特許第6633384号(P6633384)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6633384
(24)【登録日】2019年12月20日
(45)【発行日】2020年1月22日
(54)【発明の名称】砂撒き器
(51)【国際特許分類】
   B61K 3/00 20060101AFI20200109BHJP
【FI】
   B61K3/00
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-246959(P2015-246959)
(22)【出願日】2015年12月18日
(65)【公開番号】特開2017-109668(P2017-109668A)
(43)【公開日】2017年6月22日
【審査請求日】2018年10月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000221616
【氏名又は名称】東日本旅客鉄道株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】特許業務法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】花村 寿彦
(72)【発明者】
【氏名】青木 美和
【審査官】 長谷井 雅昭
(56)【参考文献】
【文献】 実開平06−001383(JP,U)
【文献】 特開2015−212114(JP,A)
【文献】 実開昭58−142079(JP,U)
【文献】 実開昭63−160879(JP,U)
【文献】 特開2013−172733(JP,A)
【文献】 特開2015−136355(JP,A)
【文献】 特開2011−019475(JP,A)
【文献】 特開2003−194300(JP,A)
【文献】 特開2002−220052(JP,A)
【文献】 特開平05−316611(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B61K 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
保線作業者が手で押しながら移動させることでレールの踏面に砂を捲く砂撒き器において、
所定量の砂を充填可能であって充填された砂を重力により下端開口部から排出させる容器と、
保線作業者が手で把持可能な把持部及び前記容器を保持する容器保持部を有する本体部と、
前記本体部の下端部に設けられレールの長手方向に沿って移動可能にレールの踏面に載置される走行部と、
前記走行部の両側に設けられレールの側面に接触して前記走行部がレールの踏面から外れないように維持するガイド部と、
前記容器の開口部に設けられ前記容器から排出される砂の量を調整してレールの踏面に落下させる落下量調整部と、
を備え、前記落下量調整部は走行状態で前記走行部の前方に位置し、当該落下量調整部より排出された砂が直接レールの踏面に落下するように構成されていることを特徴とする砂撒き器。
【請求項2】
前記ガイド部は前記本体部の下端部に固定された一対の金属板で構成され、前記走行部は前記一対の金属板間に回転可能に設けられたゴムローラからなる車輪を備えることを特徴とする請求項1記載の砂撒き器。
【請求項3】
前記落下量調整部は、
第1の開口部が形成され固定された固定部材と、
前記第1の開口部を回動可能に覆うと共に第2の開口部が形成された回動部材とを備え、
前記回動部材を回動させることにより前記第1及び第2の開口部が重なって形成される開口の大きさを調整することを特徴とする請求項1又は2に記載の砂撒き器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、列車の車輪の空転に対応するためレールの踏面に砂を捲く砂撒き器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、列車の車輪(駆動輪)とレールの踏面との間に雨などの水分や雪が入り込んだ場合、車輪とレールの踏面との間の摩擦係数(以下、単に摩擦係数と呼ぶ。)が大幅に低下して車輪の空転(スリップ)が生じてしまう。このため、レールの踏面に砂を撒いて当該摩擦係数を増加させることにより、空転の発生を防止する。
【0003】
また、機関車等の車両によっては、駆動輪の近傍に砂撒き装置を搭載し、必要に応じて砂をレールの踏面に撒くことにより、摩擦係数を維持して走行する電気車の再粘着制御装置や、レールの踏面に均等に砂を撒く振動式砂撒き装置等が開示されている(例えば、特許文献1及び2参照)。
【0004】
但し、全ての車両に砂撒き装置が装備されている訳ではないので、現実には、保線作業員が、空転の発生した、あるいは、空転の発生が予測される区間まで砂を運び、当該区間のレールの踏面に砂を撒いて、空転の発生を防止することになる。
【0005】
より具体的には、保線作業員が砂を充填した容器を現場まで運び、当該容器を保持すると共に容器の開口部から砂をレールの踏面に少しずつ落としながら、レールに沿って移動することにより、レールの踏面に砂を撒くことになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平05−316611号公報
【特許文献2】特開2002−220052号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、このような保線作業員の手作業による砂撒き作業では、長い距離に砂を撒くには多くの時間を費やしてしまう。また、確実にレールの踏面に砂を落とすためには、レールを直視せざるを得ず、保線作業員の目線がレール上に向いて視野が狭くなるため、列車の接近に気が付くのが遅延してしまい安全上問題である。また、何よりも、保線作業員が中腰等の無理な姿勢になるので保線作業員の身体に大きな負担がかかってしまうといった問題点があった。
【0008】
本発明の課題は、保線作業員が無理な姿勢になることなく、確実にレールの踏面に砂を撒くことができる砂撒き器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を達成するため、この発明は、
保線作業者が手で押しながら移動させることでレールの踏面に砂を捲く砂撒き器において、
所定量の砂を充填可能であって充填された砂を重力により下端開口部から排出させる容器と、
保線作業者が手で把持可能な把持部及び前記容器を保持する容器保持部を有する本体部と、
前記本体部の下端部に設けられレールの長手方向に沿って移動可能にレールの踏面に載置される走行部と、
前記走行部の両側に設けられレールの側面に接触して前記走行部がレールの踏面から外れないように維持するガイド部と、
前記容器の開口部に設けられ前記容器から排出される砂の量を調整してレールの踏面に落下させる落下量調整部と、
を備え、前記落下量調整部は走行状態で前記走行部の前方に位置し、当該落下量調整部より排出された砂が直接レールの踏面に落下するように構成したものである。
【0010】
保線作業者が、本体部の把持部を把持し、ガイド部によりレールの踏面に維持された走行部をレールの長手方向に沿って移動させることにより、落下量調整部から適量の砂がレールの踏面に撒かれるので、レールを直視することなく、保線作業員が無理な姿勢になることなく、確実にレールの踏面に砂を撒くことができる。
【0011】
また、望ましくは、前記ガイド部は前記本体部の下端部に固定された一対の金属板で構成され、前記走行部は前記一対の金属板間に回転可能に設けられたゴムローラからなる車輪を備える構成にしたものである
【0012】
また、望ましくは、前記落下量調整部は、第1の開口部が形成され固定された固定部材と、前記第1の開口部を回動可能に覆うと共に第2の開口部が形成された回動部材とを備え、前記回動部材を回動させることにより前記第1及び第2の開口部が重なって形成される開口の大きさを調整するようにしたものである。
回動部材の回動量によってレールの踏面に撒かれる砂の量を調整できるので、適量の砂を確実にレールの踏面に砂を撒くことができる。また、砂撒き作業現場に移動中は、回動部材により第1の開口部と第2の開口部を確実にずらすことにより、レールの踏面に砂が一切撒かれないので、不要な砂の消費を抑えることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、所定量の砂を充填可能であって充填された砂を重力により下端開口部から排出させる容器と、保線作業者が手で把持可能な把持部及び容器を保持する容器保持部を有する本体部と、本体部の下端部に設けられレールの長手方向に沿って移動可能にレールの踏面に載置される走行部と、走行部の両側に設けられレールの側面に接触して走行部がレールの踏面から外れないように維持するガイド部と、容器の開口部に設けられ容器から排出される砂の量を調整してレールの踏面に落下させる落下量調整部とを備えることにより、保線作業者が、本体部の把持部を把持し、ガイド部によりレールの踏面に維持された走行部をレールの長手方向に沿って移動させるだけで、落下量調整部から適量の砂がレールの踏面に撒かれるので、レールを直視することなく、保線作業員が無理な姿勢になることなく、確実にレールの踏面に砂を撒くことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本実施の形態に係る砂撒き器の構成の一例を示す正面図、平面図及び側面図である。
図2】落下量調整部の一例を示す正面図及び断面図である。
図3】落下量調整部に形成される開口の一例を示す説明図である。
図4】砂撒き器の使用状態の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(実施形態)
[1.構成の説明]
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態である砂撒き器を詳細に説明する。但し、発明の範囲は、図示例に限定されない。
【0016】
[1−1.砂撒き器の構成の説明]
本発明の実施形態の砂撒き器の構成について図1を参照して説明する。図1(a)は、砂撒き器100の構成の一例を示す正面図、図1(b)は砂撒き器100の構成の一例を示す平面図及び図1(c)は砂撒き器100の構成の一例を示す側面図である。
【0017】
図1に示すように、砂撒き器100は、レールの踏み面に撒かれる砂が充填された容器1と、レールの長手方向に沿って移動可能にレールの踏面に載置される走行部2と、レールの側面に接触して走行部2がレールの踏面から外れないように維持するガイド部3と、容器1の開口部に設けられ容器1から排出される砂の量を調整してレールの踏面に落下させる落下量調整部4と、レールの長手方向に沿って移動させる際に保線作業者が把持する把持部HD11を有する本体部5と、容器1を着脱可能に保持する容器保持部6と、を有する構成である。
【0018】
砂撒き器100は、本体部5の中央部と先端部に容器保持部6を備え、当該容器保持部6に容器1が装着される。また、容器保持部6は、容器1の装着時に、落下量調整部4に容器1の開口部が当接するように容器1を保持する。また、本体部5の先端部には走行部2が設けられ、走行部2の両側にはガイド部3が設けられる。
【0019】
容器1は、空転に対応するためレールの踏面に撒くための所定量の砂が充填されると共に開口部を有し、当該開口部から充填された砂を重力により排出させる。例えば、容器1は、砂撒き器100専用の容器であってもよいし、市販のペットボトル等の代用品であってもよい。
【0020】
走行部2は、レールの踏面に載置されてレールの長手方向に沿って移動可能にするものである。例えば、レールの長手方向に沿って載置される一対のゴムローラ等の車輪WH11から構成され、保線作業員が把持可能な本体部5の把持部HD11を把持してレールの長手方向に沿って力を加えることにより、走行部2の車輪WH11がレールの踏面上を回転して進んで、砂撒き器100をレールの長手方向に沿って移動させる。
【0021】
ガイド部3は、走行部2がレールの踏面から逸脱しないように、走行部2の外側の左右に、レールの踏面の幅よりも若干広い幅に平行に固定された2枚のアルミニウム等の金属製の板部材から構成される。例えば、レールの踏面の幅よりも若干広い幅に固定された2枚の板部材から構成された場合、走行部2が進行方向右側に逸脱しそうになった場合には、左側のガイド部材3がレールの側面に接触して、それ以上進行方向右側にずれることを防ぎ、走行部2がレールの踏面から逸脱することを防ぐことができる。
【0022】
落下量調整部4は、容器1の開口部から排出される砂の量を調整してレールの踏面に落下させる。例えば、レールの踏面に撒く砂の量が少なくても、砂の量が多くても空転に適切に対応することができないので、落下量調整部4は、レールの踏面に撒く砂の量を適切になるように調整する。
【0023】
具体的には、図2(a)の正面図に示すような第1の開口部AP21を有する固定部材41と、図2(b)の正面図に示すような第2の開口部AP22を有するキャップ状の回動部材42とから構成され、図2(c)の正面図及び図2(d)の断面図に示すように、第1の開口部AP21と、第2の開口部AP22とが重なる位置で、回動部材42が回動可能に支持部材43によって固定部材41に支持される。
【0024】
図2(c)及び(d)に示すように構成された落下量調整部4において、回動部材42を回動させることで、第1の開口部AP21と、第2の開口部AP22とが重なる量が変化して、結果として、落下量調整部4に形成される開口の大きさが変わる。
【0025】
より具体的には、例えば、回動部材42を回動させて、図3(a)の状態にした場合には、第1の開口部AP21と、第2の開口部AP22とが一切重ならないので、開口が形成されない。すなわち、図3(a)の状態では、落下量調整部4からはレールの踏面に砂が一切落下しない。
【0026】
また、例えば、回動部材42を回動させて、図3(b)の状態にした場合には、第1の開口部AP21と、第2の開口部AP22とが若干重なるので、小さめの開口AP31が形成される。すなわち、図3(b)の状態では、落下量調整部4からはレールの踏面に少量の砂が落下することになる。
【0027】
また、例えば、回動部材42を回動させて、図3(c)の状態にした場合には、第1の開口部AP21と、第2の開口部AP22とが完全に重なるので、最大の開口AP32が形成される。すなわち、図3(c)の状態では、落下量調整部4からはレールの踏面に多量(最大量)の砂が落下することになる。
【0028】
このように、落下量調整部4の回動部材42を適宜回動させることにより、レールの踏面に落下する砂の量を調整することができる。
【0029】
本体部5は、砂撒き器100の全体を支持すると共に、レールの長手方向に沿って移動させる際に保線作業者が把持する。例えば、十分な強度を保つためアルミニウム等の金属製のパイプから構成され、また、図1に示すように、保線作業者の取り扱いが容易になるように、本体部5の一端には把持部HD11が設けられている。
【0030】
容器保持部6は、容器1を着脱可能に保持する。例えば、樹脂やアルミニウム等の金属の板部材により構成され、本体部5の中央部と先端部に設けられた方形且つリング状の2つの第1の部材HL11と、装着時に、容器1の開口部が落下量調整部4に当接するように支持する支持ロッドとしての第2の部材HL12とから構成される。
【0031】
このような容器保持部6の第2の部材HL12により、容器1の開口部が落下量調整部4のキャップ状の回動部材42に当接、より具体的には、容器1の開口部の先端が回動部材42のキャップの内壁に内接することにより、容器1の開口部から直接砂が排出されることを防止できると共に、落下量調整部4の機能を有効に作用させることができる。
【0032】
[2.砂撒き作業時の説明]
砂撒き器100により砂撒き作業を行う場合、保線作業員は、落下量調整部4の回動部材42を適宜回動させて容器1に充填され砂がレールの踏面に適量落下する状態にした上で、図4に示すように、砂撒き器100の走行部2をレールRL41の踏面に載置して、本体部5の把持部HD11を矢印PS41に示す方向に押し出す。
【0033】
この時、本体部5の把持部HD11に加わった力によって、走行部2の車輪WH11がレールの踏面上を回転して進むので、砂撒き器100は、矢印MV41に示す方向にレールRL41の踏面上を移動する。
【0034】
また、走行部2がレールRL41の踏面上を移動する際に、走行部2がレールRL41の踏面から逸脱しそうになると、左右に設けられたガイド部3のどちらか一方がレールRL41の側面に接触して、走行部2がレールRL41の踏面から外れないように維持する。
【0035】
そして、同時に落下量調整部4に形成された開口からは適量の砂SD41がレールRL41の踏面に落下しているので、砂撒き器100のレールRL41の長手方向の移動に伴って、レールRL41の踏面上には砂SD41が一様に撒かれることになる。
【0036】
すなわち、保線作業員が本体部5の把持部HD11を矢印PS41に示す方向に押し出すだけでよいので、保線作業員の手作業による砂撒き作業と比較して、長い距離であっても容易にレールRL41の踏面に砂SD41を撒くことができる。
【0037】
具体的には、容器1として容量が2リットルの容器を用いて、砂を満タンに充填した場合には、約1000mのレールの踏面上に砂を撒くことができる。
【0038】
また、ガイド部3により走行部2がレールRL41の踏面から逸脱することを防止できるので、レールRL41を直視する必要はなく、保線作業員の視野も確保できて、列車の接近にも対応可能になる。
【0039】
さらに、保線作業員が本体部5の把持部HD11を矢印PS41に示す方向に押し出すだけでよいので、保線作業員が中腰等の無理な姿勢になることなく、確実にレールの踏面に砂を撒くことができる。
【0040】
以上のように、所定量の砂を充填可能であって充填された砂を重力により下端開口部から排出させる容器1と、作業者が手で把持可能な把持部HD11及び容器を保持する容器保持部6を有する本体部5と、本体部5の下端部に設けられレールの長手方向に沿って移動可能にレールの踏面に載置される走行部2と、走行部2の両側に設けられレールの側面に接触して走行部2がレールの踏面から外れないように維持するガイド部3と、容器1の開口部に設けられ容器から排出される砂の量を調整してレールの踏面に落下させる落下量調整部4とを備えることにより、保線作業者が、本体部5の把持部HD11を把持し、ガイド部3によりレールの踏面に維持された走行部2をレールの長手方向に沿って移動させるだけで、落下量調整部4から適量の砂がレールの踏面に撒かれるので、レールを直視することなく、保線作業員が無理な姿勢になることなく、確実にレールの踏面に砂を撒くことができる。
【0041】
なお、実施形態の説明に際しては、容器1が容器保持部6に装着された状態で説明しているが、砂を充填させた複数の容器1を別途搬送し、砂撒き作業現場で砂撒き器100の容器保持部6に容器1を装着させてから砂撒き作業を行ってもよい。
この場合、砂撒き器100の重量が軽くなり、砂撒き器100の砂撒き作業現場までの搬送が容易になる。また、砂撒き作業中に容器1の砂がなくなった場合に、容易に他の容器1に交換して砂撒き作業を続行することができるので、作業効率が向上する。
【0042】
また、砂を充填させた容器1を容器保持6に装着した状態の砂撒き器100を砂撒き作業現場まで搬送する場合、落下量調整部4の回動部材42の回動量を調整して、第1の開口部AP21と第2の開口部AP22を確実にずらして、落下量調整部4に開口を形成させないことにより、レールの踏面に砂が一切撒かれないので、不要な砂の消費を抑えることができる。
【0043】
また、勿論、容器1を着脱可能に保持する容器保持部6を備えることなく、容器1を本体部5に直接固定するものであってもよい。このような構成において、砂を容器1に充填する場合には、容器1の開口部から砂を充填してもよいし、作業効率を向上させるために容器1の開口部とは反対側に砂を充填するための充填口を設けてもよい。
【0044】
また、実施形態の説明に際しては、走行部2は一対の車輪WH11から構成されているが、勿論、車輪WH11の数は、レールの踏面の幅に応じて1から任意の数であってよい。また、車輪WH11の素材としては、弾性体(ゴムローラ)に限定されるものではなく、車輪WH11としての機能を実現できる金属、樹脂等の素材であればよい。
【0045】
また、実施形態の説明に際しては、ガイド部3はレールの踏面の幅よりも若干広い幅に固定された2枚のアルミニウム等の金属製の板部材から構成されているが、このようなガイド部3がレールの側面と当接すると摩擦音が発生するため、ガイド部3であってレールの側面と当接する面に、摩擦音の発生を抑えるために樹脂や弾性体等の緩衝部材を設けてもよい。
【0046】
また、実施形態の説明に際しては、図4に示すように、レールRL41の踏面上であって、保線作業員が、矢印MV41に示す方向に、砂撒き器100を押しながら移動させているが、勿論、保線作業員が、砂撒き器100を、矢印MV41に示す方向とは反対方向に引っ張りながら移動させてもよい。
【符号の説明】
【0047】
1 容器
2 走行部
3 ガイド部
4 落下量調整部
41 固定部材
42 回動部材
43 支持部材
5 本体部
6 容器保持部
100 砂撒き器
HD11 把持部
図1
図2
図3
図4