特許第6632818号(P6632818)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6632818荷電粒子レンズに組み込まれた光学部品およびガス送達
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6632818
(24)【登録日】2019年12月20日
(45)【発行日】2020年1月22日
(54)【発明の名称】荷電粒子レンズに組み込まれた光学部品およびガス送達
(51)【国際特許分類】
   H01J 37/244 20060101AFI20200109BHJP
   H01J 37/12 20060101ALI20200109BHJP
【FI】
   H01J37/244
   H01J37/12
【請求項の数】24
【外国語出願】
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-130499(P2015-130499)
(22)【出願日】2015年6月29日
(65)【公開番号】特開2016-15319(P2016-15319A)
(43)【公開日】2016年1月28日
【審査請求日】2018年6月28日
(31)【優先権主張番号】14/320,560
(32)【優先日】2014年6月30日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】501419107
【氏名又は名称】エフ・イ−・アイ・カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100103171
【弁理士】
【氏名又は名称】雨貝 正彦
(72)【発明者】
【氏名】エヌ・ウィリアム・パーカー
(72)【発明者】
【氏名】マーカス・ストロー
(72)【発明者】
【氏名】ホルヘ・フィリヴィチ
(72)【発明者】
【氏名】オーレリアン・フィリッペ・ジャン・マクルー・ボツマン
(72)【発明者】
【氏名】マーク・ダブリュー・ウトロート
(72)【発明者】
【氏名】スティーブン・ランドルフ
(72)【発明者】
【氏名】クライブ・ディー・チャンドラー
【審査官】 鳥居 祐樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−173529(JP,A)
【文献】 実開平01−157423(JP,U)
【文献】 特開2007−227382(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0224780(US,A1)
【文献】 特開平11−233060(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01J 37/12
H01J 37/22
H01J 37/244
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)試験体保持位置を画定するプラットホームと、
b)前記試験体保持位置に最も近い最終電極を含む一組の電極を有する静電レンズと
を備え、
c)前記最終電極が、第1および第2の通路を含み、前記第1の通路は光を伝送するように配され、前記第1の通路は前記電極の底面に実質的に平行であり、前記光は前記第1の通路内を前記電極の前記底面に平行に導かれ、
d)前記第1の通路は、前記試験体を照明する光源からの光を前記試験体に導くように、または、前記試験体が発する光を検出するために検出器に導くように構成され、
e)前記第2の通路は、前記試験体へガスを導き、または前記試験体からのガスを導くように構成されるガス通路であ
荷電粒子ビーム・カラム・アセンブリ。
【請求項2】
前記第1の通路が、光検出器を収容する末端を含む、請求項1に記載の荷電粒子ビーム・カラム・アセンブリ。
【請求項3】
前記第1の通路が第1および第2の光通路を含、請求項1または2に記載の荷電粒子ビーム・カラム・アセンブリ。
【請求項4】
前記第1の光通路が前記光源で終わり、前記第2の光通路が光検出器で終わる、請求項3に記載の荷電粒子ビーム・カラム・アセンブリ。
【請求項5】
前記最終電極が金属製であり、前記第1または第2の通路が、前記金属中の管状の中空空間を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の荷電粒子ビーム・カラム・アセンブリ。
【請求項6】
前記金属がチタン合金を含む、請求項5に記載の荷電粒子ビーム・カラム・アセンブリ。
【請求項7】
前記中空空間の内表面が、反射を増大させるために研磨されている、請求項5または6に記載の荷電粒子ビーム・カラム・アセンブリ。
【請求項8】
前記第1の通路を貫いて延びている光導体をさらに含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の荷電粒子ビーム・カラム・アセンブリ。
【請求項9】
前記第2の通路がガス源に接続された末端を含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の荷電粒子ビーム・カラム・アセンブリ。
【請求項10】
前記第2の通路が、前記最終電極に含まれる第1および第2のガス通路を含む、請求項9に記載の荷電粒子ビーム・カラム・アセンブリ。
【請求項11】
前記第1のガス通路が前記ガス源で終わり、前記第2のガス通路がガス検出器で終わる、請求項10に記載の荷電粒子ビーム・カラム・アセンブリ。
【請求項12】
前記第1のガス通路が第1のガス源で終わり、前記第2のガス通路が第2のガス源で終わる、請求項10に記載の荷電粒子ビーム・カラム・アセンブリ。
【請求項13】
前記最終電極が試験体表面から2mm以内に配置される、請求項1から12のいずれか一項に記載の荷電粒子ビーム・カラム・アセンブリ。
【請求項14】
前記第1および第2の通路が、前記荷電粒子ビームに対して横断方向に向けられている、請求項1から13のいずれか一項に記載の荷電粒子ビーム・カラム・アセンブリ。
【請求項15】
前記第1の通路は、前記光が前記第1の通路を通り抜ける際に、前記光が複数回反射されるように構成される、請求項1から14のいずれか一項に記載の荷電粒子ビーム・カラム・アセンブリ。
【請求項16】
前記最終電極が平板電極である、請求項1から15のいずれか一項に記載の荷電粒子ビーム・カラム・アセンブリ。
【請求項17】
a)試験体保持位置を画定するプラットホームと、
b)前記試験体保持位置に最も近い最終電極を含む一組の電極を含む静電レンズと
を備え、
c)前記最終電極が第1および第2の通路を含み、前記第1の通路は光を伝送し、前記光が前記第1の通路を通り抜ける際に、前記光が複数回反射されるように構成され、
d)前記第2の通路は、少なくとも、ガス源からのガスを前記試験体に導くように構成される
荷電粒子ビーム・カラム・アセンブリ。
【請求項18】
最終電極を含む一組の電極を含む静電レンズを有する荷電粒子ビーム・システム内の所定の試験体位置に向けて光を導くか、または、荷電粒子ビーム・システム内の所定の試験体位置からの光を導く方法であって、
a)前記最終電極の内部通路を介する所定の試験体位置への光通路、または前記最終電極の内部通路を介する所定の試験体位置からの光通路を備えることであって、前記内部通路は前記電極の底面に実質的に平行であり、前記光は前記内部通路内を前記最終電極の前記底面に平行に導かれることと、
b)前記光通路中へ光を発射することと、
を備え、
c)前記光通路は、前記試験体を照明する光源からの光を前記試験体に導くように、または、前記試験体が発する光を検出するために検出器に導くように、構成される、
方法。
【請求項19】
前記所定の試験体位置への追加の光通路をさらに備え、前記光通路中へ光を発射することが、前記光通路に沿って前記試験体に向けて光を導くことを含み、前記追加の光通路を通して前記試験体からの光を受け取ることをさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記内部通路が研磨された表面を有し、前記光が前記試験体に出入りする際に前記研磨された表面から前記光が反射される、請求項18または19に記載の方法。
【請求項21】
前記最終電極が、チタン合金を含む、請求項18から20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
少なくとも1本の追加の光通路を備え、前記少なくとも1本の追加の光通路中へ光を発射することをさらに含む、請求項18、20、21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記内部通路を通して前記所定の試験体位置にガスを導くことをさらに含む、請求項18から22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記内部通路が第1のガス通路を含み、前記ガスが第1のガスであり、第2のガス通路を通して第2のガスを前記所定の試験体位置に送ることをさらに含む、請求項23に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、荷電粒子ビーム・カラム・アセンブリに関する。より詳細には、本発明は、カラムの底から2mm以内に試験体が保持される荷電粒子ビーム・カラム・アセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
荷電粒子ビーム・カラムは、試験体を機械加工または画像化するために、ステージ上に支持された試験体に荷電粒子ビームを導く。しばしば、2つの荷電粒子ビーム・カラムがタンデム(tandem)で使用され(「デュアル・ビーム・システム」)、画像化のために電子ビームが使用され、機械加工のために集束イオン・ビームが使用される。デュアル・ビーム・システムでは通常、どちらかのカラムの下端と試験体の間に少なくとも13mmの隙間がある。この隙間は、カラムの側に置かれた光源が、試験体上に光を斜めに照射することを可能にする。さらに、試験体に向かって所望のガスを直接に導入するため、この隙間に、1つまたは複数のガス・ノズルを挿入することもできる。
【0003】
カラムの端部を試験体に大幅に近づけることによって、およびカラムの端部を円錐形ではなく平らにすることによって利益を得ることができることが最近分かった。しかしながら、この設計思想は、カラムと試験体の間の小さな隙間にガス・ノズルを挿入する余地がないため、試験体へのガスの送達を妨げる。同様に、光源からカラムの側へ導かれた光が試験体に到達することも、カラムの底によって妨げられるであろう。光もしくはガスまたはその両方を試験体へ送達する必要があるいくつかの製造技法が存在するため、カラムの下端が試験体のすぐ近くにあるにもかかわらずこれらの要素を試験体へ送達することができるなんらかの方法が見出されない限り、この設計思想が実際的なものになり得ない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、荷電粒子ビーム・カラムの下端から約2mm以内に置かれた試験体に光もしくはガスまたはその両方を導く方法および装置を含む。
【課題を解決するための手段】
【0005】
荷電粒子ビーム・カラム・アセンブリは、試験体保持位置を画定するプラットホームを含み、それぞれの静電レンズが一組の電極を含む一組の静電レンズを有する。このアセンブリは、試験体保持位置に最も近い最終電極を含む最終静電レンズを含む。この最終電極は、末端(terminus)を有する少なくとも1本の内部通路を画定し、この末端は、試験体保持位置に近接し試験体保持位置の方へ向けられている。いくつかの実施形態は、異なる2種類のガスを試験体へ導くため、または試験体へ光を導き、試験体からの光を別の場所へ導くために、2本以上の通路を提供する。他の実施形態では、ガス通路と光通路の両方が提供される。使用方法は、それらの通路を使用して、画像化中または機械加工中に、光もしくはガスまたはその両方を試験体へ導き、試験体からの光を別の場所へ導くことを含む。
【0006】
以上では、以下の本発明の詳細な説明をより十分に理解できるように、本発明の特徴および技術上の利点をかなり大まかに概説した。以下では、本発明の追加の特徴および利点を説明する。開示される着想および特定の実施形態を、本発明の目的と同じ目的を達成するために他の構造体を変更しまたは設計するためのベースとして容易に利用することができることを当業者は理解すべきである。さらに、そのような等価の構造体は、添付の特許請求の範囲に記載された本発明の趣旨および範囲を逸脱しないことを当業者は理解すべきである。
【0007】
次に、本発明および本発明の利点のより完全な理解のため、添付図面に関して書かれた以下の説明を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】集束イオン・ビーム・カラムの破断図であり、カラムの大部分が概略的な外面図として示され、通路を露出させるために、部分的に破断された最終レンズの最終電極が、垂直方向に拡大された垂直断面図として示された破断図である。
図2】本発明の実施形態を実装することができる集束イオン・ビーム・カラムの垂直断面図である。
図3】光通路を示す、本発明の一態様に基づく荷電粒子ビーム・カラムの底部の垂直断面図である。
図4】複数の光通路を示す、本発明の一態様に基づく荷電粒子ビームの最終電極の水平断面図である。
図5】幅の広い2本の光通路を示す、図4の実施形態の代替実施形態の荷電粒子ビームの最終電極の水平断面図である。
図6】ガス通路を示す、本発明の一態様に基づく荷電粒子ビーム・カラムの底部の垂直断面図である。
図7図6の一部として示された、やはりガス通路を示す最終電極の水平断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施形態は、光もしくはガスまたはその両方を試験体へ導きまたは試験体から導くことを可能にする最終電極を有する荷電粒子ビーム・カラムを対象とする。
【0010】
図1は、荷電粒子ビーム・カラム10の破断図を、カラム10の大部分が概略的な外面図として示され、最終レンズの最終電極12が、切り詰められた形で示されたカラム10の残りの部分に比べて垂直に大きく拡大された断面図として示されるように示す。大まかに概観すると、荷電粒子カラム10は最終電極12を含み、最終電極12は、試験体16へ光を伝送しまたは試験体16からの光を伝送する一組の通路14と、1種類のガスまたは異なる2種類のガスを試験体16へ送達することを可能にする別の一組の通路18とを含むように機械加工されている。後により詳細に説明するが、横断方向の寸法(transverse dimension)内に2本以上の通路を形成することができる。さらに、これらの光通路は、光導体(light pipe)を含むことができる。最終電極12内を通して光もしくはガスまたはその両方を試験体16へ導き、または試験体16から導くことによって、機械加工能力または画像化能力を犠牲にすることなく、試験体16から2mm以内の距離に最終電極を配置することが可能である。
【0011】
図2を参照すると、荷電粒子ビーム・カラム20を示すことによって本明細書に開示された実施形態の構成を提供する。標準ショットキ源30が荷電粒子流を生成し、この荷電粒子流はガン・レンズ32によって集束し、その後、ブランキングされないときには、ブランカ(blanker)34および一組の偏向器36を通り抜ける。次いで、荷電粒子ビームは主レンズ38を通過する。主レンズ38は、試験体に最も近い最終電極12を含む。最後に、ビームは試験体位置16に到達する。試験体位置16は、試験体ホルダ44の位置によって画定される。後方散乱電子検出器46が、試験体から反射または放出された高エネルギー(50eV超)電子を検出する。同様に、2次電子検出器48が、試験体から放出された低エネルギー(50eV未満)電子を検出する。
【0012】
図3を参照すると、好ましい一実施形態では、最終電極12aが、荷電粒子ビーム52の通過を許す開口(aperture)50を画定し、第1の光通路14aおよび第2の光通路14bを含む。光通路14aは、試験体位置16へ光を伝送する目的に使用され、光通路14bは、試験体からの光を伝送する目的に使用されるが、これらの役割は固定ではなく変更することができる。電極12aは金属製、より具体的にはチタン合金製とすることができ、その場合、光通路は、意図された経路の内面間で光が反射することができるように内面が研磨された中空の管状空間とすることができる。光通路14aおよび14bはともに、試験体位置に近接し試験体位置の方へ向けられた末端54を有する。最終電極12aのすぐ上の電極56も示されている。好ましい一実施形態では、光通路が、電極12a内に形成された中空の空間に挿入された光導体である。
【0013】
最終電極12bの上面図である図4を参照すると、大部分において平行な一組の3本の光通路14cが、試験体位置16に向かって光が伝わることを可能にし、大部分において平行な3本の光通路14dが、試験体位置16からの光が試験体位置16から離れる方向へ伝わることを可能にする。一組の光導体58が経路14cへ光を伝送し、経路14dからの光を伝送する。開口50は、荷電粒子ビームおよび光が、試験体16に到達し、試験体16から集められることを可能にする。
【0014】
図5を参照すると、好ましい代替実施形態では、最終電極12cが、より幅の広い一対の光通路14eおよび14fを画定する。光通路14eは試験体位置16へ光を伝送し、光通路14fは、試験体位置16からの光を伝送する。通路14eおよび14fはともに、試験体位置16に近づくと幅が狭くなり、それによって試験体に向かって光を導く。光通路14eへ光を伝送し、または光通路14fからの光を伝送するために、最終電極12cのどちらの側においても幅の広い光導体を使用することができる。
【0015】
図6および7は、開口50の真下の試験体16へ第1のガス62および第2のガス64を送達する第1のガス通路18aおよび第2のガス通路18bを最終電極12dが画定する実施形態を示す。ガス閉じ込めバリア70が有毒ガスの漏出を防ぐ。好ましい代替実施形態ではガス閉じ込めバリア70が存在しない。代替実施形態では、特定の点にガスをより正確に導くため、試験体16に最も近い開口部にノズルが取り付けられる。
【0016】
他の好ましい実施形態では、通路14a〜14fのうちの任意の通路が、ガス通路と光通路の両方の役割を、透明なガスが送達されている場合には同時に果たし、または、ガス通路と光通路の両方の役割を異なる使用段階において果たす。
【0017】
本発明のいくつかの実施形態によれば、荷電粒子ビーム・カラム・アセンブリは、試験体保持位置を画定するプラットホームと、それぞれの静電レンズが一組の電極を含む一組の静電レンズであり、試験体保持位置に最も近い最終電極を含む最終静電レンズを含む一組の静電レンズとを備え、前記最終電極は、末端を有する少なくとも1本の内部通路を画定し、この末端は、試験体保持位置に近接し試験体保持位置の方へ向けられている。
【0018】
いくつかの実施形態では、前記少なくとも1本の内部通路が、光通路と、光検出器を収容する追加の末端とを含む。いくつかの実施形態では、前記少なくとも1本の内部通路が第1の光通路を含み、前記最終電極が、前記第1の光通路に加えて第2の光通路を画定する。いくつかの実施形態では、前記第1の光通路が光源で終わり、前記第2の光通路が光検出器で終わる。
【0019】
いくつかの実施形態では、前記少なくとも1本の内部通路がガス通路でもあり光通路でもあり、前記少なくとも1本の内部通路が、ガス源と光源の両方と連通する末端を含む。いくつかの実施形態では、前記最終電極が金属製であり、前記少なくとも1本の内部通路が、この金属中の管状の中空空間の形態をとる。いくつかの実施形態では、この金属がチタン合金を含む。いくつかの実施形態では、中空空間の表面が、反射を増大させるために研磨される。
【0020】
いくつかの実施形態では、前記少なくとも1本の内部通路を貫いて光導体が延びている。いくつかの実施形態では、前記少なくとも1本の内部通路がガス通路を含み、前記少なくとも1本の内部通路が、ガス源に接続された追加の末端を含む。いくつかの実施形態では、前記少なくとも1本の内部通路が第1のガス通路を含み、前記最終電極が、前記第1のガス通路に加えて第2のガス通路を画定する。いくつかの実施形態では、前記第1のガス通路がガス源で終わり、前記第2のガス通路がガス検出器で終わる。いくつかの実施形態では、前記第1のガス通路が第1のガス源で終わり、前記第2のガス通路が第2のガス源で終わる。
【0021】
本発明のいくつかの実施形態によれば、平板電極に非常に近く、そのため平板電極の下に、実用的な光源位置に至る斜めの通路が存在しない所定の試験体位置に光を導く方法は、平板電極内を通って所定の試験体位置に至る光通路を提供するステップと、この光通路中へ光を発射するステップとを含む。
【0022】
いくつかの実施形態では、所定の試験体位置に至る追加の光通路が提供され、この方法が、試験体からの光をこの追加の光通路を通して受け取るステップをさらに含む。いくつかの実施形態では、前記光通路が、研磨された表面を有する内部空隙であり、前記光が、前記試験体まで伝わるとき前記研磨された表面から反射する。いくつかの実施形態では、最終電極がチタン合金製である。いくつかの実施形態では、少なくとも1本の追加の光通路が提供され、この少なくとも1本の追加の光通路中へ光が発射される。
【0023】
いくつかの実施形態によれば、平板電極に非常に近く、そのため平板電極の下に、実行可能な光源位置に至る斜めの通路が存在しない所定の試験体位置にガスを導く方法は、平板電極内を通って所定の試験体位置に至るガス通路を提供するステップと、このガス通路中へガスを放出するステップとを含む。
【0024】
いくつかの実施形態では、ガス通路が第1のガス通路であり、ガスが第1のガスであり、平板電極内を通って所定の試験体位置に至る第2のガス通路が提供され、この第2のガス通路を通して第2のガスが送られる。
【0025】
本発明および本発明の利点を詳細に説明したが、添付の特許請求の範囲によって定義された本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、本明細書に、さまざまな変更、置換および改変を加えることができることを理解すべきである。さらに、本出願の範囲が、本明細書に記載されたプロセス、機械、製造、組成物、手段、方法およびステップの特定の実施形態に限定されることは意図されていない。当業者なら本発明の開示から容易に理解するように、本明細書に記載された対応する実施形態と実質的に同じ機能を実行し、または実質的に同じ結果を達成する既存のまたは今後開発されるプロセス、機械、製造、組成物、手段、方法またはステップを、本発明に従って利用することができる。したがって、添付の特許請求の範囲は、その範囲内に、このようなプロセス、機械、製造、組成物、手段、方法またはステップを含むことが意図されている。
【符号の説明】
【0026】
10 荷電粒子ビーム・カラム
12 最終電極
14 通路
16 試験体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7