(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6633325
(24)【登録日】2019年12月20日
(45)【発行日】2020年1月22日
(54)【発明の名称】窓ユニット及び建物
(51)【国際特許分類】
E06B 1/12 20060101AFI20200109BHJP
E06B 3/38 20060101ALI20200109BHJP
E06B 7/06 20060101ALI20200109BHJP
E06B 5/00 20060101ALI20200109BHJP
E04B 1/70 20060101ALI20200109BHJP
E06B 9/28 20060101ALN20200109BHJP
【FI】
E06B1/12 B
E06B3/38
E06B7/06
E06B5/00 D
E04B1/70 A
!E06B9/28
【請求項の数】8
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-177844(P2015-177844)
(22)【出願日】2015年9月9日
(65)【公開番号】特開2017-53141(P2017-53141A)
(43)【公開日】2017年3月16日
【審査請求日】2018年8月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】390037154
【氏名又は名称】大和ハウス工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088580
【弁理士】
【氏名又は名称】秋山 敦
(74)【代理人】
【識別番号】100111109
【弁理士】
【氏名又は名称】城田 百合子
(72)【発明者】
【氏名】下町 浩二
(72)【発明者】
【氏名】工藤 隆一
(72)【発明者】
【氏名】北村 禎章
(72)【発明者】
【氏名】本間 瑞基
【審査官】
野尻 悠平
(56)【参考文献】
【文献】
特開2005−048481(JP,A)
【文献】
特開2001−227248(JP,A)
【文献】
実開昭58−027491(JP,U)
【文献】
特開平10−115021(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 1/00 − 1/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
壁部に形成された開口を開閉するために設けられた内倒し窓と、
該内倒し窓の上方に設けられて、屋内側に水平方向に沿って延在する鍔部と、
前記内倒し窓の上方に採光部と、を備え、
前記鍔部には、風を通す通し孔が形成されていて、
前記鍔部は、光反射性を有するライトシェルフであり、前記採光部の下方に設けられていることを特徴とする窓ユニット。
【請求項2】
壁部に形成された開口を開閉するために設けられた内倒し窓と、
該内倒し窓の上方に設けられて、屋内側に水平方向に沿って延在する鍔部と、を備え、
該鍔部には、風を通す通し孔が形成されていて、
前記鍔部の下面における前記通し孔よりも屋内側に位置する部分には、前記内倒し窓を屋内側から覆う日射遮へい手段が取り付けられていることを特徴とする窓ユニット。
【請求項3】
前記内倒し窓の上方に採光部を備え、
前記鍔部は、光反射性を有するライトシェルフであり、前記採光部の下方に設けられていることを特徴とする請求項2に記載の窓ユニット。
【請求項4】
前記通し孔は、前記内倒し窓を開いたときに屋外から前記内倒し窓の外表面に沿って屋内の上側に流れ込むように通風させる位置に形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の窓ユニット。
【請求項5】
前記通し孔の前記屋内側の縁面は、上方に向かうにつれて前記屋内側に向かうように鉛直面に対して斜めに形成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の窓ユニット。
【請求項6】
前記通し孔は、平面視において前記鍔部の前記壁部側に形成されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の窓ユニット。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか一項に記載の窓ユニットを備えることを特徴とする建物。
【請求項8】
前記内倒し窓は、前記内倒し窓が開いた状態において、前記内倒し窓の上端が前記屋内側の床から天井までの高さの半分よりも高いところに位置するように取り付けられていることを特徴とする請求項7に記載の建物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、窓ユニット及び建物に係り、特に、電力消費を抑制しつつ、屋内を快適な環境にすることが可能な窓ユニット及び建物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、地球環境意識の高まりから、消費電力の大きな冷房の使用量を抑える技術が注目されている。例えば、特許文献1には、開閉窓によって取り込まれた外気を屋内空間に設けられた各種ガラリによって効率的に各部屋に流し、自然通風によって換気や温度調整を行う技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−292794号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載の技術や引き違い窓の開放による自然通風の場合、建物内に取り込まれた風によって、建物内に置かれた書類が飛散したり、ブラインド等の日射遮へい手段が揺れることで雑音が生じたり遮光性能が低減したり、屋内の人が強風に直接曝されることがある等の課題があった。
【0005】
このため、本来ならば外気を取り込むことにより温度の面から冷房を運転させる必要がない場合であっても、書類を用いる屋内での事業活動に適した環境作りのために、窓を閉め切り、冷房を使用せざるを得ないことがあった。
【0006】
本発明の目的は、上記各問題点を解決することにあり、電力消費を抑制しつつ、屋内を快適な環境にすることが可能な窓ユニット及び建物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題は、本発明に係る窓ユニットによれば、壁部に形成された開口を開閉するために設けられた内倒し窓と、該内倒し窓の上方に設けられて、屋内側に水平方向に沿って延在する鍔部と、
前記内倒し窓の上方に採光部と、を備え、該鍔部には、風を通す通し孔が形成されてい
て、前記鍔部は、光反射性を有するライトシェルフであり、前記採光部の下方に設けられていること、により解決される。
また、上記課題は、本発明に係る窓ユニットによれば、壁部に形成された開口を開閉するために設けられた内倒し窓と、該内倒し窓の上方に設けられて、屋内側に水平方向に沿って延在する鍔部と、を備え、該鍔部には、風を通す通し孔が形成されていて、前記鍔部の下面における前記通し孔よりも屋内側に位置する部分には、前記内倒し窓を屋内側から覆う日射遮へい手段が取り付けられていることにより解決される。
また、上記窓ユニットは、前記内倒し窓の上方に採光部を備え、前記鍔部は、光反射性を有するライトシェルフであり、前記採光部の下方に設けられていると好ましい。
【0008】
上記構成によれば、内倒し窓によって屋内に外気を導入して屋内の温度を低下させることで、冷房の運転機会を減らして電力消費を抑制することができる。さらに、内倒し窓と風を通す通し孔を有する鍔部とによって、風を屋内に導入することにより、屋内にある書類が飛散することや、屋内にいる人に風が直接当たることを防止することができ、屋内の環境を快適にすることができる。
また、上記構成によれば、採光部から射し込まれる光をライトシェルフによって反射させることによって、屋外から射し込まれる光を屋内の中央に取り込むことができ、自然光によって屋内を明るくすることができる。
また、上記構成によれば、鍔部における風の通り道である通し孔よりも屋内側に日射遮へい手段が取り付けられていることにより、内倒し窓からの入り込む日差しを遮断でき、また、風で日射遮へい手段が煽られることを抑制できることで日射遮へい手段から雑音が生じることを防止できる。
【0009】
また、前記通し孔は、前記内倒し窓を開いたときに屋外から前記内倒し窓の外表面に沿って屋内の上側に流れ込むように通風させる位置に形成されていると好ましい。
上記構成によれば、通し孔が屋外から内倒し窓の外表面に沿って屋内の上側に流れ込むように通風させる位置に形成されていることで、屋外からの風を屋内の上側にスムーズに導入することができる。
【0010】
さらに、前記内倒し窓の上方に採光部を備え、前記鍔部は、光反射性を有するライトシェルフであり、前記採光部の下方に設けられていると好ましい。
上記構成によれば、採光部から射し込まれる光をライトシェルフによって反射させることによって、屋外から射し込まれる光を屋内の中央に取り込むことができ、自然光によって屋内を明るくすることができる。
【0011】
また、前記鍔部の下面における前記通し孔よりも屋内側に位置する部分には、前記内倒し窓を屋内側から覆う日射遮へい手段が取り付けられていると好ましい。
上記構成によれば、鍔部における風の通り道である通し孔よりも屋内側に日射遮へい手段が取り付けられていることにより、内倒し窓からの入り込む日差しを遮断でき、また、風で日射遮へい手段が煽られることを抑制できることで日射遮へい手段から雑音が生じることを防止できる。
【0012】
さらに、前記通し孔の前記屋内側の縁面は、上方に向かうにつれて前記屋内側に向かうように鉛直面に対して斜めに形成されていると好ましい。
上記構成によれば、通し孔が屋内側の縁面が上方に向かうにつれて屋内側に向かうように鉛直面に対して斜めに形成されていることによって、内倒し窓の外表面に沿って流れる外気の屋内への導入を促進できる。
【0013】
また、前記通し孔は、平面視において前記鍔部の前記壁部側に形成されていると好ましい。
上記構成によれば、通し孔が平面視において鍔部の壁部側に形成されていることにより、壁部側の屋外から入り込む風を、通し孔によって鍔部の壁部側から上方に導入することができ、屋内の下方側を通る強い風が取り込まれることを抑制できる。
【0014】
また上記課題は、本発明に係る建物によれば、前記窓ユニットを備えることにより解決される。
上記構成によれば、窓ユニットに係る発明の効果を建物において奏することができる。
【0015】
なお、前記内倒し窓は、前記内倒し窓が開いた状態において、前記内倒し窓の上端が前記屋内側の床から天井までの高さの半分よりも高いところに位置するように取り付けられていてもよい。
上記構成によれば、屋内にある書類が飛散することをより防止しやすくできる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、電力消費を抑制しつつ、屋内を快適な環境にすることが可能な窓ユニット又は建物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の実施形態に係る建築物を示す模式図である。
【
図2】
図1のII-II断面であり、内倒し窓を開放したときの風の流れを説明する断面図である。
【
図4】
図1のII-II断面であり、日差しの方向を説明する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の窓ユニット及び建物の実施形態について図面を参照して説明する。本実施形態に係る窓ユニットU及び建物としての建築物1は、電力消費を抑制しつつ、屋内環境を良好にするためのものである。
なお、以下に説明する構成は本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨の範囲内で種々改変できるものである。
【0019】
<窓ユニット及び窓ユニットを備える建築物の構成について>
まず、
図1〜
図3を参照して、窓ユニットU及び窓ユニットUを備える建築物1について説明する。
なお、
図1は、本発明の実施形態に係る建築物1を示す模式図、
図2は、
図1のII-II断面であり、内倒し窓2を開放したときの風の流れを説明する断面図、
図3は、ライトシェルフ5を示す平面図である。なお、風の流れ方向は、図中矢印にて指し示された方向である。
【0020】
建築物1は、窓ユニットUを有し、本実施形態においては4階建のビルであり、例えばデスクワークにより紙媒体の書類を多く扱う企業等が入居する建物である。
【0021】
窓ユニットUは、内倒し窓2と、内倒し窓2の上方にある上側窓3と、内倒し窓2と上側窓3との間にあり両者を支持可能な無目4aと、無目4aから屋内側に水平に延在する鍔部としてのライトシェルフ5と、ライトシェルフ5から鉛直下方に取り付けられた日射遮へい手段としてのブラインド6とを含む。
また、窓ユニットUは、建築物1の壁部としての外壁1aの一部である下壁部1bと上壁部1cとの間に取り付けられている。
【0022】
内倒し窓2は、外壁1aに形成された開口1dを開閉するためのものであり、閉状態で無目4aに支持され、開状態で無目4aから離間して、開口1dに取り付けられた窓枠4の下枠を支点として回動可能となるように取り付けられている。
また、内倒し窓2は、鉛直状態から屋内側に倒れるようにして開かれ、その角度は鉛直面に対して約15度〜30度である。
さらに、内倒し窓2は、内倒し窓2が開いた状態において、内倒し窓2の上端が屋内の床FLから天井CLまでの高さの半分よりも高いところに位置するように、配置されている。このような配置により、内倒し窓2の上端から屋内側に流れ込む風による屋内の机上にある書類等の飛散を抑制できる。
【0023】
上側窓3は、外部からの光を採光する採光部として機能する固定窓であり、内倒し窓2に対して無目4aを介して逆側にあり、閉状態の内倒し窓2の略同一平面上に設けられている。
なお、内倒し窓2及び上側窓3の無目4aに接する側の縁以外の周縁は、方形状の窓枠4によって固定されている。
無目4aは、内倒し窓2と上側窓3とを区分けするように両者を支持し、窓枠4に水平に架け渡されて固定されている。
【0024】
ライトシェルフ5は、上側窓3にから採光された光を屋内の中央側に導光するためのものであり、張り出し方向(窓枠4に垂直な方向)の幅が約400mmであり、上側窓3の上方を覆うのに十分有効な面積が確保されている。
ライトシェルフ5は、内倒し窓2の上方の無目4aに、屋内側に水平方向に沿って延在して取り付けられている。詳細には、ライトシェルフ5は、無目4aに固定された断面L字状のLピース4bに図示せぬタッピングネジ等によって固定されている。そして、ライトシェルフ5は、Lピース4bを介して無目4aに固定されている。
【0025】
ライトシェルフ5は、主に樹脂材料から構成され、その上面近傍のみに光反射性を有するアルミニウム板が取り付けられている。このように構成されていることで軽量化を図りつつ、後述するように、ライトシェルフ5の上方にある上側窓3から取り込まれる日差しを上面で反射して屋内の中央側に取り込むことができる。
なお、ライトシェルフ5の上面近傍のみにアルミニウム板が取り付けられているものに限定されず、ライトシェルフ5全体がアルミニウムから形成されていてもよく、また、光反射性を有するように上面のみに鏡面仕上げ又は鏡面塗装が施されていてもよい。
【0026】
また、ライトシェルフ5は、その上下方向に貫通する通し孔としてのスリット5aを有する。
スリット5aは、後述するように屋外から屋内に取り込まれる風をガイドする機能を有する。詳細には、スリット5aは、
図2及び
図3に示すように、無目4aの延在する方向に4つ並列してライトシェルフ5に形成されている。スリット5aは、ライトシェルフ5の張り出し方向に約150mmの幅を有して形成されており、屋内への通風を行うのに十分有効な開口面積が確保されている。
また、スリット5aは、上方に向かうにつれて屋内側に向かうように鉛直面に対して斜めに傾斜して形成されている。このように形成されていることで、内倒し窓2の外表面に沿って屋外から屋内に向けて斜め上方に向かって流れる風を効率的に屋内側に取り込むことができる。
なお、スリット5aは、その縁面5bの屋内側及び屋外側の両側が上記のように傾斜して形成されているものの他、屋内側の縁面5bのみがこのように傾斜するものであってもよい。
また、スリット5aは、
図2及び
図3に示すように、平面視において屋内側ではなく外壁1a側に偏って形成されている。
【0027】
ブラインド6は、内倒し窓2からの光及び上側窓3からの一部の光を遮断するためのものであり、ライトシェルフ5の下面における、スリット5aよりも屋内側に取り付けられ、内倒し窓2を屋内側から覆う程度の大きさを有している。このように、ブラインド6が内倒し窓2の屋内側から覆うように配設されていることで、内倒し窓2の屋外側に配設されているものと異なり、ブラインド6を閉じたとしても内倒し窓2からの屋内への風の取り込みを阻害することがない。
【0028】
<風の流れ、及び日差しの向きについて>
内倒し窓2から屋内に取り込まれる風の流れ並びに内倒し窓2及び上側窓3から屋内に入る日差しの向きについて、
図2に加えて
図4を参照して説明する。なお、
図4は、
図1のII-II断面であり、日差しの方向を説明する断面図である。なお、日差しの方向は、図中矢印にて指し示された方向である。
【0029】
まず、内倒し窓2の開状態のときに、屋内に取り込まれる外気について説明する。内倒し窓2が開くと、
図2に示すように、屋外から屋内側に向かう風は内倒し窓2にぶつかり、その外表面に沿って上方に流れ、スリット5aを通って屋内の上側に取り込まれる。
また、スリット5aが上記のように外壁1a側に形成されていることで、屋内に取り込まれる外気は、屋内の中央側から離れた位置で上方に向かうものに制限される。
【0030】
このように、内倒し窓2の上方にある無目4aにスリット5aが形成されたライトシェルフ5が取り付けられていることで、屋外の風がスリット5aによって屋内の上側にガイドされて屋内に取り込まれることとなる。
このため、引き違い窓を開放したときのように屋内の中央側にいる人が不快に感じる程の強い風に曝されること、及び取り込まれた風によって屋内の机等に置かれた書類が飛散することを、内倒し窓2及びライトシェルフ5を備える構成によって抑制することができる。
また、例えばガラリによって外気取り入れる場合は、ガラリの開口面積が小さいため通風量が十分得られないという問題があったが、内倒し窓2及びライトシェルフ5を備える構成によって取り込まれる風の向きをガイドでき、通風量を大きくすることができる。
【0031】
次に、屋内に取り込まれる日差しについて説明する。内倒し窓2から屋内に入り込む日差しは、
図4に示すように、内倒し窓2を屋内側から覆うブラインド6の作動に応じて遮断又は取り込まれる。
特に、内倒し窓2から取り込まれる屋外からの風がブラインド6よりも屋外側にあるスリット5aを通って屋内側に取り込まれるため、ブラインド6が風に曝されることによって揺れ動くことが抑制される。よって、風によってブラインド6が揺れ動くことによる雑音の発生や遮光性能の低減を抑制することができる。
【0032】
また、上側窓3から取り込まれる日差しは、上記のようにライトシェルフ5の上面に反射して屋内の中央側に取り込まれることとなる。このようにして日差しを有効活用することにより、屋内の照明器具の使用を制限して電力消費を抑制することができる。
また、ライトシェルフ5にはスリット5aが形成されているために、上側窓3から入射する日差しの一部がスリット5aを通り抜けることになるが、スリット5aの屋内側に取り付けられたブラインド6の作動に応じて、屋内側に入る日差しを遮断又は取り込むことができる。
【0033】
なお、上記実施形態においては、オフィスビル等で一般的に用いられるブラインド6を用いる例について説明したが、日差しを遮断する遮光部材として機能を有するものであればブラインド6に限定されず、例えば、ブラインド6の代わりに遮光カーテンやロールスクリーンを用いるようにしてもよい。
【0034】
また、上記実施形態においては、ライトシェルフ5は、無目4aに取り付けられ、無目4aの上側に取り付けられた上側窓3から採光される日差しを屋内の中央側に取り込むものとして説明したが、このような構成に本発明は限定されない。
例えば、屋内にいる人に直接強い風が当たることを防ぐ目的、書類の飛散を防ぐ目的やブラインド6からの雑音発生を防止する目的のみに窓ユニットを用いる場合には、窓ユニットは、ライトシェルフ5の代わりに、風の流れをガイドするスリット5aを有する鍔部を備えるものであればよい。この場合に、鍔部は、上側窓3を有する無目4aに取り付けられるものに限定されず、上側窓3を有しない窓ユニットの窓枠4の屋内側や、上壁部1cの屋内側に取り付けられるものでもよい。
【0035】
また、上側窓3は、日差しを採光する固定窓であるものとして説明したが、さらに、排煙機能を有する開閉式の排煙窓であってもよい。開閉式の排煙窓から風が屋内に入るとしても、ライトシェルフ5によって、ブラインド6を煽ることがなく雑音を生じさせることがない。また、排煙窓から取り込まれた風がスリット5aを通るとしても、縁面5bが下方に向かうについて屋外側に傾斜して形成されていることによって風が屋外側に流れ、強い風が屋内の下側に流れることを回避することができる。
【符号の説明】
【0036】
1 建築物(建物)
1a 外壁(壁部)
1b 下壁部
1c 上壁部
1d 開口
2 内倒し窓
3 上側窓(採光部)
4 窓枠
4a 無目
4b Lピース
5 ライトシェルフ(鍔部)
5a スリット(通し孔)
5b 縁面
6 ブラインド(日射遮へい手段)
CL 天井
FL 床
U 窓ユニット