特許第6633145号(P6633145)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6633145渦鞭毛藻を刺激し発光させるための装置及び展示ホール
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6633145
(24)【登録日】2019年12月20日
(45)【発行日】2020年1月22日
(54)【発明の名称】渦鞭毛藻を刺激し発光させるための装置及び展示ホール
(51)【国際特許分類】
   A63J 5/02 20060101AFI20200109BHJP
   G09F 27/00 20060101ALI20200109BHJP
   G09F 13/24 20060101ALI20200109BHJP
   F21K 9/23 20160101ALI20200109BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20200109BHJP
   F21V 23/04 20060101ALI20200109BHJP
   H04R 1/02 20060101ALI20200109BHJP
   G10K 15/04 20060101ALI20200109BHJP
   G10L 15/00 20130101ALI20200109BHJP
   G10L 15/10 20060101ALI20200109BHJP
【FI】
   A63J5/02
   G09F27/00 Z
   G09F13/24
   F21K9/23
   F21S2/00 641
   F21V23/04
   H04R1/02 103F
   G10K15/04 302F
   G10L15/00 200H
   G10L15/10 200W
【請求項の数】8
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2018-135816(P2018-135816)
(22)【出願日】2018年7月19日
(65)【公開番号】特開2019-30641(P2019-30641A)
(43)【公開日】2019年2月28日
【審査請求日】2018年7月20日
(31)【優先権主張番号】106126412
(32)【優先日】2017年8月4日
(33)【優先権主張国】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】513006737
【氏名又は名称】芝林企業有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100082418
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 朔生
(74)【代理人】
【識別番号】100167601
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 信之
(74)【代理人】
【識別番号】100201329
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 真二郎
(72)【発明者】
【氏名】林育禾
【審査官】 古川 直樹
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2008/0085504(US,A1)
【文献】 特開2003−092794(JP,A)
【文献】 特開2002−095603(JP,A)
【文献】 Michael I. Latz,The artistry of dinoflagellate bioluminescence,Materials Today: Proceedings,Elsevier,2017年,Volume 4, Issue 4, Part A,p.4959-4968,(The Living Light Conference (May 4-6) 2016, San Diego (USA)),[online],[2019年11月18日検索],インターネット,URL,https://scripps.ucsd.edu/labs/mlatz/wp-content/uploads/sites/36/2017/07/Latz2017_artistry-of-dinoflagellate-BL.pdf
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63J 1/00 − 99/00
A63K 1/00 − 99/00
A63H 1/00 − 37/00
A01K 61/00 − 61/65
A01K 61/80 − 63/10
F21K 9/00 − 9/90
F21S 2/00 − 45/70
F21V 23/00 − 37/00
F21V 99/00
B05B 1/00 − 3/18
B05B 7/00 − 9/08
B05B 17/00 − 17/08
G09F 13/24
G09F 27/00
G10K 15/04
G10L 15/00
G10L 15/10
H04R 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
底部仕切り板及び収容空間を含み、前記底部仕切り板は前記収容空間に連通される複数の穴を有し、且つ前記収容空間には渦鞭毛藻及び海水が入れられる水槽と、
複数のスイッチ素子を含み、これら前記スイッチ素子は前記底部仕切り板のこれら前記穴にそれぞれ接続され、且つ前記水槽の収容空間内の前記渦鞭毛藻及び海水が前記底部仕切り板のこれら前記穴を経由して流出する流量の制御に用いられる第一スイッチユニットと、
前記水槽の底部仕切り板の下方に設置される所定の造形を有する集水器であって、前記底部仕切り板のこれら前記穴から流出する前記渦鞭毛藻及び海水を前記集水器の前記所定の造形に滴下させ、前記渦鞭毛藻が刺激されることで前記集水器の第一区域で発光効果が発生する集水器と、を備えることを特徴とする、
渦鞭毛藻を刺激し発光させるための装置。
【請求項2】
前記底部仕切り板は、流量の違いを決定させるための異なるサイズの複数の穴を有することを特徴とする請求項1に記載の渦鞭毛藻を刺激し発光させるための装置。
【請求項3】
前記集水器には刺激されていない渦鞭毛藻及び海水が更に入れられ、且つ前記渦鞭毛藻を刺激し発光させるための装置は、前記所定の造形を有する集水器の底部にそれぞれ設置される複数のスイッチ素子を含み、前記複数のスイッチ素子は前記集水器内の前記渦鞭毛藻及び海水がかき乱されることにより、前記渦鞭毛藻が刺激されて前記集水器の第二区域で発光効果が発生するように制御させるために用いられ、前記第二区域は前記第一区域とは異なる第二スイッチユニットを更に備えることを特徴とする請求項1に記載の渦鞭毛藻を刺激し発光させるための装置。
【請求項4】
底部仕切り板及び収容空間を含み、前記底部仕切り板は前記収容空間に連通される複数の穴を有し、且つ前記収容空間には海水が入れられる水槽と、
複数のスイッチ素子を含み、これら前記スイッチ素子は前記底部仕切り板のこれら前記穴にそれぞれ接続され、且つ前記水槽の収容空間内の海水が前記底部仕切り板のこれら前記穴を経由して流出する流量の制御に用いられる第一スイッチユニットと、
前記水槽の底部仕切り板の下方に設置される所定の造形を有する集水器であって、前記集水器には刺激されていない渦鞭毛藻及び海水が入れられ、これにより、前記底部仕切り板のこれら前記穴から流出する海水が前記集水器の渦鞭毛藻に接触させた際に、前記渦鞭毛藻が刺激されて前記集水器の第一区域で発光効果が発生する集水器と、を備えることを特徴とする、
渦鞭毛藻を刺激し発光させるための装置。
【請求項5】
前記所定の造形を有する集水器の底部にそれぞれ設置される複数のスイッチ素子を含み、前記複数のスイッチ素子は前記集水器内の前記渦鞭毛藻及び海水がかき乱されることにより前記渦鞭毛藻が刺激されて前記集水器の第二区域で発光効果が発生するように制御させるために用いられ、前記第二区域は前記第一区域とは異なる第二スイッチユニットを更に備えることを特徴とする請求項4に記載の渦鞭毛藻を刺激し発光させるための装置。
【請求項6】
請求項1、または4に記載の渦鞭毛藻を刺激し発光させるための発光装置であって、前記渦鞭毛藻を刺激して前記発光効果を発生させるために用いられる発光装置と、
複数のスイッチ素子に電気的に接続され、前記渦鞭毛藻の前記発光効果と結び付けられる少なくとも1曲の音楽を提供するために用いられ、且つ前記音楽の前後の順序の音律の起伏とこれら前記スイッチ素子の開閉とは相関する応対作用を有するオーディオ機器と、
画定されるショースペースエリアであって、前記渦鞭毛藻の前記発光効果及び前記音楽は前記ショースペースエリア内で生じるショースペースエリアと、を備えることを特徴とする、
展示ホール。
【請求項7】
これら前記スイッチ素子に電気的に接続されると共に外部音声の検知に用いられ、前記外部音声は前記渦鞭毛藻の前記発光効果と結び付けられ、且つ前記外部音声の前後の順序の音律の起伏とこれら前記スイッチ素子の開閉とは相関する応対作用を有する音声検知モジュールを更に備えることを特徴とする請求項に記載の展示ホール。
【請求項8】
請求項1、または4に記載の渦鞭毛藻を刺激し発光させるための発光装置であって、前記渦鞭毛藻を刺激して前記発光効果を発生させるために用いられる発光装置と、
これら前記スイッチ素子に電気的に接続されると共に外部音声の検知に用いられ、前記外部音声は前記渦鞭毛藻の前記発光効果と結び付けられ、且つ前記外部音声の前後の順序の音律の起伏とこれら前記スイッチ素子の開閉とは相関する応対作用を有する音声検知モジュールと、
画定されるショースペースエリアであって、前記渦鞭毛藻の前記発光効果及び前記外部音は前記ショースペースエリア内で生じるショースペースエリアと、を備えることを特徴とする、
展示ホール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光装置に関し、更に詳しくは、渦鞭毛藻を刺激し発光させるための装置及び展示ホールに関する。
【背景技術】
【0002】
舞台演劇は観客の目の前で直接演じて見せるものであり、特に、現場でのリアルタイムな演出は見る者の心に深く印象を刻む。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、科学技術の進歩に伴い、高品質の映像音響効果の撮影技術を使用して拡大し続けた結果、テレビドラマが、人気を博すマルチメディアコンテンツとなった。但し、ドラマの撮影と現場でのリアルタイム演出とは異なる方向性を持った表現手段であり、特に、リアリスティックで淀みない演技が大きな違いを生み出す。
ドラマ撮影では、演出人数の制限は少なく、且つカット割りやアニメーション等の特撮により好ましい視覚効果を容易に得られるため、現場でのリアルタイム演出は相対的に劣勢であった。
然しながら、現場でのリアルタイム演出が淘汰されることはなく、この表現方法による演出は一定の人々を魅了しているものの、人気という面では時代の潮流には乗れず、劣勢は明らかであった。
このため、出願者は、現場でのリアルタイム演出が徐々に廃れていく原因は舞台セット及び演出効果がドラマ撮影に及ばないことにあると考え、現場でのリアルタイム演出の効果を改善していければ、また多くの人々に観劇してもらえると信じている。
【0004】
また、従来の現場でのリアルタイム表現方法は、人工的な舞台セットまたは人工的な表現方法で演出しており、自然の素材を映像音響効果と結び付けて演出するものは少ない。
【0005】
そこで、本発明者は上記の欠点が改善可能と考え、鋭意検討を重ねた結果、合理的設計で上記の課題を効果的に改善する本発明の提案に到った。
【0006】
かかる従来の実情に鑑みて、本発明は、展示ホールの現場でのリアルタイム演出の視覚効果を高める渦鞭毛藻を刺激し発光させるための装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するための本発明に係る展示ホールの特徴は、請求項1、4、または6に記載の渦鞭毛藻を刺激し発光させるための発光装置であって、前記渦鞭毛藻を刺激して前記発光効果を発生させるために用いられる発光装置と、複数のスイッチ素子に電気的に接続され、前記渦鞭毛藻の前記発光効果と結び付けられる少なくとも1曲の音楽を提供するために用いられ、且つ前記音楽の前後の順序の音律の起伏とこれら前記スイッチ素子の開閉とは相関する応対作用を有するオーディオ機器と、画定されるショースペースエリアであって、前記渦鞭毛藻の前記発光効果及び前記音楽は前記ショースペースエリア内で生じるショースペースエリアと、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明に記載の発光装置は、渦鞭毛藻が刺激されることで発生する発光効果を利用する。前記発光効果は前記集水器の特定の局所区域で時間及び順序が制御されて生じるものであり、且つ音楽または外部音声と結び付けられて展示ホールの現場でのリアルタイム演出の視覚効果が向上する。
特に、本発明は音楽のリズムまたは外部音声と結び付けられることにより渦鞭毛藻(例えば、夜光虫)自体がパフォーマーとなって前記発光効果を発生させる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1a】本発明の第1実施形態による渦鞭毛藻を刺激し発光させるための装置を示す斜視図である。
図1b】本発明の第1実施形態の水槽を示す斜視図である。
図2a】本発明の第2実施形態による渦鞭毛藻を刺激し発光させるための装置を示す斜視図である。
図2b】本発明の第2実施形態の水槽を示す斜視図である。
図3a】本発明の第5実施形態による渦鞭毛藻を刺激し発光させるための装置を示す斜視図である。
図3b】本発明の第5実施形態の集水器を示す斜視図である。
図4a】本発明の一実施形態による渦鞭毛藻を刺激し発光させるための装置の対象物の発光作動前を示す概略図である。
図4b】本発明の一実施形態による渦鞭毛藻を刺激し発光させるための装置の対象物の発光作動後を示す概略図である。
図4c】本発明の一実施形態による渦鞭毛藻を刺激し発光させるための装置の対象物の発光写真を示す概略図である。
図5】本発明の一実施形態による展示ホールを示す平面図である。
図6】本発明の他の実施形態による展示ホールを示す平面図である。
図7】本発明のさらなる他の実施形態による展示ホールを示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明に係る渦鞭毛藻を刺激し発光させるための装置及び展示ホールを図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を限定するものではない。また、以下に説明される構成の全てが、本発明の必須要件であるとは限らない。
【0011】
図1aは本発明の第1実施形態による渦鞭毛藻(Dinoflagellata)を刺激し発光させるための装置10を示す斜視図であり、図1bは本発明の第1実施形態の水槽100を示す斜視図である。
図1a及び図1bに示されるように、前記渦鞭毛藻を刺激し発光させるための装置10は、水槽100と、第一スイッチユニット300と、所定の造形210を有する集水器200とを備える。前記水槽100は底部仕切り板110及び収容空間130を含み、前記底部仕切り板110は前記収容空間130に連通される複数の穴120を有する。前記収容空間130には刺激されていない渦鞭毛藻50及び海水40が入れられ、例えば、渦鞭毛藻50及び海水40は人力(手で汲む等)または機械(ポンプで汲み取る等)で前記収容空間130内に輸送される。
前記第一スイッチユニット300は前記底部仕切り板110のこれら前記穴120にそれぞれ接続される複数のスイッチ素子310を備える。これら前記スイッチ素子310は、前記水槽100の収容空間130内の前記渦鞭毛藻50及び海水40が前記底部仕切り板110のこれら前記穴120から流出する流量の制御に用いられる。
前記集水器200は前記水槽100の底部仕切り板110の下方に設置され、例えば、前記水槽100は複数の透明ガラス(または複数の支持柱)により支持されることにより前記水槽100が前記集水器200の上方に位置される。前記底部仕切り板110のこれら前記穴120から流出する前記渦鞭毛藻50及び海水40が前記集水器200の前記所定の造形210に流入すると、前記渦鞭毛藻50が刺激されて前記集水器200の第一区域(即ち、前記集水器の特定の局所区域)で発光効果を発生させる。例えば、前記第一区域は中間区域であるが、これに限られない。前記集水器200の所定の造形210には制限がなく、例えば、砂岩形状の造形でもよい。或いは、前記所定の造形210は平面の集水面でもよく、前記所定の造形210の設置に特別な制限はない。
【0012】
前記渦鞭毛藻50は夜光虫(Noctiluca scintillans)、渦鞭毛虫門(Dinoflagellata)に属する単細胞生物から選択され、台湾では青い涙とも呼ばれ、海洋性の非寄生性渦鞭毛藻であり、生物発光を行う。この種の藻類の発光能力は、体内に数千もの球状細胞小器官を持ち、その中にはルシフェリン及びルシフェリンルシフェラーゼを有する。これら細胞小器官はミクロの電源供給器のように作用し、前記夜光虫が周囲の環境の変化を感じ取った際に発光する。
【0013】
前記夜光虫が液体によりかき乱されると青色の閃光を発生させる。その発光メカニズムは細胞内に存在するルシフェリン(luciferin)及びルシフェラーゼ(luciferase)の作用によるものであり、且つ細胞膜に存在するシンテロン(scintillon)にも干渉し、信号で起動される制御器となる。
前記夜光虫が力学的な刺激を受けると、細胞膜のタンパク質により結び付けられていたルシフェリンが解放され、解放された前記ルシフェリンが前記ルシフェラーゼと作用して474nm乃至476nmの範囲の波長の青色光を発生させる。前記夜光虫は海水から取得され、例えば、台湾の墾丁、台湾海峡、馬祖島、アメリカのカリフォルニア州のウェスト・リンダ・マー・ベイ、モルディブ、及びオーストラリアのビクトリア州のギプスランド湖にも生息している。また、上述の発光する渦鞭毛藻の種類は渦鞭毛虫門(Dinoflagellata)に属する発光する藻類であり、夜光虫(Noctiluca scintillans)に限定されない。
【0014】
図1a及び図1bに示されるように、前記第一スイッチユニット300は、これら前記スイッチ素子310に電気的に接続されると共に前記水槽100の収容空間130内の前記渦鞭毛藻50及び海水40が前記底部仕切り板110のこれら前記穴120から流出する時間及び順序の制御に用いられるプログラマブルコントローラ320を更に備える。前記スイッチ素子310は電磁弁またはマイクロ弁(例えば、マイクロ弁は圧電アクチュエータにより駆動される)である。
【0015】
前記底部仕切り板110は、流量の違いを決定させるための異なるサイズの複数の穴120を有する。
【0016】
図2aは本発明の第2実施形態による渦鞭毛藻を刺激し発光させるための装置10’を示す斜視図であり、図2bは本発明の第2実施形態の水槽100を示す斜視図である。
図1a及び図1bに示されるように、第2実施形態に係る渦鞭毛藻を刺激し発光させるための装置10’は第1実施形態に係る渦鞭毛藻を刺激し発光させるための装置10に大方類似し、同じ部材については同じ符号で標示する。
第2実施形態と第1実施形態との差異は、第2実施形態に係る渦鞭毛藻を刺激し発光させるための装置10’の集水器200には刺激されていない渦鞭毛藻50及び海水40が入れられ、前記水槽100には海水40のみが入れられて刺激されていない渦鞭毛藻50は入れられない点である。
前記所定の造形210を有する集水器200は前記水槽100の底部仕切り板110の下方に設置され、前記集水器200には刺激されていない渦鞭毛藻50及び海水40が入れられる。これにより、前記底部仕切り板110のこれら前記穴120から流出する海水40が前記集水器200の渦鞭毛藻50に接触させると、前記渦鞭毛藻50が刺激されて前記集水器200の第一区域(即ち、前記集水器の特定の局所区域)で発光効果を発生させる。例えば、前記第一区域は中間区域であるが、但しこれに限られない。
【0017】
図2a及び図2bに示されるように、前記底部仕切り板110のこれら前記穴120から流出する前記海水40が前記集水器200の渦鞭毛藻50に接触させると、前記渦鞭毛藻50が刺激されて発光効果を発生させる。
【0018】
他の実施形態では、前記集水器200に刺激されていない渦鞭毛藻50及び海水40が入れられ、且つ前記水槽100に海水40及び刺激されていない渦鞭毛藻50が入れられている場合、第1及び第2実施形態に係る渦鞭毛藻を刺激し発光させるための装置10、10’の発光効果を同時に達成させる。
【0019】
図3aは本発明の第5実施形態による渦鞭毛藻を刺激し発光させるための装置を示す斜視図であり、図3bは本発明の第5実施形態の集水器を示す斜視図である。
図1a、図3a及び図3bを参照する。第5実施形態に係る渦鞭毛藻を刺激し発光させるための装置10’’’’は第1実施形態に係る渦鞭毛藻を刺激し発光させるための装置10に大方類似し、同じ部材については同じ符号で標示する。
第5実施形態と第1実施形態との差異は、第5実施形態に係る渦鞭毛藻を刺激し発光させるための装置10’’’’の集水器200には刺激されていない渦鞭毛藻50及び海水40が入れられ、且つ前記水槽100には刺激されていない渦鞭毛藻50及び海水40が入れられず、また、前記渦鞭毛藻を刺激し発光させるための装置10’’’’が第二スイッチユニット300’を備える点である。
前記第二スイッチユニット300’は複数のスイッチ素子310’を含み、これら前記スイッチ素子310’は前記所定の造形210を有する集水器200の底部にそれぞれ設置され、前記集水器200内の前記渦鞭毛藻50及び海水40がかき乱されることにより前記渦鞭毛藻50が刺激されて前記集水器200の第二区域(即ち、前記集水器の他の特定の局所区域)で発光効果を発生させるように制御させるために用いられる。例えば、前記第二区域は外囲区域であるが、但しこれに限られない。
これら前記スイッチ素子310’は圧電アクチュエータである。これら前記スイッチ素子310’は前記集水器200の底部にそれぞれ設置されるため、これら前記スイッチ素子310’に防水密封処理を施して海水の侵蝕を防ぐ必要がある。
【0020】
図3bを参照する。前記第二スイッチユニット300’はこれら前記スイッチ素子310’に電気的に接続されるプログラマブルコントローラ320’を更に備える。前記プログラマブルコントローラ320’は、これら前記スイッチ素子310’に命じて前記集水器200内の刺激されていない渦鞭毛藻50及び海水40をかき乱すようにし、前記渦鞭毛藻50を刺激して前記発光効果を発生させるように制御させるために用いられる。
【0021】
図4aは本発明の一実施形態による渦鞭毛藻を刺激し発光させるための装置10の対象物600の発光作動前を示す概略図であり、図4bは本発明の一実施形態による渦鞭毛藻を刺激し発光させるための装置10の対象物600の発光作動後を示す概略図であり、図4cは本発明の一実施形態による渦鞭毛藻を刺激し発光させるための装置の対象物の発光写真を示す概略図である。
図1a、図4a、図4b及び図4cを参照する。前記スイッチ素子310は、前記水槽100の収容空間130内の前記渦鞭毛藻50及び海水40が前記底部仕切り板110のこれら前記穴120を経由し、前記渦鞭毛藻50が対象物600に接触させるように制御させるために用いられる。前記対象物600は、例えば、ダンサーの造形である。
前記渦鞭毛藻50が前記対象物600に接触されて力学的刺激を受けると、細胞膜のタンパク質により結び付けられていたルシフェリンが解放され、解放された前記ルシフェリンが前記ルシフェラーゼと作用して474nm乃至476nmの範囲の波長の青色光が発生する。これにより、前記対象物600が前記渦鞭毛藻50により覆われると発光効果602が発生する(例えば、図4cに示される発光効果)。
【0022】
図5は本発明の一実施形態による展示ホール30を示す平面図である。
図1a及び図5を参照する。前記展示ホール30は本発明の第3実施形態に係る渦鞭毛藻を刺激し発光させるための装置10’’を備える。第3実施形態に係る渦鞭毛藻を刺激し発光させるための装置10’’は第1実施形態に係る渦鞭毛藻を刺激し発光させるための装置10と大方類似し、同じ部材については同じ符号で標示する。
第3実施形態と第1実施形態との差異は、第3実施形態に係る渦鞭毛藻を刺激し発光させるための装置10’’は、パイプユニット400及びポンプ500を更に備える点である。前記パイプユニット400は進水管410及び排水管430を有し、前記進水管410の進水端420は前記水槽100に連通され、前記排水管430の排水端440は前記集水器200に連通される。
前記ポンプ500は前記排水管430と前記進水管410との間に設置され、前記集水器200の前記渦鞭毛藻50及び海水40を前記水槽100に輸送させるために用いられる。換言すれば、第3実施形態において、前記渦鞭毛藻50及び海水40は機械(即ち、ポンプによる汲み取り方式)により前記収容空間130内に輸送される。
【0023】
前記渦鞭毛藻を刺激し発光させるための装置10’’は、位置が固定される特定形状の物体である少なくとも1つの対象物600を更に備える。前記対象物600は前記集水器200の所定の造形210に取り外し可能に装設される。前記集水器200の所定の造形210には制限がなく、例えば、砂岩形状の造形でもよい。前記対象物600は、例えば、ダンサーの造形でもよい。
【0024】
或いは、前記対象物600は位置が移動する特定形状の物体である。前記渦鞭毛藻を刺激し発光させるための装置10’’は、駆動部材710と、前記駆動部材710により駆動される複数の駆動輪720と、前記駆動輪720に周設されるフレキシブルチェーン730と、前記フレキシブルチェーン730に設置される少なくとも1つの固定台740とを含む駆動ユニット700を更に備える。
前記駆動ユニット700はねじ穴中に螺合されるスレッド部620を更に備える。前記スレッド部620は前記固定台740に固設され、且つ前記対象物600は前記スレッド部620に取り外し可能に装設される。これにより、前記駆動ユニット700は前記対象物600を駆動させて前記所定の造形210上で移動させるために用いられる。
【0025】
図6は本発明の他の実施形態による展示ホール30‘を示す平面図である。
図5及び図6を参照する。前記展示ホール30’は本発明の第4実施形態に係る渦鞭毛藻を刺激し発光させるための装置10’’’を備える。第4実施形態に係る渦鞭毛藻を刺激し発光させるための装置10’’’は第3実施形態に係る渦鞭毛藻を刺激し発光させるための装置10’’に大方類似し、同じ部材については同じ符号で標示する。
第4実施形態と第3実施形態との差異は、第4実施形態に係る渦鞭毛藻を刺激し発光させるための装置10’’’の集水器200には刺激されていない渦鞭毛藻50及び海水40が入れられ、前記水槽100には海水40のみが入れられて、刺激されていない渦鞭毛藻50は入れられない点である。
【0026】
図7は本発明のさらなる他の実施形態による展示ホール30‘’を示す平面図である。
図3a、図3b、図6及び図7を参照する。前記展示ホール30’’は本発明の第5実施形態に係る渦鞭毛藻を刺激し発光させるための装置10’’’’を備える。第5実施形態に係る渦鞭毛藻を刺激し発光させるための装置10’’’’は第4実施形態に係る渦鞭毛藻を刺激し発光させるための装置10’’’に大方類似し、同じ部材については同じ符号で標示する。
第5実施形態と第4実施形態との差異は、第5実施形態に係る前記水槽100には海水40が入れられない点である。このほか、前記渦鞭毛藻を刺激し発光させるための装置10’’’’は複数のスイッチ素子310’を含む第二スイッチユニット300’を更に備え、これら前記スイッチ素子310’は前記所定の造形210を有する集水器200の底部にそれぞれ設置され、前記集水器200内の前記渦鞭毛藻50及び海水40がかき乱されるように制御させるために用いられる。
【0027】
図1a、図2a、図3a、図3b、図5図6及び図7を参照する。前記展示ホール30、30’、30’’は発光装置と、オーディオ機器800と、音声検知モジュール900と、画定されるショースペースエリア20とを備える。前記発光装置は第3乃至第5実施形態に係る渦鞭毛藻を刺激し発光させるための装置10’’、10’’’、10’’’’である。他の実施形態において、前記発光装置は第1及び第2実施形態に係る渦鞭毛藻を刺激し発光させるための装置10、10’でもよい。
前記オーディオ機器800は前記発光を受ける前記所定の造形210に結び付けられる少なくとも1曲の音楽を提供するために用いられ、且つ前記渦鞭毛藻50は音楽の種類の違いに合わせ、例えば、アップテンポのロックの場合では前記スイッチ素子310が噴水の流速を速めて流出させる。音楽がスローテンポのスピリチュアル音楽の場合、前記スイッチ素子310は噴水の流速を遅らせて流出させ、前記渦鞭毛藻50が音符の律動の高低に合わせて輝度の幅の広い多様な発光効果を発生させる。
前記音楽の前後の順序の音律の起伏と前記スイッチ素子310の開閉とは相関する応対作用を有し、且つ前記スイッチ素子310の開閉と連動して前記渦鞭毛藻50がスムーズに流されて前記対象物600に接触させて発光効果を発生させる。
【0028】
前記音声検知モジュール900はこれら前記スイッチ素子310、310’に電気的に接続されると共に外部音声の検知に用いられ、前記音声検知モジュール900が外部音声(例えば、拍手等であるが、但しこれに限られない)を検知した場合、前記音声検知モジュール900が信号を発信させて前記第一スイッチユニット300及び第二スイッチユニット300’に伝送させ、前記スイッチ素子310を制御させて前記水槽100の収容空間130内の前記渦鞭毛藻50及び海水40が前記底部仕切り板110のこれら前記穴120から流出する時間及び順序を制御させるか否か、或いは前記スイッチ素子310’を制御させて前記集水器200内の前記渦鞭毛藻50をかき乱させ、前記渦鞭毛藻50を刺激させて発光効果を発生させるか否かの制御が行われる。
これにより、前記外部音声が前記第一スイッチユニット300及び第二スイッチユニット300’に結び付けられ、外部音声の信号が伝送されて電子信号に変換され、これら前記スイッチ素子310、310’の作動機能が制御され、前記渦鞭毛藻50が発光効果を発生させる。また、前記外部音声の前後の順序の音律の起伏とこれら前記スイッチ素子310、310’の開閉とは相関する応対作用を有する。例えば、『拍手』の音声が検知された後、前記渦鞭毛藻50の発光効果は対応する『Thanks(ありがとう)』または『Encore(アンコール)』等の文字を発光により表現する。また、例えば、『結婚して』という音声が検知された後、前記渦鞭毛藻50の発光効果は対応する『ハート形(前記所定の造形)』を発光により表現する。
【0029】
前記画定されるショースペースエリア20内では、前記渦鞭毛藻50の前記発光効果、前記音楽、及び前記外部音声が生じる。本実施形態において、前記オーディオ機器800及び前記音声検知モジュール900は前記ショースペースエリア20内に設置される。他の実施形態では、前記オーディオ機器800及び前記音声検知モジュール900は前記ショースペースエリア20外に設置されてもよい。
【0030】
図5を参照する。前記展示ホール30は、発光装置と、オーディオ機器800と、音声検知モジュール900と、画定されるショースペースエリア20とを備える。前記発光装置は第3実施形態に係る渦鞭毛藻を刺激し発光させるための装置10’’でもよく、前記発光装置は第1及び第2実施形態に係る渦鞭毛藻を刺激し発光させるための装置10、10’でもよい。
【0031】
図6を参照する。前記展示ホール30’は、発光装置と、オーディオ機器800と、音声検知モジュール900と、画定されるショースペースエリア20とを備える。前記発光装置は第4実施形態に係る渦鞭毛藻を刺激し発光させるための装置10’’’である。他の実施形態では、前記発光装置は第1及び第2実施形態に係る渦鞭毛藻を刺激し発光させるための装置10、10’でもよい。
【0032】
図7を参照する。前記展示ホール30’’は、発光装置と、オーディオ機器800と、音声検知モジュール900と、画定されるショースペースエリア20とを備える。前記発光装置は第5実施形態に係る渦鞭毛藻を刺激し発光させるための装置10’’’’である。他の実施形態では、前記発光装置は第1及び第2実施形態に係る渦鞭毛藻を刺激し発光させるための装置10、10’でもよい。
【0033】
さらに、他の実施形態では、前記展示ホール30、30’、30’’には音声検知モジュール900が設置されず、発光装置と、オーディオ機器800と、画定されるショースペースエリア20とのみを備える。前記発光装置は第1乃至第5実施形態に係る渦鞭毛藻を刺激し発光させるための装置10、10’、10’’、10’’’、10’’’’である。
【0034】
また、他の実施形態では、前記展示ホール30、30’、30’’にはオーディオ機器800が設置されず、発光装置と、音声検知モジュール900と、画定されるショースペースエリア20とのみを備える。前記発光装置は第1乃至第5実施形態に係る渦鞭毛藻を刺激し発光させるための装置10、10’、10’’、10’’’、10’’’’である。
【0035】
上述するように、本発明に記載の発光装置は、渦鞭毛藻被が刺激されることで発生させる発光効果を利用する。前記発光効果は前記集水器の特定の局所区域で時間及び順序を制御されて発生し、且つ音楽または外部音声に結び付けられて、展示ホールの現場でのリアルタイム演出の視覚効果を向上させる。特に、本発明は音楽のリズムまたは外部音声に結び付けられ、渦鞭毛藻(例えば、夜光虫)自体がパフォーマーとなって前記発光効果を発生させる。
【0036】
上述の実施形態は本発明の技術思想及び特徴を説明するためのものにすぎず、当該技術分野を熟知する者に本発明の内容を理解させると共にこれをもって実施させることを目的とし、本発明の特許請求の範囲を限定するものではない。従って、本発明の精神を逸脱せずに行う各種の同様の効果をもつ改良又は変更は、後述の請求項に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0037】
10 渦鞭毛藻を刺激し発光させるための装置
10’ 渦鞭毛藻を刺激し発光させるための装置
10’’ 渦鞭毛藻を刺激し発光させるための装置
10’’’ 渦鞭毛藻を刺激し発光させるための装置
10’’’’ 渦鞭毛藻を刺激し発光させるための装置
20 ショースペースエリア
30 展示ホール
30’ 展示ホール
30’’ 展示ホール
40 海水
50 渦鞭毛藻
100 水槽
110 底部仕切り板
120 穴
130 収容空間
200 集水器
210 所定の造形
300 第一スイッチユニット
300’ 第二スイッチユニット
310 スイッチ素子
310’ スイッチ素子
320 プログラマブルコントローラ
320’ プログラマブルコントローラ
400 パイプユニット
410 進水管
420 進水端
430 排水管
440 排水端
500 ポンプ
600 対象物
602 発光効果
620 スレッド部
700 駆動ユニット
710 駆動部材
720 駆動輪
730 フレキシブルチェーン
740 固定台
800 オーディオ機器
図1a
図1b
図2a
図2b
図3a
図3b
図4a
図4b
図4c
図5
図6
図7