(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
無人飛行体の位置情報と、前記無人飛行体を操縦する操縦者又は前記無人飛行体を視認する1以上のビジュアルオブザーバのそれぞれが携帯する複数の端末の位置情報とに基づいて、前記操縦者又は前記1以上のビジュアルオブザーバの前記無人飛行体を視認するそれぞれの領域を示す視認担当領域及び前記操縦者又は前記1以上のビジュアルオブザーバの前記無人飛行体を視認するそれぞれの担当時間を示す視認担当時間のうち少なくとも一方を決定し、
前記視認担当領域及び前記視認担当時間の少なくとも一方を前記複数の端末に通知する、
通知方法。
前記視認担当領域と前記視認担当時間のうち少なくとも一方の決定は、前記無人飛行体の位置情報と前記複数の端末の位置情報と前記無人飛行体が飛行する飛行ルートとに基づいて決定し、
前記視認担当領域及び前記視認担当時間の少なくとも一方と、前記飛行ルートとを前記複数の端末に通知する、
請求項1記載の通知方法。
前記複数の端末のうち第1の端末が前記無人飛行体を視認する前記視認担当時間中に、前記複数の端末のうち第2の端末の前記無人飛行体を視認する担当時間として前記第2の端末の前記視認担当時間を変更した場合、前記第2の端末に、前記視認担当時間と変更理由とを通知する、
請求項1記載の通知方法。
前記複数の端末のうち前記視認担当領域が重複する第1の端末と第2の端末とが存在する場合、前記無人飛行体との距離が近い前記第1の端末の前記視認担当時間を前記第2の端末の前記視認担当時間よりも前の時間に決定する、
請求項1記載の通知方法。
無人飛行体の位置情報と、前記無人飛行体を操縦する操縦者又は前記無人飛行体を視認する1以上のビジュアルオブザーバのそれぞれが携帯する複数の端末の位置情報とを記憶する記憶部と、
前記無人飛行体の位置情報及び前記複数の端末の位置情報に基づいて、前記操縦者又は前記1以上のビジュアルオブザーバの前記無人飛行体を視認するそれぞれの領域を示す視認担当領域及び前記操縦者又は前記1以上のビジュアルオブザーバの前記無人飛行体を視認するそれぞれの担当時間を示す視認担当時間のうち少なくとも一方を決定する視認担当者決定部と、
前記視認担当領域及び前記視認担当時間の少なくとも一方を前記複数の端末に通知する通知制御部と、
を備える通知装置。
無人飛行体を操縦する操縦者又は前記無人飛行体を視認する1以上のビジュアルオブザーバの前記無人飛行体を視認するそれぞれの領域を示す視認担当領域及び前記操縦者又は前記1以上のビジュアルオブザーバの前記無人飛行体を視認するそれぞれの担当時間を示す視認担当時間のうち少なくとも一方を受信する通信部と、
前記視認担当領域及び前記視認担当時間の少なくとも一方を表示する表示部と、
を備える端末。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(本開示の基礎となった知見)
上記のように、無人飛行体は、空中を自在に飛行することができるため、様々な無人飛行体の飛行に関する規制が検討されている。例えば、操縦者とは別に、操縦者の無人飛行体の視認をサポートするVOと呼ばれる、無人飛行体を視認する人物を常に配置し、操縦者及びVOが無人飛行体を目視可能な範囲内のみで無人飛行体の飛行を許可する規制が検討されている。
【0013】
しかしながら、操縦者及び1以上のVOがいる場合、操縦者及び1以上のVOのそれぞれは、どのタイミングで無人飛行体を目視すればよいかが分からないという課題がある。
【0014】
このような課題を解決するため、本開示の一態様に係る通知方法は、無人飛行体の位置情報と、前記無人飛行体を操縦する操縦者又は前記無人飛行体を視認する1以上のビジュアルオブザーバのそれぞれが携帯する複数の端末の位置情報とに基づいて、前記操縦者又は前記1以上のビジュアルオブザーバの前記無人飛行体を視認するそれぞれの領域を示す視認担当領域及び前記操縦者又は前記1以上のビジュアルオブザーバの前記無人飛行体を視認するそれぞれの担当時間を示す視認担当時間のうち少なくとも一方を決定し、前記視認担当領域及び前記視認担当時間の少なくとも一方を前記複数の端末に通知する。
【0015】
この構成によれば、無人飛行体の位置情報と、無人飛行体を操縦する操縦者又は無人飛行体を視認する1以上のビジュアルオブザーバのそれぞれが携帯する複数の端末の位置情報とに基づいて、操縦者又は1以上のビジュアルオブザーバの無人飛行体を視認するそれぞれの領域を示す視認担当領域及び操縦者又は1以上のビジュアルオブザーバの無人飛行体を視認するそれぞれの担当時間を示す視認担当時間のうち少なくとも一方が決定される。視認担当領域及び視認担当時間の少なくとも一方が複数の端末に通知される。
【0016】
したがって、操縦者又は1以上のビジュアルオブザーバの無人飛行体を視認するそれぞれの領域を示す視認担当領域及び操縦者又は1以上のビジュアルオブザーバの無人飛行体を視認するそれぞれの担当時間を示す視認担当時間の少なくとも一方が複数の端末に通知されるので、操縦者又は1以上のビジュアルオブザーバに対して、どのタイミングで無人飛行体を目視すればよいかを認識させることができる。
【0017】
また、上記の通知方法において、前記視認担当領域と前記視認担当時間のうち少なくとも一方の決定は、前記無人飛行体の位置情報と前記複数の端末の位置情報と前記無人飛行体が飛行する飛行ルートとに基づいて決定し、前記視認担当領域及び前記視認担当時間の少なくとも一方と、前記飛行ルートとを前記複数の端末に通知してもよい。
【0018】
この構成によれば、視認担当領域と視認担当時間のうち少なくとも一方の決定は、無人飛行体の位置情報と複数の端末の位置情報と無人飛行体が飛行する飛行ルートとに基づいて決定される。視認担当領域及び視認担当時間の少なくとも一方と、飛行ルートとが複数の端末に通知される。
【0019】
したがって、視認担当領域及び視認担当時間の少なくとも一方とともに飛行ルートが複数の端末に通知されるので、操縦者又は1以上のビジュアルオブザーバは、無人飛行体の飛行ルートを確認しながら、どのタイミングで無人飛行体を目視すればよいかを確認することができる。
【0020】
また、上記の通知方法において、前記視認担当時間の決定は、前記視認担当領域に前記飛行ルートが入ってから出るまでの移動期間を算出し、前記移動期間を前記視認担当時間としてもよい。
【0021】
この構成によれば、視認担当時間の決定は、視認担当領域に飛行ルートが入ってから出るまでの移動期間を算出し、移動期間が視認担当時間とする。
【0022】
したがって、視認担当領域に飛行ルートが入ってから出るまでの移動期間が通知されるので、操縦者又は1以上のビジュアルオブザーバに対して、どの程度の期間、無人飛行体を目視すればよいかを認識させることができる。
【0023】
また、上記の通知方法において、前記視認担当時間の決定は、前記視認担当領域に前記飛行ルートが入る時刻である視認開始時刻を算出し、前記視認開始時刻を前記視認担当時間としてもよい。
【0024】
この構成によれば、視認担当時間の決定は、視認担当領域に飛行ルートが入る時刻である視認開始時刻を算出し、視認開始時刻を視認担当時間とする。
【0025】
したがって、視認担当領域に飛行ルートが入る時刻である視認開始時刻が通知されるので、操縦者又は1以上のビジュアルオブザーバに対して、無人飛行体の目視をいつ開始すればよいかを認識させることができる。
【0026】
また、上記の通知方法において、前記複数の端末への通知は、前記視認担当時間よりも所定時間前に行ってもよい。
【0027】
この構成によれば、複数の端末への通知は、視認担当時間よりも所定時間前に行われるので、操縦者又は1以上のビジュアルオブザーバに対して、視認担当時間を予め認識させることができる。
【0028】
また、上記の通知方法において、前記飛行ルートが前記視認担当領域を少なくとも2回通過する場合、1回目を第1の視認担当時間とし、2回目を第2の視認担当時間とすると、前記視認担当領域に前記飛行ルートが入る1回目の前記視認開始時刻を算出し、前記1回目の視認開始時刻を前記第1の視認担当時間とし、前記視認担当領域に前記飛行ルートが入る2回目の視認開始時刻を算出し、前記2回目の視認開始時刻を前記第2の視認担当時間とし、前記第1の視認担当時間及び前記第2の視認担当時間を前記複数の端末に通知してもよい。
【0029】
この構成によれば、飛行ルートが視認担当領域を少なくとも2回通過する場合、1回目を第1の視認担当時間とし、2回目を第2の視認担当時間とする。視認担当領域に飛行ルートが入る1回目の視認開始時刻が算出され、1回目の視認開始時刻が第1の視認担当時間とされ、視認担当領域に飛行ルートが入る2回目の視認開始時刻が算出され、2回目の視認開始時刻が第2の視認担当時間とされる。そして、第1の視認担当時間及び第2の視認担当時間が複数の端末に通知される。
【0030】
したがって、例えば、無人飛行体が出発地点と目的地点とを往復する場合に、操縦者又は1以上のビジュアルオブザーバに対して、無人飛行体の往路と復路とで無人飛行体をいつ目視すればよいかを認識させることができる。
【0031】
また、上記の通知方法において、前記複数の端末の位置情報と前記飛行ルートとに基づいて、前記視認担当領域に前記無人飛行体が到来する到来方向を決定し、前記到来方向を前記複数の端末にさらに通知してもよい。
【0032】
この構成によれば、複数の端末の位置情報と飛行ルートとに基づいて、視認担当領域に無人飛行体が到来する到来方向が決定される。そして、到来方向が複数の端末にさらに通知される。
【0033】
したがって、視認担当領域に無人飛行体が到来する到来方向が複数の端末に通知されるので、操縦者又は1以上のビジュアルオブザーバは、視認担当領域に入る無人飛行体を容易に発見することができる。
【0034】
また、上記の通知方法において、前記複数の端末のうち第1の端末が前記無人飛行体を視認する前記視認担当時間中に、前記複数の端末のうち第2の端末の前記無人飛行体を視認する担当時間として前記第2の端末の前記視認担当時間を変更した場合、前記第2の端末に、前記視認担当時間と変更理由とを通知してもよい。
【0035】
この構成によれば、複数の端末のうち第1の端末が無人飛行体を視認する視認担当時間中に、複数の端末のうち第2の端末の無人飛行体を視認する担当時間として第2の端末の視認担当時間を変更した場合、第2の端末に、視認担当時間と変更理由とが通知される。
【0036】
したがって、操縦者又は1以上のビジュアルオブザーバは視認担当時間が変更された理由を確認することができる。
【0037】
また、上記の通知方法において、前記複数の端末のうち前記視認担当領域が重複する第1の端末と第2の端末とが存在する場合、前記無人飛行体との距離が近い前記第1の端末の前記視認担当時間を前記第2の端末の前記視認担当時間よりも前の時間に決定してもよい。
【0038】
この構成によれば、複数の端末のうち視認担当領域が重複する第1の端末と第2の端末とが存在する場合、無人飛行体との距離が近い第1の端末の視認担当時間が第2の端末の視認担当時間よりも前の時間に決定される。
【0039】
したがって、第1の端末と第2の端末との視認担当領域が重複している場合、無人飛行体との距離が近い第1の端末の視認担当時間が第2の端末の視認担当時間よりも前の時間に決定されるので、1人の操縦者又はビジュアルオブザーバが長時間無人飛行体を視認し続けるのを防止することができる。
【0040】
また、上記の通知方法において、前記無人飛行体の位置情報と前記複数の端末の位置情報とを定期的に取得し、前記無人飛行体と前記複数の端末のうち第3の端末との距離が所定の距離以下となった場合、現在時刻を前記第3の端末の前記視認担当時間に決定してもよい。
【0041】
この構成によれば、無人飛行体の位置情報と複数の端末の位置情報とが定期的に取得される。無人飛行体と複数の端末のうち第3の端末との距離が所定の距離以下となった場合、現在時刻が第3の端末の視認担当時間に決定される。
【0042】
したがって、無人飛行体により近い操縦者又はビジュアルオブザーバが無人飛行体を視認するので、無人飛行体をより確実に目視することができる。
【0043】
また、上記の通知方法において、前記第1の端末から、前記無人飛行体の視認を拒否する拒否情報を受信すると、現在時刻を前記第2の端末の前記視認担当時間に決定し、前記第2の端末に、前記視認担当時間と決定理由とを通知してもよい。
【0044】
この構成によれば、第1の端末から、無人飛行体の視認を拒否する拒否情報が受信されると、現在時刻が第2の端末の視認担当時間に決定される。そして、第2の端末に、視認担当時間と決定理由とが通知される。
【0045】
したがって、第2の端末の操縦者又はビジュアルオブザーバは、現在時刻が第2の端末の視認担当時間に決定された理由を確認することができる。
【0046】
本開示の他の態様に係る通知装置は、無人飛行体の位置情報と、前記無人飛行体を操縦する操縦者又は前記無人飛行体を視認する1以上のビジュアルオブザーバのそれぞれが携帯する複数の端末の位置情報とを記憶する記憶部と、前記無人飛行体の位置情報及び前記複数の端末の位置情報に基づいて、前記操縦者又は前記1以上のビジュアルオブザーバの前記無人飛行体を視認するそれぞれの領域を示す視認担当領域及び前記操縦者又は前記1以上のビジュアルオブザーバの前記無人飛行体を視認するそれぞれの担当時間を示す視認担当時間のうち少なくとも一方を決定する視認担当者決定部と、前記視認担当領域及び前記視認担当時間の少なくとも一方を前記複数の端末に通知する通知制御部と、を備える。
【0047】
この構成によれば、無人飛行体の位置情報と、無人飛行体を操縦する操縦者又は無人飛行体を視認する1以上のビジュアルオブザーバのそれぞれが携帯する複数の端末の位置情報とが記憶部に記憶される。無人飛行体の位置情報及び複数の端末の位置情報に基づいて、操縦者又は1以上のビジュアルオブザーバの無人飛行体を視認するそれぞれの領域を示す視認担当領域及び操縦者又は1以上のビジュアルオブザーバの無人飛行体を視認するそれぞれの担当時間を示す視認担当時間のうち少なくとも一方が決定される。視認担当領域及び視認担当時間の少なくとも一方が複数の端末に通知される。
【0048】
したがって、操縦者又は1以上のビジュアルオブザーバの無人飛行体を視認するそれぞれの領域を示す視認担当領域及び操縦者又は1以上のビジュアルオブザーバの無人飛行体を視認するそれぞれの担当時間を示す視認担当時間の少なくとも一方が複数の端末に通知されるので、操縦者又は1以上のビジュアルオブザーバに対して、どのタイミングで無人飛行体を目視すればよいかを認識させることができる。
【0049】
本開示の他の態様に係る端末は、無人飛行体を操縦する操縦者又は前記無人飛行体を視認する1以上のビジュアルオブザーバの前記無人飛行体を視認するそれぞれの領域を示す視認担当領域及び前記操縦者又は前記1以上のビジュアルオブザーバの前記無人飛行体を視認するそれぞれの担当時間を示す視認担当時間のうち少なくとも一方を受信する通信部と、前記視認担当領域及び前記視認担当時間の少なくとも一方を表示する表示部と、を備える。
【0050】
この構成によれば、無人飛行体を操縦する操縦者又は無人飛行体を視認する1以上のビジュアルオブザーバの無人飛行体を視認するそれぞれの領域を示す視認担当領域及び操縦者又は1以上のビジュアルオブザーバの無人飛行体を視認するそれぞれの担当時間を示す視認担当時間のうち少なくとも一方が受信される。そして、視認担当領域及び視認担当時間の少なくとも一方が表示される。
【0051】
したがって、操縦者又は1以上のビジュアルオブザーバの無人飛行体を視認するそれぞれの領域を示す視認担当領域及び操縦者又は1以上のビジュアルオブザーバの無人飛行体を視認するそれぞれの担当時間を示す視認担当時間の少なくとも一方が表示されるので、操縦者又は1以上のビジュアルオブザーバに対して、どのタイミングで無人飛行体を目視すればよいかを認識させることができる。
【0052】
以下添付図面を参照しながら、本開示の実施の形態について説明する。なお、以下の実施の形態は、本開示を具体化した一例であって、本開示の技術的範囲を限定するものではない。
【0053】
(実施の形態1)
実施の形態1の飛行制御システムについて説明する。実施の形態1では、無人飛行体を操縦する1名の操縦者と3名のビジュアルオブザーバとが存在する場合について説明する。操縦者は、無人飛行体を操縦する操縦器を有し、3名のビジュアルオブザーバはそれぞれ、VO端末を有する。
【0054】
図1は、本開示の実施の形態1における飛行制御システムの構成を示す図である。
図1に示す飛行制御システムは、通知装置10、無人飛行体30、無人飛行体30を操縦する操縦器20、3つのVO端末21及び飛行ルート設定端末40を備える。
【0055】
通知装置10は、例えば、サーバであり、無人飛行体を視認するタイミングを操縦器20及びVO端末21に通知する。通知装置10は、ネットワーク50を介して、操縦器20、VO端末21、無人飛行体30及び飛行ルート設定端末40と通信可能に接続される。ネットワーク50は、例えばインターネットである。
【0056】
操縦器20は、操縦者1によって操作され、無人飛行体30を遠隔操縦する。操縦器20は、例えば無線により、無人飛行体30を操縦するための操縦情報を無人飛行体30へ送信する。操縦者1は、飛行ルート設定端末40にて予め決められた飛行ルートに沿って無人飛行体30を飛行させる。また、操縦器20は、通知装置10によって通知された無人飛行体30を視認するタイミングを受信する。
【0057】
VO端末21は、操縦者1とは別に、操縦者1の無人飛行体30の視認をサポートするビジュアルオブザーバ(VO)2,3,4によって操作される。VO端末21はVO2,3,4に携帯される。VO端末21は、例えば、携帯電話機、スマートフォン、タブレット型コンピュータ又はノート型パーソナルコンピュータである。VO端末21は、通知装置10によって通知された無人飛行体30を視認するタイミングを受信する。なお、
図1では、飛行制御システムは3台のVO端末21を備えているが、少なくとも1台のVO端末21を備えていればよい。また、操縦器20及びVO端末21が表示装置に相当する。
【0058】
また、無人飛行体30の飛行中、操縦者1及びVO2,3,4は、移動せず固定の位置であってもよいし、移動してもよい。
【0059】
無人飛行体30は、操縦器20を用いて操縦者1により遠隔操縦される。無人飛行体30は、操縦器20からの操縦情報を受信し、受信した操縦情報に基づいて飛行する。無人飛行体30は、複数のプロペラを備えており、複数のプロペラのそれぞれの回転数を制御することにより、前方、後方、左方向、右方向、上方向及び下方向に移動する。
【0060】
飛行ルート設定端末40は、無人飛行体30が飛行する飛行ルートを決定し、決定した飛行ルートを通知装置10へ送信する。飛行ルート設定端末40は、例えば、携帯電話機、スマートフォン、タブレット型コンピュータ又はパーソナルコンピュータである。例えば、飛行ルート設定端末40は、無人飛行体30の飛行開始地点、到着地点及び経由地点のユーザによる入力を受け付け、受け付けた飛行開始地点、到着地点及び経由地点を結んだ飛行ルートを決定する。
【0061】
なお、本実施の形態では、無人飛行体30は、操縦器20によって飛行ルートに沿って飛行するように遠隔操縦されるが、本開示は特にこれに限定されず、無人飛行体30は、操縦器20によって遠隔操縦されるのではなく、飛行ルートに沿って自律飛行してもよい。この場合、飛行制御システムは操縦器20を備えていなくてもよい。また、無人飛行体30が自律飛行する場合、操縦器20は、飛行開始の指示のみを無人飛行体30へ送信してもよい。
【0062】
図2は、本開示の実施の形態1における通知装置の構成を示すブロック図である。
図2に示す通知装置10は、通信部101、制御部102及び記憶部103を備える。
【0063】
通信部101は、ネットワーク50を介して、操縦器20、VO端末21及び無人飛行体30に種々の情報を送信するとともに、操縦器20、VO端末21、無人飛行体30及び飛行ルート設定端末40から種々の情報を受信する。通信部101は、無人飛行体30によって送信された無人飛行体30の位置を表す無人飛行体位置情報を受信し、受信した無人飛行体位置情報を記憶部103に記憶する。通信部101は、操縦器20及びVO端末21のそれぞれによって送信された操縦器20及びVO端末21のそれぞれの位置を表す複数の端末位置情報を受信し、受信した複数の端末位置情報を記憶部103に記憶する。なお、操縦者1及びVO2,3,4が、無人飛行体30を視認する視認担当者の候補となる複数の視認担当候補者である。
【0064】
また、通信部101は、飛行ルート設定端末40によって送信された飛行ルート情報を受信し、受信した飛行ルート情報を記憶部103に記憶する。飛行ルート情報は、例えば、無人飛行体30の飛行開始地点、目的地点及び経由地点の緯度、経度及び高度で表される。
【0065】
制御部102は、例えばCPU(中央演算処理装置)であり、通知装置10の動作を制御する。制御部102は、中央制御部111、視認担当者決定部112、通知情報生成部113、通知制御部114及び通知タイミング決定部115を備える。
【0066】
中央制御部111は、通知装置10の各部の動作を制御する。中央制御部111は、無人飛行体30の位置を表す無人飛行体位置情報を取得する。中央制御部111は、無人飛行体30を視認する視認担当者の候補となる複数の視認担当候補者が携帯する端末のそれぞれの位置を表す複数の端末位置情報を取得する。
【0067】
視認担当者決定部112は、無人飛行体位置情報及び複数の端末位置情報に基づいて、複数の視認担当候補者のそれぞれが視認担当者として無人飛行体30を視認する領域を示す視認担当領域を決定する。
【0068】
通知情報生成部113は、視認担当者決定部112によって決定された視認担当領域を複数の視認担当候補者の各端末に通知するための通知情報を生成する。
【0069】
通知制御部114は、記憶部103に記憶されている通知先情報に基づいて、通知情報を複数の視認担当候補者の各端末に送信する。すなわち、通知制御部114は、視認担当領域を複数の視認担当候補者の各端末に通知する。
【0070】
通知タイミング決定部115は、通知情報を複数の視認担当候補者の各端末に送信する通知タイミングを決定する。なお、通知タイミングについては後述する。
【0071】
記憶部103は、例えばハードディスクドライブであり、種々の情報を記憶する。記憶部103は、地図情報121、無人飛行体位置情報122、端末位置情報123、通知先情報124、視認担当者決定プログラム125、通知情報生成プログラム126、飛行ルート情報127、視認可能範囲情報128及び通知タイミング決定プログラム129を記憶する。
【0072】
地図情報121は、記憶部103に予め記憶されていてもよいし、地図を提供するサーバから受信してもよい。
【0073】
無人飛行体位置情報122は、無人飛行体30の現在位置を示す。端末位置情報123は、操縦者1が携帯する操縦器20及びVO2,3,4が携帯するVO端末21の現在位置を示す。
【0074】
通知先情報124は、通知情報を送信する操縦器20及びVO端末21のネットワーク50上のアドレスを示す。
【0075】
視認担当者決定プログラム125は、複数の視認担当候補者のそれぞれが視認担当者として無人飛行体30を視認する領域を示す視認担当領域を決定するためのプログラムである。
【0076】
通知情報生成プログラム126は、視認担当領域を複数の視認担当候補者の各端末に通知するための通知情報を生成するためのプログラムである。
【0077】
飛行ルート情報127は、無人飛行体30の飛行ルートを示す。
【0078】
視認可能範囲情報128は、操縦者1及びVO2,3,4が視認可能な範囲を示す視認可能範囲を示す。視認可能範囲は、操縦者1及びVO2,3,4に対して予め決められている。例えば、操縦者1及びVO2,3,4の現在位置を中心とし、半径が所定の距離である半球内の範囲が、視認可能範囲である。
【0079】
通知タイミング決定プログラム129は、通知情報を送信するタイミングを決定するためのプログラムである。
【0080】
図3は、本開示の実施の形態1における操縦器及びVO端末の構成を示すブロック図である。なお、操縦器20とVO端末21との基本的な構成は同じである。
図3に示す操縦器20及びVO端末21は、制御部201、記憶部202、通信部203、位置測定部204、ユーザ入力部205及び表示部206を備える。
【0081】
制御部201は、例えばCPUであり、操縦器20及びVO端末21の動作を制御する。記憶部202は、例えば半導体メモリであり、種々の情報を記憶する。
【0082】
通信部203は、無線により、通知装置10に種々の情報を送信するとともに、通知装置10から種々の情報を受信する。通信部203は、通知装置10によって送信された通知情報を受信する。また、操縦器20の通信部203は、無線により、無人飛行体30を遠隔操縦するための操縦情報を無人飛行体30へ送信する。
【0083】
位置測定部204は、例えばGPS(Global Positioning System)であり、操縦器20及びVO端末21の現在位置を取得する。操縦器20及びVO端末21の現在位置は、緯度、経度及び高度で表される。通信部203は、位置測定部204によって取得された操縦器20及びVO端末21の現在位置を示す情報を通知装置10へ送信する。
【0084】
ユーザ入力部205は、操縦者1及びVO2,3,4による操作入力を受け付ける。VO端末21のユーザ入力部205は、例えば、タッチパネルである。操縦器20のユーザ入力部205は、例えば、操縦者1の左手側に設けられた左スティックと、操縦者1の右手側に設けられた右スティックとを含む。操縦者1によって左スティック及び右スティックが傾けられることにより、ユーザ入力部205は、傾き角度に関する角度情報を制御部201へ出力する。無人飛行体30の動きは、当該傾き角度に応じて制御される。制御部201は、ユーザ入力部205による操作入力に応じて、無人飛行体30を操縦するための操縦情報を生成する。操縦情報は、例えば左スティック及び右スティックの傾き角度を示す角度情報を含む。
【0085】
表示部206は、例えば液晶表示装置であり、種々の情報を表示する。表示部206は、通知装置10によって送信された通知情報に基づいて、視認担当領域を表示する。
【0086】
図4は、本開示の実施の形態1における無人飛行体の外観図である。
図5は、本開示の実施の形態1における無人飛行体の構成を示すブロック図である。
【0087】
無人飛行体30は、本体A1と、無人飛行体30の推進力を発生させる駆動部305とを備える。駆動部305は、本体A1から四方へ延在する支持部A2の先端に取り付けられる。本体A1の上側には、位置測定部304が取り付けられている。また、本体A1の内部には、制御部301、記憶部302及び通信部303が収納されている。
【0088】
制御部301は、例えばCPUであり、無人飛行体30の動作(飛行)を制御する。記憶部302は、例えば半導体メモリであり、種々の情報を記憶する。
【0089】
通信部303は、無線により、通知装置10に種々の情報を送信するとともに、通知装置10から種々の情報を受信する。通信部303は、無線により、無人飛行体30を遠隔操縦するための操縦情報を操縦器20から受信する。
【0090】
位置測定部304は、例えばGPSであり、無人飛行体30の現在位置を取得する。
【0091】
駆動部305は、プロペラと、プロペラを回転させるモータとからなる。
図4では、無人飛行体30は4個の駆動部305を有しているがこれに限定されない。無人飛行体30は、例えば、5個以上の駆動部305を有してもよい。制御部301は、駆動部305のプロペラの回転数を適宜制御することで、無人飛行体30の移動方向及び飛行状態を制御する。
【0092】
図6は、本開示の実施の形態1における視認担当領域について説明するための模式図である。
【0093】
図6において、VO2の視認可能範囲をVR1、VO3の視認可能範囲をVR2、VO4の視認可能範囲をVR3とする。視認可能範囲VR1,VR2,VR3の大きさは、予め決められている。そのため、VO2,3,4は、それぞれ無人飛行体30の飛行ルート付近に視認可能範囲VR1,VR2,VR3が重ならないように配置する必要がある。
【0094】
なお、上記のように、VO2,3,4は、視認可能範囲VR1,VR2,VR3が重ならないように配置されているため、各VO2,3,4の視認可能範囲VR1,VR2,VR3が視認担当領域として通知されるが、本開示は特にこれに限定されない。VO2,3,4の視認可能範囲VR1,VR2,VR3は重なってもよい。この場合、2つの視認可能範囲が重なった部分は、2人のVO間で2等分するか、又は2人のVOのうちの一方のVOの視認可能範囲のみに含めるようにし、各VO2,3,4の視認担当領域が重複しないように設定されることが好ましい。
【0095】
図7は、本開示の実施の形態1における通知装置10の動作について説明するためのフローチャートである。
【0096】
通知装置10の通信部101は、飛行ルート設定端末40によって送信された飛行ルート情報を受信し、記憶部103に記憶しているものとする。
【0097】
また、無人飛行体30の位置測定部304は現在位置を取得し、通信部303は取得された無人飛行体30の現在位置を通知装置10へ送信し、通知装置10の通信部101は、無人飛行体30によって送信された位置情報を受信し、記憶部103に記憶しているものとする。
【0098】
さらに、操縦器20及びVO端末21の位置測定部204は、現在位置を取得し、通信部203は、取得された操縦器20及びVO端末21の現在位置を通知装置10へ送信し、通知装置10の通信部101は、操縦器20及びVO端末21によって送信された位置情報を受信し、記憶部103に記憶しているものとする。
【0099】
なお、通知装置10の通信部101は、無人飛行体30の現在位置や操縦器20及びVO端末21の現在位置を定期的に取得し、記憶部103に記憶してもよい。
【0100】
まず、ステップS1において、中央制御部111は、飛行ルート情報を記憶部103から取得する。
【0101】
次に、ステップS2において、視認担当者決定部112は、無人飛行体30の位置を記憶部103から取得する。
【0102】
次に、ステップS3において、視認担当者決定部112は、操縦器20及びVO端末21の位置を記憶部103から取得する。
【0103】
次に、ステップS4において、視認担当者決定部112は、操縦者1及びVO2,3,4の視認担当領域を決定する。具体的には、視認担当者決定部112は、視認可能範囲を記憶部103から取得し、操縦器20及びVO端末21の位置を中心とする視認可能範囲内の領域を、操縦者1及びVO2,3,4の視認担当領域に決定する。
【0104】
次に、ステップS5において、通知制御部114は、操縦者1及びVO2,3,4の視認担当領域を操縦器20及びVO端末21に通知する。具体的には、通知情報生成部113は、視認担当者決定部112によって決定された視認担当領域を操縦者1及びVO2,3,4に通知するための通知情報を生成する。例えば、
図6に示すように、視認担当領域は、視認可能範囲VR1がVO1の視認担当領域であり、視認可能範囲VR2がVO2の視認担当領域であり、視認可能範囲VR3がVO3の視認担当領域である。このとき、通知情報生成部113は、通知情報に飛行ルート情報を含めてもよい。通知制御部114は、生成された通知情報を、通信部101を介して操縦器20及びVO端末21へ送信する。
【0105】
操縦器20及びVO端末21の通信部203は、通知装置10によって送信された通知情報を受信する。制御部201は、受信した通知情報に基づいて、視認担当領域を表示部206に表示する。
【0106】
なお、
図7に示す通知装置10の動作が開始されるタイミングは、無人飛行体30の飛行開始時、又は通知装置10が飛行ルートを取得した時であってもよい。また、通知装置10の動作が開始されるタイミングは、定期的であってもよい。
【0107】
また、操縦者1及びVO2,3,4の視認担当領域を操縦器20及びVO端末21に通知するタイミングは、飛行ルートが決定(取得)されたタイミング、無人飛行体30の飛行が開始されたタイミング、無人飛行体30が各視認担当領域に進入したタイミング、無人飛行体30が各視認担当領域に進入する時刻よりも所定時間前のタイミング、又は、無人飛行体30が各視認担当領域に進入する位置より所定距離前の位置に到達したタイミングであってもよい。また、操縦者1及びVO2,3,4の視認担当領域を操縦器20及びVO端末21に通知するタイミングは、定期的であってもよい。
【0108】
また、操縦者1及びVO2,3,4の視認担当領域を操縦器20及びVO端末21に通知するタイミングは、操縦器20及びVO端末21のいずれかから視認担当者の変更依頼が受信されたタイミングであってもよい。
【0109】
また、操縦者1及びVO2,3,4の視認担当領域を操縦器20及びVO端末21に通知するタイミングは、操縦者1及びVO2,3,4のいずれかの位置が所定の距離以上変更されたタイミングであってもよい。
【0110】
また、操縦者1及びVO2,3,4の視認担当領域を操縦器20及びVO端末21に通知するタイミングは、視認担当者が変更されたタイミングであってもよい。
【0111】
さらに、複数の視認担当候補者(操縦者1及びVO2,3,4)の端末は、複数の視認担当候補者の全ての視認担当領域を表示してもよいし、複数の視認担当候補者の個々の視認担当領域を表示してもよい。
【0112】
図8は、本開示の実施の形態1における操縦器及びVO端末の表示部に表示される表示画面の一例を示す図である。
【0113】
図8に示す表示画面500には、地図画像401上に、出発地を示すアイコン402、経由地を示すアイコン403及び目的地を示すアイコン404が表示される。また、各アイコン402,403,404が矢印で結ばれることで飛行ルートが表される。なお、アイコン402,403,404は、それぞれの色を異ならせたり、それぞれの形状を異ならせたりすることにより、識別可能に表示してもよい。
【0114】
また、表示画面500には、地図画像401上に、VO2が携帯するVO端末21の位置を示すアイコン411、VO3が携帯するVO端末21の位置を示すアイコン412及びVO4が携帯するVO端末21の位置を示すアイコン413が表示される。なお、
図8の例では、操縦者1は存在しておらず、VO2,3,4のみが存在している。
【0115】
さらに、表示画面500には、地図画像401上に、VO2の視認担当領域421、VO3の視認担当領域422及びVO4の視認担当領域423が表示される。なお、アイコン411,412,413は、それぞれの色を異ならせたり、それぞれの形状を異ならせたりすることにより、識別可能に表示してもよい。また、アイコン411,412,413の近傍に、それぞれのVOを識別可能な情報(例えば名前など)が表示されてもよい。
【0116】
また、視認担当領域421,422,423は、それぞれの色を異ならせたりすることにより、識別可能に表示してもよい。例えば、
図8に示すように、VO3が携帯するVO端末21に表示される表示画面500には、VO3の視認担当領域422が、他の視認担当領域421,423とは異なる態様で表示されることにより、VO3は自身の視認担当領域を容易に識別することができる。
【0117】
(実施の形態2)
続いて、本実施の形態2に係る飛行制御システムについて説明する。
【0118】
飛行ルート、視認担当領域の位置、視認担当領域の範囲及び無人飛行体30の速度が予め決まっている場合、無人飛行体30が視認担当領域に入ってから出るまでの時間を算出することが可能となる。そこで、本実施の形態2では、通知装置10は、視認担当領域だけでなく、複数の視認担当候補者のそれぞれが視認担当者として無人飛行体を視認する時間を示す視認担当時間も通知する。
【0119】
図9は、本開示の実施の形態2における視認担当領域及び視認担当時間について説明するための模式図である。
【0120】
図9に示すように、VO2,3,4の視認可能範囲VR1,VR2,VR3の大きさは、予め決められている。VO2,3,4は、それぞれ無人飛行体30の飛行ルート31上に視認可能範囲VR1,VR2,VR3が重ならないように配置される。視認可能範囲VR1がVO1の視認担当領域であり、視認可能範囲VR2がVO2の視認担当領域であり、視認可能範囲VR3がVO3の視認担当領域である。通知装置10は、各VO2,3,4の視認可能範囲VR1,VR2,VR3を視認担当領域として通知する。
【0121】
また、
図9に示すように、VO2の時間間隔をT1とし、VO3の時間間隔をT2とし、VO4の時間間隔をT3とする。無人飛行体30の速度は予め決められている。そのため、例えば、無人飛行体30がVO2の視認担当領域(視認可能範囲VR2)に入ってから出るまでの時間間隔は、無人飛行体30が通過する視認担当領域内の距離を、無人飛行体30の速度で除算することにより算出することができる。また、無人飛行体30の飛行開始時刻がわかれば、無人飛行体30がVO2の視認担当領域に入る時刻と、無人飛行体30がVO2の視認担当領域を出る時刻とを算出することができる。例えば、VO2の時間間隔T1において、VO2の視認担当領域に入る時刻t11と、VO2の視認担当領域を出る時刻t12とを算出できる。
【0122】
図10は、本開示の実施の形態2における通知装置の構成を示すブロック図である。なお、実施の形態2に係る飛行制御システムの構成は、
図1に示す飛行制御システムの構成と同じである。また、実施の形態2に係る操縦器20、VO端末21及び無人飛行体30の構成は、
図3、
図4及び
図5に示す操縦器20、VO端末21及び無人飛行体30の構成と同じである。
【0123】
図10に示す通知装置10は、通信部101、制御部102及び記憶部103を備える。なお、実施の形態1の通知装置と同じ構成については同じ符号を付し、説明を省略する。
【0124】
制御部102は、例えばCPUであり、通知装置10の動作を制御する。制御部102は、中央制御部111、視認担当者決定部112、通知情報生成部113、通知制御部114、通知タイミング決定部115及び視認担当時間算出部116を備える。
【0125】
視認担当時間算出部116は、無人飛行体位置情報及び複数の端末位置情報に基づいて、複数の視認担当候補者のそれぞれが視認担当者として無人飛行体30を視認する時間を示す視認担当時間を決定する。
【0126】
通知情報生成部113は、視認担当者決定部112によって決定された視認担当領域及び視認担当時間算出部116によって決定された視認担当時間を複数の視認担当候補者の各端末に通知するための通知情報を生成する。
【0127】
なお、視認担当時間算出部116は、視認担当領域と飛行ルートとに基づいて、無人飛行体30が視認担当領域に入ってから視認担当領域を出るまでの移動期間を算出し、算出した移動期間を視認担当時間として決定してもよい。
【0128】
また、視認担当時間算出部116は、視認担当領域と飛行ルートとに基づいて、視認担当領域内の視認担当者が無人飛行体30の視認を開始する時刻を示す視認開始時刻を算出し、算出した認開始時刻を視認担当時間として決定してもよい。通知制御部114は、視認担当時間を視認開始時刻よりも所定時間前に複数の視認担当候補者の各端末に通知してもよい。
【0129】
図11は、本開示の実施の形態2における通知装置の動作について説明するためのフローチャートである。
【0130】
ステップS11〜ステップS14の処理は、
図7に示すステップS1〜ステップS4の処理と同じであるので、説明を省略する。
【0131】
次に、ステップS15において、視認担当時間算出部116は、無人飛行体位置情報及び複数の端末位置情報に基づいて、操縦者1及びVO2,3,4のそれぞれが視認担当者として無人飛行体30を視認する時間を示す視認担当時間を決定する。ここで、視認担当時間T1,T2,T3は、操縦者1及びVO2,3,4のそれぞれが無人飛行体30の視認を開始する視認開始時刻と、操縦者1及びVO2,3,4のそれぞれが無人飛行体30の視認を終了する視認終了時刻とを含む。
【0132】
具体的には、視認担当時間算出部116は、無人飛行体30の飛行ルート、無人飛行体30の現在位置及び操縦者1及びVO2,3,4のそれぞれの視認担当領域に基づいて、無人飛行体30の現在位置から無人飛行体30が各視認担当領域に入る地点までの第1の移動距離を算出し、無人飛行体30が各視認担当領域に入った地点から無人飛行体30が各視認担当領域を出る地点までの第2の移動距離を算出する。次に、視認担当時間算出部116は、無人飛行体30の飛行開始時刻及び無人飛行体30の移動速度を取得する。
【0133】
次に、視認担当時間算出部116は、算出した第1の移動距離と無人飛行体30の移動速度とに基づいて、無人飛行体30が現在位置から各視認担当領域に移動するまでに要する第1の移動期間を算出する。次に、視認担当時間算出部116は、算出した第2の移動距離と無人飛行体30の移動速度とに基づいて、無人飛行体30が各視認担当領域に入ってから各視認担当領域を出るまでに要する第2の移動期間を算出する。
【0134】
次に、視認担当時間算出部116は、算出した第1の移動期間を無人飛行体30の飛行開始時刻に加算することにより、無人飛行体30が各視認担当領域に入る時刻、すなわち操縦者1及びVO2,3,4のそれぞれが無人飛行体30の視認を開始する視認開始時刻を算出する。次に、視認担当時間算出部116は、算出した第2の移動期間を視認開始時刻に加算することにより、無人飛行体30が各視認担当領域から出る時刻、すなわち操縦者1及びVO2,3,4のそれぞれが無人飛行体30の視認を終了する視認終了時刻を算出する。
【0135】
以上のようにして、視認担当時間算出部116によって操縦者1及びVO2,3,4のそれぞれの視認担当時間が算出される。
【0136】
次に、ステップS16において、通知制御部114は、操縦者1及びVO2,3,4の視認担当領域及び視認担当時間を操縦器20及びVO端末21に通知する。具体的には、通知情報生成部113は、視認担当者決定部112によって決定された視認担当領域及び視認担当時間算出部116によって決定された視認担当時間を操縦者1及びVO2,3,4に通知するための通知情報を生成する。このとき、通知情報生成部113は、通知情報に飛行ルート情報を含めてもよい。通知制御部114は、生成された通知情報を、通信部101を介して操縦器20及びVO端末21へ送信する。
【0137】
操縦器20及びVO端末21の通信部203は、通知装置10によって送信された通知情報を受信する。制御部201は、受信した通知情報に基づいて、視認担当領域及び視認担当時間を表示部206に表示する。
【0138】
なお、
図11に示す通知装置10の動作が開始されるタイミングは、無人飛行体30の飛行開始時、又は通知装置10が飛行ルートを取得した時であってもよい。また、
図11に示す通知装置10の動作が開始されるタイミングは、定期的であってもよい。特に、無人飛行体10の飛行中は、天候の影響などにより視認担当領域に到達する時刻が変化するおそれがある。そこで、ステップS11〜ステップS16の動作が定期的に行われることにより、より正確な視認担当時間を視認担当者に通知することができる。
【0139】
また、操縦者1及びVO2,3,4の視認担当領域及び視認担当時間を操縦器20及びVO端末21に通知するタイミングは、実施の形態1で説明したタイミング以外に、決定した視認開始時刻が変更されるタイミングであってもよい。すなわち、無人飛行体30は、天候などの影響により、予め設定されている速度よりも早く飛行したり、遅く飛行したりする場合がある。そのため、無人飛行体30の飛行中に、視認担当時間が変更された場合は、変更後の視認担当領域及び視認担当時間を操縦器20及びVO端末21に通知することが好ましい。
【0140】
図12は、本開示の実施の形態2における操縦器及びVO端末の表示部に表示される表示画面の一例を示す図である。なお、
図12に示す表示画面501において、
図8に示す表示画面500と同じ構成については同じ符号を付し、説明を省略する。
【0141】
図12に示す表示画面501には、視認担当時間を通知するためのメッセージ431が表示される。上記のように、視認担当時間は、視認開始時刻と視認終了時刻とを含む。例えば、視認開始時刻が「13:15」であり、視認終了時刻が「13:30」である場合、メッセージ431には、「13:15〜13:30に視認をお願いします。」と表示される。
【0142】
このように、視認担当者として無人飛行体30を視認する時間を示す視認担当時間が視認担当候補者に通知されるので、視認担当候補者は、いつ無人飛行体30を視認すればよいかを容易に認識することができる。
【0143】
図13は、本開示の実施の形態2における操縦器及びVO端末の表示部に表示される表示画面の第1の変形例を示す図である。なお、
図13に示す表示画面502において、
図8に示す表示画面500と同じ構成については同じ符号を付し、説明を省略する。
【0144】
図13に示す表示画面502には、視認担当時間を通知するためのメッセージ432が表示される。視認担当時間は、視認開始時刻と、無人飛行体30が視認担当領域に入ってから視認担当領域を出るまでに要する第2の移動期間とを含む。例えば、視認開始時刻が「13:15」であり、視認終了時刻が「13:30」である場合、第2の移動期間は15分間であるので、メッセージ432には、「13:15から15分間、視認をお願いします。」と表示される。
【0145】
図14は、本開示の実施の形態2における操縦器及びVO端末の表示部に表示される表示画面の第2の変形例を示す図である。なお、
図14に示す表示画面503において、
図8に示す表示画面500と同じ構成については同じ符号を付し、説明を省略する。
【0146】
図14に示す表示画面503には、視認担当時間を通知するためのメッセージ433が表示される。視認担当時間は、現在時刻から視認開始時刻までの間の時間と、無人飛行体30が視認担当領域に入ってから視認担当領域を出るまでに要する第2の移動期間とを含む。例えば、現在時刻が「13:05」であり、視認開始時刻が「13:15」であり、第2の移動期間が15分間である場合、メッセージ433には、「10分後に、15分間、視認をお願いします。」と表示される。
【0147】
なお、本実施の形態2では、視認担当領域及び視認担当時間が複数の視認担当候補者の各端末に通知されるが、本開示は特にこれに限定されず、視認担当時間のみが複数の視認担当候補者の各端末に通知されてもよい。
【0148】
なお、本実施の形態2では、視認担領域及び視認担当時間が複数の視認担当候補者の各端末に通知された後、視認担当時間が終了したことを複数の視認担当候補者の各端末へ通知してもよいし、該当する端末のみへ通知してもよい。
【0149】
なお、本実施の形態2では、視認担当領域及び視認担当時間が複数の視認担当候補者の各端末に通知された後、通知された各端末は、通知された旨を通知装置10へ返信してもよい。
【0150】
続いて、本実施の形態2の変形例について説明する。上記の実施の形態2では、無人飛行体30は、複数の視認担当候補者(操縦者1及びVO2,3,4)の視認可能領域をそれぞれ1回ずつ通過しているが、実施の形態2の変形例では、無人飛行体30は、複数の視認担当候補者(操縦者1及びVO2,3,4)の視認可能領域をそれぞれ複数回ずつ通過する。
【0151】
図15は、本開示の実施の形態2の変形例における視認担当領域及び視認担当時間について説明するための模式図である。
【0152】
図15に示すように、無人飛行体30は、VO2,3,4の視認可能範囲VR1,VR2,VR3を通過した後、再度、VO4,3,2の視認可能範囲VR3,VR2,VR1を通過する飛行ルート32上を飛行する。この場合、最初に無人飛行体30が視認担当領域に入ってから視認担当領域を出るまでの第1の視認担当時間T1,T2,T3と、2回目に無人飛行体30が視認担当領域に入ってから視認担当領域を出るまでの第2の視認担当時間T4,T5,T6とが、VO2,3,4の各VO端末21に通知される。
【0153】
視認担当時間算出部116は、無人飛行体30が視認担当領域を出た後、再度視認担当領域に入る場合、視認担当領域と飛行ルートとに基づいて、最初に無人飛行体30が視認担当領域に入ってから視認担当領域を出るまでの第1の視認担当時間と、2回目に無人飛行体30が視認担当領域に入ってから視認担当領域を出るまでの第2の視認担当時間とを決定する。通知制御部114は、第1の視認担当時間及び第2の視認担当時間を複数の視認担当候補者の各端末に通知する。
【0154】
図16は、本開示の実施の形態2の変形例における操縦器及びVO端末の表示部に表示される表示画面の一例を示す図である。なお、
図16に示す表示画面504において、
図8に示す表示画面500と同じ構成については同じ符号を付し、説明を省略する。
【0155】
図16に示す表示画面501には、第1の視認担当時間を通知するためのメッセージ431と、第2の視認担当時間を通知するためのメッセージ434とが表示される。第1の視認担当時間は、視認開始時刻と視認終了時刻とを含む。例えば、第1の視認担当時間の視認開始時刻が「13:15」であり、視認終了時刻が「13:30」である場合、メッセージ431には、「13:15〜13:30に視認をお願いします。」と表示される。また、第2の視認担当時間は、視認開始時刻と視認終了時刻とを含む。例えば、第2の視認担当時間の視認開始時刻が「14:00」であり、視認終了時刻が「14:15」である場合、メッセージ434には、「次回、14:00〜14:15に視認をお願いします。」と表示される。
【0156】
このように、同一の視認担当領域を複数回数通過する場合は、視認担当時間を通知する際に、次回の視認担当時間も合わせて通知することにより、視認担当者が次回の視認担当時間を忘れるのを防止することができる。
【0157】
(実施の形態3)
続いて、本実施の形態3に係る飛行制御システムについて説明する。
【0158】
視認担当領域及び視認担当時間が視認担当候補者に通知されたとしても、視認担当領域は広いので、視認担当者はどこから無人飛行体が到来するのかが分からない可能性がある。そこで、本実施の形態3では、通知装置10は、視認担当領域及び視認担当時間だけでなく、無人飛行体が到来する方向も通知する。
【0159】
図17は、本開示の実施の形態3における無人飛行体の到来方向について説明するための模式図である。
【0160】
図17に示すように、VO2,3,4の視認可能範囲VR1,VR2,VR3の大きさは、予め決められている。VO2,3,4は、それぞれ無人飛行体30の飛行ルート31上に視認可能範囲VR1,VR2,VR3が重ならないように配置される。視認可能範囲VR1がVO1の視認担当領域であり、視認可能範囲VR2がVO2の視認担当領域であり、視認可能範囲VR3がVO3の視認担当領域である。通知装置10は、各VO2,3,4の視認可能範囲VR1,VR2,VR3を視認担当領域としてVO2,3,4の各VO端末21に通知する。
【0161】
また、通知装置10は、VO2,3,4のそれぞれが視認担当者として無人飛行体30を視認する時間を示す視認担当時間T1,T2,T3をVO2,3,4の各VO端末21に通知する。
【0162】
さらに、通知装置10は、各視認担当領域内において無人飛行体30が到来する到来方向D1,D2,D3をVO2,3,4の各VO端末21に通知する。
【0163】
図18は、本開示の実施の形態3における通知装置の構成を示すブロック図である。なお、実施の形態3に係る飛行制御システムの構成は、
図1に示す飛行制御システムの構成と同じである。また、実施の形態3に係る操縦器20、VO端末21及び無人飛行体30の構成は、
図3、
図4及び
図5に示す操縦器20、VO端末21及び無人飛行体30の構成と同じである。
【0164】
図18に示す通知装置10は、通信部101、制御部102及び記憶部103を備える。なお、実施の形態1及び実施の形態2の通知装置と同じ構成については同じ符号を付し、説明を省略する。
【0165】
制御部102は、例えばCPUであり、通知装置10の動作を制御する。制御部102は、中央制御部111、視認担当者決定部112、通知情報生成部113、通知制御部114、通知タイミング決定部115、視認担当時間算出部116及び到来方向決定部117を備える。
【0166】
到来方向決定部117は、飛行ルートと視認担当候補者(操縦者1及びVO2,3,4)が携帯する端末(操縦器20及びVO端末21)の位置とに基づいて、無人飛行体30が視認担当領域に到来する到来方向を特定する。通知制御部114は、到来方向を複数の視認担当候補者(操縦者1及びVO2,3,4)の各端末(操縦器20及びVO端末21)に通知する。
【0167】
図19は、本開示の実施の形態3における通知装置の動作について説明するためのフローチャートである。
【0168】
ステップS21〜ステップS25の処理は、
図11に示すステップS11〜ステップS15の処理と同じであるので、説明を省略する。
【0169】
次に、ステップS26において、到来方向決定部117は、無人飛行体30が視認担当領域に到来する到来方向を特定する。到来方向は、方角で表される。具体的には、到来方向決定部117は、無人飛行体30が視認担当領域に入る際の視認担当者の端末の位置から、無人飛行体30が視認担当領域に入る際の無人飛行体30の位置に向かう方角を到来方向に決定する。
【0170】
なお、視認担当領域、視認担当時間及び到来方向が、無人飛行体30が視認担当領域に入るタイミングで通知される場合、到来方向決定部117は、視認担当者の端末の現在位置から、無人飛行体30の現在位置に向かう方角を到来方向に決定してもよい。また、視認担当領域、視認担当時間及び到来方向が、無人飛行体30が視認担当領域に入るタイミングより前のタイミングで通知される場合、到来方向決定部117は、視認担当者の端末の現在位置から、飛行ルート上の無人飛行体30が視認担当領域に入る際の無人飛行体30の位置に向かう方角を到来方向に決定してもよい。
【0171】
次に、ステップS27において、通知制御部114は、操縦者1及びVO2,3,4の視認担当領域、視認担当時間及び到来方向を操縦器20及びVO端末21に通知する。具体的には、通知情報生成部113は、視認担当者決定部112によって決定された視認担当領域、視認担当時間算出部116によって決定された視認担当時間及び到来方向決定部117によって決定された到来方向を操縦者1及びVO2,3,4に通知するための通知情報を生成する。このとき、通知情報生成部113は、通知情報に飛行ルート情報を含めてもよい。通知制御部114は、生成された通知情報を、通信部101を介して操縦器20及びVO端末21へ送信する。
【0172】
操縦器20及びVO端末21の通信部203は、通知装置10によって送信された通知情報を受信する。制御部201は、受信した通知情報に基づいて、視認担当領域、視認担当時間及び到来方向を表示部206に表示する。
【0173】
なお、
図19に示す通知装置10の動作が開始されるタイミングは、無人飛行体30の飛行開始時、又は通知装置10が飛行ルートを取得した時であってもよい。また、
図19に示す通知装置10の動作が開始されるタイミングは、定期的であってもよい。
【0174】
また、操縦者1及びVO2,3,4の視認担当領域、視認担当時間及び到来方向を操縦器20及びVO端末21に通知するタイミングは、実施の形態2で説明したタイミングと同じである。
【0175】
また、本実施の形態3では、通知装置10は、無人飛行体30が到来する到来方向だけでなく、無人飛行体30が視認担当領域に入る際の無人飛行体30の高度も通知してもよい。また、例えば、到来方向に公共の建物などの予め定められた建物が存在する場合、又は高さが所定の高さ以上である建物が存在する場合、通知装置10は、到来方向に存在する建物に関する情報も通知してもよい。
【0176】
図20は、本開示の実施の形態3における操縦器及びVO端末の表示部に表示される表示画面の一例を示す図である。なお、
図20に示す表示画面505において、
図12に示す表示画面501と同じ構成については同じ符号を付し、説明を省略する。
【0177】
図20に示す表示画面505には、視認担当時間を通知するためのメッセージ431と、到来方向を通知するためのメッセージ435とが表示される。視認担当時間は、視認開始時刻と視認終了時刻とを含む。例えば、視認開始時刻が「13:15」であり、視認終了時刻が「13:30」である場合、メッセージ431には、「13:15〜13:30に視認をお願いします。」と表示される。また、例えば、到来方向が北西(XX高校の上空)であり、高度が30mである場合、メッセージ435には、「到来方向:北西(XX高校の上空)、高度:30m」と表示される。
【0178】
このように、無人飛行体30が視認担当領域に到来する到来方向が通知されるので、視認担当者は、無人飛行体30を容易に発見することができる。
【0179】
また、到来方向に加えて、無人飛行体30が視認担当領域に入る際の無人飛行体30の高度、又は到来方向に存在する建物に関する情報が通知されるので、視認担当者は、無人飛行体30をより容易に発見することができる。
【0180】
(実施の形態4)
続いて、本実施の形態4に係る飛行制御システムについて説明する。
【0181】
実施の形態4では、無人飛行体30は、飛行ルートに沿って飛行するのではなく、操縦者1によって自由に遠隔制御される。このとき、複数の視認担当候補者の視認担当領域が重複している場合、複数の視認担当候補者は、交替しながら無人飛行体30を視認する必要がある。そこで、本実施の形態4では、通知装置10は、複数の視認担当領域が重複する場合、複数の視認担当候補者の無人飛行体30を視認する順番と、複数の視認担当候補者が視認担当者として無人飛行体30を視認する時間を示す視認担当時間とを、複数の視認担当候補者の各端末に通知する。
【0182】
図21は、本開示の実施の形態4における視認担当領域について説明するための模式図である。
【0183】
図21に示すように、VO2,3,4の視認可能範囲VR1,VR2,VR3の大きさは、予め決められている。視認可能範囲VR1がVO1の視認担当領域であり、視認可能範囲VR2がVO2の視認担当領域であり、視認可能範囲VR3がVO3の視認担当領域である。VO2,3,4の視認担当領域は、重複している。通知装置10は、VO2,3,4が無人飛行体30を視認する順番を決定するとともに、VO2,3,4が視認担当者として無人飛行体30を視認する時間を示す視認担当時間を決定し、決定した視認担当順と視認担当時間とをVO2,3,4に通知する。
【0184】
図22は、本開示の実施の形態4における通知装置の構成を示すブロック図である。なお、実施の形態4に係る飛行制御システムの構成は、
図1に示す飛行制御システムの構成と同じである。また、実施の形態4に係る操縦器20、VO端末21及び無人飛行体30の構成は、
図3、
図4及び
図5に示す操縦器20、VO端末21及び無人飛行体30の構成と同じである。
【0185】
図22に示す通知装置10は、通信部101、制御部102、記憶部103及び時間計測部104を備える。なお、実施の形態1の通知装置と同じ構成については同じ符号を付し、説明を省略する。
【0186】
時間計測部104は、視認担当候補者が視認担当者になってからの時間を計測する。
【0187】
制御部102は、例えばCPUであり、通知装置10の動作を制御する。制御部102は、中央制御部111、視認担当者決定部112、通知情報生成部113、通知制御部114及び通知タイミング決定部115を備える。
【0188】
視認担当者決定部112は、複数の視認担当候補者の視認担当領域が重複している場合、複数の視認担当候補者のうちの無人飛行体30に最も近い視認担当候補者から順に視認担当者に決定する。また、視認担当者決定部112は、所定の時間を複数の視認担当候補者のそれぞれの視認担当時間として決定する。
【0189】
記憶部103は、例えば半導体メモリであり、種々の情報を記憶する。記憶部103は、無人飛行体位置情報122、端末位置情報123、通知先情報124、視認担当者決定プログラム125、通知情報生成プログラム126、視認可能範囲情報128及び通知タイミング決定プログラム129を記憶する。
【0190】
図23は、本開示の実施の形態4における通知装置の動作について説明するためのフローチャートである。なお、実施の形態4では、飛行ルートが決定されることはなく、操縦者1が操縦器20を用いて無人飛行体30を自由に遠隔制御する。
【0191】
ステップS31〜ステップS33の処理は、
図7に示すステップS2〜ステップS4の処理と同じであるので、説明を省略する。
【0192】
次に、ステップS34において、視認担当者決定部112は、操縦者1及びVO2,3,4の視認担当領域のうち、複数の視認担当領域が重複しているか否かを判断する。ここで、複数の視認担当領域が重複していないと判断された場合(ステップS34でNO)、ステップS35において、通知制御部114は、操縦者1及びVO2,3,4の視認担当領域を操縦器20及びVO端末21に通知する。具体的には、通知情報生成部113は、視認担当者決定部112によって決定された視認担当領域を操縦者1及びVO2,3,4に通知するための通知情報を生成する。通知制御部114は、生成された通知情報を、通信部101を介して操縦器20及びVO端末21へ送信する。
【0193】
操縦器20及びVO端末21の通信部203は、通知装置10によって送信された通知情報を受信する。制御部201は、受信した通知情報に基づいて、視認担当領域を表示部206に表示する。
【0194】
一方、複数の視認担当領域が重複していると判断された場合(ステップS34でYES)、ステップS36において、視認担当者決定部112は、視認担当領域が重複している複数の視認担当候補者(操縦者1及びVO2,3,4)のうち、無人飛行体30に最も近い視認担当候補者から順に視認担当者に決定する。具体的には、視認担当者決定部112は、視認担当領域が重複している操縦者1及びVO2,3,4の端末の位置と、無人飛行体30の位置との間の距離を算出する。そして、視認担当者決定部112は、端末の位置と無人飛行体30の位置との間の距離が短い操縦者1及びVO2,3,4から順に視認担当者に決定する。
【0195】
次に、ステップS37において、視認担当者決定部112は、予め決められている所定の時間を操縦者1及びVO2,3,4のそれぞれの視認担当時間として決定する。なお、所定の時間は、記憶部103に予め記憶されていてもよいし、ユーザによって入力されてもよい。
【0196】
次に、ステップS38において、通知制御部114は、操縦者1及びVO2,3,4の視認担当順及び視認担当時間を操縦器20及びVO端末21に通知する。具体的には、通知情報生成部113は、視認担当者決定部112によって決定された視認担当順及び視認担当時間を操縦者1及びVO2,3,4に通知するための通知情報を生成する。通知制御部114は、生成された通知情報を、通信部101を介して操縦器20及びVO端末21へ送信する。
【0197】
操縦器20及びVO端末21の通信部203は、通知装置10によって送信された通知情報を受信する。制御部201は、受信した通知情報に基づいて、視認担当順及び視認担当時間を表示部206に表示する。
【0198】
なお、
図23に示す通知装置10の動作が開始されるタイミングは、無人飛行体30の飛行開始時であってもよい。また、
図23に示す通知装置10の動作が開始されるタイミングは、定期的であってもよい。
【0199】
図24は、本開示の実施の形態4における操縦器及びVO端末の表示部に表示される表示画面の一例を示す図である。
【0200】
図24に示す表示画面506には、視認担当者の名前と、各視認担当者が担当する視認担当時間帯とが表示される。例えば、無人飛行体30を視認する順番が、操縦者、第1のVO、第2のVO、第3のVO及び操縦者の順番である場合、表示画面506では、操縦者、第1のVO、第2のVO、第3のVO及び操縦者の名前が上から順に表示される。また、表示画面506では、各視認担当者の視認担当時間帯が、視認担当者の名前の横に表示される。また、通知される視認担当者の視認担当時間帯を容易に識別することができるように、視認担当者の名前の近傍に所定のマーク(
図24では星形状のマーク)が表示される。
図24に示す表示画面506は、第2のVOに対して通知される視認担当順及び視認担当時間であるので、第2のVOの近傍に所定のマークが表示されている。
【0201】
なお、表示画面506は、無人飛行体30の飛行開始時に、複数の視認担当候補者に通知される。時間計測部104は、視認担当者になってからの時間を計測し、通知制御部114は、時間計測部104によって計測される時間が視認担当時間帯を経過した場合に、次の視認担当者の端末に対して、視認担当者が替わることを通知してもよい。
【0202】
また、視認担当者決定部112は、無人飛行体の位置と、現在の視認担当者ではない複数の視認担当候補者のうちの1の視認担当候補者が携帯する端末の位置との間の距離が所定の距離以下となった場合、現在の視認担当者を1の視認担当候補者に変更してもよい。すなわち、視認担当者決定部112は、無人飛行体30、操縦器20及びVO端末21の現在位置を定期的に取得し、無人飛行体30と、操縦器20及びVO端末21との間の距離が所定の距離以下であるか否かを判断してもよい。そして、視認担当者決定部112は、無人飛行体30と、操縦器20又はVO端末21との間の距離が所定の距離以下であると判断した場合、判断された操縦器20又はVO端末21を新たな視認担当者に決定してもよい。
【0203】
また、視認担当者決定部112は、視認担当順及び視認担当時間が決定された際の操縦器20及びVO端末21の位置を記憶してもよい。そして、視認担当者決定部112は、操縦器20及びVO端末21の現在位置を定期的に取得し、取得した操縦器20又はVO端末21の現在位置と、記憶されている操縦器20又はVO端末21の位置との間の距離が所定の距離以上離れた場合、視認担当順及び視認担当時間を再度決定してもよい。
【0204】
また、通知装置10の記憶部103は、無人飛行体30の移動履歴を記憶してもよい。視認担当者決定部112は、無人飛行体30の移動履歴に基づいて、無人飛行体30が移動する方向を推定し、推定した方向に最も近い視認担当候補者から順に視認担当者に決定してもよい。このように、操縦者1が無人飛行体30を移動履歴に含まれる所定の目的地に向かって移動させている場合は、無人飛行体30の進行方向を推定することが可能であり、予め推定した無人飛行体30のルートに沿って視認担当者を決定することができる。
【0205】
また、本実施の形態4では、視認担当者決定部112は、視認担当領域が重複している複数の視認担当候補者(操縦者1及びVO2,3,4)のうち、無人飛行体30に最も近い視認担当候補者から順に、視認担当者として無人飛行体30を視認することを承認するか否かを確認してもよい。そして、視認担当者決定部112は、視認担当者として無人飛行体30を視認することを承認する応答が最初にあった視認担当候補者を視認担当者に決定してもよい。
【0206】
また、本実施の形態4では、視認担当者決定部112は、視認担当領域が重複している複数の視認担当候補者(操縦者1及びVO2,3,4)のうち、最も高度が高い位置に存在する視認担当候補者から順に視認担当者に決定してもよい。
【0207】
また、本実施の形態4では、視認担当者決定部112は、視認担当領域が重複している複数の視認担当候補者(操縦者1及びVO2,3,4)のうち、無人飛行体30が存在する方向に所定の高さ以上の建物が存在しない視認担当候補者から順に視認担当者に決定してもよい。この場合、視認担当者決定部112は、無人飛行体30の現在位置と視認担当候補者の端末の現在位置から無人飛行体30が存在する方向を特定し、特定した方向に存在する所定の高さ以上の建物を地図情報から抽出する。
【0208】
また、本実施の形態4において、視認担当者に決定された視認担当候補者は、複数の視認担当候補者の中から、自身の代わりに視認担当者になる他の視認担当候補者を指定してもよい。
【0209】
(実施の形態5)
続いて、本実施の形態5に係る飛行制御システムについて説明する。
【0210】
図25は、本開示の実施の形態5に係る飛行制御システムについて説明するための模式図である。
【0211】
例えば、無人飛行体30に最も近い第1のVO2が無人飛行体30を視認している途中で、視認担当者として無人飛行体30を視認することができなくなった場合、第1のVO2は、通知装置10に対して視認担当者を変更するよう依頼する。通知装置10は、第1のVO2からの変更依頼を受け、視認担当者を第1のVO2から第2のVO3に変更し、第2のVO3のVO端末21に視認担当者に決定されたことを通知する。このとき、通知装置10が視認担当者を変更した理由を通知しなかった場合、第2のVO3は、無人飛行体30に最も近い第1のVO2がいるにも拘わらず、自身が視認担当者に決定されたと判断し、通知装置10に対して視認担当者を再度変更するよう依頼するおそれがある。そこで、実施の形態5では、視認担当者に決定されたことを通知する際に、視認担当者に決定された理由も通知する。
【0212】
図26は、本開示の実施の形態5における通知装置の構成を示すブロック図である。なお、実施の形態5に係る飛行制御システムの構成は、
図1に示す飛行制御システムの構成と同じである。また、実施の形態5に係る操縦器20、VO端末21及び無人飛行体30の構成は、
図3、
図4及び
図5に示す操縦器20、VO端末21及び無人飛行体30の構成と同じである。
【0213】
図26に示す通知装置10は、通信部101、制御部102、記憶部103及び時間計測部104を備える。なお、実施の形態4の通知装置と同じ構成については同じ符号を付し、説明を省略する。
【0214】
制御部102は、例えばCPUであり、通知装置10の動作を制御する。制御部102は、中央制御部111、視認担当者決定部112、通知情報生成部113、通知制御部114、通知タイミング決定部115及び通知原因特定部118を備える。
【0215】
通信部101は、視認担当領域及び視認担当時間の少なくとも一方が通知された複数の端末のうちの1つから、視認担当者として無人飛行体30を視認することを拒否する拒否情報を受信する。
【0216】
視認担当者決定部112は、視認することを拒否した視認担当候補者の端末の次に無人飛行体30に近い端末を携帯する視認担当候補者を新たな視認担当者に決定する。
【0217】
通知原因特定部118は、新たな視認担当者に決定された理由を特定する。例えば、拒否情報が受信された場合、通知原因特定部118は、視認担当者に決定した視認担当候補者に拒否されたことを通知理由として決定する。
【0218】
通知制御部114は、新たな視認担当者に決定した視認担当候補者の端末に、視認担当者に決定したことを、新たな視認担当者に決定した理由とともに通知する。
【0219】
図27は、本開示の実施の形態5において、視認担当者を変更する場合に操縦器及びVO端末の表示部に表示される表示画面の一例を示す図である。
【0220】
通知装置10は、視認担当者を変更する場合に、新たな視認担当者に決定された視認担当候補者に対して、視認担当者になることを承認するか否かを確認する。
【0221】
図27に示す表示画面507には、視認担当者になることを承認する承認ボタン441と、視認担当者になることを拒否する拒否ボタン442と、視認担当者に選定された理由を表示するための選定理由表示ボタン443とが表示される。なお、操縦器20及びVO端末21のユーザ入力部205は、タッチパネルで構成される。
【0222】
承認ボタン441が押下された場合、通信部203は、新たな視認担当者になることを承認する情報を通知装置10へ送信する。拒否ボタン442が押下された場合、通信部203は、新たな視認担当者になることを拒否する情報を通知装置10へ送信する。
【0223】
また、選定理由表示ボタン443が押下された場合、制御部201は、新たな視認担当者に選定された理由を表示部206に表示する。
【0224】
図28は、本開示の実施の形態5において、新たな視認担当者に選定された理由を表示する表示画面の一例を示す図である。
【0225】
選定理由表示ボタン443が押下された場合、
図28に示す表示画面508が表示される。表示画面508には、視認担当候補者が新たな視認担当者に決定された理由が表示される。
図28に示す例では、第1のVOに無人飛行体30の視認を依頼したが拒否されたため、第1のVOの次に無人飛行体30に近い第2のVOが視認担当者に選定されたことが選定理由として表示されている。
【0226】
このように、新たな視認担当者に決定した視認担当候補者の端末に、視認担当者に決定したことが、新たな視認担当者に決定した理由とともに通知されるので、視認担当候補者は、なぜ新たな視認担当者に決定されたのかを知ることができ、新たな視認担当者に決定された理由を考慮して、新たな視認担当者になるか否かを判断することができる。
【0227】
なお、本実施の形態5では、視認担当者が無人飛行体30を視認している際に、通知装置10は、当該視認担当者の携帯する端末から、視認担当者を変更する依頼を受け付けてもよい。現在の視認担当者から、視認担当者を変更する依頼を受け付けた場合、視認担当者決定部112は、現在の視認担当者以外の他の視認担当候補者の中から、現在の視認担当者の次に無人飛行体30に近い視認担当候補者を新たな視認担当者に決定してもよい。この場合、通知制御部114は、新たな視認担当者に決定された視認担当候補者の端末に、新たな視認担当者に決定されたことを、新たな視認担当者に決定された理由とともに通知してもよい。
【0228】
また、実施の形態5において、無人飛行体30と視認担当者との間に建物がある場合、視認担当者決定部112は、現在の視認担当者以外の他の視認担当候補者の中から、現在の視認担当者の次に無人飛行体30に近い視認担当候補者を新たな視認担当者に決定してもよい。この場合、通知制御部114は、新たな視認担当者に決定された視認担当候補者の端末に、新たな視認担当者に決定されたことを、新たな視認担当者に決定された理由とともに通知してもよい。
【0229】
(他の実施の形態)
以上のように、本開示の技術の例示として、実施の形態1〜5を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用できる。また、実施の形態1〜5で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。
【0230】
また、実施の形態1〜5において、視認担当領域及び視認担当時間の少なくとも一方を視認担当候補者の端末に通知する際に、視認担当者として無人飛行体30を視認するか否かを視認担当候補者に確認してもよい。ここで、視認担当者を拒否する返信があった場合、視認担当者決定部112は、他の視認担当候補者の中から、視認担当者を新たに決定してもよい。また、視認担当者を承認する返信がなく、所定時間経過した場合、視認担当者決定部112は、他の視認担当候補者の中から、視認担当者を新たに決定してもよい。この場合、通知制御部114は、新たな視認担当者に決定された視認担当候補者の端末に、新たな視認担当者に決定されたことを、新たな視認担当者に決定された理由とともに通知してもよい。また、新たな視認担当者が存在しない場合、通知制御部114は、操縦器20にその旨を通知してもよい。
【0231】
また、実施の形態1〜5において、視認担当領域及び視認担当時間の少なくとも一方がVOの端末に通知される場合、操縦者1の操縦器20に視認担当者として決定されたVOを特定する情報を送信してもよい。
【0232】
また、実施の形態1〜5において、1つの無人飛行体30が複数の視認担当候補者によって視認されるが、複数の無人飛行体30が複数の視認担当候補者によって視認されてもよい。この場合、複数の無人飛行体毎に、視認担当領域及び視認担当時間が決定される。
【0233】
また、実施の形態1〜5において、操縦器20の制御部201、記憶部202及び通信部203が、通知装置10の制御部102、記憶部103及び通信部101の機能を有していてもよい。