(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ワード線のセット内の前記境界ワード線に印加される前記バイアス電圧は、前記境界ワード線の一方の側にある前記選択されたサブセットと、前記境界ワード線の別の側にある前記選択されていないサブセットとの間に境界条件を誘発し、前記境界条件は正孔を生成するための電界を含む、
請求項1に記載の方法。
前記チャネル線は前記第1のストリング選択スイッチに接続されるN+型端子を有するドレイン側と、前記第2のストリング選択スイッチに接続されるP+型端子を有するソース側とを含み、
前記方法は、
前記チャネル線の前記ソース側にソース側電圧を印加することと、前記チャネル線に正孔を与えることと、該チャネル線に沿ってチャネル電位を引き上げることとを含む、
請求項1に記載の方法。
前記第1のグローバルワード線は、前記ローカルワード線ドライバーのセットの前記第2のサブセットに接続され、前記メモリは、前記第1のグローバルワード線を駆動する第1のグローバルワード線ドライバーを含む、
請求項7に記載のメモリ。
前記チャネル線は、前記第1のストリング選択スイッチに接続されるN+型端子を有するドレイン側と、前記第2のストリング選択スイッチに接続されるP+型端子を有するソース側とを含み、
前記コントローラーは、
前記チャネル線の前記ソース側にソース側電圧を印加して、前記チャネル線に正孔を与え、該チャネル線に沿ってチャネル電位を引き上げるロジックを含む、
請求項6に記載のメモリ。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本技術の実施形態の詳細な記載が図を参照しながら提供される。本技術を具体的に開示される構造的な実施形態及び方法に限定するつもりはなく、本技術は他の特徴、要素、方法及び実施形態を用いて実施できることは理解されたい。特許請求の範囲によって規定される本技術の範囲を制限するためではなく、本技術を例示するために好ましい実施形態が記載される。当業者は、以下の記載に関する種々の同等の変形を認識されよう。種々の実施形態において同じ要素は一般的に同じ参照番号を用いて参照される。
【0018】
図1は、本明細書において記載されるように動作することができるNANDフラッシュメモリアレイ110を含む集積回路100の簡略化されたブロック図である。幾つかの実施形態では、アレイ110は3Dメモリであり、複数のセル層を含む。そのアレイは、複数のメモリセルブロックを含むことができ、1つのメモリセルブロックは、第1のストリング選択スイッチと第2のストリング選択スイッチとの間にチャネル線を有する複数のNANDストリングを含むことができる。複数のNANDストリングは、第1のストリング選択スイッチと第2のストリング選択スイッチとの間のワード線のセットを共有する。
【0019】
行デコーダー111が、メモリアレイ110内の行に沿って配置される複数のワード線112に結合される。行デコーダーは、メモリセルの選択されたブロック内のワード線のセットのそれぞれのワード線を駆動するローカルワード線ドライバーのセットを含むことができる。ローカルワード線ドライバーのセットは、ワード線のセットの第1のサブセットを駆動するローカルワード線ドライバーのセットの第1のサブセットと、ワード線のセットの第2のサブセットを駆動するローカルワード線ドライバーのセットの第2のサブセットと、ワード線のセットの第1のサブセットとワード線のセットの第2のサブセットとの間のワード線のセット内の境界ワード線を駆動する境界ワード線ドライバーとを含むことができる。
【0020】
メモリは、ローカルワード線ドライバーのセットの第1のサブセットに接続される第1のグローバルワード線と、境界ワード線ドライバーに接続される第2のグローバルワード線とを含む、グローバルワード線のセットを含む。一実施態様では、メモリは、第1のグローバルワード線を駆動するグローバルワード線ドライバーを含み、第1のグローバルワード線はローカルワード線ドライバーのセットの第2のサブセットにも接続される。代替の実施形態では、グローバルワード線のセットは、ローカルワード線ドライバーのセットの第2のサブセットに接続される第3のグローバルワード線を含み、メモリは第1のグローバルワード線を駆動する第1のグローバルワード線ドライバーと、第3のグローバルワード線を駆動する第3のグローバルワード線ドライバーとを含む。
【0021】
ブロック116内の列デコーダーは、この例では、データバス117を介して、ページバッファー113のセットに結合される。グローバルビット線114はページバッファー113のセットと、メモリアレイ110内の列に沿って配置されるローカルビット線(図示せず)とに結合される。列デコーダー(ブロック116)及び行デコーダー(ブロック111)へのバス115上にアドレスが供給される。汎用プロセッサ又は専用アプリケーション回路のような集積回路上の他の回路124(例えば、入力/出力ポートを含む)から、又はアレイ110によってサポートされるシステムオンチップ機能を提供するモジュールの組み合わせから、データインライン123を介してデータが供給される。入力/出力ポートに、又は集積回路100の内部若しくは外部にある他のデータ宛先に、データインライン123を介してデータが供給される。
【0022】
この例では状態機械(例えば、119)として実現されるコントローラーが、メモリセルのブロックに結合され、アレイ内のデータに関して本明細書において記載される種々の動作を実行するためにブロック118内の1つ又は複数の電圧源を通して生成されるか、又は与えられるバイアス調整供給電圧の印加を制御する信号を与える。これらの動作は、プログラム、ブロック消去、サブブロック消去及び読出しを含む。コントローラーは、当該技術分野において既知であるような専用論理回路を用いて実現することができる。代替の実施形態では、コントローラーは、同じ集積回路上に実装することができ、デバイスの動作を制御するためにコンピュータプログラムを実行する汎用プロセッサを含む。更に別の実施形態では、コントローラーを実現するために、専用論理回路及び汎用プロセッサの組み合わせを用いることができる。
【0023】
コントローラーは、本明細書において記載されるサブブロック消去動作を実行するロジックを含むことができる。例えば、コントローラーは、負のファウラーノルトハイム(negative Fowler-Nordheim:−FN)トンネル効果によって、選択されたサブブロック内のセルの電荷蓄積構造の中に正孔を注入するために、メモリセルのサブブロックにバイアスをかけるロジックを含むことができ、それにより、少なくともまだ低いしきい値電圧を有していないサブブロックのセルにおいて、しきい値電圧を下げることができる。
【0024】
一実施態様では、コントローラーは、選択されたブロック内の第1のストリング選択スイッチを通してNANDストリングのチャネル線にチャネル側消去電圧を印加するロジックと、選択されたブロック内のNANDストリングによって共有されるワード線のセットのうちの2つ以上の要素を含む第1のサブセットにワード線側消去電圧を印加し、第1のサブセットに結合されたメモリセルにおいてトンネル効果を誘発するロジックと、ワード線のセットの2つ以上の要素を含む第2のサブセットに結合されるメモリセルにおいてトンネル効果を抑止するロジックとを含むことができる。トンネル効果を抑止するロジックは、チャネル側消去電圧を印加するときに、第2のサブセット内のワード線を浮遊状態にするロジックを含むことができる。
【0025】
コントローラーはワード線のセット内の境界ワード線にバイアス電圧を印加して、境界ワード線の一方の側にある第1のサブセットと境界ワード線の別の側にある第2のサブセットとの間に境界条件を誘発するロジックを含むことができる。境界条件は、サブブロック消去動作において正孔を生成するための電界を含むことができる。
【0026】
NANDストリング内のチャネル線は、第1のストリング選択スイッチに接続されるN+型端子を有するドレイン側と、第2のストリング選択スイッチに接続されるP+型端子を有するソース側とを含むことができる。選択されたブロック内のチャネル線のソース側にソース側電圧を印加することができ、チャネル線に正孔を与えることができ、チャネル線に沿ってチャネル電位を引き上げることができる。ソース側電圧はチャネル側消去電圧と一致することができる。
【0027】
明確にするために、本明細書において用いられるときに、「プログラム」という用語は、メモリセルのしきい値電圧を高める動作を指している。プログラムされたメモリセル内に記憶されるデータは、論理「0」又は論理「1」として表すことができる。本明細書において用いられるときに、「消去」という用語は、メモリセルのしきい値電圧を下げる動作を指している。消去されたメモリセル内に記憶されるデータは、プログラムされた状態の逆の状態、すなわち、論理「1」又は論理「0」として表すことができる。また、マルチビットセルを種々のしきい値レベルにプログラムすることができ、単一の最も低いしきい値レベルに消去することができる。さらに、本明細書において用いられるときに、「書込み」という用語は、メモリセルのしきい値電圧を変更する動作を示し、プログラム及び消去の両方を含むか、又はプログラム動作及び消去動作の組み合わせを含むことを意図している。
【0028】
図2は、
図1のデバイスに類似のデバイスにおいて使用可能な3D NANDフラッシュメモリアレイの一部の概略図である。この例では、3つのメモリセル層が示されており、数多くの層を含むことができるpチャネルメモリセルのブロックを表す。
【0029】
ワード線WL0〜WL(i−1)、WL(bnd)、WL(i+1)〜WL63を含む複数のワード線が第1の方向に沿って平行に延在する。ワード線WL(i−1)、WL(bnd)、WL(i+1)が
図2に示される。ワード線WL0〜WL(i−1)、WL(bnd)、WL(i+1)〜WL63は
図5及び
図6に示される。ワード線は行デコーダー261と電気的に通信できる状態にあり、行デコーダーは、
図5及び
図6に示されるように、グローバルワード線デコーダー590と、ローカルワード線デコーダー580とを含むことができる。ワード線は、NANDストリングと直列に配置されるメモリセルのゲートに接続される。
図2に示されるように、各ワード線は、ワード線の下方にある種々の層の各層内のメモリセルのゲートに垂直に接続される。
【0030】
境界ワード線(例えば、WL(bnd))が、
図5及び
図6に示されるように、ワード線WL(i+1)、...WL59〜WL63を含むワード線のセットの2つ以上の要素を含むワード線のセットの第1のサブセットと、ワード線WL0〜WL4、...WL(i−1)を含むワード線のセットの2つ以上の要素を含むワード線のセットの第2のサブセットとの間に配置される。境界ワード線を使用することを含むサブブロック消去動作が、
図5、
図6、
図11及び
図12に関連して記載される。
【0031】
図2、
図4、
図5、
図6、
図9及び
図10のメモリセルのブロックに関して、ワード線のセットの第1のサブセット、第2のサブセット及び境界ワード線が示されるが、本明細書において記載される技術は、3本の境界ワード線を有する4個のサブセット、7本の境界ワード線を有する8個のサブセット、15本の境界ワード線を有する16個のサブセット等のように、メモリセルのブロック内のワード線のセットを2つ以上の境界ワード線を有する3つ以上のサブセットに分割することができる。
【0032】
複数のローカルビット線が列に沿って配置され、メモリアレイの種々の層内のNANDストリングを形成する。
図2に示されるように、そのアレイは第3の層上のローカルビット線BL
31、第2の層上のローカルビット線BL
21及び第1の層上のローカルビット線BL
11を含む。メモリセルは、対応するワード線と対応するローカルビット線との間に誘電体電荷トラップ構造を有する。この例示では、簡単にするために、NANDストリング内に3つのメモリセルが存在する。例えば、第3の層上のローカルビット線BL
31によって形成されるNANDストリングは、メモリセル220、222、224を含む。通常の実施態様では、NANDストリングは、16本、32本、64本又はそれ以上のワード線にそれぞれ接続される、16個、32個、64個又はそれ以上のメモリセルを含むことができる。
【0033】
ストリング選択線SSL
n-1、SSL
n、SSL
n+1を含む複数のストリング選択線が、グループデコーダー258(行デコーダー261の一部とすることができる)と電気的に通信できる状態にあり、グループデコーダーはストリングのグループを選択する。ストリング選択線は、メモリセルNANDストリングの第1の端部に配置される第1のストリング選択スイッチのゲートに接続される。
図2に示されるように、各ストリング選択線は、種々の層の各層内のストリング選択スイッチの列のゲートに垂直に接続される。例えば、ストリング選択線SSL
n+1は、3つの層内のストリング選択スイッチ210、212、214のゲートに接続される。
【0034】
特定の層上のローカルビット線は、対応するストリング選択スイッチによって、その特定の層上で、本明細書において記載されるようなビット線パッドを用いて実現することができる延長部に選択的に結合される。例えば、第3の層上のローカルビット線は、その層内の対応するストリング選択スイッチによって延長部240に選択的に結合される。同様に、第2の層上のローカルビット線は延長部242に選択的に結合され、第1の層上のローカルビット線は、延長部244に選択的に結合される。
【0035】
各層上の延長部は、対応するグローバルビット線に結合される垂直コネクタと接触するための対応するコンタクトパッドを含む。例えば、第3の層内の延長部240は、コンタクトパッド230及び垂直コネクタ200を介して、グローバルビット線GBL
n-1に結合される。第2の層上の延長部242は、コンタクトパッド232及び垂直コネクタ202を介して、グローバルビット線GBL
nに結合される。第3の層内の延長部244は、コンタクトパッド234及び垂直コネクタ204を介して、グローバルビット線GBL
n+1に結合される。
【0036】
グローバルビット線GBL
n-1、GBL
n及びGBL
n+1はアレイ内の更なるブロック(図示せず)に結合され、ページバッファー263まで延在する。
【0037】
ブロック選択トランジスタ(第2のストリング選択スイッチと呼ばれる場合もある)がNANDストリングの第2の端部に配置される。例えば、ブロック選択スイッチ260が、メモリセル220、222、224によって形成されるNANDストリングの第2の端部に配置される。接地選択線GSLが、ブロック選択スイッチのゲートに接続される。接地選択線GSLは、本明細書において記載される動作中にバイアス電圧を受け取るために、行デコーダー261と電気的に通信できる状態にある。
【0038】
ブロック選択トランジスタを用いて、ブロック内の全てのNANDストリングの第2の端部を共通ソース線CSLに選択的に結合する。共通ソース線CSLは、本明細書において記載される動作中にバイアス回路(ここでは図示せず)からバイアス電圧を受け取る。本明細書において記載される幾つかの動作では、CSLは、従来の「ソース」の役割ではなく、NANDストリングの反対端に結合されるビット線の振幅より、絶対振幅が大きい基準電圧にバイアスをかけられる。
【0039】
ブロックは、ブロックの行及びブロックの列を含む、ブロックのアレイに配置することができる。1つの行内のブロックは同じワード線のセットWL0〜WL(i−1)、WL(bnd)、WL(i+1)〜WL63と、接地選択線GSLとを共有することができる。1つの列内のブロックは、同じグローバルビット線GBL
n-1、GBL
n及びGBL
n+1のセットを共有することができる。このようにして、3D復号化ネットワークが確立され、ページの一部である選択されたメモリセルに、1つのワード線を用いてアクセスすることができ、グローバルビット線GBL
n-1、GBL
n及びGBL
n+1のセットと、1つのストリング選択線とが、各層内の選択されたセルから、グローバルビット線GBL
n-1、GBL
n及びGBL
n+1のセット上に並列にデータを送達する。
【0040】
図2に示されるアレイは、水平構成において実現されるpチャネルNANDストリングを含み、所与のストリング内の全てのセルがアレイの同じ層上にある。代替の3D構成では、NANDストリングは、垂直構成において実現することができる。幾つかの実施形態では、NANDストリングは接合部がなく、セル間にp型端子は存在しない。p型端子は、ビット線延長部(例えば、線244)に接続されるSSLトランジスタ(例えば、210)の側と、共通ソース線CSLに接続されるGSLスイッチ(例えば、260)の側とに実装することができる。プログラム動作、ブロック消去動作、サブブロック消去動作及び読出し動作を実行するためにメモリアレイ及び支援回路を制御するように構成される状態機械269が示される。
【0041】
図3は、3D垂直ゲート(3DVG)NANDフラッシュメモリアレイ構造内にNANDストリング層のスタックを含む、メモリセルの偶数ブロック及び奇数ブロック(上記で規定される)を含む3Dユニットの斜視図である。その3D NANDフラッシュメモリアレイ構造は、2013年8月6日に発行された共同所有の米国特許第8,503,213号に記載されており、その特許は、本明細書に全文が明記されるかのように、引用することにより本明細書の一部をなす。更なる構造を露出させるために、図面から絶縁材料が除去される。例えば、スタック内のNANDストリング間の絶縁材料が除去され、NANDストリングのスタック間の絶縁材料が除去される。
【0042】
代替の3D NAND構造は、本出願人による同時係属出願の、2014年5月21日に出願の特許出願第14/284,306号及び2014年12月24日に出願の特許出願第14/582,963号において記載されているような、垂直チャネルNANDアレイと呼ぶことができ、それらの出願は、本明細書に全文が明記されるかのように、引用することにより本明細書の一部をなす。また、垂直チャネルNANDアレイは、本明細書において記載されるようなブロックも含み、本明細書において記載されるバイアス技法を用いるサブブロック消去のために構成し、動作させることができる。
【0043】
垂直チャネル構造及び垂直ゲート構造の両方の3D NANDフラッシュメモリアレイはスタック型メモリ構造を含み、結果として、そのアレイは高密度構成に配置される複数のメモリセルを有する。
【0044】
図3に示される垂直ゲート例では、絶縁層上に多層アレイのブロックが形成され、複数のワード線325−1、...、325−Nを含む。スタックはチャネル線(例えば、第1の偶数ページスタック内の312、313、314、315)を含む。チャネル線312、313、314、315のスタックは、階段パッド312A、313A、314A、315Aによって一端において終端し、SSLスイッチ319、接地選択線GSL326、ワード線325−1WL〜325−N WL、接地選択線GSL327を通り抜け、ソース線328によって他端において終端する。チャネル線312、313、314、315のスタックは、階段パッド302B、303B、304B、305Bには達しない。したがって、偶数ブロックは、偶数接地選択線GSLと、全てのワード線とを共有し、奇数ブロックは、奇数接地選択線GSLと、全てのワード線とを共有する。この例では、偶数ブロック及び奇数ブロックは交互に配置され、Nストリング幅のユニットが、N/2本のビット線で動作できるようにしている。偶数ブロック及び奇数ブロック内のメモリセルの交互配置されたストリングは近いので、この構成における偶数ブロック及び奇数ブロックは、消去動作のために協働することができる。他の実施形態は交互配置される偶数スタック及び奇数スタックを使用しない。
【0045】
第1の奇数ページスタック内のチャネル線302、303、304、305のスタックは、階段パッド302B、303B、304B、305Bによって一端において終端し、SSLスイッチ309、接地選択線GSL327、ワード線325−N WL〜325−1WL、接地選択線GSL326を通り抜け、ソース線(図の他の部品によって隠される)によって他端において終端する。チャネル線302、303、304、305のスタックは、階段パッド312A、313A、314A、315Aには達しない。
【0046】
図示されるワード線の番号付与は、構造全体の後から前に向かって1からNまでの昇順であり、偶数メモリページ上のSSLからGSLに進む順序にも当てはまる。奇数メモリページの場合、ワード線の番号付与は、構造全体の前から後に向かってNから1までの降順であり、奇数メモリページ上のSSLからGSLまで進む順序にも当てはまる。
【0047】
階段パッド312A、313A、314A、315Aは、チャネル線312、313、314、315のような、偶数ページ内のチャネル線を終端する。図示されるように、これらの階段パッド312A、313A、314A、315Aは、アレイ内のメモリセルの層を選択する復号化回路に接続するための異なるビット線に電気的に接続される。これらの階段パッド312A、313A、314A、315Aは、複数のスタックが画定されるのと同時にパターニングすることができる。
【0048】
階段パッド302B、303B、304B、305Bは、チャネル線302、303、304、305のような、奇数ページ内のチャネル線を終端する。図示されるように、これらの階段パッド302B、303B、304B、305Bは、アレイ内のメモリセルの層を選択する復号化回路に接続するための異なるビット線に電気的に接続される。これらの階段パッド302B、303B、304B、305Bは、複数のスタックが画定されるのと同時にパターニングすることができる。
【0049】
チャネル線の任意の所与のスタックが、ブロックの一端にある階段パッド312A、313A、314A、315A、又はブロックの他端にある階段パッド302B、303B、304B、305Bのどちらかに結合されるが、両方には結合されない。ブロックのアレイ内の他のブロックは、チャネル線の別々のスタックと、1つのブロック内のチャネル線を互いに接続する階段パッドとを使用することによって互いに電気的に絶縁することができ、分離されたスタック間に絶縁材料が配置されている。このようにして、制御信号が別々に復号化される場合には、消去のために別々のブロックを独立して動作させることができる。
【0050】
接地選択線GSL326及びGSL327は、ワード線と同様に、複数のスタックと共形である。
【0051】
チャネル線の全てのスタックが、一端において階段パッドのセットによって、及び他端においてソース線によって終端する。例えば、チャネル線312、313、314、315のスタックは、一端において階段パッド312A、313A、314A、315Aによって終端し、他端においてソース線328によって終端する。図の前方端において、チャネル線の1つおきのスタックが、階段パッド302B、303B、304B、305Bによって終端され、チャネル線の1つおきのスタックが別のソース線によって終端される。図の後方端において、チャネル線の1つおきのスタックが階段パッド312A、313A、314A、315Aによって終端され、チャネル線の1つおきのスタックが別のソース線によって終端される。
【0052】
ビット線及びストリング選択線が金属層ML1、ML2及びML3において形成される。メモリセルのストリングごとのローカルビット線がチャネル線によって形成される。
【0053】
メモリセルトランジスタがチャネル線とワード線325−1〜325−Nとの間のメモリ材料で形成される。それらのトランジスタにおいて、チャネル線(例えば、313)はデバイスのチャネル領域としての役割を果たす。SSLスイッチ(例えば、319、309)が、ワード線325−1〜325−Nが画定されるのと同じステップ中にパターニングされる。ワード線、接地選択線の上面に沿って、ゲート構造の上方にシリサイド層を形成することができる。メモリ材料層は、トランジスタのためのゲート誘電体としての役割を果たす。これらのトランジスタは、アレイ内の特定のスタックを選択するための復号化回路に結合されるストリング選択ゲートとしての役割を果たす。
【0054】
3D NANDメモリの一般的な課題は、メモリセルのブロックのサイズが多くの場合に非常に大きいことである。3D NANDメモリの密度が高くなるにつれて、スタック内の層の数が増加し、その結果、ブロックサイズが大きくなり、ブロック消去動作のためのタイミング仕様が遅くなる。ブロック消去動作のためのタイミング仕様が遅くなると、ユーザが3D NANDメモリ内のメモリセルのサブブロックに記憶される小さなユニットのコードしか変更する必要がないときに、3D NANDメモリの性能が劣化する。
【0055】
本技術において、複数のNANDストリングによって共有されるワード線のセットは、ワード線のセットの第1のサブセット及び第2のサブセットに分割することができ、それにより、第1のサブセット及び第2のサブセットのうちの一方に結合されるメモリセルを消去する一方で、第1のサブセット及び第2のサブセットのうちの他方に結合されるメモリセルではトンネル効果を抑止することが可能になる。結果として、1つのブロック内の全てではなく、幾つかのメモリセルのみがサブブロック消去動作において消去され、それにより、ブロック消去動作の場合と比べて、サブブロック消去動作の場合のタイミング仕様を速くできるようになり、3D NANDメモリの性能を向上させる。
【0056】
図4は、
図3の3D NANDフラッシュメモリアレイ構造の例示的なレイアウト図である。その3D NANDフラッシュメモリアレイ構造は、メモリセルの複数のブロックを含む。メモリセルのブロックは、第1のストリング選択スイッチ(例えば、SSL)と第2のストリング選択スイッチ(例えば、GSL)との間にチャネル線を有する複数のNANDストリングを含み、複数のNANDストリングは、第1のストリング選択スイッチと第2のストリング選択スイッチとの間のワード線のセット(例えば、WL0〜WL63)を共有する。
【0057】
図4のレイアウト図において、チャネル線のスタックが、一点鎖線の境界を有する垂直ストリップとして示される。チャネル線の隣接するスタックは、偶数方向及び奇数方向を繰り返す。チャネル線の全ての奇数スタック(例えば、411)は、上部にあるビット線コンタクトパッド構造から底部にある奇数ソース線まで延在する。チャネル線の全ての偶数スタック(例えば、412)は、底部にあるビット線コンタクトパッド構造から上部にある偶数ソース線構造まで延在する。
【0058】
チャネル線のスタックの上には、水平ワード線並びに水平接地選択線GSL(偶数)及びGSL(奇数)が重なる。また、チャネル線のスタックの上には、SSLスイッチが重なる。奇数SSLスイッチはチャネル線の上端においてチャネル線の1つおきのスタックの上に重なり、偶数SSLスイッチはチャネル線の下端においてチャネル線の1つおきのスタックの上に重なる。いずれの場合でも、SSLスイッチは、チャネル線の任意のスタックと、そのスタックの対応するビット線コンタクト階段パッドとの間の電気的接続を制御する。
【0059】
図4の例において示されるように、ワード線WL0〜WL(i−1)、WL(bnd)、WL(i+1)〜WL63を含む複数のワード線が第1の方向に沿って平行に延在する。ワード線WL0〜WL2、WL(i−1)、WL(bnd)、WL(i+1)、WL62〜WL63が
図2に示される。ワード線WL0〜WL(i−1)、WL(bnd)、WL(i+1)〜WL63が
図5及び
図6に示される。ワード線は行デコーダー161(
図2)と電気的に通信できる状態にある。ワード線は、NANDストリングと直列に配置されるメモリセルのゲートに接続される。
【0060】
ワード線WL(i+1)、...WL62〜WL63を含む、消去するためのワード線のセットの第1のサブセットと、ワード線WL0〜WL2、...WL(i−1)を含む、抑止するためのワード線のセットの第2のサブセットとの間に境界ワード線(例えば、WL(bnd))が配置される。境界ワード線を使用することを含むサブブロック消去動作が
図5、
図6、
図11及び
図12に関連して記載される。
【0061】
ワード線、接地選択線及びSSLスイッチの上には、垂直に延在するML1 SSLストリング選択線が重なる。ML1 SSLストリング選択線の上には、水平に延在するML2 SSLストリング選択線が重なる。ML2 SSLストリング選択線は、その構造を視認するのを容易にするために対応するML1 SSLストリング選択線において終端するように示されるが、ML2 SSLストリング選択線は更に長く水平に延在することができる。ML2 SSLストリング選択線はデコーダーからの信号を搬送し、ML1 SSLストリング選択線は、これらのデコーダー信号を、チャネル線の特定のスタックを選択する特定のSSLスイッチに結合する。
【0062】
また、ML1 SSLストリング選択線の上には、偶数ソース線及び奇数ソース線が重なる。
【0063】
さらに、ML2 SSLストリング選択線の上には、上部及び底部において階段状コンタクト構造に接続するML3ビット線(図示せず)が重なる。階段状コンタクト構造を通って、それらのビット線はチャネル線の特定の層を選択する。
【0064】
特定のビット線をチャネル線の異なる層に電気的に接続することができる。特定のビット線のSSLにバイアスをかけて、特定のビット線をチャネル線の異なる層に接続することができる。
【0065】
サブブロック消去バイアス調整下で、チャネル側消去電圧を複数のビット線に印加することができ、複数のビット線はメモリセルのブロック内の複数のNANDストリングのチャネル線(例えば、411、412)に接続され、複数のNANDストリングはワード線のセット(例えば、WL0〜WL2、WL(i−1)、WL(bnd)、WL(i+1)、WL62〜WL63)を共有する。ワード線のセット内の境界ワード線(例えば、WL(bnd))にバイアス電圧を印加して、境界条件を誘発することができる。境界ワード線(WL(bnd))の一方の側にあるワード線のセットの第1のサブセット(例えば、WL(i+1)〜WL63)にワード線側消去電圧を印加して、第1のサブセットに結合されるメモリセル内に正孔トンネル効果を誘発することができる。正孔トンネル効果は、ワード線のセットの第2のサブセット(例えば、WL0〜WL2、WL(i−1))に結合されるメモリセルでは抑止される。正孔トンネル効果を抑止することは、チャネル側消去電圧を印加するときに、第2のサブセット内のワード線を浮遊状態にすることを含むことができる。
【0066】
図3の垂直ゲート3D構造において、メモリはメモリセルの複数のページを含み、この説明のために、この構造内で、1つのページは単一のSSLスイッチによって選択されたチャネル線の1つのスタック内のメモリセルを含むものと規定することができ、各チャネル線は階段パッドを介して対応するビット線に結合される。アレイページは、並列に動作する異なるブロックからの複数のページと規定することができる。ページに関する規定、及びページにアクセスするために適用される復号化は、特定のメモリアーキテクチャーに応じて異なることができる。そのメモリ構造は、本明細書において記載されるプログラムステップ及びプログラム検証ステップにおいて用いるための、N本のビット線のセットが並列に結合されるページプログラムバッファーを含むことができる。図示される例では、メモリセルの4つの層が存在し、ページ当たり4本のビット線を与える。他の例では、他の数の層が存在する。本明細書において検討される一例では、8つの偶数スタック及び8つの奇数スタックを有する8つの層が存在することができ、それぞれ8ビットで構成される全部で16ページを含むメモリブロックを形成する。
【0067】
より広いアレイページを確立するために、ブロックの1つの行内の各ページからの4ビットが、ブロックのその行を横断する各ワード線によって選択されるようにして、メモリユニットを左右に繰り返すことができる。ブロックの1つの行内にN*8メガバイトのデータを記憶する代表的な構成の場合、集積回路は、並置される1000個のセルブロックの行の上に重なる、8000本のグローバルビット線を含むことができ、各セルブロックは、偶数/奇数構成において8本のグローバルビット線に結合される512Nビットセルで構成される16個のページを有する。ブロックの各行は64本のワード線を有し、8層の深度を有し、そこで偶数ブロック及び奇数ブロックのそれぞれにおいて256個のセルを形成することができる。したがって、単一のブロック内のSSL信号によって選択される単一の8層ストリップは、それぞれ複数のデータビットを記憶する512個のセル(64*8)を含むことになる。16個のそのようなストリップで構成されるブロックが、8K個のセルを有することになる。
【0068】
従来、消去動作はメモリセルのブロックによって実行され、各ブロックはNANDストリングの数多くのスタックを含む。3D NANDメモリの一般的な課題は、メモリセルのブロックのサイズが多くの場合に非常に大きいことである。3D NANDメモリの密度が高くなるにつれて、スタック内の層の数が増加し、その結果、ブロックサイズが大きくなり、ブロック消去動作のためのタイミング仕様が遅くなる。ブロック消去動作のためのタイミング仕様が遅くなると、ユーザが3D NANDメモリ内のメモリセルのサブブロックに記憶される小さなユニットのコードしか変更する必要がないときに、3D NANDメモリの性能が劣化する。
【0069】
本技術において、複数のNANDストリングによって共有されるワード線のセットは、ワード線のセットの第1のサブセット及び第2のサブセットに分割することができ、それにより、第1のサブセット及び第2のサブセットのうちの一方に結合されるメモリセルのサブブロックを消去する一方で、第1のサブセット及び第2のサブセットのうちの他方に結合されるメモリセルではトンネル効果を抑止することが可能になる。結果として、ブロック内の全てではなく、幾つかのメモリセルのみがサブブロック消去動作において消去され、それにより、ブロック消去動作の場合と比べて、サブブロック消去動作の場合のタイミング仕様を速くできるようになり、3D NANDメモリの性能を向上させる。
【0070】
図5は、3Dメモリ内で、ローカルワード線ドライバー及びグローバルワード線ドライバーの構成に接続されるメモリセルの1つのブロック内のX−Y平面における例示的なNANDストリングを示す回路図である。そのNANDストリングは、メモリセルの4つのページ:ページ0、ページ1、ページ2及びページ3に対応する。それらのNANDストリングは、
図2にあるような3Dアレイの同じ層上に配置することができ、偶数ページ及び奇数ページのための偶数GSL線及び奇数GSL線を共有し、
図2に示されるようなブロックの両端上の偶数ビット線コンタクト構造及び奇数ビット線コンタクト構造においてグローバルビット線BL−Nに結合され、かつ偶数共通ソースCS線520及び奇数共通ソースCS線521に結合される別々のSSL線を有する。それらのストリングは、SSLスイッチとも呼ばれる、それぞれの第1のストリング選択スイッチ(例えば、530、531、532及び533)によって対応するグローバルビット線BL−0〜BL−3に接続される。それらのストリングは、接地選択スイッチとも呼ばれる、それぞれの第2のストリング選択スイッチ(例えば、540、541)によってその平面のための偶数共通ソース線又は奇数共通ソース線に接続される。メモリセルの1つのブロック内の複数のNANDストリングが、第1のストリング選択スイッチと第2のストリング選択スイッチとの間にチャネル線を有し、第1のストリング選択スイッチと第2のストリング選択スイッチとの間のワード線のセット(例えば、WL0〜WL4、...WL(i−1)、WL(bnd)、WL(i+1)、...WL59〜WL63)を共有する。
【0071】
そのメモリは、LWLDと略されるローカルワード線ドライバーのセット(例えば、560〜572)を含み、ローカルワード線ドライバーは、メモリセルの選択されたブロック内のワード線のセットのそれぞれのワード線を駆動する。ローカルワード線ドライバーのセットは、ワード線WL(i+1)、...WL59〜WL63を含むワード線のセットの第1のサブセット(例えば、551)を駆動するローカルワード線ドライバーのセットの第1のサブセット(例えば、567〜572)と、ワード線WL0〜WL4、...WL(i−1)を含むワード線のセットの第2のサブセット(例えば、559)を駆動するローカルワード線ドライバーのセットの第2のサブセット(例えば、560〜565)と、ワード線のセットの第1のサブセットとワード線のセットの第2のサブセットとの間のワード線のセット内の境界ワード線(例えば、WL(bnd))を駆動する境界ワード線ドライバー(例えば、566)とを含むことができる。
【0072】
そのメモリは、ローカルワード線ドライバーのセットの第1のサブセットに、かつローカルワード線ドライバーのセットの第2のサブセットに接続される第1のグローバルワード線(例えば、511g)と、境界ワード線ドライバーに接続される第2のグローバルワード線(例えば、516g)とを含む、グローバルワード線のセットを含む。そのメモリは、N本の第1のグローバルワード線511gを駆動するグローバルワード線ドライバー(例えば、511)を含み、この例では、ローカルワード線デコーダー及びローカルワード線ドライバーによって選択されたブロックに接続するために並列にN個のグローバルワード線信号が与えられる。また、そのメモリは、境界ワード線のローカルドライバーを駆動する第2のグローバルワード線516g上の信号を生成する第2のグローバルワード線ドライバー516を含む。第2のグローバルワード線ドライバー516は、他の動作のために用いられるバイアス電圧に加えて、サブブロック消去中に境界ワード線に境界ワード線バイアス電圧を与えるように構成される回路を含むことができる。
【0073】
この例では、偶数ブロック及び奇数ブロックのセットのみが示される。しかし、グローバルワード線は数多くのブロックのローカルワード線ドライバーに接続することができる。
【0074】
GWLデコーダーと略される、グローバルワード線デコーダー(例えば、590)が、パターニングされた導体層内の導体(例えば、595)を用いて、グローバルワード線ドライバーに接続される。導体は1つ又は複数の出力信号をグローバルワード線ドライバーに搬送することができる。LWLデコーダーと略される、ローカルワード線デコーダー(例えば、580)が、電力信号、バイアス信号、アドレス信号及び/又は他の制御信号をローカルワード線ドライバーに接続するための、パターニングされた導体層内の導体を用いて、ローカルワード線ドライバー(例えば、560〜572)に接続される。ローカルワード線デコーダー580からの接続は、下記で更に詳細に記載されるように、ブロック内のワード線の第1のサブセット内の各ローカルワード線ドライバーに制御信号を搬送する第1の制御信号線581と、ブロック内のワード線の第2のサブセット内の各ローカルワード線ドライバーのための制御信号を搬送する第2の制御信号線582と、ブロック内の境界ワード線のための制御信号を搬送する第3の制御信号線583とを含むことができる。
【0075】
ローカルワード線ドライバー(例えば、571)はNMOS(N型金属酸化膜半導体)トランジスタを含むことができ、そのトランジスタは、グローバルワード線のセット内の1つのグローバルワード線(例えば、511g)に接続される入力と、ワード線のセット内の1つのワード線(例えば、WL62)に接続される出力と、ローカルワード線デコーダー(例えば、580)からの制御信号(例えば、制御信号線581から)に接続される制御ゲートとを有する。グローバルワード線ドライバー(例えば、511)はレベルシフターを含むことができ、レベルシフターはグローバルワード線デコーダー(例えば、590)からの1つ又は複数の出力信号に従って出力電圧レベルをシフトする。例えば、レベルシフターは、サブブロック消去動作による要件に従って、及び読出し動作、書込み動作、ブロック消去動作による要件に従って、出力電圧レベルを変更することができる。
【0076】
ローカルワード線ドライバー及びグローバルワード線ドライバーの構成を用いる代表的なサブブロック消去バイアス電圧は、以下の表に基づいて理解することができる。
【表1】
【0077】
図5において、選択されたブロック内の第1のストリング選択スイッチ(例えば、530、531、532、533)にバイアスをかけて(例えば、+3V)、複数のビット線をNANDストリング内のチャネル線の異なる層に接続するとき、これらの第1のストリング選択スイッチを通してNANDストリングのチャネル線にチャネル側消去電圧(例えば、+11V)を印加することができる。ローカルワード線ドライバーのセットの第1のサブセットと、ローカルワード線ドライバーのセットの第2のサブセットとに接続される第1のグローバルワード線(例えば、511g)に第1のグローバルワード線電圧(例えば、−9V)を印加することができる。第1のグローバルワード線(例えば、511g)に第1のグローバルワード線電圧(例えば、−9V)が印加されるとき、例えば、第1の制御信号(例えば、制御信号線581から)を介して第1の制御電圧(例えば、+15V)を印加して、ローカルワード線ドライバーのセットの第1のサブセット内のワード線のローカルワード線ドライバー(例えば、567〜572)をオンにして、ワード線側消去電圧を与えることができる。ワード線のセットの2つ以上の要素を含むセットの第1のサブセット(例えば、551)にワード線側消去電圧(例えば、−9V)を印加して、ワード線のセットの第1のサブセットに結合されるメモリセルにおいて正孔トンネル効果のようなトンネル効果を誘発する。例えば、第2の制御信号(例えば、制御信号線582から)を介して、第2の制御電圧(例えば、−9V)を印加して、ローカルワード線ドライバーのセットの第2のサブセット内のローカルワード線ドライバー(例えば、560〜565)をオフにすることができる。第1の制御電圧は第2の制御電圧とは異なり、第2の制御電圧は第1のグローバルワード線電圧と一致し、それにより、ローカルワード線ドライバーのセットの第2のサブセットを迅速にオフにしてワード線を浮遊状態にさせることができるように、かつワード線のセットの第2のサブセットに結合されるメモリセルにおいてトンネル効果を抑止するために、チャネル線上の電圧変化に起因する容量性昇圧によって禁止電圧を達成できるようになっている。
【0078】
第2のグローバルワード線(例えば、516g)に第2のグローバルワード線電圧(例えば、+3V)を印加することができ、例えば、第3の制御信号線(例えば、583)に第3の制御電圧(例えば、+3V)を印加して、境界ワード線(例えば、WL(bnd))に接続される境界ワード線ドライバー(例えば、566)をオンにすることができる。第3の制御電圧(例えば、+3V)は、第1の制御電圧(Vpp=15V)と第2の制御電圧(例えば、−9V)との間にある。
【0079】
正孔トンネル効果のようなトンネル効果は、ワード線のセットの2つ以上の要素を含む第2のサブセット(例えば、559)に結合されるメモリセルにおいて抑止される。トンネル効果を抑止することは、チャネル側消去電圧を印加して自己昇圧を誘発するときに、第2のサブセット内のワード線を浮遊状態にすることを含むことができる。例えば、第2のサブセット内のワード線のローカルワード線ドライバー(例えば、560〜565)がオフにされるとき、ローカルワード線ドライバーに接続される第2のサブセット内のワード線は浮遊状態になり、それゆえ、ワード線のセットの第2のサブセットに結合されるメモリセルにおいてトンネル効果を抑止する。
【0080】
図6は、ローカルワード線ドライバー及びグローバルワード線ドライバーの代替構成に接続されるメモリセルのブロック内のX−Y平面における例示的なNANDストリングを示す回路図であり、ローカルワード線制御信号は単一の信号とすることができる。
図6に示される回路は、
図5に示される回路に類似である。
図6における同じ要素は、一般的に
図5の場合と同じ参照番号で参照される。
【0081】
そのメモリは、ローカルワード線ドライバーのセットの第1のサブセットに接続される第1のグローバルワード線(例えば、511g)と、境界ワード線ドライバー(例えば、566)に接続される第2のグローバルワード線(例えば、516g)と、ローカルワード線ドライバーのセットの第2のサブセットに接続される第3のグローバルワード線(例えば、519g)とを含む、グローバルワード線のセットを含む。そのメモリは、第1のグローバルワード線511gを駆動する第1のグローバルワード線ドライバー(例えば、511)と、第3のグローバルワード線519gを駆動する第3のグローバルワード線ドライバー(例えば、519)とを含む。
【0082】
GWLデコーダーと略される、グローバルワード線デコーダー(例えば、590)が、パターニングされた導体層内の導体(例えば、595)を用いて、グローバルワード線ドライバーに接続される。導体は1つ又は複数のアドレス信号をグローバルワード線ドライバーに搬送することができる。LWLデコーダーと略される、ローカルワード線デコーダー(例えば、580)が、電力信号、バイアス信号、アドレス信号及び/又は他の制御信号をローカルワード線ドライバーに接続するための、パターニングされた導体層内の導体を用いて、ローカルワード線ドライバー(例えば、560〜572)に接続される。その接続は、下記で更に詳細に記載されるように、制御信号線(例えば、680)を含むことができる。
【0083】
ローカルワード線ドライバー及びグローバルワード線ドライバーの代替構成を用いる代表的なサブブロック消去バイアス電圧は、以下の表に基づいて理解することができる。
【表2】
【0084】
図6において、選択されたブロック内の第1のストリング選択スイッチ(例えば、530、531、532、533)にバイアスをかけて(例えば、+3V)、複数のビット線をNANDストリング内のチャネル線の異なる層に接続するとき、これらの第1のストリング選択スイッチを通してNANDストリングのチャネル線にチャネル側消去電圧(例えば、+11V)を印加することができる。ローカルワード線ドライバーのセットの第1のサブセットに接続される第1のグローバルワード線(例えば、511g)に第1のグローバルワード線電圧(−9V)を印加することができる。第3のグローバルワード線(例えば、519g)に第3のグローバルワード線電圧(+4V)を印加することができ、第3のグローバルワード線はローカルワード線ドライバーのセットの第2のサブセットに接続される。第1のグローバルワード線(例えば、511g)に第1のグローバルワード線電圧(例えば、−9V)が印加されるとき、例えば、制御信号線(例えば、680)を介して制御電圧(例えば、+4V)を印加して、ローカルワード線ドライバーのセットの第1のサブセット内のワード線のローカルワード線ドライバー(例えば、567〜572)をオンにして、ワード線側消去電圧を与えることができる。ワード線のセットの2つ以上の要素を含むセットの第1のサブセット(例えば、651)にワード線側消去電圧(例えば、−9V)を印加して、ワード線のセットの第1のサブセットに結合されるメモリセルにおいて正孔トンネル効果のようなトンネル効果を誘発する。同じく制御電圧(例えば、+4V)を印加して、ローカルワード線ドライバーのセットの第2のサブセット内のローカルワード線ドライバー(例えば、560〜565)をオフにすることができる。第1のグローバルワード線電圧は第3のグローバルワード線電圧とは異なり、制御電圧は第3のグローバルワード線電圧と一致し、それにより、ワード線のセットの第2のサブセットに結合されるメモリセルにおいてトンネル効果を抑止するために、ローカルワード線ドライバーのセットの第2のサブセットを迅速にオフにすることができるようになっている。
【0085】
第2のグローバルワード線(例えば、516g)に第2のグローバルワード線電圧(例えば、−2V〜+4V)を印加することができ、例えば、制御信号線(例えば、680)に制御電圧(例えば、+4V)を印加して、境界ワード線(例えば、WL(bnd))に接続される境界ワード線ドライバー(例えば、566)をオンにすることができる。第2のグローバルワード線電圧(−2V〜+4V)は、第1のグローバルワード線電圧(−9V)と第3のグローバルワード線電圧(+4V)との間とすることができる。
【0086】
正孔トンネル効果のようなトンネル効果は、ワード線のセットの2つ以上の要素を含む第2のサブセット(例えば、659)に結合されるメモリセルにおいて抑止される。トンネル効果を抑止することは、チャネル側消去電圧を印加して自己昇圧を誘発するときに、第2のサブセット内のワード線を浮遊状態にすることを含むことができる。例えば、第2のサブセット内のワード線のローカルワード線ドライバー(例えば、560〜565)がオフにされるとき、ローカルワード線ドライバーに接続される第2のサブセット内のワード線は浮遊状態になり、それゆえ、ワード線のセットの第2のサブセットに結合されるメモリセルにおいてトンネル効果を抑止する。
【0087】
サブブロック消去技術の実施形態において、グローバルワード線ドライバー及びローカルワード線ドライバーの2つ以上、又は全てを、境界バイアス電圧を与えるように設計することができる。これらの実施形態では、消去動作におけるサブブロックのサイズは、メモリの外部又は内部にあるソースからのコマンドに応答して、又はメモリに記憶されるコンフィグレーションワードに応答して論理的に規定することができる。
【0088】
図7は、
図6に示されるローカルワード線ドライバー及びグローバルワード線ドライバーの代替構成を用いるサブブロック消去中に抑止されたメモリセルに結合されるワード線のプリチャージを示すタイミング図である。
図7に示されるように、時刻T1においてNANDストリングのチャネル線にチャネル側消去電圧(例えば、BL/CSL)が印加される前に、第2のサブセット(例えば、659)のローカルワード線ドライバー(例えば、560〜565)に印加されるバイアス電圧Vpp(例えば、+4V)とローカルワード線ドライバーのしきい値電圧Vtとの間の電圧差(Vpp−Vt)によって、時刻T0において、ワード線のセットの第2のサブセット内のワード線をプリチャージすることができる。
【0089】
図8は、デュアルモード3D垂直ゲートNANDメモリ構造を示す。そのデュアルモード3D垂直ゲートNANDメモリ構造は、2014年5月13日に出願された「Dual−Mode Memory Devices and Methods for Operating Same」と題する共同所有の米国特許出願第14/209,962号に記載されており、その特許出願は、本明細書に全文が明記されるかのように、引用することにより本明細書の一部をなす。例示されるようなP+ソース端子を用いる実施形態では、消去中のチャネル電位を、NANDストリングの長さにわたって均一なレベルまでより容易に駆動することができる。
【0090】
この例における3Dメモリデバイスは、絶縁材料(ワード線構造間を描くために除去されている)によって分離される半導体材料の複数のチャネル線800、801、802、803の形をとる、複数のスタックを含む。半導体材料のチャネル線800〜803はそれぞれ、一端におけるp−型端子領域(例えば、825)と他端におけるn−型端子領域(例えば、824)との間にマルチゲートチャネル領域を備える。複数の導電線812、813、814、815がチャネル線のスタックを横切って延在するように配置される。導電線812、813、814、815間の領域826は、接合部がなく、導電線下方のチャネル線800、801、802、803内の領域と同じドーピングプロファイル、又は類似のドーピングプロファイルを有することができる。チャネル線800〜803と導電線812〜815との間の交点において、スタックの側壁上に誘電体電荷蓄積構造849が配置される。この例では、ワード線とp−型端子領域との間の第1の導電線812が、接地選択線GSLとして構成される。この例では、ワード線とn−型端子領域との間の最後の導電線815は、ストリング選択線SSLとして構成される。中間にある2つのみ(813、814)が示される導電線はワード線として構成される。代表的な実施形態では、例えば、単一のデュアルモードマルチゲートチャネル線を横切る64本のワード線が存在することができる。
【0091】
例示において、シリサイド又は導電率を高める他の材料で構成される層812A、813A、814A、815Aが、導電線上面の上に形成される。また、導電線は、スタック間に、デュアルモードチャネル線のためのサイドゲート構造を形成する垂直延長部も含む。
【0092】
電荷蓄積構造849は、少なくとも、メモリセルが形成される交点に配置される。電荷蓄積層構造は、SONOS様構造のような多層誘電体電荷貯蔵構造を含むことができる。利用することができる1つの誘電体電荷蓄積構造は、バンドギャップ操作(bandgap engineered)SONOS、すなわち「BE−SONOS」として知られている。BE−SONOS電荷蓄積構造は、約1nm〜2nm厚の酸化シリコン層、約2nm〜3nm厚の窒化シリコン層、及び約2nm〜3nm厚の酸化シリコン層のような多層トンネリング層を含むことができる。BE−SONOS構造は、約5nm〜7nm厚の窒化シリコン層のような、多層トンネリング層に電荷を蓄積するための誘電体層を含む。また、BE−SONOS構造は、約5nm〜8nm厚の酸化シリコン層のような、電荷蓄積層での電荷漏れを阻止する誘電体阻止層を含む。BE−SONOSスタックにおいて他の材料を利用することもできる。
【0093】
この構造の結果として、メモリセル(例えば、850、851)が、導電線813、814の垂直延長部とチャネル線800〜803の側面との交点において3Dアレイとして形成される。ストリング選択スイッチ831及び接地選択スイッチ830がそれぞれ、導電線815の垂直延長部と導電線812の垂直延長部との交点に形成される。
【0094】
この構造は、デュアルモードマルチゲートチャネル線のそれぞれのドレイン側がN+型接合部(端子領域824)を有し、一方、ソース側がP+型接合部(端子領域825)を有するように構成することができる。アレイ内部において、チャネル線のチャネル領域は、ドープされないか、又は低濃度にドープされ、接合部を有しない。
【0095】
この構造では、チャネル線800〜803のそれぞれに沿ったメモリセルは、デュアルモードマルチゲートNANDチャネル線として特徴付けることができる。
【0096】
チャネルのpチャネル動作モード及びnチャネル動作モードは、選択されていないワード線に印加されるパスゲート電圧の極性により制御することができ、一方、選択されたワード線は、選択される動作、例えば、読出し、プログラム、又は消去に応じて制御される。
【0097】
図9は、NANDストリングとして構成されるチャネル線の平面図を示す。
図9は、従来のメモリ構造におけるサブブロック消去動作のための例示的なバイアス条件を示しており、チャネル線は2つのN+端子間に配置されるチャネル領域を含む。
【0098】
図9を参照すると、チャネル線900は、N+端子906Nと別のN+端子905Nとの間に配置されるチャネル領域905を含む。誘電体電荷トラップ層901Aがチャネル線900の一方の側に配置され、誘電体電荷トラップ層901Bがチャネル線900の他方の側に配置される。GSLスイッチは、N+端子906Nに隣接するGSLデュアルゲート構造(例えば、907)によって形成される。SSLスイッチは、N+端子905Nに隣接するSSLデュアルゲート構造(例えば、908)によって形成される。N+端子906N及びN+端子905Nは、特定の実施態様に合わせて、それぞれGSLデュアルゲート構造及びSSLデュアルゲート構造と重なり合うこともできるし、図示されるように位置合わせすることもできる。重なり合う量は、両極性動作の特性に、及びデバイス内の電流の量に影響を及ぼす可能性がある。チャネル線900は一端においてSSLスイッチを通り抜け、別の端部においてGSLスイッチを通り抜ける。SSLスイッチとGSLスイッチとの間にワード線のセットが配置される。
【0099】
ワード線のセットは両側ゲート構造G0〜Gn−1、Gn、及びGn+1〜G63を形成する。ワード線のセット内の境界ワード線をゲート構造Gnに接続することができる。サブブロック消去動作の場合、
図9に示されるように、SSLスイッチ(905N)の端部にあるN+端子に接続される複数のビット線にチャネル側消去電圧V
BL(例えば、+11V)を印加することができ、GSLスイッチ(906N)の端部にあるN+端子に接続される複数のビット線にソース側電圧V
CSL(例えば、+11V)を印加することができる。複数のビット線をNANDストリング内のチャネル線の異なる層に接続するために、複数のビット線のSSLスイッチは電圧V
SSL(例えば、+3V)にバイアスをかけることができる。ソース側電圧V
CSL(例えば、+11V)にあるソース線をNANDストリング内のチャネル線の異なる層に接続するために、複数のビット線のGSLスイッチは、電圧V
GSL(例えば、+3V)にバイアスをかけることができる。ゲート構造に接続される境界ワード線Gnにバイアス電圧Vbnd(例えば、+3V)を印加して、境界条件を誘発することができる。境界ワード線の一方の側においてワード線のセットの2つ以上の要素を含む選択されたサブセットに、ワード線側消去電圧Vers(例えば、−9V)を印加することができる。ワード線のセットの選択されたサブセット内のワード線上が負の電圧である結果として、選択されたサブセットに結合されるメモリセルにおいて、正孔トンネル効果を誘発することができる。
【0100】
本技術において用いられるとき、選択されたブロック内のワード線のセットの選択されたサブセット内のワード線は消去されることになるメモリセルに結合され、一方、選択されたブロック内のワード線のセットの選択されていないサブセット内のワード線は、消去されないメモリセルに結合され、ワード線のセットの選択されたサブセット内のワード線及び選択されていないサブセット内のワード線は、選択されたブロック内のNANDストリングによって共有される。
【0101】
従来のメモリ構造では、GIDL(ゲート誘発ドレイン漏れ)電流を使用する従来のブロック消去動作を実行することができ、その構造では、
図9に示されるように、チャネル線のドレイン側がN+型端子を有し、一方、チャネル線のソース側もN+型端子を有する。GIDL電流は、チャネル線の一端にあるSSLスイッチ、及びチャネル線の他端にあるGSLスイッチにおいて生成される。GIDLによって電子及び正孔対が生成され、正孔はNANDストリングに送り込まれる。その後、チャネルにおける正孔の蓄積がチャネル電位を引き上げ、その結果、デバイスにおいて後続の−FN正孔トンネリング接合部が生成される。チャネル線上でメモリセルに結合されるワード線は同じワード線バイアスを印加され、メモリセルに結合されるビット線及びソース線は同じビット線及びソース線バイアスを印加されるので、チャネル電位はチャネル線の長さに沿って均一にすることができる。
【0102】
サブブロック消去動作において、従来のブロック消去動作と同様のGIDL電流を用いるバイアス方式を用いることができる。しかしながら、選択されたサブセットに負の消去電圧(例えば、−9V)が印加され、一方、選択されていないサブセットが浮遊状態にされるとき、消去するための選択されたサブセットのためのチャネル電位は、抑止するための選択されていないサブセットのためのチャネル電位とは異なる場合があるので、チャネル線に沿ったチャネル電位は均一でない場合があり、ホットキャリアによる外乱を引き起こす場合がある。従来のメモリ構造を用いるサブブロック消去動作は、GIDLによって生成された少数キャリア(例えば、正孔)に起因して遅い可能性がある。
【0103】
図10は、
図8に示されるメモリ構造内のチャネル線のような、NANDストリングとして構成されるデュアルモードメモリ構造内のデュアルモードチャネル線の平面図である。
図10の同じ要素は一般的に
図9と同じ参照番号で参照される。
図10は、デュアルモードメモリ構造内のサブブロック消去動作のための例示的なバイアス条件を示しており、チャネル線がP+端子とN+端子との間に配置されるチャネル領域を含む。
【0104】
図10を参照すると、チャネル線900は、P+端子1005Nと別のN+端子905Nとの間に配置されるチャネル領域905を含む。誘電体電荷トラップ層901Aがチャネル線900の一方の側に配置され、誘電体電荷トラップ層901Bがチャネル線900の他方の側に配置される。GSLスイッチは、P+端子1005Pに隣接するGSLデュアルゲート構造(例えば、907)によって形成される。SSLスイッチは、N+端子905Nに隣接するSSLデュアルゲート構造(例えば、908)によって形成される。P+端子1005N及びN+端子905Nは、特定の実施態様に合わせて、それぞれGSLデュアルゲート構造及びSSLデュアルゲート構造と重なり合うこともできるし、図示されるように位置合わせすることもできる。重なり合う量は、両極性動作の特性に、及びデバイス内の電流の量に影響を及ぼす可能性がある。チャネル線900は一端においてSSLスイッチを通り抜け、別の端部においてGSLスイッチを通り抜ける。SSLスイッチとGSLスイッチとの間にワード線のセットが配置される。
【0105】
ワード線のセットは両側ゲート構造G0〜Gn−1、Gn、及びGn+1〜G63を形成する。ワード線のセット内の境界ワード線をゲート構造Gnに接続することができる。サブブロック消去動作の場合、
図10に示されるように、N+端子905N等のN+端子に接続される複数のビット線にチャネル側消去電圧V
BL(例えば、+11V)を印加することができる。複数のビット線をNANDストリング内のチャネル線の異なる層に接続するために、複数のビット線のSSLスイッチは電圧V
SSL(例えば、+3V)にバイアスをかけることができる。ソース側電圧V
CSL(例えば、+11V)にあるソース線をNANDストリング内のチャネル線の異なる層に接続するために、複数のビット線のGSLスイッチは、電圧V
GSL(例えば、+3V)にバイアスをかけることができる。ゲート構造に接続される境界ワード線Gnにバイアス電圧Vbnd(例えば、+3V)を印加して、境界条件を誘発することができる。境界ワード線の一方の側においてワード線のセットの2つ以上の要素を含む選択されたサブセットに、ワード線側消去電圧Vers(例えば、−9V)を印加することができる。ワード線のセットの選択されたサブセット内のワード線上が負の電圧である結果として、選択されたサブセットに結合されるメモリセルにおいて、正孔トンネル効果を誘発することができる。
【0106】
デュアルモードメモリ構造において、その構造は、デュアルモードマルチゲートチャネル線(例えば、900)のそれぞれのドレイン側がN+型端子(例えば、905N)を有し、一方、ソース側がP+型端子(例えば、1005P)を有するように構成することができる。デュアルモードチャネル線のソース側にソース側電圧(例えば、V
CSL=+11V)が印加されるとき、ソース側にあるP+型端子はチャネル線に正孔を与えるので、Vgが負であるとき、チャネル線はpチャネルモードにおいてオンにされる。その後、P+型端子からの正孔はチャネル線に沿ってドリフトし、チャネル電位をデュアルモードチャネル線に沿って実質的にソース側電圧まで即座に上げる。さらに、チャネル電位は、チャネル線に結合されるワード線上のバイアスから独立している。その結果、チャネル線に結合されるワード線に異なるバイアス電圧が印加される場合であっても、デュアルモードチャネル線に沿ったチャネル電位は実質的に均一にすることができ、サブブロック消去動作中のホットキャリアによる外乱を抑圧することができる。
【0107】
図11は、
図5に示される回路に関連して記載されるようなサブブロック消去動作とともに用いるのに適したタイミング図である。
図5の場合に記載されたように、メモリセルのブロックが、第1のストリング選択スイッチと第2のストリング選択スイッチとの間にチャネル線を有する複数のNANDストリングを含み、複数のNANDストリングは、第1のストリング選択スイッチと第2のストリング選択スイッチとの間のワード線のセットを共有する。
【0108】
サブブロック消去サイクルの開始時に、時刻T0前に、ビット線、ソース線、SSL、GSL、消去のための選択されたワード線、抑止のための選択されていないワード線及び境界ワード線上の電圧は0Vのような初期値にあることができる。時刻T0において、選択されたブロック内の第1のストリング選択スイッチ(例えば、SSLスイッチ)上の電圧が約V
SSL(例えば、+3V)に移行するとき、それらのSSLスイッチを通して、NANDストリングのチャネル線にチャネル側消去電圧(例えば、V
BL=+11V)が印加される。時刻T0において、第2のストリング選択スイッチ(例えば、GSLスイッチ)上の電圧が約V
GSL(例えば、+3V)に移行するとき、それらのGSLスイッチを通して、NANDストリングのチャネル線にソース側電圧(例えば、V
CSL=+11V)が印加される。
【0109】
時刻T0において、選択されたブロック内のワード線のセットの境界ワード線にバイアス電圧Vbndを印加して、境界ワード線の一方の側にある選択されたサブセットと、境界ワード線の別の側にある選択されていないサブセットとの間に、境界条件を誘発する。
【0110】
時刻T0後の時刻T1において、第1の制御電圧(例えば、Vpp=+15v)を印加して、ワード線のセットの選択されたサブセットのローカルワード線ドライバーをオンにし、ワード線のセットの選択されたサブセットにワード線側消去電圧(例えば、Vers=−9V)を印加し、選択されていないサブセットに結合されるメモリセル内に正孔トンネル効果のようなトンネル効果を誘発する。選択されていないサブセット(例えば、599、
図5)のローカルワード線ドライバー(例えば、560〜565、
図5)は、ローカルワード線ドライバー(例えば、560〜565、
図5)に接続される第3のグローバルワード線(例えば、519g、
図6)に印加されるのと同じバイアス電圧(例えば、Vnp=−9V)を印加されるので、選択されていないサブセットのローカルワード線ドライバーは迅速にオフにすることができ、それにより、選択されていないサブセット内のワード線が浮遊状態になり、その後、NANDストリングのチャネル線に印加されるチャネル側消去電圧によって引き起こされる引き上げられたチャネル電位によって自己昇圧することができる。その結果、チャネル側消去電圧を印加して、自己昇圧を誘発するとき、ワード線のセットの選択されていないサブセットに結合されるメモリセルにおいて、正孔トンネル効果のようなトンネル効果が抑止される。時刻T2において、ワード線のセットの選択されたサブセット上の電圧が約0Vに戻ることができる。時刻T3において、サブブロック消去サイクルが終了し、他の電圧も約0Vに戻ることができる。
【0111】
図12は、
図6に示される回路に関連して記載されるようなサブブロック消去動作とともに用いるのに適したタイミング図である。
図6の場合に記載されたように、メモリセルのブロックが、第1のストリング選択スイッチと第2のストリング選択スイッチとの間にチャネル線を有する複数のNANDストリングを含み、複数のNANDストリングは、第1のストリング選択スイッチと第2のストリング選択スイッチとの間のワード線のセットを共有する。
【0112】
サブブロック消去サイクルの開始時に、時刻T0前に、ビット線、ソース線、SSL、GSL、ローカルワード線ドライバー、消去のための選択されたワード線、抑止のための選択されていないワード線及び境界ワード線上の電圧は0Vのような初期値にあることができる。時刻T0において、選択されたブロック内の第1のストリング選択スイッチ(例えば、SSLスイッチ)上の電圧が約V
SSL(例えば、+3V)に移行するとき、これらのSSLスイッチを通して、NANDストリングのチャネル線にチャネル側消去電圧(例えば、V
BL=+11V)が印加される。時刻T0において、第2のストリング選択スイッチ(例えば、GSLスイッチ)上の電圧が約V
GSL(例えば、+3V)に移行するとき、これらのGSLスイッチを通して、NANDストリングのチャネル線にソース側電圧(例えば、V
CSL=+11V)が印加される。
【0113】
時刻T0において、制御電圧(例えば、Vpp=+4V)を印加して、選択されたサブセット内のワード線(例えば、WL(i+1)、WL59〜WL63)、境界ワード線(例えば、WL(bnd))、及び選択されていないサブセット内のワード線(例えば、WL0〜WL4、WL(i−1))のローカルワード線ドライバー(例えば、560〜572)をオンにする。時刻T0において、選択されたブロック内のワード線のセットの境界ワード線にバイアス電圧Vbnd(例えば、−2V〜+4V)を印加して、境界ワード線の一方の側にある選択されたサブセットと、境界ワード線の別の側にある選択されていないサブセットとの間に境界条件を誘発する。
【0114】
時刻T0において、グローバルワード線電圧(例えば、+4V)が第3のグローバルワード線(例えば、519g、
図6)に印加され、第3のグローバルワード線は更にローカルワード線ドライバー(例えば、560〜565、
図6)に接続され、ローカルワード線ドライバーはワード線のセットの選択されていないサブセット(例えば、659、
図6)内のワード線を駆動する。選択されていないサブセット(例えば、659、
図6)のローカルワード線ドライバー(例えば、560〜565、
図6)は、ローカルワード線ドライバーに接続される第3のグローバルワード線(例えば、519g、
図6)に印加されるのと同じバイアス電圧(例えば、+4V)を印加されるので、選択されていないサブセットのローカルワード線ドライバーは迅速にオフにすることができ、それにより、選択されていないサブセット内のワード線が浮遊状態になり、その後、NANDストリングのチャネル線に印加されるチャネル側消去電圧によって引き起こされる引き上げられたチャネル電位によって自己昇圧することができる。その結果、選択されていないサブセットに結合されるメモリセルにおいて、正孔トンネル効果のようなトンネル効果が抑止される。
【0115】
時刻T0後の時刻T1において、選択されたブロック内のNANDストリングによって共有されるワード線のセットの2つ以上の要素を含む選択されたサブセット(例えば、651、
図6)にワード線側消去電圧(例えば、Vers=−9V)を印加して、選択されたサブセットに結合されるメモリセルにおいて、正孔トンネル効果のようなトンネル効果を誘発する。時刻T2において、ワード線側消去電圧Versは約0Vに戻ることができる。時刻T3において、サブブロック消去サイクルが終了し、他の電圧も約0Vに戻ることができる。
【0116】
図13は、本明細書において記載されるようなサブブロック消去動作のために用いることができる手順の流れ図である。集積回路100(
図1)内に状態機械119として実現されるようなコントローラーが、その手順における種々の動作を実行することができる。
【0117】
集積回路メモリのような、集積回路(例えば、100、
図1)の外部にあるか、又は集積回路の内部にあるソースから、選択されたブロック内のワード線のセットの選択されたサブセットに結合されるメモリセルを消去するサブブロック消去コマンドを受信することができる。コマンドに応答して、
図13に示されるステップを実行することができる。
【0118】
ステップ1310において、
図5及び
図6に示されるSSLスイッチ530、531、532及び533のような、選択されたブロック内の第1のストリング選択スイッチを通してNANDストリングのチャネル線にチャネル側消去電圧(例えば、+11V)を印加することができる。また、
図5及び
図6に示されるGSLスイッチ540及び541のような、選択されたブロック内の第2のストリング選択スイッチを通してNANDストリングのチャネル線にソース線電圧(例えば、+11V)を印加することができる。ステップ1320において、境界ワード線(例えば、WL(bnd))の一方の側において、選択されたブロック内のNANDストリングによって共有されるワード線のセットの2つ以上の要素を含む選択されたサブセットにワード線側消去電圧(例えば、−9V)を印加して、選択されたサブセットに結合されるメモリセルにおいて正孔トンネル効果のようなトンネル効果を誘発することができる。ステップ1330において、ワード線のセット内の境界ワード線(例えば、WL(bnd)、
図5及び
図6)上にバイアス電圧を印加して、境界ワード線の一方の側にある選択されたサブセットと、境界ワード線の別の側にある選択されていないサブセットとの間に境界条件を誘発することができる。
【0119】
ステップ1340において、ワード線のセットの2つ以上の要素を含む選択されていないサブセットに結合されるメモリセルにおいて、正孔トンネル効果のようなトンネル効果を抑止することができる。トンネル効果を抑止することは、チャネル側消去電圧を印加して自己昇圧を誘発するときに、選択されていないサブセット内のワード線を浮遊状態にすることを含むことができる。選択されていないサブセット内のワード線を浮遊状態にすることは、
図5に示されるような一実施態様において、かつ
図6に示されるような別の実施態様において記載される。
【0120】
境界ワード線は、サブブロック消去動作中に外乱を受ける場合がある。一実施態様では、境界ワード線に結合されるメモリセル内にデータが記憶されないように、境界ワード線はダミーワード線として用いることができる。代替の実施態様では、選択されたブロック内の境界ワード線に結合されるメモリセル内にデータを記憶し、選択されたブロック内の境界ワード線を用いてサブブロック消去動作が実行される前に、メモリ内の別のブロックに動かし、サブブロック消去動作が実行された後に、選択されたブロック内の境界ワード線に結合されるメモリセルに戻すことができる。更に別の実施形態では、選択されたブロック内の境界ワード線に結合されるメモリセル内に記憶されるデータは外乱を受ける場合があるが、ECC(誤り訂正符号)演算によって境界ワード線に結合されるメモリセル内の誤りを検出し、訂正することができるので、サブブロック消去動作中にデータは失われない。
【0121】
サブブロック消去動作の実施形態が、
図3に示される垂直ゲートアーキテクチャーを参照しながら記載されてきた。それらの動作は種々の3−Dメモリアーキテクチャーに合わせて調整することができる。
【0122】
また、サブブロック消去動作の実施形態がフラッシュメモリを参照しながら記載されてきた。それらの動作も他のメモリセルタイプに合わせて調整することができる。
【0123】
本技術は上記で詳述された好ましい実施形態及び例を参照しながら開示されたが、これらの例は例示することを意図しており、限定するつもりはないことは理解されたい。複数の変更及び組み合わせが当業者には容易に思い浮かぶと考えられ、それらの変更及び組み合わせは添付の特許請求の範囲の技術の趣旨及び範囲内にある。