特許第6633564号(P6633564)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許6633564ティシュペーパー及びティシュペーパー製品の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6633564
(24)【登録日】2019年12月20日
(45)【発行日】2020年1月22日
(54)【発明の名称】ティシュペーパー及びティシュペーパー製品の製造方法
(51)【国際特許分類】
   A47K 10/16 20060101AFI20200109BHJP
【FI】
   A47K10/16 C
【請求項の数】3
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2017-71138(P2017-71138)
(22)【出願日】2017年3月31日
(65)【公開番号】特開2018-171253(P2018-171253A)
(43)【公開日】2018年11月8日
【審査請求日】2018年12月28日
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】390029148
【氏名又は名称】大王製紙株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002321
【氏名又は名称】特許業務法人永井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】保井 秀太
【審査官】 舟木 淳
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−193042(JP,A)
【文献】 特開2014−068855(JP,A)
【文献】 特開2014−045864(JP,A)
【文献】 特表2013−511508(JP,A)
【文献】 特開2014−047444(JP,A)
【文献】 特開2017−006168(JP,A)
【文献】 特開2016−137061(JP,A)
【文献】 特開2013−192884(JP,A)
【文献】 特開2012−030125(JP,A)
【文献】 特開2016−039992(JP,A)
【文献】 特開2013−189728(JP,A)
【文献】 特開2013−188380(JP,A)
【文献】 特開2012−034869(JP,A)
【文献】 特開2008−073118(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47K 10/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
4プライのティシュペーパーであって、
4プライ全体として、グリセリン及び1,3−プロパンジオールを6.1質量%以上12.6質量%以下含有し、含有されるグリセリンと1,3−プロパンジオールとの比は1:0.04以上1:0.18以下であり、
1プライの紙厚が54μm以上68μm以下であり、MMDが5.4以上6.5以下である外層と、1プライの紙厚が60μm以上81μm以下であり、MMDが6.1以上7.6以下である中層とが積層された4プライであり、
製品時の各層1プライの坪量が10.6g/m2以上14.3g/m2以下であり、
4プライでの紙厚が236μm以上285μm以下であり、
4プライでの縦方向の乾燥強度が183cN/25mm以上303cN/25mm以下であり、横方向の乾燥強度が60cN/25mm以上108cN/25mm以下であり、
横方向の湿潤引張強度/横方向の乾燥引張強度が0.38以上0.72以下であり、
ことを特徴とするティシュペーパー。
【請求項2】
縦方向の乾燥紙力が112cN/25mm以上139cN/25mm以下であり、横方向の乾燥紙力が66cN/25mm以上88cN/25mm以下である外層原紙の間に、
縦方向の乾燥紙力が72cN/25mm以上99cN/25mm以下であり、横方向の乾燥紙力が51cN/25mm以上73cN/25mm以下である中層原紙が二層配されて、積層された四層構造をなし、
かつ、外層原紙の縦方向の乾燥紙力に対する中層原紙の縦方向の乾燥紙力の比が0.64以上0.71以下であり、外層原紙の横方向の乾燥紙力に対する中層原紙の横方向の乾燥紙力の比が0.77以上0.83以下である、
連続する積層シートの表裏面に対して、
グリセリンと1,3−プロパンジオールとを含み、グリセリンと1,3−プロパンジオールの質量比が1:0.04以上1:0.18以下である保湿薬液を、グリセリンと1,3−プロパンジオールが絶対時に6.1質量%以上12.6質量%未満含有するように、付与する、
ことを特徴とするティシュペーパー製品の製造方法。
【請求項3】
前記保湿薬液を付与する前に行う第一カレンダー加工工程と、
前記保湿薬液を付与した後に行う第二カレンダー加工工程と、
ロータリー式のインターフォルダによって折り畳みを行う折り加工工程と、を有する請求項2記載のティシュペーパー製品の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ティシュペーパーに関し、特に、保湿剤が塗布されているティシュペーパーに関する。
【背景技術】
【0002】
ティシュペーパーは、2プライが主流であるが、近年、3プライや4プライといった多プライで厚み感のあるものの需要も高まりつつある。
このような多プライのティシュペーパーは、製品価格が高い高級タイプに属する製品とされることが多く、このような製品群のティシュペーパーは、特に「ふんわりとした嵩高感」と「表面の滑らかさ」と「柔らかさ」とが高く要求される。
【0003】
そして、多プライ構造の場合、各プライの米坪を高めると、各プライの相乗によって紙厚を容易に厚くすることができ、厚み感や嵩高さを発現させることができる。しかし、このように各プライの米坪を高めると、柔らかさや滑らかな品質が得られない。
また、抄紙時に低密度となるように原紙を製造すると、ふんわりとした嵩のある原紙が得られるが、多プライ構造では積層過程等において繊維間空隙がつぶされやすく、箱詰めに至る製品化までに嵩が減少してしまうことがある。また、原紙の低密度化は、表面の繊維が疎となるため滑らかさも悪化しやすい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013−188921
【特許文献2】特開5472586号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記課題を解決し、「ふんわりとした嵩高感」を感じられつつ、「柔らかさ」と「滑らかさ」にも優れる4プライのティシュペーパーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための手段は次記のとおりである。
その第一の手段は、
4プライのティシュペーパーであって、
4プライ全体として、グリセリン及び1,3−プロパンジオールを6.1質量%以上12.6質量%以下含有し、含有されるグリセリンと1,3−プロパンジオールとの比は1:0.04以上1:0.18以下であり、
紙厚が54μm以上68μm以下であり、MMDが5.4以上6.5以下である外層と、紙厚が60μm以上81μm以下であり、MMDが6.1以上7.6以下である中層とが積層された4プライであり、
製品時の各層1プライの坪量が10.6g/m2以上14.3g/m2以下であり、
4プライでの紙厚が236μm以上285μm以下であり、
4プライでの縦方向の乾燥強度が183cN/25mm以上303cN/25mm以下であり、横方向の乾燥強度が60cN/25mm以上108cN/25mm以下であり、 横方向の湿潤引張強度/横方向の乾燥引張強度が0.38以上0.72以下である、
ことを特徴とするティシュペーパーである。
【0007】
上記課題を解決した第二の手段は、
縦方向の乾燥紙力が112cN/25mm以上139cN/25mm以下であり、横方向の乾燥紙力が66cN/25mm以上88cN/25mm以下である外層原紙と、
縦方向の乾燥紙力が72cN/25mm以上99cN/25mm以下であり、横方向の乾燥紙力が51cN/25mm以上73cN/25mm以下である中層原紙とが、
積層された四層構造をなし、
かつ、外層原紙の縦方向の乾燥紙力に対する中層原紙の縦方向の乾燥紙力の比が0.64以上0.71以下であり、外層原紙の横方向の乾燥紙力に対する中層原紙の横方向の乾燥紙力の比が0.77以上0.83以下である、
連続する積層シートの表裏面に対して、
グリセリンと1,3−プロパンジオールとを含み、グリセリンと1,3−プロパンジオールの質量比が1:0.04以上1:0.18以下である保湿薬液を、グリセリンと1,3−プロパンジオールが絶対時に6.1質量%以上12.6質量%未満含有するように、付与する、
ことを特徴とするティシュペーパー製品の製造方法である。
【0008】
第3の手段は、前記保湿薬液を付与する前に行う第一カレンダー加工工程と、
前記保湿薬液を付与した後に行う第二カレンダー加工工程と、
ロータリー式のインターフォルダによって折り畳みを行う折り加工工程と、を有する上記第2の手段に係るティシュペーパー製品の製造方法である。
【発明の効果】
【0009】
以上のとおり、本発明によれば、「ふんわりとした嵩高感」を感じられつつ、「柔らかさ」と「滑らかさ」にも優れる4プライのティシュペーパーが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】MMDの測定方法を説明するための図である。
図2】実施形態に係る試験例の結果を示す第一のグラフである。
図3】実施形態に係る試験例の結果を示す第二のグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態を説明する。
〔ティシュペーパー〕
本実施形態に係るティシュペーパーは、4プライのティシュペーパーである。つまり、4枚が重ねられて一組となっているティシュペーパーである。
この本実施形態に係る4プライのティシュペーパーは、グリセリン及び1,3−プロパンジオールを6.1質量%以上12.6質量%以下含有し、そのグリセリンと1,3−プロパンジオールとの比が1:0.04以上1:0.18以下である。
【0012】
グリセリン及び1,3−プロパンジオールの含有率は、紙中比率であり、絶乾時におけるティシュペーパーの質量に対するグリセリン及び1.3−プロパンジオールの質量の割合である。なお、絶乾時とは、温度65℃、湿度10%で恒量となるまで乾燥させた状態である。また、グリセリンと1,3−プロパンジオールとの比は、質量比である。
【0013】
なお、ティシュペーパー中に、グリセリンと1,3−プロパンジオール以外に公知の助剤が含有されてもよい。助剤の例としては、ソルビトール等の保湿補助成分、ティシュペーパー中の水分の保持性を高めるための、親水性高分子ゲル化剤、界面活性剤や柔軟性向上剤、滑らかさの発現を補助する流動パラフィンなどの油性成分、その他、保湿剤の安定化、塗布性を向上させるための乳化剤、防腐剤、消泡剤等が挙げられる。なお、保湿補助成分、水分の保持性を高める親水性高分子ゲル化剤等の成分の配合量は、「ふんわりとした嵩高感」、「柔らかさ」及び「表面の滑らかさ」に過度の影響を及ぼさない程度とする。具体的には、1.0質量%以下、好ましくは0.6質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下とするのがよい。
【0014】
ここで、本実施形態に係るティシュペーパーは、グリセリン及び1,3−プロパンジオールを含有するが、従来一般的にティシュペーパーに用いられる薬液は、グリセリンのみを主たる効果成分としている。グリセリンの吸湿効果によって、紙中の水分率を高めることで、しっとり感と柔らかさを高めている。しかし、グリセリンのみの従来品は、吸湿効果のみに頼るため、「ウェット感」、「湿り感」、「ベタツキ感」といった薬剤塗布感も高く、結果として「滑らかさ」と「ふんわり感」が感じられがたいことがある。本実施形態に係る1,3−プロパンジオールは、その配合によって「柔らかさ」が高まるが、表面はさらっとした感触となる。ゆえに、本実施形態のティシュペーパーは、グリセリンによる効果と1,3−プロパンジオールとの効果によって、「柔らかさ」と「ふんわりとした嵩高感」と「表面の滑らかさ」とを高めることができる。
そして、係る効果は、4プライの層構造と坪量、紙厚、MMD及び紙力との構成と上記のグリセリン及び1,3−プロパンジオールの含有率とグリセリンと1,3−プロパンジオールとの質量比とが相まって効果が顕著となる。
【0015】
その本実施形態のティシュペーパーの各層の坪量は10.6g/m2以上14.3g/m2以下である。各層の坪量がこの範囲内であると「柔らかさ」と「ふんわりとした嵩高感」と「表面の滑らかさ」が顕著となる。特に、坪量が高いと紙が固くなり、低いと柔らかくなる傾向があるため、坪量は「柔らかさ」への影響が大きいと考えられる。なお、坪量は、JIS P 8124(1998)に基づいて測定した値である。
【0016】
また、本実施形態のティシュペーパーは、外層の紙厚が54μm以上68μm以下であり、外層のMMDが5.4以上6.5以下である。なお、外層とは、4層構造の両外面に位置する各層を意味する。但し、各外層は、必ずしも同一の構成である必要はない。そして、外層の紙厚及びMMDがこの範囲内であると「柔らかさ」と「ふんわりとした嵩高感」と「表面の滑らかさ」が顕著となる。外層の外側面は、肌に直接触れる面を構成する。
【0017】
外層の外側面には薬液が塗布され、外側面から内部へ薬液が浸透する。このため、薬液の保湿効果と薬液の滑らかな物性により「柔らかさ」と「表面の滑らかさ」の効果を奏する。また外層は薬液を含むため、カレンダー処理等の外層の外側面への外圧により紙は平滑化され、表面に塗布される薬液は均一化して表面が滑らかになり、より一層の「表面の滑らかさ」が発現する。
【0018】
MMDは、表面の滑らかさを表す一つの指標であり、この範囲であると十分な「滑らかさ」を感じるものとなる。但し、MMDによって測定される表面の滑らかさは、繊維の粗密も少なからず影響する。そして、その繊維の粗密は、紙の密度、つまり紙厚と坪量とも関係する。その一方で、紙の密度は「ふんわり感」と「柔らかさ」に影響する。すなわち、外層において、坪量に加えて、MMD及び紙厚が所定の範囲であることにより、機械的な各構成とグリセリン等の薬剤の構成とが複雑に影響して、「柔らかさ」と「ふんわりとした嵩高感」と「表面の滑らかさ」が顕著となると考えられる。
【0019】
他方で、本実施形態のティシュペーパーは、中層の紙厚が60μm以上81μm以下であり、中層のMMDが6.1以上7.6以下である。中層の紙厚及びMMDがこの範囲内であると「柔らかさ」と「ふんわりとした嵩高感」と「表面の滑らかさ」が顕著となる。
【0020】
中層は、肌に直接触れる面を構成しないが、上記のとおりMMDによって測定される表面の滑らかさは、繊維の粗密が少なからず影響し、その繊維の粗密は、紙の密度、つまり紙厚と坪量とも関連する。また、中層の表面性は、外層との擦れや一体性にも影響がある。したがって、MMD、坪量及び紙厚は「ふんわり感」と「柔らかさ」に関係する。中層において、坪量に加えて、MMD及び紙厚が所定の範囲であることにより、機械的な各構成とグリセリン等の薬剤の構成とが複雑に影響して、「柔らかさ」と「ふんわりとした嵩高感」と「表面の滑らかさ」が顕著となると考えられる。
【0021】
また、特に本実施形態のティシュペーパーは、外層に比して中層がやや厚い傾向にある。中層は、外層に比べ薬液含有量が少ない傾向となる。薬液が含有されない場合もある。このため、中層は薬液による保湿効果の影響が小さく、カレンダー処理等の外圧による厚み方向の潰れが少ない。例えば、層積層構造とするにあたって2回のカレンダー処理を経ても中層原紙の密度は低く維持できる。このため、ふんわりとした嵩高感の効果を発現する。そして、外層と中層との紙厚の差及び紙厚の差に起因する密度差、密度差に起因する水分率の差によって官能性の効果が顕著に高まると考えられる。
【0022】
なお、外層及び中層の紙厚は、試験片をJIS P 8111(1998)の条件下で十分に調湿した後、同条件下でダイヤルシックネスゲージ(厚み測定器)「PEACOCK G型」(尾崎製作所製)を用いて測定した値とする。具体的には、プランジャーと測定台の間にゴミ、チリ等がないことを確認してプランジャーを測定台の上におろし、前記ダイヤルシックネスゲージのメモリを移動させてゼロ点を合わせ、次いで、プランジャーを上げて試験片を測定台の上におき、プランジャーをゆっくりと下ろしそのときのゲージを読み取る。測定時には、金属製のプランジャーの端子(直径10mmの円形の平面)が紙平面に対し垂直に当たるように留意する。なお、この紙厚測定時の荷重は、約70gfである。紙厚は、部位を変えてこの測定を10回行って得られた測定値の平均値とする。試験片は、4プライを各層に剥がして採取する。
【0023】
MMD(平均摩擦係数の変動)は、平均摩擦係数からどれだけ変動があるかという変動の度合いを示す値であり、滑らかさの指標でもある。数値が小さいほど滑らかとされる。測定は、カトーテック株式会社製の摩擦感テスターKES−SE又はその相当機を用いて測定される。測定方法は、図1に示すように、摩擦子の接触面を所定方向に20g/cmの張力が付与された測定試料の表面に対して25gの接触圧で接触させながら、張力が付与された方向と略同じ方向に速度0.1cm/sで2cm移動させて行う。なお、摩擦係数を摩擦距離(移動距離=2cm)で除した値がMMDである。なお、摩擦子は、標準付属の10mm角のピアノワイヤセンサーとする。この摩擦子は、直径0.5mmのピアノ線Pを20本隣接させてなり、長さ及び幅がともに10mmとなるように形成された接触面を有している。接触面には、先端が20本のピアノ線P(曲率半径0.25mm)で形成された単位膨出部が形成されている。MMDの測定は、各面について10回測定し、その平均値とする。なお、試験片は、紙厚と同様に4プライを各層に剥がして採取する。また、外層のMMDは、4プライの層のうち、肌に直接触れる外面側を測定する。測定は、縦方向、横方向の各5回、合計10回行い、その測定値の平均値をMMDとする。中層のMMDは、表裏の平均値とする。測定は、表裏の縦方向、横方向において各5回、合計20回行い、その平均値をMMDとする。
【0024】
他方、本実施形態のティシュペーパーは、4プライでの紙厚が236μm以上285μm以下である。4プライのような多プライ構造では、紙厚は、特に「柔らかさ」と「ふんわり感」に影響を及ぼしやすい。本実施形態のティシュペーパーでは、紙厚がこの範囲内であると「柔らかさ」と「ふんわりとした嵩高感」と「表面の滑らかさ」が顕著となる。なお、4プライでの紙厚は、各層に剥離せずに上記の各層の紙厚の測定方法と同様にして測定する。
【0025】
他方、本実施形態のティシュペーパーは、縦方向の乾燥強度が183cN/25mm以上303cN/25mm以下である。縦方向の乾燥強度がこの範囲内であると「柔らかさ」と「ふんわりとした嵩高感」と「表面の滑らかさ」が顕著となる。また、使用に耐える十分な強度の範囲にある。
【0026】
また、横方向の乾燥強度は、60cN/25mm以上108cN/25mm以下である。横方向の乾燥強度がこの範囲内であると「柔らかさ」と「ふんわりとした嵩高感」と「表面の滑らかさ」が顕著となる。また、使用に耐える十分な強度の範囲にある。さらに、定かではないが、「横方向の乾燥引張強度」は、「柔らかさ」、「ふんわり感」といった個別の官能性ではなく、総括的な「肌ざわり」の官能性に影響がある。被験者に対して「柔らかさ」、「ふんわり感」といった具体的な評価基準ではなく、試料に対して自由に触れさせた後に「肌ざわり」という総合的な評価基準でティシュペーパーの良い悪いを評価させた際に、この「肌ざわり」の評価と「横方向の乾燥強度」とに一定の相関があることが知見されている。
【0027】
また、本実施形態のティシュペーパーは、横方向の湿潤引張強度/横方向の乾燥引張強度が0.38以上0.72以下である。なお、この値は4プライのままの測定値である。このような強度差であることにより、洟をかむ際などに、乾燥時から湿潤時へと変化する使用態様において、使用者が「丈夫さ(強度・安心感)」を感じるようになる。さらに、そのような使用態様における紙の強さの変化が感じられがたくなり、使用の際に「滑らかさ」の感じ方に影響する。
なお、紙の縦方向とは、MD方向とも呼ばれ、抄紙の際の流れ方向である。紙の横方向は、CD方向とも呼ばれ、抄紙の際の流れ方向(MD方向)に直行する方向である。
【0028】
また、本発明に係るティシュペーパーの乾燥引張強度は、JIS P 8113に基づいて測定した値であり、次のようにして測定した値である。試験片は縦・横方向ともに巾25mm(±0.5mm)×長さ150mm程度に裁断したものを用いる。ティシュペーパーは複数プライのまま測定する。試験機は、ミネベア株式会社製ロードセル引張り試験機TG−200N及びこれに相当する相当機を用いる。なお、つかみ間隔100mm、引張速度は100mm/minに設定する。測定は、試験片の両端を試験機のつかみに締め付け、紙片を上下方向に引張り荷重をかけ、紙が破断する時の指示値(デジタル値)を読み取る手順で行う。縦方向、横方向ともに各々5組の試料を用意して各5回ずつ測定し、その測定値の平均を各方向の乾燥引張強度とする。
【0029】
また、本発明に係るティシュペーパーの湿潤引張強度は、JIS P 8135(1998)に基づいて測定した値であり、次のようにして測定した値である。試験片は縦・横方向ともに巾25mm(±0.5mm)×長さ150mm程度に裁断したものを用いる。ティシュペーパーは複数プライの場合は複数プライのまま測定する。試験機は、ミネベア株式会社製ロードセル引張り試験機TG−200N及びこれに相当する相当機を用いる。なお、つかみ間隔100mm、引張速度は50mm/minに設定する。試験片は、105℃の乾燥機で10分間のキュアリングを行ったものを用いる。試験片の両端を試験機のつかみに締め付けた後、水を含ませた平筆を用い、試験片の中央部に約10mm幅で水平に水を付与し、その後、直ちに紙片に対して上下方向に引張り荷重をかけ、紙が破断する時の指示値(デジタル値)を読み取る手順で測定を行う。縦方向、横方向ともに各々5組の試料を用意して各5回ずつ測定し、その測定値の平均を各方向の湿潤引張強度とする。
【0030】
乾燥引張強度及び湿潤引張強度の調整は、乾燥紙力増強剤や湿潤紙力増強剤を紙料或いは湿紙に内添することにより行うことができる。乾燥紙力増強剤としては、澱粉、ポリアクリルアミド、CMC(カルボキシメチルセルロース)若しくはその塩であるカルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロース亜鉛等を用いることができる。湿潤紙力増強剤としては、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン樹脂、尿素樹脂、酸コロイド・メラミン樹脂、熱架橋性塗工PAM等を用いることができる。なお、乾燥紙力増強剤を内添する場合、パルプスラリーに対する添加量は、1.0kg/パルプt以下程度である。また、湿潤紙力増強剤は、カチオン性のものが望ましく、そのパルプスラリーに対する添加量は、5.0〜20.0kg/パルプt程度である。
【0031】
ティシュペーパーを構成する繊維素材は、パルプ繊維であり、ティシュペーパーに用いられるNBKP(針葉樹クラフトパルプ)及びLBKP(広葉樹クラフトパルプ)であるのが望ましい。古紙パルプが配合されていてもよいが、古紙パルプは「柔らかさ」を発現させがたいことから、バージンパルプのNBKPとLBKPのみから構成されているのが極めて望ましい。配合割合としては、質量比でNBKP:LBKP=25:75〜40:60である。この範囲であると洟かみに必要な紙力と「ふんわりとした嵩高感」を感じられつつ、「柔らかさ」と「滑らかさ」を顕著に感じられるものとすることができる。
【0032】
他方、本実施形態にかかるティシュペーパーでは、縦方向の伸び率が、10.1%以上12.3%以下であるのが望ましい。伸び率がこの範囲にあると、洟かみの際などの使用時に十分な強度及び使用感を発現し易くなる。また、伸び率は、表面に微細なクレープを有するティシュペーパーの表面性とも関係があり、表面の「滑らかさ」を発現させやすい。なお、この伸び率は、JIS P 8113(1998)の引張試験に従って測定した値をいう。測定装置としては、ミネベア株式会社製「万能引張圧縮試験機 TG−200N」が挙げられる。また、伸び率は、ティシュペーパー原紙の抄紙時におけるクレープ率により調整することができる。
【0033】
〔ティシュペーパー及びティシュペーパー製品の製造方法〕
本実施形態に係るティシュペーパー及び、このティシュペーパーを束にして包装するなどした製品は、次の製造手順によって製造することができる。まず、抄紙設備で抄紙したクレープを有する単層のティシュペーパー原紙を巻き取って一次原反ロールを形成する。次いで、この一次原反ロールを四つ、プライマシンとも称される積層設備にセットし、各々の一次原反ロールから単層の連続シートを繰出して四層に積層した後、適宜にスリットするなどして巻き取り二次原反ロールを製造する。次いで、この二次原反ロールを用いて、インターフォルダとも称される折畳み設備などにおいて積層束を形成する。次いで、この積層束を適宜の大きさに裁断する等した後、箱詰めなど包装して、ティシュペーパーに係る製品とする。このティシュペーパーを製品化する一連の製造工程又は、工程間に別途に薬剤付与設備を設けて、ティシュペーパー原紙にグリセリンと1,3−プロパンジオールとを含む保湿薬液を外添により付与する。なお、ティシュペーパー原紙に対する保湿薬液の付与は、一方面から行なってもよいが、両面の滑らかさを均一にし易いことから、両面塗布とするのが望ましい。特に、保湿薬液の付与は、ティシュペーパー原紙を積層した積層の連続シートの状態において行うのが特に望ましい。積層状態の連続シートに付与したほうがプライ全体としての強度低下が少なく操業性において望ましく、また、肌に触れる両外層に確実に保湿薬液を付与することができる。
【0034】
保湿薬液の付与は、具体的には、プライマシンやインターフォルダいずれかの設備に、フレキソ印刷機、グラビア印刷機等のロール転写装置、スプレー塗布装置などの薬液塗布装置を組み込んで行ってもよいし、これらの装置をプライマシンやインターフォルダとは別途の設備として行ってもよい。
【0035】
保湿薬液は、例えば、グリセリン、1,3−プロパンジオール及び適宜の助剤を、水などの適宜の溶媒を用いて、塗布方法に応じた粘度に調整することができる。
【0036】
折り加工を行うインターフォルダは、マルチスタンド式、スタンド式、折板式とも称される折板によって折り加工を行う設備であってもよいし、ロータリー式とも称される一対のフォールディングロールで折り加工を行う設備であってもよい。但し、ロータリー式のインターフォルダであるのが望ましい。3プライ以上の多プライ構造のティシュペーパー製品の場合、積層数が多く各層のずれが発生しやすくなるが、ロータリー式のインターフォルダは、連続シートに加わる張力が他の設備に比して弱いことなどから、各層のずれが発生しがたく、折品質も良好としやすい。よって、特に加工時に「ふんわり感」を低下させがたい。
【0037】
本実施に係るティシュペーパー及びその製品の製造するにあたって用いるティシュペーパー原紙は、次のものであるのが望ましい。外層を構成する外層原紙は、縦方向の乾燥紙力が112cN/25mm以上139cN/25mm以下であり、横方向の乾燥紙力が66cN/25mm以上88cN/25mm以下であるのが望ましい。また、中層原紙は、縦方向の乾燥紙力が72cN/25mm以上99cN/25mm以下であり、横方向の乾燥紙力が51cN/25mm以上73cN/25mm以下であるのが望ましい。さらに、原紙のクレープ率は、外層原紙において、16〜18%、中層原紙においては14〜16%であるのが望ましい。外層原紙と中層原紙とにおいて、紙力の差を付与するには、抄紙時における紙力剤の添加量の調整、坪量及び紙厚等を調整すればよい。なお、本発明に係る各原紙の乾燥引張強度及び湿潤引張強度は、試験片を抄紙設備で抄紙した1プライの原紙とすること以外は、上述のティシュペーパーの乾燥引張強度及びティシュペーパーの湿潤引張強度と同様にして測定する。
【0038】
これら外層原紙及び中層原紙を用いる場合には、中層原紙を中層として外層原紙を両外層とした四層構造の積層シートの状態として、その表裏面に対して、保湿薬液を付与するのがよい。
【0039】
また、四層構造の積層シートは、特に、外層原紙の縦方向の乾燥紙力に対する中層原紙の縦方向の乾燥紙力の比が0.64以上0.71以下であり、外層原紙の横方向の乾燥紙力に対する中層原紙の横方向の乾燥紙力の比が0.77以上0.83以下であるのがよい。なお、両外層原紙と二枚の中層原紙は、必ずしも同一の物性組成である必要はないが、その場合に、両外層と二枚の中層が、すべて上記の関係を満たすのが望ましい。つまり、二枚の中層原紙のいずれもが、いずれの外層原紙に対しても、上記の比となっているのがよい。
【0040】
この四層構造の積層シートに対して、グリセリンと1,3−プロパンジオールとを含み、グリセリンと1,3−プロパンジオールの質量比が1:0.04以上1:0.18以下である保湿薬液を、絶対時に6.1質量%以上12.6質量%以下含有するように、付与する。絶対時とは、製造されたティシュペーパーを温度65℃、湿度10%で恒量となるまで乾燥させた状態である。また、含有するとは、紙中比率を意味し、ティシュペーパーの質量に対するグリセリン及び1.3プロパンジオールの質量の割合である。このような含有割合にするには、例えば、保湿薬液における、グリセリン及び1.3プロパンジオールと水の比率を1:5.44〜1:5.61に調整し、これを原紙質量の7.5質量%以上13.0質量%以下、付与すればよい。
【0041】
但し、グリセリンと1,3−プロパンジオールが絶対時に6.1質量%以上12.6質量%以下含有するようにするには、必ずしもこの方法及び数値範囲に限定されるわけではない。なお、保湿薬液のグリセリンと1,3−プロパンジオールの質量比は、製品の絶乾時においてもほぼ維持される。また、保湿薬液中には、本発明の効果を妨げない範囲で、グリセリンと1,3−プロパンジオール以外の公知の助剤を含有させてもよい。その含有量は、助剤全体で薬液中に5質量%以下程度である。助剤の例としては、ソルビトール等の保湿補助成分、ティシュペーパー中の水分の保持性を高めるための、親水性高分子ゲル化剤、界面活性剤や柔軟性向上剤、滑らかさの発現を補助する流動パラフィンなどの油性成分、その他、保湿剤の安定化、塗布性を向上させるための乳化剤、防腐剤、消泡剤等が挙げられる。なお、保湿補助成分、水分の保持性を高める親水性高分子ゲル化剤等の成分の配合量は、「ふんわりとした嵩高感」、「柔らかさ」及び「表面の滑らかさ」に過度の影響を及ぼさない程度とする。具体的には、1.0質量%以下、好ましくは0.6質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下とするのがよい。
【0042】
本実施形態に係るティシュペーパー製品の製造方法では、各原紙の乾燥紙力に対する製品の乾燥紙力が適度に低下する。なお、各原紙の乾燥紙力に対する製品の乾燥紙力が適度に低下し、縦方向ではおおむね15.5%以上38.2%以下の範囲で低下し、横方向ではおおむね52.8%以上72.9%以下の範囲で低下する。また、保湿薬液付与後から蒸散や吸湿等によって紙中の水分量が一定となる。その結果、上記の実施形態に係る物性・組成の「ふんわりとした嵩高感」を感じられつつ、「柔らかさ」と「滑らかさ」を顕著に感じられるティシュペーパーが製造される。
【0043】
さらに、特に、本実施形態のティシュペーパー製品を製造するにあたっては、インターフォルダとして、ロータリー式のインターフォルダを用いるのがよい。また、積層シートに対してカレンダー加工を行うのが望ましい。積層シートに対してカレンダー加工を行うことで、外層及び中層の紙厚差を生じさせやすくなる。また、特に、ロータリー式のインターフォルダで折り加工を行う場合には、インターフォルダ内で、保湿薬液を付与するようにするのが望ましい。さらに、保湿薬液を付与する前に第一カレンダー加工工程を行い、保湿薬液を付与した後に第二カレンダー加工工程を行うようにすると、「ふんわりとした嵩高感」を感じられつつ、「柔らかさ」と「滑らかさ」を顕著に感じられるティシュペーパーとしやすい。
【0044】
次いで、以上説明の本実施形態に係るティシュペーパーについて、さらに、「実施例」において特にその効果について説明する。
【実施例】
【0045】
本発明に係るティシュペーパー及び本発明とは異なるティシュペーパーに係る試料を作成し、「ふんわりとした嵩高感」、「柔らかさ」及び「表面の滑らかさ」を評価項目として、下記官能試験を行なった。各試料の物性値・組成値等は、下記のとおり測定した。各試料の物性値・組成値及び試験結果は、下記表1及び表2示されるとおりである。
【0046】
〔坪量〕
JIS P 8124(1998)に従って測定した。
〔紙厚〕
JIS P 8111(1998)の条件下で、ダイヤルシックネスゲージ(厚み測定器)「PEACOCK G型」(尾崎製作所製)を用いて上述の厚みの測定方法に従って測定した。
〔密度〕
3プライでの坪量(1プライの坪量×3)と3プライの紙厚とから算出した。単位はg/cm3、小数点2桁で表した。3プライの紙厚は、各層に剥離しない状態で、各層の紙厚を測定するのと同様に行った。
【0047】
〔乾燥引張強度〕
JIS P 8113(1998)の引張試験に従って測定した。
試験片は縦・横方向ともに巾25mm(±0.5mm)×長さ150mm程度に裁断したものを用いた。ティシュペーパーは複数プライの場合は複数プライのまま測定した。試験機は、ミネベア株式会社製ロードセル引張り試験機TG−200Nを用いた。つかみ間隔が100mmに設定した。測定は、試験片の両端を試験機のつかみに締め付け、紙片を上下方向に引張り荷重をかけ、紙が破断する時の指示値(デジタル値)を読み取る手順で行った。引張速度は100mm/minとした。縦方向、横方向ともに各々5組の試料を用意して各5回ずつ測定し、その測定値の平均を各方向の乾燥引張強度とした。(試料の調整は、JIS P 8111(1998))
【0048】
〔湿潤引張強度〕
JIS P 8135(1998)の引張試験に従って測定した。
試験片は縦・横方向ともに巾25mm(±0.5mm)×長さ150mm程度に裁断したものを用いた。ティシュペーパーは複数プライの場合は複数プライのまま測定した。試験機は、ミネベア株式会社製ロードセル引張り試験機TG−200Nを用いた。つかみ間隔が100mmに設定した。測定は、105℃の乾燥機で10分間のキュアリングを行った試験片の両端を試験機のつかみに締め付け、次に、水を含ませた平筆を用い、試験片の中央部に約10mm幅で水平に水を付与し、その後、直ちに紙片に対して上下方向に引張り荷重をかけ、紙が破断する時の指示値(デジタル値)を読み取る手順で行った。引張速度は50mm/minとした。縦方向、横方向ともに各々5組の試料を用意して各5回ずつ測定し、その測定値の平均を各方向の湿潤引張強度とした。
【0049】
〔伸び率〕
JIS P 8113(1998)の引張試験に従って、ミネベア株式会社製ロードセル引張り試験機TG−200Nを用い、上記乾燥引張強度に係る試料及び測定手順に準じて測定した。
【0050】
〔ソフトネス〕
JIS L 1096 E法に準じたハンドルオメータ法に従って測定した。但し、試験片は100mm×100mmの大きさとし、クリアランスは5mmとして実施した。1プライで縦方向、横方向の各々5回ずつ測定し、その全10回の平均値を、cN/100mmを単位として表した。ソフトネスは、柔らかさの指標の一つである。
【0051】
〔MMD〕
上述のMMDの測定方法に従って測定した。すなわち、カトーテック株式会社製の摩擦感テスター KES−SEを用い、標準付属の10mm角のピアノワイヤセンサーにて、MMDを測定した。測定条件は、試料を所定方向に20g/cmの張力が付与された状態で固定し、その測定試料の表面に対して接触子を25gの接触圧で接触させながら、張力が付与された方向と略同じ方向に速度0.1cm/sで2cm移動させて行った。1プライで縦方向、横方向の各々5回ずつ測定し、その全10回の平均値を、無次元の単位として表した。MMDは、滑らかさの指標の一つである。
【0052】
〔グリセリン及び1.3プロパンジオールの含有量〕
グリセリン及び1.3プロパンジオールの含有量は、紙中比率であり、絶乾時の試料の質量に対するグリセリン及び1.3プロパンジオールの質量の割合である。絶乾時とは、温度65℃、湿度10%で恒量となるまで乾燥させた状態である。
【0053】
〔官能試験〕
評価者を30人とし、比較例1を基準試料として、その基準試料との比較で「ふんわりとした嵩高感」、「柔らかさ」及び「表面の滑らかさ」について、「大変優れている」と感じたものについて「5」、「優れている」と感じたものについて「4」、「優れるとも劣るとも言えない」と感じたものについては「3」、「悪い」と感じたものについては「2」、「非常に悪い」と感じたものについては「1」と評価し、各評価者の平均点を算出したものを評価値とした。
【0054】
また、「総合評価」は、「肌触りが良く、購入意向が大変高い」と感じたものについては「5」、「肌触りが良く、購入意向が高い」と感じたものについては「4」、「肌触りは普通で、購入意向が高いとも低いとも言えない」と感じたものについては「3」、「肌触りに劣り、購入意向が低い」と感じたものについては「2」、「肌触りが非常に劣り、購入意向はほぼない」と感じたものについては「1」と評価したもので、各評価者の平均点を算出したものを評価値とした。なお、比較例1は、薬剤を含有する4プライの市販製品であり市場価格が非常に高い最高級品のカテゴリーに属するものである。
【0055】
【表1】
【0056】
【表2】
【0057】
〔試験結果〕
表1は、グリセリンと1,3プロパンジオールの含有量を変更した試験結果をまとめたものである。表2は、グリセリンと1,3プロパンジオールの比及び含有量を変更した試験結果をまとめたものである。また、表1の官能評価をグラフ化したものが図2であり、表2の官能評価をグラフ化したものが図3である。
【0058】
表1及び図2に示されるとおり、比較例3、実施例で1〜5及び比較例4は、グリセリンと1,3プロパンジオールの比が1:0.07で固定され、グリセリンと1,3プロパンジオールの含有量が異なっている。これらを比較してみると、本発明の実施例である含有量6.1〜12.6質量%の範囲で、「柔らかさ」、「滑らかさ」、「ふんわり感」が比較例1(基準品)と比べ顕著に優れる結果となった。
【0059】
次に表2及び図3に示されるとおり、比較例4〜比較例8、実施例6〜13は、グリセリンと1,3プロパンジオールの比と含有量とが異なっている。これらを比較してみると、本発明に係る含有量の範囲において、特に本発明に係るグリセリンと1,3プロパンジオールの比において、「柔らかさ」、「滑らかさ」、「ふんわり感」が比較例1(基準品)と比べ顕著に優れる結果となった。また、比較例7、比較例8は、グリセリンと1,3プロパンジオールの含有量は、本発明に係る範囲であるが比が異なる。この場合には、比較例1に対して顕著に優れた評価とならない。
【0060】
これらのことから、本発明のティシュペーパーの構成を採ることにより、「柔らかさ」、「滑らかさ」、「ふんわり感」において顕著に優れるといえる。
図1
図2
図3