(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記マイクロプロセッサは、前記少なくとも1つの加熱素子に流される前記電流を制御するために、リレー又はトライアックドライバーに接続されることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
前記マイクロプロセッサは、前記遠隔デバイスから「オフ」信号を無線で受け取るように構成され、呼応して、前記少なくとも1つの加熱素子に電流を送ることができないようにするよう構成されていることを特徴とする請求項2に記載のシステム。
前記マイクロプロセッサと電子通信するディスプレイをさらに具備し、前記マイクロプロセッサは、前記ディスプレイ上に前記温度を表示するように構成されていることを特徴とする請求項4に記載のシステム。
前記マイクロプロセッサは、前記電気グリルの動作パラメータを記録し前記遠隔デバイスに前記動作パラメータを無線で送信するように構成されていることを特徴とする請求項4に記載のシステム。
前記無線コントローラと無線通信するように構成された遠隔デバイスを具備し、前記遠隔デバイスは、異常コードを無線で受信するように構成されていることを特徴とする請求項13に記載のシステム。
メモリ中に記録を作成し保存するために前記遠隔デバイスを用いるステップをさらに具備し、前記記録は、異常コード、電気グリルの温度、及び電気グリルの動作時間を具備することを特徴とする請求項20に記載の方法。
前記マイクロプロセッサはセルフチェックピンを有するチップとすることができ、前記無線コントローラは、マイクロプロセッサ異常を示すセルフチェック信号に応答して異常コードを前記遠隔デバイスに無線で送信するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【発明の概要】
【0009】
本発明は、既知の電気調理器具の欠陥を克服し、電気グリルに新しい特徴と利点とを提供するものである。例えば、本発明は、質の悪い、予期せぬ、及び/又は、危険な電流状態になった場合加熱素子への電源供給を遮断する保護回路構成を提供する。加えて本発明の実施形態では、遠隔デバイスと無線で通信し、危険な電流状態が生じていることを含む種々の動作情報をユーザに伝送する電気グリルを提供する。
【0010】
本発明は、安全でない電流状態に対して保護するよう構成された回路構成及びマイクロプロセッサを有する電気グリルを提供する。例えば、本発明の実施形態では、電気グリルの状態を監視するシステムが含まれ、このシステムは、電圧ラインとニュートラルラインとに接続可能な少なくとも1つの加熱素子と、前記少なくとも1つの加熱素子を通る電流を計測するよう構成されたホール効果センサー、前記電圧ラインと前記ニュートラルラインとの間の漏電異常を検出するよう構成された漏電検出ユニットと、無線コントローラと、マイクロプロセッサであって、前記ホール効果センサー、前記漏電検出ユニット、及び前記無線コントローラと通信することを特徴とするマイクロプロセッサとを有し、前記マイクロプロセッサは、無線コントローラを介して無線で遠隔デバイスへ信号を送信し、及び無線で遠隔デバイスから信号を受信するように構成されている。
【0011】
加えて、マイクロプロセッサは、ホール効果センサーからの電流の読みを所定の電流閾値と比較することで過電流異常を識別し、過電流異常に応答して前記遠隔デバイスに異常コードを無線で送信するように構成することができる。前記マイクロプロセッサは、ホール効果センサーからの電流の読みを予期した電流と比較することで電流異常を識別し、電流異常に応答して前記遠隔デバイスに異常コードを無線で送信するように構成することができる。さらに、前記マイクロプロセッサは、漏電検出ユニットからの漏電異常を示す信号を受信するように構成することができ、さらに、漏電異常に応答して前記遠隔デバイスに異常コードを無線で送信するように構成される。
【0012】
いくつかの実施形態では、前記マイクロプロセッサは、前記少なくとも1つの加熱素子に流される電流を制御するために、リレー又はトライアックドライバーに接続される。付加的な特徴として、前記マイクロプロセッサは、前記遠隔デバイスから「オフ」信号を無線で受け取るように構成され、それに応答して、前記少なくとも1つの加熱素子に電流を遮断するように構成することができる。さらに、実施形態には、調理ボックスと、前記調理ボックス内の温度を計測するための少なくとも1つの温度検出器具とを含むことができ、前記温度検出器具は、前記マイクロプロセッサと電子通信する。本発明は、前記マイクロプロセッサと電子通信するディスプレイをさらに具備し、前記マイクロプロセッサは、前記ディスプレイ上に前記温度を表示するように構成される。前記マイクロプロセッサはさらに、前記遠隔デバイスからの無線による信号に応答して、摂氏による温度と華氏による温度と表示を切り替えるように構成することができる。
【0013】
さらに、前記マイクロプロセッサは、前記調理ボックス内の温度を前記遠隔デバイスに無線で送信するように構成することができる。加えて、前記マイクロプロセッサは前記電気グリルの動作パラメータを記録し前記遠隔デバイスに前記動作パラメータを無線で送信するように構成することができる。前記マイクロプロセッサによる動作パラメータの送信は、連続的とするように構成すること、又は、前記マイクロプロセッサによる動作パラメータの送信は、異常に応答して行うように構成することができる。前記動作パラメータは、温度計測を具備することができる。さらに、前記動作パラメータは、前記加熱素子が動作している総時間を示すタイマーを具備することができる。前記マイクロプロセッサはセルフチェックピンを有するチップとすることができ、前記無線コントローラは補助器具としてもよく、マイクロプロセッサ異常を示すセルフチェック信号に応答して異常コードを遠隔デバイスに無線で送信するように構成することができる。
【0014】
付加的な実施形態では、保護回路構成を有する電気グリルを具備する、電気グリルの状態を無線で監視するためのシステムを提供し、前記保護回路構成は、漏電検出ユニット及びホール効果センサーと電子通信するマイクロプロセッサと、前記マイクロプロセッサと電子通信する無線コントローラと、を具備し、前記マイクロプロセッサは、前記漏電検出ユニット及び前記ホール効果センサーからの電子信号を受信するよう構成され、前記マイクロプロセッサはさらに、異常が生じたことを判断し、呼応して、異常コードを無線で伝達する。さらに、遠隔デバイスは、前記無線コントローラと無線通信するように構成することができ、前記遠隔デバイスは、異常コードを無線で受信するように構成される。加えて、前記遠隔デバイスは、受信した異常コードに応じた異常のタイプを示すメッセージをディスプレイ上に表示するように構成することができる。前記遠隔デバイスは、携帯電話、タブレット、及び/又はコンピュータとすることができる。
【0015】
また、前記電気グリルの動作における異常を検出するために漏電検出ユニット及びホール効果センサーとの通信を行うマイクロプロセッサを使うステップと、遠隔デバイスに前記異常を示す異常コードを無線で送信するステップと、を具備する電気グリルの状態を無線で監視する方法が提供される。前記方法は、さらに、電気グリルの温度を測定する温度検出器具と通信するために前記マイクロプロセッサを使うステップと、電気グリルの動作時間を計測するために前記マイクロプロセッサを使うステップと、電気グリルの温度と動作時間とを前記遠隔デバイスに無線で送信するステップとを含むことができる。
【0016】
付加的な実施形態では、前記方法は、前記遠隔デバイスに、受信した異常を示すメッセージを表示するために前記遠隔デバイスを用いるステップと、メモリ中に記録を作成し保存するために前記遠隔デバイスを用いるステップと、を含み、前記記録は、異常コードと電気グリルの温度と、電気グリルの動作時間とを具備する。前記遠隔デバイスは、インターネットを介して伝達することができる。開示した方法はさらに、前記記録をインターネットを介して伝達するために前記遠隔デバイスを用いるステップと、前記電気グリルのディスプレイに前記電気グリルの温度を表示するステップと、前記表示を、摂氏と華氏との間で、無線で切り替えるために前記遠隔デバイスを用いるステップと、を含む。
【0017】
本発明の目的は、電気的に危険な状態を生じさせずに長時間、屋外環境に電気グリルを置くことができるようにし、及び/又は、前記グリルの部品を保護する保護回路を提供することである。
【0018】
本発明の別の目的は、屋外又は過酷な環境で安全に用いることのできる電気グリルを提供することである。
【0019】
本発明のさらなる目的は、電流の漏れを検出しそれに応答して電流の流れを停止する保護回路を提供することである。
【0020】
本発明のさらなる目的は、漏電を検出しそれに応答して電流の流れを停止する保護回路を提供することである。
【0021】
本発明のさらなる目的は、不平衡電流を検出しそれに応答して電流の流れを停止する保護回路を提供することである。
【0022】
本発明のさらにもう1つの目的は、過電流を検出しそれに応答して電流の流れを停止する保護回路を提供することである。
【0023】
本発明のさらに別の目的は、予期した電流とは異なる電流を検出しそれに応答して電流の流れを停止する保護回路を提供することである。
【0024】
本発明のさらなる目的は、マイクロプロセッサを有し、マイクロプロセッサの動作が異常な状態になったことを検出することができる保護回路を提供することである。
【0025】
本発明のもう1つの目的は、安全ではない動作状態又は故障の危険性を検出したとき、電気グリルを流れる電流を停止することである。
【0026】
本発明のさらなる目的は、異常を示す異常コードを遠隔デバイスに無線で伝達するステップを含み、さらに、本発明の目的は、電気グリルの動作パラメータを遠隔デバイスに表示するステップと、前記遠隔デバイスから前記電気グリルを制御するステップとを含む。
【0027】
本発明のさらに別の目的は、好ましくない、安全でない、及び/又は、予期しない電流状態に対して保護するために、屋内及び/又は屋外で使用する電気グリルその他の器具に用いることのできる保護回路を提供することである。
(用語の説明)
【0028】
本特許の請求の範囲で用いられる用語は、法律上の要求を満たす最も広い意味を持たせることを意図する。他の意味が可能である場合、最も広い意味を採用する。請求の範囲で用いられるすべての言葉は、文法的に及び英文として慣用される通常の意味として用いられる。
【発明を実施するための形態】
【0030】
請求項に係る発明について現時点で好ましい実施の形態又は最良の実施例と考えられるものについて以下に説明する。将来及び現時点でこの実施の形態及び好ましい実施の形態を代表するもの又はこれらを改良するものについて考慮される。機能、目的、構成、効果について実体的に僅かな変更を加えた、どのような修正も改良も本特許請求項の技術的範囲内である。本発明は、ウェーバー‐スティーブン プロダクツ エルエルシーによる、同日に出願された、出願番号15/200,759、表題「ディジタル電源」の同時継続中の特許出願、及び、「無線監視制御を有するディジタル電源装置」の同時継続中の特許出願に詳述され、両方とも出願内容のすべてを参照することにより本出願に組み込まれた、電源装置を有する電気グリル及び/又はこの電気グリルの部品として使うことができる。
【0031】
過酷な環境又は屋外環境で電気加熱素子103、104を使用するためには、電気グリル510において潜在的故障又は部品の誤用により危険な電流の可能性を保護する保護回路構成100が必要となる。周囲環境(日光、雨、風、洗浄剤、食料品、その他を含む)により、電気部品が劣化し、短絡、漏電、その他の危険な状態をもたらすことがある。いくつかの例では、部品は永久的に劣化することがある。他の例では、加熱素子103、104のような、劣化した部品は、清掃又は再設置することにより正常に戻ることがある。両方の場合において、ユーザを保護するために電流の流れを制限する必要がある。
【0032】
保護回路構成100により、漏電、過電流、ドライバー故障、およびマイクロプロセッサ113の故障を含むがこれらに限定されない、種々の故障の可能性を防止することができる。例えば、漏電(又は不平衡電流)は、電気グリル510のような器具に流れる電流が器具から壁コンセントに戻る電流と合致していないとき生じる。しばしば、このことは電流の漏れを示している。漏れ電流は、特に電流が電気グリルのハウジング506にまで達している場合、ユーザに危険を生じさせる。この場合、ユーザが感電することがある。他の故障の可能性として、部品の劣化により電気グリル510に、いわゆる「過電流」をもたらす、危険な電流負荷が加わることがある。これは部品の損傷を引き起こし最終的には漏れ電流をもたらす。さらに他の故障の可能性として、加熱素子103、104は必ずしも危険ではないが、加熱素子の動作形態と整合しない電流負荷を受けることがある。この不具合はドライバー故障を示唆しており、その後、安全でない状態がもたらされることになる。さらなる故障の可能性として、マイクロプロセッサ113の故障がある。マイクロプロセッサ113は、加熱素子に流す電流を制御するので、故障すると予期せぬ電流負荷が加わる恐れがある。本発明の特徴は、1つ以上のこのような故障の可能性(上述した場合を含む)が認められたとき電流が流れないように仕組まれている。
【0033】
図1〜
図10は、電気グリル510及び好ましい保護回路構成100の好ましい実施の形態を示す。例として、
図1A及び
図1Bは、代表的な電気グリルとその主たる部品とを示す。
図1Aは、ディスプレイ503のみならず左右のコントロールノブ501及び502を取り付けることのできる、ハウジング及び蓋506を含む、電気グリル510の好ましい外観を示す。電気グリル510には、壁のACコンセントに接続するための電源コード507が含まれる。左右のコントロールノブ501及び502、及び、ディスプレイ503は、本明細書に詳述するマイクロコントローラ113につながる。以下に説明するような使用をおこなうリセットボタン511も取り付けられる。
【0034】
図1Bに示すように、左右のコントロールノブ501及び502は、それぞれ第1及び第2の加熱素子103及び104と関連付けられていて、それにより2つの調理領域を形成する。代表的な炉又は調理面512もまた
図1Bに示されている。各加熱素子103、104は、ノブ501、502、その他のコントローラ、又は、加熱素子103、104に関するユーザ入力により別々に制御される。左ノブ501及び右ノブ502は、グリルハウジング506の外側に配置することができる。ノブ501及び502、又は、当業者に知られた他の入力器具は、マイクロプロセッサ113に接続し、1以上の加熱素子103、104の動作形態を設定することができる。
図1A及び
図1Bには、加熱素子103、104を制御する2つのノブ501、502を示しているが、保護回路構成100は、当業者に知られているような、どのようなユーザ入力器具と加熱素子との組み合わせでも用いることが可能であることは了解されよう。
【0035】
ノブ501及び502、又は他の入力器具を用いて、ユーザは通常加熱素子103及び104のうちの1つ又は両方の動作形態を選択する。動作形態には望みの温度を設定することが含まれる。本明細書に詳述するマイクロプロセッサ113は、望みの設定温度にするために、加熱素子103及び104に流す電流を制御する。マイクロプロセッサ113は、加熱素子103及び104のそれぞれの近傍に配置された熱電対121及び122からの電流又は実時間での温度値を受け取るフィードバックループを用いて各加熱素子103及び104を所望の温度にすることができる。熱電対が例示されているが、他の既知の温度検出デバイスを使うことができることを理解すべきである。当業者であれば種々の形式及び数量のノブ、タッチパッド、加熱素子、温度センサー、及び/又は、ディスプレイを使用することができることが分かるであろう。
【0036】
電気グリル510には、ディスプレイ503、及び/又は、その他のユーザインターフェースが含まれることが望ましい。ディスプレイ503は、マイクロプロセッサ113に接続することができ、1以上の加熱素子103、104の電流値又は動作に関する情報を表示する。例えば、ディスプレイ503は、ノブ501及び/又は502を介してユーザが選択した所望の温度のみならず、(熱電対121及び122で計測したときの)加熱素子103及び104の現在の温度を表示することができる。
【0037】
保護回路構成100の好ましい実施の形態を
図2及び
図7に示す。ここで、点線はコントロール/データラインであり、実線は電力ラインを表す。一般に、限定を意図するものではないが、
図2は、ハードウェア構成要素、及び、種々の故障状態を検出し、電気グリル510への電流の流れを停止させることで応答することのできる、特別な構成のマイクロプロセッサを示す。保護回路構成100には、器具に流れ込む電流と器具から戻る電流との間の潜在的な差がもしあれば計測するための変流器105が含まれる。漏電検出ユニット117は、もしあればこの差を評価し、電流の流れを停止するためにラッチリレー106及び/又は107に回路を開放させるトリップコントローラ118を動作させる。さらに、マイクロプロセッサ113は、ホール効果センサー119から電流値を受け取り、この電流値を種々の形態の危険な状態を検出するために用いることができる。危険な状態が検出された場合、マイクロプロセッサ113は、トリップコントローラ118を動作させ、加熱素子103及び/又は104に電流が流れないようにするために回路を開放し、又はトライアックドライバー111及び/又は112を停止することができる。マイクロプロセッサ113との通信を行い、マイクロプロセッサ113が正常に動作していない場合にトライアック108及び/又は109を停止させるために、随意的にウォッチドッグ・モニタを取り付けてもよい。
【0038】
ライン101とニュートラル102とで、典型的な壁コンセントから交流電流(AC)を引き入れることができる。典型的な取り付け具を用いて、ライン101及びニュートラル102をAC壁コンセントに差し込むために従来の電源コード507を用いることができる。ライン101及びニュートラル102はまた、ディスプレイ及び/又はマイクロプロセッサを含む種々の部品に必要とされる基本的な電力を供給する、1以上のAC/DC電力変換器114にも接続される。電力変換器114は、交流電流を3.3ボルトDC、5ボルトDC、及び15ボルトDCのラインを有する直流電流に変換する。これらのDCのラインは、1以上のディスプレイ、マイクロプロセッサ、等のような、電気グリルの種々の部品に電力供給するために用いることができる。当業者であれば、AC/DC電力変換器114は、電気グリルの部品に必要なあらゆるレベルのDC電圧を供給するために用いることができることを認識するであろう。
【0039】
ライン101及びニュートラル102はさらに、ライン101から加熱素子103及び/又は104に流れ込む電流とニュートラル102に戻ってゆく電流との間の差を、もしあれば、計測する変流器105に接続される。電流の潜在的な差が、もしあれば、その差を評価して電流が漏れているかどうかを判断する、漏電検出ユニット117に信号として送られる。言い換えれば、回路の故障(一時的であろうと恒久的であろうと)があると、部品からの電流の漏れが生じ、ニュートラル102を通って戻ってゆく電流がライン101から流れ込む電流より小さくなる。漏電検出ユニット117は、電流の消失があることを検出する。電流の消失は、ユーザが接触したとき、感電させ、又は部品を破損させるので、危険な動作状態を示している。
【0040】
このような状態において、感電、感電死、あるいは、部品の損傷、の恐れがあるときは、これを回避するために、電流の流れを停止させることが好ましい。電流の流れを停止させるために、漏電検出ユニット117は、次に電気機械的ラッチ106及び107を開放させるトリップコントローラ118を動作させる。
図2に示すように、ラッチ106及び107は加熱素子103及び104と直列に配置され、したがって、ラッチがトリップすることで回路が開放され、当然、電流の流れが停止する。ラッチリレー106及び107は、回路を開放するための電気機械的スイッチとすることができ、制御ラインを介してトリップコントローラ118に接続することができる。トリップしたとき、ラッチリレー106及び107は、ユーザが機械的スイッチを入れるまで、開放されたままになる。1つの例として、ハウジング506上のリセットボタン511又は他の機械的スイッチは、トリップした後、リセットして閉止位置にするようラッチリレー106及び107に関連付けることができる。
【0041】
ラッチリレー106及び107と相互に作用する漏電検出ユニット117の例示的な実施の形態が
図4によく示されている。限定を意図するものではないが例として、漏電検出ユニット117は、フェアチャイルドセミコンダクターにより製造された、製造番号FAN4146ESXのような漏電遮断器とすることができる。変流器105は、漏電検出ユニット117により読み取られる電流の差を計測するために設置される。漏電検出ユニット117は、電流の差が安全閾値を超えた場合トリップ制御信号401を発生させ、この場合、トリップ制御信号401はラッチリレー106及び107にフィードバックされ回路を開放し電流の流れを停止させる。電流漏れがある器具をユーザが作動させようとすると、ラッチリレー106及び107が回路を開放するので、ユーザを感電させる危険性、さらには機器の損傷を最小限にする。当業者は、電流差にいくらかの許容値が許されることを認識するであろう。
【0042】
再度
図2を参照して、漏電検出ユニット117は、ライン101及びニュートラル102からの電圧より低い電圧で動作するので、降圧変圧器115が取り付けられる。ライン101及びニュートラル102は降圧変圧器115に接続され、そこから全波整流器116を通って低圧の二次電圧が漏電検出ユニット117にそしてトリップコントローラ118に供給される。降圧変圧器115は、漏電検出ユニット117及びトリップコントローラ118をライン101及びニュートラル102の高電圧から分離するという利点を有する。代わりに、低い二次電圧で動作する。当業者であれば、降圧変圧器は、低い電圧で動作する部品を分離するために用いられることを認識するであろう。降圧変圧器115は、マイクロプロセッサ113から漏電検出ユニット117を分離する付加的な利点があり、これにより、マイクロプロセッサ113が漏電/不平衡電流により故障した場合の保護が付加される。マイクロプロセッサ113の故障により、漏電検出ユニット117による漏電/不平衡電流の検出が妨げられることはない。同様に、漏電検出ユニット117の故障により、マイクロプロセッサ113による電流状態の監視の続行を妨げることはない。
【0043】
通常の動作において、マイクロプロセッサ113は、加熱素子103及び104への電流を制御することで、熱及び温度設定を制御する。マイクロプロセッサ113はまた、異常な動作状態、すなわち、感電死、電撃、又は部品の損傷が生じる危険性が増す状態、を検出し応答するよう構成することができる。通常動作状態でのマイクロプロセッサ113の機能を説明し、次に、マイクロプロセッサ113が故障状態を検出し応答することができるようにする具体的な構成を説明する。
【0044】
通常の動作状態において、マイクロプロセッサ113は、ライン101及びニュートラル102から加熱素子103及び104への電流(従って、熱及び温度)を制御する。電気は、変流器105、さらにラッチリレー106及び107及びトライアック108及び109を直列に通って接続されたライン101及びニュートラル102を通って流れる。当然のことながら、トライアックは3つの極をもつ素子、すなわち、交流を導通させるトライオードである。トライアックは、半導体の双方向スイッチの一種である。本明細書に開示した保護回路100は、加熱素子103及び104への電流を制御するためのトライアックの使用について説明するが、他の半導体双方向スイッチを本発明と整合のとれたトライアックの代わりに用いることができるものと理解される。加熱素子103及び104は、電流をより多く流すことで温度を上昇させる抵抗加熱器とすることができる。当業者には理解されるであろうが、他の形式の加熱素子103及び104を用いることもできる。
【0045】
トライアックドライバー111及び112は、加熱素子103及び104に電流を流したり止めたりするために、トライアック108及び109を「開」「閉」することで制御をおこなう。当業者は、トライアックドライバーは、(マイクロプロセッサのような)低電圧DC電源で高電圧トライアックをコントロールするために用いられることを理解するであろう(
図2)。さらに、トライアックドライバー111、112は、トライアック中の高電流又は高電圧から器具を分離するために用いられる。トライアックドライバー111及び112は、マイクロプロセッサ113とトライアック108及び109との間のインターフェースとなると同時に、マイクロプロセッサ113を、トライアック108及び109中の電圧及び電流から分離しておく。
【0046】
通常の動作においてユーザが所望する温度を達成するために、マイクロプロセッサ113は、トライアックドライバー111、112を介してトライアック108及び109を作動させる(又は停止させる)ことにより、加熱素子103及び104に流す電流を制御する。言い換えれば、マイクロプロセッサ113は、トライアックドライバー111及び112を制御することで、加熱素子103及び104に流す電流、したがって、加熱素子103及び104の温度を制御する。トライアック108及び/又は109を停止させることで、回路を開放し回路に電流が流れないようにする。
【0047】
所望の温度にされた時を認識するために、マイクロプロセッサ113は、各加熱素子103及び104の近傍、又は、調理ボックスのどこかに設置された1以上の熱電対121及び122の温度フィードバックを受け取ることができる。
図1Bは、各加熱素子103及び104に隣接する熱電対121及び122の代表例を示す。フィードバックは、マイクロプロセッサ113によって用いられ、ノブ501及び/又は502によって選択された所望の温度になるまで加熱素子103、104に流れる電流を調整する。結果として、ユーザは、加熱素子103及び104への所望の動作形態を(独立に)選択することができ、マイクロプロセッサ113は、所望の温度設定に到達するまで流す電流を制御する。
【0048】
図5は、所望の温度に到達するまで加熱素子103及び/又は104に流れる電流を調整するために、熱電対121及び/又は122からのフィードバックを用いることのできるマイクロプロセッサへの(からの)例示的な入出力を示す。所望の温度は、ノブ501又は502のような、ユーザインターフェースを介してユーザにより選択され、電子的にマイクロプロセッサに伝達されることができる。当業者には、マイクロプロセッサ113は、本明細書に記載した他の設定値のみならず、計算及び比較を実行するためのソフトウェアインストラクションを収容する、内部又は外部のメモリ508を含み、内部又は外部のメモリ508と通信することができることを理解できよう。
【0049】
任意的な入力例として、マイクロプロセッサ113は、ゼロ交差検出ユニット110(
図2)からの制御信号を受け取ることができる。ゼロ交差検出ユニット110は、交流電流が、降圧変圧器115を介して計測したとき、ゼロと交差するたびに制御信号を送る。この信号を用いて、マイクロプロセッサ113は、交流電流の現在の波形の状態を識別することができる。ゼロ交差を追跡することにより、マイクロプロセッサ113は、生じる高調波を減らしつつ、トライアック108及び109をターンオン及びターンオフさせることが出来る。
【0050】
マイクロプロセッサ113は、通常の運転時に生じる危険な状態を特定するよう構成することができる。漏電検出ユニット117は漏れ電流を検出するが、マイクロプロセッサ113が具体的に検出し応答するよう構成すべき他の危険状態が存在する。
図2に示すように、マイクロプロセッサ113は、トリップコントローラ118及びトライアックドライバー111及び112と通信しているので、マイクロプロセッサ113には、電流の流れを停止させる2つの異なる方法、すなわち、危険状態を検出した場合、ラッチ106又は107をトリップさせる方法、又はトライアック108及び/又は109を停止させる方法が与えられる。例えば、
図3は、加熱素子103及び104がトライアック108、109及びラッチ106、107と直列であることを示している。実際に、ラッチ106、107のうちの1つ、又は両方のトライアック108、109を開放すると、すべての電流の流れを停止させることになる。
【0051】
1つの例として、マイクロプロセッサ113は、「過電流」の可能性に応答するよう構成することができる。過電流状態は、電流の漏れの前兆にもなり、部品を故障させるリスク、及び/又は、電子回路に損傷を与えるリスクを増大させることにつながるので、危険である。過電流の可能性は、処理するうえで安全とされる量よりも大きな電流が回路に流れたときに生じる。過酷な環境が原因で、加熱素子のようないくつかの部品の抵抗値が変化し、結果的により多くの電流が流れる場合に過電流が生じることがある。しかし、過電流の可能性は、必ずしも電流の不釣り合いと関連するわけではない。したがって、漏電検出ユニット117は過電流を検出しないこともあり、マイクロプロセッサ113がそれを認識するよう構成することが好ましい可能性がある。このため、ホール効果センサー119は、トライアック108及び109を流れる電流を示す電流値をマイクロプロセッサ113に送る。ホール効果センサー119は、1以上のトライアックを通して加熱素子103及び104に流れる電流を計測する。ここに記載した保護回路構成では、電流計測するために用いられるホール効果センサー119が開示されているが、当業者であれば、ホール効果センサー119に変えて使用することができる適切な電流センサーを思いつくことができるであろう。ホール効果センサー119は、ヒーター103、104を通って流れる電流量をマイクロプロセッサ113に送るために、制御ラインを介してマイクロプロセッサ113に接続される。
【0052】
ホール効果センサー119は、加熱素子103及び104に流した電流を計測し、コントロール/データラインを介して電流計測値をマイクロプロセッサ113に送る。ホール効果センサー119は、電圧ライン101を流れる電流を計測するよう、又は、個々の加熱素子103及び104に流れる2つの電流の両方を計測するよう構成することができる。どちらの構成においても、電流値は、マイクロプロセッサ113に送信することができる。
図2及び
図5は、マイクロプロセッサ113とホール効果センサー119との間の接続を示す。
図6は、過電流状態を検出したときトリップ制御信号を送るマイクロプロセッサ113を示す。
図2において、ホール効果センサー119は、トライアック108及び109に流れる電源ライン中の電流を統合して計測するよう示されている。当業者であれば、1つのホール効果センサーを各トライアックのノードに接続し、統合した電流値ではなく個々のトライアックに流れる電流を計測する代替的な構成が可能であることが分かるであろう。
【0053】
過電流状態を認知するために、マイクロプロセッサ113はホール効果センサー119からの電流値と、回路が安全に動作する所定の閾値電流レベルとを比較する。所定の閾値とは、過電流状態の閾値である。所定の閾値電流レベルは、加熱素子103、104が動作する最大電流、又は回路中の他の部品が動作する最大電流を含む、多くの事項を考慮して選ぶことができる。マイクロプロセッサ113は、ホール効果センサー119により計測した電流と所定の閾値電流レベルとを比較する。電流が閾値を超えた場合、過電流の恐れが存在するので、電流の流れを停止すべきである。電流の流れを停止するために、マイクロプロセッサ113は、コントロール/データラインを介して接続されたトリップコントローラ118にトリップ制御信号505を送る。トリップコントローラ118は、ラッチリレー106及び107をトリップさせることにより応答し、加熱素子に関する回路を開放することで、電流の流れを停止する。ホール効果センサー119からマイクロプロセッサ113への例示的な入力、及び、マイクロプロセッサ113からのトリップ制御信号505が
図5に示される。
【0054】
いくつかの実施形態では、マイクロプロセッサ113は付加的に、加熱素子103及び104に流れる電流が安全領域内ではあるが、加熱素子について選択した動作形態で流れるべき電流とは異なることを認識するような構成とすることができる。例えば、加熱素子が「低」温度に設定されているが、「高」温度に相当する電流が流れているとき、またはその逆の状態のとき潜在的な危険状態が生じる。ユーザが加熱素子103及び/又は104を高温度に設定したが、低い電流しか流れなかった場合、部品が損傷している恐れがある。そのような場合が生じる原因として可能性があるのは、過酷な又は腐食性のある環境によりホール効果センサー119が腐食しているか、又は、トライアック108、109又はトライアックドライバー111、112の故障が含まれるがこれらに限定されない。
【0055】
マイクロプロセッサ113は、所望の温度に達するまで加熱素子103及び/又は104に電流を流すために熱電対121及び122からのフィードバックループを使うことができる。その結果、この所望の温度は安定的に保持される。当業者であれば、加熱素子103又は104の温度を上げるために、温度を保持するための電流より多くの電流を流すことを理解するであろう。例として、ユーザが電気グリル510を動作させ、「高」温度を選択した場合、マイクロプロセッサ113は、対応する加熱素子103及び/又は104が「高」温度になるまで高電流を流さなくてはならない。所望の「高」温度に達したことをマイクロプロセッサ113が(例えば、熱電対121及び122からのフィードバックにより)認識すると、温度を安定的に保持するためにマイクロプロセッサ113は、流す電流を減少させることができる。
【0056】
加熱素子をどのように動作させるかについての例として、「高」「中」「低」のような不連続のモード、又は例えば%又は温度値により計測した連続的スペクトルによるものが含まれる。高電流は加熱素子を高温度にするので、当業者であれば、加熱素子103及び104の温度を上げることは、温度を安定的に保持するより多くの電流を流すことを理解するであろう。
【0057】
予期せぬ電流状態を識別するために、マイクロプロセッサ113はホール効果センサー119からの電流値を予期した電流と比較するよう構成されている。(マイクロプロセッサ113が温度を上げようとしているのか安定的に保持しようとしているのかに従う)任意のモードにおいて、マイクロプロセッサ113が加熱素子に送るように設定されている電流は、通常の動作状態でホール効果センサー119からの測定値と合致することが予期されるのであるから「予期した電流」である。言い換えると、通常の動作状態で、ホール効果センサー119からの電流は予期した電流、すなわち、マイクロプロセッサ113が送電するようプログラムされた電流と合致すると考えられる。ホール効果センサー119からの電流値が予期した電流と合致しない場合、おそらくドライバー故障が起こったと考えられる。
【0058】
予期した電流値は内部メモリまたは外部メモリ508を通してマイクロプロセッサ113が利用しやすくすることができる。このようにして、マイクロプロセッサ113は、所定の任意の動作形態(又は動作形態の組み合わせ)において、正常に機能している加熱素子により、全電流量を認識するようプログラムされる。
【0059】
故障状態が生じた場合、マイクロプロセッサ113は、トライアックドライバー111及び112を停止することでそれに応答し、それにより、それぞれのトライアックを開放し、加熱素子103及び/又は104を通る電流を遮断する。1つの実施の形態では、マイクロプロセッサ113は、任意的に、所定の時間が経過した後、電流が再度流れることを可能にし、流れる電流の監視を続けるようプログラムすることができる。電流が再度流れるようにすることは、故障の原因が一時的なものである可能性があるので、好ましいことがある。限定を意図しない例であるが、急速に安定状態になる一時的な故障状態として、電気グリル510が最近入り切りした場合、又は、電力供給網で一時的な不安定状態が生じた場合がある。
【0060】
図6は、マイクロプロセッサ113が電気グリル510の動作形態に基づき予期した電流を決定し、予期した電流をホール効果センサー119から受け取った実際の電流値と比較するフローチャートである。合致しないことが検出された場合、トライアックドライバー111及び112を停止する。さらに、
図6はまた、マイクロプロセッサ113がホール効果センサー119からの電流値を過電流閾値と比較し、過電流状態に応答してトリップ制御信号505を送ることも示す。当業者であれば、これらのステップ及び比較は、どのような順序で行うこともでき、多くの異なる実施の形態があることがわかり、これらは本発明の予期するところである。マイクロプロセッサ113は、回数を基準にして又は時間間隔を基準にしてこれらの動作を繰り返すことができる。
【0061】
さらに別の故障例において、保護回路100は、マイクロプロセッサ113の故障を防止する。マイクロプロセッサ113は、加熱素子103及び104に流す電流を制御するので、マイクロプロセッサ113の故障により、電流が安全でないレベルになっていることを含む予期せぬ結果が生じることがある。マイクロプロセッサ113の故障を防止するために、回路100には、
図2に示すように、マイクロプロセッサ113とトライアック108及び109との間に接続されたウォッチドッグ・モニタ120を含めることができる。
【0062】
この状態で、マイクロプロセッサ113は、ウォッチドッグ・モニタ信号504をウォッチドッグ・モニタ120に送り、マイクロプロセッサ113は正常に動作していることを確認する。ウォッチドッグ・モニタ120は、マイクロプロセッサ113が正常に動作していることを確認するマイクロプロセッサ113からの信号を探すよう構成されている。ウォッチドッグ・モニタ120はトライアック108及び109にも接続されている。マイクロプロセッサ113からの正常に動作していることを確認する信号がない場合、ウォッチドッグ・モニタ120はトライアック108及び109を停止させ、電流が流れないようにする。マイクロプロセッサ113がその後正常な動作に復帰した場合、ウォッチドッグ・モニタ120は電流の流れを再開することを可能とすることができる。ウォッチドッグ・モニタ120のこの構成により、マイクロプロセッサ113が故障後一定時間経過後又はリセットした後に、正常な動作へ復帰することが可能となる。このことは、マイクロプロセッサ113がブート中またはリブート中であっても動作を継続することができるので、好都合である。言い換えれば、マイクロプロセッサ113が、(意図的に、又は意図せずに)リブート処理中である場合、ウォッチドッグ・モニタ120は、マイクロプロセッサ113が正常動作中ではなく電流が流れていないと判断することができる。しかし、マイクロプロセッサ113のブートシーケンスが完了し、ウォッチドッグ・モニタ120への信号送信を再開すれば正常動作が再開する。
【0063】
図7は、本発明の付加的な実施形態を示す。例えば、ゼロ交差検出ユニット110が中間的な変圧器を設けることなく直接ライン101とニュートラル102に接続されている、実施形態が
図7に示されている。さらに、漏電検出ユニット117は、AC/DC電力変換器114を通る電源(この場合、12Vであるが他の電圧も考えられる)に接続される。ゼロ交差検出ユニット110及び漏電検出ユニット117は、
図2又は
図7に示したような構成、又は他の多くの構成において、ここに記載した機能を実行することができる。
【0064】
図7は更に、トライアック108及び109をそれぞれ並列に構成したリレー701及び702を開示する。リレー701及び702は、それぞれ加熱素子103及び104への電流供給を制御するためにマイクロプロセッサ113によって制御ライン(図示せず)を介して制御される。リレー701、702とトライアック108、109との間は並列構成になっているので、リレー又はトライアックの何れかを作動させることによって電流を加熱素子103、104に供給することができる。別の言い方をすれば、マイクロプロセッサ113は、加熱素子103、104に電流を供給するために、トライアック108、109のそれぞれ、又は、リレー701、702のそれぞれを使用することができる。
【0065】
加熱素子103、104にそれぞれ電流を供給することができる2つの構成要素(リレー及びトライアック)を有することの利点は、発熱を低減するためにマイクロプロセッサ113が2つの構成要素を交互に切り替えることができることである。例えば、加熱素子103、104に100%電力を供給することにより、トライアック108、109が作動時に過熱する可能性がある。より具体的には、加熱素子103、104は、高温が望まれるとき比較的高い電流量を引き出し、トライアック108、109を通る電流を長時間にわたって供給すると、トライアック108、109が過熱してついには劣化する可能性がある。これを回避するために、マイクロプロセッサ113は、「高」または比較的に高い電流を加熱素子103、104に供給するときに、トライアック108、109を無効にし、代わりにリレー701、702を起動することができる。その結果、加熱素子103及び/又は104にそれぞれリレー701及び/又は702を通じて電流が流れ、それによってトライアック108、109が過熱するのを防止する。
【0066】
図7は、更に、バンドコントローラ703の機能を有するマイクロプロセッサ113の実施形態を示す。本開示の利益を享受する当業者は、バンドコントローラ703をマイクロプロセッサ113の物理的及び/又は仮想的な従属部品とするか、又はこれに代えて、別のハードウェアおよび/またはソフトウェア構成要素としてもよいことを理解するであろう。本発明の実施形態において、バンドコントローラ703はユーザー入力(無線による入力を含む)を介して目標温度を受け取って、加熱素子103、104へ供給される電力(即ち、電流)の量を制御して、ユーザーが選択した目標温度を達成するように構成してもよい。
【0067】
バンドコントローラ703は、供給する電流の量を制御することによって加熱素子103、104における目標温度を達成し維持するために、ハードウェア及びソフトウェアアプリケーションを用いることができる。バンドコントローラ703は、加熱素子103、104の近傍に位置する熱電対121、122からフィードバックを受け取って、そのようなフィードバックを用いて、目標温度に到達した時を判断するようにしてもよい。本発明の実施形態において、熱電対121、122を用いているグリルの調理ボックス内の周囲温度を推定することが望ましい場合がある。特に高い温度で作動するとき、周囲温度(例えば加熱素子の上方6又は8インチの位置の温度)が加熱素子103、104における温度と同一ではない可能性がある。食品がグリルの調理ボックス内の至る所に置かれ得るので、例えば加熱素子103、104の数インチ上方の火格子上に置かれ得るので、バンドコントローラ703(及びマイクロプロセッサ113)は、加熱素子103、104における温度よりもむしろ推定周囲温度に基づいて作動することが望ましい場合がある。周囲温度に基づく操作は、食品の温度のより正確な測定値を提供し、従って、食品の出来具合のより正確な判断をもたらす。
【0068】
例示として、
図10は熱電対121、122における温度1002に基づく周囲温度1001を正確に推定するための出願人の試験データを表す。x軸で、
図10は、熱電対121、122で測定された温度1002を表す。y軸で、
図10は対応する推定された周囲温度1001を表す。曲線1003は、測定された温度(x軸)の関数として、推定された周囲温度(y軸)を示す。
図10の推定周囲温度は、ユーザーが料理用格子を構成することのできる位置である加熱素子よりも数インチ上方で測定された。より高い温度では、周囲温度が熱電対で測定された温度とは違ってくることが明らかになり、換言すれば、より高い温度では、加熱素子の上方位置の推定周囲温度は加熱素子の温度よりも速く上昇する。例示として、参照点1004においては、推定周囲温度と熱電対1002の温度とは共に概ね等しく、150Fである。より高い温度(例えば参照点1005)においては、熱電対の温度は300Fである一方、推定周囲温度は概ね400Fまで上昇した。このように、より高い温度では、より高いオフセットが正確に周囲温度を推定するために必要とされる。
【0069】
図10に示されたオフセットを用いて、マイクロプロセッサ113、及び/又はバンドコントローラ703を、熱電対121、122で測定された温度に基づいて、推定周囲温度を計算する、ハードウェアやソフトウェアに適合させて、構成することができる。
図10のオフセットは例示としてのみ与えられており、要因、例えば、調理用火格子の高さのような要因や、その他、周囲の状況に影響を及ぼすかもしれない要因に基づいて増減し得ることを理解されたい。更に、マイクロプロセッサ113及び/又はバンドコントローラ703は、そのような推定された周囲温度をフィードバックループの一部として用い、目標温度に到達する時を決定することができる。換言すれば、或る実施形態においては、目標温度は推定周囲温度を指すことがあり、他の実施形態において、目標温度は熱電対121、122における温度を指すことがある。
【0070】
さらに他の実施形態では、食品の温度を測定し食品プローブからの読みに基づき、いつ目標温度に到達したかを判断するために食品プローブ(不図示)を用いることができると考えられる。食品プローブは、ユーザが、ステーキや鶏の胸肉のような、食品に挿入し食品の内部温度を計測するための温度測定器具である。温度測定のために食品プローブを用いることは、食品の内部温度を正確に測定し、ひいてはその仕上がり具合を判断することができるので、ある種の料理方法において好都合となることがある。
【0071】
常に目標温度を維持するために、バンドコントローラ703は、所定の目標温度近傍の温度「バンド」を定めることができ、このバンドは、目標温度に近づくにつれて、加熱素子103、104に供給する電力(すなわち、電流)量を示す。本発明の実施形態において、このバンドは、0%、50%、及び、100%の電力を表す範囲を作り出す。801を超える範囲は、0%の電力が供給される温度範囲を表し、801と803の間の範囲は、50%の電力が供給される範囲を表し、803未満の範囲は100%の電力が供給される範囲を表す。バンドコントローラ703は、望みの目標温度を達成し維持するために加熱素子に供給するのに適切な電力(すなわち、電流)を決定するためにバンドを用いる。例として、例えば
図8Aに見られるように、バンドコントローラ703は、望みの目標温度802に達するまで100%の電力を供給し、次いで、上方バンド801に到達するまで、50%に電力を減少させる。上方バンド801を超えた場合、バンドコントローラ703は0%に電力を減少させる。温度が下方バンド803に(またはそれ以下に)落ちた場合、電力を再び100%に増大させる。バンドコントローラ703は、熱電対121、122からフィードバックを連続的に受け取り、このフィードバック(いくつかの実施形態では上述の推定周囲温度)を適切な温度バンドと比較する。このようにして、温度は下方バンド803と上方バンド801との間で変動し、目標温度に接近する。
【0072】
加えて、本発明の実施形態において、バンドコントローラ703は望みの目標温度に応じてバンドを動的に移動する。温度バンドを動的に移動することにより、より正確な温度制御が可能となり、ユーザは選択した目標温度をほぼ維持することができる。これは、低い温度において、電気グリルの温度は50%の電力設定では望みの目標温度を超えるまで増大し続けるからである。一方、高い温度において、50%の電力供給では望みの目標温度以下に温度を減少させることがある。従って、バンドコントローラ703は、低い望みの目標温度に対してバンドを下げることにより補正することができる。一方、高い温度範囲では、バンドコントローラ703は、バンドを高くすることができる。低い望みの目標温度に対応する低下させた温度バンドの例を
図8Bに示す。
図8Bにおいて、低い目標温度が選択されており、バンドコントローラ703は、目標温度に対応して上方バンド(801)を移動している。反対に、
図8Cは、比較的高い目標温度の場合を示し、バンドコントローラ703は、目標温度802が下方バンド(803)に一致するよう電力バンドを上げたことを示している。
図8Bにおいて、目標温度は電力バンド801と重複し、
図8Cにおいて、目標温度802は電力バンド803と重複する。電力バンドの例示的な値を以下の表に示す。
【表1】
【0073】
独立して動作可能な複数の加熱素子を有する実施形態において、ユーザは複数の目標温度を入力することができる。例えば、2つの加熱素子103、104を有する実施形態では、それぞれ1つの加熱素子に対応する2つの別々の目標温度を受け取ることができる。目標温度は、任意の数の実行可能なユーザ入力を通してバンドコントローラ703に送信されることができる。非限定的例示として、実行可能なユーザ入力にはノブ501、502が含まれる。ユーザ入力は、無線コントローラ704と通信するよう構成された無線器具から、無線コントローラ704を介して、無線で受け取ることもできる。このような実施形態において、無線コントローラ704は、Wi−Fi、ブルートゥース(登録商標)、ラジオ周波数、又は、その他の無線通信を介して遠隔デバイスと無線通信するよう構成することができる。遠隔デバイスには、携帯電話、タブレット、ラップトップ、コンピュータ、及び、無線通信可能な他の形式の器具が含まれる。
図9は、ディスプレイ902とユーザ入力器具903とを有し、電気グリル510の無線コントローラ704と通信する例示的な遠隔デバイス901を示す。非限定的例示として、遠隔デバイス901は、入力器具903としてタッチスクリーンを有する携帯電話とすることができる。使用する器具の形式にかかわらず、遠隔デバイス901は、とりわけ、1以上の目標温度を表すユーザ入力を受け取り、この目標温度を、無線コントローラ704を介して電気グリル510に無線で伝達するよう構成することができる。
【0074】
例示的実施形態において、遠隔デバイス901は、ユーザから望みの目標温度を直接受け取るよう構成することができる。このような実施形態において、ユーザは、目標温度を選択するために入力デバイス903を用いることができる。他の例示的実施形態において、遠隔デバイス901は、調理する肉のタイプ、及び仕上がり具合を選択したユーザ入力を受け取り、ユーザの選択に応じた適切な目標温度を決定するよう構成することができる。このような実施形態において、遠隔デバイス901は、望みの食品特性に対応する適切な目標温度を記憶するメモリ904を有することができる。このように、ユーザ食品特性を選択するために入力デバイス903を使い、遠隔デバイス901は、関連する目標温度を無線で伝達する。目標温度を制御するのに加え、遠隔デバイス901の実施形態では、無線コントローラ704を介してマイクロプロセッサ113及び/又はバンドコントローラ703に、無線で「オン」及び/又は「オフ」信号を送信するように構成されている。このように、ユーザは、電気グリル510の望みの目標温度と、その「オン」及び「オフ」の両方を制御することができる。
【0075】
遠隔デバイス901と電気グリル510との間の(無線コントローラ704を介した)無線通信の付加的な実施例には、遠隔デバイス901から遠隔でディスプレイ503の設定を制御する能力を含む。このようにして、遠隔デバイス901は、電気グリル510のディスプレイ503に表示される情報を無線で制御することができるように構成することができる。遠隔デバイス901は、どの情報をディスプレイ503に表示するかを制御することができ、ユーザは、温度計測に関して摂氏(C)と華氏(F)とを切り替えることができる。そのような情報には、電気グリル510の現在の温度、周囲温度、目標温度、及び、グリルが作動している時間、食品が調理されている時間、食品が目標温度に達するまでの時間を示すタイマー、を含むことができる。そのような情報は、電気グリル510から、無線コントローラ704を介して、遠隔デバイス901に無線で送信することができる。
【0076】
一方、遠隔デバイス901は、そのような情報を遠隔デバイスディスプレイ902上でユーザに提供することができ、さらに、所定の温度に到達した場合、又は食品が所定の時間調理された場合、この情報を使って無線で電気グリル510をオフにし、又は所定の目標温度を下げることができる。例示的な実施形態において、食品特性がメモリ904に記憶され、このような食品特性により、特定の食品について適切な目標温度及び/又は適切な調理時間が示される。遠隔デバイス901は、電気グリル510から無線で受け取った情報を監視し、適切な温度又は調理時間に到達したかどうかを判断する。遠隔デバイス901はまた、そうなったとき、電気グリル510をオフにするように、及び/又は、音響的又は視覚的警報を出すように構成することができる。このような、音響的及び/又は視覚的警報を、遠隔デバイス901又は電気グリル510又はその両方に出すことができる。
【0077】
加えて、本発明の実施形態では、無線通信を電気グリル510から遠隔デバイス901へ異常コードを供給するために用いることができ、この異常コードはここでさらに説明するような安全でない電流状態を示すことができると考えられる。異常コードを遠隔デバイス901に送ることは、遠隔からユーザが安全でない電流状態が生じたときを知ることができ、遠隔デバイス901がこの安全でない電流状態を修正するための安全のためのヒントを表示することができるとともに、この安全でない状態を引き起こした状態を記録することができるという利点がある。
【0078】
異常コードは、保護回路100と協働して動作するマイクロプロセッサ113により決定されてもよい。ここでさらに説明するように、マイクロプロセッサ113は、制御ラインを介して、漏電検出ユニット117及びホール効果センサー119と通信することができる。従って、マイクロプロセッサ113は、漏電を検出したことを示す漏電検出ユニット117からの制御信号を受け取るように構成することができる。同様に、マイクロプロセッサ113は、電流を加熱素子103及び104に供給する上での故障を認識するホール効果センサー119からの信号を用いるように構成することができる。ここにさらに説明するように、ホール効果センサー119からのゼロ電流の測定値は、加熱素子103及び104が電流を受け取っていないことを示す一方、予期しない高電流の測定値は加熱素子103及び104に電流が流れすぎている(「過電流」状態)ことを示す。
【0079】
本発明の実施形態において、マイクロプロセッサ113は、これらの故障を認識し、無線コントローラ704を介して、生じた故障に対応する異常コードを無線で伝達するように構成されている。例えば、「01」の異常コードは漏電を検出したことを示し、「02」は、加熱素子103及び/又は104に電流が流れていない(又は、予期せぬ電流が流れている)ことをホール効果センサー119が検出したことを示し、「03」は、予期せぬ過大な電流が加熱素子103及び/又は104に流れていることをホール効果センサー119が検出したことを示してもよい。マイクロプロセッサ113が「セルフチェック」機能を含むチップである実施形態の場合、セルフチェックピンがマイクロプロセッサ113が故障であると判断した場合、「04」の異常コードが送出されてもよい。当業者であれば、各故障を示すために種々のコードを用いることができることが分かるであろう。故障に応じて、聴覚的又は視覚的警報を電気グリル510で、例えばディスプレイ503上に、表示することができる。同様に、遠隔デバイス901はまた、異常コードを受け取ると、聴覚的又は視覚的警報を提供することもできる。
【0080】
遠隔デバイス901は、異常コードを無線で受け取り、ディスプレイ902上に、異常のタイプを特定するメッセージをユーザへのメッセージを表示するように構成することができる。このような異常メッセージには、遠隔デバイス901での聴覚的又は視覚的警報を伴うことができる。遠隔デバイス901はさらに、ユーザがこの異常に対処すべきステップを説明する、メモリ904に保存されたメッセージを表示するように構成することができる。例えば、さらにここで説明するように保護回路構成100は、漏電に応答してリレー106及び/又は107をトリップさせるよう構成することができる。従って、マイクロプロセッサ113が漏電を表す異常コード(例えば、「01」)を遠隔デバイス901に送信した場合、遠隔デバイス901は、漏電が起こった旨、及び、ユーザにリレー106及び/又は107のリセットを促すための、ユーザへの警報メッセージを表示することができる。
【0081】
異常「02」に応答して、遠隔デバイス901は、電流が加熱素子103及び/又は104に流れていないことをユーザに注意喚起するように構成することができる。電流が流れていないことは、回路が開いていることを示している可能性があり、これは例えば加熱素子103、104が適切に取り付けられていない場合に起こることがある。従って、遠隔デバイス901は、ユーザに加熱素子103、104を取り外し、そして再度取り付けることを促すメッセージを表示することができる。この異常が続く場合は、遠隔デバイス801は、ユーザに製造業者に連絡を取るよう促すことができる。
【0082】
同様に、異常コード「03」を受け取った場合、過電流が起こっている。過電流が生じる1つの可能性として、互換性のない、又は欠陥のある、適切でない抵抗値を有する加熱素子をユーザが取り付けてしまったのかもしれない。(間違った低い抵抗の加熱素子の場合、不適切に高い電流が流れる)。例えば、120Vで動作するように設計された加熱素子は、230Vで機能させるには抵抗が低すぎ、過電流の原因となる。従って、ユーザに、加熱素子をチェックするよう、又は新しいものに取り換えるよう促すことができる。
【0083】
遠隔デバイス901及び/又はマイクロプロセッサ113は、異常の記録を生成しメモリ中に異常の記録を保存することができる。このような、異常の記録は、生じた各異常の記録を含むことができる。加えて、遠隔デバイス901が電気グリル510から(加熱素子の温度、周囲温度、温度目標、料理時間、等のような)状態情報を受け取る実施形態では、このような状態情報も、この異常の記録に記録することができる。状態情報は連続的に送ること、又は異常に応答して送ることができる。例として、異常が生じるまでにグリルがどれだけの期間調理していたか、異常が生じたときのグリルの温度、及びその他の関連情報を記録することは有益な場合がある。異常の記録は、異常の診断に役に立つことがある。異常の記録は、遠隔デバイス901、又は、電気グリル510(又は、マイクロプロセッサ113)、又はその両方で生成及び/又は記録することができることは了解されよう。当業者であれば、種々のパラメータを異常の記録の一部として記録及び保存することができることを理解するであろう。
【0084】
いくつかの実施形態において、遠隔デバイス901はインターネット接続905を行うことができる。インターネット接続905により、遠隔デバイス901は、随意的に記録した異常の記録を電気グリルの製造業者のような第三者に送ることができる。製造業者は、従って、生じた異常及びこの異常を取り巻く状態をよく理解することができる。これにより製品の修繕及び改良をもたらすことができる。
【0085】
本発明はまた、グリルを使っているときに安全でない電気的な状態が生じる危険性を減らす方法も提供する。好ましい実施の形態では、トライアック108及び109、及びラッチリレー106及び107を通る電圧ライン101及びニュートラルライン102に接続することのできる1以上の電気加熱素子103及び/又は104に電流を流して、ユーザーは電気グリル510を使用することができる。加熱素子103又は104をユーザが動作させたとき、電気グリル510へ流れ込む電流と電気グリル510から戻ってくる電流との差を、もしあれば、電気グリル510の保護回路構成100中の変流器105が計測する。電流の差が検出された場合、本発明の方法により、ラッチリレー106及び/又は107に接続されたトリップコントローラ118を作動させるための電気信号が生じる。
【0086】
本発明の方法には、加熱素子103又は104に流れる電流をホール効果センサー119により計測し、計測した電流をマイクロプロセッサ113へ伝達するために、電気グリル510の保護回路構成100を用いるステップを付加的に含めることができる。電気グリル510及び保護回路構成100を動作させることで、マイクロプロセッサ113は計測した電流を所定の電流閾値と比較する。所定の電流閾値は、ユーザにより選択される現在の動作形態に基づき動的に選択することができる。電気グリル510の使用中に計測した電流が所定の閾値を超えた場合、本発明には、ラッチリレー106及び/又は107をトリップさせることで、又は、トライアック10及び/又は109を停止させることで電流の流れを止めるステップを含めることができる。
【0087】
付加的な実施の形態では、マイクロプロセッサ113からウォッチドッグ・モニタ120へ、正常運転を示す信号が送られる。一方、ウォッチドッグ・モニタ120は、正常運転中、トライアック108及び/又は109に加熱素子103及び/又は104へ電気を流すことを可能にし、正常でない運転状態では電気の流れを停止する。
【0088】
上述の器具及び方法は、より安全な電気グリルを体験してもらうために用いることができる。種々の実施の形態で、加熱素子103及び/又は104からの熱を用いて食品をグリルで焼くために、ユーザはノブ501及び/又は502(又は、無線のようなその他の入力手段)を動作させることができ、同様に加熱素子は、マイクロプロセッサ113により制御される。ディスプレイ503では、とりわけ、現在の温度をユーザに伝え、ユーザが火格子に食品を置くべき時、及び食品を調理する時間を決めることができるようにする。ユーザは長時間過酷な状態に曝されていて、漏れ電流のある電子部品を有する電気グリル510を用いることがある。本発明の実施の形態では、電流の漏れを検出し、それに応じてトリップラッチリレー106及び107をトリップする、漏電検出ユニット117及びトリップコントローラ118と一緒に機能する変流器105を提供する。グリルは停止するが、ユーザは漏れ電流からの安全が確保される。ユーザは、例えば、加熱素子103、104を取り外して再度取り付け、リセットボタン511又は同様のスイッチを押すことで応じることができる。電流の漏れが解決すれば、通常動作を続けることができる。
【0089】
通常の調理中、加熱素子103、104又は他の部品が意図的でなくゆるんでいたり、熱や他の周囲条件により損傷したりすることがある。起こりうる結果として、電気グリル510に安全でない電流が流れ、これは、ホール効果センサー119からの信号を介してマイクロプロセッサ113により検出される。マイクロプロセッサ113は、トリップコントローラ119を動作させることで応答し、これによりラッチ106及び107を開放する。上述の通り、その結果電流が停止し、ユーザは、リセットボタン511により電気グリル510の再起動を試みることができる。
【0090】
同様に、安全でない状態では、ノブ501及び/又は502でのユーザの設定に基づく予期値とは異なる電流量をヒーター103及び/又は104に流す可能性がある。それに応じて、本発明の実施の形態では、電流の流れを停止するためにトライアック108/109を(ドライバーを介して)停止することのできるマイクロプロセッサ113が提供される。ユーザにはディスプレイ503を介して注意を喚起することができるが、ラッチ106及び107はこの場合トリップせず、したがって、ユーザはボタン511をリセットしなくてよい。
【0091】
さらに、本発明の実施の形態には、ユーザが電気グリル510を使用している間、マイクロプロセッサ113が正しく動作していることを監視するために設置することのできるウォッチドッグ・モニタ120を含めることができる。ウォッチドッグ・モニタ120は、マイクロプロセッサ113が異常な動作状態になった場合、リブートの可能性がある場合も含めて、トライアック108/109を停止させることができる。ユーザは、ボタン511をリセットしなくてよく、マイクロプロセッサ113正常運転に復帰してグリルの使用を再開するのを待つことができる。
【0092】
ハードウェア及び特別に構成されたマイクロプロセッサを安全なグリルの使用を確保するためにユーザに提供することができる。当業者であれば、上述の実施の形態を様々に組み合わせた電気グリルが可能であること、及び必ずしもすべての特徴が各実施の形態に含まれる必要がないことが分かるであろう。さらに、本発明は、特に屋外で用いるグリルに利用できるようになっているが、当業者であれば、本発明は、屋内又は屋外で使用する様々なグリル又は他の器具に使うことができることを理解するであろう。
【0093】
本発明には、電気グリル510と通信するための携帯電話やタブレットのような遠隔デバイス901を用いる方法も含まれる。例えば、ユーザは、電気グリル510と無線で通信して作動させるために携帯電話を用いることができる。さらに、ユーザは、望みの目標温度の目標を選択するために、タッチスクリーンのような遠隔デバイスユーザ入力903を用いる。本発明の実施形態では、ユーザは望みの調理プロファイルを選択することができ、遠隔デバイス901はメモリ904から関連する温度を取り出し、この温度はマイクロプロセッサ113及び/又はバンドコントローラ703に送信される。
【0094】
呼応して、マイクロプロセッサ113及びバンドコントローラ703は望みの目標温度になるまで加熱素子103、104に送る電力を上昇させる。バンドコントローラ703は、温度を所定の幅の範囲内に保持するために用いることができる。このようにして、電気グリル510にて(さらには、保護回路構成100にて)異常が生じていない限り、ユーザは、食品を調理するために電気グリル510を用いることができる。通常の運転において、ユーザは、温度、時間、及びグリルの状態に関する種々のパラメータを含む、状態情報を電気グリル510から遠隔デバイス901上に無線で受け取ることができる。
【0095】
安全でない電流状態が生じた場合、本開示に従い、マイクロプロセッサ113がそれを検出することができ、ユーザの遠隔デバイス901にて、ユーザに異常コードを送ることができる。聴覚的及び/又は視覚的警報を電気グリル510及び/又は遠隔デバイス901に送り、安全でない電流状態が生じたことをユーザに注意喚起することができる。さらに、生じた異常のタイプを説明し、どのようにこの異常に対処するかの提案を示すメッセージをユーザに提示することができる。本発明の実施形態において、ユーザは、異常が生じたときのグリルの作動状態をめぐる種々の情報とともに生じた異常のタイプを含むことができる、異常の記録を保存することを選ぶことができる。この異常の記録は、次いで、インターネットを介してさらなる診断及び修理情報として製造業者に送ることができる。
【0096】
上記説明は、用いた単語の意味、又は、本発明を定める請求項の技術的範囲を限定することを意図するものではない。この明細書及び説明図は、種々の実施の形態を理解してもらう目的で提示したものである。将来実質的に変更するものではない構成、機能、又は効果についての改良、及び、このような実質的でない権利範囲の変更は、特許請求の範囲に含まれると考えられる。従って、本発明の好ましい実施の形態について図解し説明したが、当業者であれば、請求の範囲に記載された発明から逸脱することなく、多くの変更及び修正を行うことができることを理解するであろう。加えて、「請求の範囲に記載された発明」或いは「本発明」の語は、しばしば単数で用いられているが、記載されている通り及び特許請求がなされている通り複数の発明であることが理解されよう。
【0097】
本発明の種々の特徴を以下の特許請求の範囲に記述する。