特許第6633733号(P6633733)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6633733
(24)【登録日】2019年12月20日
(45)【発行日】2020年1月22日
(54)【発明の名称】外勤者業務管理システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/06 20120101AFI20200109BHJP
【FI】
   G06Q10/06
【請求項の数】30
【全頁数】30
(21)【出願番号】特願2018-242757(P2018-242757)
(22)【出願日】2018年12月26日
【審査請求日】2019年8月13日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】507184096
【氏名又は名称】日本テクノ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109553
【弁理士】
【氏名又は名称】工藤 一郎
(72)【発明者】
【氏名】馬本 英一
【審査官】 山内 裕史
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−252723(JP,A)
【文献】 特開2005−148930(JP,A)
【文献】 特開2006−039691(JP,A)
【文献】 特開2003−208508(JP,A)
【文献】 特開2012−137529(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0100464(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 − 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外勤者の利用端末からの位置情報を取得する位置情報取得部と、
外勤者ごとに外勤開始領域と外勤終了領域とを保持する開始終了領域保持部と、
外勤者の利用端末から外勤開始信号を受信する外勤開始信号受信部と、
受信した外勤開始信号が発せられた際の位置情報を位置情報取得部から取得し、外勤開始領域との関係を判断する外勤開始領域適切性判断部と、
外勤開始領域適切性判断部での判断結果である外勤開始適切性判断結果を出力する外勤開始適切性判断結果出力部と、
外勤者の利用端末から外勤終了信号を受信する外勤終了信号受信部と、
受信した外勤終了信号が発せられた際の位置情報を位置情報取得部から取得し、外勤終了領域との関係を判断する外勤終了領域適切性判断部と、
外勤終了領域適切性判断部での判断結果である外勤終了適切性判断結果を出力する外勤終了適切性判断結果出力部と、
を有する外勤者業務管理サーバと、
自端末の位置情報を取得する自端末位置情報取得部と、
取得した位置情報を外勤者業務管理サーバに送信する位置情報送信部と、
外勤開始信号を外勤者業務管理サーバに送信する外勤開始信号送信部と、
外勤終了信号を外勤者業務管理サーバに送信する外勤終了信号送信部と、
を有する外勤者が利用する利用端末と、
からなる外勤者業務管理システム。
【請求項2】
外勤者業務管理サーバは、外勤者が訪問先で利用する資料である外勤者資料を一以上保持するサーバ外勤者資料保持部と、
保持されている外勤者資料を利用端末に一以上出力するサーバ外勤者資料出力部と、
利用端末から訪問先で利用した外勤者資料に関する情報である利用外勤者資料情報を外勤者と関連付けて取得する利用外勤者資料情報取得部と、
取得した利用外勤者資料情報を外勤者と関連付けて保持する利用資料情報保持部と、
外勤者と関連付けて保持されている利用資料情報を閲覧する利用資料情報閲覧部と、
をさらに有し、
利用端末は、
外勤者資料を一以上取得する外勤者資料取得部と、
取得した外勤者資料を保持する端末外勤者資料保持部と、
保持されている外勤者資料を訪問先で利用するために選択する外勤者資料選択部と、
選択された外勤者資料を利用のために出力する端末外勤者資料出力部と、
利用された外勤者資料に関する情報である利用外勤者資料情報を生成する利用外勤者資料情報生成部と、
生成された利用外勤者資料情報を外勤者業務管理サーバに出力する利用外勤者資料情報出力部と、
をさらに有する請求項1に記載の外勤者業務管理システム。
【請求項3】
利用端末は、
選択された外勤者資料を編集する外勤者資料編集部をさらに有する請求項2に記載の外勤者業務管理システム。
【請求項4】
外勤者業務管理サーバは、取得した外勤者の位置情報に基づいて外勤者が利用する利用端末の移動速度を算出する移動速度算出部をさらに有する請求項1から請求項3のいずれか一に記載の外勤者業務管理システム。
【請求項5】
外勤者業務管理サーバは、映像通信部を有し、
外勤者が利用する利用端末は、
外勤者の映像等を取得するための外勤者映像取得部と、
取得した外勤者の映像等を外勤者業務管理サーバに出力し、外勤者業務管理サーバからの映像を取得する利用端末映像通信部を有する請求項1から請求項4のいずれか一に記載の外勤者業務管理システム。
【請求項6】
外勤者業務管理サーバは、
外勤管理者の映像等を取得し、映像通信部を介して外勤者が利用する利用端末に出力する外勤管理者等映像取得部を有する請求項5に記載の外勤者業務管理システム。
【請求項7】
外勤者業務管理サーバは、
外勤者ごとに訪問目的地を含む訪問予定領域を保持する訪問予定領域保持部をさらに有し、
外勤者の利用端末から取得した位置情報と、保持されている訪問予定領域とに基づいて、訪問目的地を訪問しているかを判断する訪問判断部と、
をさらに有する請求項1から請求項6のいずれか一に記載の外勤者業務管理システム。
【請求項8】
外勤者業務管理サーバは、
訪問判断部での判断に基づいて訪問開始時刻、訪問終了時刻、訪問目的地滞在時間を算出する滞在時間算出部をさらに有する請求項7に記載の外勤者業務管理システム。
【請求項9】
外勤者業務管理サーバは、
外勤者の利用端末から訪問報告を取得する訪問報告取得部と、
取得した訪問報告を保持する訪問報告保持部と、
保持されている訪問報告を閲覧する訪問報告閲覧部と、
を有し、
外勤者が利用する利用端末は、
外勤者による訪問報告の入力を受付ける訪問報告入力受付部と、
入力を受付けた訪問報告を外勤者業務管理サーバに出力する訪問報告出力部と、
を有する請求項1から請求項8のいずれか一に記載の外勤者業務管理システム。
【請求項10】
外勤者業務管理サーバは、
外勤開始領域適切性判断部での判断結果である外勤開始適切性判断結果と、
外勤終了領域適切性判断部での判断結果である外勤終了適切性判断結果と、に基づいて、
当該外勤者の報酬を演算する報酬演算部をさらに有する請求項1から請求項9のいずれか一に記載の外勤者業務管理システム。
【請求項11】
外勤者業務管理サーバにおいて、
外勤者の利用端末からの位置情報を取得する位置情報取得ステップと、
外勤者ごとに外勤開始領域と外勤終了領域とを取得する開始終了領域取得ステップと、
外勤者の利用端末から外勤開始信号を受信する外勤開始信号受信ステップと、
受信した外勤開始信号が発せられた際の位置情報を位置情報取得ステップから取得し、外勤開始領域との関係を判断する外勤開始領域適切性判断ステップと、
外勤者の利用端末から外勤終了信号を受信する外勤終了信号受信ステップと、
受信した外勤終了信号が発せられた際の位置情報を位置情報取得ステップから取得し、外勤終了領域との関係を判断する外勤終了領域適切性判断ステップと、
を実行し、
外勤者が利用する利用端末において、
自端末の位置情報を取得する自端末位置情報取得ステップと、
取得した位置情報を外勤者業務管理サーバに送信する位置情報送信ステップと、
外勤開始信号を外勤者業務管理サーバに送信する外勤開始信号送信ステップと、
外勤終了信号を外勤者業務管理サーバに送信する外勤終了信号送信ステップと、
を実行する外勤者業務管理システムの動作方法。
【請求項12】
外勤者業務管理サーバにおいて、
外勤者が訪問先で利用する資料である外勤者資料を利用端末に一以上出力するサーバ外勤者資料出力ステップと、
利用端末から訪問先で利用した外勤者資料に関する情報である利用外勤者資料情報を外勤者と関連付けて取得する利用資料情報取得ステップと、
外勤者と関連付けて保持されている利用資料情報を閲覧する利用資料情報閲覧ステップと、
をさらに実行し、
利用端末において、
外勤者資料を一以上取得する外勤者資料取得ステップと、
取得された外勤者資料を訪問先で利用するために選択する外勤者資料選択ステップと、
選択された外勤者資料を利用のために出力する端末外勤者資料出力ステップと、
利用された外勤者資料に関する情報である利用外勤者資料情報を生成する利用外勤者資料情報生成ステップと、
生成された利用外勤者資料情報を外勤者業務管理サーバに出力する利用外勤者資料情報出力ステップと、
をさらに実行する請求項11に記載の外勤者業務管理システムの動作方法。
【請求項13】
利用端末において、
選択された外勤者資料を編集する外勤者資料編集ステップをさらに実行する請求項12に記載の外勤者業務管理システムの動作方法。
【請求項14】
外勤者業務管理サーバにおいて、
取得した外勤者の位置情報に基づいて外勤者が利用する利用端末の移動速度を算出する移動速度算出ステップをさらに実行する請求項11から請求項13のいずれか一に記載の外勤者業務管理システムの動作方法。
【請求項15】
外勤者業務管理サーバにおいて、
映像通信ステップをさらに実行し、
外勤者が利用する利用端末において、
外勤者の映像等を取得するための外勤者映像取得ステップと、
取得した外勤者の映像等を外勤者業務管理サーバに出力し、外勤者業務管理サーバからの映像を取得する利用端末映像通信ステップと、
をさらに実行する請求項11から請求項14のいずれか一に記載の外勤者業務管理システムの動作方法。
【請求項16】
外勤者業務管理サーバにおいて、
外勤管理者の映像等を取得し、映像通信ステップを介して外勤者が利用する利用端末に出力する外勤管理者等映像取得ステップをさらに実行する請求項15に記載の外勤者業務管理システムの動作方法。
【請求項17】
外勤者業務管理サーバにおいて、
外勤者ごとに訪問目的地を含む訪問予定領域を取得する訪問予定領域取得ステップをさらに実行し、
外勤者の利用端末から取得した位置情報と、保持されている訪問予定領域とに基づいて、訪問目的地を訪問しているかを判断する訪問判断ステップと、
をさらに実行する請求項11から請求項16のいずれか一に記載の外勤者業務管理システムの動作方法。
【請求項18】
外勤者業務管理サーバにおいて、
訪問判断ステップでの判断に基づいて訪問開始時刻、訪問終了時刻、訪問目的地滞在時間を算出する滞在時間算出ステップをさらに実行する請求項17に記載の外勤者業務管理システムの動作方法。
【請求項19】
外勤者業務管理サーバにおいて、
外勤者の利用端末から訪問報告を取得する訪問報告取得ステップと、
訪問報告を閲覧する訪問報告閲覧ステップと、
を実行し、
外勤者が利用する利用端末は、
外勤者による訪問報告の入力を受付ける訪問報告入力受付ステップと、
入力を受付けた訪問報告を外勤者業務管理サーバに出力する訪問報告出力ステップと、
を実行する請求項11から請求項18のいずれか一に記載の外勤者業務管理システムの動作方法。
【請求項20】
外勤者業務管理サーバにおいて、
外勤開始領域適切性判断ステップでの判断結果である外勤開始適切性判断結果と、
外勤終了領域適切性判断ステップでの判断結果である外勤終了適切性判断結果と、に基づいて、
当該外勤者の報酬を演算する報酬演算ステップをさらに実行する請求項11から請求項19のいずれか一に記載の外勤者業務管理システムの動作方法。
【請求項21】
外勤者業務管理サーバにおいて、
外勤者の利用端末からの位置情報を取得する位置情報取得ステップと、
外勤者ごとに外勤開始領域と外勤終了領域とを取得する開始終了領域取得ステップと、
外勤者の利用端末から外勤開始信号を受信する外勤開始信号受信ステップと、
受信した外勤開始信号が発せられた際の位置情報を位置情報取得ステップから取得し、外勤開始領域との関係を判断する外勤開始領域適切性判断ステップと、
外勤者の利用端末から外勤終了信号を受信する外勤終了信号受信ステップと、
受信した外勤終了信号が発せられた際の位置情報を位置情報取得ステップから取得し、外勤終了領域との関係を判断する外勤終了領域適切性判断ステップと、
を実行し、
外勤者が利用する利用端末において、
自端末の位置情報を取得する自端末位置情報取得ステップと、
取得した位置情報を外勤者業務管理サーバに送信する位置情報送信ステップと、
外勤開始信号を外勤者業務管理サーバに送信する外勤開始信号送信ステップと、
外勤終了信号を外勤者業務管理サーバに送信する外勤終了信号送信ステップと、
を実行する外勤者業務管理システムの動作プログラム。
【請求項22】
外勤者業務管理サーバにおいて、
外勤者が訪問先で利用する資料である外勤者資料を利用端末に一以上出力するサーバ外勤者資料出力ステップと、
利用端末から訪問先で利用した外勤者資料に関する情報である利用外勤者資料情報を外勤者と関連付けて取得する利用資料情報取得ステップと、
外勤者と関連付けて保持されている利用資料情報を閲覧する利用資料情報閲覧ステップと、
をさらに実行し、
利用端末において、
外勤者資料を一以上取得する外勤者資料取得ステップと、
取得された外勤者資料を訪問先で利用するために選択する外勤者資料選択ステップと、
選択された外勤者資料を利用のために出力する端末外勤者資料出力ステップと、
利用された外勤者資料に関する情報である利用外勤者資料情報を生成する利用外勤者資料情報生成ステップと、
生成された利用外勤者資料情報を外勤者業務管理サーバに出力する利用外勤者資料情報出力ステップと、
をさらに実行する請求項21に記載の外勤者業務管理システムの動作方法。
【請求項23】
利用端末において、
選択された外勤者資料を編集する外勤者資料編集ステップをさらに実行する請求項22に記載の外勤者業務管理システムの動作プログラム。
【請求項24】
外勤者業務管理サーバにおいて、
取得した外勤者の位置情報に基づいて外勤者が利用する利用端末の移動速度を算出する移動速度算出ステップをさらに実行する請求項21から請求項23のいずれか一に記載の外勤者業務管理システムの動作プログラム。
【請求項25】
外勤者業務管理サーバにおいて、
映像通信ステップをさらに実行し、
外勤者が利用する利用端末において、
外勤者の映像等を取得するための外勤者映像取得ステップと、
取得した外勤者の映像等を外勤者業務管理サーバに出力し、外勤者業務管理サーバからの映像を取得する利用端末映像通信ステップと、
をさらに実行する請求項21から請求項24のいずれか一に記載の外勤者業務管理システムの動作プログラム。
【請求項26】
外勤者業務管理サーバにおいて、
外勤管理者の映像等を取得し、映像通信ステップを介して外勤者が利用する利用端末に出力する外勤管理者等映像取得ステップをさらに実行する請求項25に記載の外勤者業務管理システムの動作プログラム。
【請求項27】
外勤者業務管理サーバにおいて、
外勤者ごとに訪問目的地を含む訪問予定領域を取得する訪問予定領域取得ステップをさらに実行し、
外勤者の利用端末から取得した位置情報と、保持されている訪問予定領域とに基づいて、訪問目的地を訪問しているかを判断する訪問判断ステップと、
をさらに実行する請求項21から請求項26のいずれか一に記載の外勤者業務管理システムの動作プログラム。
【請求項28】
外勤者業務管理サーバにおいて、
訪問判断ステップでの判断に基づいて訪問開始時刻、訪問終了時刻、訪問目的地滞在時間を算出する滞在時間算出ステップをさらに実行する請求項27に記載の外勤者業務管理システムの動作プログラム。
【請求項29】
外勤者業務管理サーバにおいて、
外勤者の利用端末から訪問報告を取得する訪問報告取得ステップと、
訪問報告を閲覧する訪問報告閲覧ステップと、
を実行し、
外勤者が利用する利用端末は、
外勤者による訪問報告の入力を受付ける訪問報告入力受付ステップと、
入力を受付けた訪問報告を外勤者業務管理サーバに出力する訪問報告出力ステップと、
を実行する請求項21から請求項28のいずれか一に記載の外勤者業務管理システムの動作プログラム。
【請求項30】
外勤者業務管理サーバにおいて、
外勤開始領域適切性判断ステップでの判断結果である外勤開始適切性判断結果と、
外勤終了領域適切性判断ステップでの判断結果である外勤終了適切性判断結果と、に基づいて、
当該外勤者の報酬を演算する報酬演算ステップをさらに実行する請求項21から請求項29のいずれか一に記載の外勤者業務管理システムの動作プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に直行直帰の外勤者を対象として、管理サーバと外勤者が保持する利用端末との間で映像通信や、位置情報等を用いて業務管理や業務支援を行うためのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
ワークスタイルの多様化により、オフィスに出社することなく顧客先等を直接訪問し、訪問が終わるとそのまま帰宅するといった直行直帰であって短時間勤務の勤務形態が増えてきている。このような実態に鑑み、携帯端末等を利用して従業員等の管理や支援を遠隔で行うシステムが開発されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−92342号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、携帯端末を用いた勤怠情報管理システムが開示されている。GPS通信機能を有した携帯端末を従業員等が操作を行うことにより位置情報と現在時刻とを取得し、操作者の識別情報とともに、ネットワークを介して管理センタに送信する。受信されたこれらの情報は勤怠管理データベースに格納される。これにより、従業員等は勤務開始時および勤務終了時に社外に居ても携帯端末を操作することにより勤怠情報の蓄積を行うことが可能であり、管理者は蓄積された勤怠情報により勤怠管理をすることが可能である。
【0005】
しかしながら、上記文献の技術によると、従業員等は必ずしも勤務開始時に適切な場所で打刻操作を行うとは限らない。例えば自宅から移動をして訪問先に向かう場合に、移動時間が業務時間に含まれる場合には自宅を出発する際に打刻操作をするのが適切であるが、それを忘れて訪問先に到着してから打刻操作を行ってしまうことが起こりうる。このような場合には業務時間を過少申告することになり、信頼性のある勤怠管理データとならない。とくに短時間勤務であって勤務時間や勤務時刻の定めがない従業員等の場合には実際に従事した時間、つまり勤務開始時刻と勤務終了時刻とで報酬が算出されるため、業務時刻データのより高い信頼性が必要とされる。
【0006】
上記のような問題を踏まえ、高いデータの信頼性を持つ勤怠情報の蓄積のため、従業員等が適切な場所で勤務開始および勤務終了の打刻を行っているか否かの判断を実行することが可能な業務管理システムの提供、という課題が生ずる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このような課題に対し、本発明は、従業員等が位置情報を取得可能な利用端末を外勤開始時または外勤終了時に操作することで外勤開始信号または外勤終了信号を位置情報と共に外勤者業務管理サーバを送信し、サーバではあらかじめ外勤者ごとに保持された外勤開始領域または外勤者外勤終了領域と受信した位置情報との関係を判断することで、適切な場所で外勤開始信号または外勤終了信号が送信されたか否かの判断結果を出力することの可能な外勤者業務管理システムを提供する。
【0008】
具体的には、第一に、外勤者の利用端末からの位置情報を取得する位置情報取得部と、外勤者ごとに外勤開始領域と外勤終了領域とを保持する開始終了領域保持部と、外勤者の利用端末から外勤開始信号を受信する外勤開始信号受信部と、受信した外勤開始信号が発せられた際の位置情報を位置情報取得部から取得し、外勤開始領域との関係を判断する外勤開始領域適切性判断部と、外勤開始領域適切性判断部での判断結果である外勤開始適切性判断結果を出力する外勤開始適切性判断結果出力部と、外勤者の利用端末から外勤終了信号を受信する外勤終了信号受信部と、受信した外勤終了信号が発せられた際の位置情報を位置情報取得部から取得し、外勤終了領域との関係を判断する外勤終了領域適切性判断部と、外勤終了領域適切性判断部での判断結果である外勤終了適切性判断結果を出力する外勤終了適切性判断結果出力部と、を有する外勤者業務管理サーバと、自端末の位置情報を取得する自端末位置情報取得部と、取得した位置情報を外勤者業務管理サーバに送信する位置情報送信部と、外勤開始信号を外勤者業務管理サーバに送信する外勤開始信号送信部と、外勤終了信号を外勤者業務管理サーバに送信する外勤終了信号送信部と、を有する外勤者が利用する利用端末と、からなる外勤者業務管理システムを提供する。
【0009】
また第二に、上記外勤者業務管理システムの特徴に加えて、外勤者業務管理サーバは、外勤者が訪問先で利用する資料である外勤者資料を一以上保持するサーバ外勤者資料保持部と、保持されている外勤者資料を利用端末に一以上出力するサーバ外勤者資料出力部と、利用端末から訪問先で利用した外勤者資料に関する情報である利用外勤者資料情報を外勤者と関連付けて取得する利用外勤者資料情報取得部と、取得した利用外勤者資料情報を外勤者と関連付けて保持する利用資料情報保持部と、外勤者と関連付けて保持されている利用資料情報を閲覧する利用資料情報閲覧部と、をさらに有し、利用端末は、外勤者資料を一以上取得する外勤者資料取得部と、取得した外勤者資料を保持する端末外勤者資料保持部と、保持されている外勤者資料を訪問先で利用するために選択する外勤者資料選択部と、選択された外勤者資料を利用のために出力する端末外勤者資料出力部と、利用された外勤者資料に関する情報である利用外勤者資料情報を生成する利用外勤者資料情報生成部と、生成された利用外勤者資料情報を外勤者業務管理サーバに出力する利用外勤者資料情報出力部と、をさらに有する外勤者業務管理システムを提供する。
【0010】
また第三に、上記第二の外勤者業務管理システムの特徴に加えて、利用端末は、選択された外勤者資料を編集する外勤者資料編集部をさらに有する外勤者業務管理システムを提供する。
【0011】
また第四に、上記外勤者業務管理システムの特徴に加えて、外勤者業務管理サーバは、取得した外勤者の位置情報に基づいて外勤者が利用する利用端末の移動速度を算出する移動速度算出部をさらに有する外勤者業務管理システムを提供する。
【0012】
また第五に、上記外勤者業務管理システムの特徴に加えて、外勤者業務管理サーバは、映像通信部を有し、外勤者が利用する利用端末は、外勤者の映像等を取得するための外勤者映像取得部と、取得した外勤者の映像等を外勤者業務管理サーバに出力し、外勤者業務管理サーバからの映像を取得する利用端末映像通信部を有する外勤者業務管理システムを提供する。
【0013】
また第六に、上記第五の外勤者業務管理システムの特徴に加えて、外勤者業務管理サーバは、外勤管理者の映像等を取得し、映像通信部を介して外勤者が利用する利用端末に出力する外勤管理者等映像取得部を有する外勤者業務管理システムを提供する。
【0014】
また第七に、上記外勤者業務管理システムの特徴に加えて、外勤者業務管理サーバは、外勤者ごとに訪問目的地を含む訪問予定領域を保持する訪問予定領域保持部をさらに有し、外勤者の利用端末から取得した位置情報と、保持されている訪問予定領域とに基づいて、訪問目的地を訪問しているかを判断する訪問判断部と、をさらに有する外勤者業務管理システムを提供する。
【0015】
また第八に、上記第七の外勤者業務管理システムの特徴に加えて、外勤者業務管理サーバは、訪問判断部での判断に基づいて訪問開始時刻、訪問終了時刻、訪問目的地滞在時間を算出する滞在時間算出部をさらに有する外勤者業務管理システムを提供する。
【0016】
また第九に、上記外勤者業務管理システムの特徴に加えて、外勤者業務管理サーバは、外勤者の利用端末から訪問報告を取得する訪問報告取得部と、取得した訪問報告を保持する訪問報告保持部と、保持されている訪問報告を閲覧する訪問報告閲覧部と、を有し、外勤者が利用する利用端末は、外勤者による訪問報告の入力を受付ける訪問報告入力受付部と、入力を受付けた訪問報告を外勤者業務管理サーバに出力する訪問報告出力部と、を有する外勤者業務管理システムを提供する。
【0017】
また第十に、上記外勤者業務管理システムの特徴に加えて、外勤者業務管理サーバは、外勤開始領域適切性判断部での判断結果である外勤開始適切性判断結果と、外勤終了領域適切性判断部での判断結果である外勤終了適切性判断結果と、に基づいて、当該外勤者の報酬を演算する報酬演算部をさらに有する外勤者業務管理システムを提供する。
【発明の効果】
【0018】
上記のような第一の外勤者業務管理システムにより、外勤者が適切な場所で業務を開始し、適切な場所で業務を終了したか否かの判断を実行することが可能である。第二の外勤者業務管理システムにより、外勤者が、利用端末において資料の素材を外勤者業務管理サーバより選択および取得し、取得された素材より訪問先にて利用する資料を生成し、生成され利用された資料は、外勤者と関連付けられて外勤者業務管理サーバにおいて保存することが可能である。第三の外勤者業務管理システムにより、利用端末において取得された資料の素材等を編集することが可能である。第四の外勤者業務管理システムにより、取得された位置情報により外勤者の移動速度を取得することが可能である。第五の外勤者業務管理システムにより、映像通信により外勤者の映像を外勤管理者に向けて送信することが可能である。第六の外勤者業務管理システムにより、映像通信により外勤管理者の映像を外勤者に向けて送信することが可能である。第七の外勤者業務管理システムにより、外勤者が訪問予定の目的地に予定通り訪問しているかを判断することが可能である。第八の外勤者管理システムにより、訪問先の訪問開始時刻、訪問終了時刻、訪問目的地滞在時間を算出することが可能である。第九の外勤者業務管理システムにより、外勤者が利用端末にて作成した訪問報告を外勤者業務管理サーバに送信し、閲覧、保存等が可能である。第十の外勤者業務管理システムにより、外勤開始適切性判断結果と外勤終了適切性判断結果とに基づいて、外勤者の報酬を算出することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】実施例1の外勤者業務管理システムの処理の概要を示す図
図2】実施例1にかかる外勤者業務管理システムの機能的構成を示す図
図3】実施例1における外勤者業務管理システムの処理の流れの一例を示すフローチャート
図4】実施例1にかかる外勤者業務管理システムのハードウエア構成の一例を示す図
図5】実施例2にかかる外勤者業務管理システムの処理の概要を示す図
図6】実施例2における外勤者業務管理システムの処理の流れの一例を示すフローチャート
図7】実施例2にかかる外勤者業務管理システムのハードウエア構成の一例を示す図
図8】実施例3にかかる外勤者業務管理システムの処理の概要を示す図
図9】実施例3にかかる外勤者業務管理システムの機能的構成を示す図
図10】実施例3における外勤者業務管理システムの処理の流れのうち外勤者業務管理サーバから利用端末への映像通信処理の流れの一例を示すフローチャート
図11】実施例3における外勤者業務管理システムの処理の流れのうち利用端末から外勤者業務管理サーバへの映像通信処理の流れの一例を示すためのフローチャート
図12】実施例3にかかる外勤者業務管理システムのハードウエア構成の一例を示す図
図13】実施例4にかかる外勤者業務管理システムの機能的構成を示す図
図14】実施例4における外勤者業務管理システムの処理の流れの一例を示すフローチャート
図15】実施例4にかかる外勤者業務管理システムのハードウエア構成の一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本件発明の実施の形態について、添付図面を用いて説明する。なお、実施例と請求項の相互の関係は以下の通りである。実施例1は主に請求項1、4、7、8、10、11、14、17、18、20、21、24、27、28、30に関し、実施例2は主に請求項2、3、12、13、22、23に関し、実施例3は主に請求項5、6、15、16、25、26に関し、実施例4は主に請求項9、19、29に関する。本件発明は、これら実施例に何ら限定されるべきものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得る。
【実施例1】
【0021】
<概要>
【0022】
図1は本実施例の外勤者業務管理システムの処理の概要を示す図である。この図にあるように、外勤者(0101)が直行直帰で訪問先を訪れる様子を示している。訪問先に向かう前に保育園に子供を預け、保育園を出発する際に外勤者は保持している利用端末により位置情報を取得し、勤務の開始を通知する外勤開始信号と共に外勤者業務管理サーバ(0102)に送信する。外勤者業務管理サーバ(0102)では、外勤開始領域(0103)が保持されている。同サーバでは、外勤開始信号と共に受信した位置情報が、外勤開始領域内の位置を指す情報であるかの判断を行う。判断の結果、受信した位置情報が外勤開始領域内であるとの判断結果である場合には、適切な場所から勤務を開始しているとの出力を行い、外勤開始信号が発せられた時刻を勤務開始時刻として勤怠管理データへ格納する等の処理を実行する。判断の結果、受信した位置情報が外勤開始領域内でないとの判断結果である場合には、勤務開始場所が不適切であるとの出力を行い、その場合にすべき処理を実行する。例えば、勤怠管理データとして疑義があるとの情報を付加し勤務開始時刻として勤怠管理データへ格納する等の処理を実行する。その後、外勤者が移動して訪問先を訪れ、商談を行った。商談の終了後、再び移動して保育園へ向かい、子供を迎えに行った。外勤者業務管理サーバ(0102)には外勤終了領域(0104)が保持されている。外勤者は保育園に到着すると利用端末により位置情報を取得し、位置情報と共に外勤終了信号を外勤者業務管理サーバ(0102)に送信する。同サーバでは外勤開始時と同様に、外勤終了信号が発せられた場所の位置情報が外勤終了領域(0104)内であるかの判断を行い、その判断結果を出力し、勤怠管理データに反映する等の処理を実行する。
【0023】
以下では、本実施例の外勤者業務管理システムの機能及び処理の流れ、並びにハードウエアの内容について、詳細に説明する。なお、以下に記載する本装置の機能ブロックは、ハードウエア及びソフトウェアの組み合わせとして実現され得る。具体的には、コンピュータを利用するものであれば、CPU(中央演算装置)や主メモリ、バス、あるいは二次記憶装置(ハードディスクドライブや不揮発性メモリ、CDやDVDなどの記憶メディアとそれらメディアの読取ドライブなど)、情報入力に利用されるキーボード、マウス等の入力デバイス、印刷機器やディスプレイ等の表示装置、その他の外部周辺装置などのハードウエア構成部、またその外部周辺装置用のインターフェース、通信用インターフェース、それらハードウエアを制御するためのドライバプログラムやその他アプリケーションプログラム、ユーザインタフェース用アプリケーションなどが挙げられる。そして主メモリ上に展開したプログラムに従ったCPUの演算処理によって、入力デバイスやその他インターフェースなどから入力され、メモリやハードディスク上に保持されているデータなどが加工、蓄積されたり、上記各ハードウエアやソフトウェアを制御するための命令が生成されたりする。あるいは本装置の機能ブロックは専用ハードウエアによって実現されても良い。
【0024】
また、この発明は装置として実現できるのみでなく、方法としても実現可能である。また、このような発明の一部をソフトウェアとして構成することができる。さらに、そのようなソフトウェアをコンピュータに実行させるために用いるプログラム、及びプログラムを固定した記録媒体も、当然にこの発明の技術的な範囲に含まれる(本明細書の全体を通じて同様である)。
【0025】
<機能的構成>
図2は、本実施例にかかる外勤者業務管理システムの機能的構成を示す図である。本実施例にかかる外勤者業務管理システムは、「外勤者業務管理サーバ」(0201)と、「利用端末」(0202)と、からなる。「外勤者業務管理サーバ」(0201)は、「位置情報取得部」(0203)と、「開始終了領域保持部」(0204)と、「外勤開始信号受信部」(0205)と、「外勤開始領域適切性判断部」(0206)と、「外勤開始適切性判断結果出力部」(0207)と、「外勤終了信号受信部」(0208)と、「外勤終了領域適切性判断部」(0209)と、「外勤終了適切性判断結果出力部」(0210)と、を有する。「利用端末」(0202)は、「自端末位置情報取得部」(0211)と、「位置情報送信部」(0212)と、「外勤開始信号送信部」(0213)と、「外勤終了信号送信部」(0214)と、を有する。
【0026】
「外勤者業務管理サーバ」(0201)は、利用端末(0202)より送信される位置情報や、外勤開始信号、外勤終了信号等を受信し、外勤開始領域の適切性及び外勤終了領域の適切性を判断し、これを出力する機能等を有する。「外勤者」とは、勤務先の管理外である社屋外での活動を主とする者であり、勤務時刻や勤務時間の定めがなく、外勤開始時刻と外勤終了時刻の申告により報酬が定まる者などを含み、そのような態様で勤務を行うことを前提とした労働契約(雇用契約、業務委託契約を含む)を雇用者と交わしている被雇用者(正社員、契約社員、業務受託者、派遣社員、パート、アルバイト)などが含まれる。外勤者は、直行直帰で訪問先を訪れるため、外勤開始時および外勤終了時に遠隔で勤務開始時刻や勤務終了時刻を打刻する必要がある。同サーバについては外勤管理者が利用するものであるが、必ずしも外勤管理者のもとに設置されている必要はない。データセンタに設置されていてもよいし、設置の所在が不明であってクラウド上に存在するとされるものでもよい。図1では一台のサーバで実現されているように示されているが、同サーバが有する構成要件の各機能が複数のサーバ(データベースサーバ、アプリケーションサーバ、Webサーバ等)によって実現されている態様でも構わない。
【0027】
「利用端末」(0202)は、外勤者業務管理サーバ(0201)と通信を行い、位置情報や外勤開始信号および外勤終了信号を送信する機能を有する。外勤者が保持するものであるから可搬型の装置であって、ネットワークに接続可能な通信機能を有しており、GPS通信等による位置情報が取得可能である必要がある。すなわち、上記機能を有する携帯電話、スマートフォン、タブレット、ノートパソコン、のほか、専用ハードウエア等が含まれる。さらに利用端末は外勤者の生体データを取得してこれを外勤者業務管理サーバに送信するように構成してもよい。生体データとは、脈拍、体温、歩数、血圧、血糖値、瞳孔の光反応性に基づく疲労度、表情、訪問先でのプレゼンテーションの音声などのいずれか一以上のものでよく、外勤者の体調をモニターするとともに、そのデータに応じた外勤者の勤務態度や身体状態などを割り出し、報酬に反映させるように構成してもよいし、後述するスケジュール管理部のスケジュールを変更するように構成してもよい。
【0028】
「位置情報取得部」(0203)は、外勤者の利用端末からの位置情報を取得する機能を有する。位置情報とは一般にGPS(あるいはこれに準ずる衛星測位システム)通信により取得される緯度、経度情報等を指す。このほか情報の取得時刻や移動方位、移動速度等の情報が含まれるものであってよい。また携帯電話の基地局を利用して取得される位置情報も採用可能であり、その他センサネットワーク等に接続された各種センサ、ビーコン等により位置の検出を行う位置情報も採用可能である。取得された位置情報は、後述する外勤開始領域適切性判断部(0206)や、外勤終了領域適切性判断部(0209)に出力される。同部の機能は位置情報取得プログラムや、同プログラムが実行されるCPU、RAM、およびネットワークI/F、GPSモジュール等により実現される。
【0029】
外勤者業務管理サーバは、取得した外勤者の位置情報に基づいて外勤者が利用する利用端末の移動速度を算出する「移動速度算出部(図示せず)」をさらに有していてもよい。移動速度を算出することで、例えば、自動車による移動、徒歩による移動、鉄道による移動などを把握することが可能である。
【0030】
「開始終了領域保持部」(0204)は、外勤者ごとに外勤開始領域と外勤終了領域とを保持する機能を有する。「開始終了領域」とは「外勤開始領域」と「外勤終了領域」とからなる。これら二つの領域は、外勤を開始または終了する地点が含まれる平面上もしくは空間上の領域である。例えば子供を預け保育園を出発する時が外勤開始時である場合には、保育園を中心とした半径50メートルの円内が外勤開始領域として定義される場合などが考えられる。この場合において同部には保育園の中心点等の代表点を示す情報(緯度、経度等)と、円の半径である50メートルが保持される。これら保持された領域は円形の領域に限定されることなく、楕円形や曲線で囲まれた領域、多角形でもよい。多角形の場合には各頂点を示す情報が保持されることになる。同部は後述の外勤開始領域適切性判断部(0206)と外勤終了領域適切性判断部(0209)とからアクセスを受け、領域適切性の判断処理に利用される。当部の機能は、サーバ上のRAMや、HDDなどの不揮発性メモリ等により実現される。
【0031】
外勤開始領域や、外勤終了領域は、固定でなく、外勤による訪問先を指定することで自動的に設定されるように構成してもよい。あるいは週間スケジュール、月間スケジュール等のスケジュールに合わせて自動的に日々設定されるように構成してもよい。例えば東京都の住人である外勤者が九州の博多にある会社を2泊3日で訪問するような場合には、初日の外勤開始領域は、東京都の自宅であるが、初日の外勤終了領域は、博多にある宿泊先であるホテルであり、2日目の外勤開始領域と外勤終了領域は同じく宿泊先であるホテルとなり、3日目の外勤開始領域は宿泊先ホテルであるが、外勤終了領域は東京都の自宅となる、というような場合に、外勤訪問先として九州の博多の企業住所を入力すると、上述のような外勤開始領域と外勤終了領域が自動計算されて設定される、というようなものであってもよい。この場合、宿泊先であるホテルに関しては自動設定でなく、手入力して上記処理を行うように構成してもよい。また、後日再度九州の博多の企業を訪問する際にはデフォルトで前回利用した宿泊先を設定して外勤開始領域、外勤終了領域を設定するように構成することもできる。つまり、外勤での訪問先や、そのスケジュールを入力する、ないしは選択することで、自動的に外勤開始領域や外勤終了領域が設定されるような処理部を有し、これによって開始終了領域保持部に外勤開始領域と、外勤終了領域とを保持させるように構成することができる。スケジュールにより、これを日々適切な外勤開始領域、外勤終了領域となるように自動設定できるように構成するとより効果的である。また、この外勤開始領域、外勤終了領域を定めるために用いられるスケジュールは別途スケジュール管理部があり、このスケジュール管理部に保持されているスケジュールを参照するように構成することもできる。そして、このスケジュール管理部に保持されるスケジュールは、外勤者の管理者が編集することができるようにすることが考えられる。そして、このスケジュールは外勤者も閲覧可能とすることが好ましい。さらに管理者が編集した外勤者のスケジュールを閲覧した外勤者は、そのスケジュールの変更を管理者に依頼できるように構成することも好ましい。またこのスケジュールには、訪問先企業の諸情報や、訪問先の社員等の諸情報や、訪問して行うプレゼンテーション資料なども同時に保持されており、カレンダー型のスケジュールの訪問先企業の滞在時間帯の帯をクリック等して選択すると、関連情報が閲覧できるようになっていると準備も効率的に行うことができる。訪問先の企業の諸情報には、その企業のメールアドレスや、電話番号が含まれており、これらをクリックするとメーラーが自動的にその宛先を指定して立ち上がったり、電話が自動的に発信されたりするように構成することもできる。そして、メールや、電話を自動解析する自動解析部があり、自動解析によってスケジュールの変更が好ましい場合にはスケジュールの自動変更がされるように構成されてもよい。また、電話に要した時間、メールの交換に要した時間などを外勤時間に組み入れるように構成してもよいし、電話1本、メールの1往復につき報酬が支払われるように構成してもよい。特に、これらの電話やメールが外勤時間外の場合に有効となる。また、一日の中で複数の企業を訪問するような外勤形態の場合には一日の中で複数の外勤開始領域と外勤終了領域が設定されるように構成してもよい。例えば、朝に一企業の訪問を行い、昼には自宅に戻り、再度夜間に別の企業の訪問を行うような場合である。これは先ほどの九州の博多の例でも適用でき、外勤終了領域としては前述のホテルが該当する。さらに、旅程が長くなり、外勤終了領域や外勤開始領域が自宅以外で複数個所にわたるような場合もあり得る。これらもスケジュール(訪問地、訪問時間、訪問に伴って宿泊するホテル等)に応じて自動的に設定、あるいはホテル等は手入力で残りは自動的に設定されるように構成してもよい。また、外勤開始領域や外勤終了領域が空港や駅あるいは飛行機への搭乗ゲートや、寝台特急列車、長距離バスの中などとしてもよい。この場合には移動体が移動するので外勤開始領域と外勤終了領域は地理的には離れた位置となるが対象物は移動体であり同一であるようなケースとなる。また、スケジュール管理部は、同時に複数の外勤者のスケジュールを管理し、前述のように体調の不良などが外勤者にみられる場合には、近辺の他の外勤者がその体調不良者のスケジュールを一部補完するように構成することもできる。この場合には、突然のスケジュール変更となるためにスケジュールが変更された旨、ないしは外勤開始領域や外勤終了領域が変更された旨をプッシュ通知するように構成するのが好ましい。プッシュ通知は警告音や警告振動が利用端末でなされるように構成することが好ましい。
【0032】
「外勤開始信号受信部」(0205)は、外勤者の利用端末から外勤開始信号を受信する機能を有する。「外勤開始」とは勤怠管理上の出勤時刻を指すものが含まれ、この場合には外勤開始をもって賃金が発生する。訪問先に直行する外勤者であれば、自宅等から訪問先に移動を開始する時刻により外勤開始を示す。「外勤開始信号」は利用端末(0202)により外勤者業務管理サーバ(0201)に対して発せられる信号であり、通信により送られる。信号の内容は単に開始の旨を通知するものでもよいし、GPS通信により利用端末(0202)にて取得された時刻を通知するものでもよい。同部では、これらの信号を受信すると、外勤開始時刻(出勤時刻)として勤怠管理システム等に出力する共に、後述する外勤開始領域適切性判断部(0206)に対して判断処理を実行するようにトリガを送出する。当部の機能はCPUとRAM、ネットワークI/F、RAMに呼び出されCPUにて実行される外勤開始信号受信プログラム等により実現される。
【0033】
「外勤開始領域適切性判断部」(0206)は、受信した外勤開始信号が発せられた際の位置情報を位置情報取得部から取得し、外勤開始領域との関係を判断する機能を有する。外勤開始信号受信部(0205)より送出されたトリガを受け取ると、位置情報取得部(0203)からの位置情報の出力を受ける。この位置情報と、開始終了領域保持部(0204)に保持されている開始領域の情報と、を用いて、外勤者の位置が開始領域内であるか否かの判断処理を実行する。判断処理のアルゴリズムとしては、2次元平面上の点が多角形の内にあるか否かの判断を行う内外判定を採用することが考えられる。内外判定のアルゴリズムとしては、1.内外判定したい点から伸びる水平線が多角形の辺を交差する数で判定する。交差する数が奇数ならば点は多角形の内側に、偶数または0ならば外側にいると判定するもの(Crossing Number Algorithm)、2.多角形が内外判定したい点の周りを回転した数で判定するもの、回転した数が0である時に、すなわち多角形が点の周りを取り囲んでいない時は外側、それ以外の時は内側にいると判定するもの(Winding Number Algorithm)、などが考えられる。判断結果は後述する外勤開始適切性判断結果出力部(0207)に渡される。当部の機能はCPUとRAM、RAMに呼び出されCPUにて実行される外勤開始領域適切性判断プログラム等により実現される。
【0034】
「外勤開始適切性判断結果出力部」(0207)は、外勤開始領域適切性判断部(0206)での判断結果である外勤開始適切性判断結果を出力する機能を有する。具体的には外勤開始領域適切性判断部(0206)より判断結果を入力として受け取り、各種の出力デバイスに対して出力を行う。また、同一または他のサーバ等にて稼働されている各種プログラム等に対して出力を行う場合も当部の機能に含まれる。当部の機能はCPUやRAM、RAMに呼び出されCPUにて実行される外勤開始適切性判断結果出力プログラム、ビデオカード、ディスプレイ等の映像出力デバイスや、プリンタ等の出力デバイスなどにより実現される。
【0035】
「外勤終了信号受信部」(0208)は、外勤者の利用端末から外勤終了信号を受信する機能を有する。「外勤終了」とは勤怠管理上の退勤時刻を指すものである。訪問先に直行している外勤者であれば、訪問先から自宅や社屋等に到着する時刻により外勤終了を示す。「外勤終了信号」は利用端末(0202)により外勤者業務管理サーバ(0201)に対して発せられる信号であり、通信により送られる。信号の内容は単に終了の旨を通知するものでもよいし、GPS通信により利用端末(0202)にて取得された時刻を通知するものでもよい。同部では、これらの信号を受信すると、外勤終了時刻(退勤時刻)として勤怠管理システム等に出力する共に、後述する外勤終了領域適切性判断部(0209)に対して判断処理を実行するようにトリガを送出する。当部の機能はCPUとRAM、ネットワークI/F、RAMに呼び出されCPUにて実行される外勤終了信号受信プログラム等により実現される。
【0036】
「外勤終了領域適切性判断部」(0209)は、受信した外勤終了信号が発せられた際の位置情報を位置情報取得部から取得し、外勤終了領域との関係を判断する機能を有する。外勤終了信号受信部(0208)より送出されたトリガを受け取ると、位置情報取得部(0203)からの位置情報の出力を受ける。この位置情報と、開始終了領域保持部(0204)に保持されている終了領域の情報と、を用いて、外勤者の位置が終了領域内であるか否かの判断処理を実行する。判断処理のアルゴリズムとしては、外勤開始領域適切性判断部(0206)の記載で示したアルゴリズムが同様に利用可能である。判断結果は後述する外勤終了適切性判断結果出力部(0210)に渡される。当部の機能はCPUとRAM、RAMに呼び出されCPUにて実行される外勤終了領域適切性判断プログラム等により実現される。
【0037】
「外勤終了適切性判断結果出力部」(0210)は、外勤終了領域適切性判断部(0209)での判断結果である外勤終了適切性判断結果を出力する機能を有する。具体的には外勤終了領域適切性判断部(0209)より判断結果を入力として受け取り、各種の出力デバイスに対して出力を行う。また、上記外勤開始適切性判断結果出力部(0207)で示したのと同様に、同一または他のサーバ等にて稼働されている各種プログラム等に対して出力を行う場合も外勤終了適切性判断結果出力部(0210)の機能に含まれる。当部の機能はCPUやRAM、RAMに呼び出されCPUにて実行される外勤終了適切性判断結果出力プログラム、ビデオカード、ディスプレイ等の映像出力デバイスや、プリンタ等の出力デバイスなどにより実現される。
【0038】
上記構成に加え、外勤者業務管理サーバは、外勤者ごとに訪問目的地を含む訪問予定領域を保持する「訪問予定領域保持部(図示せず)」を有し、外勤者の利用端末から取得した位置情報と、保持されている訪問予定領域とに基づいて、訪問目的地を訪問しているかを判断する「訪問判断部(図示せず)」と、を有していてもよい。具体的な処理については、外勤開始(終了)領域適切性判断部における処理と同様である。さらに、訪問判断部での判断に基づいて訪問開始時刻と訪問終了時刻とから訪問目的地滞在時間を算出する「滞在時間算出部(図示せず)」を有していてもよい。
【0039】
さらに、外勤者業務管理サーバは、上記「外勤開始領域適切性判断部」(0206)および外勤終了領域適切性判断部(0209)により判断が下され得られた外勤開始適切性判断結果および外勤終了適切性判断結果に基づいて、外勤者の報酬を演算する「報酬演算部(図示せず)」を有していてもよい。外勤開始適切性判断結果と外勤終了適切性判断結果との判断結果がいずれも適切であるとの結果となった場合には、外勤開始信号受信部(0205)が外勤開始信号を受信した時刻から、外勤終了信号受信部(0208)が外勤終了信号を受信した時刻までの時間を算出し、算出された時間を外勤者の1時間当たりの報酬に乗じて当該外勤者の報酬を演算するといった処理を行う。外勤開始適切性判断結果と外勤終了適切性判断結果との判断結果がいずれか、あるいはいずれも不適切であるとの判断結果となった場合には、外勤者業務管理サーバ側で労働時間の入力を受け付けるたり、暫定的に上記処理により報酬を算出しておき、後に利用端末または外勤者業務管理サーバから入力を受け付けることにより修正申告が可能としておくといった処理が考えられる。
【0040】
「自端末位置情報取得部」(0211)は利用端末(0202)において、自端末の位置情報を取得する機能を有する。「自端末」とは「利用端末」(0202)を指す。「利用端末」(0202)は上記に記載した通りである。「位置情報」についても位置情報取得部(0203)で記載の通りである。「取得」とは自端末に備えられたGPSモジュール等で衛星からの電波を受信し、位置情報データをRAM等に格納することを指す。取得のタイミングは、自端末を操作することで取得開始してよいし、端末の電源ON時に一定時間間隔で常に受信しており、必要な時にRAM上に格納してもよい。当部の機能は、利用端末のCPUやRAM、RAM上に呼び出されCPUにて実行される自端末位置情報取得プログラム、GPSモジュール等で実現される。
【0041】
「位置情報送信部」(0212)は取得した位置情報を外勤者業務管理サーバに送信する機能を有する。「送信」は端末の電源が入っている限り常時行われていてもよいし、何らかのトリガ、例えば後述する外勤開始信号や外勤終了信号に応じて実行されるものでもよい。位置情報の送信は携帯電話の電波が届かない場所や、その他ネットワークにアクセスできない場所では行うことができないが、その場合には利用端末に位置情報の履歴を保持しておき、ネットワークにアクセス可能となった際にその履歴を送信できるようなオフライン動作が可能であってもよい。当部の機能はCPUやRAM、RAM上に呼び出されCPUにて実行される位置情報送信プログラム、端末のワイヤレス通信モジュール等で実現されている。
【0042】
上記位置情報送信部(0212)において取得した位置情報の履歴を使用して移動距離を算出することが可能である。算出した距離が一定以上の移動距離となった場合には所定の日当を支給するために算出するといった「日当算出部(図示せず)」を外勤者業務管理サーバが有していてもよい。
【0043】
「外勤開始信号送信部」(0213)は外勤開始信号を外勤者業務管理サーバに送信する機能を有する。「外勤開始信号」については上記に記載済みである。送信のタイミングであるが、利用者が所定の操作を行うことにより送信される場合や、当部にて自動で判断を行うことにより送信される場合が含まれる。後者の例としては所定速度で自宅を含む外勤開始領域から出た場合には自宅を離れたものと判断され、外勤開始信号を送信する場合などが考えられる。当部の機能はCPUやRAM、RAM上に呼び出されCPUにて実行される外勤開始信号送信プログラムやワイヤレス通信モジュール等で実現される。
【0044】
「外勤終了信号送信部」(0214)は外勤終了信号を外勤者業務管理サーバに送信する機能を有する。「外勤終了信号」については上記に記載済みである。送信のタイミングであるが、上記外勤開始信号送信部(0213)と同様、利用者が所定の操作を行うことにより送信される場合や、当部にて自動で判断を行うことにより送信される場合が含まれる。後者の例としては所定速度で保育園を含む外勤終了領域に入った場合には外勤を終え保育園に子供を迎えに行ったものと判断され、外勤終了信号を送信する場合などが考えられる。当部の機能はCPUやRAM、RAM上に呼び出されCPUにて実行される外勤終了信号送信プログラムやワイヤレス通信モジュール等で実現される。
【0045】
上記構成の他、位置情報の履歴を利用端末にて取得し、外勤者業務管理サーバ等に送信し、サーバに保持された経路と照合することで、適切な経路で移動しているか否かの判断が可能な「移動経路適切性判断部(図示せず)」を有していてもよい。「適切な経路」とは事前に申請された経路や、移動費用が一番安い経路、移動時間が一番短い経路などが挙げられる。また、万が一事故等が起きたとき、労災認定のために事前に申請した移動経路を使用した否かの証左として使用することも考えられる。
【0046】
さらに、外勤者業務管理サーバは、位置情報の履歴を取得することにより、休憩を適切に取得しているか否かの「休憩時間管理部(図示せず)」や、飲食店と契約し、その飲食店で外勤者が食事をとったことが位置情報の履歴により証明できた場合には社員限定の割引価格で飲食可能とする「飲食店社員割引可能化部(図示せず)」を有していてもよい。
【0047】
<処理の流れ>
図3は、本実施例にかかる外勤者業務管理システム処理の流れの一例を示すためのフローチャートである。まず、利用端末側で外勤が開始されたか否かの判断が行われる(ステップS0301)。外勤が開始されたとの判断結果の時には、外勤開始信号を送信する(ステップS0302)。続いて自端末の位置情報を取得し(ステップS0303)、外勤者業務管理サーバに対して送信する(ステップS0304)。外勤者業務管理サーバ側では、外勤開始領域と外勤終了領域との情報を取得しておく(ステップS0305)。利用端末にて外勤開始信号が送信されるとこれを受信し(ステップS0306)、位置情報も利用端末より取得する(ステップS0307)。取得した位置情報と外勤開始領域との関係を判断し(ステップS0308)、判断結果を出力する(ステップS0309)。外勤終了時においては、利用端末側で外勤が終了したか否かの判断が行われ(ステップS0310)、終了したとの判断結果の場合には外勤終了信号を送信し(ステップS0311)、自端末の位置情報を取得して(ステップS0312)して外勤者業務管理サーバに対して送信する(ステップS0313)。外勤者業務管理サーバ側では外勤終了信号を受信し(ステップS0314)、位置情報も利用端末より取得する(ステップS0315)。続いて取得した位置情報と外勤終了領域との関係を判断する処理(ステップS0316)に移る。判断結果は出力され(ステップS0317)、一連の処理が終了する。
【0048】
<ハードウエア構成>
図4は、本実施例にかかる外勤者業務管理システムのハードウエア構成の一例を示す図である。以下、この図を用いて説明する。
【0049】
この図にあるように、本実施例にかかる外勤者業務管理システムは、利用端末と外勤者業務管理サーバとからなる。外勤者業務管理サーバには各種演算処理を行う「CPU(中央演算装置)」(0401)と、フラッシュメモリなどの「不揮発性メモリ」(0402)と、揮発性の記憶媒体である「RAM」(0403)と、外部と通信を行うための「ネットワークI/F」(0404)を少なくとも備えている。そして、それらが「システムバス」(0405)などのデータ通信経路によって相互に接続され、情報の送受信や処理を行う。利用端末には各種演算処理を行う「CPU(中央演算装置)」(0411)と、フラッシュメモリなどの「不揮発性メモリ」(0412)と、揮発性の記憶媒体である「RAM」(0413)と、タッチパネル等の「U/I」(0414)と、位置情報を取得する「GPSモジュール」(0415)と、ワイヤレスネットワークを介して通信を行う「ワイヤレス通信モジュール」(0416)と、を備えている。そして、それらが「システムバス」(0417)などのデータ通信経路によって相互に接続され、情報の送受信や処理を行う。
【0050】
また、「RAM」(0403、0413)は、各種処理を行うプログラムを「CPU」(0401、0411)に実行させるために読み出すと同時にそのプログラムの作業領域でもあるワーク領域を提供する。また、このRAM(0403、0413)にはそれぞれ複数のアドレスが割り当てられており、CPU(0401、0411)で実行されるプログラムは、そのアドレスを特定しアクセスすることで相互にデータのやりとりを行い、処理を行うことが可能になっている(本明細書を通じて同様である)。
【0051】
まず、利用端末の不揮発性メモリ(0412)に格納されている自端末位置情報取得プログラムがRAM(0413)上に展開され、CPU(0411)にて実行される。同プログラムはGPSモジュール(0415)を制御することにより位置情報を取得し、PnとしてRAM(0413)に格納していく。ここでPnは配列変数でもよい。U/I(0414)を操作することにより、外勤開始信号送信プログラムがRAM(0413)に展開され、CPU(0411)にて実行される。同プログラムは外勤開始信号をワイヤレス通信モジュール(0416)を制御することにより送信する。これとともに位置情報送信プログラムが不揮発性メモリ(0412)からRAM(0413)上に展開され、CPU(0411)にて実行される。同プログラムは最新のPn値を参照し、この値をワイヤレス通信モジュール(0416)を制御することにより送信する。
【0052】
外勤者業務管理サーバでは、外勤開始信号受信プログラムが不揮発性メモリ(0402)からRAM(0403)に呼び出され、CPU(0401)にて実行され、待ち状態となっている。外勤開始信号がネットワークI/F(0404)を介して到来すると同プログラムは、位置情報取得プログラムを呼び出す。同プログラムは不揮発性メモリ(0402)からRAM(0403)に展開され、CPU(0401)にて実行される。位置情報取得プログラムは利用端末にて実行されている位置情報送信プログラムと通信し、位置情報Pnを取得し、RAM(0403)に格納する。次に、外勤開始領域適切性判断プログラムが不揮発性メモリ(0402)からRAM(0403)上に展開されCPU(0401)にて実行される。同プログラムは起動時に不揮発性メモリ(0402)に格納されている外勤開始領域データPsを読み込む。このPsとRAM(0403)上に一時的に保持されているPnとを用いて、PnがPsが示す領域内であるか否かを判断する演算処理をCPU(0401)にて実行する。処理結果はブール値をとるRsに格納され、外勤開始適切性判断結果出力プログラムによって、出力される。具体的には、図示していないが、プリンタなどの各種デバイスや、勤怠管理システム等に対して出力を行う。外勤終了時の処理についても同様であり、利用端末では、U/I(0414)を操作することにより、外勤終了信号送信プログラムがRAM(0413)に展開され、CPU(0411)にて実行される。同プログラムは外勤終了信号をワイヤレス通信モジュール(0416)を制御することにより送信する。これとともに位置情報送信プログラムが不揮発性メモリ(0412)からRAM(0413)上に展開され、CPU(0411)にて実行される。同プログラムは最新のPn値を参照し、この値をワイヤレス通信モジュール(0416)を制御することにより送信する。外勤者業務管理サーバでは、外勤終了信号受信プログラムが不揮発性メモリ(0402)からRAM(0403)に呼び出され、CPU(0401)にて実行され、待ち状態となっている。外勤終了信号がネットワークI/F(0404)を介して到来すると同プログラムは、位置情報取得プログラムを呼び出す。同プログラムは不揮発性メモリ(0402)からRAM(0403)に展開され、CPU(0401)にて実行される。位置情報取得プログラムは利用端末にて実行されている位置情報送信プログラムと通信し、位置情報Pnを取得し、RAM(0403)に格納する。次に、外勤終了領域適切性判断プログラムが不揮発性メモリ(0402)からRAM(0403)上に展開されCPU(0401)にて実行される。同プログラムは起動時に不揮発性メモリ(0402)に格納されている外勤終了領域データPeを読み込む。このPeとRAM(0413)上に一時的に保持されているPnとを用いて、PnがPeの示す領域内であるか否かを判断する演算処理をCPU(0401)にて実行する。処理結果はブール値をとるReに格納され、外勤開始適切性判断結果出力プログラムによって、出力される。
【実施例2】
【0053】
<概要>
【0054】
図5は本実施例の外勤者業務管理システムの処理の概要を示す図である。この図にあるように、外勤者業務管理サーバ(0501)に外勤者が使用する外勤者資料が格納されている。外勤者業務管理サーバは訪問先で使用する一以上の外勤者資料(0502)を利用端末に配布、または外勤者の求めに応じてダウンロードさせる。外勤者は配布又はダウンロードされた外勤者資料の中から訪問先で利用する外勤者資料(外勤者資料ID:0001)を選択し、利用端末(0503)にて表示等の出力を行う。出力を行った外勤者資料の情報は利用資料情報(0504)として生成される。同情報は外勤者業務管理サーバに送信され、外勤者(ユーザID:001)と関連付けて外勤者業務管理サーバに保持され、閲覧に供される。
【0055】
<機能的構成>
図6は、本実施例にかかる外勤者業務管理システムの機能的構成を示す図である。本実施例にかかる外勤者業務管理システムは、「外勤者業務管理サーバ」(0601)と、「利用端末」(0602)と、からなる。「外勤者業務管理サーバ」(0601)は、「位置情報取得部」(0603)と、「開始終了領域保持部」(0604)と、「外勤開始信号受信部」(0605)と、「外勤開始領域適切性判断部」(0606)と、「外勤開始適切性判断結果出力部」(0607)と、「外勤終了信号受信部」(0608)と、「外勤終了領域適切性判断部」(0609)と、「外勤終了適切性判断結果出力部」(0610)と、を有する。「利用端末」(0602)は、「自端末位置情報取得部」(0611)と、「位置情報送信部」(0612)と、「外勤開始信号送信部」(0613)と、「外勤終了信号送信部」(0614)と、を有する。
これらの構成については上記実施例にて説明済みであるので記載は省略する。本実施例の外勤者業務管理システムの特徴は上記構成に加え、「外勤者業務管理サーバ」(0601)が、「サーバ外勤者資料保持部」(0661)と、「サーバ外勤者資料出力部」(0662)と、「利用外勤者資料情報取得部」(0663)と、「利用資料情報保持部」(0664)と、「利用資料情報閲覧部」(0665)と、を新たに有し、「利用端末」(0602)が、「外勤者資料取得部」(0615)と、「端末外勤者資料保持部」(0616)と、「外勤者資料選択部」(0617)と、「端末外勤者資料出力部」(0618)と、「利用外勤者資料情報生成部」(0619)と、「利用外勤者資料情報出力部」(0620)と、を新たに有する点である。
【0056】
「サーバ外勤者資料保持部」(0661)は、外勤者業務管理サーバ(0601)において、外勤者が訪問先で利用する資料である外勤者資料を一以上保持する機能を有する。「資料」とは電子的に保存できる一切のデータを指し、プレゼンテーションファイル、動画ファイル、静止画ファイル、ワークシート、テキストファイル、等が含まれる。当部の機能はHDDなどの不揮発性メモリ等により実現される。
【0057】
「サーバ外勤者資料出力部」(0662)は、サーバ外勤者資料保持部(0661)に保持されている外勤者資料を利用端末に一以上出力する機能を有する。「出力」とは、外勤者業務管理サーバ(0601)からプッシュ型で配布する態様と、利用端末側からの求めに応じてプル型で取得される態様と、の両方が含まれる。当部の機能は、CPUとRAM、RAMに呼び出されCPUにて実行されるサーバ外勤者資料出力プログラムと、ネットワークI/F等で実現される。
【0058】
「利用外勤者資料情報取得部」(0663)は、利用端末から訪問先で利用した外勤者資料に関する情報である利用外勤者資料情報を外勤者と関連付けて取得する機能を有する。「利用外勤者資料情報」とは、後述する「外勤者資料選択部」(0617)において利用端末側で選択された外勤者資料に関する情報であり、少なくとも外勤者資料IDが含まれる。「外勤者と関連付けて」取得することにより、どのような資料がどの程度、誰により利用されているかのフィードバック情報を取得することが可能である。当部の機能はCPUとRAM、RAMに呼び出されCPUにて実行される利用外勤者資料情報取得プログラムや、ネットワークI/F等により実現される。
【0059】
「利用資料情報保持部」(0664)は、利用外勤者資料情報取得部(0663)にて取得した利用外勤者資料情報を外勤者と関連付けて保持する機能を有する。当部の機能はRAMと、不揮発性メモリ等により実現される。
【0060】
「利用資料情報閲覧部」(0665)は、外勤者と関連付けて保持されている利用資料情報を閲覧する機能を有する。「閲覧」とはディスプレイや、プリンタ等のデバイスに利用資料情報を出力することにより同情報を視覚等により取得することを指す。当部の機能は、CPUやRAM、RAMに呼び出されCPUにて実行される利用資料情報閲覧プログラム、ディスプレイやプリンタ等の出力デバイスにて実現される。
【0061】
「外勤者資料取得部」(0615)は、利用端末(0602)において、外勤者資料を一以上取得する機能を有する。「取得」とはネットワークを介して外勤者業務管理サーバ(0601)のサーバ外勤者資料出力部(0662)との通信により外勤者資料データを伝送することを指す。取得された外勤者資料は後述の端末外勤者資料保持部(0616)に渡される。外勤者資料取得部(0615)の機能は、CPUとRAM、RAMに呼び出されCPUにて実行される外勤者資料取得プログラムやネットワークI/F等により実現される。
【0062】
「端末外勤者資料保持部」(0616)は、外勤者資料取得部(0615)にて取得した外勤者資料を保持する機能を有する。当部の機能は、RAMやフラッシュメモリ等の不揮発性メモリにより実現される。
【0063】
利用端末(0602)は、選択された外勤者資料を編集する「外勤者資料編集部」(図示せず)をさらに有していてもよい。これにより訪問先等に合わせた内容の外勤者資料を作成することが可能である。編集された外勤者資料は新たな資料として外勤者資料IDが付与されるものでもよいし、編集前の外勤者資料IDをそのまま有し、バージョン番号のみアップデートされる態様でもよい。編集後の外勤者資料は端末外勤者資料保持部(0616)に格納される。当部の機能はCPUとRAM、RAMに呼び出されCPUにて実行される外勤者資料編集プログラムにより実現される。
【0064】
「外勤者資料選択部」(0617)は端末外勤者資料保持部(0616)に保持されている外勤者資料を訪問先で利用するために選択する機能を有する。選択された資料のID等は後述の端末外勤者資料出力部(0618)と、利用外勤者資料情報生成部(0618)と、に対して渡される。当部の機能は、キーボード、マウス、タッチパネル等のU/Iと、CPUとRAM、RAMに呼び出されCPUにて実行される外勤者資料選択プログラムにより実現される。
【0065】
「端末外勤者資料出力部」(0618)は、外勤者資料選択部(0617)で選択された外勤者資料を利用のために出力する機能を有する。具体的には端末外勤者資料保持部(0616)に保持されている外勤者資料の中から外勤者資料選択部(0617)より渡された外勤者資料IDにかかる資料を、ディスプレイやプリンタ等の出力デバイスにより出力する。当部の機能は、CPUとRAM、RAMに呼び出されCPUにて実行される端末外勤者資料出力プログラムと、ディスプレイやプリンタ等の出力デバイス等により実現される。
【0066】
「利用外勤者資料情報生成部」(0619)は、利用された外勤者資料に関する情報である利用外勤者資料情報を生成する機能を有する。利用外勤者資料情報とは、少なくとも利用された外勤者資料IDが含まれ、利用時の日時、利用された場所、訪問先の名称、閲覧にかかった時間、出力されたデバイスの種類やデバイスのID、資料本体の参照先、閲覧するためのパスワード情報等が含まれる。生成された利用外勤者資料情報は、後述する利用外勤者資料情報出力部(0620)に渡される。当部の機能はCPUとRAM、RAM上に呼び出されCPUにて実行される利用外勤者資料情報生成プログラム等で実現される。
【0067】
「利用外勤者資料情報出力部」(0620)は、生成された利用外勤者資料情報を外勤者業務管理サーバに出力する機能を有する。具体的には、利用外勤者資料情報生成部により渡された利用外勤者資料情報データを、ネットワークを介して外勤者業務管理サーバ(0601)の利用外勤者資料情報取得部(0663)との通信により転送を行う。当部の機能はCPUとRAM、RAM上に呼び出されCPUにて実行される利用外勤者資料情報出力プログラム、ネットワークI/F等で実現される。
【0068】
<外勤者資料に関するその他の構成>
外勤者業務管理サーバ、又は/及び利用端末には、外勤者資料を用いたプレゼンテーションのトレーニング機能が備えられていてもよい。トレーニング機能とは、外勤者資料を用いてプレゼンテーションをする模擬訓練機能であり、外勤者資料の表示(ページの表示や、スクロール位置などの他に、タッチペンでのタッチ位置、マウスやキーボードからのカーソル位置なども含む)と、プレゼンテーションの音声との組み合わせが適切になされているか、あるいは、その適切度はどの程度か、を判断する機能を有するものである。プレゼンテーション資料を提示して顧客に対してプレゼンテーションをする場合には引用しなければならないキーワードがあり、外勤者の声で、そのキーワードが発せられているか判断したり、声のトーンが高すぎず、低すぎないか判断したり、しゃべり方が速すぎず、遅すぎないか判断したり、あるいは顧客からの質問に適切に回答できるか判断したりするものである。この顧客からの質問は予めトレーニング機能が想定質問集を準備しており、ランダムにあるいは過去の外勤者の正答率から推定して適切な質問を発するように構成することができる。また、このトレーニングは外勤時間外で行われた場合には、トレーニングに対する報酬が発生するように構成することも考えられる。さらに、外勤管理者がそのトレーニング履歴を閲覧することができるように構成し、場合によっては管理者から外勤者に対してSNS等連動しているコミュニケーション機能を用いて感想を述べたり指導したりできるように構成することが好ましい。そして、トレーニング機能も判断結果に基づいて外勤者に対して適切な指導、アドバイスを行うように構成することが好ましい。
【0069】
<処理の流れ>
図7は、本実施例にかかる外勤者業務管理システムを用いた場合の処理の流れの一例を示すためのフローチャートである。まず外勤者業務管理サーバから利用端末に外勤者資料を一以上出力する(ステップS0701)。利用端末側では出力された外勤者資料を取得する(ステップS0702)。次に、取得された外勤者資料を訪問先で利用するために選択する(ステップS0703)。選択された外勤者資料は、利用のために出力される(ステップS0704)。その後、利用された外勤者資料に関する情報である利用外勤者資料情報を生成する(ステップS0705)。生成された利用外勤者資料情報は外勤者業務管理サーバに対して出力される(ステップS0706)。外勤者業務管理サーバでは利用外勤者資料情報を外勤者と関連付けて利用資料情報として取得する(ステップS0707)。取得された利用資料情報は閲覧が可能となる(ステップS0708)。
【0070】
<ハードウエア構成>
図8は、本実施例にかかる外勤者業務管理システムのハードウエア構成の一例を示す図である。以下、この図を用いて説明する。
【0071】
この図にあるように、本実施例にかかる外勤者業務管理システムは、利用端末と外勤者業務管理サーバとからなる。外勤者業務管理サーバには各種演算処理を行う「CPU(中央演算装置)」(0801)と、HDDやフラッシュメモリなどの「不揮発性メモリ」(0802)と、揮発性の記憶媒体である「RAM」(0803)と、外部と通信を行うための「ネットワークI/F」(0804)を少なくとも備えている。そして、それらが「システムバス」(0805)などのデータ通信経路によって相互に接続され、情報の送受信や処理を行う。利用端末には各種演算処理を行う「CPU(中央演算装置)」(0811)と、フラッシュメモリなどの「不揮発性メモリ」(0812)と、揮発性の記憶媒体である「RAM」(0813)と、タッチパネル等の「U/I」(0814)と、位置情報を取得する「GPSモジュール」(0815)と、ワイヤレスネットワークを介して通信を行う「ワイヤレス通信モジュール」(0816)と、を備えている。そして、それらが「システムバス」(0817)などのデータ通信経路によって相互に接続され、情報の送受信や処理を行う。
【0072】
まず、外勤者業務管理サーバの不揮発性メモリ(0802)に格納されているサーバ外勤者資料出力プログラムがRAM(0803)上に展開され、CPU(0801)にて実行される。同プログラムはネットワークI/F(0804)を介して不揮発性メモリ(0802)に保持されているn個の外勤者資料{D1、…、Dn}のうち、一以上の外勤者資料{Dk、…}(kは自然数)を利用端末に対して出力する。利用端末においては、外勤者資料取得プログラムがRAM(0813)上に展開され、CPU(0811)にて実行されており、ワイヤレス通信モジュール(0816)を介して外勤者資料{Dk、…}を取得してRAM(0813)上に保持する。次に、外勤者資料選択プログラムがRAM(0813)上に展開されCPU(0811)にて実行される。同プログラムは、RAM(0813)上に保持されている外勤者資料{Dk、…}から、訪問先で利用するための端末外勤者資料{Dl、…}を選択しRAM(0813)上に保持する。次に端末外勤者資料出力プログラムがRAM(0813)上に展開され、CPU(0811)にて実行される。同プログラムは、選択された端末外勤者資料{Dl、…}をディスプレイやタッチパネル等のU/I(0814)やプリンタ等の出力デバイスに出力する。出力が完了すると、利用外勤者資料情報生成プログラムがRAM(0813)上に展開され、CPU(0811)にて実行される。同プログラムは、利用された端末外勤者資料に関する情報(外勤者資料ID等)を取得し利用外勤者資料情報{Il、…}として、RAM(0813)上に格納する。次に、利用外勤者資料情報出力プログラムがRAM(0813)上に展開され、CPU(0811)にて実行される。同プログラムは、RAM(0813)に格納されている利用外勤者資料情報{Il、…}と、利用端末の利用者IDの値Pと、をワイヤレス通信モジュール(0816)を介して外勤者業務管理サーバに対して出力を行う。外勤者業務管理サーバでは、利用外勤者資料情報取得プログラムがRAM(0803)上に展開され、CPU(0801)にて実行される。同プログラムはネットワークI/F(0804)を介して利用外勤者資料情報{Il、…}(利用資料情報として格納)と、利用端末の利用者IDの値Pと、を取得し、これらを関連付けてRAM(0803)上や不揮発性メモリ(0802)に格納する。格納された利用資料情報等は利用資料情報閲覧プログラムを実行することでディスプレイ等の出力デバイスにより閲覧が可能である。
【実施例3】
【0073】
<概要>
【0074】
実施例3では、映像通信部等により利用端末側の外勤者と外勤者業務管理サーバの管理者との間で映像による意思伝達が可能な外勤者業務管理システムを提供する。本実施例の外勤者業務管理システムによれば、顧客への訪問前に身だしなみなどのチェックのために利用端末側にて外勤者を撮影し、業務管理サーバに出力するといった処理が可能である。また、さらに機能を追加した構成とすることで、業務管理サーバ側においても管理者等の映像を取得して、利用端末に対して出力を行うことも可能である。
可能である。
【0075】
以下、機能的構成、処理の流れ、ハードウエア構成を順に説明する。
【0076】
<機能的構成>
図9は、本実施例にかかる外勤者業務管理システムの機能的構成を示す図である。本実施例にかかる外勤者業務管理システムは、「外勤者業務管理サーバ」(0901)と、「利用端末」(0902)と、からなる。「外勤者業務管理サーバ」(0901)は、「位置情報取得部」(0903)と、「開始終了領域保持部」(0904)と、「外勤開始信号受信部」(0905)と、「外勤開始領域適切性判断部」(0906)と、「外勤開始適切性判断結果出力部」(0907)と、「外勤終了信号受信部」(0908)と、「外勤終了領域適切性判断部」(0909)と、「外勤終了適切性判断結果出力部」(0910)と、を有する。「利用端末」(0902)は、「自端末位置情報取得部」(0911)と、「位置情報送信部」(0912)と、「外勤開始信号送信部」(0913)と、「外勤終了信号送信部」(0914)と、を有する。これらの構成については上記実施例にて説明済みであるので記載は省略する。本実施例の外勤者業務管理システムの特徴は、「外勤者業務管理サーバ」(0901)が「映像通信部」(0966)を有し、「利用端末」(0902)が、「外勤者映像取得部」(0921)と、「利用端末映像通信部」(0922)を新たに有する点である。
【0077】
「映像通信部」(0966)は「外勤者業務管理サーバ」(0901)において、利用端末から出力される映像を取得するための通信機能を有する。「映像」とは、上記のように訪問前の外勤者の身だしなみや表情のチェックを行うためのものや、訪問先の周囲を報告のため撮影されたものや、訪問先にて記録あるいは営業トークなどのスキル向上のために面会場面を撮影したもの、等が考えられ、ライブ動画であるか一旦記憶域に保存された動画であるかは問わない。当部の機能はCPUとRAM、RAM上に呼び出されCPUにて実行される映像通信プログラム、ネットワークI/Fなどで実現される。
【0078】
「外勤者映像取得部」(0921)は、「利用端末」(0902)において外勤者の映像等を取得するための機能を有する。「映像」とは上記で述べた通りである。当部の機能はCPUとRAM、RAM上に呼び出されCPUにて実行される外勤者映像取得プログラム、撮影を行うカメラなどで実現される。
【0079】
「利用端末映像通信部」(0922)は、取得した外勤者の映像等を外勤者業務管理サーバに出力し、外勤者業務管理サーバからの映像を取得する機能を有する。当部の機能はCPUとRAM、RAM上に呼び出されCPUにて実行される利用端末映像通信プログラム、ワイヤレス通信モジュール等により実現される。
【0080】
上記に加えて、「外勤管理者等映像取得部」(0967)をさらに有する構成が考えられる。当部は外勤者業務管理サーバ(0901)にて外勤管理者の映像等を取得し、映像通信部(0966)を介して外勤者が利用する利用端末(0902)に出力する機能を有する。「外勤管理者の映像等」は、管理者を撮影したものに限られない。外勤者教育を目的とした説明用動画や、e−learningのコンテンツ、訪問先で顧客に見せるための資料動画等も含まれる。例えば、資料動画や、外勤者および外勤管理者と、外勤者資料との両方を1つ以上の画面に同時に表示して、外勤者資料を共有しつつ、オンラインまたはオフラインにて映像によるコミュニケーションが可能なように構成された外勤管理者等映像などが考えられる。当部の機能はCPUとRAM、RAM上に呼び出されCPUにて実行される外勤管理者等映像取得プログラムやカメラ等により実現される。
【0081】
<処理の流れ>
図10は、本実施例にかかる外勤者業務管理システムを用いた場合の処理のうち外勤者業務管理サーバから利用端末への映像通信処理の流れの一例を示すためのフローチャートである。この図にあるようにまず、利用端末側で外勤者等の映像を取得する(ステップS1001)。次に、取得した外勤者の映像等を外勤者業務管理サーバに出力する(ステップS1002)。外勤者業務管理サーバでは出力された映像を受信する(ステップS1003)。
【0082】
図11は、本実施例にかかる外勤者業務管理システムを用いた場合の処理のうち利用端末から外勤者業務管理サーバへの映像通信処理の流れの一例を示すためのフローチャートである。この図にあるように、外勤者業務管理サーバにおいて、外勤管理者の映像等を取得する(ステップS1101)。次に、利用端末に出力する(ステップS1102)。利用端末側では外勤者業務管理サーバからの映像を取得する(ステップS1103)。
【0083】
<ハードウエア構成>
図12は、本実施例にかかる外勤者業務管理システムの映像通信処理に関するハードウエア構成の一例を示す図である。以下、この図を用いて説明する。
【0084】
この図にあるように、本実施例にかかる外勤者業務管理システムは、利用端末と外勤者業務管理サーバとからなる。外勤者業務管理サーバには各種演算処理を行う「CPU(中央演算装置)」(1201)と、フラッシュメモリなどの「不揮発性メモリ」(1202)と、揮発性の記憶媒体である「RAM」(1203)と、外部と通信を行うための「ネットワークI/F」(1204)を少なくとも備えている。そして、それらが「システムバス」(1205)などのデータ通信経路によって相互に接続され、情報の送受信や処理を行う。利用端末には各種演算処理を行う「CPU(中央演算装置)」(1211)と、フラッシュメモリなどの「不揮発性メモリ」(1212)と、揮発性の記憶媒体である「RAM」(1213)と、タッチパネル等の「U/I」(1214)と、位置情報を取得する「GPSモジュール」(1215)と、ワイヤレスネットワークを介して通信を行う「ワイヤレス通信モジュール」(1216)と、を備えている。そして、それらが「システムバス」(1217)などのデータ通信経路によって相互に接続され、情報の送受信や処理を行う。本実施例では、外勤者業務管理サーバおよび、利用端末が映像を取得する「カメラ」(1218、1206)を有していてもよい。
【0085】
まず、利用端末から外勤者業務管理サーバへの映像通信について記載する。利用端末の不揮発性メモリ(1212)に格納されている外勤者映像取得プログラムがRAM(1213)上に展開され、CPU(1211)にて実行される。同プログラムはカメラ(1218)を制御し、外勤者の映像を撮影することにより取得する。次に、利用端末映像通信プログラムがRAM(1213)上に呼び出されCPU(1211)にて実行され、同プログラムにより取得された映像がワイヤレス通信モジュール(1216)により外勤者業務管理サーバに向け出力される。外勤者業務管理サーバにおいては映像通信プログラムがRAM(1203)上に呼び出されCPU(1201)にて実行される。同プログラムはネットワークI/F(1204)を介して映像を取得し、RAM(1203)及び不揮発性メモリ(1202)等に映像データを格納する。
【0086】
つぎに、外勤者業務管理サーバから利用端末への映像通信について記載する。不揮発性メモリ(1202)に格納されている外勤管理者等映像取得プログラムがRAM(1203)上に展開され、CPU(1201)にて実行される。同プログラムはカメラ(1206)を制御し、外勤管理者の映像を撮影することにより取得する。映像通信プログラムがRAM上(1203)に呼び出されCPU(1201)にて実行され、同プログラムの制御により、取得された映像はネットワークI/F(1204)により利用端末に向け出力される。利用端末においては利用端末映像通信プログラムがRAM(1213)上に呼び出されCPU(1211)にて実行される。同プログラムはワイヤレス通信モジュール(1216)を介して映像を取得し、RAM(1213)及び不揮発性メモリ(1212)等に映像データを格納する。
【実施例4】
【0087】
<概要>
【0088】
実施例4にかかる外勤者業務管理システムは、上記外勤者業務管理システムを基本としてさらに、客先などへの訪問の記録である訪問報告を利用端末から外勤者業務管理サーバへ出力が可能である。
【0089】
以下、機能的構成、処理の流れ、ハードウエア構成を順に説明する。
【0090】
<機能的構成>
図13は、本実施例にかかる外勤者業務管理システムの機能的構成を示す図である。本実施例にかかる外勤者業務管理システムは、「外勤者業務管理サーバ」(1301)と、「利用端末」(1302)と、からなる。「外勤者業務管理サーバ」(1301)は、「位置情報取得部」(1303)と、「開始終了領域保持部」(1304)と、「外勤開始信号受信部」(1305)と、「外勤開始領域適切性判断部」(1306)と、「外勤開始適切性判断結果出力部」(1307)と、「外勤終了信号受信部」(1308)と、「外勤終了領域適切性判断部」(1309)と、「外勤終了適切性判断結果出力部」(1310)と、を有する。「利用端末」(1302)は、「自端末位置情報取得部」(1311)と、「位置情報送信部」(1312)と、「外勤開始信号送信部」(1313)と、「外勤終了信号送信部」(1314)と、を有する。これらの構成については上記実施例にて説明済みであるので記載は省略する。本実施例の外勤者業務管理システムの特徴は、「外勤者業務管理サーバ」(1301)が、「訪問報告取得部」(1368)と、「訪問報告保持部」(1369)と、「訪問報告閲覧部」(1370)と、を有し、「利用端末」(1302)が、「訪問報告入力受付部」(1323)と、「訪問報告出力部」(1324)と、を新たに有する点である。
【0091】
「訪問報告取得部」(1368)は外勤者業務管理サーバ(1301)において、外勤者の利用端末から訪問報告を取得する機能を有する。「訪問報告」とは外勤者が客先等を訪問した際に文書、映像等による記録である。具体的には、訪問場所、訪問日時、天気、訪問先企業名、訪問先担当者名、訪問目的、交通手段、交通費、面談の内容及び議事録、次回訪問予定等の少なくとも一つの情報が含まれる。「取得」とは通信により訪問報告データを受け取ることを指す。当部の機能はCPUとRAM、RAM上に呼び出されCPUにて実行される訪問報告取得プログラムとネットワークI/F等で実現される。
【0092】
「訪問報告保持部」(1369)は取得した訪問報告を保持する機能を有する。訪問報告取得部(1368)より入力として訪問報告データを受け取り、RAMや不揮発性メモリに格納し、一時的または恒久的に保存する。
【0093】
「訪問報告閲覧部」(1370)は、保持されている訪問報告を閲覧する機能を有する。「訪問報告保持部」(1369)に保持されている訪問報告データにアクセスし、閲覧プログラムによりディスプレイやプリンタ等の出力デバイスに出力する。「閲覧」とはデータを保持された形式や内容そのままで出力する態様が基本であるが、テキストデータであれば要約化して表示したり、キーワードを抽出し表示したり、所定のルールでインデックス化したものに対して検索を行い、結果を表示する等の態様も「閲覧」に含まれるものとする。当部の機能はCPUやRAM、RAM上に呼び出されCPUにて実行される訪問報告閲覧プログラムやディスプレイやプリンタ等の出力デバイス等により実現される。
【0094】
「訪問報告入力受付部」(1323)は、利用端末(1302)において、外勤者による訪問報告の入力を受付ける機能を有する。「入力受付」とは、キーボード、マウス、タッチパネル、音声認識等の入力デバイスにより訪問報告を入力することを意味し、入力された訪問報告は後述の訪問報告出力部(1324)に対して出力を行う。当部の機能はCPUやRAM、RAM上に呼び出されCPUにて実行される訪問報告入力受付プログラム、タッチパネル等のU/Iにより実現される。
【0095】
「訪問報告出力部」(1324)は、入力を受付けた訪問報告を外勤者業務管理サーバに出力する機能を有する。具体的には、訪問報告入力受付部(1323)より訪問報告データを受け取り、通信により外勤者業務管理サーバの訪問報告取得部(1368)に対して送信する。当部の機能は、CPUやRAM、RAM上に呼び出されCPUにて実行される訪問報告出力プログラム、ワイヤレス通信モジュール等で実現される。
【0096】
<処理の流れ>
図14は、本実施例にかかる外勤者業務管理システムを用いた場合の処理の流れの一例を示すためのフローチャートである。この図にあるように、利用端末側で訪問報告の入力を受け付ける(ステップS1401)。次に入力を受け付けた訪問報告を外勤者業務管理サーバに出力する(ステップS1402)。外勤者業務管理サーバでは利用端末から訪問報告を取得する(ステップS1403)。取得後、訪問報告を閲覧する(ステップS1404)。
【0097】
<ハードウエア構成>
図15は、本実施例にかかる外勤者業務管理システムのハードウエア構成の一例を示す図である。以下、この図を用いて説明する。この図にあるように、本実施例にかかる外勤者業務管理システムは、利用端末と外勤者業務管理サーバとからなる。外勤者業務管理サーバには各種演算処理を行う「CPU(中央演算装置)」(1501)と、フラッシュメモリなどの「不揮発性メモリ」(1502)と、揮発性の記憶媒体である「RAM」(1503)と、外部と通信を行うための「ネットワークI/F」(1504)、ディスプレイやビデオカード、プリンタ等の「出力デバイス」(1507)を少なくとも備えている。そして、それらが「システムバス」(1505)などのデータ通信経路によって相互に接続され、情報の送受信や処理を行う。利用端末には各種演算処理を行う「CPU(中央演算装置)」(1511)と、フラッシュメモリなどの「不揮発性メモリ」(1512)と、揮発性の記憶媒体である「RAM」(1513)と、タッチパネル等の「U/I」(1514)と、位置情報を取得する「GPSモジュール」(1515)と、ワイヤレスネットワークを介して通信を行う「ワイヤレス通信モジュール」(1516)と、を備えている。そして、それらが「システムバス」(1517)などのデータ通信経路によって相互に接続され、情報の送受信や処理を行う。
【0098】
まず、利用端末側で訪問報告入力受付プログラムが不揮発性メモリ(1512)からRAM(1513)に呼び出されCPU(1511)にて実行される。同プログラムは、キーボードやマウス等のU/I(1514)を介して訪問報告の入力を受付ける。次に、訪問報告出力プログラムが不揮発性メモリ(1512)からRAM(1513)に呼び出されCPU(1511)にて実行される。同プログラムは、受付けられた訪問報告データを、ワイヤレス通信モジュール(1516)を介して外勤者業務管理サーバに出力する。外勤者業務管理サーバでは、訪問報告取得プログラムが不揮発性メモリ(1502)からRAM(1503)に呼び出されCPU(1501)にて実行され、訪問報告データをネットワークI/F(1504)を介して受信する。受信した訪問報告データはRAM(1503)や不揮発性メモリ(1502)に格納される。格納されたデータは訪問報告閲覧プログラムが不揮発性メモリ(1502)からRAM(1503)に呼び出されCPU(1501)にて実行されることで、ディスプレイやプリンタ等の出力デバイス(1507)を介して閲覧される。
【符号の説明】
【0099】
0201:外勤者業務管理サーバ
0202:利用端末
0203:位置情報取得部
0204:開始終了領域保持部
0205:外勤開始信号受信部
0206:外勤開始領域適切性判断部
0207:外勤開始適切性判断結果出力部
0208:外勤終了信号受信部
0209:外勤終了領域適切性判断部
0210:外勤終了適切性判断結果出力部
0211:自端末位置情報取得部
0212:位置情報送信部
0213:外勤開始信号送信部
0214:外勤終了信号送信部
【要約】
【課題】高いデータの信頼性を持つ勤怠情報の蓄積のため、従業員等が適切な場所で勤務開始および勤務終了の打刻を行っているか否かの判断を実行することが可能な業務管理システムの提供。
【解決手段】従業員等が位置情報を取得可能な利用端末を外勤開始時または外勤終了時に操作することで外勤開始信号または外勤終了信号を位置情報と共に外勤者業務管理サーバを送信し、サーバではあらかじめ外勤者ごとに保持された外勤開始領域または外勤者外勤終了領域と受信した位置情報との関係を判断することで、適切な場所で外勤開始信号または外勤終了信号が送信されたか否かの判断結果を出力することの可能な外勤者業務管理システムを提供する。
【選択図】図2
図1
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図15