(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記測定結果提供部は、前記第1の結果と前記第2の結果に、前記第1のランディングページと前記第2のランディングページに対する同じ配送先からのアクセスを測定した第3の結果を含める、請求項1又は2に記載の広告効果測定システム。
前記測定結果提供部は、第2の事業者が複数の場合に、それぞれに対応する前記第2のランディングページに対する同じ配送先からのアクセスを測定した第4の結果を含める、請求項1〜4のいずれか1項に記載の広告効果測定システム。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
【0010】
<実施の形態1>
<紙広告システムの全体構成>
図1は、実施の形態1に係る紙広告システム1の全体構成の一例を説明する図である。
図1に示す紙広告システム1は、インターネット5に接続された複数の端末により構成されている。
図1の場合、端末は、印刷物の印刷を依頼するメディアオーナが使用するメディアオーナシステム10と、印刷物への相乗り広告を希望する広告主が使用する広告主システム20と、メディアオーナと広告主の広告を印刷した印刷物を用いた広告の効果を測定する広告効果測定サーバ30と、メディアオーナから示された条件を満たす1又は複数の印刷事業者に印刷物の印刷を発注する印刷受発注管理システム40の4つである。
【0011】
本実施の形態における印刷物は、表面に絵、写真等の画像や文字が印刷されている物体をいう。印刷物には、例えば葉書やチラシ、書籍や雑誌、貼り付けて使用されるシールやラベル、他の物体を包装又は収容する包装紙や容器も含まれる。本実施の形態では、印刷物を紙に限定しない。例えば印刷物は、プラスチックやプラスチックフィルムでもよい。
以下では、印刷物を総称して物理的なメディア又は印刷メディアと表現する。なお、画像や文字が印刷される物体である紙に注目する場合には、紙メディアということもある。
本実施の形態における紙メディアには、インターネット5に開設されるウェブページ(以下「サイト」ともいう)にアクセスを誘導するQRコードやバーコードが印刷されている。ここでのQRコードやバーコードは、画像コードの一例である。
【0012】
本実施の形態の場合、メディアオーナは、広告枠付き紙メディアの印刷と配送先への配送を依頼する事業者をいう。メディアオーナは、第1の事業者の一例である。
本実施の形態で使用する広告枠付きの紙メディアには、メディアオーナ以外の事業者の広告を印刷するための広告枠が1つ又は複数設けられているものとする。広告枠は、広告を印刷するための領域の範囲を規定する。
もっとも、メディアオーナが印刷を依頼する紙メディアは、他の事業者との相乗り広告が許容されていればよい。
本実施の形態では、特に言及しない場合、紙メディアは、ダイレクトメール葉書を想定する。
【0013】
本実施の形態の場合、広告主は、前述した広告枠への出稿を希望する事業者をいう。広告主は、第2の事業者の一例である。
なお、メディアオーナが印刷を発注する紙メディアへの広告の相乗りが許容される広告主は、メディアオーナと広告主の双方から許可が与えられるだけでは足りず、相乗り広告について双方から要求される条件を満たすこと、紙メディアの配送先となる個々の消費者等60の属性情報と広告主が出稿を希望する広告の内容とが合致することも求められる。
また、広告主は、1つの印刷の依頼に対して複数であることを妨げない。例えばメディアオーナの広告は共通でも、ある配送先には「広告主1」の広告が相乗り広告の対象となり、別の配送先には「広告主2」の広告が相乗り広告の対象となることがある。後述するように、メディアオーナの広告も配送先毎にパーソナライズされる。このように、本実施の形態では、紙メディアに印刷される広告の内容が配送先毎にパーソナライズされる。
【0014】
本実施の形態における広告効果測定サーバ30は、メディアオーナによる紙メディアの印刷の発注を印刷受発注管理システム40に仲介する事業者(以下「仲介事業者」という)が使用する端末である。
本実施の形態における広告効果測定サーバ30には、紙メディアに印刷された広告の効果を測定する機能が設けられている。具体的には、紙メディアの印刷を依頼したメディアオーナの広告の効果、相乗り広告の相手方に決定された広告主の広告の効果、相乗り広告の相乗効果が測定される。
【0015】
本実施の形態における印刷受発注管理システム40は、仲介事業者を通じて受注した紙メディアの印刷に適した印刷事業者の工場を自動的に決定する印刷受発注サーバ41と、1又は複数の印刷事業者が印刷装置や後処理装置を設置する個々の工場内に設けられる印刷事業者システム45とで構成されている。
もっとも、印刷事業者システム45の全てが工場内に存在する必要はない。例えばインターネット5に接続するルータ等の通信装置や情報を処理する装置は工場の外に設けられていてもよい。
本実施の形態の場合、印刷事業者システム45の全ては、1つの国又は地域に存在する必要はなく、複数の国又は地域に分散して存在してもよい。例えば印刷事業者システム45の一部は日本に存在し、一部はアメリカに存在してもよい。
本実施の形態における印刷事業者システム45は、内部ネットワークに接続された各種の端末から収集される情報を、事前の取り決めに従い、印刷受発注サーバ41に送信する機能を備えている。この機能の詳細については後述する。
【0016】
本実施の形態における印刷事業者は、印刷を専業とする事業者に限定されないものとする。例えば他の事業で使用している空間の一部に印刷装置等を設置する事業者も、本実施の形態では、印刷事業者として扱う。このため、配送事業者、郵便事業者、電気事業者、ガス事業者、公益法人、医療事業者、小売事業者やサービス提供者等も、事業所等の空間の一部に印刷装置等を設置していれば、本実施の形態における印刷事業者に含まれる。また、本実施の形態では、これらの事業者が印刷装置等を設置した事業所等を印刷事業者の工場として扱う。
また、本実施の形態の場合、単一の印刷事業者は、複数の工場を管理していてもよい。
換言すると、単一の印刷事業者が複数の地域にある複数の印刷事業者システム45を管理していてもよい。
本実施の形態の場合、紙広告システム1に参加する印刷事業者の規模や資本関係等は任意でよい。
なお、印刷事業者は、印刷装置等を所有している必要はない。すなわち、印刷事業者が使用する印刷装置等の所有権は第三者が有していてもよい。
図1の例では、印刷受発注サーバ41と印刷事業者システム45とを総称して印刷受発注管理システム40として説明しているが、印刷受発注サーバ41の事業者と印刷事業者システム45の事業者とはそれぞれ独立している。もっとも、印刷受発注サーバ41の事業者と広告効果測定サーバ30の事業者は同じ又は資本関係等が存在してもよい。
【0017】
本実施の形態において、配送事業者50は、印刷事業者システム45で印刷された広告枠付きの紙メディアを引き取って、紙メディア等に印刷されている配送先に配送する事業者をいう。前述したように、本実施の形態では、広告枠付きの紙メディアとしてダイレクトメール葉書を想定しているので、個々の広告付きの紙メディアは、該当する消費者等60に配送される。
消費者等60は、広告枠付きの紙メディアの印刷を発注したメディアオーナが配送先として指定した自然人や法人である。
本実施の形態における消費者等60は、QRコード等を撮像するカメラと、撮像された画像の確認やウェブページの表示に使用される表示部と、無線通信機能を備える携帯端末70を有している。携帯端末70には、例えばスマートフォン、タブレット端末、スマートウォッチが用いられる。
【0018】
<各システムの構成>
以下では、紙広告システム1に参加するメディアオーナ、広告主、仲介事業者、印刷事業者が運用するシステムの構成について説明する。
【0019】
<メディアオーナ側のシステム構成>
図2は、実施の形態1で使用するメディアオーナ側のシステム構成の一例を示す図である。
前述したメディアオーナシステム10は、LAN(=Local Area Network)11及びルータ等12を通じてインターネット5に接続されている。LAN11上には、ウェブサーバ13も接続されている。
ウェブサーバ13は、メディアオーナが扱う製品やサービスに関する情報を掲載するサービスサイト13A、広告枠付きの紙メディアに印刷されたQRコードのリンク先となるランディングページ13Bその他のウェブページを管理する。もっとも、ランディングページ13Bは、LAN11上のいずれかの端末で管理されていればよい。ここでのランディングページ13Bは、第1のランディングページの一例である。もっとも、ウェブサーバ13は、メディアオーナが扱う製品やサービスを提供する事業者が、管理又は運用してもよい。すなわち、ウェブサーバ13が設置される場所は任意であり、メディアオーナの事業所内に限定されない。あくまでも、
図2に示すシステム構成は一例である。
【0020】
ランディングページ13Bには、広告枠付きの紙メディアに印刷されているQRコードからランディングページ13Bに流入したアクセスを測定する測定タグ14が埋め込まれている。測定タグ14は、固有の文字列等により記述される。
測定タグ14の埋め込みは、ランディングページ13Bに対応するURL(=Uniform Resource Locator)の末尾に対応する文字列を追記することにより実現される。
本実施の形態における測定タグ14は、メディアオーナに専用のタグである。本実施の形態における測定タグ14は、広告効果測定サーバ30(
図1参照)により作成され、事前にメディアオーナに与えられる。
【0021】
図2に示すメディアオーナシステム10は、印刷依頼サーバ10Aと顧客属性等DB(=Data Base)10Bを含んでいる。
印刷依頼サーバ10Aは、例えばメディアオーナが予め定めた条件に該当する事象の発生を検知した場合に、該当する事象に対応する消費者等60を配送先とする広告枠付きの紙メディアの印刷と配送を、広告効果測定サーバ30(
図1参照)に依頼する機能を提供するコンピュータである。当該機能は、プログラムの実行を通じて実現される。
本実施の形態の場合、予め定めた条件として、例えば購入等の予約や発注、お気に入りフォルダに入れられたが購入に至らなかった商品等の発生(いわゆるカゴ落ち)、資料請求を想定する。
【0022】
これらの行動は、インターネット上のサイトに対するアクセスに限らず、実店舗等における消費者60(
図1参照)の行動も含まれる。因みに、メディアオーナが予め定めた条件を満たす実店舗における行動には、例えばPOS(=Point of sale)端末を通じて収集される消費者60の購買の情報、商品等に紐付けられているRFID(=Radio Frequency IDentifier)の読み取り行動が含まれる。RFIDの読み取りは、購買に至らない場合も含む。
RFIDの読み取りに使用される端末は、実店舗に設置されている端末に限らず、消費者60が操作する携帯端末70(
図1参照)を用いてもよい。なお、メディアオーナが検知するこれらの事象には、消費者60の特定を可能にする情報が含まれる。紙メディアは、特定の消費者60を宛先として配送されるためである。
【0023】
依頼には、配送先となる消費者等60を特定する情報、印刷に使用する原稿イメージのデータ(以下「原稿データ」という)、広告主に提供する広告枠のサイズの情報等が含まれる。ここでの原稿イメージは、配送先別に準備される。配送先である消費者等60にオススメする商品等が異なるからである。
顧客属性等DB10Bは、顧客の名前又は名称、住所又は居所、性別、年齢、過去の購入履歴等を記録する。
【0024】
図3は、印刷依頼サーバ10A(
図2参照)から広告効果測定サーバ30(
図1参照)に送信される原稿データのイメージ例を説明する図である。
本実施の形態の場合、原稿データは、ダイレクトメール葉書の印刷等を依頼する時点で、印刷依頼サーバ10Aが生成する。もっとも、原稿データのひな形が広告効果測定サーバ30に登録されていてもよい。その場合、印刷依頼サーバ10Aは、依頼の対象である原稿データのひな形を特定する情報や挿入する商品等の画像の情報を広告効果測定サーバ30に送信してもよい。
【0025】
図3の場合、ダイレクトメール葉書の上端から下方に約3分の2の領域15Aがメディアオーナの広告等に使用され、下端から上方に約3分の1の領域15Bが広告主に提供される広告枠として使用される。
本実施の形態の場合、ダイレクトメール葉書の印刷を依頼する時点には、配送先が決定されている。このため、
図3に示す原稿データのイメージには、配送先を示す「太郎さまに」との記載が含まれている。このように、原稿データのイメージは、配送先毎にパーソナライズされている。
図3の場合、「太郎さまにオススメの商品はこちら!」として、領域15A内に、商品1と商品2の画像と、それらの説明文等が配置されている。商品1と商品2は、いずれもメディアオーナが広告する商品である。商品1と商品2は、太郎さんを誘導するランディングページに掲載される商品である。従って、配送先が異なれば、原稿データも異なる内容になる。この意味で、誘導されるランディングページは、配送先毎に異なってもよい。
【0026】
また、商品1と商品2に対応する説明文の領域には、各商品に対応するランディングページ13B(
図2参照)に誘導するQRコードを印刷するための空欄16A及び16Bがそれぞれ設けられている。なお、商品1と商品2の画像に代えてサービスの画像が配置されてもよい。なお、空欄16Aに印刷されるQRコードから誘導されるランディングページ13Bと、空欄16Bに印刷されるQRコードから誘導されるランディングページ13Bは、異なっていてもよい。例えば空欄16Aに印刷されるQRコードから誘導されるランディングページ13BはA社のページであり、空欄16Bに印刷されるQRコードから誘導されるランディングページ13BはB社のページであってもよい。ここでのA社とB社は、メディアオーナとは異なる事業者を想定するが、メディアオーナ自身でもよい。
後述するように、ランディングページ13Bに誘導するQRコードは、広告効果測定サーバ30(
図1参照)において生成される。
図3の例では、広告枠に当たる領域15Bが1つであるが、広告枠に当たる領域15Bが複数でもよい。印刷を依頼する時点の広告枠は空欄である。
【0027】
<広告主側のシステム構成>
図4は、実施の形態1で使用する広告主側のシステム構成の一例を示す図である。
広告主システム20は、LAN21及びルータ等22を通じてインターネット5に接続されている。LAN21上には、ウェブサーバ23も接続されている。
ウェブサーバ23は、広告主が扱う製品やサービスに関する情報を掲載するサービスサイト23A、広告枠付きの紙メディアに印刷されたQRコードのリンク先となるランディングページ23Bその他のウェブページを管理する。本実施の形態の場合、ランディングページ23Bは、LAN21上のいずれかの端末で管理されている。ここでのランディングページ23Bは、第2のランディングページの一例である。
なお、広告主システム20とウェブサーバ23は同じLAN21に接続されている必要はなく、インターネット5経由で接続されてもよい。また、ウェブサーバ23は、広告主とは異なる事業者が、管理又は運用してもよい。すなわち、ウェブサーバ23が設置される場所は任意であり、広告主の事業所内に限定されない。あくまでも、
図4に示すシステム構成は一例である。
【0028】
ランディングページ23Bには、広告枠付きの紙メディアに印刷されているQRコードからランディングページ23Bに流入したアクセスを測定する測定タグ24が埋め込まれている。測定タグ24は、固有の文字列等により記述される。
本実施の形態における測定タグ24は、広告主に専用のタグである。従って、測定タグ24の内容は、メディアオーナ用の測定タグ14(
図2参照)とは異なっている。本実施の形態における測定タグ24も、広告効果測定サーバ30(
図1参照)により作成され、事前に広告主に与えられる。
【0029】
図4に示す広告主システム20は、広告依頼サーバ20Aを含んでいる。
広告依頼サーバ20Aは、例えば広告枠に出稿する広告記事、希望の出稿先に関する条件等を管理するコンピュータである。
ここでの広告記事は、広告枠のサイズ等に応じて用意してもよい。
また、希望の出稿先に関する条件には、メディアオーナの業種、相乗りを希望する商品等の種別、相乗り広告の予算、配送先の属性に関する情報等が含まれる。広告記事や希望の出稿先に関する条件等は、予め、広告効果測定サーバ30に登録される。
【0030】
<広告効果測定サーバのシステム構成>
以下では、
図5〜
図8を使用して、仲介事業者が運用する広告効果測定サーバ30(
図1参照)の構成例について説明する。
なお、広告効果測定サーバ30は、広告効果測定システムの一例である。
【0031】
図5は、実施の形態1で使用する広告効果測定サーバ30のハードウェア上の構成例を示す図である。
図5に示すように、広告効果測定サーバ30は、プログラム(基本ソフトウェアを含む)の実行を通じて装置全体を制御するCPU(=Central Processing Unit)311と、BIOS(=Basic Input Output System)等を記憶するROM(=Read Only Memory)312と、プログラムの実行領域として使用されるRAM(=Random Access Memory)313とを有している。
CPU311、ROM312、RAM313は、いわゆるコンピュータを構成し、各種の情報処理を実行する。なお、ROM312は、例えば不揮発性の半導体メモリによって構成される。CPU311は、プロセッサの一例である。
【0032】
ハードディスク装置(=HDD)314には、基本ソフトウェア、相乗り広告の効果の測定を可能にする印刷物の原稿データを生成するためのプログラム、相乗り広告の効果を測定するためのプログラム、原稿データの生成に使用される情報、メディアオーナと広告主のそれぞれから取得される広告の効果の測定したデータ等が記憶される。
図5に示すハードディスク装置314には、メディアオーナDB314A、広告主DB314B、メディアDB314C、広告DB314D、測定タグDB314E、マッチング候補DB314F、配送先管理DB314G、依頼DB314H、配送先別識別情報DB314I、原稿データDB314J、広告効果DB314Kが記憶されている。もっとも、
図5に示す各種のデータベースの一部又は全部は、広告効果測定サーバ30とは独立に用意されるデータベースサーバに記憶してもよい。
【0033】
メディアオーナDB314Aは、紙広告システム1(
図1参照)に参加するメディアオーナを管理するデータベースである。メディアオーナDB314Aには、例えばメディアオーナの名称、住所又は居所、取引の実績等が記憶される。
広告主DB314Bは、紙広告システム1に参加する広告主を管理するデータベースである。広告主DB314Bは、例えば広告主の名称、住所又は居所、取引の実績等が記憶される。
メディアDB314Cは、メディアオーナシステム10(
図1参照)から受け付けた印刷の依頼や事前に登録された情報を記憶するデータベースである。メディアDB314Cには、例えば紙メディアに関する情報、広告枠のサイズ、配送先の属性に関する情報、QRコードからの流入を測定するランディングページのURL等が記憶されている。
本実施の形態の場合、紙メディアに関する情報には、例えば紙メディアの種別、依頼主であるメディアオーナ、紙メディアのサイズ、印刷する部数、配送する頻度が含まれる。配送先の属性に関する情報には、配送先である消費者等60(
図1参照)の性別、年齢、住所又は居所、地域、その他の個人に関する属性、配送先の集合としての属性、配送先の数等が含まれる。
【0034】
広告DB314Dは、広告主システム20(
図1参照)を通じて事前に登録された情報を記憶するデータベースである。広告DB314Dには、例えば広告記事、希望の出稿先に関する条件、QRコードからの流入を測定するランディングページのURL等が記憶されている。
本実施の形態の場合、希望の出稿先に関する条件には、希望するメディアオーナや業種、紙メディアの種別、広告枠のサイズ、広告の単価、希望する配送先の属性等が含まれる。
配送先の属性には、例えば性別、年齢層、配送先が属する地域が含まれる。
測定タグDB314Eは、広告効果の測定用にランディングページ別に生成される測定タグを記憶するデータベースである。生成された測定タグは、ランディングページを管理又は運用する事業者に事前に配布される。本実施の形態の場合には、測定タグは、メディアオーナシステム10と広告主システム20に事前に配布される。
マッチング候補DB314Fは、メディアオーナが印刷を依頼する紙メディアに対して相乗りの可能性がある広告主の候補を記憶するデータベースである。このデータベースには、メディアオーナが相乗り広告を許可する広告主と許可しない広告主の情報、広告主が相乗り広告を希望する紙メディアと希望しない紙メディアの情報も記憶される。
【0035】
配送先管理DB314Gは、メディアオーナからの依頼を受けた紙メディアの配送先の管理用に仲介事業者が使用するデータベースである。配送先管理DB314Gには、例えばメディアオーナの依頼に含まれる配送先の名前又は名称と住所又は居所を記憶してもよい。もっとも、名前又は名称は取り除き、住所又は居所のみを配送先管理DB314Gに記憶してもよい。
依頼DB314Hは、メディアオーナからの依頼の管理に使用するデータベースである。依頼DB314Hには、例えば依頼を受け付けた日時、メディアオーナの名前又は名称、紙メディアの種別、紙メディアのサイズ、部数、広告枠のサイズ、配送先の名前又は名称、配送先の住所又は居所、配送の希望日時が記憶される。
【0036】
配送先別識別情報DB314Iは、相乗り広告の効果の測定を可能にするために生成される配送先別の識別情報を記憶するデータベースである。
本実施の形態の場合、1つの配送先に対して1つの識別情報が生成される。なお、配送を特定する意味で、識別情報をターゲットIDと呼ぶこともある。
因みに、識別情報をメディアオーナ用と広告主用とで区別したい場合、メディアオーナ用の識別情報を第1の識別情報と呼び、広告主用の識別情報を第2の識別情報と呼ぶ。もっとも、本実施の形態では、メディアオーナ用と広告主用とで配送先の識別情報を区別しておらず、共通の識別情報を使用する。このため、本実施の形態における識別情報は、第1の識別情報の一例であると共に第2の識別情報の一例でもある。
【0037】
原稿データDB314Jは、配送先毎に専用の原稿データを記憶するデータベースである。換言すると、原稿データは、配送先毎にパーソナライズされている。
ここでの原稿データには、メディアオーナから提供された原稿データに、配送先を特定する情報、メディアオーナのランディングページに誘導するQRコード、広告主から提供された広告記事、広告主のランディングページに誘導するQRコード等が含まれる。なお、QRコードには、前述した識別情報の情報も含まれる。識別情報の情報が含まれることで、広告効果測定サーバ30による相乗り広告の分析が可能になる。
広告効果DB314Kは、広告の効果を測定した情報を記憶するデータベースである。広告効果DB314Kには、QRコードからメディアオーナのランディングページに流入したアクセスを測定した情報、QRコードから広告主のランディングページに流入したアクセスを測定した情報、識別情報を通じて測定された相互間の関係に関する情報等が含まれる。なお、ランディングページへのアクセスは、測定タグ14(
図2参照)及び測定タグ24(
図4参照)のそれぞれを通じて測定され、広告効果測定サーバ30に通知される。
この他、広告効果測定サーバ30には、CPU311で実行されるプログラムの操作画面の表示に用いられる表示部315、当該操作画面を操作する作業者の入力に用いられる操作入力部316、インターネット5(
図1参照)との通信に用いられる通信IF317が設けられている。
ここでの表示部315及び操作入力部316は、広告効果測定サーバ30の筐体に対して外付けされていてもよい。
【0038】
図6は、実施の形態1で使用する測定タグDB314Eと配送先別識別情報DB314Iのデータ構造例を説明する図である。(A)は測定タグDB314Eのデータ構造例であり、(B)は配送先別識別情報DB314Iのデータ構造例である。
図6の場合、測定タグは、1つの事業者に1つ登録されている。
例えばメディアオーナXには「media=XXX」が登録され、メディアオーナZには「media=ZZZ」が登録されている。また例えば広告主Aには「ad=YYY」が登録され、広告主Bには「ad=BBB」が登録されている。メディアオーナに対応する測定タグは第1のタグの一例であり、広告主に対応する測定タグは第2のタグの一例である。
もっとも、測定タグは、事業者単位ではなく、各事業者のランディングページ単位や広告キャンペーン単位で登録してもよい。
一方、本実施の形態における識別情報は、前述したように、1つの配送先に対して1つ登録されている。例えば配送先1には「1234」が登録され、配送先2には「5678」が登録され、配送先3には「9100」が登録されている。
勿論、これらは一例であり、測定タグの文字列の長さや識別情報の文字列の長さは任意である。また、文字列には、異なる種類の英数字が混在していてもよい。
【0039】
図7は、実施の形態1で使用する広告効果測定サーバ30の機能構成例の一部を示す図である。
図7に示す機能部分は、メディアオーナと広告主の相乗り広告を含む紙メディアの印刷データを生成するまでの処理に対応する。なお、各機能部は、コンピュータによるプログラムの実行を通じて実現される。
登録受付部321は、紙広告システム1(
図1参照)への参加を希望するメディアオーナ及び広告主から受け付けた情報を対応するデータベースに登録する機能を提供するプログラムである。
登録受付部321が受け付けた情報は、例えばメディアオーナDB314A、広告主DB314B、メディアDB314C、広告DB314Dに記憶される。
測定タグ生成部322は、QRコードからランディングページに流入するアクセスの測定に使用される測定タグを生成するプログラムである。測定タグ生成部322は、紙広告システム1に参加する事業者毎に固有の測定タグを生成する。換言すると、測定タグ生成部322は、個々のメディアオーナと広告主に対し、一意の測定タグを生成する。
本実施の形態の場合、測定タグは、事業者毎に生成されているが、個別のキャンペーン毎に生成してもよい。生成された測定タグは、測定タグDB314Eに記憶される。
【0040】
マッチング候補提示部323は、メディアオーナに関する登録情報と広告主に関する登録情報に基づいて、相乗り広告の候補者を、事前に相手方に提示するプログラムである。もっとも、マッチング候補提示部323による提示は、相乗り広告の候補者の提示が希望されている場合である。
例えばメディアオーナには、広告枠に出稿の可能性がある広告主の候補が提供される。また、広告主には、出稿の可能性がある広告枠を提供するメディアオーナの候補が提供される。メディアオーナと広告主の組み合わせは、マッチング候補としてマッチング候補DB314Fに記憶される。
なお、マッチング候補提示部323は、提示された候補との相乗り広告を許可するか否かに関する、メディアオーナ及び広告主からの応答を受け付けてマッチング候補DB314Fに記憶する。記憶された可否の情報は、事後的な変更も可能である。
【0041】
印刷等発注受付部324は、メディアオーナシステム10(
図1参照)による紙メディアの印刷と配送の発注を受け付けるプログラムである。
印刷等発注受付部324は、受け付けた発注に関連する情報を、依頼DB314Hに記憶する。ここでの情報には、例えば依頼者であるメディアオーナの名前又は名称、紙メディアの種別、紙メディアのサイズ、原稿データ、部数、広告枠のサイズ、配送先の名前又は名称、配送先の住所又は居所、広告主が広告枠への出稿を希望する配送先の判定に用いられる配送先に関する他の属性情報、配送の希望日時が含まれる。もっとも、メディアオーナの名前又は名称、紙メディアの種別、紙メディアのサイズ、原稿データ、部数、広告枠のサイズについては、メディアDB314Cから取得してもよい。
相乗り広告主決定部325は、メディアオーナと紙メディアと配送先の組み合わせ毎に適切な広告主をリアルタイムで決定するプログラムである。
まず、相乗り広告主決定部325は、マッチング候補DB314Fを参照し、紙メディアの印刷と配送の依頼主であるメディアオーナが相乗りを許可していない広告主を抽出し、更に、抽出された広告主の中から依頼主であるメディアオーナが提供する広告枠への出稿を許可していない広告主を除外する。この処理により、依頼者であるメディアオーナとの相乗り広告が可能な広告主が残る。
【0042】
次に、相乗り広告主決定部325は、相乗り広告が可能な広告主について登録されている希望の出稿先に関する条件等を使用して、配送先別に相乗りする広告主を決定する。例えばメディアオーナの指定した配送先が日本の全地域に分散しているが、広告主が希望する出稿先の条件に地域の限定が含まれる場合がある。この場合には、地域別に異なる広告主が決定される可能性がある。
ある配送先に対して複数の広告主が候補になる場合には、予め定められている方法に基づいて、1つの広告主が決定される。広告主を1つに決定する方法には、例えばメディアオーナが指定した優先順位が高い広告主に決定する方法、広告単価が高い広告主を優先する方法がある。広告単価は、例えば広告主が指定する条件の数に応じた単価モデルに基づいて計算される。
なお、広告主が決まらない場合、広告枠として確保されている領域15Bには、メディアオーナが予め用意した固定のデザイン等が挿入される。
配送先別に決定された広告主の情報は、依頼主であるメディアオーナの情報とともに、例えば配送先管理DB314Gや依頼DB314Hに記憶される。
【0043】
配送先別識別情報生成部326は、メディアオーナが指定した配送先別に識別情報を生成するプログラムである。
本実施の形態では、新規に指定された配送先について識別情報が生成され、以前に指定されたことがある配送先については以前に生成された識別情報がそのまま使用される。生成された識別情報は、配送先別識別情報DB314Iに記憶される。
事業者別QRコード生成部327は、事業者別に用意されているランディングページをリンク先とするQRコードを生成するプログラムである。事業者別QRコード生成部327は、第1のコード生成部及び第2のコード生成部の一例である。なお、事業者別QRコード生成部327を事業者別に区別する場合、メディアオーナ用のQRコードを生成する事業者別QRコード生成部327を第1のコード生成部と呼び、広告主用のQRコードを生成する事業者別QRコード生成部327を第2のコード生成部と呼ぶ。
メディアオーナ用のQRコードには、メディアオーナが指定したランディングページのURL、QRコードが印刷されている紙メディアに固有なID(以下「メディアID」という)、配送先に固有の識別情報が含まれる。
また、広告主用のQRコードには、特定の配送先に配送されるダイレクトメール葉書について相乗り広告主に決定された広告主が指定したランディングページのURL、メディアID(=Identifier)、配送先に固有の識別情報が含まれる。
【0044】
配送先別印刷データ生成部328は、配送先別の印刷データを生成するプログラムである。
ここでの印刷データには、メディアオーナから提供された配送先別の原稿データに、配送先別に生成されたメディアオーナ用のQRコード、配送先別に決定された相乗り広告主の広告記事、配送先別に生成された相乗り広告主用のQRコードが追加される。
この印刷データは、同じ配送先について生成されたメディアオーナ用のQRコードと相乗り広告主用のQRコードが含まれるように生成される。生成された印刷データは、不図示の印刷データDBに保存される。
【0045】
図8は、実施の形態1で使用する広告効果測定サーバ30の機能構成例の一部を示す図である。
図8に示す機能部分は、配送された紙メディアに印刷されたQRコードからの各ランディングページへの流入を測定する処理に対応する。なお、各機能部は、コンピュータによるプログラムの実行を通じて実現される。
識別情報等取得部330は、携帯端末70(
図1参照)がダイレクトメール葉書に印刷されているQRコードを読み取ることで発生したランディングページへのアクセスを測定した結果を、メディアオーナシステム10(
図1参照)及び広告主システム20(
図1参照)のそれぞれから取得するプログラムである。
前述したように、メディアオーナシステム10のランディングページ13B(
図2参照)へのアクセスは、同ページに埋め込まれている測定タグ14(
図2参照)を通じて測定される。また、広告主システム20のランディングページ23B(
図4参照)へのアクセスは、同ページに埋め込まれている測定タグ24(
図4参照)を通じて測定される。
【0046】
本実施の形態における測定タグ14及び24は、ランディングページに対するアクセスを検知すると、アクセスに用いたQRコードが印刷されている紙メディアに固有のメディアIDと配送先に固有の識別情報を測定して記憶する。これらの情報は、QRコードの生成に用いられた情報であり、QRコードの読み取り時にアクセス先のURLを指定する情報として含まれている。
本実施の形態における識別情報等取得部330は、測定対象であるランディングページに対する新たなアクセスが検出される度に、測定された情報を個別に取得する。
なお、識別情報等取得部330が取得する情報には、個々のアクセスが検出された日時の情報も含まれる。
本実施の形態における識別情報等取得部330は、取得した情報をアクセス分析部331に提供するとともに、広告効果DB314Kに記憶する。ここでの識別情報等取得部330は、第1の取得部及び第2の取得部の一例である。なお、識別情報等取得部330を事業者別に区別する場合、メディアオーナ用の識別情報等取得部330を第1の取得部と呼び、広告主用の識別情報等取得部330を第2の取得部と呼ぶ。
【0047】
アクセス分析部331は、識別情報等取得部330により取得された情報に基づいて、配送したダイレクトメール葉書による広告の効果を分析するプログラムである。
例えばアクセス分析部331は、メディアIDの情報に基づいて、配送されたダイレクトメール葉書に印刷されたQRコードから各ランディングページに流入したアクセスの数を計数する。計数された情報は統計情報であり、個人を特定する情報は含まない。もっとも、識別情報に紐付けられている性別や年齢等の個人の属性に関する情報を使用して、特定の属性に対応するアクセスの数を計数することは可能である。なお、配送先の数は分かっているので、アクセス率を計算してもよい。因みに、メディアIDと一緒に取得される識別情報を使用して、個人別にアクセスしたランディングページの記録を残してもよい。
また例えばアクセス分析部331は、配送先に固有の識別情報を活用して、同じ配送先からメディアオーナのランディングページ13B(
図2参照)と広告主のランディングページ23B(
図4参照)の両方にアクセスした数を計数する。本実施の形態の場合、配送先について識別情報は1つであるので、メディアオーナシステム10から取得した情報と広告主システム20から取得した情報の間で、メディアIDと識別情報が共通するアクセスの数を計数する。これらの情報は統計情報であり、個人を特定する情報は含まない。この場合も、識別情報を使用して、両方のランディングページにアクセスした配送先を記録してもよい。
【0048】
なお、配送先の数は分かっているので、両方のランディングページにアクセスした配送先のアクセス率を計算してもよい。ここで、アクセス率の分母を与える配送数には、例えばメディアオーナと相乗り広告の相手である広告主の組み合わせ毎の総数を使用する。
また、配送先の地域や配送先の属性の組み合わせを加味した総数を用いてもよい。分析に使用する条件を細かくすることで、相乗り広告の効果の分析価値を高めることが可能になる。
本実施の形態の場合、分析に使用する条件は、広告効果測定サーバ30(
図1参照)が指定するが、メディアオーナや広告主が指定できるようにしてもよい。
【0049】
また例えばアクセス分析部331は、アクセスが検出された日時の情報も活用し、メディアオーナのランディングページ13Bへのアクセスが広告主のランディングページ23Bへのアクセスよりも早い人数の計数と、広告主のランディングページ23Bへのアクセスがメディアオーナのランディングページ13Bへのアクセスよりも早い人数の計数とを実行する。この場合も、メディアオーナと相乗り広告の相手である広告主の組み合わせ毎の総数に対する比率、両方にアクセスした人数を総数とする比率を計算してもよい。
また、アクセスの先後関係についても、配送先の地域や配送先の属性の組み合わせを加味した総数を用いてもよい。
勿論、分析に使用する条件は、広告効果測定サーバ30だけでなく、メディアオーナや広告主が指定できるようにしてもよい。
【0050】
なお、1枚のダイレクトメール葉書に複数の広告枠が配置されており、各広告枠に異なる広告主の広告記事が印刷されている場合には、相乗り広告の対象者であるメディアオーナと複数の広告主を対象として、複数の事業者のランディングページにアクセスした人数や比率、アクセスの先後関係に着目した人数や比率を計算してもよい。
これら分析の結果は、広告効果DB314Kに記憶される。
なお、本実施の形態におけるアクセス分析部331は、統計的な情報としてアクセスを分析しているが、個人の承諾が得られている場合には、分析の結果に性別や年齢などの個人の属性に関する情報を含めることも可能である。
測定結果提供部332は、メディアオーナと相乗り広告の相手となった広告主の双方に、両者が関係する広告の測定結果をレポート等の形式で提示するプログラムである。
ここでのレポートには、広告効果DB314Kから読み出された分析の結果が記載される。なお、レポートに記載する分析の結果は、広告効果測定サーバ30が指定してもよいし、メディアオーナや広告主が指定してもよい。
【0051】
<印刷受発注管理システムの構成>
続いて、
図9〜
図13を使用して、印刷受発注管理システム40を構成する印刷受発注サーバ41(
図1参照)と印刷事業者システム45(
図1参照)の構成例について説明する。
<印刷受発注サーバの構成>
本実施の形態における印刷受発注サーバ41は、広告効果測定サーバ30を通じて紙メディアの印刷と配送先への紙メディアの配送を受注し、適切な印刷事業者に印刷等の実行を自動的に発注するサーバである。もっとも、広告効果測定サーバ30は、メディアオーナの発注を印刷受発注サーバ41に仲介する存在にすぎない。従って、印刷受発注サーバ41が受注する紙メディアの印刷と配送は、メディアオーナの発注に起因している。
図9は、実施の形態1で使用する印刷受発注サーバ41のハードウェア上の構成例を示す図である。
図9に示すように、印刷受発注サーバ41は、プログラム(基本ソフトウェアを含む)の実行を通じて装置全体を制御するCPU411と、BIOS等を記憶するROM412と、プログラムの実行領域として使用されるRAM413とを有している。
CPU411、ROM412、RAM413は、いわゆるコンピュータを構成し、各種の情報処理を実行する。なお、ROM412は、例えば不揮発性の半導体メモリによって構成される。CPU411は、プロセッサの一例である。
【0052】
ハードディスク装置(=HDD)414は、基本ソフトウェア、印刷事業者システム45からアップロードされる情報を分析するプログラム、メディアオーナが指定した印刷の条件を満たす印刷事業者システム45を決定するプログラム、受注した印刷の依頼を管理する情報、個々の印刷事業者システム45に関する情報等を記憶する。
本実施の形態では、情報の分析に人工知能を使用する。もっとも、予め定めた規則に従って情報を分析するプログラムでもよい。
受注した印刷の依頼を管理する情報には、例えば受注ID、依頼者に関する情報、印刷事業者システム45に印刷を依頼するための条件、印刷データに関する情報、請求ID、請求に関する情報、受注した印刷の進捗状況等が含まれる。ここでの依頼者は、メディアオーナである。従って、以下で説明する依頼者に関する情報は、いずれもメディアオーナに関する情報である。
【0053】
図9の場合、依頼者に関する情報は、依頼者DB414Aに記憶される。また、印刷事業者システム45に印刷を依頼するための条件、請求に関する情報、受注した印刷の進捗状況等の情報は、依頼DB414Bに記憶される。依頼者DB414Aと依頼DB414Bは、ハードディスク装置414の記憶領域の一部に記憶される。
本実施の形態の場合、印刷の依頼を管理する情報は、広告効果測定サーバ30(
図1参照)から印刷受発注サーバ41に与えられる。
ここでの依頼者に関する情報には、例えば依頼者を識別する符号(例えば顧客ID)、依頼者の名称、依頼者の居住地又は所在地、依頼者側の担当者に関する情報、依頼者の連絡先、依頼者の業種、顧客別に用意されたサービス上の管理番号、請求先の情報等が含まれる。
【0054】
依頼時に指定された条件には、例えば希望の納期、希望の印刷事業者、希望の工場、印刷を実行する国又は地域、希望のアプリケーション、希望の金額、希望の配送方法、希望の用紙の種類、用紙の重量、希望の色プロファイル、希望の生産数量、仕上がりサイズ、片面又は両面印刷の指定、加工のタイプ、文書レイアウトのセクションの指定、製品の形態、単商品又は複数商品等を含む。ここでのアプリケーションは、例えばダイレクトメール、本等の紙メディアの種別の指定に用いられる。
なお、製品の形態には、例えば書籍、ポストカード、ちらし、名刺、チケット、カタログ、伝票、封筒、シール、ラベル、袋、箱(パッケージ)等がある。
印刷データに関する情報には、例えば印刷データ、印刷データのファイルフォーマット等がある。
【0055】
本実施の形態の場合、個々の印刷事業者システム45(
図1参照)から受信される情報は、ハードディスク装置414の一部の記憶領域である工場DB414Cに記憶される。工場DB414Cには、印刷事業者システム45からアップロードされる新たな情報が自動的に蓄積され更新される。工場DB414Cには、印刷事業者システム45からアップロードされた情報に基づいて印刷受発注サーバ41が算出する情報も記録される。
印刷事業者システム45からアップロードされた情報に基づいて算出される情報には、例えば印刷事業者システム45が設置された工場で印刷された紙メディアの品質を評価した情報、印刷事業者システム45が設置された工場の過去の状態や現在の状況、過去の実績から計算される生産能力、予測されるスケジュール等が含まれる。
【0056】
また、工場DB414Cには、印刷事業者システム45が設置された工場の所在地、営業日等の登録情報も記録される。ここでの登録情報は時間の経過に伴って変化しない、いわゆる静的な情報である。
また、工場DB414Cには、印刷の依頼者であるメディアオーナによる各工場の評価、仲介事業者による各工場の評価、過去の納期での遅延に関する記録、過去の納品に対して確認された品質の不良に関する記録等も記録される。
【0057】
本実施の形態の場合、これらの情報の算出にも、人工知能を使用する。もっとも、予め定めた規則に従って情報を算出するプログラムを用いてもよい。
後述するように、印刷事業者システム45は、新たなデータが発生されるたび、又は、事象の変化が検知されるたび、それらの情報を印刷受発注サーバ41にアップロードする。このため、工場DB414Cの情報は、印刷事業者システム45に対応する工場内の状況をリアルタイムで反映している。換言すると、工場DB414Cの情報と印刷事業者システム45が設置されている工場内の状況は同期関係にある。
【0058】
図9の例では、工場DB414Cをハードディスク装置414に記憶しているが、工場DB414Cは、クラウドサーバ上に配置してもよい。なお、クラウドサーバに記憶する場合、印刷受発注サーバ41と工場DB414Cとは同じ国又は地域に存在する必要はなく、異なる国又は地域に分散してもよい。
また、ハードディスク装置414には、印刷の依頼者であるメディアオーナが指定した条件を満たす発注先を決定する際に使用する受発注関係の学習済みモデル414Dが記憶されている。
学習済みモデル414Dは、工場DB414Cで管理される個々の工場の中から印刷の条件に適合する発注先を決定するための規則を与える。本実施の形態の場合、学習済みモデル414Dは、蓄積された受発注の記録、決定された発注先に対するメディアオーナによる評価の登録や更新、印刷受発注サーバ41内で計算される個々の工場に対する評価の登録や更新等を学習する人工知能により常に更新される。学習済みモデル414Dは、例えば過去の事例を教師データとして与える深層学習の手法で生成してもよいし、評価が高い受発注に対して高い報酬(又はスコア)を与える強化学習の手法で生成してもよい。また、深層学習と強化学習を組み合わせた深層強化学習の手法で生成してもよい。
【0059】
この他、印刷受発注サーバ41には、CPU411で実行されるプログラムの操作画面の表示に用いられる表示部415、当該操作画面を操作する作業者の入力に用いられる操作入力部416、インターネット5(
図1参照)との通信に用いられる通信IF417が設けられている。
ここでの表示部415及び操作入力部416は、印刷受発注サーバ41の筐体に対して外付けされていてもよい。また、印刷受発注サーバ41には、不図示の印刷装置が接続されていてもよい。
図9に示す各部は、不図示のバスや不図示の通信線を通じて互いに接続されている。
【0060】
図10は、実施の形態1で使用する印刷受発注サーバ41の機能上の構成例を示す図である。
図10に示す機能上の構成は、CPU411(
図9参照)によるプログラムの実行を通じて実現される。ここでの機能上の構成は、単一のプログラムに限らず、複数のプログラムの連携によって実現されてもよい。
機能面から見た印刷受発注サーバ41は、印刷の依頼を受け付けるオーダ受付部421と、受け付けた依頼の条件に対して最適な発注先を自動的に決定する発注先決定部422と、決定された発注先である1つ又は複数の印刷事業者システム45(
図1参照)に対して印刷等を発注する発注部423と、過去の受発注関係を学習して学習済みモデル414Dを更新する受発注関係学習部(AI)424と、工場DB414Cに蓄積する分析データを計算する分析データ計算部425としての機能を有している。
【0061】
オーダ受付部421は、広告効果測定サーバ30(
図1参照)を通じて、メディアオーナからの印刷の依頼を受け付ける受付手段の一例であり、受け付けた印刷の依頼を受注IDによって管理するプログラムである。オーダ受付部421は、依頼者DB414Aに依頼者に関する情報を登録し、又は、登録されている依頼者の情報を読み出す。
また、オーダ受付部421は、受け付けた依頼の条件等を依頼DB414Bで管理する。依頼の条件には、印刷物を配送する場所、すなわち配送先が含まれる。また、配送先とは別に、印刷事業者システム45が設置された工場が存在する場所の希望が含まれてもよい。ここでの希望は、例えば国又は地域、国又は地域内の行政単位、行政単位の集合を表現する名称等で指定してもよい。なお、行政単位の階層的な構造や各階層の呼び方は国や地域によっても異なる。
【0062】
発注先決定部422は、依頼の条件を満たす工場を発注先として決定するプログラムである。発注先として決定される工場は、1つの依頼に対して1つの場合もあれば、1つの依頼に対して複数の場合もあり得る。本実施の形態の場合、依頼の条件に含まれる配送先に近い位置の工場への発注を優先する。
発注先の決定には、工場DB414Cと学習済みモデル414Dが用いられる。学習済みモデル414Dには、より適切な発注先を決定するためのモデルが記録されている。また、工場DB414Cには、工場側と同期する情報(例えば状態、生産能力、スケジュール)に加え、工場で印刷された紙メディアの品質に対する評価、過去の受発注の記録等が蓄積されている。
【0063】
発注部423は、発注先に決定された工場に設置されている印刷事業者システム45に対して発注情報(例えば印刷のアプリケーション、加工の内容、部数、納品先、価格情報等)を送信するプログラムである。
本実施の形態における受発注関係学習部424は、人工知能(AI)の機能を用いて工場DB414Cに記憶されている印刷の条件に対して決定された発注先、発注先としての工場を評価した情報等の関係を学習し、学習の成果を学習済みモデル414Dに反映するプログラムである。前述したように、教師データを使用する深層学習に限らず、強化学習や深層強化学習を用いて、受発注関係を学習してもよい。
なお、工場DB414Cに記憶されている情報は、機種の違いを問わない形式の情報に整備された後のデータ又はそれらを処理したデータであるので学習の精度が高まり易い。
【0064】
分析データ計算部425は、各工場に対応する印刷事業者システム45から自動的に工場DB414Cに蓄積される生産装置の稼働の状態、生産能力、スケジュール等の情報に基づいて、各生産装置についての現在及び過去の稼働の状態、生産装置の将来時制での稼働空き状況の予測、将来の在庫量等を分析するプログラムである。
なお、分析データ計算部425と同等の分析処理が印刷事業者システム45内で実行されている場合には、分析データ計算部425を設けなくてもよい。
【0065】
<印刷事業者システムの構成>
図11は、実施の形態1で使用する印刷事業者システム45の全体構成を説明する図である。
印刷事業者システム45は、印刷に関連する情報を収集して印刷受発注サーバ41に登録するデータ収集サーバ400と、印刷データに基づく文字、画像その他の情報を紙メディアに印刷する印刷装置500と、印刷後の紙メディアに加工を施す加工装置600と、印刷のスケジュールを管理するワークフロー管理装置700と、工場内における人員の配置を管理する人員管理装置800と、用紙その他の消耗品の在庫を管理する在庫管理装置900と、紙メディアの品質、工場内の環境、工場内の人の動き等を検知するセンサ1000が配置されている。
ここでの印刷装置500と加工装置600は、いずれも生産装置の一例である。
図11の例では、印刷装置500と加工装置600の両方が、印刷事業者システム45が設置されている工場内に配置されているが、いずれか一方だけが配置されてもよい。換言すると、印刷事業者システム45は、印刷専用の工場に対応するシステムでもよいし、加工専用の工場に対応するシステムでもよい。
本実施の形態の場合、データ収集サーバ400は、印刷受発注サーバ41を運用する仲介事業者が設置する。
【0066】
図11の場合、印刷装置500を1台だけ描いているが、これは作図上の制約によるものであり、配置される台数は任意である。従って、印刷装置500の台数は1台でもよいし、複数台でもよい。印刷装置500の製造メーカは、工場毎に異なってもよい。また、工場内には、製造メーカが異なる複数台の印刷装置500が混在してもよい。
加工装置600についても、印刷装置500と同様である。すなわち、加工装置600は、1台に限る必要はなく、複数台でもよい。また、加工装置600の製造メーカは、工場毎に異なってもよい。また、工場内には、製造メーカが異なる複数台の加工装置600が混在してもよい。
【0067】
ワークフロー管理装置700は、工場内での生産を一括管理する装置である。例えばワークフロー管理装置700は、印刷ジョブの受注処理、同じ仕様の印刷ジョブをまとめた面付け処理、印刷スケジュールや加工スケジュールの管理、印刷や加工の進捗管理等を実行する。
ワークフロー管理装置700は、工場内のネットワークを通じて、印刷装置500や加工装置600と接続され、各種のデータを受け渡しする。例えば受信した印刷データ(いわゆる版データ)は、印刷スケジュールに従って、ワークフロー管理装置700から印刷装置500に送信される。
本実施の形態におけるワークフロー管理装置700は、(i) 用紙等が印刷の過程で搬送される経路上に配置され、印刷の不良や異常を検知するセンサ1000からの出力データ、(ii) 印刷後の紙メディアが加工の過程で搬送される経路上に配置され、加工の不良や異常を検知するセンサ1000からの出力データ、(iii) 加工後の紙メディアの汚れや不良等の品質を管理するセンサ1000からの出力データ等も管理する。
【0068】
ここでのセンサ1000は、印刷装置500や加工装置600の筐体内に配置されていてもよいし、印刷装置500や加工装置600とは別に配置されていてもよい。これらセンサ1000から出力されるデータの形式は、センサ1000の種類や製造メーカによって異なる。
また、本実施の形態におけるワークフロー管理装置700は、生産された商品(加工を別工場で行う場合には加工前の紙メディア)の納品に使用する配送事業者50(
図1参照)の情報も管理する。配送事業者50の情報には、配送サービスを提供する事業者の名称、サービスの名称、配送サービスの詳細、出荷日、出荷番号、発注単位の請求額、発注元単位の総請求額、工場外での利用を禁止する情報を指定する情報等も管理する。
ワークフロー管理装置700は、これらの情報の管理や機能の提供をコンピュータ上で動作するプログラムを通じて実現する。
【0069】
本実施の形態における人員管理装置800は、工場内での作業に従事する作業員別の技能、出勤スケジュール等を管理する。また、本実施の形態における人員管理装置800は、作業員に取り付けた行動センサの出力の履歴も管理する。ここでの行動センサは、センサ1000の一例である。行動センサは、例えば作業員が携帯してもよいし、衣服等に取り付けられていてもよい。また、行動センサは、例えばカメラでもよい。カメラを行動センサとして用いる場合、人員管理装置800は、撮像された画像内の作業員の移動や作業を、顔認識技術によって特定された作業員に紐付けて管理してもよい。
また、センサ1000は、作業員が作業に用いる機材に取り付けられていてもよい。この場合、人員管理装置800は、工場内での機材の移動を作業員と紐付けて管理してもよい。
【0070】
本実施の形態における在庫管理装置900は、印刷装置500で消費される用紙、インク、トナー、加工装置600で消費されるフィルム等の部材の在庫に関する情報を管理する。なお、在庫に関する情報は、在庫を識別する符号(すなわち在庫ID)、部材の名称、部材のカテゴリ、在庫数、部材を供給する事業者を識別する符号(すなわちサプライヤID)、事業者の名称、事業者が供給する部材のタイプ等を含んでよい。
在庫に関する情報は、例えば在庫を識別する符号を部材の消費時に読み取ることにより更新される。また、在庫や在庫の包装に付されているICタグに記録されている情報の読み取りにより更新される。
【0071】
データ収集サーバ400は、印刷装置500、加工装置600、ワークフロー管理装置700、人員管理装置800、在庫管理装置900、センサ1000と通信し、各装置から印刷に関する各種の情報を収集する。ここでの通信は、有線によっても無線によっても構わない。
データ収集サーバ400は、例えば印刷装置500から、装置を識別する符号(すなわち装置ID)、装置名、装置のスペック情報、装置のステータス、ステータスの詳細、印刷の種類(タイプ)、印刷の速度、速度の単位、取扱可能な用紙の最大サイズと最小サイズ、色空間と色基準の情報、日次生産能力等の情報を収集する。
ここでのステータスは、例えばアイドル状態、故障、使用中、メンテナンス中によって特定される。これらの情報の記述の形式は、印刷装置500の製造メーカによって異なり、同じ製造メーカでも機種によって異なる場合がある。
【0072】
また、データ収集サーバ400は、例えば加工装置600から、装置を識別する符号(すなわち装置ID)、装置名、装置のスペック情報、装置のステータス、ステータスの詳細、加工の種類又はタイプ、加工の速度、速度の単位、日次生産能力等の情報を収集する。
ここでのステータスは、印刷装置500の場合と同じである。また、加工の種類には、例えば折り加工、角丸加工、孔開け加工、ミシン加工、スジ入れ加工、表面加工、箔押し加工、パネル加工、型抜き加工等がある。これらの情報の記述の形式は、加工装置600の製造メーカによって異なり、同じ製造メーカでも機種によって異なる場合がある。
【0073】
また、データ収集サーバ400は、例えばワークフロー管理装置700から、受注情報、印刷スケジュール、加工スケジュール、各スケジュールの進捗情報、各生産装置の稼働状況、各生産装置の稼働率、各生産装置のメンテナンス記録等の情報を取得する。
また、データ収集サーバ400は、人員管理装置800から、工場内での作業に従事する作業員別の技能、出勤スケジュール等の情報を取得する。
また、データ収集サーバ400は、在庫管理装置900から、生産装置で消費される消耗品の在庫に関する情報を収集する。
【0074】
データ収集サーバ400は、各装置やセンサ1000における情報の発生と同時に取得する。すなわち、本実施の形態におけるデータ収集サーバ400は、工場内での生産に伴い発生し、時間とともに変化する情報を自動的に収集する。
また、本実施の形態におけるデータ収集サーバ400は、収集した情報を機種の違いを問わない形式の情報に整備(クレンジング)する機能を備え、クレンジング後(整備後)の情報を印刷受発注サーバ41に送信する。ここでの機種の違いには、製造メーカの違いが含まれる。また、機種の違いには、同じ製造メーカのデータフォーマットが異なる製品の違いも含まれる。
本実施の形態の場合、データ収集サーバ400は、クレンジング後(整備後)の情報を分析した情報もセキュリティーが確保された回線を通じて印刷受発注サーバ41に送信する。クレンジング後(整備後)の情報を分析した情報も、機種の違いを問わない形式の情報の一例である。なお、クレンジング後(整備後)の情報を分析した情報には、例えば生産装置の現在時点での稼働空き状況、生産装置の将来時制での稼働空き状況の予測、在庫量の予測等が含まれてもよい。なお、稼働空き状況の計算には、メンテナンスの予定や休日等も反映される。
本実施の形態の場合、印刷データは、印刷受発注サーバ41からワークフロー管理装置700に直接送信されているが、データ収集サーバ400を経由してワークフロー管理装置700に与えることも可能である。
【0075】
次に、データ収集サーバ400の構成について説明する。
図12は、実施の形態1で使用するデータ収集サーバ400のハードウェア上の構成例を示す図である。
図12に示すように、データ収集サーバ400は、プログラム(基本ソフトウェアを含む)の実行を通じて装置全体を制御するCPU401と、BIOS等を記憶するROM402と、プログラムの実行領域として使用されるRAM403とを有している。
CPU401、ROM402、RAM403は、いわゆるコンピュータを構成し、各種の情報処理を実行する。なお、ROM402は、例えば不揮発性の半導体メモリによって構成される。CPU401は、プロセッサの一例である。
【0076】
ハードディスク装置404は、基本ソフトウェア、印刷受発注サーバ41(
図11参照)から受信された発注情報、工場内から収集された生データが記憶される生データDB404A、生データを機種の違いを問わない形式の情報に整備(クレンジング)した後の生データが記録されるクレンジング済みDB404B、クレンジング済みの生データを分析した結果が記憶される分析結果DB404C等を記憶する。
本実施の形態では、データ収集サーバ400が、工場内から収集するデータを生データという。
【0077】
印刷装置500(
図11参照)からは、製造メーカや機種に依存したデータ形式により、例えば装置ID、装置名、装置のスペック情報、装置のステータス、ステータスの詳細、印刷の種類(タイプ)、印刷の速度、速度の単位、取扱可能な用紙の最大サイズと最小サイズ、色空間と色基準の情報、日次生産能力等の情報が工場内ネットワークを通じて自動的に収集される。
加工装置600(
図11参照)からは、製造メーカや機種に依存したデータ形式により、例えば装置ID、装置名、装置のスペック情報、装置のステータス、ステータスの詳細、加工の種類(タイプ)、加工の速度、速度の単位、日次生産能力等の情報が工場内ネットワークを通じて自動的に収集される。
【0078】
ワークフロー管理装置700(
図11参照)からは、データを管理するプログラムに依存したデータ形式により、例えば受注情報、印刷スケジュール、スケジュールの進捗情報、各生産装置の稼働状況、各生産装置の稼働率、各生産装置のメンテナンス記録等の情報が工場内ネットワークを通じて自動的に収集される。
人員管理装置800(
図11参照)からは、データを管理するプログラムに依存したデータ形式により、工場内での作業に従事する作業員別の技能、出勤スケジュール等の情報が工場内ネットワークを通じて自動的に収集される。
在庫管理装置900(
図11参照)からは、データを管理するプログラムに依存したデータ形式により、生産装置で消費される消耗品の在庫に関する情報が工場内ネットワークを通じて自動的に収集される。
また、不図示の検査装置等に搭載されるセンサ1000(
図11参照)からは、製造メーカや機種に依存したデータ形式により、各センサの出力がIoT(=Internet of Things)ネットワーク等を通じて自動的に収集される。
【0079】
本実施の形態の場合、分析結果DB404Cには、例えば生産装置の現在時刻における稼働空き状況、生産装置の将来時刻における稼働空き状況の予測、在庫量の予測、生産装置の稼働スケジュール等が分析結果として記憶される。分析結果の内容やデータの形式は、工場の違いによらず統一した内容と形式で記録される。
なお、生データのクレンジング(整備)やクレンジング後(整備後)の生データの分析には、人工知能を使用してもよい。もっとも、予め定めた規則に従って情報を分析するプログラムを使用してもよい。ここでの分析に使用する学習済みモデルの学習にも、教師データを使用する深層学習の他、強化学習や深層強化学習を用いてもよい。
【0080】
この他、データ収集サーバ400には、CPU401で実行されるプログラムの操作画面の表示に用いられる表示部405、当該操作画面を操作する作業者の入力に用いられる操作入力部406、インターネット5(
図1参照)や不図示の工場内ネットワークとの通信に用いられる通信IF407が設けられている。工場内ネットワークとの通信には、例えばLANを使用する。
表示部405及び操作入力部406は、データ収集サーバ400の筐体に対して外付けされていてもよい。
図12に示す各部は、不図示のバスや不図示の通信線を通じて互いに接続されている。
【0081】
図13は、実施の形態1で使用するデータ収集サーバ400の機能上の構成例を示す図である。
図13に示す機能上の構成は、CPU401(
図12参照)によるプログラムの実行を通じて実現される。ここでの機能上の構成は、単一のプログラムに限らず、複数のプログラムの連携によって実現されてもよい。
機能面から見たデータ収集サーバ400は、工場内の印刷装置500(
図11参照)、加工装置600(
図11参照)、ワークフロー管理装置700(
図11参照)、人員管理装置800(
図11参照)、在庫管理装置900(
図11参照)、センサ1000(
図11参照)との通信により各装置やセンサから発注先の決定に使用される情報を生データとして収集する生データ収集部4110と、収集された生データを機種の違いを問わない形式にクレンジング(整備)するクレンジング部4120と、クレンジング済みの生データを分析して発注先の決定や各工場に固有の問題の改善に有用な情報を生成するデータ分析部4130と、クレンジング済みの生データや分析結果を印刷受発注サーバ41(
図11参照)にアップロードするデータアップロード部4140と、印刷受発注サーバ41から発注情報を受信する発注情報受信部4150としての機能を有している。
【0082】
生データ収集部4110は、工場内の生産装置等との通信により、生産装置等の状況、生産能力、スケジュール等を表す情報をリアルタイムで収集するプログラムである。データの収集は、生データ収集部4110による生産装置等への送信指示に対する応答として実現してもよいし、生産装置等から一方的に出力されるデータの受信によって実現してもよい。
収集の対象とするデータは、基本的に、時間の経過に伴って動的に変化する。もっとも、変化の周期はデータの種類によって異なる。
なお、生産装置等で発生又は管理される情報の全てを収集してもよいが、変化が検知された情報だけを選択的に収集してもよい。変化を検知する機能は、生データ収集部4110に設けられてもよいし、生産装置等に設けられてもよい。
【0083】
クレンジング部4120は、製造メーカや機種等に依存するデータの形式等の違いを予め定めたデータの形式にクレンジング(整備)するプログラムである。クレンジングでは、例えばデータフォーマットの変換だけでなく、表記の揺れや情報の重複が取り除かれる。クレンジング部4120は、整備手段の一例である。
クレンジング部4120は、作業員の個人情報の匿名化、印刷受発注サーバ41(
図11参照)への情報の提供を禁止する情報の除去等を実行してもよい。なお、印刷受発注サーバ41へのアップロードは禁止するが、データ収集サーバ400によるデータ分析での使用が許可されているデータについては、クレンジング部4120が印刷受発注サーバ41への送信を禁止するフラグ等を付した上でクレンジング(整備)を行ってもよい。
【0084】
データ分析部4130は、クレンジング後の生データを分析し、個々の生産装置又は工場全体での稼働率、生産装置の故障の予測、メンテナンスの予測、エラーパターンの予測、生産装置の状態、生産装置の生産能力、生産能力を向上させるスケジュール案、利益率を向上させるスケジュール案等を出力するプログラムである。分析には、学習済みモデルを使用してもよいし、テーブルや判定処理を組み合わせるプログラムを使用してもよい。
データ分析部4130は、分析の結果を表示部405(
図12参照)の作業画面に表示する機能も備えている。
【0085】
データアップロード部4140は、クレンジング済みの生データやその分析結果を印刷受発注サーバ41に自動的にアップロードするプログラムである。
このうち、クレンジング済みの生データは、データ処理の後、遅滞なく自動的にアップロードされる。このアップロードにより、印刷受発注サーバ41が発注先の決定に使用する工場DB414C(
図10参照)のデータと、アップロード元である印刷事業者システム45(
図1参照)内のデータとが同期される。
前述したように、印刷受発注サーバ41へのアップロードが禁止されているデータは、アップロードの対象から除外される。本実施の形態の場合、データアップロード部4140には、例えば予め定めた情報以外の情報がアップロードされないようにフィルタリングする機能が設けられている。
本実施の形態におけるデータアップロード部4140は、通信内容の安全が保たれた状態で印刷受発注サーバ41との通信を実行する。
発注情報受信部4150は、印刷受発注サーバ41からの発注情報の通知を受信するプログラムである。発注情報受信部4150は、ワークフロー管理装置700(
図11参照)と連携し、発注情報の一部をワークフロー管理装置700と共有する。
【0086】
<紙広告システムによる処理動作>
以下では、紙広告システム1(
図1参照)による処理動作を3つのステージに分けて説明する。
第1のステージは、広告効果測定サーバ30(
図1参照)がメディアオーナからの紙メディアの印刷と配送を受け付けて配送先別の印刷データを生成するまでの処理動作に対応する。
第2のステージは、印刷受発注サーバ41(
図1参照)がメディアオーナから受け付けた紙メディアの印刷等を発注する工場を決定する処理動作に対応する。
第3のステージは、広告効果測定サーバ30がメディアオーナシステム10(
図1参照)と広告主システム20(
図1参照)から取得した測定の結果を分析して相乗り広告の効果を提示するまでの処理動作に対応する。
【0087】
<第1のステージの処理動作>
ここでは、
図14〜
図18を使用して、第1のステージにおける処理動作を説明する。
図14は、第1のステージのうち事前設定に対応する処理動作を説明する図である。なお、図中のSはステップを意味する。
また、
図14では、説明の都合により、メディアオーナシステム10と広告主システム20を1つずつ描いているが、それぞれ複数でもよい。
【0088】
まず、広告効果測定サーバ30は、紙広告システム1(
図1参照)への参加を希望するメディアオーナシステム10及び広告主システム20のそれぞれから登録情報を受け付ける(ステップ1)。
例えばメディアオーナシステム10からは、メディアオーナ、紙メディアの種別、メディアのサイズ、印刷する部数、印刷を発注する原因に関する条件、配送先に関する属性等が登録情報として与えられる。これらの登録情報は、メディアオーナDB314A(
図5参照)やメディアDB314C(
図5参照)に記憶される。
一方、広告主システム20からは、広告主、広告の出稿を希望するメディア、希望する配送先の属性、予算等が登録情報として与えられる。これらの登録情報は、広告主DB314B(
図5参照)や広告DB314D(
図5参照)に記憶される。
【0089】
次に、広告効果測定サーバ30は、事業者別に測定タグを生成する(ステップ2)。
具体的には、登録情報を受け付けたメディアオーナに固有の測定タグと、登録情報を受け付けた広告主に固有の測定タグを生成する。生成された測定タグは、測定タグDB314E(
図5参照)に記憶される。
測定タグが生成されると、広告効果測定サーバ30は、生成された測定タグを対応する事業者のシステムに配布する(ステップ3)。
図14の場合、メディアオーナシステム10には、「media=XXX」が配布されている。また、広告主システム20には、「ad=YYY」が配布されている。ここでの配布は、例えばメディアオーナや広告主が、広告効果測定サーバ30が用意するサイトから自身用の測定タグを取得することで行う。
なお、測定タグを取得したメディアオーナや広告主は、取得した測定タグを、QRコードからの流入を測定したいランディングページに埋め込む。
図15は、測定タグの埋め込み例を説明する図である。(A)はメディアオーナのランディングページの例であり、(B)は広告主のランディングページの例である。
図15の場合、メディアオーナのランディングページのURLは、「https://XXX?id=abc」であり、ページ内に測定タグ「media=XXX」が埋め込まれている。
一方、広告主のランディングページのURLは、「https://XYZ?CID=1」であり、ページ内に測定タグ「ad=YYY」が埋め込まれている。
【0090】
図14の説明に戻る。
図14の場合、この段階で、広告効果測定サーバ30は、相乗り広告の相手方になる可能性がある事業者をマッチング候補として提示する(ステップ4)。
マッチング候補の決定には、メディアDB314C(
図5参照)や広告DB314D(
図5参照)の登録情報が参照される。マッチング候補の決定は、機械的に実行される。
マッチング候補の提示は、メディアオーナや広告主が希望する場合にのみ実行される。なお、マッチング候補の提示は、定期的に実行してもよいし、新たなメディアオーナや広告主が加わる度に実行してもよい。
マッチング候補の提示を受けた事業者は、インターネット5(
図1参照)を通じ、各候補に対する可否などの設定を広告効果測定サーバ30に送信する。各候補に対する可否とは、相乗り広告の相手方として許可する否かである。
以上で、事前設定が終了する。
【0091】
図16は、第1のステージのうち紙メディアの印刷と配送の発注以降の処理動作を説明する図である。なお、図中のSはステップを意味する。
図16の場合も、説明の都合により、メディアオーナシステム10と広告主システム20を1つずつ描いている。
図16の場合、紙メディアの印刷と配送の依頼者は単一のメディアオーナであるが、相乗り広告の相手方となる広告主は複数である可能性がある。
メディアオーナシステム10から広告効果測定サーバ30に対する紙メディアの印刷と配送の発注は、消費者等60がサービスサイトに対する特定のアクションを実行することで発生する。ここでのアクションは、例えば購入等の予約や発注、お気に入りフォルダに入れられたが購入に至らなかった商品等の発生(いわゆるカゴ落ち)、資料請求、POS端末から収集された購買の情報、RFIDの読み取り行動である。これらのアクションを検出したメディアオーナシステム10の印刷依頼サーバ10A(
図2参照)は、アクションの実行者である消費者等60を配送先とする紙メディアの印刷と配送を広告効果測定サーバ30に発注する。
【0092】
広告効果測定サーバ30は、メディアオーナシステム10から発注を受け付ける(ステップ11)。この処理は、印刷等発注受付部324(
図7参照)が実行する。
ここでの発注には、例えば配送先の名前又は名称、配送先の住所又は居所、配送先別の原稿データ、配送先からのアクセスの誘導先となるランディングページのURL等が含まれる。原稿データには、配送先にあたる消費者等60(
図1参照)にオススメする商品や役務の画像等が含まれる。消費者等60が興味をもつ商品等が異なる場合には、原稿データを配送先毎に用意してもよい。
次に、広告効果測定サーバ30は、配送先毎に相乗りする広告主を決定する(ステップ12)。
相乗りの相手となる広告主は、メディアオーナと広告主の双方がマッチング候補として許可を与えていること、広告主が希望する配送先の属性を満たすこと等を条件に決定される。本実施の形態の場合、広告効果測定サーバ30は、決定された相乗りの広告の相手の情報を他方に通知する。この通知は、相乗り相手が決定されるたびに実行してもよいし、予め定めた時刻や周期に従って事後的に実行してもよい。
【0093】
続いて、広告効果測定サーバ30は、配送先別に識別情報を生成する(ステップ13)。
識別情報の生成には、配送先別識別情報生成部326(
図7参照)が用いられる。なお、配送先に識別情報が存在する場合には、配送先別識別情報DB314I(
図6の(B)参照)から読み出して使用する。なお、識別情報の生成は、前述したステップ12と並列に実行してもよい。
次に、広告効果測定サーバ30は、配送先からのアクセスを誘導するサイト別にQRコードを生成する(ステップ14)。ここでの配送先からのアクセスを誘導するサイトを開設する事業者は、メディアオーナと配送先毎に決定された広告主である。もっとも、ここでのメディアオーナは、メディアオーナに限定されず、メディアオーナが広告する商品やサービスを提供する事業者が含まれてもよい。なお、生成されるQRコードには、配送先毎に固有の識別情報が含まれる。従って、アクセスが誘導されるサイトが同じでも、配送先が異なれば、異なる内容のQRコードが生成される。換言すると、ステップ14では、配送先に応じてパーソナライズされたQRコードが生成される。
配送先とメディアオーナの組み合わせについて生成されたQRコードには、メディアオーナのランディングページのURL、メディアID、配送先別の識別情報その他の情報が含まれる。
また、配送先と広告主の組み合わせについて生成されたQRコードには、広告主のランディングページのURL、メディアID、配送先別の識別情報その他の情報が含まれる。
なお、メディアIDは、紙メディアに固有のIDであり、ランディングページへのアクセスの起点となった紙メディアの特定が可能になる。
【0094】
本実施の形態の場合、メディアオーナ用に生成されるQRコードと広告主用に生成されるQRコードの両方に、配送先に固有の識別情報が含まれている。この識別情報が含まれることで、広告効果測定サーバ30による相乗り広告の効果の分析が可能になる。
図17は、事業者別に生成されるQRコードに含まれる情報の例を説明する図である。(A)は消費者Pを配送先とするメディアオーナX用のQRコードに含まれる情報の例を示し、(B)は消費者Pを配送先とする広告主A用のQRコードに含まれる情報の例を示す。
図17の場合、メディアオーナXのランディングページのURLは「https://XXX?id=abc」であり、メディアIDは「media=XXX」であり、識別情報にあたるターゲットIDは「gid=1234」である。
また、広告主AのランディングページのURLは「https://XYZ?CID=1」であり、メディアIDは「media=XXX」であり、識別情報にあたるターゲットIDは「gid=1234」である。
なお、
図17の例では、メディアIDやターゲットIDをそのまま用いる例を示しているが、これらの情報は暗号化されていてもよい。
【0095】
図16の説明に戻る。
QRコードが生成されると、広告効果測定サーバ30は、配送先を誘導するサイト別のQRコードを含む印刷データを配送先別に生成する(ステップ15)。
図18は、配送先別に生成される印刷データのイメージ例を説明する図である。
図18には、
図3との対応部分に対応する符号を付して示している。
図18に示す印刷データのイメージは、
図3に示す原稿イメージに、ステップ14(
図16参照)で生成されたQRコード17A、17B、17Cと、広告主の広告記事18を追加した構成を有している。ここでのQRコード17A及び17Bに対応する画像データは第1のコードの一例であり、QRコード17Cに対応する画像データは第2のコードの一例である。なお、QRコード17A及び17Bは第1の画像の一例であり、QRコード17Cは第2の画像の一例である。
【0096】
例えばQRコード17Aには、メディアオーナが広告するA社の商品へのアクセスが誘導されるランディングページのURLが含まれる。
例えばQRコード17Bには、メディアオーナが広告するB社の商品へのアクサスが誘導されるランディングページのURLが含まれる。本実施の形態の場合、これらのランディングページは、いずれもメディアオーナのウェブサーバ13(
図2参照)で管理される。
例えばQRコード17Cには、メディアオーナとの間で相乗り広告の条件を満たす広告主が広告する商品から誘導されるランディングページのURLが含まれる。本実施の形態の場合、ランディングページは、広告主のウェブサーバ23(
図4参照)で管理される。
【0097】
図16の説明に戻る。
印刷データが生成されると、広告効果測定サーバ30は、配送先を指定して紙メディアの印刷と配送を印刷受発注サーバ41に依頼する(ステップ16)。ここでの発注には、ステップ11で受け付けたメディアオーナからの発注情報が含まれる。
印刷受発注サーバ41は、依頼を受け付けると、依頼主であるメディアオーナの要望や配送先に応じた適切な印刷事業者システム45(
図1参照)を決定する処理に移行する。
すなわち、第2のステージに移行する。
以上説明した
図16に示す処理動作は、いずれも広告効果測定サーバ30によって自動的に実行される。すなわち、消費者等60による特定のアクションを検出したメディアオーナシステム10による発注から印刷の依頼までの時間が大幅に短縮される。
【0098】
<第2のステージの処理動作>
ここでは、
図19及び
図20を使用して、第2のステージにおける処理動作を説明する。
図19は、印刷受発注サーバ41と印刷事業者システム45の間で実行される同期処理を説明する図である。この処理は、常時実行される。
なお、
図19に示す生産装置等は、印刷装置500(
図11参照)、加工装置600(
図11参照)、ワークフロー管理装置700(
図11参照)、人員管理装置800(
図11参照)、在庫管理装置900(
図11参照)、センサ1000(
図11参照)の総称である。
【0099】
生産装置等でデータの発生や変化を検知するイベントが発生すると、イベントに関する生データが生産装置等からデータ収集サーバ400に自動的に送信される。データ収集サーバ400は、受信した生データを蓄積した後、クレンジング(整備)し、更に分析して印刷受発注サーバ41にアップロードする。印刷受発注サーバ41は、新たに受信されたデータで蓄積データを更新する。
図中のアップロード#1では、分析処理の実行後にアップロードを実行しているが、分析処理の実行前にクレンジング後の生データをアップロードしてもよい。アップロード#2は、クレンジング(整備)後のデータを分析前にアップロードしている。なお、分析結果のアップロードは、アップロード#2−1として別途実行される。
また、
図19では、イベント単位でアップロードを実行しているが、複数のイベントに対応する生データをまとめてアップロードしてもよい。
ただし、印刷受発注サーバ41に蓄積されるデータと印刷事業者システム45のデータとを同期させる観点から、イベントの発生からアップロードまでの時間は短いほど好ましい。
【0100】
図20は、印刷受発注サーバ41による印刷の依頼の発注処理を説明する図である。なお、図中のSはステップを意味する。
図20に示す印刷受発注サーバ41の処理動作は、広告効果測定サーバ30(
図1参照)から印刷の依頼#1を受信すること(ステップ21)、又は、印刷の依頼#2を受信すること(ステップ21A)で開始される。
依頼#1は、例えば印刷の依頼主であるメディアオーナから指定された紙メディアの配送先のいずれもが同一地域に属する場合に対応する。
このため、印刷受発注サーバ41は、配送先が属する地域又はその近隣に位置し、かつ、メディアオーナの要望を満たす1箇所の発注先を決定している(ステップ22)。
なお、発注先を1箇所に決定できるのは、依頼された部数の全てを1つの工場で印刷に対応できる場合である。例えば依頼#1で指定された部数が100部の場合に、決定された発注先で100部の印刷が可能な場合である。従って、決定された発注先に印刷可能な部数が80部の場合には、残り20部の印刷が別の発注先に割り当てられることになる。
この場合には、後述する依頼#2と同様に、複数の印刷事業者システム45が発注先に決定されることになる。追加の割り当て先も自動で決定される。
発注先が決定されると、印刷受発注サーバ41は、発注先である工場に対応する印刷事業者システム45に発注#1を送信する(ステップ23)。
図20の場合、発注#1は、印刷事業者システム45のデータ収集サーバ400で受信され、ワークフロー管理装置700等に転送される。
【0101】
一方、依頼#2は、例えば印刷の依頼主であるメディアオーナから指定された紙メディアの配送先が2つの地域に分散する場合に対応する。
このため、印刷受発注サーバ41は、2つの地域毎に、メディアオーナの要望を満たす1箇所の発注先を決定する(ステップ22A)。勿論、発注先を1箇所に決定できるのは、依頼された部数の全てを1つの工場で印刷に対応できる場合である。また、決定された1つの発注先で依頼された部数の全てを印刷できない場合には、残りの部数が他の工場に割り当てられる。
発注先が決定されると、印刷受発注サーバ41は、発注先である工場に対応する印刷事業者システム45に発注#2A及び#2Bを送信する(ステップ23A)。
発注#2Aを受信した印刷事業者システム45と発注#2Bを受信した印刷事業者システム45は、それぞれデータ収集サーバ400を通じ、受信された発注#2A及び#2Bを対応するワークフロー管理装置700等に転送する。
【0102】
なお、本実施の形態の場合には、印刷の発注後に発注先の工場で納期や品質に影響を及ぼす事象が発生しても、リアルタイムで発注先の切り替えが可能である。
例えば発注#1を受信した工場内の印刷装置500(
図11参照)や加工装置600(
図11参照)に、故障などのイベントが発生する場合が考えられる。故障は、納期や品質に影響を及ぼす事象の一例である。なお、故障は、発注#1に対応する印刷を開始する前
に発生するかもしれないし、印刷の途中で発生するかもしれないし、印刷は終了しているが加工が開始する前に発生するかもしれないし、加工の途中で発生するかもしれない。
また、納期や品質に影響を与える事象は、発注#1の印刷スケジュールに影響が及ぶ事象であれば、発注#1の印刷がスケジューリングされた印刷装置500等の故障に限らない。また、発注先として決定された理由の1つに、技能が高い特定の作業員が勤務している時間帯での印刷等が可能であることが含まれる場合、該当する作業員が発注#1の印刷等の実行時に作業に従事できないことも故障と同様に扱われる。
【0103】
いずれにしても、納期や品質に影響が及ぶ事象の発生は、データ収集サーバ400が工場内から自動的に収集する生データの数値の変化として現れる。故障などの種類や内容によっては、センサ1000(
図11参照)によって直接検知される。
本実施の形態におけるデータ収集サーバ400は、収集された生データを即座にクレンジング(整備)し、クレンジング後(整備後)の生データ又は分析結果を自動的に印刷受発注サーバ41にアップロードする。すなわち、自動アップロードする。
事象の発生から自動アップロードまでに人手が介在しないので、極めて短時間のうちに印刷受発注サーバ41に情報が伝達される。
この自動アップロードにより、印刷受発注サーバ41の工場DB414C(
図10参照)の蓄積データが更新される。
ところで、印刷受発注サーバ41の発注先決定部422(
図10参照)は、決定された発注先に印刷を発注した後も、工場DB414Cの蓄積データを通じて、納期や品質に影響が及ぶ事象の発生を監視している。
【0104】
従って、納期や品質への影響を検知した発注先決定部422は、依頼#1の条件を満たす新しい発注先を決定し、新たな発注#1を送信する。ここでの新しい発注#1の内容は、先の発注#1の発注先である工場内における印刷や加工の進捗の状況によって異なる。
例えば先の発注#1の印刷が開始される前であれば、新たに決定された発注先に対して全ての印刷が再発注される。
また、先の発注#1の印刷の一部が既に終了している場合には、残りの印刷と加工が新たに決定された発注先に引き継がれる。なお、印刷が既に開始している場合における残りの印刷の発注は、完全な意味での残りとするか、依頼していた印刷の全体を再発注するかは、予め定めた規則に基づいて決定する。勿論、加工についても同様である。
【0105】
<第3のステージの処理動作>
ここでは、
図21〜
図24を使用して、第3のステージにおける処理動作を説明する。
図21は、第3のステージに対応する処理動作を説明する図である。なお、図中のSはステップを意味する。
第3のステージは、相乗り広告の効果の分析に対応する。このステージは、配送先に指定された消費者等60が、第2のステージで印刷された紙メディアを受け取ることが開始される。本実施の形態における紙メディアには、メディアオーナのランディングページに誘導するQRコードと、広告主のランディングページに誘導するQRコードが印刷されている。
ここでは、消費者等60が携帯端末70(
図1参照)を操作し、興味をもった商品等の説明欄に印刷されているQRコードを読み取るものとする。QRコードの読み取りにより、対応するランディングページへのアクセスが発生する。
【0106】
例えば読み取られたのがメディアオーナに対応するQRコードであった場合、メディアオーナシステム10は、ランディングページへのアクセスに含まれる情報を測定タグ14(
図2参照)で取得し、広告効果測定サーバ30に送信する。
同様に、読み取られたのが広告主に対応するQRコードであった場合、広告主システム20は、ランディングページへのアクセスに含まれる情報を測定タグ24(
図4参照)で取得し、広告効果測定サーバ30に送信する。
図22は、広告効果測定サーバ30が測定タグ14(
図2参照)又は24(
図4参照)を通じて取得する情報の一例を示す図である。
図22の場合、情報#1は「メディア/広告情報」であり、情報#2は「メディアID」であり、情報#3は「ターゲットID」であり、情報#4は「クッキー情報」であり、情報#5は「TBD(=To Be Determined)」である。
【0107】
情報#1は、測定対象がメディアオーナのランディングページであるか広告主のランディングページであるかを示す情報である。本実施の形態では、測定タグ毎に固有の値が用いられる。従って、メディアオーナ側の測定タグから取得される情報#1は「media=XXX」であり、広告主側の測定タグから取得される情報#1は「ad=YYY」である。
なお、「ad=YYY」は、ランディングページへのアクセスに使用される情報(
図17の(B)参照)には含まれていないので、アクセスを検出する測定タグの情報が用いられる。
情報#2は、ランディングページに流入するアクセスの起点となった紙メディアを示す情報である。本実施の形態では、ランディングページのURLに掲載されている紙メディアに固有の値(
図17参照)が用いられる。従って、メディアオーナ側の測定タグから取得される情報#2と広告主側の測定タグから取得される情報#2は、いずれも同じ値になる。
図22の例では「media=XXX」である。
【0108】
情報#3は、広告のターゲットである配送先毎に固有の値(
図17参照)が用いられる。従って、メディアオーナ側の測定タグから取得される情報#3と広告主側の測定タグから取得される情報#3は、いずれも同じ値になる。
図22の例では「1234」である。
情報#4は、配送先である消費者等60(
図1参照)がQRコードの読み取りに使用した携帯端末70(
図1参照)から取得されたクッキー情報である。クッキー情報は、消費者等60による許可が与えられている場合に広告効果測定サーバ30に提供される。
情報#5は、契約に応じて提供される情報である。
図22の場合は、携帯端末70の情報や位置情報等である。
なお、これらの情報の取得が、ランディングページへのアクセスの検出とほぼ同時でない場合には、アクセスを検出した日時の情報も追加される。
【0109】
図21の説明に戻る。
前述したようにランディングページへのアクセスに含まれる情報は、測定タグを通じて広告効果測定サーバ30に自動的に通知されるが、メディアオーナ及び広告主が手動でアクセスの情報を広告効果測定サーバ30に登録することも可能である。
この後、広告効果測定サーバ30は、メディアオーナシステム10と広告主システム20から取得したアクセスの情報を分析する(ステップ31)。
ここでの分析は、アクセス分析部331(
図8参照)が実行する。広告効果測定サーバ30による分析では、例えば各ランディングページに流入したアクセスの数やアクセス率が計算される。また例えば配送先に固有の識別情報に基づいて、メディアオーナと広告主のランディングページの両方にアクセスした配送先の数やアクセス率が計算される。この場合には、どちらのランディングページに先にアクセスしたかの情報も特定される。
【0110】
図23は、配送先に固有の識別情報を用いて分析されたメディアオーナと広告主へのアクセスの結果を管理するテーブルの例を説明する図である。
図23の場合、メディアオーナXのランディングページにアクセスした配送先の識別情報は「1234」と「9100」である。また、相乗りした広告主Aのランディングページにアクセスした配送先の識別情報は「5678」と「9100」である。
このことから、メディアオーナXのランディングページと相乗りした広告主Aのランディングページにアクセスした配送先の識別情報は「9100」であることが分かる。また、アクセスの日時の情報から、識別情報が「9100」の配送先は、相乗りした広告主Aのランディングページに先にアクセスしたことが分かる。
なお、識別情報が「1123」と「3985」の配送先については、いずれのランディングページへのアクセスも測定されていない。
【0111】
図21の説明に戻る。
アクセスが分析されると、広告効果測定サーバ30は、メディアオーナシステム10と広告主システム20の双方に分析結果をレポートする(ステップ32)。
図24は、相乗り広告の効果を分析したレポートの例を示す図である。
このレポートは、メディアオーナXと相乗り広告を出稿した広告主Aの双方に提供される。
図24に示すレポートには、メディアオーナXへのアクセス率と、広告主Aへのアクセス率と、両方へのアクセス率とが含まれる。なお、両方へのアクセス率には、更に、メディアオーナXに先にアクセスした人数等と、広告主Aに先にアクセスした人数等の情報が含まれる。
【0112】
これらの情報は、測定結果がQRコードに対応する事業者内で秘匿される従前の測定方法では知り得ない情報である。従前の測定方法の場合、メディアオーナXへのアクセス率は、ランディングページを管理するメディアオーナXしか知り得ない。同様に、広告主Aへのアクセス率も、ランディングページを管理する広告主Aしか知り得ない。
しかし、本実施の形態の場合には、相乗り広告の相手先の情報を取得できるので、相乗り広告の効果を数値として評価することが可能になる。なお、メディアオーナXへのアクセス率は第1の結果の一例であり、広告主Aへのアクセス率は第2の結果の一例である。
また、両方へのアクセス率等の情報は、従前の測定方法では、全く知り得ない情報である。両方へのアクセス率等の情報は、広告効果測定サーバ30が配送先の識別情報を管理していることで初めて可能になる。ここでの両方へのアクセス率は第3の結果の一例である。
しかも、配送先が、どちらの広告に先に興味を持ったのかの情報も人数や比率として取得できるので、将来の広告計画や広告費用の再評価等が可能になる。
【0113】
図24に示すレポートでは、1枚のダイレクトメール葉書に相乗り広告を出稿した広告主が1つの場合を例示しているが、複数の広告主がそれぞれ異なる広告枠に出稿している場合には、複数の広告主に対する個別のアクセス率がレポートに含まれてもよい。ここでの各広告主へのアクセス率は第4の結果の一例である。
また、この場合には、複数の事業者の組み合わせ毎に同じ配送先からのアクセス率等の情報を評価してレポートに含めることができる。例えばメディアオーナと広告主#1と広告主#2の全てに対する同じ配送先からのアクセス率、メディアオーナと広告主#1の両方に対する同じ配送先からのアクセス率、メディアオーナと広告主#2の両方に対する同じ配送先からのアクセス率、広告主#1と広告主#2の両方に対する同じ配送先からのアクセス率等を含めることができる。
【0114】
<実施の形態2>
続いて、紙広告システム1(
図1参照)を使用する実施の形態2を説明する。
前述した実施の形態1では、携帯端末70(
図1参照)でQRコードを読み取ると、読み取られたQRコードに対応する事業者のランディングページに直接アクセスしているが、本実施の形態では、リダイレクトサーバ経由で対応する事業者のランディングページにアクセスする場合を想定する。本実施の形態では、自身に対するアクセスを、対応するランディングページにリダイレクトするリダイレクトサーバとして、広告効果測定サーバ30(
図1参照)を使用する。
このため、本実施の形態では、広告効果測定サーバ30で実行される機能の1つである事業者別QRコード生成部327(
図7参照)に、配送先を各事業者のランディングページにリダイレクトするためのURLを含むQRコードを生成する機能が設けられる。以下では、同機能を追加したサーバを、広告効果測定サーバ30A(
図25参照)という。
【0115】
図25は、実施の形態2で使用する広告効果測定サーバ30Aの処理動作の一部を説明する図である。
図25には、
図16との対応部分に対応する符号を付して示している。
なお、
図25に示す処理動作が開始する前に、広告効果測定サーバ30Aは、各事業者別の測定タグを事前に生成している(
図14参照)。後述するように、広告効果測定サーバ30Aは、各事業者用のURLへのアクセスを対応するランディングページにリダイレクトする過程で、各事業者に対するアクセスの内容を測定するためである。
図25に示す処理動作のうち、本実施の形態に特有の処理動作は、QRコードの生成に関するステップ14Aである。
ステップ14Aでは、配送先からのアクセスを各事業者のランディングページにリダイレクトするためのURLを含むQRコードを生成する。勿論、QRコードには、配送先別の識別情報も含まれる。
【0116】
図26は、事業者別に生成されるQRコードに含まれる情報の例を説明する図である。
(A)は消費者Pを配送先とするメディアオーナX用のQRコードに含まれる情報の例を示し、(B)は消費者Pを配送先とする広告主A用のQRコードに含まれる情報の例を示す。
図26には、
図17との対応部分に対応する符号を付して示している。
図26の場合、メディアオーナX用のQRコードに含まれる情報には、リダイレクトサーバ内に設けるメディアオーナX用のURLが含まれる。ここでは、「https://XCC?id=abc」である。このうち、「id=abc」は、メディアオーナ用に用意されるアドレスである。
一方、広告主A用のQRコードに含まれる情報には、リダイレクトサーバ内に設ける広告主A用のURLが含まれる。ここでは、「https://ACC?CID=1」である。このうち、「CID=1」は、広告主A用に用意されるアドレスである。
図26に示す情報を含むQRコードが生成されると、配送先別の印刷データが生成される。
【0117】
図27は、配送先別に生成される印刷データのイメージ例を説明する図である。
図27には、
図18との対応部分に対応する符号を付して示している。
本実施の形態の場合、QRコード17A1、17B1には、メディアオーナのランディングページのURLに代えて、リダイレクトサーバ内に設けるメディアオーナ用のURLの情報が含まれている。また、QRコード17C1には、相乗り広告主のランディングページのURLに代えて、リダイレクトサーバ内に設ける広告主用のURLの情報が含まれている。ここでのQRコード17A1、17B1に対応する画像データは第1のコードの一例であり、QRコード17C1に対応する画像データは第2のコードの一例である。また、QRコード17A1、17B1は第1の画像の一例であり、QRコード17C1は第2の画像の一例である。
生成された印刷データは、広告効果測定サーバ30Aから印刷受発注サーバ41(
図25参照)に送信される。この後は、印刷受発注サーバ41による印刷事業者システム45(
図1参照)への印刷の発注、配送事業者50(
図1参照)による配送先への紙メディアの配送が順番に実行される。
【0118】
続いて、広告効果測定サーバ30Aによる各事業者の広告効果の測定処理について説明する。
図28は、実施の形態2で使用する広告効果測定サーバ30Aのうち広告効果の測定機能に対応する構成部分を説明する図である。
図28には、
図8との対応部分に対応する符号を付して示している。
図28に示す機能のうち新規の部分は、リダイレクト処理部333である。
図28に示すリダイレクト処理部333は、リダイレクトサーバとして動作する自サーバ内に設けた事業者別のURLに対するアクセスを、対応する事業者のランディングページにリダイレクトするプログラムである。例えばリダイレクト処理部333は、QRコードからのアクセス先が自サーバ内に設けたメディアオーナ用のURLである場合、アクセスをメディアオーナのランディングページ13B(
図2参照)にリダイレクトする。また、リダイレクト処理部333は、QRコードからのアクセス先が自サーバ内に設けた広告主用のURLである場合、アクセスを広告主のランディングページ23B(
図4参照)にリダイレクトする。
【0119】
なお、本実施の形態におけるリダイレクト処理部333には、アクセスをリダイレクトする過程で、自サーバに流入したアクセスから情報を抽出し、識別情報等取得部330に与える機能も有している。
図29は、実施の形態2で使用する広告効果測定サーバ30Aによるリダイレクト処理とアクセスの分析を説明する図である。
図29には、
図21との対応部分に対応する符号を付して示している。
例えば消費者等60がメディアオーナの商品等の説明欄に印刷されているQRコードを読み取った場合、QRコードの読み取りに使用した携帯端末70(
図1参照)は、広告効果測定サーバ30A内に設けられているメディアオーナ用のURLを宛先として広告効果測定サーバ30Aにアクセスする。
この場合、広告効果測定サーバ30Aは、前述したリダイレクト処理部333(
図28参照)によりアクセスに含まれる情報を取得し(ステップ41)、その後、アクセスをメディアオーナのランディングページ13B(
図2参照)にリダイレクトする(ステップ42)。
なお、取得された情報は、メディアオーナに対するアクセスの測定結果として、例えば広告効果DB314K(
図8参照)に記憶される。
【0120】
一方、消費者等60が広告主の商品等の説明欄に印刷されているQRコードを読み取った場合、QRコードの読み取りに使用した携帯端末70(
図1参照)は、広告効果測定サーバ30A内に設けられている広告主用のURLを宛先として広告効果測定サーバ30Aにアクセスする。
この場合も、広告効果測定サーバ30Aは、前述したリダイレクト処理部333によりアクセスに含まれる情報を取得し(ステップ43)、その後、アクセスを広告主のランディングページ23B(
図4参照)にリダイレクトする(ステップ44)。
なお、取得された情報は、広告主に対するアクセスの測定結果として、例えば広告効果DB314Kに記憶される。
【0121】
本実施の形態の場合も、メディアオーナと広告主は、いずれも手動でアクセスを登録することも可能である。
この後、広告効果測定サーバ30Aは、メディアオーナシステム10と広告主システム20から取得したアクセスの情報を分析し(ステップ31)、メディアオーナシステム10と広告主システム20の双方に分析結果をレポートする(ステップ32)。
レポートの内容は、実施の形態と同様である。すなわち、本実施の形態のように、リダイレクトサーバを用いる場合にも、配送される紙メディアに印刷されるQRコードに配送先に固有の識別情報が含まれていることで、相乗り広告の効果の分析と情報の提供が可能になる。
【0122】
<他の実施形態>
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の技術的範囲は前述した実施の形態に記載の範囲に限定されない。例えば前述した実施の形態に、種々の変更又は改良を加えたものも、本発明の技術的範囲に含まれることは、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0123】
<他の形態例1>
前述の実施の形態においては、紙広告システム1(
図1参照)の利用形態としてダイレクトメール葉書の配送を例示したが、紙広告システム1の利用形態はダイレクトメール葉書の配送に限らない。
図30は、紙広告システムの様々な利用例を説明する図である。
上から1行目は、実施の形態1及び2に対応する。すなわち、配送物がダイレクトメール葉書の場合である。この場合、メディアオーナは、ダイレクトメール葉書の配送者等となる。なお、広告主は任意であり、配送先は消費者等となる。なお、広告主は、相乗り広告の条件等を満たした上で、配送先である消費者等に応じて決定される。このため、メディアオーナと広告主の組み合わせは複数となる。
この例の場合、メディアオーナは、自社だけでなく広告に相乗りした相手先も含めた広告の効果が分かることで、自社の顧客や自社が配送した紙メディアの広告価値を分析することが可能になる。一方、相乗り広告を出向した広告主は、メディアオーナ側の商品等に自社の商品等の広告を相乗りさせることによる効果をより細かく計測することが可能になる。
【0124】
上から2行目は、配送物がカタログ、雑誌等の書籍の場合である。この場合、メディアオーナは、カタログ等の出版者や配送者等となる。この場合も、広告主は任意である。なお、配送先はカタログ等の購読者等となる。書籍の場合、配送先の消費者等をメディアオーナのランディングページに誘導するURLを含むQRコードが印刷されるページと、配送先の消費者等を広告主のランディングページに誘導するURLを含むQRコードが印刷されるページは同じとは限らない。例えばメディアオーナのランディングページに誘導するURLを含むQRコードは表紙や裏表紙に印刷され、広告主のランディングページに誘導するURLを含むQRコードは広告面に印刷される。このため、配送先別印刷データ生成部328(
図7参照)は、製本後の書籍に配送先が異なるQRコードが混在しないように2つのQRコードを関連付けた印刷データを生成する。例えば各印刷データのファイル名に配送先を識別するための符号、番号等を含める。後述するフォトブック、情報誌、チラシについても同様である。
上から3行目は、配送物がフォトブックの場合である。この場合、メディアオーナは、フォトブックの作成を受託した事業者(すなわち受託者)となる。
この場合も、広告主は任意である。なお、配送先はフォトブックの作成をメディアオーナに発注した消費者等の発注者となる。
上から4行目は、配送物が旅行者の属性に応じた情報誌の場合である。ここでの情報誌は、例えば個人旅行者や団体旅行者の興味に応じて紙面がカスタマイズされた雑誌を想定する。この場合、メディアオーナは、旅行事業者や宿泊事業者等となる。なお、旅行を企画する事業者でもよい。
この場合も、広告主は任意である。なお、配送先は、旅行者が宿泊する宿泊場所等となる。なお、宿泊先に到着する前に貸し切りバス等に乗車する場合には、乗車の対象である車両の営業所等を配送先としてもよい。
【0125】
上から5行目は、配送物がネットショッピングの購入物等に同梱するチラシの場合である。これらのチラシは、同梱チラシとも呼ばれる。
この場合、メディアオーナは、購入物等を発送するネットショッピングの事業者等となる。
この場合も、広告主は任意である。なお、チラシの配送先は、購入者等となる。もっとも、チラシを印刷する場所と購入物を梱包する場所とが異なる場合には、チラシの配送先は購入物を梱包する場所となる。
図31は、同梱広告を説明する図である。
図31に示す例は、ダンボール箱80に購入物81を梱包する際に、メディアオーナのチラシ82と、相乗り広告主のチラシ83を梱包する例を表している。なお、前述したダイレクトメール葉書のように、1枚のチラシにメディアオーナの広告と相乗り広告主の広告の両方が印刷されていていてもよい。
【0126】
図31の場合、メディアオーナのチラシ82には、メディアオーナのランディングページ等のURLと購入物の配送先である消費者に固有の識別情報を含むQRコード82Aが印刷されている。ここでのQRコード82Aは第1の画像の一例であり、QRコード82Aに対応する画像データは第1のコードの一例である。また、相乗り広告主のチラシ83には、広告主のランディングページ等のURLと購入物の配送先である消費者に固有の識別情報を含むQRコード83Aが印刷されている。ここでのQRコード83Aは第2の画像の一例であり、QRコード83Aに対応する画像データは第2のコードの一例である。
なお、同梱チラシの場合でも、メディアオーナの広告用のチラシの印刷データと広告主用のチラシの印刷データをまとめて1つの印刷データとしてもよい。もっとも、メディアオーナの広告用のチラシの印刷データと広告主用のチラシの印刷データとが異なる場合には、配送先が同じチラシがダンボール箱80に同梱されるように、各印刷データに配送先を識別するための情報を付与する。この配送先を識別するための情報を付与した印刷データも、配送先別印刷データ生成部328(
図7参照)が生成する。
なお、同梱チラシの場合には、相乗り広告主のチラシも、メディアオーナのチラシの一形態として扱う。相乗り広告主のチラシは、メディアオーナのチラシに従属する関係にあるためである。従って、同梱チラシにおける相乗り広告主のチラシも、メディアオーナが配送するチラシの一形態である。
【0127】
<他の形態例2>
前述の実施の形態の場合には、配送先別の識別情報は、配送先毎に1つである場合について説明したが、相乗り広告を行う事業者毎に異なる識別情報を用いてもよいし、印刷と配送の発注回毎に異なる識別情報を用いてもよい。
図32は、配送先別の識別情報の他の生成例を説明する図である。(A)は同一の配送先であっても事業者別に異なる識別情報を管理する配送先別識別情報DB314Iの例を示し、(B)は同一の配送先であっても発注回毎に異なる識別情報を管理する配送先別識別情報DB314Iの例を示す。
(A)に示す配送先別識別情報DB314Iの場合、配送先1には、メディアオーナX用の識別情報として「1234」が記録されている一方で、広告主A用の識別情報として「abcd」が記録されている。このように同一人に対して複数の識別情報を割り当てることで、これら複数の識別情報の関係を知り得る事業者を、広告効果測定サーバ30を運用する仲介事業者に限定できる。
【0128】
一方、(B)に示す配送先別識別情報DB314Iの場合、発注#1に対応する配送先別識別情報DB314Iには、配送先1に固有の識別情報として「1234」が記録されているのに対し、発注#2に対応する配送先別識別情報DB314Iには、配送先1に固有の識別情報として「2345」が記録されている。このように、発注回毎に異なる識別情報を用いることにより配送先の推定を困難にできる。また、発注回毎に区別して広告の効果を分析することが可能になる。
なお、発注回毎に配送先の識別情報を変更する手法は、(A)に示す配送先別に異なる識別情報を用いる場合にも適用が可能である。もっとも、発注回毎に識別情報を変更するのは、メディアオーナ用の識別情報だけでもよいし、広告主用の識別情報だけでもよい。
【0129】
<他の形態例3>
前述の実施の形態においては、
図16を用いて説明したように、メディアオーナのサービスサイトに対する特定のアクションが検知された場合に、アクションを行った消費者等60(
図16参照)を配送先とする紙メディアの印刷と配送が発注されているが、紙メディアの印刷と配送の発注は、消費者等60のサービスサイトへのアクセスとは関係なく、メディアオーナの自主的な判断により配送先を指定して紙メディアの印刷と配送を広告効果測定サーバ30に発注してもよい。例えば実店舗における消費者等60の購買履歴等を、広告効果測定サーバ30に対する紙メディアの印刷と配送の発注のトリガーに使用してもよい。
なお、購買履歴等には、消費者等60の氏名や住所等の情報が含まれている必要はなく、管理用の情報等を介して消費者等60の氏名や住所等との紐付けが可能であればよい。
【0130】
<他の形態例4>
前述の実施の形態においては、メディアオーナや広告主が開設するランディングページに配送先を誘導するためのURLと配送先別の識別情報を含むQRコードや配送先からのアクセスを各事業者のランディングページにリダイレクトするためのURLと配送先別の識別情報を含むQRコードが紙メディアの表面に印刷されている場合について説明したが、紙メディア内に埋め込まれている又は貼り付けられている又は貼り付けられるRFIDタグに、前述したURLと配送先別の識別情報を記録してもよい。なお、メディアオーナの広告欄と広告主の広告欄には、それぞれ異なるRFIDタグを埋め込む。RFIDタグは、近距離での無線通信が可能なIC(=Integrated Circuit)タグである。RFIDタグには、アンテナとICチップが内蔵されている。本形態例の場合、動作に必要な電力を外部から受信するパッシブ型のICタグを想定する。もっとも、電池を内蔵するアクティブ型のICタグを排除しない。
RFIDタグを用いる場合、QRコードの生成は不要であるので、事業者別QRコード生成部327(
図7参照)に代えて、前述したURLと配送先別の識別情報を含む事業者別のコードを生成する機能部を用意する。ここでの機能部は、コード生成部の一例である。
【0131】
また、RFIDタグを用いる場合には、QRコード17A等(
図18参照)の紙メディアへの印刷は不要になる。一方で、1つの紙メディアには、メディアオーナ用のRFIDタグと広告主用のRFIDタグが別々に埋め込まれる場合と、メディアオーナ用と広告主用とで兼用する1つのRFIDタグだけが埋め込まれる場合がある。リダイレクトサーバを用いる場合についても同様である。
いずれの場合にも同じ配送先について生成されたコードは、対応するメディアに埋め込まれているRFIDタグに書き込まれる必要がある。RFIDタグに書き込まれるデータのうち、メディアオーナの広告へのアクセスを測定するための情報(例えば
図17の(A)に示す情報)は第1のコードの一例であり、広告主の広告へのアクセスを測定するための情報(例えば
図17の(B)に示す情報)は第2のコードの一例である。
【0132】
例えば1つの紙メディアにメディアオーナ用のRFIDタグと広告主用のRFIDタグの2つが埋め込まれている場合、メディアオーナ用のコード(第1のコードに相当)はメディアオーナの広告に埋め込まれているRFIDタグに書き込み、広告主用のコード(第2のコードに相当)は広告主用の広告に埋め込まれているRFIDタグに書き込む必要がある。
RFIDタグへの各コードの書き込みは、印刷受発注サーバ41で行ってもよいし、印刷事業者システム45で行ってもよいし、配送事業者50で行ってもよい。なお、RFIDタグに書き込むデータは、広告効果測定サーバ30が供給する。
この際、広告効果測定サーバ30は、配送先別に、書き込み用データを生成して印刷受発注サーバ41等に供給してもよい。この場合、広告効果測定サーバ30は、配送先別に、(メディアオーナ用のコード,広告主用のコード)のデータ構造を有する書き込み用データを生成する。
もっとも、広告効果測定サーバ30は、配送先別の書き込み用データを生成せず、RFIDタグへの書き込みの際に、その都度、各RFIDタグに対応するコードを抽出して書き込みを行ってもよい。
【0133】
なお、RFIDタグに記録されている情報の読み取りには、携帯端末70に内蔵されているRFIDリーダを使用すればよい。読み取り後の動作は、前述した実施の形態と同様である。
RFIDにメディアオーナや広告主が開設するランディングページに配送先を誘導するためのURLや配送先からのアクセスを各事業者のランディングページにリダイレクトするためのURLを書き込むタイミングは、配送先別の紙メディアへの印刷の前でも印刷の後でもよい。
一方、RFIDタグが1個の場合には、メディアオーナや広告主が開設するランディングページに配送先を誘導するためのURLや配送先からのアクセスを各事業者のランディングページにリダイレクトするためのURLの両方を含むデータを、対応するRFIDタグに書き込む。この場合には、RFIDタグの読み取り時に、いずれのランディングページにアクセスするかをユーザに問い合わせる画面を表示させる。
【0134】
<他の形態例5>
前述の実施の形態では、印刷受発注サーバ41を使用して紙メディアの印刷を印刷事業者システム45に発注しているが、印刷受発注サーバ41を用いずに紙メディアの印刷を発注してもよい。例えば契約等で定めた特定の印刷事業者に対して一括して紙メディアの印刷を発注等してもよい。
<他の形態例6>
前述の実施の形態においては、広告効果測定サーバ30を広告効果測定システムの一例として説明したが、広告効果測定システムの範囲には、印刷受発注サーバ41や印刷事業者システム45等を含めてもよい。また、配送事業者50を広告効果測定システムの一部に含めてもよい。
【0135】
<他の形態例7>
前述の実施の形態及び他の形態例では、メディアオーナが広告効果を測定する事業者に紙メディアの印刷が発注されることをトリガーとして、相乗り広告効果の測定に用いるQRコード等の生成が開始されているが、QRコード等の生成を開始するトリガーは、紙メディアの印刷の発注に限らない。
例えば紙メディアの配送先毎にパーソナライズされたデータの生成の依頼又は指示をトリガーとして、QRコードの生成を開始してもよい。この例は、メディアオーナが自身で印刷する場合やメディアオーナが個別に提携する工場でメディアを印刷する場合等に用いられる。また、メディアオーナと広告効果を測定する事業者とが一体である場合にも、紙メディアの印刷の発注を伴うことなく、QRコードの生成が開始される。この場合、メディアオーナシステム10(
図1参照)は、相乗り広告の測定に用いるQRコードの生成を依頼又は指示する端末として機能する。
なお、この場合でも、広告効果測定サーバ30は、予め定めた相乗り広告の条件を満たす広告主を決定する。
【0136】
<他の形態例8>
前述の実施の形態及び他の形態例の場合、メディアDB314C(
図5参照)には、メディアオーナが広告する商品やサービスの内容又は種類が登録されておらず、広告DB314D(
図5参照)には、広告主が希望するメディアオーナ側の商品やサービスの内容又は種類が登録されていない。
しかし、メディアDB314Cに登録される情報に、メディアオーナが広告する商品やサービスの内容又は種類を含め、広告DB314Dに登録される情報に、広告主が希望するメディアオーナ側の商品やサービスの内容又は種類を含めてもよい。
【0137】
商品の内容又は種類には、例えば食品名、和洋中等の食品のジャンル、大人服、子ども服、男性服、女性服等の分類、上着、パンツ、肌着等の名称や分類、教材の内容や分類、キャンプ用意品の名称や用品の分類、ゴルフ用品の名称や分類、車の名称や種別がある。
サービスの内容又は種類には、例えば教育サービスの名称や内容、飲食サービスの名称や内容、輸送サービスの名称や内容、運送サービスの名称や内容、人材サービスの名称や内容、通信サービスの名称や内容がある。
これらの情報が登録されていれば、広告効果測定サーバ30(
図14参照)がマッチング候補を提示する際(すなわち
図14のステップ4における提示の際)に、広告主の希望をより正確に反映させることが可能になる。
【0138】
この他、メディアDB314Cに登録される情報に、メディアオーナが希望する広告主側の商品やサービスの内容又は種類を含め、広告DB314Dに登録される情報に、広告主が広告する商品やサービスの内容又は種類を含めてもよい。
これらの情報が登録されていれば、広告効果測定サーバ30がマッチング候補を提示する段階で、メディアオーナの希望をより正確に反映させることが可能になる。
なお、メディアDB314Cと広告DB314Dに登録される情報には、メディアオーナが希望する広告主側の商品やサービスの内容又は種類と広告主が希望するメディアオーナ側の商品やサービスの内容又は種類の両方を含めてもよい。勿論、その場合には、マッチング候補の提示に必要な相手方の商品やサービスの内容又は種類をメディアDB314Cと広告DB314Dに登録する。
【0139】
なお、メディアDB314Cと広告DB314Dには、相乗り広告の相手先から除外したい商品やサービスの内容又は種類が登録されていてもよい。この場合、マッチング候補として提示される相手側における商品やサービスの内容又は種類が、メディアオーナや広告主の希望と異なる可能性を低減できる。
また、メディアDB314Cと広告DB314Dには、相乗り広告の相手先から除外したい相手側の業種が登録されていてもよい。この場合、マッチング候補として提示される相手先の業種が、自社の商品やサービスに合わない相手先がマッチング候補として提示される可能性を低減できる。
【0140】
<他の形態例9>
前述の実施の形態及び他の形態例の場合、印刷依頼サーバ10A(
図2参照)から広告効果測定サーバ30(
図1参照)に送信される原稿データ(
図3参照)には、ダイレクト葉書の配送先毎に固有の個人名又は名称が含まれているが、メディアオーナの広告等に用いられる領域15A(
図3参照)にも、ダイレクト葉書の配送先毎に固有の個人名等を含めてもよい。個人名等は、メディアオーナが用意する原稿データの段階で含まれてもよいが、印刷データ(
図18参照)を生成する段階で、広告効果測定サーバ30が挿入してもよい。
なお、広告効果測定サーバ30による個人名等の挿入は、メディアオーナから提供される商品等の画像データ内に個人名等を挿入する又は置き換える領域が用意されている場合に限定してもよい。
もっとも、メディアオーナが許可する場合には、個人名等を挿入する又は置き換える領域が用意されていなくても、配送先毎に固有の個人名等を空白部分に又はレイアウトを変更して追加してもよい。
【0141】
また、
図18に示すダイレクト葉書の印刷データの説明では、広告主の広告が割り当てられる予定の領域15B(
図18参照)に、ダイレクト葉書の配送先毎に固有の個人名等を含めることについて説明しなかったが、メディアオーナ用の領域15A(
図18参照)と同様、配送先毎に固有の個人名等を記録してもよい。
なお、広告効果測定サーバ30による個人名等の挿入は、広告主から提供される商品等の画像データ内に個人名等を挿入する又は置き換える領域が用意されている場合に限定してもよい。
もっとも、広告主が許可する場合には、個人名等を挿入する又は置き換える領域が用意されていなくても、配送先毎に固有の個人名等を空白部分に又はレイアウトを変更して追加してもよい。
【解決手段】広告効果測定システムは、第1の事業者の印刷メディアに記録される、配送先毎にパーソナライズされたデータを生成する場合に、予め定めた相乗り条件を満たす第2の事業者を決定する決定部と、第1の事業者に対応する第1のランディングページのアドレス又は対応するアドレスと、印刷メディアの配送先を特定する第1の識別情報とを含む第1のコードを配送先別に生成する第1のコード生成部と、第2の事業者に対応する第2のランディングページのアドレス又は対応するアドレスと、印刷メディアの配送先を特定する第2の識別情報とを含む第2のコードを配送先別に生成する第2のコード生成部とを有する。