(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6633217
(24)【登録日】2019年12月20日
(45)【発行日】2020年1月22日
(54)【発明の名称】リレーボックス
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/08 20120101AFI20200109BHJP
【FI】
G06Q10/08 304
【請求項の数】19
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2018-539998(P2018-539998)
(86)(22)【出願日】2017年2月3日
(65)【公表番号】特表2019-511935(P2019-511935A)
(43)【公表日】2019年5月9日
(86)【国際出願番号】US2017016374
(87)【国際公開番号】WO2017139188
(87)【国際公開日】20170817
【審査請求日】2019年2月28日
(31)【優先権主張番号】15/019,802
(32)【優先日】2016年2月9日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】505411125
【氏名又は名称】オムニセル, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】フット、ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ニュービー、ポール
(72)【発明者】
【氏名】チャン、ジェフ
【審査官】
山内 裕史
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2010/106552(WO,A2)
【文献】
米国特許出願公開第2008/0112300(US,A1)
【文献】
国際公開第2014/065196(WO,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2012/0158606(US,A1)
【文献】
特開2006−336254(JP,A)
【文献】
特開2003−027797(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 − 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬剤または他のアイテムを安全に輸送するためのシステムにおいて、
中央コンピュータシステムと、
施錠可能であり別個に輸送可能な複数のリレーボックスであって、各々のリレーボックスは、前記中央コンピュータシステムから認可されると解錠可能であるソフトウェア制御される蓋と、電子的に可読なグローバル一意識別子を記憶するメモリと、前記リレーボックスへの認可されていない強制進入を検出することができるセンサと、ディスプレイと、をさらに備え、前記ディスプレイを含むそれぞれのリレーボックスの全ての電子部品は、該リレーボックスから取り外し可能な1つのモジュールの中に分離されている、リレーボックスと、
電子ネットワークであって、該電子ネットワークを通じて前記中央コンピュータシステムが前記リレーボックスの内部へのアクセスを認可する、電子ネットワークと、を備えるシステム。
【請求項2】
前記電子ネットワークを通じて前記中央コンピュータシステムと通信する複数のチェックポイントであって、前記複数のチェックポイントの各々は前記リレーボックスから電子的に可読な前記識別子を電子的に読み取るように、また、前記リレーボックスが前記チェックポイントにおいて読み取られるとき、前記電子ネットワークを通じて前記中央コンピュータシステムに前記リレーボックスの位置を電子的に通知するように装備される、チェックポイントをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記リレーボックスの1つ以上は、前記リレーボックスにより供給される電力を必要とせずに、前記チェックポイントにおいて機器により動作可能な施錠システムを備える、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記施錠システムの少なくともいくつかは磁気的に制御される、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記リレーボックスの1つ以上は、
マイクロコントローラと、
不揮発性読取/書込メモリと、
電池と、
検出機構と、
を備える侵入検出システムを備え、
前記コントローラは、前記リレーボックスの中への侵入を検出するために前記検出機構から入力を受信し、また、前記侵入に関する情報を前記不揮発性読取/書込メモリに記録する、請求項2に記載のシステム。
【請求項6】
前記リレーボックスの少なくともいくつかは、不揮発性の電子的に変更可能なディスプレイが装備されており、特定のリレーボックスの前記ディスプレイは前記チェックポイントの1つにおいて変更されることが可能であり、該リレーボックスが前記チェックポイントから持ち去られているときに前記リレーボックスから電力を取り出さずとも可読のままである、請求項2に記載のシステム。
【請求項7】
前記電子ネットワークは少なくとも一部分において無線であり、前記リレーボックスの1つ以上は、
電池と、
前記電池により電力を供給され、前記電子ネットワークと通信する中距離無線ラジオトランシーバと、を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記電池は前記リレーボックス内の所定の場所で再充電可能であるか、前記電池は取り替え可能であるか、またはその両方である、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
無線位置測位システムをさらに備え、前記リレーボックスの少なくともいくつかは、自身の位置を前記中央コンピュータシステムに報告するように、前記無線位置測位システムと通信する無線トランシーバを備える、請求項7に記載のシステム。
【請求項10】
前記リレーボックスの少なくともいくつかは、前記中距離無線ラジオトランシーバを用いて前記無線位置測位システムと通信する、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記リレーボックスの少なくともいくつかは、前記中距離無線ラジオトランシーバとは別個の別の無線トランシーバを用いて前記無線位置測位システムと通信する、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記無線位置測位システムはリアルタイム無線位置測位システムである、請求項9に記載のシステム。
【請求項13】
アイテムへのアクセスを制御する方法において、
輸送可能な施錠可能なリレーボックスをドッキングステーションに提供する工程であって、前記リレーボックスは、中央コンピュータシステムから認可されると解錠可能であるソフトウェア制御される蓋と、電子的に可読なグローバル一意識別子を記憶するメモリと、前記リレーボックスへの認可されていない強制進入を検出することができるセンサと、電池と、前記電池により電力を供給される中距離無線ラジオトランシーバと、ディスプレイと、をさらに備え、前記ディスプレイを含むそれぞれのリレーボックスの全ての電子部品は、該リレーボックスから取り外し可能な1つのモジュールの中に分離されている、工程と、
輸送されるアイテムを前記リレーボックスの中に収容する工程と、
前記中距離無線ラジオトランシーバを通じて前記中央コンピュータシステムから、前記リレーボックスが施錠されることを示す指示を受信する工程と、
前記中央コンピュータシステムからの前記指示に応じて前記リレーボックスを自動的に施錠する工程と、
前記リレーボックスを宛先に発送する工程と、を備える方法。
【請求項14】
前記ドッキングステーションは第1のドッキングステーションであり、前記方法は、
前記リレーボックスを前記宛先で受け取る工程と、
前記リレーボックスを第2のドッキングステーションに配置する工程と、
前記中距離無線ラジオトランシーバを通じて前記中央コンピュータシステムから、前記リレーボックスが解錠されることを示す指示を受信する工程と、
前記リレーボックスを自動的に解錠する工程と、をさらに備える、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
アイテムへのアクセスを制御する方法において、
輸送可能な施錠可能なリレーボックスを提供する工程であって、前記リレーボックスは、中央コンピュータシステムから認可されると解錠可能であるソフトウェア制御される蓋と、電子的に可読なグローバル一意識別子を記憶するメモリと、前記リレーボックスへの認可されていない強制進入を検出することができるセンサと、ディスプレイと、電池と、前記電池により電力を供給される中距離無線ラジオトランシーバと、をさらに備え、前記ディスプレイを含むそれぞれのリレーボックスの全ての電子部品は、該リレーボックスから取り外し可能な1つのモジュールの中に分離されている、工程と、
輸送されるアイテムを前記リレーボックスの中に収容する工程と、
前記中距離無線ラジオトランシーバを通じて前記中央コンピュータシステムから、前記リレーボックスが施錠されることを示す指示を受信する工程と、
前記中央コンピュータシステムからの前記指示に応じて前記リレーボックスを自動的に施錠する工程と、
前記リレーボックスを宛先に発送する工程と、を備える方法。
【請求項16】
前記リレーボックスを前記宛先で受け取る工程と、
前記中距離無線ラジオトランシーバを通じて前記中央コンピュータシステムから、前記リレーボックスが解錠されることを示す指示を受信する工程と、
前記リレーボックスを自動的に解錠する工程と、をさらに備える、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記リレーボックスを自動的に解錠する前に、
前記システムのユーザを認証する工程と、
認証された前記ユーザから、前記ユーザは前記リレーボックスを所持しているという証拠を受信する工程と、をさらに備える、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
無線位置測位システムにより前記リレーボックスから無線信号を受信する工程と、
前記無線位置測位システムにより前記無線信号から前記リレーボックスの位置を導出する工程と、をさらに備える、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記リレーボックスの前記位置はリアルタイムで導出される、請求項18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はリレーボックスに関する。
【背景技術】
【0002】
多くの産業は正確な棚卸と安全なアイテムの供給とに依存する。例えば病院において、患者が正しい薬剤を正しい用量で与えられることは最重要である。さらに、規制物質が安全にされ、かつ、正確に追跡されることが法律上要求され、適切な業務管理が実施されることができるように薬剤の在庫量と供給量とが追跡されることも重要である。
【0003】
様々な供給キャビネットおよびカートは、薬剤および他のアイテムの管理を補助するように開発されている。しかしながら、特に、施設内で1つの位置から別の位置への薬剤などのアイテムの輸送中には、アイテムの供給および追跡の信頼性において、改良が依然として所望される。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【
図1】本発明の実施形態に実用性が見出され得る環境を示す図。
【
図2】いくつかの実施形態に係るリレーボックスを示す図。
【
図3】
図2のリレーボックスを、その蓋が上げられ、リレーボックスの内部へのアクセスが提供されている開状態において示す図。
【
図4】本発明の実施形態に係る、
図2のリレーボックス内の回路のブロック図。
【
図5】本発明の実施形態に係る、システムにおいてチェックポイントにより制御されるリレーボックスの使用を示す図。
【
図6】無線読取ステーションを追加した
図5のシステムを示す図。
【
図7】本発明の実施形態に係る、スタンドアローンのリレーボックスを示す図。
【
図8】本発明の実施形態に係る、
図7のスタンドアローンのリレーボックスのブロック図。
【
図9】本発明の実施形態に係る、システムにおける
図7のスタンドアローンのリレーボックスの使用を示す図。
【
図10】本発明の実施形態に係る、
図7のリレーボックスの電池を再充電するための技術を示す図。
【
図11】本発明の実施形態に係る、
図7のリレーボックスの電池を再充電するための別の技術を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0005】
1つの態様では、薬剤または他のアイテムを安全に輸送するためのシステムは、中央コンピュータシステムと施錠可能な複数のリレーボックスとを備える。リレーボックスの各々は中央コンピュータシステムから認可されると解錠可能であるソフトウェア制御される蓋と、電子的に可読なグローバル一意識別子を記憶するメモリと、リレーボックスへの認可されていない強制進入を検出することができるセンサと、ディスプレイと、をさらに備える。システムは、電子ネットワークであって、該電子ネットワークを通じて中央コンピュータシステムがリレーボックスの内部へのアクセスを認可する、電子ネットワークも備える。
【0006】
図1は本発明の実施形態に実用性が見出され得る環境を示す。具体的には
図1は病院環境100を示すが、本発明の実施形態は他の環境においても同様に用いられてよいことが認識される。
【0007】
図1の病院環境の例において、中心的な薬局における貯蔵庫101は主要な薬剤保管位置としての機能を果たす。しかしながら、様々な固定されたキャビネット102、カート103、可動のキャビネット104ならびに他の保管デバイスおよび供給デバイスが、薬剤および他のアイテムの一時的な保管のために、病院の様々な場所に配置される。例えば、病院の特定の病棟または部門において一般に用いられる薬剤は、フロア職員による便利なアクセスのために、キャビネット102などのキャビネット内に保管されてよい。別の例において、特定の移転中に患者に供給されることが予期される薬剤は供給カート103に移送されてよく、供給カート103は看護師がベッド105a−105eにいる患者に巡回するときに、その看護師について回り得る。
【0008】
様々な供給デバイス102、103、104は、以下の権利者が共通である米国特許および特許出願に記載されるものなどのデバイスを含んでよく、その内容は本明細書に参照(すなわち、2001年8月7日にリップス(Lipps)に交付された米国特許第6,272,394号、2002年5月7日にリップスに交付された米国特許第6,385,505号、2004年7月6日にリップスに交付された米国特許第6,760,643号、1998年9月8日にリップスに交付された米国特許第5,805,455号、2003年8月19日にリップスに交付された米国特許第6,609,047号、1998年9月8日にハイアム(Higham)らに交付された米国特許第5,805,456号、1998年4月28日にハイアムらに交付された米国特許第5,745,366号、1999年5月18日にハイアムらに交付された米国特許第5,905,653号、1999年7月27日にゴドレフスキー(Godlewski)に交付された米国特許第5,927,540号、2000年3月21日にホームズ(Holmes)に交付された米国特許第6,039,467号、2003年10月28日にホームズらに交付された米国特許第6,640,159号、2000年11月21日にアーノルド(Arnold)らに交付された米国特許第6,151,536号、1995年1月3日にブレット(Blechl)らに交付された米国特許第5,377,864号、1993年3月2日にブレットに交付された米国特許第5,190,185号、2005年12月13日にダンカン(Duncan)らに交付された米国特許第6,975,922号、2009年8月4日にダンカンらに交付された米国特許第7,571,024号、2010年11月16日にダンカンらに交付された米国特許第7,835,819号、2000年1月4日にホームズに交付された米国特許第6,011,999号、2008年3月25日にハイアムに交付された米国特許第7,348,884号、2010年3月9日にハイアムに交付された米国特許第7,675,421号、2001年1月9日にウィルソン(Wilson)らに交付された米国特許第6,170,929号、2012年4月10日にヴァールベルク(Vahlberg)らに交付された米国特許第8,155,786号、2011年12月6日にヴァールベルクらに交付された米国特許第8,073,563号、2008年12月25日に公開されたヴァールベルクらの米国特許出願公開第2008/0319577号、2012年3月20日にヴァールベルクらに交付された米国特許第8,140,186号、2012年2月28日にヴァールベルクらに交付された米国特許第8,126,590号、2011年9月27日にヴァールベルクらに交付された米国特許第8,027,749号、2008年12月25日に公開されたヴァールベルクらの米国特許出願公開第2008/0319790号、2008年12月25日に公開されたヴァールベルクらの米国特許出願公開第2008/0319789号、2012年3月6日にヴァールベルクらに交付された米国特許第8,131,397号、2008年12月25日に公開されたヴァールベルクらの米国特許出願公開第2008/0319579号、および2010年2月18日に公開されたレヴィ(Levy)らの米国特許出願公開第2010/0042437号)によって組み込まれる。本発明の実施形態は、任意の実行可能な組み合わせにおいて、これらの文書に記載されるデバイスからの特徴を組み込んでよい。
【0009】
コンピュータシステム106は薬剤と供給量とを伴う様々な処理を記録するために、病院中の薬剤と供給量とを追跡するプログラムを実行してよく、電子ネットワーク107を通じて、様々な供給デバイス102、103、104と通信してよい。電子ネットワーク107は有線ネットワーク、無線ネットワークであってよく、または有線部分と無線部分との両方を有してよい。例えばWiFi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、イーサネット(登録商標)、セルラーデータネットワーク、または他の技術といった、任意の適切なネットワークまたは技術の組合せが用いられる。
【0010】
コンピュータシステム106は、特定の薬剤が供給デバイスの1つから持ち去られまたは供給デバイスの1つに戻されるときに通知されてよい。特に、法規制物質の特定の追跡のため、コンピュータシステム106は規制物質管理(CSM)アプリケーション108を実行してよい。規制物質を含む供給量を追跡するシステムおよび方法の追加の詳細は、2013年1月3日に公開されたヴァールベルクらの米国特許出願公開第2013/0006652号において見出されることができ、その内容は本明細書に参照として組み込まれる。
【0011】
理想的には、薬剤は3つの方法でのみシステムを離れる。第1の方法では、薬剤は患者に投与される。システムを離れる第2の方法では、薬剤は廃棄される。例えば、特定の患者に対して処方される用量を上回る量で薬剤が梱包されると、各々の投与は再使用不能な端数となり、捨てられなければならない(109)。廃棄の別の例においては、バイアルが落下して破損し、その中身が使用不可能となる。システムを離れる第3の方法では、例えば薬剤がその使用期限に達しているために、薬剤は規制された方法110での処分のため貯蔵庫101に戻される。
【0012】
しかしながら、薬剤は他の方法でも、例えば故意でない誤りによってだけでなく、意図的な不正な使用または販売のためにも、システムを離れ得る。規制物質の不正な持ち去りは、流用としてこの分野で既知である。
【0013】
従来のシステムは貯蔵庫101および供給デバイス102、103、104の中および外の薬剤と供給量との動きを追跡し得るものの、他の動きは従来のシステムにより追跡されない場合がある。例えば、供給デバイス102、103、104への補充巡回をする薬剤技師は、自身が補充ルート上の滞在場所同士の間にいる時間中、必ずしも追跡されていない。別の例において、貯蔵庫101からの特定の薬剤は特定の位置において必要とされる場合があり、運搬人または内部の郵便配達により薬局からその薬剤が必要とされる位置に発送されてよい。薬局から必要な地点への薬剤の輸送中、この薬剤はコンピュータシステム106に対して「可視的」ではない。これらの相対的な不可視状態の期間は流用の機会を提供する場合がある。
【0014】
本発明の実施形態では、アイテムは安全のためにリレーボックスに梱包され、輸送を監視され、流用の機会を削減する。
図2はいくつかの実施形態に係るリレーボックス200を示す。リレーボックス200の例は任意の適切な大きさであってよいが、便利には約25.40−35.56cm(10−14インチ)の幅、約20.32−30.48cm(8−12インチ)の深さおよび約7.62−12.70cm(3−5インチ)の高さであってよい。リレーボックス200の外殻は、好適には、鋼、アルミニウム、強化ポリマーまたは別の適切な材料、または材料の組合せなど、強固な耐久性の材料から成る。蓋201はリレーボックス200の空の内部へのアクセスを提供するように開かれることができ、施錠可能である。いくつかの実施形態において、蓋201は透明または半透明であってよく、また蓋201が閉じられているときにリレーボックス200の中身が可視とされるように透明部分を備えてよい。
【0015】
以下でより詳細に記載するように、自動化された施錠機構が好適には含まれるが、従来のキーロック202は、自動化ロックの故障の場合にリレーボックス200の内部にアクセスするために存在してもよい。ディスプレイ領域203はリレーボックス200の中身に関する情報を示してよい。ディスプレイ領域203は、リレーボックス200に貼付されるかリレーボックス200内のスロットの中に挿入される、印刷紙カードまたはラベルと同程度に単純であってよく、またはLCDディスプレイなどの電子ディスプレイを含んでよい。いくつかの実施形態において、例えば米国マサチューセッツ州ケンブリッジのE−Ink社により製造される種類の「電子ペーパー」による電気泳動ディスプレイといった不揮発性の電子ディスプレイが用いられてよい。
【0016】
図3は蓋201が上げられ、リレーボックス200の内部301へのアクセスが提供されている、開状態におけるリレーボックス200の例を示す。モジュール302は、例えばディスプレイ304をディスプレイ領域203に提供するために、スロット303の中に挿入されてよい。好適には、リレーボックス200の任意の電子部品はモジュール302の中に分離され、モジュール302が取り外されているとき、リレーボックス200の残りの部分は水中に浸漬することにより、または食器洗い機によって洗うことにより、洗浄されてよい。
【0017】
図4は本発明の実施形態に係る、チェックポイントにより制御されるリレーボックス200内の回路のブロック図を示す。本例において、リレーボックス200は極わずかな知能しか有さず、以下でより詳細に説明するように、リレーボックス200の位置はチェックポイントを用いて記録される。プリント回路板アセンブリ(PCBA)401は、例えばリレーボックス200の電子的に可読なグローバル一意識別子が記憶されている近距離無線通信(NFC)タグ402を含む基本的な電子素子のみを備える。NFCタグ402がリレーボックス200内の任意の電力源により電力を供給されることを必要とせずに、NFCタグに記憶された識別子を送信するようにNFCタグを励起することのできるNFCインターフェースを通じて、識別子がリレーボックス200から読み出されてよい。
図4の例はNFCの使用を示すが、他の実施形態は例えば無線周波数識別(RFID)、Bluetooth(登録商標)、または別の種類のインターフェースといった他の種類の無線インターフェースを用いてよい。
【0018】
一意識別子は、例えばディスプレイ領域203の中に挿入された単純な紙カード上またはディスプレイ領域203における不揮発性ディスプレイ上といった、ディスプレイ領域203に表示されてもよい。
【0019】
PCBA401はリレーボックス200への強制進入を検出し記録するためのラッチ403と、NFCタグ402が外部のNFCリーダにより励起されるときラッチ403の状態の読み出しを可能にするための電力スチール(steal)回路404とを備えてもよい。ラッチ403は蓋センサ405に反応してよく、機械的な制御停止装置(override)406はリレーボックス200の認可されている開放に提供されてよい。
【0020】
図5は本発明の実施形態に係る、システムにおけるチェックポイントにより制御されるリレーボックス200の使用を示す。本例において、薬剤はリレーボックス200を用いて貯蔵庫101から保管キャビネット102に発送されている。第1チェックポイント501は、リレーボックス200が配置され得るドック502を備える。ドック502は、リレーボックス200内の一意識別子を読み出すための、およびリレーボックス200内のNFCタグの中に情報を書き込むための、無線トランシーバを備えてよい。ドック502は好適にはリレーボックス200を施錠および解錠するための電磁アクチュエータも備える。ドック502はネットワーク107に接続もされる。本例において、ドック502はコンピュータ503を通じてネットワーク107に間接的に接続されるが、直接的な接続も同様に可能である。
図1におけるのと同様のネットワーク107が
図5の例において用いられるように示されるが、これは必要条件ではなく、異なるネットワークがリレーボックス200の動きを追跡するために用いられてよい。
【0021】
いくつかの実施形態において、ドック502および同様のドックは、発光ダイオード(LED)508などの1つ以上の可視信号を備えてよい。LED508は、例えばリレーボックス200は今施錠されているか解錠されているかといった、現在ドック502とドッキングされているリレーボックス200に関する情報を信号で伝えるように用いられ得る。
【0022】
図5は貯蔵庫101からキャビネット102へのバイアル504の移送を示す。チェックポイント501におけるオペレータはバイアル504をリレーボックス200の中に配置し、ドック502に対してリレーボックス200を電磁的に施錠させる。例えばオペレータは、リレーボックス200内にバイアル504が配置され、かつ、リレーボックス200が施錠されるということの指示をコンピュータ503に入力してよい。次いでドック502は、例えばコンピュータ503を通じてコンピュータシステム106に接触することができ、リレーボックス200を施錠する命令を受信することができる。さらに、ドック502はリレーボックス200の中身に関してNFCタグ402に情報を書き込んでよい。カードは印刷されディスプレイ領域203に配置され、リレーボックス200の中身、リレーボックス200が配達されることになる宛先、リレーボックス200の中身が用いられる予定の意図されるユーザまたは患者、または他の情報などの情報の、人間が可読な指示を提供する。いくつかの実施形態において、不揮発性の電子ディスプレイが用いられてよく、情報をリレーボックス200のメモリの中に書き込むためのインターフェース使用と同様に、無線インターフェースを使用して書き込まれてよい。
【0023】
次にリレーボックス200は、例えば運搬人を通じてまたは現場郵便サービスによってキャビネット102付近のチェックポイント505に輸送される。輸送中、リレーボックス200は不正に開けられない限り、施錠されたままである。チェックポイント505において、別のオペレータはリレーボックス200を、リレーボックス200の存在をコンピュータ507に信号で伝える第2のドック506に配置する。第2のオペレータはコンピュータ507により、リレーボックス200を開くことを認可されていると認証されてよい。コンピュータ507は次に、リレーボックス200が解錠されるという命令を送信するコンピュータシステム106に接触する。また、コンピュータシステム507は次に、ドック506に対してリレーボックス200を電磁的に開けさせ、バイアル504へのアクセスを提供する。第2チェックポイント505におけるオペレータは次に、既知の方法によりキャビネット102内にバイアル504を配置することができ、バイアル504を患者に対する管理のためフロア看護師に提供してよく、またはバイアル504を別の使用目的に用いてよい。このようにして、最終的にコンピュータシステム106は、様々なチェックポイントにおいてドックまた場合によっては他のコンピュータの補助により、様々なリレーボックスへのアクセスを追跡し制御する。
【0024】
本例では、チェックポイントにより制御されるリレーボックス200を用いており、バイアル504は輸送中にリレーボックス200内に閉じ込められる、かつ、リレーボックス200は、様々なチェックポイント501、505において認可されている者によってのみ正当に開けられることができるという事実により、安全性が向上する。大病院では、多数の同様のチェックポイントが、例えばナースステーション、手術室、遠隔の薬局店になど、病院内の多くの位置に提供されてよい。コンピュータシステム106および必要であればCSM108は、チェックポイントにより報告されるイベントによって、特定のアイテムの動きの記録を保持することができる。
【0025】
宛先チェックポイント505において、コンピュータ507はドック506を用いて、チェックポイント501からチェックポイント505へのリレーボックス200の移動中に強制的に開かれたという形跡について、強制進入検出ラッチ403の内容を読み出してもよい。操作された証拠が発見されると、さらなる調査が保証されてもよい。同様にシステムは、リレーボックス200がチェックポイント505までの途中にあるという事実および予期される到着時間を記録してよい。リレーボックス200が予期される時間にまたは予期される時間付近にチェックポイント505でチェックインされなければ、調査が保証されてよい。
【0026】
このようにして、システムは、ある流用の例を防止し、阻止し、または検出することができる。
しかしながら、チェックポイントにより制御されるリレーボックスを用いる上記のシステムは、リレーボックスが様々なチェックポイントにおいて登録される時間同士の間、運搬中のアイテムの位置への可視性を提供しない場合がある。いくつかの実施形態において、リレーボックスの位置に関するいくつかの中間情報を提供するために、追加の無線リーダが施設中に配されてよい。例えば
図6は、リレーボックス200がチェックポイント501からチェックポイント505に輸送される途中で通過する出入口602に無線読取ステーション601を追加した
図5のシステムを示す。出入口602(
図6において一定の縮尺で示されていない)は、例えば病院の2つのウイング同士または病棟同士の間の出入口、またはリレーボックスが通過することが予期され得る任意の他の出入口または玄関であってよい。当然、読取ステーション601などの読取ステーションは他の位置に同様に配置されてよく、出入口にのみではない。読取ステーション601はその付近を通過するリレーボックスを絶えずスキャンし、検出される任意のリレーボックスの識別子をコンピュータシステム106に報告してよい。このようにして、リレーボックスの所在およびそれらの中身に関して断続的な追加の情報を取得することができる。様々な読取ステーションは特定のリレーボックスの通過を報告することができる。
【0027】
上述においては、リレーボックス200は内部電源のない受動デバイスであるとして記載されるが、侵入検出回路に電力を供給する目的で小型電池が提供されてよい。好適には、チェックポイントおよび読取ステーションでの情報交換は受動的であり、各々のチェックポイントまたは読取ステーションからの電磁信号により起こさせられる。リレーボックスの全ての記録される検出は、各々のリレーボックスの位置履歴が可能な限り詳細に復元されることができるように、好適にはタイムスタンプされる。
【0028】
他の実施形態では、「チェックポイントにより制御される」リレーボックスとは対照的に、「スタンドアローンの」リレーボックスが提供されてよい。いくつかの実施形態において、システムはこれら2つのタイプの混合を利用することができてもよい。
【0029】
図7は本発明の実施形態に係る、スタンドアローンのリレーボックス700を示す。チェックポイントにより制御されるリレーボックス200と比較すると、スタンドアローンのリレーボックスは1つ以上の電池などの電力源、より高度な処理および追加の通信性能を備える。
【0030】
リレーボックス200と同様にリレーボックス700は施錠可能な蓋701を有する主筐体を備える。モジュール702は電池(可視でない)とディスプレイ703と他の電子部品および機械部品とを備えてよい。ディスプレイ703は、例えば「電子ペーパー」電気泳動ディスプレイといった任意の適切なタイプのティスプレイであってよい。
【0031】
図8は本発明の実施形態に係る、スタンドアローンのリレーボックス700のブロック図を示す。プリント回路板アセンブリ(PCBA)801は、マイクロコントローラ802または別のメモリに記憶されている命令の制御の下で、リレーボックス700の様々な機能を制御するマイクロコントローラ802を備える。他の実施形態において、マイクロプロセッサおよび関連する補助回路がマイクロコントローラ802に取って代わってよい。リレーボックス700の一意識別子はPCBA801上の不揮発性メモリ803に記憶されている。メモリ803は、フラッシュメモリまたは別の適切な種類のメモリであってよい。スタンドアローンのリレーボックス700は、マイクロコントローラ802および他の素子に電力を供給するための電池804を備える。例えば電池804はニッケル水素(NiMH)電池、ニッケルカドミウム(NiCad)電池、または別の適切な種類の充電式電池などの充電式電池であってよい。他の実施形態において、充電式でない電池が用いられてよい。
【0032】
充電式電池が用いられるとき、リレーボックス700は、外部電源から電池804に電力を供給するための再充電インターフェース805を備えてよい。例えば充電インターフェース805は、リレーボックス700の外部の充電ステーションにおける電力源に直接接続するために、リレーボックス700の外側に、PCBA801に接続されるピンを備えてよい。他の実施形態において、充電インターフェース805は外部の送信機から電磁誘導によりエネルギーを得るためにコイルまたは他のアンテナを備えてよい。
【0033】
スタンドアローンのリレーボックス700は、以下でより詳細に説明するように、他のデバイスとの無線通信のための無線ラジオトランシーバ806も備える。無線ラジオトランシーバ806は、例えばBluetooth(登録商標)トランシーバ、WiFi(登録商標)トランシーバ、または別の種類のトランシーバといった任意の適当な種類のラジオトランシーバであってよい。好適には、無線ラジオトランシーバ806は中距離無線トランシーバである。例えば無線ラジオトランシーバは5メートルまで、10メートルまで、100メートルまで、1000メートルまで、または別の適切な範囲の動作範囲を有してよい。詳細には、中距離無線ラジオトランシーバは、NFCデバイスの場合のように数インチ以下の距離にわたる通信に限定されない。同様に、中距離無線トランシーバは複数キロメートルまたは複数マイルで測定される距離にわたって直接通信をすることができない。
【0034】
スタンドアローンのリレーボックス700は、ドック502などのドッキングステーションが必要ないという利点を有する。リレーボックス700はコンピュータシステム106などのコンピュータシステムと直接無線通信してもよい。認可されているユーザはリレーボックス700が開けられることを要求してよく、コンピュータシステム106は次に、リレーボックス700に対して、ロック808を作動させることによりそれ自身を解錠させるように命令してよい。ロック808は例えば電池804から電力を供給されるモータにより作動するロック、またはニチノール素子などの形状記憶金属素子の形状を変化させることにより作動するロックといった、任意の適切な種類のロックであってよい。
【0035】
リレーボックス700が内蔵の電力源(例えば電池804)を備えるので、スタンドアローンのリレーボックス700は、チェックポイントにより制御されるリレーボックス200がドッキングステーションの補助なしではできない機能を果たすことができる。リレーボックス700に対して開くように命令する前に、コンピュータシステム106は認可されているユーザがその要求を満たす、いくつかの証明を要求してよい。例えば、認可されているユーザが実際にリレーボックス700を所持していることを証明するために、ユーザがリレーボックス700の一意識別子をスキャンし、それをユーザの識別情報とともにコンピュータシステム106に送信してするように要求されてもよい。スキャンおよび認証は、一意識別子を読み取ることができ、コンピュータシステム106と無線で通信できる、携帯電話または他の同様のポータブル電子デバイスを用いて行われてよい。スキャンは、例えばNFCまたは別の無線技術によりメモリ803から識別子を読み取るように、電子的であってよい。他の実施形態において、スキャンは光学的であってよい。例えば識別子は、バーコード、QRコード(登録商標)の形態で、または光学的に可読な他のいくつかのフォーマットでディスプレイ703上に表示されてよい。
【0036】
スタンドアローンのリレーボックス700は、他のフィーチャも同様に備える。例えばディスプレイ703は上述において説明されている。蓋センサ807がリレーボックス700への強制進入を検出し、次いでリレーボックス700がコンピュータシステム106に対して可能な限り直ちに強制進入を報告することができる。機械的なキー制御停止装置センサ809は、リレーボックス700が機械的なキーによって開けられている時を検出してよく、進入が認可されていない強制進入であるという任意の判定を差し止めてよい。リレーボックス700は鍵による進入をコンピュータシステム106に対して依然として報告してよい。例えば押しボタンまたは別の種類のスイッチといったユーザスイッチ810は、マイクロコントローラ802に信号を送るために用いられてよく、随意の誘導灯はユーザをリレーボックス700に誘導するように点灯してよい。例えば誘導灯811は、リレーボックス700を解錠するために、リレーボックス700とその領域における他の同様のリレーボックスとを区別するために、コンピュータシステム106からのコマンドで点灯してよい。すなわちリレーボックス700がその宛先に到着するとき、コンピュータシステム106は誘導灯を点灯させてよい。
【0037】
いくつかの実施形態において他の部品が存在してよい。例えば小型電池が、意図せずに電池804を完全に放電させた場合の継続的な侵入検出のために、より大きな電池804に対するバックアップとして提供されてよい。
【0038】
スタンドアローンのリレーボックス700は、例えば点灯する数が電池充電レベルを示す4つのライトのセットといった、電池充電レベルインジケータをさらに備えてよい。いくつかの実施形態において、リレーボックス700は任意のいくつかの目的のために用いられ得る聴覚的なアラームを備える。例えば、聴覚的なアラームはリレーボックス700の中への認可されていない侵入の場合、またはリレーボックス700の盗難の疑いの場合に発せられてよい。そうした聴覚的なアラームは特定のリレーボックス700の位置を特定するときに、低い電池充電レベルを示すために、または他の目的のためにも用いられてもよい。
【0039】
いくつかの実施形態において、スタンドアローンのリレーボックス700は、温度センサ812、モーションセンサ813、またはその両方を備えてよい。例えばマイクロコントローラ802は温度センサ812の出力をモニタし、予期される温度範囲を超える温度の逸脱を報告してよい。効力が特定の保管温度の管理に依存する薬剤を輸送するためにリレーボックス700が用いられるとき、温度の逸脱が特に関心となる場合がある。指定範囲外の温度が検出されると、リレーボックス700は施設職員による可能な行動のために検出を報告してよい。過度の温度は、例えば戸外といった、リレーボックス700の予期された使用領域外の位置へのリレーボックス700の流用を示唆してもよい。同様にマイクロコントローラ802は、所望されない粗雑な扱い、流用、または他の不都合な状況を示唆し得る動きの痕跡についてモーションセンサ813の出力をモニタしてよい。リレーボックス700は、所望される場合に、有害な温度または動きが検出されていないという事実を報告してもよい。
【0040】
図9は本発明の実施形態に係る、システムにおけるスタンドアローンのリレーボックス700の使用を示す。
図9の例において、薬剤のバイアル504は貯蔵庫101から、施設の別の場所の保管キャビネット102に移送されている。薬局において、技師または薬剤師は、適切な認証の後、バイアル504をリレーボックス700内に配置する。移送に関する情報はネットワーク107を通じてコンピュータシステム106に通信される。例えばリレーボックス700が荷を積まれた日時、リレーボックス700の中身、および意図された宛先またはリレーボックス700のユーザが送信されてよい。他の情報も同様に送信されてよい。コンピュータシステム106は次にリレーボックス700に対して施錠するように命令する。
【0041】
リレーボックス700は次に、例えば運搬人、現場郵便サービスなどによりキャビネット102の位置に輸送される。キャビネット102での別のユーザは、自身がリレーボックス700を所持していることをコンピュータシステム106に対して証明してよく、また、リレーボックス700が開けられることを要求してよい。認可が証明された後、コンピュータシステム106はリレーボックス700に対して自身を解錠するように信号で伝える。バイアル504は次に持ち去られキャビネット102に配置されることができ、または別の用途のために用いられることができる。
【0042】
スタンドアローンのリレーボックス700の施錠および解錠のためにドッキングステーションは必要なく、リレーボックス700へのおよびリレーボックス700からの薬剤の移送は、ネットワーク107の無線ラジオ範囲内のどこにおいてでも遂行されることができる。電池804は再充電されまたは定期的に取り替えられ、再充電ステーションは施設内の様々な場所に提供されてよい。
【0043】
いくつかの実施形態において、リレーボックス700はリアルタイム位置測位システム(RTLS)との対話のためのトランシーバを備えてよい。そうしたシステムにおいて、いくつかのステーションは、施設中を通じた既知の固定の位置に配置され、RTLSの装備された各々のリレーボックスと絶えず無線で対話する。システムは各々のリレーボックスの位置を計算するために、リレーボックスから固定されたステーションへの信号の到着時間の差を用いてよい。そうした実施形態において、特定のリレーボックス700の位置はほぼ常時、数インチ以内で知られてよい。いくつかの実施形態において、無線ラジオ806は、コンピュータシステム106と通信するときにその使用に加えて、リアルタイム位置測位のためのトランシーバとして働いてよい。他の実施形態において、無線ラジオ806に加えて、異なるトランシーバが用いられてよい。RTLSトランシーバは、例えばBluetooth(登録商標)またはWiFi(登録商標)トランシーバといった、任意の適切な種類のトランシーバであってよい。いくつかの実施形態において、RTLSトランシーバはIEEE仕様802.15.4−2011に係る超広帯域トランシーバであってよい。
【0044】
図10は本発明の実施形態に係る、電池804を再充電するための一技術を示す。本例において各々のリレーボックス700は、リレーボックス700内の回路を充電するために電気的に結合される、金属のピン1001のセットを備える。各々のリレーボックス700は、1つのリレーボックス700のピン1001が別のリレーボックス700のレセプタクル1002と結合して、いくつかのリレーボックス700が一緒に積み重ねられることができるような、組み込まれたレセプタクル1002の相補的なセットも備える。充電プラットフォーム1003はピン1001のセットおよび幹線電源への接続1004も備える。電力は充電プラットフォーム1003から、1つの積み重ねられたリレーボックス700から次のものに、結合したピン1001およびレセプタクル1002を通じて伝導される。
【0045】
図11は本発明の他の実施形態に係る、電池804を再充電するための別の選択肢を示す。
図11の配置において、充電クレードル1101は、モジュールのそれぞれのリレーボックス700から取り出され、かつ、充電するために充電クレードル1101上に配置される、いくつかのモジュール702を収容する。クレードル1101はモジュール702に直接接続されてよく、または電磁誘導によりモジュール702を充電してよい。
【0046】
いくつかの実施形態において、入射光から電力を生じるために、太陽電池がリレーボックス700の正面に配置されてよい。電力は次に、電池804を充電するために、または1回の充電からリレーボックス700の動作を少なくとも延長するために用いられてよい。
【0047】
本明細書に添付される請求項において、「a」または「an」という言葉は「1つ以上」を意味することを意図する。「備える(comprise)」ならびに「comprises」および「comprising」などのその変化形は、ステップまたは要素の列挙に先立つとき、さらなるステップまたは要素の追加は随意であり、また、除外されないという意味を意図する。要素の任意の実行可能な組み合わせと本明細書で開示される特徴とが開示されることも考慮されることが理解される。
【0048】
本発明は今、明快さおよび理解を目的として詳細に記載されている。しかしながら当業者は、添付される請求項の範囲内ある種の変更および修正が実施されてよいことを理解することとなる。