(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第一プレートは、前記本体の、前記裏張りと向かい合う面に取り付けられ、前記第二プレートは、該裏張りの、該本体と向かい合う側に取り付けられ、誘電体は該第一プレートと該第二プレートとの間にある、請求項2に記載のロボット。
前記制御装置は、前記第一及び第二電気信号に基づいて一つ以上の補間処理を実行することで、前記一つ以上の特性の判断指示を実行するよう構成される、請求項11に記載のロボット。
前記連結要素は、前記第一側において前記第一セグメントから離れる方向に角度付けられ、前記第二側において前記第二セグメントから離れる方向に角度付けられた、請求項16に記載のロボット。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本明細書では、床、カーペット、芝、又はその他の材質の表面を横断(又は移動)し、限定されないが、吸引、乾式又は湿式清掃、研磨等を含む様々な作業を行うよう構成されたロボットの例について説明する。これらのロボットは障害物に遭遇する可能性があり、それによってロボットの進行が妨げられる可能性がある。例えば、ロボットは、動作中に椅子や壁といった障害物に接触する可能性がある。ロボットは、ロボットに設けられたバンパと障害物との間の接触により生じる力に基づいて、障害物と接触したと判断する。制御装置は、力に応じたバンパの動きを検出するセンサから出力される信号に基づいてこの力を識別する。
【0023】
センサには、様々な適切な検出技術を採用することができる。例えば、キャパシタの一方のプレートはシャーシに対して動かず、キャパシタのもう一方のプレートはバンパと共にシャーシに対して動く容量センサを用いてもよい。バンパは、障害物との接触に応じて可動である。容量センサは、バンパの動きにより生じるプレートの変位に比例する電気信号を出力する。これらの電気信号を制御装置で解読(例えば、処理)することで、力の位置や力の強さといった接触力の特性を識別することができる。本明細書で説明する容量センサや本明細書で説明するその他のタイプの容量センサといった容量センサは、接触に応じて様々な電気信号を生成することができ、それによって改良された障害物検出を提供することができるため、有利となり得る。
【0024】
図1は、環境内の障害物との接触を検出してその接触の特性を判断することができる移動ロボット100(ロボット100とも呼ぶ)の例を示す。動作中は、ロボット100は環境103内の床面102に沿って移動し、垂直な面、頭上の面、又はロボット100の動きを妨げ得るその他の面といった障害物と接触する可能性がある。移動中、ロボット100の(移動方向における)前部に位置するバンパ106が椅子104と接触する。ロボット100が椅子104に接触すると、ロボット100内のセンサは、バンパ106の移動量に比例し得る電気信号を生成し出力する。ロボット100内の制御装置110は、これらの電気信号を受信し、力の強さ、力の方向、力の位置、又は力の継続時間といった一つ以上の力の特性の判断に用いる。力の方向及び位置といった情報は、ロボット100に対する環境103内の障害物の位置の判断に用いることができる。制御装置110は、一つ以上の力の特性の判断に基づいて移動及び駆動コマンドを発行することができる。例えば、移動及び駆動コマンドは、椅子104との接触の検出に応じて椅子との継続的な接触を避けるよう、椅子に沿って移動するよう、前進速度を低下するよう、又はその他の動作を実行するようロボットに指示し動作させることができる。
【0025】
図2及び3は、ロボット本体109に取り付け可能なバンパ200の構造例を示す。この例では、バンパ200は概して長方形である。バンパ200はロボットの前方部108に取り付けられており、前側200F、右横側200R、及び左横側200Lを含む。左角部201Lは前側200Fと左横側200Lとを接続することができ、右角部201Rは前側200Fと右横側200Rとを接続することができる。前側200F及び横側200R、200Lは、互いに実質的に直角であってもよく、部分的に(例えば前方のみ)長方形を形成する。前側200Fは、例えば、15cmから30cmの間、30cmから45cmの間、または45cmから60cmの間の長さを有することができる。横側200R、200Lは、例えば、5cmから15cmの間、15cmから25cmの間、または25cmから35cmの間の長さを有することができる。一般に、前側200Fはロボットの全幅にわたって延びてロボットの幅と同じ幅を有することができ、横側200R、200Lはロボットの長さの1/4から1/2の間とすることができる。例えば、横側200R、200Lは、ロボットの長さの1/4から1/3の間の長さを有することができる。
【0026】
バンパ200は部分的に長方形であると説明したが、本明細書で説明するように他の形状を有してもよい。いくつかの実施形態では、前側200Fと横側200R、200Lとの間の角度は、限定されないが、例として、例えば85から95度の間、80から100度の間、または75から105度の間の適切な角度である。本明細書で説明する実施形態のいずれにおいても、ロボット本体の前方部108は、部分的に円形、半円形、三角形、ルーロー三角形、スプライン形状、又はその他の適切な形状であってもよい。これらの場合、バンパ200は、本明細書で説明する概して長方形の形状とは異なる形状を有してもよい。
【0027】
バンパ200の構造は、バンパ200内のセンサが接触により生じる力に基づいて電気信号を生成することができるよう力を伝達する。具体的には、本明細書で説明するセンサは、バンパ200に加わる垂直方向の力、水平方向の力、又はこれらを組み合わせた力の検出に用いることができる。
図2を参照すると、バンパ200は、裏張り204を少なくとも部分的に(本例では全体を)覆う膜202を含む。裏張り204は、ロボット本体109と膜202との間に位置する。膜202はバンパ200の外面の役割を果たし、環境103内に位置する物体と直接接触する。従って、膜202が環境103内の物体と接触すると、膜202は変形し、裏張り204をロボット本体109の方向に押す。そして、裏張り204の動きによって、バンパ200の容量センサ210a−210j(まとめて容量センサ210と呼ぶ)が裏張り204の動きに応じて電気信号を生成する。いくつかの実施形態では、ロボット本体109に対する裏張り204の変位は、例えば、0mmから5mm、0mmから15mm、及び0mmから25mmの間隔内である。センサが高感度であることにも起因して、いくつかの例では、観察者から見て概して移動しないように見えるバンパを提供するために、裏張り204のロボット本体109に対する変位は、1mmから5mmの間に限定されている。
【0028】
バンパ200の構成要素の材質は、構成要素の機能に基づいて異なってもよい。膜202は、膜202を変形させるバンパ200の外面に加わる力を、裏張り204の小さい領域に比較的狭く伝えるような柔らかく撓み易い材質とすることができる。例えば、膜202は、ポリクロロプレン、エチレンプロピレンジエンゴム、ポリオレフィン熱可塑性エラストマー又は熱可塑性硬質ゴムといった、エラストマー材やゴム材とすることができる。膜202は、例えば0.01MPaから1MPa、1MPaから10MPa、又は10MPaから100MPaといった、低い弾性係数を有することができる。いくつかの実施形態においては、膜202は単一統合要素であるが、バンパ200の前側200Fで別れている、それぞれがバンパ200の横側200R、200Lの一方を覆う二つの部品から成るものでもよい。
【0029】
裏張り204の全てまたは一部を、膜202よりも硬い材料で形成することができる。例えば、裏張りは、ポリカーボネート、アクリロニトリルブタジエンスチレン、又はナイロンといった剛値高分子で形成することができる。或いは、裏張りはステンレス鋼や銅鋼といった金属板で形成することができる。一つの例では、裏張りは銅メッキ鋼で形成されている。動作中は、ロボット100が環境103内の物体と接触し、膜202が変形して力を裏張り204に伝達し、裏張り204はロボット本体109に対して動くことで力に応答する。バンパ200の膜202及び裏張り204は、その下にあるロボット本体109の形状に似た形状を有することができる。その結果、膜202及び裏張り204は全体として部分的に長方形とすることができる。
【0030】
ロボット100は、環境103内の物体との接触を検出することが可能なセンサシステムを含む。この例においては、センサシステムはバンパ200に沿って位置する容量センサ210を含む。容量センサは、(バンパ200に力が加わると動く)裏張り204の動きに応じて電気信号を出力する。各電気信号は、例えば、電流、電圧、又は容量センサの容量によって変化するその他の適切な信号とすることができる。容量センサ210は、バンパ200の前側200F、バンパ200の右横側200R及び/又は左横側200Lに配置することができる。容量センサ210の数及びバンパ200の長さ方向における容量センサ210の分布は、ロボット100の前側及び横側に沿った様々な位置の接触をセンサシステムが検出することを可能にする。例えば、容量センサ210a、210b、210h、210iはバンパ200の横側200R、200Lにおける物体との接触に応答するのに対し、バンパ200の前側200Fに沿って配置された容量センサ210c−210gはバンパ200の前側200Fにおける物体との接触に応答する。
【0031】
裏張り204の構造は、バンパ200上の様々な位置に加わる力に対する容量センサ210の反応性を調整するために選択することができる。反応性は、例えばバンパ200の一部に加わる力の強さといった、パラメータの変化に対する電気信号の変化量を含む。従って、力に対する反応性が高い容量センサでは、力の単位増加に応じた電気信号の変化が、力に対する反応性が低い容量センサよりも大きくなる。
【0032】
裏張り204は、複数の硬い領域であって、容量センサ210が、それらが取り付けられている硬い領域に加わる局所的な力に対して強く反応するよう、硬い領域より柔らかい他の領域(以下、柔軟領域と呼ぶ)によって互いに連結された複数の硬い領域を含むことができる。例えば、
図3のバンパ200の部分拡大図に示されているように、裏張り204は、連結要素208a−208f(各要素は
図2に示されており、
図3においてはそれらをまとめて連結要素208として示している)によって相互に連結された複数のセグメント206a−206g(各セグメントは
図2に示されており、
図3においてはそれらをまとめてセグメント206として示している)を含むことができる。連結要素208は柔軟領域であり、セグメント206より高い柔軟性/低い剛性を有することができる。
【0033】
図3に示す例では、連結要素208及びセグメント206は同じ材質でできている。連結要素208はセグメント206よりも薄いため、連結要素208はセグメント206よりも柔軟になっている。いくつかの実施形態においては、連結要素208は、セグメント206と異なる、より柔軟な材料でできていてもよい。このような実施形態においては、セグメント206と連結要素208は、ほぼ同じ厚みであるか、これらが同じ材料でできている場合よりも厚みの差が小さいものであってもよい。例えば、連結要素208に対するセグメント206の厚みの比は、1.1から2の間、2から4の間、4から6の間、又は6から8の間とすることができる。セグメント206は、例えば、1mmから2mmの間、2mmから3mmの間、または3mmから4mmの間の厚みを有することができる。
【0034】
複数のセグメント206及び連結要素208は統合構造を形成するため、単一の部品として製造することができる。別の実施形態においては、セグメント及び連結要素は複数の部品でできている。
【0035】
例として、セグメント206は柔軟な要素208で連結されているため、セグメント206のそれぞれに加わる力は、その力が加わったセグメントに実質的に隔離されている。力が加わったセグメントは、力が加わっていないセグメントよりも更に押圧される。その結果、容量センサ210は、それらが直接取り付けられているセグメント206に加わる力に良く反応し、それらが直接取り付けられていないセグメント206に加わる力にはあまり(又は、隔離の程度によっては、全く)反応しない。いくつかの実施形態においては、この働きを実現するために、連結要素208の剛性をセグメント206の剛性よりも低くし、セグメント206間の力の伝達量を小さくしている。従って、本明細書で説明するように、容量センサ210により生成される電気信号は、バンパ上の異なる位置に加わる力に対する容量センサ210の電気的応答の違いにより、バンパ200上の力の位置の推定に用いることができる。
【0036】
本明細書の別の箇所で説明するように、容量センサ210は、容量センサ210のプレートの相対的な動きに応じて電気信号を生成する。
図3−5に示す例においては、各容量センサ210は、固定されたプレート216と、バンパ200と共に可動なプレート214とを含む。固定プレート216は、ロボット本体の、裏張り204と向かい合わない部分に取り付けられている。可動プレート214は、裏張り204の(硬い)セグメントに連結されたポスト212に取り付けられている。ポスト212は、セグメント206に連結されているか、セグメント206の統合部分を構成してもよい。ポスト212は、本体109の穴213を通して可動プレート214に連結されている。この連結により、セグメント206の動きはポスト212に伝達され、その動きは次いで可動プレート214に伝達される。従って、動作中は、バンパ200に加わる力に応じてセグメント206が動き、それによりポスト212が動き、それにより稼働プレート214が固定プレート216から離れる。このように、穴213を通したポスト212の動きは、稼働プレート214と固定プレート216を離反させる。結果として生じるプレート214、216の変位は、容量センサ210の容量の変化を引き起こす。この容量の変化は、変位に比例する電気信号の出力に反映され、動きに反映される。
【0037】
容量センサ210により生成される電気信号は、ベースライン電気信号に対して変化することができる。力が加わっておらず、バンパ200が非押圧位置にある場合、プレート214、215は、接触しているか、或いは力が加わっている時よりも互いに近い位置にある。その結果生成される電気信号は、プレートの動きを計測する際の基準となるベースライン電気信号の役割を果たす。
【0038】
可動プレート214及び固定プレート216は、例えば、銅板、薄膜塗装金属板、又はその他の適切な伝導性金属とすることができる。プレート214、216間の誘電体500は、例えば、空気、ガラス、セラミック、又はその他の絶縁性材料とすることができる。例えば、力が加わっていないときにプレート同士が接触している場合、誘電体は空気である。しかし、プレート間にベースライン離反がある場合、他の誘電体(及び空気)を用いることができる。可動プレート214は、円形、長方形、又は他のあらゆる適切な形状であってもよい。固定プレート216は、可動プレート214の形状に合う形状(例えば、円形、長方形、又は他のあらゆる適切な形状)であってもよい。いくつかの場合においては、可動プレート214は、5mmから35mmの間(例えば、5mmから15mmの間、15mmから25mmの間、又は25mmから35mmの間)の半径で規定される円形状であってもよい。固定プレートは、例えば、5mmから15mmの間、15mmから25mmの間、又は25mmから35mmの間の半径で規定される円形状であってもよい。可動プレートが長方形である場合、可動プレート214は、5mmから35mmの間(例えば、5mmから15mmの間、15mmから25mmの間、又は25mmから35mmの間)の長さ及び幅を有することができる。いくつかの例においては、可動プレートは、長さと幅の比率が1.5:1から2:1の間の長方形プレートとすることができる。一つの特定の例においては、プレートの長さは約15−25mmの間、プレートの幅は約5−15mmの間とすることができる。
【0039】
図6は、可動プレート214及び固定プレート216を含む容量センサ210の一例の概略側面図を示す。
図6に示すように、可動プレート214の変位は、ロボット100が移動する床面に対して概して平行な水平変位605を含む。例えば、バンパ200が床面から延びる垂直面に接触する場合、変位は水平方向の変位を含み得るため、水平変位605を引き起こす。従って、バンパ200が非押圧位置にある場合、可動プレート214と固定プレート216との間の水平距離600は、バンパ200が押圧位置にある場合の可動プレート214と固定プレート216との間の水平距離600よりも小さい。
【0040】
容量センサの容量は、連続範囲にわたって変化するパラメータである。従って、容量センサは、容量に基づいてアナログ電気信号を生成することができる。前述したように、電気信号は、電圧、電流、(RC回路に起因する)周波数、又は容量によって変化するその他の適切な信号とすることができる。水平距離600が増加すると、容量センサ210の容量が減少する。水平距離600が減少すると、容量センサ210の容量が増加する。容量の連続範囲は、非押圧位置と押圧位置との間での水平距離600の変化に応じて変化する。容量を示す電気信号は、水平変位605に比例することができる。ある例においては、容量を示す電気信号は、水平変位605に反比例することができる。
【0041】
図7は、例えばロボット100のバンパ200に加わる力の特性を判断しロボット100を操縦するために、ロボット100に含むことができる制御システム700の例を示す。制御システム700は、メモリ記憶素子710及びセンサシステム715と共に動作可能な制御回路705(以下では、制御装置705とも呼ぶ)を含む。制御装置705は、ロボット100に設けられたセンサシステム715のセンサにより生成される電気信号を受信し、受信した電気信号に基づいて駆動コマンド、操縦コマンド、及びその他の挙動コマンドを選択し発行することができる。センサシステム715は、例えば本明細書で説明する容量センサ210を含む、バンパ接触センサを含む。制御装置705は、センサシステム715から受信した電気信号と連動して、障害物を検出し障害物を回避する挙動を実行することができる。
【0042】
制御装置705は、メモリ記憶素子にアクセスしてメモリ記憶素子710に保存されている信号処理ルーチンを実行することができる。メモリ記憶素子710には、制御装置705による電気信号の特徴のより正確な判断を可能にする補間ルーチン、静的センサ校正値、及びローパスフィルタリングルーチンを保存することができる。補間ルーチンは、環境内の障害物から受ける力の特性の判断に用いることができる。制御装置705は、静的センサ校正値を用いて、バンパ接触センサシステム720からの電気信号の強さに対応する力の強さを判断することができる。制御装置705は、ローパスフィルタリングルーチンを用いて、バンパ接触センサシステム720の分解能を設定することができる。いくつかの実施形態においては、制御装置は、フィルタリングルーチンを実行してバンパセンサの周波数分解能を設定することができる。制御装置が、バンパに加わる力の周波数が0.1Hzから0.5Hz、0.5Hzから2Hz,または2Hzから5Hzを超えた場合に接触があったと判断するように、ハイパスフィルタリングルーチンを設定しても良い。ハイパスフィルタリングは、システムによるある周波数を超える力の検出を可能にするために有益であり得る。
【0043】
図2に戻って、容量センサ210a−210iの各々は、バンパ200の環境103内の物体との接触に応じて、独立して電気信号を生成することができる。バンパ200が、一般的にバンパ200が環境内の物体と接触しておらず加わる力に作用されていないことを示す非押圧位置にある場合、容量センサ210a−210iは、バンパ200が非押圧位置にあることを示すベースラインニュートラル信号であると制御装置705が解釈できる、同様の信号を生成する。従って、制御装置705は、ロボット100が環境103内の物体に接触せずに環境103内を移動している間に、動的に容量センサ210a−210iの各々をこれらのニュートラル信号でキャリブレーションすることができる。電気信号のベースラインニュートラル信号からの変化(電気的応答と呼ぶ)は、バンパ200の一部の押圧を示すものであり得る。
【0044】
図8Aは、ロボット100のバンパ200に、床面と平行又は実質的に平行な力805を加える物体800と接触しているロボット100を示す。力805に応じてバンパ200が動き、それによって裏張り204のセグメント206が動き、容量センサ210により出力される電気信号が得られる。力805は、強さ、方向、及びバンパ200上の位置といった特性を含むことができる。
【0045】
容量センサ210a−210iの各々は、力の特性に応じて、電圧、電流、又はその他の電気信号の特性が変化し得る電気信号を生成することができる。容量センサ210の力に対する反応は、力805の位置に基づいて変化することができる。例えば、力805の位置と容量センサ210との間の距離が増加すると、力805による変位は減少する。従って、容量センサ210の各々は、力805の位置に応じた電気信号を生成する。力805がバンパ200に作用する場合、力805の位置がある容量センサ210に近いほど、その容量センサにより生成される電気的応答が大きくなる。いくつかの例では、容量センサ210が力805の位置に近いほど、力805の強さに対する容量センサ210の応答が大きくなる。
【0046】
図8Aに示す例では、力805の近傍に位置する容量センサ210c及び210dは、他の容量センサ210a−210b及び210e−210iよりも強く力805に反応する。
図8Bのグラフ819は、例えば、電圧、電流、又はその他の適切なベースラインニュートラル信号に対する電気信号の変化で表現可能な、容量センサ210a−210iのそれぞれの電気的応答820a−820i示す。容量センサ210a−210iの各々は、バンパ200上の、バンパ200に沿って測定した線形一次元位置である位置822に位置する。従って、電気的応答820a−820iは、それぞれ容量センサ210a−210iの位置と関連付けることができる。
【0047】
力805は容量センサ210cの位置と210dの位置との間に位置するため、電気的応答820c及び820dは、その他の電気的応答8210a−820b及び820e−820iよりも大きい。更に、容量センサ210c及び210dは、その両方を(
図2に示す)裏張り204の同じセグメント(例えば206c)に結合されているため、力805の単位力に対して他の容量センサ210a−210b及び210e−210iよりも強い応答性を示す。本明細書で説明するように、電気的応答820c及び820dは、セグメント206cをその他のセグメント206から分離する柔軟な連結要素208b及び208cにより、力805に応じてより大きな変化を示し得る。
【0048】
制御装置705は、電気的応答820a−820iに基づいて、物体800との接触により生じる力805の特性を判断することができる。例えば、制御装置705は、力805の位置及び強さを判断することができる。制御装置705は、容量センサ210c及び210dからの電気的応答820c及び820dがその他の容量センサ210a−210b及び210e−210iのそれぞれからの電気的応答8210a−820b及び820e−820iよりも大きいことから、力805の概略位置はセグメント206cの近傍にあると判断することができる。制御装置705は、容量センサ210c及び210dからの電気的応答820c及び820dに基づいて補間処理を実行し、セグメント206c上の力805の正確な位置を特定することができる。補間は、線形補間でとすることができる。いくつかの場合においては、補間は、例えばセグメント206cに沿った剛性、弾性、及び形状の非線形変化を考慮してもよく、従って多項補間といった非線形補間とすることができる。
【0049】
一例では、制御装置705は、電気的応答820c及び820dの間の補間線825の傾き830を算出し、容量センサ210c及び210dが設けられたセグメント206c上の位置を判断することができる。一般的に、傾き830がゼロの場合、制御装置705は力805が容量センサ210c及び210dのそれぞれから実質的に等距離の点に位置すると判断することができる。傾きが正の場合、制御装置705は力805が容量センサ210d寄りの位置にあると判断することができる。(
図8Aに示すように、)傾きが負の場合、制御装置705は力805が容量センサ210cに近い位置にあると判断する。具体的には、制御装置705は、傾き830と、例えばメモリ記憶要素710に保存された所定の参照傾きとの差を算出することができる。所定の参照傾きは、容量センサ(例えば容量センサ210c)に対するセグメント(例えばセグメント206c)上の力の位置(例えば、力805の位置)を規定することができる。従って、算出された差は、容量センサ210c及び210dのそれぞれの位置に対する力805の位置を示すことができる。従って、制御装置705は、バンパ200上の力805の位置を判断することができる。いくつかの場合においては、制御装置705は、傾き830を、電気的応答820c及び820dの強さの平均に対して正規化することができる。
【0050】
別の例では、制御装置705は、電気的応答820dに対する電気的応答820cの比率を判断し、力805のバンパ200上の位置を判断することができる。同一を示す比率は、力805が容量センサ210c及び容量センサ210dから等距離の位置にあることを示し得る。1より大きい比率は、力805が容量センサ210c寄りに位置することを示し、1より小さい比率は、力805が容量センサ210d寄りに位置することを示し得る。システムは、電気的応答の比率を計算し、算出された比率に少なくとも部分的に基づいて接触の位置を判断することができる。
【0051】
制御装置705は、電気的応答820a−820iに基づいて、力805の強さも判断することができる。例えば、制御装置705は、電気的応答820c及び820dの平均を算出することができる。次いで、制御装置705は、算出した平均と、メモリ記憶素子710に保存されている所定の参照平均との差を算出することができる。所定の参照平均は、力の強さ(例えば、力805の強さ)と二つの電気的応答(例えば、電気的応答820a−820i)の平均との間の関係を規定する。従って、算出される差は、力805の強さを示し得る。従って、制御装置705は、算出される差から、バンパ200に加わる力805の強さを判断することができる。
【0052】
いくつかの追加の例では、力の強さは、複数のセンサの数値を合計することで算出することができる。複数のセンサの相対応答は、力が小さい領域に加わる局所的なものであるか、柔らかい障害物の場合に加わる、広い領域に分布する力であるかを判断する際にも用いることができる。従って、システムは、一つから二つのセンサのみが強い応答を示す場合に、接触が小さい物体(例えば、柱、椅子の脚、テーブルの脚)との接触であると判断することができる。一方で、より多くのセンサ(例えば、三つ以上のセンサ)が強い応答を示す場合、システムは、壁といった大きい障害物に接触したと判断することができる。同様に、より多くのセンサが弱い応答を示す場合、システムは、ロボットが柔らかい又は柔軟な面に接触したと判断してもよい。
【0053】
図9Aは、ロボット(例えば、ロボット100)のバンパ(例えば、バンパ200)上の接触の検出に応じて一つ以上の駆動コマンドを発行する処理900を示すフローチャートである。
【0054】
制御装置は、処理902に従って、環境内を動き回るようロボットを制御(905)する。制御装置は、操縦、駆動、及び挙動コマンドを発行して制御に変化をもたらすことができる。制御装置は、移動中にロボットのバンパ用のバンパセンサのキャリブレーション(910)も行う。制御装置は、断続的(例えば、0.01Hzから0.1Hz、0.1Hzから1Hz、又は1Hzから10Hzの周波数で)かつ動的に(例えば、ロボットが環境内を移動中に)バンパセンサをベースライン信号に対してキャリブレーションすることができる。動的キャリブレーション中は、バンパは押圧されていない。従って、制御装置が受信する電気信号は、他の電気信号の比較対称となるベースライン信号の役割を果たす。いくつかの実施形態においては、制御装置は、周波数が閾周波数より高い信号がフィルタリングにより除去されるよう、ローパスフィルタリングルーチンを実行することができる。従って、制御装置は、0.01Hzから0.1Hz、0.1Hzから1Hz、又は1Hzから10Hzの間であり得るベースライン信号を、ローパスフィルタリングルーチンの閾周波数より下のサンプルとして設定することができる。いくつかの例では、接触信号として見込まれない周波数のノイズをフィルタリングにより除去するために、閾周波数をロボットの速度に基づいて調整することができる。
【0055】
バンパに加わる力に応じて、バンパセンサはキャリブレーションした電気信号と異なる電気信号を生成し、制御装置はその電気信号を受信(915)する。電気信号は、例えば、アナログ信号(例えば、電圧、電流、またはその他の適切な電気信号)とすることができる。アナログ信号は、容量、インダクタンス、磁場、距離、変位、又はその他の連続的なパラメータといった、ある範囲内で連続的に変化するパラメータに応答することができる。電気信号は、バンパの変位やバンパに加わる力の量に正比例又は反比例させることができる。いくつかの例では、電気信号は、多項式、スプライン、指数等といった非線形の平滑な関数に沿ったバンパの変位量と関連させることができる。従って、電気信号は、変位量が変化するにつれて連続的に変化することができる。
【0056】
制御装置が電気信号を受信(915)した後、制御装置は、ロボットのバンパが、例えば環境内の物体と接触したかを判断(920)する。制御装置は、この判断を、電気信号とキャリブレーションした電気信号との差が閾差を超えていないと判断(922)することにより行うことができる。このような場合には、制御装置は、工程905で環境内での移動を継続するようロボットに指示する。
【0057】
電気信号が閾差を超えている場合、制御装置は、バンパが接触したと判断(924)することができる。制御装置は、次いで、本明細書で
図9B及び9Cに関して説明する例のように、接触の特性を判断(925)する。例えば、制御装置は、バンパ上の接触の位置、接触により生じる力の強さ、又は接触の継続時間を判断することができる。
【0058】
制御装置は、判断された特性に基づいてロボットにコマンドを発行(930)する。例えば、制御装置は、接触の位置を判断すると、接触の位置の周りを旋回するようロボットに指示する操縦コマンドを発行する。いくつかの場合においては、制御装置は、ロボットが接触した物体に沿って移動するようロボットに指示してもよい。例えば、物体は壁であってもよく、制御装置は、ロボットが壁に沿って動く壁追従挙動を実行するようロボットに指示してもよい。制御装置は、ロボットが壁追従挙動を実行している間、力の強さを所定の力の範囲に維持するようロボットに指示してもよい。制御装置が接触に応じてコマンドを発行した後、ロボットは環境内で移動を続ける。
【0059】
制御装置が接触の特性を判断(925)する際、制御装置は、接触の複数の異なる特性を判断するために複数の異なる処理を実行することができる。制御装置は、これらの処理のいくつかを実行して連続範囲にわたる電気信号の変化を利用し、接触の特性を判断(925)することができる。
図9Bは、制御装置が受信(915)した電気信号に基づいて接触の位置を判断する処理935を示すフローチャートの例である。
【0060】
制御装置は、処理937に従って、二つのバンパセンサから受信(915)した二つの電気信号を選択(940)する。制御装置は、当該二つの電気信号の強度に基づいて当該二つの電気信号を選択(940)することができる。例えば、制御装置は、最も高い強度を有する二つの電気信号を選択(940)することができ、これらの二つの電気信号は、これらの二つの電気信号を生成した二つのバンパセンサが接触の位置に近いことを示すことができる。
【0061】
制御装置が二つの電気信号を選択(940)した後、制御装置は、少なくとも二つの電気信号に基づいて位置を示す値を算出(943)する。位置を示す値は、例えば、二つの電気信号の差とすることができる。制御装置は、二つの電気信号を、当該二つの電気信号を生成したバンパセンサの位置と関連付けることができる。バンパセンサの位置は、バンパ上のバンパセンサの位置として測定することができる。従って、電気信号とバンパセンサの位置は順序対を成すことができる。制御装置は、二つの電気信号と、二つの電気信号を生成した二つのバンパセンサのバンパ上の二つの位置とに基づいて、位置を示す値を傾きとして算出(943)することができる。このような場合、制御装置は、二つの電気信号に対応する二つの順序対の間の線形補間を実行することができる。
【0062】
次いで、制御装置は、位置を示す値に基づいて接触の位置を判断(945)する。制御装置は、位置を示す値を参照値と比較することができる。制御装置は、位置を示す値と参照値との差に基づいて、接触の位置を判断することができる。例えば、位置を示す値が二つの電気信号の差である場合、制御装置は、その差を参照差と比較することができる。参照差は、バンパ上のある位置での接触において予測される二つの電気信号の推定差とすることができる。別の例では、制御装置は補間を実行することができる。位置を示す値が傾きである場合、制御装置は、補間を実行し、補間により得られた傾きを参照傾きと比較することができる。参照傾きは、バンパ上のある位置での接触において予測される二つの電気信号の間の推定傾きとすることができる。
【0063】
いくつかの実施形態においては、制御装置は、三つ以上のバンパセンサからの三つ以上の電気信号を選択(940)してもよい。例えば、制御装置は、電気信号が閾読取値を超える全てのセンサの読取値に基づいて補間を実行してもよい。従って、補間は、データセットの多項式補間又はその他の補間とすることができる。
【0064】
図9Cは、制御装置が受信(915)した電気信号に基づいて接触力の強さを判断する処理950を示す別のフローチャート例である。
【0065】
制御装置は、処理952に従って、受信(915)した電気信号に基づいて強さを示す値を算出(955)する。強さを示す値は、例えば、受信(915)した電気信号のうちの、全電気信号の平均、電気信号の部分集合の平均、最大の電気信号、又は電気信号の和とすることができる。
【0066】
制御装置は、強さを示す値に基づいて接触力の強さを判断(960)する。制御装置は、強さを示す値を参照値と比較する。例えば、強さを示す値が受信(915)した電気信号の平均である場合、参照値は、ある既知の強さの接触力において予測される所定平均とすることができる。いくつかの場合においては、制御装置は、接触の位置を判断(945)した後に処理952を実行する。従って、参照値は、ある既知の位置におけるある既知の強さの接触力において予測される所定値とすることができる。このような場合、強さを示す値は、最大電気信号といった一つの電気信号であってもよい。制御装置は、強さを示す値と参照値との間のより大きい差を、より大きい力の強さを示すものであると解釈することができる。
【0067】
ロボット、センサ、及び方法の追加的及び代替的な実施形態の説明も提供する。例えば、本明細書で説明する容量センサの構造を変えることができる。
図5に示す例では、可動プレート214は、本体109の、裏張り204と向かい合わない側に隣接しており、固定プレート216は、本体109の、裏張り204と向かい合わない側に取り付けられている。
図10から12は、代替的な実施形態を示す。これらの代替的な実施形態では、可動プレートは、裏張りの、本体と向かい合う側に取り付けられており、固定プレートは、本体の、裏張りと向かい合う側に取り付けられている。これらの実施形態は、裏張りの本体に対する動きによる容量の変化の仕方も異なっている。例えば、
図10から12に示す実施形態では、裏張りと本体との間の圧縮によってプレート同士が近づくが、
図5に示す実施形態では、裏張りと本体との間の圧縮によってプレート同士が離れる又は遠ざけられる。
【0068】
可動プレート及び固定プレートの形状は容量に影響する。可動プレートは、円形、長方形、又は固定プレートの形状と合うその他の形状とすることができる。固定プレートは、円形、長方形、又は本体の固定プレートが取り付けられている部分と合うその他の形状とすることができる。可動プレートはそれぞれ、例えば100平方ミリメートルから1000平方ミリメートルの間、又は1000平方ミリメートルから2000平方ミリメートルの間の表面積を有することができる。固定プレートはそれぞれ、例えば100平方ミリメートルから1000平方ミリメートルの間、又は1000平方ミリメートルから2000平方ミリメートルの間の表面積を有することができる。
【0069】
図10を参照すると、裏張り1010に取り付けられた可動プレート1000はロボット本体1005と向かい合っており、ロボット本体1005上の固定プレート1015a、1015bは裏張り1010と向かい合っている。誘電体1020a、1020bは、固定プレートを可動プレート1000から隔離する。誘電体1020a、1020bは、発泡体のような変形可能な材料とすることができる。各固定プレート1015a、1015b、各誘電体1020a、1020b、及び可動プレート1000により、容量センサ1022a、1022bを形成する。固定プレート1015a、1015bを可動プレート1000以外のソースによる電場から遮断するために、接地された金属板1030で固定プレート1015a、1015bのそれぞれの、可動プレート1000に対して反対側を覆うことができる。裏張り1010に加わる力1025は、固定プレート1015a、1015bに対する可動プレートの変位を引き起こす。力1025の裏張り1010上の位置は、容量センサ1022a、1022bのそれぞれの力1025に対する反応性に影響を与え得る。例えば、裏張り1010に加わる力1025は、容量センサ1022bよりも容量センサ1022aに近い。従って、容量センサ1022aの方が力1025に強く反応する。力1025が容量センサ1022a、1022bから等距離の位置にある場合、容量センサ1022a、1022bは、力1025の強さに対して同等の反応性を示し、ある強さに対して同じだけ活性化される。いずれにしても、制御装置は、力の計測結果に基づいて、裏張り1010上のどこに力が発生したかを判断してもよい。
【0070】
図11を参照すると、裏張り1110に取り付けられた可動プレート1100はロボット本体1105と向かい合っており、ロボット本体1105に取付けられたスペーサ1116a、1116b上に位置する固定プレート1115a、1115bは裏張り1110と向かい合っている。空気は、可動プレート1100を固定プレート1115a、1115bから隔離することができるため、容量センサ1122a、1122bの誘電体の役割を果たす。接地された金属板1130は、固定プレート1115a、1115bのそれぞれの、可動プレート1100に対して反対側を遮断する。スペーサ1116a、1116bの高さは、小さな距離の変化により容量センサ1122a、1122bの容量が大きく変化するよう、可動プレート1100と固定プレート1115a、1115bとの間の距離を短くする。その結果、スペーサ1116a、1116bは、容量センサ1122a、1122bが裏打ち1110に加わる力1125により強く反応することを可能にする。
【0071】
図12を参照すると、裏張り1210に取付けられた可動プレート1200はロボット本体1205と向かい合っており、ロボット本体1205に取り付けられたスペーサ1217a、1217b、1217c上に位置する固定プレート1215a、1215b、1215cは裏張り1210と向かい合っている。接地された金属板は、固定プレート1215a、1215b、及び1215cのそれぞれの、可動プレート1200に対して反対側を遮断する。可動プレート1200は、容量的に固定プレート1215bに結合することができ、接地された電線を用いて接地することができる。その結果、このような実施形態では、可動プレート1200はフローティング状態とすることができ、可動プレート1200が動くと一緒に動いてしまう電線を可動プレート1200に接続する必要が無くなる。本明細書で説明するように、スペーサ1217a、1217b、1217cにより、容量センサ1222a、1222b、1222cが裏張り1210に加わる力1225に対してより強く反応するようになる。
【0072】
図13及び14は、位置が異なる容量センサと構造が異なる裏張りを有する代替的なバンパを示す。ある実施形態では、
図13に示すロボット1300は、
図10から12に関して説明した、容量センサタイプである容量センサ1315a−1315j(まとめて容量センサ1315と呼ぶ)を用いて本体1312に取り付けられたバンパ1310上に加わる力を検出することができる。
【0073】
図2に示す、連結要素208で互いに連続的に連結されたセグメント206とは対照的に、バンパ1310は非連続の裏張りセグメント1314a−1314f(まとめて裏張りセグメント1314と呼ぶ)を含む。その結果、一つの裏張りセグメント1314に加わる力は、基本的には他の裏張りセグメントには伝達されない。容量センサ1315は、裏張りセグメント1314に結合された可動プレート、及びロボット1300の本体1312に結合された固定プレートを含むことができる。ある例では、セグメント1314aに加わる力は、容量センサ1315a及び1315bにより生成される電気信号を、容量センサ1315c−1315jにより生成される電気信号よりも大きく変化させる。その結果、容量センサ1315は、それらが取り付けられていないセグメント1314に加わる力よりも、それらが取り付けられているセグメント1314に加わる力に強く反応する。
【0074】
図13を参照すると、容量センサ1315c及び1315hは、それぞれバンパ1310の左角部1350及び右角部1350Rに位置する。従って、容量センサ1315c及び1315hは、角部1350L、1350Rの曲面形状に合う非平面固定プレート及び非平面可動プレートを含み得る。容量センサ1315c及び1315hは、バンパ1310の角部1350L、1350Rに加わる力に対して、容量センサ、1315a−1315b、1315d−1315f、及び1315h−1315jよりも強く反応する。更に、左角部1350Lのセグメント1314b及び右角部1350Rのセグメント1314eは、柔軟性を向上させ、それによって角部1350L、1350Rに加わる力への反応性を向上させるために、薄くなっていてもよい。
【0075】
図14に示す別の実施形態では、ロボット1400のバンパ1410は、剛性に変化をもたせるために厚みを変化させた連続的なセグメント1416F、1416R、1416L、1417L、1417Rを含む裏張り1414を含む。裏張り1414は、ポリカーボネート、板金、又はその他の硬い材質といった剛性のある材質で形成することができる。ロボット1400は、
図10から12に関して説明したタイプの容量センサ1415a−1415e(まとめて容量センサ1415と呼ぶ)を含む。従って、容量センサ1415は、裏張り1414に結合された可動プレート(例えば、
図10から12のそれぞれにおける可動プレート1000、1100、1200)と、ロボット1400の本体1418に結合された固定プレート(例えば、
図10から12のそれぞれにおける可動プレート1015、1115、1215)を含むことができる。
【0076】
裏張り1414の前方セグメント1416F、右セグメント1416R、及び左セグメント1416Lは、セグメント1416F、1416R、1416L間での力の伝達量を減らすために、裏張り1414の左角セグメント1417L及び右角セグメント1417Rよりも高い剛性を有することができる。容量センサ1415a−1415eの可動プレートを含む裏張り1414は、サポート1420a−1420d(まとめてサポート1420と呼ぶ)を用いて容量センサ1415の固定プレートを含むロボット本体1418から離すことができる。従って、裏張り1414が変形すると、可動プレート及び固定プレートは相互に動く。サポート1420は更に、ロボット1400の制御装置(例えば、制御装置705)が容量センサ1415a−1415eにより生成された電気信号に対して補間ルーチンを実行する際の参照位置及び/又は境界条件の役割を果たす。
【0077】
いくつかの実施形態においては、裏張りの形状は、バンパ上の特定の位置に加わる力に対する容量センサの反応に影響を与え得る。
図15から16は、バンパの角に沿ったバンパの裏張りの形状の代替的な実施形態を示す。角部における裏張りの構造により、裏張りの横側から前側に伝達される力の量を決定づけることができる。角部における裏張りの構造は、各側間で伝達される力の量が減少するよう設計することができる。
【0078】
バンパは、前側と横側との間の力の伝達を緩和する角部形状を有する裏張りを含むことができる。裏張りは、角部形状が隣接する前側及び横側の形状よりも柔軟となるよう、細長い要素、薄い要素、又はその他の特徴を組み込んだ角部形状を含むことができる。従って、裏張りは、前側と横側との間の力の伝達を大幅に削減することで、機械的にバンパの前側と横側とを分離することができる。あるセグメントに加えられた力が隣接するセグメントに与える影響が小さくなり、加えられた力の位置の判断がより容易になる。
【0079】
図15は、ロボットの、裏張り1512の前側1512Fと裏張りの横側1512との間の力の伝達を削減する特徴を含むバンパ1510の左角部1550Lの部分を拡大した平面図を示す。バンパ1510は、ロボット本体1511に取り付けられている。バンパ1510の裏張り1512は、角部1550Lに、互いに直列に連結されたセグメント1516a、1516b、及び1516cを含む。接続セグメント1516bは、裏張り1512の横側1512Lの横セグメント1516aと、裏張り1512の前側1512Fの前方セグメント1516cとを連結する連結要素の役割を果たす。容量センサ1515aは、横セグメント1516aに取り付けられた可動プレート(例えば、
図10から12のそれぞれにおける可動プレート1000、1100、1200)及びロボット本体1511に取り付けられた固定プレート(例えば、
図10から12の固定プレート1015、1115、1215)を含む。容量センサ1515bは、前セグメント1516cに取り付けられた可動プレート(例えば、
図10から12のそれぞれにおける可動プレート1000、1100、1200)及びロボット本体1511に取り付けられた固定プレート(例えば、
図10から12の固定プレート1015、1115、1215)を含む。
【0080】
連結セグメント1516bの形状は、連結セグメント1516bが、隣接するセグメントからの力を吸収する屈曲部の役割を果たすことを可能にする。具体的には、連結セグメント1516bは、前側1512Fから横側1512Lに、又は横側1512Lから前側1512Fに伝達される力の量を減らすことができる。
図15に示すように、連結セグメント1516cの長さを伸ばすために、連結セグメント1516bは、前側1512Fと横川1512Lとの間の経路1517に対して(凹又は凸方向に)湾曲している。連結セグメント1516bは、経路1517よりも長く、前セグメント1516c及び横セグメント1516aの両方から離れる方向に角度が付けられている。いくつかの場合においては、連結セグメント1516bは、経路1517の長さの1.1倍から1.5倍、1.5倍から3倍、3倍から4.5倍の長さを有する。
【0081】
凹形状を有する連結セグメント1516bを示してあるが、連結セグメント1516bは、凸形状、三角形、ギザギザ形状、又は連結セグメント1516bを長くするその他の形状を有することができる。別の実施形態では、連結セグメント1516bは、連結セグメント1516bを経路1517より長くする、複数の曲面又はスプラインを含むことができる。
【0082】
いくつかの場合においては、バンパは、角部に関連付けられたバンパセンサを含んでもよく、角部における裏張りの形状は、裏張りの角部と各側との間、及び各側間の力の伝達を緩和するよう設計することができる。例えば、角セグメントは、角部付近で裏張りがより柔軟になり、裏張りのセグメント同士が加えられた力に対して互いに多少独立して動くことができるよう、細長くした、分割した、又は薄くしたものとすることができる。角部にこのような特別な措置を講じない場合、いくつかの例では、角部付近の裏張りが若干硬くなり、裏張りのセグメントが動きにくくなる。このような機械的分離により、各セグメントが隣接するセグメントに関連付けられたセンサに与える影響を小さくすることができ、加わった力の位置の判断が容易になる。
図16は、力の伝達の緩和の例を説明する図である。
図16は、ロボットの、ロボットのバンパ1610の左角部1650Lの部分を拡大した平面図を示す。バンパ1610は、ロボット本体1611に取り付けられている。バンパ1610の裏張り1612は、連結要素1617a、1617bを介して互いに直列に連結された裏張りセグメント1616a、1616b、及び1616cを角部1650Lに含む。連結要素1617aは、横セグメント1616aと角セグメント1616bを連結する。連結要素1617bは、角セグメント1616bと前セグメント1616cを連結する。容量センサ1615a、1615b、1615cは、横セグメント1616a、角セグメント1616b、及び前セグメント1616cにそれぞれ取り付けられた可動プレート(例えば、
図10から12のそれぞれにおける可動プレート1000、1100、1200)と、ロボット本体1611に取り付けられた固定プレート(例えば、
図10から12の固定プレート1015、1115、1215)とを含む。
【0083】
連結要素1617a、1617bは、セグメント間の連結を長くし、セグメント1616a、1616b、1616c間の力の伝達を減らす。連結要素1617aは、連結要素1617aの長さを横セグメント1616aと角セグメント1616bとの間の直線での連結よりも長くする湾曲を有する。同様に、連結要素1617bも、連結要素1617bの長さを角セグメント1616aと前セグメント161cとの間の直線での連結よりも長くする湾曲を有する。例えば、連結要素1617aは、前セグメント1616c及び横セグメント1616aの両方から離れる方向に角度が付けられている。従って、連結要素1617aは、横セグメント1616aと角セグメント1616bとの間の力の伝達量を減らす。連結要素1617bは、前セグメント1616cと角セグメント1616bとの間の力の伝達量を減らす。連結要素1617a、1617bは、横セグメント1616a、角セグメント1616b、及び前セグメント1616cのそれぞれの内部に力を隔離する。従って、連結要素1617a、1617bは、容量センサ1615a、1615b、1615cのそれぞれが、これらの可動プレートが取り付けられたセグメント1616a、1616b、1616cに加わる力をより正確に検出することを可能にする。
【0084】
この目的を達成するために、凹形状である連結要素1617a、1617bを示したが、いくつかの実施形態では、連結要素1617a、1617bは凸形状である。他の実施形態では、連結要素1617a、1617bは、連結要素1617a、1617bを長くする複数の曲面又はスプラインを含むことができる。
【0085】
図17は、例えばバンパ1610の左角部1650Lの近くにある物体との接触によりバンパ1610の左角部1650Lに加わる横側力1705a、角部力1705b、及び前側力1705cの考えられる位置を示す。横側力1705aがバンパ1610に加わった場合、容量センサ1615aは、容量センサ1615b、1615cのいずれよりも大きい電気的応答を示す。角部力1705bがバンパ1610に加わった場合、容量センサ1615bは、容量センサ1615a、1615cのいずれよりも大きい電気的応答を示す。前側力1705aがバンパ1610に加わった場合、容量センサ1615cは、容量センサ1615a、1615bのいずれよりも大きい電気的応答を示す。
図16に関して示したような、連結要素1617a、1617bの長さ、湾曲、及びその他の形状の特徴により、力1705a、1705b、1705cは、セグメント1616a、1616b、1616c間では容易には伝達されない。
【0086】
可動プレートは可動プレートを内側に押し込む水平方向の力に応じて固定プレートに対して相対的に動くと説明したが、いくつかの実施形態では、可動プレートは、非水平成分を有する力による固定プレートに対する相対的な動きを可能にする特徴を含むことができる。
図5に示す例では、可動プレート214と結合されたポスト212は、本体109に向かって、ロボット本体109の穴213を通って延び、可動プレートの固定プレートに対する相対的な動きを制御している。
図18から21は、非水平成分を有する力による固定プレートに対する相対的な動きが可能な可動プレートの代替的な実施形態を示す。
【0087】
可動プレートの構造に組み込まれたリンクは、非水平成分を有する力による可動プレートの固定プレートに対する相対的な動きを可能にする。裏張り1800の一部を示す
図18及び19に示すように、バンパ(例えば、バンパ200)の裏張り1800は、ポスト1810に連結されたリンク1805を含むことができる。ポスト1810は、ロボット本体1814の穴1813を通り、容量センサ1822の可動プレート1816に取り付けられている。ロボット本体1814に取り付けられた固定プレート1818は、可動プレート1816と向かい合っている。裏張り1800に与えられる、水平成分と垂直成分を含む力1825は、リンク1805を通してポスト1810に伝わることができ、それによって可動プレート1816の水平方向の変位が生じる。従って、リンク1805は、垂直方向及び水平高校の力を可動プレート1816に伝達するバネの役割を果たす。
【0088】
リンク1805の形状により、裏張り1800を通した可動プレート1816への力の伝達を促進することができる。リンク1805は、角度1830と同程度の角度を成す力(例えば、力1825)が容易にリンク1805を通してポスト1810に伝わるよう、ポスト1810に対して角度1830を成すことができる。角度1830は、100度から120度の間、120度から140度の間、又は140度から160度の間とすることができる。リンク1805は、凹、凸、線形、又はその他の経路に沿って裏張り1800をポスト1810に連結することができる。いくつかの場合においては、リンク1805は裏張り1800の一端に連結され、他の場合においては、リンク1805は裏張り1800の端部と中央部との間の点に連結されてもよい。
【0089】
裏張りが、水平方向の動きに都合が良く、非水平方向の動きには都合が良くないものとなるよう、湾曲を裏張りの構造に組み込むことができる。
図20及び21を参照すると、バンパ(例えば、バンパ200)の裏張り2000は、湾曲部2005a及び湾曲部2005bを含むことができる。裏張り2000は、ロボット本体2014の穴2013を通って容量センサ2022の可動プレート2016に取り付けられたポスト2010も含む。ロボット本体2014に取り付けられた固定プレート2018は、可動プレート2016と向かい合っている。湾曲部2005a、2005bは、湾曲部2005a、2005bが裏張り2000に加わる非水平成分を含む力2025の非水平方向の力に抵抗し、それによって可動プレート2016の非水平方向の変位が減少するよう、ロボット本体2014と係合している。
【0090】
いくつかの場合においては、容量センサは、固定プレートの可動プレートに対する横方向運動又は滑り運動を可能にし、横方向運動により変化する電気信号を生成する。
図22は、容量センサ2200の可動プレート2218の、容量センサ2200の固定プレート2216に対する横方向運動に応じて電気信号を生成することが可能な容量センサ2200を示す。ロボット(例えば、
図23のロボット2300)の本体2223の穴2225は、可動プレート2218に取り付けられたポスト2227が穴2225内で動くことを可能にする。従って、可動プレート2218は固定プレート2216に対して滑ることが可能であり、それによって容量センサ2200の容量を変化させ、容量センサ2200により生成される電気信号に変化を与えることができる。容量は、可動プレート2218と固定プレート2216との間の垂直方向距離2205に基づいて変化することができる。垂直方向変位2250によって垂直方向距離2205を増加させることができ、それによって効率的に容量センサ2200の容量領域が減少する。その結果、垂直方向距離2205が増加すると、容量センサ2200の容量が減少する。垂直方向距離2205が減少すると、容量センサ2200の容量が増加する。従って、容量を示す電気信号は垂直方向変位2250に比例させることができる。ある例では、容量の電気信号は、垂直方向変位2250に反比例させることができる。
【0091】
従って、容量センサ2200は垂直方向変位2250を示す電気信号を生成することができ、制御装置はロボット2300が環境内の物体に接触したと判断することができる。
図22に示す横方向運動は、一般に、
図23に示すロボット2300が移動する床面に対して直角の垂直方向変位2250を含む。垂直方向変位2250は、例えば、ロボットのバンパ2310が頭上の物体2320に接触することによって生じ得る。
図23は、頭上の物体2320に接触しているロボット2300の側面概略図を示す。ロボット2300のバンパ2310が物体2320に接触すると、バンパ2310に垂直方向力2330が加わる。垂直方向力2330は垂直方向変位を引き起こすことができ、
図22に関して本明細書で説明するように、垂直方向変位2250は、バンパ2310の容量センサ(例えば、容量センサ2200)に、バンパ2310が力2330を受けていることを示す電気信号を生成させることができる。いくつかの場合においては、容量センサからの電気信号は、力2330が垂直方向力であることを示してもよい。
【0092】
いくつかの場合において、ロボット(例えば、ロボット2300)に加わる水平方向力の方向は、可動プレートと固定プレートの相対的な滑り運動につながる容量センサ(例えば、容量センサ2200)の滑り運動を引き起こす横方向成分を含む。可動プレート(例えば、可動プレート2218)及び固定プレート(例えば、固定プレート2216)は、
図23に示した垂直方向変位2250により生じる変位と同様に、横方向成分によって容量センサの有効容量領域が変化するような変位が可能である。その結果、横方向成分の大きさが増加すると容量領域が減少し、容量が減少する。横方向成分の大きさが小さくなると容量領域が増加し、容量が増加する。滑り運動は、二つ以上の容量センサからの電気信号に同様の差を引き起こすことができるため、制御装置(例えば、制御装置705)は、力が横方向成分を含むと判断することができる。
【0093】
図1から23に関して本明細書で説明する接触センサは容量センサであってもよいが、他の実施形態では、バンパのロボット本体に対する動きに応じて電気信号を生成するその他の電気的センサを用いることができる。例えば、
図24を参照すると、バンパ(例えば、バンパ200)の裏張り2400は、誘導性センサを含むことができる。誘導性センサは、裏張り2400に取り付けられたコア2410と、ロボット本体2430に取り付けられた巻線2420を含む。コア2410及び巻線2420はインダクタを形成し、誘導性センサ2405はインダクタのインダクタンスに基づいて電気信号を生成する。バンパの膜2455に加わる力2450は裏張り2400に伝達され、裏張り2400の本体に対する動きを引き起こす。従って、コア2410は、裏張り2400が動くと巻線2420内を通過する。コア2410が巻線2420内を進むほど、インダクタのインダクタンスは増加する。従って、誘導性センサ2405からの電気信号は、コア2410の巻線2420に対する変位量に比例して変化する。いくつかの場合においては、コア2410をロボット本体2430に取り付け、巻線2410を裏張り2400に取り付けることができる。これらの場合においても、同様に、コア2410の巻線2420に対する変位量に比例して変化する。
【0094】
図25を参照すると、バンパ(例えば、バンパ200)の裏張り2500は、ロボット本体2530の穴2515を通るポスト2510に取り付けられたマグネット2505を含むことができる。マグネット2505は、ロボット本体2530に取り付けられたホール効果センサ2550から初期距離離れた位置に位置する。ホール効果センサ2550は、マグネット2505により発生する、ホール効果センサ2550の位置における磁場の強度に応じて電気信号を生成する。ある例では、バンパの膜2565に加わる力2560が裏張り2500に伝達され、裏張り2500の本体2530に対する動きを生じさせる。従って、マグネット2505とホール効果センサ2550との間の距離が裏張り2500の動きによって変化する。その結果、力2560は、ホール効果センサにより生成される電気信号を、マグネット2505のホール効果センサ2550に対する変位量に比例して変化させる。
【0095】
本明細書で説明するロボットは、少なくとも部分的に、例えば一つ以上の非一時的機械可読媒体といった一つ以上の情報媒体に明白に組み込まれた、プログラム処理装置、コンピュータ、複数のコンピュータ、及び/又はロジック部品といった一つ以上の情報処理装置で実行するための、又は一つ以上の情報処理装置の動作を制御するための一つ以上のコンピュータプログラムといった、一つ以上のコンピュータプログラム製品を用いて制御することができる。
【0096】
コンピュータプログラムは、コンパイラ言語やインタプリタ形式の言語を含む、あらゆる形式のプログラム言語で書くことができ、スタンドアローンプログラム、モジュール、コンポーネント、サブルーチン、又は演算環境での使用に適したその他の単位を含む、あらゆる形式に展開することができる。
【0097】
本明細書で説明するロボットの制御に関連する操作は、本明細書で説明する機能を実行するために、一つ以上のコンピュータプログラムを実行する一つ以上のプログラム処理装置で実行することができる。本明細書で説明するロボットの全体又は一部の制御は、例えばFPGA(field programmable gate array)及び/又はASIC(application−specific integrated circuit)といった特殊用途ロジック回路を用いて実行することができる。
【0098】
コンピュータプログラムの実行に適した処理装置は、例えば、一般及び特殊用途のマイクロプロセッサの両方、及び一つ以上のあらゆる種類のデジタルコンピュータの処理装置を含む。一般に、処理装置は、読み出し専用記憶領域又はランダムアクセス記憶領域、又はこれらの両方から指示及びデータを受け取る。コンピュータの要素は、指示を実行するための一つ以上の処理装置と、指示及びデータを保存するための一つ以上の記憶領域装置を含む。一般に、コンピュータは、例えば磁気、光磁気ディスク、又は光ディスクのような、データ保存用の集合PCBといった一つ以上の機械可読記憶媒体を含むか、データを受け取るために動作的に結合されているか、又はその両方である。コンピュータプログラム指示及びデータを使用するのに適した機械可読記憶媒体には、例えば、EPROM、EEPROM、及びフラッシュ記憶領域装置といった半導体記憶領域装置、内蔵ハードディスクやリムーバブルディスクといった磁気ディスク、光磁気ディスク、及びCD−ROMディスクやDVD−ROMディスクを含む、あらゆる形態の不揮発性記憶領域を含む。
【0099】
本明細書で説明する異なる実施形態の要素を組み合わせることで、具体的に上述していない他の実施形態を形成してもよい。発明の動作に悪影響を与えずに、要素を本明細書で説明する構造から抜き出してもよい。更に、様々な別々の要素を一つ以上の個別の要素に組み合わせることで、本明細書で説明する機能を実行するようにしてもよい。