特許第6633713号(P6633713)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6633713
(24)【登録日】2019年12月20日
(45)【発行日】2020年1月22日
(54)【発明の名称】容器入り製品
(51)【国際特許分類】
   B65D 25/36 20060101AFI20200109BHJP
   B65D 25/20 20060101ALI20200109BHJP
   B65D 83/14 20060101ALI20200109BHJP
【FI】
   B65D25/36
   B65D25/20 Q
   B65D83/14
【請求項の数】9
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2018-188090(P2018-188090)
(22)【出願日】2018年10月3日
(65)【公開番号】特開2019-77501(P2019-77501A)
(43)【公開日】2019年5月23日
【審査請求日】2018年10月3日
(31)【優先権主張番号】特願2017-203539(P2017-203539)
(32)【優先日】2017年10月20日
(33)【優先権主張国】JP
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000207584
【氏名又は名称】大日本除蟲菊株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141586
【弁理士】
【氏名又は名称】沖中 仁
(72)【発明者】
【氏名】上山 直英
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 圭亮
(72)【発明者】
【氏名】中野 千恵
(72)【発明者】
【氏名】原田 悠耶
【審査官】 西山 智宏
(56)【参考文献】
【文献】 特表2009−535275(JP,A)
【文献】 特開2014−054998(JP,A)
【文献】 特開2015−020795(JP,A)
【文献】 特開平06−270965(JP,A)
【文献】 特開2015−199522(JP,A)
【文献】 特開平03−176360(JP,A)
【文献】 特開平11−020830(JP,A)
【文献】 特開2001−031158(JP,A)
【文献】 特開平07−260095(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D23/00−25/56
B65D83/00
B65D83/08−B65D83/76
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器に殺虫剤、防虫剤、又は忌避剤を封入し、防除対象の害虫をゴキブリとした容器入り害虫防除製品であって、
製品表示情報が印刷された容器本体と、
広告情報としてゴキブリの図柄が印刷されたシュリンクフィルムと、
を備え、
前記容器本体を前記シュリンクフィルムで被覆したとき、前記製品表示情報を視認可能な透過領域が前記シュリンクフィルムに設けられており、当該シュリンクフィルムを剥離すると出現するゴキブリの図柄を含まない図柄等表示情報が、前記容器本体の前記製品表示情報が印刷されていない領域に印刷されている容器入り害虫防除製品。
【請求項2】
容器に殺虫剤、防虫剤、又は忌避剤を封入し、防除対象の害虫をゴキブリとした容器入り害虫防除製品であって、
製品表示情報が印刷された容器本体と、
広告情報としてゴキブリの図柄が印刷されたシュリンクフィルムと、
を備え、
前記容器本体を前記シュリンクフィルムで被覆したとき、前記容器本体の製品表示情報が隠れる状態において同じ情報を確認できるように、前記シュリンクフィルムにも前記製品表示情報が印刷されており、当該シュリンクフィルムを剥離すると出現するゴキブリの図柄を含まない図柄等表示情報が、前記容器本体の前記製品表示情報が印刷されていない領域に印刷されている容器入り害虫防除製品。
【請求項3】
前記容器本体において、前記製品表示情報は、前記容器本体の高さ方向に延伸する垂線に沿うように印刷されている請求項1又は2に記載の容器入り害虫防除製品。
【請求項4】
前記シュリンクフィルムにおいて、前記透過領域は、前記容器本体の前記製品表示情報が印刷されている領域よりも大きく構成されている請求項1に記載の容器入り害虫防除製品。
【請求項5】
前記製品表示情報は、商品名、特長、成分、効能、使用方法、使用上の注意、製造者情報、及び製品識別情報からなる群から選択される少なくとも一つである請求項1〜4の何れか一項に記載の容器入り害虫防除製品。
【請求項6】
前記広告情報は、商品名、図柄、模様、特長、成分、効能、使用方法、使用上の注意、製造者情報、及び製品識別情報からなる群から選択される少なくとも一つをさらに含む請求項1〜5の何れか一項に記載の容器入り害虫防除製品。
【請求項7】
前記図柄等表示情報及び前記広告情報が共に文字を含む状態において、前記図柄等表示情報に含まれる文字は、前記広告情報に含まれる文字よりも小さく構成されている請求項1に記載の容器入り害虫防除製品。
【請求項8】
前記容器本体は、前記殺虫剤、前記防虫剤、又は前記忌避剤が貯留される貯留部と、前記殺虫剤、前記防虫剤、又は前記忌避剤を放出する放出部とを備え、
前記シュリンクフィルムで被覆された容器本体から当該シュリンクフィルムを剥離する場合において、前記貯留部と前記放出部とを個別に露出させることを可能とするミシン目が、前記シュリンクフィルムに形成されている請求項1〜7の何れか一項に記載の容器入り害虫防除製品。
【請求項9】
前記シュリンクフィルムにおいて、前記広告情報は前記貯留部を被覆する領域に印刷されている請求項8に記載の容器入り害虫防除製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器に製剤を封入した容器入り製品に関する。
【背景技術】
【0002】
エアゾール製品、スプレー製品、ボトル製品、缶製品などの容器入り製品は、スーパーマーケットやドラッグストア等の店頭では、消費者の注目を惹くように派手で目立つデザインとすることが望ましい場合がある。それと同時に、容器入り製品には、成分、使用方法、使用上の注意などの必要な情報を常に表示しておく必要がある。
【0003】
従来の容器入り製品として、表面がシュリンクフィルムで覆われた缶があった(例えば、特許文献1を参照)。特許文献1に記載されている缶は、その表面に色や絵柄が付されているものであるが、開封前は缶表面がシュリンクフィルムで覆われているため、色や絵柄は隠れて見えないようになっている。そして、使用者がシュリンクフィルムを破ると、缶表面の色や絵柄が露出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平3−176360号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
エアゾール製品、スプレー製品、ボトル製品、缶製品などの容器入り製品は、室内で使用されることが多いため、室内空間に置いたときに違和感のないデザインが好まれる傾向がある。
【0006】
この点に関し、特許文献1の包装缶は、缶を覆っているシュリンクフィルムを剥がせば、缶に付されている色や絵柄が露出し、缶のデザインを変更することができる。ところが、このシュリンクフィルムは大部分が不透明であるため、成分、使用方法、使用上の注意などの必要な情報がシュリンクフィルムに印刷されている場合、消費者が購入後にシュリンクフィルムを剥がすと当該情報も同時に消失することになる。一方、缶の側に上記の必要な情報を印刷した場合、開封前は缶表面がシュリンクフィルムで覆われているため、消費者は購入時に当該情報を視認できないという問題がある。
【0007】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、成分、使用方法、使用上の注意などの必要な情報を常に表示した状態としながら、消費者の好みや室内空間の雰囲気に合わせて製品のデザインを選択可能な容器入り製品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するための本発明に係る容器入り製品の特徴構成は、
容器に製剤を封入した容器入り製品であって、
製品表示情報が印刷された容器本体と、
広告情報が印刷されたシュリンクフィルムと、
を備え、
前記容器本体を前記シュリンクフィルムで被覆したとき、前記製品表示情報を視認可能な透過領域が前記シュリンクフィルムに設けられていることにある。
【0009】
本構成の容器入り製品によれば、製品の販売時においては、シュリンクフィルムに印刷されている広告情報により消費者の注目を惹くことができる。また、消費者は、容器本体に印刷されている製品表示情報をシュリンクフィルムに設けられている透過領域を介して視認することができる。一方、製品の使用時においては、消費者は、好みや室内空間の雰囲気に応じてシュリンクフィルムを剥離することで容器のデザインを選択することができる。その際、製品表示情報は容器本体側に印刷されているため、シュリンクフィルムの剥離とともに消失することがなく、常に表示しておくことができる。
【0010】
上記課題を解決するための本発明に係る容器入り製品の特徴構成は、
容器に製剤を封入した容器入り製品であって、
製品表示情報が印刷された容器本体と、
広告情報が印刷されたシュリンクフィルムと、
を備え、
前記容器本体を前記シュリンクフィルムで被覆したとき、前記容器本体の製品表示情報が隠れる場合でも同じ情報を確認できるように、前記シュリンクフィルムにも前記製品表示情報が印刷されていることにある。
【0011】
本構成の容器入り製品によれば、シュリンクフィルムに広告情報と製品表示情報とが印刷されているため、製品の販売時に容器本体の全体がシュリンクフィルムで覆われていても、広告情報により消費者の注目を惹くことができるとともに、製品表示情報についても視認することができる。製品の使用時においては、消費者は、好みや室内空間の雰囲気に応じてシュリンクフィルムを剥離することで容器のデザインを選択することができる。その際、製品表示情報は容器本体側にも印刷されているため、シュリンクフィルムの剥離とともに消失することがなく、常に表示しておくことができる。
【0012】
本発明に係る容器入り製品において、
前記容器本体において、前記製品表示情報は、前記容器本体の高さ方向に延伸する垂線に沿うように印刷されていることが好ましい。
【0013】
本構成の容器入り製品によれば、容器本体側の製品表示情報が当該容器本体の高さ方向に延伸する垂線に沿うように印刷されていれば、容器本体をシュリンクフィルムで被覆する際に位置合わせがし易く、シュリンクフィルムの透過領域を容器本体側の製品表示情報に容易に合わせることができる。
【0014】
本発明に係る容器入り製品において、
前記容器本体において、前記製品表示情報が印刷されていない領域に図柄等表示情報が印刷されていることが好ましい。
【0015】
本構成の容器入り製品によれば、容器本体側の製品表示情報が印刷されていない領域に図柄等表示情報が印刷されていれば、シュリンクフィルムを剥離したときに図柄等表示情報が露出し、製品のデザイン性を高めることができる。
【0016】
本発明に係る容器入り製品において、
前記シュリンクフィルムにおいて、前記透過領域は、前記容器本体の前記製品表示情報が印刷されている領域よりも大きく構成されていることが好ましい。
【0017】
本構成の容器入り製品によれば、シュリンクフィルムの透過領域を容器本体側の製品表示情報が印刷されている領域よりも大きくしておくことで、容器本体をシュリンクフィルムで被覆するときに多少の位置ずれが生じても、容器本体側の製品表示情報をシュリンクフィルムの透過領域を介して確実に視認可能な状態にすることができる。
【0018】
本発明に係る容器入り製品において、
前記製品表示情報は、商品名、特長、成分、効能、使用方法、使用上の注意、製造者情報、及び製品識別情報からなる群から選択される少なくとも一つであることが好ましい。
【0019】
本構成の容器入り製品によれば、製品表示情報として上記の必要な情報が表示されているため、特に、殺虫剤、防虫剤、忌避剤等の薬剤の容器として好適に使用することができる。
【0020】
本発明に係る容器入り製品において、
前記広告情報は、商品名、図柄、模様、特長、成分、効能、使用方法、使用上の注意、製造者情報、及び製品識別情報からなる群から選択される少なくとも一つであることが好ましい。
【0021】
本構成の容器入り製品によれば、広告情報として上記の各情報が表示されているため、販売時に消費者の注目を惹き易く、それと同時に消費者に商品購入のための判断材料を提供することができる。
【0022】
本発明に係る容器入り製品において、
前記図柄等表示情報及び前記広告情報が共に文字を含む場合、前記図柄等表示情報に含まれる文字は、前記広告情報に含まれる文字よりも小さく構成されていることが好ましい。
【0023】
本構成の容器入り製品によれば、図柄等表示情報に含まれる文字が広告情報に含まれる文字より小さいものであれば、シュリンクフィルムを剥離したときに図柄等表示情報に含まれる文字があまり目立たず、製品のデザイン性を損なうことがない。
【0024】
本発明に係る容器入り製品において、
前記広告情報は害虫の図柄を含み、前記図柄等表示情報は害虫の図柄を含まない、又は前記広告情報に含まれる前記害虫の図柄より小さいサイズの害虫の図柄を含むことが好ましい。
【0025】
本構成の容器入り製品によれば、販売時には広告情報に含まれる害虫の図柄によって消費者の注目を惹くことができ、購入後にシュリンクフィルムを剥離すれば、害虫の図柄が無くなる又は目立たなくなるので、室内の雰囲気を乱すことがない。
【0026】
本発明に係る容器入り製品において、
前記製剤は、殺虫剤、防虫剤、又は忌避剤であることが好ましい。
【0027】
本構成の容器入り製品によれば、容器本体に製剤として殺虫剤、防虫剤、又は忌避剤を封入することで、好適な殺虫製品を構成することができる。
【0028】
本発明に係る容器入り製品において、
前記容器本体は、前記製剤が貯留される貯留部と、前記製剤を放出する放出部とを備え、
前記シュリンクフィルムで被覆された容器本体から当該シュリンクフィルムを剥離する場合において、前記貯留部と前記放出部とを個別に露出させることを可能とするミシン目が、前記シュリンクフィルムに形成されていることが好ましい。
【0029】
本構成の容器入り製品によれば、容器本体の全体がシュリンクフィルムで覆われた状態で販売されている製品であっても、ミシン目に沿って放出部側のシュリンクフィルムのみを剥離することができるので、貯留部側のデザインについては使用者の好みや室内空間の雰囲気に応じて選択することができる。
【0030】
本発明に係る容器入り製品において、
前記シュリンクフィルムにおいて、前記広告情報は前記貯留部を被覆する領域に印刷されていることが好ましい。
【0031】
本構成の容器入り製品によれば、ミシン目に沿って放出部側のシュリンクフィルムのみを剥離しても、貯留部側のシュリンクフィルムに広告情報が残るので、貯留部側のシュリンクフィルムをさらに剥離するか否かを選択することで、広告情報を好む消費者/好まない消費者の両方のニーズに応えることができる製品となる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1図1は、本発明の第一実施形態に係る容器入り製品の斜視図である。
図2図2は、図1に示した容器入り製品の側面の分解展開図である。
図3図3は、本発明の第二実施形態に係る容器入り製品の斜視図である。
図4図4は、図3に示した容器入り製品の側面の分解展開図である。
図5図5は、本発明の第三実施形態に係る容器入り製品の斜視図である。
図6図6は、構成例1に係る殺虫エアゾール製品の側面の分解展開図である。
図7図7は、構成例2に係る殺虫エアゾール製品の側面の分解展開図である。
図8図8は、構成例3に係る殺虫エアゾール製品の側面の分解展開図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明の容器入り製品に関する実施形態について説明する。ただし、本発明は、以下に説明する実施形態や図面に記載される構成に限定されることを意図しない。
【0034】
<第一実施形態>
図1は、本発明の第一実施形態に係る容器入り製品の斜視図である。図2は、図1に示した容器入り製品の側面の分解展開図である。第一実施形態に係る容器入り製品は、例えば、エアゾール製品、スプレー製品、ボトル製品、缶製品などが挙げられるが、図1では、容器入り製品として、ゴキブリ用の殺虫エアゾール製品100を例示している。殺虫エアゾール製品100は、その内部に封入された殺虫剤、防虫剤、及び忌避剤等の製剤を噴射剤とともに害虫に向けて噴射することで害虫を殺虫するものであり、容器本体であるエアゾール缶10と、エアゾール缶10の表面を被覆するシュリンクフィルム20とを備える。
【0035】
〔容器本体〕
図1に示すように、容器本体であるエアゾール缶10は、製剤が貯留される貯留部としての耐圧容器10aと、製剤を放出する放出部としての噴射ボタン10bとを備える。エアゾール缶10(耐圧容器10a)には、図2に示すように、製品表示情報11が印刷されている。製品表示情報11とは、商品名、当該製品の特長、成分、効能、使用方法、使用上の注意、製造者情報、製品識別情報(バーコード、QRコード(登録商標)等)などの情報である。製品表示情報11は、当該製品の購入者が必要とする情報であるため、常に視認可能な状態とされている。製品表示情報11は、図2に示すように、エアゾール缶10の高さ方向に延伸する垂線Yに沿うように印刷されていることが好ましい。これは、後述するシュリンクフィルム20の位置合わせを容易にするためである。
【0036】
エアゾール缶10において、製品表示情報11が印刷されていない領域には図柄等表示情報12が印刷されている。図柄等表示情報12には、主に図柄や模様に関する情報(本実施形態の場合、ジグザグ状の幾何学模様)が含まれているが、図柄や模様以外に文字などの情報(本実施形態の場合、製造者情報)が含まれていてもよい。図柄等表示情報12は、室内空間の雰囲気を乱さないように落ち着いたデザインに構成されることが好ましい。
【0037】
〔シュリンクフィルム〕
シュリンクフィルム20は、エアゾール缶10に被せた状態で加熱すると、フィルム全体が収縮してエアゾール缶10の表面に密着する。シュリンクフィルム20の素材としては、ポリスチレン(PS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)などの熱可塑性樹脂が用いられる。
【0038】
図2に示すように、シュリンクフィルム20には、広告情報21が印刷されている。広告情報21とは、当該製品の販売時に消費者の注目を惹かせるための情報であり、商品名、図柄、模様などの情報が含まれる。広告情報21には、これらの情報の他に、エアゾール缶10に印刷されている製品表示情報11と同じ情報(すなわち、商品名、製品の特長、成分、効能、使用方法、使用上の注意、製造者情報、製品識別情報など)が含まれていてもよい。なお、シュリンクフィルム20の広告情報21が印刷されている領域は、図柄や模様等が全体に印刷されている場合は不透明となるが、当該領域の一部に印刷を行うことで透明ないし半透明の領域を残しておくことも可能である。
【0039】
シュリンクフィルム20において、広告情報21が印刷されていない領域は、透明ないし半透明な透過領域22として形成されている。透過領域22は、エアゾール缶10の表面がシュリンクフィルム20で被覆されている状態で、当該シュリンクフィルム20を通してエアゾール缶10側に印刷されている製品表示情報11を視認できる位置に設けられる。このような形態でシュリンクフィルム20に透過領域22を設ければ、製品の販売時においては、シュリンクフィルム20に印刷されている広告情報21により消費者の注目を惹くことができるとともに、エアゾール缶10の製品表示情報11を確実に視認することができる。一方、製品の使用時においては、消費者は、好みや室内空間の雰囲気に応じてシュリンクフィルム20を剥離することで、殺虫エアゾール製品100のデザインを選択することができる。その際、製品表示情報11はエアゾール缶10側に印刷されているため、シュリンクフィルム20の剥離とともに消失することがなく、常に表示された状態となっている。
【0040】
シュリンクフィルム20の透過領域22は、エアゾール缶10の製品表示情報11が印刷されている領域よりも大きく構成することも可能である。例えば、図2において、シュリンクフィルム20の透過領域22の幅D1を、エアゾール缶10の製品表示情報11の幅D2より若干大きく構成すると、エアゾール缶10をシュリンクフィルム20で被覆するときに多少の位置ずれが生じても、エアゾール缶10側の製品表示情報11をシュリンクフィルム20の透過領域22を介して確実に視認することができる。
【0041】
<第二実施形態>
図3は、本発明の第二実施形態に係る容器入り製品101の斜視図である。図4は、図3に示した容器入り製品101の側面の分解展開図である。この第二実施形態においても、容器入り製品101として、耐圧容器10aと噴射ボタン10bとを備えた容器本体としてのエアゾール缶10と、エアゾール缶10の表面を被覆するシュリンクフィルム20とを備えたゴキブリ用の殺虫エアゾール製品101を例示している。
【0042】
〔容器本体〕
第二実施形態において、図3及び図4に示す容器本体としてのエアゾール缶10は、第一実施形態で説明した図1及び図2に示すエアゾール缶10と同様の構成を有する。従って、容器本体に関する詳細な説明は省略する。
【0043】
〔シュリンクフィルム〕
第二実施形態において、シュリンクフィルム20の特性及び素材は、第一実施形態で説明したシュリンクフィルム20と同様であるため、特性及び素材に関する詳細な説明は省略する。
【0044】
図4に示すように、シュリンクフィルム20には、広告情報21及び製品表示情報23が印刷されている。広告情報21は、第一実施形態で説明したものと同様である。製品表示情報23は、エアゾール缶10に印刷されている製品表示情報11と同様である。このように、第二実施形態では、一枚のシュリンクフィルム20に広告情報21と製品表示情報23とが印刷されているため、製品の販売時にエアゾール缶10の全体がシュリンクフィルム20で覆われていても、広告情報21により消費者の注目を惹くことができるとともに、製品表示情報23についても視認することができる。製品の使用時においては、消費者は、好みや室内空間の雰囲気に応じてシュリンクフィルム20を剥離することでエアゾール缶10のデザインを選択することができる。その際、製品表示情報23と同じ製品表示情報11がエアゾール缶10側にも印刷されているため、シュリンクフィルム20の剥離とともに消失することがなく、常に表示しておくことができる。
【0045】
<第三実施形態>
図5は、本発明の第三実施形態に係る容器入り製品102の斜視図である。この第三実施形態においても、容器入り製品102として、耐圧容器10aと噴射ボタン10bとを備えた容器本体としてのエアゾール缶10と、エアゾール缶10の表面を被覆するシュリンクフィルム20とを備えたゴキブリ用の殺虫エアゾール製品102を例示している。
【0046】
第三実施形態においては、シュリンクフィルム20にミシン目Xが形成されており、当該ミシン目Xを境界として、シュリンクフィルム20は、耐圧容器側フィルム20aと噴射ボタン側フィルム20bとに分画されている。シュリンクフィルム20で被覆されたエアゾール缶10から当該シュリンクフィルム20を剥離する場合において、ミシン目Xに沿って噴射ボタン側フィルム20bのみを剥離すれば、噴射ボタン10bを露出させることができる。この場合、耐圧容器10aの表面には耐圧容器側フィルム20aがまだ残っているため、広告情報を耐圧容器側フィルム20aに印刷しておけば、広告情報が消失することはなく、殺虫エアゾール製品102を使用しながら確認することができる。一方、噴射ボタン側フィルム20bを剥離した後に耐圧容器側フィルム20aについても剥離すれば、あるいは耐圧容器側フィルム20a及び噴射ボタン側フィルム20bを同時に剥離すれば、エアゾール缶10の側面の落ち着いたデザインが現れる。このように、耐圧容器側フィルム20aをさらに剥離するか否かを選択することで、広告情報を好む消費者/好まない消費者の両方のニーズに応えることができる製品となる。
【0047】
<構成例>
次に、本発明の容器入り製品の構成例を説明する。なお、これらの構成例は、図1及び図2に示した第一実施形態に係る容器入り製品(殺虫エアゾール製品)100の構成に基づくものであるが、図3及び図4に示した第二実施形態に係る容器入り製品101、及び図5に示した第三実施形態102に係る容器入り製品においても同様の構成を採用することができる。また、製品形態については、本明細書で説明するエアゾール製品の他に、スプレー製品、ボトル製品、缶製品などの他の製品にも適用可能である。
【0048】
〔構成例1〕
図6は、構成例1に係る殺虫エアゾール製品の側面の分解展開図である。構成例1では、シュリンクフィルム20に印刷されている広告情報21には、害虫であるゴキブリの図柄、並びに商品名及び製造者情報が含まれている。一方、エアゾール缶10に印刷されている図柄等表示情報12には、図柄(ジグザグ状の幾何学模様)の他に、シュリンクフィルム20に印刷されている広告情報21に含まれる文字と同様の文字(商品名、製造者情報)が含まれている。ここで、図柄等表示情報12に含まれる文字は、広告情報21に含まれる文字よりも小さく構成されている。このような構成のため、構成例1では、エアゾール缶10からシュリンクフィルム20を剥離した場合、図柄等表示情報12に含まれる文字があまり目立たず、殺虫エアゾール製品のデザイン性を損なうことがない。従って、消費者は、好みや室内空間の雰囲気に応じてシュリンクフィルム20を剥離することで、製品表示情報が表示された状態のまま、調和した環境で殺虫エアゾール製品を使用することができる。
【0049】
〔構成例2〕
図7は、構成例2に係る殺虫エアゾール製品の側面の分解展開図である。構成例2では、シュリンクフィルム20に印刷されている広告情報21には、害虫であるゴキブリの図柄、並びに商品名及び製造者情報が含まれている。一方、エアゾール缶10に印刷されている図柄等表示情報12には、ゴキブリの図柄は含まれておらず、代わりにストライプ柄の落ち着いた模様が含まれている。構成例2では、エアゾール缶10からシュリンクフィルム20を剥離すると、広告情報21に含まれるゴキブリの図柄が消失するとともに、図柄等表示情報12に含まれるストライプ柄が出現することで、落ち着いた雰囲気を醸し出すことができる。従って、消費者は、製品表示情報が表示された状態のまま、好みや室内空間の雰囲気に応じてシュリンクフィルム20を剥離し、調和した環境で殺虫エアゾール製品を使用することができる。
【0050】
〔構成例3〕
図8は、構成例3に係る殺虫エアゾール製品の側面の分解展開図である。構成例3では、シュリンクフィルム20に印刷されている広告情報21には、害虫であるゴキブリの図柄、並びに商品名及び製造者情報が含まれている。一方、エアゾール缶10に印刷されている図柄等表示情報12には、ゴキブリの図柄及び水玉柄の模様が含まれている。ただし、図柄等表示情報12に含まれるゴキブリの図柄は、広告情報21に含まれるゴキブリの図柄よりも小さいサイズに構成されている。このような構成のため、構成例3では、エアゾール缶10からシュリンクフィルム20を剥離すると、広告情報21に含まれるゴキブリの図柄が消失するとともに、図柄等表示情報12に含まれるゴキブリの図柄及び水玉柄が出現することになる。ここで、図柄等表示情報12に含まれるゴキブリの図柄は、十分に小さく周囲の水玉柄と調和したものとなっている。このため、消費者はゴキブリの図柄に嫌悪感を抱くことなく、デザインとして受け入れ易いものとなる。従って、消費者は、製品表示情報が表示された状態のまま、好みや室内空間の雰囲気に応じてシュリンクフィルム20を剥離し、調和した環境で殺虫エアゾール製品を使用することができる。
【0051】
<別実施形態>
本発明の容器入り製品は、製品表示情報が表示された状態のまま、消費者の好みや室内空間の雰囲気に合わせて製品のデザインを選択できるという本発明の趣旨を逸脱しない限り、様々な改変が可能である。以下、そのような改変例を別実施形態として説明する。
【0052】
〔別実施形態1〕
容器入り製品100において、シュリンクフィルム20の透過領域22は、透明ないし半透明に構成することで製品表示情報11を視認可能とするものであるが、製品表示情報11の視認性を妨げない程度であれば文字や図柄が印刷されていてもよい。例えば、透過領域22に製品のロット番号を小さく印字しておけば、透過領域22から視認できる製品表示情報11には製造者情報が含まれているため、製造者への問い合わせが容易なものとなる。
【0053】
〔別実施形態2〕
容器入り製品100において、シュリンクフィルム20の透過領域22には、肉眼では見えないが赤外線等で読み取り可能な文字や図柄等の情報を印刷しておくことも可能である。この場合、製品の出荷前の検査等に当該情報を利用することができる。
【0054】
〔別実施形態3〕
容器入り製品100において、シュリンクフィルム20の透過領域22は、当該シュリンクフィルム20の一部を取り除いたものであってもよい。すなわち、容器本体10の製品表示情報11が露出した状態とすることも可能である。この場合、消費者は製品表示情報11を確実に視認することができる。また、シュリンクフィルム20が取り除かれた部分に僅かな段差が生じるため、この段差に爪を掛けてシュリンクフィルム20を取り外し易くなる。
【0055】
〔別実施形態4〕
容器入り製品100〜102において、シュリンクフィルム20の広告情報21は、容器本体10の図柄等表示情報12と重なった状態で当該図柄等表示情報12と合わせて広告機能を発揮するように構成することも可能である。例えば、容器入り製品100がハチ用の殺虫エアゾールである場合、図柄等表示情報12が花柄を含み、広告情報21を透明な領域の中にハチの図柄を印刷したものとすれば、容器本体10がシュリンクフィルム20で被覆されている状態ではハチが花畑を飛び回っているかのようなイラストとなって消費者の注目を惹くこととなり、容器本体10からシュリンクフィルム20を剥離すると花柄のみとなって落ち着いた雰囲気を醸し出すことができる。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明は、殺虫エアゾールなどの害虫防除製品の容器に利用できるものであるが、その他の用途として、酒類、飲料、調味料などの食品用容器、乳液、保湿液等の化粧品用容器、シャンプー、洗剤等の日用品用容器などにも利用可能である。
【符号の説明】
【0057】
10 エアゾール缶(容器本体)
10a 耐圧容器(貯留部)
10b 噴射ボタン(放出部)
11 製品表示情報
12 図柄等表示情報
20 シュリンクフィルム
20a 耐圧容器側フィルム20a
20b 噴射ボタン側フィルム20b
21 広告情報
22 透過領域
23 製品表示情報
100 殺虫エアゾール製品(第一実施形態に係る容器入り製品)
101 殺虫エアゾール製品(第二実施形態に係る容器入り製品)
102 殺虫エアゾール製品(第三実施形態に係る容器入り製品)
X ミシン目
Y 垂線
図1
図2
図3
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図8