(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
熱交換部と、循環ポンプと、前記熱交換部および前記循環ポンプに設けられた熱媒の流路を含んで構成され前記熱交換部で加熱または冷却され前記循環ポンプの駆動によって循環される前記熱媒を流すための内部流路と、を筐体内に有する熱源機を製造するための方法であって、前記熱源機の組み立てを行う組立工程と、この組立工程の後に、前記熱源機の前記内部流路に水を張った状態で実施する検査ステップと前記内部流路内の水を排水する排水ステップとを有する検査工程と、この検査工程の後に、前記内部流路に不凍液を所定量注入する不凍液注入工程と、を備え、前記所定量は、前記内部流路の容積よりも少ない予め設定された量としたことを特徴とする熱源機の製造方法。
圧縮機、負荷側熱交換器、減圧手段、熱源側熱交換器を冷媒配管で接続したヒートポンプ回路と、循環ポンプと、前記負荷側熱交換器および前記循環ポンプに設けられた熱媒の流路を含んで構成され前記負荷側熱交換器で加熱または冷却され前記循環ポンプの駆動によって循環される前記熱媒を流すための内部流路と、を筐体内に有する熱源機を製造するための方法であって、前記熱源機の組み立てを行う組立工程と、この組立工程の後に、前記熱源機の前記内部流路に水を張った状態で実施する検査ステップと前記内部流路内の水を排水する排水ステップとを有する検査工程と、この検査工程の後に、前記内部流路に不凍液を所定量注入する不凍液注入工程と、を備え、前記所定量は、前記内部流路の容積よりも少ない予め設定された量としたことを特徴とする熱源機の製造方法。
圧縮機、負荷側熱交換器、減圧手段、熱源側熱交換器を冷媒配管で接続したヒートポンプ回路と、循環ポンプと、前記熱源側熱交換器および前記循環ポンプに設けられた熱媒の流路を含んで構成され前記熱源側熱交換器で加熱または冷却され前記循環ポンプの駆動によって循環される前記熱媒を流すための内部流路と、を筐体内に有する熱源機を製造するための方法であって、前記熱源機の組み立てを行う組立工程と、この組立工程の後に、前記熱源機の前記内部流路に水を張った状態で実施する検査ステップと前記内部流路内の水を排水する排水ステップとを有する検査工程と、この検査工程の後に、前記内部流路に不凍液を所定量注入する不凍液注入工程と、を備え、前記所定量は、前記内部流路の容積よりも少ない予め設定された量としたことを特徴とする熱源機の製造方法。
前記内部流路には、前記内部流路を流通する熱媒を貯留するシスターンが設けられ、前記不凍液注入工程において、前記内部流路の一端または他端のうち、前記不凍液を流したときに前記シスターンよりも先に前記循環ポンプに前記不凍液が到達する方の端部側から不凍液を注入するようにしたことを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の熱源機の製造方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、この従来の熱源機は、その製造過程において、組み立てられた後に、内部流路に熱媒を注入し、内部流路に熱媒を張った状態で、液漏れがないか否か確認する漏れ検査や、熱媒の温度が上昇するか否か確認、または循環ポンプ等の動作を確認する性能検査といった検査が実施され、これらの検査が終了すると内部流路の熱媒は排水される。
【0005】
前記漏れ検査や前記性能検査においては、熱源機を実地に設置する場合を想定して、通常使用する状況と同じく熱媒としては不凍液を用いて検査を実施することが望ましいが、上記検査時に不凍液を使用すると、大量に使用しなければならずコスト高であり、また、使用する際に、不凍液に含まれる防錆成分が空気と触れると酸化することから、狙いの濃度を保ったまま上記検査で不凍液を繰り返し利用することが困難であるとの問題が生じた。
【0006】
そこで、熱媒として不凍液の代わりに水を用いたところ、水でも問題なく上記検査を実施することができたため、上記検査の熱媒には水を用いることとし、検査終了後は内部流路の水をエアブロー等によって排水するようにした。
【0007】
ところが、上記のように内部流路の水を排水したとしても、循環ポンプのケーシング内底部には水が少量残ることがあり、水を用いて上記検査を行った熱源機の製造時期が外気温度の低い時期で、その熱源機が倉庫等で保管された場合、倉庫内も同じく温度が低いため、循環ポンプのケーシング内底部に残った水が凍結し、循環ポンプ内部の羽根車が凍結により固定されてしまうという問題が生じ、いざ熱源機が出荷されて設置されることになって試運転をしたときに、循環ポンプ内部の羽根車が回転しないので循環ポンプが駆動せず、エラー報知がなされて試運転を行うことができないという問題点を有するものであった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は上記課題を解決するために、請求項1では、熱交換部と、循環ポンプと、前記熱交換部および前記循環ポンプに設けられた熱媒の流路を含んで構成され前記熱交換部で加熱または冷却され前記循環ポンプの駆動によって循環される前記熱媒を流すための内部流路と、を筐体内に有する熱源機を製造するための方法であって、前記熱源機の組み立てを行う組立工程と、この組立工程の後に、前記熱源機の前記内部流路に水を張った状態で実施する検査ステップと前記内部流路内の水を排水する排水ステップとを有する検査工程と、この検査工程の後に、前記内部流路に不凍液を所定量注入する不凍液注入工程と、を備え、前記所定量は、前記内部流路の容積よりも少ない予め設定された量とするものとした。
【0009】
また、請求項2では、圧縮機、負荷側熱交換器、減圧手段、熱源側熱交換器を冷媒配管で接続したヒートポンプ回路と、循環ポンプと、前記負荷側熱交換器および前記循環ポンプに設けられた熱媒の流路を含んで構成され前記負荷側熱交換器で加熱または冷却され前記循環ポンプの駆動によって循環される前記熱媒を流すための内部流路と、を筐体内に有する熱源機を製造するための方法であって、前記熱源機の組み立てを行う組立工程と、この組立工程の後に、前記熱源機の前記内部流路に水を張った状態で実施する検査ステップと前記内部流路内の水を排水する排水ステップとを有する検査工程と、この検査工程の後に、前記内部流路に不凍液を所定量注入する不凍液注入工程と、を備え、前記所定量は、前記内部流路の容積よりも少ない予め設定された量とするものとした。
【0010】
また、請求項3では、圧縮機、負荷側熱交換器、減圧手段、熱源側熱交換器を冷媒配管で接続したヒートポンプ回路と、循環ポンプと、前記熱源側熱交換器および前記循環ポンプに設けられた熱媒の流路を含んで構成され前記熱源側熱交換器で加熱または冷却され前記循環ポンプの駆動によって循環される前記熱媒を流すための内部流路と、を筐体内に有する熱源機を製造するための方法であって、前記熱源機の組み立てを行う組立工程と、この組立工程の後に、前記熱源機の前記内部流路に水を張った状態で実施する検査ステップと前記内部流路内の水を排水する排水ステップとを有する検査工程と、この検査工程の後に、前記内部流路に不凍液を所定量注入する不凍液注入工程と、を備え、前記所定量は、前記内部流路の容積よりも少ない予め設定された量とするものとした。
【0011】
また、請求項4では、前記内部流路には、前記内部流路を流通する熱媒を貯留するシスターンが設けられ、前記不凍液注入工程において、前記内部流路の一端または他端のうち、前記不凍液を流したときに前記シスターンよりも先に前記循環ポンプに前記不凍液が到達する方の端部側から不凍液を注入するものとした。
【0012】
また、請求項5では、前記不凍液注入工程では、前記内部流路にエアを噴出しつつ不凍液を注入するものとした。
【発明の効果】
【0013】
この発明の請求項1によれば、熱交換部と、循環ポンプと、熱交換部および循環ポンプに設けられた熱媒の流路を含んで構成され熱交換部で加熱または冷却され循環ポンプの駆動によって循環される熱媒を流すための内部流路と、を筐体内に有する熱源機を製造するための方法であって、熱源機の内部流路に水を張った状態で実施する検査ステップと内部流路内の水を排水する排水ステップとを有する検査工程の後に、内部流路に不凍液を所定量注入する不凍液注入工程を実施することにより、検査工程の排水ステップにおいて、内部流路の一部である循環ポンプのケーシング内に排水しきれずに水が残ってしまったとしても、循環ポンプのケーシング内に残った水に不凍液を混ぜることで、その水を不凍液とすることができ、熱源機の製造時期が外気温度の低い時期で、それが倉庫等で保管された場合であっても、循環ポンプのケーシング内に残った水が凍結せず、熱源機設置後に行われる試運転のときに、エラーによる停止がなく、熱源機を正常に動作させることができるものであり、さらに、不凍液注入工程で注入される不凍液の量を所定量、すなわち、内部流路の容積よりも少ない予め設定された量としたことで、不凍液注入工程で使用する不凍液量を必要最小限に止めてコスト高となることを抑制することができるものである。
【0014】
また、請求項2によれば、圧縮機、負荷側熱交換器、減圧手段、熱源側熱交換器を冷媒配管で接続したヒートポンプ回路と、循環ポンプと、負荷側熱交換器および循環ポンプに設けられた熱媒の流路を含んで構成され負荷側熱交換器で加熱または冷却され循環ポンプの駆動によって循環される熱媒を流すための内部流路と、を筐体内に有する熱源機を製造するための方法であって、熱源機の内部流路に水を張った状態で実施する検査ステップと内部流路内の水を排水する排水ステップとを有する検査工程の後に、内部流路に不凍液を所定量注入する不凍液注入工程を実施することにより、検査工程の排水ステップにおいて、内部流路の一部である循環ポンプのケーシング内に排水しきれずに水が残ってしまったとしても、循環ポンプのケーシング内に残った水に不凍液を混ぜることで、その水を不凍液とすることができ、熱源機の製造時期が外気温度の低い時期で、それが倉庫等で保管された場合であっても、循環ポンプのケーシング内に残った水が凍結せず、熱源機設置後に行われる試運転のときに、エラーによる停止がなく、熱源機を正常に動作させることができるものであり、さらに、不凍液注入工程で注入される不凍液の量を所定量、すなわち、内部流路の容積よりも少ない予め設定された量としたことで、不凍液注入工程で使用する不凍液量を必要最小限に止めてコスト高となることを抑制することができるものである。
【0015】
また、請求項3によれば、圧縮機、負荷側熱交換器、減圧手段、熱源側熱交換器を冷媒配管で接続したヒートポンプ回路と、循環ポンプと、熱源側熱交換器および循環ポンプに設けられた熱媒の流路を含んで構成され熱源側熱交換器で加熱または冷却され循環ポンプの駆動によって循環される熱媒を流すための内部流路と、を筐体内に有する熱源機を製造するための方法であって、熱源機の内部流路に水を張った状態で実施する検査ステップと内部流路内の水を排水する排水ステップとを有する検査工程の後に、内部流路に不凍液を所定量注入する不凍液注入工程を実施することにより、検査工程の排水ステップにおいて、内部流路の一部である循環ポンプのケーシング内に排水しきれずに水が残ってしまったとしても、循環ポンプのケーシング内に残った水に不凍液を混ぜることで、その水を不凍液とすることができ、熱源機の製造時期が外気温度の低い時期で、それが倉庫等で保管された場合であっても、循環ポンプのケーシング内に残った水が凍結せず、熱源機設置後に行われる試運転のときに、エラーによる停止がなく、熱源機を正常に動作させることができるものであり、さらに、不凍液注入工程で注入される不凍液の量を所定量、すなわち、内部流路の容積よりも少ない予め設定された量としたことで、不凍液注入工程で使用する不凍液量を必要最小限に止めてコスト高となることを抑制することができるものである。
【0016】
また、請求項4によれば、不凍液注入工程において、内部流路の一端または他端のうち、不凍液を流したときにシスターンよりも先に循環ポンプに不凍液が到達する方の端部側から不凍液を注入するようにしている。これは、内部流路に注入された不凍液が循環ポンプよりも先にシスターンに流れてしまうと、シスターン内で不凍液が飛散してしまい、循環ポンプまで不凍液が円滑に供給されないおそれがあるからであり、シスターンよりも先に循環ポンプに不凍液が流れるようしたことで、循環ポンプに確実に不凍液を供給し、循環ポンプのケーシング内に残った水に不凍液を混ぜ、循環ポンプのケーシング内の水の凍結を防ぐことができるものである。
【0017】
また、請求項5によれば、不凍液注入工程では、内部流路にエアを噴出しつつ不凍液を注入するものとしたことで、内部流路を構成する配管等が入り組んでいたとしても、不凍液を残水が存在する可能性のある循環ポンプのケーシング内に確実に到達させることができるので、循環ポンプのケーシング内の水の凍結を防ぐことができるものである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明に係る熱源機の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の製造方法を適用した一実施形態の熱源機を用いた空調システムの概略的な構成図であり、以下に詳細を説明する。
【0020】
1は加熱または冷却された熱媒を供給するヒートポンプ式の熱源機としてのヒートポンプユニットで、ヒートポンプユニット1は、その筐体内に、冷媒を圧縮する回転数可変の圧縮機2、四方弁3、負荷側熱交換器4、減圧手段としての膨張弁5、送風ファン6の作動により送られる外気と熱交換を行う熱源側熱交換器7を備え、それらを冷媒配管8で環状に接続して、熱交換部としてのヒートポンプ回路9を形成しているものである。なお、ヒートポンプ回路9を循環する冷媒としては、HFC冷媒や二酸化炭素冷媒等の任意の冷媒を用いることができるものである。
【0021】
前記負荷側熱交換器4は液−冷媒熱交換器であり、例えば、プレート式熱交換器で構成されている。このプレート式熱交換器は、複数の伝熱プレートが積層され、冷媒を流通させる冷媒流路と不凍液等の熱媒を流通させる熱媒の流路としての流体流路とが各伝熱プレートを境にして交互に形成されている。
【0022】
前記冷媒配管8に設けられた四方弁3は、ヒートポンプ回路9における冷媒の流れ方向を切り換える切換弁としての機能を有し、圧縮機2から吐出された冷媒を、負荷側熱交換器4、膨張弁5、熱源側熱交換器7の順に流通させ、圧縮機2に戻す流路を形成する状態(暖房運転時の状態)と、圧縮機2から吐出された冷媒を、熱源側熱交換器7、膨張弁5、負荷側熱交換器4の順に流通させ、圧縮機2に戻す流路を形成する状態(冷房運転時の状態)とに切換可能なものである。
【0023】
10は室内に設置される放熱端末であり、放熱端末10は冷温水往き管11および冷温水戻り管12を介してヒートポンプユニット1と接続されているものである。なお、放熱端末10は冷暖房兼用であれば冷温水パネルやファンコイル、暖房専用であれば床暖房パネルやパネルコンベクター等、様々な種類の端末を用いることができると共に、必要な台数を設置することができる。
【0024】
前記冷温水往き管11は、ヒートポンプユニット1の筐体内に収容され負荷側熱交換器4から流出する熱媒を流通させる負荷側内部往き管13と、ヒートポンプユニット1の筐体外に位置しヒートポンプユニット1から流出する熱媒を放熱端末10に導く負荷側外部往き管14とで構成され、負荷側内部往き管13と負荷側外部往き管14とは負荷側往き接続口15を介して接続されている。
【0025】
前記冷温水戻り管12は、ヒートポンプユニット1の筐体内に収容され負荷側熱交換器4に流入する熱媒を流通させる負荷側内部戻り管16と、ヒートポンプユニット1の筐体外に位置し放熱端末10から流出する熱媒をヒートポンプユニット1に戻す負荷側外部戻り管17とで構成され、負荷側内部戻り管16と負荷側外部戻り管17とは負荷側戻り接続口18を介して接続されている。なお、前記負荷側内部往き管13および前記負荷側熱交換器4の流体流路および前記負荷側内部戻り管16によって、ヒートポンプユニット1の筐体内において熱媒を流すための内部流路としての負荷側内部流路19が形成されると共に、前記負荷側外部往き管14および前記放熱端末10(放熱端末10の熱媒流通路)および前記負荷側外部戻り管17によって、ヒートポンプユニット1の筐体外において熱媒が流通する負荷側外部流路20が形成され、負荷側内部流路19と負荷側外部流路20とで熱媒が循環する負荷側循環回路が形成されるものであり、負荷側循環回路を循環する熱媒としては、エチレングリコールやプロピレングリコール等を添加した不凍液を用いることができるものである。
【0026】
また、前記負荷側内部戻り管16の途中には、負荷側循環回路に不凍液を循環させる循環ポンプとしての負荷側循環ポンプ21が設けられており、負荷側循環ポンプ21は、遠心ポンプ(特に、渦巻きポンプ)であり、中央に不凍液を吸い込む吸込口、外周に不凍液を吐出する吐出口のあるケーシングの中に、回転する羽根車(インペラ)を有するものである。さらに、前記負荷側内部戻り管16の途中には、不凍液を貯留し負荷側循環回路の圧力を調整する負荷側シスターン22が設けられている。なお、負荷側循環ポンプ21内および負荷側シスターン22内に存在する不凍液が流通する流路は前記負荷側内部流路19の一部を構成するものである。
【0027】
ここで、
図1における空調システムにおける暖房運転時および冷房運転時の負荷側循環回路側の動作について説明すると、暖房運転時には、負荷側循環回路を循環する不凍液は負荷側熱交換器4で加熱され負荷側循環ポンプ21の駆動によって放熱端末10に供給され、放熱端末10が設置された被空調空間を加熱するものであり、冷房運転時には、負荷側循環回路を循環する不凍液は負荷側熱交換器4で冷却され負荷側循環ポンプ21の駆動によって放熱端末10に供給され、放熱端末10が設置された被空調空間を冷却するものである。
【0028】
次に、ヒートポンプユニット1(熱源機)の製造方法について図面を用いて説明する。
図2はヒートポンプユニット1の製造工程を表すフローであり、工程としては、組立工程、検査工程、不凍液注入工程の3つに大別される。
【0029】
前記組立工程は、ヒートポンプユニット1の筐体の組み付け、およびヒートポンプユニット1の筐体内へ、圧縮機2、負荷側循環ポンプ21等の機能部品や負荷側内部往き管13や負荷側内部戻り管16といった配管の組み付けなど、ヒートポンプユニット1の組み立てを行う工程である。
【0030】
そして、前記組立工程の後には前記検査工程が実施されるものであるが、この検査工程には複数の検査項目が存在する。ここでは、複数ある検査項目のうち、本発明に関連する特徴的な部分だけを抜き出して説明し、その他の検査項目については説明を省略するものとする。
【0031】
前記検査工程は、ヒートポンプユニット1の負荷側内部流路19に水を張った状態(満水状態)で実施する検査ステップと負荷側内部流路19内の水を排水する排水ステップとに分かれ、前記検査ステップでは、まず、
図3に示すように、ヒートポンプユニット1に給水装置23を取り付けて、負荷側内部流路19に給水して負荷側内部流路19内のエアが抜けるまで水を張り、その後、給水装置23を取り外して、加圧ポンプ(図示せず)を取り付けて負荷側内部流路19に圧力をかけ、液漏れがないか否か確認する漏れ検査を実施し、漏れ検査終了後は、圧力を抜いてから加圧ポンプを取り外して、再び給水装置23を取り付けて負荷側内部流路19に給水し、ここで、ヒートポンプ回路9を作動させると共に負荷側循環ポンプ21を駆動させて、暖房運転であれば負荷側内部流路19を流通する水の温度が上昇するか否か、冷房運転であれば負荷側内部流路19を流通する水の温度が低下するか否か確認したり、負荷側循環ポンプ21の回転動作や、ヒートポンプユニット1の運転状態等を確認するといった性能検査を実施するものである。
【0032】
前記検査工程において、前記検査ステップ(上記漏れ検査および性能検査)が終了すると、ヒートポンプユニット1から給水装置23が取り外され、検査ステップにて負荷側内部流路19に張られた水を排水する排水ステップが実施され、排水ステップでは、ヒートポンプユニット1にエアコンプレッサー等のエア供給装置(図示せず)を取り付けて、エアブローによって負荷側内部流路19内の水を排水するものである。
【0033】
そして、前記検査工程が終了した後は、負荷側内部流路19に不凍液を所定量注入する不凍液注入工程が実施されるものであり、不凍液注入工程では、
図4に示すように、ヒートポンプユニット1に不凍液注入装置24が取り付けられる。
【0034】
前記不凍液注入装置24は、不凍液を貯留する不凍液タンク25と、不凍液タンク25内の不凍液を圧送する圧送ポンプ26と、圧送ポンプ26で圧送される不凍液が流通する流路を開閉する第1開閉弁27と、エアコンプレッサー等のエア供給装置28と、エア供給装置28から供給されるエアが流通する流路を開閉する第2開閉弁29と、不凍液が流通する流路とエアが流通する流路とを合流部に設けられたT字継手30とを備えているものである。
【0035】
前記不凍液注入工程では、不凍液注入装置24がヒートポンプユニット1の負荷側往き接続口15に接続され、まず、不凍液注入装置24の第1開閉弁27を開弁し圧送ポンプ26を駆動させて不凍液タンク25から不凍液を所定量圧送する。このとき不凍液はT字継手30近傍または負荷側往き接続口15近傍に止まっており、負荷側内部流路19全体に行き渡っているような状態ではない。その後、第1開閉弁27を閉弁し、そして、第2開閉弁29を開弁してエア供給装置28からエアを噴出することで、
図4に示すように、不凍液と空気とが負荷側熱交換器4の液体流路や負荷側循環ポンプ21や負荷側シスターン22を含む負荷側内部流路19内を一緒に流れて、負荷側戻り接続口18から流出するものである。なお、負荷側戻り接続口18から流出する不凍液は適宜の方法で回収される。
【0036】
上記の不凍液注入工程を実施することにより、前記検査工程の前記排水ステップにおいて、負荷側内部流路19、例えば負荷側循環ポンプ21のケーシング内であって、負荷側循環ポンプ21の吸込口より下方のケーシング内底部に排水しきれずに水が残ってしまったとしても、負荷側循環ポンプ21のケーシング内に残った水に不凍液を混ぜることで、濃度が若干低くはなるがその水を不凍液とすることができ、ヒートポンプユニット1の製造時期が外気温度の低い時期で、それが倉庫等で保管された場合であっても、負荷側循環ポンプ21のケーシング内底部に残った水が凍結せず、ヒートポンプユニット1設置後に行われる試運転のときに、エラーによるヒートポンプユニット1の停止がなく、ヒートポンプユニット1を正常に動作させることができるものである。
【0037】
また、前記不凍液注入工程では、負荷側内部流路19の一端である負荷側往き接続口15側から注入され、負荷側内部流路19の他端である負荷側戻り接続口18側に向かって流れるようにしており、負荷側シスターン22よりも先に負荷側循環ポンプ21に不凍液が流れるようしている。これは、負荷側内部流路19に注入された不凍液が負荷側循環ポンプ21よりも先に負荷側シスターン22に流れてしまうと、負荷側シスターン22内で不凍液が飛散してしまい、負荷側循環ポンプ21まで不凍液が円滑に供給されないおそれがあるからであり、負荷側シスターン22よりも先に負荷側循環ポンプ21に不凍液が流れるようしたことで、負荷側循環ポンプ21に確実に不凍液を供給し、負荷側循環ポンプ21のケーシング内に残った水に不凍液を混ぜ、負荷側循環ポンプ21のケーシング内の水の凍結を防ぐことができるものである。なお、本実施形態では、負荷側内部流路19の一端である負荷側往き接続口15側から不凍液を注入したが、負荷側内部流路19の一端または他端のうち、不凍液を流したときに、負荷側シスターン22よりも先に負荷側循環ポンプ21に到達する方の端部側から不凍液を注入するようにすれば、先に説明したような、負荷側循環ポンプ21のケーシング内に残った水に不凍液を確実に混ぜることができるという効果を発揮できるものであり、負荷側内部流路19における負荷側循環ポンプ21および負荷側シスターン22の並び順から、不凍液を注入する端部(負荷側内部流路19の一端、例えば負荷側往き接続口15、または負荷側内部流路19の他端、例えば負荷側戻り接続口18)を決定すればよいものである。
【0038】
また、前記不凍液注入工程で負荷側内部流路19に注入される不凍液の量は、予め試験を行ってその試験結果に基づいて設定されており、負荷側循環ポンプ21のケーシング内に水が残っていたとしても、エアを噴出させながらの不凍液の注入により、負荷側循環ポンプ21のケーシング内の水が確実に不凍液と混ざるような量であって、負荷側内部流路19の容積よりも少ない量(例えば、負荷側内部流路19の容積の1/4程度)とすればよく、それにより、前記不凍液注入工程で使用する不凍液量を必要最小限に止めてコスト高となることを抑制しつつも、確実に負荷側循環ポンプ21のケーシング内の水の凍結を防ぐことができるものである。
【0039】
また、前記不凍液注入工程では、負荷側内部流路19への不凍液の注入は、エア供給装置28からエアを噴出しながら行われることで、負荷側内部流路19を構成する配管等が入り組んでいたとしても、不凍液を必要な箇所、ここでは残水が存在する可能性のある負荷側循環ポンプ21のケーシング内に確実に到達させることができるので、確実に負荷側循環ポンプ21のケーシング内の水の凍結を防ぐことができるものであり、さらに、負荷側内部流路19への不凍液の注入はエアを噴出させながら行うことによって負荷側内部流路19を通過した不要な不凍液はほぼ排出されるので、ヒートポンプユニット1が出荷先や倉庫等に輸送される際に、不凍液が負荷側内部流路19から漏れることがなく、梱包材などを汚して破損することがないものである。
【0040】
次に、
図5に示す他の実施形態について説明するが、
図5は本発明の製造方法を適用した他の実施形態の熱源機を用いた空調システムの概略的な構成図であり、この実施形態は先に説明した一実施形態と同じ構成についての説明は省略し、相違する構成についてのみ説明する。
【0041】
31は熱源側熱交換器7を流通する冷媒を加熱または冷却する所定の熱源として地中に設置された地中熱交換器であり、地中熱交換器31は熱源側往き管32および熱源側戻り管33を介してヒートポンプユニット1と接続されているものである。なお、地中熱交換器31は、地中に設けられるのには限られず、例えば、湖沼、貯水池、井戸等の水源中に設けられていてもよい。
【0042】
ここで、本実施形態の前記熱源側熱交換器7は液−冷媒熱交換器であり、例えば、プレート式熱交換器で構成されている。このプレート式熱交換器は、複数の伝熱プレートが積層され、冷媒を流通させる冷媒流路と不凍液等の熱媒を流通させる熱媒の流路としての流体流路とが各伝熱プレートを境にして交互に形成されている。
【0043】
前記熱源側往き管32は、ヒートポンプユニット1の筐体内に収容され熱源側熱交換器7から流出する熱媒を流通させる熱源側内部往き管34とヒートポンプユニット1の筐体外に位置しヒートポンプユニット1から流出する熱媒を地中熱交換器31に導く熱源側外部往き管35とで構成され、熱源側内部往き管34と熱源側外部往き管35とは熱源側往き接続口36を介して接続されている。
【0044】
前記熱源側戻り管33は、ヒートポンプユニット1の筐体内に収容され熱源側熱交換器7に流入する熱媒を流通させる熱源側内部戻り管37と、ヒートポンプユニット1の筐体外に位置し地中熱交換器31から流出する熱媒をヒートポンプユニット1に戻す熱源側外部戻り管38とで構成され、熱源側内部戻り管37と熱源側外部戻り管38とは熱源側戻り接続口39を介して接続されている。なお、前記熱源側内部往き管34および前記熱源側熱交換器7の流体流路および前記熱源側内部戻り管37によって、ヒートポンプユニット1の筐体内において熱媒を流すための内部流路としての熱源側内部流路40が形成されると共に、前記熱源側外部往き管35および前記地中熱交換器31および前記熱源側外部戻り管38によって、ヒートポンプユニット1の筐体外において熱媒が流通する熱源側外部流路41が形成され、熱源側内部流路40と熱源側外部流路41とで熱媒が循環する熱源側循環回路が形成されるものであり、熱源側循環回路を循環する熱媒としては、エチレングリコールやプロピレングリコール等を添加した不凍液を用いることができるものである。
【0045】
また、前記熱源側内部戻り管37の途中には、熱源側循環回路に不凍液を循環させる循環ポンプとしての熱源側循環ポンプ42が設けられており、熱源側循環ポンプ42は、負荷側循環ポンプ21と同様、遠心ポンプ(特に、渦巻きポンプ)であり、中央に不凍液を吸い込む吸込口、外周に不凍液を吐出する吐出口のあるケーシングの中に、回転する羽根車(インペラ)を有するものである。さらに、前記熱源側内部戻り管37の途中には、不凍液を貯留し熱源側循環回路の圧力を調整する熱源側シスターン43が設けられている。なお、熱源側循環ポンプ42内および熱源側シスターン43内に存在する不凍液が流通する流路は前記熱源側内部流路40の一部を構成するものである。
【0046】
ここで、
図5における空調システムにおける暖房運転時および冷房運転時の熱源側循環回路側の動作について説明すると、暖房運転時には、熱源側循環回路を循環する不凍液は熱源側熱交換器7で冷却され、熱源側循環ポンプ42の駆動によって地中熱交換器31に供給され、地中熱交換器31にて地中の熱を採熱するものであり、冷房運転時には、熱源側循環回路を循環する不凍液は熱源側熱交換器7で加熱され熱源側循環ポンプ42の駆動によって地中熱交換器31に供給され、地中熱交換器31にて地中に放熱するものである。
【0047】
次に、ヒートポンプユニット1(熱源機)の製造方法について説明するが、基本的には、先に説明した一実施形態のヒートポンプユニット1(熱源機)の製造方法と同様、製造工程として、組立工程、検査工程、不凍液注入工程の3つがあり、相違点としては、まず、検査工程において、ヒートポンプユニット1の負荷側内部流路19に水を張った状態で実施する検査ステップおよび負荷側内部流路19内の水を排水する排水ステップに加えて、ヒートポンプユニット1の熱源側内部流路40に水を張った状態で実施する検査ステップおよび熱源側内部流路40内の水を排水する排水ステップを実施する点、続いて、不凍液注入工程において、負荷側内部流路19に不凍液を所定量注入するのに加えて、熱源側内部流路40に不凍液を所定量注入する点の2点が挙げられる。
【0048】
前記検査工程において、基本的には、先に説明した一実施形態のヒートポンプユニット1の負荷側で実施したステップと同じステップを熱源側でも実施するものであり、負荷側で実施したステップについては説明を省略し、熱源側で実施するステップについてのみ説明すると、前記検査工程は、ヒートポンプユニット1の熱源側内部流路40に水を張った状態(満水状態)で実施する検査ステップと熱源側内部流路40内の水を排水する排水ステップとに分かれ、前記検査ステップでは、まず、ヒートポンプユニット1に
図3に示すような給水装置23を熱源側の接続口36、39に取り付けて、熱源側内部流路40に給水して熱源側内部流路40内のエアが抜けるまで水を張り、その後、給水装置23を取り外して、加圧ポンプ(図示せず)を取り付けて熱源側内部流路40に圧力をかけ、液漏れがないか否か確認する漏れ検査を実施し、漏れ検査終了後は、圧力を抜いてから加圧ポンプを取り外して、再び給水装置23を取り付けて熱源側内部流路40に給水し、ここで、ヒートポンプ回路9を作動させると共に熱源側循環ポンプ42を駆動させて、暖房運転であれば熱源側内部流路40を流通する水の温度が低下するか否か、冷房運転であれば熱源側内部流路40を流通する水の温度が上昇するか否か確認したり、熱源側循環ポンプ42の回転動作や、ヒートポンプユニット1の運転状態等を確認するといった性能検査を実施するものである。
【0049】
前記検査工程において、前記検査ステップ(上記漏れ検査および性能検査)が終了すると、ヒートポンプユニット1から給水装置23が取り外され、検査ステップにて熱源側内部流路40に張られた水を排水する排水ステップが実施され、排水ステップでは、ヒートポンプユニット1にエアコンプレッサー等のエア供給装置(図示せず)を取り付けて、エアブローによって熱源側内部流路40内の水を排水するものである。
【0050】
そして、前記検査工程が終了した後は、熱源側内部流路40に不凍液を所定量注入する不凍液注入工程が実施されるものであり、基本的には、先に説明した一実施形態のヒートポンプユニット1の負荷側で実施した不凍液注入工程と同じ工程を熱源側でも実施するものであり、負荷側で実施した不凍液注入工程については説明を省略し、熱源側で実施する不凍液注入工程についてのみ説明すると、不凍液注入工程では、
図4に示したような不凍液注入装置24がヒートポンプユニット1の熱源側往き接続口36に接続され、先に説明した
図4を用いて説明した一実施形態のものと同様に、不凍液注入装置24の第1開閉弁27を開弁し圧送ポンプ26を駆動させて不凍液タンク25から不凍液を所定量圧送する。その後、第1開閉弁27を閉弁し、そして、第2開閉弁29を開弁してエア供給装置28からエアを供給し、T字継手30近傍または熱源側往き接続口36近傍に止まっている不凍液を熱源側内部流路40に向かって噴出する。そして、エアブローにより不凍液と空気とが熱源側熱交換器7の液体流路や熱源側循環ポンプ42や熱源側シスターン43を含む熱源側内部流路40内を一緒に流れて、熱源側戻り接続口39から流出するものである。なお、熱源側戻り接続口39から流出する不凍液は適宜の方法で回収される。
【0051】
上記の不凍液注入工程を実施することにより、前記検査工程の前記排水ステップにおいて、熱源側内部流路40、例えば熱源側循環ポンプ42のケーシング内であって、熱源側循環ポンプ42の吸込口より下方のケーシング内底部には排水しきれずに水が残ってしまったとしても、熱源側循環ポンプ42のケーシング内に残った水に不凍液を混ぜることで、濃度が若干低くはなるがその水を不凍液とすることができ、ヒートポンプユニット1の製造時期が外気温度の低い時期で、それが倉庫等で保管された場合であっても、熱源側循環ポンプ42のケーシング内底部に残った水が凍結せず、ヒートポンプユニット1設置後に行われる試運転のときに、エラーによるヒートポンプユニット1の停止がなく、ヒートポンプユニット1を正常に動作させることができるものである。
【0052】
また、前記不凍液注入工程では、熱源側内部流路40の一端である熱源側往き接続口36側から注入され、熱源側内部流路40の他端である熱源側戻り接続口39側に向かって流れるようにしており、熱源側シスターン43よりも先に熱源側循環ポンプ42に不凍液が流れるようしている。これは、熱源側内部流路40に注入された不凍液が熱源側循環ポンプ42よりも先に熱源側シスターン43に流れてしまうと、熱源側シスターン43内で不凍液が飛散してしまい、熱源側循環ポンプ42まで不凍液が円滑に供給されないおそれがあるからであり、熱源側シスターン43よりも先に熱源側循環ポンプ42に不凍液が流れるようしたことで、熱源側循環ポンプ42に確実に不凍液を供給し、熱源側循環ポンプ42のケーシング内に残った水に不凍液を混ぜ、熱源側循環ポンプ42のケーシング内の水の凍結を防ぐことができるものである。なお、本実施形態では、熱源側内部流路40の一端である熱源側往き接続口36側から不凍液を注入したが、熱源側内部流路40の一端または他端のうち、熱源側シスターン43よりも先に熱源側循環ポンプ42に到達する方の端部側から不凍液を注入するようにすれば、先に説明したような、熱源側循環ポンプ42のケーシング内に残った水に不凍液を確実に混ぜることができるという効果を発揮できるものであり、熱源側内部流路40における熱源側循環ポンプ42および熱源側シスターン43の並び順から、不凍液を注入する端部(熱源側内部流路40の一端、例えば熱源側往き接続口36、または熱源側内部流路40の他端、例えば熱源側戻り接続口39)を決定すればよいものである。
【0053】
また、前記不凍液注入工程で熱源側内部流路40に注入される不凍液の量は、熱源側内部流路40の容積よりも少ない量(例えば、熱源側内部流路40の容積の1/4程度)であり、熱源側循環ポンプ42のケーシング内に水が残っていたとしても、エアブローによる不凍液の注入により、熱源側循環ポンプ42のケーシング内の水が確実に不凍液と混ざるように、予め試験を行ってその試験結果に基づいて設定された量とすればよく、それにより、前記不凍液注入工程で使用する不凍液量を必要最小限の使用に止めてコスト高となることを抑制しつつも、確実に熱源側循環ポンプ42のケーシング内の水の凍結を防ぐことができるものである。
【0054】
また、前記不凍液注入工程では、熱源側内部流路40への不凍液の注入はエアブローによって行われることで、熱源側内部流路40を構成する配管等が入り組んでいたとしても、不凍液を必要な箇所、ここでは残水が存在する可能性のある熱源側循環ポンプ42のケーシング内に確実に到達させることができるので、確実に熱源側循環ポンプ42のケーシング内の水の凍結を防ぐことができるものであり、さらに、エアブローによって熱源側内部流路40を通過した不要な不凍液はほぼ排出されるので、ヒートポンプユニット1が出荷先や倉庫等に輸送される際に、不凍液が熱源側内部流路40から漏れることがなく、梱包材などを汚して破損することがないものである。
【0055】
なお、本発明は先に説明した一実施形態または他の実施形態に限定されるものではなく、一実施形態または他の実施形態では、熱源機をヒートポンプユニット1とし、熱交換部をヒートポンプ回路9としているが、熱源機は、バーナを備え該バーナによって発生する燃焼熱を利用して燃焼熱と不凍液とを熱交換部で熱交換させて不凍液を加熱するようなものであってもよいものである。
【0056】
また、一実施形態または他の実施形態では、不凍液注入工程において、所定量の不凍液をT字継手30近傍に止めてからエア供給装置28によってエアを供給することで、負荷側内部流路19または熱源側内部流路40にエアを噴出しつつ不凍液を注入するようにしているが、これに限定されず、エア供給装置28によってエアを噴出させた状態で圧送26ポンプを駆動させて所定量の不凍液を注入することで、負荷側内部流路19または熱源側内部流路40にエアを噴出しつつ不凍液を注入するようにしてもよいものである。