特許第6633377号(P6633377)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ リンナイ株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6633377-食器洗浄機の水位検知装置 図000002
  • 特許6633377-食器洗浄機の水位検知装置 図000003
  • 特許6633377-食器洗浄機の水位検知装置 図000004
  • 特許6633377-食器洗浄機の水位検知装置 図000005
  • 特許6633377-食器洗浄機の水位検知装置 図000006
  • 特許6633377-食器洗浄機の水位検知装置 図000007
  • 特許6633377-食器洗浄機の水位検知装置 図000008
  • 特許6633377-食器洗浄機の水位検知装置 図000009
  • 特許6633377-食器洗浄機の水位検知装置 図000010
  • 特許6633377-食器洗浄機の水位検知装置 図000011
  • 特許6633377-食器洗浄機の水位検知装置 図000012
  • 特許6633377-食器洗浄機の水位検知装置 図000013
  • 特許6633377-食器洗浄機の水位検知装置 図000014
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6633377
(24)【登録日】2019年12月20日
(45)【発行日】2020年1月22日
(54)【発明の名称】食器洗浄機の水位検知装置
(51)【国際特許分類】
   A47L 15/42 20060101AFI20200109BHJP
【FI】
   A47L15/42 D
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-240534(P2015-240534)
(22)【出願日】2015年12月9日
(65)【公開番号】特開2017-104291(P2017-104291A)
(43)【公開日】2017年6月15日
【審査請求日】2018年8月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000115854
【氏名又は名称】リンナイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000305
【氏名又は名称】特許業務法人青莪
(72)【発明者】
【氏名】大橋 龍成
(72)【発明者】
【氏名】小川 隆
【審査官】 柿沼 善一
(56)【参考文献】
【文献】 特開平09−108163(JP,A)
【文献】 特開2000−107115(JP,A)
【文献】 特開昭56−023933(JP,A)
【文献】 特開2008−154706(JP,A)
【文献】 特開2002−172081(JP,A)
【文献】 特開平09−238887(JP,A)
【文献】 特開昭64−046429(JP,A)
【文献】 特開2000−098319(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0126634(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L 15/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
食器洗浄機の洗浄槽内の水位を検知する水位検知装置であって、洗浄槽に連通する水位検知室と、水位検知室内の水位に応じて上下動するフロートと、フロートの上下動によって水位を検知する水位検知部とを備え、水位検知部は、水位検知室の上蓋に形成した透孔に隙間を存して挿通されて上蓋の上方に突出する、フロートに連結された検知ロッドと、上蓋よりも上方位置で検知ロッドを上下方向に摺動自在に案内するガイド部と、検知ロッドが所定位置に上動したときにこれを検知する検知スイッチとで構成されるものにおいて、
ガイド部の下に、洗浄槽内で発生した泡が水位検知室を介して透孔から溢れ出てきたときに、泡がガイド部まで上昇することを抑制する邪魔板が設けられることを特徴とする食器洗浄機の水位検知装置。
【請求項2】
請求項1記載の食器洗浄機の水位検知装置であって、前記上蓋に、上方にのびる起立板が立設され、起立板の板面に直交する方向を前後方向として、起立板の前方に隣接する上蓋の部分に前記透孔が形成され、上蓋から上方に離れた起立板の部分に前記ガイド部が設けられるものにおいて、起立板の前面のガイド部の下の部分に前記邪魔板が設けられ、邪魔板は、横方向中央部に前記検知ロッドが隙間を存して挿通される切欠き部を有し、横方向両側方に向けて上方に傾斜したV字状に形成されることを特徴とする食器洗浄機の水位検知装置。
【請求項3】
請求項2記載の食器洗浄機の水位検知装置であって、前記上蓋から上方に離れた前記起立板の部分の前面に前方への張出し部が形成されて、この張出し部に前記ガイド部が設けられるものにおいて、張出し部と前記邪魔板との間の起立板の部分に、前後方向に貫通する窓部が形成されることを特徴とする食器洗浄機の水位検知装置。
【請求項4】
請求項2又は3記載の食器洗浄機の水位検知装置であって、前記起立板の前面に、前記検知ロッドが前記所定位置に上動したときに検知ロッドの上端が当接するように前記検知スイッチが設けられると共に、起立板に、前記ガイド部よりも上方位置で検知ロッドを上下方向に摺動自在に案内する第2のガイド部が設けられるものにおいて、検知ロッドの上部後方に、起立板に形成した上下方向の長孔に挿通される連結部を介して検知ロッドに連結され、検知ロッドの検知スイッチに当接する上端よりも起立板の後面側で上方にのびるスライド部が設けられ、起立板部の後面側に、スライド部を上下方向に摺動自在に案内するように第2のガイド部が設けられることを特徴とする食器洗浄機の水位検知装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食器洗浄機の洗浄槽内の水位を検知する水位検知装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の水位検知装置は、洗浄槽に連通する水位検知室と、水位検知室内の水位によって上下動するフロートと、フロートの上下動に基づいて水位を検知する水位検知部とを備えている。そして、従来、水位検知部を、水位検知室の上蓋に形成した透孔に隙間を存して挿通されて上蓋の上方に突出する、フロートに連結された検知ロッドと、上蓋よりも上方位置で検知ロッドを上下方向に摺動自在に案内するガイド部と、検知ロッドが所定位置に上動したときにこれを検知してオンする検知スイッチとで構成し、洗浄槽への給水時に、検知スイッチがオンしたところで、給水を停止するようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
尚、特許文献1に記載のものでは、水位検知室の上蓋に、上方にのびる起立板を立設し、起立板の板面に直交する方向を前後方向として、起立板の前方に隣接する上蓋の部分に透孔を形成し、上蓋から上方に離れた起立板の部分にガイド部を設けている。また、起立板の前面に、検知ロッドが所定位置に上動したときに検知ロッドの上端が当接するように検知スイッチを設けている。
【0004】
ところで、食器洗浄機では専用の洗剤が使用されるが、誤って一般台所用洗剤が使用されると、洗浄槽内で泡が多量に発生し、この泡が洗浄槽に連通している水位検知室に侵入して充満し、透孔から溢れ出た泡がガイド部にまで上昇してしまうことがある。このようにしてガイド部に泡が到達すると、その後の自然乾燥でガイド部に洗浄の汚れを含んだ泡の乾燥物が付着することになる。そして、これを繰り返すことでガイド部に乾燥物が堆積し、検知ロッドの摺動不良で水位検知の遅れを生じて、所定水位以上に給水してしまったり、更には、検知ロッドがガイド部に固着して、検知スイッチがオンしないまま給水が継続されて、水位検知室からの水漏れを生じてしまうことがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−154706号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、以上の点に鑑み、洗浄槽内で発生した泡が水位検知室を介して透孔から溢れ出ても、泡がガイド部まで上昇することを抑制できるようにした食器洗浄機の水位検知装置を提供することをその課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は、食器洗浄機の洗浄槽内の水位を検知する水位検知装置であって、洗浄槽に連通する水位検知室と、水位検知室内の水位に応じて上下動するフロートと、フロートの上下動によって水位を検知する水位検知部とを備え、水位検知部は、水位検知室の上蓋に形成した透孔に隙間を存して挿通されて上蓋の上方に突出する、フロートに連結された検知ロッドと、上蓋よりも上方位置で検知ロッドを上下方向に摺動自在に案内するガイド部と、検知ロッドが所定位置に上動したときにこれを検知する検知スイッチとで構成されるものにおいて、ガイド部の下に、洗浄槽内で発生した泡が水位検知室を介して透孔から溢れ出てきたときに、泡がガイド部まで上昇することを抑制する邪魔板が設けられることを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、泡が透孔から溢れ出ても、邪魔板によって泡がガイド部まで上昇することを抑制できる。そのため、ガイド部に泡の乾燥物が堆積して、検知ロッドの摺動不良を生じたり、ガイド部に検知ロッドが固着するような事態にはならず、水位を長期に亘り正確に検知できる。
【0009】
また、本発明において、上蓋に、上方にのびる起立板が立設され、起立板の板面に直交する方向を前後方向として、起立板の前方に隣接する上蓋の部分に透孔が形成され、上蓋から上方に離れた起立板の部分にガイド部が設けられる場合には、起立板の前面のガイド部の下の部分に邪魔板が設けられ、邪魔板は、横方向中央部に検知ロッドが隙間を存して挿通される切欠き部を有し、横方向両側方に向けて上方に傾斜したV字状に形成されることが望ましい。これによれば、透孔から上昇する泡を邪魔板の傾斜によって横方向両側方にスムーズに導くことができ、泡がガイド部まで上昇することを効果的に防止できる。
【0010】
また、このものにおいて、上蓋から上方に離れた起立板の部分の前面に前方への張出し部が形成されて、この張出し部にガイド部が設けられる場合には、張出し部と邪魔板との間の起立板の部分に、前後方向に貫通する窓部が形成されることが望ましい。これによれば、邪魔板の横方向中央部の切欠き部を通して泡が上昇しても、この泡を窓部を介して起立板の後面側に逃がすことができる。従って、切欠き部から上昇する泡が起立板の前面の張出し部に設けたガイド部に達することを抑制できる。
【0011】
また、起立板の前面に、検知ロッドが所定位置に上動したときに検知ロッドの上端が当接するように検知スイッチが設けられると共に、起立板に、ガイド部よりも上方位置で検知ロッドを上下方向に摺動自在に案内する第2のガイド部が設けられる場合には、検知ロッドの上部後方に、起立板に形成した上下方向の長孔に挿通される連結部を介して検知ロッドに連結され、検知ロッドの検知スイッチに当接する上端よりも起立板の後面側で上方にのびるスライド部が設けられることが望ましい。これによれば、起立板の後面側の検知スイッチの設置位置に重なる上下方向位置にスライド部が上昇するため、検知ロッドの長さを短くして検知スイッチの設置位置を低くしても、ガイド部とスライド部の上端との間に検知ロッドを安定支持するのに必要な所要の上下方向距離を確保できる。従って、検知ロッドの支持の安定性を損なうことなく、水位検知装置の高さ寸法を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】食器洗浄機の全体的な構造を示す模式的切断側面図。
図2】本発明の第1実施形態の水位検知装置の斜め前上方から見た斜視図。
図3】第1実施形態の水位検知装置の斜め後上方から見た斜視図。
図4】第1実施形態の水位検知装置の正面図。
図5図4のV−V線で切断した切断側面図。
図6図4のVI−VI線で切断した拡大切断平面図。
図7図4のVII−VII線で切断した拡大切断平面図。
図8】第1実施形態の水位検知装置の検知ロッドを省略した状態の斜視図。
図9】本発明の第2実施形態の水位検知装置の斜め前上方から見た斜視図。
図10】第2実施形態の水位検知装置の斜め後上方から見た斜視図。
図11】第2実施形態の水位検知装置の正面図。
図12図11のXII−XII線で切断した切断側面図。
図13図11のXIII−XIII線で切断した拡大切断平面図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は食器洗浄機を示している。この食器洗浄機は、外装ケース1と、外装ケース1内の洗浄槽2とを備えており、この洗浄槽2内に給水弁3aを介設した給水路3を介して水が供給される。洗浄槽2には、食器類Wを載置する食器カゴ2aと、食器カゴ2aに向けて洗浄水を噴射する洗浄ノズル4と、ヒータ5とが設けられている。
【0014】
また、洗浄槽2の底部には、水溜り部2bが凹設されている。そして、水溜り部2bに連通する洗浄・排水ポンプ6が設けられ、更に、水溜り部2bに連通して洗浄槽2内の水位を検知する水位検知装置7が設けられている。
【0015】
ここで、洗浄・排水ポンプ6を正転させると、洗浄水が洗浄ノズル4を介して洗浄槽2内に循環され、洗浄・排水ポンプ6を逆転させると、洗浄槽2内の洗浄水が排水路8を介して排水される。排水路8には、逆流防止のための逆U字状の立上り部8aと、エア抜き部8bと、排水トラップ部8cと、逆止弁8dとが設けられている。また、外装ケース1内には、洗浄槽2内に乾燥用の空気を送風する乾燥ファン9が設けられている。
【0016】
食器洗浄機の運転スイッチをオンすると、先ず、給水弁3aが開弁されて洗浄槽2に給水され、洗浄槽2内の水位が所定水位になってこれが水位検知装置7で検知されたときに給水弁3aが閉弁されて給水が停止され、洗浄槽2内の水に図外の洗剤供給手段から洗剤が混入されて洗浄水が生成される。そして、給水停止後、ヒータ5に通電すると共に洗浄・排水ポンプ6を正転させて、洗浄水を加熱しつつ洗浄ノズル4から噴射させ、所定時間の洗浄運転を行う。洗浄運転完了後は、洗浄・排水ポンプ6を逆転させて洗浄槽2内の洗浄水を排水し、次に、洗浄槽2に所定水位になるまで給水した後、洗浄・排水ポンプ6を正転させて洗浄ノズル4から水を噴射させ、所定時間のすすぎ運転を行う。すすぎ運転完了後は、洗浄・排水ポンプ6を逆転させて洗浄槽2内の水を排水し、次に、ヒータ5に通電すると共に乾燥ファン9を駆動させて、所定時間の乾燥運転を行う。
【0017】
次に、上記食器洗浄機に適用される本発明の第1実施形態の水位検知装置7について図2図8を参照して詳述する。この水位検知装置7は、底部の連通口71aを介して洗浄槽2に連通する水位検知室71と、水位検知室71内の水位に応じて上下動するフロート72と、フロート72の上下動によって水位を検知する水位検知部73とを備える。水位検知部73は、水位検知室71の上蓋74に形成した透孔741に隙間を存して挿通されて上蓋74の上方に突出する、フロート72に連結された検知ロッド75と、上蓋74よりも上方位置で検知ロッド75を上下方向に摺動自在に案内するガイド部76と、水位検知室71内の水位が所定水位になって、検知ロッド75が所定位置に上動したときにこれを検知する検知スイッチ77とで構成されている。
【0018】
上蓋74には、上方にのびる起立板742が立設されている。そして、起立板742の板面に直交する方向を前後方向として、起立板742の前方に隣接する上蓋74の部分に透孔741を形成している。また、上蓋74から上方に離れた起立板742の部分の前面に前方への張出し部743を設けて、この張出し部743にガイド部76を設けている。ガイド部76は、図6図8に示す如く、検知ロッド75に設けた断面十字状の部分の前後方向に突出する板部75aを横方向両側から摺動自在に挟む挟持部76a,76aと、検知ロッド75の断面十字状の部分の横方向に突出する板部75bを前後両側から摺動自在に挟む挟持部76b,76bとを有している。
【0019】
起立板742の上部前面には、リードスイッチから成る検知スイッチ77が設けられ、また、検知ロッド75の上部には、マグネット751が組み込まれている。そして、洗浄槽2内の水位、即ち、水位検知室71内の水位が所定水位になって、検知ロッド75が所定位置に上動したときに、検知ロッド75の上端が検知スイッチ77に当接して、マグネット751の磁力により検知スイッチ77がオンするようにしている。
【0020】
また、検知ロッド75の上部後方に、起立板742に形成した上下方向の長孔744に挿通される連結部752を介して検知ロッド75に連結され、起立板742の後面に摺接するスライド部753を設けている。更に、起立板742の後面には、ガイド部76よりも上方位置でスライド部753を横方向両側から上下方向に摺動自在に挟む挟持部78a,78aを有する第2のガイド部78を設けている。そして、ガイド部76と第2のガイド部78とにより検知ロッド75を上下2箇所で安定に支持できるようにしている。
【0021】
また、上蓋74には、透孔741から前方にのびるスリット741aが形成され、起立板742の上部の検知スイッチ77の取付け箇所に重なる部分には、長孔744の上端に連続する、スライド部753より大きな孔744aが形成されている。そして、組立時に、検知ロッド75の下部をスリット741aを通して透孔741内に位置させると共に、スライド部753を孔744aを通して起立板742の後側に位置させるようにしている。また、起立板742の下端部には、成形上の理由から、透孔741に連続する前後方向の貫通孔741bが形成されている。
【0022】
ところで、一般台所用洗剤を使用して洗浄槽2内で多量の泡が発生した場合、泡が水位検知室71に充満し、透孔741から溢れ出た泡がガイド部76まで上昇してしまうことがある。そして、ガイド部76に泡の乾燥物が堆積すると、検知ロッド75の摺動不良で水位検知の遅れを生じて、所定水位以上に給水してしまったり、更には、検知ロッド75がガイド部76に固着して、検知スイッチ77がオンしないまま給水が継続され、水位検知室71からの水漏れを生じてしまうことがある。
【0023】
そこで、本実施形態では、起立板742の前面のガイド部76の下の部分に、泡がガイド部76まで上昇することを抑制する邪魔板79を設けている。邪魔板79は、横方向中央部に検知ロッド75が隙間を存して挿通される切欠き部79aを有し、横方向両側方に向けて上方に傾斜したV字状に形成されている。これによれば、透孔741を介して泡が上昇しても、泡は邪魔板79の傾斜によって横方向両側方にスムーズに導かれ、泡がガイド部76まで上昇することを効果的に防止できる。その結果、ガイド部76に泡の乾燥物が堆積して、検知ロッド75の摺動不良を生じたり、ガイド部76に検知ロッド75が固着するような事態にはならず、水位を長期に亘り正確に検知できる。
【0024】
更に、本実施形態では、張出し部743と邪魔板79との間の起立板742の部分に、前後方向に貫通する窓部745を形成している。これによれば、邪魔板79の切欠き部79aを通して一部の泡が上昇しても、この泡を窓部745を介して起立板742の後面側に逃がすことができる。従って、切欠き部79aから上昇する泡が起立板742の前面の張出し部743に設けたガイド部76に達することを抑制できる。
【0025】
また、本実施形態では、起立板742の窓部745と下端の貫通孔741bとの間の後面部分に、菱形の第2の邪魔板79´を突設している。そのため、透孔741から貫通孔741bを介して起立板742の後側に流れた泡の上昇が第2の邪魔板79´により抑制され、また、窓部745を介して起立板742の後側に流れた泡は第2の邪魔板79´の上面に沿って両側方に流下する。
【0026】
次に、図9乃至図13に示す第2実施形態の水位検知装置7について説明する。第2実施形態の水位検知装置7の基本的な構造は上記第1実施形態のものと特に異ならず、第1実施形態と同様の部材、部位に上記と同様の符号を付している。
【0027】
第2実施形態の水位検知装置7の上記第1実施形態のものとの主たる相違点は、検知ロッド75の上部後方に設けるスライド部753の位置である。即ち、第1実施形態のものでは、スライド部753の上端が検知ロッド75の検知スイッチ77に当接する上端と同等高さであるが、第2実施形態では、スライド部753が検知ロッド75の検知スイッチ77に当接する上端よりも上方にのびている。スライド部753の横方向両側面には上下方向の溝753aが形成されている。そして、起立板742の後面に、スライド部753を横方向両側から挟む一対のガイド板部781,781を突設する共に、各ガイド板部781の内側面にスライド部753の各側面の溝753aに摺動自在に係合するレール部782を設けて第2のガイド部78を構成している。
【0028】
ここで、検知ロッド75が上動したときに、検知ロッド75が傾くことなく安定に支持されるようにするには、ガイド部76とスライド部753の上端との間に所要の上下方向距離を確保する必要がある。第1実施形態の如くスライド部753の上端が検知ロッド75の検知スイッチ77に当接する上端と同等高さである場合には、ガイド部76とスライド部753の上端との間にこのような所要の上下方向距離を確保すると、検知ロッド75の長さが長くなって、検知スイッチ77の設置位置が高くなってしまい、水位検知装置7の高さ寸法が大きくなってしまう。
【0029】
これに対し、第2実施形態では、水位検知装置7の高さ寸法を短縮するために、検知ロッド75の長さを短くして検知スイッチ77の設置位置を低くしても、起立板742の後面側の検知スイッチ77の設置位置に重なる上下方向位置にスライド部753が上昇するため、ガイド部76とスライド部753の上端との間に検知ロッド75を安定支持するのに必要な所要の上下方向距離を確保できる。従って、検知ロッド75の支持の安定性を損なうことなく、水位検知装置7の高さ寸法を短縮することができる。
【0030】
尚、第1実施形態の変形例として、検知ロッド75に、スライド部753よりも下方位置で横方向一方にのびるアーム部を設けて、アーム部の先端部上面にマグネットを取付けると共に、検知ロッド75が所定位置に上動したときにマグネットが当接するように検知スイッチ77を横方向一方にずらして設置し、或いは、検知ロッド75の上端部から検知スイッチ77の横幅から外れた位置まで横方向一方にのびるアーム部を設けて、アーム部の先端から立上るようにスライド部753を設けることも可能である。これら変形例のものでも、検知スイッチ77の設置位置に重なる上下方向位置にスライド部753が上昇するため、水位検知装置7の高さ寸法を短縮することができる。但し、このものでは、水位検知装置7の上部に、スライド部753と検知スイッチ77とを横方向に並べるのに必要なスペースを確保する必要があって、上部の横方向寸法が大きくなるため、水位検知装置7の小型化のためには第2実施形態のものが有利である。
【0031】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【符号の説明】
【0032】
2…洗浄槽、7…水位検知装置、71…水位検知室、72…フロート、73…水位検知部、74…上蓋、741…透孔、742…起立板、743…張出し部、744…長孔、745…窓部、75…検知ロッド、752…連結部、753…スライド部、76…ガイド部、77…検知スイッチ、78…第2のガイド部、79…邪魔板、79a…切欠き部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13