(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
音および光の少なくとも一方を発生し当該音および当該光の少なくとも一方が就寝者に到達する位置に設置された機器と接続され、前記機器を制御する制御装置の制御方法であって、
前記就寝者の生体情報に基づき算出された前記就寝者の睡眠状態を表す睡眠状態情報を参照する睡眠状態参照ステップと、
前記睡眠状態情報に基づき、前記機器が発生する音および光の少なくとも一方の発生量について、前記就寝者の睡眠が維持可能で、かつ非就寝者による前記機器の利用が継続可能な第1値を決定する決定ステップと、
前記発生量の上限値を前記第1値に設定する指示情報を前記機器に送信する送信ステップと、
を含む制御方法。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(本発明の基礎となった知見)
ヒトの睡眠の研究がなされるなかで、就寝前及び就寝中における温熱、音、光環境の睡眠に与える影響が明らかになり、睡眠に適した空気調和機の制御や、照明機器の制御等が検討されている。
【0013】
一方、複数人の家族が暮らす家を考慮した場合、各々の生活リズムが異なり、全員が同時に就寝、起床するのは稀である。したがって、非就寝者の生活雑音が、就寝者の睡眠を妨害することがある。このため、非就寝者は就寝者を気遣い、なるべく生活雑音を発生させないように行動しようとする。しかし、就寝者の状態を判断することは難しく、必要以上に行動を制限することもある。そのため、就寝者の状態を簡易に知り、かつ、なるだけ自由に行動したいといったニーズがある。上記特許文献1では、これらのニーズを満たすための技術的な解決策に関して、十分に検討はされていなかった。
【0014】
以上の考察により、本発明者は、以下のように本開示にかかる各態様の発明を想到するに至った。
【0015】
本開示の第1態様は、
音および光の少なくとも一方を発生し当該音および当該光の少なくとも一方が就寝者に到達する位置に設置された機器と接続され、前記機器を制御する制御装置の制御方法であって、
前記就寝者の生体情報に基づき算出された前記就寝者の睡眠状態を表す睡眠状態情報を参照する睡眠状態参照ステップと、
前記睡眠状態情報に基づき、前記機器が発生する音および光の少なくとも一方の発生量について、前記就寝者の睡眠が維持可能で、かつ非就寝者による前記機器の利用が継続可能な第1値を決定する決定ステップと、
前記発生量の上限値を前記第1値に設定する指示情報を前記機器に送信する送信ステップと、
を含むものである。
【0016】
本態様によれば、機器が発生する音および光の少なくとも一方の発生量の上限値が、就寝者の睡眠が維持可能で、かつ非就寝者による機器の利用が継続可能な第1値に設定される。したがって、非就寝者は、就寝者の睡眠状態を気にすることなく、機器を利用することができる。また、就寝者の睡眠が阻害されないようにすることができる。
【0017】
上記第1態様において、例えば、
前記就寝者の生体情報は、生体センサにより取得されたものであってもよい。
【0018】
上記第1態様において、例えば、
前記生体センサは、前記就寝者が利用する寝具に設置された振動センサを含んでもよい。
【0019】
上記第1態様において、例えば、
前記生体センサは、前記就寝者が利用する寝具の内部または周囲に設置された電波センサを含んでもよい。
【0020】
上記第1態様において、例えば、
前記生体センサは、前記就寝者に装着されていてもよい。
【0021】
上記第1態様において、例えば、
前記機器が設置された部屋と、前記機器が設置された部屋の周囲の部屋との間の防音性能を表す防音性能情報を参照する防音性能参照ステップをさらに含んでもよい。
【0022】
前記機器は、少なくとも音を発生し、
前記発生量は、音量を含んでもよい。
【0023】
前記決定ステップは、前記睡眠状態情報と前記防音性能情報とに基づき、前記機器が発生する音の音量について、前記第1値を決定してもよい。
【0024】
本態様によれば、睡眠状態情報と防音性能情報とに基づき、機器が発生する音の音量について、第1値が決定される。このため、音量の上限値を設定する第1値として、機器が設置された部屋との間の防音性能に応じた値に決定することができる。
【0025】
上記第1態様において、例えば、
前記就寝者の睡眠状態の履歴を睡眠状態ログに記録する睡眠記録ステップと、
前記機器の動作状態の履歴を機器操作ログに記録する動作記録ステップと、
前記睡眠状態ログと前記機器操作ログとを参照するログ参照ステップと、
前記睡眠状態ログおよび前記機器操作ログに基づき、前記音量の変化と前記睡眠状態の変化との間に相関関係があるか否かを判定する判定ステップと、
前記相関関係があると前記判定ステップにより判定されると、前記防音性能情報を補正する補正ステップと、
をさらに含んでもよい。
【0026】
音量の変化と睡眠状態の変化との間に相関関係があるということは、睡眠状態が音量の変化の影響を受けたということを意味する。本態様によれば、相関関係があると判定されると、防音性能情報が補正される。したがって、睡眠状態が音量の変化の影響を受け難くすることが可能になる。
【0027】
上記第1態様において、例えば、
前記就寝者の睡眠状態の履歴を睡眠状態ログに記録する睡眠記録ステップと、
前記機器の動作状態の履歴を機器操作ログに記録する動作記録ステップと、
前記睡眠状態ログと前記機器操作ログとを参照するログ参照ステップと、
前記睡眠状態ログおよび前記機器操作ログに基づき、前記発生量の変化と前記睡眠状態の変化との間に相関関係があるか否かを判定する判定ステップと、
前記相関関係があると前記判定ステップにより判定されると、前記第1値を補正する補正ステップと、
をさらに含んでもよい。
【0028】
発生量の変化と睡眠状態の変化との間に相関関係があるということは、睡眠状態が発生量の変化の影響を受けたということを意味する。本態様によれば、相関関係があると判定されると、第1値が補正される。したがって、睡眠状態が発生量の変化の影響を受け難くすることが可能になる。
【0029】
本開示の第2態様は、
音および光の少なくとも一方を発生し当該音および当該光の少なくとも一方が就寝者に到達する位置に設置された機器を制御する制御方法であって、
前記機器が発生する音および光の少なくとも一方の発生量の上限値を第1値に設定する指示情報を、前記機器と接続された制御装置から受信する受信ステップと、
前記指示情報に基づき前記発生量の上限値を前記第1値に設定する設定ステップと、を含み、
前記第1値は、前記就寝者の生体情報に基づき算出された前記就寝者の睡眠状態を表す睡眠状態情報に基づき、前記就寝者の睡眠が維持可能で、かつ非就寝者による前記機器の利用が継続可能な値として決定されたものである。
【0030】
本態様によれば、機器が発生する音および光の少なくとも一方の発生量の上限値が、就寝者の睡眠が維持可能で、かつ非就寝者による機器の利用が継続可能な第1値に設定される。したがって、非就寝者は、就寝者の睡眠状態を気にすることなく、機器を利用することができる。また、就寝者の睡眠が阻害されないようにすることができる。
【0031】
上記第2態様において、例えば、
前記設定ステップにより前記発生量の前記上限値が前記第1値に設定された時に、前記発生量が前記第1値を超えているか否かを判定する判定ステップと、
前記発生量が前記第1値を超えていると前記判定ステップにより判定されると、前記発生量を前記第1値に変更する変更ステップと、
をさらに含んでもよい。
【0032】
本態様によれば、音および光の少なくとも一方の発生量の上限値が第1値に設定された時に、発生量が第1値を超えていると判定されると、発生量が第1値に変更される。したがって、就寝者の睡眠が阻害されないようにすることができる。
【0033】
上記第2態様において、例えば、
前記変更ステップは、前記発生量を所定の値以下の変化率により減少させて前記第1値に変更してもよい。
【0034】
本態様によれば、音および光の少なくとも一方の発生量は、所定の値以下の変化率により緩やかに減少して第1値に変更される。したがって、就寝者の睡眠が阻害されないようにすることができる。
【0035】
上記第2態様において、例えば、
前記発生量の変更指示を受け付けると、前記第1値以下の範囲内で前記発生量を所定の値以下の変化率で変更する変更ステップをさらに含んでもよい。
【0036】
本態様によれば、発生量の変更指示が受け付けられると、第1値以下の範囲内で発生量が所定の値以下の変化率で緩やかに変更される。したがって、就寝者の睡眠が阻害されないようにすることができる。
【0037】
上記第2態様において、例えば、
前記機器は、映像と音声とを含むコンテンツを字幕付きで再生可能であってもよい。
【0038】
前記コンテンツの再生中に、前記発生量が前記第1値を超えていると前記判定ステップにより判定されると、前記コンテンツを字幕付きで再生する再生ステップをさらに含んでもよい。
【0039】
本態様によれば、音および光の少なくとも一方の発生量が第1値を超えていると判定されると、発生量が第1値に変更され、コンテンツの再生中であれば、コンテンツが字幕付きで再生される。したがって、音量が第1値まで低下した場合でも、字幕で音声を補助することができる。
【0040】
上記第2態様において、例えば、
前記設定ステップにより前記発生量の前記上限値が前記第1値に設定された時に、前記発生量が前記第1値を超えているか否かを判定する判定ステップと、
前記発生量が前記第1値を超えていると前記判定ステップにより判定されると、前記発生量を緩やかに減少させることを促す旨の情報を表示する表示ステップと、
をさらに含んでもよい。
【0041】
本態様によれば、音および光の少なくとも一方の発生量の上限値が第1値に設定された時に、発生量が第1値を超えていると判定されると、発生量を緩やかに減少させることを促す旨の情報が表示される。したがって、ユーザが、機器を操作して発生量を緩やかに減少させることにより、就寝者の睡眠が阻害されないようにすることができる。
【0042】
本開示の第3態様は、
音および光の少なくとも一方を発生し当該音および当該光の少なくとも一方が就寝者に到達する位置に設置された機器と接続され、前記機器を制御する制御装置であって、
前記就寝者の生体情報に基づき算出された前記就寝者の睡眠状態を表す睡眠状態情報を参照する参照部と、
前記睡眠状態情報に基づき、前記機器が発生する音および光の少なくとも一方の発生量について、前記就寝者の睡眠が維持可能で、かつ非就寝者による前記機器の利用が継続可能な第1値を決定する決定部と、
前記発生量の上限値を前記第1値に設定する指示情報を前記機器に送信する送信部と、
を備えるものである。
【0043】
本開示の第4態様は、
音および光の少なくとも一方を発生し当該音および当該光の少なくとも一方が就寝者に到達する位置に設置された機器であって、
前記音および光の少なくとも一方の発生量を制御する発生量制御部と、
前記発生量の上限値を第1値に設定する指示情報を、前記機器と接続された制御装置から受信する受信部と、
前記指示情報に基づき、前記発生量制御部による前記発生量の制御範囲の上限値を前記第1値に設定する設定部と、を備え、
前記第1値は、前記就寝者の生体情報に基づき算出された前記就寝者の睡眠状態を表す睡眠状態情報に基づき、前記就寝者の睡眠が維持可能で、かつ非就寝者による前記機器の利用が継続可能な値として決定されたものである。
【0044】
以下、本開示の実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本開示の一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、構成要素、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また全ての実施の形態において、各々の内容を組み合わせることも出来る。
【0045】
(提供するサービスの全体像)
まず、本実施の形態における機器制御システムが提供するサービスの全体像について説明する。
【0046】
図1は、本実施の形態における機器制御システムが提供するサービスの全体像を示す図である。機器制御システムは、グループ1100、データセンタ運営会社1110及びサービスプロバイダ1120を備える。
【0047】
グループ1100は、例えば戸建て住宅や、集合住宅等の家庭であり、その規模を問わない。グループ1100は、第1から第4の機器を含む複数の機器1101、第1のセンサ及び第2のセンサを含む複数のセンサ1104、住宅コントローラ1103及びホームゲートウェイ1102を備える。複数の機器1101は、インターネットと接続可能な機器(例えば、スマートフォン、パーソナルコンピュータ(PC)、テレビ、又はステレオ等)、及びそれ自身ではインターネットと接続不可能な機器(例えば、照明機器、洗濯機又は冷蔵庫等)を含む。複数の機器1101は、それ自身ではインターネットと接続不可能であっても、ホームゲートウェイ1102を介してインターネットと接続可能となる機器を含んでもよい。また、ユーザ1010は、グループ1100内の複数の機器1101を使用する。
【0048】
データセンタ運営会社1110は、クラウドサーバ1111を備える。クラウドサーバ1111は、インターネットを介して様々な機器と連携する仮想化サーバである。クラウドサーバ1111は、主に通常のデータベース管理ツール等で扱うことが困難な巨大なデータ(ビッグデータ)等を管理する。データセンタ運営会社1110は、データの管理、クラウドサーバ1111の管理、及びそれらを行うデータセンタの運営等を行っている。データセンタ運営会社1110が行っている役務の詳細については後述する。
【0049】
ここで、データセンタ運営会社1110は、データの管理又はクラウドサーバ1111の管理のみを行っている会社に限らない。例えば、
図2に示すように、複数の機器1101のうちの一つの機器を開発又は製造している機器メーカが、データの管理又はクラウドサーバ1111の管理等を行っている場合は、機器メーカがデータセンタ運営会社1110に該当する。また、データセンタ運営会社1110は一つの会社に限らない。例えば、
図3に示すように、機器メーカ及び管理会社が共同又は分担してデータの管理又はクラウドサーバ1111の管理を行っている場合は、両者又はいずれか一方がデータセンタ運営会社1110に該当する。
【0050】
サービスプロバイダ1120は、サーバ1121を備える。ここで言うサーバ1121とは、その規模は問わず、例えば、個人用PC内のメモリ等も含む。また、サービスプロバイダ1120がサーバ1121を備えていない場合もある。
【0051】
次に、上記の機器制御システムにおける情報の流れを説明する。
【0052】
まず、グループ1100の第1から第4の機器、第1及び第2のセンサ、住宅コントローラ1103は、各ログ情報をデータセンタ運営会社1110のクラウドサーバ1111にそれぞれ送信する。クラウドサーバ1111は、第1から第4の機器のログ情報、第1及び第2のセンサのセンサ情報及び住宅コントローラのログを集積する(
図1の矢印1131)。
【0053】
ここで、ログ情報とは、複数の機器1101の例えば操作内容や、運転状況又は動作日時等を示す情報である。例えば、ログ情報は、テレビの音量操作履歴や視聴履歴、レコーダーの録画予約情報、洗濯機の運転日時、洗濯物の量、照明機器の操作履歴、冷蔵庫の開閉日時、又は冷蔵庫の開閉回数などを含むが、これらの情報に限らず、種々の機器から取得が可能な種々の情報を含んでもよい。
【0054】
なお、ログ情報は、インターネットを介して複数の機器1101自体から直接クラウドサーバ1111に提供されてもよい。また、ログ情報は、複数の機器1101から一旦住宅コントローラ1103またはホームゲートウェイ1102に集積され、住宅コントローラ1103またはホームゲートウェイ1102からクラウドサーバ1111に提供されてもよい。さらに、ログ情報として複数のセンサ1104のセンサーデータもクラウドサーバ1111に提供されてもよい。
【0055】
次に、データセンタ運営会社1110のクラウドサーバ1111は、集積したログ情報を一定の単位でサービスプロバイダ1120に提供する。ここで、一定の単位とは、データセンタ運営会社1110が集積した情報を整理してサービスプロバイダ1120に提供することの出来る単位でもよいし、サービスプロバイダ1120が要求する単位でもよい。また、一定の単位で提供するとしているが、一定の単位でなくてもよく、状況に応じて提供する情報量が変化してもよい。ログ情報は、必要に応じてサービスプロバイダ1120が保有するサーバ1121に保存される(
図1の矢印1132)。
【0056】
そして、サービスプロバイダ1120は、ログ情報をユーザに提供するサービスに適合する情報に整理し、ユーザまたは、住宅コントローラ1103に提供する。情報が提供されるユーザは、複数の機器1101を使用するユーザ1010でもよいし、外部のユーザ1020でもよい。
【0057】
ユーザ1010,1020への情報提供方法としては、例えば、サービスプロバイダ1120から直接ユーザ1020へ情報が提供されてもよい(
図1の矢印1133,1134)。また、ユーザ1010への情報提供方法としては、例えば、データセンタ運営会社1110のクラウドサーバ1111を再度経由して、ユーザ1010に情報が提供されてもよい(
図1の矢印1135,1136)。また、データセンタ運営会社1110のクラウドサーバ1111は、ログ情報をユーザに提供するサービスに適合する情報に整理し、サービスプロバイダ1120に提供してもよい。
【0058】
なお、ユーザ1010は、ユーザ1020と異なっていても同一であってもよい。
【0059】
(実施の形態1)
本実施の形態1では、機器1101として、光および音の少なくとも一方を発生する機器、例えばテレビ受像機(以下、単に「テレビ」と称される)、照明機器などを利用する場合の一例が説明される。
【0060】
(構成)
図4は、本開示の第1の実施の形態における、機器制御システムの構成を概略的に示すブロック図である。
図4に示されるように、第1の実施の形態における機器制御システムは、生体センサ2010、機器2020、及び住宅コントローラ1103を備える。
【0061】
生体センサ2010は、感圧センサ2011、体動計算部2012、呼吸計算部2013、心拍計算部2014、睡眠状態判定部2015、通信制御部2016を備える。体動計算部2012、呼吸計算部2013、心拍計算部2014、睡眠状態判定部2015は、例えば中央演算処理装置(CPU)と、メモリとを含む。体動計算部2012、呼吸計算部2013、心拍計算部2014、睡眠状態判定部2015は、CPUに限られず、同一機能を果たす他のハードウェアを含んでもよい。
【0062】
感圧センサ2011は、例えば寝具に接して配置される。感圧センサ2011は、人(就寝者)の微細な振動を検知する。感圧センサ2011は、検知結果を体動計算部2012、呼吸計算部2013、心拍計算部2014に出力する。
【0063】
感圧センサ2011により検知された就寝者の微細な振動は、互いに異なる周期の、就寝者の体動(例えば寝返り)に起因する振動と、就寝者の呼吸に起因する振動と、就寝者の心拍に起因する振動とを含む。
【0064】
体動計算部2012は、感圧センサ2011により検知された就寝者の微細な振動から、就寝者の体動(例えば寝返り)に対応する周期の振動を抽出し、就寝者の体動状態(例えば1分間当たりの寝返り回数)を計算する。
【0065】
呼吸計算部2013は、感圧センサ2011により検知された就寝者の微細な振動から、就寝者の呼吸に対応する周期の振動を抽出し、就寝者の1分間当たりの呼吸数を計算する。
【0066】
心拍計算部2014は、感圧センサ2011により検知された就寝者の微細な振動から、就寝者の心拍に対応する周期の振動を抽出し、就寝者の1分間当たりの心拍数を計算する。
【0067】
睡眠状態判定部2015は、体動計算部2012、呼吸計算部2013、心拍計算部2014の計算結果に基づき、就寝者の睡眠状態を判定する。睡眠状態判定部2015は、就寝者の睡眠状態として、本実施形態では例えば、不在状態、覚醒状態、レム睡眠(REM)状態、ノンレム睡眠段階1(NREM1)状態、ノンレム睡眠段階2(NREM2)状態、ノンレム睡眠段階3(NREM3)状態、及びノンレム睡眠段階4(NREM4)状態を判定する。睡眠状態判定部2015は、通信制御部2016を経由して、就寝者の睡眠状態を住宅コントローラ1103に通知する。
【0068】
機器2020は、機器1101(
図1)に含まれる。機器2020は、本実施形態では例えば、テレビである。機器2020は、データ処理部2021、映像制御部2022、映像表示部2023、音声制御部2024、音声出力部2025、ユーザインタフェース(UI)制御部2026、通信制御部2027を備える。データ処理部2021、映像制御部2022、音声制御部2024は、例えばCPUとメモリとを含む。データ処理部2021、映像制御部2022、音声制御部2024は、CPUに限られず、同一機能を果たす他のハードウェアを含んでもよい。
【0069】
データ処理部2021は、例えばアンテナを介して取得されたテレビ放送信号を処理して、映像信号及び音声信号を抽出する。データ処理部2021は、抽出された映像信号を映像制御部2022に出力し、抽出された音声信号を音声制御部2024に出力する。また、データ処理部2021は、通信制御部2027を経由して、住宅コントローラ1103との通信を行う。映像制御部2022は、データ処理部2021から入力された映像信号を用いて、映像表示部2023に映像を表示させる。映像表示部2023は、例えば液晶表示パネルを含む。
【0070】
UI制御部2026は、ユーザにより操作される音量ボタンを含む。UI制御部2026は、ユーザによる音量ボタンの操作を受け付けて、操作量をデータ制御部2021に出力する。データ制御部2021は、UI制御部2026から入力された音量ボタンの操作量を音声制御部2024に出力する。音声制御部2024は、データ処理部2021から入力された音声信号と、音量ボタンの操作量とを用いて、音声出力部2025から音声を出力させる。音声出力部2025は、例えばスピーカを含む。
【0071】
なお、機器2020は、テレビに限られない。機器2020は、例えば、映像(光)及び音を発生するスマートフォン、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレットなどでもよい。あるいは、機器2020は、音のみを発生するステレオ等でもよい。例えばステレオ等の映像出力を伴わない機器の場合には、機器2020は、映像表示部2023及び映像制御部2022を備えなくてもよい。さらに、機器2020は、光のみを発生する照明機器などでもよい。例えば照明機器の場合には、機器2020は、データ処理部2021、映像制御部2022、映像表示部2023、音声制御部2024、音声出力部2025に代えて、電灯と、電灯の光量を制御する照明制御部とを備えればよい。
【0072】
図4には、テレビである機器2020が1つだけ示されているが、後述されるように、本実施の形態1の機器制御システムは、テレビ、照明機器などの複数の機器2020を備えている。
【0073】
住宅コントローラ1103は、同一ネットワークに接続された機器2020の動作を制御する。住宅コントローラ1103は、機器制御部2001、記憶部2002、通信制御部2008を備える。機器制御部2001は、動作制限部2003、機器管理部2004、部屋管理部2006を備える。機器制御部2001は、例えばCPUとメモリとを含む。機器制御部2001は、CPUに限られず、同一機能を果たす他のハードウェアを含んでもよい。記憶部2002は、機器データベース(DB)2005、部屋DB2007を備える。記憶部2002は、例えばハードディスクドライブ、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリで構成される。
【0074】
機器管理部2004は、機器DB2005に保存される機器管理情報500(後述の
図5)を管理する。部屋管理部2006は、部屋DB2007に保存される部屋間の防音性能を表す防音性能情報600(後述の
図6)を管理する。
【0075】
図5は、機器DB2005に保存される機器管理情報500の一例を示す図である。住宅コントローラ1103の機器管理部2004は、機器管理情報500を用いて、機器2020、生体センサ2010を含む機器を管理する。機器管理部2004は、機器2020、生体センサ2010などから送信される情報を用いて、機器管理情報500を作成する。機器管理部2004は、作成した機器管理情報500を機器DB2005に保存する。機器管理情報500は、機器ID501、IPアドレス502、機器クラス503、識別子504、プロパティ511〜516を含む。
【0076】
機器ID501は、機器2020及び生体センサ2010を含む機器を特定する固有の識別子である。IPアドレス502は、住宅コントローラ1103がネットワーク上の機器にアクセスするときの機器のアドレスを表す。機器クラス503は、機器の名称を表す。
図5には、機器クラス503として、「テレビ」、「生体センサ」、「照明機器」が2つずつ示されている。識別子504は、機器に付与された固有の符号である。
【0077】
プロパティ511は、機器の設置場所を表す。プロパティ512は、機器の動作状態(オン又はオフ)を表す。プロパティ513は、現在の睡眠状態又は照度を表す。プロパティ514は、設定されている照度の上限を表す。プロパティ515は、現在の音量を表す。プロパティ516は、設定されている音量の上限を表す。
【0078】
住宅コントローラ1103は、テレビ、照明機器などの機器2020と、生体センサ2010とを含む機器を、抽象化オブジェクトとして、管理する。各機器の抽象化オブジェクトでは、制御情報等がプロパティとして管理される。このように、機器管理情報500は、プロパティ単位で管理される。このため、それぞれのプロパティ511〜516は、機器クラス503ごとに意味が異なる。
【0079】
例えばプロパティ513は、機器クラス503が「センサ」では、センサの検出対象者(就寝者)の睡眠状態(つまり生体センサ2010の睡眠状態判定部2015の判定結果)を表す一方、機器クラス503が「テレビ」及び「照明機器」では、照度を表す。例えばプロパティ514は、機器クラス503が「テレビ」及び「照明機器」では、照度を表す一方、機器クラス503が「センサ」では、情報を含まない。例えばプロパティ515,516は、機器クラス503が「テレビ」では、音量を表す一方、機器クラス503が「センサ」及び「照明機器」では、情報を含まない。
【0080】
図5の機器管理情報500により表される状態が説明される。プロパティ511(設置場所)が「1Fリビング」のテレビ及び照明機器が「ON」になっている。したがって、1階のリビングルームでテレビが視聴されていると考えられる。
【0081】
一方、機器ID501が「Sensor1」、「Sensor2」のプロパティ513(睡眠状態)が「不在」になっているため、就寝者がいないことが分かる。そこで、プロパティ514(照度上限)及びプロパティ516(音量上限)は、全て、「MAX」に設定されている。すなわち、
図5の機器管理情報500では、就寝者がいないため、照度も音量も制限されていない。
【0082】
図6は、部屋DB2007に保存される防音性能情報600の一例を示す図である。防音性能情報600は、各部屋間の防音性能を表す。防音性能情報600では、行方向及び列方向に部屋ID601が配列され、マトリクス状に各部屋間の防音性能値602が並べられている。
【0083】
図6の防音性能情報600では、同一部屋間の防音性能値602は、「0dB」に設定されている。これは、同一部屋間では防音性能が無いことを意味している。
図6において、「2F主寝室」と「1Fリビング」との間の防音性能値602は、「−10dB」に設定されている。この「−10dB」は、「1Fリビング」の機器2020の音量が、10dB低下して「2F主寝室」に到達することを表している。
【0084】
防音性能情報600の防音性能値602の初期値は、ユーザにより手動で入力されてもよい。ユーザによる防音性能値602の入力は、質問形式で行われてもよい。部屋管理部2006は、ユーザによる入力の結果を用いて、
図6に示される表形式の防音性能情報600を作成する。
【0085】
図7は、記憶部2002に保存される制限情報700の一例を示す図である。制限情報700は、睡眠状態701と、音量の制限値702と、照度の制限値703とを含む。音量の制限値702と、照度の制限値703とは、睡眠状態701に対応して、予め設定されている。
【0086】
図7に示されるように、制限情報700は、睡眠状態701として、睡眠状態NREM1、睡眠状態NREM2、睡眠状態NREM3、及び睡眠状態NREM4を含む。人の眠りは、睡眠状態NREM1が最も浅く、睡眠状態NREM2、睡眠状態NREM3になるにしたがって深くなり、睡眠状態NREM4が最も深い。
【0087】
図7では、睡眠状態NREM1に対応して、音量の制限値が20dB、照度の制限値が30lxに設定され、睡眠状態NREM2に対応して、音量の制限値が25dB、照度の制限値が30lxに設定され、睡眠状態NREM3に対応して、音量の制限値が30dB、照度の制限値が40lxに設定され、睡眠状態NREM4に対応して、音量の制限値が40dB、照度の制限値が50lxに設定されている。このように、眠りが深くなるにつれて、音量及び照度の制限値が高くなっている。
【0088】
また、睡眠状態REMに対応して、音量の制限値が20dB、照度の制限値が30lxに設定されている。なお、
図7に示される音量及び照度の制限値は一例である。本実施の形態1では、音量及び照度の制限値として、
図7に示される数値に限られず、他の数値が用いられてもよい。
【0089】
図4に戻って、機器制御部2001の動作制限部2003は、機器管理情報500、防音性能情報600、制限情報700を用いて、通信制御部2008を介して、機器2020の音量及び照度(光量)の上限値を第1値に設定する。動作制限部2003の機能については、後に詳述される。
【0090】
なお、
図4の生体センサ2010は、例えば寝具に接して配置される感圧センサ2011を備えているが、本実施の形態における生体センサ2010の構成は、
図4に示されるものに限られない。
【0091】
図8は、
図4と異なる構成の生体センサ2010を備える機器制御システムの構成を概略的に示すブロック図である。
図8の生体センサ2010は、感圧センサに代えて、電波センサ2111を備える。
【0092】
電波センサ2111は、例えば24GHz帯の電磁波を送信し、人(就寝者)で反射された電磁波を受信して、微小な振動(就寝者の体動)を検知する。電波センサ2111は、例えば寝具に設置される。なお、電波センサ2111は、天井等の寝具から離れた場所に設置されてもよい。
【0093】
さらに、感圧センサ又は電波センサに代えて、他のセンサを用いてもよい。例えば加速度センサを用いて、就寝者の動きを検出してもよい。あるいは、例えば液体が封入されており、液体の揺らぎに基づいて就寝者の振動を検出するセンサを用いてもよい。要は、振動センサとして就寝者の体の動きを検出できるものであればよい。なお、振動センサは、人(就寝者)に装着されてもよい。
【0094】
なお、
図4、
図8の機器制御システムでは、生体センサ2010が体動計算部2012、呼吸計算部2013、心拍計算部2014、睡眠状態判定部2015を備え、生体センサ2010において睡眠状態を判定した後、判定結果が生体センサ2010から住宅コントローラ1103に送信されているが、本実施の形態は、この構成に限られない。
【0095】
例えば、住宅コントローラ1103が、体動計算部2012、呼吸計算部2013、心拍計算部2014、及び睡眠状態判定部2015を備えてもよい。この構成では、生体センサ2010は、通信制御部2016を経由して、住宅コントローラ1103に、感圧センサ2011又は電波センサ2111の検知データを送信する。住宅コントローラ1103は、生体センサ2010から送信された検知データを用いて、睡眠状態を判定する。
【0096】
次に、
図9を参照して、住宅コントローラ1103の機器制御部2001の動作制限部2003の機能が説明される。
図5の機器管理情報500では就寝者がいないため、照度も音量も制限されていない。これに対して、本第1の実施の形態では、就寝者が存在すると、動作制限部2003は、機器2020の照度及び音量の上限値を制限する。
【0097】
図9は、
図5の機器管理情報500と異なり、就寝者及び非就寝者の両方が存在する場合の機器管理情報500を示す図である。
図9の機器管理情報500のプロパティ513〜516では、
図5の機器管理情報500から変更された値に下線が付されている(但しオフにされたものを除く)。
【0098】
図9の機器管理情報500では、プロパティ511(設置場所)が「2F主寝室」の各機器において、機器ID501が「Sensor1」のプロパティ513(睡眠状態)は、「NREM3」になっており、機器ID501が「Sensor2」のプロパティ513(睡眠状態)は、「覚醒」になっている。したがって、「2F主寝室」に居る2人のうち、一方は就寝者であり、他方は非就寝者であることが表されている。
【0099】
また、プロパティ511(設置場所)が「2F主寝室」のテレビ及び照明機器のプロパティ512(動作状態)が「ON」になっている。したがって、「2F主寝室」に居る2人のうち非就寝者がテレビを視聴していることが表されている。
【0100】
そこで、動作制限部2003は、記憶部2002に保存されている制限情報700(
図7)を読み出し、睡眠状態701が「NREM3」に対応する、音量の制限値702である「30dB」、照度の制限値703である「40lx」を抽出する。
【0101】
また、動作制限部2003は、部屋DB2007に保存されている防音性能情報600(
図6)を読み出し、部屋ID601が「2F主寝室」に対する、「2F主寝室」の防音性能値602である「0dB」、「1Fリビング」の防音性能値602である「10dB」を抽出する。
【0102】
動作制限部2003は、制限情報700における照度の制限値703(
図7)を機器2020の照度上限(
図9のプロパティ514)に設定する。すなわち、
図9に示されるように、睡眠状態701が「NREM3」に対応する照度の制限値703(第1値の一例)である「40lx」が、「2F主寝室」の「テレビ」及び「照明機器」の照度上限(プロパティ514)に設定される。
【0103】
動作制限部2003は、制限情報700における音量の制限値702(
図7)を、防音性能情報600の防音性能値602(
図6)により補正し、得られた補正値(第1値の一例)を機器2020の音量上限(
図9のプロパティ516)に設定する。
【0104】
例えば睡眠状態701が「NREM3」に対応する音量の制限値702である「30dB」は、「2F主寝室」の防音性能値602である「0dB」により補正されて、「2F主寝室」の「テレビ」の音量上限(プロパティ516)は、
図9に示されるように、「30dB」に設定される。
【0105】
また、例えば睡眠状態701が「NREM3」に対応する音量の制限値702である「30dB」は、「1Fリビング」の防音性能値602である「−10dB」により補正されて、「1Fリビング」の「テレビ」の音量上限(プロパティ516)は、
図9に示されるように、「40dB」に設定される。
【0106】
(動作)
図10は、本第1の実施の形態における、機器制御システムの初期時の動作を概略的に示すシーケンス図である。住宅コントローラ1103は、初回起動時に、部屋DB2007における防音性能情報600の初期化と、機器DB2005における機器管理情報500の初期化とを行う。
【0107】
ステップS501において、住宅コントローラ1103の部屋管理部2006は、ユーザによる入力に基づき、防音性能情報600の防音性能値602の初期値を設定する。なお、防音性能情報600の防音性能値602の初期値として、住宅メーカにより設定されたデフォルトの値が用いられてもよい。
【0108】
続いて、ステップS502において、住宅コントローラ1103の機器管理部2004は、ネットワーク上に機器の探索要求を同報通知する。機器の探索要求を受けて、生体センサ2010は、ステップS503において、固有情報を応答し、機器2020は、ステップS504において、固有情報を応答する。
【0109】
固有情報は、機器管理情報500(
図5)のうち機器ID501、IPアドレス502、機器クラス503、識別子504と、プロパティの個数とを含む。生体センサ2010は、
図5に示されるように、3個のプロパティを有するので、プロパティの個数として、「3」を固有情報に含める。機器2020がテレビの場合には、
図5に示されるように、6個のプロパティを有するので、プロパティの個数として、「6」を固有情報に含める。機器2020が照明機器の場合には、
図5に示されるように、4個のプロパティを有するので、プロパティの個数として、「4」を固有情報に含める。
【0110】
生体センサ2010及び機器2020からの固有情報の応答を受けて、住宅コントローラ1103は、ステップS505において、機器管理情報500のうち、ネットワークに接続された生体センサ2010及び機器2020に関する固有情報(つまり機器ID501、IPアドレス502、機器クラス503、識別子504)を初期化する。
【0111】
次に、ステップS506において、住宅コントローラ1103は、生体センサ2010に対して、3個のプロパティの送信を要求する。ステップS507において、この要求に対する応答として、生体センサ2010は、住宅コントローラ1103にプロパティを送信する。ステップS508において、住宅コントローラ1103は、機器管理情報500のうち生体センサ2010に関するプロパティ511〜513を初期化する。
【0112】
次に、ステップS509において、住宅コントローラ1103は、機器2020に対して、6個(又は4個)のプロパティの送信を要求する。ステップS510において、この要求に対する応答として、機器2020は、住宅コントローラ1103にプロパティを送信する。ステップS511において、住宅コントローラ1103は、機器管理情報500のうち機器2020(本実施形態では、テレビ及び照明機器)に関するプロパティ511〜516を初期化する。
【0113】
なお、生体センサ2010及び機器2020は、自身の設置場所が不明であるので、ステップS507,S510において、それぞれ生体センサ2010及び機器2020から送信されるプロパティ511は、空欄になっている。
【0114】
次に、ステップS512において、住宅コントローラ1103は、ユーザによる入力を受けて、機器管理情報500の生体センサ2010及び機器2020の設置場所(プロパティ511)を初期化する。以上の処理によって、機器DB2005における機器管理情報500の初期化が完了する。
【0115】
図11は、本第1の実施の形態における、機器制御システムの通常時の動作を概略的に示すシーケンス図である。ステップS521において、生体センサ2010は、住宅コントローラ1103に睡眠状態を通知する。生体センサ2010は、一定の時間間隔で、住宅コントローラ1103に睡眠状態を通知する。なお、生体センサ2010は、睡眠状態が変化した時に、住宅コントローラ1103に睡眠状態を通知してもよい。
【0116】
続いて、ステップS522において、住宅コントローラ1103の機器管理部2004は、通知された睡眠状態が変化していれば、機器DB2005に保存されている機器管理情報500の睡眠状態(プロパティ513)を更新する。
図11では、睡眠状態は、
図9に示されるように「NREM3」に変化し、
図5の機器管理情報500は、
図9の機器管理情報500に更新されたものとする。
【0117】
続いて、ステップS523において、機器管理部2004は、機器管理情報500の照度上限(プロパティ514)と、音量上限(プロパティ516)とを更新する。ステップS523については、
図14を参照して後に詳述される。
【0118】
続いて、ステップS524において、機器管理部2004は、通信制御部2008を介して、上限値が更新された機器2020(本実施の形態では、例えばテレビ及び照明機器)に対して、上限値の設定を要求する。この要求を受けて、ステップS525において、機器2020は、上限値の設定を行う。ステップS525については、
図12を参照して後に詳述される。続くステップS526において、機器2020は、上限値を設定した旨を住宅コントローラ1103に通知する。
【0119】
なお、一定の時間間隔が経過しても、生体センサ2010から住宅コントローラ1103に睡眠状態の通知がない場合には、住宅コントローラ1103は、生体センサ2010に対して、睡眠状態を要求してもよい(ステップS531)。この要求の応答として、ステップS532において、機器2020は、睡眠状態(プロパティ513)を住宅コントローラ1103に送信してもよい。
【0120】
ステップS525において、機器2020の上限値が設定された後で、例えば、ユーザにより音量ボタンの操作が行われると(ステップS541)、機器2020の音声制御部2024は、設定された上限値に応じて音量制御を行う(ステップS542)。ステップS542については、
図13を参照して後に詳述される。
【0121】
なお、本実施の形態の生体センサ2010は、住宅コントローラ1103からの睡眠状態の要求に対する応答機能を有しているが、これに限られない。例えば睡眠状態を定期的に送信するだけで、応答機能を有していない生体センサであってもよい。
【0122】
なお、
図11のシーケンス図において、波線で切断された上側と下側とは、互いに非同期で、それぞれ処理が実行されることを表している。この点は、以降のシーケンス図でも同様である。
【0123】
図12は、
図11のステップS525の機器2020における上限値設定処理の詳細を示すフローチャートである。
【0124】
ステップS601において、機器2020の通信制御部2027は、住宅コントローラ1103から上限値の設定の要求(
図11のステップS524)を受信する。機器2020の音声制御部2024は、この要求に従って、上限値の設定を行う(ステップS602)。音声制御部2024は、設定された上限値を保持する。音声制御部2024は、設定された上限値を内部のメモリに保存してもよい。
【0125】
続いて、ステップS603において、音声制御部2024は、現在の音量設定が上限値を超えているか否かを判定する。現在の音量設定が上限値を超えている場合(ステップS603でYES)、音声制御部2024は、音量設定を3〜5秒程度かけて徐々に低減させる(ステップS604)。音声制御部2024は、例えば2dB/秒(所定の値の一例)以下の変化率で音量設定を緩やかに低減させてもよい。なお、
図12では音量制御の例が示されているが、照度が制御される場合も、同様に徐々に低減される。
【0126】
続いて、ステップS605において、通信制御部2027は、上限値の設定を行ったことを表す応答を住宅コントローラ1103に送信して(
図11のステップS526)、
図12の処理は終了する。
【0127】
図13は、
図11のステップSS542の機器2020における音量制御処理の詳細を示すフローチャートである。
【0128】
機器2020のUI制御部2026は、ユーザからの音量ボタンの操作を受け付けて、操作量をデータ制御部2021に出力する(ステップS701)。音声制御部2024は、音量変更が可能か否かを判断する(ステップS702)。
【0129】
例えば、現在の音量設定が上限であって、ユーザの音量ボタンの操作が音量増大であれば、音声制御部2024は、音量変更が不可能と判断する。また、現在の音量設定が無音であって、ユーザの音量ボタンの操作が音量低減であれば、音声制御部2024は、音量変更が不可能と判断する。音量変更が不可能であれば(ステップS702でNO)、ユーザの音量ボタンの操作に従った音量制御が不可能であるので、音声制御部2024は、
図13の処理を終了する。
【0130】
音量変更が可能である場合(ステップS702でYES)、音声制御部2024は、UI制御部2026を介して、ユーザの音量ボタンの操作が継続されているか否かを判断する(ステップS703)。ユーザの音量ボタンの操作が継続されていなければ(ステップS703でNO)、音声制御部2024は、ユーザが音量ボタンの操作を中止したと判断して、
図13の処理を終了する。
【0131】
ユーザの音量ボタンの操作が継続されていれば(ステップS703でYES)、音声制御部2024は、音量の上限値が最大(MAX)であるか否かを判断する(ステップS704)。音量の上限値がMAXであるということは、上限値の設定(
図11のステップS525)が行われていないということを意味する。音量の上限値がMAXである場合(ステップS704でYES)、音声制御部2024は、ユーザの音量ボタンの操作に従って音量変更を行い(ステップS705)、処理はステップS702に戻る。
【0132】
一方、音量の上限値がMAXではない場合(ステップS704でNO)、つまり上限値の設定が行われている場合は、音声制御部2024は、1段階分のみ音量の変更を行い(ステップS706)、ユーザの音量ボタンの操作が終了するのを待機して(ステップS707)、
図13の処理を終了する。ステップS706,S707の処理によって、ユーザが音量ボタンを操作し続けていても、1段階分のみしか音量の変更がされない。つまり、ユーザは、1段階分ずつしか音量変更ができないことになる。これによって、音量の変更が緩やかに行われる。その結果、音量の変更により就寝者の睡眠が阻害されないようにすることができる。
【0133】
図14は、
図11のステップSS523の上限値の更新処理の詳細を示すフローチャートである。
【0134】
まず、ステップS1401において、機器管理部2004は、更新された機器管理情報500を参照し、生体センサ2010の設置場所(プロパティ511)に対して影響のある機器2020を検索する。影響のある機器とは、音を発生する機器(例えばテレビ)であれば全ての機器であり、音を発生せずに光のみを発生する機器(例えば照明機器)であれば、設置場所が同一の機器である。
図9の機器管理情報500では、生体センサ2010の設置場所(つまり睡眠状態が「NREM3」の就寝者が居る2F主寝室)に対して影響のある機器は、「2F主寝室」の「テレビ」、「照明機器」、及び「1Fリビング」の「テレビ」である。
【0135】
影響のある機器(本実施の形態では、上記テレビ及び照明機器)を発見した場合、機器管理部2004は、機器管理情報500内の睡眠状態(プロパティ513)を参照し(ステップS1402、睡眠状態参照ステップの一例)、制限情報700を参照し(ステップS1403)、部屋DB2007内の防音性能情報600を参照する(ステップS1404、防音性能参照ステップの一例)。
【0136】
続くステップS1405において、機器管理部2004は、上限値を決定する(決定ステップの一例)。例えば機器管理情報500内の睡眠状態(プロパティ513)が「NREM3」であれば、機器管理部2004は、制限情報700から、音量の制限値702として「NREM3」に対応する「30dB」を抽出し、照度の制限値703として「NREM3」に対応する「40lx」を抽出する。
【0137】
機器管理部2004は、「2F主寝室」の「テレビ」及び「照明機器」の照度の上限値を、照度の制限値703として抽出された「40lx」に決定する。
【0138】
機器管理部2004は、「2F主寝室」の「テレビ」の音量の上限値を、防音性能情報600の防音性能値602が「0dB」であるので、音量の制限値702として抽出された「30dB」に決定する。
【0139】
機器管理部2004は、「1Fリビング」の「テレビ」の音量の上限値を、防音性能情報600の防音性能値602が「−10dB」であるので、音量の制限値702として抽出された「30dB」に「10dB」を加算した「40dB」に決定する。
【0140】
続くステップS1406において、機器管理部2004は、機器DB2005内の機器管理情報500の照度上限(プロパティ514)と、音量上限(プロパティ516)とを決定された上限値に更新して、
図14の処理を終了する。
【0141】
(作用・効果)
以上のように、実施の形態1によれば、住宅コントローラ1103は、生体センサ2010により判定された就寝者の睡眠状態を参照する。住宅コントローラ1103は、就寝者の睡眠状態に応じて、機器2020の音量の上限値を決定する。これによって、機器2020のユーザ(非就寝者の一例)は、就寝者の睡眠状態を把握せずとも、就寝者への影響を低減して就寝者の睡眠を維持しつつ、機器2020を利用することができる。
【0142】
また、一般に、就寝者は、音量の急激な増大又は低下に対して反応しやすい。これに対して、実施の形態1によれば、音量ボタンを操作する際に、ユーザは、1段階ずつしか音量を変更することができない。したがって、音量の急激な変化が抑制される。その結果、就寝者への影響をさらに低下することができる。
【0143】
(変形された実施形態)
(1)
図11のステップSS542の機器2020における音量制御処理は、
図13に示される手順に限られない。
【0144】
図15は、
図13と異なる手順の音量制御処理を示すフローチャートである。
図15の手順では、
図13のステップS707(ユーザの音量ボタン操作の終了を待機する)に代えて、ステップS717が行われる。ステップS717では、機器2020のCPUは、スリープ処理を所定時間実行する。その後、処理はステップS702に戻る。この構成では、スリープ処理が実行されている時間の分だけ音量変更に要する時間が延ばされる。このため、
図13と同様の効果を得ることができる。
【0145】
(2)
図11のステップSS525の機器2020における上限値設定処理は、
図12に示される手順に限られない。
【0146】
図16は、
図12と異なる手順の上限値設定処理の詳細を示すフローチャートである。
図16の手順では、ステップS602(上限値の設定)に続いて、ステップS612において、映像制御部2022は、字幕モードに設定する。字幕モードは、音声を表す字幕付きで映像を映像表示部2023に表示するモードである。これによって、小さい音量の音声を補完することができ、機器2020(テレビ)を視聴しているユーザの利便性を向上することができる。
【0147】
(3)上記実施の形態1の
図12、
図13、
図15、
図16では、機器2020の音声出力部2025による音量変更を緩やかに行うことが説明されたが、音量変更に限られない。映像制御部2022は、映像出力部2023による照度変更も、同様に3秒〜5秒かけて緩やかに行うように制御してもよい。また、機器2020が照明機器である場合に、照明制御部は、電灯の照度変更も、同様に3秒〜5秒かけて緩やかに行うように制御してもよい。これによって、就寝者への照度変更の影響を低下させることが可能である。また、音量または照度の変化を緩やかにすることで、機器2020のユーザ(視聴者)の耳又は目の順応性を確保することができる。その結果、音であれば、小さい音量でも、ある程度の快適さを確保できる。また、部屋が急に暗くなることが無いため、一定の安全が確保される。
【0148】
(実施の形態2)
上記実施の形態1では、機器2020の上限値の設定動作に関して説明されたが、本実施の形態2では、サーバ1121(
図1)を利用した最適な上限値の計算及び上限値の設定動作に関して説明される。なお、以下では、説明の簡略化のため、上記実施の形態1と同様の構成については、同様の符号が付されて詳細な説明が省略されている。
【0149】
(構成)
図17は、本第2の実施の形態における、機器制御システムの構成を概略的に示すブロック図である。
図17に示されるように、住宅コントローラ1103の機器制御部2001は、動作制限部2003、機器管理部2004、部屋管理部2006に加えて、ログ管理部2201を備える。記憶部2002は、機器DB2005、部屋DB2007に加えて、ログDB2202を備える。
【0150】
ログ管理部2201は、ログ情報1800(後述の
図18)を作成する。ログ情報1800は、機器2020の操作ログと、生体センサ2010の睡眠状態ログとを時系列で含む。ログ管理部2201は、作成したログ情報1800をログDB2202に保存する。
【0151】
図18は、ログDB2202に保存されるログ情報1800の一例を示す図である。
図18に示されるように、ログ情報1800は、日時1801、機器ID1802、プロパティ番号1803、プロパティ値1804を含む。
【0152】
機器ID1802は、機器2020及び生体センサ2010を含む機器を特定する固有の識別子である。機器ID1802は、機器管理情報500の機器ID501に対応する。プロパティ番号1803は、機器管理情報500のプロパティ513又は515を表す。
図18のプロパティ番号「3」は、
図5のプロパティ513(睡眠状態又は照度)を表し、
図18のプロパティ番号「5」は、
図5のプロパティ515(音量)を表す。プロパティ値1804は、プロパティ番号1803の値を表す。日時1801は、プロパティ値1804になった日時を表す。このように、ログ情報1800によって、機器2020の操作ログと、生体センサ2010の睡眠状態ログとが、時系列で管理される。
【0153】
図18のログ情報1800では、2015年9月24日1時22分00秒に、機器ID1802が「Sensor1」の生体センサ2010により、睡眠状態「NREM3」と判定されている。続く1時23分30秒に、機器ID1802が「TV1」のテレビの音量が「20dB」に操作され、続く1時29分30秒に、同テレビの音量が「30dB」に増大されている。音量増大の直後の1時29分40秒(音量増大から10秒後)に、機器ID1802が「Sensor1」の生体センサ2010により、睡眠状態「NREM2」と判定されている。このように、
図18のログ情報1800では、音量増大から10秒後に睡眠状態が「NREM3」から「NREM2」に浅くなっている。
【0154】
図17に戻って、住宅コントローラ1103の動作制限部2003は、通信制御部2008により、ネットワークで接続されたサーバ1121に直接又はクラウドサーバ1111(
図1)を介して、ログ情報1800を送信する。
【0155】
サーバ1121は、機械学習等のデータ処理によって、ユーザの音量操作による機器2020の音量変化(音量増大)と、生体センサ2010により判定される睡眠状態の変化との間に、相関関係があるか否かを判断する。本実施の形態2のサーバ1121は、ハードウェアでもよく、学習アプリケーション等のソフトウェアでもよい。
【0156】
サーバ1121は、音量変化と睡眠状態変化との間に相関関係があると判断すると、現在の防音性能情報600の防音性能値602が適切ではないと判断し、より適切な防音性能値602を含むように防音性能情報600を補正する。サーバ1121は、補正した新たな防音性能情報600を住宅コントローラ1103に送信する。
【0157】
例えば、
図18のログ情報1800に示されるような、音量変化の直後に睡眠状態が浅くなるような事態が所定回数発生すると、サーバ1121は、音量変化と睡眠状態変化との間に相関関係があると判断する。その結果、サーバ1121は、防音性能情報600の防音性能値602を引き下げる補正を行う。
図19〜
図21を用いて、サーバ1121による防音性能情報の補正が説明される。
【0158】
図19は、比較例として、睡眠状態が「NREM3」から「NREM2」に変わった場合であって、防音性能情報600が補正されない場合の機器管理情報500を示す図である。
図20は、補正された防音性能情報600の一例を示す図である。
図21は、本実施の形態において、睡眠状態が「NREM3」から「NREM2」に変わった場合であって、防音性能情報600が補正された場合の機器管理情報500を示す図である。
図19の機器管理情報500では、
図9の機器管理情報500から変更された値に下線が付されている。
図21の機器管理情報500では、
図19の機器管理情報500と異なる値に下線が付されている。
【0159】
上述のように、
図9に、睡眠状態が「NREM3」のときの機器管理情報500が示されている。一方、睡眠状態が「NREM3」から「NREM2」に変わると、
図7に示されるように、音量の制限値702は、「30dB」から「25dB」に変更され、照度の制限値703は、「40lx」から「30lx」に変更される。
【0160】
したがって、
図19に示されるように、プロパティ514(照度上限)は、「40lx」から「30lx」に変更され、その結果、プロパティ513(照度)も、「40lx」から「30lx」に変更される。また、「2F主寝室」のプロパティ516(音量上限)は、「30dB」から「25dB」に変更され、その結果、プロパティ515(音量)も、「30dB」から「25dB」に変更される。さらに、「1Fリビング」のプロパティ516(音量上限)は、「40dB」から「35dB」に変更される。
【0161】
サーバ1121は、音量変化と睡眠状態変化との間に相関関係があると判断すると、「2F主寝室」から「2F主寝室」への防音性能値602を、
図6に示される「0dB」から「+1dB」引き下げて、
図20に示されるように「+1dB」に補正する。これによって、「2F主寝室」のプロパティ516(音量上限)は、
図19に示される「25dB」から、
図21に示されるように、「24dB」に変更される。その結果、プロパティ515(音量)も、
図19に示される「25dB」から、
図21に示されるように、「24dB」に変更される。
【0162】
サーバ1121は、音量変化と睡眠状態変化との間に相関関係があると判断する度に、防音性能値602を「+1dB」ずつ引き下げてもよい。
【0163】
(動作)
図22は、本第2の実施の形態における、機器制御システムの通常時の動作を概略的に示すシーケンス図である。
図22のステップS521,S522は、
図11のステップS522,S522と同じである。ステップS522に続くステップS551において、ログ管理部2201は、ログDB2202内のログ情報1800に、ステップS521で通知された睡眠状態を日時とともに追加して、ログ情報1800を更新する。続くステップS523〜S526は、
図11のステップS523〜S526と同じである。
【0164】
図22のステップS531〜S533は、
図11のステップS531〜S533と同じである。ステップS533に続くステップS553において、ログ管理部2201は、ログDB2202内のログ情報1800に、ステップS533で応答された睡眠状態を日時とともに追加して、ログ情報1800を更新する。
【0165】
図22のステップS541,S542は、
図11のステップS541,S542と同じである。ステップS542に続くステップS555において、機器2020は、ステップS542の音量制御により変更された音量を住宅コントローラ1103に通知する。続いて、ステップS556において、ログ管理部2201は、ログDB2202内のログ情報1800に、ステップS555で通知された音量を日時とともに追加して、ログ情報1800を更新する。
【0166】
図22のステップS561において、住宅コントローラ1103は、ログDB2202に保存されているログ情報1800を、例えば一定間隔でサーバ1121にアップロードする。ステップS562において、サーバ1121は、例えば機械学習によって音量の変化と睡眠状態の変化との間に相関関係があるか否かを判断し、その判断結果に基づき、防音性能情報600を補正する。ステップS563において、住宅コントローラ1103は、補正された防音性能情報600を受信すると、部屋DB2007の防音性能情報600を更新する。以降のステップS523では、補正された防音性能情報600を用いて、機器2020の上限値が更新される。
【0167】
(作用・効果)
以上のように、例えば同一部屋に設置された機器2020の音量が20dBから30dBに変更された際に、就寝者の睡眠状態が、ノンレム睡眠段階3(NREM3)からノンレム睡眠段階2(NREM2)に変化することがある。この場合に、実施の形態2によれば、機械学習により音量の変化と睡眠状態の変化との間に相関関係ありと判断されると、例えば防音性能値602が0dBから+1dBに補正される。これによって、音量の上限値が25dBから24dBに低下される。その結果、睡眠者への音の影響をより低下させることが可能となる。
【0168】
(変形された実施形態)
(1)上記実施の形態2では、音量の変化と睡眠状態の変化との間に相関関係ありと判断されると、防音性能値602を「+1dB」引き下げているが、引き下げ幅は、これに限られない。防音性能値602を「+2dB」引き下げてもよく、「+5dB」引き下げてもよく、防音性能値602の引き下げ幅は変更してもよい。
【0169】
(2)上記実施の形態2では、音量の変化と睡眠状態の変化との間に相関関係ありと判断されると、防音性能値602が引き下げられているが、これに限られない。サーバ1121は、音量の変化と睡眠状態の変化との間に相関関係ありと判断すると、
図21の機器管理情報500において、直接、プロパティ516の値を引き下げてもよい。この場合でも、上記実施の形態2と同様の効果を得ることができる。
【0170】
(実施の形態3)
上記実施の形態2では、サーバ1121を利用した最適な上限値の計算及び上限値の設定動作に関して説明された。本実施の形態3では、住宅コントローラの代替としてサービスプロバイダを利用する機器制御システムに関して説明される。なお、以下では、説明の簡略化のため、上記実施の形態1と同様の構成については、同様の符号が付されて詳細な説明が省略されている。
【0171】
(構成)
図23は、本第3の実施の形態における、機器制御システムの構成を概略的に示す図である。
図23において、サーバ1121は、上記実施の形態2の住宅コントローラ1103(
図17)の代替としての機能を有する。サーバ1121は、
図17に示される機器制御部2001に相当する機能を有する機器制御部2001Bと、
図17に示される記憶部2002に相当する機能を有する記憶部2002Bとを有する。サーバ1121は、クラウドサーバ1111を介して、生体センサ2010および機器2020とネットワークで接続される。
【0172】
(動作)
図24は、本第3の実施の形態における、機器制御システムの初期時の動作を概略的に示すシーケンス図である。
【0173】
ステップS571において、サーバ1121の機器制御部2001Bは、防音性能情報600(
図6)の防音性能値602の初期値を設定する。機器制御部2001Bは、初期値が設定された防音性能情報600を記憶部2002B内の部屋DBに保存する。防音性能情報600の防音性能値602の初期値として、住宅メーカにより設定されたデフォルトの値が用いられる。なお、防音性能情報600の防音性能値602の初期値は、例えば機器2020を用いてユーザ1010により設定されるようにしてもよい。
【0174】
ステップS572において、生体センサ2010は、機器管理情報500(
図5)の各項目501〜504,511〜513をサーバ1121へ送信して、機器の登録を要求する(
図23の矢印1131及び矢印1132)。
【0175】
ステップS573において、サーバ1121の機器制御部2001Bは、送信された生体センサ2010に関する機器管理情報500を、記憶部2002B内の機器DBへ登録する。これによって、生体センサ2010に関する機器管理情報500が初期化される。なお、生体センサ2010は、その設置場所をユーザ1010が設定可能にする機能を有してもよい。生体センサ2010は、機器管理情報500のプロパティ511(設置場所)として、ユーザ1010によって設定された情報をサーバ1121に送信してもよい。
【0176】
ステップS574において、サーバ1121は、機器の登録が完了した旨の応答を生体センサ2010に送信する。
【0177】
ステップS575において、機器2020は、機器管理情報500(
図5)の各項目501〜504,511〜516をサーバ1121へ送信して、機器の登録を要求する(
図23の矢印1131及び矢印1132)。
【0178】
ステップS576において、サーバ1121の機器制御部2001Bは、送信された機器2020に関する機器管理情報500を、記憶部2002B内の機器DBへ登録する。これによって、機器2020に関する機器管理情報500が初期化される。なお、機器2020は、その設置場所をユーザ1010が設定可能にする機能を有してもよい。機器2020は、機器管理情報500のプロパティ511(設置場所)として、ユーザ1010によって設定された情報をサーバ1121に送信してもよい。
【0179】
ステップS577において、サーバ1121は、機器の登録が完了した旨の応答を機器2020に送信する。以上の処理によって、機器管理情報500の初期化が完了する。
【0180】
次に、
図23を参照して、本第3の実施の形態における、機器制御システムの通常時の動作が説明される。生体センサ2010は、一定の時間間隔で、睡眠状態をサーバ1121へ通知する(矢印1131及び矢印1132)。機器制御部2001Bは、生体センサ2010の睡眠状態が変化したと判断すると、機器2020に対し、新たな睡眠状態に適した上限値の設定を行う(矢印1137及び矢印1138)。なお、この際、サーバ1121より機器2020へはプッシュ通知型通信を用いて設定を行ってもよい。あるいは、機器2020からサーバ1121へ一定の時間間隔で、設定変更の有無を問い合わせることによって、設定変更を実現してもよい。
【0181】
(作用・効果)
以上のように、実施の形態3によれば、住宅コントローラの代替として、サーバ1121が機器制御部2001Bと記憶部2002Bとを備えている。このため、機器制御方法を柔軟に更新することができ、より機器制御システムのサービス品質の向上が望める。
【0182】
(その他)
(1)上記各実施の形態では、音量設定が3〜5秒程度かけて徐々に低減されている。例えば
図12では、現在の音量設定が上限値を超えている場合には(ステップS603でYES)、ステップS604において、音声制御部2024は、音量設定を3〜5秒程度かけて徐々に低減させている。しかし、これに限られない。
【0183】
図25は、映像表示部2023に表示されたメッセージの一例を示す図である。現在の音量設定が上限値を超えている場合には、音声制御部2024は、
図25に示されるような、「音量制限中ですので、音量を徐々に下げてください。」とのメッセージ1601を作成してもよい。音声制御部2024は、データ処理部2021を介して、作成したメッセージ1601を映像制御部2022に通知してもよい。映像制御部2022は、通知されたメッセージ1601を映像表示部2023に表示してもよい。映像表示部2023に表示されたメッセージ1601に従って、ユーザが音量ボタンを操作して、音量を徐々に下げることにより、上記各実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0184】
(2)上記各実施の形態では、例えば
図9に示されるように、住宅コントローラ1103は、機器管理情報500のプロパティ514,516において照度及び音量の上限を管理している。そこで、住宅コントローラ1103は、例えば
図11のステップS524において上限値の設定を要求する際に、照度又は音量を送信してもよい。照度又は音量を受信した機器2020は、例えば
図11のステップS525において、照度又は音量を適切な制御値に変換して、映像表示部2023の輝度又は音声出力部2025の音量を制御してもよい。
【0185】
代替的に、住宅コントローラ1103は、例えば
図11のステップS524において、照度又は音量を適切な制御値に変換し、変換した制御値を送信してもよい。制御値を受信した機器2020は、例えば
図11のステップS525において、受信した制御値を用いて、映像表示部2023の輝度又は音声出力部2025の音量を制御してもよい。
【0186】
照度又は音量から変換される制御値は、例えば映像表示部2023又は音声出力部2025を制御する電流値であってもよく、単に照度又は音量のレベルを表すレベル値であってもよい。
【0187】
なお、上記態様において説明された技術は、例えば、以下のクラウドサービスの類型において実現されうる。しかし、上記態様において説明された技術が実現されるクラウドサービスの類型はこれらに限られるものでない。
【0188】
(サービスの類型1:自社データセンタ型クラウドサービス)
図26は、サービスの類型1(自社データセンタ型クラウドサービス)における機器制御システムが提供するサービスの全体像を示す図である。本類型では、サービスプロバイダ1120がグループ1100から情報を取得し、グループ1100及びユーザに対してサービスを提供する。本類型では、サービスプロバイダ1120が、データセンタ運営会社の機能を有している。すなわち、サービスプロバイダ1120が、ビッグデータを管理するクラウドサーバ1111を保有している。したがって、データセンタ運営会社は存在しない。
【0189】
本類型では、サービスプロバイダ1120は、データセンタ(クラウドサーバ)1203を運営及び管理している。また、サービスプロバイダ1120は、オペレーティングシステム(OS)1202及びアプリケーション1201を管理する。サービスプロバイダ1120は、サービスプロバイダ1120が管理するOS1202及びアプリケーション1201を用いてサービスを提供する(矢印1204及び矢印1205)。
【0190】
(サービスの類型2:IaaS利用型クラウドサービス)
図27は、サービスの類型2(IaaS利用型クラウドサービス)における機器制御システムが提供するサービスの全体像を示す図である。ここで、IaaSとは、インフラストラクチャー・アズ・ア・サービスの略であり、コンピュータシステムを構築および稼動させるための基盤そのものを、インターネット経由のサービスとして提供するクラウドサービス提供モデルである。
【0191】
本類型では、データセンタ運営会社1110が、データセンタ(クラウドサーバ)1203を運営及び管理している。また、サービスプロバイダ1120は、OS1202及びアプリケーション1201を管理する。サービスプロバイダ1120は、サービスプロバイダ1120が管理するOS1202及びアプリケーション1201を用いてサービスを提供する(矢印1204及び矢印1205)。
【0192】
(サービスの類型3:PaaS利用型クラウドサービス)
図28は、サービスの類型3(PaaS利用型クラウドサービス)における機器制御システムが提供するサービスの全体像を示す図である。ここで、PaaSとは、プラットフォーム・アズ・ア・サービスの略であり、ソフトウェアを構築および稼動させるための土台となるプラットフォームを、インターネット経由のサービスとして提供するクラウドサービス提供モデルである。
【0193】
本類型では、データセンタ運営会社1110は、OS1202を管理し、データセンタ(クラウドサーバ)1203を運営及び管理している。また、サービスプロバイダ1120は、アプリケーション1201を管理する。サービスプロバイダ1120は、データセンタ運営会社1110が管理するOS1202及びサービスプロバイダ1120が管理するアプリケーション1201を用いてサービスを提供する(矢印1204及び矢印1205)。
【0194】
(サービスの類型4:SaaS利用型クラウドサービス)
図29は、サービスの類型4(SaaS利用型クラウドサービス)における機器制御システムが提供するサービスの全体像を示す図である。ここで、SaaSとは、ソフトウェア・アズ・ア・サービスの略である。SaaS利用型クラウドサービスは、例えば、データセンタ(クラウドサーバ)を保有しているプラットフォーム提供者が提供するアプリケーションを、データセンタ(クラウドサーバ)を保有していない会社又は個人などの利用者がインターネットなどのネットワーク経由で使用できる機能を有するクラウドサービス提供モデルである。
【0195】
本類型では、データセンタ運営会社1110は、アプリケーション1201を管理し、OS1202を管理し、データセンタ(クラウドサーバ)1203を運営及び管理している。また、サービスプロバイダ1120は、データセンタ運営会社1110が管理するOS1202及びアプリケーション1201を用いてサービスを提供する(矢印1204及び矢印1205)。
【0196】
以上、いずれのクラウドサービスの類型においても、サービスプロバイダ1120がサービスを提供する。また、例えば、サービスプロバイダ又はデータセンタ運営会社は、OS、アプリケーション又はビッグデータのデータベース等を自ら開発してもよいし、また、第三者に外注して開発させてもよい。