特許第6632019号(P6632019)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6632019
(24)【登録日】2019年12月20日
(45)【発行日】2020年1月15日
(54)【発明の名称】監視システム
(51)【国際特許分類】
   G08B 13/196 20060101AFI20200106BHJP
   G08B 25/00 20060101ALI20200106BHJP
   G08B 25/10 20060101ALI20200106BHJP
   H04M 11/04 20060101ALI20200106BHJP
   H04W 4/10 20090101ALI20200106BHJP
【FI】
   G08B13/196
   G08B25/00 510M
   G08B25/10 D
   H04M11/04
   H04W4/10
【請求項の数】6
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2019-144547(P2019-144547)
(22)【出願日】2019年8月6日
【審査請求日】2019年8月13日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】711002915
【氏名又は名称】株式会社サークル・ワン
(74)【代理人】
【識別番号】100116296
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幹生
(72)【発明者】
【氏名】一丸 敏雄
【審査官】 田畑 利幸
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2017/0099455(US,A1)
【文献】 特開2015−027036(JP,A)
【文献】 国際公開第2016/084959(WO,A1)
【文献】 特開2007−288281(JP,A)
【文献】 特開2018−064162(JP,A)
【文献】 特開平09−070029(JP,A)
【文献】 特開2006−014149(JP,A)
【文献】 特開2010−282316(JP,A)
【文献】 特開2005−055668(JP,A)
【文献】 ProPTT2 Developers,Client overview,[online],2019年 5月20日,"9. PTT Processing Type",[検索日 2019.11.25] InternetArchive でキャプチャ日時を確認 [参照 URL https://web.archive.org/web/20190520093842/https://dev.proptt2.com/docs-client-overview.html],URL,https://dev.proptt2.com/docs-client-overview.html
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08B 13/00−15/02
G08B 19/00−31/00
H04M 11/00−11/10
H04W 4/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視対象となる場所の状況を撮影するカメラと、監視対象となる場所に設置されてカメラの映像を指令室に送信する通信機と、監視対象場所の映像が映し出された画面を備えた指令室モニターと、指令室に設置された指令側マイクとを備え、
監視対象場所の映像が映し出された画面のPTTボタンがクリックされると、指令側マイクのPTTボタンがオンとなり、指令室からの音声信号が通信回線を介して監視対象場所の通信機に送られ、指令室からの音声による指示が監視対象場所に送信され、
指令室からの音声による指示が監視対象場所に送信されると、クリックされた画面の映像を送信した監視対象場所からの音声情報が前記通信機を介して指令室に送信できる状態となる指令応答手段を備えており、
前記指令応答手段は、指令室と監視対象場所との間で相互に通信可能な状態となって、監視対象場所からの音声情報が前記通信機を介して指令室に送信されるものであり、
指令室と監視対象場所との間で相互に通信可能な状態下において、送信されている音声が、指令室からのものであるか監視対象場所からのものであるかを判定する音声方向判定手段を備え、
前記音声方向判定手段によって、音声が指令室からのものであると判断されると、音声を監視対象場所に送信し、音声が監視対象場所からのものであると判断されると、音声を指令室へ送信することを特徴とする監視システム。
【請求項2】
監視対象となる場所の状況を撮影するカメラと、監視対象となる場所に設置されてカメラの映像を指令室に送信する通信機と、監視対象場所の映像が映し出された画面を備えた指令室モニターと、指令室に設置された指令側マイクとを備え、
監視対象場所の映像が映し出された画面のPTTボタンがクリックされると、指令側マイクのPTTボタンがオンとなり、指令室からの音声信号が通信回線を介して監視対象場所の通信機に送られ、指令室からの音声による指示が監視対象場所に送信され、
指令室からの音声による指示が監視対象場所に送信されると、クリックされた画面の映像を送信した監視対象場所からの音声情報が前記通信機を介して指令室に送信できる状態となる指令応答手段を備えており、
前記指令応答手段は、指令室と監視対象場所との間で相互に通信可能な状態となって、監視対象場所からの音声情報が前記通信機を介して指令室に送信されるものであり、
指令室と監視対象場所との間で相互に通信可能な状態下において、送信されている音声が、指令室からのものであるか監視対象場所からのものであるかを判定する音声方向判定手段を備え、
前記音声方向判定手段によって、指令室からの音声と監視対象場所からの音声とが混合していると判断されると、その混合音声を指令室と監視対象場所とに送信し、指令室に送信される音声からは、指令室から発せられた音声を消去し、監視対象場所に送信される音声からは、監視対象場所から発せられた音声を消去するエコーキャンセル手段を備えていることを特徴とする監視システム。
【請求項3】
前記指令室モニターには、個別の監視対象場所の映像が映し出された複数の画面が表示されるとともに、選択された複数の監視対象場所を表示する統合画面が表示され、当該統合画面のPTTボタンがクリックされると、指令側マイクのPTTボタンがオンとなり、指令室からの音声信号が通信回線を介して、該当するグループ化された複数の監視対象場所の通信機に送られ、指令室からの指示が該当するグループ化された複数の監視対象場所に送信されることを特徴とする請求項1または2記載の監視システム。
【請求項4】
指令室からの音声による指示がグループ化された複数の監視対象場所に送信されると、該当するグループ化された複数の監視対象場所からの音声情報が前記通信機を介して指令室に送信できる状態となるグループ化指令応答手段を備えていることを特徴とする請求項3記載の監視システム。
【請求項5】
前記指令室モニターには、全ての監視対象場所に対して送信するための一斉通信画面が表示され、一斉通信画面のPTTボタンがクリックされると、指令側マイクのPTTボタンがオンとなり、指令室からの音声信号が通信回線を介して、全ての監視対象場所の通信機に送られ、指令室からの指示が全ての監視対象場所に送信されることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の監視システム。
【請求項6】
指令室からの音声による指示が全ての監視対象場所に送信されると、全ての監視対象場所からの音声情報が前記通信機を介して指令室に送信できる状態となる一斉指令応答手段を備えていることを特徴とする請求項5記載の監視システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、警備や災害監視等のために設置される監視システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、防犯上の理由から、監視カメラが数多く設置されるようになり、監視領域における人物等の監視対象を撮影することが多くなっており、犯罪捜査の解決に寄与している事例も報告されている。
【0003】
この種の監視カメラを警備対象地域に数多く配置して、監視領域において事件などの所定の事象が発生した場合に、監視対象場所の運営者である警備会社や警察等に報知、報告等を行う警備システムが利用されている。また、災害の発生状況を監視するために、自治体が管理地域に監視カメラを配置して、防災本部等で集中管理するケースも存在している。
【0004】
特許文献1には、監視領域における人物等の監視対象の行動に関する追跡情報を視覚的に容易に得ることを目的とした警備システムが開示されている。
【0005】
【特許文献1】特開2017−40982号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このような監視システムにおいては、各地域に配置された監視カメラの画像が指令室に送られ、指令室のマルチ画面に映し出されて、指令室においてその状況を監視するのが通常である。その場合に、特定の監視カメラに映し出された映像から、指令室でその特定の場所で異常事態が生じていると判断したときに、より詳細な情報を得たいと思ったときは、監視カメラが設置された場所に配置されている人員に対して、無線機を用いて詳細情報を取得することがなされる。
【0007】
しかし、画像による異常事態の把握から、無線機によって事情聴取を行うまでには、無線機の操作を行う必要があることによって、ある程度の時間を要してしまう。しかし、犯罪の発生や災害の発生時には、この時間ロスが大きな損失を生じる原因となりかねない。
【0008】
本発明は、このよう事情を考慮してなされたもので、監視場所からの映像が送られる指令室と監視場所との間の通信を簡単な操作により短時間で行うことを可能とする監視システムを提供する目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
以上の課題を解決するために、本発明の監視システムは、監視対象となる場所の状況を撮影するカメラと、監視対象となる場所に設置されてカメラの映像を指令室に送信する通信機と、監視対象場所の映像が映し出された画面を備えた指令室モニターと、指令室に設置された指令側マイクとを備え、監視対象場所の映像が映し出された画面のPTTボタンがクリックされると、指令側マイクのPTTボタンがオンとなり、指令室からの音声信号が通信回線を介して監視対象場所の通信機に送られ、指令室からの音声による指示が監視対象場所に送信されることを特徴とする。
【0010】
指令室において監視者が、指令室モニターに表示される特定の監視対象場所の映像を見て、異常事態の発生を感じたときには、当該監視対象場所の映像が映し出された画面のPTTボタンをクリックすることによって、指令側マイクのPTTボタンがオンとなり、指令室からの音声信号が通信回線を介して監視対象場所の通信機に送られ、指令室からの音声による指示が監視対象場所に送信される。
【0011】
そのため、従来から行われているように、異常が検知された監視対象場所に駐在する係員に対して、無線通信機等のような別個の装置を用いて指令を伝達する必要がなく、指令室モニターによって一元化された指令の伝達が可能となる。従って、無線通信機等のような別個の装置を操作するために必要となる時間を要することなく、指令室と監視場所との間の通信を簡単な操作により短時間で行うことができる。
【0012】
本発明の監視システムにおいては、指令室からの音声による指示が監視対象場所に送信されると、クリックされた画面の映像を送信した監視対象場所からの音声情報が前記通信機を介して指令室に送信できる状態となる指令応答手段を備えている。
【0013】
このような指令応答手段を備えていることにより、指令室からの指示に対応して、応答用マイクから通信回線によって瞬時に指令室へ応答を行うことができる。
【0014】
本発明の監視システムにおいては、前記指令応答手段は、指令室からの音声情報の送信が終了すると自動的に監視対象場所からの音声待機状態となり、応答用マイクに音声の受信が開始され、音声信号がVOX回路に入力されることによって、応答用マイクのPTTボタンがオンとなるものとすることができる。
【0015】
応答用マイクに音声の受信が開始され、音声信号がVOX回路に入力されることがトリガーとなって、応答用マイクのPTTボタンがオンとなるため、監視対象場所から指令室へのレスポンスを直接的にタイミングよく行うことができる。
【0016】
本発明の監視システムにおいては、前記指令応答手段は、指令室からの音声情報の送信が終了すると、予め設定された時間が経過するまでの間、自動的に応答用マイクのPTTボタンがオンとなるものとすることができる。
【0017】
VOX回路を用いる場合には、監視対象場所での雑音を拾うことによる誤動作が生じる場合があり、静かな環境下では極めて有効であるものの、騒音を生じやすい工事現場等には適していないのに対して、指令室からの音声情報の送信終了後、予め設定された時間が経過するまでの間、自動的に応答用マイクのPTTボタンがオンとなるようになっていることにより、騒音を発生しやすい場所が監視対象場所である場合であっても、誤動作を起こすことなく、監視対象場所から指令室へのレスポンスを正確に行うことができる。
【0018】
本発明の監視システムにおいては、前記指令応答手段は、指令室と監視対象場所との間で相互に通信可能な状態となって、監視対象場所からの音声情報が前記通信機を介して指令室に送信されるものとすることができる。
【0019】
このように、指令室と監視対象場所との間で相互に通信可能な状態とすることにより、どのタイミングでも、指令室からの指令と監視対象場所からの応答を行うことができる。これは、特に災害発生時のような緊急事態の場合や、工事現場の作業中において、機械の動作に関する予期せぬ事態が発生した場合のように、一刻も早く監視対象場所の状況を指令室に通知したい場合に有効である。
【0020】
本発明の監視システムにおいては、指令室と監視対象場所との間で相互に通信可能な状態下において、送信されている音声が、指令室からのものであるか監視対象場所からのものであるかを判定する音声方向判定手段を備えていることとすることができる。
【0021】
指令室と監視対象場所との間で相互に通信可能な状態では、指令室と監視対象場所のどちらから音声が発せられているかを判断する必要があるが、音声方向判定手段を備えていることにより、送信されている音声が、指令室からのものであるか監視対象場所からのものであるかを判定することができ、指令室と監視対象場所との間の情報伝達を適正に行うことができる。
【0022】
本発明の監視システムにおいては、前記音声方向判定手段によって、音声が指令室からのものであると判断されると、音声を監視対象場所に送信し、音声が監視対象場所からのものであると判断されると、音声を指令室へ送信することとすることができる。
【0023】
指令室と監視対象場所との間で相互に通信可能な状態下において、指令室からの音声と監視対象場所からの音声とが混合せずに、いずれか一方のみの音声が検知されている場合には、音声方向判定手段によって音声方向の検知を行うことにより、音声の送信方向を適正に定めることができる。
【0024】
本発明の監視システムにおいては、前記音声方向判定手段によって、指令室からの音声と監視対象場所からの音声とが混合していると判断されると、その混合音声を指令室と監視対象場所とに送信し、指令室に送信される音声からは、指令室から発せられた音声を消去し、監視対象場所に送信される音声からは、監視対象場所から発せられた音声を消去するエコーキャンセル手段を備えていることとすることができる。
【0025】
指令室と監視対象場所との間で相互に通信可能な状態下において、指令室からの音声と監視対象場所からの音声とが混合している場合には、その混合音声を指令室と監視対象場所の両方に送信する。その際、混合音声のままでは聞き取りにくいため、エコーキャンセル手段により、指令室に送信される音声からは、指令室から発せられた音声を消去し、監視対象場所に送信される音声からは、監視対象場所から発せられた音声を消去する。そうすることにより、緊急事態に対応するための双方向通信可能状態においても、適正な情報伝達が可能となる。
【0026】
本発明の監視システムにおいては、前記指令室モニターには、個別の監視対象場所の映像が映し出された複数の画面が表示されるとともに、選択された複数の監視対象場所を表示する統合画面が表示され、当該統合画面のPTTボタンがクリックされると、指令側マイクのPTTボタンがオンとなり、指令室からの音声信号が通信回線を介して、該当するグループ化された複数の監視対象場所の通信機に送られ、指令室からの指示が該当するグループ化された複数の監視対象場所に送信されることとすることができる。
【0027】
統合画面によって、グループ化された複数の監視対象場所に対して、指令室モニターによって一元化された指令の伝達が可能となる。
【0028】
本発明の監視システムにおいては、指令室からの音声による指示がグループ化された複数の監視対象場所に送信されると、該当するグループ化された複数の監視対象場所からの音声情報が前記通信機を介して指令室に送信できる状態となるグループ化指令応答手段を備えていることとすることができる。
【0029】
グループ化指令応答手段により、指令室が求める、該当するグループ化された複数の監視対象場所からの応答をスムーズに行うことができる。
【0030】
本発明の監視システムにおいては、前記指令室モニターには、全ての監視対象場所に対して送信するための一斉通信画面が表示され、一斉通信画面のPTTボタンがクリックされると、指令側マイクのPTTボタンがオンとなり、指令室からの音声信号が通信回線を介して、全ての監視対象場所の通信機に送られ、指令室からの指示が全ての監視対象場所に送信されることとすることができる。
【0031】
一斉通信画面によって、全ての監視対象場所に対して、指令室モニターによって一元化された指令の伝達が可能となる。
【0032】
本発明の監視システムにおいては、指令室からの音声による指示が全ての監視対象場所に送信されると、全ての監視対象場所からの音声情報が前記通信機を介して指令室に送信できる状態となる一斉指令応答手段を備えていることとすることができる。
【0033】
一斉指令応答手段により、指令室が求める、全ての監視対象場所からの応答をスムーズに行うことができる。
【発明の効果】
【0034】
本発明によると、監視場所からの映像が送られる指令室と監視場所との間の通信を簡単な操作により短時間で行うことを可能とする監視システムを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】本発明の実施形態に係る監視システムの構成を示す図である。
図2】監視対象場所からの指令応答手段について説明する図である。
図3】監視対象場所からの指令応答手段について説明する図である。
図4】監視対象場所からの指令応答手段について説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下に、本発明の監視システムを、その実施形態に基づいて説明する。
図1に、本発明の実施形態に係る監視システムの構成を示す。
本発明の監視システムは、監視対象場所1の状況を撮影するカメラ2と、監視対象場所1に設置されてカメラ2の映像を指令室6に送信する通信機3と、監視対象場所1の映像が映し出された画面4を備えた指令室モニター5と、指令室6に設置された指令側マイク7を備えている。監視対象場所1には応答用マイク8と現場スピーカー9が備えられ、指令室6には指令室スピーカー10が備えられている。
【0037】
監視対象場所1の映像が映し出される画面4にはPTTボタン11が表示されており、この画面4を備えた指令コンピューター12は、サーバー13に接続されている。指令コンピューター12とサーバー13と、監視対象場所1の通信機3とは、基地局14を介してインターネット回線によって接続されている。
【0038】
監視対象場所1において、カメラ2と応答用マイク8は、通信機3に接続されており、通信機3のSIM番号に紐づけされた音声、映像をサーバー13に送信することができる。サーバー13は、通信機3から送信されるSIM番号を利用して、指令コンピューター12に音声通信を行うことができ、SIM番号に紐づけされた映像に映像用アドレスを付加して、映像配信を行うことができる。
【0039】
指令室6において監視者が、指令室モニター5に表示される特定の監視対象場所1の映像を見て、その現場における異常事態の発生を感じたときには、当該監視対象場所1の映像が映し出された画面4のPTTボタン11をクリックすると、指令側マイク7のPTTボタンがオンとなり、指令室6からの音声信号が通信回線を介して監視対象場所1の通信機3に送られ、指令室6からの音声による指示が監視対象場所1の現場スピーカー9から発せられる。
【0040】
このように、監視対象場所1の映像が映し出された画面4のPTTボタン11がクリックされると、指令側マイク7のPTTボタンがオンとなり、指令室6からの音声信号が通信回線を介して監視対象場所の通信機3に送られ、指令室6からの音声による指示が監視対象場所1に送信される指令送信手段を有している。
【0041】
そのため、従来から行われているように、異常が検知された監視対象場所1に駐在する係員に対して、無線通信機等のような別個の装置を用いて指令を伝達する必要がなく、指令室モニター5によって一元化された指令の伝達が可能となる。従って、無線通信機等のような別個の装置を操作するために必要となる時間を要することなく、指令室6と監視対象場所1との間の通信を簡単な操作により短時間で行うことができる。
【0042】
指令室6からの音声による指示が監視対象場所1に送信されると、クリックされた画面4の映像を送信した監視対象場所1からの音声情報が通信機3を介して指令室6に送信できる状態となる。これが指令応答手段として機能する。
【0043】
このような指令応答手段を備えていることにより、応答用マイク8から通信回線によって指令室6へ応答を行うことができる。指令応答手段の具体例については、後に詳述する。
【0044】
指令室モニター5には、個別の監視対象場所1の映像が映し出された複数の画面4が表示されるとともに、選択された複数の監視対象場所1を表示する統合画面15が表示される。図1においては、映像1、映像2、映像3のそれぞれについての個別画面の他に、映像1と映像2とをグループ化したグループ通信1画面が設けられている。当該統合画面15のPTTボタンがクリックされると、指令側マイク7のPTTボタンがオンとなり、指令室6からの音声信号が通信回線を介して、該当するグループ化された複数の監視対象場所1の通信機3に送られ、指令室6からの指示が該当するグループ化された複数の監視対象場所1に送信される。
【0045】
指令室6からの音声による指示がグループ化された複数の監視対象場所1に送信されると、該当するグループ化された複数の監視対象場所1からの音声情報が通信機3を介して指令室6に送信できる状態となる。これがグループ化指令応答手段として機能する。
【0046】
また、指令室モニター5には、全ての監視対象場所1に対して送信するための一斉通信画面16が表示される。一斉通信画面16のPTTボタンがクリックされると、指令側マイク7のPTTボタンがオンとなり、指令室6からの音声信号が通信回線を介して、全ての監視対象場所1の通信機に送られ、指令室6からの指示が全ての監視対象場所1に送信される。
【0047】
指令室6からの音声による指示が全ての監視対象場所1に送信されると、全ての監視対象場所1からの音声情報が通信機3を介して指令室6に送信できる状態となる。これが一斉指令応答手段として機能する。
【0048】
図2から図4に基づいて、監視対象場所からの指令応答手段について説明する。
図2は、指令応答手段の第一実施形態を示しており、指令室6からの音声情報の送信が終了すると自動的に音声待機状態となり、応答用マイク8に音声の受信が開始されて音声が検知されると、音声信号がVOX回路に入力されることによって、応答用マイク8のPTTボタンがオンとなり、応答用マイク8からの音声がオンとなる。これにより、監視対象場所1から指令室6への音声送信がなされる。音声が検知されないと、応答用マイク8のPTTボタンはオフのままである。
【0049】
このように、応答用マイク8に音声の受信が開始され、音声信号がVOX回路に入力されることがトリガーとなって、応答用マイク8のPTTボタンがオンとなるため、監視対象場所から指令室へのレスポンスを直接的にタイミングよく行うことができる。
【0050】
図3は、指令応答手段の第二実施形態を示しており、指令室6のコンピューターからの音声情報の送信の終了が確認されると、応答用マイク8のPTTボタンがオンとなる。応答用マイク8のPTTボタンがオンとなった時刻を起点として、予め設定された時間が経過したか否かの判断がなされ、予め設定された時間が経過するまでの間、応答用マイク8のPTTボタンがオンとなった状態が維持され、応答用マイク8からの音声がオンとなり、応答用マイク8からの応答可能な状態が維持される。これにより、監視対象場所1から指令室6への音声送信がなされる。
【0051】
その一方、応答用マイク8のPTTボタンがオンとなった時刻を起点として、予め設定された時間が経過すると、応答用マイク8のPTTボタンはオフとなり、応答用マイク8からの応答可能な状態は一旦解除されて、指令室6から指令を発せられる状態となる。そのため、指令室6から再度指令を送った後、再び応答用マイク8のPTTボタンをオンとし、応答用マイク8のPTTボタンがオンとなった時刻を起点として、予め設定された時間が経過するまでの間、応答用マイク8のPTTボタンがオンとなった状態が維持されるようにする。応答用マイク8のPTTボタンがオンとなった状態を維持するための設定時間は、指令室側で状況に応じて適宜変更することができる。指令室6側では、このような動作を必要に応じて繰り返すことができ、監視対象場所1からの応答を、時間を区切って催促することができる。
【0052】
VOX回路を用いる場合には、監視対象場所での雑音を拾うことによる誤動作が生じる場合があり、静かな環境下では極めて有効であるものの、騒音を生じやすい工事現場等には適していないのに対して、第二実施形態のように、指令室6からの音声情報の送信終了後、予め設定された時間が経過するまでの間、自動的に応答用マイクのPTTボタンがオンとなるようになっていることにより、騒音を発生しやすい場所が監視対象場所1である場合であっても、誤動作を起こすことなく、監視対象場所1から指令室6へのレスポンスを正確に行うことができる。
【0053】
図4は、指令応答手段の第三実施形態を示しており、指令室6と監視対象場所1との間で相互に通信可能な状態下において、送信されている音声が、指令室6からのものであるか監視対象場所1からのものであるかを判定する音声方向判定手段17を備えている。
【0054】
指令室6からの音声をB音、監視対象場所1からの音声をA音とすると、指令室6と監視対象場所1との間で相互に通信可能な状態では、A音とB音とが音声混合される。この混合された音声に対して、音声方向判定手段17により、指令室6と監視対象場所1のどちらから音声が発せられているかが判断される。
【0055】
指令室6と監視対象場所1との間で相互に通信可能な状態下において、指令室6からの音声と監視対象場所1からの音声とが混合せずに、いずれか一方のみの音声が検知されている場合には、音声方向判定手段17によって音声方向の検知を行うことにより、音声の送信方向を適正に定めることができる。
【0056】
具体的には、音声方向判定手段17によって、音声が指令室6からのものであると判断されると、音声を監視対象場所1に送信し、音声が監視対象場所1からのものであると判断されると、音声を指令室6へ送信する。
【0057】
指令室6と監視対象場所1との間で相互に通信可能な状態下において、指令室6からの音声と監視対象場所1からの音声とが混合している場合には、その混合音声を指令室6と監視対象場所1の両方に送信する。その際、混合音声のままでは聞き取りにくいため、エコーキャンセル手段18により、指令室6に送信される音声からは、指令室6から発せられた音声を消去し、監視対象場所1に送信される音声からは、監視対象場所1から発せられた音声を消去する。そうすることにより、緊急事態に対応するための双方向通信可能状態においても、適正な情報伝達が可能となる。このように、エコーキャンセル手段18は、指令室6に送信される音声からは、指令室6から発せられた音声を消去し、監視対象場所1に送信される音声からは、監視対象場所1から発せられた音声を消去するものである。
【0058】
以上説明したように、指令室6と監視対象場所1との間で相互に通信可能な状態とすることにより、どのタイミングでも、指令室6からの指令と監視対象場所1からの応答を行うことができる。これは、特に災害発生時のような緊急事態の場合や、工事現場の作業中において、機械の動作に関する予期せぬ事態が発生した場合のように、一刻も早く監視対象場所1の状況を指令室6に通知したい場合に有効である。
【0059】
上述した指令応答手段によって、監視対象場所1においては、監視システムに一体として組み込まれた応答用マイク8によって、指令室6への応答を、ハンズフリーでタイムリーに行うことができる。
【0060】
図2から図4に基づいて説明した、指令応答手段の各実施形態は、指令室6からの音声による指示がグループ化された複数の監視対象場所1に送信されると、グループ化された複数の監視対象場所1からの音声情報が通信機3を介して指令室6に送信できる状態となるグループ化指令応答手段にも適用することができる。また、指令室6からの音声による指示が全ての監視対象場所1に送信されると、全ての監視対象場所1からの音声情報が通信機3を介して指令室6に送信できる状態となる一斉指令応答手段にも適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明は、監視場所からの映像が送られる指令室と監視場所との間の通信を簡単な操作により短時間で行うことを可能とする監視システムとして、警備や防災の現場において広く利用することができる。
【符号の説明】
【0062】
1 監視対象場所
2 カメラ
3 通信機
4 画面
5 指令室モニター
6 指令室
7 指令側マイク
8 応答用マイク
9 現場スピーカー
10 指令室スピーカー
11 PTTボタン
12 指令コンピューター
13 サーバー
14 基地局
15 統合画面
16 一斉通信画面
17 音声方向判定手段
18 エコーキャンセル手段
【要約】
【課題】監視場所からの映像が送られる指令室と監視場所との間の通信を簡単な操作により短時間で行うことを可能とする監視システムを提供する。
【解決手段】監視対象場所1の状況を撮影するカメラ2と、監視対象場所1に設置されてカメラ2の映像を送信する通信機3と、監視対象場所1の映像が映し出された画面4を備えた指令室モニター5と、指令室6に設置された指令側マイク7を備えている。監視者が、指令室モニター5に表示される特定の監視対象場所1の映像に異常事態の発生を感じたときには、当該監視対象場所1の映像が映し出された画面4のPTTボタン11をクリックすると、指令側マイク7のPTTボタンがオンとなり、指令室6からの音声による指示が監視対象場所1の現場スピーカー9から発せられる。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4