【文献】
淵田 康之,ブロックチェーンと金融取引の革新,野村資本市場クォータリー,日本,株式会社野村資本市場研究所,2015年11月 1日,第19巻第2号,p.21-23
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
請求項1に記載の方法において、前記ブロックチェーンデータは、ネットワーク識別子と、ネットワークアドレスと、送信者アドレスと、受信者アドレスと、通貨金額との少なくとも1つを含む、方法。
請求項1に記載の方法において、前記トランザクションデータ値は、トランザクション金額、トランザクション時刻、トランザクション日付、主要アカウント番号、販売者識別子、発行者識別子、アクワイアラ識別子、プロセッサ識別子、及び地理的位置の少なくとも1つを含む、方法。
請求項1に記載の方法において、前記1以上の認証規則の前記少なくとも1つは、主要アカウント番号と、個人識別番号と、販売者識別子と、前記トランザクションデータ値に含まれる地理的位置との少なくとも1つを認証することを含む、方法。
請求項1に記載の方法において、前記1以上の検証規則の前記少なくとも1つは、送信者アドレスと、受信者アドレスと、ブロックチェーンアドレスと、前記ブロックチェーンデータに含まれる通貨金額との少なくとも1つを検証することを含む、方法。
請求項11に記載のシステムにおいて、前記ブロックチェーンデータは、ネットワーク識別子と、ネットワークアドレスと、送信者アドレスと、受信者アドレスと、通貨金額との少なくとも1つを含む、システム。
請求項12に記載のシステムにおいて、前記ブロックチェーンネットワークは前記ブロックチェーンデータに含まれる前記ネットワーク識別子に関連付けられる、システム。
請求項11に記載のシステムにおいて、前記トランザクションデータ値は、トランザクション金額、トランザクション時刻、トランザクション日付、主要アカウント番号、販売者識別子、発行者識別子、アクワイアラ識別子、プロセッサ識別子、及び地理的位置の少なくとも1つを含む、システム。
請求項11に記載のシステムにおいて、前記1以上の認証規則の前記少なくとも1つは、主要アカウント番号と、個人識別番号と、販売者識別子と、前記トランザクションデータ値に含まれる地理的位置との少なくとも1つを認証することを含む、システム。
請求項11に記載のシステムにおいて、前記1以上の検証規則の前記少なくとも1つは、送信者アドレスと、受信者アドレスと、ブロックチェーンアドレスと、前記ブロックチェーンデータに含まれる通貨金額との少なくとも1つを検証することを含む、システム。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示の更なる応用分野は、下記の詳細な説明から自明である。例示的実施形態の詳細な説明は、例示目的のみを意図しており、本開示の範囲を必要的に制限することを意図しない。
【0011】
用語解説
支払ネットワーク:現金代替物の使用によって、資金移転で使用されるシステム又はネットワーク支払ネットワークは、トランザクション処理ネットワークとして本開示で参照されるが、様々な異なるプロトコル及び手順を使用して、様々なタイプのトランザクションのために資金移転を処理してよい。支払ネットワークを介して実行されるトランザクションは、商品又は役務の購入と、クレジット購入と、デビットトランザクションと、資金移転と、口座引き落とし等とを含んでよい。支払ネットワークは、現金代替物によってトランザクションを実行するよう構成されてよく、これは支払カードと、信用紹介状と、小切手と、トランザクションアカウントとを含んでよい。支払ネットワークとして実行されるネットワーク又はシステムの例は、MasterCard(登録商標)、VISA(登録商標)、Discover(登録商標)、American Express(登録商標)、PayPal(登録商標)等によって操作されるものを含む。本書での「支払ネットワーク」又は「トランザクション処理ネットワーク」との用語は、エンティティとしての支払ネットワークと、物理的支払ネットワーク(例えば、支払ネットワークを含む、機器、ハードウェア、及びソフトウェア)との両方を指す。
【0012】
ブロックチェーン:ブロックチェーンを基礎とした通貨の全てのトランザクションの公共台帳(public ledger)である。1以上のコンピュータ装置は、ブロックチェーンネットワークを含んでよく、これはブロックチェーンにおけるブロックの一部としてトランザクションを処理及び記録するよう構成されてよい。一旦ブロックが完成すると、当該ブロックはブロックチェーンへ追加され、したがってトランザクション記録が更新される。多くの実施形態では、ブロックチェーンは時系列順のトランザクションの台帳であってよいし、ブロックチェーンネットワークによる使用に適した他の順番で提示されてもよい。いくつかの実施形態では、ブロックチェーンで記録されたトランザクションは、宛先アドレスと通貨金額とを含んでよい。これによりブロックチェーンは、どれほどの通貨が特定のアドレスへ帰属するかを記録する。いくつかの実施形態では、追加情報(例えばソースアドレス、タイムスタンプ等)が捕捉されてよい。いくつかの実施形態では、ブロックチェーンはまた、追加の、又はいくつかの実施形態では、任意のデータを含んでよい。これは、プルーフオブワークを通るブロックチェーンネットワークによって、及び/又は、それに関連付けられた他の任意の適切な検証技術によって、確認及び有効化される。いくつかの実施形態では、そのようなデータはトランザクションの一部としてブロックチェーンに含まれてよい(例えばトランザクションデータに付加される追加データに含まれる)。いくつかの実施形態では、そのようなデータをブロックチェーンに含めることは、トランザクションを構成してよい。そのような実施形態では、ブロックチェーンは特敵のデジタル通貨、仮想通貨、不換通貨又は他の種別の通貨に直接的に関連付けられなくてよい。
【0013】
ブロックチェーン及びトランザクション処理ネットワークを介したトランザクションの確認システム
図1は、トランザクション処理ネットワークを有するブロックチェーンネットワークの支援によって電子的支払トランザクションを確認すること(及び、ブロックチェーンネットワークを有するトランザクション処理ネットワークの支援によってブロックチェーントランザクションを確認すること)のためのシステム100を示す。
【0014】
システム100は処理サーバ102を含んでよい。処理サーバ102は、下記で詳述されるが、支払ネットワーク106を用いて処理される電子的支払トランザクションと、ブロックチェーンネットワーク114に関連付けられたブロックチェーントランザクションとの両方を確認することを支援するよう構成されてよい。処理サーバ102は支払ネットワーク106のコンピューティングシステムの一部であってよいし、支払レール(これは本開示では、支払トランザクションの処理と、支払ネットワーク106と当該支払ネットワークに相互接続された他のエンティティ(例えば処理サーバ102)との間でのトランザクションメッセージ及び他の類似データの通信とにおいて使用される支払ネットワーク106に関連付けられた基盤を示してよい)を用いて支払ネットワーク106と通信する構成された、支払ネットワーク106の外部であってよい。支払レールは、支払ネットワークと、支払ネットワーク及び他の関連エンティティ(例えば金融機関、ゲートウェイプロセッサ等)の間の相互接続とを確立するために使用されるハードウェアを含んでよい。いくつかの実施形態では、処理サーバ102はトランザクション処理装置108であってよく、これは従来の方法を用いた電子的支払トランザクションの処理において使用される支払ネットワーク106に関連付けられたコンピューティング装置であってよい。支払ネットワーク106とトランザクション処理装置108とについての追加の詳細は、
図7に示す処理700に関して後述される。
【0015】
処理サーバ102は金融機関104と通信するよう構成されてよい。いくつかの実施形態では、処理サーバ102は金融機関104のコンピューティング装置の一部であってよい。他の実施形態では処理サーバ102は、適切な通信ネットワーク(例えばインターネット、ローカルエリアネットワーク、無線エリアネットワーク、無線周波数ネットワーク等)を用いて、金融機関104と通信してよい。金融機関104は支払トランザクションの実行及び処理に関わるエンティティ(例えば参加者(例えば支払人又は受取人)、アカウント保有者、ゲートウェイプロセッサ等)であってよい。いくつかの実施形態では、金融機関104は発行者110であってよく、これは金融機関(例えば、支払トランザクションへ資金供給するために使用されるトランザクションアカウントを発行する発行者銀行)であってよい。他の実施形態では、金融機関104はアクワイアラ112であってよく、これは金融機関(例えば、支払トランザクションの資金を受け取るために使用されるトランザクションアカウントを発行する加盟店銀行)であってよい。いくつかの実施形態では、金融機関104は発行者110及びアクワイアラ112の両方であってよく、いくつかの実施形態では、発行者110及びアクワイアラ112の両方としてトランザクションに参加してよい。
図1に示すように、処理サーバ102及びトランザクション処理装置108は1以上の金融機関104、発行者110、アクワイアラ112及び電子的支払トランザクション及びブロックチェーントランザクションの処理に関わる他のエンティティと、通信するよう構成されてよい。
【0016】
いくつかの実施形態では、処理サーバ102はブロックチェーンネットワーク114内のノードであってよい。ブロックチェーンネットワーク114内のノードとして、処理サーバ102はブロックチェーントランザクションを、ブロックチェーンネットワーク114に関連付けられたブロックチェーンへ送信するよう構成されてよく、また、ブロックチェーンへポスト(送信)されるトランザクションを確認するよう構成されてもよい。ブロックチェーンへ送信されるトランザクションを確認する方法は、当業者にとって自明であり、例えば、プルーフオブワーク算出及び確認を含んでよい。いくつかの実施形態では、トランザクション処理装置108はブロックチェーンネットワーク114のノードとして構成されてよい。いくつかの実施形態では、処理サーバ102及び1以上のトランザクション処理装置108は、ブロックチェーンネットワーク114を含んでよい。そのようなブロックチェーンネットワーク114は、「私的」ブロックチェーンネットワーク114又は「信頼された」ブロックチェーンネットワークを指してよく、「私的」又は「信頼された」ブロックチェーンに関連付けられてよい。いくつかの実施形態では、処理サーバ102はブロックチェーンネットワーク114内の優先ノードであってよい。このため処理サーバ102からブロックチェーンへ送信されるトランザクションは高い優先度で検証されてよいし、本開示の処理の結果として関連ブロックチェーンへ迅速に追加するために処理サーバ102によって事前検証されたものと考慮されてよい。
【0017】
いくつかの実施形態では、処理サーバ102はブロックチェーンネットワーク114(例えば処理サーバ102及びトランザクション処理装置108を含んでよい)に関連付けられた私的ブロックチェーンを使用することによって支払ネットワーク106を介して処理される電子的支払トランザクションを確認するよう構成されてよい。本開示のように、「私的」ブロックチェーンは公衆アクセス可能でないブロックチェーンを指してよい。これにより、認証されたコンピューティング装置及び/又はシステムだけが、ブロックチェーンへトランザクションを送信するよう構成されてよい。
【0018】
従来の電子的支払トランザクションでは、支払トランザクションに関わる販売者に関連付けられたアクワイアラ112は、トランザクション処理装置108を介して、支払ネットワーク106へトランザクションメッセージを提出してよい。トランザクションメッセージは、金融トランザクションメッセージの交換を管理する1以上の基準(例えば国際標準化機構のISO8583標準)にしたがって整形される、特別整形データメッセージであってよい。トランザクションメッセージは、関連基準に規定されたデータを格納するよう構成される複数のデータ要素(例えば支払トランザクションへ資金供給するために使用される主要アカウント番号と、トランザクション金額と、地理的位置と、販売者識別子と、アクワイアラ識別子と、発行者識別子と、金融機関データと、通貨データと、販売時点データと、それらの処理に有用な支払トランザクションに関連付けられた他のデータと、を格納するよう構成されたデータ要素)を含んでよい。いくつかの実施形態では、トランザクションメッセージはまた、メッセージ種別指示子を含んでよい。これは、トランザクションメッセージの種別を示してよい。例えばメッセージ種別指示子は、承認要求、承認応答、清算記録、決算要求、決算記録等としてトランザクションメッセージを示してよい。
【0019】
トランザクションメッセージはアクワイアラ112によって、トランザクション処理装置108へ電子的に送信されてよく、その後、支払レールと、又はトランザクションメッセージの安全な送信のために構成された適切な代替通信ネットワークとを用いて支払ネットワーク106へ送信されてよい。支払ネットワーク106又はトランザクション処理装置108は、トランザクションメッセージを処理サーバ102へ転送するよう構成されてよく、私的ブロックチェーンを用いた改良版確認を行ってよい。いくつかの実施形態では、トランザクションメッセージは、支払ネットワーク106を用いた支払トランザクションの従来的処理よりも前に、処理サーバ102へ転送されてよい。他の実施形態では、支払トランザクションは、トランザクションメッセージを処理サーバ102へ転送する前に処理されてよい(例えば関連発行者110によって承認され、承認応答がアクワイアラ112へ返信されてよい)。
【0020】
処理サーバ102はトランザクションメッセージを受信してよい。これは複数のデータ要素を含んでよく、その各々は関連支払トランザクションに関連付けられたトランザクションデータ値を格納するよう構成される。処理サーバ102はデータ記録を生成するよう構成されてよい。これは、私的ブロックチェーンに送信されるブロックチェーントランザクションに対応してよい。データ記録は、トランザクションメッセージに含まれるメッセージ種別指示子と、トランザクションメッセージ内の対応データ要素に格納されるトランザクションデータ値の1以上とを含んでよい。データ記録は次いで処理サーバ102によって私的ブロックチェーンへ送信されてよい。データ記録は、関連ブロックチェーンネットワーク114に含まれる1以上のノード(例えばブロックチェーンネットワーク114を含むトランザクション処理装置108)によってその後検証されてよい。次いで、データ記録はブロックチェーンの一部であってよい。これはしたがって、ブロックチェーンにアクセスするよう構成される任意のエンティティ(例えば支払トランザクションに関わるアクワイアラ112及び/又は発行者110、第三者金融機関104、又は電子的支払トランザクションに関わる消費者若しくは販売者等)によって独立して検証可能であってよい。私的ブロックチェーンはしたがって、第三者検証のための処理済み支払トランザクションの、安全で信頼できる公衆アクセス可能な記録として使用されてよい。
【0021】
例えばブロックチェーンに送信されるデータ記録は、関連電子的支払トランザクションの追加検証において使用するのに有益なトランザクションデータ値(例えばトランザクション金額、トランザクション時刻及び/又は日付、地理的位置、販売者名等)を含んでよい。いくつかの実施形態では、生成されたデータ記録はトランザクションアカウント番号を含まなくてよい。いくつかの実施形態では、1以上のトランザクションデータ値はハッシュ化されてよい。これにより当該値は、取得可能な基礎に有るトランザクションデータ値無しに、生成されたデータ記録によって検証される。例えば、支払トランザクションへ資金供給するために使用されるトランザクションアカウントに関連付けられた主要アカウント番号はハッシュ化されてよい。これにより支払人は、ハッシュ化された主要アカウント番号を用いて検証可能だが、私的ブロックチェーンへ送信されるデータ記録によって取得可能な実際の主要アカウント番号は不要である。
【0022】
私的ブロックチェーンを用いつつ、支払ネットワーク106を用いて処理される支払トランザクションを確認するよう構成されると共に、処理サーバ102はまた、ブロックチェーンネットワーク114に関連付けられたブロックチェーンへ送信されるブロックチェーントランザクションを、支払ネットワーク106と関連支払レールとを介して、確認するよう構成されてよい。そのような実施形態では、処理サーバ102は支払ネットワーク106と、トランザクション処理装置108と、金融機関104と、ブロックチェーンネットワーク114と、又は、他の適切なエンティティとから、支払レールを介してトランザクションメッセージを受信してよい。トランザクションメッセージは1以上の基準(例えばISO8583標準)に基づいて整形されてよく、トランザクションデータ値とブロックチェーンデータとを含むデータを格納するよう構成された複数のデータ要素を含んでよい。
【0023】
ブロックチェーンデータは、ブロックチェーントランザクションに関連付けられたデータ(例えば送信者アドレス、宛先又は受信者アドレス、ネットワーク識別子、ネットワークアドレス、通貨金額等)であってよい。いくつかの実施形態では、ブロックチェーンデータ内の各データ値は、受信されたトランザクションメッセージ内の別のデータ要素に格納されてよい。他の実施形態では全てのブロックチェーンデータは単一のデータ要素に格納されてよい。いくつかの実施形態では、ブロックチェーンデータを格納するよう構成されるデータ要素は、関連整形標準に示されるように、私的使用のために保存されてよい。
【0024】
処理サーバ102は複数のトランザクション規則を格納して、支払トランザクション及びブロックチェーントランザクションを検証及び認証してよい。トランザクション規則は、トランザクションメッセージ内の対応データ要素に格納されたトランザクションデータ値を認証するよう構成された認証規則を含んでよいし、ブロックチェーントランザクションに関連付けられたブロックチェーンデータを検証するよう構成された検証記憶を含んでよい。ブロックチェーンデータを含むトランザクションメッセージを受信すると、処理サーバ102は認証規則を、格納されたトランザクションデータ値へ適用し、検証規則を、格納されたブロックチェーンデータへ適用して、認証及び検証スコアをそれぞれ生成してよい。認証スコアは、例えば販売者識別子を地理的位置と比較し、トランザクション金額をブロックチェーン通貨金額へ比較すること等に基づいて、詐欺の可能性を示してよい。検証スコアは、例えば通貨金額及び送信者アドレス(例えばもし送信者アドレスが、以前のブロックチェーントランザクションに基づいて、十分な通貨へアクセスを有する場合)に基づいて、ブロックチェーントランザクションについての詐欺の可能性を示してよい。
【0025】
処理サーバ102はトランザクションメッセージからのブロックチェーンデータを含むデータメッセージ、又は、識別された認証及び検証スコアを生成してよく、当該データメッセージをブロックチェーンネットワーク114へ電子的に送信してよい。ブロックチェーンネットワーク114は、認証及び検証スコアに応じて、関連ブロックチェーンへの送信のためにブロックチェーンデータを評価してよい。例えばブロックチェーンネットワーク114は、検証スコア及び/又は認証スコアが超過しなくてはならない閾値を有してよい。当該閾値は、ブロックチェーンデータをブロックチェーンへと新たなトランザクションとして送信するためのものである。いくつかの実施形態では、ブロックチェーンネットワーク114は認証スコア及び検証スコアについて異なる閾値を有してよい。いくつかの実施形態では、あるブロックチェーンネットワーク114は、別のブロックチェーンネットワーク114とは異なる閾値を有してよい(例えば処理サーバ102が1以上のブロックチェーンについて支払ネットワーク106を用いて、ブロックチェーントランザクションに対して改良版検証を提供するよう構成される場合)。
【0026】
本開示の方法及びシステムは、処理サーバ102が、私的の信頼されたブロックチェーンによって電子的支払トランザクションの追加検証(及び、信頼された支払ネットワークにおいて電子的に送信されるトランザクションメッセージを使用することによる、ブロックチェーントランザクションに対する追加検証)を提供することを可能にする。したがって、処理サーバ102は電子的支払トランザクションとブロックチェーントランザクションとの両方につき改良版検証を提供してよい。これは、両方の種別のトランザクションにつき高い安全性と、低減された詐欺をもたらし、高度の消費者プライバシーを保護及び維持する。
【0027】
処理サーバ
図2は、システム100の処理サーバ102の実施形態を示す。当業者にとって、
図2に示す処理サーバ102の実施形態が、例示目的のみで提供されることと、本開示の機能を実行するのに適した、処理サーバ102の全ての可能な構成を徹底的に示したものでないことは自明である。例えば
図8に示され下記で一層詳細に説明されるコンピュータシステム800が、処理サーバ102の適切な構成であってよい。
【0028】
処理サーバ102は受信装置202を含んでよい。受信装置202は1以上のネットワークプロトコルを介して1以上のネットワーク上でデータを受信するよう構成されてよい。いくつかの実施形態では、受信装置202は支払レール上で、機密金融データ及び情報を含むトランザクションメッセージの送信のために例えば支払ネットワーク106に関連付けられた特別構成インフラストラクチャを用いて、データを受信するよう構成されてよい。いくつかの実施形態では、受信装置202はまた、金融機関104、支払ネットワーク106、トランザクション処理装置108、発行者110、アクワイアラ112、ブロックチェーンネットワーク114、及び他のエンティティから、代替ネットワーク(例えばインターネット)を介してデータを受信するよう構成されてよい。いくつかの実施形態では、受信装置202は複数の装置(例えば、異なるネットワーク上でデータを受信する異なる受信装置(例えば支払レール上でデータを受信する第1の受信装置と、インターネット上でデータを受信する第2の受信装置))を含んでよい。受信装置202は送信される電子的なデータ信号を受信してよい。このとき、受信装置202によるデータ信号の受信によって、データはデータ信号上に重ねられ、復号、解析(パース)、読取り、又は取得されてよい。いくつかの実施形態では、受信装置202は、受信されたデータ信号を解析して、そこに重畳されたデータを取得するための解析モジュールを含んでよい。例えば受信装置202は、受信されたデータ信号を受信し、処理装置によって実行される機能のための利用可能な入力へと変換して本開示の方法及びシステムを実行するよう構成される解析プログラムを含んでよい。
【0029】
受信装置202はトランザクション処理装置108、支払ネットワーク106及び金融機関104からデータ信号を受信するよう構成されてよい。これは、トランザクションメッセージに重畳され、また、支払レールを介して電子的に送信されてよい。トランザクションメッセージは1以上の基準(例えばISO8583標準)に基づいて整形されてよく、複数のデータ要素を含んでよい。各データ要素は、関連標準に規定されるようにトランザクションデータ値を格納するよう構成されてよい。いくつかの実施形態では、1以上のデータ要素はまた、ブロックチェーントランザクションに関連付けられたブロックチェーンデータを格納するよう構成されてよい。いくつかの実施形態では、トランザクションメッセージはメッセージ種別指示子を含んでよい。これはトランザクションメッセージの種別(例えば承認要求又は応答、清算記録又は決算記録等)を示す。受信装置202はまた、ブロックチェーンデータを、ブロックチェーンネットワーク114から受信するよう構成されてよい。ブロックチェーンデータはブロックチェーンと、当該ブロックチェーンに含まれる関連データ記録とを含んでよい。
【0030】
処理サーバ102はまた通信モジュール204を含んでよい。通信モジュール204は、本開示の機能を実行する際に使用するために、モジュール、エンジン、データベース、メモリ、及び処理サーバ102の他の構成要素の間でデータを転送するよう構成されてよい。通信モジュール204は1以上の通信種別を含んでよく、コンピューティング装置内での通信のために様々な通信方法を使用してよい。例えば通信モジュール204はバス、接続ピンコネクタ、ケーブル等を含んでよい。いくつかの実施形態では、通信モジュール204はまた、処理サーバ102の内部構成要素と処理サーバ102の外部構成要素(例えば外部で接続されたデータベース、表示装置、入力装置等)との間で通信するよう構成されてよい。処理サーバ102はまた、処理装置を含んでよい。処理装置は本開示の処理サーバ102の機能を実行するよう構成されてよい。このことは、当業者にとって自明である。いくつかの実施形態では、処理装置は、処理装置の1以上の機能を実行するよう特別に構成された複数のエンジン及び/又はモジュール(例えば生成モジュール216、更新モジュール218、確認モジュール220、検証モジュール222、認証モジュール224等)を含んでよい。本開示のように、「モジュール」との用語は、入力を受信し、当該入力を使用して2以上の処理を実行し、且つ出力を提供するよう特別にプログラムされたソフトウェア又はハードウェアであってよい。様々なモジュールによって実行される当該入力、出力及び処理は、本開示に基づいて、当業者にとって自明である。
【0031】
いくつかの実施形態では、処理サーバ102はブロックチェーン206を含んでよい。ブロックチェーンネットワーク206は、適切なデータストレージ形式及びスキーマを用いて、複数のデータ記録208を格納するよう構成されてよい。ブロックチェーン206は任意の適切な方法(例えば構造照会言語を使用するリレーショナルデータベースに格納されるものであって、格納された構造化データセットを格納、識別、修正、更新、アクセス等するもの)にて整形されてよい。ブロックチェーン206内の各データ記録208はブロックチェーントランザクションに関連付けられてよく、そこに関連付けられたブロックチェーンデータ(例えば送信者アドレス、宛先アドレス、通貨金額)を含んでよい。
【0032】
処理サーバ102はまた、規則データベース210を含んでよい。規則データベース210は、適切なデータストレージ形式及びスキーマを用いて、複数の認証規則212と検証規則214とを格納するよう構成される。いくつかの実施形態では、規則データベース210は、構造照会言語を使用するリレーショナルデータベースであって、格納された構造化データセットを格納、識別、修正、更新、アクセス等するデータベースであってよい。認証規則212は、トランザクションメッセージのデータ要素に格納されるトランザクションデータ値に適用可能な規則を含む構造化データセットであってよく、それに基づいて認証スコアの生成を行う。検証規則214はブロックチェーンデータに適用可能な規則を含む構造化データセットであって、それに基づいて検証スコアの生成を行う。認証スコア及び検証スコアは、関連支払トランザクションにつき、詐欺の可能性又は対応する規則によって測定される他の値を示してよい。
【0033】
いくつかの実施形態では、処理サーバ102は問い合わせ(クエリ)モジュールを含んでよい。問い合わせモジュールはデータベース上のクエリを実行して情報を識別するよう構成されてよい。問い合わせモジュールは1以上のデータ値又はクエリ列を受信してよく、それに基づいて、示されたデータベース(例えばブロックチェーン206又は規則データベース210)上でクエリ列を実行して、そこに格納された情報を識別してよい。問い合わせモジュールは次いで、識別された情報を、必要に応じて処理サーバ102の適切なエンジン又はモジュールへ出力してよい。問い合わせモジュールは例えば、規則データベース210上でクエリを実行して、認証規則212及び検証規則214を識別してよい。当該認証規則212及び検証規則214は、含まれたブロックチェーンデータを関連ブロックチェーンネットワーク114へ転送する前に、スコア付けのために、受信されたトランザクションメッセージに格納されたデータへ適用される。
【0034】
処理サーバ102はまた更新モジュール218を含んでよい。更新モジュール218は更新データと、更新されるべきデータの指示子とを受信するよう構成され、当該示されたデータを適宜更新するよう構成されてよい。いくつかの実施形態では、更新モジュール218は、例えば更新用に示された日付を含むデータベース上でクエリを実行することによって、問い合わせモジュールを使用してよい。例えば更新モジュール218はクエリを実行して、新たなブロックチェーントランザクション(これに対し(例えば受信装置202によって受信されるトランザクションメッセージ内で)ブロックチェーンデータが受信される)に対応する1つのデータ記録208を追加することによって、ブロックチェーン206を更新してよい。いくつかの実施形態では、更新モジュール218は、処理サーバ102の1以上のモジュールへ、更新処理が完了したことを示す通知を出力してよい。
【0035】
処理サーバ102はまた確認モジュール220を含んでよい。確認モジュール220は受信装置202によって受信された及び/又は処理サーバ102に格納されたデータを確認するよう構成されてよい。例えば受信装置202は、ブロックチェーン206において更新モジュール218によって更新される新たなデータ記録208を受信してよい。確認モジュール220は1以上の適切な方法を用いて新たなデータ記録208(例えば対応ブロックチェーン206に関連付けられたプルーフオブワーク方法)を確認するよう構成されてよい。確認モジュール220は確認すべきデータを受信してよく、適切な確認方法を実行してよく、当該確認につき成功又は失敗の指示子を出力してよい。例えばもし新たなデータ記録208の確認が成功すれば、確認モジュール220は、どれがブロックチェーン206への(例えば更新モジュール218による)新たなデータ記録208の追加をもたらすか、及び/又は、対応ブロックチェーンネットワーク114及び/又は当該対応ブロックチェーンネットワーク114内の1以上のノードへの通知を送信する処理をもたらすか、を示してよい。
【0036】
処理サーバ102はまた検証モジュール222を含んでよい。検証モジュール222はブロックチェーントランザクションにつき、検証スコアを算出するよう構成されてよい。検証モジュール222は入力としてブロックチェーンデータを受信してよいし、1以上の検証規則214をブロックチェーンデータへ適用することによってブロックチェーンデータにつき検証スコアを算出するよう構成されてよい。いくつかの実施形態では、検証規則214は検証モジュール222へ提供されて使用されてよい。他の実施形態では検証モジュール222は使用のために、例えばブロックチェーンデータに基づいて、検証規則214を識別するよう構成されてよい。結果として生じる検証スコアは検証モジュール222によって送信装置226へと、対応ブロックチェーンネットワーク114への送信のために出力されてよい。
【0037】
処理サーバ102はまた認証モジュール224を含んでよい。認証モジュール224は電子的支払トランザクションにつき、認証スコアを算出するよう構成されてよい。認証モジュール224は入力としてトランザクションデータを受信してよいし、1以上の認証規則212をトランザクションデータ値へ適用することによってトランザクションデータ値につき認証スコアを算出するよう構成されてよい。いくつかの実施形態では、認証規則212は使用のために認証モジュール224へ提供されてよい。他の実施形態では、認証モジュール224は使用のために、例えばトランザクションデータ値に基づいて、認証規則212を識別するよう構成されてよい。結果として生じる認証スコアは認証モジュール224によって送信装置226へと、対応ブロックチェーンネットワーク114への送信のために出力されてよい。
【0038】
送信装置226は1以上のネットワークプロトコルを介して1以上のネットワーク上でデータを送信するよう構成されてよい。いくつかの実施形態では、送信装置226は支払レール上で、機密金融データ及び情報(例えば識別された支払証明書)を含むトランザクションメッセージの送信のために例えば支払ネットワーク106に関連付けられた特別構成インフラストラクチャを用いて、データを受信するよう構成されてよい。いくつかの実施形態では、送信装置226は金融機関104、支払ネットワーク106、トランザクション処理装置108、発行者110、アクワイアラ112、ブロックチェーンネットワーク114及び他のエンティティへ、データを代替ネットワーク(例えばインターネット)を介して送信するよう構成されてよい。いくつかの実施形態では、送信装置226は複数の装置(例えば、異なるネットワークを介してデータを送信するための異なる送信装置(例えば支払レール上でデータを受信する第1の送信装置とインターネット上でデータを送信する第2の送信装置))を含んでよい。送信装置226は、重畳されたデータであって受信コンピューティング装置によって解析されるデータを有するデータ信号を電子的に送信してよい。いくつかの実施形態では、送信装置226は、データを重畳し、エンコードし、又はデータを送信に適したデータ信号へ整形する1以上のモジュールを含んでよい。
【0039】
送信装置226は、新たなブロックチェーントランザクションをブロックチェーンネットワーク114へ送信するために、データ信号をブロックチェーンネットワーク114へ電子的に送信してよい。当該データは、認証モジュール224と検証モジュール222とによってそれぞれ算出される認証スコア及び検証スコア(及び受信装置202によって受信されるトランザクションメッセージに含まれるデータ要素に格納されるブロックチェーンデータ)を含んでよい。いくつかの実施形態では、送信装置226は当該データを、複数のブロックチェーンネットワーク114へ電子的に送信してよい。いくつかの実施形態では、ブロックチェーンネットワーク114は、ブロックチェーンデータに含まれブロックチェーンネットワーク114に関連付けられたネットワーク識別子に基づいて、送信のために識別されてよい。送信装置226はまた、確認データをブロックチェーンネットワーク114と、ブロックチェーンネットワーク114に関連付けられたノード(例えばトランザクション処理装置108)とへ、例えば新たに追加されたデータ記録208につき、送信するよう構成されてよい。
【0040】
処理サーバ102はまた、メモリ228を含んでよい。メモリ228は、本開示の機能を実行するときに処理サーバ102が使用するためのデータを格納するよう構成されてよい。メモリ228は、適切なデータ整形方法及びスキーマを用いてデータを格納するよう構成されてよく、また、任意の適切な種別のメモリ(例えば読み取り専用メモリ、ランダムアクセスメモリ等)であってよい。メモリ228は例えば暗号鍵及びアルゴリズム、通信プロトコル及び基準、データ整形基準及びプロトコル、モジュール用プログラムコード及び処理装置のアプリケーションプログラム、並びに、本開示の機能を実行する際に処理サーバ102によって使用される適切な他のデータを含んでよい。このことは、本開示を読む当業者にとって自明である。
【0041】
私的ブロックチェーンによる支払トランザクションの確認処理
図3は、私的ブロックチェーンの使用による、電子的支払トランザクションの確認処理を示す。
【0042】
ステップ302にて、処理サーバ102の受信装置202はトランザクションメッセージを受信してよい。トランザクションメッセージは支払ネットワーク106を介して処理サーバ102へ電子的に送信されてよく、1以上の基準(例えばISO8583標準)に基づいて整形されてよく、電子的支払トランザクションについてのトランザクションデータ値を格納するよう構成された少なくともデータ要素を含む複数のデータ要素を含んでよい。データ値は例えば、トランザクション金額、トランザクション時刻、トランザクションデータ、地理的位置、主要アカウント番号、消費者データ、販売者データ、発行者データ、アクワイアラデータ、販売時点データ、ロイヤルティデータ、報酬データ、オファーデータ、商品データ等を含んでよい。いくつかの実施形態では、トランザクションメッセージは承認要求を示すメッセージ種別指示子を含んでよい。
【0043】
ステップ304にて、処理サーバ102の生成モジュール216はデータ記録を生成してよい。データ記録は私的ブロックチェーンへの包含に適切なデータ記録であってよいし、関連電子的支払トランザクションの確認において使用するのに適したデータを含んでよい。含まれるデータは、トランザクションメッセージに含まれるデータ要素に格納されるトランザクションデータ値を含んでよい。いくつかの実施形態では、生成されたデータ記録に含まれるトランザクションデータ値の1以上は、1以上の適切なハッシュ及び暗号アルゴリズムを用いて、それぞれハッシュ化及び/又は暗号化されてよい。
【0044】
ステップ306にて、処理サーバ102の更新モジュール218は、生成されたデータ記録をブロックチェーンへ追加することによって、私的ブロックチェーンを更新してよい。いくつかの実施形態では、私的ブロックチェーンはローカルに格納されてよい。例えばブロックチェーン206は処理サーバ102内にローカルに格納される。他の実施形態では、私的ブロックチェーンはブロックチェーンネットワーク114に関連付けられてよい。ここでは、私的ブロックチェーンの更新処理は、生成されたデータ記録を、ブロックチェーンネットワーク114及び/又はそれに関連付けられた1以上のノードへ提出する処理を含んで、検証及び私的ブロックチェーンへの追加を行ってよい。
【0045】
ステップ308にて処理サーバ102の送信装置226はトランザクションメッセージを、処理のために支払ネットワーク106へ電子的に送信してよい。ステップ310にて、支払ネットワーク106はトランザクションメッセージを受信してよく、ステップ312にて、トランザクションメッセージを用いて、関連する電子的支払トランザクションを処理してよい。支払ネットワーク106は、当業者にとって自明な伝統的支払トランザクション処理方法と、
図7に示され且つ下記で詳述される処理700とを用いてよい。
【0046】
ステップ314にて、処理サーバ102の送信装置226は、更新されたブロックチェーンに重畳されたデータ信号を、トランザクション処理装置108へ電子的に送信してよい。そのような実施形態ではトランザクション処理装置108は、私的ブロックチェーンに関連付けられたブロックチェーンネットワーク114内のノードであってよい。これは、処理サーバ102を含んでよい。いくつかの実施形態では、ステップ314は、トランザクションが私的ブロックチェーンへ送信されたことの通知をトランザクション処理装置108へ送信することを含んでよい。そのような実施形態では、当該通知は、電子的支払トランザクションに対応する新たなデータ記録を識別する際に使用するのに適した1以上のトランザクションデータ値(例えばトランザクション識別子)を含んでよい。
【0047】
ステップ316にてトランザクション処理装置108は更新された私的ブロックチェーンを受信してよい。処理サーバ102が私的ブロックチェーンの更新通知を提供する実施形態では、ステップ316は、適切な方法を用いて、私的ブロックチェーンをブロックチェーンネットワーク114から検索することを含んでよい。ステップ318にて、トランザクション処理装置108は、私的ブロックチェーンへ追加された生成済みデータ記録を識別してよく、電子的支払トランザクションを確認してよい。電子的支払トランザクションの確認は、例えば清算記録に含まれるトランザクション金額と共にデータ記録に含まれるトランザクション金額を確認することによって、トランザクションメッセージ又は関連トランザクションメッセージに格納された確認トランザクションデータ値を含んでよい。いくつかの実施形態では、トランザクション処理装置108は、例えば処理サーバ102へ又は電子的支払トランザクションに関わるエンティティへ、確認結果を提供する。
【0048】
支払ネットワークを介するブロックチェーントランザクションを確認する処理
図4は支払ネットワーク106によって電子的に送信されたトランザクションメッセージとそこに格納されたデータとを使用することでブロックチェーントランザクションを確認する処理を示す。
【0049】
ステップ402にて金融機関104についてのコンピュータシステムは処理サーバ102へトランザクションメッセージを提出してよい。金融機関104は例えば、ブロックチェーントランザクションに関連付けられたデータを含む承認要求を、確認のために処理サーバ102へ生成及び提出するよう構成されるアクワイアラ112又はゲートウェイプロセッサであってよい。ステップ404にて、処理サーバ102の受信装置202はトランザクションメッセージを受信してよい。トランザクションメッセージは1以上の基準(例えばISO8583標準)に基づいて整形されてよくブロックチェーンデータと1以上の追加データ要素(これはトランザクションデータ値を格納するよう構成される)とを格納するよう構成された少なくとも1つのデータ要素を含む複数のデータ要素を含んでよい。ブロックチェーンデータは例えばネットワーク識別子(これは例えば、ブロックチェーントランザクションの送信先のブロックチェーンと関連付けられたブロックチェーンネットワーク114に関連付けられる)と、ネットワークアドレス(例えばブロックチェーントランザクションを送信する際に使用するもの)と、送信者アドレスと、宛先アドレスと、通貨金額と、任意の他の適切なデータとを含んでよい。
【0050】
トランザクションデータ値は、ブロックチェーントランザクションを確認する際に使用するのに適切なブロックチェーントランザクションに関連するデータ値(地理的位置、トランザクション金額、消費者データ、販売者データ等)を含んでよい。例えばトランザクションデータ値は、詐欺の可能性を判定する際に使用する、ブロックチェーントランザクションの支払人に対応する主要アカウント番号を含んでよい。他の実施形態では、トランザクションデータ値は地理的位置を含んでよく、また、ブロックチェーントランザクションの受取人に関連付けられた販売者識別子を含んでよい。このとき地理的位置は、販売者が真正であるか否かを識別するために使用されてよい。
【0051】
ステップ406にて処理サーバ102の認証モジュール224はブロックチェーントランザクションについての認証スコアを算出してよい。認証スコアは1以上の認証規則212を、トランザクションメッセージに含まれる対応データ要素に格納されるトランザクションデータ値へ適用することに基づいて算出されてよい。認証スコアは関連ブロックチェーントランザクションについての詐欺の可能性の指示子を、認証規則212とトランザクションデータ値とに基づいて提示してよい。ステップ408にて処理サーバ102の認証モジュール224はブロックチェーントランザクションについての検証スコアを算出してよい。検証スコアは1以上の検証規則214を、トランザクションメッセージに含まれる対応データ要素に格納されるトランザクションデータ値へ適用することに基づいて算出されてよい。検証スコアは関連ブロックチェーントランザクションについての詐欺の可能性の指示子を、検証規則214とトランザクションデータ値とに基づいて提示してよい。例えば検証規則は、対応ブロックチェーにおけるデータ記録に基づいて、送信者アドレスが通貨金額へアクセスを有することの検証を含んでよい。
【0052】
ステップ410にて、処理サーバ102の送信装置226はトランザクションメッセージ内の対応データ要素に格納されたブロックチェーンデータを(算出された認証スコア及び検証スコアと共に)ブロックチェーン処理装置400へ電子的に送信してよい。ブロックチェーン処理装置400はブロックチェーンネットワーク114に関連付けられたコンピューティング装置及び/又はシステムであってよい。これらに対してブロックチェーントランザクションが提出され、これらはブロックチェーンデータに含まれるネットワーク識別子によって識別されてよい。ブロックチェーン処理装置400は例えばトランザクション処理装置108又は、ブロックチェーンネットワーク114についてのノードとして機能するよう構成される他のコンピューティング装置であってよい。いくつかの実施形態では、処理サーバ102は1以上のブロックチェーンネットワーク114についてのブロックチェーン処理装置400として動作するよう構成されてよく、本開示のステップを実行してよい。
【0053】
ステップ412にてブロックチェーン処理装置400はブロックチェーンデータと、対応する認証スコア及び検証スコアを受信してよい。ステップ414にてブロックチェーン処理装置400はブロックチェーントランザクションの検証を完了してよい。検証の完了は、認証スコア、検証スコア及び対応閾値に基づいて、トランザクションが承認又は拒否されたことを判定することを含んでよい。いくつかの実施形態では、閾値はブロックチェーンデータに基づいてよい。例えばより高い通貨金額でのブロックチェーントランザクションはより高い閾値を有する。というのも、詐欺のリスクが高く、詐欺により生じる損害が大きいからである。いくつかの実施形態では、当業者に自明なように、ブロックチェーン処理装置400は追加の検証ステップ(伝統的ブロックチェーントランザクションにて実行される)を実行してよい。一旦トランザクションが最終的に検証されると、次いでステップ416にてブロックチェーン処理装置400はブロックチェーントランザクションをブロックチェーンに送信してそこに含める。
【0054】
私的ブロックチェーンを用いて電子的トランザクションを確認する例示的方法
図5は私的ブロックチェーンを用いてそこに含めるデータを送信することによる、電子的トランザクションの確認のための方法500を示す。
【0055】
ステップ502にて、ブロックチェーン(例えばブロックチェーン206)は処理サーバ(例えば処理サーバ102)のメモリ(例えばメモリ228)に格納されてよい。このときブロックチェーンは複数のデータ記録(例えばデータ記録208)を含む分散データベースであり、各データ記録は処理済み電子的トランザクションに関連付けられる。ステップ504にて、トランザクションメッセージは処理サーバの受信装置(例えば受信装置202)によって受信されてよい。このときトランザクションメッセージは電子的トランザクションに関連付けられ、1以上の基準に基づいて整形され、トランザクション種別を示すメッセージ種別指示子を少なくとも夫君でよい。各データ要素はトランザクションデータ値を格納するよう構成される。
【0056】
ステップ506にてデータ記録は処理サーバの生成モジュール(例えば生成モジュール216)によって生成される。このときデータ記録は電子的トランザクションに関連付けられ、受信されたトランザクションメッセージに含まれる複数のデータ要素に格納される少なくともメッセージ種別指示子と1以上のトランザクションデータ値とを含む。ステップ508にてブロックチェーンは更新モジュール(例えば更新モジュール218)によって更新され、生成されたデータ記録を含んでよい。
【0057】
ステップ510にて、受信されたトランザクションメッセージは、処理サーバの送信装置(例えば送信装置226)によって支払ネットワーク(例えば支払ネットワーク106)へ処理のために電子的に送信されてよい。ステップ512にて、更新されたブロックチェーンは処理サーバの送信装置によって複数のトランザクション処理装置(例えばトランザクション処理装置108)へ確認のために電子的に送信されてよい。
【0058】
一実施形態では、トランザクション種別は次のうち1つであってよい。すなわち、承認、清算、又は決算である。いくつかの実施形態では、1以上の基準はISO8583標準を含んでよい。一実施形態では、生成されたデータ記録は受信されたトランザクションメッセージを含んでよい。いくつかの実施形態では、トランザクションデータ値は次のうち1つを含む。すなわち、トランザクション金額、トランザクション時刻、トランザクション日付、主要アカウント番号、販売者識別子、発行者識別子、アクワイアラ識別子、プロセッサ識別子、及び地理的位置である。一実施形態では、処理サーバは支払ネットワークに関連付けられたトランザクション処理装置であってよい。いくつかの実施形態では、複数のトランザクション処理装置の各々は、支払ネットワークに関連付けられてよい。
【0059】
一実施形態では、方法500は更に次のことを含んでよい。すなわち、処理サーバの受信装置によって更に更新されたブロックチェーンをトランザクション処理装置から受信することであって、更に更新されたブロックチェーンは複数のデータ記録と生成されたデータ記録と新たなデータ記録とを含む、ことと、処理サーバの確認モジュール(例えば確認モジュール220)によって、新たなデータ記録を確認すること、である。別の実施形態では、方法500は更に、処理サーバのメモリに1以上の確認アルゴリズムを格納することであって、新たなデータ記録は1以上の確認アルゴリズムを、新たなデータ記録に含まれるデータへ適用することに基づいて確認される、ことである。他の実施形態では方法500は更に、処理サーバの送信装置によって新たなデータ記録の確認の認証と重畳されたデータ信号を、トランザクション処理装置へ電子的に送信することを含んでよい。
【0060】
トランザクション処理ネットワークを用いてブロックチェーントランザクションを確認する例示的方法
図6は、トランザクション処理ネットワークを用いて、トランザクションメッセージにて伝送されるデータを用いてブロックチェーントランザクションの確認を行う方法600を示す。
【0061】
ステップ602にて複数のトランザクション規則は処理サーバ(例えば処理サーバ102)の規則データベース(例えば規則データベース210)に格納されてよい。このとき複数のトランザクション規則は、電子的トランザクションを認証するよう構成される少なくとも1以上の認証規則(例えば認証規則212)と、ブロックチェーントランザクションを検証するよう構成される1以上の検証規則(例えば検証規則214)とを含む。ステップ604にて、トランザクションメッセージは処理サーバの受信装置(例えば受信装置202)によって受信されてよい。このときトランザクションメッセージは電子的トランザクションに関連付けられ、1以上の基準に基づいて整形され、トランザクション種別を示すメッセージ種別指示子と複数のデータ要素とを少なくとも含んでよい。当該データ要素は、ブロックチェーンデータを格納するよう構成された1以上の第1のデータ要素と、トランザクションデータ値を格納するよう構成された複数の追加データ要素とを少なくとも含んでよい。
【0062】
ステップ606にて電子的トランザクションの認証スコアは、1以上の認証規則の少なくとも1つを、受信されたトランザクションメッセージに含まれる複数の追加データ要素に格納されるトランザクションデータ値へ適用することに基づいて、処理サーバの認証モジュール(例えば認証モジュール224)によって識別されてよい。ステップ608にて電子的トランザクションの検証スコアは、1以上の検証規則の少なくとも1つを、受信されたトランザクションメッセージに含まれる1以上の第1のデータ要素に格納されるブロックチェーンデータへ適用することに基づいて、処理サーバの検証モジュール(例えば検証規則214)によって識別されてよい。
【0063】
ステップ610にてデータメッセージは処理サーバの生成モジュール(例えば生成モジュール216)によって生成されてよい。このとき当該データメッセージは受信されたトランザクションメッセージに含まれる1以上の第1のデータ要素に格納されるブロックチェーンデータと識別された認証スコアと識別された検証スコアとを少なくとも含む。ステップ612にて生成されたデータメッセージは処理サーバの送信装置(例えば送信装置226)によって、受信されたトランザクションメッセージに含まれる1以上の第1のデータ要素に格納されたブロックチェーンデータに関連付けられたブロックチェーンネットワーク(例えばブロックチェーンネットワーク114)へ電子的に送信されてよい。
【0064】
一実施形態では、ブロックチェーンデータは次のうち少なくとも1つを含んでよい。すなわち、ネットワーク識別子、ネットワークアドレス、送信者アドレス、受信者アドレス、及び通貨金額である。別の実施形態ではブロックチェーンネットワークはブロックチェーンデータに含まれるネットワーク識別子に関連付けられてよい。いくつかの実施形態では、トランザクション種別は承認要求であってよい。一実施形態では、1以上の基準はISO8583標準を含んでよい。いくつかの実施形態では、トランザクションデータ値は次のうち1つを含んでよい。すなわち、トランザクション金額、トランザクション時刻、トランザクション日付、主要アカウント番号、販売者識別子、発行者識別子、アクワイアラ識別子、プロセッサ識別子、及び地理的位置である。
【0065】
一実施形態では、複数の追加データ要素の1つは、トランザクション識別子を含んでよい。生成されたデータメッセージは更にトランザクション識別子を含んでよい。いくつかの実施形態では、生成されたデータメッセージは電子的に送信されたデータ信号に重畳されることによって電子的に送信されてよい。一実施形態では、1以上の認証規則の少なくとも1つは次のうち少なくとも1つを認証することを含んでよい。すなわち、主要アカウント番号、個人識別番号、販売者識別子及び、トランザクションデータ値に含まれる地理的位置である。いくつかの実施形態では、1以上の検証規則の少なくとも1つは次のうち少なくとも1つを検証することを含んでよい。すなわち、送信者アドレス、受信者アドレス、ブロックチェーンアドレス及びブロックチェーンデータに含まれる通貨金額である。
【0066】
支払トランザクション処理システム及び処理
図7は、システム内の支払トランザクションを処理するための、トランザクション処理システム及び処理700を示す。処理700及びそこに含まれるステップは、上記システム100の1以上の構成要素(例えば処理サーバ102、金融機関104、支払ネットワーク106、トランザクション処理装置108、発行者110、アクワイアラ112等)によって実行されてよい。
図7及び本開示に示すシステム及び処理700を用いた支払トランザクションの処理は、支払レールを用いてよい。これは、処理700のステップを実行するのに用いられるコンピューティング装置と基盤と(これらは下記のエンティティによって特別に構成されプログラムされる)を含み、トランザクション処理サーバ712(これは支払トランザクションを処理するよう構成される1以上の支払ネットワークに関連付けられる)を含む。支払トランザクションの処理に関する1又は複数のステップに関し、処理700が
図3乃至6に示される処理に組み入れられてよいことは当業者に自明である。更に、処理700を実行するための本開示のエンティティは、下記の機能を実行するよう構成された1以上のコンピューティング装置又はシステムを含んでよい。例えば販売者706は1以上の販売時点端末と、ローカル通信ネットワークと、コンピューティングサーバと、下記の機能を実行するよう構成された他の装置とを含んでよい。
【0067】
ステップ720にて、発行者金融機関702は支払カード又は他の適切な支払手段を消費者704へ発行してよい。発行者金融機関は、金融機関(例えば銀行又は、支払アカウントと、及び/若しくは支払トランザクションに資金供給するために使用可能な支払アカウントと共に使用するための支払手段とを運営及び管理する他の適切な種類のエンティティ)であってよい。消費者704は発行者銀行702にてトランザクションアカウントを有してよい。それに対して発行された支払カードが関連付けられる。このため、支払トランザクションにおいて使用されると、支払トランザクションは関連付けられたトランザクションアカウントによって資金供給を受ける。いくつかの実施形態では、支払カードは消費者704に対し物理的に発行されてよい。他の実施形態では、支払カードは仮想支払カード又は電子形式で消費者704へ提供される他のものであってよい。
【0068】
ステップ722にて消費者704は、支払トランザクションへ資金供給する際に使用するために、発行された支払カードを販売者706へ提示してよい。販売者706は企業、他の消費者、又は消費者704との支払トランザクションを実行する任意のエンティティであってよい。物理カードを販売者706へ提供することによって、支払カードは消費者704によって提示されてよい。このとき支払カードについての支払詳細が(例えば近距離無線通信、無線通信、又は他の適切な電子送信種別及びプロトコルによって)電子的に送信され、又は、第三者を介して販売者706へ支払詳細を送信する処理が開始される。販売者706は(例えば電子的送信、物理支払カードからの読み取り等によって)支払詳細を受信してよい。これは、支払カード及び/又はトランザクションアカウントに関連付けられたトランザクションアカウント番号を少なくとも含んでよい。いくつかの実施形態では、支払詳細は1以上のアプリケーション暗号を含んでよい。これは支払トランザクションの処理において使用されてよい。
【0069】
ステップ724にて販売者706は販売時点コンピューティングシステムへトランザクション詳細を入力してよい。トランザクション詳細は支払カードに関連付けられた消費者704によって提供される支払詳細と、当該トランザクションに関連付けられた追加の詳細(例えばトランザクション金額、時刻及び/又は日付、商品データ、オファーデータ、ロイヤルティデータ、報酬データ、販売者データ、消費者データ、販売時点データ等)とを含んでよい。トランザクション詳細は、1以上の入力装置(例えば商品のバーコードを走査するよう構成された光学バーコードスキャナ、ユーザによる商品コード入力を受け付けるよう構成されたキーボード等)によって販売者706の販売時点端末へ入力されてよい。販売者の販売時点システムは、特別に構成されたコンピューティング装置及び/又は、(例えば支払レールによる)電子的金融トランザクションの処理と支払ネットワークとの通信とを目的とした特定用途コンピューティング装置であってよい。販売者の販売時点システムは電子装置であってよい。これ上で、販売時点システムは駆動される。このときアプリケーションは電子装置に、金融トランザクション情報を受信し、それを支払ネットワークへ送信させる。いくつかの実施形態では、販売者706は電子商取引におけるオンライン小売主であってよい。当業者にとって自明なように、そのような実施形態ではトランザクション詳細はショッピングカード又は電子トランザクションにおけるトランザクションデータを格納する他のリポジトリへ入力される。
【0070】
ステップ726にて、販売者706はトランザクションデータに重畳されたデータ信号を、ゲートウェイプロセッサ708へ電子的に送信してよい。ゲートウェイプロセッサ708は、整形及び加盟店金融機関710への送信のために、販売者706からトランザクション詳細を受信するよう構成されたエンティティであってよい。いくつかの実施形態では、ゲートウェイプロセッサ708は複数の販売者706と、複数の加盟店金融機関710とに関連付けられてよい。いくつかの実施形態では、ゲートウェイプロセッサ708は様々な販売者に関わる複数の異なるトランザクションにつきトランザクション詳細を受信する。これは、適切な加盟店金融機関710へ転送されてよい。複数の加盟店金融機関710と関係を有することによって且つ、支払レールを用いて(例えば、データの提出、受信及び検索のために使用される、ゲートウェイプロセッサ708又は金融機関と関連付けられたアプリケーションプログラミングインタフェースを用いることによって)金融機関と通信するための必須のインフラストラクチャを有することによって、ゲートウェイプロセッサ708は媒介者として動作してよく、販売者706は、単一の通信チャネルとフォーマットとによって、ゲートウェイプロセッサ708と共に支払トランザクションを実行可能である。このとき、複数の加盟店金融機関710又は、支払プロセッサ及びそれと関連付けられたハードウェアとの関係を維持する必要はない。加盟店金融機関710は、金融機関(例えば銀行又は、支払アカウントと、及び/若しくは当該支払アカウントと共に使用するための支払手段とを運営及び管理する他のエンティティ)であってよい。いくつかの実施形態では、加盟店金融機関710は販売者706についてのトランザクションアカウントを管理する。いくつかの実施形態では、単一の金融機関が、発行者金融機関702及び加盟店金融機関710の両方として動作してよい。
【0071】
販売者706からゲートウェイプロセッサ708へ送信されるデータ信号は、支払トランザクションについてのトランザクション詳細に重畳されてよい。これは、1以上の基準に基づいて整形されてよい。いくつかの実施形態では、当該標準はゲートウェイプロセッサ708によって規定されてよい。これは、トランザクションデータをゲートウェイプロセッサ708との間で送受するための一意の専用フォーマットを用いてよい。他の実施形態では、公的な基準(例えば国際標準化機構のISO8783標準)が用いられてよい。当該基準は、含まれるデータの種類と、データの整形と、どのようにデータが格納及び送信されるかと、ゲートウェイプロセッサ708へのトランザクションデータの他の送信基準とを示してよい。
【0072】
ステップ728にてゲートウェイプロセッサ708はトランザクションデータ信号を解析して、そこに重畳されたトランザクションデータを取得してよいし、必要に応じて当該トランザクションデータを整形してよい。トランザクションデータの整形は、ゲートウェイプロセッサ708によって、ゲートウェイプロセッサ708の又は支払トランザクションに関連付けられた加盟店金融機関710の専用基準に基づいて実行されてよい。専用基準はトランザクションデータに含まれるデータの種類と、データの格納及び送信のためのフォーマットとを指定してよい。加盟店金融機関710は、トランザクションデータを用いてゲートウェイプロセッサ708によって(例えばトランザクションデータを解析(例えばデータ要素へ分解)して、加盟店金融機関710に関連付けられたそこに含まれるアカウント識別子を取得することによって)識別されてよい。いくつかの実施形態では、ゲートウェイプロセッサ708は、識別された加盟店金融機関710に基づいて(例えば加盟店金融機関710によって指定された整形の基準に従って)トランザクションデータを整形してよい。いくつかの実施形態では、識別された加盟店金融機関710は、支払トランザクションに関わる販売者706に関連付けられてよく、いくつかの実施形態では、販売者706に関連付けられたトランザクションアカウントを管理してよい。
【0073】
ステップ730にてゲートウェイプロセッサ708は整形されたトランザクションデータに重畳されたデータ信号を、識別された加盟店金融機関710へ電子的に送信してよい。加盟店金融機関710は当該データ信号を受信し、当該信号を解析して、そこに重畳された整形済みトランザクションデータを取得してよい。ステップ732にて、加盟店金融機関は整形されたトランザクションデータに基づいて、支払トランザクションについての承認要求を生成してよい。承認要求は特別に整形されたトランザクションメッセージであってよく、これは1以上の基準(例えばISO8783標準)と、支払トランザクションを処理するために使用される支払プロセッサ(例えば支払ネットワーク)によって規定された基準とにしたがって整形される。承認要求はトランザクションメッセージであってよく、これは承認要求を示すメッセージタイプ指示子を含む。これは、支払トランザクションに関わる販売者706が、当該トランザクションについての発行者金融機関702からの支払又は支払の約束を要求していることを示す。承認要求は複数のデータ要素を含んでよく、各データ要素は関連付けられた基準における設定フォームとしてデータを格納する(例えばアカウント番号、アプリケーション暗号、トランザクション金額、発行者金融機関702情報等を格納する)よう構成される。
【0074】
ステップ734にて、加盟店金融機関710は承認要求を、処理のためにトランザクション処理サーバ712へ電子的に送信してよい。トランザクション処理サーバ712は、支払トランザクションを処理するよう構成される支払ネットワークの一部として、1以上のコンピューティング装置を含んでよい。いくつかの実施形態では、承認要求は加盟店金融機関710のトランザクションプロセッサ又は当該加盟店金融機関に関連付けられた他のエンティティによって送信されてよい。トランザクションプロセッサは、トランザクション処理サーバ712との通信(トランザクション処理サーバ712との間のトランザクションメッセージ及び他のデータの送受信のための通信)のための複数の通信チャネルを含む1以上のコンピューティング装置であってよい。いくつかの実施形態では、トランザクション処理サーバ712と関連付けられた支払ネットワークは各トランザクションプロセッサを有し又は動作させてよい。このため、支払ネットワークは、ネットワーク及び国際的セキュリティのために、トランザクション処理サーバ712との間のトランザクションメッセージの通信(送受信)に対する制御を維持してよい。
【0075】
ステップ736にて、トランザクション処理サーバ712は支払トランザクションにつき付加価値つきサービスを実行してよい。付加価値つきサービスは発行者金融機関702によって指定されるサービスである。これは、発行者金融機関702又は消費者704へ、支払トランザクションの処理に際して付加価値を提供してよい。付加価値つきサービスは例えば、詐欺スコアリング、トランザクション又はアカウント制御、アカウント番号マッピング、オファーの償還、ロイヤルティ処理等を含んでよい。例えばトランザクション処理サーバ712がトランザクションを受信すると、トランザクションについての詐欺スコアが、そこに含まれるデータと1以上の詐欺スコアリングアルゴリズム及び/又はエンジンとに基づいて算出されてよい。いくつかの実施形態では、トランザクション処理サーバ712はまず、トランザクションに関連付けられた発行者金融機関702を識別し、次いで発行者金融機関702によって示される実行対象の任意のサービスを識別してよい。発行者金融機関702は例えば、承認要求に含まれる特定のデータ要素に含まれるデータ(例えばイシュア識別番号)によって識別されてよい。他の実施形態では、発行者金融機関702は承認要求に格納された主要アカウント番号によって(例えば識別用の主要アカウント番号の一部(例えば銀行識別番号)を用いることで)識別されてよい。
【0076】
ステップ738にて、トランザクション処理サーバ712は承認要求を発行者金融機関702へ電子的に送信してよい。いくつかの実施形態では、トランザクション処理サーバ712による付加価値つきサービスの実行の結果として、承認要求は修正されてよいし、承認要求に追加データが含められ又はそこに追加データが付随してもよい。いくつかの実施形態では、承認要求は、発行者金融機関702又はそれに関連付けられたエンティティに位置するトランザクションプロセッサへ送信されてよい(例えばトランザクション処理サーバ712によって保有され又は動作されてよい)。これは、当該承認要求を発行者金融機関702へ転送する。
【0077】
ステップ740にて、発行者金融機関702は支払トランザクションの支払のために、トランザクションアカウントを承認してよい。当該承認はトランザクションアカウントに対する利用可能なクレジット金額と、支払トランザクションに対するトランザクション金額と、トランザクション処理サーバ712によって提供される詐欺スコアと、当業者にとって自明な他の考慮事項とに基づいてよい。発行者金融機関702は承認要求を修正して、支払トランザクションの承認(又はトランザクションが拒否されるときには拒否)を示す応答コードを含めてよい。発行者金融機関702はまた、トランザクションメッセージにつきメッセージ種別指示子を修正して、トランザクションメッセージが承認応答へ変更されることを示してよい。ステップ742にて、発行者金融機関702は承認応答をトランザクション処理サーバ712へ(トランザクションプロセッサを介して)送信してよい。
【0078】
ステップ744にて、トランザクション処理サーバ712は承認応答を加盟店金融機関710へ(トランザクションプロセッサを介して)転送してよい。ステップ746にて、加盟店金融機関は、承認応答の応答コードに示されるように、支払トランザクションの承認又は拒否を示す応答メッセージを生成してよく、ゲートウェイプロセッサ708によって設定された基準及びプロトコルを用いて当該応答メッセージをゲートウェイプロセッサ708へ送信してよい。ステップ748にてゲートウェイプロセッサ708は、適切な基準及びプロトコルを用いて、応答メッセージを販売者706へ転送してよい。ステップ770にて、販売者706は次いで、消費者704への支払トランザクションの一部として、消費者704によって購入された商品を提供してよい。
【0079】
いくつかの実施形態では、処理700が完了すると、発行者金融機関702から加盟店金融機関710への支払が実行されてよい。いくつかの実施形態では、支払は即座に行われてよいし、1営業日以内に行われてよい。他の実施形態では、支払は所定期間の後に行われてよいし、加盟店金融機関710からトランザクション処理サーバ712を介した発行者金融機関702への清算要求の提出に応じて行われてよい。そのような実施形態では、複数の支払トランザクションについての清算要求は、単一の清算要求に集約されてよい。これは、トランザクション処理サーバ712によって使用されて、支払トランザクションの清算につき、誰が誰に対して全体の支払を実行するかを識別してよい。
【0080】
通信パスが利用不可能ないくつかの実施形態では、システムはまた、支払トランザクションの処理を実行するよう構成されてよい。例えば(ステップ740にて)発行者金融機関がトランザクションアカウントの承認を実行できないとき、トランザクション処理サーバ712は発行者金融機関702に代わってトランザクションの承認を実行するよう構成されてよい。そのような動作は代理処理と示されてよい。このとき、トランザクション処理サーバは発行者金融機関702として代理する。そのような実施形態では、トランザクション処理サーバ712は発行者金融機関702によって設定されたルールを使用して支払トランザクションの承認又は拒否を判定し、ステップ744において加盟店金融機関710へ転送する前に、適宜トランザクションメッセージを修正してよい。トランザクション処理サーバ712は、トランザクション処理サーバ712が代理するトランザクションに関連付けられたデータを保持してよく、また、通信が再確立されたときに、当該保持されたデータを発行者金融機関702へ送信してよい。発行者金融機関702は次いで、適宜トランザクションアカウントを処理して、通信が損なわれた時間に対するサービスを提供してよい。
【0081】
他の実施形態では、トランザクション処理サーバ712が加盟店金融機関710による承認要求の提出に対し利用不可能なとき、加盟店金融機関710のトランザクションプロセッサはトランザクション処理サーバ712と発行者金融機関702との処理を実行するよう構成されてよい。トランザクションプロセッサは、支払トランザクションの承認又は拒否をそこに含まれるデータに基づいて判定する際に使用するのに適切なルールとデータとを含んでよい。例えば発行者金融機関702及び/又はトランザクション処理サーバ712は、トランザクションの種類、トランザクション金額等に制限を設定してよい。これは、トランザクションプロセッサに格納されて、それに基づく支払トランザクションの承認又は拒否の判定に用いられてよい。そのような実施形態では、仮にトランザクション処理サーバ712が利用不可能であっても、加盟店金融機関710は支払トランザクションに対する承認応答を受信してよい。このことは、通信が不可能な場合にもトランザクションが処理され中断が体験されないことを確実にする。そのような場合、トランザクションプロセッサは支払トランザクションについてのトランザクション詳細を格納してよい。これは、通信が再確立されたときに、トランザクション処理サーバ712へ(更に、例えば、そこから関連付けられた発行者金融機関702へ)送信される。
【0082】
いくつかの実施形態では、トランザクションプロセッサは複数の異なる通信チャネルを含むよう構成されてよい。これは、複数の通信カード及び/又は装置を用いて、トランザクションメッセージの送受信のためにトランザクション処理サーバ712と通信してよい。例えばトランザクションプロセッサは複数のコンピューティング装置を含んでよい。その各々は、トランザクション処理サーバ712に接続された複数の通信ポートを有する。そのような実施形態では、トランザクションプロセッサは、トランザクションメッセージをトランザクション処理サーバ712へ送信するときに通信チャネルを巡ってよく、ネットワーク混雑を軽減しより速く円滑な通信を確保してよい。更に通信チャネルが干渉され又は利用不可能な実施形態では、代替通信チャネルが利用可能であってよく、更に、ネットワークの稼働時間を増加させてよい。
【0083】
いくつかの実施形態では、トランザクションプロセッサは他のトランザクションプロセッサと直接通信するよう構成されてよい。例えば加盟店金融機関710でのトランザクションプロセッサは(例えばトランザクションメッセージに含まれる銀行識別番号によって、)承認要求が、何らの付加価値つきサービスが要求されない発行者金融機関702に関することを識別してよい。加盟店金融機関710でのトランザクションプロセッサは次いで、承認要求を、発行者金融機関702のトランザクションプロセッサへ直接送信してよい(例えばこのとき、トランザクション処理サーバ712を通過する承認要求は無い)。このとき発行者金融機関702は適宜トランザクションを処理してよい。
【0084】
複数の通信チャネルを用いた複数の通信方法を用いる上述の支払トランザクション処理方法であって、処理における複数点及びシステム内の複数位置にて、支払トランザクションの処理を提供するフェールセーフ(及び干渉時であっても通信がその宛先に無事に到達することを確実にする冗長性も同様)を含む処理方法は、強健なシステムを提供してよい。当該システムは、支払トランザクションが常に、最小限の誤りと干渉とで、無事に処理されることを確実にする。この発展ネットワーク及びそのインフラストラクチャ並びにトポロジは、「支払レール」を指してよい。ここでは、トランザクションデータは販売者から支払レールへと、何百万もの異なる販売時点で提出されて、当該インフラストラクチャを通って、適切なトランザクション処理サーバ712へと処理のためにルーティングされる。支払レールによって、汎用目的コンピューティング装置は、特別プログラム及び/又は構成無しには、レールへと通信を適切に整形又は提出できない。コンピューティング装置の特定目的によって、コンピューティング装置は、トランザクションデータを適切なエンティティ(例えばゲートウェイプロセッサ708、加盟店金融機関710等)へ、この発展ネットワークを用いた処理のために提出するよう構成されてよく、また、消費者704の能力に関する応答を迅速且つ効率的に受信するよう構成されて当該支払トランザクションへ資金供給してよい。
【0085】
コンピュータシステム基盤
図8は、コンピュータシステム800を示す。そこには、本開示の実施形態又はその一部が、コンピュータ読取り可能なコードとして実装されてよい。例えば
図1の処理サーバ102は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、格納された命令を有する非一時的なコンピュータ読取り可能な媒体、又はこれらの組合せを用いてシステム800内に実装されてよく、1以上のコンピュータシステム又は他の処理システムにおいて実装されてよい。ハードウェア、ソフトウェア及びこれらの任意の組合せは、
図3乃至7の方法を実装するために使用されるモジュール及びコンポーネントを実現してよい。
【0086】
プログラマブルロジックが使用される場合、そのようなロジックは、商業的に利用可能な処理プラットフォーム又は特定用途装置上で実行してよい。当業者は、開示された事項についての実施形態が、様々なコンピュータシステム構成で実行可能であることを理解する。当該システム構成は、マルチコアのマルチプロセッサシステムと、ミニコンピュータと、メインフレームコンピュータと、分散された機能でリンクされ又はクラスタ化されたコンピュータと、任意の装置へ仮想的に実装可能な汎用(pervasive)又はミニチュアのコンピュータとを含む。例えば少なくとも1つのプロセッサ装置及びメモリが、上記実施形態を実装するために使用されてよい。
【0087】
本開示のプロセッサユニット又は装置は、単一のプロセッサ、複数のプロセッサ、又はこれらの組合せであってよい。プロセッサ装置は、1以上のプロセッサ「コア」を有してよい。本開示の「コンピュータプログラム媒体」、「非一時的なコンピュータ可読媒体」及び「コンピュータ使用可能な媒体」との用語は、概して、有形の媒体(例えば取り外し可能なストレージユニット818、取り外し可能なストレージユニット822及びハードディスクドライブ812にインストールされたハードディスク等)を指すために使用される。
【0088】
本開示の様々な実施形態は、この例示的なコンピュータシステム800に関して記述される。本開示を読んだ後、当業者にとって、他のコンピュータシステム及び/又はコンピュータアーキテクチャを用いて本開示をどのように実装するかは自明である。動作はシーケンシャルな処理として開示されるが、いくつかの動作は実際には、並行して、同時に及び/又は分散環境で、実行されてよい。このとき、プログラムコードは、単一プロセッサの又はマルチプロセッサのマシンによってアクセスするために、ローカルに又はリモートに格納された状態である。更に、いくつかの実施形態では、動作の順番は、開示される事項の趣旨を逸脱することなく再配置可能である。
【0089】
プロセッサ装置804は、本開示の機能を実行するよう特別に構成された特定用途又は汎用プロセッサ装置であってよい。プロセッサ装置804は、通信インフラストラクチャ806(例えばバス、メッセージキュー、ネットワーク、マルチコアメッセージパススキーム等)へ接続されてよい。ネットワークは、本開示の機能を実行するのに適した任意のネットワークであってよく、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、無線ネットワーク(例えばWifi)、モバイル通信ネットワーク、衛星ネットワーク、インターネット、光ファイバ、同軸ケーブル、赤外線、無線周波数(RF)又はこれらの任意の組合せを含んでよい。他の適切なネットワークタイプ及び構成は、当業者にとって自明である。コンピュータシステム800はまた、メインメモリ808(例えばランダムアクセスメモリ、読み取り専用メモリ等)を含んでよく、また、補助メモリ810を含んでよい。補助メモリ810は、ハードディスクドライブ812と取り外し可能なストレージドライブ814(例えばフロッピーディスクドライブ、磁気テープドライブ、光ディスクドライブ、フラッシュメモリ等)とを含んでよい。
【0090】
取り外し可能なストレージドライブ814は、周知の方法で、取り外し可能なストレージユニット818から読み取りを行ってもよいし、そこへ書き込みを行ってもよい。取り外し可能なストレージユニット818は、取り外し可能なストレージドライブ614によって読み取られ又は書き込まれることができる、取り外し可能なストレージ媒体を含んでよい。例えばもし取り外し可能なストレージドライブ814がフロッピーディスクドライブ又はユニバーサルシリアルバスポートであれば、取り外し可能なストレージユニット818はそれぞれ、フロッピーディスク又はポータブルフラッシュドライブであってよい。一実施形態では、取り外し可能なストレージユニット818は非一時的な可読記憶媒体であってよい。
【0091】
いくつかの実施形態では、補助メモリ810は代替手段を含み、コンピュータプログラム又は他の命令がコンピュータシステム800(例えば取り外し可能なストレージユニット822及びインタフェース820)にロードされることを可能にしてよい。そのような手段の例は、(例えばビデオゲームシステムで見られる)プログラムカートリッジ及びカートリッジインタフェース、取り外し可能なメモリチップ(例えばEEPROM、PROM等)、関連ソケット、他の取り外し可能なストレージユニット822及びインタフェース820を含んでよい。このことは当業者にとって自明である。
【0092】
コンピュータシステム800に(例えばメインメモリ808に及び/又は補助メモリ810に)格納されたデータは、任意のタイプの適切なコンピュータ読取り可能な媒体(例えば光ストレージ(コンパクトディスク、デジタル多目的ディスク、Blu-rayディスク等)又は磁気テープストレージ(例えばハードディスクドライブ))上に格納されてよい。データは任意のタイプの適切なデータベース構成(例えばリレーショナルデータベース、構造化照会言語(SQL)データベース、分散データベース、オブジェクトデータベース等)で構成されてよい。適切な構成及びストレージタイプは、当業者にとって自明である。
【0093】
コンピュータシステム800はまた、通信インタフェース824を含んでよい。通信インタフェース824は、ソフトウェア及びデータが、コンピュータシステム800と外部装置との間で送信されることを可能にしてよい。例示的な通信インタフェース824は、モデム、ネットワークインタフェース(例えばイーサネットカード)、通信ポート、PCMCIAスロット及びカード等を含んでよい。通信インタフェース824を介して転送されるソフトウェア及びデータは信号形式であってよい。当該信号形式は、電子の、電磁気の、光の、又は当業者にとって自明な他の信号のものであってよい。信号は、通信パス826を介して伝わる。当該通信パス826は信号を伝送するよう構成され、電線、ケーブル、光ファイバ、電話線、携帯電話リンク、無線周波数リンク等を用いて実装されてよい。
【0094】
コンピュータシステム800は表示インタフェース802を更に含んでよい。表示インタフェース802は、データが、コンピュータシステム800と外部表示部830との間で転送されることを可能にするよう構成されてよい。例示的な表示インタフェース802は、高精細度マルチメディアインタフェース(HDMI)、デジタルビジュアルインタフェース(DVI)、ビデオグラフィックスアレイ(VGA)等を含んでよい。表示部830は任意の適切なタイプのディスプレイであってよく、コンピュータシステム800の表示インタフェース802を介して転送されるデータを表示する。表示部830は、ブラウン管(CRT)ディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、発光ダイオード(LED)ディスプレイ、静電容量方式タッチディスプレイ、薄膜トランジスタ(TFT)ディスプレイ等を含む。
【0095】
コンピュータプログラム媒体及びコンピュータ使用可能な媒体は、メモリ(例えばメインメモリ808及び補助メモリ810)を指してよく、半導体メモリ(DRAM等)であってよい。これらのコンピュータプログラム製品は、コンピュータシステム800へソフトウェアを提供するための手段であってよい。コンピュータプログラム(例えばコンピュータ制御ロジック)は、メインメモリ808及び/又は補助メモリ810に格納されてよい。コンピュータプログラムはまた、通信インタフェース824を介して受信されてよい。そのようなコンピュータプログラムは、実行されると、コンピュータシステム800が本開示の方法を実行することを可能にしてよい。特に、コンピュータプログラムは、実行されると、プロセッサ装置804が
図3乃至7に示される本開示の方法を実行することを可能にしてよい。したがって、そのようなコンピュータプログラムはコンピュータシステム800のコントローラを示す。本開示はソフトウェアを使用して実装される。当該ソフトウェアは、取り外し可能なストレージドライブ814、インタフェース820、及びハードディスクドライブ812又は通信インタフェース824を用いて、コンピュータプログラム製品に格納されてコンピュータシステム800へロードされてよい。
【0096】
プロセッサ装置804は、コンピュータシステム800の機能を実行するよう構成される1以上のモジュール又はエンジンを含んでよい。各モジュール又はエンジンは、ハードウェアを用いて実装されてよく、いくつかの実施形態ではソフトウェア(例えばこれは、メインメモリ808又は補助メモリ810に格納されるプログラムコード又はプログラムに対応する)を用いてよい。そのような実施形態では、プログラムコードは、コンピュータシステム800のハードウェアによる実行前に、プロセッサ装置804によって(例えばモジュール又はエンジンをコンパイルすることによって)コンパイルされてよい。例えばプログラムコードは、低レベルの言語へと解釈されるプログラミング言語で記述されたソースコード(例えばアセンブリ言語又は機械コード)であってよい。これは、プロセッサ装置804及び/又はコンピュータシステム800の任意の追加のハードウェア構成要素によって実行するためのものである。コンパイル処理は、語彙解析と、前処理と、解析と、意味解析と、文法指向の翻訳と、コード生成と、コード最適化と、コンピュータシステム800の制御のためにプログラムコードを低レベルの言語へ解釈して本開示の機能を実行するのに適した任意の他の技術との使用を含んでよい。当業者にとって、そのような処理によって、コンピュータシステム800は、上記の機能を実行するよう一意にプログラムされた特別構成コンピュータシステム800になることは自明である。
【0097】
本開示に一貫する技術は、他の特徴の中でも、ブロックチェーントランザクションと電子的トランザクションとを、私的ブロックチェーン及び私的ネットワークの療法を使用することによって確認するシステム及び方法を提供する。本開示のシステム及び方法の様々な例示的実施形態が上述されるが、それらは限定目的でなく例示目的のみで示されることを理解されたい。それは徹底したものでなく、本開示を、開示された形態そのものへ限定しない。上記の教示に照らして修正例及び変形例が可能である。広がり又は範囲を逸脱すること無く、本開示の実装から修正例及び変形例が得られてよい。