【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成26年度国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構「橋脚・港湾構造物利用式潮流発電」委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1フレームおよび前記第2フレームは、前記整流体が前記水の流れを前記回転装置へ向かう方向に整流するように、前記水の流れの方向に応じて変形する弾性材料で形成される
ことを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の整流装置。
前記整流体は、前記回転装置を取り囲んで、前記回転装置を水中に固定するフレームを構成する複数のフレーム部材のうち、前記回転軸と平行に設けられるフレーム部材に軸支される
ことを特徴とする請求項1に記載の整流装置。
前記整流体は、前記水の流れを整流した状態において、前記回転装置へ向かう方向に向かうにつれて、前記フレーム部材の軸に沿う方向と前記回転装置へ向かう方向とに直交する方向の厚みが薄くなるように形成される
ことを特徴とする請求項10乃至請求項12の何れか一項に記載の整流装置。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書および添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
【0010】
尚、以下説明において、Y軸は回転軸100に沿う方向であり、X軸及びZ軸はY軸に垂直に交わる軸である。なお、
図1〜
図17において、同一の部材については同一の数字を付して説明する。なお、以下説明において、流体とは淡水や海水をいう。また、特に条件を明示していなければ、回転軸100およびフレーム130において流体の流れる方向の側を「下流側」と示し、流体の流れてくる方向の側を「上流側」と示すことがある。また、X軸に沿う方向を「X方向」と示し、Y軸に沿う方向を「Y方向」と示し、Z軸に沿う方向を「Z方向」と示すこともある。また、「X方向」、「Y方向」、「Z方向」のそれぞれにおける+側には「+」を付けて示し、−側には「−」を付けて示すこともある。また、整流装置におけるX軸とZ軸とを含む平面で区切った断面を「XZ断面」と示すこともある。
【0011】
===整流装置を配置する回転装置200===
<<回転装置200>>
図15、
図16、
図17を参照しつつ、本実施形態に係る整流装置が設置される回転装置200の構成について説明する。
図15は、発電装置1000の一例を示す構成図である。
図16は、回転装置200およびフレーム130の一例を示す斜視図である。
図17は、回転装置200に−X方向から流れてくる流体の流れの一例を示す平面図である。
【0012】
図15に示すように、回転装置200は、例えば発電装置1000の増速機300に回転軸100を介して回転力を伝達する装置である。また、増速機300は、回転軸100の回転速度を増速して発電機400に伝達する装置である。発電装置1000とは、例えば潮流発電装置を含む水力発電装置である。潮流発電装置は、潮汐により生じる潮流エネルギーを利用して水車を回転させることにより発電する発電装置である。水力発電装置は、潮流をはじめとする水流の運動エネルギーを回転エネルギーに変換して発電する発電装置である。本実施形態に係る整流装置が配置される回転装置200とは、例えばダリウス式などの垂直軸式の発電装置1000の回転装置200をいう。
【0013】
図16に示すように、回転装置200は、回転軸100、アーム110およびブレード120を含んで構成されている。回転軸100は、例えばY方向における一方の端部が増速機300に接続されている。回転軸100は、増速機300に回転力を伝達する。回転軸100は、後述するブレード120を+Y方向から見たときに、例えば時計周り方向(以下、「回転方向」と称する。)へ回転する。アーム110は、回転軸100とブレード120とをつないで、ブレード120に生じる回転方向への揚力を回転軸100に伝達する部材である。アーム110は、例えば回転軸100から放射状に延設され、回転軸100と反対側の端部がブレード120に接続されている。ブレード120は、流体の流れにより、回転方向への揚力を得る部材である。ブレード120は、回転軸100を中心に回転する。ブレード120は、アーム110を介して回転方向への揚力を、回転方向への回転力として回転軸100に伝達する。
【0014】
回転装置200は、例えば水中でフレーム130に固定される。フレーム130は、例えば回転軸100と平行するいずれかのフレーム部材131が湾岸や橋脚基礎などのコンクリート構造物に固定される。なお、フレーム130は、海底に設置されたコンクリートなどの基礎上に固定されることや、海面に設置される浮体に固定されてもよい。フレーム130は、例えば回転軸100が回動できるように、軸受140A,140Bを介して回転軸100を軸支している。
【0015】
図17に示すように、回転装置200は、流体の流れを受ける。流体は、回転装置200のブレード120に到達することにより、ブレード120に揚力を生じさせる。つまり、回転装置200は、ブレード120に到達する流体の運動エネルギーを多くすることにより、より大きな揚力を得られるため、流体の流れから得る動力を増大できる。
【0016】
そこで、本実施形態に係る整流装置は、回転装置200を取り囲んで、流体を回転装置200に集めるように配置される。以下、本実施形態に係る整流装置について詳細に説明する。
【0017】
===第1実施形態に係る整流装置10===
図1、
図2、
図3A、
図3Bを参照しつつ、第1実施形態に係る整流装置10について説明をする。
図1は、第1実施形態に係る整流装置10が配置された状態の一例を示す斜視図である。
図2は、第1実施形態に係る整流装置10の整流体11Fを拡大した一例を示す斜視図である。
図3Aは、第1実施形態に係る整流装置10が−X方向から流れてくる流体を整流している状況の一例を示す+Y方向から見た平面図である。
図3Bは、第1実施形態に係る整流装置10が+X方向から流れてくる流体を整流している状況の一例を示す+Y方向から見た平面図である。
【0018】
第1実施形態に係る整流装置10は、上流側から流れてくる流体を回転装置200に向かって整流する装置である。整流装置10による整流とは、回転装置200のブレード120に効率良く揚力が生じるように、例えば流体の流れを回転軸100へ向かう方向に変更することをいう。整流装置10は、整流体11A〜11Fと、軸受12と、軸支体13と、第1整流体用バネ14と、第1平板15Aと、第2平板15Bとを含んで構成されている。
【0019】
==整流装置10の構成==
<<整流体11A〜11F>>
整流体11A〜11Fは、回転装置200へ向かう方向に流体を整流する部材である。
図1に示すように、整流体11A〜11Fは、六つで構成されている。整流体11A〜11Fは、回転軸100を取り囲むように、回転軸100を中心にして放射状に林立して配置されている。整流体11A〜11Fは、回転装置200のブレード120に接触しないように配置されている。また、整流体11A〜11Fは、フレーム130で囲まれる領域において、フレーム130に接触しないように配置されている。
【0020】
整流体11A〜11Fは、XZ断面を+Y方向から見たときに、XY断面内において、中心を通る最も長い線分(以下、「長軸」と称する。)を境として対称に形成される。また、XY断面内において、中心を通る最も短い線分(以下、「短軸」と称する。)を境として対称に形成される。つまり、整流体11A〜11FのXY断面は、略楕円形状を呈する。これにより、整流体11A〜11Fは、流体をブレード120に向うように整流するとともに、フレーム130の下流側で生じうる流れの乱れや渦を抑制することもできる。また、整流体11A〜11Fは、Y方向に沿って連続的に形成され、少なくともブレード120と同じ長さであることが好ましい。整流体11A〜11Fは、例えば、ステンレス材料で形成されている。
【0021】
整流体11A〜11Fは、流体を回転軸100に向かって整流するときに、例えば長軸の延長線と回転軸100とが交わるように配置されている。より具体的に述べると、整流体11A,11Dは、例えば、回転軸100を挟んで、流体の流れに沿う方向(X方向)と長軸とが重なるように、夫々が対向して設けられている。そして、整流体11B,11Fは、整流体11Aを挟んで、回転軸100を中心に所定の角度をなして設けられる。また、整流体11C,11Eは、整流体11Dを挟んで、回転軸100を中心に所定の角度をなして設けられる。所定の角度とは、例えば鋭角である。
【0022】
整流体11A〜11Fは、例えば後述する軸支体13に後述する軸受12を介して回動可能に軸支されている。これにより、整流体11A〜11Fは、流体から力を受けたときに回動できる。軸受12については、詳細に後述する。
【0023】
整流体11A〜11Fは、例えば後述する第1平板15Aおよび第2平板15Bで上下方向(Y方向)から挟まれるように、軸支体13を介して取り付けられている。なお、整流体11A〜11Fは、軸支体13を介して第1平板15Aおよび第2平板15Bに取り付けられるか、軸支体13を介さずに直接的に第1平板15Aおよび第2平板15Bに取り付けされるか、いずれでもよい。第1平板15A、第2平板15Bおよび軸支体13については、詳細に後述する。
【0024】
図2に示すように、整流体11A〜11Fのうち、整流体11Fを代表として、以下のとおり説明する。整流体11Fは、例えば、後述する第1整流体用バネ14と接続されている。整流体11Fは、一方向(−X方向)から流体の力を受けたときに、例えば制限板133に整流体11Fの側面が当接することにより、回動が制限される。また、一方向とは反対の他方向(+X方向)から流体の力を受けたときに、第1整流体用バネ14の弾性付勢に抗して、流体の流れの方向(−X方向)に沿って回動する。なお、少なくとも整流体11B,11C,11Eにも同様に、第1整流体用バネ14が接続されている。また、制限板133は、フレーム130に固設されている。また、第1整流体用バネ14については、詳細に後述する。また、整流体11A〜11Fの動きについても、詳細に後述する。
【0025】
<<軸受12>>
軸受12は、軸支体13と整流体11A〜11Fとの間に設けられている。軸受12は、軸支体13と整流体11A〜11Fとの間に生じる回転摩擦力を抑制する部材である。つまり、軸受12は、整流体11A〜11Fおよび軸支体13に生じるエネルギー損失や発熱を抑制する。軸受12は、例えばステンレス材料で形成されるボールベアリングである。軸受12は、例えば整流体11A〜11Fが軸支体13に接触せずに回動できるように、整流体11A〜11Fの少なくとも一端部(+Y端部)および他端部(−Y端部)に設けられている。なお、軸受12は、整流体11A〜11Fが軸支体13の軸方向(Y方向)への移動を防止するために、例えばスラストカラーを備えていることが好ましい。
【0026】
<<軸支体13>>
軸支体13は、整流体11A〜11Fを軸支する部材である。軸支体13は、例えばステンレス材料で形成され、棒形状を呈している。
図1に示すように、軸支体13は、後述する第1平板15Aと第2平板15Bを繋ぐように、それらの円周部から垂直に延設される。夫々の軸支体13には、一方の端部(+Y端部)からもう一方の端部(−Y端部)にかけて、整流体11A〜11Fがそれぞれ軸支されている。これにより、整流体11A〜11Fは、第1平板15Aおよび第2平板15Bの円周部から回転軸100に向かって流体を整流できる。
【0027】
<<第1整流体用バネ14>>
第1整流体用バネ14は、整流体11B,11C,11E,11Fに弾性力を付与する部材である。第1整流体用バネ14は、例えばステンレス材料で形成されている。
【0028】
図2に示すように、例えば整流体11Fにおいて、第1整流体用バネ14は、一端が整流体11Fに接続され、他端が制限板133に接続されている。第1整流体用バネ14は、整流体11Fに対して制限板133に向かう方向へ弾性力を付与している。制限板133は、整流体11Fの回動範囲を制限する部材である。なお、第1整流体用バネ14は、整流体11B,11C,11Eにも同様に接続されている。
【0029】
図3Aに示すように、−X方向から+X方向に流れる流体中において、整流体11B,11Fは、第1整流体用バネ14の弾性力にしたがって回動する。その際、整流体11B,11Fは、下流側(+X方向側)の側面が制限板133に当接する。これにより、整流体11B,11Fは、流体の流れの方向への回動が制限されて、流体の流れを回転軸100に向かわせるように整流できる。つまり、制限板133は、整流体11B,11Fに対しては、その下流側(+X方向側)に設けられて、整流体11B,11Fが第1整流体用バネ14の弾性力にしたがって回動するときに、その回動を制限する。また、整流体11C,11Eは、その長軸が流体の流れに沿うように、第1整流体用バネ14の弾性力に抗して回動する。これにより、整流体11C,11Eは、流体の流れの抵抗を抑制できる。そして、整流体11C,11Eは、流体の流れが収まったときに、第1整流体用バネ14の弾性力にしたがって元の位置に戻る。
【0030】
図3Bに示すように、+X方向から−X方向に流れる流体中において、整流体11C,11Eは、第1整流体用バネ14の弾性力にしたがって回動する。その際、整流体11C,11Eは、下流側(−X方向側)の側面が制限板133に当接する。これにより、整流体11C,11Eは、流体の流れの方向への回動が制限されて、流体の流れを回転軸100に向かわせるように整流できる。つまり、制限板133は、整流体11C,11Eに対しては、その下流側(−X方向側)に設けられて、整流体11C,11Eが第1整流体用バネ14の弾性力にしたがって回動するときに、その回動を制限する。また、整流体11B,11Fは、その長軸が流体の流れに沿うように、第1整流体用バネ14の弾性力に抗して回動する。これにより、整流体11B,11Fは、流体の流れの抵抗を抑制できる。そして、整流体11B,11Fは、流体の流れが収まったときに、第1整流体用バネ14の弾性力にしたがって元の位置に戻る。
【0031】
まとめると、第1整流体用バネ14は、流体の流れの方向において、回転軸100における上流側に配置されるいずれかの整流体11B,11C,11E,11Fに対して、制限板133に向かう弾性力を与え、下流側に配置されるいずれかの整流体11B,11C,11E,11Fに対して、その回動する方向とは反対方向に弾性力を与える部材である。
【0032】
また、−X方向から+X方向に流れる流体中において、流体の流れを整流するには、整流体11A,11B,11Fのみ設けられていればよく、整流体11C,11D,11Eには、流体の流れの抵抗が生じる。一方、+X方向から−X方向に流れる流体中において、流体の流れを整流するには、整流体11C,11D,11Eのみ設けられていればよく、整流体11A,11B,11Fには、流体の流れの抵抗が生じる。したがって、少なくとも整流体11B,11C,11E,11Fには、X方向の潮流による抵抗を抑制するために、弾性力に抗して回動するように、第1整流体用バネ14が設けられている必要がある。
【0033】
<<第1平板15Aおよび第2平板15B>>
第1平板15Aおよび第2平板15Bは、フレーム130で囲まれる領域内で整流体11A〜11Fを保持するための部材である。第1平板15Aおよび第2平板15Bは、例えば、ステンレス材料で形成され、円板形状を呈する。
図1に示すように、第1平板15Aは、+Y方向側の軸受140Aに軸支されている。第2平板15Bは、−Y方向側の軸受140Bに軸支されている。第1平板15Aおよび第2平板15Bは、軸支体13が円周部に延設されている。第1平板15Aの平面と、第2平板15Bの平面とがY方向において対向するように配置されている。つまり、第1平板15Aと第2平板15Bとは、それぞれが軸支体13により繋がれている。第1平板15Aおよび第2平板15Bは、フレーム130で囲まれる領域内に配置されている。これにより、整流板11A〜11Fを取り付ける際に、フレーム130の構造に影響されず配置できる。なお、第1平板15Aおよび第2平板15Bは、軸受140Aおよび軸受140Bに軸支されているとして説明したが、フレーム130に固定されていてもよく、その支持方法が限定されるものではない。
【0034】
第1平板15Aおよび第2平板15Bは、軸受(不図示)と、平板用バネ16A,16Bと、を備えていてもよい。これにより、第1平板15Aおよび第2平板15Bは、流体の流れに応じて回転軸100を中心に回動することができる。平板用バネ16A,16Bは、例えば、一端が第1平板15Aおよび第2平板15Bに接続され、他端がフレーム130に接続される。平板用バネ16A,16Bは、第1平板15Aおよび第2平板15Bに弾性力を与える部材である。平板用バネ16Aは、+Y方向から見たときに、例えば反時計方向に弾性付勢されている。つまり、第1平板15Aが時計方向に回動するとき、反時計方向の弾性力が働いて元の位置に戻そうとする。平板用バネ16Bは、+Y方向から見たときに、例えば時計方向に弾性付勢されている。つまり、第1平板15Bが反時計方向に回動するとき、時計方向の弾性力が働いて元の位置に戻そうとする。これにより、整流体11A〜11Fが流体の流れの力を受けたときに、いずれの方向に回動しようとも、第1平板15Aおよび第2平板15Bの回動範囲は制限される。
【0035】
==整流装置10の動き==
図3A、
図3Bを参照しつつ、整流装置10の動きについて説明をする。
図3Aは、第1実施形態に係る整流装置10が−X方向から流れてくる流体を整流している状況の一例を示す+Y方向から見た平面図である。
図3Bは、第1実施形態に係る整流装置10が+X方向から流れてくる流体を整流している状況の一例を示す+Y方向から見た平面図である。
【0036】
図3Aに示すように、流体が−X方向から+X方向に向かって流れているとき、回転軸100の上流側において、整流体11B,11A,11Fは流体を回転軸100に向かうように整流し、回転軸100の下流側において、整流体11C,11D,11Eは流体との間で抵抗を生じさせないように流体の流れに沿って回動する。
【0037】
より具体的に述べると、整流体11Aは、流体の流れの乱れやカルマン渦などの渦の発生を抑制するように、長軸が流体の流れの方向(以下、「潮流方向」と称する。)に沿って回動する。また、整流体11B,11Fは、回転軸100の上流側において、本来であればブレード120にあたることのない流体を回転軸100に向かう方向に整流する。その際、整流体11B,11Fは、下流側(+X方向側)の側面が制限板133に当接することにより、流体の流れの方向への回動が制限されている。これにより、整流体11B,11Fの長軸の延長線と回転軸100とが交わるように維持される。また、整流体11C,11Eは、流体との間で抵抗を生じさせないように、第1整流体用バネ14の弾性力に抗して回動する。その状態において、整流体11C,11Eは、回動した方向とは反対側に弾性力が与えられるため、流体の流れが収まると、弾性力にしたがって元の状態に戻る。
【0038】
図3Bに示すように、流体が+X方向から−X方向に向かって流れているとき、回転軸100の上流側において、整流体11C,11D,11Eは流体を回転軸100に向かうように整流し、回転軸100の下流側において、整流体11B,11A,11Fは流体との間で抵抗を生じさせないように回動する。なお、整流体11A〜11Fの具体的な動きについては、
図3Aに示した整流体の動きにおける、整流体11Aを整流体11Dに置き換え、整流体11B,11Fを整流体11C,11Eに置き換え、整流体11C,11Eを整流体11B,11Fに置き換えたことと同等であるため、その説明を省略する。
【0039】
===第2実施形態に係る整流装置20===
図4、
図5、
図6A、
図6Bを参照しつつ、第2実施形態に係る整流装置20について説明をする。
図4は、第2実施形態に係る整流装置20が配置された状態の一例を示す斜視図である。
図5は、第2実施形態に係る整流装置20の整流体21Hを拡大した一例を示す斜視図である。
図6Aは、第2実施形態に係る整流装置20が−X方向から流れてくる流体を整流している状況の一例を示す+Y方向から見た平面図である。
図6Bは、第2実施形態に係る整流装置20が+X方向から流れてくる流体を整流している状況の一例を示す+Y方向から見た平面図である。
【0040】
第2実施形態に係る整流装置20は、整流体21A〜21Hと、軸受22と、軸支体23と、第1整流体用バネ24と、第1平板25A、第2平板25Bと、第2整流体用バネ26A,26Bと、を含んで構成されている。ここで、第2実施形態に係る整流装置20の整流体21A〜21Fと、軸受22と、軸支体23と、第1整流体用バネ24と、第1平板25Aと、第2平板25Bと、平板用バネ27A,27Bについては、第1実施形態に係る整流装置10の整流体11A〜11Fと、軸受12と、軸支体13と、第1整流体用バネ14と、第1平板15Aと、第2平板15Bと、平板用バネ16A,16Bの夫々と同じ構造のものであるため、その説明を省略する。よって、以下説明においては、第1実施形態に係る整流装置10と異なることのみ記載することとし、記載のない事項については、第1実施形態に係る整流装置10に同じものとする。
【0041】
==整流装置20の構成==
<<整流体21A〜21H>>
整流体21A〜21Hは、回転装置200へ向かう方向に流体を整流する部材である。
【0042】
図4に示すように、整流体21A〜21Hは、八つで構成されている。整流体21A〜21Hは、回転装置200のブレード120に接触しないように配置されている。整流体21A〜21Hは、回転軸100を取り囲むように、回転軸100を中心にして放射状に林立して配置されている。また、整流体21A〜21Hは、フレーム130で囲まれる領域において、フレーム130に接触しないように配置されている。整流体21A〜21Hは、流体を回転軸100に向かって整流するときに、例えば長軸の延長線と回転軸100とが交わるように配置されている。
【0043】
より具体的に述べると、整流体21A,21Dは、例えば、回転軸100を挟んで、流体の流れに沿う方向(X方向)と長軸とが重なるように、夫々が対向して設けられている。そして、整流体21B,21Fは、整流体21Aを挟んで、回転軸100を中心に所定の角度をなして設けられている。また、整流体21C,21Eは、整流体21Dを挟んで、回転軸100を中心に所定の角度をなして設けられている。所定の角度とは、鋭角である。また、整流体21G,21Hは、流体の流れがない状態において、長軸がZ方向と重なるように配置されている。つまり、整流体21G,21Hは、流体の流れを最も強く受けるように、潮流方向に対して長軸が垂直に交わるように配置されている。
【0044】
図5に示すように、例えば整流体21Hには、後述する第2整流体用バネ26A,26Bが接続されている。整流体21Hは、X方向から流体の流れに対して、第2整流体用バネ26A,26Bによる弾性力に抗して回動する。第2整流体用バネ26A,26Bについては、詳細に後述する。また、整流体21A〜21Hの動きについても、詳細に後述する。
【0045】
<<第2整流体用バネ26A,26B>>
第2整流体用バネ26A,26Bは、整流体21G,21Hに弾性力を付与する部材である。弾性力を付与することにより、X方向からの流れに対して整流体21G,21Hの回動を制限する。第2整流体用バネ26A,26Bは、例えばステンレス材料で形成されている。
【0046】
図5に示すように、例えば整流体21Hにおいて、第2整流体用バネ26A,26Bは、一端が整流体21Hに接続され、他端が軸支体23に接続されている。第2整流体用バネ26Aは、例えば+X方向に弾性力を付与している。第2整流体用バネ26Bは、例えば−X方向に弾性力を付与している。つまり、第2整流体用バネ26Aと、第2整流体用バネ26Bと、はそれぞれ反対方向に弾性力を付与している。言い換えると、+X方向から−X方向に向かう潮流、−X方向から+X方向に向かう潮流のいずれに対しても、整流体21Hは弾性力に抗して回動する。これにより、第2整流体用バネ26A,26Bは、流体の流れを受けたとき、整流体21HをX方向側に所定の角度だけ傾かせる。所定の角度とは、例えば45度をいう。なお、第2整流体用バネ26A,26Bは、整流体21Gにも同様に接続されている。
【0047】
==整流装置20の動き==
図6A、
図6Bを参照しつつ、整流装置20の動きについて説明する。
図6Aは、第2実施形態に係る整流装置20が−X方向から流れてくる流体を整流している状況の一例を示す+Y方向から見た平面図である。
図6Bは、第2実施形態に係る整流装置20が+X方向から流れてくる流体を整流している状況の一例を示す+Y方向から見た平面図である。
【0048】
図6Aに示すように、流体が−X方向から+X方向に向かって流れているとき、整流体21A〜21Hは、回転軸100の上流側では流体が回転軸100に向かうように整流し、回転軸100の下流側では流体と整流体との間で抵抗が生じないように回動する。
【0049】
より具体的に述べると、整流体21Aは、流体の流れの乱れやカルマン渦などの渦の発生を抑制するように、長軸が潮流方向に沿って回動する。また、整流体21B,21Fは、回転軸100の上流側において、本来であればブレード120にあたらず下流側に通過する流体を回転軸100に向かう方向に整流する。その際、整流体21B,21Fは、下流側(+X方向側)の側面が制限板133に当接することにより、軸支体23を中心にした反時計方向への回動が制限されている。これにより、整流体21B,21Fの長軸の延長線と回転軸100とが交わるように維持される。また、整流体21G,21Hは、回転軸100の上流側と下流側の境において、本来であればブレード120にあたらず下流側に通過する流体をブレード120に向かう方向に整流する。その際、整流体21G,21Hは、第2整流体用バネ26A,26Bの弾性力に抗して回動し、潮流方向に対して所定の角度を有して維持される。また、整流体21C,21Eは、流体との間で抵抗を生じさせないように、第1整流体用バネの弾性力に抗して回動する。その状態において、整流体21C,21Eは、回動した方向とは反対側に弾性力が与えられるため、流体の流れが収まると、弾性力にしたがって元の状態に戻る。
【0050】
図6Bに示すように、流体が+X方向から−X方向に向かって流れているとき、整流体21A〜21Hは、回転軸100の上流側では流体が回転軸100に向かうように整流し、回転軸100の下流側では流体と整流体との間で抵抗が生じないように回動する。なお、整流体21A〜21Hの具体的な動きについては、
図6Aに示した整流体21A〜21Hの動きにおける、整流体21Aを整流体21Dに置き換え、整流体21B,21Fを整流体21C,21Eに置き換え、整流体21C,21Eを整流体21B,21Fに置き換えたことと同じであるため、その説明を省略する。なお、整流体21G,21Hについては、
図6Aに示す流体に対する動きと同様の動きをする。
【0051】
===第3実施形態に係る整流装置30===
図7、
図8A、
図8Bを参照しつつ、第3実施形態に係る整流装置30について説明する。
図7は、第3実施形態に係る整流装置30が配置された状態の一例を示す斜視図である。
図8Aは、第3実施形態に係る整流装置30が−X方向から流れてくる流体を整流している状況の一例を示す+Y方向から見た平面図である。
図8Bは、第3実施形態に係る整流装置30が+X方向から流れてくる流体を整流している状況の一例を示す+Y方向から見た平面図である。
【0052】
第3実施形態に係る整流装置30は、整流体31A〜31Dと、軸受32と、軸支体33と、第1整流体用バネ34と、第1平板35Aと、第2平板35Bを含んで構成されている。ここで、第3実施形態に係る整流装置30の整流体31A〜31Dと、軸受32と、軸支体33と、第1整流体用バネ34と、第1平板35Aと、第2平板35B、平板用バネ36A,36Bについては、第1実施形態に係る整流装置10の整流体11B,11C,11E,11Fと、軸受12と、軸支体13と、第1整流体用バネ14と、第1平板15Aと、第2平板15Bと、平板用バネ16A,16Bと同じ構造のものであるため、その説明を省略する。よって、以下説明においては、第1実施形態に係る整流装置10と異なることのみ記載することとし、記載のない事項については、第1実施形態に係る整流装置10と同じものとする。
【0053】
==整流装置30の構成==
<<整流体31A〜31D>>
整流体31A〜31Dは、回転装置200へ向かう方向に流体を整流する部材である。
【0054】
図7に示すように、整流体31A〜31Dは、四つで構成されている。整流体31A〜31Dは、回転装置200のブレード120に接触しないように配置されている。整流体31A〜31Dは、回転軸100を取り囲むように、回転軸100を中心にして放射状に林立して配置されている。また、整流体31A〜31Dは、フレーム130で囲まれる領域において、フレーム130に接触しないように配置されている。整流体31A〜31Dは、流体を回転軸100に向かって整流するときに、例えば長軸の延長線と回転軸100とが交わるように配置されている。整流体31A〜31Dは、軸支体33に回動可能に軸支されていてもよいし、第1平板35Aおよび第2平板35Bに上下方向(Y方向)から挟まれて固定されていてもよい。
【0055】
==整流装置30の動き==
図8A、
図8Bを参照しつつ、整流装置30の動きについて説明する。
図8Aは、第3実施形態に係る整流装置30が−X方向から流れてくる流体を整流している状況の一例を示す+Y方向から見た平面図である。
図8Bは、第3実施形態に係る整流装置30が+X方向から流れてくる流体を整流している状況の一例を示す+Y方向から見た平面図である。
【0056】
図8Aに示すように、流体が−X方向から+X方向に向かって流れているとき、整流体31A〜31Dは、回転軸100の上流側では流体が回転軸100に向かうように整流し、回転軸100の下流側では流体と整流体31A〜31Dとの間で抵抗を生じさせないように回動する。
【0057】
より具体的に述べると、整流体31A,31Bは、回転軸100の上流側において、本来であればブレード120にあたらず下流側に通過する流体を回転軸100に向かう方向に整流する。その際、整流体31A,31Bは、下流側(+X方向側)の側面が制限板133に当接することにより、軸支体33を中心にした反時計方向への回動が制限されている。これにより、整流体31A,31Bの長軸の延長線と回転軸100とが交わるように維持される。また、整流体31C,31Dは、流体との間で抵抗を生じさせないように、第1整流体用バネ34の弾性力に抗して回動する。その状態において、整流体31C,31Dは、回動した方向とは反対側に弾性力が与えられるため、流体の流れが収まると、弾性力にしたがって元の状態に戻る。
【0058】
図8Bに示すように、流体が+X方向から−X方向に向かって流れているとき、整流体31A〜31Dは、回転軸100の上流側では流体が回転軸100に向かうように整流し、回転軸100の下流側では流体と整流体との間で抵抗が生じないように回動する。なお、整流体31A〜31Dの具体的な動きについては、
図8Aに示した整流体31A〜31Dの動きにおける、整流体31Aを整流体31Cに置き換え、整流体31Bを整流体31Dに置き換え、整流体31Cを整流体31Aに置き換え、整流体31Dを整流体31Bに置き換えたことと同じであるため、その説明を省略する。
【0059】
===第4実施形態に係る整流装置40===
図9、
図10を参照しつつ、第4実施形態に係る整流装置40について説明する。
図9は、第4実施形態に係る整流装置40が配置された状態の一例を示す斜視図である。
図10は、第4実施形態に係る整流装置40の整流体を拡大した一例を示す斜視図である。
【0060】
第4実施形態に係る整流装置40は、フレーム部材131および軸支体43に配置されて、流体を整流する装置である。整流装置40は、整流体41A〜41Fと、軸受42と、軸支体43と、第1フレーム用バネ44とを含んで構成されている。
【0061】
==整流装置40の構成==
<<整流体41A〜41F>>
整流体41A〜41Fは、回転装置200へ向かう方向に流体を整流する部材である。
図9に示すように、整流体41A〜41Fは、フレーム部材131に軸支される整流体41B,41C,41E,41Fと、隣り合うフレーム部材131の間に設けられて軸支体43に軸支される整流体41A,41Dと、で構成されている。整流体41A,41Dは、Z方向で隣り合うフレーム部材131の夫々から等しい距離を隔てて配置されている。整流体41A〜41Fは、流体を回転軸100に向かって整流するときに、例えば長軸の延長線と回転軸100とが交わるように配置されている。
【0062】
整流体41A〜41Fは、XZ断面を+Y方向から見たときに、XY断面内において、中心を通る最も長い長軸を境として対称に形成さる。また、XY断面内にいて、中心を通る最も短い短軸を境として対称に形成される。つまり、整流体41A〜41FのXY断面は、略楕円形状を呈する。これにより、整流体41A〜41Fは、フレーム130の下流側で生じうる流れの乱れや渦を抑制しつつ、流体をブレード120に向うように整流できる。また、整流体41A〜41Fは、Y方向に沿って連続的に形成され、少なくともブレード120と同じ長さであることが好ましい。整流体41A〜41Fは、ブレード120に接触しない程度の長軸の長さを有する。整流体41A〜41Fは、例えば、ステンレス材料で形成されている。
【0063】
整流体41A,41Dは、例えば後述する軸支体43に軸受42を介して回動可能に軸支されている。また、整流体41B,41C,41E,41Fは、フレーム部材131に軸受42を介して回動可能に軸支されている。これにより、整流体41A〜41Fは、流体から力を受けたときに回動できる。なお、軸支体43については、詳細に後述する。
【0064】
図10に示すように、整流体41A〜41Fのうち、整流体41Fを代表として、以下のとおり説明する。整流体41Fは、例えば後述する第1フレーム用バネ44と接続されている。整流体41Fは、一方向(−X方向)から流体の力を受けたときに、例えば制限板133に整流体41Fの側面が当接することにより、回動が制限される。また、一方向とは反対の他方向(+X方向)から流体の力を受けたときに、第1整流体用バネ44の弾性付勢に抗して、流体の流れの方向(−X方向)に沿って回動する。なお、少なくとも整流体41B,41C,41Eにも同様に第1フレーム用バネ44が接続されている。なお、整流体41A〜41Fの動きについては、詳細に後述する。
【0065】
<<軸支体43>>
軸支体43は、整流体41A,41Dを軸支する部材である。軸支体43は、例えばステンレス材料で形成され、棒形状を呈している。
図9に示すように、軸支体43は、隣接するフレーム部材131をつなぐZ方向に沿う二つのフレーム部材132をY方向に沿ってつなぐように設けられている。夫々の軸支体43には、一端部(+Y端部)から他端部(−Y端部)にかけて、整流体41A,41Dがそれぞれ軸支されている。
【0066】
<<第1フレーム用バネ44>>
第1フレーム用バネ44は、整流体41B,41C,41E,41Fに弾性力を付与する部材である。第1フレーム用バネ44は、例えばステンレス材料で形成されている。
【0067】
図10に示すように、例えば整流体41Fにおいて、第1フレーム用バネ44は、一端が整流体41Fに接続され、他端が制限板133に接続されている。第1フレーム用バネ44は、整流体41Fに対して制限板133に向かう方向へ弾性力を付与している。制限板133は、整流体41Fの回動範囲を制限する部材である。なお、第1フレーム用バネ44は、整流体41B,41C,41Eにも同様に接続されている。
【0068】
−X方向から+X方向に流れる流体中において、整流体41B,41Fは、第1フレーム用バネ44の弾性力にしたがって回動する。その際、整流体41B,41Fは、下流側(+X方向側)の側面が制限板133に当接する。これにより、整流体41B,41Fは、流体の流れの方向への回動が制限されて、流体の流れを回転軸100に向かわせるように整流できる。つまり、制限板133は、整流体41B,41Fに対しては、その下流側(+X方向側)に設けられて、整流体41B,41Fが第1フレーム用バネ44の弾性力にしたがって回動するときに、その回動を制限する。また、整流体41C,41Eは、その長軸が流体の流れに沿うように、第1フレーム用バネ44の弾性力に抗して回動する。これにより、整流体41C,41Eは、流体の流れの抵抗を抑制できる。そして、整流体41C,41Eは、流体の流れが収まったときに、第1フレーム用バネ44の弾性力にしたがって元の位置に戻る。
【0069】
+X方向から−X方向に流れる流体中において、整流体41C,41Eは、第1フレーム用バネ44の弾性力にしたがって回動する。その際、整流体41C,41Eは、下流側(−X方向側)の側面が制限板133に当接する。これにより、整流体41C,41Eは、流体の流れの方向への回動が制限されて、流体の流れを回転軸100に向かわせるように整流できる。つまり、制限板133は、整流体41C,41Eに対しては、その下流側(−X方向側)に設けられて、整流体41C,41Eが第1フレーム用バネ44の弾性力にしたがって回動するときに、その回動を制限する。また、整流体41B,41Fは、その長軸が流体の流れに沿うように、第1フレーム用バネ44の弾性力に抗して回動する。これにより、整流体41B,41Fは、流体の流れの抵抗を抑制できる。そして、整流体41B,41Fは、流体の流れが収まったときに、第1フレーム用バネ44の弾性力にしたがって元の位置に戻る。
【0070】
まとめると、第1フレーム用バネ44は、流体の流れの方向における回転軸100における、上流側に配置されるいずれかの整流体41B,41C,41E,41Fに対して、制限板133に向かう弾性力を与え、下流側に配置されるいずれかの整流体41B,41C,41E,41Fに対して、その回動する方向とは反対方向に弾性力を与える部材である。
【0071】
==整流装置40の動き==
第4実施形態に係る整流装置40の動きは、第1実施形態に係る整流装置10の動きにおける整流体11A〜11Fを整流体41A〜41Fに置き換えたことと同等であるため、その説明を省略する。
【0072】
===第5実施形態に係る整流装置50===
図11、
図12を参照しつつ、第5実施形態に係る整流装置50について説明する。
図11は、第5実施形態に係る整流装置50が配置された状態の一例を示す斜視図である。
図12は、第5実施形態に係る整流装置50の整流体51Hを拡大した一例を示す斜視図である。
【0073】
第5実施形態に係る整流装置50は、整流体51A〜51Hと、軸受52と、軸支体53と、第1フレーム用バネ54と、第2フレーム用バネ55A,55Bを含んで構成されている。ここで、第5実施形態に係る整流装置50の整流体51A〜51Fと、軸受52と、軸支体53と、第1フレーム用バネ54については、第4実施形態に係る整流装置40の整流体41A〜41Fと、軸受42と、軸支体43と、第1フレーム用バネ44の夫々と同じ構造のものであるため、その説明を省略する。また、第5実施形態に係る整流装置50の整流体51G,51Hと、第2フレーム用バネ55A,55Bと、については、第2実施形態に係る整流装置20の整流体21G,21Hと、第2整流体用バネ26A,26Bと、同じ構造のものであるため、その説明を省略する。よって、以下説明においては、第4実施形態に係る整流装置40および第2実施形態に係る整流装置20と異なることのみ記載することとし、記載のない事項については、第4実施形態に係る整流装置40および第2実施形態に係る整流装置20に同じものとする。
【0074】
==整流装置50の構成==
<<整流体51A〜51H>>
整流体51A〜51Hは、回転装置200へ向かう方向に流体を整流する部材である。
【0075】
図11に示すように、整流体51A〜51Hは、八つで構成されている。整流体51G,51Hは、例えば軸支体53に軸受52を介して回動可能に軸支されている。整流体51G,51Hは、Z方向で隣り合うフレーム部材131の夫々から等しい距離を隔てて配置されている。整流体51G,51Hは、流体の流れがない状態において、長軸がZ方向と重なるように配置されている。つまり、整流体51G,51Hは、流体の流れを多く受けられるように、潮流方向に対して長軸が垂直に交わるように配置されている。
【0076】
<<第2フレーム用バネ55A,55B>>
第2整流体用バネ55A,55Bは、整流体51G,51Hに弾性力を付与する部材である。弾性力を付与することにより、X方向からの流れに対して整流体51G,51Hの回動を制限する。第2整流体用バネ55A,55Bは、例えばステンレス材料で形成されている。
【0077】
図12に示すように、例えば整流体51Hにおいて、第2整流体用バネ55A,55Bは、一端が整流体51Hに接続され、他端が軸支体53に接続されている。第2整流体用バネ55Aは、例えば+X方向に弾性力を付与している。第2整流体用バネ55Bは、例えば−X方向に弾性力を付与している。つまり、第2整流体用バネ55Aと、第2整流体用バネ55Bとはそれぞれ反対方向に弾性力を付与している。言い換えると、+X方向から−X方向に向かう潮流、−X方向から+X方向に向かう潮流のいずれに対しても、整流体21Hは弾性力に抗して回動する。これにより、第2整流体用バネ55A,55Bは、流体の流れを受けたとき、整流体51HをX方向側に所定の角度だけ傾かせる所定の角度とは、例えば45度をいう。なお、第2整流体用バネ55A,55Bは、整流体51Gにも同様に接続されている。
【0078】
==整流装置50の動き==
第5実施形態に係る整流装置50の動きは、第2実施形態に係る整流装置20の動きにおける整流体21A〜21Hを整流体51A〜51Hに置き換えたことと同等であるため、その説明を省略する。
【0079】
===第6実施形態に係る整流装置60===
図13を参照しつつ、第6実施形態に係る整流装置60について説明する。
図13は、第6実施形態に係る整流装置60が配置された状態の一例を示す斜視図である。
【0080】
第6実施形態に係る整流装置60は、整流体61A〜61Dと、軸受62と、第1フレーム用バネ63を含んで構成されている。ここで、第6実施形態に係る整流装置60の整流体61A〜61Dと、軸受62と、第1フレーム用バネ63については、第4実施形態に係る整流装置40の整流体41F,41B,41C,41Eと、軸受42と、第1フレーム用バネ44と同じ構造のものであるため、その説明を省略する。よって、以下説明においては、第4実施形態に係る整流装置40と異なることのみ記載することとし、記載のない事項については、第4実施形態に係る整流装置40と同じものとする。
【0081】
==整流装置60の構成==
<<整流体61A〜61D>>
整流体61A〜61Dは、回転装置200へ向かう方向に流体を整流する部材である。
【0082】
図13に示すように、整流体61A〜61Dは、四つで構成されている。整流体61A〜61Dは、流体を回転軸100に向かって整流するときに、例えば長軸の延長線と回転軸100とが交わるように配置されている。整流体61A〜61Dは、フレーム部材131に軸受62を介して回動可能に軸支されている。これにより、整流体61A〜61Dは、流体から力を受けたときに回動できる。
【0083】
==整流装置60の動き==
第6実施形態に係る整流装置60の動きは、第4実施形態に係る整流装置40の動きにおける整流体41F,41B,41C,41Eを整流体61A,61B,61C,61Dに置き換えたことと同等であるため、その説明を省略する。
【0084】
尚、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、例えば、本発明には以下のようなものも含まれる。
【0085】
===他の実施形態===
<<整流体11A〜11F,21A〜21H,31A〜31D,41A〜41F,51A〜51H,61A〜61D>>
上記において、整流体11A〜11F,21A〜21H,31A〜31D,41A〜41F,51A〜51H,61A〜61DのXZ断面が略楕円形状を呈しているとして説明したが、これに限定されない。例えば、軸支体13,23,33,43,53またはフレーム部材131から平板上のものが延設されていてもよい。また、軸支体13,23,33,43,53またはフレーム部材131の軸から整流する方向に向かうに従って幅が狭くなるような三角形状を呈するようなものでもよい。
【0086】
<<軸受12,22,32,42,52,62>>
上記において、整流装置10〜60には軸受12,22,32,42,52,62が含まれて構成されるように説明したが、これに限定されない。例えば、整流装置10〜60に軸受12,22,32,42,52,62が設けられていなくてもよく、整流体(11A〜11F,21A〜21H,31A〜31D,41A〜41F,51A〜51H,61A〜61D)の+Y方向の端部および−Y方向の端部で、軸支体13,23,33,43,53またはフレーム部材131に対してY方向に移動しないように回動可能に設けられていればよい。
【0087】
<<第1整流体用バネ14,24,34>>
上記において、整流装置10,20,30には、第1整流体用バネ14,24,34が含まれて構成されるように説明したが、これに限定されない。第1整流体用バネ14,24,34は、設けられていなくてもよい。第1整流体用バネ14,24,34の代わりに、例えば整流体(11A〜11F,21A〜21H,31A〜31D)が回動しようとするときに、動きが制限されるようなものを設けてもよい。具体的には、整流体(11A〜11F,21A〜21H,31A〜31D)において、制限板133と当接する側面と反対側の側面に当接する棒状の制限体(不図示)がフレーム130の所定の箇所から吊り下げられていていてもよい。
【0088】
<<第2整流体用バネ26A,26B>>
上記において、整流装置20には、第2整流体用バネ26A,26Bが含まれて構成されるように説明したが、これに限定されない。第2整流体用バネ26A,26Bは、設けられていなくてもよい。第2整流体用バネ26A,26Bの代わりに、例えば整流体21G,21HがX方向に回動しようとするときに、動きが制限されるようなものを設けてもよい。具体的には、流体の流れがない状態において、整流体21G,21Hにおいて、回動を制限したい側の側面と当接する棒状の制限体(不図示)がフレーム130から吊り下げられていていてもよい。
【0089】
<<軸支体13,23,33>>
上記において、整流装置には、軸支体13,23,33が含まれて構成されるように説明したが、これに限定されない。軸支体13,23,33は、設けられていなくてもよく、第1平板15A,25A,35Aおよび第2平板15B,25B,35Bで整流体(11A〜11F,21A〜21H,31A〜31D)を上下方向(Y方向)から挟んで固定してもよい。
【0090】
<<第1フレーム用バネ44,54,63>>
上記において、整流装置40,50,60には、第1フレーム用バネ44,54,63が含まれて構成されるように説明したが、これに限定されない。第1フレーム用バネ44,54,63は、設けられていなくてもよい。第1フレーム用バネ44,54,63の代わりに、例えば整流体(41A〜41F,51A〜51H,61A〜61D)が一方向に回動しようとするときに、動きが制限されるようなものを設けてもよい。具体的には、整流体(41A〜41F,51A〜51H,61A〜61D)において、制限板133と当接する側面と反対側の側面に当接する棒状の制限体(不図示)がフレーム130の所定の箇所から吊り下げられていていてもよい。
【0091】
<<第2フレーム用バネ55A,55B>>
上記において、整流装置50には、第2フレーム用バネ55A,55Bが含まれて構成されるように説明したが、これに限定されない。第2フレーム用バネ55A,55Bは、設けられていなくてもよい。第2フレーム用バネ55A,55Bの代わりに、例えば整流体51G,51HがX方向に回動しようとするときに、動きが制限されるようなものを設けてもよい。具体的には、流体の流れがない状態において、整流体51G,51Hにおいて、回動を制限したい側の側面と当接する棒状の制限体(不図示)がフレーム130から吊り下げられていていてもよい。
【0092】
<<第1平板15A,25A,35Aおよび第2平板15B,25B,35B>>
上記において、整流装置10〜30には、第1平板15A,25A,35Aおよび第2平板15B,25B,35Bが含まれて構成されるように説明したが、これに限定されない。第1平板15A,25A,35Aおよび第2平板15B,25B,35Bは、設けられていなくてもよい。この場合、軸支体13,23,33をフレーム130に接続して整流体(11A〜11F,21A〜21H,31A〜31D)を軸支して構成すればよい。
【0093】
また、上記において、第1平板15A,25A,35Aおよび第2平板15B,25B,35Bは、円板形状(平板形状)を呈するとして説明したが、これに限定されない。例えば、
図14に示すように、回転軸100を中心として放射状に延設される、例えば棒形状を呈する第1フレーム部材75Aおよび第2フレーム部材75Bであってもよい。この場合、第1,第2フレーム部材75A,75Bは、上下方向(Y方向)から挟むように、それぞれの整流体71A〜71Fを支持する。整流体71A〜71Fは、軸支体73を介して第1,第2フレーム部材75A,75Bに取り付けられている。
【0094】
さらに、第1,第2フレーム部材75A,75Bは、弾性材料で形成されていてもよい。例えば、整流体71B,71Fを支持する第1,第2フレーム部材75A,75Bをとり上げて説明する。流体が−X方向から+X方向に流れている場合、整流体71B,71Fを支持する第1,第2フレーム部材75A,75Bは、XZ平面に沿って、回転体100を中心にZ軸に向かって湾曲する。これにより、流水から受ける抵抗を抑制しつつ、流体の流れを回転装置200に集めることができる。
【0095】
===まとめ===
以上説明したように、本実施形態に係る整流装置10〜60は、回転軸100に取り付けられて流体の流れを受けて回転軸100を回転させるブレード120を有する回転装置200において、ブレード120と接触せずに、回転装置200を取り囲むように設けられ、回転装置200を取り囲む領域において流体の流れを回転装置200へ向かう方向に整流する整流体(11A〜11F,21A〜21H,31A〜31D,41A〜41F,51A〜51H,61A〜61D)を備える。本実施形態によれば、流体の流れを回転装置200に集めることができるため、発電電力量の増大が図れる。
【0096】
また、本実施形態に係る整流装置10〜30において、第1平板15A,25A,35Aと、整流体(11A〜11F,21A〜21H,31A〜31D)を第1平板15A,25A,35Aとで挟んで保持する第2平板15B,25B,35Bと、をさらに備える。本実施形態によれば、フレーム130の構造によらず整流装置10〜30を配置できるため、製作コストの低減が図れる。
【0097】
また、本実施形態に係る整流装置10〜30において、第1平板15A,25A,35Aと第2平板15B,25B,35Bとの間に設けられ、整流体(11A〜11F,21A〜21H,31A〜31D)が流体の流れに応じて回動するように、整流体(11A〜11F,21A〜21H,31A〜31D)を軸支する軸支体13,23,33と、をさらに備える。本実施形態によれば、流体の流れの変化にも対応することにより、流体の流れを集めることができるため、発電電力量の増大が図れる。
【0098】
また、本実施形態に係る整流装置70において、
図14に示すように、第1フレーム部材75Aと、整流体71A〜71Fを第1フレーム部材75Aとで挟んで保持する第2フレーム部材75Bと、をさらに備える。本実施形態によれば、第1平板15A,25A,35Aおよび第2平板15B,25B,35Bと比較して、材料に要するコストを著しく縮減できる。
【0099】
また、本実施形態に係る整流装置70において、
図14に示すように、第1フレーム部材75Aと第2フレーム部材75Bとの間に設けられ、整流体71A〜71Fが水の流れに応じて回動するように、整流体71A〜71Fを軸支する軸支体73と、をさらに備える。本実施形態によれば、フレーム130の構造によらず整流装置70を配置できるため、製作コストの低減が図れる。
【0100】
また、本実施形態に係る整流装置10〜30において、整流体(11A〜11F,21A〜21H,31A〜31D)が流体の流れを回転装置200へ向かう方向に整流するように、整流体(11A〜11F,21A〜21H,31A〜31D)に対して弾性付勢する第1整流体用バネ14,24,34または第2整流体用バネ26A,26Bの少なくとも一方をさらに備える。本実施形態によれば、流体の流れを効率よく集めるように整流体(11A〜11F,21A〜21H,31A〜31D)を傾斜させることができるため、発電電力量の増大が図れる。
【0101】
また、本実施形態に係る整流装置10〜30において、整流体(11A〜11F,21A〜21H,31A〜31D)が流体の流れを回転装置200へ向かう方向に整流するように、第1平板15A,25A,35Aおよび第2平板15B,25B,35Bに対して弾性付勢する平板用バネ16A,16B,27A,27B,36A,36Bと、をさらに備える。本実施形態によれば、流体の流れを効率よく集められるように、第1平板15A,25A,35Aおよび第2平板15B,25B,35Bを回動させることができるため、発電電力量の増大が図れる。
【0102】
また、本実施形態に係る整流装置70において、第1フレーム部材75Aおよび第2フレーム部材75Bは、整流体71A〜71Fが流体の流れを回転装置200へ向かう方向に整流するように、流体の流れの方向に応じて変形する弾性材料で形成される。本実施形態によれば、流体の流れを効率よく集められるように、第1フレーム部材75Aおよび第2フレーム部材75を弾性変形させることができるため、発電電力量の増大が図れる。
【0103】
また、本実施形態に係る整流装置10〜30において、流体の流れに沿って整流体(11A〜11F,21A〜21H,31A〜31D)が回動するように、整流体(11A〜11F,21A〜21H,31A〜31D)と軸支体13,23,33との間に設けられる軸受12,22,32と、をさらに備える。本実施形態によれば、スムーズに整流体(11A〜11F,21A〜21H,31A〜31D)を回動させられるため、流体の流れを効率よく集めることができる。
【0104】
また、本実施形態に係る整流装置40〜60において、整流体(41A〜41F,51A〜51H,61A〜61D)は、回転装置200を取り囲んで、回転装置200を水中に固定するフレーム130を構成する複数のフレーム部材のうち、回転軸100と平行に設けられるフレーム部材131に軸支される。本実施形態によれば、既存のフレーム部材131に設置することができるため、コスト縮減が図れる。
【0105】
また、本実施形態に係る整流装置40〜60において、整流体(41A〜41F,51A〜51H,61A〜61D)が流体の流れを回転装置200へ向かう方向に整流するように、整流体(41A〜41F,51A〜51H,61A〜61D)に対して弾性付勢する第1フレーム用バネ44,54,63または第2フレーム用バネ55A,55Bの少なくとも一方と、をさらに備える。本実施形態によれば、流体の流れを効率よく集めるように整流体(41A〜41F,51A〜51H,61A〜61D)を傾斜させることができるため、発電電力量の増大が図れる。
【0106】
また、本実施形態に係る整流装置40〜60において、流体の流れに沿って整流体(41A〜41F,51A〜51H,61A〜61D)が回動するように、整流体(41A〜41F,51A〜51H,61A〜61D)とフレーム部材131との間に設けられる軸受42,52,62と、をさらに備える。本実施形態によれば、スムーズに整流体(41A〜41F,51A〜51H,61A〜61D)を回動させられるため、流体の運動エネルギーを効率よく集めることができる。
【0107】
また、本実施形態に係る整流装置40〜60において、整流体(41A〜41F,51A〜51H,61A〜61D)は、流体の流れを整流した状態において、回転装置200へ向かう方向に向かうにつれて、フレーム部材131の軸に沿う方向と回転装置200へ向かう方向とに直交する方向の厚みが薄くなるように形成される。本実施形態によれば、流体抵抗を生じさせることなく流体の運動エネルギーを効率よく集めることができる。
回転軸に取り付けられて水の流れを受けて前記回転軸を回転させるブレードを有する回転装置において、前記ブレードと接触せずに、前記回転装置を取り囲むように設けられ、前記回転装置を取り囲む領域において前記水の流れを前記回転装置へ向かう方向に整流する整流体を備えることを特徴とする。