、ネットワークでの通信制御処理を実行する。例えば、TCP/IPを用いたインターネット通信等が可能である。
【0029】
尚、CPU201は、例えばRAM203内の表示情報用領域へアウトラインフォントの展開(ラスタライズ)処理を実行することにより、ディスプレイ210上での表示を可能としている。また、CPU201は、ディスプレイ210上の不図示のマウスカーソル等でのユーザ指示を可能とする。
【0030】
本発明の各種装置が後述する各種処理を実行するために用いられる各種プログラム等は外部メモリ211に記録されており、必要に応じてRAM203にロードされることによりCPU201によって実行されるものである。さらに、本発明に係わるプログラムが用いる定義ファイルや各種情報テーブルは外部メモリ211に格納されている。
【0031】
図3は、読影端末103の機能構成の一例を示す図である。尚、
図3に示す機能構成はあくまで一例であり、用途や目的に応じて様々な構成例があるため、これに限定されない。また、各機能部が有する詳細な機能は、後述する各フローチャートにおいて説明する。
【0032】
読影端末103は機能部として、通信制御部301と、表示制御部302と、入力制御部303と、演算制御部304と、医用画像管理部305とを備える。
【0033】
通信制御部301は、読影管理サーバ104やその他各種装置との情報の送受信を制御するための機能部である。通信制御部301の機能により、ネットワーク107を介して、読影管理サーバ104やその他各種装置に対して各種情報の取得要求を送信すると共に、取得要求に応じて読影管理サーバ104から送信された各種情報を受信する。また、通信制御部301は、読影医により作成された読影レポートを、読影端末103から読影管理サーバ104に送信することも可能である。
【0034】
表示制御部302は、通信制御部301で受信した各種情報を読影端末103のディスプレイ210に表示するための機能部である。また、表示制御部302は、読影端末103のユーザによって入力された情報をディスプレイ210に表示制御する。
【0035】
入力制御部303は、表示制御部302によって表示制御された画面に対する情報の入力を制御するための機能部である。尚、本実施形態でいう入力とは、各種情報の入力や選択、ボタンの押下等、読影端末103を操作するユーザからの操作全般を含む。
【0036】
演算制御部304は、各種情報を用いた演算を制御するための機能部である。本実施形態においては、後述する表示領域分割処理において、表示領域の分割数を演算するための制御部として機能する。
【0037】
医用画像管理部305は、医用画像ビューワに表示する医用画像を管理するための機能部である。また、医用画像管理部305は、医用画像の付帯情報を参照及び取得することも可能である。以上が、読影端末103の機能構成の一例である。
【0038】
図4は、医用画像ビューワの起動から終了までの処理の流れの一例を示すフローチャートである。以下説明するS401乃至S405の各ステップは、読影端末103のCPU201が各機能部を動作することにより実行される処理である。
【0039】
ここで、本実施形態における患者と検査とシリーズと医用画像とについて説明する。本実施形態でいう患者と検査とシリーズと医用画像とは、それぞれ、DICOM規格のPatient、Study、Series、Imageが示す意味と同じである。これらの関係性を
図5に示す。
図5に示すように、患者に1または複数の検査が対応づいており、各検査に1または複数のシリーズが対応づいており、各シリーズに複数の医用画像が対応づいている。以下、これらを踏まえて本実施形態の一連の処理について説明する。
【0040】
ステップS401では、読影端末103は、外部メモリ211に記憶された医用画像ビューワのアプリケーションを起動する。医用画像ビューワは、あらかじめ読影端末103にインストールされたものであるが、読影の開始に応じて読影管理サーバ104等のサーバ装置からダウンロードして起動してもよい。また、医用画像ビューワは、読影の開始に応じて自動的に起動してもよいし、ユーザからの指示に応じて起動してもよい。
【0041】
ステップS402では、読影端末103の医用画像管理部305は、読影依頼がなされた検査の医用画像を画像管理サーバ105から取得する。このとき、読影依頼がなされた検査が複数存在する場合には、各検査に対応する医用画像をすべて取得する。本実施形態では、画像管理サーバ105から医用画像を取得する形態としたが、あらかじめ外部メモリ211に当該医用画像が記憶されているのであれば、外部メモリ211から取得してもよい。
【0042】
ステップS403では、読影端末103の表示制御部302は、ステップS402で取得した医用画像のうち、各シリーズの代表画像(以下、シリーズ画像という。)を医用画像ビューワの画像パレット領域に表示する。医用画像管理部305が付帯情報を参照することでシリーズごとのシリーズ画像を特定できるので、この特定されたシリーズ画像のサムネイルを画像パレット領域に表示する。
【0043】
図6に医用画像ビューワ600の画面構成の一例を示す。医用画像ビューワ600は、医用画像を表示可能なアプリケーションである。医用画像ビューワ600は、シリーズ画像のサムネイルを表示するための画像パレット領域601と、シリーズ画像をレイアウトして表示するための表示領域602とを備える。レイアウトされたシリーズ画像は、マウスホイールを回転させる等の操作を受け付けることにより、当該シリーズ画像と同じシリーズの医用画像に切り替えることが可能である。また、表示領域602にレイアウトされたシリーズ画像を再度レイアウトし直すための再配置ボタン603も備えている。更に画像パレット領域601では、
図5に示すような階層構造となるように、患者名と検査名とシリーズ名とを表示し、シリーズ名の近傍にシリーズ画像のサムネイルを表示する。そしてこれらに対する選択が受付可能である。
【0044】
医用画像ビューワのユーザは、画像パレット領域601に表示された患者名(患者を示す情報)、検査名(検査を示す情報)、シリーズ名(シリーズを示す情報)のいずれかを選択することにより、表示領域602にシリーズ画像をレイアウトしていく。患者名を選択した場合には、選択された患者に対応するすべての検査の各シリーズ画像が表示領域602にレイアウトされる(詳細は
図15を用いて後述する。)。検査名を選択した場合には、選択された検査に対応する各シリーズ画像が表示領域602にレイアウトされる(詳細は
図7を用いて後述する。)。そして、シリーズ名が選択された場合には、選択された各シリーズ画像が表示領域602にレイアウトされる(詳細は
図14を用いて後述する。)。本実施形態ではそれぞれの名称を選択するものとするが、それぞれを示す情報(例えばIDや画像等)を選択する形態であってもよい。また、再配置ボタン603が押下された場合には、表示領域602に表示中の各シリーズ画像を再度レイアウトし直す(詳細は
図11を用いて後述する。)。医用画像ビューワは、医用画像ビューワの終了指示を検知するまで、ユーザからの指示に応じてこれらの処理を実行することが可能である。
【0045】
ステップS404では、読影端末103の入力制御部303は、医用画像ビューワの終了指示を検知したか否かを判定する。例えば、医用画像ビューワを閉じるためのボタンや起動を終了するためのメニューが押下されると、医用画像ビューワの終了指示を検知したと判定する。医用画像ビューワの終了指示を検知したと判定した場合には、ステップS405に処理を進め、医用画像ビューワの起動を終了する。そうでない場合には、終了指示を検知するまでステップS404を繰り返し実行する。以上が
図4の説明である。
【0046】
図7は、医用画像ビューワ600に表示された検査が選択された場合の処理の流れの一例を示すフローチャートである。以下説明するS701乃至S704の各ステップは、読影端末103のCPU201が各機能部を動作することにより実行される処理である。
【0047】
ステップS701では、読影端末103の入力制御部303は、画像パレット領域601に表示された1または複数の検査(検査名)に対する選択を検知したか否かを判定する(選択受付手段)。本実施形態では、画像パレット領域601に表示された検査名を表示領域602にドラッグアンドドロップした場合に、検査に対する選択を検知したと判定するものとする。また、検査名を複数選択した状態でドラッグアンドドロップすると、複数の検査に対する選択を検知したと判定する。1または複数の検査に対する選択を検知したと判定した場合には、ステップS702に処理を進める。そうでない場合には、1または複数の検査に対する選択を検知するまでステップS701を繰り返し実行する。
【0048】
ステップS702では、読影端末103の演算制御部304は、表示領域602にすでに配置されている(配置済み)シリーズ画像のシリーズ数に、選択された検査に対応づくシリーズ数(選択を受け付けたシリーズの数)を加算する。この加算したものを、Zとする。
【0049】
ステップS703では、読影端末103は、表示領域602に配置するシリーズの数に応じて表示領域602を分割する数(分割数)を決定するための表示領域分割処理を実行する。以下、表示領域分割処理の詳細について説明する。
【0050】
図8は、表示領域分割処理の詳細な処理の流れの一例を示すフローチャートである。以下説明するS801乃至S808の各ステップは、読影端末103のCPU201が各機能部を動作することにより実行される処理である。
【0051】
ステップS801では、読影端末103の演算制御部304は、医用画像ビューワ600の表示領域602のアスペクト比を算出する。ディスプレイ210に表示された医用画像ビューワ600の大きさによってこのアスペクト比は変化する。アスペクト比は、表示領域602の長辺の長さを表示領域602の短辺の長さで割ることにより算出できる。これにより、短辺を“1”とした場合の長辺の比率が取得できる。以下、配置すべきシリーズ画像の数であるZを“6”、表示領域602の長辺の長さが“1920”、表示領域602の短辺の長さが“1080”とした場合を一例にとって説明する。ステップS801では、算出の結果、アスペクト比が“1.77778”(小数点以下第六位切り上げ。各種演算の精度に問題が発生しなければ、第何位を切り上げてもよい。)となる。
【0052】
ステップS802では、読影端末103の演算制御部304は、Zにアスペクト比を乗じた値の平方根を算出し、これをXとする。この計算式の内容について以下、具体的に説明する。
【0053】
まず、本実施形態では、表示領域602に表示すべきシリーズ画像をすべて並べて表示すること、更にはシリーズ画像の数に関わらず、表示領域602をスクロールさせることのないようにしたい。そのため、表示領域602を何分割すれば、すべてのシリーズ画像をスクロールさせずに並べて表示できるかを検討しなければならない。
【0054】
そこで、まずは表示領域602を分割してシリーズ画像を配置するための各領域(以下、分割領域という。)の横の長さをx、縦の長さをyとする。また、表示領域602の短辺の長さを“1”、長辺の長さをアスペクト比の値とする。これらを、前述した例に基づいて図にしたものが
図9である。前述した例ではアスペクト比が“1.77778”であるので表示領域602の長辺の長さは“1.77778”となる。また分割領域901は、
図9の通り、横の長さをx、縦の長さをyとする。更に、x≒yと仮定する。
【0055】
この分割領域901(x×y)を、表示すべきシリーズ画像の数(Z)だけ表示領域602(1×1.77778)に配置するということは、すなわち、「x×y×Z=1×1.77778」ということである。x≒yと仮定したので、「Zx^2=1.77778」であり、つまり、「x=√(1.77778÷Z)」となる。
【0056】
表示領域602の長辺方向に配置可能な分割領域901の数を求めるための値をXとすると、「X=1.77778÷x」である。ここに、先ほど求めた「x=√(1.77778÷Z)」を代入すると、「X=1.77778÷√(1.77778÷Z)」となり、これを「X=1.77778×√(Z÷1.77778)」とし、最終的に「X=√(1.77778×Z)」となる。すなわち、前述したように、Zとアスペクト比とを乗じた値の平方根がX、すなわち、表示領域602の長辺方向に配置可能な分割領域901の数を求めるための値となる。
【0057】
ステップS803では、読影端末103の演算制御部304は、ステップS802で算出したXの値の小数点以下第一位を切り上げて整数にし、これをDivX、すなわち表示領域602の長辺方向に配置可能な分割領域901の数とする(決定手段)。尚、詳細は後述するがXを切り下げてもよい。
【0058】
ステップS804では、読影端末103の演算制御部304は、ZをDivXで割ることで、表示領域602の短辺方向に配置可能な分割領域901の数を求めるための値であるYを算出する。
【0059】
ステップS805では、読影端末103の演算制御部304は、ステップS803で算出したYの値の小数点以下第一位を切り上げて整数にし、これをDivY、すなわち表示領域602の短辺方向に配置可能な分割領域901の数とする(決定手段)。尚、詳細は後述するがYを切り下げてもよい。
【0060】
このようにして、表示領域602の長辺方向に配置可能な分割領域の数と、表示領域602の短辺方向に配置可能な分割領域の数とを算出する。前述した具体例では、配置すべきシリーズ画像の数であるZを“6”、表示領域602の長辺の長さが“1920”、表示領域602の短辺の長さが“1080”とした。そのため、Xを切り上げた結果、DivXが“4”、Yを切り上げた結果、DivYが“2”となる(すなわち、仮決定される)。つまり、表示領域602の長辺方向に4つの列を設け、表示領域602の短辺方向に2つの行を設ければ、表示領域602をスクロールさせることなく、表示すべきシリーズ画像を配置することが可能となる。
【0061】
しかしながら、ステップS803とステップS805とにおいて、それぞれXとYとを切り上げて整数にしている。そのため、本来必要な分割領域よりも多めの分割領域ができあがってしまう可能性がある。そのため、以下説明するステップS806及びステップS807で調整を行う。
【0062】
ステップS806では、読影端末103の演算制御部304は、DivXから“1”を減算した結果とDivYとを乗じて、これがZ以上であるか否かを判定する。すなわち、表示領域602の長辺方向に配置可能な分割領域の数を1つだけ減らした場合であっても、表示すべきシリーズ画像がすべて配置可能か否かを試す。Z以上であると判定した場合にはステップS807に処理を進める。Z以上でないと判定した場合には、調整不要であるのでステップS808に処理を進める。
【0063】
ステップS807では、読影端末103の演算制御部304は、DivXから“1”を減算し、これを新たなDivXとする(決定手段)。つまり、DivXをデクリメントする。前述した一例では、Zが“6”、DivXが“4”、DivYが“2”であった。つまり、横4列×縦2列=8マス分の分割領域を設ければ、表示すべきシリーズ画像がすべて配置できるのだが、仮にDivXから1を減算すると横3列×縦2列となる。こうした場合でも6マス分の分割領域が設けられるので、すべてのシリーズ画像を配置できることがわかる。よって、DivXを“3”、DivYを“2”と最終決定する。このようにして、不要な分割領域が生まれないよう、最終調整を行う。
【0064】
ステップS808では、読影端末103の表示制御部302は、表示領域602の長辺方向にDivXの数だけ分割領域ができるよう列を設けると共に、表示領域602の短辺方向にDivYの数だけ分割領域ができるよう行を設ける。つまり、分割数であるDivXとDivYとを用いて表示領域602を分割する。これにより、シリーズ画像を配置するための分割領域が生成される。表示領域602の分割が完了したら、表示領域分割処理を終了し、表示領域分割処理の呼び出し元に処理を戻す。
【0065】
尚、本実施形態における表示領域分割処理では、ステップS803とステップS805とにおいてXとYとを切り上げていたがこれに限らない。例えば、Xを切り下げて、Yを切り上げた上で、ステップS806において「Z<=DivX×DivY」を満たすか否かを判定する。そして、これを満たす場合には、DivXの調整は行わないが、これを満たさない場合は、DivXをインクリメントして列を増やす形態であってもよい。また、Xを切り上げて、Yを切り下げた上で、ステップS806において「Z<=DivX×DivY」を満たすか否かを判定する。そして、これを満たす場合には、DivYの調整は行わないが、これを満たさない場合は、DivYをインクリメントして列を増やす形態であってもよい。このように分割数を増減させることで最終調整が行えればよい。
【0066】
更に、本実施形態では表示領域602に配置するシリーズの数に応じて、表示領域602の分割数を決定したが、シリーズ数ごとにあらかじめ縦と横の分割数を記憶しておく形態であってもよい。
【0067】
図7に説明を戻す。ステップS704では、読影端末103の表示制御部302は、表示領域分割処理で生成された分割領域に、すでに表示領域602にレイアウトされていた各シリーズ画像と、ステップS701で選択された検査の各シリーズ画像とを配置する。シリーズ画像をどの分割領域に配置するのか、またどういう順番で配置するのかについては特に問わない。配置が完了したら、ディスプレイ210に表示し、
図7に示す一連の処理を終了する。
【0068】
前述した一例(DivXを“3”、DivYを“2”)の分割結果を
図10に示す。
図10は、画像パレット領域601に表示された“検査1”が選択された場合の実行結果(つまり、Z=6、表示領域602の長辺の長さ=1920、表示領域602の短辺の長さ=1080の場合の結果)である。このように、シリーズ画像の数に応じて、適切な数の分割領域が生成されるように表示領域を分割することが可能となるので、ユーザである読影医がレイアウトを行う手間を軽減することが可能となる。
【0069】
ところで
図10に示す通り、配置されたシリーズ画像を閉じる(非表示にする)ための閉じるボタン604が分割領域ごとに設けられている。この閉じるボタン604に対する押下を受け付けると、押下された閉じるボタン604を備える分割領域に配置されたシリーズ画像が非表示になる。すなわち、配置されたシリーズ画像が分割領域から取り除かれる。
図12では、
図10で配置されたシリーズ画像のうち、2つのシリーズ画像が非表示になった場合の医用画像ビューワ600を示す。この状態では何も配置されていない分割領域によって表示領域602が占有されてしまうことになる。こうした場合に、ユーザは再配置ボタン603を押下することで、現在配置されているシリーズ画像のレイアウトのやり直しができる。以下、
図11を用いてこの説明を行う。
【0070】
図11は、再配置ボタン603が押下された場合の処理の流れの一例を示すフローチャートである。以下説明するS1101乃至S1104の各ステップは、読影端末103のCPU201が各機能部を動作することにより実行される処理である。
【0071】
ステップS1101では、読影端末103の入力制御部303は、再配置ボタン603に対する押下を検知したか否かを判定する。再配置ボタン603に対する押下を検知したと判定した場合には、ステップS1102に処理を進める。そうでない場合には、再配置ボタン603に対する押下を検知するまでステップS1101を繰り返し実行する。
【0072】
ステップS1102では、読影端末103の演算制御部304は、分割領域にすでに配置されているシリーズ画像のシリーズ数を、Zとする。
【0073】
ステップS1103では、読影端末103は、表示領域分割処理を実行する。ステップS1103ではステップS1102で定義したZの値を用いる。表示領域分割処理については前述した通りであるので、説明を省略する。
【0074】
ステップS1104では、読影端末103の表示制御部302は、表示領域分割処理で生成された分割領域に、元々レイアウトされていた各シリーズ画像を配置する。シリーズ画像をどの分割領域に配置するのか、またどういう順番で配置するのかについては特に問わない。配置が完了したら、ディスプレイ210に表示し、
図11に示す一連の処理を終了する。
図12に示すように、4つのシリーズ画像をレイアウトし直すと
図13に示すような状態となる。このように、分割領域に配置されたシリーズ画像が閉じられた場合であっても、再度当該シリーズ画像を画像パレット領域601から選択することなく、表示領域分割処理を実行しなおすことが可能となるので、ユーザの手間を軽減することができる。
【0075】
前述した
図7では、検査が選択された場合について説明したが、シリーズが選択された場合と患者が選択された場合についても、以下説明を行う。
【0076】
図14は、医用画像ビューワ600に表示されたシリーズが選択された場合の処理の流れの一例を示すフローチャートである。以下説明するS1401乃至S1404の各ステップは、読影端末103のCPU201が各機能部を動作することにより実行される処理である。
【0077】
ステップS1401では、読影端末103の入力制御部303は、画像パレット領域601に表示された1または複数のシリーズ(シリーズ名)に対する選択を検知したか否かを判定する(選択受付手段)。本実施形態では、画像パレット領域601に表示されたシリーズ名を表示領域602にドラッグアンドドロップした場合に、シリーズに対する選択を検知したと判定するものとする。また、シリーズ名を複数選択した状態でドラッグアンドドロップすると、複数のシリーズに対する選択を検知したと判定する。1または複数のシリーズに対する選択を検知したと判定した場合には、ステップS1402に処理を進める。そうでない場合には、1または複数のシリーズに対する選択を検知するまでステップS1401を繰り返し実行する。
【0078】
ステップS1402では、読影端末103の演算制御部304は、表示領域602にすでに配置されているシリーズ画像のシリーズ数に、選択されたシリーズのシリーズ数を加算する。この加算したものを、Zとする。
【0079】
ステップS1403では、読影端末103は、表示領域分割処理を実行する。ステップS1403ではステップS1402で定義したZの値を用いる。表示領域分割処理については前述した通りであるので、説明を省略する。
【0080】
ステップS1404では、読影端末103の表示制御部302は、表示領域分割処理で生成された分割領域に、すでに表示領域602にレイアウトされていた各シリーズ画像と、ステップS1401で選択されたシリーズの各シリーズ画像とを配置する。シリーズ画像をどの分割領域に配置するのか、またどういう順番で配置するのかについては特に問わない。配置が完了したら、ディスプレイ210に表示し、
図14に示す一連の処理を終了する。
【0081】
図15は、医用画像ビューワ600に表示された患者が選択された場合の処理の流れの一例を示すフローチャートである。以下説明するS1501乃至S1504の各ステップは、読影端末103のCPU201が各機能部を動作することにより実行される処理である。
【0082】
ステップS1501では、読影端末103の入力制御部303は、画像パレット領域601に表示された1または複数の患者(患者名)に対する選択を検知したか否かを判定する(選択受付手段)。本実施形態では、画像パレット領域601に表示された患者名を表示領域602にドラッグアンドドロップした場合に、患者に対する選択を検知したと判定するものとする。また、患者名を複数選択した状態でドラッグアンドドロップすると、複数の患者に対する選択を検知したと判定する。1または複数の患者に対する選択を検知したと判定した場合には、ステップS1502に処理を進める。そうでない場合には、1または複数の患者に対する選択を検知するまでステップS1501を繰り返し実行する。
【0083】
ステップS1502では、読影端末103の演算制御部304は、表示領域602にすでに配置されているシリーズ画像のシリーズ数に、選択された患者のすべての検査に対応するシリーズ数を加算する。この加算したものを、Zとする。
【0084】
ステップS1503では、読影端末103は、表示領域分割処理を実行する。ステップS1503ではステップS1502で定義したZの値を用いる。表示領域分割処理については前述した通りであるので、説明を省略する。
【0085】
ステップS1504では、読影端末103の表示制御部302は、表示領域分割処理で生成された分割領域に、すでに表示領域602にレイアウトされていた各シリーズ画像と、ステップS1501で選択された患者のすべての検査の各シリーズ画像とを配置する。シリーズ画像をどの分割領域に配置するのか、またどういう順番で配置するのかについては特に問わない。配置が完了したら、ディスプレイ210に表示し、
図15に示す一連の処理を終了する。
【0086】
このように、どういうまとまりでシリーズ画像を表示するのかを、患者を選択するのか、検査を選択するのか、シリーズを選択するのかによって切り替えることができるので、ある患者のシリーズ画像を1つずつ選択してレイアウトする必要がなくなる。
【0087】
以上説明したように、本実施形態によれば、複数のシリーズの医用画像を容易にレイアウトすることが可能となる。
【0088】
本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラム若しくは記憶媒体等としての実施形態も可能であり、具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用してもよいし、また、1つの機器からなる装置に適用してもよい。
【0089】
なお、本発明は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムを、システム或いは装置に直接、或いは遠隔から供給するものを含む。そして、そのシステム或いは装置のコンピュータが前記供給されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成される場合も本発明に含まれる。
【0090】
したがって、本発明の機能処理をコンピュータで実現(実行可能と)するために、前記コンピュータにインストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明は、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も含まれる。
【0091】
その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等の形態であってもよい。
【0092】
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RWなどがある。また、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVD(DVD−ROM,DVD−R)などもある。
【0093】
その他、プログラムの供給方法としては、クライアントコンピュータのブラウザを用いてインターネットのホームページに接続する。そして、前記ホームページから本発明のコンピュータプログラムそのもの、若しくは圧縮され自動インストール機能を含むファイルをハードディスク等の記録媒体にダウンロードすることによっても供給できる。
【0094】
また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムファイルを複数のユーザに対してダウンロードさせるWWWサーバも、本発明に含まれるものである。
【0095】
また、本発明のプログラムを暗号化してCD−ROM等の記憶媒体に格納してユーザに配布し、所定の条件をクリアしたユーザに対し、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせる。そして、ダウンロードした鍵情報を使用することにより暗号化されたプログラムを実行してコンピュータにインストールさせて実現することも可能である。
【0096】
また、コンピュータが、読み出したプログラムを実行することによって、前述した実施形態の機能が実現される。その他、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどが、実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現され得る。
【0097】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれる。その後、そのプログラムの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現される。
【0098】
なお、前述した実施形態は、本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。即ち、本発明はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。