特許第6632308号(P6632308)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6632308ワイヤレス送電装置、その制御回路および制御方法、充電器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6632308
(24)【登録日】2019年12月20日
(45)【発行日】2020年1月22日
(54)【発明の名称】ワイヤレス送電装置、その制御回路および制御方法、充電器
(51)【国際特許分類】
   H02J 50/12 20160101AFI20200109BHJP
   H02J 50/80 20160101ALI20200109BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20200109BHJP
   H02M 7/48 20070101ALI20200109BHJP
【FI】
   H02J50/12
   H02J50/80
   H02J7/00 301D
   H02M7/48 E
【請求項の数】15
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2015-202258(P2015-202258)
(22)【出願日】2015年10月13日
(65)【公開番号】特開2017-77058(P2017-77058A)
(43)【公開日】2017年4月20日
【審査請求日】2018年9月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(74)【代理人】
【識別番号】100133215
【弁理士】
【氏名又は名称】真家 大樹
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 政考
(72)【発明者】
【氏名】森永 智也
【審査官】 高野 誠治
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−159668(JP,A)
【文献】 特開2013−027076(JP,A)
【文献】 特開2006−202705(JP,A)
【文献】 特開2009−140766(JP,A)
【文献】 特開2015−165761(JP,A)
【文献】 特開2002−084673(JP,A)
【文献】 特開2014−054134(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0347008(US,A1)
【文献】 特開2014−082897(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2016/0285279(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 50/00 − 50/90
H02J 7/00
H02M 7/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤレス受電装置に電力信号を送信するワイヤレス送電装置であって、
送信コイルを含む送信アンテナと、
電源ラインと前記送信アンテナの一端の間に設けられる第1スイッチ、前記電源ラインと前記送信アンテナの他端の間に設けられる第2スイッチ、前記送信アンテナの前記一端と接地ラインの間に設けられる第3スイッチ、前記送信アンテナの前記他端と前記接地ラインの間に設けられる第4スイッチ、を含むインバータ回路と、
前記送信アンテナが前記ワイヤレス受電装置から受信した制御信号を復調し、前記制御信号に含まれる電力制御データにもとづいて前記インバータ回路を制御する制御回路と、
を備え、
前記制御回路は、
(i)前記第1スイッチおよび前記第2スイッチを含む第1ペアをデューティ比50%で相補的にスイッチングし、前記第3スイッチと前記第4スイッチを含む第2ペアをデューティ比50%で相補的にスイッチングし、前記第1ペアと前記第2ペアの位相差を最小値と最大値の間で送信電力に応じて変化させ、前記インバータ回路をフルブリッジ動作させる第1モードと、
(ii)前記第1ペアをデューティ比50%で相補的にスイッチングし、スイッチング周波数を送信電力に応じて変化させ、前記インバータ回路をハーフブリッジ動作させる第2モードと、
(iii)前記第1ペアをデューティ比50%で相補的にスイッチングし、前記第2ペアをデューティ比50%で相補的にスイッチングし、前記第1ペアと前記第2ペアの前記位相差を前記最小値とし、スイッチング周波数を送信電力に応じて変化させ、前記インバータ回路をフルブリッジ動作させる第3モードと、
が選択可能であり、前記第1モードから前記第2モードへと遷移する際に、前記第3モードを経由可能であることを特徴とするワイヤレス送電装置。
【請求項2】
前記制御回路は、前記送信電力を低下させるとき、前記第1モード、前記第3モードの順に遷移することを特徴とする請求項1に記載のワイヤレス送電装置。
【請求項3】
前記制御回路は、前記送信電力を増加させるとき、前記第2モードから前記第1モードへと、前記第3モードを経由せずに遷移することを特徴とする請求項1または2に記載のワイヤレス送電装置。
【請求項4】
前記制御回路は、前記第1モードから前記第3モードに加えて、
(iv)前記第1ペアをデューティ比50%で相補的にスイッチングし、前記第2ペアをデューティ比50%で相補的にスイッチングし、前記第1ペアと前記第2ペアの前記位相差を前記最大値とし、スイッチング周波数を送信電力に応じて変化させ、前記インバータ回路をフルブリッジ動作させる第4モードが選択可能であり、
前記第1モードからさらに前記送信電力を増加させるとき前記第4モードに遷移することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のワイヤレス送電装置。
【請求項5】
前記制御回路は、前記第1モードから前記第3モードに加えて、
(v)前記第1ペアを相補的に、最大のスイッチング周波数にてスイッチングし、前記第1ペアのデューティ比を前記送信電力に応じて変化させ、前記インバータ回路をハーフブリッジ動作させる第5モードが選択可能であり、
前記第2モードからさらに前記送信電力を低下させるとき前記第5モードに遷移することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のワイヤレス送電装置。
【請求項6】
Qi規格に準拠することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のワイヤレス送電装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれかに記載のワイヤレス送電装置を備えることを特徴とする充電器。
【請求項8】
ワイヤレス受電装置に電力信号を送信するワイヤレス送電装置に使用される制御回路であって、
前記ワイヤレス送電装置は、前記制御回路に加えて、
送信コイルを含む送信アンテナと、
電源ラインと前記送信アンテナの一端の間に設けられる第1スイッチ、前記電源ラインと前記送信アンテナの他端の間に設けられる第2スイッチ、前記送信アンテナの前記一端と接地ラインの間に設けられる第3スイッチ、前記送信アンテナの前記他端と前記接地ラインの間に設けられる第4スイッチ、を含むインバータ回路と、
を備え、
前記制御回路は、
前記送信アンテナが受信した前記ワイヤレス受電装置からの制御信号を復調する復調器と、
前記制御信号に含まれる、送信電力の増加、減少を指示する電力制御データにもとづき、前記インバータ回路への制御信号を生成する電力制御部と、
を備え、
前記電力制御部は、
(i)前記第1スイッチおよび前記第2スイッチを含む第1ペアをデューティ比50%で相補的にスイッチングし、前記第3スイッチと前記第4スイッチを含む第2ペアをデューティ比50%で相補的にスイッチングし、前記第1ペアと前記第2ペアの位相差を最小値と最大値の間で送信電力に応じて変化させ、前記インバータ回路をフルブリッジ動作させる第1モードと、
(ii)前記第1ペアをデューティ比50%で相補的にスイッチングし、スイッチング周波数を送信電力に応じて変化させ、前記インバータ回路をハーフブリッジ動作させる第2モードと、
(iii)前記第1ペアをデューティ比50%で相補的にスイッチングし、前記第2ペアをデューティ比50%で相補的にスイッチングし、前記第1ペアと前記第2ペアの前記位相差を前記最小値とし、スイッチング周波数を送信電力に応じて変化させ、前記インバータ回路をフルブリッジ動作させる第3モードと、
が選択可能であり、前記電力制御部は、前記第1モードから前記第2モードへと遷移する際に、前記第3モードを経由可能であることを特徴とする制御回路。
【請求項9】
前記電力制御部は、前記送信電力を低下させるとき、前記第1モード、前記第3モードの順に遷移することを特徴とする請求項8に記載の制御回路。
【請求項10】
前記電力制御部は、前記送信電力を増加させるとき、前記第2モードから前記第1モードへと、前記第3モードを経由せずに遷移することを特徴とする請求項8または9に記載の制御回路。
【請求項11】
Qi規格に準拠することを特徴とする請求項8から10のいずれかに記載の制御回路。
【請求項12】
ひとつの半導体基板に一体集積化されることを特徴とする請求項8から11のいずれかに記載の制御回路。
【請求項13】
ワイヤレス受電装置に電力信号を送信するワイヤレス送電装置の制御方法であって、
前記ワイヤレス送電装置は、
送信コイルを含む送信アンテナと、
電源ラインと前記送信アンテナの一端の間に設けられる第1スイッチ、前記電源ラインと前記送信アンテナの他端の間に設けられる第2スイッチ、前記送信アンテナの前記一端と接地ラインの間に設けられる第3スイッチ、前記送信アンテナの前記他端と前記接地ラインの間に設けられる第4スイッチ、を含むインバータ回路と、
を備え、
前記制御方法は、
(i)前記第1スイッチおよび前記第2スイッチを含む第1ペアをデューティ比50%で相補的にスイッチングし、前記第3スイッチと前記第4スイッチを含む第2ペアをデューティ比50%で相補的にスイッチングし、前記第1ペアと前記第2ペアの位相差を最小値と最大値の間で送信電力に応じて変化させ、前記インバータ回路をフルブリッジ動作させる第1ステップと、
(ii)前記第1ペアをデューティ比50%で相補的にスイッチングし、スイッチング周波数を送信電力に応じて変化させ、前記インバータ回路をハーフブリッジ動作させる第2ステップと、
(iii)前記第1ペアをデューティ比50%で相補的にスイッチングし、前記第2ペアをデューティ比50%で相補的にスイッチングし、前記第1ペアと前記第2ペアの前記位相差を前記最小値とし、スイッチング周波数を送信電力に応じて変化させ、前記インバータ回路をフルブリッジ動作させる第3ステップと、
前記送信電力に応じて前記第1ステップから前記第3ステップを切り替えるステップと、
を備え、
前記第1ステップから前記第2ステップに遷移する際に、前記第3ステップを経由することを特徴とする制御方法。
【請求項14】
前記送信電力を低下させるとき、前記第1ステップ、前記第3ステップの順に遷移することを特徴とする請求項13に記載の制御方法。
【請求項15】
前記送信電力を増加させるとき、前記第2ステップから前記第1ステップへと、前記第3ステップを経由せずに遷移することを特徴とする請求項13または14に記載の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワイヤレス給電技術に関し、特に送信電力の制御に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子機器に電力を供給するために、ワイヤレス給電が普及し始めている。異なるメーカーの製品間の相互利用を促進するために、WPC(Wireless Power Consortium)が組織され、WPCにより国際標準規格であるQi(チー)規格が策定された。Qi規格にもとづいたワイヤレス給電は、送信コイルと受信コイル間の電磁誘導を利用したものである。
【0003】
図1は、Qi規格に準拠したワイヤレス給電システム10の構成を示す図である。給電システム10は、送電装置20(TX、Power Transmitter)と受電装置30(RX、Power Receiver)と、を備える。受電装置30は、携帯電話端末、スマートホン、オーディオプレイヤ、ゲーム機器、タブレット端末などの電子機器に搭載される。
【0004】
送電装置20は、送信コイル(1次コイル)22、インバータ回路24、コントローラ26、復調器28を備える。インバータ回路24は、Hブリッジ回路(フルブリッジ回路)あるいはハーフブリッジ回路を含み、送信コイル22に駆動信号S1、具体的にはパルス信号を印加し、送信コイル22に流れる駆動電流により、送信コイル22に電磁界の電力信号S2を発生させる。コントローラ26は、送電装置20全体を統括的に制御する。
【0005】
Qi規格では、送電装置20と受電装置30の間で通信プロトコルが定められており、受電装置30から送電装置20に対して、制御信号S3による情報の伝達が可能となっている。この制御信号S3は、後方散乱変調(Backscatter modulation)を利用して、AM(Amplitude Modulation)変調された形で、受信コイル32(2次コイル)から送信コイル22に送信される。この制御信号S3には、たとえば、受電装置30に対する電力供給量を制御する電力制御データ(パケットともいう)や、受電装置30の固有の情報を示すデータなどが含まれる。復調器28は、送信コイル22の電流あるいは電圧にもとづいて制御信号S3を復調する。コントローラ26は、復調された制御信号S3に含まれる電力制御データにもとづいて、インバータ回路24を制御する。
【0006】
受電装置30は、受信コイル32、整流回路34、平滑コンデンサ36、変調器38、負荷40、コントローラ42、電源回路44を備える。受信コイル32は、送信コイル22からの電力信号S2を受信するとともに、制御信号S3を送信コイル22に対して送信する。整流回路34および平滑コンデンサ36は、電力信号S2に応じて受信コイル32に誘起される電流S4を整流・平滑化し、直流電圧VRECTに変換する。
【0007】
電源回路44は、送電装置20から供給された電力を利用して図示しない二次電池を充電し、あるいは直流電圧VRECTを昇圧あるいは降圧し、コントローラ42やその他の負荷40に供給する。
【0008】
コントローラ42は、整流電圧VRECTがその目標値に近づくように、送電装置20からの電力供給量を制御する電力制御データ(コントロールエラーパケット、CEパケットとも称する)を生成する。変調器38は、電力制御データを含む制御信号S3にもとづいて、受信コイル32のコイル電流を変調することにより、送信コイル22に制御信号S3を送信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2013−038854号公報
【特許文献2】特開2014−107971号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
Qi規格は当初、携帯電話端末、スマートホン、タブレット端末など、5W以下の低電力向けに策定された(Volume I Low Power、以下、Low Power規格という)。続いて、15Wまでの中電力(Volume II Middle Power、以下、Middle Power規格という)の策定の準備が進められ、将来的には120Wの大電力をサポートすることが計画されている。
【0011】
Low Power規格では、インバータ回路24は、ハーフブリッジインバータで構成され、Middle Power規格では、フルブリッジ回路で構成される。送電装置20が、Low Power規格の受電装置30と、Middle Power規格の受電装置30の両方をサポートする場合、送信電力を幅広いレンジで変化させるために、インバータ回路24をフルブリッジ構成とし、送信電力に応じて、フルブリッジ動作とハーフブリッジ動作を切り替える必要がある。
【0012】
本発明者らが、フルブリッジ動作とハーフブリッジ動作の切り替えについて検討した結果、それらの切り替えは、送電装置20からの送信電力の不連続、ひいては受電装置30における整流電圧VRECTの不連続が生じさせる要因となることを認識するに至った。これらの不連続は、受電装置30側において通信品質の低下を招き、また受電装置30の安定性を損なう。またこれらの不連続は、受電装置30の動作点を不安定にするため、充電が不安定となる。
【0013】
また、インバータ回路24の動作切り替えにともなう整流電圧VRECTの急峻な上昇を許せば、受電装置30の定格電圧を高めなければならず、回路部品を高耐圧化する必要があり、コストの上昇の要因となる。
【0014】
なおこれらの問題を当業者の一般的な認識と捉えてはならず、本発明者らが独自に認識したものである。
【0015】
本発明は係る課題に鑑みてなされたものであり、そのある態様の例示的な目的のひとつは、フルブリッジ動作とハーフブリッジ動作をシームレスに切り替え可能な送電装置の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明のある態様は、ワイヤレス受電装置に電力信号を送信するワイヤレス送電装置に関する。ワイヤレス送電装置は、送信コイルを含む送信アンテナと、電源ラインと送信アンテナの一端の間に設けられる第1スイッチ、電源ラインと送信アンテナの他端の間に設けられる第2スイッチ、送信アンテナの一端と接地ラインの間に設けられる第3スイッチ、送信アンテナの他端と接地ラインの間に設けられる第4スイッチ、を含むインバータ回路と、送信アンテナがワイヤレス受電装置から受信した制御信号を復調し、制御信号に含まれる電力制御データにもとづいてインバータ回路を制御する制御回路と、を備える。制御回路は、(i)第1スイッチおよび第2スイッチを含む第1ペアをデューティ比50%で相補的にスイッチングし、第3スイッチと第4スイッチを含む第2ペアをデューティ比50%で相補的にスイッチングし、第1ペアと第2ペアの位相差を最小値と最大値の間で送信電力に応じて変化させ、インバータ回路をフルブリッジ動作させる第1モードと、(ii)第1ペアをデューティ比50%で相補的にスイッチングし、スイッチング周波数を送信電力に応じて変化させ、インバータ回路をハーフブリッジ動作させる第2モードと、(iii)第1ペアをデューティ比50%で相補的にスイッチングし、第2ペアをデューティ比50%で相補的にスイッチングし、第1ペアと第2ペアの位相差を最小値とし、スイッチング周波数を送信電力に応じて変化させ、インバータ回路をフルブリッジ動作させる第3モードと、が選択可能である。
【0017】
この態様によると、第3モードを利用することで、インバータ回路がフルブリッジ動作する第1モードと、インバータ回路がハーフブリッジ動作する第2モードとの間の連続性を高めることができる。
【0018】
制御回路は、送信電力を低下させるとき、第1モード、第3モードの順に遷移してもよい。
【0019】
制御回路は、送信電力を増加させるとき、第2モードから第1モードへと、第3モードを経由せずに遷移してもよい。
【0020】
制御回路は、第1モードから第3モードに加えて、(iv)第1ペアをデューティ比50%で相補的にスイッチングし、第2ペアをデューティ比50%で相補的にスイッチングし、第1ペアと第2ペアの位相差を最大値とし、スイッチング周波数を送信電力に応じて変化させ、インバータ回路をフルブリッジ動作させる第4モードが選択可能であり、第1モードからさらに送信電力を増加させるとき第4モードに遷移してもよい。
【0021】
制御回路は、第1モードから第3モードに加えて、(v)第1ペアを相補的に、最大のスイッチング周波数にてスイッチングし、第1ペアのデューティ比を送信電力に応じて変化させ、インバータ回路をハーフブリッジ動作させる第5モードが選択可能であり、第2モードからさらに送信電力を低下させるとき第5モードに遷移してもよい。
【0022】
ワイヤレス受電装置は、Qi規格に準拠してもよい。
【0023】
本発明の別の態様は充電器に関する。充電器は、上述のいずれかのワイヤレス送電装置を備えてもよい。
【0024】
本発明の別の態様は、ワイヤレス受電装置に電力信号を送信するワイヤレス送電装置に使用される制御回路に関する。ワイヤレス送電装置は、制御回路に加えて、送信コイルを含む送信アンテナと、電源ラインと送信アンテナの一端の間に設けられる第1スイッチ、電源ラインと送信アンテナの他端の間に設けられる第2スイッチ、送信アンテナの一端と接地ラインの間に設けられる第3スイッチ、送信アンテナの他端と接地ラインの間に設けられる第4スイッチ、を含むインバータ回路と、を備える。制御回路は、送信アンテナが受信したワイヤレス受電装置からの制御信号を復調する復調器と、制御信号に含まれる、送信電力の増加、減少を指示する電力制御データにもとづき、インバータ回路への制御信号を生成する電力制御部と、を備える。電力制御部は、(i)第1スイッチおよび第2スイッチを含む第1ペアをデューティ比50%で相補的にスイッチングし、第3スイッチと第4スイッチを含む第2ペアをデューティ比50%で相補的にスイッチングし、第1ペアと第2ペアの位相差を最小値と最大値の間で送信電力に応じて変化させ、インバータ回路をフルブリッジ動作させる第1モードと、(ii)第1ペアをデューティ比50%で相補的にスイッチングし、スイッチング周波数を送信電力に応じて変化させ、インバータ回路をハーフブリッジ動作させる第2モードと、(iii)第1ペアをデューティ比50%で相補的にスイッチングし、第2ペアをデューティ比50%で相補的にスイッチングし、第1ペアと第2ペアの位相差を最小値とし、スイッチング周波数を送信電力に応じて変化させ、インバータ回路をフルブリッジ動作させる第3モードと、が選択可能である。
【0025】
制御回路は、ひとつの半導体基板に一体集積化されてもよい。
「一体集積化」とは、回路の構成要素のすべてが半導体基板上に形成される場合や、回路の主要構成要素が一体集積化される場合が含まれ、回路定数の調節用に一部の抵抗やキャパシタなどが半導体基板の外部に設けられていてもよい。回路を1つのチップ上に集積化することにより、回路面積を削減することができるとともに、回路素子の特性を均一に保つことができる。
【0026】
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや、本発明の構成要素や表現を、方法、装置、システムなどの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0027】
本発明のある態様によれば、インバータ回路のフルブリッジ動作とハーフブリッジ動作をシームレスに切り替えることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】Qi規格に準拠したワイヤレス給電システムの構成を示す図である。
図2】実施の形態に係るワイヤレス送電装置を備える給電システムのブロック図である。
図3】第1モードのインバータ回路の動作波形図である。
図4】第2モードのインバータ回路の動作波形図である。
図5】第3モードのインバータ回路の動作波形図である。
図6】第4モードのインバータ回路の動作波形図である。
図7】第5モードのインバータ回路の動作波形図である。
図8】第1モード〜第5モードを模式的に示す図である。
図9】第1モード〜第5モードの状態遷移図である。
図10】電力制御部の構成例を示すブロック図である。
図11】送電装置を備える充電器の回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
【0030】
本明細書において、「部材Aが、部材Bと接続された状態」とは、部材Aと部材Bが物理的に直接的に接続される場合のほか、部材Aと部材Bが、それらの電気的な接続状態に実質的な影響を及ぼさない、あるいはそれらの結合により奏される機能や効果を損なわせない、その他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。
同様に、「部材Cが、部材Aと部材Bの間に設けられた状態」とは、部材Aと部材C、あるいは部材Bと部材Cが直接的に接続される場合のほか、それらの電気的な接続状態に実質的な影響を及ぼさない、あるいはそれらの結合により奏される機能や効果を損なわせない、その他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。
【0031】
図2は、実施の形態に係るワイヤレス送電装置を備える給電システム100のブロック図である。給電システム100は、送電装置200(TX、Power Transmitter)と受電装置300(RX、Power Receiver)と、を備える。受電装置300は、携帯電話端末、スマートホン、オーディオプレイヤ、ゲーム機器、タブレット端末などの電子機器に搭載される。以下では、送電装置200および受電装置300は、Qi規格に準拠することを前提として説明する。
【0032】
送電装置200は、たとえば充電台を有する充電器に搭載される。送電装置200は、送信アンテナ201、インバータ回路204および制御回路210を備える。送信アンテナ201は、直列に接続された送信コイル(1次コイル)202および共振コンデンサ203を含む。
【0033】
インバータ回路204は、第1スイッチSW1〜第4スイッチSW4を含むHブリッジ回路(フルブリッジ回路)であり、図示しない電源からの直流電圧VDDを交流の駆動電圧に変換し、送信アンテナ201に供給する。インバータ回路204は、第1スイッチSW1〜第4スイッチSW4のスイッチングに応じて、送信アンテナ201の両端間に駆動信号S1を印加し、その結果、送信コイル202に流れる駆動電流により、送信コイル202に電磁界の電力信号S2を発生させる。
【0034】
第1スイッチSW1は、電源ラインと送信アンテナ201の一端の間に設けられる。第2スイッチSW2は、電源ラインと送信アンテナ201の他端の間に設けられる。第3スイッチSW3は、送信アンテナ201の一端と接地ラインの間に設けられ、第4スイッチSW4は、送信アンテナ201の他端と接地ラインの間に設けられる。第1スイッチSW1と第2スイッチSW2を第1ペア、第3スイッチSW3と第4スイッチSW4を第2ペアと称する。ペアを形成する2個のスイッチは、制御回路210により相補的にスイッチングされる。
【0035】
制御回路210は、送電装置200全体を統括的に制御する。制御回路210は、送信アンテナ201がワイヤレス受電装置300から受信した制御信号S3を復調し、制御信号S3に含まれる電力制御データ(コントロールエラーパケット、以下、CEパケットと称する)にもとづいて、インバータ回路204を制御し、送信電力PTXを変化させる。
【0036】
Qi規格では、送電装置200と受電装置300の間で通信プロトコルが定められており、受電装置300から送電装置200に対して、制御信号S3による情報の伝達が可能となっている。この制御信号S3は、後方散乱変調(Backscatter modulation)を利用して、AM(Amplitude Modulation)変調された形で、受信コイル302(2次コイル)から送信コイル202に送信される。この制御信号S3には、たとえば、受電装置300に対する電力供給量を制御する電力制御データ(コントロールエラーパケット、以下CEパケットともいう)が含まれる。CEパケットは、受電装置300において生成される整流電圧とその目標値との誤差を示しており、整流電圧が目標値より高いとき、CEパケットは負の値をとり、整流電圧が目標値より低いとき、CEパケットは正の値をとる。Qi規格においては送電装置200と受電装置300により、送信電力に関してPID(比例・積分・微分)制御のフィードバックループが形成される。
【0037】
制御回路210は、送信アンテナ201が受電装置300から受信した制御信号S3を復調し、制御信号S3に含まれる電力制御データ(CEパケット)にもとづいてインバータ回路204を制御する。
【0038】
本実施の形態において、制御回路210は、所望の送信電力PTXのレンジに応じて、第1モードφ1〜第5モードφ5の5つのモードが選択可能となっており、モードごとにインバータ回路204を異なる態様でスイッチングする。
【0039】
(i) 第1モードφ1
図3は、第1モードφ1のインバータ回路204の動作波形図である。第1モードφ1において、インバータ回路204は以下の態様でフルブリッジ動作する。第1ペアSW1,SW2はデューティ比50%で相補的にスイッチングされ、第2ペアSW3,SW4はデューティ比50%で相補的にスイッチングされる。スイッチング周波数fは、第1周波数f(たとえば160kHz)で固定される。制御回路210は、第1ペアと第2ペアの位相差αを、その最小値αMINと最大値αMAXの間で所望の送信電力PTXに応じて変化させる。図3では、位相αがとある値で固定されているときの様子を示す。たとえばαMAX=180°、αMIN=10°としてもよい。
【0040】
(ii) 第2モードφ2
図4は、第2モードφ2のインバータ回路204の動作波形図である。なお、図4図7それぞれにおいて、左の方が送信電力PTXが大きく、右の方が送信電力PTXが小さい。第2モードφ2において、インバータ回路204は以下の態様でハーフブリッジ動作する。第1ペアSW1,SW2は、デューティ比50%で相補的にスイッチングされ、第2ペアSW3,SW4は、SW3をオフ、SW4をオンとして固定される。なお変形例においてSW3をオフ、SW4をオンとしてもよい。第2モードφ2では、制御回路210は、スイッチング周波数fを、第1周波数fと第2周波数fの間で、所望の送信電力PTXに応じて変化する。第2周波数fはたとえば205kHzである。
【0041】
(iii) 第3モードφ3
図5は、第3モードφ3のインバータ回路204の動作波形図である。第3モードφ3において、インバータ回路204は以下の態様でフルブリッジ動作する。第3モードφ3において、第1ペアSW1,SW2はデューティ比50%で相補的にスイッチングされ、第2ペアSW3,SW4もデューティ比50%で相補的にスイッチングされる。制御回路210は、第1ペアSW1,SW2と第2ペアSW3,SW4の位相差αを180°より小さい所定値(たとえば最小値αMIN)に固定し、スイッチング周波数fを、第1周波数fと第3周波数fの間で、所望の送信電力PTXに応じて変化させる。第3周波数fはたとえば200kHzである。
【0042】
(iv) 第4モードφ4
図6は、第4モードφ4のインバータ回路204の動作波形図である。第4モードφ4において、インバータ回路204は以下の態様でフルブリッジ動作する。第1ペアSW1,SW2はデューティ比50%で相補的にスイッチングされ、第2ペアSW3,SW4もデューティ比50%で相補的にスイッチングされる。制御回路210は、第4モードφ4において、第1ペアSW1,SW2と第2ペアSW3,SW4の位相差αを最大値αMAX(すなわち180°)とし、スイッチング周波数fを、第1周波数fと最低周波数f(ただしf<f)の間で、所望の送信電力PTXに応じて変化させる。たとえばf=110kHzである。
【0043】
(v) 第5モードφ5
図7は、第5モードφ5のインバータ回路204の動作波形図である。第5モードφ5において、インバータ回路204は以下の態様でハーフブリッジ動作する。第1ペアSW1,SW2は、最大のスイッチング周波数(上述の第2周波数f)で相補的にスイッチングされ、第2ペアSW3,SW4は、SW3をオフ、SW4をオンとして固定される。なお変形例においてSW3をオフ、SW4をオンとしてもよい。制御回路210は、第1ペアSW1,SW2のデューティ比dを最大値DMAXと最小値DMINの間で所望の送信電力PTXに応じて変化させる。最大値DMAXはたとえば50%である。最小値DMINは5%程度としてもよい。
【0044】
図8は、第1モードφ1〜第5モードφ5を模式的に示す図である。
【0045】
続いて、第1モードφ1〜第5モードφ5の切り替え制御について説明する。図9は、第1モードφ1〜第5モードφ5の状態遷移図である。
【0046】
第1モードφ1において、位相差αが最小値αMINまで低下した状態で、送信電力PTXの低下を指示する電力制御信号(負のCEパケット)を受信したとき、第3モードφ3に遷移する(S100)。
【0047】
第3モードφ3において、スイッチング周波数fが第1周波数fまで低下した状態で、送信電力PTXの増加を指示する電力制御信号(正のCEパケット)を受信したとき、第1モードφ1に遷移する(S102)。
【0048】
第3モードφ3において、スイッチング周波数fが第2周波数fまで上昇した状態で、送信電力PTXの低下を指示する電力制御信号(負のCEパケット)を受信したとき、第2モードφ2に遷移する(S104)。
【0049】
第2モードφ2において、スイッチング周波数fが第1周波数fまで低下した状態で、送信電力PTXの増加を指示する電力制御信号(正のCEパケット)を受信したとき、第1モードφ1に遷移する(S106)。
【0050】
第2モードφ2において、スイッチング周波数fが第3周波数fまで上昇した状態で、送信電力PTXの低下を指示する電力制御信号(負のCEパケット)を受信したとき、第5モードφ5に遷移する(S108)。
【0051】
第5モードφ5において、デューティ比dが最大値dMAXまで上昇した状態で、送信電力PTXの増加を指示する電力制御信号(正のCEパケット)を受信したとき、第2モードφ2に遷移する(S110)。
【0052】
また第1モードφ1において、位相差αが最大値αMAXまで増加した状態で、送信電力PTXの増加を指示する電力制御信号(正のCEパケット)を受信したとき、第4モードφ4に遷移する(S112)。
【0053】
第4モードφ4において、スイッチング周波数fが第1周波数fまで上昇した状態で、送信電力PTXの低下を指示する電力制御信号(負のCEパケット)を受信したとき、第1モードφ1に遷移する(S114)。
【0054】
つまり制御回路210は、送信電力PTXを低下させるとき、第1モードφ1から第3モードφ3を経て、第2モードφ2に遷移する。また制御回路210は、送信電力PTXを増加させるとき、第2モードφ2から第1モードφ1へと、第3モードφ3を経由せずに遷移する。
【0055】
実施の形態に係る送電装置200によれば、第3モードφ3を経由させることで、インバータ回路204がフルブリッジ動作する第1モードφ1と、インバータ回路204がハーフブリッジ動作する第2モードφ2との間の連続性を高めることができる。これにより、送信電力PTXの不連続、ひいては受電装置300における整流電圧VRECTの不連続を防止でき、通信品質を改善し、受電装置300の安定性を高めることができる。
【0056】
また、受電装置300における整流電圧VRECTの急峻な上昇を抑制できるため、受電装置300の定格電圧を低く設計でき、回路部品の耐圧を下げることができ、コストを下げることができる。
【0057】
本発明は、上述の説明から導かれるさまざまな装置、回路に及ぶものであり、特定の構成に限定されるものではない。以下、本発明の範囲を狭めるためではなく、発明の本質や回路動作の理解を助け、またそれらを明確化するために、より具体的な構成例を説明する。
【0058】
制御回路210の具体的な構成を説明する。制御回路210は、復調器212、電力計算部214、電力制御部216、ドライバ218を備える。制御回路210は、ひとつの半導体基板に一体に集積化された機能IC(Integrated Circuit)である。
【0059】
復調器212は、送信アンテナ201が受信したワイヤレス受電装置からの制御信号S3を復調する。電力計算部214は、送信アンテナ201からの送信電力PTXを測定する。具体的には電力計算部214は、送信アンテナ201に印加される電圧および電流を検出し、それらの積にもとづいて送信電力PTXを計算する。送信電力PTXは、異物検出などに利用することができる。
【0060】
電力制御部216は、制御信号S3から送信電力の増加、減少を指示するCEパケットを抽出する。電力制御部216は、各モードにおいて、CEパケットに応答してスイッチング周波数f、位相差α、デューティ比dのひとつを変化させ、あるいは別のモードに遷移する。
【0061】
図10は、電力制御部216の構成例を示すブロック図である。電力制御部216は、ロジック回路で構成することができる。電力制御部216は、ステートマシン220および駆動信号生成部224を含む。ステートマシン220は、スイッチング周波数f、デューティ比d、位相差α、CEパケットにもとづいて、適切なモードを選択する。駆動信号生成部224は、CEパケットおよび現在のモードにもとづいて、インバータ回路204の4個のスイッチSW1〜SW4を制御するための駆動信号を生成する。第1モードφ1では、CEパケットに応答して位相差αを変化させ、第2モードφ2、第3モードφ3、第4モードφ4では、CEパケットに応答してスイッチング周波数fを変化させ、第5モードφ5では、CEパケットに応答してデューティ比dを変化させる。
【0062】
続いて送電装置200の用途を説明する。図11は、送電装置200を備える充電器400の回路図である。充電器400は、受電装置300を備える電子機器500を充電する。充電器400は、筐体402、充電台404、回路基板406、を備える。給電対象の電子機器は、充電台404上に載置される。インバータ回路204や制御回路210その他の回路部品は、回路基板406上に実装される。送信アンテナ201は、充電台404の直下にレイアウトされる。充電器400は、AC/DCコンバータ410により直流電圧を受けてもよいし、AC/DCコンバータを内蔵してもよい。あるいは充電器400は、USB(Universal Serial Bus)などの給電線を備えるバスを介して、外部からDC電力の供給を受けてもよい。
【0063】
実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。以下、こうした変形例を説明する。
【0064】
(第1の変形例)
実施の形態では、第2モードφ2からさらに送信電力PTXを増加させる際に、第3モードφ3を経由せずに第1モードφ1に遷移することとしたが、第3モードφ3を経由させてもよい。具体的には、第2モードφ2においてスイッチング周波数fが第2周波数fまで低下した状態で、正のCEパケットを受信すると、第3モードφ3に遷移してもよい。
【0065】
(第2の変形例)
実施の形態では、第3モードφ3からさらに送信電力PTXを増加させる際に、第2モードφ2に遷移することとしたが、第3モードφ3の周波数の上限を、第2周波数f(205kHz)に設定し、第3モードφ3から第5モードφ5に遷移するようにしてもよい。
【0066】
(第3の変形例)
実施の形態では、第4モードφ4や第5モードφ5を選択可能としたが、送信電力PTXのレンジが狭い場合には、それらの一方、あるいは両方を省略してもよい。
【0067】
(第4の変形例)
実施の形態では、Qi規格について説明したが、本発明は将来策定されるであろうQi規格の派生規格、あるいは別の規格にも適用可能である。
【0068】
実施の形態にもとづき、具体的な用語を用いて本発明を説明したが、実施の形態は、本発明の原理、応用を示しているにすぎず、実施の形態には、請求の範囲に規定された本発明の思想を逸脱しない範囲において、多くの変形例や配置の変更が認められる。
【符号の説明】
【0069】
100…給電システム、200,TX…送電装置、201…送信アンテナ、202…送信コイル、203…共振コンデンサ、204…インバータ回路、210…制御回路、212…復調器、214…電力計算部、216…電力制御部、218…ドライバ、SW1…第1スイッチ、SW2…第2スイッチ、SW3…第3スイッチ、SW4…第4スイッチ、220…ステートマシン、224…駆動信号生成部、300,RX…受電装置、302…受信コイル、S1…駆動信号、S2…電力信号、S3…制御信号、400…充電器、402…筐体、404…充電台、406…回路基板。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11